JP2004506813A - 高出力ニッケル−メタル・ハイドライド電池及びそれに用いる高出力合金/電極 - Google Patents

高出力ニッケル−メタル・ハイドライド電池及びそれに用いる高出力合金/電極 Download PDF

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Abstract

貴金属を含まず、且つ高放電率における大放電容量を有する、負電極合金材料。合金は、原子百分率において15〜19%Zr、14〜18%Ti、8〜12%V、6〜10%Cr、16〜20%Mn、及び28〜33%Niを含有する。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、一般的にはニッケル−メタル・ハイドライド電池に関し、より具体的には、高出力ニッケル−メタル・ハイドライド電池に関する。この電池は、改善された高放電率を有する電気化学的水素貯蔵合金を採用し、それにより電池の比出力及び高率性能を改善した負電極を備えている。負電極用の電気化学的水素貯蔵合金は、その放電容量を劇的に変える手段を備えている。此処で以下の明細書の「発明の詳細な説明」において説明するように、これらの手段は、d軌道を有する遷移金属を添加して、材料の局所的な化学的且つ構造的秩序性を注文通りに仕立てることを包含する。この変化は、ミッシュメタルを含まない水素貯蔵合金の場合に高放電率においても大容量を示す放電容量曲線をもたらす。本電池は、高エネルギー密度及び大出力の両者を提供できるので、電池が以前は適していないとされていた新しい用途や領域における応用に特に適している。これらの手段の特別な実例は、大容量でミッシュメタルを含まない合金(ミッシュメタルは本質的に低い水素貯蔵容量を有する)の、高放電率での電気化学的水素貯蔵容量を増加させるPdである。殆ど同じ結果が、非貴金属遷移金属を適切に均衡させることにより達成できる。これらの合金は従来技術合金を越える優れた利点を有しているため、電気自動車、ハイブリッド電気自動車に特に適し、電動工具やその他の電流ドレイン率の高い超コンデンサなどの応用品に対して多目的に利用できる。
【0002】
(背景技術)
現在、高出力を供給でき、且つ小型で軽量な(即ち高い比出力を有する)電池は、大きな需要がある。この種の電池は、走行距離の不足が重大な限界となっていた電気自動車やハイブリッド電気自動車推進などの用途に有用である。また電気自動車産業においては、高出力性能は電池の充電を補給する回生制動の利用を可能にする。これらの高出力電池は、更に電動工具や内燃機関の始動機用電池、並びに金属負電極の導電性が高いので超コンデンサなどの電源の置き換え、その他の電流ドレイン率の大きい応用品に対して有用である。
【0003】
車両推進用の最新自動車用電池の開発は、過去においては、主として純粋の電気自動車の必要条件を目標にしてきた。無秩序性、局部秩序性、及び化学的変性というオブシンスキーの原理を利用して、名声のあるエナジー・コンバージョン・デバイス 社(“ECD”)、ECD及びオボニック電池会社(“OBC”)の電池開発チームは、ニッケル−メタル・ハイドライド電池技術において大きな進歩を遂げた。
【0004】
まず最初に、オブシンスキーとそのチームは、負電極を形成するメタル・ハイドライド合金に焦点を当てた。努力の結果彼等は、効率的で経済的な電池応用品に対して要求される可逆的水素貯蔵特性を著しく改善させることが出来、高密度エネルギー貯蔵、効率的な可逆性、高電気効率、組織変化や触媒毒作用のない効率的全体積水素貯蔵、長いサイクル・ライフ、及び高深度放電の繰り返し可能な電池を生産することが出来た。これらいわゆる“オボニック”合金、の改善された特性は、非平衡処理法の利用と同時に、ホスト・マトリクス中へ選ばれた変性元素を組み合わせることにより、局部的化学的秩序性即ち局部的構造秩序性を注文通りに仕立てることで得られる。無秩序メタル・ハイドライド合金は、単一相又は秩序多相結晶性材料に比べて触媒活性部位及び貯蔵部位が格段に増加している。これらの追加された部位は、改善された電気化学的充/放電効率、及び電気エネルギー貯蔵容量の増加の原因である。貯蔵部位の性質と数は、個々の成分原子のみでなくトポロジー及び化学的性質によっても増加しうる触媒活性部位とは独立して、設計することさえ可能である。更に正確にいえば、これらの合金は、二次電池応用品への使用に適した可逆性の可能な範囲内の結合力において、解離した水素原子の全体積での貯蔵ができるように注文通りに仕立てられる。電気化学的合金における無秩序性の役割についての充分な説明は、米国特許番号4,623,597号に見られ、ここに引用して取り入れる。
【0005】
幾つかの著しく効果的な電気化学的水素貯蔵材料が、上に述べた無秩序材料に基づいて調製された。これらの材料は水素を貯蔵するために可逆的に水素化物を形成する。これらの材料は、C14及びC15型の結晶構造を持つ一つ以上の相を含むことのある多相材料であるがこれらの構造に限定されるわけではない。オボニック合金とは対照的に、従来の合金は、一様な化学的性質、均一な顕微鏡組織、及び一般に貧弱な電気化学的性質を有する”秩序”材料であった。1980年代初期に、変性の程度が進むにつれて(即ち、元素変性剤の数と量が増加するにつれて)、性能も改善され始めた。電極材料の均一性が保てることだけを実行していたこの分野の技術者達は気付かなかったが、電気化学的性能の改善は、電極合金の電気的及び化学的性質と同程度に、変性剤の寄与による組織的無秩序性に起因していた。
【0006】
簡単に言えば、全てのメタル・ハイドライド合金において、特定の変性剤に原因を帰せられる性質及び無秩序性に比べると、最初秩序性であった母材合金の役割は変性の程度が増大するにつれて重要性が少ないものとなる。加えて、現在市場で入手でき種々の製造業者により生産された多成分系合金の分析結果は、これらの合金が、オボニック合金系に対して確立された指針に従って変性されていることを示唆している。即ち、上で述べたように、高度に変性された合金は全て多成分及び多相により特徴付けられた無秩序合金、即ちオボニック合金である。
【0007】
この負電極活物質の発展の結果として、オボニック・ニッケルメタル・ハイドライド(Ni−MH)電池は、EV発展の先進段階に達した。オブシンスキーのチームは、電気自動車を一回の充電で350マイル以上推進させる能力のある電気自動車電池を生産することが出来た(Tour d’ Sol 1996年)。このオボニックNi−MH電池は、優れたエネルギー密度(約90Wh/kgまで)、長いサイクル・ライフ(放電深度80%で1000サイクル以上)、酷使許容性、早い再充電能力(15分で60%まで)を実証した。加えて、オボニック電池は、EV搭載エネルギー源としての用途として試験・評価された他の如何なる電池技術よりも高い出力密度を実証した。
【0008】
オブシンスキーとそのチームが純電気自動車用電池において大きな進歩を達成した一方で、1996年発足の政府−自動車産業界共同事業「新世代車両のための共同事業(PNGV)」、は、ハイブリッド−電気自動車(HEV)が、次の十年で自動車燃料の経済性を三倍にするという最終目標に合致する第一候補でありうるということを示唆した。この目標を達成するためには、軽量、小型、高出力の電池が要求されることになる。
【0009】
ハイブリッド駆動体系は、燃料経済性及び超低排ガス放出の両点について決定的な利点を提供する。燃料エンジンは、回転数(rpm)不変で運転する時に最大の効率を達成する。それ故、加速のための最大出力を供給し且つ回生制動を利用して運動エネルギーを再獲得する高出力エネルギー貯蔵装置へエネルギーを供給するための回転数不変の燃料エンジンを採用することにより、最大燃料効率が達成できる。
【0010】
同様に、最高効率で稼動し且つパルス出力エネルギー貯蔵装置に組み合わされた小エンジンが使えるということは、燃料エンジンの使用に伴う排ガス放出の最小化に対して最良の設計を提供する。それ故、HEVを実現する鍵となる技術は、非常に高いパルス出力を供給でき且つの回生制動の際の大電流を非常に高効率で受け入れるエネルギー貯蔵装置である。パルス出力を使うときの使用率では、浅い放電深度の場合の特に優れたサイクル・ライフが要求される。
【0011】
このエネルギー貯蔵装置に必要な条件を純電気自動車に比較して理解することが重要である。走行距離は実用EVでは重要な因子であり、容量及び放電率(出力)が重要な評価特性値となる。HEVの場合のパルス出力応用においては特に出力密度が圧倒的に大切な考慮すべき事項である。低深度放電のもとでの優れたサイクル・ライフも重要である。エネルギー密度は電池の重量と体積を最小化するのに重要であるが、電池寸法が小さいのでこの特性は出力密度ほど重要ではない。高速再充電能力も効率的な回生制動をさせるためには必須条件で、充電/放電効率は外部充電のない場合において、電池の充電状態を維持するのに重要である。
【0012】
EV用とHEV用との間の必要条件の基本的な差を考慮すると、現在EV用として最適化された電池は、出力密度の増加がなければHEVには適合しないことになる。オボニックEV電池の実証された性能は注目に値するものであるが、これらの単電池及び電池設計は純EV用に最適化されているので、HEVの特殊な必要条件には合致しない。それ故、オボニックNi−MH電池の既に実証されている性能特性及び証明されている生産性と組合され、更にHEVに必要なピーク出力性能を有する高出力電池の必要性が存在する。
【0013】
以前、オブシンスキー他は、銅、銅めっきニッケル、又は銅−ニッケル合金からできている多孔性金属基板から形成した負電極を有するニッケル−メタル・ハイドライド電池を提供することによって、EV及びHEV用として十分な出力を供給するような増強された出力と再充電率を与えることの出来るニッケル−メタル・ハイドライド電池及び電極を提供した。これらの高導電性基板は、ニッケル−メタル・ハイドライド電池の高出力特性を改善するのに役立った。
【0014】
しかし、一旦基板の導電性が改善されると、負電極合金材料のあるものは、特に高率放電における大容量という点に関して、この高出力性能が不足していることが判明した。即ち、Cr、Ti及びZrなどの水素化物形成元素を多量に含有しNiの含有量を少なくした合金は、高い放電率における電気化学的水素貯蔵容量が減少していることがわかった。
【0015】
それに関して、ヒューツ氏他に与えられた米国特許番号第4,699,856号は、ミッシュメタル型合金の低温反応率性能を改善するために、Ni、Pd、Pt、Ir、及び/又はRhが添加されたミッシュメタル−ニッケル水素貯蔵合金を開示している。しかし、Ti−Zr−Ni型の合金については室温高放電率容量を改善するために如何なる型の触媒を用いることもこれには教示又は示唆されていない。このことは、遷移金属基合金は本来希土類(ミッシュメタル)よりも著しく多量の水素を貯蔵できるので特に適切な結論である。それ故、ミッシュメタル合金では、水素貯蔵容量を少しでも失うわけにはいかなかった。しかし、高い放電率においてもなお高い水素貯蔵容量を維持する(遷移金属)Ti−Zr−Ni負電極合金材料を開発しようというこの技術分野における必要性は残されている。
【0016】
(発明の要約)
本発明の一つの目的は、高放電率における合金の放電容量を格段に増大させる効果が発揮できる量の触媒遷移金属を含有する電気化学的水素貯蔵合金である。これは、ニッケル、チタン、ジルコニウム、バナジウム及び高放電率下における合金の放電容量を格段に増大させる効果が発揮できる量のパラジウムを含有する電気化学的水素貯蔵合金によって実現される。効果が発揮できる量のパラジウムは、パラジウム無しの同じ合金に比べて、Cの放電率でのその合金の放電容量を少なくとも20%増加させる。効果を発揮できる量のパラジウムは、一般には合金の約0.1から4原子パーセントであり、より好ましくは1から4原子パーセントである。代表的には、合金は、原子パーセントで0.1から60%のTi、0.1から40%のZr、0から60%のV、0.1から57%のNi、0から56%のCr、及び0から20%のMn、並びに0.1から4%のPdによって構成される。好ましくは、Ti、Zr、V、Ni、Cr、及びMnの合計が、前記合金の少なくとも約80原子パーセントになる。
【0017】
本発明の第二の目的は、非貴金属遷移元素を適正に組み合わせることによりパラジウムを使用しないで同様な結果を達成することである。このような結果は、原子百分率で15〜19%のZr、14〜18%のTi、8〜12%のV、6〜10%のCr、16〜20%のMn、及び28から33%のNiを含む合金により達成された。
【0018】
本発明の他の目的は、それらの合金で形成された負電極、並びにその負電極を用いて形成されたニッケル−メタル・ハイドライド電池である。
【0019】
(発明の詳細な説明)
高放電率作動において効率的且つ経済的な電池の応用に要求される特性である高放電率下での可逆的水素貯蔵及び放出容量を著しく増大するように注文通りに仕立てた材料を提供し、独特且つ基本的な方法で質的及び量的の両方において水素貯蔵電極の特性を著しく改善し発展させることによって基本的な先行技術合金の欠陥は、克服された。
【0020】
本発明の材料は、単一相結晶性材料及びその他の先行技術材料に比べて、著しく増大した数の触媒活性部位及び多数の貯蔵部位を有しており、電気化学的充/放電効率及び充/放電率を改善し、高い電気エネルギー貯蔵容量を提供する。材料は、二次電池用の使用に適した可逆反応が可能な範囲の結合強度で、解離した水素原子を全体積内に貯蔵をさせるように注文通りに仕立てられている。本発明の材料において貯蔵水素の局所的な構造的且つ化学的環境を注文通りに仕立てることは、望みの特性を達成するために非常に重要である。
【0021】
本発明の負極の改善された特性は、望みの材料を生成するために選ばれた変性元素を取り込むことで、局所的な化学的環境即ち局所的な構造的環境を制御処理することにより達成された。この材料は、望みの電子配置を有しその結果多数の活性な触媒及び貯蔵部位をもたらす。貯蔵部位の性質と数は、触媒活性部位とは独立に設計することが出来る。望ましい材料は、構造上、アモルファス、多結晶性(しかし長距離の組成的秩序性は持たない)、又は微結晶性であるか、これらの相を組み合わせた各成分が密接に接触した混合物でもよい。多数の部位を有し且つ活性部位の種類(即ち、触媒又は貯蔵)を同時に制御できることも、本発明の負極に特有のことである。即ち、部位の性質は、部位の数と同様に重要である。
【0022】
本発明の活性電池材料の骨格を成すものは、一つ以上の元素から成るホスト・マトリクスである。ホスト・マトリクスの元素は一般に水素化物形成元素であるものが選ばれ、軽量元素であってもよい。ホスト・マトリクスの元素は、選ばれた変性元素、これは水素化物形成元素であっても、そうでなくても良いが、を取り込むことによって変性される。変性剤は、軽量元素であってもよく、材料の無秩序性を高め、更に多くの数及び広範な種類の触媒活性部位並びに水素貯蔵部位を生成する。多重軌道変性剤例えば遷移元素は、種々の結合様式が可能であるために著しく多数の貯蔵部位を提供しエネルギー密度の増加をもたらす。高度の無秩序性を持つ非平衡材料を提供する変性技術は、特異な結合様式、軌道の重なり、それによる広範な種類の結合部位を与える。軌道の重なり及び無秩序構造の程度の差に起因して、充電/放電サイクル中又はその間の休止時間中の構造上の再配列が殆ど無いために長いサイクル・ライフ及び貯蔵寿命をもたらす。
【0023】
これらの元素や選択した元素の相対量を適切に選ぶことにより、又更に追加元素を利用することにより、構造的配置を、望ましい電気化学的特長を有する電子/組織構造を提供するように選択または設計することが出来る。このようにして、材料は化学的且つ電子的に注文通りに仕立てされる。
【0024】
本発明の無秩序材料の水素貯蔵及びその他諸特性は、選択したホスト・マトリクスと変性剤元素、及びそれらの相対百分率に依存して、負極材料を注文通りに仕立てる。増加した多数の特別に設計した貯蔵部位及び触媒活性部位により触媒毒による劣化に対し抵抗性を持つ。また材料中に設計された部位のうちのいくらかは、活性な水素部位に影響を与えないで有毒な種と結合し不活性化させることが出来る。このようにして形成された材料は、自己放電が非常に少なく、従って貯蔵寿命が長い。
【0025】
改善された電池は、高い充/放電率下で大きな電気化学的容量を生ずるように設計され、注文通りに仕立てられた局所的な化学的環境を有する電極材料を備えている。密度が著しく増加した水素解離のための触媒活性部位及び水素貯蔵部位を生成するように化学的に変性された合金を利用することにより材料の局所的な化学的環境を制御処理することが可能となる。
【0026】
水素貯蔵材料に添加される変性剤材料は、広い結合の種類、例えば、共有結合、供与又は配位結合、合金と変性材料の軌道の相互作用など、及びそれらの種々の組み合わせを提供する。変性剤が添加されるとその元素の立場からは多数の異なった部位が見られることになるが、それらは例えば、最隣接関係、元素の格子間隔、結合角及び強度、結合エネルギーのスペクトル中の荷電及び局所化された状態、微小空孔、ダングリング・ボンド、孤立対、などを含むものである。ダングリング・ボンドやその他のこのような欠陥状態は、水素を捕獲することが出来、容易には可逆的に動けない化学結合を形成する。変性剤材料はこれらの部位を探し出すことができ、直ちに結合エネルギーのエネルギー・スペクトルにおける望ましい電子状態を形成することにより、材料の電子配置を変更し(更に結合エネルギーのエネルギー・スペクトル中の局在化状態を変更することも出来る)、結果として貯蔵されている水素との望ましくない結合の機会を減少させる。
【0027】
これらの変性剤の添加は、第一に、結合エネルギーのエネルギー・スペクトル中の局在化状態又は電気活性中心、並びに電子配置の電気的活性化エネルギーに実質的な影響を及ぼす。これに関連して、変性剤は材料と相互作用を及ぼし合い、電子状態又は電気活性中心を形成するが、変性剤の軌道と材料との相互作用を伴うことが多い。このように、変性剤の添加は、材料の電子配置に対して、微妙なところから根本的なところまで、広範囲の影響与えることが出来る。
【0028】
固体材料は、結合及び非結合状態を含めて局在化状態の幅広いスペクトルを持つことが出来、本願ではこれを電子配置異常又は欠陥と称し材料にある程度の影響を与える。このような電子配置欠陥は、置換型の不純物や空格子点、格子間原子、転位、などを包含し、これらは主として結晶性固体内の周期的拘束力により発生する。固体アモルファス材料においては、結晶性材料においては周期的束縛物ために一般に禁じられている三次元軌道関係が起こりうる。その他の電子配置欠陥は、特にアモルファス材料においては、微小空孔とダングリング・ボンド、ダングリング・ボンドと最隣接相互作用、孤立対、孤立対/孤立対相互作用、孤立対と最隣接相互作用、原子価交番対、供与又は配位結合、電荷補償、多原子価性、孤立対補償、混成化、三中心結合、パイ結合、及びその他を包含することが出来、これらの全ては材料に影響を及ぼす傾向を持つ。
【0029】
変性剤材料の軌道は、材料内の局在化状態又は電気活性中心と相互作用し、その電子配置を変更する。d軌道を有する遷移金属は、変性剤として用いられたとき特に良好な 結果を与える。例えば、d軌道を有するニッケル、タングステン、モリブデン、鉄、バナジウム、ロジウム、亜鉛、又は銅を含む遷移金属元素、並びにd及びf軌道を有する希土類元素は、容易に材料に添加することが出来る。少なくとも原子的に充満されていないd軌道を有する遷移金属が一般に好まれるが、それはこのようなd軌道がsp軌道のみを有する元素よりも材料と相互作用する可能性のより広いスペクトルを具備しているからである。孤立対及びそれの最隣接原子との相互作用は、軌道又は電子配置欠陥を形成し、添加された変性剤は材料内の原子軌道との相互作用によりその軌道にの変化を起こして電子状態又は電気活性中心を形成するが、更にこれらの現象の大部分は変性剤の軌道のこのような電子配置欠陥との相互作用を伴うものである。局在化の程度を制御処理することは、水素イオンに最も「居心地のよい」貯蔵部位を提供する。
本発明の電極材料は、通常でない電子配置を具備するように設計されており、これは成分元素および種々の軌道の多様な三次元相互作用の結果である。無秩序性は、相互作用の自由度が結晶対称性によって制限されないような、原子間の組成的、位置的、および並進的関係に起因する。選択された元素は、更にこれらの軌道との相互作用によって、望ましい局所的な化学的環境を生成するように無秩序性を変性することが出来る。これらの種々の配置は、多数の触媒活性部位及び水素貯蔵部位を、表面のみでなく材料の全体積に亘って発生させる。これらの配置により発生する内部トポロジーは更に、原子及びイオンの選択的拡散を可能にする。我々発明者が説明した本発明は、これらの材料を特定の用途に対して理想的なものにするが、それは触媒活性及び貯蔵部位の型と数を独立に制御できるからである。前記の全ての性質は、重要な量的相違を形成するばかりでなく、結果で示すような独特の新しい材料が生ずるように質的にも材料を変化させる。
【0030】
本発明の優れた電池は、高密度エネルギー貯蔵、効率的な可逆性、高い電気効率、構造変化や触媒毒作用の無い全体積での水素貯蔵、及びそれらの結果として長いサイクル・ライフ、高深度放電能力、及び高率容量性能を達成した。電池属性のこの組み合わせは本発明に特有のものである。
【0031】
本発明の材料は全て、先行技術の多くの負極に用いられているような単一相材料をもたらす秩序性の高い結晶構造とはまったく異なり、特別に設計された局所秩序性を有する。本発明に従って充放電率特性を改善するために、局所的な構造的化学的環境を提供する無秩序構造の型としては、長距離の組成的秩序性を持たない多成分多結晶材料、微結晶材料、アモルファス及び結晶性相の両方を含む多相材料の一つ以上の相を有するアモルファス材料、又はそれらの混合物が包含される。
【0032】
これらの材料を採用する利点は、このよう材料では貯蔵部位が材料の全体積に亘って分布することである。更にこの材料は、貯蔵容量及び充電/放電率を一層増大させるように、望みの空孔密度を持たせるように設計できる。水素貯蔵部位を原子的に制御処理するために必要な二つの考慮すべき点は、大きな原子間空隙及び材料内の低い電子密度を有する領域である。結晶性構造においては、貯蔵部位は、材料の表面に現れる比較的に非常に少ない偶然発生する異常個所に限定される。本発明の材料では、貯蔵部位の位置は材料の表面だけに限られない。結晶性材料とは対照的に、本発明の材料は材料の全体積に亘って分布する貯蔵部位を有する。それらは、格段に増大した表面積を提供し、割れ、空孔及び結晶粒界の存在のみに依存するものではない。本発明の材料は、著しく増強された貯蔵部位及び触媒活性部位を有し、貯蔵される水素の量及び充電時の貯蔵効率の両方で水素の吸収及び脱着を著しく改善する。触媒活性部位は、充電及び放電過電圧を低下させ、それにより充電時に使用される全エネルギーが、殆ど全部材料の全体積内に貯蔵される水素となる。貯蔵部位の密度は、電気化学的充電及び放電の際の比較的高い水素貯蔵容量を可能にする主要な因子であり、以前は利用できなかった電気化学的貯蔵電池の新しい用途を開いた。
【0033】
本発明の目的は、貯蔵容量を犠牲にしないで、ニッケル−メタル・ハイドライド(Ni−MH)再充電可能電池の高出力度を改善することである。本発明は、高放電率下の負電極合金の比容量を改善することによりこれを達成する。これは、負極合金にパラジウムを添加することで達成される。パラジウムは、材料に触媒部位を与える。貯蔵部位に近接してこれらの触媒部位を具備することは、材料の高率性能を助長する。
【0034】
一般に、Ni−MH電池は、少なくとも一つの負電極と少なくとも一つの正電極を備えている。Ni−MH電池の適切な端子に各電極を電気的に接続するために、電極タブを各負及び正の電極に取り付ることが出来る(即ち、負電極を負の端子へ及び正電極を正の端子へ)。
【0035】
Ni−MH電池は、水素の可逆的な電気化学的貯蔵が可能な活性材料を具備する負電極を採用する。この負電極は活物質を保持する多孔性金属基板を備えている。負電極は、多孔性金属基板内へ活物質(粉末の形で)を圧入して形成することが出来る。粉末活物質が多孔性金属基板内に圧入された後で、負電極を焼結することが出来る。
【0036】
Ni−MH電池に電位を印加すると、水素の電気化学的吸収及び水酸基イオンの電気化学的発生により、活性負電極材料は充電される。負電極における電気化学的反応は、以下の通りである:
【化1】
Figure 2004506813
負電極反応は可逆的である。放電に際しては貯蔵された水素が開放されて水分子を形成し、電子を放出する。
【0037】
負電極の活物質は水素貯蔵材料である。水素貯蔵材料は、材料の高率性能を増強するためにPdが添加されている如何なるTi−V−Ni基活性材料であってもよい。本発明で教示されているように、同じくパラジウムで変性することが出来、且つ負電極の水素貯蔵合金として使用されるTi−V−Zr−Ni合金がある。材料の一族は、開示内容が引用して取り入れてある米国特許番号4,728,586号(「‘586特許」)に説明されているものである。‘586特許は、Ti、V、Zr、Ni、及び第五成分Crを含むTi−V−Ni−Zr合金の特定の亜族を開示している。‘586特許は、合金のTi、V、Zr、Ni、及びCr成分以外の添加物及び変性剤の可能性について述べ、且つ全般的に特定の添加物及び変性剤、変性剤の量と相互作用、並びにそれらに期待できる特別な利点について考察している。
【0038】
一般に、本発明の合金は、原子パーセントで0.1から60%のTi、0.1から40%のZr、0から60%のV、0.1から57%のNi、0から56%のCr、及び0から20%のMn、と効果を発揮できる量のパラジウムを含む。パラジウムは、高放電率において合金の放電容量を著しく増大させるのに十分である。此処で用いた「著しく」とは、パラジウム添加無しの同じ合金よりも、少なくとも20%の放電率Cにおける放電容量の増加を意味する。好ましくは、Ti、Zr、V、Ni、Cr、及びMnは、総計で少なくとも合金の80原子パーセントに達する。パラジウムは、約0.1から4原子パーセントの範囲である。最も好ましくは、パラジウムは1から4原子パーセントである。
【0039】
もう一つ別個の実施態様において、本発明者等は、パラジウムを含有するものと同等の高速容量を有するが、貴金属を含有しない合金を開発した。合金は、その最も広い条件範囲では、原子百分率において15〜19%のZr、14〜18%のTi、8〜12%のV、6〜10%のCr、16〜20%のMn、及び28から33%のNiを含む。この合金の具体例は、Zr439と呼称されており、公称組成17%Zr、16.5%Ti、10%V、8%のCr、18%Mn、及び30.5%Niを有する。
【0040】
表1は、パラジウムを含有する本発明、及び比較実施例の負電極合金の組成及び高率容量を示す。この図でわかるように、パラジウムを含有しない比較合金は、非常に劣った高率容量を有している。パラジウムが増加して約0.1原子パーセントを超えると、容量は約4原子パーセントに達するまで改善される。4原子パーセントを超えると、増加効果は認められない。
【0041】
パラジウムの効果、並びにパラジウムを含有しない本発明の合金の性能が、種々の比較合金及び本発明の一つの合金について、放電率対放電容量を座標表示した図1に見られる。表1の合金Zr212の放電率対放電容量は、曲線A(記号▲)として示されており、表1の合金Zr151(Zr212と全く同じであるが本発明のパラジウムを欠く)の放電率対放電容量は、曲線B(記号◆)として示されている。曲線A及びBを詳しく検討してわかることは、パラジウムを含まない合金の容量は、放電率が増加するにつれて著しく低下し、放電率1Cが達成される時点までにZr151合金の容量は低速容量より75%を超える低下をしているが、一方約1原子パーセントのパラジウム含有量を有する本発明の合金は、10パーセントの低下をみるのみである。驚くべきことに、このパラジウム変性材料は放電率Cで約400mAh/gを与える。
【0042】
更に比較すると、ミッシュメタル−ニッケル合金は、ニッケル含有量が高いために、Ti−Zr−Ni合金よりも僅かな容量低下しか見られない。例として、二つの市販のミッシュメタル−ニッケル電気化学的水素貯蔵合金の放電率対放電容量の一つが、曲線C(記号●)として座標表示されている。市販のミッシュメタル合金(曲線C)は、La10.5%、Ce4.3%、Pr0.5%、Nd1.4%、Ni60%、Co12.7%、Mn5.9%、及びAl4.7%の組成(原子%で)を有している。明らかに、低放電率容量はTi−Zr−Ni合金の低率容量より非常に小さいが、ミッシュメタル−ニッケル合金の場合の容量低下はTi−Zr−Ni型合金の場合の低下より非常に少ないことが見られる。それ故、ミッシュメタル−ニッケル合金においては、これらの合金の高速性能を上げるためにパラジウムを用いる必要性がほとんど無い。
【0043】
最後に、本発明の代りの実施態様、パラジウムを含まないZr439が、図1に曲線D(記号■)として座標表示してある。見られるように、本実施態様はパラジウムを含む合金(即ち、Zr212)のそれに近い低率容量を有し、高率での容量の損失が非常に少なく合金の容量はパラジウムを含有するZr212とほぼ同等である。
【0044】
負電極は、活性水素貯蔵材料を多孔性金属基板に圧入して形成することが出来る。負電極の導電性は、負電極の多孔性金属基板の導電性を増すことによって増加する。一般に、多孔性金属基板は、網、格子、マット、箔、発泡体、板、及びエキスパンド金属を含むがそれらに限定はされない。好ましくは、負電極に用いられる多孔性金属基板は、網、格子、又はエキスパンド金属である。多孔性金属基板は、ニッケル、銅、銅めっきニッケル、又は銅−ニッケル合金から形成される。此処で用いられる場合では、「銅」は、純銅あるいは銅合金を意味しており、「ニッケル」は純ニッケルあるいはニッケル合金を意味する。
【0045】
メタル・ハイドライド負電極の動作条件において、銅基板材料は腐蝕から保護される。しかし、電池の信頼性を増し、更に電池内の厳しい化学的環境から負電極を保護するために、銅、銅めっきニッケル、又は銅−ニッケル合金という前記材料から形成した多孔性金属基板は、それに導電性であるが電池環境での腐食に耐えるめっき材料を更に追加してめっきすることがある。多孔性金属基板をめっきするのに使える材料の一例は、ニッケルを包含するがそれに限定するわけではない。
【0046】
負極の多孔性金属基板を形成するのに銅を用いることは、幾つかの重要な利点がある。銅は優れた電気伝導体である。それ故、基板材料としての利用は、負電極の抵抗を低下させる。このことは、内部散逸で浪費される電池の出力量を減少させ、増加した出力を有するNi−MH電池を提供する。
【0047】
銅は亦、展延性のある金属である。Ni−MH電池の充電及び放電の繰り返しにおける負電極の膨張及び収縮のため、展延性は非常に大切である。基板の柔軟性の増加は、膨張収縮の結果としての電極破壊から保護するのを助け、それにより電池の信頼性の改善をもたらす。
【0048】
増強された基板展延性は、基板表面上に圧着された活性水素貯蔵材料を、基板により高い信頼性で保持させる。このことは、活物質が基板上に圧着された後で負電極を焼結する必要性をほとんど無くし、電極製造工程を簡略化し経費を削減する。
【0049】
負電極の導電性は、活性メタル・ハイドライド材料を基板上に圧着(そして場合によっては焼結)した後で、負電極に銅めっきをすることにより増加させることが出来る。銅めっきは、パターンめっきで行なうことも出来るし、そうでないこともある。銅めっきは、電極導電性を増加させると同時に、活物質が基板に付着した状態を確実にするための追加の手段を提供する。
【0050】
此処で説明した負電極は角柱形Ni−MH電池及び円筒形捲回Ni−MH電池を含みまたそれらに限定されづ全てのNi−MH電池に適用できる。
【0051】
Ni−MH電池は、少なくとも一つの水酸化ニッケルから形成された活物質を有する正電極を用いる。正電極もまた、活性物質を保持する多孔性金属基板を含む。正電極は、活性正電極材料(粉末状の)を多孔性金属基板に圧入して形成することが出来る。正電極を正の電池端子に電気的に接続するために、一つ以上の電極タブを正電極に取り付けることが出来る。
【0052】
正電極で起こる反応は次の通りである:
【化2】
Figure 2004506813
水酸化ニッケル正電極は、米国特許番号5,344,728号及び5,348,822号(安定化した無秩序電極材料について記述している)及び米国特許番号5,569,563号及び米国特許番号5,567,549号に説明されており、これらの開示内容は引用して取り入れてある。
【0053】
正電極の導電性は、正電極の多孔性金属基板の導電性を増すことによって増加することが出来る。多孔性金属基板は網、格子、マット、箔、発泡体、板、及びエキスパンド金属を含むがそれだけに限定はされない。好ましくは、多孔性金属基板は発泡体である。ここに開示するのは、銅、銅めっきニッケル、又は銅−ニッケル合金から形成される多孔性金属基板からなる正電極である。一つ以上のこれらの材料から基板を形成することは、電池の正電極の導電性を増す。これは、内部出力消費に起因して浪費される電力量を低減し、それによりNi−MH電池の出力を増大させる。
【0054】
正電極の多孔性金属基板を厳しい電池環境から保護するために、多孔性金属基板は、導電性であるが電池環境における腐食に耐えられる材料でめっきすることが出来る。好ましくは、多孔性金属基板はニッケルでめっきされる。各正電極の導電性は、各正電極の活物質(即ち、水酸化ニッケル混合物)の導電性を増すことで増加させることがある。これは幾つかの方法で行なうことができる。活物質を更に導電性を良くする一つの方法は、活物質にニッケルめっき銅粉を添加することである。別の方法は、活物質に銅粉を添加し次いで正電極をニッケルめっきして、電極を厳しい電池環境から保護することである。活物質を更に導電性良くするもう一つの方法は、活物質に炭素粉末、銅めっき炭素粉、又はニッケルめっき炭素粉を添加することである。
【0055】
ここに開示した正電極は角柱形Ni−MH電池及び円筒形捲回Ni−MH電池を含みまたそれらに限定されない全てのNi−MH電池に適用できる。
【0056】
本発明の負極合金を採用した電池は、高出力を提供する。本発明者等は、本発明の負電極合金を採用することにより技術の最高水準に達した高出力電池は、1000〜2000W/kgを供給できる可能性があると確信している。この比出力は、高貯蔵容量であると同時に、超コンデンサに匹敵する電池を提供し、始動機用電池、ハイブリッド電気車両及び超コンデンサなどのニッケル−メタル・ハイドライド電池の更なる市場を開くものである。
【0057】
本発明は、好ましい実施態様及び手順との関連において説明したが、本発明をこの好ましい実施態様及び手順に限定することは意図されていないことを理解すべきである。反対に、以下に添付した特許請求の範囲により定義された本発明の精神と範囲内に含まれるであろう全ての代替物、変更物及び等価物を包含することを意図している。
【表1】
Figure 2004506813

【図面の簡単な説明】
【図1】先行技術による合金と本発明の合金に対して、放電率と放電容量との関係を図示したものである

Claims (15)

  1. 原子百分率において15〜19%Zr、14〜18%Ti、8〜12%V、6〜10%Cr、16〜20%Mn及び28〜33%Niを含有する電気化学的水素貯蔵合金。
  2. 前記合金が、17%Zr、16.5%Ti、10%V、8%Cr、18%Mn及び30.5%Niを含有する請求項1の合金。
  3. ニッケル−メタル・ハイドライド電池用の負電極であって:導電性基板;及び
    原子百分率において15〜19%Zr、14〜18%Ti、8〜12%V、6〜10%Cr、16〜20%Mn及び28〜33%Niを含有する電気化学的水素貯蔵合金;を含有する電極。
  4. 前記合金が、17%Zr、16.5%Ti、10%V、8%Cr、18%Mn及び30.5%Niを含有する請求項3の負電極。
  5. 前記基板が、網、格子、マット、箔、発泡体、板及びエキスパンド金属から成る群から選ばれた多孔質金属基板である請求項3の負電極。
  6. 前記多孔質金属基板が、ニッケル、銅、ニッケルめっきした銅、銅めっきしたニッケル又は銅−ニッケル合金から形成されている請求項5の負電極。
  7. ニッケル−メタル・ハイドライド電池において、前記電池が少なくとも一個の負電極を有し、前記少なくとも一個の負電極が基板と活性合金材料とを含有し、改良点が:
    前記合金が、原子百分率において15〜19%Zr、14〜18%Ti、8〜12%V、6〜10%Cr、16〜20%Mn及び28〜33%Niを含有する点である電池。
  8. 前記合金が、17%Zr、16.5%Ti、10%V、8%Cr、18%Mn及び30.5%Niを含有する請求項7のニッケル−メタル・ハイドライド電池。
  9. 前記基板が、網、格子、マット、箔、発泡体、板及びエキスパンド金属から成る群から選ばれた多孔質金属基板である請求項7のニッケル−メタル・ハイドライド電池。
  10. 前記多孔質金属基板が、ニッケル、銅、ニッケルめっきした銅、銅めっきしたニッケル又は銅−ニッケル合金から形成されている請求項9のニッケル−メタル・ハイドライド電池。
  11. 前記電池が、円筒形電池である請求項7の電池。
  12. 前記電池が、角柱形電池である請求項7の電池。
  13. 前記電池が、ハイブリッド電気自動車用電池である請求項7の電池。
  14. 前記電池が、始動機用電池である請求項7の電池。
  15. 前記電池が、超大容量蓄電器である請求項7の電池。
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