JP2004508247A - 紙幣保管及び搬送のための装置 - Google Patents
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Abstract
トレー（１３）内に収納された紙幣をエンクロージャ（１０）内へ滑入し、レバー（１５）を操作してプランジャ（１７）を押し下げてトレーの底部のフラップ（２１，２２）を開放し、紙幣をエンクロージャの下方部分内のキャリア（１２）内へ押し込む。キャリア（１２）の頂部にフレーム（１０７）がスナップ嵌めされており、フレーム（１０７）もフラップ（２１Ａ，２２Ａ）を有している。紙幣がフレームに掛け渡された伸縮性材の袋（１０８）内へ押し込まれる際フレームのフラップ（２１Ａ，２２Ａ）は下方へ撓曲する。次いで、カバープレート１１１でフレーム（１０７）を密封すれば、フレーム（１０７）を銀行等へ搬送するためにキャリア（１２）から取り出すことができる。
【選択図】図２
【選択図】図２
Description
【０００１】
発明の属する技術分野
本発明は、紙幣の保管及び搬送のための装置に関する。
【０００２】
発明の背景
通常、スーパーマーケットのレジカウンターのような店頭には、札束を断続的に受け入れるためにデスク（カウンター）の下に容器が吊り下げられている。そのような容器は、お客から紙幣を受け取る都度それを保管するのに用いることもできるが、より一般的には、デスクの上のレジスター等の現金入れ引き出しの「オーバーフロー」（引き出しに収めきれなくなった紙幣を収容するための容器）として用いられる。現金入れ引き出し内の特定額面の紙幣の山が一定レベルに達すると、引き出しより安全性の高い容器へ移される。紙幣を詰められた容器は、定期的に警備員によって銀行へ運ばれるか、あるいは、スタッフによって本部会計室へ運ばれて、金額が計数され、銀行へ搬送するために袋詰めされる。
【０００３】
現在用いられている容器は、剛性の箱であり、カウンターの下のガイドに出し入れ自在に滑入されて支持される。容器の前面は、上向きに傾斜しており、札束を挿入することができる露出した頂部開口を有している。傾斜した前面の裏側には、中央に垂直スロットを有するバリヤーが設けられている。バリヤーの底部近くに蝶着されたプランジャ機構を操作することによって、挿入された紙幣をバリヤーのスロットを通して容器の本体内へ押し込むことができる。
【０００４】
しかしながら、この種の容器には、多くの欠点がある。第１に、製造コストが高く、不正防止対策が充分でない。又、スロット付きバリヤーの裏側にある金には、頂部開口を通してアクセスすることが可能であり、例えば粘着テープを用いて「釣り上げる」ことができる。更に、扱いにくいプランジャ機構に指を挟まれたり、爪を痛めたりすることもある。
【０００５】
発明の概要
本発明の一側部の目的は、現行のこの種容器の構造を改善し、不正防止機能が高く、しかも、指等を怪我する危険性が少なく、使用しやすい装置を提供することである。
【０００６】
警備会社は、剛性の容器を取り扱うことを好まず、金を銀行に運ぶ前に容器から取り出して袋に詰めなければならないのを嫌う。その結果、会計質のスタッフに、金が運び出される前に手で数えなければならないという、容認できない大きな負担を課すことになる。たとえ警備会社がそのような容器を取り扱い、運ぶことを承知したとしても、そのような容器は、嵩が大きく、剛性であるため輸送及び保管上の問題もある。その上、処分するには高価すぎるから、元の場所へ返還しなければならないという問題もある。
【０００７】
本発明の他の側部は、剛性の容器を用いるのは不要の経費であるという認識に基づいている。どんなに堅固な容器であっても、それを破壊しようとする強い試みには耐えることはできない。実際に必要とされるのは、犯人を特定することができるようにするために、容器が破壊されたことを直ちに、かつ、確実に確認することができることである。
【０００８】
発明の開示
本発明の第１側部によれば、エンクロージャ（ハウジング）と、該エンクロージャへ第１方向に摺動自在に出し入れすることができ、底部開口及び、又は開閉自在の底部を有し、１枚又は複数枚の紙幣を受容することができるトレーと、該トレー上の１枚又は複数枚の紙幣を該トレーの底部を通して押し込むために前記エンクロージャ内で第１方向に対してほぼ垂直な第２方向に移動自在のプランジャと、前記紙幣が前記トレーの底部を通して押し込まれたとき該紙幣を受容するために該トレーの、前記プランジャのある側とは反対側で前記エンクロージャ内に出し入れ自在に配置された保管手段とから成る紙幣の保管及び搬送のための装置が提供される。
【０００９】
この装置の使用においては、前記第１方向をほぼ水平方向とし、第２方向をほぼ垂直方向とすることが好ましい。
【００１０】
本発明の好ましい実施形態では、前記トレーの平行な両側部にフラップが蝶着され、それらのフラップは、ほぼ共平面（同一平面）の姿勢を取るように付勢（偏倚）され、前記プランジャは、前記紙幣をトレーから押し込むのを容易にするために該フラップを前記保管手段に向けて撓曲させ又は屈曲させ、その後該フラップが共平面姿勢を回復するのを可能にするように構成されている。
【００１１】
前記保管手段は、トレーの下で前記エンクロージャの下方領域内に位置するように構成することが好ましく、エンクロージャは、該保管手段を該エンクロージャから取り出して再びエンクロージャ内へ戻すために該保管手段にアクセスすることを可能にするロック（錠止）自在のドアを有する。該保管手段は、内方張り出し部を備えた開放頂部を有しており、内方張り出し部は、前記プランジャの作用によって該張り出し部を通り越した紙幣が保管手段から再び抜け出るのを防止する構成とされている。
【００１２】
前記ドアのロックのシリンダと共に回転自在の楕円形のカムと半径方向に突出したアーム即ちラッチを設けることが好ましい。カムは、ドアの側部から突き出してエンクロージャの側部に係合するプランジャに作用し、アームは、トレーがエンクロージャから抜け出るのを防止するためにトレーに係合する位置と、トレーを解放する位置との間で移動自在とする。
【００１３】
前記張り出し部は、保管手段の上方領域の平行な両側部に蝶着されたフラップの形とすることができ、保管手段に蝶着されたそれらのフラップは、共平面姿勢に留まるように付勢される。保管手段のフラップがトレーの方に向かって上昇するのを防止するためのストッパー手段が設けられる。保管手段のフラップは、前記プランジャが前記第２方向に移動するのに伴って前記トレーのフラップと共に保管手段の内方へ屈曲することができる。
【００１４】
保管手段の頂部の平行な両側部には、保管手段を閉鎖するためにカバープレートを滑入させることができるチャンネルを設けることができる。
【００１５】
チャンネルの内部と、カバープレートの縁部には、カバープレートを該チャンネルを通して一方向にしか摺動させることができないようにするための互いに反対向きの鋸歯を設けることが好ましい。
【００１６】
前記カバープレートの先行端には、カバープレートが保管手段を完全に閉鎖したとき保管手段の対応する形状の可撓性中空部材に進入する舌片を設けることが好ましく、カバープレートを同じ方向に移動し続けることによって抜き取るには、該舌片を折り取って可撓性中空部材を下方へ折り曲げなければならない構成とする。
【００１７】
保管手段は、カバープレートが保管手段を閉鎖する際該カバープレートによって脱係合される止め部材によってエンクロージャ内に保持されるようにすることが好ましい。
【００１８】
保管手段のフラップの端縁には、前記プランジャによって保管手段の近接する端部材に沿って押し込まれる突起を設けることができ、それらの突起は、プランジャが引き抜かれるときは前記端部材の下面に係合する構成とする。
【００１９】
前記エンクロージャは、断面ほぼ長方形の箱形構造とすることができ、その前面には、その頂縁と底縁の間にトレーを出し入れすることができるスロットを形成し、該トレー出し入れスロットの下方に保管手段にアクセスするためのドアを設ける。
【００２０】
エンクロージャの後部領域に水平軸線の周りに枢動自在のレバーを設け、前記プランジャには、エンクロージャの対向した両側壁に形成された垂直方向のスロットを貫通して延長するトラニオンを設けることが好ましい。。それらのトラニオンは、エンクロージャの両側でレバーのカムスロットに係合し、レバーが枢動されると、プランジャがトレーに対して同じ角度姿勢を維持したままで上下動される構成とする。
【００２１】
前記レバーは、エンクロージャの前記前面を横切って延長する中央部分を有するほぼＵ字形とすることができ、エンクロージャの前面のドアへのアクセスが、レバーを持ち上げ位置へ上げない限りレバーの中央部分によって阻止されるようになされている。
【００２２】
エンクロージャには、トレーがエンクロージャ内に完全に挿入されたとき、該トレーに係合するラッチを設けることが好ましく、前記レバーが押し下げられたとき、該ラッチを脱係合させるようにレバーと共に移動するカムを設け、該レバーを操作して該トレー内の紙幣を前記保管手段内へ取り出さない限り、エンクロージャからトレーを抜き出すことができない構成とすることが好ましい。
【００２３】
又、前記レバーが持ち上げられたときラッチがトレーに再係合しないようにするために、レバーは、ラッチを脱係合させるのと同時にトレーを変位させる手段を設けることが好ましい。
【００２４】
更に、トレーがラッチによって再係合されない限り、レバーをその完全持ち上げ位置から完全押下げ位置へ移動させることができないようにする手段を設けることが好ましい。
【００２５】
前記保管手段は、開放頂部を有するキャリアと、該キャリアの頂部に配置された着脱自在のフレームとで構成することができ、該フレームには、前記プランジャによって該フレームを通して押し込まれた紙幣を収容するための袋を構成するように可撓性材が掛け渡されている。
【００２６】
前記可撓性材は、伸縮性のある材料であることが好ましい。
【００２７】
前記保管手段の前記フラップは、前記フレームの長辺の方の平行な両側部に蝶着することができる。
【００２８】
前記カバープレートを受容するための前記チャンネルは、前記フレームの長辺の方の平行な両側部に沿って設けることができる。
【００２９】
前記フレームは、前記キャリアの頂部に着脱自在にスナップ嵌めすることができる構成とすることができる。
【００３０】
本発明の別の側部によれば、可撓性材を掛け渡したフレームから成る不正接触表示式（いじくった跡が歴然と分かるように工夫された）エンクロージャが提供される。フレームは、カバープレートの両側縁を受容するチャンネルを備えた平行な両側部を有し、該チャンネルとカバープレートの両側縁には、カバープレートを一方向にしか摺動させることができないように互いに反対向きの鋸歯が形成されており、カバープレートの先行端には、カバープレートがフレームを完全に閉鎖したときフレームの先行端の対応する形状の可撓性中空部材に進入する舌片が設けられており、カバープレートをフレームから抜き取るには、該舌片を折り取って可撓性中空部材を下方へ折り曲げなければならない構成とされている。
【００３１】
前記可撓性材は、フレームを通して押し込まれた紙幣を受容するための袋を形成するように変形することができる伸縮性の材料であることが好ましい。
【００３２】
好ましい実施形態の説明
以下に、添付図を参照して本発明の好ましい実施形態を例として説明する。
図１〜４及び１１〜１５に示された本発明の装置の箱形エンクロージャ（ハウジング）（以下、単に「箱」とも称する）１０は、自立型であってもよいが、通常は、その頂部をレジ係（キャッシャ）の手の届きやすい範囲内にカウンターの下に吊り下げられる。図１５を参照して説明すると、取付プレート１００がカウンター（図示せず）の下面にねじ留めされる。取付プレート１００は、箱１０の頂部の側方フランジ１０３，１０４を滑入することができるようにＬ字形のチャンネル１０１，１０２を有している。箱１０の頂部が取付プレート１００にその最終位置にまで挿入されると、箱の頂部に設けられているばね押し止め部材１０５が取付プレートの方形開口１０６に係合する。この状態では、箱１０は、止め部材１０５を開口１０６から下に引き下げるために箱１０の内部にアクセスしない限り取付プレート１００から抜き出すことはできない。箱の前面１１は、その頂部より上に僅かに突出している。従って、前面１１の頂縁をカウンターの縁に当接させておけば、箱の頂面にアクセスすることはできない。例えば、止め部材１０５を解放するために箱の頂面とカウンターの下面との間にねじ回し等でアクセスすることはできない。
【００３３】
箱の前面１１の下方部分には、出し入れ自在の紙幣保管キャリア１２（図２４、２５）にアクセスするのを可能にするロック自在の中空ドロップダウンドア１２７が設けられている。ドア１２７の上方で前面１１に設けられたスロット１４を通してトレー１３がエンクロージャ１０の内外へ摺動自在に抜き差しすることができるようになされているが、エンクロージャからのトレーの完全な抜けを防止するためにストッパー（図示せず）が設けられている。エンクロージャの外部にレバー１５が設けられ、エンクロージャの後部の水平軸線１６の周りに枢動自在とされている。エンクロージャの上方部分内に、垂直プレート状プランジャ１７（図１０に単独で示されている）が設けられている。プランジャ１７は、１対のトラニオン１８を介してレバー１５に連結されている。これらのトラニオン１８は、エンクロージャの対向した両側壁に形成された垂直スロット１９と、レバー１５のカムスロット２０に沿って移動し、それによって、レバー１５が持ち上げられ、又は押し下げられて軸線１６の周りに枢動すると、プランジャ１７がエンクロージャ内でほとんど斜めに動くことなく垂直に移動するようにされている。
【００３４】
トレー１３の底部は、２つのフラップ２１，２２によって構成される。これらのフラップは、下方へ撓曲することができるようにトレー１３の平行な両側部に蝶着（蝶番式に結合）されているが、図１、２、５及び９に示される共平面姿勢（両フラップが同一平面内に位置する姿勢）より上に撓曲するのを防止するストッパー手段（図示せず）が設けられている。フラップ２１，２２が下方へ撓曲した後、それらを共平面姿勢に戻す付勢（偏倚）手段又はばね手段（図示せず）が設けられている。
【００３５】
キャリア１２は、紙幣保管キャリア１２の開放頂部には、フレーム１０７がスナップ嵌めされており、フレーム１０７の下面を横切って伸縮性材の部材（以下、単に「伸縮性材」又は「袋」とも称する）１０８が張設されている（掛け渡されている）。フレーム１０７には、又、フラップ２１Ａ，２２Ａが蝶着されている。フラップ２１Ａ，２２Ａは、フレーム１０７の全幅に亙っては延長していないという点を除いてはトレーのフラップ２１，２２と同様のものである。フラップ２１Ａ，２２Ａは、キャリア１２内へ下方に撓曲した後、伸縮性材１０８の作用を受けて共平面姿勢を回復する。
【００３６】
次に、この装置の作動を図１〜９を参照して説明する。
レバー１５を図１の持ち上げ位置にすると、プランジャ１７がトレー１３の上方に持ち上げられる。この状態では、トレー１３を摺動させてエンクロージャ１０から引き出すことができ、トレー内に紙幣１１０，通常は紙幣の束をトレー内に収納してトレーを、摺動させてエンクロージャ１０内へ戻すことができる。
【００３７】
次いでレバー１５を押し下げる（図３及び４）と、プランジャ１７がトレー内の紙幣１１０を下方へ押さえつけ、トレーのフラップ２１，２２並びにその下の紙幣保管キャリア１２のフレーム１０７のフラップ２１Ａ，２２Ａを下方へ撓曲させる（図６参照）。紙幣１１０は、フラップ２１Ａ，２２Ａを通り抜けると（図７）、平らに広がり、フレーム１０７のフラップ２１Ａ，２２Ａの裏側に捕捉される。ここでレバー１５を再度持ち上げると、フラップ２１，２２及びフラップ２１Ａ，２２Ａが上昇するプランジャ１７（図８及び９）による撓曲作用から解放されてそれぞれの共平面姿勢（図９）に跳ね戻る。フレームの下の可撓性の袋１０８がそれ以上紙幣を収納することができなくなるまで上記サイクルを繰り返すことができる。
【００３８】
満杯になった袋１０８をエンクロージャ１０から取り出すには、まずエンクロージャのドア１２７を開放する（図２８）。ただし、この時点では、フレーム１０７が装着されているキャリア１２をエンクロージャから引き出すことはできない。キャリア１２がエンクロージャ内へ押し込まれたとき、キャリア１２の後部の突起１１２が、エンクロージャの後部に設けられているそれぞれ対応する止め部材１１３によって持ち上げられた後該止め部材１０５によって係合されている。このキャリア１２をエンクロージャ１０から引き出すことができるようにするためには、まず、閉鎖プレート即ちカバープレート１１１をフレーム１０７の両側に沿ってそのＬ字形フランジ１１３，１１４内へ滑入させて閉鎖プレート１１１の面取りした突起１１５，１１６によってエンクロージャの止め部材１１３を跳ね上げてキャリア１２の突起１１２の開口から離脱させなければならない（図２９）。その状態で、キャリア１２をエンクロージャから取り出すことができ（図３０）、その後、フレーム１０７を袋１０８及びカバープレート１１１と共にキャリア１２から引き出すことができる。次いで、伸縮性材１０８を装着した新しいフレーム１０７をキャリア１２の頂部にスナップ嵌めし（図２６）、キャリアを再度エンクロージャ内へ滑入させ、突起１１２の開口を止め部材１１３に再係合させる。
【００３９】
この構成によれば、フレーム１０７及びキャリア１２をエンクロージャから引き出すためには、まずフレーム１０７をカバープレート１１１によって密封しなければならない。ドア１２７を開放しても、キャリアの上方には紙幣を袋１０８から「釣り出す」ことができるだけのスペースは存在しない。しかも、紙幣は、伸縮性材１０８とフレーム１０７のフラップ２１Ａ，２２Ａとの間に圧縮状態に挟まれている。
【００４０】
キャリア１２から取り出された後も、袋１０８内の紙幣は、フレーム１０７を閉鎖したカバープレート１１１によって完全に密封されている。カバープレート１１１の後部に設けられたフック１１４Ａが袋１０８の後縁に被さって係合するので袋内の紙幣にアクセスするために袋をフレーム１０７から引き離すにはフックを折り取らなければならない。
【００４１】
カバープレート１１１はフレーム１０７に対して図２３に示される矢印Ａの方向にしか移動させることができないように、図２２Ａ及び２３Ａに示されるようにフレーム１０７のフランジ１１３，１１４の内側面に互いに反対向きに鋸歯が形成されている。カバープレート１１１をその最終位置にまで滑入してフレーム１０７を閉鎖し、止め部材１１３を突起１１５，１１６によって持ち上げると、カバープレート１１１の先行端の舌片１１７がフレーム１０７の先行端の対応する形状の中空部材１１８に進入する。従って、フック１１４Ａと舌片１１７が折り取られるまでカバープレート１１１をそれ以上矢印Ａの方向に移動させない限りカバープレート１１１をフレーム１０７から取り外すことはできない。中空部材１１８は、可撓性であり、カバープレート１１１を通すために下方に屈曲することができる。これらの不正接触表示部材１１４Ａ，１１７，１１８のどれか１つが破損されても、袋１０８から金を抜き取ろうとする試みがなされたことを示す目に見える証拠となる。
【００４２】
トレー１３をエンクロージャ内へ押し込むと（図１１参照）、エンクロージャの後部に設けられているばね押しラッチ１１９がトレー１３の先行端の壁１２０の下に係合し、レバーが操作されない限りトレーを引き戻すことができないようになされている。これによって、トレー１３内に収納された金を簡単には取り出すことができないようにする。なぜなら、トレー１３は、プランジャ１７がトレー内の紙幣を袋１０８内へ押し込まない限りエンクロージャから引き出すことができないからである。その仕組みは、図１１〜１４に示されている。トレー１３がエンクロージャ内へ挿入されると、トレー１３のさねはぎ溝１２１がスイベル１２２の下端に係合して該スイベルをその弾性突部即ちばね１２３の偏倚（付勢）力に抗して枢動させ、トラニオン１８の移動経路外へ移動させる。それによって、レバー１５を押し下げるのを可能にする（図１３）。レバー１５が押し下げられると、レバーと共に回転するカム１２４がラッチ１１９を押し下げる。トラニオン１８は、完全に押し下げられた位置でトレー１３の両側壁の斜面１２５に係合してトレー１３を外方へ「突き出し」（図１４）、レバー１５が再び持ち上げられたとき、ラッチ１１９を弾性力によって跳ね戻し、トレー１３の先行端に再係合しないようにする。それと同時に、さねはぎ溝１２１が図で見て左方へ移動すると、スイベル１２２は、ばね１２３の作用により元の位置を回復する。トラニオン１８は、持ち上げられるレバーと共に上昇する際、スイベル１２２を撓ませて通り過ごさせるが、レバー１５は、さねはぎ溝１２１が再びスイベル１２２に作用するようにトレー１３がエンクロージャ内へ完全に押し込まれるまでは再度押し下げることができない。
【００４３】
中空ドア１２７内のロック１２５は、（図１５〜１８）は、キー（図示せず）を適当に回すことによって、ドア１２７だけをロック（図１６）したり、ドアを解錠（図１７）したり、ドアとトレー１３の両方をロック（図１８）したりすることを可能にする。ロックのシリンダと共に回転する楕円形のカム１３０と半径方向に突出したアーム即ちラッチ１３１が設けられている。カム１３０は、図１７の位置から図１６の位置へ回動されると、プランジャ１３２，１３３をドアの両側部から突き出し、ドアが閉じられたときプランジャ１３２，１３３がエンクロージャの側部に設けられたスロットに係合してドアをロックする。カム１３０が図１６の位置から図１７の位置へ回動されると、プランジャ１３２，１３３がそれぞれのばね（図示せず）によって引込められ、ドアを開放することができるようにする。又、カム１３０を図１７の位置から図１６の位置ではなく、図１８の位置へ回動すると、プランジャ１３２，１３３をドアの両側部から突き出すのとともに、ラッチ１１９を立ち上げてトレー１３の下面に設けられたスロット（図示せず）に係合させる。ロックのこの位置では、ドアを開放することができず、トレー１３をエンクロージャから摺動させて引き出すこともできない。
【００４４】
図２５Ａ及び２５Ｂは、フレーム１０７のフラップ２１Ａ，２２Ａの特徴を示す。各フラップは、その一端縁に該フラップの蝶着側から離隔した位置に丸み付き突起１３５を有している。突起１３５は、常態ではフレーム１０７の隣接する端部材に形成された凹部１３６内に座置している。プランジャ１７が最初にフラップ２１Ａ，２２Ａを押し下げたときは、突起１３５は凹部１３６の下にくぐり抜ける。次いでプランジャ１７が引込められ、フラップ２１Ａ，２２Ａが袋１０８の弾性によって水平位置に向かって戻されたとき、フラップ２１Ａ，２２Ａは、その突起１３５が凹部１３６の丸み付き下面１３６Ａに係合することによって止められる。かくして、フラップ２１Ａ，２２Ａが水平位置より上に跳ね上がることがない。フラップ２１Ａ，２２Ａが水平位置より上に跳ね上がっていると、後に閉鎖プレート１１１をフレーム１０７の両側のチャンネルに挿入するのを妨害することになる。
【００４５】
フレームと袋の組立体１０７，１０８に使用は随意選択（オプション）であることを理解されたい。例えば、キャリア１２の代わりに、長辺側の側縁に蝶着されたフラップを有するフレーム／袋組立体１０７，１０８と同様の寸法のカセット（図示せず）を用いることができる。そのようなカセットは、その長辺側の側部に沿ってチャンネルを設けることによってフレーム１０７と同様の態様で閉鎖プレート１１１と同様のカバープレートを受容するように構成することができる。フック１１４Ａは不要であるが、部材１１７，１１８によって提供されるのと同様の不正接触防止機構が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】
図１は、本発明による装置の一部断面による側面図である。
【図２】
図２は、本発明による装置の一部断面による正面図である。
【図３】
図３は、図１と同様の側面図であるが、レバーが操作されたときの各構成部品の位置を示す。
【図４】
図４は、図２と同様の正面図であるが、レバーが操作されたときの各構成部品の位置を示す。
【図５】
図５は、図１〜４の装置を用いてトレーから紙幣をトレーのすぐ下にある可撓性の袋内へ押し込む操作の第１段階を示す。
【図６】
図６は、図１〜４の装置を用いてトレーから紙幣をトレーのすぐ下にある可撓性の袋内へ押し込む操作の第２段階を示す。
【図７】
図７は、図１〜４の装置を用いてトレーから紙幣をトレーのすぐ下にある可撓性の袋内へ押し込む操作の第３段階を示す。
【図８】
図８は、図１〜４の装置を用いてトレーから紙幣をトレーのすぐ下にある可撓性の袋内へ押し込む操作の第４段階を示す。
【図９】
図９は、プランジャが図８の位置から持ち上げられたところを示す。
【図１０】
図１０は、図１〜４の装置のプランジャを切り離して示す透視図である。
【図１１】
図１１は、図１と同様の図であるが、装置が操作されたときの一段階の状態を前図では図示を明瞭にするために除去されていた細部構造を示す。
【図１２】
図１２は、図１１と同様の図であるが、装置の別の操作段階を示す。
【図１３】
図１３は、図１１と同様の図であるが、装置の更に別の操作段階を示す。
【図１４】
図１４は、図１１と同様の図であるが、装置の更に別の操作段階を示す。
【図１５】
図１５は、ドアのフェースプレートを除去したハウジングの透視図であり、ハウジングを吊り下げるための取付プレートをも示す。
【図１６】
図１６は、本発明の装置の正面図であり、ドアロックの第１位置を示す。
【図１７】
図１７は、本発明の装置の正面図であり、ドアロックの第２位置を示す。
【図１８】
図１８は、本発明の装置の正面図であり、ドアロックの第３位置を示す。
【図１９】
図１９は、使い捨て可能な袋とそのフレームの下からみた図である。
【図２０】
図２０は、使い捨て可能な袋とそのフレームの上からみた図である。
【図２１】
図２１は、使い捨て可能な袋とそのフレームの側面図である。
【図２２】
図２２は、袋のフレームと閉鎖プレートとの協同関係を示すフレームの透視図である。
図２２Ａは、図２２のフレームの円で囲まれた部分の詳細図である。
【図２３】
図２３は、袋のフレームと閉鎖プレートとの協同関係を示す閉鎖プレートの透視図である。
図２３Ａは、図２３のフレームの円で囲まれた部分の詳細図である。
図２３Ｂは、図２３のフレームの別の円で囲まれた部分の詳細図である。
【図２４】
図２４は、袋のフレームとそのキャリアの分解図である。
【図２５】
図２５は、袋のフレームがそのキャリアに座着されたところを示す図である。
図２５Ａは、図２５のフレームのフラップの突起を示す拡大図である。
図２５Ｂは、図２５Ａと同様の拡大図であるが、異なる状態にあるところを示す。
【図２６】
図２６は、エンクロージャから取り出されたキャリアの頂部に新しいフレームを装着するところを示す、装置の概略側面図である。
【図２７】
図２７は、フレームを装着したキャリアをエンクロージャ内へ挿入したところを示す、装置の概略側面図である。
【図２８】
図２８は、紙幣で満杯になった袋を密封するために閉鎖プレートを挿入するところを示す、装置の概略側面図である。
【図２９】
図２９は、閉鎖プレートを挿入することによってキャリアをエンクロージャから解放して取り出すことができる状態としたところを示す、装置の概略側面図である。
【図３０】
図３０は、キャリアをエンクロージャから取り出すところを示す、装置の概略側面図である。
【符号の説明】
１０ エンクロージャ、箱
１１ 前面
１２ キャリア
１２ 紙幣保管キャリア
１３ トレー
１４ スロット
１５ レバー
１６ 水平軸線
１７ 垂直プレート状プランジャ、プランジャ
１８ トラニオン
１９ 垂直スロット
２０ カムスロット
２１，２２ フラップ
２１Ａ，２２Ａ フラップ
１００ 取付プレート
１０１，１０２ チャンネル
１０３，１０４ 側方フランジ
１０５ ばね押し止め部材
１０６ 方形開口
１０６ 開口
１０７ フレーム
１０８ 伸縮性材、袋
１１０ 紙幣
１１１ カバープレート、閉鎖プレート
１１２ 突起
１１３，１１４ フランジ
１１３ 止め部材
１１４Ａ フック
１１５，１１６ 突起
１１７ 舌片
１１８ 中空部材
１１９ ラッチ
１２０ 壁
１２１ さねはぎ溝
１２２ スイベル
１２４ カム
１２５ ロック
１２５ 斜面
１２７ 中空ドロップダウンドア、中空ドア、ドア
１３０ カム
１３１ ラッチ
１３２，１３３ プランジャ
１３５ 突起
１３６ 凹部
１３６Ａ 下面
発明の属する技術分野
本発明は、紙幣の保管及び搬送のための装置に関する。
【０００２】
発明の背景
通常、スーパーマーケットのレジカウンターのような店頭には、札束を断続的に受け入れるためにデスク（カウンター）の下に容器が吊り下げられている。そのような容器は、お客から紙幣を受け取る都度それを保管するのに用いることもできるが、より一般的には、デスクの上のレジスター等の現金入れ引き出しの「オーバーフロー」（引き出しに収めきれなくなった紙幣を収容するための容器）として用いられる。現金入れ引き出し内の特定額面の紙幣の山が一定レベルに達すると、引き出しより安全性の高い容器へ移される。紙幣を詰められた容器は、定期的に警備員によって銀行へ運ばれるか、あるいは、スタッフによって本部会計室へ運ばれて、金額が計数され、銀行へ搬送するために袋詰めされる。
【０００３】
現在用いられている容器は、剛性の箱であり、カウンターの下のガイドに出し入れ自在に滑入されて支持される。容器の前面は、上向きに傾斜しており、札束を挿入することができる露出した頂部開口を有している。傾斜した前面の裏側には、中央に垂直スロットを有するバリヤーが設けられている。バリヤーの底部近くに蝶着されたプランジャ機構を操作することによって、挿入された紙幣をバリヤーのスロットを通して容器の本体内へ押し込むことができる。
【０００４】
しかしながら、この種の容器には、多くの欠点がある。第１に、製造コストが高く、不正防止対策が充分でない。又、スロット付きバリヤーの裏側にある金には、頂部開口を通してアクセスすることが可能であり、例えば粘着テープを用いて「釣り上げる」ことができる。更に、扱いにくいプランジャ機構に指を挟まれたり、爪を痛めたりすることもある。
【０００５】
発明の概要
本発明の一側部の目的は、現行のこの種容器の構造を改善し、不正防止機能が高く、しかも、指等を怪我する危険性が少なく、使用しやすい装置を提供することである。
【０００６】
警備会社は、剛性の容器を取り扱うことを好まず、金を銀行に運ぶ前に容器から取り出して袋に詰めなければならないのを嫌う。その結果、会計質のスタッフに、金が運び出される前に手で数えなければならないという、容認できない大きな負担を課すことになる。たとえ警備会社がそのような容器を取り扱い、運ぶことを承知したとしても、そのような容器は、嵩が大きく、剛性であるため輸送及び保管上の問題もある。その上、処分するには高価すぎるから、元の場所へ返還しなければならないという問題もある。
【０００７】
本発明の他の側部は、剛性の容器を用いるのは不要の経費であるという認識に基づいている。どんなに堅固な容器であっても、それを破壊しようとする強い試みには耐えることはできない。実際に必要とされるのは、犯人を特定することができるようにするために、容器が破壊されたことを直ちに、かつ、確実に確認することができることである。
【０００８】
発明の開示
本発明の第１側部によれば、エンクロージャ（ハウジング）と、該エンクロージャへ第１方向に摺動自在に出し入れすることができ、底部開口及び、又は開閉自在の底部を有し、１枚又は複数枚の紙幣を受容することができるトレーと、該トレー上の１枚又は複数枚の紙幣を該トレーの底部を通して押し込むために前記エンクロージャ内で第１方向に対してほぼ垂直な第２方向に移動自在のプランジャと、前記紙幣が前記トレーの底部を通して押し込まれたとき該紙幣を受容するために該トレーの、前記プランジャのある側とは反対側で前記エンクロージャ内に出し入れ自在に配置された保管手段とから成る紙幣の保管及び搬送のための装置が提供される。
【０００９】
この装置の使用においては、前記第１方向をほぼ水平方向とし、第２方向をほぼ垂直方向とすることが好ましい。
【００１０】
本発明の好ましい実施形態では、前記トレーの平行な両側部にフラップが蝶着され、それらのフラップは、ほぼ共平面（同一平面）の姿勢を取るように付勢（偏倚）され、前記プランジャは、前記紙幣をトレーから押し込むのを容易にするために該フラップを前記保管手段に向けて撓曲させ又は屈曲させ、その後該フラップが共平面姿勢を回復するのを可能にするように構成されている。
【００１１】
前記保管手段は、トレーの下で前記エンクロージャの下方領域内に位置するように構成することが好ましく、エンクロージャは、該保管手段を該エンクロージャから取り出して再びエンクロージャ内へ戻すために該保管手段にアクセスすることを可能にするロック（錠止）自在のドアを有する。該保管手段は、内方張り出し部を備えた開放頂部を有しており、内方張り出し部は、前記プランジャの作用によって該張り出し部を通り越した紙幣が保管手段から再び抜け出るのを防止する構成とされている。
【００１２】
前記ドアのロックのシリンダと共に回転自在の楕円形のカムと半径方向に突出したアーム即ちラッチを設けることが好ましい。カムは、ドアの側部から突き出してエンクロージャの側部に係合するプランジャに作用し、アームは、トレーがエンクロージャから抜け出るのを防止するためにトレーに係合する位置と、トレーを解放する位置との間で移動自在とする。
【００１３】
前記張り出し部は、保管手段の上方領域の平行な両側部に蝶着されたフラップの形とすることができ、保管手段に蝶着されたそれらのフラップは、共平面姿勢に留まるように付勢される。保管手段のフラップがトレーの方に向かって上昇するのを防止するためのストッパー手段が設けられる。保管手段のフラップは、前記プランジャが前記第２方向に移動するのに伴って前記トレーのフラップと共に保管手段の内方へ屈曲することができる。
【００１４】
保管手段の頂部の平行な両側部には、保管手段を閉鎖するためにカバープレートを滑入させることができるチャンネルを設けることができる。
【００１５】
チャンネルの内部と、カバープレートの縁部には、カバープレートを該チャンネルを通して一方向にしか摺動させることができないようにするための互いに反対向きの鋸歯を設けることが好ましい。
【００１６】
前記カバープレートの先行端には、カバープレートが保管手段を完全に閉鎖したとき保管手段の対応する形状の可撓性中空部材に進入する舌片を設けることが好ましく、カバープレートを同じ方向に移動し続けることによって抜き取るには、該舌片を折り取って可撓性中空部材を下方へ折り曲げなければならない構成とする。
【００１７】
保管手段は、カバープレートが保管手段を閉鎖する際該カバープレートによって脱係合される止め部材によってエンクロージャ内に保持されるようにすることが好ましい。
【００１８】
保管手段のフラップの端縁には、前記プランジャによって保管手段の近接する端部材に沿って押し込まれる突起を設けることができ、それらの突起は、プランジャが引き抜かれるときは前記端部材の下面に係合する構成とする。
【００１９】
前記エンクロージャは、断面ほぼ長方形の箱形構造とすることができ、その前面には、その頂縁と底縁の間にトレーを出し入れすることができるスロットを形成し、該トレー出し入れスロットの下方に保管手段にアクセスするためのドアを設ける。
【００２０】
エンクロージャの後部領域に水平軸線の周りに枢動自在のレバーを設け、前記プランジャには、エンクロージャの対向した両側壁に形成された垂直方向のスロットを貫通して延長するトラニオンを設けることが好ましい。。それらのトラニオンは、エンクロージャの両側でレバーのカムスロットに係合し、レバーが枢動されると、プランジャがトレーに対して同じ角度姿勢を維持したままで上下動される構成とする。
【００２１】
前記レバーは、エンクロージャの前記前面を横切って延長する中央部分を有するほぼＵ字形とすることができ、エンクロージャの前面のドアへのアクセスが、レバーを持ち上げ位置へ上げない限りレバーの中央部分によって阻止されるようになされている。
【００２２】
エンクロージャには、トレーがエンクロージャ内に完全に挿入されたとき、該トレーに係合するラッチを設けることが好ましく、前記レバーが押し下げられたとき、該ラッチを脱係合させるようにレバーと共に移動するカムを設け、該レバーを操作して該トレー内の紙幣を前記保管手段内へ取り出さない限り、エンクロージャからトレーを抜き出すことができない構成とすることが好ましい。
【００２３】
又、前記レバーが持ち上げられたときラッチがトレーに再係合しないようにするために、レバーは、ラッチを脱係合させるのと同時にトレーを変位させる手段を設けることが好ましい。
【００２４】
更に、トレーがラッチによって再係合されない限り、レバーをその完全持ち上げ位置から完全押下げ位置へ移動させることができないようにする手段を設けることが好ましい。
【００２５】
前記保管手段は、開放頂部を有するキャリアと、該キャリアの頂部に配置された着脱自在のフレームとで構成することができ、該フレームには、前記プランジャによって該フレームを通して押し込まれた紙幣を収容するための袋を構成するように可撓性材が掛け渡されている。
【００２６】
前記可撓性材は、伸縮性のある材料であることが好ましい。
【００２７】
前記保管手段の前記フラップは、前記フレームの長辺の方の平行な両側部に蝶着することができる。
【００２８】
前記カバープレートを受容するための前記チャンネルは、前記フレームの長辺の方の平行な両側部に沿って設けることができる。
【００２９】
前記フレームは、前記キャリアの頂部に着脱自在にスナップ嵌めすることができる構成とすることができる。
【００３０】
本発明の別の側部によれば、可撓性材を掛け渡したフレームから成る不正接触表示式（いじくった跡が歴然と分かるように工夫された）エンクロージャが提供される。フレームは、カバープレートの両側縁を受容するチャンネルを備えた平行な両側部を有し、該チャンネルとカバープレートの両側縁には、カバープレートを一方向にしか摺動させることができないように互いに反対向きの鋸歯が形成されており、カバープレートの先行端には、カバープレートがフレームを完全に閉鎖したときフレームの先行端の対応する形状の可撓性中空部材に進入する舌片が設けられており、カバープレートをフレームから抜き取るには、該舌片を折り取って可撓性中空部材を下方へ折り曲げなければならない構成とされている。
【００３１】
前記可撓性材は、フレームを通して押し込まれた紙幣を受容するための袋を形成するように変形することができる伸縮性の材料であることが好ましい。
【００３２】
好ましい実施形態の説明
以下に、添付図を参照して本発明の好ましい実施形態を例として説明する。
図１〜４及び１１〜１５に示された本発明の装置の箱形エンクロージャ（ハウジング）（以下、単に「箱」とも称する）１０は、自立型であってもよいが、通常は、その頂部をレジ係（キャッシャ）の手の届きやすい範囲内にカウンターの下に吊り下げられる。図１５を参照して説明すると、取付プレート１００がカウンター（図示せず）の下面にねじ留めされる。取付プレート１００は、箱１０の頂部の側方フランジ１０３，１０４を滑入することができるようにＬ字形のチャンネル１０１，１０２を有している。箱１０の頂部が取付プレート１００にその最終位置にまで挿入されると、箱の頂部に設けられているばね押し止め部材１０５が取付プレートの方形開口１０６に係合する。この状態では、箱１０は、止め部材１０５を開口１０６から下に引き下げるために箱１０の内部にアクセスしない限り取付プレート１００から抜き出すことはできない。箱の前面１１は、その頂部より上に僅かに突出している。従って、前面１１の頂縁をカウンターの縁に当接させておけば、箱の頂面にアクセスすることはできない。例えば、止め部材１０５を解放するために箱の頂面とカウンターの下面との間にねじ回し等でアクセスすることはできない。
【００３３】
箱の前面１１の下方部分には、出し入れ自在の紙幣保管キャリア１２（図２４、２５）にアクセスするのを可能にするロック自在の中空ドロップダウンドア１２７が設けられている。ドア１２７の上方で前面１１に設けられたスロット１４を通してトレー１３がエンクロージャ１０の内外へ摺動自在に抜き差しすることができるようになされているが、エンクロージャからのトレーの完全な抜けを防止するためにストッパー（図示せず）が設けられている。エンクロージャの外部にレバー１５が設けられ、エンクロージャの後部の水平軸線１６の周りに枢動自在とされている。エンクロージャの上方部分内に、垂直プレート状プランジャ１７（図１０に単独で示されている）が設けられている。プランジャ１７は、１対のトラニオン１８を介してレバー１５に連結されている。これらのトラニオン１８は、エンクロージャの対向した両側壁に形成された垂直スロット１９と、レバー１５のカムスロット２０に沿って移動し、それによって、レバー１５が持ち上げられ、又は押し下げられて軸線１６の周りに枢動すると、プランジャ１７がエンクロージャ内でほとんど斜めに動くことなく垂直に移動するようにされている。
【００３４】
トレー１３の底部は、２つのフラップ２１，２２によって構成される。これらのフラップは、下方へ撓曲することができるようにトレー１３の平行な両側部に蝶着（蝶番式に結合）されているが、図１、２、５及び９に示される共平面姿勢（両フラップが同一平面内に位置する姿勢）より上に撓曲するのを防止するストッパー手段（図示せず）が設けられている。フラップ２１，２２が下方へ撓曲した後、それらを共平面姿勢に戻す付勢（偏倚）手段又はばね手段（図示せず）が設けられている。
【００３５】
キャリア１２は、紙幣保管キャリア１２の開放頂部には、フレーム１０７がスナップ嵌めされており、フレーム１０７の下面を横切って伸縮性材の部材（以下、単に「伸縮性材」又は「袋」とも称する）１０８が張設されている（掛け渡されている）。フレーム１０７には、又、フラップ２１Ａ，２２Ａが蝶着されている。フラップ２１Ａ，２２Ａは、フレーム１０７の全幅に亙っては延長していないという点を除いてはトレーのフラップ２１，２２と同様のものである。フラップ２１Ａ，２２Ａは、キャリア１２内へ下方に撓曲した後、伸縮性材１０８の作用を受けて共平面姿勢を回復する。
【００３６】
次に、この装置の作動を図１〜９を参照して説明する。
レバー１５を図１の持ち上げ位置にすると、プランジャ１７がトレー１３の上方に持ち上げられる。この状態では、トレー１３を摺動させてエンクロージャ１０から引き出すことができ、トレー内に紙幣１１０，通常は紙幣の束をトレー内に収納してトレーを、摺動させてエンクロージャ１０内へ戻すことができる。
【００３７】
次いでレバー１５を押し下げる（図３及び４）と、プランジャ１７がトレー内の紙幣１１０を下方へ押さえつけ、トレーのフラップ２１，２２並びにその下の紙幣保管キャリア１２のフレーム１０７のフラップ２１Ａ，２２Ａを下方へ撓曲させる（図６参照）。紙幣１１０は、フラップ２１Ａ，２２Ａを通り抜けると（図７）、平らに広がり、フレーム１０７のフラップ２１Ａ，２２Ａの裏側に捕捉される。ここでレバー１５を再度持ち上げると、フラップ２１，２２及びフラップ２１Ａ，２２Ａが上昇するプランジャ１７（図８及び９）による撓曲作用から解放されてそれぞれの共平面姿勢（図９）に跳ね戻る。フレームの下の可撓性の袋１０８がそれ以上紙幣を収納することができなくなるまで上記サイクルを繰り返すことができる。
【００３８】
満杯になった袋１０８をエンクロージャ１０から取り出すには、まずエンクロージャのドア１２７を開放する（図２８）。ただし、この時点では、フレーム１０７が装着されているキャリア１２をエンクロージャから引き出すことはできない。キャリア１２がエンクロージャ内へ押し込まれたとき、キャリア１２の後部の突起１１２が、エンクロージャの後部に設けられているそれぞれ対応する止め部材１１３によって持ち上げられた後該止め部材１０５によって係合されている。このキャリア１２をエンクロージャ１０から引き出すことができるようにするためには、まず、閉鎖プレート即ちカバープレート１１１をフレーム１０７の両側に沿ってそのＬ字形フランジ１１３，１１４内へ滑入させて閉鎖プレート１１１の面取りした突起１１５，１１６によってエンクロージャの止め部材１１３を跳ね上げてキャリア１２の突起１１２の開口から離脱させなければならない（図２９）。その状態で、キャリア１２をエンクロージャから取り出すことができ（図３０）、その後、フレーム１０７を袋１０８及びカバープレート１１１と共にキャリア１２から引き出すことができる。次いで、伸縮性材１０８を装着した新しいフレーム１０７をキャリア１２の頂部にスナップ嵌めし（図２６）、キャリアを再度エンクロージャ内へ滑入させ、突起１１２の開口を止め部材１１３に再係合させる。
【００３９】
この構成によれば、フレーム１０７及びキャリア１２をエンクロージャから引き出すためには、まずフレーム１０７をカバープレート１１１によって密封しなければならない。ドア１２７を開放しても、キャリアの上方には紙幣を袋１０８から「釣り出す」ことができるだけのスペースは存在しない。しかも、紙幣は、伸縮性材１０８とフレーム１０７のフラップ２１Ａ，２２Ａとの間に圧縮状態に挟まれている。
【００４０】
キャリア１２から取り出された後も、袋１０８内の紙幣は、フレーム１０７を閉鎖したカバープレート１１１によって完全に密封されている。カバープレート１１１の後部に設けられたフック１１４Ａが袋１０８の後縁に被さって係合するので袋内の紙幣にアクセスするために袋をフレーム１０７から引き離すにはフックを折り取らなければならない。
【００４１】
カバープレート１１１はフレーム１０７に対して図２３に示される矢印Ａの方向にしか移動させることができないように、図２２Ａ及び２３Ａに示されるようにフレーム１０７のフランジ１１３，１１４の内側面に互いに反対向きに鋸歯が形成されている。カバープレート１１１をその最終位置にまで滑入してフレーム１０７を閉鎖し、止め部材１１３を突起１１５，１１６によって持ち上げると、カバープレート１１１の先行端の舌片１１７がフレーム１０７の先行端の対応する形状の中空部材１１８に進入する。従って、フック１１４Ａと舌片１１７が折り取られるまでカバープレート１１１をそれ以上矢印Ａの方向に移動させない限りカバープレート１１１をフレーム１０７から取り外すことはできない。中空部材１１８は、可撓性であり、カバープレート１１１を通すために下方に屈曲することができる。これらの不正接触表示部材１１４Ａ，１１７，１１８のどれか１つが破損されても、袋１０８から金を抜き取ろうとする試みがなされたことを示す目に見える証拠となる。
【００４２】
トレー１３をエンクロージャ内へ押し込むと（図１１参照）、エンクロージャの後部に設けられているばね押しラッチ１１９がトレー１３の先行端の壁１２０の下に係合し、レバーが操作されない限りトレーを引き戻すことができないようになされている。これによって、トレー１３内に収納された金を簡単には取り出すことができないようにする。なぜなら、トレー１３は、プランジャ１７がトレー内の紙幣を袋１０８内へ押し込まない限りエンクロージャから引き出すことができないからである。その仕組みは、図１１〜１４に示されている。トレー１３がエンクロージャ内へ挿入されると、トレー１３のさねはぎ溝１２１がスイベル１２２の下端に係合して該スイベルをその弾性突部即ちばね１２３の偏倚（付勢）力に抗して枢動させ、トラニオン１８の移動経路外へ移動させる。それによって、レバー１５を押し下げるのを可能にする（図１３）。レバー１５が押し下げられると、レバーと共に回転するカム１２４がラッチ１１９を押し下げる。トラニオン１８は、完全に押し下げられた位置でトレー１３の両側壁の斜面１２５に係合してトレー１３を外方へ「突き出し」（図１４）、レバー１５が再び持ち上げられたとき、ラッチ１１９を弾性力によって跳ね戻し、トレー１３の先行端に再係合しないようにする。それと同時に、さねはぎ溝１２１が図で見て左方へ移動すると、スイベル１２２は、ばね１２３の作用により元の位置を回復する。トラニオン１８は、持ち上げられるレバーと共に上昇する際、スイベル１２２を撓ませて通り過ごさせるが、レバー１５は、さねはぎ溝１２１が再びスイベル１２２に作用するようにトレー１３がエンクロージャ内へ完全に押し込まれるまでは再度押し下げることができない。
【００４３】
中空ドア１２７内のロック１２５は、（図１５〜１８）は、キー（図示せず）を適当に回すことによって、ドア１２７だけをロック（図１６）したり、ドアを解錠（図１７）したり、ドアとトレー１３の両方をロック（図１８）したりすることを可能にする。ロックのシリンダと共に回転する楕円形のカム１３０と半径方向に突出したアーム即ちラッチ１３１が設けられている。カム１３０は、図１７の位置から図１６の位置へ回動されると、プランジャ１３２，１３３をドアの両側部から突き出し、ドアが閉じられたときプランジャ１３２，１３３がエンクロージャの側部に設けられたスロットに係合してドアをロックする。カム１３０が図１６の位置から図１７の位置へ回動されると、プランジャ１３２，１３３がそれぞれのばね（図示せず）によって引込められ、ドアを開放することができるようにする。又、カム１３０を図１７の位置から図１６の位置ではなく、図１８の位置へ回動すると、プランジャ１３２，１３３をドアの両側部から突き出すのとともに、ラッチ１１９を立ち上げてトレー１３の下面に設けられたスロット（図示せず）に係合させる。ロックのこの位置では、ドアを開放することができず、トレー１３をエンクロージャから摺動させて引き出すこともできない。
【００４４】
図２５Ａ及び２５Ｂは、フレーム１０７のフラップ２１Ａ，２２Ａの特徴を示す。各フラップは、その一端縁に該フラップの蝶着側から離隔した位置に丸み付き突起１３５を有している。突起１３５は、常態ではフレーム１０７の隣接する端部材に形成された凹部１３６内に座置している。プランジャ１７が最初にフラップ２１Ａ，２２Ａを押し下げたときは、突起１３５は凹部１３６の下にくぐり抜ける。次いでプランジャ１７が引込められ、フラップ２１Ａ，２２Ａが袋１０８の弾性によって水平位置に向かって戻されたとき、フラップ２１Ａ，２２Ａは、その突起１３５が凹部１３６の丸み付き下面１３６Ａに係合することによって止められる。かくして、フラップ２１Ａ，２２Ａが水平位置より上に跳ね上がることがない。フラップ２１Ａ，２２Ａが水平位置より上に跳ね上がっていると、後に閉鎖プレート１１１をフレーム１０７の両側のチャンネルに挿入するのを妨害することになる。
【００４５】
フレームと袋の組立体１０７，１０８に使用は随意選択（オプション）であることを理解されたい。例えば、キャリア１２の代わりに、長辺側の側縁に蝶着されたフラップを有するフレーム／袋組立体１０７，１０８と同様の寸法のカセット（図示せず）を用いることができる。そのようなカセットは、その長辺側の側部に沿ってチャンネルを設けることによってフレーム１０７と同様の態様で閉鎖プレート１１１と同様のカバープレートを受容するように構成することができる。フック１１４Ａは不要であるが、部材１１７，１１８によって提供されるのと同様の不正接触防止機構が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】
図１は、本発明による装置の一部断面による側面図である。
【図２】
図２は、本発明による装置の一部断面による正面図である。
【図３】
図３は、図１と同様の側面図であるが、レバーが操作されたときの各構成部品の位置を示す。
【図４】
図４は、図２と同様の正面図であるが、レバーが操作されたときの各構成部品の位置を示す。
【図５】
図５は、図１〜４の装置を用いてトレーから紙幣をトレーのすぐ下にある可撓性の袋内へ押し込む操作の第１段階を示す。
【図６】
図６は、図１〜４の装置を用いてトレーから紙幣をトレーのすぐ下にある可撓性の袋内へ押し込む操作の第２段階を示す。
【図７】
図７は、図１〜４の装置を用いてトレーから紙幣をトレーのすぐ下にある可撓性の袋内へ押し込む操作の第３段階を示す。
【図８】
図８は、図１〜４の装置を用いてトレーから紙幣をトレーのすぐ下にある可撓性の袋内へ押し込む操作の第４段階を示す。
【図９】
図９は、プランジャが図８の位置から持ち上げられたところを示す。
【図１０】
図１０は、図１〜４の装置のプランジャを切り離して示す透視図である。
【図１１】
図１１は、図１と同様の図であるが、装置が操作されたときの一段階の状態を前図では図示を明瞭にするために除去されていた細部構造を示す。
【図１２】
図１２は、図１１と同様の図であるが、装置の別の操作段階を示す。
【図１３】
図１３は、図１１と同様の図であるが、装置の更に別の操作段階を示す。
【図１４】
図１４は、図１１と同様の図であるが、装置の更に別の操作段階を示す。
【図１５】
図１５は、ドアのフェースプレートを除去したハウジングの透視図であり、ハウジングを吊り下げるための取付プレートをも示す。
【図１６】
図１６は、本発明の装置の正面図であり、ドアロックの第１位置を示す。
【図１７】
図１７は、本発明の装置の正面図であり、ドアロックの第２位置を示す。
【図１８】
図１８は、本発明の装置の正面図であり、ドアロックの第３位置を示す。
【図１９】
図１９は、使い捨て可能な袋とそのフレームの下からみた図である。
【図２０】
図２０は、使い捨て可能な袋とそのフレームの上からみた図である。
【図２１】
図２１は、使い捨て可能な袋とそのフレームの側面図である。
【図２２】
図２２は、袋のフレームと閉鎖プレートとの協同関係を示すフレームの透視図である。
図２２Ａは、図２２のフレームの円で囲まれた部分の詳細図である。
【図２３】
図２３は、袋のフレームと閉鎖プレートとの協同関係を示す閉鎖プレートの透視図である。
図２３Ａは、図２３のフレームの円で囲まれた部分の詳細図である。
図２３Ｂは、図２３のフレームの別の円で囲まれた部分の詳細図である。
【図２４】
図２４は、袋のフレームとそのキャリアの分解図である。
【図２５】
図２５は、袋のフレームがそのキャリアに座着されたところを示す図である。
図２５Ａは、図２５のフレームのフラップの突起を示す拡大図である。
図２５Ｂは、図２５Ａと同様の拡大図であるが、異なる状態にあるところを示す。
【図２６】
図２６は、エンクロージャから取り出されたキャリアの頂部に新しいフレームを装着するところを示す、装置の概略側面図である。
【図２７】
図２７は、フレームを装着したキャリアをエンクロージャ内へ挿入したところを示す、装置の概略側面図である。
【図２８】
図２８は、紙幣で満杯になった袋を密封するために閉鎖プレートを挿入するところを示す、装置の概略側面図である。
【図２９】
図２９は、閉鎖プレートを挿入することによってキャリアをエンクロージャから解放して取り出すことができる状態としたところを示す、装置の概略側面図である。
【図３０】
図３０は、キャリアをエンクロージャから取り出すところを示す、装置の概略側面図である。
【符号の説明】
１０ エンクロージャ、箱
１１ 前面
１２ キャリア
１２ 紙幣保管キャリア
１３ トレー
１４ スロット
１５ レバー
１６ 水平軸線
１７ 垂直プレート状プランジャ、プランジャ
１８ トラニオン
１９ 垂直スロット
２０ カムスロット
２１，２２ フラップ
２１Ａ，２２Ａ フラップ
１００ 取付プレート
１０１，１０２ チャンネル
１０３，１０４ 側方フランジ
１０５ ばね押し止め部材
１０６ 方形開口
１０６ 開口
１０７ フレーム
１０８ 伸縮性材、袋
１１０ 紙幣
１１１ カバープレート、閉鎖プレート
１１２ 突起
１１３，１１４ フランジ
１１３ 止め部材
１１４Ａ フック
１１５，１１６ 突起
１１７ 舌片
１１８ 中空部材
１１９ ラッチ
１２０ 壁
１２１ さねはぎ溝
１２２ スイベル
１２４ カム
１２５ ロック
１２５ 斜面
１２７ 中空ドロップダウンドア、中空ドア、ドア
１３０ カム
１３１ ラッチ
１３２，１３３ プランジャ
１３５ 突起
１３６ 凹部
１３６Ａ 下面
Claims (26)
- エンクロージャと、該エンクロージャへ第１方向に摺動自在に出し入れすることができ、底部開口及び、又は開閉自在の底部を有し、１枚又は複数枚の紙幣を受容することができるトレーと、該トレー上の１枚又は複数枚の紙幣を該トレーの底部を通して押し込むために前記エンクロージャ内で第１方向に対してほぼ垂直な第２方向に移動自在のプランジャと、前記紙幣が前記トレーの底部を通して押し込まれたとき該紙幣を受容するために該トレーの、前記プランジャのある側とは反対側で前記エンクロージャ内に出し入れ自在に配置された保管手段と、から成る紙幣の保管及び搬送のための装置。
- 該装置の使用において、前記第１方向はほぼ水平方向であり、第２方向はほぼ垂直方向であることを特徴とする請求項１に記載の装置。
- 前記トレーの平行な両側部にフラップが蝶着され、それらのフラップは、ほぼ共平面の姿勢を取るように付勢されており、前記プランジャは、前記紙幣をトレーから押し込むのを容易にするために該フラップを前記保管手段に向けて撓曲させ、その後該フラップが共平面姿勢を回復するのを可能にするように構成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の装置。
- 前記保管手段は、前記トレーの下で前記エンクロージャの下方領域内に位置するように配置されており、前記エンクロージャは、該保管手段を該エンクロージャから取り出して再びエンクロージャ内へ戻すために該保管手段にアクセスすることを可能にするロック自在のドアを有し、該保管手段は、内方張り出し部を備えた開放頂部を有しており、該内方張り出し部は、前記プランジャの作用によって該張り出し部を通り越した紙幣が該保管手段から再び抜け出るのを防止する構成とされていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の装置。
- 前記ドアのロックのシリンダと共に回転する楕円形のカムと半径方向に突出したアームが設けられており、該カムは、該ドアの側部から突き出して前記エンクロージャの側部に係合するプランジャに作用し、該アームは、前記トレーが該エンクロージャから抜け出るのを防止するために該トレーに係合する位置と、該トレーを解放する位置との間で移動自在であることを特徴とする請求項４に記載の装置。
- 前記張り出し部は、前記保管手段の上方領域の平行な両側部に蝶着されたフラップの形であり、該保管手段に蝶着された該フラップは、共平面姿勢に留まるように付勢されており、該保管手段の該フラップがトレーの方に向かって上昇するのを防止するためのストッパー手段が設けられ、該保管手段の該フラップは、前記プランジャが前記第２方向に移動するのに伴って前記トレーのフラップと共に保管手段の内方へ屈曲することができるようになされていることを特徴とする請求項４又は５に記載の装置。
- 前記保管手段の頂部の平行な両側部には、該保管手段を閉鎖するためのカバープレートを滑入させることができるチャンネルが設けられていることを特徴とする請求項５又は６に記載の装置。
- 前記チャンネルの内部と、前記カバープレートの縁部には、該カバープレートを該チャンネルを通して一方向にしか摺動させることができないようにするために互いに反対向きの鋸歯が設けられていることを特徴とする請求項７に記載の装置。
- 前記カバープレートの先行端には、該カバープレートが前記保管手段を完全に閉鎖したとき該保管手段の対応する形状の可撓性中空部材に進入する舌片が設けれており、それによって、該舌片を折り取らない限り、該カバープレートを同じ方向に移動し続けることによって抜き取ることができない構成とされていることを特徴とする請求項８に記載の装置。
- 前記保管手段は、前記カバープレートが該保管手段を閉鎖する際該カバープレートによって脱係合される止め部材によって前記エンクロージャ内に保持されることを特徴とする請求項７〜９のいずれか１項に記載の装置。
- 前記保管手段の前記フラップの端縁には、前記プランジャによって該保管手段の近接する端部材に沿って押し込まれる突起を有しており、それらの突起は、該プランジャが引き抜かれるときは前記端部材の下面に係合することを特徴とする請求項６〜１０のいずれか１項に記載の装置。
- 前記エンクロージャは、断面ほぼ長方形の箱形構造であり、その前面には、その頂縁と底縁の間に前記トレーを出し入れすることができるトレー出し入れスロットが形成され、該トレー出し入れスロットの下方に前記保管手段にアクセスするためのドアが設けれていることを特徴とする請求項１〜１１のいずれか１項に記載の装置。
- 前記エンクロージャの後部領域に水平軸線の周りに枢動自在のレバーが設けられており、前記プランジャは、該エンクロージャの対向した両側壁に形成された垂直方向のスロットを貫通して延長するトラニオンを有し、それらのトラニオンは、該エンクロージャの両側で該レバーに形成されたカムスロットに係合し、該レバーが枢動されると、該プランジャが該トレーに対して同じ角度姿勢を維持したままで上下動されることを特徴とする請求項１〜１２のいずれか１項に記載の装置。
- 前記レバーは、前記エンクロージャの前記前面を横切って延長する中央部分を有するほぼＵ字形であり、該エンクロージャの前面の前記ドアへのアクセスが、該レバーを持ち上げ位置へ上げない限り該レバーの中央部分によって阻止されることを特徴とする請求項１１に記載の装置。
- 前記エンクロージャには、前記トレーが該エンクロージャ内に完全に挿入されたとき、該トレーに係合するラッチが設けられており、前記レバーが押し下げられたとき、該ラッチを脱係合させるように該レバーと共に移動するカムが設けられており、該レバーを操作して該トレー内の紙幣を前記保管手段内へ取り出さない限り、該エンクロージャからトレーを抜き出すことができないことを特徴とする請求項１３又は１４に記載の装置。
- 前記レバーが持ち上げられたとき前記ラッチが前記トレーに再係合しないようにするために、該レバーは、該ラッチを脱係合させるのと同時に該トレーを変位させる手段を備えていることを特徴とする請求項１５に記載の装置。
- 前記トレーが前記ラッチによって再係合されない限り、該レバーをその完全持ち上げ位置から完全押下げ位置へ移動させることができないようにする手段が設けられていることを特徴とする請求項１３〜１６のいずれか１項に記載の装置。
- 前記保管手段は、開放頂部を有するキャリアと、該キャリアの頂部に配置された着脱自在のフレームとから成り、該フレームには、前記プランジャによって該フレームを通して押し込まれた紙幣を収容するための袋を構成する可撓性材が掛け渡されていることを特徴とする請求項１〜１７のいずれか１項に記載の装置。
- 前記可撓性材は、伸縮性のある材料であることを特徴とする請求項１８に記載の装置。
- 前記保管手段の前記フラップは、前記フレームの長辺の方の平行な両側部に蝶着されていることを特徴とする請求項６に従属する請求項１８又は１９、又は、請求項６に従属する請求項７〜１７のいずれか１項に記載の装置。
- 前記カバープレートを受容するための前記チャンネルは、前記フレームの長辺の方の平行な両側部に沿って設けられていることを特徴とする請求項７に従属する請求項１８又は１９、又は、請求項７に従属する請求項８〜１７のいずれか１項に記載の装置。
- 前記フレームは、前記キャリアの頂部に着脱自在にスナップ嵌めされることを特徴とする請求項１８〜２１のいずれか１項に記載の装置。
- 添付図に示され、添付図を参照して説明された紙幣の保管及び搬送のための装置。
- 可撓性材を掛け渡したフレームから成る不正接触表示式エンクロージャであって、該フレームは、カバープレートの両側縁を受容するチャンネルを備えた平行な両側部を有し、該チャンネルとカバープレートの両側縁には、該カバープレートを一方向にしか摺動させることができないように互いに反対向きの鋸歯が形成されており、該カバープレートの先行端には、該カバープレートが該フレームを完全に閉鎖したとき該フレームの先行端の対応する形状の可撓性中空部材に進入する舌片が設けられており、該カバープレートを該フレームから抜き取るには、該舌片を折り取って該可撓性中空部材を下方へ折り曲げなければならない構成とされていることを特徴とする不正接触表示式エンクロージャ。
- 前記可撓性材は、前記フレームを通して押し込まれた紙幣を受容するための袋を形成するように変形することができる伸縮性の材料であることを特徴とする請求項２４に記載の不正接触表示式エンクロージャ。
- 添付図に示され、添付添付図を参照して説明された請求項２４又は２５に記載の不正接触表示式エンクロージャ。
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