JP2004510551A - 超音波的に検知可能な面状インプラント - Google Patents
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Abstract
面状インプラントはポリマーを主成分とする可撓性の基本構造(1)および超音波的に検知可能なエレメント(2)を有し、気体を含有しまたは気体を生成し、かつ埋没後少なくとも4週間の検知可能性を設定される。このインプラントは非超音波的に検知可能であるエレメント、例えばフォーム(2)またはマトリックス中に埋設されたマイクロカプセルであってもよい。超音波的に検知可能なエレメントは好ましくは予備成形体(2)または例えば糸のような線状構造として設計される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリマーを主成分とする可撓性基本構造を有する面状インプラントに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明はポリマーを主成分とする可撓性基本構造を有する面状インプラントは、例えばメッシュまたはテープの形に製造されたものが普及している。それらは例えば外科処置において器官または組織を支持もしくは強化し、または治癒過程を促進するために用いられている。このようなインプラントは永続的にまたは一定期間患者の体内に留まっていることが必要とされることが多い。この場合、基本構造は非吸収性ポリマーまたは徐吸収性ポリマーを含有している。
【0003】
時間が経過すると、挿入されたインプラントは移動し、収縮しまたは折り畳まれることがあり、このため患者に問題を引き起こすことがある。これは画像診断(imaging)方法を用いたとしても診断記録することが困難であり得る。というのは従来の面状インプラントは十分な可撓性を保証するために比較的に微細であり、処置後まもなく組織がそれらの中に成長して入り込み、従来普及している超音波またはX線のような診断方法を用いてももはや認識できなくなり、そのため診断に使用可能な判断を得ることが不可能になるからである。
【0004】
したがって、(例えば、鼠蹊部または腹部ヘルニアの治療用の)薄い面状ポリマーメッシュまたは(例えば膀胱領域に用いられる)テープを埋没した後、これらのインプラントは、広く認められているように、液状エコーの少ない境界(漿液腫(seroma))により包囲されていることが超音波下で最初に示される。しかしながら、このコントラストは次には減少する(H.F. WeiserおよびM. Birth、ビツェラルヒルルギッシェ・ソノグラフィー(Vizeralchirurgische Sonographie)、第315頁〜316頁、シュプリンガー・フェアラーク、2000年も参照)。このため、問題を十分に認識することができず、その後のインプラントの取り扱いが不可能になる。というのは、従来の装置を用いてインプラントを検知することが不十分にしかできないか、または全く不可能であるためである。
【0005】
PCT国際公開第WO 98/19713号には、エコー発生構造、すなわち超音波下で検知可能なものを表面に生成する(例えばカテーテルまたは注射器のような)医療装置が記載されている。超音波像のコントラストは気体と濃厚な媒質との間の境界面により達成される。しかしながら、提案された塗膜は長期間使用されるインプラントには適していない。例えば、ポリウレタン塗膜は加水分解され易く、かつ有毒な残存モノマー(ジイソシアネート)および分解生成物を有する。文献には、ジイソシアネートおよびそれから調製されたプレポリマーの危険な性質(例えば、ジッシュ(Zissu)他、コンタクト・ダーマタイティス(Contact Dermatitis)39(5)、248頁〜251頁(1998年11月))だけでなく分解生成物、例えば芳香族ジアミンの危険な性質(例えば、バティッヒ(Batich)他、ジャーナル・オブ・バイオメディカル・マテリアルズ・リサーチ(J. Biomed. Mater. Res.23(A3増補)、第311頁〜319頁(1989年12月))についても多くの項目が記載されている。これらはポリウレタンを埋没した後の遅発性の痛みおよびアレルギー反応の原因であることが議論されている。PCT国際公開第WO 98/19713号に開示されている塗膜の場合のさらなる問題点はインプラント上での機械的安定性である。詳しくは、インプラントメッシュによく用いられている平滑なポリマー、例えばポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリビニリデンフルオライドの場合は、単に浸漬するだけではインプラントに対する接着性は不完全になるが、これは薄いエコー発生フィルムは時間の経過とともに、特に曲げた際に、崩壊するからである。同じく記載されているポリアクリル酸塗膜も気泡がポリアクリル酸水溶液内に入ることにより医療装置上に堆積する泡を生成する。これらのアクリレートは水溶性であるため、この処方からは長期用インプラントに要求される持続性エコー・コントラストが得られないと考えられる。さらに、この塗膜は開いた空孔のチャネルを含み、そのため比較的容易に詰まり、それらのコントラストが失われることが言及されている。加えて、クレーター状の陥凹が開示されているが、これはせいぜい簡単な信号増幅を引き起こすことができるだけである。というのはこれらの陥凹は時間の経過とともに濡れ、それらに位置している気泡が溶解するからである。
【0006】
例えば「アルブネックス(Albunex)」(モレキュラー・バイオシステムズ社(Molecular Biosystems, Inc.)の商品名)のような市販の超音波造影剤の場合、その不十分な圧力安定性が問題となっている。生理学的に生じる低圧力(ビュイユ(Vuille)他、ジャーナル・オブ・アメリカン・ソサイエティ・オブ・エコーカーディオグラフィー(J. Am. Soc. Echocardiogr.)第7(4)巻、第347頁〜354頁(1994年7月〜8月);A.ブレイマン(Braymann)、ジャーナル・オブ・アクースティック・ソサイエティ・オブ・アメリカ(J. Acoust. Soc. Am. 第99(4Pt1)巻、第2403頁〜2408頁(1996年))でさえも、または急速な注射を行いまたは小さなカニューレを使用した場合に発生することがあるような大きすぎる圧力によっても、非常にわずかしか活性が残っていないかまたは完全に活性が残っていないほど大幅に造影剤が損傷される(ゾンネ(Sonne)他、インターナショナル・ジャーナル・オブ・カーディアックイメージング(Int. J. Cardiac Imaging)、第11(1)巻、第47頁〜53頁(1995年))。ゴットリープ(Gottlieb)他はビデオ濃度測定インビトロモデルにおいて10mmHG〜180mmHGの生理学的圧力で「アルブネックス」の崩壊の圧力依存性を観察し、生理学的圧力において十分に安定な超音波造影剤の必要性を指摘した。
【0007】
したがって、「アルブネックス」のような超音波造影剤は、PCT国際公開第WO 98/19713号にエコー発生塗膜用の気体含有原料として「アルブネックス」を使用することが提案されているにもかかわらず、長期用インプラントメッシュとして使用するのには適していない。高圧力に対する感受性のために、インプラント保有者が軽く咳をしただけでインプラントのエコー発生性が損なわれることがあり得る。また、酵素に対する感受性もある。
【0008】
PCT国際公開第WO 95/01165号では、生理学的に許容し得る医療用の有機多孔集合体(aerogels)および熱分解された多孔集合体(すなわち炭素多孔集合体)が記載されている。しかしながら、これらの材料のため、いずれの具体化例も長期用インプラントとともに使用するのに適してはいないようである。例えば、レゾルシン、メラミンまたはレゾルシノールとホルムアルデヒド並びに炭素多孔集合体から作製された上述の付加物は通常のインプラント材料ではない。さらに、そのような多孔集合体を超音波造影剤として使用したときに、埋没後にその気体含量が急速に失われることを防止するための適切な密封が開示されておらず、平坦な可撓性ポリマーインプラント上の塗膜または付着物に対する言及もない。
【0009】
米国特許第5,081,997号は、例えば直径5μmのガラス粒子のような音波反射材料を例えばカテーテルのような医療用製品上に配する多くの実行可能な手段を記載している。中空粒子も言及されている。これらの音波反射材料に加えて、マトリックス中には気体が含有されている。しかしながら、面状長期用インプラントの使用には言及がない。
【0010】
米国特許第5,327,891号には、超音波下でのカテーテルの検知性をミクロ気泡を用いて向上する方法が示されている。
【0011】
PCT国際公開第WO 00/09187号には超音波下での医療装置(例えば生検用針)の検知性を向上するプラスチック、特に重質ナノ粒子(密度5g/cm3 )製複合体が開示されている。しかしながら、面状長期用インプラントとともに使用するためには、そのような比較的に重質の粒子はそれほど適してはいない。
【0012】
近年、静脈内使用のための超音波造影剤の製造に対する多数の取り組みがなされている。これは本質的に例えば、脂肪酸(「レボビスト(Levovist)、シェーリング社」;B.B.ゴールドバーグ(Goldberg),「超音波造影剤」、マルチン・デュニスト社、1997年)を含有していてもよい多孔性の糖のミクロ粒子(「エコビスト(Echovist)、シェーリング社」を震盪することにより製造される安定化ミクロ気泡(mirobubbles)、またはわずかに架橋された気体充填タンパク質マイクロカプセル(「アルブネックス」、モレキュラー・システムズ社;「オプティソン(Optison)、MBI社」を含む。また、ポリラクチド、ポリカプロラクトンその他の際吸収性ポリマーを主成分として製造される気体充填際吸収性ポリマー製ミクロ粒子の製造に対する多数の取り組みもある。
【0013】
しかしながら、既知の製品はいずれもそれ自体長期にわたって持続的超音波コントラストを生成するものではない。その理由は、安定化気泡は血液または組織中で溶解するか、あるいはタンパク質またはポリマーの殻が単純な加水分解または酵素による分割の結果分解するためである。例えば、EP0644777B1号に記載されているポリブチルシアノアクリレートから作製されたポリマー製ミクロ粒子は血清中で急速に分解され、4時間後には事前に濁っていた懸濁液が澄み、代謝物が100%検出される。この形態のかかる粒子は長期用インプラントには適していない。
【0014】
他の問題は、大部分が水中油型方法または油中水型方法に基づくマイクロカプセル調製方法である。この場合、例えば凍結乾燥により気体コアが生成される必要があり、そのためには完全に不透過性ではない壁が必要とされる。しかしながら、水はこのわずかに多孔性壁を通して再入することができる。これに伴う気体の損失により、超音波コントラストが低下する。
【0015】
発明の開示
本発明の目的はポリマーを主成分とする可撓性基本構造を有する面状インプラントであって、患者に埋没後一次的にまたは持続的に診断用超音波方法を用いて信頼性をもって検知可能である面状インプラントを提供することである。
【0016】
この目的は請求項1の特長を有する面状インプラントにより達成される。本発明の好適な態様は従属請求項から明らかになる。請求項30〜請求項55はそのようなインプラントの製造方法に関し、請求項56はこのインプラントの本質的部品である超音波的に検知可能なエレメントの作製方法に関する。
【0017】
本発明の面状インプラントはポリマーを主成分とする可撓性基本構造と超音波的に検知可能なエレメントとを有する。これらのエレメントは気体を含有または生成する。気体生成エレメントとは患者の体内にインプラントを挿入した後または超音波検査中に、例えば患者の体内の温度が室温と比べて高いことにより、または超音波場により、気体を放出するエレメントを意味する。超音波で検知可能なエレメントの気体含有特性は、従って、少なくとも超音波検査中に存在しているが、これは超音波画像に良好なコントラストを生じるため、本発明のインプラントは超音波方法を用いて容易に視認可能である。超音波で検知可能なエレメントは埋没後少なくとも4週間検知可能に設定されるので、処置後一定時間でさえもまたは永続的にでさえもインプラントが検知できる。以下に詳細に説明するように、そのような長期間安定なエコー発生エレメントに対しては種々の実行可能な手段がある。エレメント(elements)という用語はここでは複数形であるが、そのようなエレメントを1個だけ含む相当するインプラントは当然に等しく本発明の一部を構成する。以下、「超音波で検知可能」または「超音波的に検知可能」の代わりに、「エコー発生」という用語も使用する。
【0018】
インプラントは永続的埋没用に設定するのが好ましいが、再吸収可能にしてもよい。したがって、超音波的に検知可能なエレメントは組織適合性の形態であり、生体適合性である。すなわち、可能な限り有毒物質を長期間経過後でさえも放出せず、好ましくは永続的に基本構造に結合している。インプラントは全体的に可撓性であるのが好ましい。超音波で検知可能なエレメントにより、外科処置後の任意のときにまたはインプラントを挿入する際に必要に応じてインプラントが視認できるようになる。
【0019】
本発明は、面状の、可撓性の長期用インプラント(例えば、テープまたはメッシュ)を、インプラントの低重量、可撓性、曲げ強度、弾力性または引張り強度のような性質を従来のインプラントから変えずに、またはわずかしか変えずに、超音波下で検知可能にする。このエコー発生エレメントにより、インプラントが埋没のときに診断用超音波処置でよく認識できるようになる。インプラントの明確な認識が可能である。すなわち、例えば筋膜のような人体自体の構造から十分に目立つ。さらに、エコー発生エレメントの形の標識の十分な機械的安定性とインプラントの可撓性基本構造への安定した付着とが保証される。
【0020】
インプラントとして使用するためには、内容物および生じる可能性のある分解生成物の無害性のような条件を満たすことができる。本質的に長期用インプラントが関係しているので、エコー発生特性はエコー発生エレメントの形の標識がそれぞれの要件に合致するように設定される。したがって、非再吸収性または部分的再吸収性のインプラントは埋没の間または少なくとも、経験が示すように、合併症が起きる期間にもっともよく検知される標識を有している必要がある。一方、再吸収性インプラントはインプラントの基本構造が存在している期間にもっともよく視認でき、その後急速に崩壊または人体から排除される標識を含んでいる必要がある。このエコー発生エレメントの分解プロフィールは適宜材料を選択することによりインプラントの基本構造の分解プロフィールに合致させることが好ましい。
【0021】
本発明のインプラントは従来の、旧式の超音波装置を用いても検知可能であるが、例えば個別の共鳴効果、非線形効果、促進破壊音(stimulated acoustic emission)(B.ゴールドバーグ(Goldberg)編、「超音波造影剤(Ultrasound Contrast Agents)」、マルチン・デュニッツ(Martin Dunitz)社、1997年の第2章のフォルスベルク(Forsberg)著「超音波造影剤の物理(Physics of Ultrasound Contrast Agents)」も参照)、ハーモニック・イメージング(Harmonic Imaging))、パワードップラー(Powerdoppler)、パルス・インバージョン・ハーモニック・イメージング(Pulse Inversion Harmonic Imaging)(ATL社製HDI5000)、ジーメンスアンサンブル・ティッシュー・ハーモニック・イメージング(Siemens Ensemble Harmonic Imaging)(ソノライン・エレグラ(Sonoline Elegra)、ソノライン・オムニア(Sonoline Omnia))あるいはイメージング処理における新しい傾向、例えば3D法またはいわゆるジースケープ(SieScape(登録商標))が使用されている器械技術の新しい開発を考慮している。
【0022】
エコー発生エレメントは、それらの背後にある構造のX線もしくは磁気共鳴検査または超音波検査等の診断処置が角の造影によって妨害されないように配置することができる。
【0023】
超音波的に検知可能なエレメントが面状パターンで配置されると特に有利である。それは、この場合インプラントの移動またはインプラントの部分(例えば、隅部の周りの折り畳み)が超音波イメージ上で容易に認識することができるからである。このパターンの個々の成分間の距離の変化から収縮または伸長さえも観察することができる。さらに、このパターンにより、切除、補助剤の注入または緊縛(tightening)のような事後の処置のための、インプラントの特に関心のある領域を、好ましくは侵襲性が最低限となる条件下で標識して超音波モニタリングを行うことも可能である。パターンはインプラント(またはその部分)を後に再び除去すべきであるならばインプラントの認識の際に有利でもある。特に、埋没中のインプラントの超音波検知性はパターンによりかなり全般的に改善される。
【0024】
基本構造は非再吸収性ポリマー、再吸収性ポリマーまたは非再吸収性ポリマーと再吸収性ポリマーとの混合物を含有してもよい。例えば、基本構造は場合によって部分的にもしくは完全に吸収性ではない1種以上の埋没可能なポリマーまたはそのようなポリマーの混合物を含有するのが好ましい。
【0025】
組織適合性の非再吸収性または非常に吸収の遅い再吸収性の物質の例としては、ポリアルケン類(例えば、ポリプロピレンまたはポリエチレン)、フッ素化ポリオレフィン類(例えば、ポリテトラフルオロエチレンまたはポリビニリデンフルオライド)、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリイソプレン類、ポリスチレン類、ポリシリコーン類、ポリカーボネート類、ポリアリールエーテルケトン類(PEEKs)、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸エステル類、芳香族ポリエステル類、ポリイミド類並びにこれらの物質の混合物類および/または共重合体類が挙げられる。再吸収性物質としては、例えば、ポリヒドロキシ酸類(例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレリエート)、ポリカプロラクトン類、ポリジオキサノン類、合成および天然オリゴ−およびポリアミノ酸類、ポリホスファゼン類、ポリ無水物類、ポリオルトエステル類、ポリホスフェート類、ポリホスホネート類、ポリアルコール類、ポリサッカリド類、ポリエーテル類、再吸収性ガラス類ならびにそのような物質の混合物類および/または共重合体類が考えられる。好ましくは、これらのインビボ再吸収持続期間は30日以上である。
【0026】
可撓性の基本構造はメッシュ、テープ、フィルムまたは穿孔フィルムとして構築し、原則として従来のタイプのものであるのが好ましい。可撓性の基本構造は1mmよりも薄いのが好ましい。所与の手術で使用すべきインプラントの形状は手術前に大きな材料からその寸法に切断する。
【0027】
超音波処置において特に明確に視認可能であるエコー発生エレメントは封入された気体または生理学的条件下および/または超音波下で気体を発生する化合物を含有する。特に好適なのは無毒および化学的に安定なエレメントまたはこれらの性質を最終生成物として持つ化合物である。
【0028】
エコー発生エレメントは基本構造に相当する構造材料(すなわち、気体または気体発生物質とは別に本質的にエコー発生エレメントがそれから製造される材料)を有しているのが好ましい。エコー発生エレメントはしたがって同様に非再吸収性、部分的に再吸収性または完全に再吸収性であってもよい。
【0029】
非再吸収性のインプラントの場合、線状構造(好ましくは糸)または予備成形体の形の生体適合性独立気泡またはシンタクチックフォームが可撓性基本構造の製造後または製造中にインプラントに取付けられる。シンタクチックフォームとは気体充填独立気泡フォームがマトリックス中に充填剤として中空球を用いることにより生成されるポリマー材料を意味する。
【0030】
パターンの形態の配置により、そのような予備成形体または糸を基本構造に取り付けて、インプラントがある領域では超音波下で視認可能ではないか視認可能性が低く、視認性がよい領域も含むようにすることができる。これらの標識により人体自体の構造を明確に認識し識別することができる。
【0031】
連続気泡フォームはシンタクチックフォームの場合だけに使用すべきであり、外部孔径が流形よりも小さいことが必要である。境界的な場合は気体充填ミクロ粒子を含有するヒドロゲルである。
【0032】
糸および予備成形体の材料は、長期埋没の場合でさえも主鎖の加水分解による分解の心配がない発泡ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン)であるのが好ましい。フォームを調製する方法は多数あるが、ほとんど1960年代前のものである(「ウルマンの工業化学百科事典(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry)」第A11巻、第435頁、第5版1988年の「発泡プラスチック」も参照)。
【0033】
しかしながら、例えば、ジョージア工科大学でコクラン(Cochran)博士の研究グループにより製造された焼結された薄壁気体充填チタンまたは鋼製マイクロカプセルから作製された好適な金属製フォームまたはガラス製フォームも使用することができる。
【0034】
例えば、窒素、酸素、CO2 、パーフルオロアルカン、フッ素化アルカン、SF6 、希ガス類のような気体、または少量では生理学的に無害のアルカン類もしくはシクロアルカン類を押出成形中に直接気化法を用いてポリマー中に導入することができる。しかし、これは例えばいわゆるミューセル(MuCell(商標))法(トレクセル(Trexel)社)におけるような超臨界条件下でも行うことができる。ポリマーに対する透過性が低く、血液または血漿中にわずかしか溶解しない気体、例えばパーフルオロアルカンをポリプロピレン中に使用するのが有利である。
【0035】
さらなる実行可能な手段としては、文献に記載されているように膨潤剤(発泡剤)を用いて膨張させることである。アゾ化合物のような毒物学的に問題のある物質はこれらまたはその分解生成物が十分に封入されるときに限って使用すべきである。さらに好適なのはベーキングパウダー、水または例えばマロン酸およびそのエステル類のような容易に脱カルボキシル化し得る物質のような物質である。
【0036】
そのような方法により、エコー発生予備成形体あるいは糸または編物をインプラントの基本構造に種々のパターンで適用することができる。パターン状の配置の利点は人体自体の構造の識別性である。
【0037】
しかしながら、気体は中空ガラス体(例えば「スコッチライト(Scotchlite)」、3M社の商品名、「Q−セル(Q−cel)」PQ社の商品名)、発泡シリケート(例えば「パーライト・ホロー・スフィア(Perlite Hollow Spheres)」、ザ・シャンドラー(The Schundler)社の商品名)、ガラスフォームまたは気体充填ポリマーカプセル(例えば、PQ社の「プラスチック・ミクロスフィアズ(Plastic Microspheres)」)、アエロジェルまたは中空糸(例えば「ホローフィル(Hollofil)」、デュポン(DuPont)社の商品名)の封入により予備成形体または糸に永続的に含めることができる。この封入は、例えばスプレーコーティング、溶媒蒸発、配合または押出により行うことができる。
【0038】
さらなる実行可能な手段は予備成形体または糸にカーボン・ナノパイプを封入することからなる。ポンシャラル(Poncharal)他(サイエンス(Science)、第283巻、1513頁〜1516頁(1999年3月5日))はカーボン・ナノパイプがいくつかのMHz帯域において非常に鮮明な電気力学的共鳴を表示することを示している。新規な超音波分析方法により、基本周波数だけでなく高調波周波数のこの共鳴の鮮明さが周囲の組織の共鳴信号からインプラントを非常によく分離するのに使用可能であるはずである。
【0039】
特に加水分解性側鎖を有するポリマー、例えばポリアクリル酸エステル類またはポリメタクリル酸エステル類の場合、予備成形体または糸に安定な中空体を使用することが推奨し得るが、これはさもないと加水分解および発泡の際気体の損失によりコントラストが失われるからである。ポリマーに追加の加水分解安定架橋を施すことは気体充填ガラスまたはポリマー粒子がパターンの標識から離脱しないようにするために推奨し得る。
【0040】
予備成形体の調製は、例えば、好適なスターターシステム(例えば過酸化ベンゾイルおよびN,N’−ジメチル−p−トルイジン)を用いて中空ガラス体と反応させたポリ(メチルアクリレート、メチルメタクリレート)中でメチルメタクリレートを重合することにより行うことができる。そのようなモノマー−ポリマー系は1960年代以降、骨セメントにおいて使用されているので、長期間生体適合性であるとみなすべきでもある。良好な加工性を達成するために、アエロシルのような顔料に粘性を付与してもよい。
【0041】
さらなる実行可能な手段としてはエコー発生気体充填マイクロカプセル(例えば超音波造影剤)を封入することである。これらは十分な温度、圧力および貯蔵安定性を有する。造影剤の包含は例えばチューブまたはチューブ状フィルム内に導入することにより行うことができる。造影剤の加水分解を抑える酸、塩基または緩衝系を添加することも有効である。さらに、ゲルは酵素が造影剤に接近するのを防止することができる。しかしながら、長時間にわたって安定である、特に非再吸収性の超音波造影剤を調製するのが好ましい。例えば非経口用途に本質的であるような限定、すなわち粒子が脈管到達可能であり、したがって10μm未満の直径を持っている必要があるという限定はここでは該当しない。
【0042】
気体充填エコー発生構造のヒドロゲルへの導入は、また、ヒドロゲル物体自体がしばらくたつと体内に存在しているような漿液腫のないインプラントの一定の識別性を与えるという利点も有する。これらの物体は超音波画像中で漿液腫様に見えることがある。生体適合性の天然および/または合成ポリマーは用途によりこれらのヒドロゲル用の材料であると考えることができる。イオン的にまたは化学的に架橋されたポリアミノ酸類、合成高分子電解質類および部分的、非−または完全加水分解されたポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルもしくはポリシアンアクリル酸エステルを挙げることができる。さらに、ポリエチレングリコール類(PEGs)、ポリビニルアルコール類(PVAs)、ポリビニルピロリドン類(PVPs)またはモノ−、オリゴ−もしくはポリサッカリドを含有するヒドロゲルを挙げることができる。
【0043】
したがって、体内におけるインプラントの位置をそのようなエコー発生エレメントのパターン状配置および形状によって、真正の漿液腫または炎症の診断が誤って陽性または陰性に曲解されることなく確定することができる。したがって、気体充填物体に加えて、液体充填物体も有利であり得る。
【0044】
エコー発生気体充填マイクロカプセルの封入もそれらが後方散乱だけでなく寸法および壁厚によっても一定の陽性コントラストを発生し、この散乱の共鳴周波数は診断的に普通の範囲(0.5MHz〜20MHz)に設定することができ、それにより励起周波数において増幅されたエコー信号がもたらされる。加えて、例えば高調波画像診断法(harmonic imaging)の場合のような非線形効果も使用することができる。さらに、これらの粒子の例えば「促進破壊音(stimulated acoustic emission)」と呼ばれるカラー・ダブラー(color−doubler)効果(ブロムリー(Blomley)他、「医学および生物学における超音波(Ultrasound in Medicine and Biology)」、第25(9)巻、第1341頁〜1352頁(1999年11月))を使用することができる。
【0045】
エコー発生マイクロカプセルは人体内で約4週間から数年間安定であるように構築することができる。したがって、例えば長鎖シアノアクリレート類(ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、...)またはメタクリル酸エステル類のエコー発生ミクロ粒子を調整することができる。非再吸収性ポリマーおよび再吸収性ポリマーからなる混合粒子も使用することができる。
【0046】
例えば、若干のポリラクチド類、ポリラクチドグリコリド類、ポリカプロラクトン類またはポリジオキサノン類等のポリエステル類(例えばポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸のようなα、β、γ、...ωポリヒドロキシ酸類)、ポリエーテルエステル類およびポリアミド類並びにそれらの混合物類および共重合体類製の徐再吸収性ポリマーインプラントの場合、気体は非再吸収性ポリマーとともに導入することができる。しかしながら、非再吸収性担体は除外される。代わりに、分解性ガラスカプセルまたは再吸収性エコー発生ポリマー製マイクロカプセルが、すでに説明したように可撓性基本構造の在鑞から調製されたシンタクチックフォームまたは主に連続気泡のフォームを調製するのに使用される。
【0047】
再吸収性ポリマーの分解も化学的組成および鎖長とは別に、寸法、多孔率および組織に一般的な条件(例えば、物質輸送)によっても決まることがあるので、エコー発生領域は分解特性および再吸特性が実際のインプラントと合致している必要がある。さらに(例えば脂肪、ワックス、ポリマー、無機物のような)再吸収性物質、(例えば酸化物系顔料、炭酸化顔料、カルボン酸、無水物のような)配合ポリマー添加物または膨張および分解挙動に影響する配合ポリマーを用いた追加の塗膜を設けることで影響を与えることができる。
【0048】
本発明のインプラント調製方法の一態様では、エコー発生マイクロカプセルをインプラント中で気泡を調製するための出発粒子として用いる。これらの出発粒子は調製後または埋没後も完全にまたは部分的にそのまま保持することができる。しかしながら、それらは調製完了時または埋没後まもなく変化しもはや存在しないことも考えられる。
【0049】
特定のエコー発生ミクロ粒子(マイクロカプセル)は強い(例えば0.5バールよりも大きい)圧力に一定の感受性を持つことが多く、かつ昇温する場合があるので、これらの場合、エコー発生線状構造(例えば、フィラメント、糸)および予備成形体の調製方法として特に穏やかな調製方法を選択することが重要である。このために、以下の実行可能な手段を例として挙げる。
【0050】
a)界面重合を用いる2相カプセル化法。気体充填ミクロ粒子を水相に分散し、そのpHを十分に塩基性の値に設定するか、または緩衝する。加えて、モノマー類の一種(例えばジアミン成分)をこの水相に溶解し、第2のモノマー(例えば、カルボン酸ジクロリド)をより軽い有機相に溶解するが、この有機相はマイクロカプセルを溶解しないものである必要がある。
【0051】
それらの密度により、エコー発生マイクロカプセルは相界面の方向に浮遊する。適当に引き寄せると、マイクロカプセルが封入された糸を得ることができる。
【0052】
この原理は例えば他の重付加、重縮合または重合その他の系にも移すことができる。水系中でアミン類、チオール類、アルコール類に結合することができ、アルデヒド類、アルコール類、セミアセタール類、無水物類、酸ハライド類、オルトピリジルジスルフィド類、ビニルスルホン類、エポキシド類、マレイン酸イミド類、スクシンイミジルエステル類、p−ニトロフェニルカーボネート類、オキシカルボニルイミダゾール類、ベンゾトリアゾールカーボネート類、アミン類から選ばれる少なくとも2個の反応性官能基を有する他の系も同じく適している。
【0053】
マイクロカプセルの位置安定性は表面上の官能基によりさらに向上させることができる。例えば、ガラス製マイクロカプセルを1,1,1−トリアルコキシシリルアミン類または1,1,1−トリアルコキシシリルエポキシド類との反応により表面改質することができ、それによりより良好な共有結合をフィラメントのマトリックスに導入することが達成可能である。同様の方法が表面改質気体充填ポリマー製マイクロカプセルを用いても可能である。
【0054】
b)溶媒沈殿。さらなる実行可能な手段はエコー発生糸を溶媒沈殿により調製し、その間に造影剤を封入することである。溶媒を適切に選択することが、特に感受性のポリマー製マイクロカプセルの場合に、重要である。この溶媒はカプセル材料を攻撃するものであってはならない。
【0055】
pH沈殿が特にポリアミド類(例えば、ナイロン)または中性pHで溶解性ではない若干のタンパク質に対して推奨される。pH沈殿は、例えば、PCT国際公開第WO 93/25242号に記載されているような気体充填ポリブチルシアノアクリレート製マイクロカプセルの場合に使用することができる。例えば、ナイロンを酸に溶解し、粒子をその中に懸濁し、適当な沈殿浴を用いて沈殿させる。
【0056】
c)溶媒蒸発。エコー発生予備成形体または糸はさらにエコー発生ミクロ粒子をポリマー溶液に懸濁した懸濁液を用いて調製することができる。溶媒を留去した後、ミクロ粒子を封入する。この場合も、溶媒は糸および予備成形体の製造時に溶媒による粒子の損傷が大幅に回避されるように選択される必要がある。
【0057】
d)誘導封入。インプラントの基本構造上にすでに配置されているか事後的にそれに適用される、溶解性でないが一般的な条件(例えば溶媒、pH、温度)下で膨張可能な糸または予備成形体を膨張させる。エコー発生粒子をインプラントに適用し、その中に拡散させ、糸または予備成形体の材料を初期状態に戻すこと(例えば、膨潤剤の除去、pH変化、温度変化)により封入する。
【0058】
e)フィラメントの押出し。単軸押出機または二軸押出機の場合にかなりの圧力が発生することがあるので、十分な圧力安定性をもつのとして製造元により提案されているものをガラス製中空粒子の場合に使用する必要がある。粒度はノズルの寸法に合わせて調製する必要がある。
【0059】
f)ヒドロゲルへの室温封入。ポリマー製マイクロカプセルは、下記実施例14に記載したように、低溶媒含量または無溶媒で、例えばヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、PEGアクリレート、PEGメタクリレート、およびそれらの二官能性誘導体から調製されるように、親水性ポリマーゲル内に非常に穏やかに封入することができる。重合はUV下、ジアルコキシフェニルアセトフェノン類のような増感物質で促進し、またはインプラントの可撓性の基本構造に対しておよびマイクロカプセルの両方に対して穏やかな処理を可能にする低温開始剤の存在下で行われるのが好ましい。
【0060】
再吸収性の予備成形体をヒドロゲル含有再吸収性エコー発生マイクロカプセルから調製するためには、フォーカルシール(FocalSeal(登録商標)、CAS第202935−43−1号)に用いられているようなモノマー類またはプレポリマー類を使用するのが好ましい。しかしながら、一般的には、親水性の再吸収性ビスアクリレート類またはメタクリレート類はすべてA−B−C−B−A型のヒドロゲルの調製に適している。ただし、A=メタクリレート、アクリレートまたはビニルエーテル、B=ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリ−2−ヒドロキシ−ブチレート、ポリ−2−ヒドロキシバレリエート、ポリトリメチレンカーボネートまたはそれらの共重合体、およびC=例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)またはポリビニルピロリドン(PVP)のような親水性鎖である。
【0061】
さらなる特に好ましい実行可能な手段はエコー発生ポリラクチド製マイクロカプセルをタンパク質の存在下でスプレー法により調製することである。これはDE19813174A1の実施例2に基づく下記の実施例20に記載されている。すなわち、例えば、通常のように引き続き乾燥することにより製造したのではなく、スプレー法を用いて気体コアが製造されている、アルブミンの存在下で調製されたポリラクチド・コグリコリド粒子(95/5)を調製後水に再懸濁し、例えばグルタルアルデヒドのようなジアルデヒドの添加により濡らした。これは任意的に凹部を含む適切な型内にインプラントの基本構造、例えばメッシュを置いて行うことができる。このようにして製造された予備成形体はそれ自体可撓性であり、原則としてメッシュにいくつかの目にわたって錨着されており、このメッシュは最終的に予備成形体中に封入され、そのため予備成形体付きインプラントは多くの塗布方法では達成されないような十分な安定性を有する。
【0062】
意図した用途によっては、本発明のインプラントは埋没後に任意に局所的放出が可能な少なくとも一種の生物学的活性成分を有していると有利である。そのような活性成分として考えることができる物質は、例えば天然活性成分、合成活性成分、抗生物質、化学治療剤、細胞増殖抑制剤、転移阻害剤、抗糖尿病薬、抗真菌薬、婦人科薬、泌尿器薬、抗アレルギー薬、性ホルモン、性ホルモン阻害剤、止血薬、ホルモン、ペプチドホルモン、抗鬱薬、抗ヒスタミン薬、裸DNA、プラスミドDNA、カチオン性DNA複合体、RNA、細胞成分、ワクチン、体内の天然細胞または遺伝的改変細胞である。活性成分は例えばカプセルに封入された形態または吸収された形態で、特に基本構造上または超音波的に検知可能なエレメント(例えば予備成形体)上に存在可能であり、特別の活性成分担体も考えることができる。そのような活性成分を用いると、適用により診断を改善することができるか、または治療効果を得ることができる(例えば、傷の治癒の向上、炎症の阻止)。
【0063】
磁気共鳴断層撮影法では、面状ポリマー性インプラントは、普通は視認可能である。しかしながら、特に、通常市販されているポリプロピレンメッシュよりも単位重量が低い軽いメッシュの場合は、体の水および脂肪のプロトンの傍にインプラント材料の非常に少ないプロトンが存在しているだけである。これらの場合に、十分な信号−対−ノイズ比を得るために、測定時間を長くする必要があるが、その間患者はそれぞれの身体部分を静止状態に保つ必要があり、または腹部の検査の場合は、息を止める必要がある。加えて、これらのインプラントは薄いメッシュのストリップの形であり、典型的な走査深さである6mmでもすでにインプラントの正確な位置および場所を記録するのに問題を生じることがある。
【0064】
この場合、本発明のインプラントの利点は、体内の意図した位置によって、脂肪に富む予備成形体を、例えば筋肉用インプラントに、または含水予備成形体を脂肪質の環境内のインプラント用に取付けることができる。加えて、含水予備成形体は水の他に、例えば「エンドレム(Endrem)」(ゲールバート(Guerbert))、ガトリニウム(Gadoliniumu)DTPA(アルドリッチ(Aldrich))または「マグネビスト(Magnevist)」(シェーリング(Schering))のような普通に市販されている磁気共鳴造影剤を含有していてもよい。
【0065】
そのような予備成形体または線状構造体も、例えば、磁気共鳴造影剤を充填した直径0.28mm、外径0.61mmのポリエチレン性チューブをメッシュに適用することにより設計することができる。例えばコンデンスミルクファントム(コンデンスミルク+ゼラチン)中でT2* −加重勾配エコー・モードで測定するとき、チューブの造影剤のコアとポリマーのシェルの両方が明確に視認可能である。加えて、上記超音波的に検知可能なエレメントを個別に適用することができる。水相の適当な超音波造影剤を水性磁気共鳴造影剤と反応させ、混合物をチューブ内に注入して予備成形体を形成することも可能である。あるいはまた、これらの造影剤を十分に架橋されたゲル内のインプラントに適用して、造影剤がそこから拡散して出ることができないようにすることができる。さらに、超音波内で検知可能な封入されたフルオロアルカンも磁気共鳴コントラストを達成するのに適している。
【0066】
このようにして構築された本発明のインプラントに対しては、パレイ(Paley)他(ユーロピーン・ラジオロジー(Eur. Radiol.)、第7巻、第1431頁〜1432頁(1997年))に記載されているような個別に特化した磁気共鳴系は不要である。普通に市販されている装置で十分であり、放射線技師は例えばメニスカス検査のために装置にすでに予備設定されている設定を用いて良好な結果を達成することができる。パレイ(Paley)他により記載されている特別の塗膜(ポリスチレンフィルムに超反磁性酸化鉄を封入したもの)も同様に上述の予備成形体または線状構造を用いると不要である。
【0067】
面状インプラント上に磁気共鳴における検知性のために設定され、超音波内でのインプラントの視認性を改善しないエレメントのみを設けることも考えられる。そのようなエレメントは、例えば上述のように磁気共鳴造影剤を充填したチューブとして構築することができる。
【0068】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、実施態様を用いて説明する。本発明のインプラントのさらなる実施可能な手段およびそれを調製する方法は請求項から直接明らかになる。
【0069】
実施例
実施例1:ポリプロピレンメッシュ上に一体形成されたフォームから作製された円形予備成形体
3個のフォーム片(3Mフォーム・メディカル・テープ第1773番、30ミル;独立気泡ポリエチレンフォーム、厚さ0.87mm)を、相互に3.5cmの距離をおいて、1.1cm×45cmの大きさの普通に市販されているポリプロピレンメッシュの中央に、製造元メッズカンド・メディカル社(Medscand Medical AB)のいわゆるTVTシステムに用いられているように取付けた。丸いフォーム片(直径0.5cm)を事前に打ち抜いた。取付けは超音波溶接によりメッシュ側から行った。ブタの胃の一片に端部から約4cmに、全長にわたって約2cmの深さの切り込みを作製した。このメッシュ片に接触ゲルを塗布し挿入した。側面から3.75MHzのサウンドヘッドを有する東芝製超音波装置を用いて探測を行った。メッシュはほとんど認識可能ではないかまたは非常に弱くしか認識可能ではなかったが、予備成形体は明確に認識可能であり、とりわけ他の構造物から明確に識別可能であった。
pH=7.0の燐酸緩衝液に38℃で3カ月間事前保持したメッシュ片も匹敵するコントラストを示した。
【0070】
実施例2:ポリプロピレンメッシュ上に一体形成された環状卵形予備成形体
フォーム片(3Mフォーム・メディカル・テープ第1773番、40ミル;独立気泡ポリエチレンフォーム、厚さ1.02mm)を、1.1cm×45cmの大きさの普通に市販されているポリプロピレンメッシュの中央に、製造元メッズカンド・メディカル社(Medscand Medical AB)のいわゆるTVTシステムに用いられているように取付けた。このフォーム片を事前に卵形に切り出し(長さ1.3cm、幅0.8cm)、中心に孔(直径0.5cm)を設けた。取付けは超音波溶接によりメッシュ側から行った。
図1はこのインプラントの概略上面図である。同図において、可撓性の基本構造として使えるポリプロピレンメッシュは符号1で示し、ポリエチレンフォームから作製されるエコー発生予備成形体は2で示す。
ブタの胃の一片に端から約4cmに、全幅にわたって約2cmの深さの切り込みを作製した。このメッシュ片に接触ゲルを塗布し挿入した。側面から3.75MHzのサウンドヘッドを有する東芝製超音波装置を用いて探測を行った。メッシュはほとんど認識可能ではないかまたは非常に弱くしか認識可能ではなかったが、上記フォームは明確に認識可能であり、とりわけ他の構造物から明確に識別可能であった。図2はブタの胃に挿入されたインプラントの超音波図である。
【0071】
実施例3:ポリプロピレン糸上の密封中空糸
中空ポリイミド製ミクロ糸を太さ0.3mmのポリプロピレンフィラメント上に5cmの間隔で約1.3cmの厚さ(内径0.1mm、壁厚13μm、製造元マイクロルーメン(MicroLumen)社)に巻き付けて二重巻き取りを得た。これらの町行きを「ヒストアクリル(Histoacryl)」(B.ブラウン・サージカル社(B. Brwon Surgical GmbH))で固定し、ついでパラフィンワックス(融点73℃〜80℃)で密封した。これらの標識フィラメントは固定糸としてのメッシュにクロッシェ・ガルーン(crochet galloon)技法により導入することもできる。
ポリプロピレンフィラメントは超音波下では視認が困難であったが、標識は明確に認識可能であった。図3はこの標識フィラメントの超音波図である。
【0072】
実施例4:ポリプロピレンメッシュ上のガラス製中空体
ほぼ等体積のガラス製中空体(スコッチライト(Scotchlite(登録商標))K1、3M)とパラフィンワックスとの混合物を製造し、融解撹拌によりホモジナイズした。熱い混合物を冷えたガラス型内に注入した。固化膜(シンタクチックフォームの高さは約1mmであった。幅約2mm、長さ0.8cmのストリップをメスで切り出した。これらを長さ45cm、幅1.1cmのポリプロピレンメッシュ上に置いた。これらのストリップから小片を取り、小球に成形し、メッシュ上にプレスした。この標識は長さが約2mm、幅が約1mm、高さが約0.7mmであった。次いで、この標識をクロロホルム中、2%ポリカーボネート溶液(「マクロロン(Makrolon)」、バイエル社(Bayer AG))数滴と反応させた。溶媒を留去した後、この標識をポリマーフィルム内に導入したが、激しい機械式摩擦によってもメッシュから除去することができなかった。このように、標識を中心から中心へ1.5cmの距離で適用した。
標識はBイメージおよびカラー・ダブラー・イメージ(ATL社からのUM9超音波装置)の赤−および青−コード・ピクセルにおいて明確なコントラストを示した。
【0073】
実施例5:ポリプロピレンメッシュ上の封入中空糸
中空ガラス球の代わりに切断した中空糸(「ホローフィル(Hollofil(登録商標))」、型番4H、デュポン社)を用いたことが異なる以外は実施例4と同様の手順に従った。
これらの標識はBイメージでは明確なコントラストを示したが、カラー・ダブラー効果は何ら示さなかった。
【0074】
実施例6:複合メッシュ上に溶接された中空ポリエチレン予備成形体
両端を閉じたポリエチレンチューブ片を5cm間隔で非再吸収性の、実験的に織ったポリプロピレン(「プロレン(Prolene(登録商標))」、エシコン(Ethicon)社)およびポリビニリデンフルオライドとポリヘキサフルオロプロピレン(「プロノバ(Pronova(登録商標))」、エシコン社)との混合物からなる製品に超音波で溶接した。この織物製品(メッシュ)はラッシェリーナ(Raschelina)RD3MT3/420SN型クロッシェ・ガルーン機で調製した。このメッシュはポリプロピレン・ヤーンからなる大孔オープンメッシュに直径0.15mmの「プロノバ」モノフィラメントからなる着色ブロッシェ糸を追加したものである。このメッシュへの溶接は平坦化されたチューブ両端においてメッシュ側から行った。
この密封チューブ片は以下のように製造した。
長さ約3cmのポリプロピレンチューブ片(参照番号800/1000/420/100、シムズ・ポーテックス(Sims Portex)社)の両端を120℃で数秒間、追加の圧力を加えずに圧縮プレス内に保持した。平坦化および溶融された両端をそれぞれ約3mmの長さに切断した。この気体充填コア片は長さが7mm、コア直径が1.57mmであった。
【0075】
実施例7:複合メッシュ上に熱封止した中空ポリエチレン予備成形体
両端を閉じたポリエチレンチューブ片を2cm間隔で非再吸収性の、実験的に織ったポリプロピレンとプロノバからなる織物製品(実施例6参照)に超音波で溶接した。このメッシュはラッシェリーナ(Raschelina)RD3MT3/420SN型クロッシェ・ガルーン機で調製した。このメッシュはポリプロピレン・ヤーンからなる大孔オープンメッシュにプロノバ#5−0モノフィラメントからなる着色ブロッシェ糸を追加したものである。このメッシュへの溶接は平坦化されたチューブ両端においてメッシュ側から行った。
この密封チューブ片は以下のように製造した。
長さ約3cmのポリプロピレンチューブ片(参照番号800/1000/420/100、シムズ・ポーテックス(Sims Portex)社)の両端を120℃で数秒間、追加の圧力を加えずに圧縮プレス内に保持した。平坦化および溶融された両端をそれぞれ約2mmの長さに切断した。この気体充填コア片は長さが3mm、コア直径が0.28mmであった。
図4は両端が閉じたチューブ片10により形成されたエコー発生予備成形体の断面図である。切断面は気体充填コア12の領域にある。
【0076】
実施例8:圧力感受性のガラス製中空体を有するエコー発生ポリプロピレンフィラメント
1重量%のガラス製中空体(「スコッチライト(Scotchlite(登録商標))」K1、3M)を含有するポリプロピレン顆粒の混合物を調製した。この混合物を溶融し、ガラス棒で激しく混合した。このものは顕微鏡的厚さ0.15mmであった。顕微鏡下で、無傷のガラス製中空体(ガラス製マイクロカプセル)はフィラメントにおいて非常に明確に認識可能であった。
図5はフィラメント20からの一部分の側面図である。ガラス製中空体22の一部分はポリプロピレンおよび突起に部分的にのみ包囲されており、残りの部分は完全に封入されている。
水浴中で、このフィラメントは匹敵する太さのポリプロピレン製糸よりも明確により超音波下で大きなコントラストを示した。
【0077】
実施例9:エコー発生フィルム片を有する織物
1%スコッチライト(Scotchlite(登録商標))K1(3M)およびポリプロピレン(エシコン社)からなる実施例8からの硬化複合体の一部を熱プレス中30分間の期間、180℃の裏張り紙の間に保持した。次いで、得られたフィルムに2分間外圧3バールをかけ、再度外圧なしに180℃で15分保持した。その結果、この複合フィルムは厚さが0.58mmであった。パンチングモールドで幅3mmのストリップを打ち抜いた。
このフィルムストリップはドビー機における緯糸として合わせ織りにおける効果糸として作出された。60デニールのポリプロピレン・ヤーンを裏当て織物の経糸および緯糸として用いた。裏当て織物には平織を選択し、上述のエコー発生フィルム片を畝織り緯糸として平織に緯糸挿入10回目毎に2回挿入した。
図6はこの織物の構造の概略の形状を示す図である。裏当て織物(可撓性の基本構造)は符号30で示し、エコー発生フィルム片は32で示す。
【0078】
実施例10:気体充填マイクロカプセルを含有するエコー発生フィラメントを有するインプラントメッシュ
2.5重量%のガラス製中空体(「スコッチライト(Scotchlite(登録商標))」SK38、3M)と上記ポリマー、ポリプロピレン(基本材料プロレン(Prolene(登録商標))、エシコン社)との混合物を溶融ポンプおよび多孔ノズルを有するハーケ(Haake)押出機において230℃で押出した。太さ0.2mmのフィラメントを得た。
これらのエコー発生糸をポリプロピレン・ヤーンとともにラッシェリーナ(Raschelina)RD3MT3/420SN型クロッシェ・ガルーン機で加工した。この製造工程では、ポリプロピレン・ヤーンはコア糸として、エコー発生糸はブロッシェ糸として織り込まれた。
図7はポリプロピレン製コア糸40およびエコー発生ブロッシェ糸42を有する織物の一部分を示す図である。超音波的に検知可能なエレメント、すなわちブロッシェ糸42はこのようにインプラントの可撓性の基本構造に本実施例では構造成分として加工され、コア糸40とともにインプラントメッシュを形成する。
【0079】
実施例11:ポリエチレン製エコー発生予備成形体
コア長さ1.5mmおよびコア直径約0.58mmの予備成形体をポリエチレン製チューブ(参照番号800/1000/420/100、シムズ・ポーテックス(Sims Portex)社)から真鍮ステンシルを用いて製造した。このために、まずステンシルを直径1.5mmの二酸化ジルコニウム球(ミュールマイヤー・マールテヒニーク(Muehlmeier Mahltechnik)社)を圧縮プレス内で約0.75cm間隔の2枚の真鍮シートの間で約5バールの圧力でプレスすることにより製造した。球を除去した後、それらの刻印が2枚のシート上に最大直径1.5mmおよび深さ約0.75mmで一直線に見出された。
チューブ片(参照番号800/1000/420/100、シムズ・ポーテックス(Sims Portex)社、内径0.28mm、外径0.61mm)をこれらのシートの一方の上に置き、若干のセロテープ(登録商標)(バイエルスドルフ(Beiersdorf))で刻印に合わせて固定した。この圧縮プレスを120℃に加熱し、次いでこのチューブ片を添付したシートと若干の裏当て紙を1バールの圧力下に数秒間保持した。除去後、厚さ約0.28mmおよび幅約1.5mmのフィルムを除去した。このフィルムは長さ約1.5mm、高さおよび幅約0.6mmの気体充填エレメントを0.75mm間隔で有していた。
これらの予備成形体を水浴中、指で強く押圧したが、気体は逃げず、水は進入しなかった。この気体充填予備成形体をフィルム片に合わせて切断し、星型抑え縫(star−shaped topstitching)を用いて並列配置ロックステッチで縫製した。
【0080】
実施例12:ポリプロピレンメッシュ上に気体充填ガラス製マイクロカプセルを有するポリエチレン製予備成形体
界面活性剤(「プルロニック(Pluronic)F127」、「ルトロール(Lutrol)F127」、バスフ(BASF)社)20gとガラス製中空体(「スコッチライト(Scotchlite(登録商標))」S1、3M)2.5gとを水75gに混合した冷混合物を調製した。これを1.5cm間隔の結節(knots)を用いてポーテックス(Portex)ポリエチレン製チューブ内に封入した。結節の傍の突出端を可撓性の基本構造としてのポリプロピレンメッシュに約120℃で熱封止した。この予備成形体間(中心から中心)の間隔は2.5cmであった。
【0081】
実施例13:ポリプロピレンメッシュ上の安定化気体充填マイクロカプセル
エコー発生分解性ミクロ粒子をEP0644777B1の実施例9に従ってこれらを塩化ナトリウムおよびセトマクロゴール(Cetomakrogol)中に希釈することなく調製した。ミクロ粒子を調製後、冷酸性化界面活性剤溶液(「プルロニック(Pluronic)F127」、バスフ(BASF)社;20%)に1倍〜10倍希釈し、若干量の長さ0.5cmのパナクリル(Panacryl(登録商標))糸(エシコン社)をあらかじめその中に伸ばしてあるポリエチレン製チューブ(シムズ・ポーテックス(Sims Portex)社、内径0.28mm、外径0.61mm、参照番号800/110/100)内に注入した。パナクリル(Panacryl(登録商標))は再吸収性縫合材料であり徐々に分解して成分の乳酸とグリコール酸になる。次いで、チューブ両端を約1cmの間隔で結節し、チューブ両端を結節の反対側でポリプロピレン製メッシュに熱封止した。
このメッシュをpH=7の燐酸緩衝液中、恒温器内で38℃で6カ月間保持した。この時間経過後でさえも、充填チューブの形のエコー発生標識は超音波装置のBイメージおよびカラー・ダブラー(赤および青のコーディング)において依然として明確に認識可能であった。
【0082】
実施例14:長期間安定なポリマー製マイクロカプセルを有する、ヒドロゲル内に切断されて封入されたポリプロピレンテープ
本実施例において記載されているのは、長期間安定なエコー発生マイクロカプセルの調製、およびそれらの室温における、インプラントテープにしっかりと錨着された生体適合性の長期間安定なヒドロゲル内への穏やかな封入である。
モノマーをオクチルシアノアクリレート(ダーマボンド(Dermabond(登録商標)、エシコン社)に変え、pH値を中性に保ち(pH設定なし)、2時間の反応時間にした以外は実施例13と同様にして、エコー発生ミクロ粒子を調製した。約4カ月室温で貯蔵した後でさえも、この懸濁液は依然として貯蔵開始時に匹敵する高濃度の浮遊物質を示した。
モノマー/溶媒混合物をヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、眼科品質、ポリサイエンシズ社(Polysciences LTD)20ml、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(アルドリッチ(Aldrich)、24650−42−8)110mg、イソプロパノール10mlおよびエチレングリコールジメタクリレート(ポリサイエンシズ社)をポリエチレングリコール300 60mlに添加することにより調製した。しばらくして、明澄な溶液が形成された。
アルミニウムボウル内でミツロウから型を作製した。これを行うために、ミツロウをアルミニウムボウル内で溶融した。直径mmの金属棒を3本この型内に挿入した。冷却後、これらの棒を取り出した。その結果、深さ約5mmの凹部が生じた。次いで、市販製品「TVT」に用いられているようなポリプロピレンテープ(メッシュ)をこれら3つの凹部の上に置き2本の針でワックスに固定した。
次いで、調製したモノマー溶液を中性で4カ月貯蔵したポリオクチルシアノアクリレート懸濁液の浮遊物1mlと反応させ、マグネチックスターラーで簡単に分散させた。このモノマー/粒子混合物を型内に注入し約15cmの距離でUV重合ランプ(ポリサイエンシズ社、カタログ番号24001)を用いて0.5時間照射した。
テープを型から注意深く取り出した後、テープの両端が約5cm×1.5cm×3mmの大きさの足をからなるゲル予備成形体に封入されていることが判った。このテープは3mm厚のゲルシートのほぼ中央に位置していた。高さ約5mm、直径約5mmの円筒状キャップを、型に合わせて、相互に約1.5cmの距離をおいて配置した。光学顕微鏡下で無傷のミクロ粒子がゲル体内に認識可能であった。
次いで、ゲル標識を付けたこのテープを蒸留水で数日間洗った。水は毎日取り替えた。
【0083】
実施例15:「パナクリル」テープ上の気体封入物を有する「パナクリル」フィルム
ターシェリーネ(Tascheline)RD3MT3/420SN型クロッシェ・ガルーン機で80デニールの多繊維糸からちょうど2cm幅で製造された、徐吸収性の「パナクリル」テープ(エシコン社)にフィルム状の気体含有予備成形体を適用した。「パナクリル」(エシコン社)は95/5の比率のポリラクチド・グリコリドである。
このために、テープをPTFE−塗布シート状に置いた。テープの中央に相互に約1.5cmの距離で、「パナクリル(Panacryl(登録商標))」(エシコン社)にも使用されている95/5ポリラクチド・グリコリドの5%溶液数滴をそれぞれの場合にクロロホルムに添加した。このシートを数分間70℃に加熱した。テープ内に直径約5mmの多数の気泡状封入体を有する丸いフィルム片が形成された。このテープの繊維片はフィルムの両側に封入されている。フィルムの中心では、テープは溶解している。それにもかかわらず、気体含有フィルム片はテープに堅固に錨着されて機械的に擦っただけでは除去できなかった。
図8は気体含有フィルム片52を有するテープ50の部分の上面図である。
【0084】
実施例16:予備成形体としてのポリカーボネート製気体含有フィルムの調製
ポリカーボネート(「マクロロン(Makrolon)」、バイエル社)の10%クロロホルム溶液を調製した。真鍮製シート(約1cm厚)上に、深さ約1mmの切れ込みを有するスライダーを用いて高さ1mmにポリマー溶液を適用した。このようにして塗布したシートを加熱プレート(100℃)上に数分間置き、ときどきその上に冷空気を通した。直径約0.1mm〜3mmの多数の気体を有するポリマーフィルムが形成された。気泡は密集し一層を成していた。
直径4mmの丸い物体を打ち抜き、これらを、ポリエチレンメッシュを用いて超音波下で熱封止した。
【0085】
実施例17:エコー発生ミクロ粒子とシリコーンからのフィルム状予備成形体の調製
成分A(「エッシル(Essil)244 A2」、アクソン(Axson)社)10部と成分B(エッシル244 B)、アクソン社)のシリコーン抽出(silicone educt)混合物を幅約1cmのポリプロピレンメッシュ片上にブラシで薄く縦に塗布した。これらの片は約1cm幅、相互に約2.5cmの距離で製造され、メッシュを充填した。
第2の工程で、実施例13からのエコー発生ミクロ粒子混合物の浮遊材料から若干の物質を細いガラス棒を用いて取り出した。これは約1週間後に形成され、固形のクリーム状のコンシステンシーを有するものであり、これを個々のシリコーン片上に展開した。さらに若干量のシリコーン出発混合物を得られた約0.5cm幅のミクロ粒子標識を有する片に添加した。終夜硬化した後、可撓性のゴム様フィルム片が形成されたが、これは中心に約0.05mm〜1mmの大きさの気泡を含有していた。加えて、1μm〜2μmの大きさのミクロ粒子を含有した直径約50μmのミクロ封入体が観察された。
【0086】
実施例18:エコー発生ミクロ粒子を有するフィルム状予備成形体の調製
実施例13で調製したミクロ粒子懸濁液を激しく震盪することにより再懸濁し、水で1倍〜20倍希釈した。次いで、実施例17からのシリコーン出発混合物をPTFE−塗布金属シート上に塗布し、希釈したミクロ粒子懸濁液1mlと反応させた。これを全面(約8cm×8cm)に塗布し、再びシリコーン出発混合物を塗布した。得られたフィルムを終夜室温に保った。大きさ0.05mm〜1mmの気泡が形成され、フィルム上に均等に分布していた。
【0087】
実施例19:再吸収性エコー発生ミクロ粒子を有する徐再吸収性予備成形体の調製
ブチルシアノアクリレート(ジッヒェル社(Sichel GmbH)を平底アルミニウムボウル内に約3cm×3cmの液体膜が形成されるように滴下した。次いで、実施例13からの未希釈の酸性懸濁液を約6滴添加し、混合物を終夜放置した。翌朝、約1mm〜2mmの明確な境界を持つ均質に不透明のフィルムが形成された。ミクロ粒子滴が配置された地点では、より厚い、より不透明のフィルムの領域が観察された。このフィルムの厚さは約0.75mmであり、より厚い領域では、約2mmの厚さであった。顕微鏡下、フィルム全体にわたってミクロ粒子が認識された。実施例17および実施例18と対照的に、巨視的に視認できる気泡は形成されなかった。
【0088】
実施例20:再吸収性エコー発生ミクロ粒子を有師、部分的に再吸収性複合メッシュに付着した徐再吸収性予備成形体の調製
ポリラクチド95部とグリコリド5部とから調製された共重合体(パナクリル(Panacryl(登録商標)、エチコン社))を用いた以外はDe19813174A1の実施例2に基づき気体充填ミクロ粒子を調製した。
1mm×1mm、高さ0.5mmの大きさの正方形の隆起した領域を1mm2 毎に含む真鍮製シートにポリマー粒子を添加することにより、同じポリマーで型を調製した。水平シートを上に置き、200℃より高い温度でポリマー粒子を溶融し、軽く手で押圧した。この型を水に浸漬して急冷し、フィルムを取り出した。このフィルムの厚さは1mmであり、等距離の0.5mmの凹部を有していた。上記第1の工程で得られたミクロ粒子の粉末をブラシでこれらの凹部内に導入した。同じポリマーから作られた厚さ50μmの第2のフィルムをクロロホルム中で伸ばし、軽い圧力下で第1のフィルムに貼り合わせた。穿孔器を用いて予備成形体を打ち抜いて直径約6mmの丸いフィルム片の形にした。
これらのフィルム片をPTFE−塗布槽内に3cm間隔で置き、ポリプロピレン・ヤーン製の市販のインプラントメッシュ(「バイプロ(Vypro)」、エシコン社)とグリコリドとラクチドの90:10の比率の共重合体(バイクリル(Vicryl(登録商標)、エシコン社)とで覆った。次いで、ポリカーボネート(「マクロロン(Makrolon)」、バイエル社(Bayer AG))の10%(wt%)クロロホルム溶液を数滴これらフィルム片上に滴下し、フィルム片が溶解しないように、かつポリカーボネートフィルムによりメッシュに結合しているようにした。
【0089】
実施例21:気体封入体を有する徐再吸収性フィルムの調製およびそれから製造した予備成形体の部分的に再吸収性のメッシュへの結合
ポリラクチド・コグリコリド 95/5(パナクリル(Panacryl(登録商標))、エシコン社)から5%(wt%)クロロホルム溶液を調製した。この溶液50mlを数分間手で激しく震盪し、次いでIKA「ウルトラテュラックス(Ultraturrax)」攪拌機を用いて5,000rpmで撹拌した。この気泡含有粘稠溶液をPTFE−塗布型(充填レベル 約1mm)内に注入し、約50℃の加熱プレート温度で1.5時間保持した。非常に可撓性の高い約0.25mm厚の、気泡が封入され大部分が一層に分布したフィルムが形成された(大多数は直径0.5mm〜1mmであった)。しかしながら、0.1mmよりも小さい気泡および若干の直径5mmのものも顕微鏡下で観察された。
直径5mmの丸い片を打ち抜いた。PTFEを塗布したシート上にこれらを2.5cm間隔で置いた。90/10ポリラクチド・コグリコリドおよびポリプロピレン(「バイプロ(Vypro)」、エシコン社))からなる4cm×11.5cmの複合メッシュをこれらのフィルム片上に置いた。このメッシュのフィルム片領域に5%ポリラクチド・コグリコリド溶液をペンキ用ブラシで塗布し、第2の打ち抜きフィルム片を相手方としてそれぞれの上に置いた。これらのフィルム片同士を手で簡単に押圧した。これらのフィルム片は溶解せず、相互に接合した。
このようにして製造された気体充填予備成形体は直径が約6mmであり、厚さが約0.5mmであり、メッシュに堅固に錨着されて手で曲げたり、引き離そうとしたり、擦ったりしただけではメッシュから取り外せなかった。
【0090】
実施例22:徐再吸収性テープ上に再吸収性エコー発生マイクロカプセルを有する徐再吸収性フィルムの調製
フィルムの形成に異なるエマルジョンを用いた以外は実施例15と同様の手順を繰り返した。このために、スパン80(SPAN(登録商標)80、ソルビタン・モノオレエート、シグマ(Sigma)社)約2ml、(パナクリル(Panacryl(登録商標)、エシコン社))にも用いたポリラクチド−コグリコリドの5%クロロホルム溶液5mlおよび実施例13からの懸濁液約0.5mlからなるエマルジョンを単に手で震盪することにより調製した。このフィルム形成は40℃のテープ上で実施例15と同様にして行った。
【0091】
実施例23:ポリプロピレンテープ上のシンタクチックフォームから作製した予備成形体
直径0.5cmの円盤を実施例9で調製した複合フィルムから打ち抜いた。これらを市販のメッシュ状ポリプロピレンテープ(「TVT−テープ」、メッズカンド・メディカル社(Medscand Medical AB)上にメッシュの側面から1.5cmの距離で一列に超音波で熱封止した。
これらの円盤は機械的手段によってはテープから除去できなかった。また、円盤で標識された領域と未標識領域との間で弾力性または曲げ強度に感知し得る変化が認められなかった。
【0092】
実施例24:ポリプロピレンテープ上にさらに磁気共鳴造影剤を含有する予備成形体
部分的に磁気共鳴造影剤を充填したポリエチレン製予備成形体を調製した。このために、長さ約3cmのポリエチレン製チューブ片(参照番号800/1000/420/100、シムズ・ポーテックス(Sims Portex)社、内径0.28mm、外径0.61mm)の一端120℃で圧縮プレス内にさらに圧力を加えることなく数秒間保持した。次いで、若干の磁気共鳴造影剤(「エンドレム(Endrem(登録商標))」(ゲールバート(Guerbert)社)を約5mmの高さに注入した。次いで、第2のチューブの側面を熱封止した。この平坦化され溶融された両端部をそれぞれ約5mmの長さに切り取った。気体と磁気共鳴造影剤とを充填したコア片の長さは約1cmであった。
この予備成形体をメッシュ側からポリプロピレンメッシュ片に超音波で封止した。
この予備成形体で標識したメッシュをコンデンスミルク/ゼラチンファントム(7%コンデンスミルク200ml中にゼラチン6g)中に封入し、「ビスタMRT(Vista MRT)」磁気共鳴装置(1テスラ)を用いて測定した。このチューブ片はメニスカス検査に用いられているT2* −加重勾配エコー・シーケンスで明確に認識可能であった。
【0093】
産業上の利用分野
本発明に従えば、ポリマーを主成分とする可撓性基本構造を有する面状インプラントであって、患者に埋没後一次的にまたは持続的に診断用超音波方法を用いて信頼性をもって検知可能である面状インプラントが提供される。これらのインプラントは例えば外科処置において器官または組織を支持もしくは強化し、または治癒過程を促進するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
実施例2に従って調製したインプラントの概略上面図である。
【図2】
ブタの胃内に埋没後の実施例2に従うインプラントの超音波図である。
【図3】
実施例3に従う標識フィラメントの超音波図である。
【図4】
実施例7に従って調製した予備成形体の断面図である。
【図5】
実施例8に従って調製されたフィラメントの部分の側面図である。
【図6】
実施例9に従って調製された織物のパターン図案の概略図である。
【図7】
実施例10に従って調製されたインプラントの概略上面図である。
【図8】
実施例15に従って調製されたインプラントの概略上面図である。
【符号の説明】
10 チューブ片
12 気体充填コア
20 フィラメント
22 ガラス製中空体
30 裏当て織物(可撓性の基本構造)
32 エコー発生フィルム片
40 コア糸
42 ブロッシェ糸
50 テープ
52 気体含有フィルム片
【発明の属する技術分野】
本発明はポリマーを主成分とする可撓性基本構造を有する面状インプラントに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明はポリマーを主成分とする可撓性基本構造を有する面状インプラントは、例えばメッシュまたはテープの形に製造されたものが普及している。それらは例えば外科処置において器官または組織を支持もしくは強化し、または治癒過程を促進するために用いられている。このようなインプラントは永続的にまたは一定期間患者の体内に留まっていることが必要とされることが多い。この場合、基本構造は非吸収性ポリマーまたは徐吸収性ポリマーを含有している。
【0003】
時間が経過すると、挿入されたインプラントは移動し、収縮しまたは折り畳まれることがあり、このため患者に問題を引き起こすことがある。これは画像診断(imaging)方法を用いたとしても診断記録することが困難であり得る。というのは従来の面状インプラントは十分な可撓性を保証するために比較的に微細であり、処置後まもなく組織がそれらの中に成長して入り込み、従来普及している超音波またはX線のような診断方法を用いてももはや認識できなくなり、そのため診断に使用可能な判断を得ることが不可能になるからである。
【0004】
したがって、(例えば、鼠蹊部または腹部ヘルニアの治療用の)薄い面状ポリマーメッシュまたは(例えば膀胱領域に用いられる)テープを埋没した後、これらのインプラントは、広く認められているように、液状エコーの少ない境界(漿液腫(seroma))により包囲されていることが超音波下で最初に示される。しかしながら、このコントラストは次には減少する(H.F. WeiserおよびM. Birth、ビツェラルヒルルギッシェ・ソノグラフィー(Vizeralchirurgische Sonographie)、第315頁〜316頁、シュプリンガー・フェアラーク、2000年も参照)。このため、問題を十分に認識することができず、その後のインプラントの取り扱いが不可能になる。というのは、従来の装置を用いてインプラントを検知することが不十分にしかできないか、または全く不可能であるためである。
【0005】
PCT国際公開第WO 98/19713号には、エコー発生構造、すなわち超音波下で検知可能なものを表面に生成する(例えばカテーテルまたは注射器のような)医療装置が記載されている。超音波像のコントラストは気体と濃厚な媒質との間の境界面により達成される。しかしながら、提案された塗膜は長期間使用されるインプラントには適していない。例えば、ポリウレタン塗膜は加水分解され易く、かつ有毒な残存モノマー(ジイソシアネート)および分解生成物を有する。文献には、ジイソシアネートおよびそれから調製されたプレポリマーの危険な性質(例えば、ジッシュ(Zissu)他、コンタクト・ダーマタイティス(Contact Dermatitis)39(5)、248頁〜251頁(1998年11月))だけでなく分解生成物、例えば芳香族ジアミンの危険な性質(例えば、バティッヒ(Batich)他、ジャーナル・オブ・バイオメディカル・マテリアルズ・リサーチ(J. Biomed. Mater. Res.23(A3増補)、第311頁〜319頁(1989年12月))についても多くの項目が記載されている。これらはポリウレタンを埋没した後の遅発性の痛みおよびアレルギー反応の原因であることが議論されている。PCT国際公開第WO 98/19713号に開示されている塗膜の場合のさらなる問題点はインプラント上での機械的安定性である。詳しくは、インプラントメッシュによく用いられている平滑なポリマー、例えばポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリビニリデンフルオライドの場合は、単に浸漬するだけではインプラントに対する接着性は不完全になるが、これは薄いエコー発生フィルムは時間の経過とともに、特に曲げた際に、崩壊するからである。同じく記載されているポリアクリル酸塗膜も気泡がポリアクリル酸水溶液内に入ることにより医療装置上に堆積する泡を生成する。これらのアクリレートは水溶性であるため、この処方からは長期用インプラントに要求される持続性エコー・コントラストが得られないと考えられる。さらに、この塗膜は開いた空孔のチャネルを含み、そのため比較的容易に詰まり、それらのコントラストが失われることが言及されている。加えて、クレーター状の陥凹が開示されているが、これはせいぜい簡単な信号増幅を引き起こすことができるだけである。というのはこれらの陥凹は時間の経過とともに濡れ、それらに位置している気泡が溶解するからである。
【0006】
例えば「アルブネックス(Albunex)」(モレキュラー・バイオシステムズ社(Molecular Biosystems, Inc.)の商品名)のような市販の超音波造影剤の場合、その不十分な圧力安定性が問題となっている。生理学的に生じる低圧力(ビュイユ(Vuille)他、ジャーナル・オブ・アメリカン・ソサイエティ・オブ・エコーカーディオグラフィー(J. Am. Soc. Echocardiogr.)第7(4)巻、第347頁〜354頁(1994年7月〜8月);A.ブレイマン(Braymann)、ジャーナル・オブ・アクースティック・ソサイエティ・オブ・アメリカ(J. Acoust. Soc. Am. 第99(4Pt1)巻、第2403頁〜2408頁(1996年))でさえも、または急速な注射を行いまたは小さなカニューレを使用した場合に発生することがあるような大きすぎる圧力によっても、非常にわずかしか活性が残っていないかまたは完全に活性が残っていないほど大幅に造影剤が損傷される(ゾンネ(Sonne)他、インターナショナル・ジャーナル・オブ・カーディアックイメージング(Int. J. Cardiac Imaging)、第11(1)巻、第47頁〜53頁(1995年))。ゴットリープ(Gottlieb)他はビデオ濃度測定インビトロモデルにおいて10mmHG〜180mmHGの生理学的圧力で「アルブネックス」の崩壊の圧力依存性を観察し、生理学的圧力において十分に安定な超音波造影剤の必要性を指摘した。
【0007】
したがって、「アルブネックス」のような超音波造影剤は、PCT国際公開第WO 98/19713号にエコー発生塗膜用の気体含有原料として「アルブネックス」を使用することが提案されているにもかかわらず、長期用インプラントメッシュとして使用するのには適していない。高圧力に対する感受性のために、インプラント保有者が軽く咳をしただけでインプラントのエコー発生性が損なわれることがあり得る。また、酵素に対する感受性もある。
【0008】
PCT国際公開第WO 95/01165号では、生理学的に許容し得る医療用の有機多孔集合体(aerogels)および熱分解された多孔集合体(すなわち炭素多孔集合体)が記載されている。しかしながら、これらの材料のため、いずれの具体化例も長期用インプラントとともに使用するのに適してはいないようである。例えば、レゾルシン、メラミンまたはレゾルシノールとホルムアルデヒド並びに炭素多孔集合体から作製された上述の付加物は通常のインプラント材料ではない。さらに、そのような多孔集合体を超音波造影剤として使用したときに、埋没後にその気体含量が急速に失われることを防止するための適切な密封が開示されておらず、平坦な可撓性ポリマーインプラント上の塗膜または付着物に対する言及もない。
【0009】
米国特許第5,081,997号は、例えば直径5μmのガラス粒子のような音波反射材料を例えばカテーテルのような医療用製品上に配する多くの実行可能な手段を記載している。中空粒子も言及されている。これらの音波反射材料に加えて、マトリックス中には気体が含有されている。しかしながら、面状長期用インプラントの使用には言及がない。
【0010】
米国特許第5,327,891号には、超音波下でのカテーテルの検知性をミクロ気泡を用いて向上する方法が示されている。
【0011】
PCT国際公開第WO 00/09187号には超音波下での医療装置(例えば生検用針)の検知性を向上するプラスチック、特に重質ナノ粒子(密度5g/cm3 )製複合体が開示されている。しかしながら、面状長期用インプラントとともに使用するためには、そのような比較的に重質の粒子はそれほど適してはいない。
【0012】
近年、静脈内使用のための超音波造影剤の製造に対する多数の取り組みがなされている。これは本質的に例えば、脂肪酸(「レボビスト(Levovist)、シェーリング社」;B.B.ゴールドバーグ(Goldberg),「超音波造影剤」、マルチン・デュニスト社、1997年)を含有していてもよい多孔性の糖のミクロ粒子(「エコビスト(Echovist)、シェーリング社」を震盪することにより製造される安定化ミクロ気泡(mirobubbles)、またはわずかに架橋された気体充填タンパク質マイクロカプセル(「アルブネックス」、モレキュラー・システムズ社;「オプティソン(Optison)、MBI社」を含む。また、ポリラクチド、ポリカプロラクトンその他の際吸収性ポリマーを主成分として製造される気体充填際吸収性ポリマー製ミクロ粒子の製造に対する多数の取り組みもある。
【0013】
しかしながら、既知の製品はいずれもそれ自体長期にわたって持続的超音波コントラストを生成するものではない。その理由は、安定化気泡は血液または組織中で溶解するか、あるいはタンパク質またはポリマーの殻が単純な加水分解または酵素による分割の結果分解するためである。例えば、EP0644777B1号に記載されているポリブチルシアノアクリレートから作製されたポリマー製ミクロ粒子は血清中で急速に分解され、4時間後には事前に濁っていた懸濁液が澄み、代謝物が100%検出される。この形態のかかる粒子は長期用インプラントには適していない。
【0014】
他の問題は、大部分が水中油型方法または油中水型方法に基づくマイクロカプセル調製方法である。この場合、例えば凍結乾燥により気体コアが生成される必要があり、そのためには完全に不透過性ではない壁が必要とされる。しかしながら、水はこのわずかに多孔性壁を通して再入することができる。これに伴う気体の損失により、超音波コントラストが低下する。
【0015】
発明の開示
本発明の目的はポリマーを主成分とする可撓性基本構造を有する面状インプラントであって、患者に埋没後一次的にまたは持続的に診断用超音波方法を用いて信頼性をもって検知可能である面状インプラントを提供することである。
【0016】
この目的は請求項1の特長を有する面状インプラントにより達成される。本発明の好適な態様は従属請求項から明らかになる。請求項30〜請求項55はそのようなインプラントの製造方法に関し、請求項56はこのインプラントの本質的部品である超音波的に検知可能なエレメントの作製方法に関する。
【0017】
本発明の面状インプラントはポリマーを主成分とする可撓性基本構造と超音波的に検知可能なエレメントとを有する。これらのエレメントは気体を含有または生成する。気体生成エレメントとは患者の体内にインプラントを挿入した後または超音波検査中に、例えば患者の体内の温度が室温と比べて高いことにより、または超音波場により、気体を放出するエレメントを意味する。超音波で検知可能なエレメントの気体含有特性は、従って、少なくとも超音波検査中に存在しているが、これは超音波画像に良好なコントラストを生じるため、本発明のインプラントは超音波方法を用いて容易に視認可能である。超音波で検知可能なエレメントは埋没後少なくとも4週間検知可能に設定されるので、処置後一定時間でさえもまたは永続的にでさえもインプラントが検知できる。以下に詳細に説明するように、そのような長期間安定なエコー発生エレメントに対しては種々の実行可能な手段がある。エレメント(elements)という用語はここでは複数形であるが、そのようなエレメントを1個だけ含む相当するインプラントは当然に等しく本発明の一部を構成する。以下、「超音波で検知可能」または「超音波的に検知可能」の代わりに、「エコー発生」という用語も使用する。
【0018】
インプラントは永続的埋没用に設定するのが好ましいが、再吸収可能にしてもよい。したがって、超音波的に検知可能なエレメントは組織適合性の形態であり、生体適合性である。すなわち、可能な限り有毒物質を長期間経過後でさえも放出せず、好ましくは永続的に基本構造に結合している。インプラントは全体的に可撓性であるのが好ましい。超音波で検知可能なエレメントにより、外科処置後の任意のときにまたはインプラントを挿入する際に必要に応じてインプラントが視認できるようになる。
【0019】
本発明は、面状の、可撓性の長期用インプラント(例えば、テープまたはメッシュ)を、インプラントの低重量、可撓性、曲げ強度、弾力性または引張り強度のような性質を従来のインプラントから変えずに、またはわずかしか変えずに、超音波下で検知可能にする。このエコー発生エレメントにより、インプラントが埋没のときに診断用超音波処置でよく認識できるようになる。インプラントの明確な認識が可能である。すなわち、例えば筋膜のような人体自体の構造から十分に目立つ。さらに、エコー発生エレメントの形の標識の十分な機械的安定性とインプラントの可撓性基本構造への安定した付着とが保証される。
【0020】
インプラントとして使用するためには、内容物および生じる可能性のある分解生成物の無害性のような条件を満たすことができる。本質的に長期用インプラントが関係しているので、エコー発生特性はエコー発生エレメントの形の標識がそれぞれの要件に合致するように設定される。したがって、非再吸収性または部分的再吸収性のインプラントは埋没の間または少なくとも、経験が示すように、合併症が起きる期間にもっともよく検知される標識を有している必要がある。一方、再吸収性インプラントはインプラントの基本構造が存在している期間にもっともよく視認でき、その後急速に崩壊または人体から排除される標識を含んでいる必要がある。このエコー発生エレメントの分解プロフィールは適宜材料を選択することによりインプラントの基本構造の分解プロフィールに合致させることが好ましい。
【0021】
本発明のインプラントは従来の、旧式の超音波装置を用いても検知可能であるが、例えば個別の共鳴効果、非線形効果、促進破壊音(stimulated acoustic emission)(B.ゴールドバーグ(Goldberg)編、「超音波造影剤(Ultrasound Contrast Agents)」、マルチン・デュニッツ(Martin Dunitz)社、1997年の第2章のフォルスベルク(Forsberg)著「超音波造影剤の物理(Physics of Ultrasound Contrast Agents)」も参照)、ハーモニック・イメージング(Harmonic Imaging))、パワードップラー(Powerdoppler)、パルス・インバージョン・ハーモニック・イメージング(Pulse Inversion Harmonic Imaging)(ATL社製HDI5000)、ジーメンスアンサンブル・ティッシュー・ハーモニック・イメージング(Siemens Ensemble Harmonic Imaging)(ソノライン・エレグラ(Sonoline Elegra)、ソノライン・オムニア(Sonoline Omnia))あるいはイメージング処理における新しい傾向、例えば3D法またはいわゆるジースケープ(SieScape(登録商標))が使用されている器械技術の新しい開発を考慮している。
【0022】
エコー発生エレメントは、それらの背後にある構造のX線もしくは磁気共鳴検査または超音波検査等の診断処置が角の造影によって妨害されないように配置することができる。
【0023】
超音波的に検知可能なエレメントが面状パターンで配置されると特に有利である。それは、この場合インプラントの移動またはインプラントの部分(例えば、隅部の周りの折り畳み)が超音波イメージ上で容易に認識することができるからである。このパターンの個々の成分間の距離の変化から収縮または伸長さえも観察することができる。さらに、このパターンにより、切除、補助剤の注入または緊縛(tightening)のような事後の処置のための、インプラントの特に関心のある領域を、好ましくは侵襲性が最低限となる条件下で標識して超音波モニタリングを行うことも可能である。パターンはインプラント(またはその部分)を後に再び除去すべきであるならばインプラントの認識の際に有利でもある。特に、埋没中のインプラントの超音波検知性はパターンによりかなり全般的に改善される。
【0024】
基本構造は非再吸収性ポリマー、再吸収性ポリマーまたは非再吸収性ポリマーと再吸収性ポリマーとの混合物を含有してもよい。例えば、基本構造は場合によって部分的にもしくは完全に吸収性ではない1種以上の埋没可能なポリマーまたはそのようなポリマーの混合物を含有するのが好ましい。
【0025】
組織適合性の非再吸収性または非常に吸収の遅い再吸収性の物質の例としては、ポリアルケン類(例えば、ポリプロピレンまたはポリエチレン)、フッ素化ポリオレフィン類(例えば、ポリテトラフルオロエチレンまたはポリビニリデンフルオライド)、ポリアミド類、ポリウレタン類、ポリイソプレン類、ポリスチレン類、ポリシリコーン類、ポリカーボネート類、ポリアリールエーテルケトン類(PEEKs)、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸エステル類、芳香族ポリエステル類、ポリイミド類並びにこれらの物質の混合物類および/または共重合体類が挙げられる。再吸収性物質としては、例えば、ポリヒドロキシ酸類(例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレリエート)、ポリカプロラクトン類、ポリジオキサノン類、合成および天然オリゴ−およびポリアミノ酸類、ポリホスファゼン類、ポリ無水物類、ポリオルトエステル類、ポリホスフェート類、ポリホスホネート類、ポリアルコール類、ポリサッカリド類、ポリエーテル類、再吸収性ガラス類ならびにそのような物質の混合物類および/または共重合体類が考えられる。好ましくは、これらのインビボ再吸収持続期間は30日以上である。
【0026】
可撓性の基本構造はメッシュ、テープ、フィルムまたは穿孔フィルムとして構築し、原則として従来のタイプのものであるのが好ましい。可撓性の基本構造は1mmよりも薄いのが好ましい。所与の手術で使用すべきインプラントの形状は手術前に大きな材料からその寸法に切断する。
【0027】
超音波処置において特に明確に視認可能であるエコー発生エレメントは封入された気体または生理学的条件下および/または超音波下で気体を発生する化合物を含有する。特に好適なのは無毒および化学的に安定なエレメントまたはこれらの性質を最終生成物として持つ化合物である。
【0028】
エコー発生エレメントは基本構造に相当する構造材料(すなわち、気体または気体発生物質とは別に本質的にエコー発生エレメントがそれから製造される材料)を有しているのが好ましい。エコー発生エレメントはしたがって同様に非再吸収性、部分的に再吸収性または完全に再吸収性であってもよい。
【0029】
非再吸収性のインプラントの場合、線状構造(好ましくは糸)または予備成形体の形の生体適合性独立気泡またはシンタクチックフォームが可撓性基本構造の製造後または製造中にインプラントに取付けられる。シンタクチックフォームとは気体充填独立気泡フォームがマトリックス中に充填剤として中空球を用いることにより生成されるポリマー材料を意味する。
【0030】
パターンの形態の配置により、そのような予備成形体または糸を基本構造に取り付けて、インプラントがある領域では超音波下で視認可能ではないか視認可能性が低く、視認性がよい領域も含むようにすることができる。これらの標識により人体自体の構造を明確に認識し識別することができる。
【0031】
連続気泡フォームはシンタクチックフォームの場合だけに使用すべきであり、外部孔径が流形よりも小さいことが必要である。境界的な場合は気体充填ミクロ粒子を含有するヒドロゲルである。
【0032】
糸および予備成形体の材料は、長期埋没の場合でさえも主鎖の加水分解による分解の心配がない発泡ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン)であるのが好ましい。フォームを調製する方法は多数あるが、ほとんど1960年代前のものである(「ウルマンの工業化学百科事典(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry)」第A11巻、第435頁、第5版1988年の「発泡プラスチック」も参照)。
【0033】
しかしながら、例えば、ジョージア工科大学でコクラン(Cochran)博士の研究グループにより製造された焼結された薄壁気体充填チタンまたは鋼製マイクロカプセルから作製された好適な金属製フォームまたはガラス製フォームも使用することができる。
【0034】
例えば、窒素、酸素、CO2 、パーフルオロアルカン、フッ素化アルカン、SF6 、希ガス類のような気体、または少量では生理学的に無害のアルカン類もしくはシクロアルカン類を押出成形中に直接気化法を用いてポリマー中に導入することができる。しかし、これは例えばいわゆるミューセル(MuCell(商標))法(トレクセル(Trexel)社)におけるような超臨界条件下でも行うことができる。ポリマーに対する透過性が低く、血液または血漿中にわずかしか溶解しない気体、例えばパーフルオロアルカンをポリプロピレン中に使用するのが有利である。
【0035】
さらなる実行可能な手段としては、文献に記載されているように膨潤剤(発泡剤)を用いて膨張させることである。アゾ化合物のような毒物学的に問題のある物質はこれらまたはその分解生成物が十分に封入されるときに限って使用すべきである。さらに好適なのはベーキングパウダー、水または例えばマロン酸およびそのエステル類のような容易に脱カルボキシル化し得る物質のような物質である。
【0036】
そのような方法により、エコー発生予備成形体あるいは糸または編物をインプラントの基本構造に種々のパターンで適用することができる。パターン状の配置の利点は人体自体の構造の識別性である。
【0037】
しかしながら、気体は中空ガラス体(例えば「スコッチライト(Scotchlite)」、3M社の商品名、「Q−セル(Q−cel)」PQ社の商品名)、発泡シリケート(例えば「パーライト・ホロー・スフィア(Perlite Hollow Spheres)」、ザ・シャンドラー(The Schundler)社の商品名)、ガラスフォームまたは気体充填ポリマーカプセル(例えば、PQ社の「プラスチック・ミクロスフィアズ(Plastic Microspheres)」)、アエロジェルまたは中空糸(例えば「ホローフィル(Hollofil)」、デュポン(DuPont)社の商品名)の封入により予備成形体または糸に永続的に含めることができる。この封入は、例えばスプレーコーティング、溶媒蒸発、配合または押出により行うことができる。
【0038】
さらなる実行可能な手段は予備成形体または糸にカーボン・ナノパイプを封入することからなる。ポンシャラル(Poncharal)他(サイエンス(Science)、第283巻、1513頁〜1516頁(1999年3月5日))はカーボン・ナノパイプがいくつかのMHz帯域において非常に鮮明な電気力学的共鳴を表示することを示している。新規な超音波分析方法により、基本周波数だけでなく高調波周波数のこの共鳴の鮮明さが周囲の組織の共鳴信号からインプラントを非常によく分離するのに使用可能であるはずである。
【0039】
特に加水分解性側鎖を有するポリマー、例えばポリアクリル酸エステル類またはポリメタクリル酸エステル類の場合、予備成形体または糸に安定な中空体を使用することが推奨し得るが、これはさもないと加水分解および発泡の際気体の損失によりコントラストが失われるからである。ポリマーに追加の加水分解安定架橋を施すことは気体充填ガラスまたはポリマー粒子がパターンの標識から離脱しないようにするために推奨し得る。
【0040】
予備成形体の調製は、例えば、好適なスターターシステム(例えば過酸化ベンゾイルおよびN,N’−ジメチル−p−トルイジン)を用いて中空ガラス体と反応させたポリ(メチルアクリレート、メチルメタクリレート)中でメチルメタクリレートを重合することにより行うことができる。そのようなモノマー−ポリマー系は1960年代以降、骨セメントにおいて使用されているので、長期間生体適合性であるとみなすべきでもある。良好な加工性を達成するために、アエロシルのような顔料に粘性を付与してもよい。
【0041】
さらなる実行可能な手段としてはエコー発生気体充填マイクロカプセル(例えば超音波造影剤)を封入することである。これらは十分な温度、圧力および貯蔵安定性を有する。造影剤の包含は例えばチューブまたはチューブ状フィルム内に導入することにより行うことができる。造影剤の加水分解を抑える酸、塩基または緩衝系を添加することも有効である。さらに、ゲルは酵素が造影剤に接近するのを防止することができる。しかしながら、長時間にわたって安定である、特に非再吸収性の超音波造影剤を調製するのが好ましい。例えば非経口用途に本質的であるような限定、すなわち粒子が脈管到達可能であり、したがって10μm未満の直径を持っている必要があるという限定はここでは該当しない。
【0042】
気体充填エコー発生構造のヒドロゲルへの導入は、また、ヒドロゲル物体自体がしばらくたつと体内に存在しているような漿液腫のないインプラントの一定の識別性を与えるという利点も有する。これらの物体は超音波画像中で漿液腫様に見えることがある。生体適合性の天然および/または合成ポリマーは用途によりこれらのヒドロゲル用の材料であると考えることができる。イオン的にまたは化学的に架橋されたポリアミノ酸類、合成高分子電解質類および部分的、非−または完全加水分解されたポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルもしくはポリシアンアクリル酸エステルを挙げることができる。さらに、ポリエチレングリコール類(PEGs)、ポリビニルアルコール類(PVAs)、ポリビニルピロリドン類(PVPs)またはモノ−、オリゴ−もしくはポリサッカリドを含有するヒドロゲルを挙げることができる。
【0043】
したがって、体内におけるインプラントの位置をそのようなエコー発生エレメントのパターン状配置および形状によって、真正の漿液腫または炎症の診断が誤って陽性または陰性に曲解されることなく確定することができる。したがって、気体充填物体に加えて、液体充填物体も有利であり得る。
【0044】
エコー発生気体充填マイクロカプセルの封入もそれらが後方散乱だけでなく寸法および壁厚によっても一定の陽性コントラストを発生し、この散乱の共鳴周波数は診断的に普通の範囲(0.5MHz〜20MHz)に設定することができ、それにより励起周波数において増幅されたエコー信号がもたらされる。加えて、例えば高調波画像診断法(harmonic imaging)の場合のような非線形効果も使用することができる。さらに、これらの粒子の例えば「促進破壊音(stimulated acoustic emission)」と呼ばれるカラー・ダブラー(color−doubler)効果(ブロムリー(Blomley)他、「医学および生物学における超音波(Ultrasound in Medicine and Biology)」、第25(9)巻、第1341頁〜1352頁(1999年11月))を使用することができる。
【0045】
エコー発生マイクロカプセルは人体内で約4週間から数年間安定であるように構築することができる。したがって、例えば長鎖シアノアクリレート類(ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、...)またはメタクリル酸エステル類のエコー発生ミクロ粒子を調整することができる。非再吸収性ポリマーおよび再吸収性ポリマーからなる混合粒子も使用することができる。
【0046】
例えば、若干のポリラクチド類、ポリラクチドグリコリド類、ポリカプロラクトン類またはポリジオキサノン類等のポリエステル類(例えばポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸のようなα、β、γ、...ωポリヒドロキシ酸類)、ポリエーテルエステル類およびポリアミド類並びにそれらの混合物類および共重合体類製の徐再吸収性ポリマーインプラントの場合、気体は非再吸収性ポリマーとともに導入することができる。しかしながら、非再吸収性担体は除外される。代わりに、分解性ガラスカプセルまたは再吸収性エコー発生ポリマー製マイクロカプセルが、すでに説明したように可撓性基本構造の在鑞から調製されたシンタクチックフォームまたは主に連続気泡のフォームを調製するのに使用される。
【0047】
再吸収性ポリマーの分解も化学的組成および鎖長とは別に、寸法、多孔率および組織に一般的な条件(例えば、物質輸送)によっても決まることがあるので、エコー発生領域は分解特性および再吸特性が実際のインプラントと合致している必要がある。さらに(例えば脂肪、ワックス、ポリマー、無機物のような)再吸収性物質、(例えば酸化物系顔料、炭酸化顔料、カルボン酸、無水物のような)配合ポリマー添加物または膨張および分解挙動に影響する配合ポリマーを用いた追加の塗膜を設けることで影響を与えることができる。
【0048】
本発明のインプラント調製方法の一態様では、エコー発生マイクロカプセルをインプラント中で気泡を調製するための出発粒子として用いる。これらの出発粒子は調製後または埋没後も完全にまたは部分的にそのまま保持することができる。しかしながら、それらは調製完了時または埋没後まもなく変化しもはや存在しないことも考えられる。
【0049】
特定のエコー発生ミクロ粒子(マイクロカプセル)は強い(例えば0.5バールよりも大きい)圧力に一定の感受性を持つことが多く、かつ昇温する場合があるので、これらの場合、エコー発生線状構造(例えば、フィラメント、糸)および予備成形体の調製方法として特に穏やかな調製方法を選択することが重要である。このために、以下の実行可能な手段を例として挙げる。
【0050】
a)界面重合を用いる2相カプセル化法。気体充填ミクロ粒子を水相に分散し、そのpHを十分に塩基性の値に設定するか、または緩衝する。加えて、モノマー類の一種(例えばジアミン成分)をこの水相に溶解し、第2のモノマー(例えば、カルボン酸ジクロリド)をより軽い有機相に溶解するが、この有機相はマイクロカプセルを溶解しないものである必要がある。
【0051】
それらの密度により、エコー発生マイクロカプセルは相界面の方向に浮遊する。適当に引き寄せると、マイクロカプセルが封入された糸を得ることができる。
【0052】
この原理は例えば他の重付加、重縮合または重合その他の系にも移すことができる。水系中でアミン類、チオール類、アルコール類に結合することができ、アルデヒド類、アルコール類、セミアセタール類、無水物類、酸ハライド類、オルトピリジルジスルフィド類、ビニルスルホン類、エポキシド類、マレイン酸イミド類、スクシンイミジルエステル類、p−ニトロフェニルカーボネート類、オキシカルボニルイミダゾール類、ベンゾトリアゾールカーボネート類、アミン類から選ばれる少なくとも2個の反応性官能基を有する他の系も同じく適している。
【0053】
マイクロカプセルの位置安定性は表面上の官能基によりさらに向上させることができる。例えば、ガラス製マイクロカプセルを1,1,1−トリアルコキシシリルアミン類または1,1,1−トリアルコキシシリルエポキシド類との反応により表面改質することができ、それによりより良好な共有結合をフィラメントのマトリックスに導入することが達成可能である。同様の方法が表面改質気体充填ポリマー製マイクロカプセルを用いても可能である。
【0054】
b)溶媒沈殿。さらなる実行可能な手段はエコー発生糸を溶媒沈殿により調製し、その間に造影剤を封入することである。溶媒を適切に選択することが、特に感受性のポリマー製マイクロカプセルの場合に、重要である。この溶媒はカプセル材料を攻撃するものであってはならない。
【0055】
pH沈殿が特にポリアミド類(例えば、ナイロン)または中性pHで溶解性ではない若干のタンパク質に対して推奨される。pH沈殿は、例えば、PCT国際公開第WO 93/25242号に記載されているような気体充填ポリブチルシアノアクリレート製マイクロカプセルの場合に使用することができる。例えば、ナイロンを酸に溶解し、粒子をその中に懸濁し、適当な沈殿浴を用いて沈殿させる。
【0056】
c)溶媒蒸発。エコー発生予備成形体または糸はさらにエコー発生ミクロ粒子をポリマー溶液に懸濁した懸濁液を用いて調製することができる。溶媒を留去した後、ミクロ粒子を封入する。この場合も、溶媒は糸および予備成形体の製造時に溶媒による粒子の損傷が大幅に回避されるように選択される必要がある。
【0057】
d)誘導封入。インプラントの基本構造上にすでに配置されているか事後的にそれに適用される、溶解性でないが一般的な条件(例えば溶媒、pH、温度)下で膨張可能な糸または予備成形体を膨張させる。エコー発生粒子をインプラントに適用し、その中に拡散させ、糸または予備成形体の材料を初期状態に戻すこと(例えば、膨潤剤の除去、pH変化、温度変化)により封入する。
【0058】
e)フィラメントの押出し。単軸押出機または二軸押出機の場合にかなりの圧力が発生することがあるので、十分な圧力安定性をもつのとして製造元により提案されているものをガラス製中空粒子の場合に使用する必要がある。粒度はノズルの寸法に合わせて調製する必要がある。
【0059】
f)ヒドロゲルへの室温封入。ポリマー製マイクロカプセルは、下記実施例14に記載したように、低溶媒含量または無溶媒で、例えばヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、PEGアクリレート、PEGメタクリレート、およびそれらの二官能性誘導体から調製されるように、親水性ポリマーゲル内に非常に穏やかに封入することができる。重合はUV下、ジアルコキシフェニルアセトフェノン類のような増感物質で促進し、またはインプラントの可撓性の基本構造に対しておよびマイクロカプセルの両方に対して穏やかな処理を可能にする低温開始剤の存在下で行われるのが好ましい。
【0060】
再吸収性の予備成形体をヒドロゲル含有再吸収性エコー発生マイクロカプセルから調製するためには、フォーカルシール(FocalSeal(登録商標)、CAS第202935−43−1号)に用いられているようなモノマー類またはプレポリマー類を使用するのが好ましい。しかしながら、一般的には、親水性の再吸収性ビスアクリレート類またはメタクリレート類はすべてA−B−C−B−A型のヒドロゲルの調製に適している。ただし、A=メタクリレート、アクリレートまたはビニルエーテル、B=ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリ−2−ヒドロキシ−ブチレート、ポリ−2−ヒドロキシバレリエート、ポリトリメチレンカーボネートまたはそれらの共重合体、およびC=例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)またはポリビニルピロリドン(PVP)のような親水性鎖である。
【0061】
さらなる特に好ましい実行可能な手段はエコー発生ポリラクチド製マイクロカプセルをタンパク質の存在下でスプレー法により調製することである。これはDE19813174A1の実施例2に基づく下記の実施例20に記載されている。すなわち、例えば、通常のように引き続き乾燥することにより製造したのではなく、スプレー法を用いて気体コアが製造されている、アルブミンの存在下で調製されたポリラクチド・コグリコリド粒子(95/5)を調製後水に再懸濁し、例えばグルタルアルデヒドのようなジアルデヒドの添加により濡らした。これは任意的に凹部を含む適切な型内にインプラントの基本構造、例えばメッシュを置いて行うことができる。このようにして製造された予備成形体はそれ自体可撓性であり、原則としてメッシュにいくつかの目にわたって錨着されており、このメッシュは最終的に予備成形体中に封入され、そのため予備成形体付きインプラントは多くの塗布方法では達成されないような十分な安定性を有する。
【0062】
意図した用途によっては、本発明のインプラントは埋没後に任意に局所的放出が可能な少なくとも一種の生物学的活性成分を有していると有利である。そのような活性成分として考えることができる物質は、例えば天然活性成分、合成活性成分、抗生物質、化学治療剤、細胞増殖抑制剤、転移阻害剤、抗糖尿病薬、抗真菌薬、婦人科薬、泌尿器薬、抗アレルギー薬、性ホルモン、性ホルモン阻害剤、止血薬、ホルモン、ペプチドホルモン、抗鬱薬、抗ヒスタミン薬、裸DNA、プラスミドDNA、カチオン性DNA複合体、RNA、細胞成分、ワクチン、体内の天然細胞または遺伝的改変細胞である。活性成分は例えばカプセルに封入された形態または吸収された形態で、特に基本構造上または超音波的に検知可能なエレメント(例えば予備成形体)上に存在可能であり、特別の活性成分担体も考えることができる。そのような活性成分を用いると、適用により診断を改善することができるか、または治療効果を得ることができる(例えば、傷の治癒の向上、炎症の阻止)。
【0063】
磁気共鳴断層撮影法では、面状ポリマー性インプラントは、普通は視認可能である。しかしながら、特に、通常市販されているポリプロピレンメッシュよりも単位重量が低い軽いメッシュの場合は、体の水および脂肪のプロトンの傍にインプラント材料の非常に少ないプロトンが存在しているだけである。これらの場合に、十分な信号−対−ノイズ比を得るために、測定時間を長くする必要があるが、その間患者はそれぞれの身体部分を静止状態に保つ必要があり、または腹部の検査の場合は、息を止める必要がある。加えて、これらのインプラントは薄いメッシュのストリップの形であり、典型的な走査深さである6mmでもすでにインプラントの正確な位置および場所を記録するのに問題を生じることがある。
【0064】
この場合、本発明のインプラントの利点は、体内の意図した位置によって、脂肪に富む予備成形体を、例えば筋肉用インプラントに、または含水予備成形体を脂肪質の環境内のインプラント用に取付けることができる。加えて、含水予備成形体は水の他に、例えば「エンドレム(Endrem)」(ゲールバート(Guerbert))、ガトリニウム(Gadoliniumu)DTPA(アルドリッチ(Aldrich))または「マグネビスト(Magnevist)」(シェーリング(Schering))のような普通に市販されている磁気共鳴造影剤を含有していてもよい。
【0065】
そのような予備成形体または線状構造体も、例えば、磁気共鳴造影剤を充填した直径0.28mm、外径0.61mmのポリエチレン性チューブをメッシュに適用することにより設計することができる。例えばコンデンスミルクファントム(コンデンスミルク+ゼラチン)中でT2* −加重勾配エコー・モードで測定するとき、チューブの造影剤のコアとポリマーのシェルの両方が明確に視認可能である。加えて、上記超音波的に検知可能なエレメントを個別に適用することができる。水相の適当な超音波造影剤を水性磁気共鳴造影剤と反応させ、混合物をチューブ内に注入して予備成形体を形成することも可能である。あるいはまた、これらの造影剤を十分に架橋されたゲル内のインプラントに適用して、造影剤がそこから拡散して出ることができないようにすることができる。さらに、超音波内で検知可能な封入されたフルオロアルカンも磁気共鳴コントラストを達成するのに適している。
【0066】
このようにして構築された本発明のインプラントに対しては、パレイ(Paley)他(ユーロピーン・ラジオロジー(Eur. Radiol.)、第7巻、第1431頁〜1432頁(1997年))に記載されているような個別に特化した磁気共鳴系は不要である。普通に市販されている装置で十分であり、放射線技師は例えばメニスカス検査のために装置にすでに予備設定されている設定を用いて良好な結果を達成することができる。パレイ(Paley)他により記載されている特別の塗膜(ポリスチレンフィルムに超反磁性酸化鉄を封入したもの)も同様に上述の予備成形体または線状構造を用いると不要である。
【0067】
面状インプラント上に磁気共鳴における検知性のために設定され、超音波内でのインプラントの視認性を改善しないエレメントのみを設けることも考えられる。そのようなエレメントは、例えば上述のように磁気共鳴造影剤を充填したチューブとして構築することができる。
【0068】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、実施態様を用いて説明する。本発明のインプラントのさらなる実施可能な手段およびそれを調製する方法は請求項から直接明らかになる。
【0069】
実施例
実施例1:ポリプロピレンメッシュ上に一体形成されたフォームから作製された円形予備成形体
3個のフォーム片(3Mフォーム・メディカル・テープ第1773番、30ミル;独立気泡ポリエチレンフォーム、厚さ0.87mm)を、相互に3.5cmの距離をおいて、1.1cm×45cmの大きさの普通に市販されているポリプロピレンメッシュの中央に、製造元メッズカンド・メディカル社(Medscand Medical AB)のいわゆるTVTシステムに用いられているように取付けた。丸いフォーム片(直径0.5cm)を事前に打ち抜いた。取付けは超音波溶接によりメッシュ側から行った。ブタの胃の一片に端部から約4cmに、全長にわたって約2cmの深さの切り込みを作製した。このメッシュ片に接触ゲルを塗布し挿入した。側面から3.75MHzのサウンドヘッドを有する東芝製超音波装置を用いて探測を行った。メッシュはほとんど認識可能ではないかまたは非常に弱くしか認識可能ではなかったが、予備成形体は明確に認識可能であり、とりわけ他の構造物から明確に識別可能であった。
pH=7.0の燐酸緩衝液に38℃で3カ月間事前保持したメッシュ片も匹敵するコントラストを示した。
【0070】
実施例2:ポリプロピレンメッシュ上に一体形成された環状卵形予備成形体
フォーム片(3Mフォーム・メディカル・テープ第1773番、40ミル;独立気泡ポリエチレンフォーム、厚さ1.02mm)を、1.1cm×45cmの大きさの普通に市販されているポリプロピレンメッシュの中央に、製造元メッズカンド・メディカル社(Medscand Medical AB)のいわゆるTVTシステムに用いられているように取付けた。このフォーム片を事前に卵形に切り出し(長さ1.3cm、幅0.8cm)、中心に孔(直径0.5cm)を設けた。取付けは超音波溶接によりメッシュ側から行った。
図1はこのインプラントの概略上面図である。同図において、可撓性の基本構造として使えるポリプロピレンメッシュは符号1で示し、ポリエチレンフォームから作製されるエコー発生予備成形体は2で示す。
ブタの胃の一片に端から約4cmに、全幅にわたって約2cmの深さの切り込みを作製した。このメッシュ片に接触ゲルを塗布し挿入した。側面から3.75MHzのサウンドヘッドを有する東芝製超音波装置を用いて探測を行った。メッシュはほとんど認識可能ではないかまたは非常に弱くしか認識可能ではなかったが、上記フォームは明確に認識可能であり、とりわけ他の構造物から明確に識別可能であった。図2はブタの胃に挿入されたインプラントの超音波図である。
【0071】
実施例3:ポリプロピレン糸上の密封中空糸
中空ポリイミド製ミクロ糸を太さ0.3mmのポリプロピレンフィラメント上に5cmの間隔で約1.3cmの厚さ(内径0.1mm、壁厚13μm、製造元マイクロルーメン(MicroLumen)社)に巻き付けて二重巻き取りを得た。これらの町行きを「ヒストアクリル(Histoacryl)」(B.ブラウン・サージカル社(B. Brwon Surgical GmbH))で固定し、ついでパラフィンワックス(融点73℃〜80℃)で密封した。これらの標識フィラメントは固定糸としてのメッシュにクロッシェ・ガルーン(crochet galloon)技法により導入することもできる。
ポリプロピレンフィラメントは超音波下では視認が困難であったが、標識は明確に認識可能であった。図3はこの標識フィラメントの超音波図である。
【0072】
実施例4:ポリプロピレンメッシュ上のガラス製中空体
ほぼ等体積のガラス製中空体(スコッチライト(Scotchlite(登録商標))K1、3M)とパラフィンワックスとの混合物を製造し、融解撹拌によりホモジナイズした。熱い混合物を冷えたガラス型内に注入した。固化膜(シンタクチックフォームの高さは約1mmであった。幅約2mm、長さ0.8cmのストリップをメスで切り出した。これらを長さ45cm、幅1.1cmのポリプロピレンメッシュ上に置いた。これらのストリップから小片を取り、小球に成形し、メッシュ上にプレスした。この標識は長さが約2mm、幅が約1mm、高さが約0.7mmであった。次いで、この標識をクロロホルム中、2%ポリカーボネート溶液(「マクロロン(Makrolon)」、バイエル社(Bayer AG))数滴と反応させた。溶媒を留去した後、この標識をポリマーフィルム内に導入したが、激しい機械式摩擦によってもメッシュから除去することができなかった。このように、標識を中心から中心へ1.5cmの距離で適用した。
標識はBイメージおよびカラー・ダブラー・イメージ(ATL社からのUM9超音波装置)の赤−および青−コード・ピクセルにおいて明確なコントラストを示した。
【0073】
実施例5:ポリプロピレンメッシュ上の封入中空糸
中空ガラス球の代わりに切断した中空糸(「ホローフィル(Hollofil(登録商標))」、型番4H、デュポン社)を用いたことが異なる以外は実施例4と同様の手順に従った。
これらの標識はBイメージでは明確なコントラストを示したが、カラー・ダブラー効果は何ら示さなかった。
【0074】
実施例6:複合メッシュ上に溶接された中空ポリエチレン予備成形体
両端を閉じたポリエチレンチューブ片を5cm間隔で非再吸収性の、実験的に織ったポリプロピレン(「プロレン(Prolene(登録商標))」、エシコン(Ethicon)社)およびポリビニリデンフルオライドとポリヘキサフルオロプロピレン(「プロノバ(Pronova(登録商標))」、エシコン社)との混合物からなる製品に超音波で溶接した。この織物製品(メッシュ)はラッシェリーナ(Raschelina)RD3MT3/420SN型クロッシェ・ガルーン機で調製した。このメッシュはポリプロピレン・ヤーンからなる大孔オープンメッシュに直径0.15mmの「プロノバ」モノフィラメントからなる着色ブロッシェ糸を追加したものである。このメッシュへの溶接は平坦化されたチューブ両端においてメッシュ側から行った。
この密封チューブ片は以下のように製造した。
長さ約3cmのポリプロピレンチューブ片(参照番号800/1000/420/100、シムズ・ポーテックス(Sims Portex)社)の両端を120℃で数秒間、追加の圧力を加えずに圧縮プレス内に保持した。平坦化および溶融された両端をそれぞれ約3mmの長さに切断した。この気体充填コア片は長さが7mm、コア直径が1.57mmであった。
【0075】
実施例7:複合メッシュ上に熱封止した中空ポリエチレン予備成形体
両端を閉じたポリエチレンチューブ片を2cm間隔で非再吸収性の、実験的に織ったポリプロピレンとプロノバからなる織物製品(実施例6参照)に超音波で溶接した。このメッシュはラッシェリーナ(Raschelina)RD3MT3/420SN型クロッシェ・ガルーン機で調製した。このメッシュはポリプロピレン・ヤーンからなる大孔オープンメッシュにプロノバ#5−0モノフィラメントからなる着色ブロッシェ糸を追加したものである。このメッシュへの溶接は平坦化されたチューブ両端においてメッシュ側から行った。
この密封チューブ片は以下のように製造した。
長さ約3cmのポリプロピレンチューブ片(参照番号800/1000/420/100、シムズ・ポーテックス(Sims Portex)社)の両端を120℃で数秒間、追加の圧力を加えずに圧縮プレス内に保持した。平坦化および溶融された両端をそれぞれ約2mmの長さに切断した。この気体充填コア片は長さが3mm、コア直径が0.28mmであった。
図4は両端が閉じたチューブ片10により形成されたエコー発生予備成形体の断面図である。切断面は気体充填コア12の領域にある。
【0076】
実施例8:圧力感受性のガラス製中空体を有するエコー発生ポリプロピレンフィラメント
1重量%のガラス製中空体(「スコッチライト(Scotchlite(登録商標))」K1、3M)を含有するポリプロピレン顆粒の混合物を調製した。この混合物を溶融し、ガラス棒で激しく混合した。このものは顕微鏡的厚さ0.15mmであった。顕微鏡下で、無傷のガラス製中空体(ガラス製マイクロカプセル)はフィラメントにおいて非常に明確に認識可能であった。
図5はフィラメント20からの一部分の側面図である。ガラス製中空体22の一部分はポリプロピレンおよび突起に部分的にのみ包囲されており、残りの部分は完全に封入されている。
水浴中で、このフィラメントは匹敵する太さのポリプロピレン製糸よりも明確により超音波下で大きなコントラストを示した。
【0077】
実施例9:エコー発生フィルム片を有する織物
1%スコッチライト(Scotchlite(登録商標))K1(3M)およびポリプロピレン(エシコン社)からなる実施例8からの硬化複合体の一部を熱プレス中30分間の期間、180℃の裏張り紙の間に保持した。次いで、得られたフィルムに2分間外圧3バールをかけ、再度外圧なしに180℃で15分保持した。その結果、この複合フィルムは厚さが0.58mmであった。パンチングモールドで幅3mmのストリップを打ち抜いた。
このフィルムストリップはドビー機における緯糸として合わせ織りにおける効果糸として作出された。60デニールのポリプロピレン・ヤーンを裏当て織物の経糸および緯糸として用いた。裏当て織物には平織を選択し、上述のエコー発生フィルム片を畝織り緯糸として平織に緯糸挿入10回目毎に2回挿入した。
図6はこの織物の構造の概略の形状を示す図である。裏当て織物(可撓性の基本構造)は符号30で示し、エコー発生フィルム片は32で示す。
【0078】
実施例10:気体充填マイクロカプセルを含有するエコー発生フィラメントを有するインプラントメッシュ
2.5重量%のガラス製中空体(「スコッチライト(Scotchlite(登録商標))」SK38、3M)と上記ポリマー、ポリプロピレン(基本材料プロレン(Prolene(登録商標))、エシコン社)との混合物を溶融ポンプおよび多孔ノズルを有するハーケ(Haake)押出機において230℃で押出した。太さ0.2mmのフィラメントを得た。
これらのエコー発生糸をポリプロピレン・ヤーンとともにラッシェリーナ(Raschelina)RD3MT3/420SN型クロッシェ・ガルーン機で加工した。この製造工程では、ポリプロピレン・ヤーンはコア糸として、エコー発生糸はブロッシェ糸として織り込まれた。
図7はポリプロピレン製コア糸40およびエコー発生ブロッシェ糸42を有する織物の一部分を示す図である。超音波的に検知可能なエレメント、すなわちブロッシェ糸42はこのようにインプラントの可撓性の基本構造に本実施例では構造成分として加工され、コア糸40とともにインプラントメッシュを形成する。
【0079】
実施例11:ポリエチレン製エコー発生予備成形体
コア長さ1.5mmおよびコア直径約0.58mmの予備成形体をポリエチレン製チューブ(参照番号800/1000/420/100、シムズ・ポーテックス(Sims Portex)社)から真鍮ステンシルを用いて製造した。このために、まずステンシルを直径1.5mmの二酸化ジルコニウム球(ミュールマイヤー・マールテヒニーク(Muehlmeier Mahltechnik)社)を圧縮プレス内で約0.75cm間隔の2枚の真鍮シートの間で約5バールの圧力でプレスすることにより製造した。球を除去した後、それらの刻印が2枚のシート上に最大直径1.5mmおよび深さ約0.75mmで一直線に見出された。
チューブ片(参照番号800/1000/420/100、シムズ・ポーテックス(Sims Portex)社、内径0.28mm、外径0.61mm)をこれらのシートの一方の上に置き、若干のセロテープ(登録商標)(バイエルスドルフ(Beiersdorf))で刻印に合わせて固定した。この圧縮プレスを120℃に加熱し、次いでこのチューブ片を添付したシートと若干の裏当て紙を1バールの圧力下に数秒間保持した。除去後、厚さ約0.28mmおよび幅約1.5mmのフィルムを除去した。このフィルムは長さ約1.5mm、高さおよび幅約0.6mmの気体充填エレメントを0.75mm間隔で有していた。
これらの予備成形体を水浴中、指で強く押圧したが、気体は逃げず、水は進入しなかった。この気体充填予備成形体をフィルム片に合わせて切断し、星型抑え縫(star−shaped topstitching)を用いて並列配置ロックステッチで縫製した。
【0080】
実施例12:ポリプロピレンメッシュ上に気体充填ガラス製マイクロカプセルを有するポリエチレン製予備成形体
界面活性剤(「プルロニック(Pluronic)F127」、「ルトロール(Lutrol)F127」、バスフ(BASF)社)20gとガラス製中空体(「スコッチライト(Scotchlite(登録商標))」S1、3M)2.5gとを水75gに混合した冷混合物を調製した。これを1.5cm間隔の結節(knots)を用いてポーテックス(Portex)ポリエチレン製チューブ内に封入した。結節の傍の突出端を可撓性の基本構造としてのポリプロピレンメッシュに約120℃で熱封止した。この予備成形体間(中心から中心)の間隔は2.5cmであった。
【0081】
実施例13:ポリプロピレンメッシュ上の安定化気体充填マイクロカプセル
エコー発生分解性ミクロ粒子をEP0644777B1の実施例9に従ってこれらを塩化ナトリウムおよびセトマクロゴール(Cetomakrogol)中に希釈することなく調製した。ミクロ粒子を調製後、冷酸性化界面活性剤溶液(「プルロニック(Pluronic)F127」、バスフ(BASF)社;20%)に1倍〜10倍希釈し、若干量の長さ0.5cmのパナクリル(Panacryl(登録商標))糸(エシコン社)をあらかじめその中に伸ばしてあるポリエチレン製チューブ(シムズ・ポーテックス(Sims Portex)社、内径0.28mm、外径0.61mm、参照番号800/110/100)内に注入した。パナクリル(Panacryl(登録商標))は再吸収性縫合材料であり徐々に分解して成分の乳酸とグリコール酸になる。次いで、チューブ両端を約1cmの間隔で結節し、チューブ両端を結節の反対側でポリプロピレン製メッシュに熱封止した。
このメッシュをpH=7の燐酸緩衝液中、恒温器内で38℃で6カ月間保持した。この時間経過後でさえも、充填チューブの形のエコー発生標識は超音波装置のBイメージおよびカラー・ダブラー(赤および青のコーディング)において依然として明確に認識可能であった。
【0082】
実施例14:長期間安定なポリマー製マイクロカプセルを有する、ヒドロゲル内に切断されて封入されたポリプロピレンテープ
本実施例において記載されているのは、長期間安定なエコー発生マイクロカプセルの調製、およびそれらの室温における、インプラントテープにしっかりと錨着された生体適合性の長期間安定なヒドロゲル内への穏やかな封入である。
モノマーをオクチルシアノアクリレート(ダーマボンド(Dermabond(登録商標)、エシコン社)に変え、pH値を中性に保ち(pH設定なし)、2時間の反応時間にした以外は実施例13と同様にして、エコー発生ミクロ粒子を調製した。約4カ月室温で貯蔵した後でさえも、この懸濁液は依然として貯蔵開始時に匹敵する高濃度の浮遊物質を示した。
モノマー/溶媒混合物をヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、眼科品質、ポリサイエンシズ社(Polysciences LTD)20ml、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(アルドリッチ(Aldrich)、24650−42−8)110mg、イソプロパノール10mlおよびエチレングリコールジメタクリレート(ポリサイエンシズ社)をポリエチレングリコール300 60mlに添加することにより調製した。しばらくして、明澄な溶液が形成された。
アルミニウムボウル内でミツロウから型を作製した。これを行うために、ミツロウをアルミニウムボウル内で溶融した。直径mmの金属棒を3本この型内に挿入した。冷却後、これらの棒を取り出した。その結果、深さ約5mmの凹部が生じた。次いで、市販製品「TVT」に用いられているようなポリプロピレンテープ(メッシュ)をこれら3つの凹部の上に置き2本の針でワックスに固定した。
次いで、調製したモノマー溶液を中性で4カ月貯蔵したポリオクチルシアノアクリレート懸濁液の浮遊物1mlと反応させ、マグネチックスターラーで簡単に分散させた。このモノマー/粒子混合物を型内に注入し約15cmの距離でUV重合ランプ(ポリサイエンシズ社、カタログ番号24001)を用いて0.5時間照射した。
テープを型から注意深く取り出した後、テープの両端が約5cm×1.5cm×3mmの大きさの足をからなるゲル予備成形体に封入されていることが判った。このテープは3mm厚のゲルシートのほぼ中央に位置していた。高さ約5mm、直径約5mmの円筒状キャップを、型に合わせて、相互に約1.5cmの距離をおいて配置した。光学顕微鏡下で無傷のミクロ粒子がゲル体内に認識可能であった。
次いで、ゲル標識を付けたこのテープを蒸留水で数日間洗った。水は毎日取り替えた。
【0083】
実施例15:「パナクリル」テープ上の気体封入物を有する「パナクリル」フィルム
ターシェリーネ(Tascheline)RD3MT3/420SN型クロッシェ・ガルーン機で80デニールの多繊維糸からちょうど2cm幅で製造された、徐吸収性の「パナクリル」テープ(エシコン社)にフィルム状の気体含有予備成形体を適用した。「パナクリル」(エシコン社)は95/5の比率のポリラクチド・グリコリドである。
このために、テープをPTFE−塗布シート状に置いた。テープの中央に相互に約1.5cmの距離で、「パナクリル(Panacryl(登録商標))」(エシコン社)にも使用されている95/5ポリラクチド・グリコリドの5%溶液数滴をそれぞれの場合にクロロホルムに添加した。このシートを数分間70℃に加熱した。テープ内に直径約5mmの多数の気泡状封入体を有する丸いフィルム片が形成された。このテープの繊維片はフィルムの両側に封入されている。フィルムの中心では、テープは溶解している。それにもかかわらず、気体含有フィルム片はテープに堅固に錨着されて機械的に擦っただけでは除去できなかった。
図8は気体含有フィルム片52を有するテープ50の部分の上面図である。
【0084】
実施例16:予備成形体としてのポリカーボネート製気体含有フィルムの調製
ポリカーボネート(「マクロロン(Makrolon)」、バイエル社)の10%クロロホルム溶液を調製した。真鍮製シート(約1cm厚)上に、深さ約1mmの切れ込みを有するスライダーを用いて高さ1mmにポリマー溶液を適用した。このようにして塗布したシートを加熱プレート(100℃)上に数分間置き、ときどきその上に冷空気を通した。直径約0.1mm〜3mmの多数の気体を有するポリマーフィルムが形成された。気泡は密集し一層を成していた。
直径4mmの丸い物体を打ち抜き、これらを、ポリエチレンメッシュを用いて超音波下で熱封止した。
【0085】
実施例17:エコー発生ミクロ粒子とシリコーンからのフィルム状予備成形体の調製
成分A(「エッシル(Essil)244 A2」、アクソン(Axson)社)10部と成分B(エッシル244 B)、アクソン社)のシリコーン抽出(silicone educt)混合物を幅約1cmのポリプロピレンメッシュ片上にブラシで薄く縦に塗布した。これらの片は約1cm幅、相互に約2.5cmの距離で製造され、メッシュを充填した。
第2の工程で、実施例13からのエコー発生ミクロ粒子混合物の浮遊材料から若干の物質を細いガラス棒を用いて取り出した。これは約1週間後に形成され、固形のクリーム状のコンシステンシーを有するものであり、これを個々のシリコーン片上に展開した。さらに若干量のシリコーン出発混合物を得られた約0.5cm幅のミクロ粒子標識を有する片に添加した。終夜硬化した後、可撓性のゴム様フィルム片が形成されたが、これは中心に約0.05mm〜1mmの大きさの気泡を含有していた。加えて、1μm〜2μmの大きさのミクロ粒子を含有した直径約50μmのミクロ封入体が観察された。
【0086】
実施例18:エコー発生ミクロ粒子を有するフィルム状予備成形体の調製
実施例13で調製したミクロ粒子懸濁液を激しく震盪することにより再懸濁し、水で1倍〜20倍希釈した。次いで、実施例17からのシリコーン出発混合物をPTFE−塗布金属シート上に塗布し、希釈したミクロ粒子懸濁液1mlと反応させた。これを全面(約8cm×8cm)に塗布し、再びシリコーン出発混合物を塗布した。得られたフィルムを終夜室温に保った。大きさ0.05mm〜1mmの気泡が形成され、フィルム上に均等に分布していた。
【0087】
実施例19:再吸収性エコー発生ミクロ粒子を有する徐再吸収性予備成形体の調製
ブチルシアノアクリレート(ジッヒェル社(Sichel GmbH)を平底アルミニウムボウル内に約3cm×3cmの液体膜が形成されるように滴下した。次いで、実施例13からの未希釈の酸性懸濁液を約6滴添加し、混合物を終夜放置した。翌朝、約1mm〜2mmの明確な境界を持つ均質に不透明のフィルムが形成された。ミクロ粒子滴が配置された地点では、より厚い、より不透明のフィルムの領域が観察された。このフィルムの厚さは約0.75mmであり、より厚い領域では、約2mmの厚さであった。顕微鏡下、フィルム全体にわたってミクロ粒子が認識された。実施例17および実施例18と対照的に、巨視的に視認できる気泡は形成されなかった。
【0088】
実施例20:再吸収性エコー発生ミクロ粒子を有師、部分的に再吸収性複合メッシュに付着した徐再吸収性予備成形体の調製
ポリラクチド95部とグリコリド5部とから調製された共重合体(パナクリル(Panacryl(登録商標)、エチコン社))を用いた以外はDe19813174A1の実施例2に基づき気体充填ミクロ粒子を調製した。
1mm×1mm、高さ0.5mmの大きさの正方形の隆起した領域を1mm2 毎に含む真鍮製シートにポリマー粒子を添加することにより、同じポリマーで型を調製した。水平シートを上に置き、200℃より高い温度でポリマー粒子を溶融し、軽く手で押圧した。この型を水に浸漬して急冷し、フィルムを取り出した。このフィルムの厚さは1mmであり、等距離の0.5mmの凹部を有していた。上記第1の工程で得られたミクロ粒子の粉末をブラシでこれらの凹部内に導入した。同じポリマーから作られた厚さ50μmの第2のフィルムをクロロホルム中で伸ばし、軽い圧力下で第1のフィルムに貼り合わせた。穿孔器を用いて予備成形体を打ち抜いて直径約6mmの丸いフィルム片の形にした。
これらのフィルム片をPTFE−塗布槽内に3cm間隔で置き、ポリプロピレン・ヤーン製の市販のインプラントメッシュ(「バイプロ(Vypro)」、エシコン社)とグリコリドとラクチドの90:10の比率の共重合体(バイクリル(Vicryl(登録商標)、エシコン社)とで覆った。次いで、ポリカーボネート(「マクロロン(Makrolon)」、バイエル社(Bayer AG))の10%(wt%)クロロホルム溶液を数滴これらフィルム片上に滴下し、フィルム片が溶解しないように、かつポリカーボネートフィルムによりメッシュに結合しているようにした。
【0089】
実施例21:気体封入体を有する徐再吸収性フィルムの調製およびそれから製造した予備成形体の部分的に再吸収性のメッシュへの結合
ポリラクチド・コグリコリド 95/5(パナクリル(Panacryl(登録商標))、エシコン社)から5%(wt%)クロロホルム溶液を調製した。この溶液50mlを数分間手で激しく震盪し、次いでIKA「ウルトラテュラックス(Ultraturrax)」攪拌機を用いて5,000rpmで撹拌した。この気泡含有粘稠溶液をPTFE−塗布型(充填レベル 約1mm)内に注入し、約50℃の加熱プレート温度で1.5時間保持した。非常に可撓性の高い約0.25mm厚の、気泡が封入され大部分が一層に分布したフィルムが形成された(大多数は直径0.5mm〜1mmであった)。しかしながら、0.1mmよりも小さい気泡および若干の直径5mmのものも顕微鏡下で観察された。
直径5mmの丸い片を打ち抜いた。PTFEを塗布したシート上にこれらを2.5cm間隔で置いた。90/10ポリラクチド・コグリコリドおよびポリプロピレン(「バイプロ(Vypro)」、エシコン社))からなる4cm×11.5cmの複合メッシュをこれらのフィルム片上に置いた。このメッシュのフィルム片領域に5%ポリラクチド・コグリコリド溶液をペンキ用ブラシで塗布し、第2の打ち抜きフィルム片を相手方としてそれぞれの上に置いた。これらのフィルム片同士を手で簡単に押圧した。これらのフィルム片は溶解せず、相互に接合した。
このようにして製造された気体充填予備成形体は直径が約6mmであり、厚さが約0.5mmであり、メッシュに堅固に錨着されて手で曲げたり、引き離そうとしたり、擦ったりしただけではメッシュから取り外せなかった。
【0090】
実施例22:徐再吸収性テープ上に再吸収性エコー発生マイクロカプセルを有する徐再吸収性フィルムの調製
フィルムの形成に異なるエマルジョンを用いた以外は実施例15と同様の手順を繰り返した。このために、スパン80(SPAN(登録商標)80、ソルビタン・モノオレエート、シグマ(Sigma)社)約2ml、(パナクリル(Panacryl(登録商標)、エシコン社))にも用いたポリラクチド−コグリコリドの5%クロロホルム溶液5mlおよび実施例13からの懸濁液約0.5mlからなるエマルジョンを単に手で震盪することにより調製した。このフィルム形成は40℃のテープ上で実施例15と同様にして行った。
【0091】
実施例23:ポリプロピレンテープ上のシンタクチックフォームから作製した予備成形体
直径0.5cmの円盤を実施例9で調製した複合フィルムから打ち抜いた。これらを市販のメッシュ状ポリプロピレンテープ(「TVT−テープ」、メッズカンド・メディカル社(Medscand Medical AB)上にメッシュの側面から1.5cmの距離で一列に超音波で熱封止した。
これらの円盤は機械的手段によってはテープから除去できなかった。また、円盤で標識された領域と未標識領域との間で弾力性または曲げ強度に感知し得る変化が認められなかった。
【0092】
実施例24:ポリプロピレンテープ上にさらに磁気共鳴造影剤を含有する予備成形体
部分的に磁気共鳴造影剤を充填したポリエチレン製予備成形体を調製した。このために、長さ約3cmのポリエチレン製チューブ片(参照番号800/1000/420/100、シムズ・ポーテックス(Sims Portex)社、内径0.28mm、外径0.61mm)の一端120℃で圧縮プレス内にさらに圧力を加えることなく数秒間保持した。次いで、若干の磁気共鳴造影剤(「エンドレム(Endrem(登録商標))」(ゲールバート(Guerbert)社)を約5mmの高さに注入した。次いで、第2のチューブの側面を熱封止した。この平坦化され溶融された両端部をそれぞれ約5mmの長さに切り取った。気体と磁気共鳴造影剤とを充填したコア片の長さは約1cmであった。
この予備成形体をメッシュ側からポリプロピレンメッシュ片に超音波で封止した。
この予備成形体で標識したメッシュをコンデンスミルク/ゼラチンファントム(7%コンデンスミルク200ml中にゼラチン6g)中に封入し、「ビスタMRT(Vista MRT)」磁気共鳴装置(1テスラ)を用いて測定した。このチューブ片はメニスカス検査に用いられているT2* −加重勾配エコー・シーケンスで明確に認識可能であった。
【0093】
産業上の利用分野
本発明に従えば、ポリマーを主成分とする可撓性基本構造を有する面状インプラントであって、患者に埋没後一次的にまたは持続的に診断用超音波方法を用いて信頼性をもって検知可能である面状インプラントが提供される。これらのインプラントは例えば外科処置において器官または組織を支持もしくは強化し、または治癒過程を促進するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
実施例2に従って調製したインプラントの概略上面図である。
【図2】
ブタの胃内に埋没後の実施例2に従うインプラントの超音波図である。
【図3】
実施例3に従う標識フィラメントの超音波図である。
【図4】
実施例7に従って調製した予備成形体の断面図である。
【図5】
実施例8に従って調製されたフィラメントの部分の側面図である。
【図6】
実施例9に従って調製された織物のパターン図案の概略図である。
【図7】
実施例10に従って調製されたインプラントの概略上面図である。
【図8】
実施例15に従って調製されたインプラントの概略上面図である。
【符号の説明】
10 チューブ片
12 気体充填コア
20 フィラメント
22 ガラス製中空体
30 裏当て織物(可撓性の基本構造)
32 エコー発生フィルム片
40 コア糸
42 ブロッシェ糸
50 テープ
52 気体含有フィルム片
Claims (56)
- ポリマーを主成分とする可撓性基本構造(1;30、32;40、42;50)と、超音波的に検知可能なエレメント(2;10;20;32;42;52)とを有し、気体を含有しまたは生成する、かつ埋没後少なくとも4週間検知可能に設定される面状インプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメント(52)は面状パターンに配置されていることを特徴とする請求項1記載のインプラント。
- 前記基本構造(1;30;40)は非再吸収性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載のインプラント。
- 前記基本構造(1;30;40)は下記の群、すなわち、ポリアルケン類、ポリプロピレン、ポリエチレン、部分的ハロゲン化ポリオレフィン類、完全ハロゲン化ポリオレフィン類、フッ素化ポリオレフィン類、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリイソプレン類、ポリスチレン類、ポリシリコーン類、ポリカーボネート類、ポリアリールエーテルケトン類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸エステル類、ポリイミド類、それらの重合性物質との共重合体類から選ばれる少なくとも一種の物質を含有することを特徴とする請求項3記載のインプラント。
- 前記基本構造(50)は再吸収性ポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜請求項4の一項に記載のインプラント。
- 前記基本構造(50)は下記の群、すなわちポリヒドロキシ酸類、ポリラクチド類、ポリグリコリド類、ポリヒドロキシブチレート類、ポリヒドロキシバレリエート類、ポリカプロラクトン類、ポリジオキサノン類、合成および天然オリゴ−およびポリアミノ酸類、ポリホスファゼン類、ポリ無水物類、ポリオルトエステル類、ポリホスフェート類、ポリホスホネート類、ポリアルコール類、ポリサッカリド類、ポリエーテル類、ポリアミド類、脂肪族ポリエステル類、芳香族ポリエステル類、それらの重合性物質との共重合体類、および再吸収性ガラス類から選ばれる少なくとも一種の物質を含有することを特徴とする請求項5記載のインプラント。
- 前記基本構造がメッシュ(1)、テープ(50)、フィルム、穿孔フィルム、フェルト、フリース、連続気泡フォーム・フィルムからなる群から選ばれる一種の形態を有することを特徴とする請求項1〜請求項6の一項に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメント(2)は下記の群、すなわち生理学的に許容し得る気体類;38℃において気体状態で存在する低沸点液体;および超音波下で気化する低沸点液体から選ばれる少なくとも一種の物質を含有することを特徴とする請求項1〜請求項7の一項に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメント(2;10;20;32;42;52)は下記の群、すなわち非−、部分的、および完全フッ素化n−、イソ−、ネオ−およびシクロアルカン類、フルオロブロモアルカン類、六フッ化イオウ、水素、窒素、酸素、空気、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、およびクリプトンから選ばれる少なくとも一種の物質を含有することを特徴とする請求項8に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメント(2;10;20;32;42)は非再吸収性構造材料を含有することを特徴とする請求項1〜請求項9の一項に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメント(2;10;20;32;42)は下記の群、すなわち、ポリアルケン類、ポリプロピレン、ポリエチレン、部分的ハロゲン化ポリオレフィン類、完全ハロゲン化ポリオレフィン類、フッ素化ポリオレフィン類、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリイソプレン類、ポリスチレン類、ポリシリコーン類、ポリカーボネート類、ポリアリールエーテルケトン類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル酸エステル類、ポリイミド類、親水性架橋ポリマー類、シリコーン類、それらの重合性物質との共重合体類、セラミック類、ガラス類、金属類、および炭素から選ばれる少なくとも一種の物質を含有することを特徴とする請求項10に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメント(52)は再吸収性構造材料を含有することを特徴とする請求項1〜請求項11の一項に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメント(52)の前記構造材料は下記の群、すなわち、ポリヒドロキシ酸類、ポリラクチド類、ポリグリコリド類、ポリヒドロキシブチレート類、ポリヒドロキシバレリエート類、ポリカプロラクトン類、ポリジオキサノン類、合成および天然オリゴ−およびポリアミノ酸類、ポリホスファゼン類、ポリ無水物類、ポリオルトエステル類、ポリホスフェート類、ポリホスホネート類、ポリアルコール類、ポリサッカリド類、ポリエーテル類、ポリアミド類、脂肪族ポリエステル類、芳香族ポリエステル類、天然ポリアミノ酸類、合成ポリアミノ酸類、遺伝的に産生されたポリアミノ酸類、コラーゲン、rhコラーゲン、絹、疑似ポリアミノ酸類、ポリシアノアクリレート類、ポリエチレングリコール類、ポリビニルアルコール類、誘導セルロース類、脂肪類、ワックス類、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、ポリ燐酸エステル類、それらの重合性物質との共重合体類、および再吸収性ガラス類から選ばれる少なくとも一種の物質を含有することを特徴とする請求項12に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメントの少なくとも一部分が長さ、幅および高さがそれぞれ0.1mm〜50mmの範囲内の予備成形体(2;10;52)として形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項13の一項に記載のインプラント。
- 少なくとも一つの予備成形体が下記群、すなわち、リング(2)、円盤、小板、ボタン、平坦楕円体、半球、中実球、ビーズ、円筒、立方体、ブロック、円錐、棒、スリーブ、チューブ(10)、パイプ、およびフィルム(52)から選ばれる一種の形状を有することを特徴とする請求項14に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメントの少なくとも一部分が線状構造(20;32;42)として設計されていることを特徴とする請求項1〜請求項15の一項に記載のインプラント。
- 少なくとも一つの線状構造が下記の群、すなわち、テープ、棒、糸(20;40)、撚り糸、結節フィラメント、フィルムテープ(32)および被覆撚り糸から選ばれることを特徴とする請求項16に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメントの少なくとも一部分は前記基本構造に下記の群、すなわち、溶融、溶接(2;10)、溶液からの適用(52)、貼付、結節、前記基本構造に結合された保持手段への付着、繊維技術を用いる前記基本構造への導入(32;42)から選ばれる少なくとも一種の方法で結合されていることを特徴とする請求項1〜請求項17の一項に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメントの少なくとも一部分は超音波下に検知可能なシンボルを有し、該シンボルは好ましくは均等の間隔で反復して設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項18の一項に記載のインプラント。
- 前記シンボルは下記の群、すなわち、線状構造からの縫製物、線状構造からの刺繍物、フィルムからエンボス加工物、および複数の物体からなるものから選ばれる一つの形態に設計されていることを特徴とする請求項19に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメントの少なくとも一部分は内壁が乾燥しまたは液体で濡れている単一〜多気泡フォームを持つ構造を有することを特徴とする請求項1〜請求項20の一項に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメント(20;32;42)の少なくとも一部分は気体充填マイクロカプセル(22)が埋設されているマトリックスを含有することを特徴とする請求項1〜請求項21の一項に記載のインプラント。
- 前記マイクロカプセルは下記の群、すなわち、ポリマー中に埋設された液体により包囲されたマイクロカプセル類;脂肪中に埋設された液体中に包囲されたマイクロカプセル類;有機ゲル中に埋設されたマイクロカプセル類、ガラス中に埋設された液体に包囲されたマイクロカプセル類;疎水性ポリマー中に埋設されたマイクロカプセル(22);親水性ゲル中に埋設されたマイクロカプセル類;架橋ポリマー中に埋設されたマイクロカプセル類;ポリマーゲル中に埋設されたマイクロカプセル類;連続ポリマーフォーム中に埋設されたマイクロカプセル類から選ばれる少なくとも一種の態様であって、該マイクロカプセルの直径が外側フォーム孔の孔径よりも一般に大きいことを特徴とする請求項22に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメントの少なくとも一部分はポリマーマトリックス中に中空糸を含有する複合体を有する構造であることを特徴とする請求項1〜請求項23の一項に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメントの少なくとも一部分は気体含有外被により包囲された連続セル予備成形体または線状構造を持つ構造であることを特徴とする請求項1〜請求項24の一項に記載のインプラント。
- 前記超音波下に検知可能なエレメントの少なくとも一部分は少なくとも部分的に気体充填マイクロカプセルからなり、該マイクロカプセルは表面が融合され、すなわち、好ましくは熱的に表面をフィルム化され、イオン的に架橋され、および/または化学的に架橋されていることを特徴とする請求項1〜請求項25の一項に記載のインプラント。
- 超音波下に検知可能なエレメント(52)の少なくとも一部分は膨潤したフィルムを有する構造を含むことを特徴とする請求項1〜請求項26の一項に記載のインプラント。
- 前記インプラントは磁気共鳴断層撮影法でも検知可能であることを特徴とする請求項1〜請求項27の一項に記載のインプラント。
- 磁気共鳴コントラストに有利な予備成形体または線状構造、好ましくは水、磁気共鳴造影剤および/または脂肪を充填したチューブを含む予備成形体または線状構造を特徴とする請求項28記載のインプラント。
- 下記の群、すなわち、天然成分、合成成分、抗生物質、化学治療剤、細胞増殖抑制剤、転移阻害剤、抗糖尿病薬、抗真菌薬、婦人科薬、泌尿器薬、抗アレルギー薬、性ホルモン、性ホルモン阻害剤、止血薬、ホルモン、ペプチドホルモン、抗鬱薬、抗ヒスタミン薬、裸DNA、プラスミドDNA、カチオン性DNA複合体、RNA、細胞成分、ワクチン、体内の天然細胞および遺伝的改変細胞でから選ばれる少なくとも一種の物質を好ましくは含む少なくとも一種の生物学的活性成分を特徴とすることを特徴とする請求項1〜請求項29の一項に記載のインプラント。
- 前記活性成分は下記の群、すなわち、前記基本構造中で、前記基本構造において、超音波下に検知可能なエレメント中で、および超音波下に検知可能なエレメントにおいて、カプセルに封入された形態、並びに吸収された形態から選ばれる少なくとも一種の形態で存在していることを特徴とする請求項1〜請求項30の一項に記載のインプラント。
- 超音波的に検知可能なエレメントの調製中に、該超音波的に検知可能なエレメントの構造材料を押出し、かつその際に気体を該構造材料中に直接気化または超臨界的条件下で導入し、該気体は好ましくは、下記の群、すなわち、空気、二酸化炭素、窒素、窒素と二酸化炭素の混合物;六フッ化イオウ;不活性ガス類;直鎖状、分岐鎖状、または環状のアルカン類、部分的フッ素化アルカン類、パーフルオロアルカン類、ブロモフルオロアルカン類;および生理学的に許容し得る、NOのような酸化窒素類から選ばれる物質の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載のインプラントの製造方法。
- 超音波的に検知可能なエレメントの調製中に、該超音波的に検知可能なエレメントの構造材料を化学的または物理的発泡剤の添加により発泡し、該発泡剤は好ましくは、下記の群、すなわち、水;非−、部分的、および完全フッ素化n−、イソ−、ネオ−およびシクロアルカン類;燐酸水素塩/炭酸水素塩/でんぷん混合物;亜硝酸アンモニウム;炭酸カルシウム;炭酸アンモニウム;炭酸塩と固体酸との混合物;容易に気化除去し得るモノマー類、オリゴマー類およびポリマー類、特にマレイン酸並びにそのエステル類およびその誘導体類、α−ケトプロピオン酸、アセトンジカルボン酸、酒石酸並びにそれらのエステル類および塩類、オキサレート類、ジエン類と二酸化炭素または窒素からのディールス−アルダー付加物類縁体、3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン[26677−08−7]、イタコン酸の単独および共重合体類およびこれらのエステル類、アゾビスイソブチル酸とジオール類、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、オリゴエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオールとの共重合体類;アゾ化合物類、特にアゾジカルボンアミドおよび修飾アゾジカルボンアミド;ヒドラジン誘導体類、特に4,4‘−オキシビス[ベンゾール]スルホンヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホンヒドラジド、ジフェニレンオキシド−4,4−ジスルホンヒドラジド、トリヒドラジノトリアジン;セミカルバジド類、特にp−トルイレンスルホニルセミカルバジド;テトラゾール類、特に5−フェニルテトラゾール;およびベンゾオキサジン類、特に無水イサトイン酸から選ばれる物質の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載のインプラントの製造方法。
- 超音波的に検知可能なエレメントの調製中に、連続気泡フォームに気体を充填し、次いで表面に熱被膜形成することにより閉じ、その際、好ましくは血液およびポリマー溶解性の低い気体、特に下記の群、すなわち、パーフルオロメタン、パーフルオロエタン、パーフルオロプロパン類、パーフルオロブタン類、およびパーフルオロペンタン類から選ばれるガスの少なくとも一種を使用することを特徴とする請求項1に記載のインプラントの製造方法。
- 超音波的に検知可能なエレメントの調製中に、連続気泡フォームに気体を充填し、次いで生体適合性軟質粉体であって、好ましくは下記の群、すなわち、脂肪類、ワックス類、および容易に溶融するポリマー類から選ばれる物質の少なくとも一種を含有する粉体を、塗布することにより封止し、好ましくは、次いで熱被膜形成を行うことを特徴とする請求項1に記載のインプラントの製造方法。
- 超音波的に検知可能なエレメントの調製中に、連続気泡フォームに気体を充填し、溶媒に溶解した塗布材料で封止し、次いで該溶媒を蒸発させることを特徴とする請求項1に記載のインプラントの製造方法。
- 超音波的に検知可能なエレメントの製造中に、連続気泡フォームに気体を充填し、次いでモノマーコーティングで封止し、次いで、該コーティングを重合または架橋することを特徴とする請求項1に記載のインプラントの製造方法。
- 超音波的に検知可能なエレメントの調製中に、好ましくはポリプロピレンからなるシンタクチックフォームであって、好ましくはその中に気体充填ガラス製中空球を埋設したシンタクチックフォームを押出すことを特徴とする請求項1に記載のインプラントの製造方法。
- 超音波的に検知可能なエレメントの調製中に、気体含有または気体生成マイクロカプセルの存在下に溶媒からポリマーを沈殿させることを特徴とする請求項1に記載のインプラントの製造方法。
- 超音波的に検知可能なエレメントの調製中に、気体含有または気体生成マイクロカプセルを用いて界面重合を行うことを特徴とする請求項1に記載のインプラントの製造方法。
- 超音波的に検知可能なエレメントの調製中に、気体含有または気体生成マイクロカプセルの存在下に少なくとも一種の親水性モノマーまたはポリマーと化学的架橋剤の重合、重付加または重縮合を行うことを特徴とする請求項1に記載のインプラントの製造方法。
- 前記重合、重付加または重縮合の際に得られるヒドロゲルは下記の群、すなわち、重合されたヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA);重合されたヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA);重合されたα−メタクリロイル−ω−メトキシポリエチレングリコール;重合されたポリエチレングリコール−ビスアクリレート;A−B−C−B−A型の再吸収性プレポリマー(ただし、A=アクリル基またはメタクリル基、B=加水分解により分解可能であり、ラクチド、グリコリド、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、トリメチレンカーボネート、ポリオルトエステル類、ポリ無水物類、ポリホスフェート類、ポリホスファゼン類および/またはポリアミド類および/またはそれらの共重合体類の一種、およびC=親水性ポリマー類、特にポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(PNiPAAM)の一種である)から選ばれる物質の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項41に記載のインプラントの製造方法。
- 超音波的に検知可能なエレメントの調製中に、中空糸または細いチューブを少なくともその両端において熱封止することを特徴とする請求項1に記載のインプラントの製造方法。
- 超音波的に検知可能なエレメントの調製中に、中空糸または細いチューブを少なくともその両端において超音波により封止し、好ましくは、次いでワックスおよび/またはポリマーから作製された封止剤を塗布することを特徴とする請求項1に記載のインプラントの製造方法。
- 前記封止の前に、湿度を導入する際に気体を放出する剤を中空糸または細いチューブ内に導入し、該剤は好ましくは下記物質、すなわち、ベーキングパウダー、安息香酸/カーボネート混合物、カーバイド、金属水素化物の一種を含有することを特徴とする請求項43または請求項44に記載の方法。
- 前記封止の前に、気体含有または気体生成マイクロカプセルの懸濁液を中空糸または細いチューブ内に注入することを特徴とする請求項43または請求項44に記載の方法。
- 前記封止の前に、前記マイクロカプセルの分解阻害剤を前記中空糸または細いチューブ内に追加注入し、該分解阻害剤は好ましくは下記物質、すなわち緩衝液類、酸類、塩基類、分解または溶媒和によりpH値を設定するポリマー類、エステラーゼ阻害剤類、プロテアーゼ阻害剤類、デキストラナーゼ阻害剤類、混合機能オキシダーゼ阻害剤類、抗凍結剤またはマイクロカプセルを分解する酵素の分解に有利な酵素類、超音波下で検知不能な拮抗的分解性ポリマー類の少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項46に記載の方法。
- 前記封止の前に、気体含有または気体生成マイクロカプセルの懸濁液を乾燥形態で中空糸または細いチューブ内に注入することを特徴とする請求項43または請求項44に記載の方法。
- 前記封止の前に、診断用超音波下で気化するエマルジョンを中空糸または細いチューブ内に注入することを特徴とする請求項43または請求項44に記載の方法。
- 前記超音波的に検知可能なエレメントの穏やかな調製のために、親水性一もしくは二官能性モノマー類および/またはポリマー類の存在下に50℃未満で気体充填マイクロカプセルをヒドロゲル中に封入することを特徴とする請求項1記載のインプラントの製造方法。
- 前記超音波的に検知可能なエレメントの穏やかな調製のために、ジアルデヒドおよびポリアミンまたはタンパク質の存在下に50℃未満で気体充填マイクロカプセルを封入することを特徴とする請求項1記載のインプラントの製造方法。
- 前記封入は直接前記インプラント上に行うことを特徴とする請求項50または請求項51記載の方法。
- 前記封入は予備成形体または線状構造、特に糸の形で行い、該予備成形体または線状構造を、前記封入後、前記インプラントの可撓性基本構造に付着させることを特徴とする請求項50または請求項51記載の方法。
- 超音波的に検知可能なエレメントの調製中に、気体充填マイクロカプセルまたはそれらの懸濁液を、予備成形体または線状構造、特に糸において気泡を現場発生させる予備工程として用いることを特徴とする請求項1記載のインプラントの製造方法。
- エコー発生マイクロカプセルを前記インプラント中に気泡を発生させるための前躯体として使用することを特徴とする請求項1記載のインプラントの製造方法。
- 超音波的に検知可能なエレメントの調製中に、請求項32〜請求項55項の一項から得られる工程を特徴とする超音波的に検知可能なエレメントの製造方法。
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