JPH086121B2 - 低酸素金属クロム粉末の製造方法 - Google Patents

低酸素金属クロム粉末の製造方法

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JPH086121B2 JP61306578A JP30657886A JPH086121B2 JP H086121 B2 JPH086121 B2 JP H086121B2 JP 61306578 A JP61306578 A JP 61306578A JP 30657886 A JP30657886 A JP 30657886A JP H086121 B2 JPH086121 B2 JP H086121B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は低酸素金属クロム粉末の製造方法に関するも
のである。更に詳しくは、真空炉または水素炉で脱酸を
行った金属クロムを粉砕した後、ふっ化水素酸等の鉱酸
で、洗浄を行う低酸素金属クロム粉末の製造方法に関す
るものである。
金属クロムは合金成分として用いた場合、合金の耐摩
耗性,耐蝕性,耐熱性,強靭性の付与に著しい効果をも
たらすので、ニッケル,コバルト,鉄等への添加成分と
して多用されている。
また、半導体,電子材部品および乾式メッキ用素材と
しても広く用いられるようになっているが、特に電子材
部品およびスパッタリングターゲット材として用いる場
合、金属クロムを溶融して得たインゴットを加工成型す
る際に、割れに伴う歩留低下や巣の発生による品質低下
などの問題が生ずる。そこで、最近では金属クロム粉を
直接またはメカニカルアロイ法により、金属クロム粉と
他金属粉とから合金粉を製造し、これを冷間等方圧プレ
ス,熱間等方圧プレス等で加圧成型して製造するに至っ
ている。
しかし、成型特性,スパッタリング皮膜特性およびメ
カニカルアロイ時の合金化特性上、金属クロムの高純度
化、特に酸素含有量の低い金属クロム粉末が必要となっ
ている。
(従来の技術およびその問題点) 硫酸クロム水溶液と電解還元する電解法および三・二
酸化クロム等の酸化クロムをアルミニウムを用いて還元
するテルミット法等で得られた金属クロム中の酸素含有
量は0.05〜0.5重量%程度であり、更にこれらを粉砕し
て得られる金属クロム粉末は粉砕過程で空気中の酸素に
より表面が酸化される為、その酸素含有量は100メッシ
ュ品で0.5〜0.8重量%,200メッシュ品で0.8〜1.2重量
%,325メッシュ品で1〜2重量%となり、粉末冶金用と
して充分満足させる品位に至っていない。
また、電解法やテルミット法で得られた金属クロムを
粉砕した後、カーボン等の脱酸剤を添加,混合し、成型
し、これを高温真空下で脱酸反応するかまたは粒状,フ
レーク状または粉砕−成型した金属クロムを高温水素雰
囲気下で脱酸反応することによって得られる酸素含有量
が0.005〜0.02重量%の金属クロム塊または粒状品を粉
砕して得られる金属クロム粉末の酸素含有量は0.03〜2
重量%程度である。
以上の粉砕過程で、アルゴンガスまたは窒素ガス等の
不活性ガス雰囲気で制御された粉砕機を用いることによ
り、酸素汚染を防止することが可能であるが、なお、品
位性および経済性,操作性において満足できる状態に至
っていない。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は上記問題点を解決するために鋭意検討を
行った結果、脱酸反応を行った金属クロムを粉砕して得
られた金属クロム粉末をふっ化水素酸等の鉱酸で洗浄す
ることにより酸素含有量の低い金属クロム粉末が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は不純物として酸素を含有する金属
クロム粉末に脱酸剤である炭素粉末と結合剤を添加し、
混合成型した後、高温真空下で脱酸反応を行なうか、ま
たは、不純物として酸素を含有する金属クロム粉末に結
合剤を添加し、混合成型した後、高温水素雰囲気下で脱
酸反応を行ない、反応後該成型物を粉砕分級し、ふっ化
水素酸,塩酸,硫酸またはこれらの2種以上の混合酸で
洗浄し、乾燥することを特徴とする酸素含有量0.025重
量%以下の低酸素金属クロム粉末の製造方法である。
本発明において、原料として用いられる金属クロム粉
末は例えば電解法やテルミット法で得られた金属クロム
を粉砕して得ることができるが、最終製品の含有酸素量
を低くし、かつ鉱酸で洗浄する際にクロム損失を少なく
するために、予め最終製品の目標粒度としておくことが
好ましく、例えば粉末冶金用の低酸素金属クロム粉末を
得るには、16〜325メッシュの金属クロム粉末を原料と
して用いる。
これらの原料の金属クロム粉末を成型し、高温真空下
又は高温水素雰囲気下で脱酸反応を行い、低酸素金属ク
ロム成型物を得るが、高温真空下で脱酸反応を行う場
合、原料の金属クロム粉末に脱酸剤としてカーボンブラ
ック,人造黒煙,オイルコークス等の炭素粉末とフェノ
ールレゾルシン,ポリウレタン,ポリ酢酸ビニル,ポリ
ビニルアルコール,デキストリン,カゼイン等の結合剤
を添加,混合し、0.1〜5t/cm2の圧力で成型後、温度120
0℃以上,真空度0.1〜20mmHgの条件で反応を行う。この
とき、炭酸粉末の配合量は原料の金属クロム粉末中の酸
素を脱酸するに必要な化学量論量の90〜110%であるこ
とが好ましく、これより配合量が少ないと脱酸が充分行
なわれず、多い場合得られる製品中に炭素が残留してし
まうおそれがある。
一方、高温水素雰囲気下で脱酸反応を行う場合、原料
の金属クロム粉末に前記結合剤を添加,混合し、0.1〜5
t/cm2の圧力で成型後、温度1300〜1600℃,1/2O2+2H2
2H2Oの反応が進行するに充分な水素ガス雰囲気下で反応
を行う。
また、これらの方法において、原料の金属クロム粉末
の成型後通常の乾燥炉,ヒーター等で成型物中の水分の
大部分、好ましくは95%以上の水分を脱水し、次いで脱
酸反応を行えば、脱酸反応中に成型物の崩壊が生じにく
くなるので好ましい。
次いで、得られた低酸素金属クロム成型物を用途に適
した粒度までボールミル,振動ミル,アトマイズミル,
トップグラインダー等の粉砕機を用いて粉砕分級を行
い、得られた粉末を濃度1重量%以上好ましくは5〜10
重量%以上のふっ化水素酸,塩酸,硫酸またはこれらの
2種以上の混合酸で常温中にて1分以上好ましくは2〜
10分撹拌洗浄し、ろ過水洗し、酸を除去した後に乾燥を
行う。
洗浄に用いる酸は粉末1重量部に対し、0.5重量部以
上好ましくは1〜2重量部であるが、酸の濃度,洗浄時
間,温度を増加させた場合、金属クロムの溶解損失が増
す為必要条件に留めることが好ましい。
また、洗浄後の乾燥は例えば常温で減圧下0.1〜10mmH
gで行う方法やメタノール等で再度洗浄し水分を除去し
た後に風乾する方法等で行うが、乾燥は40℃以上に加熱
を行うと金属クロム粉末は空気汚染されることがあるた
め、これより低い温度で行うことが好ましい。
(発明の効果) 以上のように得られた金属クロム粉末は、酸素含有量
が0.025重量%以下である他に、粉砕過程で混入する鉄
分も除去され、メカニカルアロイ法による他の金属粉と
の合金化率が良好となる。
更に、クロム粉末単体またはこれら合金粉を用いて、
接触子板用電子部品およびスパッタリングターゲットを
効率的に製造することが可能となる。
(実施例) 以下、実施例にもとづき本発明を説明するが、本発明
は何らそれらに限定されるものではない。
実施例1,比較例1 表−1に示す32メッシュの原料金属クロム粉末100kg
に、化学量論量の105%のカーボンブラックを添加混合
し、更に結合剤としてポリビニルアルコール50重量%水
溶液1.6を加え混錬した後2t/cm2の圧力で30m/mφ×30
m/mφの大きさのプリケットに圧縮成型し、乾燥した。
次いで該成型物を真空炉に装入し、1400℃,0.5〜10mm
Hgで10時間保持し、脱酸反応を行い反応終了後真空冷却
した。
得られた低酸素金属クロム成型物を大気中で振動ミル
を用い150メッシュに粉砕した。ここで得られた金属ク
ロム粉末の組成を比較例1として表−1に示す。
更に、比較例1の金属クロム粉10kgに5重量%ふっ化
水素酸水溶液10を加え、常温で10分間撹拌し、ろ過水
洗後常温下真空乾燥して、低酸素金属クロム粉末を得
た。組成を表−1に示す。
実施例2 実施例1で用いた原料金属クロム粉末100kgにポリビ
ニルアルコール50重量%水溶液1.6を加え混錬した
後、2t/cm2の圧力で30m/mφ×30m/mφの大きさのプリケ
ットに圧縮成型して乾燥した。
次いで、該成型物を水素還元炉に装入し、1500℃,10
/Hrの水素気流中で2時間水素還元を行い反応終了後
冷却した。
冷却後、実施例1と同様にふっ化水素酸水溶液で処理
して得られた低酸素金属クロム粉末の組成を表−2に示
す。
実施例3 比較例1で得られた低酸素金属クロム成型物の粉砕品
を各鉱酸で撹拌洗浄し、ろ過水洗後、常温下真空乾燥し
て得た低酸素金属クロム粉末の酸素含有量,クロム損失
率を表−3に示す。
比較例2 テルミット法,電解法で得られた金属クロムを100メ
ッシュに粉砕し、実施例1と同様にふっ化水素酸水溶液
で処理した。金属クロム粉の洗浄前と洗浄後の酸素含有
量を表−4に示す。
これより、予め原料の金属クロム粉末を脱酸しておか
なければ、低酸素金属クロム粉末が得られないことが示
される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不純物として酸素を含有する金属クロム粉
    末に脱酸剤である炭素粉末と結合剤を添加し、混合成型
    した後、高温真空下で脱酸反応を行ない、反応後、該成
    型物を粉砕分級し、ふっ化水素酸,塩酸,硫酸またはこ
    れらの2種以上の混合酸で洗浄し、乾燥することを特徴
    とする酸素含有量0.025重量%以下の低酸素金属クロム
    粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】不純物として酸素を含有する金属クロム粉
    末の粒度が16〜325メッシュである特許請求の範囲第
    (1)項に記載の酸素含有量0.025重量%以下の低酸素
    金属クロム粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】不純物として酸素を含有する金属クロム粉
    末に結合剤を添加し、成型した後、高温水素雰囲気下で
    脱酸反応を行ない、反応後、該成型物を粉砕分級し、ふ
    っ化水素酸,塩酸,硫酸またはこれらの2種以上の混合
    酸で洗浄し、乾燥することを特徴とする酸素含有量0.02
    5重量%以下の低酸素金属クロム粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】不純物として酸素を含有する金属クロム粉
    末の粒度が16〜325メッシュである特許請求の範囲第
    (3)項に記載の酸素含有量0.025重量%以下の低酸素
    金属クロム粉末の製造方法。
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