JP2004506102A - 塗工された繊維ウエブの製造方法、改良された抄紙機又は板紙機械、及び塗工された紙又は板紙 - Google Patents

塗工された繊維ウエブの製造方法、改良された抄紙機又は板紙機械、及び塗工された紙又は板紙 Download PDF

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Abstract

本発明は、表面サイズされた紙ウエブを製造するための方法及び改良された抄紙機に関する。パルプが添加剤及び/又は填料及び/又は微細繊維を混ぜられ、ヘッドボックス(100)からワイヤ部(200)へ供給されて、ウエブ(W)から水が取り除かれる。ワイヤ部(200)からウエブ(W)は、ウエブ(W)から水をプレスするためにプレス部(300)へ案内される。そしてウエブ(W)は、フロント・ドライング部(400)で乾燥され、するとウエブ(W)は塗工部(500)で表面塗工され、ポスト−ドライング部(600)で乾燥される。最終的に、ウエブ(W)は巻取り機(800)で巻き取られる。本発明によれば、ヘッドボックス(100)において、澱粉及び任意的なハイドロフォビックサイズが混合されて、ワイヤ部(200)へ供給されるべきパルプ中へ積層され、その結果、ウエブ(W)の少なくとも1つの側において、本質的に密集した表面が形成され、その上における表面塗工で塗工ペーストが塗られ、高乾燥体含有を備え、それによってボンドがベース紙及び表面上に塗られている表面塗工層の間でウエブ(W)の内部におけるz方向に得られる。表面サイズされた紙に関し、本発明によれば、表面塗工層及びベース紙の間でz方向にボンドが在る。

Description

【0001】
本発明は、クレーム1の導入部にあるように紙又は板紙ウエブの如き塗工された繊維ウエブの製造、クレーム10の導入部にあるように改良された抄紙機又は板紙機械、及びクレーム19の導入部にあるように塗工された紙又は板紙に関する。
【0002】
本発明の方法及び抄紙機又は板紙機械は、下塗りにより従来の方法が紙又は板紙の質を改良する異なる紙階級及び板紙階級の製造に極めて大きく適用される。典型的なそのような筆記用紙及び印刷用紙は、当業者にとって周知の上級紙、LWCベース紙、又は改良された新聞用紙である。様々な板紙階級の塗工も近年増加している。しかしながら、以下の本発明では、主として上級紙との関係で説明するが、これは本発明の範囲を限定するものではない。
【0003】
本明細書では、上級紙は、塗工されていない上級紙及び塗工されている上級紙を意味する。塗工されている上級紙の重量は60...250g/mであるのに対し、塗工されていない上級紙の重量は、通常は40...230g/mである。上級紙を製造するための典型的なパルプは、化学繊維を含み、化学繊維は、例えばカンバ属及びユーカリ類の木から得られた短い繊維で、これに針葉樹材から得られた長繊維材料を追加している。
【0004】
機械パルプのシェアは通常は10%以下である。填料の約15−30%がパルプに追加され、填料はストーン、炭化カルシウム、カオリン、及び/又は他の好適な鉱物顔料であろう。最近、上級紙の製造者は、より多くのリサイクル繊維を使用し始めた。
【0005】
上述したように、本発明の方法及び抄紙機は、有利にも、下塗りされた上級紙と均等の紙の製造のために用いられる。この出願では、伝統的な下塗りが、ウエブの更なる処理において有利なある特性を備えたウエブ表面を提供する点で使用される。このような特性は、例えば、所望の表面有孔度及び例えばコッブ−ウンガー方法による計測等の所望のオイル吸収レベルに伴った管孔サイズ配分である。顔料被覆度もまた観測すべき特性である。下塗り工程を含む伝統的な製造処理を用いるときに、伝統的な下塗りが適用されない本発明による上級紙の製造処理によって、均等値が前記特性のためにこのように得られる。
【0006】
塗工された上級紙と共に、本発明はまた、機械パルプを含む紙階級であって、製造処理の最終段階において塗工された紙階級へ有利にも適用できる。LWC及びMWCが典型的なそのような紙階級である。
【0007】
本発明による方法及び装備によって、如何なる表面−サイジングユニットなしに、前よりも良好な新聞用紙を作ることが可能となる。本発明の重要性は、段々迅速な新聞用紙機又はより薄くなる新聞用紙によってより重要となる。4つのカラー印刷は、前よりも硬く高密度の表面を要求する。知られているように、ウエブの表面処理によってこれが得られることが以前に提案されている。
【0008】
前よりも良好な印刷表面は、より多くは板紙の要求である。本発明は、板紙機のドライエンドにおける高価な出資なくこの点で良好な可能性を提供する。マルチ層の板紙の製造にとって本発明はまた有利な解決を提供し、マルチ層の板紙の表面層を形成するウエブの印刷特性を改良する。マルチ層の板紙の内部薄層強度はまた、ウエブ表面へ例えば澱粉を供給して改良され得る。
【0009】
従来の周知の抄紙機又は板紙機では、短い循環及び他のパルプシステムが、繊維、填料、微細繊維および出来るだけ均質のパルプへの添加剤を、抄紙機又は板紙機のヘッドボックスに提供するために混合するように通常構成されている。マルチ層ウエブフォーメーションにおいて1つのヘッドボックス又はより多くのヘッドボックスの何れかに異なる繊維懸濁液を供給するために幾つかの別々のパルプシステムを使用することが知られている。ヘッドボックスは、ウエブのディウォータリング及びクーチングが開始するウエブ部分に均等にパルプ懸濁液を帰着することを広げる。従来の技術として、長網ワイヤ、ハイブリッド・フォーマー、ジョー・フォーマー等の幾つかのワイヤ部分や様々なタイプのフォーマーが当業者に知られている。板紙機は、幾つかのワイヤユニットを備えることができる。本発明の観点からは、最も有利なフォーマーはジョーフォーマーであり、ヘッドボックスによって形成されたリップ放出が2つのワイヤの間で走行しており、水の多くが前記ワイヤの間の2方向に取り除かれる。有利なジョーフォーマーの解決が、L.VerkasaloのEfficient Forming at High Speeds, XI Valmet Paper Technology Days 1998に説明されている。周知の従来の解決では、例えば、フォーマーのディウォータリング要素の位置及び負圧によって、ウエブの厚さ方向に繊維及び填料の配分を制御することが部分的に可能である。填料は多くの場合に、ディウォータリング段階においてウエブの表面において豊富にある。
【0010】
マルチ層ヘッドボックスは、従来技術中にあるように知られており、その1つがM.Odellの「Multilayering, Method or Maddness?, XI Valmet Paper Technology Days 1998」に示されており、P.Ahonenの「Challenges for Digital Printing Paper XI Valmet Paper Technology Days 1998」に示されている。使用するマルチ層のヘッドボックスの所望の層構造は、ワイヤ間のスペースへ積層されたパルプを与えることによってウエブ中にもたらされるものである。特に、幾つかの板紙階級によって、幾つかの異なるヘッドボックス及びワイヤユニットが、層構造をもたらすためにマルチ層ヘッドボックスの代りに用いられている。
【0011】
ワイヤ部分から、ウエブがプレス部分へ持って行かれ1以上のフェルトに対してウエブに圧力が作用して水がウエブから取り除かれる。当業者にとって、幾つかの異なる従来技術のプレス解決、例えば、ロールニップに基づいており、商標SymPressIIを付けて市場に出されている出願人のプレスが知られている。最近、良好なディウォータリング能力及び/又はウエブの嵩保存能力のために、ロールニップの代りに、周知のロングニップの全ての紙及び板紙階級による使用が増加している。
【0012】
知られている抄紙機及び板紙機においてドライ部分は通常は、1及び/又は2つのワイヤ伝達を用いた伝統的なドライ部分によって形成されており、ワイヤが加熱されたシリンダ表面に対してウエブをプレスするように、ドライングは主としてシリンダドライングとして行われる。最近、全ドライング部分を通じて単一−ワイヤ伝達の使用が、高速度で増加している。最も最近の解決、例えば、特許出願PCT/FI98/00945は、高蒸発速度及び短いドライング部分を獲得するために、シリンダドライングとブローイング−オンの組み合わせを提案している。
【0013】
幾つかの知られている解決では、紙ウエブは、ドライング部分からプレ−カレンダへ案内され、硬ニップ又は軟ニップを有するカレンダであり、紙ウエブは平滑な紙ウエブ表面を得るためにロール間のニップから案内される。プレ−カレンダはまた、ゆるんだウエブ又は他のパルプ成分をウエブ表面に対ししっかりと留め、同時に、多くの階級にとって重要であるベース紙及びたるんだウエブ嵩における密度相違を引き起こす。プレ−カレンダ掛けは特に、所謂ブレードラインを避けるためにブレード塗工を使用するときにウエブを塗工する前に重要である。
【0014】
知られている技術では、ドライング部分又はプレカレンダ掛けの後に、出願人のトレードネームOptiSizerの下販売されているフィルムサイズプレスの適用装置を使って、ウエブ表面が澱粉又は顔料解決を伴ってウエブ表面を下塗りされる。この段階で、プレ−塗工が典型的にはウエブの両側に同時になされるが、ウエブ表面は連続的なユニット中で別々にプレ−塗工されてもよい。紙ウエブは、インフラ乾燥機、空気伝達乾燥機、これらに引き続くシリンダの短いバンクを用いて、乾燥される。
【0015】
そして、従来技術で知られているように、ウエブは、ブレード、ロール又はジェットコーティングユニットによって表面塗工され、シリンダードライングと同様にインフラ乾燥機及び空気伝達乾燥機を用いて乾燥される。乾燥された紙又は板紙ウエブは巻き取られ、所望の平滑性及び光沢の階級を紙又は板紙に与えるマルチニップが引き続く。オンライン・カレンダ掛けはまた、最近、より広範な使用になった。
【0016】
一方、幾つかの知られている従来技術では、カレンダ及びリールアップがしばしばドライング部の後に引き続く。そして、アンワインダーが引き続き、ウエブがオフライン塗工部へ案内される。異なる従来の知られている塗工部がある。1つの知られている解決では、紙ウエブの一面の下塗りが最初に実行され、ドライング部が引き続き、そして紙ウエブの他面が下塗りされ、ドライング部が引き続く。下塗りされたウエブの結果、他の塗工層と共に最終的に塗工され、ウエブは乾燥され巻き取られる。ウエブのカレンダ掛け及び巻き取りと同様に、アンワインディングが引き続く。ドライング部の後の最終的な機械は、このように、オンライン又はオフライン機械とすることができる。
【0017】
従来技術において知られているように、塗工の前に、紙はこのように多孔性であり、ディウォータリング及びドライング処理の後に紙ウエブは実際の表面塗工の前に下塗りされる。これはまた、下塗りの後に紙は乾燥されていなければならないことを意味し、紙を塗工することが、紙ウエブ表面に追加され得る。これらの段階に必要とされる装備及びウエブ伝達は、上級紙製造ラインの長さに十分に考慮されて加えられる。上級紙のこの二重塗工、即ち下塗り及び実際の表面塗工は、塗工された紙表面を獲得する点で、印刷基準として物理的及び視覚的に平坦であるという狙いがある。前記塗工処理中の下塗りの最も重要な任務は、基準の紙又は板紙の表面構造中に存在する孔を適切に減少することであり、その結果、表面塗工は表面に残り、紙又は板紙構造へ没することはない。もし塗工が紙又は板紙構造中で極めて不均一に分布されると、紙又は板紙は表面塗工された後でさえも不均一となり、例えば、光沢斑点や他の視覚的欠陥をもたらすであろう。均一下塗りは、均一表面塗工のための前提条件であるため、例えば、フィルム伝達技術を用いて、特に下塗り段階で望ましい特性である均一な表面塗工層及び良好な被覆性を得ることができる。下塗りの後、ウエブの表面塗工は、均一表面を獲得するために従来技術の知られたブレード塗工において実行される。しかしながら、紙又は板紙ウエブの異なる側がしばしば異なるステップで塗工され、紙又は板紙は3乃至4の異なるステップで塗工されるため、これは紙又は板紙仕上げラインにおいてスペースを必要とする。
【0018】
従来技術の知られた抄紙機及び板紙機では、サイズプレス又はフィルム伝達タイプの塗工機がこのように通常はウエブの下塗りに使用される。このため、表面サイズ又は幾つかの均等な塗工材料は水成の解決として1以上のステップで微細繊維及び繊維をウエブ表面に結びつけ、引き続く可能性ある塗工のための好ましい状況をもたらす目的で紙ウエブの両側に供給される。従来技術の知られた解決では、別々の下塗り機が使用され、抄紙機又は板紙機の長さ又は塗工ライン増加が問題である。これは、機械自体及び組み立ての双方の出資費用に加わる。再生におけるスペースの欠如は、実際には新技術の導入を妨げる。水成の問題はウエブにおいて広がり、ドライングが必要となり、双方が機械長を増加し、出資費用に加わり、乾燥エネルギの必要性を増加する。加えて、オープン伝達が抄紙機中に備えられ、ウエブ破断及び他の走行性問題を、特に高速度で紙階級が軽くなることと共に、引き起こすであろう。
【0019】
本発明に関連する従来技術として、出願人のフィンランド特許出願981330号及び981331号がある。フィンランド特許出願981330号は、今日の抄紙機よりも短い2000m/minを超過した速度で高効率で、良質の紙を作るために使用される統合された抄紙機を示している。
【0020】
フィンランド特許出願981331号は、特に、良好な光沢及び色粉体印刷のための好ましい有孔度と同様のコピー用紙特性を備えた紙の製造を意図した抄紙機を示している。
【0021】
図1は、従来技術における伝統的な紙の断面図である。表面サイジング層11を得るために、紙を通じて塗工ペーストの浸透を保証すべく、上級紙にとってベース紙1の今日の表面サイジングは、典型的には低乾燥体含有(8−12%)のペーストを用いる。これは、異なる側から紙へ圧縮されたサイズは紙の中部において適合し、紙の強さを増加するボンド2を形成する。このように、低乾燥体含有(8−12%)を使うことの目的は、適用すべき塗工ペーストの粘度を低くする。今日の技術では、これは、ペーストの乾燥体含有を増加するときに、サイズが紙の表面層に残り、所望のボンドが紙又は板紙の内部中に形成されないため、十分な強さの特徴を得るために必要である。
【0022】
低乾燥体含有(8−12%)のペーストの使用は、紙は至るところ湿られて、その後大きなドライングが必要となり、走行性問題が、ポスト−ドライング部内で起きるであろうことを意味する。塗工紙の乾燥体含有の増加のみで紙又は板紙へのペーストの浸透を減少し、z方向におけるより貧弱な強さの特徴を引き起こす。一方、澱粉の特徴を変えることのみによって高濃度の粘度の減少は、湾曲及びたるみ傾向の増加を導く。
【0023】
オフィス紙におけるベース紙又は板紙の問題は、z方向における紙又は板紙の分散、特に填料分散であり、塵の観点からはコピー紙において表面上に僅かな填料というタイプであるべきである。一方、オフィス紙では狙いは多くの仕方で紙又は板紙を使用することであり、紙又は板紙はインク−ジェット印刷の使用に適しているべきで、密度の高い表面を得るために填料が表面中で必要とされる。
【0024】
本発明の目的は、塗工ペーストの高乾燥体含有(15%以上、望ましくは15−25%)が、製造されたウエブの貧弱な強さ特徴又は貧弱なウエブ走行性を伴う含有なしに使用されるという、表面サイズされた紙又は板紙ウエブを作るための新しい種類の発明的な方法を提供することにある。本発明の特別な目的は、抄紙機又は板紙機の改良によって出資費用を減少することにあり、それは伝統的に下塗りを要求する紙又は板紙階級を作るために従来技術よりも短く、改良された抄紙機又は板紙機をもたらす。加えて、本発明の目的は、新しい種類の構造及び良好な強さ特徴を備え、極めて異なる使用目的に適している発明的な紙又は板紙をもたらすことにある。
【0025】
これらの目的は、紙又は板紙ウエブの如き塗工された繊維ウエブの製造の開始において示される方法で、それらの特徴部分は以下の独立請求項1の特徴部分に示されている方法、改良された抄紙機又は板紙機であって、それらの特徴部分は以下の独立請求項10の特徴部分に示されている機械、改良された塗工紙又は板紙であって、それらの特徴部分は以下の独立請求項19の特徴部分に示されている塗工紙又は板紙、によって成し遂げられる。
【0026】
本発明によって得られる重要な効果は以下の如くである。
・少量の塗工ペースト(g/m)がウエブに適用しその表面層に圧力をかけることが望ましいときに、高乾燥体含有(15%以上、望ましくは15−25%)の塗工ペーストからより高い乾燥体含有が引き続き、それはポスト−ドライングにとって殆ど必要性はなく、ポスト−ドライング部の良好な走行性をもたらす。
・中間層(z方向における強さの特徴)及び表面層(表面強さ)の化学物質を互いに独立に活用できる。
・シングル−ワイヤ伝達が使用されると、ポスト−ドライング部によって引き起こされる湾曲傾向は減少され、ポストドライングは殆ど必要とされない。湿らすことに基づいて要求される湾曲制御設備は放棄され得り、更にポストドライングへの必要性を減少する。
・生産されるべき紙は、複数−使用特徴(コピー、インクジェット)を有する。
【0027】
本発明によれば、パルプ中へ積層する填料及び添加剤は、マルチ層ヘッドボックスで使用され、パルプへの添加剤又は填料の混合はシングル層ヘッドボックスで使用され、仕上げ部で実行されるべき従来技術の下塗りに取って代る。填料及び添加剤の積層において、パルプは、本体又はベース層、即ち、ベース紙又は板紙の表面層及び中間層のために3つの異なるパルプフローへ分割することができ、所望の添加剤及び填料が、夫々、特に異なる種類の層構造をもたらす澱粉へ案内される。必要であれば、添加剤及び填料は、幾つかの異なる点から又は幾つかの異なる段階において、パルプフローへと供給され得る。本発明の有効的な適用によれば、微細繊維を追加してもよい。加えて、繊維層を有利にも本発明との関係で使用してもよく、繊維パルプは別々にベース紙又は板紙の表面層及び中間層のために分離され、所望のタイプの繊維パルプがベース紙又は板紙の表面層又は対応してベース紙又は板紙の中間層へ導かれる。加えて、従来技術における滞留体を表面へ填料及び微細繊維を結びつけるために使用してもよく、それらが紙又は板紙の表面層から水と共に離れてしまうことを防止することができる。滞留体は、層へ供給されてもよい。
【0028】
これゆえ、本発明によれば、下塗りは、抄紙機又は板紙機の最初の部分において統合されており、添加剤及び填料はウエブ製造の初期の段階で直ぐにウエブ表面へ案内される。このように、十分に小さい孔サイズが本体又はベース層の表面中、即ち、ベース紙又は板紙で得られ、その結果、適用すべき実際の表面塗工ペースト、望ましくは表面サイジングペーストがベース紙又は板紙の表面中に滞在する。このようにして、印刷処理にとって有利な表面が得られ、そこから印刷カラーはウエブ中に深く浸透することはない。
【0029】
本発明により、そのような孔サイズが、紙又は板紙中で得られ、本来の値の1/10である。ベース紙又は板紙の表面中の孔がとても小さく表面サイジングがそれらの中に浸透せずに表面上に残るときは、最適の表面サイジング被覆が得られる。これはヘッドボックス前にパルプフロー中へ添加剤及び填料を加えることによって、有利には同時に繊維層を用いて、可能性としてはベース紙又は板紙の表面層中に供給されるべきパルプフローへ微細繊維を加えることによって、得られる。
【0030】
このように、本発明では、下塗りはヘッドボックス中に供給されるべきパルプフロー中へ添加剤及び填料を積層することにより取って代られ、処理効率が向上し、出資費用が減少する。有利な適用によれば、下塗りがヘッドボックスのパルプフロー中へ添加剤及び填料を積層することによって取って代られる本発明による抄紙機又は板紙機は、マルチ層ヘッドボックス、ジョーフォーマー、プレス部、ドライング部、表面塗工部署、マルチニップカレンダ及び巻取り機を含む。
【0031】
本発明による方法では、短い循環及びヘッドボックスが適用され得り、添加剤、填料及び/又は微細繊維の積層を許容する。本発明の適用のために有利なそのようなパルプ供給配置は、フィンランド特許92729に示されている。填料、微細繊維及び添加剤がヘッドボックス自体中にのみ供給され得る。そのような配置は、欧州特許明細書824157に開示されている。短い循環配置が、従来技術にあるように一般的に既に知られているが、例えばフィンランド特許103676に開示され商標OptiFeedという名前で出願人によって販売されている短い循環に適用することは本発明との関連で特に有利である。OptiFeedを使って、配置パルプ容積は短い循環中で最小化され、そのため、例えば、本発明による抄紙機又は板紙機において例えばパルププロポーショニングにおける如何なる長い問題なしに、階級転換が迅速にされ得る。
【0032】
このように、本発明による抄紙機又は板紙機によれば、短い循環及びマルチ層ヘッドボックス又はシングル層ヘッドボックスがあり、少なくとも積層すること又は填料を混合することを許容する。使用されるフォーマーは望ましくは他のフォーマーよりも高速度で、両側でディウォータリングを実行できるジョーフォーマーであり、それによって均整のある紙が得られる。そのようなジョーフォーマーの1つが、商標OptiFormerという名前で出願人によって販売されているワイヤ部又は対応するタイプのフォーマーで、L.VerkasaloのEfficient Forming at High Speeds, VI Valmet Paper Technology Days 1998に示されている。
【0033】
本発明による抄紙機又は板紙機では、知られているプレス解決を利用することができるが、幾つかの場合ではロングニッププレスを使用することが最も効果的である。所謂シュープレスによって、良好な嵩と高乾燥体とウエブ中で出来るだけ不均整でないことが得られる。例えば、出願人の二重フェルトのOptiPressプレス部を使用すると、均整のある表面特徴を備えたウエブと同様に、均整のあるディウォータリングが得られる。高乾燥体を狙うと、有利にも1つのフェルトの代わりにファブリック、水を受容せずウエブを良好に伝達する所謂伝達ベルトが使うことができる。本発明は、本質的には別々の塗工装備の必要性を減少するが、表面サイジングでプレス部と組み合わせる幾つかの適用において有利とすることができ、ドライング部及び関連ある更なる処理の後の別々の表面サイジングユニットが必要とはならない。そのような解決の1つ(ウエットエンドサイジング)が例えば米国特許4793899に開示されている。
【0034】
本発明は、ドライング部において特別な要求をもたらさないが、本発明との関係で例えばシングルワイヤ伝達を適用するドライング部のような従来技術のドライング解決を適用することができ、オンブローウィングもまた乾燥効率、プロファイリング、又は迅速な階級転換を得るために結合することができる。そのような現代のドライング部が、例えば、国際出願PCT/FI98/00945に示されている。ペーパグレードによって特に、商標OptiDryという名前で出願人によって販売されているドライング部又は類似のタイプのドライング部を使うことは有利である。望ましくは、そのようなプレカレンダ掛けは、フィンランド特許104434に示されているようにドライング部で使ってもよく、シリンダに対するカレンダ掛けドライングが示されている。本来的には、プレカレンダリングは、2つのロールの間で実行することができる。必要であれば、勿論、カレンダ掛けは、伝統的にはドライング部の後で行うことができる。
【0035】
塗工はヘッドボックス中で行われ、填料及び/又は澱粉は積層され、プレス部における可能性あるウエット端表面サイジングを除いて、表面サイジングはなされないため、本発明の抄紙機又は板紙機の最終端において下塗りはない。これらの状況下で、実際のドライング部から紙又は板紙が到達すると、オンライン又はオフラインマルチニップカレンダによって、1以上の表面塗工部署で表面塗工される。
【0036】
本発明のこれらの適用において、ウエブはまた、塗工部署において別々に塗工され、例えば、ブレード塗工機、ジェットの塗工機、フィルム伝達又はスプレータイプが塗工で使用される。塗工機を使って、塗工体はウエブ表面でコヒーレントジェット又はスプレーとして自由に伝達され、又は塗工はロールによって適用される。例えば、商標OptiCoatJetという名前で出願人によって販売されている塗工機又は対応するタイプの塗工機を使うことは有利である。
【0037】
ウエブ破断を除くために、ウエブはベルトによって塗工支持されてもよい。支持塗工は出願人のフィンランド特許101489及び雑誌Coating/Paper Machine Makers Conference, TAPPI Proceedingsに示されている。
【0038】
表面塗工の後のドライングは、非接触ドライング、例えば商標PowerDryという名前で出願人によって販売されている乾燥機又は対応するタイプの乾燥機を使って開始されてもよく、それによって、高乾燥パワー及び必要であればドライングパワーの迅速な変化が得られる。実際上は、非接触ドライングは、ドライングの主フォームを形成してもよく、ドラインビングバンクとして主として機能する後に引き続くシリンダのショートバンクである。
【0039】
そして、望ましくは商標OptiLoadという名前で出願人によって販売されているオンラインカレンダ又は対応するタイプのカレンダであり、各ニップでのその直線荷重が別々に制御可能な点で通常のスーパーカレンダと異なるマルチニップカレンダが有利にも引き続く。このように嵩を節約できるが、良好な光沢及び平滑性を得ることができる。このタイプのカレンダに関しては、フィンランド特許96334を参照されたい。本発明との関係では、勿論オフラインカレンダも適用することができる。
【0040】
そして、望ましくは商標OptiReelという名前で出願人によって販売されている巻取り機又は同じタイプの巻取り機であり、ウエブの一様の巻き取りに適している巻取り機が引き続く。
【0041】
本発明の方法により、下塗りユニットによって装備された従来技術の機械で作られるウエブに類似した紙又は板紙を作ることができる。しかしながら、本発明の抄紙機又は板紙機は、下塗りユニットを含んでおらず、この点で従来技術と相違する。本発明の有利な適用によれば、表面サイジングも望ましい如何なるプレカレンダも必要とされない。
【0042】
本発明の抄紙機又は板紙機によれば、伝統的なポストドライング部と比較するとポストドライングの必要性は本質的に減少される。抄紙機のキャパシティは残存し、通常の塗工ペーストの低乾燥体含有は約10%であると仮定する。本発明によれば、塗工ペーストの乾燥体含有は高く、例えば約20%へと増加し、表面塗工部に到着したときにベース紙は乾燥していると仮定すると、取り除かれるべき水量が通常の量の半分のみであるため、ポストドライング部は、現在の長さの半分へ短くされる。もし、塗工ペーストの半分がヘッドボックスにおいて既にウエブ中に積層されている場合は、ポストドライング部で取り除かれるべき水量は更に半分へと減少される。このように、本発明による抄紙機において、ポストドライングの必要性は現在の必要性の25%だけであり、即ち、ポストドライングの代りに1つのシリンダバンクのみが、幾つかのバンクにおけるより初期の12のシリンダの代わりのポストドライング部として十分である。少量のペースト(g/m)がウエブに適用されると、ポストドライングの低い必要性及びポストドライング部の良好な走行性をもたらし、表面塗工部の後に乾燥体含有がより高くなることが、高乾燥体含有(15%以上であり、望ましくは15乃至25%)から引き続き、シングルワイヤ伝達が使用されるとポストドライングによって引き起こされる湾曲傾向が減少され、ポストドライングが減少される。このように、ウェッティングに基づく湾曲制御設備は放棄され得り、更にポストドライングの必要性は更に減少する。
【0043】
特に本発明との関係で、本発明の方法及び抄紙機及び板紙機で使用される幾つかの技術では、本発明は、最近にのみ別々に知られている。
【0044】
本発明のほかの特徴に関しては、請求項の独立項を参照されたい。
【0045】
以下において、本発明を図面を参照して説明するが、これは本発明の内容を制限するものではない。
【0046】
図2は、本発明による改良された抄紙機又は板紙機の概略図であり、図3は、本発明の紙又は板紙の断面図である。
【0047】
本発明の方法を実行するための本発明の抄紙機又は板紙機の図2に示される有利な例は、まず、ヘッドボックス100、望ましくは図に示されるようなマルチ層ヘッドボックスを含む。
【0048】
マルチ層ヘッドボックス100では、パルプは表面層に案内されるべきパルプフローが填料及び添加剤、例えば、澱粉及びハイドロフォビックサイズ及び可能性として滞留体を含むように積層される。添加剤及び填料の積層に加えて、必要であれば又は同時に繊維積層が使用されるときは微細繊維が積層されてもよい。マルチ層ヘッドボックスにおける本発明の配置が、所望の層へ案内されるべき所望の填料、添加剤及び微細繊維、例えば、必要とされる填料、添加剤及び他のそのようなものの中間層への供給を許容することは最終製造物にとって有利である。
【0049】
しかしながら、本発明にとって、マルチ層ヘッドボックスにおいて、澱粉及び任意的なハイドロフォビックサイズがマルチ層ヘッドボックスにおける少なくとも一つの層を通じてパルプへ案内されることは必須である。マルチ層ヘッドボックスは3層ヘッドボックスの場合は、澱粉の伝統的な量がベース紙又は板紙のベース又は本体層1(図3と比較)の中間層部分に積層される。しかし、ヘッドボックスが1層ヘッドボックスの場合は、通常の量を超える澱粉の量がベース紙又は板紙に混合される。ヘッドボックスはワイヤ部200によって引き続かれる。ヘッドボックス100及びワイヤ部200は、z方向に紙又は板紙ウエブの積層構造が得られ及び/又は添加剤又は填料の所望の配分がz方向に得られる(出願人の欧州特許0651092参照)。ヘッドボックス100の前に追加される滞留体の支持における目的のために適切な1つの又は負の圧力を用いて多孔性の発生が高められるであろう。しかしながら、良好なフォーメーションが得られることも重要である。ワイヤ部200は、得られた積層にダメージを与えないようにすべきである。図示するジョーフォーマー250は、この目的のために適しているが、他のタイプのフォーマーも少なくとも部分的な使用のためには適している。ワイヤ部200は、プレス部300によって引き続かれる。図に示されるように、ロングニッププレス、例えば、シュープレス350、360がプレス部300で使用され、この方法で前提条件が多孔性の防止のために実行される。図に示されるプレス部300は、2つのプレス350、360を含む。プレス部300の後に引き続くフロントドライング部400は、シングルワイヤ伝達に適用するドライングバンクR1−Nを含むオン・ブローイングドライング部450及び伝統的なシリンダドライング部460によって形成される。ドライングバンクの少なくとも1つが地下スペースに設けられた長径シリンダ420及びシリンダ420との関係で設けられたオンブローイング装備422によって形成されている。フロントドライング部400の後に、フィルムサイズプレス500が位置し、シングルワイヤ伝達、シューカレンダ700及び巻取り機800を適用するドライングバンクRによって形成されたポストドライング部600によって引き続く。
【0050】
図2に示す抄紙機又は板紙機において、紙又は板紙ウエブの如き繊維ウエブFは以下のように移動する。マルチ層ヘッドボックス100からパルプは、ワイヤ部200のジョーフォーマー250のフォーマーロール210、220の間のジョーへ供給され、ジョーからパストディウォータリング装備230のワイヤ215及び216の間に案内され、更に、ワイヤ215によってプレス部300へと支持される。プレス部300は、2つのプレス350及び360を含み、ウエブWは最初のプレスのトップファブリック315でボトムファブリック316で支持されるプレス350のプレスロール311、310の間に案内される。ボトムファブリック316からウエブWは次のプレス360のトップファブリック317へ、更にプレス360のプレスロール321、320の間においてトップファブリック317とボトムファブリック318の間に案内される。各プレス350、360はシュープレスとして形成されている。プレス部300からウエブWは、伝達ファブリック390上において、バキュームボックス391はウエブWをファブリック上で維持し、ドライング部400のオンブローイングドライングユニット中へ案内し、ウエブWはボトムファブリック451によって支持されてオンブローイングドライングユニット450を通ってドライング部400のR−Rへ移動し、シングルワイヤ伝達が適用される。シリンダのドライングバンクRは、地下室に備えられ、それとの関係でオンブローイングドライング422が配列された長径シリンダ420を含むように形成され、ドライングバンクでウエブはワイヤ425に支持されて移動する。シングルワイヤ伝達を適用するドライングバンクのドライングワイヤは、415で示されており、トップ列の加熱されたドライングシリンダは410で示されており、底列のヒッチシリンダ又はロールは411で示されている。ウエブWは、底列のヒッチシリンダ又はロール411からトップ列の加熱されたドライングシリンダ410へジグザグに移動し、そこでウエブWは、加熱されたシリンダ表面に対して直接接触する。そしてウエブWは、計測設備490を通じてフィルムサイズプレス500へ案内され、そのロールは545及び547で示され、フィルム伝達装置は548及び549で示されている。非接触反転装置580を通じてウエブWはポストドライング部600へ案内され、ポストドライング部600は、1つのドライングバンクRを含み、ドライングバンクRは望ましくはシングルワイヤ伝達を適用しドライングワイヤ615、加熱されたドライングシリンダ610、及びヒッチシリンダ又はロール611を含む。装置650の助けによって如何なる湾曲も取り除くためにポストドライング部の後にウエブは水霧又は蒸気の何れかによって湿らされる。そしてウエブWは、カレンダ700へ案内され、カレンダ700は、シューカレンダとして形成され、そのロールは750、751によって示されている。カレンダ700の後にウエブWは、巻取り機へ案内され、ウエブWは巻取り機の巻取りロール809、810によってリール811、812へと巻き取られる。
【0051】
本発明によれば、紙製造物のベース又は本体層1が形成されるベース紙又は板紙は、好適には、添加剤を積層するシステムで填料、澱粉、可能なハイドロフォビックサイズを積層するヘッドボックス100中で形成され、その結果、望ましく密集したハイドロフォビック表面100が、表面サイジングの如き更なる処理のために得られる。
【0052】
フィルムサイズプレスの如き表面塗工部500における積層によって、表面10への表面サイジング層11と層1,11を維持するボンド2は、ベース又は本体層1と表面サイジング層11との間に形成される。ボンド2はまた、z方向における紙又は板紙の強さ特徴に影響を与える。表面サイジング層11が澱粉の場合に、通常のコピー用紙の塵問題は、避けられ、填料及び微細繊維の結びつけと同様にパルプ澱粉は表面強さを改良する。表面サイジング層11がハイドロフォビックサイズの場合には、好ましいハイドロフォビック表面が、紙又は板紙(水滞留)へのサイジングの浸透およびインクジェット紙の表面へのインクの重要な統合された吸収のためにもたらされ、それによって、インクが深く浸透すること又は、紙又は板紙表面上で広がることが防止される。
【0053】
マルチ層ヘッドボックス100中でベース紙又は板紙ウエブWは積層によって形成され、ウエブWは本質的に密集したハイドロフォビックの表面10を備え、ワイヤ部200、プレス部300、及びフロントドライング部400を通じて表面塗工部500へ運ばれ、ベース紙又は板紙1の本質的に密集したハイドロフォビックの表面の表面サイジングが、高密度塗工ペーストで塗工部500で実行され得り、増加された乾燥体含有は、澱粉の減少された量及び/又はサイズの増加された乾燥体含有によって得られ、ベース紙又は板紙1と表面サイジング層11との間のボンド2を形成するベース紙ウエブ又はベース板紙ウエブの表面10から内部へ浸透する。
【0054】
図3に示すように、フロントドライング部の後に実行されるべき表面塗工、望ましくは表面サイジングにおいて、塗工ペーストは、紙又は板紙の積層されたベース又は本体層1の表面へのみプレスされ、紙又は板紙のz方向におけるボンド2が積層されたベース又は本体層1と表面から適用された化学物質11の層との間の紙又は板紙の内部部分中にもたらされる。このように、本発明による紙又は板紙製造物では、表面塗工層11は、ベース紙又は板紙ウエブの厚さの一部分へのみ延在し、ベース紙又は板紙1と表面塗工層11の間にボンド2を形成する。
【0055】
このように、表面サイズされるべき化学物質は、紙又は板紙の全部を通じてプレスされる必要はない。加えて、ベース又は中間層1(z方向における強さ特性)と表面層11(表面強さ)の化学物質は、夫々独立に活用することができ、複数使用特徴(コピー、インクジェット)を備えたそのような紙又は板紙を作ることができる。
【0056】
本発明を、有利な効果を備えた1つの実施例を用いて説明した。勿論、これは、このような実施例のみで本発明の範囲を制限する意図ではない。このように、請求項に記載された発明的アイディアの範囲内で当業者は多くの変形例をなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術における伝統的な紙の断面図である。
【図2】本発明による改良された抄紙機又は板紙機の概略図である。
【図3】本発明の紙又は板紙の断面図である。

Claims (23)

  1. 滞留体と同様に添加剤、填料、及び微細繊維が混合されたパルプが、ヘッドボックス(100)からワイヤ部(200)へ供給されて、ウエブ(W)から水が取り除かれ、ウエブ(W)はワイヤ部(200)から、ウエブ(W)から水を取り除くプレス部(300)へ案内され、ウエブ(W)はフロントドライング部(400)で乾燥され、ウエブ(W)は塗工部(500)で塗工され、ウエブ(W)はポスト−ドライング部(600)で乾燥され、ウエブ(W)は巻取り機(800)で巻き取られて、紙又は板紙ウエブのような塗工された繊維ウエブの製造方法において、
    ヘッドボックス(100)からワイヤ部(200)へ送られるパルプ中へ澱粉及び/又はハイドロフォビックサイズが混合又は積層されて、その結果、ワイヤ部(200)、プレス部(300)及びフロントドライング部(400)を通じて塗工部(500)へと案内されるべきウエブ(W)の少なくとも1つの層へ本質的に密集した表面(10)が形成され、その上へそのような塗工ペースト又は澱粉が塗られ、高乾燥体含有を備え、それによってボンド(2)がベース層又は本体層(1)、即ち、ベース紙又は板紙と、表面上で塗られた塗工ペースト又は澱粉層(11)の間におけるウエブ(W)の内部におけるz方向で得られることを特徴とする方法。
  2. ベース紙又は板紙(1)は、ヘッドボックス(100)へ案内されるパルプフロー中で添加剤を積層するためのシステムにより填料、澱粉、及び/又はハイドロフォビックを積層することによって形成され、その結果、本質的に密集しハイドロフォビックの表面(10)が、更なる処理中において含まれる表面塗工のために、望ましくは表面サイジングのために得られることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 表面塗工において、前記表面塗工又はサイジングペーストが塗られ、その乾燥体含有が15%以上、望ましくは15−25%であることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 表面塗工のための密集しハイドロフォビックの表面(10)をもたらすために、ヘッドボックス(100)において、澱粉及び任意的なサイズが、形成されるべきベース紙又は板紙(1)に案内されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  5. 澱粉及び任意的なサイズは、マルチ層ヘッドボックス(100)中の少なくとも1つの層へ供給されることを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. ヘッドボックス(100)が3層ヘッドボックスの場合に、澱粉及び任意的なサイズは、ベース紙又は板紙(1)を形成するパルプの中間層中に主として積層されることを特徴とする請求項5記載の方位。
  7. ヘッドボックス(100)が1層ヘッドボックスの場合に、澱粉及び任意的なサイズは、ベース紙又は板紙(1)を形成するパルプに混合されることを特徴とする請求項4記載の方位。
  8. ベース紙又は板紙(1)の本質的に密集しハイドロフォビックの表面の表面サイジングは、高密度塗工ペーストで塗工部(500)で実行され、澱粉の量は減少され及び/又はサイズの乾燥体含有は増加することを特徴とする請求項2乃至7いずれか一項記載の方法。
  9. 表面塗工は、プレス部(300)との関係で実行されることを特徴とする請求項1乃至8いずれか一項記載の方法。
  10. 紙又は板紙ウエブの如き塗工された繊維ウエブを作るための抄紙機又は板紙機械であって、
    ヘッドボックスへ供給されるべきパルプに滞留体と同様に添加剤、填料、及び微細繊維が混合されるところの当該ヘッドボックス(100)と、ウエブ(W)を形成しウエブ(W)から水を取り除くワイヤ部(200)と、ウエブ(W)から水をプレスするプレス部(300)と、プレスされたウエブ(W)を乾燥するフロントドライング部(400)と、ウエブ(W)の表面塗工をする塗工部(500)と、塗工されたウエブ(W)を乾燥するポスト−ドライング部(600)と、ウエブ(W)を巻き取る巻取り機(800)とを含む当該抄紙機において、
    供給されるべきパルプは澱粉及び/又はハイドロフォビックサイズを含み、その結果、ワイヤ部(200)、プレス部(300)及びフロントドライング部(400)を通じて塗工部(500)へと案内されるべきウエブ(W)の少なくとも1つの層へ、本質的に密集した表面(10)が形成され、その上に表面塗工において塗工ペースト又は澱粉が塗られ、高乾燥体含有を備え、それによってボンド(2)がベース層又は本体層(1)、即ち、ベース紙又は板紙と、表面上で塗られた塗工ペースト又は澱粉層(11)の間におけるウエブ(W)の内部におけるz方向で得られることを特徴とする方法。
  11. ベース紙又は板紙(1)は、ヘッドボックス(100)で添加剤を積層するためのシステムにより填料、澱粉、及びハイドロフォビックを積層することによって形成され、その結果、ウエブ(W)中に、本質的に密集しハイドロフォビックの表面(10)が、表面塗工望ましくは表面サイジングを含む更なる処理のために形成されることを特徴とする請求項10記載の抄紙機又は板紙機。
  12. 表面塗工部(500)において、ウエブ表面(10)に塗られるべき表面塗工ペーストの乾燥体含有が15%以上、望ましくは15−25%であることを特徴とする請求項10記載の抄紙機又は板紙機。
  13. ヘッドボックス(100)からワイヤ部(200)へ供給されるべきベース紙又は板紙に、澱粉及び任意的なサイズがあることを特徴とする請求項10又は11記載の抄紙機又は板紙機。
  14. マルチ層ヘッドボックス(100)中で澱粉及び任意的なサイズは、少なくともマルチ層ヘッドボックス(100)中の1つの層を通じて供給されることを特徴とする請求項11記載の抄紙機又は板紙機。
  15. 澱粉及び任意的なサイズは、3層ヘッドボックスの中間層を通じてベース紙又は板紙(1)を形成するパルプの中間層中に主として積層されることを特徴とする請求項14記載の抄紙機又は板紙機。
  16. 1層ヘッドボックスは、澱粉及び任意的なサイズをベース紙又は板紙(1)を形成するパルプに混合することを特徴とする請求項10記載の抄紙機又は板紙機。
  17. ベース紙又は板紙の本質的に密集しハイドロフォビックの表面の表面塗工は高密度塗工ペーストで塗工部(500)で実行され、澱粉の量は減少され及び/又はサイズの乾燥体含有は増加することを特徴とする請求項11乃至16いずれか一項記載の抄紙機又は板紙機。
  18. 表面塗工は、プレス部(300)に統合されることを特徴とする請求項10乃至17いずれか一項記載の抄紙機又は板紙機。
  19. 紙製造物のベース又は本体層(1)、即ち、ベース紙又は板紙と、少なくとも1つの表面塗工層(11)とを含む塗工紙又は板紙において、
    ベース又は本体層(1)と表面塗工層(11)との間に位置し、互いに層(1、11)を保持する内部ボンド(2)が、z方向において紙又は板紙の強さの特徴に影響を与えることを特徴とする紙又は板紙。
  20. 表面塗工層(11)は、澱粉であることを特徴とする請求項19記載の紙又は板紙。
  21. 表面塗工層(11)は、ハイドロフォビックサイズであることを特徴とする請求項19記載の紙又は板紙。
  22. 紙又は板紙のベース紙又は板紙(1)中で、少なくとも1つの層が澱粉及び任意的なハイドロフォビックサイズであり、表面塗工層(11)がベース紙又は板紙の本質的に密集しハイドロフォビックの表面(10)上にあり、ベース紙又は板紙ウエブの厚さ部分を越えて延出しており、ベース紙又は板紙(1)と表面塗工層(11)の間においてボンド(2)を形成することを特徴とする請求項19乃至21いずれか一項記載の紙又は板紙。
  23. 表面塗工ペーストの高乾燥体含有は、減少された澱粉の量及び/又は増加されたサイズの増加された乾燥体含有によって得られることを特徴とする請求項17乃至20いずれか一項記載の紙又は板紙。
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