JP2004510889A - クロムの精製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
発明の背景
1.発明の分野
本発明の方法は、電解法、アルミニウムテルミット法、または他の乾式冶金法から得られてきた粗製クロム金属(raw chromium metal)の精製に関する。本発明の方法では、この粗製クロム金属を高温において水素ガスおよび真空で処理して、クロム金属の炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)および硫黄(S)の含有量を減少させる。精製されたクロム金属は、ガス状不純物の含有量が少ないクロム金属が要求される冶金および電子用途に適している。
【0002】
2.関連技術の説明
粗製クロム金属は、電解法、アルミニウムテルミット法、または他の乾式冶金法のいずれかにより調製される。電解法により調製されるクロム金属は、プレートとして得られ、一般的に、0.006重量%のC、0.5重量%のO、0.03重量%のN、および0.03重量%のSのガス状不純物含有量を有する。アルミニウムテルミット法により製造されるクロム金属は、でこぼこの塊として製造され、その後、より小さい寸法に研磨される。アルミニウムテルミット法により製造されたクロム金属中のガス状不純物の含有量は、原料の混合順序および反応がま中の試料の位置に依存して変動する。アルミニウムテルミット法により製造された、脱気等級(degasifying−grade)のクロム金属の一般的な不純物分析結果は、0.03重量%のC、0.5重量%のO、0.05重量%のN、および0.02重量%のSである。粗製クロム金属を製造する他の乾式冶金法は、真空下での酸化クロムまたはオキシ水酸化クロムの炭素熱還元である。ここで、これらの2つの方法により得られた粗製クロム金属の化学的性質は混合順序および加工条件に依存して変動する。通常、炭素および酸素の不純物分析結果は、他の方法よりも大きい相違を示す。炭素熱還元により製造された脱気等級のクロム金属に関する炭素および酸素の不純物含有量は、オキシ水酸化クロムが用いられた場合には、0.01から0.3重量%のCおよび0.03から0.35重量%のOの範囲にあり、酸化クロムが用いられた場合には、0.89から1.76重量%のCおよび1.18から1.71重量%のOの範囲にある。全ての場合において、粗製クロム金属は一般的に約99.1重量%のクロム含有量を有する。
【0003】
タービンエンジンの部品のようなクロム金属の重大な冶金用途のいくつかでは、クロム金属中のガス状不純物の含有量が低いことが要求される。電解法、アルミニウムテルミット法、または他の乾式冶金法により調製されるクロム金属中のガス状不純物の含有量は、重大な冶金用途にとっては高すぎ、粗製クロム金属は、これらの不純物を0.03重量%のC、0.03重量%のO、0.002重量%のN、および0.001重量%のS未満のレベルまで低下させるために精製する必要がある。
【0004】
粗製クロム金属の従来の精製プロセスでは、反応時間を最小にするために粉末クロム金属が使用される。しかしながら、このクロム金属粉末は、精製プロセス中に効率的に取り扱うために、ペレットまたはブリケットに凝集される。このペレットまたはブリケットに未焼成強度を与えるために、通常結合剤が加えられる。意図する精製反応を行うために、ブリケットを形成しているときに他の反応体もこの粉末に加えられる。例えば、酸素を除去するために炭素が加えられ、硫黄を除去するために、スズ、ニッケル、銅、または水銀が加えられる。
【0005】
従来の精製プロセスでは、このペレットまたはブリケットは、C、O、N、およびSの残留含有量を調節するために、真空下において1100℃から1500℃で処理される。米国特許第5,092,921号を参照のこと。
【0006】
従来の精製プロセスに関連する問題の1つは、精製されたクロム金属の最終的な化学的性質が、加えられた反応体の化学量論的関係、ブレンドの品質、および精製反応の条件の精密な制御に依存することである。凝集において加えられた反応体が避けられない秤量誤差を被る、成分の混合物のブレンドが不十分である、および/または精製反応に関する加工変動要素がうまく制御されないという点でしばしば問題が生じる。その結果、最終生成物の化学的性質が一貫性のないものとなりうる。
【0007】
様々な従来のプロセスでは、脱硫剤の添加をやめている。米国特許第4,504,310号およびイギリス国特許第2,255,349号を参照のこと。しかしながら、そのようなプロセスでは硫黄含有量が制御されない。
【0008】
C、O、N、およびSのガス状元素を一緒に制御し、一貫した結果を生じる、商業的に実行できるプロセスが必要とされている。
【0009】
発明の概要
添加される還元剤、脱硫剤および/または結合剤の使用を避ける、電解法、アルミニウムテルミット法、または他の乾式冶金還元法のいずれかにより得られる粗製クロム金属を精製する方法がここで発見された。本発明の方法では、いずれの添加剤も含まない粗製クロム金属を用いる。本発明の方法は、粗製クロム金属を水素ガスおよび真空により処理して、精製されたクロム金属を製造する工程を含む。精製されたクロム金属中の酸素および硫黄の残留含有量は、水素ガスの量および水素ガス処理工程中の温度により制御され、一方で、該精製されたクロム金属中の残留窒素の含有量は、真空の程度および真空工程中の温度により制御される。本発明の方法は、一貫した均一な結果を生じるために示された。
【0010】
概して、本発明の方法は、約2時間から約10時間までの期間に亘り、約1200℃から約1600℃までの温度で、1Kgのクロム金属当たり約0.8m3以上の量の水素ガスで粗製クロム金属を処理し;約2時間から約60時間までの期間に亘り、約1200℃から約1600℃までの温度で水銀柱約100μm(15Pa)以下の圧力での真空により該クロム金属を処理する各工程を含む。
【0011】
水素および真空の処理工程の順序は重要ではないが、粗製クロム金属を最初に水素で処理し、その後、真空により処理することが好ましい。
【0012】
本発明の方法は、粗製クロム金属粉末、結合剤または他の添加剤を含まずに形成された粗製クロム金属粉末の圧縮体、または粗製クロム金属のフレークについて行うことができる。本発明の方法は、結合剤も他の添加剤も含まないクロム金属粉末の圧縮体について最もうまく行われる。
【0013】
本発明により、残留する炭素、酸素、窒素および硫黄が少ない高純度クロム金属が製造されることが分かった。本発明の精製されたクロム金属は、99重量%より多いクロム、0.003重量%未満の炭素、0.001重量%未満の硫黄、0.03重量%未満の酸素、および0.002重量%未満の窒素を含む組成を有することが分かった。これら全ての百分率は、精製されたクロム金属の重量に基づく。本発明の精製方法により、最終生成物において一貫した化学的性質が得られることも分かった。さらに詳しくは、この精製されたクロム金属は、約99.5重量%以上の、より好ましくは、約99.7重量%以上のクロム含有量を有する。
【0014】
発明の詳細な説明
精製プロセスが施される粗製クロム金属は、粉末形態、フレーク形態、または圧縮形態のいずれかにある。電解法、アルミニウムテルミット法または他の乾式冶金法により製造される粗製クロム金属は通常粉末の形態で調製される。
【0015】
粉末形態において、クロム金属粉末は、好ましくは、約0.5mm(32M×D)未満の粒径、より好ましくは、約0.25mm(60M×D)未満の粒径を有する。処理されるときには、取扱いを容易にするために、粉末は不活性容器内に収容されていなければならない。均一な化学的性質のための臨界拡散寸法(例えば、容器内の床における金属粉末の厚さ)は好ましくは、約25mm以下である。
【0016】
金属がフレーク形態にある場合、そのフレークは約0.5mm未満の厚さを有することが好ましい。
【0017】
圧縮形態において、圧縮体は、約25mm以下、より好ましくは、約22mm以下の臨界拡散寸法を有する。この圧縮体は、ペレット、ブリケットまたはタブレットのようなどのような形態をとっていても差し支えない。実際の形状は、臨界拡散寸法の制限が満たされていれば重要ではない。クロム金属粉末は、結合剤または他の添加剤も用いずに圧縮される。圧縮のために用いられる好ましい粉末は上述したようなものである。
【0018】
圧縮は、機械的力を利用して、添加剤を含まない前記粉末を従来の設備を用いた従来の様式で圧縮体に圧縮することにより行われる。圧縮中に用いられる圧力は、約50,000psi(35×107Pa)以上、より好ましくは、約80,000psi(55×107Pa)以上である。この圧縮により、約4.8グラム/cm3の見掛密度を有し、処理中の取扱いに耐えるのに十分な強度を有する圧縮体(未焼成ペレット)が製造される。水素ガスおよび反応精製物、水蒸気および硫化水素が、本発明の方法の最中に圧縮体の細孔中に拡散する必要がある。拡散浸透の性質は、反応速度および化学的性質における変動性に影響を与える。圧縮体を通る拡散距離が短いほど、反応時間が短く、かつ化学的性質における変動性が小さくなる傾向にある。したがって、この圧縮体の寸法および形状は、実際的にできるだけ短い臨界拡散寸法を有する必要がある。ディスク形の圧縮体については、圧縮体の厚さは直径よりも短く、その厚さが臨界拡散寸法となる。円柱形の圧縮体については、直径は長さよりも短く、その直径が臨界拡散寸法となる。約25mm未満、好ましくは、
約22mm未満の厚さ、および約25mmより大きい、好ましくは、約40mmより大きい直径を有するディスク形状にある圧縮体を調製することが好ましい。圧縮体の寸法が大きすぎる場合には、圧縮体中に亘る化学的性質が不均一となることが分かった。それらの寸法が小さすぎる場合には、圧縮体の生産性が低下してしまう。したがって、臨界拡散寸法は、圧縮体を横切る最短距離である。
【0019】
水素処理は、従来の設備を用いて従来の様式で行われる。この水素処理中の温度は、約1200℃から約1600℃まで、より好ましくは、約1450℃から約1550℃まで、最も好ましくは、約1500℃である。水素処理の時間は、約2時間から約10時間まで、より好ましくは、約4時間から約6時間までである。その処理中に用いられる水素ガスの量は、温度に依存して変動する。水素ガスの量は、処理されるクロム金属1Kg当たり約0.8m3以上、より好ましくは、処理されるクロム金属1Kg当たり約1.3m3以上である。これらの値は、約1500℃で最もうまく用いられる。約5時間の期間に亘り約1500℃の温度で圧縮体1Kg当たり約2.6m3の量の水素ガスを用いることにより良好な結果が得られることが分かった。
【0020】
水素は、酸素よりも硫黄とより効率的に反応し、水素精製条件はクロム金属中の酸素との反応により規定できることが分かった。粗製クロム金属中の酸素は酸化クロム、Cr2O3として結合され、水素との精製反応は、以下のように支配される:
【化1】
このことは、気相中の水素が、上述した支配方程式において定義された比率よりも高い値で維持される必要があることを示す。PH2対PH2Oの比率が、様々な温度で計算され、以下に示されている。
【0021】
【表1】
これは、処理のための水素ガスの量が、温度が上昇するにつれて小さくなることを示す。温度が低すぎる場合には、クロム金属を処理するための水素ガスの量は、前記方法が経済的であるには過剰になりすぎてしまう。温度が高すぎる場合には、水素ガスの必要量が少ないが、クロムの蒸気としての損失が著しくなる。それゆえ、水素精製のための温度が1400℃から1600℃までの範囲にある、より好ましくは、1500℃であることが好ましい。
【0022】
粗製クロム金属を処理するための水素ガスの平衡量は、1500℃での0.5重量%の初期酸素含有量で、クロム金属1Kg当たり約1.3m3である。この平衡値を超える過剰な量の水素により、確実に一貫した結果が得られる。
【0023】
水素ガス処理は、従来の設備を用いて従来の様式で行われる。容器が圧縮体を保持し、水素ガスが水素供給タンクによりその容器に供給される。この容器は、容器の内部容積を加熱するための手段を有する。
【0024】
真空処理は、従来の設備を用いて従来の様式で行われる。真空処理は、水銀柱約100μm(15Pa)以下の圧力で、より好ましくは、水銀柱約10μm(1.5Pa)以下の圧力で行われる。真空処理中の温度は、約1200℃から約1600℃まで、より好ましくは、約1400℃である。真空処理の時間は、約2時間から約60時間まで、より好ましくは、約4時間から約6時間までである。クロム金属が粉末形態にある場合には、粉末が、真空処理チャンバを排気するために用いられる真空パイプ中に吸い込まれるのを防ぐために、必要な手段を取らなければならない。
【0025】
好ましくは、水素処理を最初に行い、次いで、真空処理を行う。水素処理はクロム金属中の酸素および硫黄不純物の両方を減少させ、一方で、真空処理工程はクロム金属中の窒素含有量を減少させる。しかしながら、これら2つの処理は、真空処理を最初に行って窒素を除去し、次いで、クロム金属から酸素および硫黄を除去するように水素処理を行うように逆にしても差し支えない。
【0026】
これらの処理後、不活性ガス雰囲気中または真空下でクロム金属を冷却させる。冷却中に使用するための適切な不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、および水素ガスが挙げられる。冷却中に使用するのに好ましいガスは水素ガスである。冷却は従来の様式で従来の設備を用いて行う。
【0027】
好ましくは、クロム金属を加熱し、その温度を維持しながら水素および真空により処理し、次いで、冷却工程を行う。本発明の好ましい工程、すなわち、加熱、水素処理、真空処理、冷却処理は、バッチまたは連続様式で行っても差し支えない。バッチ様式の操作は、1つの容器中で前記工程を行うことができる。連続様式は、特化した区画または容器を通して連続して前記工程を行うことができる。連続工程は、一般的に、操作するのがより経済的であり、好ましい。
【0028】
本発明の好ましい工程の順序は以下のとおりである。最初に、クロム金属粉末を圧縮し、次に、圧縮したクロム金属粉末を加熱し、水素ガスで処理し、次いで、水素ガス処理された圧縮クロム金属粉末を、処理工程中の圧縮クロム金属粉末の温度を維持しながら真空中で処理する。最後に、真空処理後に、圧縮クロム金属粉末を冷却し、回収する。
【0029】
本発明のこれらと他の態様は、以下の実施例の1つ以上を参照することによりより完全に理解されるであろう。
【0030】
実施例1
この実施例は、クロム金属粉末から拡散寸法を有する圧縮体を形成し、それらを水素ガスで処理して酸素および硫黄を減少させる各工程を説明する。
【0031】
粗製クロム金属粉末(0.25mm、60M×D)を、添加剤を用いずに、56,000psi(39×107Pa)の圧縮力でディスク形状体に圧縮した。粗製クロム金属粉末は、0.006重量%のC、0.5重量%のO、0.03重量%のN、および0.03重量%のSの不純物含有量を有した。
【0032】
各々31mmの直径を有する3つの異なるディスク形状圧縮体を形成した。これら3つの圧縮体は、12.7、19、および25.4mmの異なる厚さ(臨界拡散寸法)を有した。それらの各々を4時間に亘り1600および1860cc/分の流量の水素ガスにより1450℃で処理した。真空処理工程は行わなかった。
【0033】
水素処理の能力は、精製されたクロム金属中の残留酸素および硫黄の含有量を測定することにより評価した。結果は以下のとおりであった:
【表2】
表から分かるように、残留硫黄含有量は、圧縮体の厚さにかかわらず0.001重量%未満である。残留酸素含有量は、圧縮体の厚さとともに増加することが示されている。0.05重量%以下の酸素含有量は、その厚さを25.4mm未満に維持することにより得られる。
【0034】
実施例2
この実施例は、クロム金属粉末から圧縮体を形成し、それらを異なる量の水素ガスで処理して酸素および硫黄を減少させる各工程を説明する。
【0035】
実施例1において用いたものと同様の粗製クロム金属粉末を、添加剤を用いずに、80,000psi(55×107Pa)の圧縮力でディスク形状圧縮体に圧縮した。これらの圧縮体は、32mmの直径を有し、中心での厚さが22mmであり、縁での厚さが11mmであるタブレット形態に調製された。臨界拡散寸法は22mmである。
【0036】
これらのタブレットを4時間に亘り1450℃で様々な水素ガス量で処理した。真空処理工程は行わなかった。
【0037】
能力は、精製されたクロム金属中の残留酸素および硫黄の含有量を測定することにより評価した。結果は以下のとおりであった:
【表3】
表から分かるように、残留硫黄含有量は各々の場合で0.001重量%未満である。残留酸素含有量は水素ガスの量が増加するとともに減少するが、1キログラムのクロム当たり1.7m3の平衡状態での値より多い量ではゆっくりと減少する。このことは、残留酸素含有量が、1キログラムのクロム当たり1.7m3よりも多い量の水素ガスで0.05重量%未満となることを示す。
【0038】
実施例3
この実施例は、本発明の複合水素および真空処理工程により得られた結果を示す。該実施例はまた、1つのバッチ内で本発明により得られる均一性も示す。
【0039】
実施例1において用いたものと同様の粗製クロム金属粉末を、添加剤を用いずに、80,000psi(55×107Pa)の圧縮力でタブレットに圧縮した。これらのタブレットは、32mmの直径を有し、中心での厚さが22mmであり、縁での厚さが11mmであった。臨界拡散寸法は22mmであった。
【0040】
これらのタブレットを最初に、5時間に亘り1450℃の温度で1Kgのクロム金属当たり2.8m3の流量の水素ガスで処理した。続いて、5つのタブレットを60時間に亘り1450℃の温度で水銀柱15から40μm(2から5.3Pa)の真空下で処理した。真空下での冷却後、各々のタブレットを、炭素、酸素、窒素、および硫黄について分析した。それらの結果は以下のとおりであった:
【表4】
表から分かるように、炭素、酸素、窒素、および硫黄の残留含有量は、0.003重量%未満のC、0.03重量%のO、0.002重量%未満のNおよび0.001重量%未満のSである。
【0041】
実施例4
この実施例は、実施例3での温度よりも高い温度で本発明の水素処理工程から得られた結果を示す。該実施例はまた1つのバッチ内で本発明により得られる均一性も示す。
【0042】
実施例1において用いたものと同様の粗製クロム金属粉末を、添加剤を用いずに、80,000psi(55×107Pa)の圧縮力でタブレットに圧縮した。これらのタブレットは、32mmの直径を有し、中心での厚さが22mmであり、縁での厚さが11mmであった。臨界拡散寸法は22mmであった。
【0043】
これらのタブレットを最初に5時間に亘り1Kgのクロム金属当たり2.57m3の流量の水素ガスで処理した。温度は、1時間当たり25℃の速度で1450℃から1550℃まで段階的に上昇させた。水素下での冷却後、各々のタブレットを、炭素、酸素、窒素、および硫黄について分析した。それらの結果は以下のとおりであった:
【表5】
表から分かるように、炭素、酸素、および硫黄の残留含有量は、0.003重量%未満のC、0.03重量%のO、および0.001重量%未満のSである。
【0044】
請求項は、本発明の精神および範囲から逸脱しない、説明目的のためにここに選択された本発明の好ましい実施の形態の全ての変更および改変を含むことを意図したものであることが理解されよう。
Claims (15)
- 電解法、アルミニウムテルミット法、または乾式冶金法から得られたクロム金属を精製する方法であって、
前記クロム金属を、約2時間から約10時間までの期間に亘り約1200℃から約1600℃までの温度で、1Kgのクロム金属当たり約0.8m3以上の量の水素ガスで処理し、
前記クロム金属を、約2時間から約60時間までの期間に亘り約1200℃から約1600℃までの温度で、水銀柱約100μm(15Pa)以下の圧力の真空中で処理し、
精製されたクロム金属を冷却し、回収する、
各工程を含むことを特徴とする方法。 - 前記水素処理が約1500℃で行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記水素処理が約4時間から約6時間までに亘り行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記水素処理が、1Kgのクロム金属当たり約2.6m3の水素ガスにより行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記真空処理が約1400℃で行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記真空処理が約4時間から約6時間までに亘り行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記真空処理が、水銀柱約10μm(1.5Pa)以下で行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記水素処理が前記真空処理の前に行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記真空処理が前記水素処理の前に行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記クロム金属が、約25mm以下の臨界拡散寸法を有する、添加剤を含まない圧縮体の形態にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記クロム金属が、約0.5mm以下の粒径を有する粉末の形態にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記クロム金属が、約0.5mm以下の厚さを有するフレークの形態にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記方法が、前記処理の前に、添加剤を含まないクロム金属粉末を圧縮して、圧縮体を形成する工程を含み、該圧縮が、25mm以下の臨界拡散寸法を有する圧縮体を形成するために約50,000psi(35×107Pa)以上の圧力で行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記圧縮が約80,000psi(55×107Pa)で行われることを特徴とする請求項13記載の方法。
- 前記圧縮体が約22mm以下の臨界拡散寸法を有することを特徴とする請求項13記載の方法。
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