JP2004506707A - 芳香族炭化水素の気相部分酸化方法 - Google Patents

芳香族炭化水素の気相部分酸化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004506707A
JP2004506707A JP2002521176A JP2002521176A JP2004506707A JP 2004506707 A JP2004506707 A JP 2004506707A JP 2002521176 A JP2002521176 A JP 2002521176A JP 2002521176 A JP2002521176 A JP 2002521176A JP 2004506707 A JP2004506707 A JP 2004506707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
gas
reactor
phthalic anhydride
gas stream
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002521176A
Other languages
English (en)
Inventor
ペーター ロイター
ベルンハルト ウルリッヒ
トーマス ハイデマン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BASF SE
Original Assignee
BASF SE
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BASF SE filed Critical BASF SE
Publication of JP2004506707A publication Critical patent/JP2004506707A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/16Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation
    • C07C51/21Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen
    • C07C51/255Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen of compounds containing six-membered aromatic rings without ring-splitting
    • C07C51/265Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by oxidation with molecular oxygen of compounds containing six-membered aromatic rings without ring-splitting having alkyl side chains which are oxidised to carboxyl groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Abstract

本発明は、高められた温度で、芳香族炭化水素を接触気相部分酸化してカルボン酸又は無水カルボン酸に変換する方法に関するものであり、その際、エダクトが負荷されたガス流は、互いに別個でかつエダクトガス流に対して向流で導かれる1つ又はそれ以上の恒温浴を用いて温度調節される管束反応器に導通され、その際、気相酸化の選択率を制御するために、反応器出口の領域における恒温浴の温度と反応器から流出する生成物ガス流の温度との間の差が用いられる。

Description

【0001】
本発明は、熱媒体を用いて、反応相手を含有しているガス流に対して向流で導かれる1つ又はそれ以上の恒温浴中で温度調節される管束反応器中で、芳香族炭化水素を気相部分酸化してカルボン酸又は無水カルボン酸に変換する方法に関する。
【0002】
周知のように、多数のカルボン酸又は無水カルボン酸、例えば無水フタル酸(PSA)は、固定床反応器、好ましくは管束反応器中での接触気相酸化により工業的に製造される。この方法の場合に、一般に、分子酸素を含有しているガス、例えば空気及び酸化すべき出発物質からなる混合物は、反応器中に配置されている多数の管に導通される。管中には、一般に、少なくとも1つの触媒の積重ね物が存在する。温度調節するために、管は、熱媒体、例えば塩溶融物に囲まれている。このサーモスタット調節にもかかわらず、触媒積重ね物中では、触媒積重ね物の残りの部分中よりもより高い温度が支配する局所的な温度−極大、いわゆるホットスポット(Hot spots)が形成しうる。これらのホットスポットは、副反応、例えば出発物質の全燃焼の原因となるか、又は反応生成物から分離不可能であるかもしくは多くの費用を伴ってのみ分離可能である望ましくない副生物の形成をまねく。
【0003】
高すぎるホットスポット−温度は、一般に過剰酸化(Ueberoxidation)をまねき、ひいては達成可能な生成物収率並びに触媒運転時間の激しい減少をまねく。それに反して、低すぎるホットスポット−温度は、過小酸化生成物(Unteroxidationsprodukt)の多すぎる含量をまねき、それにより、生成物品質は決定的に妨害しうる。ホットスポット−温度は、空気流のエダクト負荷、エダクト/空気−混合物での触媒の負荷、触媒の老化状態、固定床反応器に特徴的な熱伝達状態(反応器管、塩浴)及び塩浴温度に依存する。
【0004】
ホットスポットを弱めるために、とりわけDE 25 46 268 A、EP 286 448 A、DE 29 48 163 A、EP 163 231 A、WO 98/37967、DE 41 09 387 A及びDE 198 23 362に説明されている、例えばPSA−製造の際に触媒積重ね物における異なる活性の触媒の層状配置という、多様な措置が講じられていた。
【0005】
気相酸化の制御は、実地において塩浴温度を介して行われる。これは、それぞれ個々の反応器について具体的な技術的条件下に粗生成物分析及び最終生成物分析を用いて算出される。塩浴温度は、僅かな過剰酸化若しくは全酸化が生じ、かつ過小酸化生成物により、生成物の品質が所望の最大限度を越えて妨害されない場合にのみ、正確に調節されている。
【0006】
しかしながら、制御のこの方法は、費用集約的及び時間集約的である。これは、その上、試料取出しと分析と評価との間に、操作がプロセスにおいて行われうる前に、明らかな期間が経過するという欠点を有する。
【0007】
これらの理由から、DE 41 09 387 CにはPSA−製造のために、現行のホットスポット−温度及びo−キシレン−濃度並びに標準−o−キシレン−濃度でのホットスポット温度若しくは塩浴温度の標準値及び時間に依存した見かけの活性化エネルギーを互いに関連づける式を用いて、目下調節すべき塩浴温度を達成することが提案されている。使用された式は、触媒の時間的に線形の老化に並びに最適な塩浴温度がo−キシレン−空気混合物の体積速度に独立しているという仮定に起因している。これらの条件若しくは仮定下に、この印刷物において展開された数学的表現[T(ホットスポット)−T(塩浴)]/o−キシレン−濃度は、関連する反応速度定数に比例した大きさを表す。しかしながら、そのような仮定は、実地において示されたように、一般化可能ではない。
【0008】
それゆえ、本発明の課題は、芳香族炭化水素の接触気相部分酸化の際に、時間集約的でも費用集約的でもなく、かつ単純な方法で酸化の制御を可能にする、管束反応器を温度制御するための簡単に実施すべき方法を提供することである。
【0009】
この課題は、高められた温度で芳香族炭化水素を接触気相部分酸化してカルボン酸又は無水カルボン酸に変換する方法により解決され、その際、エダクトが負荷されたガス流は、互いに別個で及びエダクトガス流に対して向流で導かれる1つ又はそれ以上の恒温浴を用いて温度調節される管束反応器に導通され、その際、気相酸化の選択率を制御するために、反応器出口の領域における恒温浴の温度と反応器から流出する粗生成物ガス流の温度との間の差が用いられる。以下に、これらの気相酸化の際に好ましい恒温浴、すなわち塩浴も言及される。
【0010】
本発明に基づいている思想は、反応器出口の領域における恒温浴の温度並びに反応器から流出する生成物ガス流のガス温度が測定されることによって(後者のガス温度はホットスポット−温度とは異なる)、最適な塩浴温度を算出することにある。測定された温度の差から、最適な塩浴温度に問題なく調節されることができる。
【0011】
すなわち、常法で粗生成物ガス分析において見出された副生物(過小酸化生成物又は場合により過剰酸化生成物も)の含量が、反応器出口での塩浴温度及び反応器から流出する粗生成物ガス流の温度からの温度差と相関することが見出された。過小酸化された生成物の割合が相対的に高い場合には、温度差は相対的に低く;それに反して過小酸化された生成物の割合が低い場合には、温度差は相対的に高い。本発明により調節すべき温度差の極限値は、反応器に特異的な状況及び当該の気相酸化に依存する。
【0012】
恒温浴は、エダクトを含有しているガス流に対して向流で導かれ、かつ熱排出するために冷却されなければならない。これは、公知方法で内部又は外部冷却系によりもたらされ、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第5版, vol. A 20, 186頁参照。恒温浴の本発明によれば決定的な温度は、双方の場合に、反応器出口の領域に存在する。外部冷却を有する反応器の場合に、反応器出口の領域において行われる反応器に入る恒温浴の温度を考慮することが有利である。温度は恒温浴が冷却系を通り抜けた後及び反応器に入る前の点で測定されることを理解されるべきである。しかし、温度は、反応器に入った後でも測定されることができる。これは、互いに別個の循環路を有する2つ又はそれ以上の恒温浴の使用の際にも適用される。温度差に決定的な測定値は、反応器出口の近くにある恒温浴から、すなわち反応器出口の領域において得られる、以下に説明された図も参照。
【0013】
好ましくは、温度差は、当該の気相酸化に特徴的な副生物、一般に過小酸化生成物又は過剰酸化生成物が、あらかじめ決定された濃度範囲で生成物ガス流中に含まれているように選択される。濃度範囲は、当該の気相酸化に依存しており、そのうえ、所望の生成物仕様に従う。
【0014】
好ましくは、o−キシレン、ナフタレン又はその混合物から無水フタル酸を製造するための本発明による方法が利用される。o−キシレンの使用の場合にはフタリドが、かつナフタレンの使用の場合にはナフトキノンが特徴的な過小酸化生成物である。
【0015】
本発明による方法は、有利には、ベンゼンからの無水マレイン酸(過小酸化生成物:フラン);ピロメリト酸無水物(過小酸化生成物:4,5−ジメチルフタル酸無水物);トルエンからの安息香酸(過小酸化生成物:ベンズアルデヒド);m−キシレンからのイソフタル酸(過小酸化生成物:イソフタルジアルデヒド);及びテレフタル酸(過小酸化生成物:テレフタルジアルデヒド)の製造に有用でもある。
【0016】
o−キシレン又はナフタレンからのPSAの製造の際に、温度差は、フタリド若しくはナフトキノン含量が、特定の極大値(例えばPSAの仕様において規定された値)を上回らないように大きく選択される。高い温度差の場合には、確かにフタリド含量若しくはナフトキノン含量は極めて低いが、しかし同時にPSA−収率も減少する。それゆえ、実地において、温度差は、フタリド含量若しくはナフトキノン含量とPSA−収率との間の釣り合いのとれた状態が存在するように選択される。これは、温度差が、フタリド含量若しくはナフトキノン含量がそれぞれPSAに対して、0.05%〜0.30%、好ましくは0.1%〜0.20%の範囲であるように選択されている場合が好ましい。しかしながら、それぞれの位置での無水フタル酸−仕様に応じて、上部若しくは下部極限値も、生成物ガス流の他のフタリド含量若しくはナフトキノン含量で規定されることができる。
【0017】
調節すべき温度差の好ましい上部極限値は、本発明によれば、触媒の準備期間(Hochfahren)間に、0.05%、好ましくは0.1%のフタリド含量若しくはナフトキノン含量をもたらす温度差が算出されることにより、規定されることができる。
【0018】
調節すべき温度差の本発明によれば好ましい下部極限値は、0.30%、好ましくは0.20%のフタリド含量若しくはナフトキノン含量を有する生成物ガス流をもたらす温度差の値が算出されることにより、得ることができる。
【0019】
PSAと違った生成物の製造の際に、類似の方法で進められる。
【0020】
本発明による方法において、温度差の調節すべき範囲の上部及び下部極限値が規定されている場合には、気相酸化の間に、本発明による方法のさらなる実施の際に、特に標準負荷の達成後に、粗生成物ガス流を分析することなく、最適な塩浴温度は、算出された極限値の間にある温度差が実現されることにより調節することが可能である。
【0021】
触媒として、酸化物担持触媒が適している。o−キシレン又はナフタレンの気相酸化による無水フタル酸の製造のために、ケイ酸塩、炭化ケイ素、磁器、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、二酸化スズ、ルチル、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム(凍石)、ケイ酸ジルコニウム若しくはケイ酸セリウム又はその混合物からなる球状、環状又はシェル状の担体が使用される。触媒活性成分として一般に、特に鋭錐石変態の形の二酸化チタンに加えて、五酸化バナジウムが利用される。さらに、触媒活性組成物中に、助触媒として、例えばこれらが活性を低下させるか又は高めることによって、触媒の活性及び選択率に影響を及ぼす僅少量の多数の他の酸化物化合物が含まれていてよい。そのような助触媒は、例えばアルカリ金属酸化物、酸化タリウム(I)、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化スズ、酸化銀、酸化銅、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化イリジウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ヒ素、酸化アンチモン、酸化セリウム及び五酸化リンである。アルカリ金属酸化物は、例えば、活性を低下させかつ選択率を高める助触媒として作用するが、それに対して、酸化物リン化合物、特に五酸化リンは、触媒の活性を高めるが、しかしその選択率を低下させる。有用な触媒は、例えばDE 25 10 994、DE 25 47 624、DE 29 14 683、DE 25 46 267、DE 40 13 051、WO 98/37965及びWO 98/37967に記載されている。特に、触媒活性組成物がシェル状で担体に施与されているいわゆるシェル(Schalen)触媒が有効であることがわかった(例えばDE 16 42 938 A、DE 17 69 998 A及びWO 98/37967参照)。
【0022】
前記の他の生成物についての触媒は、V/MoO(無水マレイン酸)、V(ピロメリト酸無水物、DE 1593536参照)、Co−ナフテン酸塩(安息香酸)及びCo−Mn−Br−触媒(イソフタル酸及びテレフタル酸)である。
【0023】
反応のために、触媒は管束反応器の管中へ充てんされる。こうして準備された触媒積重ね物を経て、反応ガスは、高められた温度で及び高められた圧力で導通される。反応条件は、所望の生成物及び反応状況、例えば触媒、エダクトでの負荷等に依存しており、かつ常用の参考書、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、VCH Verlagsgesellschaftが引き合いに出されうる。o−キシレンからのPSAの製造は、一般に300〜450℃、好ましくは320〜420℃及び特に好ましくは340〜400℃の温度で及び一般に0.1〜2.5bar、好ましくは0.3〜1.5barの超過圧で、一般に750〜5000h の空間速度で行われる。
【0024】
触媒に供給された反応ガスは、一般に、酸素以外にさらに適した反応減速材及び/又は希釈剤、例えば蒸気、二酸化炭素及び/又は窒素を含有していてよい分子酸素を含有しているガスを、酸化すべき芳香族炭化水素と混合することにより発生する。反応ガスは、一般に酸素1〜100mol%、好ましくは2〜50mol%及び特に好ましくは10〜30mol%を含有する。一般に、反応ガスは、酸化すべき芳香族炭化水素5〜120g/Nmガス、好ましくは60〜120g/Nmガス及び特に好ましくは80〜115g/Nmガスで装填される。
【0025】
様々な活性の2つ又はそれ以上の触媒を、触媒積重ね物中にか又は2つ若しくはそれ以上の別個の反応器中に層状に配置することは有利であることが判明し、その際、触媒は、一般に、反応ガス混合物がまず最初にあまり活性でない触媒(第一の反応帯域)と及びそれに引き続いて初めてより活性な触媒(第二の反応帯域)と接触するように配置されている。反応ガスの入口の近くにある第一の反応帯域は、一般に全触媒体積の30〜80%を含み、かつ第二の反応帯域よりも1〜20℃だけ、好ましくは1〜10℃及び特に2〜8℃だけより高い反応温度にサーモスタット調節されていてよい。選択的に、双方の反応帯域は同じ温度を有する。一般に、PSAの製造の際に第一の反応帯域においてアルカリ金属酸化物でドープされた五酸化バナジウム/二酸化チタン−触媒及び第二の反応帯域において僅かなアルカリ金属酸化物で及び/又はリン化合物でドープされた五酸化バナジウム/二酸化チタン−触媒が使用される。
【0026】
反応は、一般に、温度調節により、第一の帯域において反応ガス中に含まれている最も多くの部分の芳香族炭化水素が最大収率で反応されるようにして制御される。
【0027】
2つ又はそれ以上の帯域を有する反応器形式の場合に、特に好ましくは、反応器出口にある塩浴若しくは第二の反応器の塩浴温度は、反応器入口にある塩浴若しくは第一の反応器の塩浴温度を変更せずに調節される。
【0028】
次の実施例は、制限することなく本発明を説明する。
【0029】
製造例
PSAの製造のための触媒I及びIIの製造
触媒I(この触媒Iから、2つの部分を製造した):8mmの外径、6mmの長さ及び1.5mmの壁厚を有する凍石(ケイ酸マグネシウム)−リング50kgを、コーティングドラム中で160℃に加熱し、かつ20m/gのBET表面積を有する鋭錐石28.6kg、シュウ酸バナジル4.11kg、三酸化アンチモン1.03kg、リン酸二水素アンモニウム0.179kg、硫酸セシウム0.184kg、水44.1kg及びホルムアミド9.14kgからなる懸濁液で、施与された層の質量が450℃でのか焼後に完成した触媒の全質量の10.5%であるまで、噴霧した。
【0030】
このようにして施与された触媒活性組成物、すなわち触媒シェルは、リン0.15質量%(Pとして算出)、バナジウム7.5質量%(Vとして算出)、アンチモン3.2質量%(Sbとして算出)、セシウム0.4質量%(Csとして算出)及び二酸化チタン89.05質量%からなっていた。
【0031】
触媒II:8mmの外径、6mmの長さ及び1.5mmの壁厚を有する凍石(ケイ酸マグネシウム)−リング50kgを、コーティングドラム中で160℃に加熱し、かつ11m/gのBET表面積を有する鋭錐石28.6kg、シュウ酸バナジル3.84kg、三酸化アンチモン0.80kg、リン酸水素アンモニウム0.597kg、水44.1kg及びホルムアミド9.14kgからなる懸濁液で、施与された層の質量が450℃でのか焼後に完成した触媒の全質量の12.5%であるまで、噴霧した。
【0032】
このようにして施与された触媒活性組成物、すなわち触媒シェルは、リン0.50質量%(Pとして算出)、バナジウム7.0質量%(Vとして算出)、アンチモン2.5質量%(Sbとして算出)及び二酸化チタン90.0質量%からなっていた。
【0033】
実施例及び比較例:
例は、図に関して以下に記載されている。これは、PSA−反応器の断面図を略示的に示している。
【0034】
PSAの製造
反応器1は、2つの管板3により区切られている円筒形の区間2を有する。円筒形の区間中で、25mmの内法の幅を有する多数(本実施例において100)の円筒形の鉄管4が管板3の間に延在している。鉄管4中には、それぞれ触媒II 1.30m及び引き続いて触媒I 1.60mが3.85m長さの鉄管のそれぞれに下から上へ充てんされていた。鉄管は、2つの別個の塩浴13及び14に分割されていた塩溶融物に温度調節のために囲まれていた。
【0035】
双方の塩浴は、ポンプ11及び12を用いてポンプ循環される。塩浴13及び14への投入はポート5若しくは6を経て、排出はポート7若しくは8を経て行われる。排出後に、塩浴は、熱交換器9若しくは10を経て導かれる。温度差の算出のための測定位置は、T2は下部塩浴13の入口で及びT3は生成物ガス流の出口であった。さらにまた、反応器中への上部塩浴14の投入の際の温度も測定した(測定位置T1)。
【0036】
反応器に、エダクトガス流15を用いて送入した。管4に、毎時、管当たり4.0Nm−空気を、1Nm−空気当たり98.5質量%のo−キシレン50〜約80gの負荷で上から下へ導通した。その際、次の表にまとめられた結果が得られた(操作日数=触媒の最初の準備期間からの運転日数;ガス出口−T=反応器端部(測定位置T3)での粗生成物ガス温度;SBT上部=反応器入口の近くにある塩浴14中への投入の際の塩溶融物の温度(測定位置T1);SBT下部=反応器出口の近くにある塩浴13中への投入の際の塩溶融物の温度(測定位置T2);PHD−含量=無水フタル酸に対する粗生成物ガスのフタリド含量;温度差=SBT下部及びガス出口−Tからの差)。
【0037】
上部PHD−値として0.30%及び下部PHD−値として0.05%が当てはまる条件下に、触媒の最適な運転状態は、温度差が13℃〜15℃である場合に達成される。温度差が13℃を下回る場合には、不満足な品質(高すぎるPHD−値)を有するPSAが得られ、温度差が15℃を上回る場合には、触媒は、不必要な熱負荷にさらされ、かつ達成可能なPSA−収率は低下した。
【0038】
【表1】
Figure 2004506707
【0039】
【表2】
Figure 2004506707
【0040】
* PHD−含量>0.30% => 触媒は不活性すぎ、SBTを上昇させなければならない;
** 気相中PHD−含量<0.05% => 触媒温度は高すぎ、SBTが低下しうる。
【0041】
表は、温度差にフタリド含量が依存することを示している。フタリド含量が所望の値を上回る場合に(例えば>0.30%)、触媒は不活性すぎ、かつ塩浴温度を上昇させなければならない。フタリド含量が所望の値を下回る場合に、触媒は、高すぎる温度で運転され、かつ塩浴温度を低下させなければならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
PSA−反応器の略示断面図。
【符号の説明】
1 反応器、 2 円筒形の区間、 3 管板、 4 鉄管、 5〜8 ポート、 9、10 熱交換器、 11、12 ポンプ、 13、14 塩浴、 15 エダクトガス流、 T1、T2、T3 測定位置

Claims (9)

  1. エダクトが負荷されたガス流を、互いに別個でかつエダクトガス流に対して向流で導かれた1つ又はそれ以上の恒温浴を用いて温度調節される管束反応器に導通することによって、高められた温度で芳香族炭化水素を接触気相部分酸化してカルボン酸又は無水カルボン酸に変換する方法において、
    気相酸化の選択率を制御するために、反応器出口の領域における恒温浴の温度と反応器から流出する生成物ガス流の温度との間の差を採用することを特徴とする、高められた温度で芳香族炭化水素を接触気相部分酸化してカルボン酸又は無水カルボン酸に変換する方法。
  2. 温度差を、当該の気相酸化に特徴的な副生物があらかじめ決定された濃度範囲で生成物ガス流中に含まれているように選択する、請求項1記載の方法。
  3. 無水フタル酸へのo−キシレンの気相部分酸化の際に、温度差を、無水フタル酸のフタリド含量が、無水フタル酸に対して0.05%〜0.3%の範囲内であるように選択する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 温度差を、生成物ガス流のフタリド含量が、無水フタル酸に対して0.1%〜0.2%の範囲内であるように選択する、請求項3記載の方法。
  5. 無水フタル酸へのナフタレンの気相部分酸化の際に、温度差を、生成物ガス流のナフトキノン含量が、無水フタル酸に対して0.05〜0.3質量%の範囲内であるように選択する、請求項1又は2記載の方法。
  6. 温度差を、生成物ガス流のナフトキノン含量が、無水フタル酸に対して0.1〜0.2質量%の範囲内であるように選択する、請求項5記載の方法。
  7. 反応を五酸化バナジウム/二酸化チタン−担持触媒上で行う、請求項3から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 反応を300℃〜450℃で行う、請求項3から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 反応を0.1〜2.5barの超過圧で行う、請求項3から8までのいずれか1項記載の方法。
JP2002521176A 2000-08-21 2001-08-20 芳香族炭化水素の気相部分酸化方法 Withdrawn JP2004506707A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE10040818A DE10040818A1 (de) 2000-08-21 2000-08-21 Verfahren zur Gasphasenpartialoxidation von aromatischen Kohlenwasserstoffen
PCT/EP2001/009585 WO2002016300A1 (de) 2000-08-21 2001-08-20 Verfahren zur gasphasenpartialoxidation von aromatischen kohlenwasserstoffen

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004506707A true JP2004506707A (ja) 2004-03-04

Family

ID=7653146

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002521176A Withdrawn JP2004506707A (ja) 2000-08-21 2001-08-20 芳香族炭化水素の気相部分酸化方法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US20030176715A1 (ja)
EP (1) EP1311466A1 (ja)
JP (1) JP2004506707A (ja)
KR (1) KR20030027050A (ja)
CN (1) CN1191223C (ja)
AU (1) AU2001291779A1 (ja)
DE (1) DE10040818A1 (ja)
MX (1) MXPA03001300A (ja)
WO (1) WO2002016300A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2717768T3 (es) 2013-06-26 2019-06-25 Basf Se Procedimiento para el arranque de un reactor de oxidación en fase gaseosa
CN109369544B (zh) * 2018-12-05 2022-06-03 兰州大学 一种催化氧化制备5-甲基吡嗪-2-羧酸的方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2546268C3 (de) * 1975-10-16 1983-11-24 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur Herstellung von Phthalsäureanhydrid aus o-Xylol oder Naphthalin
AU529228B2 (en) * 1977-07-13 1983-06-02 Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co. Ltd. Catalytic vapour phase oxidation
JPS603307B2 (ja) * 1978-11-29 1985-01-26 株式会社日本触媒 無水フタル酸の製造方法
DE4109387C2 (de) * 1991-03-22 1998-04-30 Buna Sow Leuna Olefinverb Gmbh Verfahren zur Temperatursteuerung von Salzbadröhrenreaktoren für die Phthalsäureanhydrid-Synthese
JP4025891B2 (ja) * 1997-02-27 2007-12-26 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 芳香族炭化水素の接触気相酸化用シェル触媒の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20030027050A (ko) 2003-04-03
CN1447785A (zh) 2003-10-08
WO2002016300A1 (de) 2002-02-28
MXPA03001300A (es) 2003-06-24
AU2001291779A1 (en) 2002-03-04
US20030176715A1 (en) 2003-09-18
CN1191223C (zh) 2005-03-02
DE10040818A1 (de) 2002-03-07
EP1311466A1 (de) 2003-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6700000B1 (en) Method for producing phthalic anhydride
KR100799790B1 (ko) 프탈산 무수물의 제조 방법
US6362345B1 (en) Method for producing phthalic anhydride by means of catalytic vapor-phase oxidation of o-xylol/naphthalene mixtures
US6380399B1 (en) Process for producing phthalic anhydride
JP5204356B2 (ja) 特に接触気相反応用の多管式固定床反応器
US7371893B2 (en) Production of aldehydes, carboxylic acids and/or carboxylic acid anhydrides by means of catalysts containing vanadium oxide, titanium dioxide, and antimony oxide
US6586361B1 (en) Multilayered shell catalysts for catalytic gaseous phase oxidation of aromatic hydrocarbons
TWI453190B (zh) 起動氣相氧化反應器之方法
JP4559736B2 (ja) 無水フタル酸の製造法
WO1998017608A1 (fr) Procede d'oxydation en phase gazeuse et procede de preparation d'anhydride phtalique
JP2009541245A (ja) 触媒系及びカルボン酸及び/又は無水カルボン酸の製造法
US8859459B2 (en) Multilayer catalyst for preparing phthalic anhydride and process for preparing phthalic anhydride
US20160145226A1 (en) Process for preparing phthalic anhydride
ZA200601747B (en) Catalyst for gas phase oxidations
KR20090014298A (ko) o-크실렌 기상 산화에 의한 프탈산 무수물의 제조
JP4557378B2 (ja) 無水フタル酸の製造方法
TWI641587B (zh) 用於起動氣相氧化器之方法
JP2004506707A (ja) 芳香族炭化水素の気相部分酸化方法
MX2007016471A (es) Metodo para poner en funcionamiento catalizadores de oxidacion.
JP5879342B2 (ja) 無水フタル酸を製造するための多層触媒、及び無水フタル酸の製造方法
JP3298609B2 (ja) 無水フタル酸製造用触媒およびそれを用いてなる無水フタル酸の製造方法
JPH0371173B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081104