JP2004508386A - シクロヘキセノンオキシムエーテルリチウム塩に基づく油性懸濁製剤および作物保護組成物としてのそれらの使用 - Google Patents

シクロヘキセノンオキシムエーテルリチウム塩に基づく油性懸濁製剤および作物保護組成物としてのそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、2−{1−[2−(4−クロロフェノキシ)−プロポキシイミノ]−ブチル}−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロチオピラン−3−イル)−シクロヘキサ−2−エノンリチウム塩および特定の製剤助剤に基づく油性懸濁製剤、ならびに該油性懸濁製剤の植物防疫剤、特にイネ用除草剤としての使用に関する。好ましい製剤助剤は、モノカルボン酸および/またはジカルボン酸エステル(例えば液体脂肪酸エステル);スルホン酸塩などのアニオン性界面活性剤(例えばアルキルおよびアルキルアリールスルホン酸塩およびスルホコハク酸塩);ならびに一官能性もしくは多官能性アルコールの任意にエトキシ化されていてよいカルボン酸エスエルなどの非イオン性界面活性剤(例えばエトキシ化脂肪酸およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル)である。上記の油性懸濁製剤は、保存上安定であり、優れた使用特性を有する。

Description

【0001】
本発明は、2−{1−[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシイミノ]ブチル}−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロチオピラン−3−イル)−シクロヘキサ−2−エノンリチウム塩および特定の製剤助剤に基づく油性の懸濁製剤(suspension concentrates;SC剤)、ならびに作物保護組成物、特にイネ用除草剤としてのその油性懸濁製剤の使用に関する。
【0002】
これらの活性化合物の工業的製造および使用のためには、活性化合物の特性を最適化することに加えて、有効な作物保護組成物を開発することが特に重要である。活性化合物を適切に製剤化することにより、生物学的活性、毒性、環境に及ぼす可能性のある作用、および費用などの時として背反する特性間の最適なバランスを見出さなければならない。
【0003】
更に、製剤化は、作物保護組成物の安定性に対してかなりの影響を及ぼす。これは、活性化合物の不安定さまたは不利な保存条件のために作物保護組成物が満たすべき関連条件が特に厳しい場合には、とりわけ重要である。
【0004】
例えば、懸濁製剤は、実用の面で非常に重要である。それらは、液相中に固体の活性化合物を含む液状で不均質な製剤である。懸濁製剤は、液状製剤の(例えばULV(微量)条件下での)取扱い性および計量性に関する一般的な利点に加えて、良好な生物学的活性と比較的低い植物毒性とを更に併せ持つことが多い。水性の懸濁製剤が典型的である。しかし、個々のケースの油性懸濁製剤も記載されているが、多くの活性化合物および活性化合物の塩は通常用いられる油相に可溶性である、という問題がある。
【0005】
したがって、国際公開第00/35288号には、グリホサートもしくはグリホシネートとシクロヘキセノンオキシムエーテルとを油性懸濁製剤として製剤化することが記載されている。ここでは、遊離酸だけでなく、シクロヘキセノンオキシムエーテルの塩も検討されている。しかし、実験では、2−{1−[2−(3−クロロアリルオキシ)イミノプロピル]ブチル}−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロピラン−3−イル)シクロヘキサ−2−エノンのリチウム塩とカルシウムグリホサートとを製剤化したときに示されるように、これらは、安定性が不十分であるために、不適当であることが判明した。
【0006】
欧州特許第0 313 317号には、特定のスルホニル尿素誘導体(それらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩もしくはアンモニウム塩の形態でも使用可能)の油性懸濁製剤が記載されている。植物油(特にトウモロコシ油)およびその植物油を水中に乳化できる界面活性剤が用いられる。同様の油ベースの懸濁製剤が米国特許第5,411,932号に記載されている。ここでもまた、特定のスルホンアミド(すなわちニコスルフロン)またはその塩を製剤化するために、植物油(特にトウモロコシ油およびナタネ油)および鉱油、そして界面活性剤が使用されている。この液状のスルホニル尿素製剤の安定性は、このままでは不十分であるが、尿素の添加により向上する。
【0007】
シクロヘキセノンオキシムエーテルおよびそれらの金属塩は、一般的に知られている有用な作物保護剤である。それらは、特に除草剤として非常に高く評価されている。下記の式(Ia)のシクロヘキセノンオキシムエーテルおよびその金属塩(国際公開第97/20807号)は、特に好適な除草活性化合物であることが判明している。
【0008】
【化3】
Figure 2004508386
【0009】
しかし、欧州特許EP−A 266 068から、シクロヘキセノンオキシムエーテルの物質クラスからの除草剤は分解しやすいことが既知である。この点に関して特に重要となるなのは、対応する作物保護製剤の高温で長期にわたる保存である。このことは、上記で述べた式(Ia)のシクロヘキセノンオキシムエーテル(それらの金属塩を含む)にも当てはまる。
【0010】
これらの問題に鑑みて、独国特許DE 195 10 887には、シクロヘキセノンオキシムエーテルまたはその塩に加えて、特定の水溶性の塩基性塩(特に特定のホウ酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩および炭酸塩)を含む保存上安定な固形製剤が記載されている。これらは水溶性の組成物であり、好ましくは粉末または顆粒の形態である。
【0011】
特定のシクロヘキセノンオキシムエーテル金属塩の製剤化については、国際公開第97/20807号には、固形製剤だけでなく、作物保護の分野で通常用いられる多数の液状製剤も記載されている。これに関して、油、低級アルコールおよび強極性溶媒(特に水)、ならびに通常の界面活性剤などの不活性補助剤が、この公報で述べられている製剤に実質的に好適であることが述べられている。しかし、これらの補助剤の多くが、対応する製剤中で、活性化合物の急速な分解を引き起こす。
【0012】
本発明の目的は、良好な生物学的性能を有する、式(Ia)のシクロヘキセノンオキシムエーテルの安定な液状製剤を提供することである。
【0013】
本発明者らは、この目的が、本発明において、特定のカルボン酸エステルならびに/またはスルホン酸塩および修飾カルボン酸の群から選ばれる界面活性剤に基づく、対応するリチウム塩の油性懸濁製剤により達成されることを見い出した。
【0014】
したがって、本発明は、特に、
(a1)式(I):
【化4】
Figure 2004508386
で表される2−{1−[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシイミノ]ブチル}−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロチオピラン−3−イル)シクロヘキサ−2−エノンリチウム塩と、
(b1)式(IIa)または(IIb):
−CO−OR         (IIa)
−O−CO−A−CO−O−R    (IIb)
[式中、Rは炭素数6〜30の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和脂肪族基であり、Rは直鎖または分岐鎖のC−C−アルキルまたはC−C10−シクロアルキルであり、Aは直鎖または分岐鎖のC−C−アルキレンまたはC−C10−シクロアルキレンであり、RおよびRは互いに独立して炭素数1〜24の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和脂肪族基である]
で表される少なくとも1種のモノ−および/またはジカルボン酸エステル;
(c1)式(III):
−SO l/n M( )   (III)
[式中、Mは一価または二価のカチオン(n=1または2)であり、Rは炭素数6〜30の直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族もしくはヘテロ脂肪族基または(C−C30−アルキル)アリール基である]
の少なくとも1種のアニオン性界面活性剤;ならびに
(c2)式(IV):
[R−CO−(EO)−]    (IV)
[式中、Rは、炭素数8〜30の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の、任意にモノ−またはジヒドロキシル化されていてよい脂肪族基であり、全てのxの合計は0〜100であり、yは1〜7であり、Aは、yが1の場合はヒドロキシルまたはC−C−アルキルオキシであり、yが2〜7の場合はC−C−ポリオールから誘導されるものである]
で表される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤
からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分とを含む、油性懸濁製剤を提供する。
【0015】
したがって、本発明は、液状で不均質な活性化合物含有製剤に関する。それらは、油相に分散した固体の活性化合物を含む。
【0016】
本発明による油性懸濁製剤は、活性化合物成分(a)および製剤成分(F)に基づくものである。必要に応じて、更なる添加剤を存在させることができる。
【0017】
油性懸濁製剤中の活性成分(a)の割合は、様々なものとすることができる。それは、典型的には、1〜70重量%の範囲、好ましくは5〜50重量%の範囲、特には5〜30重量%の範囲である。
【0018】
一般に、上記で述べた量は、特に指定しない限り、油性懸濁製剤の全重量に対していう。本発明によれば、「実質的に」なる用語は一般に、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、特には少なくとも98%のパーセンテージをいう。
【0019】
アルキル、アルコキシなどの用語には、(特に指示しない限り)短鎖の基の場合には炭素数が好ましくは1〜8、特には1〜6、特に好ましくは1〜4、長鎖の基の場合には炭素数が6〜30、特には8〜24、特に好ましくは12〜24の直鎖および分岐鎖の炭化水素基が含まれ、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、イソノニル、n−デシル、イソデシル、n−ウンデシル、イソウンデシル、n−ドデシル、イソドデシル、n−トリデシル、イソトリデシル、ステアリル、およびn−エイコシルが挙げられる。
【0020】
「シクロアルキル」なる用語には、(特に指示しない限り)炭素数が好ましくは3〜10、特には3〜6、特に好ましくは6の単環式および二環式の飽和炭化水素基が含まれ、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、特にシクロヘキシルなどが挙げられ、それらの基は、C−C−アルキルにより一置換、二置換または三置換されていてもよい。これらの記載は、対応する二価の基である「シクロアルキレン」にも同様に適用され、この中でもシクロアルキル−1,2−イレンが好ましい。
【0021】
「アルケニル」なる用語には、(特に指示しない限り)短鎖の基の場合には炭素数が好ましくは3〜8、特には2〜6、特に好ましくは2〜4、長鎖の基の場合には炭素数が6〜30、特には8〜24、特に好ましくは12〜24であり、好ましくは1つ、2つまたは3つの二重結合を有する直鎖および分岐鎖の不飽和炭化水素基が含まれ、例えばエテニル、プロパ−2−エン−1−イル、オレイルなどが挙げられる。
【0022】
「アルキレン」なる用語には、(特に指示しない限り)炭素数が好ましくは2から18、特には2〜10、特に好ましくは2〜6の直鎖および分岐鎖の二価の基が含まれ、例えばメチレン、エタ−1,1−イレン、エタ−1,2−イレン、プロパ−1,1−イレン、プロパ−1,2−イレン、プロパ−1,3−イレン、プロパ−2,2−イレン、ブタ−1,1−イレン、ブタ−1,2−イレン、ブタ−1,3−イレン、ブタ−1,4−イレン、ブタ−2,2−イレン、2−メチルプロパ−1,3−イレン、ペンタ−1,1−イレン、ペンタ−1,2−イレン、ペンタ−1,3−イレン、ペンタ−1,4−イレン、ペンタ−1,5−イレン、ペンタ−2,2−イレン、ペンタ−2,3−イレン、ペンタ−2,4−イレン、ペンタ−3,3−イレン、1−メチルブタ−1,4−イレン、2−メチルブタ−1,4−イレンなどが挙げられる。
【0023】
式(I)のリチウム塩、すなわち2−{1−[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシイミノ]ブチル}−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロチオピラン−3−イル)シクロヘキサ−2−エノンリチウム塩は、成分(a1)として、活性化合物成分(a)の少なくとも一部を形成する。
【0024】
ここで式(I)の化合物の表記方法には、これらの化合物の異性体形態が含まれる。シス/トランス異性体、エナンチオマーまたはジアステレオマーような幾何学異性体および立体異性体、およびまた本発明の場合は特にエノレート構造に基づく互変異性体について特に言及する場合もある。したがって、式(I)の化合物はまた、対応するシクロヘキサン−1,3−ジオン誘導体の塩と記載することもできる。式(I)の化合物には、実質的に純粋な異性体に加えて、それらの異性体混合物、例えば立体異性体の混合物が含まれる。
【0025】
式(I)のリチウム塩に加えて、活性化合物成分(a)は、1種以上の更なる作物保護剤を含むことができる。
【0026】
2−{1−[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシイミノ]ブチル}−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロチオピラン−3−イル)シクロヘキサ−2−エノン、それの他の塩または誘導体、ならびに他のシクロヘキセノンオキシムエーテルおよびその塩以外に、例えば、害虫または植物病原性真菌および/もしくは細菌を防除するための物質が好適である。特に、他の除草性または生育調節性のグループの活性化合物のうち代表的なものが、更なる作物保護剤として挙げられる。これらとしては、特に成分(a2)として、以下の化合物から選ばれる作物保護剤が挙げられる。
【0027】
−ブロモブチド、ジメピペレート、エトベンザニド、プロパニル、
−アニロホス、メフェナセット、
−2,4−DおよびMCPB(金属塩として)、ナプロアニリド、
−ベンタゾン(特にナトリウム塩として)、
−ピラゾリネート/ピラゾレート、サルコトリオン(sulcotrione)(金属塩として、好ましくは第1の主族からのもの)、
−エスプロカルブ、モリネート、ピリブチカルブ、チオベンカルブ/ベンチオカルブ、
−キンクロラック、
−ブタクロール、ブテナクロール(butenachlor)、プレチラクロール、テニルクロール、
−特にナトリウムおよび/またはリチウム塩の形態としてのシクロキシジム、セトキシジム、
−ペンジメタリン、
− (R)−2−[4−(4−シアノ−2−フルオロフェノキシ)フェノキシ]プロピオン酸n−ブチル、フェノキサプロップ−エチル
−ベンゾフェナップ、ピラゾキシフェン、
−ジチオピル、
−2,6−ビス[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)オキシ]安息香酸ナトリウム、2−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)オキシ]−6−[1−(メトキシイミノ)エチル]安息香酸メチル、
−アジムスルフロン、ベンスルフロン−メチル、シノスルフロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、イマゾスルフロン、ピラゾスルフロン−エチル、有利にはそれらの金属塩の形態、
−ジメタメトリン、シメトリン、
−ベンフレセート、
−カフェンストロール、
−シンメチリン、ならびに
−ピペロホス。
【0028】
本発明によれば、上記の活性化合物が酸性のOHまたはNH官能基を有する場合は、それらを農業上有用な塩、特に第1および第2の主族の金属カチオンとの金属塩として使用することが好ましい。
【0029】
これらの更なる作物保護剤の中でも、1つの有利な様式として、特に一価(n=1)または二価(n=2)の金属カチオンM(n+)を有するキンクロラックの塩、すなわち式(V):
【化5】
Figure 2004508386
のカルボン酸塩を式(I)のリチウム塩と組み合わせることが可能である。
【0030】
本発明の1つの実施形態によれば、活性化合物成分(a)は、実質的に式(I)のリチウム塩からなる。この実施形態は、除草活性化合物に基づく油性懸濁製剤(単一調製物)に関する。
【0031】
本発明の更に更なる実施形態によれば、活性化合物(a)は、実質的に式(I)のリチウム塩と式(V)のカルボン酸金属塩との組合せからなる。この実施形態は、除草活性化合物の組合せに基づく油性懸濁製剤(組み合わせ製剤)に関する。
【0032】
組み合わせ製剤における活性化合物の割合は、広範な範囲内で様々なものとすることができる。典型的には、活性化合物成分(a)は、
(a1)5〜95重量%、好ましくは10〜70重量%、特には20〜50重量%の式(I)のリチウム塩と、
(a2)5〜95重量%、好ましくは30〜90重量%、特には50〜80重量%の式(V)のカルボン酸金属塩と、
(a3)適当である場合には、90重量%以下、好ましくは60重量%以下、特には30重量%以下の更なる(好ましくは除草性の)作物保護剤と
を含む。
【0033】
上記において、記載した量は、それぞれの場合、活性化合物成分(a)の合計重量に対するものであり、成分(a1)、(a2)および(a3)の合計は、特定の実施形態によれば100重量%である。
【0034】
別の態様によれば、活性化合物成分(a)は、式(V)のカルボン酸金属塩を式(I)のリチウム塩よりも比較的高い割合で含む。典型的には、この(I)と(V)との重量比は、1:1.1〜1:4、好ましくは1:1.5〜1:3、特には1:2〜1:2.75の範囲である。
【0035】
製剤成分(F)の目的は、式(I)のリチウム塩に基づく油性懸濁製剤を形成することである。更に、この製剤成分の一部は補助的作用、特に活性増大作用を有するものであってもよい。
【0036】
油性SC剤中に存在する式(I)のリチウム塩の全量の少なくとも一部は固体として存在する。式(I)のリチウム塩の他の部分(一般的には少ないほうの部分)は製剤成分(F)中で塩であってよい。油性SC剤中での全量に対する溶解した式(I)のリチウム塩の割合は、有利には1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、特には0.3重量%未満である。
【0037】
製剤成分(F)において、固体画分が不均質な相(懸濁液)を形成する。この固体は、有利には分散した形態で存在する。安定な分散液を形成することが好ましい。
【0038】
固体の活性化合物は、通常、粒子の形態で存在する。その活性化合物粒子の主な粒径は、有利には10μm未満、特に5μm未満である。有利な粒径は0.1μm〜10μm、特には0.5μm〜5μmの範囲である。更なる態様によれば、有利な粒径累積和分布は、粒子の少なくとも50%が100μm未満、好ましくは50μm未満、特には10μm未満の粒径を有する分布として説明できる。活性化合物粒子の少なくとも90%が10μm未満、特には5μm未満の粒径を有する粒径累積和分布を有する油性懸濁製剤が特に好ましい。上記の粒径に関する記載は、固体で飽和したサンプルを必要であれば本発明による油性SC剤の液相で希釈し、室温でCilas粒径測定装置715(Cilas, Marcoussis, フランス)を用いて測定した場合の測定値をいう。
【0039】
活性化合物成分(a)が1種以上の更なる作物保護剤を含む場合、これらは製剤成分(F)中に、基本的には任意の形態で分布することができる。したがって、更なる作物保護剤は、互いに独立して、少なくとも一部は固体として、あるいは溶解した形態で存在することができる。有利には、活性化合物成分(a)に含まれる更なる作物保護剤もまた不均質な相を形成する。この場合の特定の実施形態は、式(I)のリチウム塩について上述した通りである。リチウム塩について上述したことは、更なる植物保護剤、特に式(V)のカルボン酸金属塩についても同様にあてはまるのである。
【0040】
したがって、本発明の1つの実施形態は、上記の活性化合物の割合、固体の割合、および/または粒径を有する、式(I)のリチウム塩の油性懸濁製剤に関する。これらとしては、特に、式(I)のリチウム塩の含有量が10〜30重量%であり、リチウム塩の全量に対する固体の割合が少なくとも99重量%であり、平均粒径が1〜3μmであり、かつ典型的には粒子の少なくとも60%が2μm未満の粒径を有する粒径累積和分布を有する油性懸濁製剤が含まれる。
【0041】
更に別の実施形態によれば、本発明は、上記で記載されている活性化合物の割合、固体の割合および/または粒径を有する、式(I)のリチウム塩および少なくとも1種の式(V)のカルボン酸金属塩の油性懸濁製剤に関する。
【0042】
製剤成分(F)の割合は、一般に、30〜99重量%、好ましくは50〜95重量%、特には70〜95重量%である。製剤成分(F)は、通常、複数の成分からなる。これらの成分としては、その機能が主に製剤の様相に関連する助剤が挙げられる。この意味では、それらの成分は、助剤成分と呼ぶこともできる。しかし、この用語には、例えば活性化合物安定化作用および特に活性増大作用のような、これらの成分の更なる機能および作用が含まれる。
【0043】
製剤成分(F)としては、特に、少なくとも1種の液体成分(b)および少なくとも1種の界面活性剤成分(c)が含まれる。
【0044】
油性懸濁製剤の全重量に対する液体成分(b)の割合は、一般に、10〜90重量%、好ましくは30〜80重量%、特には40〜70重量%である。
【0045】
成分(b)は主に、油性懸濁製剤における可溶性成分の溶媒または不溶性成分の希釈剤となる。
【0046】
成分(b)の少なくとも一部は、1種以上の油から形成される。本発明によれば、「油性」なる用語は、油性懸濁製剤の使用条件下で液状であり実質的に水に不溶性の物質をいう。本発明の目的のためには、特に1部の物質を溶解させるのに少なくとも1000〜10000部、好ましくは少なくとも10000部の水が必要となる場合に、物質は水不溶性であるという。
【0047】
基本的に好適なものは、例えば、鉱油、合成油、ならびに植物油および動物油である。
【0048】
これらとしては、特に、非プロトン性溶媒が含まれ、例えば、中〜高沸点の鉱油留分、例えば灯油およびディーゼル燃料、更にコールタール油、炭化水素、パラフィン油、ベンゼンまたはナフタレン系に由来する非水素化、水素化もしくは部分水素化芳香族化合物もしくはアルキル芳香族化合物、脂肪族もしくは芳香族カルボン酸エステルもしくはジカルボン酸エステル、特に式(IIa)および(IIb)のエステル、植物もしくは動物に由来する油脂、例えば純粋なまたは混合物としてのモノ−、ジ−およびトリ−グリセライド、例えば天然の生成物の油性抽出物の形態、例えばオリーブ油、大豆油、ヒマワリ油、ヒマシ油、ゴマ油、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、亜麻仁油、アーモンド油、ベニバナ油、およびそれらのラフィネート、例えばそれらの水素化もしくは部分水素化生成物および/もしくはそれらのエステル、特にメチルエステルおよびエチルエステルが挙げられる。
【0049】
油性懸濁製剤の全重量の油の割合は、一般に10〜90重量%、好ましくは30〜80重量%、特には40〜70重量%である。
【0050】
特定の実施形態では、本発明による油性懸濁製剤の成分(b)は、少なくとも上記の成分(b1)を含む。
【0051】
更なる特定の実施形態では、上記の成分(b1)を、更なる製剤(独立した製品)の一部として、適当な時点にて、通常は適用の直前に本発明による油性懸濁製剤と混合する。
【0052】
本発明によれば、それぞれ式(IIa)および(IIb)のモノ−およびジ−カルボン酸エステルは油に属する。それらは、脂肪酸または脂肪アルコールから誘導できる長鎖の脂肪族基を有する。これは、式(IIb)のジカルボン酸エステル中の基RおよびRの意味にも当てはまり、特に、特に式(IIa)のモノカルボン酸エステルに当てはまり、ここでは具体的には基Rの意味に当てはまる。
【0053】
これらの基は、例えば、トリデカン酸、ラウリン酸、エレオステアリン酸(elaeostearic acid)、ウンデカン酸、カプリン酸、エルカ酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、エナント酸、カプロン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イワシ酸、およびドコサヘキサンエン酸などの脂肪酸から誘導できる。
【0054】
したがって、Rは、炭素数が6〜30、好ましくは8〜24の直鎖または分岐鎖(特に1回の分岐)の飽和または最大で六不飽和、特に一不飽和の脂肪族基であることが好都合である。これらとしては、特に、対応するアルキル基およびアルケニル基が含まれる。好ましいアルキル基はドデカニルである。好ましいアルケニル基はオクタデカ−9−エニル、特にcis−オクタデカ−9−エニル(オレイル)である。
【0055】
基Rが比較的長鎖の基である場合、基Rは通常、比較的短鎖のアルコールから誘導される。したがって、Rは、炭素数が1〜8、好ましくは1〜6、特には1〜4の直鎖または分岐鎖のアルキル(特に1回または2回分岐しているアルキル)、または炭素数が好ましくは6のシクロアルキルであることが好都合である。好ましいアルキル基はメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、2−エチルヘキシルならびにn−およびイソ−オクチルである。特に好ましいのはメチル、エチルおよびブチルであり、これらの中でも特にメチルが好ましい。好ましいシクロアルキル基はシクロヘキサニルである。
【0056】
例えば、以下の式(IIa)のモノカルボン酸エステルを単独で、または互いに組合せて、そしてまた、式(IIb)のジカルボン酸エステルと共に使用することができる:オレイン酸エステル(特にオレイン酸メチルおよびオレイン酸エチル)、ラウリン酸エステル(特にラウリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸オクチルおよびライウリン酸イソプロピル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エステル(特にパルミチン酸2−エチルヘキシルおよびパルミチン酸イソプロピル)、ステアリン酸エステル(特にステアリン酸n−ブチル)、ならびに2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル。特に重要なのはオレイン酸エステル、特にオレイン酸メチルである。
【0057】
基Aは、2つのカルボキシル炭素を連結する二価の基である。したがって、Aは、炭素数が2〜6、好ましくは2〜4の直鎖または分岐鎖のアルキレン(特に1回分岐しているアルキレン)であるか、またはシクロアルキレン、特にシクロヘキシレンである。好ましいアルキレン基は、エタ−1,2−イレン、プロパ−1,3−イレン、特にブタ−1,4−イレンであることが好都合である。好ましいシクロアルキレン基はシクロヘキサ−1,2−イレンである。
【0058】
基RおよびRは異なっていてもよい。実用上の理由から、特にRおよびRが同じ意味を有するジカルボン酸エステルが使用される。基本的に、RおよびRは、短鎖および長鎖のアルコールから誘導できる。都合がよいものとしては、RおよびRは、互いに独立して、飽和または不飽和(特に一不飽和もしくは二不飽和)で、炭素数が1〜24、好ましくは1〜12である直鎖または分岐鎖の脂肪族基(特に1回分岐している基)を表わす。これらとしては、特に、対応するアルキル基およびアルケニル基が含まれる。好ましいアルキル基はメチルおよびエチルであるが、オクチルおよびノニル、特にイソノニルも好ましい。
【0059】
例えば、以下の式(IIb)のジカルボン酸エステルを、単独で、または互いに組合せて、ならびに式(IIa)のモノカルボン酸エステルと共に使用することが可能である:アジピン酸エステル、特にアジピン酸ジメチル、アジピン酸ジ−n−ブチル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸ジイソオクチル(アジピン酸ビス(2−エチルヘキシルとも呼ばれる)、アジピン酸ジ−n−ノニル、アジピン酸ジイソノニル、およびアジピン酸ジトリデシル;コハク酸エステル、特にコハク酸ジ−n−オクチルおよびコハク酸ジイソオクチル;ならびにシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソノニル。特に重要なのは、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、およびアジピン酸ジイソノニルである。
【0060】
それぞれ式(IIa)および(IIb)のモノ−およびジ−カルボン酸エステルの割合は、これらの化合物が存在する場合には、一般に、油性懸濁製剤の全重量に対して5〜70重量%、好ましくは15〜60重量%、特には20〜50重量%である。
【0061】
1つの実施形態によれば、本発明は、少なくとも1種のそれぞれ式(IIa)および(IIb)のモノ−および/またはジ−カルボン酸エステル(成分(b1))から本質的に形成される成分(b)を含む油性懸濁製剤に関する。
【0062】
別の実施形態によれば、成分(b)は、それぞれ式(IIa)および(IIb)のモノ−および/またはジ−カルボン酸エステルを含まないが、その代わりに少なくとも1種の更なる油を成分(b2)として含む。この成分(b2)は、特に、上記で述べた油および非プロトン性溶媒から選ぶことができる。特に、
(b2)少なくとも1種のC−〜C30−炭化水素およびn−またはイソ−アルカン系、またはそれらの混合物、ならびに芳香族または脂環式C−〜C18−炭化水素化合物またはそれらの混合物
をここでは挙げることができる。
【0063】
およびn−またはイソ−アルカン系のC−〜C30−炭化水素の例は、n−およびイソ−オクタン、−デカン、−ヘキサデカン、−オクタデカン、−エイコサン、好ましくは炭化水素混合物、例えばパラフィン油(テクニカルグレードの場合は約5%の芳香族化合物を含み得る)およびTexaco社からSpraytex oilという商品名で販売されているC−C24混合物である。
【0064】
芳香族または脂環式C−〜C18−炭化水素化合物としては、特に、アルキル芳香族化合物のグループからの芳香族または脂環式溶媒が挙げられる。これらの化合物は水素化されていなくてもよいし、部分水素化または完全に水素化されていてもよい。そうした成分(b2)の溶媒としては、特に、モノ−、ジ−もしくはトリ−アルキルベンゼン、モノ−、ジ−、トリ−アルキル置換テトラリンおよび/またはモノ−、ジ−、トリ−もしくはテトラ−アルキル置換ナフタレンである(アルキルは好ましくはC−C−アルキル)。そうした溶媒の例はトルエン、o−、m−、p−キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、tert−ブチルベンゼンおよび混合物、例えばExxon社からShellsolおよびSolvessoという商品名で販売されている製品(例えばSolvesso 100、150および200)である。
【0065】
成分(b2)は、好ましくは、ベンゼンまたはナフタレン系からの少なくとも1種の非水素化、完全水素化または部分水素化されているアルキル芳香族化合物を含む群から選ばれ、特に、Exxon社からShellsolおよびSolvessoという商品名で販売されている製品(例えばSolvesso 100、150および200)である。したがって、成分(b2)は、実質的に上記のアルキル芳香族化合物から形成され得る。しかし、それは、更にn−またはイソ−アルカン系のC−〜C30−炭化水素を含むことができ、それらは多くの場合、実用上の理由から同時に導入される。
【0066】
本発明による油性懸濁製剤において、n−またはイソ−アルカン系のC−〜C30−炭化水素の割合は、有利には、可能性のある成分(b1)の割合または成分(b2)の割合より低くすべきである。n−またはイソ−アルカン系のC−〜C30−炭化水素の割合と活性化合物の割合との重量比は、好ましくは3:1未満、好ましくは1.5:1未満、特には0.5:1未満である。
【0067】
更に別の実施形態において、本発明はまた、少なくとも1種のそれぞれ式(IIa)および(IIb)のモノ−および/またはジ−カルボン酸エステルに加えて、少なくとも1種の更なる油を成分(b2)として含む成分(b)を有する油性懸濁製剤に関する。
【0068】
この実施形態に関して、それぞれ式(IIa)および(IIb)のモノ−およびジ−カルボン酸エステルの割合は、一般に、5〜70重量%、好ましくは15〜60重量%であり、更なる油(成分(b2))の割合は、一般に5〜60重量%、このましくは10〜45重量%である。
【0069】
有利には、本発明による油性懸濁製剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキサノールなどのC−〜C−モノアルコール、シクロヘキセノンなどのC−〜C−ケトン、ならびに水などの強極性溶媒を実質的に含まないか非常に低い割合でしか含まない。
【0070】
油性懸濁製剤の全重量に対して、上記のアルコールおよびケトンの割合は、好ましくは10重量%未満、特には5重量%未満である。
【0071】
本発明による油性懸濁製剤の水の含有量は、その製剤の全重量に対して、好ましくは1重量%未満、特には0.5重量%未満である。水の含有量が0.1〜0.5重量%の範囲内、特には0.05〜0.25重量%の範囲内にある油性懸濁製剤が特に非常に好ましい。
【0072】
界面活性剤成分(c)の油性懸濁製剤の全重量に対する割合は、一般に10〜60重量%、好ましくは15〜40重量%、特には20〜30重量%である。
【0073】
成分(c)は、特に分散剤および/または乳化剤として、特に固体画分を油性懸濁製剤中に分散させるため、または水に添加される油性懸濁製剤の油相を乳化するための分散剤および/または乳化剤として作用する。更に、成分(c)の一部は湿潤剤としても作用することができる。
【0074】
成分(c)の少なくとも一部は、1種以上の界面活性剤により形成される。ここで、「界面活性剤(surfactants)」なる用語は、界面活性剤(interface−active agents)または表面活性剤(surface active agents)をいう。
【0075】
基本的に好適なものは、アニオン性、カチオン性および両性界面活性剤であり、高分子性界面活性剤、および疎水性基中にヘテロ原子を含む界面活性剤が挙げられる。
【0076】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、特にステアリン酸カリウムなどの脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩(通常、セッケンとも呼ばれる);グルタミン酸アシル;サルコシン酸塩、例えラウロイルサルコシン酸ナトリウム;タウリン酸塩;メチルセルロース;アルキルリン酸塩、特にアルキル一および二リン酸塩;硫酸塩、特にアルキル硫酸塩およびアルキルエーテル硫酸塩;スルホン酸塩、特に式(III)のスルホン酸塩、更なるアルキルおよびアルキルアリールスルホン酸塩、特にアリールスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、ならびにアルキル置換されたアリールスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、例えば、リグノ−およびフェノールスルホン酸、ナフタレン−およびジブチルナフタレン−スルホン酸塩、またはドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルメチルエステルスルホン酸塩、スルホン化ナフタレンおよびその誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンスルホン酸、フェノール−およびフェノールスルホン酸とホルムアルデヒドとの、またはホルムアルデヒドおよび尿素、モノ−もしくはジ−アルキルコハク酸エステルスルホン酸塩との縮合物;ならびにタンパク質加水分解物およびリグノ亜硫酸廃液が挙げられる。上記のスルホン酸は、有利には、それらの天然の塩または(それが適当である場合は)塩基性塩の形態で用いられる。
【0077】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、第四級アンモニウム化合物、特にハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウムおよびハロゲン化ジアルキルジメチルアンモニウムならびにアルキル硫酸塩、ならびにピリジンおよびイミダゾリジンの誘導体、特にハロゲン化アルキルピリジニウムが挙げられる。
【0078】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、式(IV)の化合物、更なるアルコキシレート(特にエトキシレート)、ならびに非イオン性界面活性剤、特に次のものが挙げられる。
【0079】
−脂肪アルコールポリオキシエチレンエステル、例えばラウリルアルコールポリオキシエチレンエーテルアセテート、
−アルキルポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンエーテル、例えばイソトリデシルアルコールのもの、ならびに脂肪アルコールポリオキシエチレンエーテル、
−アルキルアリールアルコールポリオキシエチレンエーテル、例えばオクチルフェノールポリオキシエチレンエーテル、
−アルコキシ化した動物性および/または植物性脂肪および/または油、例えばエトキシ化したトウモロコシ油、エトキシ化したヒマシ油、エトキシ化した牛脂、
−グリセロールエステル、例えばモノステアリン酸グリセロール、
−脂肪アルコールアルコキシレートおよびオキソアルコールアルコキシレート、特にRO−(RO)(R10O)11[式中、RおよびR10は互いに独立して=C、C、Cであり、R11=HまたはC−C12−アルキルであり、R=C−C30−アルキルまたはC−C30−アルケニルであり、xおよびyは互いに独立して0〜50であり、双方が0であることは不可能である]のタイプのもの、例えばイソトリデシルアルコールおよびオレイルアルコールポリオキシエチレンエーテル、
−アルコキシ化アルキルフェノール、例えばエトキシ化イソオクチル、オクチルまたはノニルフェノール、トリブチルフェノールポリオキシエチレンエーテル、
−脂肪アミドアルコキシレート、脂肪酸アミドアルコキシレート、および脂肪酸ジエタノールアミンアルコキシレート、特にそれらのエトキシレート、
−糖質系界面活性剤、ソルビトールエステル、例えばソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリステアレート)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、N−アルキルグルコンアミド、
−アルキルメチルスルホキシド、
−アルキルジメチルホスフィンオキシド、例えばテトラデシルジメチルホスフィンオキシド。
【0080】
両性界面活性剤としては、例えばスルホベタイン、カルボキシベタインおよびアルキルジメチルアミンオキシド、例えばテトラデシルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
【0081】
高分子界面活性剤としては、例えば、(AB)、ABAおよびBABのタイプのジ−、トリ−およびマルチ−ブロックコポリマー、例えばポリエチレンオキシドブロックポリプロピレンオキシドブロックポリエチレンオキシド、ポリスチレンブロックポリエチレンオキシド、ならびにAB−櫛型ポリマー、例えばポリメタクリレート櫛型ポリエチレンオキシドが挙げられる。
【0082】
ここで例として挙げることができる他の界面活性剤は、ペルフルオロ系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、リン脂質、例えばレシチンもしくは化学修飾したレシチン、アミノ酸界面活性剤、例えばN−ラウロイルグルタミン酸塩、ならびに表面活性ホモポリマーおよびコポリマー、例えばポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸(それらの塩の形態)、ポリビニルアルコール、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、無水マレイン酸/イソブテンコポリマーおよびビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーである。
【0083】
特に指示しない限り、上記で挙げた界面活性剤のアルキル鎖は、一般に炭素数が8〜20の直鎖または分岐鎖の基である。
【0084】
本発明による油性懸濁製剤の成分(c)は、好ましくは、上記で挙げた界面活性剤成分(c1)および(c2)の少なくとも1つを含む。
【0085】
界面活性剤成分(c1)は、少なくとも1種の式(III)のアニオン性界面活性剤により形成される。これらは、特にアルカンスルホン酸塩およびスルホコハク酸塩を含む特定のスルホン酸塩であり、そのため、Rは、直鎖または分岐鎖(特に1回または2回の分岐)で、かつ炭素数が6〜30、好ましくは少なくとも8、特には12〜24の脂肪族またはヘテロ脂肪族の基となることが好都合である。アルカンスルホン酸塩の場合、Rは、特にアルキル基、例えば上記で述べた脂肪酸に対応する脂肪アルキル基から誘導できる。特定のヘテロ脂肪族基は、1つまたは2つのエステル基−OC(O)−が間に入っている。これに関して、Rは特にスクシン−2−イルエートであり、モノ−およびジ−エステルならびにα−位で結合している脂肪酸エステルが挙げられる。
【0086】
スルホコハク酸塩は、好ましい式IIIのアニオン性界面活性剤である。ここで、Rは、基―CH(C(O)−O−R)CH−C(O)−O−Rであり、この式中、R、Rは互いに独立して、RおよびRと同じ意味を有することができ、特に炭素数が1〜12、好ましくは5〜8のアルキル基である。好ましいアルキル基はオクチル、特にイソオクチルである。
【0087】
イオン性界面活性剤の負の電荷は対カチオンを必要とする。そのため、Mは一価または二価のカチオンである。基本的に、農業における使用に適するいずれの無機または有機カチオンも好適である。好ましいのは、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、マンガンなどの金属のカチオンであり、リチウム、ナトリウムおよびカルシウムのカチオンが特に好ましい。
【0088】
好ましいスルホコハク酸塩はジオクチルコハク酸塩(例えばナトリウム塩)である。
【0089】
式IIIのアニオン性界面活性剤には、アルキルアリールスルホン酸塩も含まれ、そのためには、Rはアルキル置換されたアリール基であると都合がよい。このアリール基は一置換または多置換されていてもよく、多置換、特に二置換または三置換されている場合は同一または異なるアルキル基で置換されることができ、この場合、2つの置換基は同一の位置に存在していてもよい。一般に、そのアルキル基は、炭素数が6〜30、好ましくは10〜24、特には8〜12である。それらは、互いに独立して、直鎖であってもよいし、または分岐(特に1回、2回、3回または4回)していてもよい。直鎖の基の中では、例えばデカニル、ウンデカニル、ドデカニル、トリデカニルおよびテトラデカニルを挙げることができ、分岐鎖の基の中では、例えばテトラプロピレンを挙げることができる。好ましいアリール基はフェニルである。
【0090】
好ましいアルキルアリールスルホン酸塩は、ドデシルフェニルスルホン酸塩(例えばナトリウム、リチウムまたはカルシウム塩)である。
【0091】
式IIIのアニオン性界面活性剤が存在する場合、油性懸濁製剤の全重量に対するその割合は一般に1〜40重量%、好ましくは7.5〜30重量%、特には10〜30重量%である。
【0092】
界面活性剤成分(c2)は、少なくとも1種の式IVの非イオン性界面活性剤により形成される。これらはエトキシ化されていない、またはエトキシ化されているカルボン酸および一価または多価アルコール(ポリオール)のエステルである。
【0093】
基Rは、特に、脂肪酸基(例えば上記で述べたもの)から誘導され、そのため、Rは好都合には、飽和または不飽和(特に一不飽和、二不飽和もしくは三不飽和)であり、モノヒドロキシル化もしくはジヒドロキシル化されていてもよく、かつ炭素数が8〜30、好ましくは12〜24、特には10〜24の直鎖または分岐鎖の脂肪族基(特に1回または2回分岐している基)である。これらとしては、特にパルミチル、ステアリル、アラキジル、ヘキサデセニル、オレイル、リノリル、リノレニル、リシノレイル(ricinoleyl)、エイコサニル、ならびにモノ−およびジ−ヒドロキシステアリルが挙げられ、これらの中でもリシノレイルおよびオレイルが好ましい。
【0094】
式IVの非イオン性界面活性剤がエトキシ化されている場合、全てのxの合計は、平均エトキシ化数であり、一般には3〜100、特には5〜50である。
【0095】
がヒドロキシルである場合は、y=1であり、且つ平均エトキシ化数は有利には5〜50、好ましくは15〜40である。これに関して、特に対応するヒマシ脂およびオレイン酸ポリエトキシレートを挙げることができる。
【0096】
が炭素数1〜4、好ましくは1または2の直鎖または分岐鎖のアルコキシである場合は、y=1であり、且つ平均エトキシ化数は3〜100、好ましくは20〜50である。
【0097】
が炭素数3〜7、特に6であるポリオールから誘導される場合は、yの値は2〜7、好ましくは3〜6である。ここで、基Aのy個のヒドロキシ水素原子は、それぞれの場合、基R−CO−(EO)−で置換されており、この場合、複数の基Rおよび複数の添字xは同一であってもよいし、異なっていてもよい。好ましくは、複数の基Rは同一であり、一方、添字xは異なっていてもよく、一般に、ガウス分布(Gaussian distribution)に従う。特に、Aは、ソルビトールまたはグリセロールなどの糖アルコールから誘導される。Aの好ましい意味はソルビトールである。この基がエトキシ化されている場合、平均エトキシ化数は5〜50、好ましくは15〜40である。これに関して、特に対応するソルビトールポリエトキシオレエートおよびステアレートを挙げることができる。
【0098】
式IVの非イオン性界面活性剤が存在する場合、油性懸濁製剤の全重量に対するその割合は、一般に1〜40重量%、このましくは2.5〜25重量%、特には5〜15重量%である。
【0099】
一実施形態において、本発明は、界面活性剤成分(c1)または界面活性剤成分(c2)により実質的に形成される成分(c)を含む油性懸濁製剤に関する。
【0100】
更なる実施形態において、本発明は、界面活性剤成分(c1)と(c2)との混合物により実質的に形成される成分(c)を含む油性懸濁製剤に関する。この実施形態に関して、界面活性剤成分(c1)の割合は、一般に1〜40重量%、このましくは7.5〜30重量%であり、界面活性剤成分(c2)の割合は、一般に1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%である。ここで、当該割合は油性懸濁製剤の全重量に対するものである。
【0101】
さらに別の実施形態において、本発明は、界面活性剤成分(c1)および/または界面活性剤成分(c2)に加えて、特に上記に記載したものから選ばれる更なる界面活性剤を含む成分(c)を含む油性懸濁製剤に関する。
【0102】
ここで、本発明による油性懸濁製剤中の更なる界面活性剤の割合は、有利には、式(III)および/または(IV)の界面活性剤の割合よりも低くすべきである。更なる界面活性剤の割合と活性化合物の割合との重量比は、好ましくは1.5:1未満であり、1:1未満が好ましく、特には0.5:1である。
【0103】
本質的に成分(b1)、(C1)および/または(c2)からなる成分の割合は、一般に10重量%を上回り、好ましくは20重量%を上回り、特には25重量%を上回る。このトータルでの割合は、有利には、30〜90重量%、好ましくは30〜80重量%、特には35〜75重量%の範囲である。
【0104】
本発明により好ましいものは、界面活性剤成分(c1)および/または(c2)と組み合わせた液状成分(b1)に少なくとも部分的に基づく製剤成分(F)を有する油性懸濁製剤である。油性懸濁製剤の全重量に対して、界面活性剤成分(c1)および/または(c2)と合わせた液状成分(b1)の割合は、有利には、10〜90重量%、好ましくは15〜85重量%、特には20〜70重量%である。これらの油性懸濁製剤の特定の実施形態は、成分(b1)、(c1)および(c2)に関して上記で記載した実施形態に従って決まるものである。
【0105】
したがって、1つの特定の好ましい実施形態によれば、本発明は、成分(b1)、(c1)および(c2)に基づく油性懸濁製剤に関する。これらの油性懸濁製剤はまた、特に成分(b2)を含むことができる。
【0106】
成分(d)としての更なる助剤が存在する場合、油性懸濁製剤の全重量に対するその割合は、一般に15重量%以下、好ましくは10重量%以下である。
【0107】
成分(d)は、様々な機能を有するものとすることができる。好適な補助剤は、何が必要であるかに従い、一般には当業者により選ばれる。安定化剤を特に挙げることができる。
【0108】
好ましい安定化剤はリチウム塩であり、これは成分(d1)として使用できる。これらとしては、無機酸または有機酸のリチウム塩、特に水酸化リチウム、炭酸リチウム、塩化リチウムおよびカルボン酸リチウム、ならびに有機カルボン酸のスルホン酸塩およびスルホン酸、特に式(III)のスルホン酸が挙げられる。そうしたリチウム塩は、油性懸濁製剤に溶解させてもよいし、あるいは少なくとも一部を固体として、例えば粒子で、特に分散形態で、存在させてもよい。
【0109】
成分(d1)が存在する場合、リチウム塩形態の活性化合物の全量に対するその割合は、有利には、1〜30mol%、好ましくは3〜20mol%である。
【0110】
また、成分(d2)として用いられる安定化剤は、沈降防止剤とすることも可能である。これらは、特に本発明による油性懸濁製剤のレオロジー的安定化に役立つ。幾つかの場合、製剤のチキソトロピー特性を改善することが可能である。それらの目的は、特に、油性懸濁製剤中での固体の沈降および/または凝集作用を防止するためである。上澄(serum)の形成および/または固体の沈殿を低減することが望ましい。
【0111】
好適な沈降防止剤は、例えば、増粘剤の中に見い出すことができる。これらは特に、ゲル状構造を形成し、それにより本発明による油性懸濁製剤の液相の粘度を低下させることができる物質である。これらとしては、例えば、有機ポリマーおよび無機物質、特に微粉砕した無機物質(例えばベントナイト、タルクまたはヘクトライト)が挙げられる。必要に応じて焼成により炭酸塩の形態から水酸化物の形態へと変換された塩基性の鉱物系(例えばタルク)は、特に好適であることが判明している。
【0112】
成分(d2)が存在する場合、油性懸濁製剤の全重量に対するその割合は、有利には、15重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。
【0113】
安定化剤には水結合剤も含まれ、これは成分(d3)として使用できる。これに関して、特に、アルキレンホウ素塩、特にホウ砂型の無水、焼成化または脱水ホウ素塩を挙げることができる。
【0114】
成分(d3)が存在する場合、油性懸濁製剤の全重量に対するその割合は、有利には15重量%以下、好ましくは2〜10重量%である。
【0115】
活性化合物成分(a)および製剤成分(F)に加えて、本発明による油性懸濁製剤は、更に別の添加剤を含むことができる。特に関心が持たれるのは、例えば、栄養成分および微量元素の欠乏を補うために用いられる無機塩溶液との混和性である。また、非植物毒性油およびオイルコンセントレートならびにドリフト防止剤も使用可能である。好適なものは、更に消泡剤、特にシリコーン系のもの、例えばシリコーンSL(Wacker社から販売)であり、これらはリットル当たり0.1〜10g、好ましくは1〜2gの任意の量で添加できる。
【0116】
本発明による油性懸濁製剤は、それ自体が公知である方法で調製できる。この目的のために、成分の少なくとも一部を共に添加する。ここでは、その成分が異なる構成成分を提供する製品(特に市販の製品)を使用できることに注目すべきである。例えば、特定の界面活性剤は、非プロトン性溶媒に溶解させて成分(b)および成分(c)の双方を提供することができる。更に、低比率の不要な物質(例えば水または低級アルコールまたはケトン)を市販の製品と共に導入してもよい。したがって、本発明による油性SC剤に含まれる製品は、有利には、水および/または低級アルコールまたはケトンが比較的定含量であるという基準を用いて選択する。混合物を特に懸濁液の形態で得るためには、添加する製品は通常、強く粉砕しなければならない。
【0117】
用いられる粉砕用媒体は、ガラス粉砕用媒体または他の鉱物もしくは金属製の粉砕用媒体であり、一般に、0.1〜30mm、特には0.6〜2mmの大きさである。混合物は一般に、目的の粒径が達成されるまで粉砕する。
【0118】
一般に、粉砕は、油性SC剤の循環式の再循環(すなわち連続ポンピング)を用いて、または通過式の操作(すなわち、油性SC製剤バッチを完全に、かつ反復してポンプ輸送しまたは処理を行う操作)を用いて行うことができる。
【0119】
粉砕は、通常のボール、ビーズまたは撹拌ミルを用いて、例えばDyno−mill(Bachofen製)内で、例えば通過操作において0.5〜1リットルのバッチサイズを用いて行うことができる。数回(特に4〜6回)通過させた後(スラリーは蠕動ポンプを用いてミルでポンプ輸送される)、平均粒径0.5〜10μm(顕微鏡での評価による)が達成される。
【0120】
次に、例えば適切な装置(粉砕ガラスまたは磁気撹拌装置など)を用いるホモジネーションにより、更なる補助剤を組み込むことが可能である。
【0121】
多数の調製形態が可能であり、例えば油性懸濁製剤の予備濃縮物(preconcentrate)からの直接粉砕またはブレンドが挙げられる。
【0122】
直接粉砕の場合は、まず大部分の成分(b)を成分(c)と共に投入し、活性化合物成分(a)を固体として添加する。次に、残りの量の成分(b)で製剤バッチを完成する。次に、このバッチを上記で記載したようにして粉砕する。添加する成分(d)は、いずれの時点で添加してもよい。また、安定化剤(特に無機安定化剤)を粉砕することも好ましい。粉砕は、活性化合物と共に行うことができる。しかし、安定化剤は別個に、例えばマスターバッチとして別個に粉砕してもよく、この場合、通常は、より高濃度で処理した後に、それを油性懸濁製剤に添加する。
【0123】
油性懸濁製剤予備濃縮物からのブレンドの場合は、まず活性化合物成分(a)を成分(b)の一部と共に上記で記載したようにして粉砕して、予備濃縮物を得る。次にこの予備濃縮物をまず投入し、成分(c)を添加し、更なる成分(b)を添加することにより目的の活性化合物含有量を確立する。ここでもまた、成分(d)が存在する場合、それはいずれの時点で混合してもよい。ここでもまた、粉砕している間に安定化剤を添加することが好ましい。
【0124】
油性懸濁製剤を調製する場合、式(I)のリチウム塩は、固体として用いることができる。
【0125】
式(I)の2−{1−[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシイミノ]ブチル}−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロチオピラン−3−イル)シクロヘキサ−2−エノンリチウム塩の調製に基本的に適する方法は、例えば国際公開第97/20807号に記載されている。これらとしては、式(Ia):
【化6】
Figure 2004508386
の2−{1−[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシイミノ]ブチル}−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロチオピラン−3−イル)シクロヘキサ−2−エノンと塩基性リチウム塩との反応および式(I)の化合物の単離が含まれる。好適な塩基性リチウム塩は、例えば、対応するハロゲン化物、水酸化物、アルコキシドまたは炭酸塩である。式(I)のリチウム塩は、更に、対応するシクロヘキセノンオキシムエーテル・ナトリウム塩から、ナトリウム/リチウム交換により調製できる。
【0126】
式(Ia)の化合物は、好ましくはメタノールおよび少なくとも1種の芳香族炭化水素を含む溶媒混合物中で水酸化リチウムと反応させ、溶媒の少なくとも一部を除去した後に、式(I)の化合物を単離する。好適な芳香族炭化水素としては、特に、ベンゼン系の溶媒、例えばアルキル置換ベンゼン(例えばトルエンおよびキシレン)が挙げられる。トルエンが特に適する。したがって、好ましくは、化合物(Ia)のトルエン溶液を使用する。式(Ia)の化合物の濃度は、用いる溶液の全重量に対して、好ましくは5〜40重量%であり、好ましくは10〜30重量%であり、特には約20重量%である。水酸化リチウム(LiOH)は、例えば無水物の形態または水和物(特に一水和物)の形態で使用できる。LiOHのメタノールに基づく溶液を使用することが好ましいが、更に他の溶媒を含んでいてもよい。好ましいのはメタノール系LiOH溶液であり、これは可能性のある他の溶媒に加えて、用いるLiOH溶液中の溶媒の全量に対して、少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、特には少なくとも85重量%のメタノールを含む。メタノール系LiOH溶液は、1〜7重量%、好ましくは2〜6重量%、特には約5重量%のLiOHを含むことが好都合である。記載した量は、添加前の用いた溶液の全重量に対するものである。完全な変換を確実にするために、水酸化リチウム溶液は通常は、モル過剰で用いる。出発物質として用いられるシクロヘキセノンオキシムエーテル(Ia)に対して、0.5〜10%のモル過剰を用いることが好ましい。しかし、水酸化リチウムをシクロヘキセノンオキシムエーテル(Ia)と1:1のモル比で反応させることが都合がよいこともある。この場合、例えば、LiOHの、特に水酸化リチウム溶液としての添加は、適切なpH電極を用いてモニターでき、溶液は、当量点に達するまで計量供給すればよい。それぞれの反応パートナーは、一般に、10分間〜360分間、好ましくは10分間〜120分間、特には約30分間かけて計量供給する。反応は通常、−20℃〜60℃、好ましくは0〜40℃、特に好ましくは20〜30℃の温度で行う。シクロヘキセノンオキシムエーテル溶媒(I)を単離する前に、溶媒混合物の少なくとも一部(特にメタノール)を溶媒混合物から除去する。通常は、溶媒混合物の他の成分と共に、特にメタノール/トルエン/水混合物としてメタノールを除去する。この除去は、好ましくは蒸留により、通常は20〜70℃、好ましくは30〜60℃、特に好ましくは40〜50℃の温度で行う。蒸留は、大気圧下、好ましくは減圧下で行うことができる。懸濁液が形成される。したがって、式(I)の化合物が実質的に完全に析出するような量の溶媒を除去することが都合がよいことがある。1つの特定の態様によれば、メタノールを反応混合物から実質的に完全に除去する。シクロヘキセノンオキシムエーテルリチウム塩(I)は、通常、得られた懸濁液を固/液分離に供することにより単離する。好ましいのは濾過、特に加圧濾過、ベルト濾過、真空濾過、遠心分離などである。分離した固体を特に濾過ケーキの形態で精製することが一般に都合がよい。この目的のために、その固体は、適当な溶媒、特にトルエン、で洗浄できる。一般に、分離させた固体(特に濾過ケーキ)を乾燥することも好都合である。この方法により得ることができる生成物の1つの特定の形態は、得られる生成物の全重量に対する(I)の含有量が少なくとも96重量%、好ましくは少なくとも97重量%、特には少なくとも重量98%のものである。
【0127】
これらの方法は、処理生成物を比較的効率良く単離することだけを可能にするのではない。この方法により調製可能なシクロヘキセノンオキシムエーテルLi塩(I)は、驚くべきことに、相対的に安定な油性SC製剤を形成する。これは、イネ用除草剤として使用する場合、および、別の態様によれば、熱帯地域で使用する場合には特に重要である。ここで、30〜40℃の範囲の高温における長期保存安定性が比較的高いことが保証されるのであれば有利である。
【0128】
しかし、式(I)のリチウム塩はまた、油性懸濁製剤を調製する際に、殆どin situで生じさせることもできる。これは、例えば式(I)のリチウム塩の代わりに式(Ia)の酸を対応する量の水酸化リチウムと共に粉砕することにより行うことができる。放出される水は、結合させてもよいし、除去してもよい。この目的に適するものは、例えば、上記で成分(d3)として記載されている水結合剤である。あるいはまた、水は共沸により、例えばトルエンの存在下で留去できる。
【0129】
本発明はまた、本発明による油性懸濁製剤の、農業における作物保護組成物としての使用を提供する。この使用は、有効量の少なくとも1種の本発明による油性懸濁製剤を適用することを含む農作物の処理方法を包含する。
【0130】
用いられる適用方法に応じて、本発明による油性懸濁製剤は、多数の農作物および鑑賞植物において、望ましくない植物を取り除くために使用できる。好適なものは、例えば次の農作物である。
【0131】
タマネギ(Allium cepa)、パイナップル(Ananas comosus)、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、サトウダイコンアルチッシマ種(Beta vulgaris spp. altissima)、サトウダイコンラパ種(Beta vulgaris spp. rapa)、セイヨウアブラナ変種ナパス(Brassica napus var. napus)、セイヨウアブラナ変種ナポブラシカ(Brassica napus var. napobrassica)、アブラナ変種シルバストリス(Brassica rapa var. silvestris)、チャ(Camellia sinensis)、ベニバナ(Carthamus tinctorious)、ヒッコリー(Carya illinoinensis)、レモン(Citrus limon)、オレンジ(Citrus sinensis)、アラビカ・コーヒーノキ(Coffea arabica)[ロブスター・コーヒーノキ(Coffea canephora)、リベリカ・コーヒーノキ(Coffea liberica)]、キュウリ(Cucumis sativus)、バミューダグラス(ギョウギシバ)(Cynodon dactylon)、キャロットシード(Daucus carota)、アブラヤシ(Elaeis guineensis)、エゾヘビイチゴ(ワイルドストロベリー)(Fragaria vesca)、インドゴムノキ(Ficus elastica)、ダイズ(Glycine max)、アプランドワタ(Gossypium hirsutum)[インドワタ(Gossypium arboreum)、アジアワタ(Gossypium herbaceum)、シーアイランドワタ(Gossypium vitifolium)]、ヒマワリ(Helianthus annuus)、バラゴムノキ(Hevea brasiliensis)、オオムギ(Hordeum vulgare)、セイヨウカラハナソウ(ホップ)(Humulus lupulus)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、クルミ(Juglans regia)、レンズマメ(Lens culinaris)、フラックス(アマ)(Linum usitatissimum)、トマト(Lycopersicon lycopersicum)、リンゴ種(Malus spp.)、キャッサバ(Manihot esculenta)、アルファルファ(Medicago sativa)、バショウ種(Musa spp.)、タバコ(Nocotiana tabacum)(N. rustica)、オリーブ(Olea europaea)、イネ(Oryza sativa)、アオイマメ(Phaseolus lunatus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、ドイツトウヒ(Picea abies)、マツ種(Pinus spp.)、エンドウ(Pisum sativum)、セイヨウミザクラ(サクランボ)(Prunus avium)、モモ(Prunus persica)、セイヨウナシ(ラフランス)(Pyrus communis)、スグリ(Ribes sylestre)、ヒマ(Ricinus communis)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ライムギ(Secale cereale)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、モロコシ(Sorghum bicolor)[コウリャン(s. vulgare)]、カカオ(Theobroma cacao)、ムラサキツメクサ(アカツメクサ)(Trifolium pratense)、コムギ(Triticum aestivum)、マカロニコムギ(デュラムコムギ)(Triticum durum)、ソラマメ(Vicia faba)、ブドウ(Vitis vinifera)、トウモロコシ(Zea mays)。
【0132】
本発明による油性懸濁製剤は、除草剤として、特にイネ作物用の除草剤として特に用いられる。
【0133】
この目的のために、本発明による油性懸濁製剤は通常、使用前に慣用の方法で希釈することによって適用に適する形態へと変換する。例えば飛行機からの適用(ULV適用)用として、水または非プロトン性溶媒で例えばタンク混合法により希釈することが好ましい。噴霧用液体調製物の形態での使用が好ましい。適用は通常、発芽前法または発芽後法により行われる。
【0134】
油に基づき実質的に水を含まない製剤が可能であるので、例えば飛行機からの適用によるULV法(微量法)による適用も可能である。
【0135】
慣用のタンク混合散布用溶液の場合、1ha(ヘクタール)当たり、0.25〜5リットル、好ましくは0.5〜2.0リットルの本発明による油性懸濁製剤を水で5〜2000リットルに希釈する。ULVタンク混合散布用溶液の場合は、1ha当たり、0.25〜10リットル、好ましくは0.5〜5リットルの本発明による油性懸濁製剤を、油相、好ましくはSpraytex油などの成分(b)の油、水、または水と油との約2:1〜4:1の容量比の混合物で5〜50リットルに希釈する。それが適当である場合には、0.1重量%〜5重量%(噴霧用溶液に対する)の上記で述べた更なるアニオン性、カチオン性もしくは非イオン性界面活性剤、助剤、ポリマーおよび/または他の除草活性化合物を、そのタンク混合噴霧用溶液に添加する。そのような界面活性剤および更なる助剤の例は、既に上記に記載してある。デンプンおよびデンプン誘導体、例えばデンプン含有カルボン酸およびスルホン酸のグループ(Union Carbide Corp.製のNu−Film)、ならびに展着剤および増量剤(例えばMiller Chemical and Fertilizer Corp.製のVapor Guard)を特に挙げることができる。
【0136】
以下の実施例により、本発明を更に詳細に説明する。
【0137】
調製例
参考例1:式(I)のリチウム塩
25℃にて、702.78g(0.400mol)のシクロヘキセノンオキシムエーテル(Ia)の26.5%濃度のトルエン溶液をまず投入し、229.47gのトルエンで希釈して、20%の濃度のシクロヘキセノンオキシムエーテル(Ia)の濃厚液を得る。次に、200.98g(0.420mol)の5%濃度のLiOHのメタノール溶液(焼成LiOH(98+);Chemetall)を30分間かけて添加する。この混合物を25℃で1時間撹拌する。次に、370.59gのMeOH/トルエン/水混合物を減圧下にて50℃で留去する。ここで、温度を50℃に維持し、制御された様式で圧力を450mbarから100mbarへと下げる。蒸留時間は210分である。蒸留が完了した後、13gのメタノールを添加し、混合物を室温で15分間撹拌し、懸濁液を撹拌容器から取り出し、加圧濾過ヌッチェにかける。濾過が完了した後、撹拌容器を174.00g(200ml)の新しいトルエンですすぎ、濾過ケーキをこの洗浄用トルエンで洗浄する。次に、この濾過ケーキをそれぞれ87.0g(100ml)の新しいトルエンで2回洗浄する。次に、この濾過ケーキを真空乾燥キャビネット内で50℃で24時間乾燥する。これにより、含有量が98.2%の濾過ケーキ181.01gが得られる。この含有量を考慮に入れると、収率は94.1%である。
【0138】
参考例2:直接粉砕による油性懸濁製剤(D)
成分(b)の約90重量%および成分(c)の全量をまず投入する。活性化合物成分(a)を固体粉末として添加する(参考例1)。次に、この製剤混合物に残りの量の成分(b)を加えて1リットルにする。次に、この混合物を、約0℃にて、Dyno−mill(Bachofen製)内で通過操作により、粉砕助剤としてガラスビーズ(0.9〜1.2mm)を用いて、粒子の約60%が2μm未満の粒径を有する粒径累積和分布となるまで粉砕する。典型的には、これには5回通過させることが必要である。
【0139】
参考例3:活性化合物予備濃縮物からのブレンドによる油性懸濁製剤(A)
活性化合物成分(a)および約30重量%の成分(b)を上記で記載したように粉砕して、予備濃縮物とする。次に、この予備濃縮物をまず投入し、成分(c)と混合し、成分(b)の残りの部分を用いて目的の活性化合物含有量に調整する。
【0140】
実施例1〜 23 :油性懸濁製剤
調製方法(D)または(A)を用いて、下記の表1に示す仕様に従う油性懸濁製剤を調製する(実施例1〜23)。
【0141】
【表1】
Figure 2004508386
Figure 2004508386
【0142】
実施例 24 EC 製剤
436.4gの34.4%濃度の(Ia)のトルエン溶液を、トルエンを蒸発させながら、ロータリーエバポレーター内で40℃かつ20〜30mbarにて5時間撹拌し、次に1mbarかつ室温にて3時間にわたる後処理に供した。次に、油状の残渣をSolvesso 150の量の2倍だけ取った。次に、実施例23の成分(b)および(c)に対応する下記の助剤を添加・撹拌し、その混合物をSolvesso 150で1リットルにメスアップした。
【0143】
【表2】
Figure 2004508386
【0144】
上記の実施例で用いた助剤を、下記の表3に示す。
【0145】
【表3】
Figure 2004508386
【0146】
物理的特性、安定性および乳化特性
油性懸濁製剤(実施例1〜22)の安定性を、加速エージングテストで調べる。この目的のために、サンプルを密封ガラス容器内で54℃で14日間保存する。次に、活性化合物の濃度を測定する。この値(元の活性化合物の含有量に対するもの)を、油性懸濁製剤の安定性の尺度とする。
【0147】
乳化特性は、100mlの噴霧用フラスコ内で、CIPAC MT 180の方法と同様にして目視評点法により評価する。油性懸濁製剤は、水中2重量%濃度の混合物として調製する。次の評価基準を用いる。
【0148】
++:クリーム状物や沈殿物は全くなし;
+:クリーム状物や沈殿物は殆どなし、<0.1ml;
+/−:>0.1 <0.5mlのクリーム状物/沈殿物;
(−):>0.5mlのクリーム状物または沈殿物、不均質なサンプル。
【0149】
以下の表4に、特定の油性懸濁製剤の安定性のデータおよび乳化特性の評価をまとめて示す。
【0150】
【表4】
Figure 2004508386
【0151】
特に実施例1〜9および20〜23の本発明による油性懸濁製剤は、優れた保存安定性を示す。乳化特性は満足できるものである。
【0152】
実施例23および24の製剤を、50ml容のバイアルで50℃で保存した。活性化合物(I)または(Ia)の相対的残留量を、各々の場合について遊離酸として分析測定したところ、下記の表5に示すとおりであった。
【0153】
【表5】
Figure 2004508386
【0154】
したがって、活性化合物の塩(I)に基づく本発明による油性SC製剤は、活性化合物(Ia)の、通過操作を行わない(free passage)EC製剤よりも相対的に良好な保存安定性を有する。
【0155】
生物学的特性
イネにおける各種の除草剤の組合わせを用いた屋外試験を、3回または4回反復する無作為ブロック実験として行った。実験に用いた区画の面積は2〜6mの間で様々に変えた。各々の場合、製品は、背負い型噴霧機を用いて適用した。この背負い型噴霧機は、4つまたは6つの平らなスプレーノズルを有するランセットが取り付けられているものとした。製品は300リットルの水/haの容量で適用した。標準的な推奨に従ってイネに施肥した。播いた種あたりの雑草の数が少なかったので、更に1ha当たり5〜10kg/の雑草を手作業で播種した。生育力の強い広葉カヤツリグサ系(Cyperus)雑草を用いた実験では、相互作用を防止するために、イネ科防除剤(graminicides)を適用した7日後にベンタゾンまたは2,4−Dを適用した。イネおよびその雑草の発育段階を、BBCH基準[Strauss R. 1994: Compendium of Growth Stage Indentification Keys for Mono− and dicotyledoneus plants(単子葉および双子葉植物の発育段階同定の決め手の概論). Extended BBCH−Scale. ISBN 3−9520749−0−x]に従って決定した。選択性および除草活性は、EPPOガイドライン[OEPP/EPPO 1998: Guideline for Efficacy Evaluation of Herbizides − Weeds in Paddy Rice(除草剤の有効性評価のガイドライン−水稲中の雑草)− EPPO Standard 1/62 (2) English. In:Guidelines for the Efficacy Evaluation of Plants Protection Products(植物保護製品の有効性評価のガイドライン). 第4巻, Herbicides and Plant Growth Regulators(除草剤および植物成長調節剤)]に従って評価した。
【0156】
実施した屋外試験の結果を下記の表6にまとめて示す。
【0157】
【表6】
Figure 2004508386
【0158】
これらの実験から、本発明による助剤成分(b1)(ここではオレイン酸メチルの形態)は、農作物への損傷は比較的ほとんど引き起こさないが、雑草に対しては概して良好な作用を有することが示される。

Claims (12)

  1. (a1)式(I):
    Figure 2004508386
    で表される2−{1−[2−(4−クロロフェノキシ)プロポキシイミノ]ブチル}−3−ヒドロキシ−5−(テトラヒドロチオピラン−3−イル)−シクロヘキサ−2−エノンリチウム塩と、
    (b1)式(IIa)または(IIb):
    −CO−OR         (IIa)
    −O−CO−A−CO−O−R    (IIb)
    [式中、Rは炭素数6〜30の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和脂肪族基であり、Rは直鎖または分岐鎖のアルキルまたはシクロアルキルであり、Aは直鎖または分岐鎖のアルキレンまたはシクロアルキレンであり、RおよびRは互いに独立して炭素数1〜24の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和脂肪族基である]
    で表される少なくとも1種のモノ−および/またはジカルボン酸エステル;
    (c1)式(III):
    −SO l/n M( )   (III)
    [式中、Mは一価または二価のカチオン(n=1または2)であり、Rは炭素数6〜30の直鎖もしくは分岐鎖の脂肪族もしくはヘテロ脂肪族基または(C−C30−アルキル)アリール基である]
    で表される少なくとも1種のアニオン性界面活性剤;ならびに
    (c2)式(IV):
    [R−CO−(EO)−]    (IV)
    [式中、Rは、炭素数8〜30の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の、任意にモノ−またはジヒドロキシル化されいてよい脂肪族基であり、全てのxの合計は0〜100であり、yは1〜7であり、Aは、yが1の場合はヒドロキシルまたはアルキルオキシであり、yが2〜7の場合はポリオールから誘導されるものである]
    で表される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分とを含む油性懸濁製剤。
  2. (a1)式(I)で表されるリチウム塩、および
    (a2)少なくとも1種の更なる除草性の作物保護剤
    を含む、請求項1に記載の油性懸濁製剤。
  3. 更なる除草性の作物保護剤として、式(V):
    Figure 2004508386
    で表されるカルボン酸金属塩を含む、請求項2に記載の油性懸濁製剤。
  4. 成分(b1)が、オレイン酸のC−Cアルキルエステル、アジピン酸のジ(C−C12−アルキル)エステル、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の油性懸濁製剤。
  5. 水素化または部分水素化されていてもよいベンゼン系もしくはナフタレン系に由来する少なくとも1種のアルキル芳香族化合物からなる群から選ばれる成分(b2)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の油性懸濁製剤。
  6. 成分(c1)が、ジ(C−C12−アルキル)スルホコハク酸塩、(C−C30−アルキル)ベンゼンスルホン酸塩、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の油性懸濁製剤。
  7. 成分(c2)が、ヒマシ油ポリエトキシレート、ソルビトールポリエトキシオレエート、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の油性懸濁製剤。
  8. 成分(c1)および/または(c2)を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の油性懸濁製剤。
  9. 成分(b1)と成分(c1)および/または(c2)とを含む、請求項8に記載の油性懸濁製剤。
  10. (d)(d1)リチウム塩、
    (d2)沈降防止剤、および
    (d3)水結合剤
    からなる群から選ばれる少なくとも1種の更なる成分を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の油性懸濁製剤。
  11. 農業における作物保護組成物としての、請求項1〜10のいずれか1項に記載の油性懸濁製剤の使用。
  12. イネ用除草剤としての、請求項11に記載の使用。
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