JP2004505611A - 乳癌の検出およびモニタリングのための方法、組成物、およびキット - Google Patents

乳癌の検出およびモニタリングのための方法、組成物、およびキット Download PDF

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Abstract

癌(例えば、乳癌)の治療および診断のための組成物および方法を開示する。組成物は、1つ以上の胸部腫瘍タンパク質、その免疫原性部分、またはこのような部分をコードするポリヌクレオチドを含み得る。あるいは、治療組成物は、胸部腫瘍タンパク質を発現する抗原提示細胞、またはこのようなタンパク質を発現する細胞に特異的なT細胞を含み得る。このような組成物は、例えば、乳癌のような疾患の予防および処置のために用いられ得る。サンプル中の胸部腫瘍タンパク質またはこのようなタンパク質をコードするmRNAを検出することに基づく診断方法もまた提供される。

Description

【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、一般に、癌診断の分野に関する。より詳細には、本発明は、癌の検出のための方法、組成物およびキットに関し、この検出は、オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションおよび/または増幅を使用し、癌細胞を含むことが疑われる生物学的サンプルにおける2以上の組織特異的ポリヌクレオチドを同時に検出する。
【0002】
(発明の背景)
癌は、依然として、世界中の重要な健康上の問題である。従来の癌処置レジメンの失敗は、一般に、疾患診断の遅延に一部起因し得る。有意な進歩が癌診断の分野でなされてきたが、依然として、癌細胞の存在の早期で信頼性の高くかつ高感度な決定を可能にする、改善された検出方法の必要性が存在する。
【0003】
乳癌は、米国の女性の間の死亡率が肺癌に次いで2番目であり、毎年180,000人より多くの女性が罹患し、そして年に約40,000〜50,000人の死亡を生じる。北米の女性について、生涯で乳癌を発症する可能性は、8分の1である。
【0004】
この疾患の管理は、現在、早期の診断(慣用的なスクリーニング手段を介する)および積極的な処置の組み合わせに依存し、その処置は、種々の処置の1以上(例えば、手術、放射線療法、化学療法およびホルモン療法)を含み得る。特定の乳癌についての処置過程は、しばしば、種々の予後パラメーター(特異的な腫瘍マーカーの分析を含む)に基づいて選択される。例えば、Porter−Jordanら、Breast Cancer 8:73−100(1994)を参照のこと。しかし、確立されたマーカーの使用は、しばしば、理解が困難な結果を導き;そして乳癌患者に観察される高い死亡率は、この疾患の診断において改善が必要とされることを示す。
【0005】
Her2/neuに標的化される乳癌処置に対する免疫療法アプローチの近年の導入は、治療的な抗体およびT細胞ワクチンならびにこの疾患の診断のための標的としての、さらなる乳癌特異的遺伝子を同定する有意な動機付けを提供した。この目的のために、マンマグロビン(mammaglobin)が、現在までに発見されている最も乳癌特異的な遺伝子の1つとして同定されており、乳癌の約70〜80%において発現される。この高度に組織特異的な分布に起因して、マンマグロビン遺伝子発現の検出は、リンパ節組織における微小転移病変を同定するため、およびより近年では、既知の一次病変および転移性病変を有する乳癌患者の末梢血中の循環乳癌細胞を検出するために使用されている。
【0006】
マンマグロビンは、ウサギユテログロビン(uteroglobin)およびラットステロイド結合タンパク質サブユニットC3のホモログであり、そして高度にグリコシル化される低分子量タンパク質である。Watsonら、Cancer Res.56:860−5(1996);Watsonら、Cancer Res.59:3028−3031(1999);Watsonら、Oncogene 16:817−24(1998)。そのホモログとは対照的に、マンマグロビンは、乳癌特異的であることが報告されており、そして過剰発現が、胸部腫瘍生検(23%)、一次および転移性胸部腫瘍(約75%)において記載されており、それと共に、転移性乳癌患者由来の91%のリンパ節においてマンマグロビンのmRNA発現の検出が報告されている。Leygueら、J.Pathol.189:28−33(1999)およびMinら、Cancer Res.58:4581−4584(1998)。
【0007】
マンマグロビン発現は乳癌の一般的特徴ではないので、この遺伝子単独の検出は、全ての乳癌の信頼性の高い検出を可能にするには不十分であり得る。従って、当該分野で必要とされていることは、例えば、リンパ節および骨髄における微小転移の検出の感度および信頼性を改善するための、ならびに/または末梢循環中の足場非依存性細胞の認識のための、2以上の乳癌特異的遺伝子の検出を使用する方法である。
【0008】
本発明は、組織特異的ポリヌクレオチド(特に、腫瘍特異的ポリヌクレオチド)の同定に有用な方法、ならびに疾患に罹患している患者における癌細胞の検出およびモニタリングのための方法、組成物およびキットを提供することによって、これらの目的および他の関連する目的を達成する。
【0009】
(発明の要旨)
特定の実施形態によって、本発明は、1以上の組織特異的ポリヌクレオチドを同定するための方法を提供し、これらの方法は、以下の工程を包含する:(a)遺伝子サブトラクション(genetic subtraction)を行って、目的の組織由来のポリヌクレオチドのプールを同定する工程;(b)DNAマイクロアレイ分析を行って、この目的のポリヌクレオチドのプールの第1のサブセットを同定する工程であって、ここで、この第1のサブセットの各メンバーポリヌクレオチドは、コントロール組織と比較した場合に、この目的の組織において少なくとも2倍過剰発現される、工程;および(c)この第1のサブセット中のポリヌクレオチドに対して定量的ポリメラーゼ連鎖反応分析を行って、ポリヌクレオチドの第2のサブセットを同定する工程であって、このポリヌクレオチドは、コントロール組織と比較して少なくとも2倍過剰発現される、工程。好ましい遺伝子サブトラクションは、ディファレンシャルディスプレイおよびcDNAサブトラクションからなる群より選択され、そして本明細書中以下にさらに詳細に記載する。
【0010】
本発明の代替的な実施形態は、目的の組織における一致する組織特異的発現プロフィールおよび/または相補的な組織特異的発現プロフィールを示す、ポリヌクレオチドのサブセットを同定する方法を提供する。このような方法は、以下の工程を包含する:(a)DNAマイクロアレイおよび定量的PCRからなる群より選択される発現分析を行って、第1のポリヌクレオチドを同定する工程であって、この第1のポリヌクレオチドは、コントロール組織と比較した場合に、目的の組織において少なくとも2倍過剰発現される、工程;および(b)DNAマイクロアレイおよび定量的PCRからなる群より選択される発現分析を行って、第1のポリヌクレオチドを同定する工程であって、この第1のポリヌクレオチドは、コントロール組織と比較した場合に、目的の組織において少なくとも2倍過剰発現される、工程。
【0011】
本発明のさらなる実施形態は、患者における癌細胞の存在を検出するための方法を提供する。このような方法は、以下の工程を包含する:(a)この患者から生物学的サンプルを得る工程;(b)この生物学的サンプルに第1のオリゴヌクレオチド対を接触させる工程であって、ここで、第1のオリゴヌクレオチド対のメンバーは、中程度にストリンジェントな条件下で、それぞれ、第1のポリヌクレオチドおよびその相補体にハイブリダイズする、工程;(c)この生物学的サンプルに第2のオリゴヌクレオチド対を接触させる工程であって、ここで、第2のオリゴヌクレオチド対のメンバーは、中程度にストリンジェントな条件下で、それぞれ、第2のポリヌクレオチドおよびその相補体にハイブリダイズし、そしてこの第1のポリヌクレオチドは、ヌクレオチド配列において第2のポリヌクレオチドに対して無関係である、工程;(d)第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドを増幅する工程;および(e)増幅された第1のポリヌクレオチドおよび増幅された第2のポリヌクレオチドを検出する工程であって;ここで、増幅された第1のポリヌクレオチドまたは増幅された第2のポリヌクレオチドの存在は、患者中の癌細胞の存在を示す、工程。
【0012】
いくつかの実施形態によって、この増幅された第1のポリヌクレオチドおよび/または第2のポリヌクレオチドの検出には、分画工程(例えば、ゲル電気泳動のような)が先行し得る。あるいは、またはさらに、この増幅された第1のポリヌクレオチドおよび/または第2のポリヌクレオチドの検出は、標識されたオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションによって達成され得、このプローブは、中程度にストリンジェントな条件下で、第1または第2のポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする。オリゴヌクレオチド標識は、放射標識したヌクレオチドの組み込みまたは蛍光標識の組み込みによって達成され得る。
【0013】
特定の好ましい実施形態において、特定の組織型の細胞が、検出工程の前の生物学的サンプルから富化され得る。富化は、細胞捕捉および細胞枯渇からなる群より選択される方法によって達成され得る。例示的な細胞捕捉方法としては、免疫捕捉(immunocapture)が挙げられ、そして以下の工程を含む:(a)組織特異的細胞の表面に対する抗体を、その生物学的サンプル中の細胞に吸着させる工程;(b)抗体が吸着した組織特異的細胞を、その生物学的サンプルの残りの部分から分離する工程。例示的な細胞枯渇は、赤血球および白血球のクロスリンク(cross−linking)、それに続く、クロスリンクした細胞を除去するための分画工程によって達成され得る。
【0014】
本発明の代替的な実施形態は、患者における癌の存在または非存在を決定するための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:(a)この患者から得られた生物学的サンプルに、胸部腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを接触させる工程;(b)そのオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチド(例えば、mRNAのような)のレベルを、そのサンプル中で検出する工程;および(c)そのオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドのレベルを所定のカットオフ値と比較し、そこからその患者における癌の存在または非存在を決定する工程。特定の実施形態において、mRNAの量は、例えば、上記に言及したポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(または、このようなポリヌクレオチドの相補体)にハイブリダイズする少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを使用する、ポリメラーゼ連鎖反応を介して検出される。他の実施形態において、mRNAの量は、上記に言及したポリペプチドをコードするポリヌクレオチド(または、このようなポリヌクレオチドの相補体)にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを使用する、ハイブリダイゼーション技術を使用して検出される。
【0015】
関連の局面において、患者における癌の進行をモニターするための方法が提供され、この方法は、(a)患者から得た生物学的サンプルを、胸部腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチドにハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(b)このサンプルにおいてオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を検出する工程;(c)後の時点でこの患者から得られた生物学的サンプルを使用して工程(a)および(b)を繰り返す工程;ならびに(d)工程(c)において検出されたポリヌクレオチドの量を、工程(b)において検出された量と比較し、それからこの患者における癌の進行をモニターする工程を包含する。
【0016】
本発明の特定の実施形態は、この第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドを増幅する工程がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって達成されることを提供する。
【0017】
特定の実施形態において、検出される癌細胞は、前立腺癌、乳癌、結腸癌、卵巣癌、肺癌、頭および首の癌、リンパ腫、白血病、黒色腫、肝臓癌、胃癌、腎臓癌、膀胱癌、膵臓癌および子宮内膜癌からなる群より選択され得る。本発明のなおさらなる実施形態は、生物学的サンプルが血液、リンパ節および骨髄からなる群より選択されることを提供する。リンパ節は、前哨リンパ節であり得る。
【0018】
本発明の特定の実施形態において、第1のポリヌクレオチドが、マンマグロビン(mammaglobin)、リポフィリンB(lipophilin B)、GABAπ(B899P)、B726P、B511S、B533S、B305DおよびB311Dからなる群より選択される。他の実施形態は、第2のポリヌクレオチドがマンマグロビン、リポフィリンB、GABAπ(B899P)、B726P、B511S、B533S、B305DおよびB311Dからなる群より選択されることを提供する。
【0019】
本発明の代替の実施形態は、患者における癌の存在または非存在を検出すための方法を提供し、この方法は、(a)患者から得た生物学的サンプルを、マンマグロビンおよびリポフィリンBからなる群より選択されるポリヌクレオチドにハイブリダイズする第1のポリヌクレオチドと接触させる工程;(b)この生物学的サンプルを、GABAπ(B899P)、B726P、B511S、B533S、B305DおよびB311Dからなる群より選択されるポリヌクレオチド配列にハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(c)このサンプルにおいて、これらのオリゴヌクレオチドの少なくとも1つにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を検出する工程;ならびに(d)このオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を、所定のカットオフ値と比較して、それからこの患者における癌の存在または非存在を決定する工程を包含する。
【0020】
特定の実施形態に従って、オリゴヌクレオチドは、配列番号33〜72に提示されるオリゴヌクレオチドのような、本明細書中に開示されるオリゴヌクレオチドから選択され得る。他の実施形態によって、このオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量は、ポリメラーゼ連鎖反応を使用して決定される。あるいは、オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量は、ハイブリダイゼーションアッセイを使用して決定され得る。
【0021】
本発明のなお他の実施形態は、患者における癌細胞の存在または非存在を決定するための方法を提供し、この方法は、(a)患者から得た生物学的サンプルを、配列番号73および配列番号74に示されるポリヌクレオチドまたはそれらの相補体からなる群より選択されるポリヌクレオチドにハイブリダイズする第1のポリヌクレオチドと接触させる工程;(b)この生物学的サンプルを、配列番号75に示されるポリヌクレオチドまたはその相補体にハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(c)この生物学的サンプルを、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に示されるポリヌクレオチドまたはそれらの相補体からなる群より選択されるポリヌクレオチドにハイブリダイズする第3のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(d)この生物学的サンプルを、配列番号11に示されるポリヌクレオチドまたはその相補体からなる群より選択されるポリヌクレオチドにハイブリダイズする第4のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(e)この生物学的サンプルを、配列番号13、配列番号15および配列番号17に示されるポリヌクレオチドまたはその相補体からなる群より選択されるポリヌクレオチドにハイブリダイズする第5のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(f)この生物学的サンプルを、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、および配列番号24に示されるポリヌクレオチドまたはそれらの相補体からなる群より選択されるポリヌクレオチドにハイブリダイズする第6のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(g)この生物学的サンプルを、配列番号30に示されるポリヌクレオチドまたはその相補体にハイブリダイズする第7のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(h)この生物学的サンプルを、配列番号32に示されるポリヌクレオチドまたはその相補体にハイブリダイズする第8のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(i)この生物学的サンプルを、配列番号76に示されるポリヌクレオチドまたはその相補体にハイブリダイズする第9のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(j)このサンプルにおいて、工程(a)〜(i)のいずれか1つのハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドを検出する工程;ならびに(j)このオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を、所定のカットオフ値と比較する工程であって、ここで、所定のカットオフ値を越える、工程(a)〜(i)のいずれか1つにおいてハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドの存在が、この患者の生物学的サンプルにおける癌細胞の存在を示す、工程を包含する。
【0022】
本発明の他の関連する実施形態は、患者における癌細胞の存在または非存在を決定するための方法を提供し、この方法は、(a)患者から得られた生物学的サンプルを第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、ここで、この第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドが、中程度にストリンジェントな条件下で、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号30、配列番号32、および配列番号76からなる群より選択される第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、ここで、この第1のポリヌクレオチドがこの第2のポリヌクレオチドに構造的に関連しない、工程;(b)サンプルにおいて、この第1のハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドおよび第2のハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドを検出する工程;および(c)このオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を所定のカットオフ値と比較する工程であって、ここで、所定のカットオフ値を越える、ハイブリダイズされた第1のオリゴヌクレオチドまたはハイブリダイズされた第2のオリゴヌクレオチドの存在は、この患者の生物学的サンプルにおける癌細胞の存在を示す、工程を包含する。
【0023】
本発明の他の関連の実施形態は、患者の癌細胞の存在または非存在を決定するための方法を提供し、この方法は、(a)患者から得た生物学的サンプルを、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドと接触する工程であって、ここで、この第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドが、中程度のストリンジェントな条件下で、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、両方が検出される癌の組織特異的ポリヌクレオチドであり、ここで、この第1のポリヌクレオチドが、この第2のオリゴヌクレオチドに構造的に関連しない、工程;(b)サンプルにおいてこの第1のハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドおよび第2のハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドを検出する工程;および(c)このオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を所定のカットオフ値と比較する工程であって、ここで、所定のカットオフ値を越える、ハイブリダイズされた第1のオリゴヌクレオチドまたはハイブリダイズされた第2のオリゴヌクレオチドの存在は、この患者の生物学的サンプルにおける癌細胞の存在を示す、工程を包含する。
【0024】
他の関連する局面において、本発明は、さらに、本明細書中に開示される方法において有用な組成物を提供する。例示的な組成物は、2つ以上のオリゴヌクレオチドプライマー対(これらのそれぞれが、異なるポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする)を含む。本発明の組成物に適切な例示的なオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号33〜71によって本明細書中で開示される。本発明の組成物に適切な例示的なポリヌクレオチドは、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号30、配列番号32、および配列番号76に開示される。
【0025】
本発明はまた、本発明の検出方法を実行するのに適切であるキットを提供する。例示的なキットとしては、オリゴヌクレオチドプライマー対(それぞれが、異なるポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする)を含む。特定の実施形態において、本発明に従うキットはまた、核酸ポリメラーゼおよび適切な緩衝液を含み得る。本発明のキットに適切な例示的なオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号33〜71によって本明細書中で開示される。本発明のキットに適切な例示的なポリヌクレオチドは、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号30、配列番号32、および配列番号76に開示される。
【0026】
本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照して明らかとなる。本明細書中に開示されるすべての参考文献は、本明細書中にそれぞれが個々に組込まれているように、その全体が参考として援用される。
【0027】
配列番号1は、B305DアイソフォームAの第1のスプライス改変体についての決定されたcDNA配列である。
【0028】
配列番号2は、配列番号1の配列によりコードされるアミノ酸配列である。
【0029】
配列番号3は、B305DアイソフォームAの第2のスプライス改変体についての決定されたcDNA配列である。
【0030】
配列番号4は、配列番号3の配列によりコードされるアミノ酸配列である。
【0031】
配列番号5〜7は、B305DアイソフォームCの3つのスプライス改変体についての決定されたcDNA配列である。
【0032】
配列番号8〜10は、それぞれ配列番号5〜7の配列によりコードされるアミノ酸配列である。
【0033】
配列番号11は、B311Dについての決定されたcDNA配列である。
【0034】
配列番号12は、配列番号11の配列によりコードされるアミノ酸配列である。
【0035】
配列番号13は、B726Pの第1のスプライス改変体の決定されたcDNA配列である。
【0036】
配列番号14は、配列番号13の配列によりコードされるアミノ酸配列である。
【0037】
配列番号15は、B726Pの第2のスプライス改変体の決定されたcDNA配列である。
【0038】
配列番号16は、配列番号15の配列によりコードされるアミノ酸配列である。
【0039】
配列番号17は、B726Pの第3のスプライス改変体の決定されたcDNA配列である。
【0040】
配列番号18は、配列番号17の配列によりコードされるアミノ酸配列である。
【0041】
配列番号19〜24は、B726Pのさらなるスプライス改変体の決定されたcDNA配列である。
【0042】
配列番号25〜29は、それぞれ配列番号19〜24の配列によりコードされるアミノ酸配列である。
【0043】
配列番号30は、B511Sについての決定されたcDNA配列である。
【0044】
配列番号31は、配列番号30によりコードされたアミノ酸配列である。
【0045】
配列番号32は、B533Sについての決定されたcDNA配列である。
【0046】
配列番号33は、リポフィリンB正方向プライマーのDNA配列である。
【0047】
配列番号34は、リポフィリンB逆方向プライマーのDNA配列である。
【0048】
配列番号35は、リポフィリンBプローブのDNA配列である。
【0049】
配列番号36は、GABA(B899P)正方向プライマーのDNA配列である。
【0050】
配列番号37は、GABA(B899P)逆方向プライマーのDNA配列である。
【0051】
配列番号38は、GABA(B899P)プローブのDNA配列である。
【0052】
配列番号39は、B305D(C形態)正方向プライマーのDNA配列である。
【0053】
配列番号40は、B305D(C形態)逆方向プライマーのDNA配列である。
【0054】
配列番号41は、B305D(C形態)プローブのDNA配列である。
【0055】
配列番号42は、B726P正方向プライマーのDNA配列である。
【0056】
配列番号43は、B726P逆方向プライマーのDNA配列である。
【0057】
配列番号44は、B726PプローブのDNA配列である。
【0058】
配列番号45は、アクチン正方向プライマーのDNA配列である。
【0059】
配列番号46は、アクチン逆方向プライマーのDNA配列である。
【0060】
配列番号47は、アクチンプローブのDNA配列である。
【0061】
配列番号48は、マンマグロビン正方向プライマーのDNA配列である。
【0062】
配列番号49は、マンマグロビン逆方向プライマーのDNA配列である。
【0063】
配列番号50は、マンマグロビンプローブのDNA配列である。
【0064】
配列番号51は、第2のGABA(B899P)逆方向プライマーのDNA配列である。
【0065】
配列番号52は、第2のB726P正方向プライマーのDNA配列である。
【0066】
配列番号53は、GABA B899P−INT正方向プライマーのDNA配列である。
【0067】
配列番号54は、GABA B899P−INT逆方向プライマーのDNA配列である。
【0068】
配列番号55は、GABA B899P−INT TaqmanプローブのDNA配列である。
【0069】
配列番号56は、B305D−INT正方向プライマーのDNA配列である。
【0070】
配列番号57は、B305D−INT逆方向プライマーのDNA配列である。
【0071】
配列番号58は、B305D−INT TaqmanプローブのDNA配列である。
【0072】
配列番号59は、B726−INT正方向プライマーのDNA配列である。
【0073】
配列番号60は、B726−INT逆方向プライマーのDNA配列である。
【0074】
配列番号61は、B726−INT TaqmanプローブのDNA配列である。
【0075】
配列番号62は、GABA B899P TaqmanプローブのDNA配列である。
【0076】
配列番号63は、B311D正方向プライマーのDNA配列である。
【0077】
配列番号64は、B311D逆方向プライマーのDNA配列である。
【0078】
配列番号65は、B311D TaqmanプローブのDNA配列である。
【0079】
配列番号66は、B533S正方向プライマーのDNA配列である。
【0080】
配列番号67は、B533S逆方向プライマーのDNA配列である。
【0081】
配列番号68は、B533S TaqmanプローブのDNA配列である。
【0082】
配列番号69は、B511S正方向プライマーのDNA配列である。
【0083】
配列番号70は、B511S逆方向プライマーのDNA配列である。
【0084】
配列番号71は、B511S TaqmanプローブのDNA配列である。
【0085】
配列番号72は、GABAπ逆方向プライマーのDNA配列である。
【0086】
配列番号73は、マンマグロビンについての全長cDNA配列である。
【0087】
配列番号74は、E.coliにおいて発現されるマンマグロビン組換えポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームの決定されたcDNA配列である。
【0088】
配列番号75は、GABAπについての全長cDNA配列である。
【0089】
配列番号76は、リポフィリンBについての全長cDNA配列である。
【0090】
配列番号77は、配列番号76の配列によりコードされるアミノ酸配列である。
【0091】
(発明の詳細な説明)
上記のように、本発明は、一般に、組織特異的なポリヌクレオチドの同定に適切な方法、ならびに癌の診断およびモニタリングに適切な方法、組成物およびキットに関する。本明細書中に開示された特定の例証された方法、組成物およびキットは乳癌、特に乳癌特異的ポリヌクレオチドの同定、検出およびモニタリングに関するが、本発明は一般に広範な種々の癌および関連の過剰発現したポリヌクレオチド(例えば、前立腺癌、乳癌、結腸癌、卵巣癌、肺癌、頭頸癌、リンパ腫、白血病、黒色腫、肝癌、胃癌、腎癌、膀胱癌、膵臓癌および子宮内癌を含む)の同定、検出およびモニタリングに適用可能であることが当業者によって理解される。従って、本発明が乳癌特異的ポリヌクレオチドの同定または乳癌の検出およびモニタリングにのみ限定されないことは、明白である。
【0092】
(組織特異的ポリヌクレオチドの同定)
本発明の特定の実施形態は、生物学的サンプル内の癌細胞の検出についての方法、組成物およびキットを提供する。これらの方法は、患者由来の生物学的サンプルから1以上の組織特異的ポリヌクレオチドを検出する工程を包含する。このポリヌクレオチドの過剰発現は、その患者の生物学的サンプル内の癌細胞の存在を示す。従って、本発明はまた、組織特異的ポリヌクレオチドの同定に適切である方法を提供する。本明細書中で使用される場合、句「組織特異的ポリヌクレオチド」または「腫瘍特異的ポリヌクレオチド」は、1以上のコントロール組織と比較して少なくとも2倍の過剰発現であるポリヌクレオチド全てを含むことが意味される。本明細書中以下にさらに詳細に議論されるように、所定のポリヌクレオチドの過剰発現は、例えば、マイクロアレイおよび/または定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(Real−time PCRTM)方法論によって評価され得る。
【0093】
組織特異的ポリヌクレオチドを検出するための例示的方法は、以下の工程を包含する:(a)目的の組織由来のポリヌクレオチドのプールを同定するために遺伝子サブトラクションを実施する工程;(b)目的のポリヌクレオチドの上記プールの第一のセットを同定するためにDNAマイクロアレイ分析を実施する工程であって、ここで、上記第一のサブセットの各メンバーポリヌクレオチドは、上記目的の組織においてコントロール組織と比較して少なくとも2倍過剰発現される工程;および(c)上記第一のサブセット中のポリヌクレオチドに定量的ポリメラーゼ連鎖反応分析をして、上記コントロール組織と比較して少なくとも2倍過剰発現されるポリヌクレオチドの第二のサブセットを同定する工程。
【0094】
(一般的ポリヌクレオチド)
本明細書中で使用される場合、用語「ポリヌクレオチド」は一般に、DNA分子またはRNA分子のいずれかをいう。ポリヌクレオチドは、生物学的サンプル(例えば、血液サンプル、血清サンプル、リンパ節サンプル、骨髄サンプル、痰サンプル、尿サンプルおよび腫瘍生検サンプル)中に正常に見出されるように天然に存在し得る。あるいは、ポリヌクレオチドは、例えば、核酸重合反応によって合成的に誘導され得る。当業者によって認識されるように、ポリヌクレオチドは、一本鎖(コーディングまたはアンチセンス)あるいは二本鎖であり得、そしてDNA分子(ゲノム、cDNAまたは合成)あるいはRNA分子であり得る。RNA分子は、HnRNA分子を含む。これは、イントロンを含み、そして1対1の様式でDNA分子に対応する。そしてRNA分子は、イントロンを含まない。さらなるコード配列または非コード配列は、本発明のポリペプチド内に存在し得るが、必要ではない。そしてポリヌクレオチドは、他の分子および/または支持体物質に結合し得るが、必要ではない。
【0095】
ポリヌクレオチドは、ネイティブ配列(すなわち、腫瘍タンパク質をコードする内因性配列(例えば、胸部腫瘍またはその一部))またはこのような配列の改変体、または生物学的もしくは抗原的に機能的な等価物を含み得る。ポリヌクレオチド改変体は、以下にさらに記載されるように1以上の置換、付加、欠失および/または挿入を含み得る。用語「改変体」はまた、異種性器官の相同遺伝子を含む。
【0096】
ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列を比較する場合、最大一致について整列される場合にその2つの配列中のヌクレオチドまたはアミノ酸の配列が同一であるならば、以下に記載されるように2つの配列は、「同一」であるいわれる。2つの配列の間の比較は、配列類似性の局所領域を同定および比較するために比較ウインドウを超えて配列を比較することによって代表的に実施される。本明細書中で使用される場合、「比較ウインドウ」は、少なくとも約20、通常は30〜約75、40〜約50連続する位置のセグメントをいう。ここで、2つの配列が最適に整列される後に、配列は、同数の連続する位置の参照配列と比較され得る。
【0097】
比較のための配列の最適整列は、バイオインフォマティックスソフトウエアのLasergene suite中のMegalignプログラム(DNASTAR,Inc.,Madison,WI)を、初期設定の変数を使用して実施され得る。このプログラムは、以下の参考文献に記載されるいくつかの整列図式を具体化する。Dayhoff,M.O.(1978)A model of evolutionary change in proteins−Matrices for detecting distant relationships.Dayhoff,M.O.(編)Atlas of Protein Sequence and Structure,National Biomedical Research Foundation,Washington DC 第5巻、第3章、345−348頁;Hein J.(1990)Unified Approach to Alignment and Phylogenes 626−645頁 Methods in Enzymology、第183巻、Academic Press,Inc.,San Diego,CA;Higgins,D.G.およびSharp,P.M.(1989)CABIOS 5:151−153;Myers,E.W.およびMuller W.(1988)CABIOS 4:11−17;Robinson,E.D.(1971)Comb.Theor 11:105;Santou,N.Nes,M.(1987)Mol.Biol.Evol.4:406−425;Sneath,P.H.A.およびSokal,R.R.(1973)Numerical Taxonomy−the Principles and Practice of Numerical Taxonomy,Freeman Press,San Francisco,CA;Wilbur,W.J.およびLipman,D.J.(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:726−730。
【0098】
あるいは、比較のための配列の最適な整列は、SmithおよびWaterman(1981)Add.APL.Math 2:482の局所同定アルゴリズムによって、NeedlemanおよびWunsch(1970)J.Mol.Biol.48:443の同定整列アルゴリズムによって、PearsonおよびLipman(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444の類似性についての探索方法によって、これらのアルゴリズム(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group(GCG),575 Science Dr.,Madison,WIにおけるGAP、BESTFIT、BLAST、FASTAおよびTFASTA)のコンピューター化改良によって実施され得る。
【0099】
配列同一性パーセントおよび配列類似性を決定するために適切なアルゴリズムの1つの好ましい例示は、BLASTアルゴリズムおよびBLAST2.0アルゴリズムであり、これらは、それぞれAltschulら(1977)Nucl.Acids Res.25:3389−3402およびAltschulら(1990)J.Mol.Biol.215:403−410に記載される。BLASTおよびBLAST2.0を、例えば、本明細書中に記載される変数を用いて使用して、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドについての配列同一性パーセントを決定し得る。BLAST分析を実施するためのソフトウエアは、National Center for Biotechnology Informationを介して公的に利用可能である。1つの実例としての例示において、蓄積スコアは、ヌクレオチド配列について変数M(一致する残基の対についての報酬スコア;常に>0)およびN(一致しない残基についてのペナルティースコア;常に<0)を使用して計算され得る。アミノ酸配列について、スコア付けマトリックスを使用して、蓄積スコアを計算し得る。各方法におけるワードヒットの伸長は、以下の場合に停止される:数量Xによって蓄積整列スコアがその最大達成値より減少する;1以上のネガティブスコア付け残基整列の蓄積に起因して蓄積スコアが0以下になる;または、どちらかの配列の末端が到達される。BLASTアルゴリズム変数W、TおよびXは、整列の感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列について)は、ワード長(W)11、および期待値(E)10を初期設定として使用し、そしてBLOSUM62スコア付けマトリックス(HenikoffおよびHenikoff(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915を参照のこと)整列は、(B)50、期待値(E)10、M=5、N=4および両鎖の比較を使用する。
【0100】
好ましくは、「配列同一性のパーセント」は、少なくとも20位の比較のウインドウを越える2つの最適な整列された配列を比較することによって決定される。ここで、比較ウインドウ中のポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の一部は、この2つの配列の最適な整列についての参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して20%以下、通常は5〜15%、または10〜12%の付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。パーセントは、位置の数を決定する工程(ここで、同一の核酸塩基またはアミノ酸残基は、一致した位置の数を得るために両方の配列中に生じる)、一致した位置の数を参照配列(すなわち、ウインドウサイズ)中の位置の総数で除する工程、およびこれらの結果に100を掛けて配列の同一性のパーセントを得る工程によって算出される。
【0101】
従って、本発明は、本明細書中に開示される配列に対して実質的な同一性を有するポリヌクレオチド配列およびポリペプチド配列を含む。例えば、これらは、本明細書中に記載される方法(例えば、以下に記載されるような標準変数を使用するBLAST分析)を使用して、本発明のポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列を比較して、少なくとも50%配列同一性、好ましくは少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%以上の配列同一性を含む。コドン縮重、アミノ酸類似性、リーディングフレーム位置付けなどを考慮することによって、2つのヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質の対応する同一性を決定するためにこれらの値が適切に調整され得ることを、当業者は認識する。
【0102】
さらなる実施形態において、本発明は、本明細書に開示される1つ以上の配列に対して配列同一であるか、または相補性である種々の長さの連続するストレッチを含む単離されたポリヌクレオチドおよびポリペプチドを提供する。例えば、本発明によってポリヌクレオチドが、提供され、このポリヌクレオチドは、本明細書に開示される1つ以上の配列の少なくとも約15、20、30、40、50、75、100、150、200、300、400、500または1000以上連続するヌクレオチド、ならびにその間の中間の長さの全てのヌクレオチドを含む。この文脈において、「中間の長さ」とは、例えば、16、17、18、19など;21、22、23、など;30、31、32、など;50、51、52、53など;100、101、102、103など;150、151、152、153、など;(200〜500;500〜1,000などの間の全ての整数を含む)のような、述べられた値の間の任意の長さを意味することが容易に理解される。
【0103】
本発明のポリヌクレオチド、またはそのフラグメントは、コード配列それ自体の長さにもかかわらず、他のDNA配列(例えば、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、さらなる制限酵素部位、マルチクローニング部位、他のコードセグメントなど)と組み合わせられ得、その結果その長さ全体にわたってかなり変化し得る。従って、任意の長さのほとんどの核酸フラグメントが使用され得ることが考えられる。この全長は、好ましくは調製の容易さおよび意図される組み換えDNAプロトコールにおける用途によって制限される。例えば、約10,000、約5000、約3000、約2,000、約1,000、約500、約200、約100、約50塩基対長、など(全ての中間の長さを含む)の全長を有する代表的なDNAセグメントが、本発明の多くの実施において有用であることが考えられる。
【0104】
他の実施形態において、本発明は、本明細書において提供されるポリヌクレオチド配列に対して、中程度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るポリヌクレオチド、またはそのフラグメント、またはその相補的な配列に関する。ハイブリダイゼーション技術は、分子生物学の当該分野において周知である。例示の目的であるが、他のポリヌクレオチドと本発明のポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを試験するための適切な中程度にストリンジェントな条件としては、5×SSC、0.5% SDS、1.0mM EDTA(pH8.0)の溶液中の事前洗浄;50℃〜65℃、5×SSCでの、一晩のハイブリダイゼーション;続いて、0.1%SDSを含有する2×、0.5×および0.2×SSCのそれぞれを用いた20分間、65℃での2回の洗浄が挙げられる。
【0105】
さらに、遺伝子コードの縮重性の結果として、本明細書において記載されるようなポリペプチドをコードする多くのヌクレオチド配列が存在することが、当業者に理解される。これらのポリヌクレオチドのいくつかは、任意のネイティブ遺伝子のヌクレオチド配列に対して最小限の相同性を保有する。それにもかかわらず、コドン用法における差異に起因して変化するポリヌクレオチドが、本発明によって特に意図される。さらに、本明細書に提供されるポリヌクレオチド配列を含む遺伝子の対立遺伝子は、本発明の範囲内である。対立遺伝子は、1つ以上の変異(例えば、ヌクレオチドの欠失、付加、および/または置換)の結果として変更される内因性遺伝子である。得られたmRNAおよびタンパク質は、おそらく、ただし必ずしもではないが、変化した構造または機能を有する。対立遺伝子は、標準的技術(例えば、ハイブリダイゼーション、増幅、および/またはデータベース配列比較)を用いて同定され得る。
【0106】
(マイクロアレイ分析)
本発明の方法による検出に適切であるポリヌクレオチドは、以下にさらに詳細に記載されるように、組織および/または腫瘍関連発現(例えば、本明細書において提供される代表的なアッセイを用いて決定される場合、正常組織よりも腫瘍において少なくとも2倍大きい発現)についてcDNAのマイクロアレイをスクリーニングすることによって、同定され得る。このようなスクリーニングは、例えば、製造業者の指示に従って(そして、本質的には、Schenaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:10614〜10619(1996)およびHellerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:2150〜2155(1997)に記載のように)、Synteni microarray(Palo Alto,CA)を用いて、実施され得る。
【0107】
マイクロアレイは、多数の遺伝子を評価するための有効な方法であるが、その感度の限界に起因して、量の少ない遺伝子の絶対的な組織分布を正確に決定し得ないか、またはシグナル飽和に起因して、より豊富な遺伝子の過剰発現の程度を過小評価し得る。マイクロアレイ発現プロファイリングによる過剰発現を示すこれらの遺伝子について、TaqmanTMプローブ検出に基づいた定量的RT−PCRを用いてさらに分析を実施した。この分析はさらに大きいダイナミックレンジの感度を有する。この目的のために、正常および腫瘍組織、遠位転移、および細胞株のいくつかの異なるパネルを用いた。
【0108】
(定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応)
本発明による適切なポリヌクレオチドは、定量的PCR方法(例えば、リアルタイムPCR方法(Real−time PCR methodology)など)を使用することによって、さらに特徴づけされるか、あるいは本来的に同定され得る。この方法論によって、組織および/または腫瘍のサンプル(例えば、転移性腫瘍サンプルなど)が、対応する正常組織サンプル、および/または関連しない正常組織サンプルのパネルと並べて試験され得る。
【0109】
リアルタイムPCR(Gibsonら、Genome Research 6:995〜1001,1996;Heidら、Genome Research 6:986〜994,1996を参照のこと)は、増幅の間PCR産物蓄積のレベルを評価する技術である。この技術は、多数のサンプルにおけるmRNAのレベルの定量的評価を可能にする。要するに、mRNAは、腫瘍および正常組織から抽出され、そしてcDNAが標準的技術を用いて調製される。
【0110】
リアルタイムPCRは、例えば、ABI 7700 Prismか、またはGeneAmp(登録商標)5700配列決定システム(PE Biosystems,Foster City,CA)のいずれかで実施され得る。この7700システムは、一端で5’蛍光レポーター色素を、そしてもう一方の端に3’クエンチャー色素を有する特異的プローブ(TaqmanTM)と組み合わせて、フォワードプライマーおよびリバースプライマーを使用する。5’−3’ヌクレアーゼ活性を有するTaq DNAポリメラーゼを用いてリアルタイムPCRを実施する場合、このプローブは切断され、そして蛍光の増大によって反応がモニターされることを可能にする蛍光を発光しはじめる(リアルタイム)。この5700システムは、蛍光色素であるSYBR(登録商標)グリーンを使用する。この蛍光色素は、7700装置と同様、二本鎖DNA、ならびに同じフォワードプライマーおよびリバースプローブにのみ結合する。マッチするプライマーおよび蛍光プローブは、プライマー発現プログラム(PE Biosystems,Foster City,CA)に従って設計され得る。プライマーおよびプローブの至適濃度は、当業者によって最初に決定される。コントロール(例えば、β−アクチン)プライマーおよびプローブは、例えば、Perkin Elmer/Applied Biosystems(Foster City,CA)から市販され得る。
【0111】
サンプルにおける特異的RNAの量を定量するため、目的の遺伝子を含有するプラスミドを用いて標準曲線を作成する。標準曲線は、リアルタイムPCRにおいて決定したCt値を用いて作成する。この値は、このアッセイで使用した最初のcDNA濃度に関係する。目的の遺伝子の10〜10コピーにわたる標準希釈が一般に十分である。さらに、コントロール配列について標準曲線を作成する。これによって、比較目的で、コントロールの量に対して、組織サンプルの最初のRNA含量の標準化が可能になる。
【0112】
上記に従って、そしてさらに以下に記載されるように、本発明は、配列番号1、3、5〜7、11、13、15、17、19〜24、30、32、および73〜76に記載の配列を有する、代表的な乳房組織特異的、および/または胸部腫瘍特異的なポリヌクレオチドである、マンマグロビン(mammaglobin)、リポフィリンB、GABAπ(B899P)、B726P、B511S、B533S、B305D、およびB311D、癌、より詳細には、乳癌の検出において適切に使用され得る、配列番号2、4、8〜10、12、14、16、18、25〜29、および31および77に記載のアミノ酸配列を有する、上記のポリヌクレオチドによってコードされる代表的ポリペプチド、を提供する。
【0113】
本明細書において開示される方法はまた、前立腺癌、乳癌、結腸癌、卵巣癌、肺癌、頭頸部癌、リンパ腫、白血病、黒色腫、肝癌、胃癌、腎癌、膀胱癌、膵臓癌、および子宮内膜癌が挙げられるがこれらに限定されない広範な癌の検出に適切であるさらなるポリヌクレオチドおよび/または代替的ポリヌクレオチドの同定を可能にする。
【0114】
(癌の検出方法)
一般的に、癌細胞は、患者から得られた生物学的サンプル(例えば、血液、リンパ節、骨髄、血清、精液、尿、および/または腫瘍生検)の細胞内における1つ以上のポリヌクレオチドの存在に基づいて、患者において検出され得る。言い換えれば、このようなポリヌクレオチドは、癌(例えば、乳癌など)の存在または非存在を示すマーカーとして用いられ得る。
【0115】
本明細書中にさらに詳細に議論されるように、本発明は、これらおよび他の関連する目的を、1つより多くのポリヌクレオチドの同時検出のための方法論を提供することによって達成し、このポリヌクレオチドの存在は、生物学的サンプルにおける癌細胞の存在の診断である。本明細書中に開示される種々の癌検出方法の各々は、共通して、1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーおよび/またはプローブをハイブリダイズする工程を有し、このハイブリダイゼーションは、腫瘍特異的および/または組織特異的なポリヌクレオチドの存在の実証である。意図される正確な用途に依存して、ゲノムDNAのポリヌクレオチドに対して効力がない、イントロンにまたがる1つ以上のオリゴヌクレオチドを利用することが好ましく、従って、これらのオリゴヌクレオチドは、生物学的サンプル中のゲノムDNAの検出を実質的に減少および/または排除する際に有効である。
【0116】
さらに、試験されるべき生物学的サンプルを、1つ以上の細胞捕獲方法および/または細胞枯渇方法に供することによって、これらの検出方法の感度を増大するための方法が、本明細書中に開示される。
【0117】
本発明の特定の実施形態において、以下の工程を用いることによって、患者における癌細胞の存在が決定され得る:(a)この患者から生物学的サンプルを得る工程;(b)この生物学的サンプルを、第1のポリヌクレオチドにハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、この第1のポリヌクレオチドは、配列番号73および配列番号74において示されるポリヌクレオチドからなる群から選択される、工程;(c)この生物学的サンプルを、配列番号1、3、5〜7、11、13、15、17、19〜24、30、32、および75からなる群から選択される第2のポリヌクレオチドにハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(d)このサンプル中で、このオリゴヌクレオチドの少なくとも1つにハイブリダイズする一定量のポリヌクレオチドを検出する工程;ならびに(e)このオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を、予め決定したカットオフ値と比較し、そしてそれから、この患者における癌の存在または非存在を決定する工程。
【0118】
本発明の代替的実施形態は、以下の工程を利用して、患者における癌細胞の存在を決定する方法を提供する:(a)この患者から生物学的サンプルを得る工程;(b)この生物学的サンプルを、第1のポリヌクレオチドにハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、この第1のポリヌクレオチドは、配列番号76に示される、工程;(c)この生物学的サンプルを、配列番号1、3、5〜7、11、13、15、17、19〜24、30、32、および75からなる群から選択される第2のポリヌクレオチドにハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(d)このサンプル中で、このオリゴヌクレオチドの少なくとも1つにハイブリダイズする一定量のポリヌクレオチドを検出する工程;ならびに(e)このオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を、予め決定したカットオフ値と比較し、そしてそれから、この患者における癌の存在または非存在を決定する工程。
【0119】
本発明の他の実施形態は、患者における癌の存在または非存在を決定するための方法を提供する。このような方法は、以下の工程を包含する:(a)この患者から生物学的サンプルを得る工程;(b)患者から得られたこの生物学的サンプルを、配列番号73、配列番号74および配列番号76に示されるポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチド配列にハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(c)この生物学的サンプルを、配列番号75に示されるポリヌクレオチドにハイブリダイズする第2のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(d)この生物学的サンプルを、配列番号5、配列番号6および配列番号7に示されるポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドにハイブリダイズする第3のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(e)この生物学的サンプルを、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23および配列番号24に示されるポリヌクレオチドからなる群から選択されるポリヌクレオチドにハイブリダイズする第4のオリゴヌクレオチドと接触させる工程;(f)この生物学的サンプル中で、このオリゴヌクレオチドの少なくとも1つにハイブリダイズする一定量のポリヌクレオチドを検出する工程;ならびに(g)このオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を、予め決定したカットオフ値と比較し、そしてそれから、この患者における癌の存在または非存在を決定する工程。
【0120】
アッセイ条件下でハイブリダイゼーションを可能にするために、オリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブは、少なくとも10ヌクレオチド長、および好ましくは少なくとも20ヌクレオチド長の胸部腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチドの一部に対して、少なくとも約60%、好ましくは少なくとも約75%、およびより好ましくは少なくとも約90%の同一性を有するオリゴヌクレオチド配列を含むべきである。好ましくは、オリゴヌクレオチドプライマーは、本明細書中に記載されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに、上記で規定されるような中程度のストリンジェント条件下でハイブリダイズする。本明細書中に記載される診断方法において有効に利用され得るオリゴヌクレオチドプライマーは、好ましくは、少なくとも10〜40ヌクレオチド長である、好ましい実施形態において、このオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号1、3、5〜7、11、13、15、17、19〜24、30、32および73〜76に列挙される配列を有するDNA分子のうち、少なくとも10個連続したヌクレオチド、より好ましくは少なくとも15個連続したヌクレオチドを含む。PCRベースのアッセイおよびハイブリダイゼーションアッセイの両方についての技術は、当該分野で周知である(例えば、Mullisら,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.,51:263,1987;Erlich編,PCR Technology,Stockton Press,NY,1989を参照のこと)。
【0121】
本発明はまた、患者における癌細胞の存在を検出するための、増幅ベースの方法を提供する。例示的な方法は、以下の工程を包含する:(a)生物学的サンプルを患者から得る工程;(b)この生物学的サンプルを、第1のオリゴヌクレオチド対と接触させる工程であって、この第1の対は、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドを含み、ここで、この第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドは、それぞれ、第1のポリヌクレオチドおよびその相補体にハイブリダイズする、工程;(c)この生物学的サンプルを、第2のオリゴヌクレオチド対と接触させる工程であって、この第2の対は、第3のオリゴヌクレオチドおよび第4のオリゴヌクレオチドを含み、ここで、この第3および第4のオリゴヌクレオチドは、それぞれ、第2のポリヌクレオチドおよびその相補体にハイブリダイズし、そしてここで、この第1のポリヌクレオチドは、ヌクレオチド配列においてこの第2のポリヌクレオチドに対して無関係である、工程;(d)第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドを増幅する工程;ならびに(e)増幅された第1のポリヌクレオチドおよび増幅された第2のポリヌクレオチドを検出する工程;ここで、増幅された第1のポリヌクレオチドまたは増幅された第2のポリヌクレオチドの存在が、この患者における癌細胞の存在を示す。
【0122】
本発明に従う方法は、広範な種々の生物学的サンプル(例えば、血液、血清、リンパ節、骨髄、痰、尿および腫瘍生検サンプル)から得られるポリヌクレオチドの同定のために適切である。特定の好ましい実施形態において、生物学的サンプルは、血液、リンパ節または骨髄のいずれかである。本発明の他の実施形態において、リンパ節は、歩哨リンパ節であり得る。
【0123】
本発明の方法は、広範な種々の癌の検出において利用され得ることが明らかである。例示的な癌としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:前立腺癌、乳癌、結腸癌、卵巣癌、肺癌、頭部および頸部の癌、リンパ腫、白血病、黒色腫、肝臓癌、胃癌、腎癌、膀胱癌、膵臓癌および子宮内膜癌。
【0124】
本発明の特定の例示的な実施形態は、検出されるべきポリヌクレオチドが、マンマグロブリン(mammaglobin)、リポフィリンB、GABAπ(B899P)、B726P、B511S、B533S、B305DおよびB311Dからなる群から選択される方法を提供する。あるいは、および/またはさらに、検出されるべきポリヌクレオチドは、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号30、配列番号32、および配列番号76に記載されるポリヌクレオチドからなる群から選択され得る。
【0125】
本発明の方法に従って使用され得る、適切な例示的なオリゴヌクレオチドプローブおよび/またはプライマーは、配列番号33〜35および63〜72によって本明細書中に開示される。ゲノムDNAのバックグラウンドの検出を排除する、特定の好ましい実施形態において、このオリゴヌクレオチドは、イントロンにまたがるオリゴヌクレオチドであり得る。本明細書中に開示される種々のポリヌクレオチドの検出に適切な、例示的なイントロンにまたがるオリゴヌクレオチドは、配列番号36〜62に示される。
【0126】
意図される正確な適用に依存して、当業者は、放射性標識を検出し、そして蛍光体を検出することによって、組織特異的および/または腫瘍特異的なポリヌクレオチドの検出を選び得る。より詳細には、このオリゴヌクレオチドプローブおよび/またはプライマーは、例えば、放射性標識および/または発蛍光団のような検出可能な部分を含み得る。
【0127】
あるいは、またはさらに、本発明の方法はまた、組織特異的および/または腫瘍特異的ポリヌクレオチドの検出の前に、分画する工程(例えば、電気泳動によって)を包含し得る。
【0128】
他の実施形態において、本明細書中に記載の方法は、癌の進行のモニターに関して用いられ得る。これらの実施形態により、癌の診断に提供されるアッセイは、経時的に行われ得、そして反応性ポリペプチドまたはポリヌクレオチドのレベルの変化が評価され得る。例えば、このアッセイは、6ヶ月〜1年の期間にわたり、24〜72時間ごとに行われ得、それ以降は、必要時に行われ得る。一般に、癌は、検出されるポリペプチドまたはポリヌクレオチドのレベルが時間がたつにつれて増大する患者において進行している。対照的に、反応性ポリペプチドまたはポリヌクレオチドのレベルが一定のままか、または時間とともに減少しているかのいずれかである場合は、癌は進行していない。
【0129】
特定のインビボ診断アッセイは、腫瘍に対して直接行われ得る。1つのこのようなアッセイは、腫瘍細胞を結合薬剤と接触させる工程を包含する。次いで、この結合した結合薬剤は、レポーター基を介して直接的または間接的に検出され得る。このような結合薬剤はまた、組織学的適用において用いられ得る。あるいは、ポリヌクレオチドプローブがこのような適用内で用いられ得る。
【0130】
上記のように、感度を改善するために、複数の胸部腫瘍タンパク質マーカーが所定のサンプル内でアッセイされ得る。本明細書中で提供される異なるタンパク質に特異的な結合薬剤が1つのアッセイ内で組み合わされ得ることは明らかである。さらに、複数のプライマーまたはプローブが同時に用いられ得る。腫瘍タンパク質マーカーの選択は、最適感度を生じる組み合わせを決定するための慣用的な実験に基づき得る。さらに、または代わりに、本明細書中に提供される腫瘍タンパク質についてのアッセイは、他の公知の腫瘍抗原についてのアッセイと組み合わされ得る。
【0131】
(細胞富化)
本発明の他の局面において、細胞捕捉技術は、本明細書中に開示される種々の検出方法論の感度を改善するために、ポリヌクレオチド検出の前に用いられ得る。
【0132】
例示的な細胞富化方法論は、細胞表面マーカーに対する特異的モノクローナル抗体もしくは4量体抗体複合体でコーティングされた免疫磁性ビーズを用い、この方法論は、サンプル中の癌細胞を最初に富化するか、もしくはサンプル中の癌細胞をポジティブに選択するために用いられ得る。種々の市販のキットが用いられ得る。これらのキットとしては、Dynabeads(登録商標)Epithelial Enrich(Dynal Biotech,Oslo、Norway)、StemSepTM(StemCell Technologies,Inc.,Vancouver,BC)、およびRosetteSep(StemCell Technologies)が挙げられる。当業者は、他の容易に利用可能な方法論およびキットが適切に用いられて、所望の細胞集団が富化またはポジティブに選択され得ることを認識する。
【0133】
Dynabeads(登録商標)Epithelial Enrichは、正常上皮組織および新生物上皮組織上で発現された2つの糖タンパク質膜抗原に特異的なmAbでコーティングされた磁性ビーズを含む。このコーティングされたビーズをサンプルに添加し得、次いで、このサンプルを磁石に接触させ得、それによりこのビーズに結合した細胞を捕捉し得る。所望でない細胞は洗い流され、磁石により単離された細胞は、ビーズから溶出され、さらなる分析において用いられる。
【0134】
RosetteSepは、血液サンプルから直接細胞を富化するために用いられ得、そして種々の所望でない細胞を標的とし、そしてサンプル中に存在する赤血球(RBC)上のグリコホリンAにそれらを架橋して、ロゼットを形成する4量体の抗体のカクテルからなる。Ficoll上で遠心分離すると、標的とした細胞は、遊離のRBCとともにペレットを形成する。
【0135】
枯渇カクテルにおける抗体の組み合わせは、どの細胞が除去され、そして同時にどの細胞が回収されるかを決定する。利用可能な抗体としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD10、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD24、CD25、CD29、CD33、CD34、CD36、CD38、CD41、CD45、CD45RA、CD45RO、CD56、CD66B、CD66e、HLA−DR、IgE、およびTCRαβ。さらに、本発明において、胸部腫瘍抗原に特異的なmAbが開発され得、そして同様な様式で用いられ得ることが意図される。例えば、腫瘍特異的細胞表面抗原に結合するmAbは、磁性ビーズに結合体化され得るか、または4量体抗体複合体に処方され得、そしてサンプルから転移性の胸部腫瘍細胞を富化するか、またはポジティブに選択するために用いられ得る。
【0136】
一旦サンプルが富化されるか、またはポジティブに選択されると、細胞はさらにアッセイされ得る。例えば、これらの細胞は、溶解され得、そしてRNAが単離され得る。次いで、RNAは、本明細書中に記載のようにリアルタイムPCRアッセイにおいて胸部腫瘍特異的多重プライマーを用いてRT−PCR分析に供され得る。
【0137】
本発明の別の局面において、細胞捕捉技術は、リアルタイムPCRとともに用いられて、胸部腫瘍抗原を発現する転移性細胞の検出のためのより感度の高いツールを提供し得る。骨髄サンプル、末梢血サンプル、および少量の針吸引サンプル中の乳癌細胞の検出は、乳癌患者における診断および予後のために望ましい。
【0138】
(プローブおよびプライマー)
上記のように、および本明細書中でさらに詳細に記載されるように、本発明に従う特定の方法、組成物およびキットは、癌の検出のために2以上のオリゴヌクレオチドプライマー対を利用する。このような核酸プローブが目的の配列に特異的にハイブリダイズする能力により、これらの核酸プローブは生物学的サンプル中の相補的配列の存在を検出する際に有用になる。
【0139】
あるいは、他の実施形態において、本発明のプローブおよび/またはプライマーは、核酸ハイブリダイゼーションを介した検出のために用いられ得る。このようにして、検出されるポリヌクレオチドの15ヌクレオチドの長さの連続する配列と同じ配列を有するか、またはこの配列に相補的な、少なくとも約15ヌクレオチドの長さの連続する配列の配列領域を含む核酸セグメントが特定の有用性を見出すことが意図される。より長い連続する同一の配列または相補的な配列、例えば、約20、30、40、50、100、200、500、1000の配列(全ての中間の長さを含む)および全長までの長さの配列すらもまた、特定の実施形態において有用である。
【0140】
検出されるポリヌクレオチドに同一またはこのポリヌクレオチドに相補的な、10〜14、15〜20、30、50、または100〜200ヌクレオチド程度(中間の長さも同様に含む)の連続するヌクレオチドのストレッチからなる配列領域を有するオリゴヌクレオチドプライマーは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCRTM)のような増幅反応において使用するためのプライマーとして特に意図される。これは、例えば、血液、リンパ節および骨髄のような異なる生物学的サンプルにおいて、ポリヌクレオチドを分析することを可能にする。
【0141】
約15〜25ヌクレオチド長のプライマーを使用することにより、安定かつ選択的な二重鎖分子の形成が可能になる。15塩基を超える長さのストレッチにわたって連続する相補的配列を有する分子が一般に好ましいが、ハイブリッドの安定性および選択性を増大するために、そしてこれにより得られた特定のハイブリッド分子の質および程度を改善する。当業者は、一般に、15〜25の連続するヌクレオチド、または所望される場合よりさらに長い遺伝子相補的ストレッチを有するプライマーを設計することを好む。
【0142】
検出されるポリヌクレオチドの任意の部分から、プライマーが選択され得る。当業者がプライマーとして利用しようと考える、配列番号1、3、5〜7、11、13、15、17、19〜24、30、32、73〜75(それぞれ、図3〜6)および配列番号76(リポフィリンB)に示される例示的ポリヌクレオチド、またはこれらの配列の任意の連続する部分、約15〜25ヌクレオチド長から全長配列まで(および全長配列を含む)のような配列を検討することのみが必要とされる。プライマー配列の選択は、種々の因子により支配され得る。例えば、当業者は、完全な配列の末端に対するプライマーを用いようとし得る。本明細書中に開示される例示的プライマーは、必要に応じて、目的のポリヌクレオチド全体(例えば、配列番号1、3、5〜7、11、13、15、17、19〜24、30、32、73〜75(それぞれ、図3〜6)および配列番号76(リポフィリンB)に示される配列)の相補的ストレッチと二重鎖分子を選択的に形成するその能力のために使用され得る。
【0143】
本発明はさらに、配列番号33〜71に示される、癌の検出のための本発明の方法に従って使用され得る(本明細書中でさらに詳細に記載される)種々の例示的オリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブのヌクレオチド配列を提供する。
【0144】
本発明に従うオリゴヌクレオチドプライマーは、当業者に一般に利用可能な方法(例えば、自動化オリゴヌクレオチド合成機を用いて一般に行われるように、化学的手段によりプライマーを直接合成することを含む)により慣用的に容易に調製され得る。想定される適用に依存して、当業者は、代表的には、種々の条件のハイブリダイゼーションを用いて、標的配列に対するプローブの種々の程度の選択性を達成することを望む。高い選択性を要する適用に関して、当業者は、代表的には、ハイブリッドを形成するために比較的ストリンジェントな条件を用いることを望む(例えば、当業者は、約50℃〜70℃の温度で、約0.02M〜約0.15Mの塩の塩濃度により提供されるような、比較的低い塩条件および/または高い温度条件を選択する)。このような選択条件は、存在するとすれば、プローブとテンプレートまたは標的鎖との間のわずかなミスマッチを許容し、そして関連する配列を単離するために特に適切である。
【0145】
(ポリヌクレオチド増幅技術)
ガンの検出ために本明細書に概説される具体的な実施形態の各々は、1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーおよび/またはプローブのハイブリダイゼーションを介する、組織および/または腫瘍特異的ポリヌクレオチドの検出において共通する。生物学的サンプル中に存在するガン細胞の相対数および/または各ガン細胞内でのポリヌクレオチドの発現レベルのような因子に依存して、検出の工程を行う前に、増幅工程を行うことが好ましい。例えば、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドプライマーが、生物学的サンプルに由来する胸部腫瘍cDNAの一部を増幅するためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づくアッセイにおいて利用され得る。ここで、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーは、胸部腫瘍タンパク質をコードするポリヌクレオチドに対して特異的である(すなわち、ハイブリダイズする)。その増幅されたcDNAは、必要に応じて、例えば、ゲル電気泳導のような分画工程に供され得る。
【0146】
多数の鋳型依存性プロセスが、サンプル中に存在する目的の標的配列を増幅するために利用可能である。最も良く知られている増幅方法の1つは、米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、および同第4,800,159号(これらの各々は、その全体が本明細書中に参考として援用される)に詳述されるポリメラーゼ連鎖反応(PCRTM)である。簡単には、PCRTMにおいて、標的配列の反対の相補鎖上の領域に相補的である2つのプライマー配列が調製される。過剰のデオキシヌクレオシドトリホスフェートが、DNAポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ)とともに反応混合物中に添加される。その標的配列がサンプル中に存在する場合、そのプライマーは、その標的に結合し、そしてそのポリメラーゼにより、プライマーがその標的配列に沿って、ヌクレオチドを付加することによって伸長する。反応混合物の温度を上げることおよび下げることによって、その伸長プライマーは、標的から解離して反応産物を形成し、過剰のプライマーは、標的およびその反応産物に結合し、そしてそのプロセスが繰り返される。好ましくは、逆転写およびPCRTM増幅手順が、増幅されたmRNAの量を定量するために行われ得る。ポリメラーゼ連鎖反応法は、当該分野で周知である。
【0147】
ポリヌクレオチド増幅のための1つの好ましい方法は、RT−PCRを利用し、これにおいてPCRが、逆転写と組み合わせて適用される。代表的には、RNAが生物学的サンプル(例えば、血液、血清、リンパ節、骨髄、痰、尿、および腫瘍生検サンプル)から抽出され、そして逆転写されてcDNA分子を生成する。少なくとも1つの特異的プライマーを使用するPCR増幅は、cDNA分子を生成し、これは、例えば、ゲル電気泳導を使用して分離されて、可視化され得る。増幅は、患者およびガンに罹患していない個体由来の生物学的サンプル上で行われ得る。その増幅反応は、2オーダーの大きさにわたるcDNAの数倍希釈に対して行われ得る。数倍希釈の試験患者サンプルにおいて、非ガンサンプルの同じ希釈に比較して、発現の2倍以上の増大は、代表的には陽性と考えられる。
【0148】
種々の商業的に利用可能なキットのいずれもが、増幅工程を行うために使用され得る。1つのこのような増幅技術は、制限酵素を使用してその遺伝子の既知の領域においてフラグメントを生成する逆PCR(Trigliaら、Nucl.Acids.Res.16:8186,1988)である。次いで、そのフラグメントは、分子内ライゲーションによって環状化され、そして既知の領域に由来する広範なプライマーを使用するPCRのためのテンプレートとして使用される。代替のアプローチにおいて、部分配列に隣接する配列は、リンカー配列に対するプライマーおよび既知の領域に特異的なプライマーを用いて増幅することによって回収され得る。その増幅された配列は、代表的には、同じリンカープライマーおよびその既知の領域に特異的な二次プライマーを用いて二回目の増幅に供される。この手順に対する改変(その既知の配列から反対方向に伸長を開始する2つのプライマーを利用する)は、WO96/38591に記載される。別のこのような技術は、「cDNA末端の迅速増幅」または「RACE」として公知である。この技術は、既知の配列の5’および3’である配列を同定するために、polyA領域またはベクター配列にハイブリダイズする内部プライマーおよび外部プライマーの使用を含む。さらなる技術には、捕捉PCR(Lagerstromら、PCR Methods Applic.1:111−19、1991)およびウォーキングPCR(Parkerら、Nucl.Acids.Res.19:3055−60,1991)が含まれる。増幅を利用する他の方法は、全長cDNA配列を得るためにも利用され得る。
【0149】
増幅のための別の方法は、Eur.Pat.Appl.Publ.No.320,308(その全体が本明細書において特に参考として援用される)に開示されるリガーゼ連鎖反応(LCRと呼ばれる)である。LCRにおいて、2つの相補的なプローブ対が調製され、そして標的配列の存在下で、各対は、それらが隣接するように、標的の反対側の相補鎖に結合する。リガーゼの存在下において、その2つのプローブ対は、単一のユニットを形成するために連結する。PCRTMと同様に、温度サイクリングによって、結合したリガンドユニットは、その標的から解離し、次いで、過剰のプローブ対のライゲーションのための「標的配列」として作用する。米国特許第4,883.750号(その全体が参考として本明細書に援用される)は、標的配列に対してプローブ対を結合するためのLCRに類似する代替の増幅方法を記載する。
【0150】
PCT国際特許出願公開PCT/US87/00880(その全体が参考として本明細書に援用される)に記載されるQbeta Replicaseもまた、本発明においてなお別の増幅方法として使用され得る。この方法において、標的の複製的配列に相補的な領域を有するRNAの複製的配列が、RNAポリメラーゼの存在下でサンプルに添加される。そのポリメラーゼは、次いで検出され得る複製的配列を複写する。
【0151】
制限エンドヌクレアーゼおよびリガーゼが、制限部位の1つの鎖のヌクレオチド5’−[α−チオ]トリホスフェートを含有する標的分子の増幅を達成するために使用される等温増幅法(Walkerら、1992、その全体が本明細書中に参考として援用される)もまた、本発明における核酸の増幅において有用であり得る。
【0152】
鎖置換増幅(SDA)は、多数回の鎖置換および合成(すなわち、ニックトランスレーション)を含む核酸の等温増幅を行う別の方法である。修復連鎖反応(RCR)と呼ばれる同様の方法は、本発明において有用であり得る増幅の別の方法であり、増幅のために標的化された領域にわたる数種のプローブをアニーリングすること、および、続いて、4つの塩基のうちの2つのみが存在する修復反応を包含する。他の2つの塩基は、簡単な検出のためのビオチン化誘導体として添加され得る。同様のアプローチがSDAにおいて使用される。
【0153】
配列はまた、環状プローブ反応(CPR)を使用して検出され得る。CPRにおいて、非標的DNAの3’および5’配列およびその標的タンパク質特異的RNAの内部または「中間」配列を有するプローブが、サンプル中に存在するDNAにハイブリダイズする。ハイブリダイゼーションの際、その反応は、RNaseHで処理され、そしてそのプローブの産物は、消化後に放出されるシグナルを生成することによって明確な産物として同定される。そのオリジナルのテンプレートは、別のサイクリングプローブにアニーリングし、そしてその反応が繰り返される。このようにして、CPRは、標的遺伝子特異的に発現された核酸に対するプローブのハイブリダイゼーションによって生成されたシグナルを増幅することを包含する。
【0154】
Great Britain Pat.Appl.No.2202328およびPCT/US89/01025(これらの各々はその全体が参考として本明細書中にて援用される)に記載されるなお他の増幅法は、本発明に従って使用され得る。前者の出願では、「改変された」プライマーは、PCR様のテンプレートおよび酵素依存的合成において使用される。そのプライマーは、捕捉部分(例えば、ビオチン)および/または検出部分(例えば、酵素)で標識することによって改変され得る。後者の出願では、過剰の標識されたプローブがサンプルに添加される。標的配列の存在下で、そのプローブが結合し、そして触媒により切断される。切断後、その標的配列が過剰のプローブによって結合されるようにインタクトのまま放出される。その標識されたプローブの切断は、その標的配列の存在の指標である。
【0155】
他の核酸増幅手順には、転写ベースの増幅システム(TAS)(Kwohら、1989;PCT国際特許出願公開WO88/10315、その全体が本明細書中で参考として援用される)が含まれ、これには、核酸配列ベースの増幅(NASBA)および3SRが含まれる。NASBAでは、核酸が、サンプルの標準的なフェノール/クロロホルム抽出、熱変性、溶解緩衝液での処理、およびDNAおよびRNAの単離のためのミニスパンカラム、またはRNAの塩化グアニジウム抽出による増幅のために調製され得る。これらの増幅技術には、その標的配列に特異的な配列を有するプライマーのアニーリングが含まれる。ポリマー化後、DNA/RNAハイブリッドは、RNaseHで消化され、一方、二本鎖DNA分子が、再び熱変性される。いずれかの場合において、その単一鎖DNAは、第二の標的特異的プライマーの付加およびその後のポリマー化によって完全に二本鎖にされる。次いで、その二本鎖DNA分子は、T7またはSP6のようなポリメラーゼによって多重に転写される。等温サイクリック反応において、そのRNAは、DNAに逆転され、そしてT7またはSP6のようなポリメラーゼによって再び転写される。得られた産物は、短縮型であろうと完全型であろうと、標的特異的配列を示す。
【0156】
その全体が本明細書によって参考として援用される、欧州特許出願番号329,822は、一本鎖RNA(「ssRNA」)、ssDNA、および二本鎖DNA(「dsDNA])(これらは、本発明に従って使用され得る)を周期的に合成する工程を包含する、核酸増幅プロセスを開示する。ssRNAは、第一のプライマーオリゴヌクレオチドのための第一のテンプレートであり、これは、逆転写酵素(RNA依存性DNAポリメラーゼ)によって伸長される。次いで、このRNAは、生じたDNA:RNA二本鎖から、リボヌクレアーゼH(RNaseH、DNAまたはRNAのいずれかとの二本鎖におけるRNAに特異的であるRNase)の作用によって、除去される。生じたssDNAは、第二のプライマーのための第二のテンプレートであり、これはまた、そのテンプレートに対する相同性に対して、RNAポリメラーゼプロモーター(T7 RNAプロモーターによって例示される)5’の配列を含む。次いで、このプライマーは、DNAポリメラーゼ(E.coliのDNAポリメラーゼIの大きい「クレノウ」フラグメントによって例示される)によって伸長され、二本鎖DNA(「dsDNA」)分子として生じ、プライマー間の元のRNAの配列と同一の配列を有し、そしてさらに、一端でプロモーター配列を有する。このプロモーター配列は、適切なRNAポリメラーゼによって使用されて、DNAの多くのRNAコピーを作製し得る。次いで、これらのコピーは、再びサイクルに入って、非常に迅速な増幅を生じ得る。酵素の適切な選択によって、この増幅は、各サイクルでの酵素の添加なしに等温的になされ得る。このプロセスの周期的な性質に起因して、開始配列は、DNAまたはRNAのいずれかの形態であるように選択され得る。
【0157】
本明細書中でその全体が参考として援用されるPCT公開特許出願番号WO89/06700は、標的一本鎖DNA(「ssDNA」)に対するプロモーター/プライマー配列のハイブリダイゼーションに基づいた核酸配列増幅スキーム、それに続くこの配列の多くのRNAコピーの転写を開示する。このスキームは、周期的ではない。すなわち、新しい温度が、生じたRNA転写物から生成されない。他の増幅方法は、当業者に周知の「RACE」(Frohman、1990)および「一面(one−side)PCR」(Ohara、1989)を含む。
【0158】
(癌の検出のための組成物およびキット)
本発明はさらに、上記の診断方法のいずれかにおける使用のためのキットを提供する。このようなキットは、代表的には、診断アッセイの実行のために必要な2つ以上の成分を含む。この成分は、化合物、試薬、容器および/または装置であり得る。例えば、キット内の1つの容器は、乳癌タンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体またはそのフラグメントを含み得る。このような抗体またはフラグメントは、上記のような支持体材料に付着されて提供され得る。1つ以上のさらなる容器は、アッセイにおいて使用される構成要素(例えば、試薬または緩衝液)を封入する。このようなキットはまた、あるいは、抗体結合の直接的または間接的な検出のために適切なレポーター基を含む、上記のような検出試薬を含む。
【0159】
本発明はまた、本発明の検出方法の実行のために適切なキットを提供する。例示的なキットは、その各々が別個のポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチド対を含む。特定の実施形態において、本発明に従ったキットはまた、核酸ポリメラーゼおよび適切な緩衝液を含み得る。本発明のキットのために適切な、例示的なオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号33〜71によって本明細書中に開示される。本発明のキットに適切な例示的なオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号30、配列番号32、およびリポフィリンBに開示される。
【0160】
あるいは、キットは、生物学的なサンプル中の乳癌タンパク質をコードするmRNAのレベルを検出するために設計され得る。このようなキットは一般に、乳癌タンパク質をコードするポリペプチドにハイブリダイズする、上記のような少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマーを含む。このようなオリゴヌクレオチドが、例えば、PCRまたはハイブリダイゼーションアッセイにおいて使用され得る。このようなキット内に存在し得るさらなる成分は、第二のオリゴヌクレオチドおよび/もしくは診断試薬、または乳癌タンパク質をコードするポリヌクレオチドの検出を容易にするための容器を含む。
【0161】
他の関連する局面において、本発明はさらに、本明細書中に開示された方法において有用な組成物を提供する。例示的な組成物としては、その各々が別個のポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする、2つ以上のオリゴヌクレオチドプライマー対を含む。本発明の組成物のために適切な例示的なオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号33〜71によって本明細書中に開示される。本発明の組成物に適切な例示的なポリヌクレオチドは、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号30、配列番号32、およびリポフィリンBに開示される。
【0162】
以下の実施例は、例示のために提供され、限定のためではない。
【0163】
(実施例)
(実施例1)
(ディファレンシャルディスプレイ)
本実施例は、乳癌において過剰発現するポリヌクレオチドを富化するためのディファレンシャルディスプレイの使用を開示する。
【0164】
ディファレンシャルディスプレイを、文献(例えば、その全体が本明細書によって参考として援用される、Liang,Pら、Science 257:9687−971(1993)を参照のこと)中に記載のように、以下の改変と共に実施した:(a)PCR増幅産物を、銀染色ゲル上で可視化した(b)組織の遺伝的に適合した対を使用して、多型改変体を除外した(c)cDNAの2つの異なる希釈を、テンプレートとして使用して、任意の希釈の影響を除外した(その全体が本明細書によって参考として援用される、Mou,E.ら、Biochem Biophy Res Commun.199:564−569(1994)を参照のこと)。
【0165】
(実施例2)
(cDNAサブトラクションライブラリーの調製)
本実施例は、乳癌特異的なポリヌクレオチドが富化された、乳癌cDNAサブトラクションライブラリーの調製を開示する。
【0166】
cDNAライブラリーサブトラクションを、いくつかの改変と共に、記載されたように実行した。その全体が本明細書によって参考として援用される、Hara,T.ら、Blood 84:189−199(1994)を参照のこと。3つの乳癌のプールから作製した、乳癌ライブラリー(トレーサー)を、乳癌特異的な遺伝子を同定するために、正常な乳房ライブラリー(ドライバー)で差し引いた。より最近の差し引きは、共通の遺伝子をより効率的に差し引くために、1つの「免疫学的」組織(例えば、脾臓、リンパ節、またはPBMC)に沿った重要な組織上の強調と共に、ドライバーとして6〜10の正常組織を使用して、腫瘍におけるリンパ球浸潤由来のcDNAの除去において評価した。この乳癌特異的な差し引かれたcDNAライブラリーを、以下のように作製した:ドライバーcDNAライブラリーをEcoRI、NotI、およびSfuI(SfuIは、ベクターを切断する)で消化し、DNAポリメラーゼクレノウフラグメントで満たした。フェノール−クロロホルム抽出およびエタノール沈殿の後、DNAをPhotoprobeビオチンで標識してHOに溶解させた。トレーサーcDNAライブラリーを、BamHIおよびXhoIで消化し、フェノール−クロロホルムで抽出し、Chroma spin−400カラムを通し、エタノールで沈殿させ、そしてハイブリダイゼーションのために68℃で20時間(長時間ハイブリダイゼーション(LH))ドライバーDNAと混合した。次いで、この反応混合物を、合計4回のストレプトアビジン処理、続くフェノール/クロロホルム抽出に供した。差し引いたDNAを沈殿し、そして再びドライバーDNAと68℃2時間のハイブリダイゼーション(短時間ハイブリダイゼーション(SH))に供した。ビオチン化二本鎖DNAの除去後に、差し引いたcDNAを、クロラムフェニコール耐性pBCSKのBamHI/XhoI部位に連結し、そしてElectroMax E.coli DH10B細胞にエレクトロポレーションによって形質導入して、差し引いたcDNAライブラリーを生成した。多くはない乳癌特異的遺伝子をクローニングするために、ドライバーcDNAライブラリーとこれら多くのcDNAとを有するトレーサーcDNAライブラリーを初期サブトラクションから差し引くことによって、cDNAライブラリーサブトラクションを反復した。これは、これら多くの配列の欠失および多くはない配列を含むサブトラクションライブラリーの生成を生じた。
【0167】
差し引かれたcDNAライブラリーを分析するために、プラスミドDNAを、100〜200の独立したクローンから調製した。これらのクローンは、差し引きされたライブラリーから無作為に選択され、そしてDNA配列決定によって、特徴付けられた。決定されたcDNAおよび単離されたcDNAについての予測アミノ酸配列を、最も新しいGenbankデータベースおよびヒトESTデータベースを使用して公知の配列と比較した。
【0168】
(実施例3)
(PCRサブトラクション)
本実施例は、胸部腫瘍特異的ポリヌクレオチドを富化するためのPCRサブトラクションを開示する。
【0169】
PCRサブトラクションを、実質的に文献に記載されるように実施した。Diatchenko,L.ら、Proc Natl Acad Sci USA.93:6025−6030(1996)およびYang,G.P.ら、Nucleic acid Res.27:1517−23(1999)(これらの全体が参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。簡単には、この型のサブトラクションは、2つの異なるアダプターを制限酵素消化したテスター(胸部腫瘍)cDNAサンプルの異なるアリコートに連結し、それに続いてこれらのテスターを過剰なドライバー(アダプターなし)と別々に混合することによって作用する。この第一のハイブリダイゼーションは、一本鎖テスター特異的cDNAの正規化をもたらし、これは、ハイブリダイゼーションの二番目の反応速度論に起因する。次いで、これらの別個のハイブリダイゼーション反応を変性なしに混合し、そして第二のハイブリダイゼーションを行ない、標的分子;異なるアダプターの両方を含む二本鎖cDNAフラグメントを産生する。2回のPCRを行い、これは標的集団分子(正規化されたテスター特異的cDNA)の対数的増幅をもたらすが、他のフラグメントは、増幅しないかまたは直線的様式で増幅したのみのいずれかであった。実施したサブトラクションは、正常乳房のプールを差し引かれた胸部腫瘍のプールおよびPBMC、脳、膵臓、肝臓、小腸、胃、心臓および腎臓を含む正常組織のプールを差し引かれた胸部腫瘍のプールを含んだ。
【0170】
cDNA合成の前に、RNAを、RNasin(Promega Biotech、Madison、WI)存在下で、DNaseI(Ambion)で処理し、DNAの夾雑物を除去した。リアルタイムPCR組織パネルにおける利用のためのcDNAを、superscriptII逆転写酵素(Gibco BRL、Bethesda、MD)を含む25μlのOligo dT(Boehringer−Mannbeim)プライマーを使用して調製した。
【0171】
(実施例4)
(乳房特異的抗原を使用する胸部腫瘍の検出)
乳房特異的抗原B511SおよびB533Sの単離および特徴づけは、米国特許出願09/346,327(1999年7月2日出願)に開示される。この開示は、その全体が参考として本明細書中に援用される。B511Sについて決定したcDNA配列を、配列番号30に示し、対応するアミノ酸配列を、配列番号31に示す。B533Sについて決定されたcDNA配列を、配列番号32に示す。乳房特異的抗原B726Pの単離および特徴づけは、米国特許出願09/285,480(1999年4月2日出願)および同09/433,826(1999年11月3日出願)に開示され、この開示は、その全体が参考として本明細書中に援用される。
【0172】
B726Pのスプライシング改変体について決定したcDNA配列を、配列番号13、15、17および19〜24に示し、対応するアミノ酸配列を、配列番号14、16、18および25〜29に示す。
【0173】
乳房特異的抗原B305D(AおよびCを形成する)の単離および特徴づけは、米国特許出願09/429,755(1999年10月28日出願)に記載されており、この開示はその全体が参考として本明細書中に援用される。B305DアイソフォームAおよびCについて決定したcDNA配列を、配列番号1、3および5〜7に示し、対応するアミノ酸配列を、配列番号2、4および8〜10に示す。
【0174】
乳房特異的抗原B311Dの単離および特徴づけは、米国特許出願09/289,198(1999年4月9日出願)に記載されており、この開示はその全体が参考として本明細書中に援用される。B311Dについて決定したcDNA配列を、配列番号11に示し、対応するアミノ酸配列を配列番号12に示す。
【0175】
マンマグロビンについてのcDNA配列を図4および5に示し、GABAπについてのcDNA配列を、図6に示し、そしてそれぞれ配列番号73〜75に開示する。
【0176】
乳房特異的抗原リポフィリンBの単離および特徴付けは、米国特許出願09/780,842(2001年2月8日出願)に記載されており、この開示は、その全体が参考として本明細書中に援用される。リポフィリンBについて決定したcDNA配列を、配列番号76に示し、対応するアミノ酸配列を、配列番号77に示す。リポフィリンBのいくつかの配列改変体のヌクレオチド配列がまた、米国特許出願09/780,842に記載される。
【0177】
(実施例5)
(マイクロアレイ分析)
本実施例は、正常乳房組織サンプルと比較した場合に、胸部腫瘍組織サンプルにおいて、少なくとも2倍は過剰発現されるポリヌクレオチドを同定するためのマイクロアレイ分析の使用を開示する。
【0178】
目的のポリヌクレオチドのmRNAの発現を以下のように実施した。異なる遺伝子についてのcDNAを上記のように調製し、そしてスライドガラス(Incyte,Palo Alto,CA)上に整列させた。次いで、整列したcDNAを、Cy3またはCy5で蛍光標識した第一鎖cDNA(胸部腫瘍由来のpolyA+ RNAから得た)、正常乳房および正常組織と他の腫瘍(その全体が本明細書中で参考として援用されるShalon,Dら、Genome Res.6:639〜45(1996)に記載されている)の1:1混合物を用いてハイブリダイズした。代表的には、Cy3(プローブ1)を胸部腫瘍由来のcDNAに結合させ、そしてCy5(プローブ2)を正常乳房組織または他の正常組織に結合させた。両方のプローブを、チップ上で不死化遺伝子特異的cDNAと競合させ、洗浄し、次いでハイブリダイゼーションの程度を決定するために個々のCy3およびCy5の蛍光の蛍光強度をスキャンした。データをGEMTOOLSソフトウェア(Incyte,Palo Alto,CA)(Cy3/Cy5の比によって正常組織と比較されるべき胸部腫瘍の過剰発現パターンを可能にする)を使用して解析した。蛍光強度はまた、個々の遺伝子の発現レベルに関連した。
【0179】
DNAマイクロアレイ分析を、主にスクリーニング道具として使用して、ディファレンシャルディスプレイ、cDNAライブラリーおよびPCRサブトラクションから回収されたcDNAの組織/腫瘍特異性を決定し、その後、定量的RT−PCR、ノーザンブロッティング、および免疫組織化学によるより厳密な解析を行った。マイクロアレイ分析を、2つのマイクロチップ上で実施した。合計で3603の差し引かれたcDNAテンプレートおよび197のディファレンシャルディスプレイテンプレートを評価し、定量的PCRによるさらなる解析のため40の候補を同定した。これらの候補のうちいくつかを、好ましい組織特異性プロファイル(B305D、B311D、B726P、B511SおよびB533Sを含む)に基づいて選択し、胸部腫瘍および/または正常乳房 対 他の正常組織におけるそれらの過剰発現プロファイルを示した。これらの遺伝子の発現が、胸部腫瘍および/または乳房組織に対する高度の特異性を示すことが明らかであった。さらに、これらの遺伝子は、多くの場合、相補的発現プロファイルを有する。
【0180】
また、2つの公知の乳房特異的遺伝子、マンマグロビンおよびγ−アミノ酪酸A型レセプターのπサブユニット(GABAπ)を、マイクロアレイ分析に供した。マンマグロビンのmRNA発現は、胸部腫瘍を含む乳房組織の増殖においてアップレギュレーションされることが以前に記載されている。Watsonら、Cancer Res.、56:860〜5(1996);Watsonら、Cancer Res.、59:3028〜3031(1999);Watsonら、Oncogene.16:817〜24(1998)(これらは、その全体が参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。GABAπ mRNAレベルを、胸部腫瘍において過剰発現した。以前の研究は、膀胱におけるその過剰発現、ならびに前立腺および肺におけるある程度の過剰発現を実証した(Hedblomら、J Biol.Chem.272:15346〜15350(1997))が、以前の研究では、胸部腫瘍での増大したレベルは示されていなかった。
【0181】
(実施例6)
(定量的リアルタイムPCR分析)
本実施例は、正常な胸部組織サンプルと比較して、胸部腫瘍組織サンプルにおいて少なくとも2倍過剰発現するポリヌクレオチドのマイクロアレイ同定を確認するための定量的リアルタイムPCRの使用を開示する。
【0182】
本明細書において実施例5で開示されたマイクロアレイ分析により同定されたポリヌクレオチドの腫瘍特異性および/または組織特異性を、定量的PCR分析によって確認した。胸部転移、胸部腫瘍、良性胸部障害および正常な胸部組織を、他の正常組織および腫瘍と共に、定量的(リアルタイム)PCRにおいて試験した。これを、ABI 7700 PrismまたはGeneAmp(登録商標)5700 sequence detection system(PE Biosystems,Foster City,CA)のいずれかにおいて実施した。7700システムは、順方向プライマーおよび逆方向プライマーを、この順方向プライマーとこの逆方向プライマーとの間の配列にアニーリングするように設計された特異的プローブと組み合わせて使用する。このプローブを、その5’末端で蛍光レポーター色素と結合体化し、そして他方の3’末端で消光剤色素(TaqmanTM)と結合体化した。PCRの間、Taq DNAポリメラーゼ(その5’−3’ヌクレアーゼ活性を有する)はプローブを切断し、これにより蛍光を発し始め、蛍光の増加によって反応をモニターすることを可能にする(リアルタイム)。Hollandら,Proc Natl Acad Sci U S A.88:7276−7280(1991)。5700システムは、二本鎖DNAに対してのみ結合する蛍光色素であるSYBR(登録商標)グリーン(Schneebergerら,PCR Methods Appl.4:234−8(1995))、ならびに7700機器と同じ順方向プライマーおよび逆方向プライマーを使用した。プローブは必要とされなかった。一致するプライマーおよび蛍光プローブを、Primer Express program(PE Biosystems,Foster City,CA)に従って、各遺伝子について設計した。
【0183】
【表1】
Figure 2004505611
定量的PCRにおいて、マンマグロビン(mammaglobin)、GABAπ、B305D C形態、B311D、B511S、B533SおよびB726Pについての順方向プライマーについて使用された濃度は、それぞれ、900、900、300、900、900、300および300nMであった。逆方向プライマーについて、これらはそれぞれ、300、900、900、900、300、900および900nMであった。このようにして生成されたプライマーおよびプローブを、リアルタイムPCRにおいて、汎用熱サイクルプログラム(universal thermal cycling program)で使用した。これらを滴定し、チェッカー盤アプローチを使用して最適濃度を決定した。標的腫瘍由来のcDNAのプールを、この最適化プロセスにおいて使用した。反応を、25μl容量で実施した。すべての場合において、最終プローブ濃度は160nMであった。dATP、dCTPおよびdGTPは、0.2mMであり、そしてdUTPは、0.4mMであった。Amplitaq goldおよびAmperase UNG(PE Biosystems,Foster City,CA)を、1回の反応あたり0.625ユニットおよび0.25ユニットで使用した。MgClは、5mMの最終濃度であった。微量のグリセロール、ゼラチン、およびTween 20(Sigma Chem Co,St Louis,MO)を添加して、反応を安定化させた。各反応は、2μlの希釈テンプレートを含んだ。上記のように調製されたRT反応からのcDNAを、目的の遺伝子について1:10で希釈し、そしてβ−アクチンについて1:100で希釈した。β−アクチン(PE Biosystems,Foster City,CA)についてのプライマーおよびプローブを、同様の様式で使用して、サンプル中のβ−アクチンの存在を定量した。SYBR(登録商標)グリーンアッセイの場合、反応混合物(25μl)は、2.5μlのSYBRグリーン緩衝液、2μlのcDNAテンプレート、ならびに目的の遺伝子についての順方向プライマーおよび逆方向プライマー(各々2.5μl)を含んだ。この混合物はまた、3mM MgCl、0.25ユニットのAmpErase UNG、0.625ユニットのAmplitaq gold、0.08%グリセロール、0.05%ゼラチン、0.0001%Tween 20および1mM dNTP混合物を含んだ。両方の形式において、40サイクルの増幅を実施した。
【0184】
サンプル中の特定のcDNA(従って、最初のmRNA)の量を定量するために、目的の遺伝子を含むプラスミドを使用した各実行について、検量線を作成した。検量線を、アッセイに使用された最初のcDNA濃度と関連する、リアルタイムPCRで決定されたCt値を使用して作成した。20〜2×10コピーの範囲の目的遺伝子の基準希釈(standard dilution)を、この目的のために使用した。さらに、一定量のβ−アクチンに対する正規化を可能にするために、200fg〜2000pgの範囲のハウスキーピング遺伝子β−アクチンについて検量線を作成した。これにより、各遺伝子で観察される過剰発現レベルの評価が可能となった。
【0185】
遺伝子B311D、B533SおよびB726Pを、以下からなる2つの異なるパネルにおいて、上記で表1において示されるプライマーおよびプローブを使用し、上記のような定量的PCRにおいて評価した:(a)胸部腫瘍、胸部正常および正常組織;ならびに(b)胸部腫瘍転移(主に、リンパ節)。パネル(a)についてのデータを、3つすべての遺伝子について図1に示す。この3つの遺伝子は、同一の胸部組織発現プロフィールを示した。しかし、遺伝子発現の相対的レベルは、各場合において非常に異なった。一般的にB311Dは、B533Sよりも低いレベルで発現され、そしてこの両方とも、B726Pよりも少なかったが、3つすべてが胸部組織に制限されていた。従って、定量的PCRによって、3つすべての遺伝子について、正常胸部組織と胸部腫瘍との間で示差的な発現が存在すること、および約50%の胸部腫瘍が、これらの遺伝子を過剰発現することが確認された。乳癌に由来する遠位転移のパネルにおいて試験される場合、3つすべての遺伝子は14/21の転移と反応し、そして同様のプロフィールを提示した。3つすべての遺伝子はまた、図2においてB533Sについて示されたように、腫瘍の病理学的段階の関数として発現レベルの増加を示した。
【0186】
マンマグロビンは、ウサギのウテログロビンおよびラットのステロイド結合タンパク質サブユニットC3のホモログであり、そして高度にグリコシル化された低分子量タンパク質である。そのホモログとは対照的に、マンマグロビンは、胸部特異的であることが報告されており、そして転移性乳癌患者由来の91%のリンパ節におけるマンマグロビンmRNA発現の検出の報告と共に、胸部腫瘍生検(23%)ならびに原発性および転移性の胸部腫瘍(約75%)における過剰発現が記載されている。しかし、上記のようなマイクロアレイおよび定量的PCRによるマンマグロビン遺伝子発現のより綿密な分析(パネル(a)および(b)、ならびに他の腫瘍および正常組織ならびにさらなる胸部腫瘍のパネル)により、皮膚および唾液腺における有意なレベルでの発現と共に、食道および気管におけるはるかに低レベルでの発現が示された(以下の表2に示される)。
【0187】
【表2】
Figure 2004505611
胸部特異的遺伝子B511Sは、胸部腫瘍と正常胸部組織上ではマンマグロビン(mammaglobin)に対して異なる反応性のプロフィールを有するが、マンマグロビンと同じ正常組織のサブセットと反応した。PSORT分析によって、B511Sは、90アミノ酸のORFを有することおよびマンマグロビンの場合のように分泌タンパク質であることが示された。B511Sは、膜貫通ドメインの証拠を有さなかったが、切断可能なシグナル配列を含み得る。マンマグロビンは、遠位転移性胸部腫瘍24個のうち14個、胸部腫瘍42個のうち31個を検出し、そして正常な胸部組織と比較して、腫瘍および転移において10倍の過剰発現を示した。マンマグロビン発現に関しては本質的に陰性であった試験した他の陰性の正常組織および腫瘍に対して、正常な胸部組織において少なくとも300倍の過剰発現が存在した。B511Sは、胸部腫瘍42個のうち33個および遠位転移24個のうち14個を検出したが、B511Sとマンマグロビンとの組合せは、胸部腫瘍42個のうち38個および転移性病変24個のうち17個を検出することが予想される(表2、上記)。B511Sおよびマンマグロビンの定量的な発現レベルはまた、これら2つの遺伝子に関して観察されたマイクロアレイプロフィールに従って、類似した範囲であった。マンマグロビンと付加的であった他の遺伝子を、表3に示す。
【0188】
【表3】
Figure 2004505611
B305Dは、正常組織(正常胸部組織を含む)と比較して、胸部腫瘍、前立腺腫瘍、正常前立腺組織および精巣において高度に過剰発現されたことが示された。B305Dの異なるスプライス改変体が、最も豊富な形態Aおよび形態Cで同定されたが、試験した全ては、定量的PCRにおいて類似の組織プロフィールを有する。A形態およびC形態は、それぞれ、320アミノ酸および385アミノ酸のORFを含む。B305Dは、PSORTによって、一連のアンキリン反復を含むII型膜タンパク質であることが予想された。胸部腫瘍においてB305Dと補完性であることが示される既知遺伝子は、GABAπであった。この遺伝子は、GABAレセプターファミリーのメンバーであり、ファミリーの他のメンバーと30〜40%のアミノ酸相同性を有するタンパク質をコードし、そしてノーザンブロット分析によって肺、胸腺および前立腺において低めのレベルで過剰発現され、子宮において高度に過剰発現されることが示された。胸部組織におけるその発現は、以前に記載されていない。ニューロン組織において認識可能な発現を有することは、他のGABAレセプターと対照的である。この遺伝子の組織発現プロファイリングは、この遺伝子が、B305D遺伝子と逆の関係で胸部腫瘍において過剰発現されることを示した(表3)。GABAπは、腫瘍25個のうちの15個および転移21個のうちの6個(マンマグロビンによっては見落とされた4個の腫瘍および5個の転移を含む)を検出した。対照的に、B305Dは、胸部腫瘍25個のうちの13個および転移21個のうちの8個(これもまた、マンマグロビンによっては見落とされた3個の腫瘍および2個の転移を含む)を検出した。ちょうどB305DおよびGABAπの組合せは、胸部腫瘍25個のうちの22個および転移21個のうちの14個を同定すると予想される。胸部転移を検出する場合のB305DおよびGABAπとマンマグロビンとの組合せを、上記の表3ならびに図3Aおよび3Bに示す。この組合せは、胸部転移21個のうちの20個ならびに胸部腫瘍25個のうちの25個を検出した(これは、3つ全ての遺伝子に対して同じパネル上で評価された)。これらの3つの遺伝子に関して陰性であった1つの胸部転移は、B726Pに関して強く陽性であった(図3Aおよび3B)。
【0189】
循環している腫瘍細胞の存在を評価するために、免疫捕獲(細胞捕獲)方法を、RT−PCR分析の前に上皮細胞について最初に富化するために使用した。上皮細胞表面上の2つの糖タンパク質に対する特異的なモノクローナル抗体を用いてコーティングされた免疫磁気ポリスチレンビーズを、この目的のために使用した。このような富化手順は、表4に示されるように、ポリA RNAの直接的な単離と比較した場合、検出感度を増加させた(約100倍)。
【0190】
【表4】
Figure 2004505611
マンマグロビン陽性細胞(MB415)を、種々の濃度中に全血にスパイクし、次いで、上皮細胞富化または血液からの直接的な単離のいずれかを用いて摘出した。富化手順を用いて、マンマグロビンmRNAは、直接的な単離が使用された場合よりもはるかに低いレベルで検出され得ることが見られた。転移性乳癌を有する患者由来の全血サンプルを、引続いて免疫磁気ビーズを用いて処理した。次いで、ポリA RNAを単離し、cDNAを調製し、そして2つの遺伝子特異的プライマー(表1)および蛍光プローブ(TaqmanTM)を用いて定量的PCR中で実行させた。乳癌組織において観察されるように、補完性がまた、乳癌由来の循環している腫瘍細胞の検出において見出された。また、マンマグロビンPCRは、正常な血液サンプルと比較した場合、転移性乳癌患者由来の血液サンプルの高い割合において(20/32)(低いレベルではあるが)循環している腫瘍細胞を検出したが(表5)、現在までに試験されたいくつかの他の遺伝子はさらに、この検出率を増加した。これには、B726P、B305D、B311D、B533SおよびGABAπが挙げられる。転移性乳癌患者由来の血液サンプルにおけるマンマグロビンの検出レベルは、おそらく、本研究における上皮マーカー特異的富化の使用に起因して、より少ない血液容積を試験しているのにもかかわらず、以前に記載されたものよりも高い(62対49%)。試験した遺伝子全ての組み合わせは、サンプル32個のうち27個が、これらの遺伝子の1つ以上によって陽性であったことを示す。
【0191】
【表5】
Figure 2004505611
さらなる研究において、マンマグロビン、GABAπ、B305D(C形態)およびB726Pに特異的なプライマーならびに特異的なTaqmanプローブを、異なる組み合わせで使用して、リアルタイムPCRを用いて胸部転移(B.met)サンプルおよび胸部腫瘍(B.tumor)サンプルにおけるその合わされたmRNA発現プロフィールを分析した。マンマグロビン、B305D(C形態)およびB726Pに対して使用した順方向および逆方向プライマーならびにプローブを、表1に示す。GABAπに対して使用した順方向プライマーおよびプローブを、表1に示し、逆方向プライマーは、以下である:
TTCAAATATAAGTGAAGAAAAAATTAG−TAGATCAA(配列番号51)。以下の表6に示されるように、マンマグロビン、GABAπ、B305C(C形態)およびB726Pの組み合わせは、胸部腫瘍サンプル22個のうち22個を検出することが見出され、5サンプルにおいて発現の増加が見られた(++によって示す)。
【0192】
【表6】
Figure 2004505611
特異的プライマーの添加によるメッセージシグナルの増加がさらに、4つの腫
瘍サンプル(B.met 316A、B.met 317A、B.tumor 81DおよびB.tumor 209A)を用いる1プレート実験において実証された。
【0193】
胸部腫瘍サンプルおよび正常組織サンプルのパネルにおけるマンマグロビン、GABAπ、B305D(C形態)およびB726Pの組み合わせの発現がまた、Taqmanプローブアプローチの代わりにSYBR緑色検出系を用いるリアルタイムPCRを用いて検出された。この系を用いて得た結果を、図7に示す。
【0194】
(実施例7)
(乳癌患者の末梢血における定量的PCR)
この研究において評価した既知遺伝子は、マンマグロビンおよびγアミノ酪酸A型レセプターπサブユニット(GABAπ)であった。乳癌において過剰発現される新規遺伝子を同定するために、本発明者らは、改良されたバージョンのディファレンシャルディスプレイRT−PCR(DDPCR)技術(Liangら、Science 257:967−971(1993);Mouら、Biochem Biophy Res Commun.199:564−569(1994));cDNAライブラリー抽出方法(Haraら、Blood 84:189−199(1994))およびPCRサブトラクション(Diatchenkoら、Proc Natl Acad Sci U S A.、93:6025−6030(1996);Yangら、Nucleic Acids Res.27:1517−23(1999))を使用した。
【0195】
ディファレンシャルディスプレイは、B305DおよびB311Dと称する2つのcDNAフラグメントの回収をもたらした(Houghtonら、Cancer Res.40:Abstract#217,32−33(1999))。B511SおよびB533Sは、cDNAライブラリーサブトラクションアプローチ(原稿準備中)を使用して単離した2つのcDNAフラグメントであるが、B726P cDNAフラグメントは、PCRサブトラクションに由来した(Jaingら、Proceedings of the Amer Assoc Cancer Res.40:Abstract#216,32(1999);Xuら、Proceedings of the Amer Assoc Cancer Res.40:Abstract#2115,319(1999);およびMoleshら,Proceedings of Amer Assoc Cancer Res.41:Abstract#4330,681(2000)。
【0196】
3つの新規な遺伝子、B311D、B533SおよびB726Pは、定量的PCR分析により同一の乳房組織発現プロフィールを示した。これらの遺伝子を、以下からなる2つの別個のパネルに対する定量的PCRにおいて評価した:(a)胸部腫瘍、乳房正常組織および正常な組織、ならびに(b)胸部腫瘍転移の群(主にリンパ節)。使用するプライマーおよびプローブを表1に示す。パネル(a)についてのデータを、3つすべての遺伝子について図2に示す。概して、発現プロフィールは同等であり、そして同じランクにあるが、発現のレベルは、かなり異なる。B311Dは一般に、B533Sよりも低いレベルで発現され、そしてその両方が、B726Pより低いが、3つすべてが、乳房組織に限定された。3つすべての配列を使用して、Genbankデータベースに対して検索した。B311D配列およびB533S配列の両方が、異なる反復配列を含み、そしていずれについてもORFは同定されていない。B726Pは新規な遺伝子であり、mRNAスプライシングは、いくつかの異なる推定ORFを生じる。
【0197】
この定量的PCRにより、正常な乳房組織と胸部腫瘍との間に異なるmRNAが存在し、胸部腫瘍の約50%がこれらの遺伝子を過剰発現することが、確認された。乳癌に由来する一群の遠隔転移に対して試験した場合、3つすべての遺伝子が、転移21個のうちの14個と反応し、そして類似するプロフィールを示した(データ示さず)。興味深いことに、前立腺癌群に対して試験した場合、3つすべての遺伝子が、前立腺腫瘍24個のうちの同じ3つを同定したが、乳房よりも大いに低い発現レベルであった。この群の遺伝子は、B533Sについて示されるのと同様にその腫瘍の病理学的段階の関数として、漸増レベルの発現を示した。
【0198】
マイクロアレイおよび定量的PCRによるマンマグロビン遺伝子発現のより厳密な分析は、皮膚および唾液腺において有意なレベルの発現を示し、そして食道および気管において大いに低いレベルの発現を示した。B511Sは、マンマグロビンと比較した場合に胸部腫瘍および正常乳房組織に対してわずかに異なる反応性プロフィールを有したが、マンマグロビンと類似する正常組織の部分集合と反応した。マンマグロビンは、遠隔転移性胸部腫瘍24個のうちの14個を検出し、胸部腫瘍42個のうちの31個を検出し、そして正常な乳房組織と比較した場合に、腫瘍および転移において10倍過剰発現を示した。正常乳房組織対他のネガティブな正常組織および試験した腫瘍において、少なくとも300倍のマンマグロビン過剰発現が存在した。B511Sは、胸部腫瘍42個のうちの33個および遠隔転移24個のうちの14個を検出した。B511Sとマンマグロビンとの組み合わせは、胸部腫瘍42個のうちの38個および転移性病変24個のうちの17個を検出すると推測される。B511Sおよびマンマグロビンの発現の定量レベルもまた、これらの2つの遺伝子について観察されたマイクロアレイプロフィールと一致して、類似した範囲にあった。
【0199】
特定の遺伝子が、マンマグロビンの発現プロフィールを補完した(すなわち、マンマグロビンが発現しなかった腫瘍において発現することが示された)。B305Dは、正常な組織(正常な乳房組織を含む)と比較した場合に、胸部腫瘍、前立腺腫瘍、正常な前立腺組織および精巣において、高度に過剰発現された。B305Dの異なるスプライス改変体を、最も豊富である形態Aおよび形態Cを用いて同定した。試験したすべての形態は、定量的PCRにおいて類似の組織プロフィールを有した。このA形態およびC形態は、それぞれ、320アミノ酸のORFおよび385アミノ酸のORFを含む。胸部腫瘍において、B305Dと相補的であることが示された公知の遺伝子は、GABAπであった。この組織発現プロフィールは、ニューロン組織においてかなりの発現を代表的に有する、他のGABAレセプターと対照的である。さらなる知見は、この遺伝子の組織発現プロフィールが、この遺伝子が、B305D遺伝子に逆比例して胸部腫瘍において過剰発現されることを示したことであった(表3)。GABAπは、腫瘍25個のうちの15個および転移21個のうちの6個を検出し、これらは、マンマグロビンにより見逃された4つの腫瘍および5つの転移を含んだ。対照的に、B305Dは、胸部腫瘍25個のうちの13個および転移21個のうちの8個を検出し、これらはまた、マンマグロビンにより見逃された3つの腫瘍および2つの転移を含んだ。まさにB305DとGABAπとの組み合わせは、胸部腫瘍25個のうちの22個および転移21個のうちの14個を同定すると推定される。この組み合わせは、3つすべての遺伝子について同じ群に対して評価された、乳房転移21個のうちの20個、ならびに乳癌25個のうちの25個を検出した。これら3つの遺伝子についてネガティブであった1つの乳房転移は、B726Pについて強くポジティブであった。
【0200】
マイクロアレイ分析およびその後の定量的PCRの使用により、乳房組織(腫瘍および正常)ならびに正常組織の両方における乳癌遺伝子の発現を性格に決定するため、そしてそれらの診断および治療能力を評価するための、方法論が提供される。5つの新規な遺伝子および2つの既知の遺伝子を、これらの技術を使用して評価した。これらの遺伝子のうちの3つ、B311D、B533SおよびB726Pは、一致したmRNA発現を示した。そして集合的にこのデータは、転写制御のレベルでのこれら3つの遺伝子座の一致した発現と一致する。3つすべての遺伝子が、胸部腫瘍対正常乳房組織における差次的発現を示した。そして過剰発現のレベルは、その腫瘍の病理学的段階に関連するようであった。マンマグロビンの場合、発現が、乳房組織から離れた他の組織において見出された。発現が、皮膚、唾液腺において観察され、そして気管においてかなり劣った程度に観察された。
【0201】
胸部腫瘍におけるGABAπの発現もまた、新規な知見であった。マンマグロビンとともに観察されたいくつかの遺伝子の発現が相補した場合、特に2つの遺伝子、B305DおよびGABAπが、マンマグロビン検出の診断感度を増加した。これらの3つの遺伝子の組み合わせは、評価した胸部腫瘍および転移46個のうち45個(97.8%)を検出した。B726Pを含めると、25個すべての胸部腫瘍および21個の遠隔転移の検出が可能であった。
【0202】
(実施例8)
(免疫捕捉による循環する乳癌細胞の富化)
本実施例は、循環する乳癌細胞の富化のための免疫捕捉細胞捕捉方法論の使用により達成される、感度の増強を開示する。
【0203】
循環する腫瘍細胞の存在を評価するために、免疫捕捉方を採用して、RT−PCR分析の前にまず、上皮細胞について富化した。上皮細胞を、免疫磁気ビーズ分離法(Dynal A.S,Oslo,Norway)を用いて血液サンプルから富化した。この方法は、ヒト上皮細胞の表面上の糖ポリペプチド抗原に特異的なモノクローナル抗体でコートした磁気ビーズを使用する。適切な例示的細胞表面抗原は、例えば、Momburg,F.ら、Cancer Res.41:2883〜91(1997);Naume,B.ら、Journal of Hemotherapy.6:103〜113(1997);Naume,B.ら,Int J Cancer.78:556〜60(1998);Martin,V.M.ら、Exp Hematol.,26:252〜64(1998);Hildebrandt,M.ら、Exp Hematol.25:57〜65(1997);Eaton,M.C.ら、Biotechniques 22:100〜5(1997);Brandt,B.ら、Clin Exp Metastases 14:399〜408(1996)に記載され、この各々が、本明細書中にその全体が参考として援用される。この方法で単離された細胞を溶解し、そして磁気ビーズを除去した。その後、この溶解物を、Oligo(dT)25でコートした磁気ビーズ(Dynabeads)を使用して、ポリA mRNA単離について処理した。キット緩衝液中でこのビーズを洗浄した後、ビーズ/ポリA RNAサンプルを、最終的に10mM Tris HCl(pH 8)に懸濁し、そして逆転写に供した。その後、遺伝子特異的なプライマーおよびプローブを使用して、このRNAをリアルタイムPCRに供し、反応条件は、本明細書中で上記に概説したとおりであった。β−アクチン含量もまた決定し、そして正規化のために使用した。正常なサンプルの平均+3標準偏差よりも大きい(目的の遺伝子 コピー)/(β−アクチンng)であるサンプルを、ポジティブであると見なした。血液サンプルに対するリアルタイムPCRを、もっぱらTaqmanTM手順であるが50サイクルまで延長して使用して、実施した。
【0204】
富化手順を使用して、マンマグロビンmRNAが、直接単離を使用した場合よりも大いに低いレベルで検出可能であることが、見出された。転移性乳癌を伴う患者由来の全血サンプルを、その後、免疫磁気ビーズで処理し、その後、ポリA RNAを単離し、cDNAを作製し、そしてマンマグロビンに対する2つの遺伝子特異的プライマーおよび蛍光プローブ(TaqmanTM)を使用して、定量的PCRを実施した。乳癌組織において観察されたように、相補はまた、乳癌に由来する循環する腫瘍細胞の検出においても観察された。また、マンマグロビンPCRは、正常な血液サンプルと比較した場合に、低レベルであるにも関わらず、転移性乳癌からの高いパーセンテージの血液(20個/32個)において循環する腫瘍細胞を検出した。今日まで試験した他の遺伝子のうちのいくつかは、この検出率をさらに増加し得;これは、B726P、B305D、B311D、B533SおよびGABAπを包含する。試験した遺伝子すべての組み合わせは、32個中27個のサンプルが、これらの遺伝子のうちの1つ以上によりポジティブであったことを示す。
【0205】
(実施例9)
(乳癌の多重検出)
さらなる多重リアルタイムPCRアッセイを、4つの乳癌特異的遺伝子:LipophilinB、Gaba(B899P)、B305D−CおよびB726Pの発現を同時に検出するために確立した。単一乳癌特異的遺伝子の発現分析に頼る検出アプローチとは対照的に、このマルチプレックスアッセイは、試験された全ての胸部腫瘍サンプルを検出し得た。
【0206】
このマルチプレックスアッセイを、Mammaglobinの代わりにLipophilinB発現を検出するように設計した。それらの類似する発現プロフィールに起因して、LipophilinBは、乳癌検出のためのこの多重PCRアッセイにおいてMammaglobinを置換し得る。このアッセイを以下のようにして行なった:LipophilinB特異的プライマー、B899P(Gaba)特異的プライマー、B305D特異的プライマー、およびB726P特異的プライマー、ならびに特異的Taqmanプローブを使用して、胸部腫瘍におけるそれらの組み合わされたmRNA発現プロフィールを分析した。これらのプライマーおよびプローブを以下に示す:
LipophilinB:正方向プライマー(配列番号33):5’TGCCCCTCCGGAAGCT。逆方向プライマー(配列番号34):5’CGTTTCTGAAGGGACATCTGATC。プローブ(配列番号35)(FAM−5’−3’−TAMRA):TTGCAGCCAAGTTAGGAGTGAAGAGATGCA。
【0207】
GABA(B899P):正方向プライマー(配列番号36):5’AAGCCTCAGAGTCCTTCCAGTATG。逆方向プライマー(配列番号37):5’TTCAAATATAAGTGAAGAAAAAATTAGTAGATCAA。プローブ(配列番号38)(FAM−5’−3’−TAMRA):AATCCATTGTATCTTAGAACCGAGGGATTTGTTTAGA。
【0208】
B305D(C型):正方向プライマー(配列番号39):5’AAAGCAGATGGTGGTTGAGGGTT。逆方向プライマー(配列番号40):5’CCTGAGACCAAATGGCTTCTTC。プローブ(配列番号41)(FAM−5’−3’−TAMRA)ATTCCATGCCGGCTGCTTCTTCTTCTG。
【0209】
B726P:正方向プライマー(配列番号42):5’TCTGGTTTTCTCATTCTTTATTCATTTATT。逆方向プライマー(配列番号43):5’TGCCAAGGAGCGGATTATCT。プローブ(配列番号44)(FAM−5’−3’−TAMRA):CAACCACGTGACAAACACTGGAATTACAGG。
【0210】
アクチン:正方向プライマー(配列番号45):5’ACTGGAACGGTGAAGGTGACA。逆方向プライマー(配列番号46):5’CGGCCACATTGTGAACTTTG。プローブ(配列番号47):(FAM−5’−3’−TAMRA):CAGTCGGTTGGAGCGAGCATCCC。
【0211】
アッセイ条件は以下のようである:
Taqmanプロトコール(7700 Perkin Elmer):
25μl最終容量中:1×緩衝液A、5mM MgCl、0.2mM dCTP、0.2mM dATP、0.4mM dUTP、0.2mM dGTP、0.01U/μl AmpErase UNG、0.025μl TaqGold、8%(v/v)グリセロール、0.05%(v/v)ゼラチン、0.01%(v/v)Tween20、4pmolの各遺伝子特異的Taqmanプローブ(LipophilinB+Gaba+B305D+B726P)、100nMのB726P−F+B726P−R、300nMのGaba−R、および50nMのLipophilinB−F+LopophilinB−R+B305D−R+Gaba−R、鋳型cDNA(0.02μgポリA+RNAに由来する)。
【0212】
LipophilinB発現を、27個の胸部腫瘍サンプルのうち14サンプルにおいて検出した。
【0213】
しかし、LipophilinB、B899P、B305D−CおよびB726Pについてのマルチプレックスアッセイは、27腫瘍のうち27腫瘍において発現シグナルを検出し、検出レベルは、大多数のサンプルで10mRNAコピー/1000pgアクチンを超え、そして試験された27サンプルのうち5サンプルにおいて100mRNAコピー/1000pgアクチンを超えた(図8)。
【0214】
(実施例10)
(多重検出最適化)
上記の多重リアルタイムPCRアッセイを使用して、マンマグロビン(またはリポフィリンB)、Gaba(B899P)、B305D−CおよびB726Pの発現を同時に検出した。この実施例に従って、アッセイ条件およびプライマー配列を、異なる長さの4つのPCR産物の対応する増幅を得るように最適化した。このアッセイのポジティブサンプルを、ゲル電気泳動によってさらに特徴付け得、そして目的の発現遺伝子を、検出されたアンプリコンのサイズに従って決定し得る。
【0215】
マンマグロビン(またはリポフィリンB)、Gaba(B899P)、B305DおよびB726Pの特異的プライマーおよび特異的Taqmanプローブを使用して、これらの発現を同時に検出する。この実施例において使用されるプライマーおよびプローブを以下に示す。
【0216】
マンマグロビン:正方向プライマー(配列番号48):5’TGCCATAGATGAATTGAAGGAATG。逆方向プライマー(配列番号49):5’TGTCATATATTAATTGCATAAACACCTCA。プローブ(配列番号50)(FAM−5’−3’−TAMRA):TCTTAACCAAACGGATGAAACTCTGAGCAATG。
【0217】
GABA(B899P):正方向プライマー(配列番号36):5’AAGCCTCAGAGTCCTTCCAGTATG。逆方向プライマー(配列番号51):5’ATCATTGAAAATTCAAATATAAGTGAAG。プローブ(配列番号38)(FAM−5’−3’−TAMRA):AATCCATTGTATCTTAGAACCGAGGGATTTGTTTAGA。
【0218】
B305D(C型):正方向プライマー(配列番号39):5’AAAGCAGATGGTGGTTGAGGGTT。逆方向プライマー(配列番号40):5’CCTGAGACCAAATGGCTTCTTC。プローブ(配列番号41)(FAM−5’−3’−TAMRA)ATTCCATGCCGGCTGCTTCTTCTTCTG。
【0219】
B726P:正方向プライマー(配列番号52):5’GTAGTTGTGCATTGAAATAATTATCATTAT。逆方向プライマー(配列番号43):5’TGCCAAGGAGCGGATTATCT。プローブ(配列番号44)(FAM−5’−3’−TAMRA):CAACCACGTGACAAACACTGGAATTACAGG。
【0220】
プライマー位置およびアッセイ条件を、異なる長さの4つのPCR産物の対応する増幅を得るために最適化した。アッセイ条件は以下のようである:
Taqmanプロトコール(7700 Perkin Elmer):
25μl最終容量中:1×緩衝液A、5mM MgCl、0.2mM dCTP、0.2mM dATP、0.4mM dUTP、0.2mM dGTP、0.01U/μl AmpErase UNG、0.0375μl TaqGold、8%(v/v)グリセロール、0.05%(v/v)ゼラチン、0.01%(v/v)Tween20、4pmolの各遺伝子特異的Taqmanプローブ(Mammaglobin+Gaba+B305D+B726P)、300nMのGaba−R+Gaba−F、100nMのMammaglobin−F+R;B726P−F+R、および50nMのB305D−F+R鋳型cDNA(0.02μgポリA+RNAに由来する)。
【0221】
(PCRプロトコール)
50℃2分間を1回、95℃10分間を1回、および95℃15秒間/60°1分間/68℃1分間を50回。
【0222】
マルチプレックスアッセイにおいて設定された各プライマーは、独特の長さのバンドを生じるので、目的の4つの遺伝子の発現シグナルは、アガロースゲル分析によって個々に測定し得るか(図9を参照のこと)、または4つ全ての遺伝子の組み合わせ発現シグナルを、ABI 7700 Prism配列検出システム(PE Biosystems,Foster City,CA)でリアルタイムで測定し得る。リポフィリンBの発現もまた、マンマグロビンの代わりに検出し得る。特定のプライマーが本明細書中に記載されているが、異なるプライマー配列、異なるプライマーまたはプローブの標識、および異なる検出系を使用して、このマルチプレックスアッセイを行ない得る。例えば、第2の蛍光発生的レポーター色素を、リアルタイムPCRによって参照遺伝子の対応する検出のために組み込み得る。または、例えば、Taqmanプローブアプローチの代わりに、SYBR Green検出系を使用し得る。
【0223】
(実施例11)
(乳癌マルチプレックスアッセイのためのゲノムDNAを排除しイントロン−エキソン境界に広がるプライマー対の設計および使用)
本明細書中に記載される多重リアルタイムPCRアッセイは、マンマグロビン、Gaba(B899P)、B305D−CおよびB726Pの発現を同時に検出し得る。これらの遺伝子の組み合わされた発現レベルを、ABI 7700 Prism配列検出システム(PE Biosystems,Foster City,CA)でリアルタイムで測定する。個別に発現された遺伝子をまた、ゲル電気泳動を介して異なるアンプリコンサイズに起因して、同定し得る。DNase処理していないRNAに由来するサンプル(例えば、リンパ節cDNA)を用いてこのアッセイを使用するするため、そして低分子のRNAサンプル(例えば、血液標本、腫瘍およびリンパ節吸引物由来)のためのDNase処理を避けるために、イントロンに広がるプライマー対を設計して、ゲノムDNAの増幅を排除し、従って非特異的シグナルおよび偽陽性シグナルを排除する。偽陽性シグナルは、cDNA標本におけるゲノムDNAの混入によって引き起こされる。本明細書中に記載される最適マルチプレックスアッセイは、ゲノムDNAの増幅を排除し、そしてRNAサンプルのDNase前処理の必要性を伴わずに標的遺伝子発現の特異的検出を可能にする。さらに、ゲノムの適合およびイントロン−エキソン境界の位置は、これらのプライマー組で検証され得る。
【0224】
マンマグロビン特異的プライマー、Gaba(B899P)特異的プライマー、B305D特異的プライマーおよびB726P特異的プライマーおよび特異的Taqmanプローブを使用して、これらの発現を同時に検出した(表7)。(イントロン−エキソン境界に広がる)プライマー位置を最適化して、cDNAのみを検出し、そしてゲノムDNAを増幅から排除する。発現された遺伝子の身元を、ゲル電気泳動によって決定した。
【0225】
【表7】
Figure 2004505611
プライマーの位置およびアッセイ条件を、4つのPCR産物の対応する増幅を達成するために最適化した。このアッセイ条件は、以下の通りであった:
(Taqmanプロトコル(7700 Perkin Elmer))
25μlの最終容積中:1×緩衝液A、5mM MgCl 0.2mM dCTP、0.2mM dATP、0.4mM dUTP、0.2mM dGTP、0.01U/AmpErase UNG、8%(v/v) グリセロール、0.05%(v/v)ゼラチン、0.01%(v/v) Tween20、4pmolのそれぞれの遺伝子特異的Taqmanプローブ(マンマグロビン+B899P−INT+B305D−INT+B726P−INT)、300nMのB305D−INT−F;B899P−INT−F,100nMのマンマグロビン−F+R;B726P−INT−F+R、50nMのB899P−INT−R;B305−INT−R、テンプレートcDNA(0.02μg ポリA+RNAを起源とする)。
【0226】
(PCRサイクリング条件)
50℃、2分間を1サイクル、95℃、10分間を1サイクル、95℃1分間および68℃、1分間を50サイクル。
【0227】
図10は、リンパ節組織のパネルにおける乳癌細胞を検出するために、イントロン−エキソン境界スパニングプライマーを使用するマルチプレックスアッセイ(下のパネル)および非最適化プライマーを使用するマルチプレックスアッセイ(上のパネル)の比較を示す。この実験は、サンプル中のゲノムDNA夾雑物から生じるバックグランドの減少を、本発明のイントロン−エキソンスパニングプライマーを使用して達成することを示す。
【0228】
(実施例12)
(歩哨リンパ節生検サンプルにおける転位した乳癌細胞の多重検出)
リンパ節病期分類は、適切なアジュバントホルモンおよび化学療法を決定するために重要である。従来の腋窩の解剖と対照的に、最小の後遺疾患の病期分類に関するより侵襲性でないアプローチは、歩哨リンパ節生検である。歩哨リンパ節生検(SLNB)は、転位の検出を改善し、そして予後値を提供する可能性があり、完全なリンパ節解剖に関連する最小の罹患率を有する治療を導く。SLNBは、最初に腫瘍を排出する1つまたは2つのリンパ節のマッピングを実行し、従って、たいてい、転位性疾患(歩哨節)を有するようである。リンパ節の日常的な病理学的な分析は、高い偽陰性比(false−negative rate)を生じる:病理学的陰性リンパ節を有する3分の1の女性が、再発性疾患に発達する[Bland:The Breast:Saunders 1991]。腫瘍細胞に関するより感受性の検出技術は、PT−PCRであるが、この適用は、単一の特定のマーカーの欠失によって制限される。上記のマルチマーカーアッセイは、正常のリンパ節から生じる偽陰性を生じることなく、集団を介して癌検出の可能性を増大する。
【0229】
上記のように、原発性腫瘍由来のリンパ性求心性神経を、領域性のリンパ性骨盤へのドレナージが起きる前に、単一の節(歩哨リンパ節)に排出する。歩哨リンパ節を、一次病変部位に注入された色素および/または放射標識コロイドを用いて位置付け、そして歩哨リンパ節生検は、微小転位性沈着物に関する病理学的試験を可能し、従って、腋窩の病期分類は、不必要な腋窩の解剖を避け得る。結節性の微小転位を、サイトケラチンタンパク質に関して、染色(ヘマトキシリンまたはエオシン)または免疫組織化学的分析を使用して位置付け得る。免疫組織化学的染色技術は、節の不適切な切片化に起因して、小転位性病巣を見落とすことによって頻繁に偽陰性結果を生じ得る。免疫組織化学は、サイトケラチン(細網細胞)の非嫡出の発現に起因して、偽陰性結果を生じ得るか、または対応する抗原が、全ての腫瘍細胞に対して発現しない抗体Ber−Ep4を使用する場合、偽陰性結果を生じ得る。
【0230】
本明細書中に記載されるマルチプレックスアッセイは、陽性歩哨リンパ節に関するより感受性の検出を提供し得た。さらに、骨髄サンプル、末梢血および小ニードル吸引サンプルにおける乳癌細胞の検出は、乳癌患者における診断および予後に所望される。
【0231】
22個の転位性リンパ節サンプル(加えて、15個のサンプルをまた、以前に分析し、そして図3Aに示す)を、本明細書中に記載されるイントロン−エキソン境界スパニング多重PCRアッセイを使用して分析した。この分析からの結果を、表8に要約する。27個の原発性腫瘍をまた、分析し、そして結果を表9に示す。このアッセイを使用して試験した20個の正常なリンパ節サンプルは、すべて陰性であった。
【0232】
【表8】
Figure 2004505611
【0233】
【表9】
Figure 2004505611
前述の結果から、本発明の特定の実施形態が、例示の目的のために本明細書中に記載されるが、種々の改変が、本発明の精神および範囲を逸脱することなく行なわれ得ることが理解される。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲以外によって限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、定量PCR(TaqmanTM)を用いて決定される、B311D、B533S、およびB726PについてのmRNA発現プロフィールを示す。略語:B.T.:胸部腫瘍;B.M.:骨髄;B.R.:乳房の整復。
【図2】
図2は、腫瘍の病理的段階に対するB533S発現の関係を示す。正常な乳房(8)由来の組織、良性の乳房障害(3)、および乳房の腫瘍の第I段階(5)、第II段階(6)、第III段階(7)、第IV段階(3)、ならびに転移(1つのリンパ節および3つの胸水)を、リアルタイムPCRにおいて試験した。このデータを、試験された各グループについて平均コピー/ng β−アクチンとして表わし、線は、算出された傾向線である。
【図3】
図3Aおよび3Bは、それぞれ、B305D C形態、B726P、GABAπ、およびの転移におけるマンマグロビン(mammaglobin)ならびに原発性腫瘍の遺伝子の補完性を示す。それぞれの遺伝子についてのカットオフは、陰性の正常組織の平均および3つの標準的偏差に基づく6.57、1.65、4.58、および3.56コロニー/ng βアクチンであった。
【図4】
図4は、マンマグロビンについての全長cDNA配列を示す。
【図5】
図5は、E.coliにおいて発現されるマンマグロビン組換えポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームの決定されたcDNA配列を示す。
【図6】
図6は、GABAπについての全長cDNA配列を示す。
【図7】
図7は、リアルタイムPCRおよびSYBR検出系を用いて決定された、胸部腫瘍および正常サンプル中のマンマグロビン、GABAπ、B305D(C形態)、およびB726PについてのmRNA発現レベルを示す。略称:BT:胸部腫瘍;BR:乳房の整復;A.PBMC:活性化された末梢血単核細胞;R.PBMC:静止状態のPBMC;T.Gland:甲状腺;S.Cord:脊髄;A.Gland:副腎;B.Marrow:骨髄;S.Muscle:骨格筋。
【図8】
図8は、胸部腫瘍サンプルのパネル上で試験されたリポフィリンB単独とリポフィリンB−B899P−B305D−C−B726のマルチプレックスアッセイとの間の比較を示す棒グラフである。略称:BT:胸部腫瘍;BR:乳房の整復;SCID:重症複合免疫不全。
【図9】
図9は、マルチプレックスリアルタイムPCRアッセイにて試験された目的の腫瘍遺伝子の4つの増幅産物(マンマグロビン、B305D、B899P、B726P)の独特のバンドの長さを示すゲルである。
【図10】
図10は、リンパ節組織のパネルにおける乳癌細胞を検出するための、イントロン−エキソンに広範にわたるプライマー(パネル下)を用いたマルチプレックスアッセイと非最適化プライマー(パネル上)を用いたマルチプレックスアッセイとの比較を示す。

Claims (36)

  1. 患者における癌細胞の存在を決定するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a) 該患者から生物学的サンプルを得る工程;
    (b) 該生物学的サンプルを、第1のポリヌクレオチドにハイブリダイズする第1のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第1のポリヌクレオチドは、配列番号73、配列番号74、および配列番号76に示されるポリヌクレオチドからなる群より選択される、工程;
    (c) 該生物学的サンプルを、第2のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第2のオリゴヌクレオチドは、配列番号1、3、5〜7、11、13、15、17、19〜24、30、32、および75からなる群より選択される、第2のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、工程;
    (d) 該サンプルにおいて、該オリゴヌクレオチドの少なくとも1つにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を検出する工程;ならびに
    (e) 該オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を、所定のカットオフ値と比較し、そして、そこから、該患者における癌の存在または非存在を決定する、工程、
    を包含する、方法。
  2. 患者における癌細胞の存在または非存在を決定するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a) 該患者から生物学的サンプルを得る工程;
    (b) 該生物学的サンプルを、第1のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第1のオリゴヌクレオチドは、配列番号73、配列番号74、および配列番号76に示されるポリヌクレオチドからなる群より選択される第1のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、工程;
    (c) 該生物学的サンプルを、第2のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第2のオリゴヌクレオチドは、配列番号75に示される、第2のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、工程;
    (d) 該生物学的サンプルを、第3のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第3のオリゴヌクレオチドは、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に示されるポリヌクレオチドからなる群より選択される、第3のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、工程;
    (e) 該生物学的サンプルを、第4のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第4のオリゴヌクレオチドは、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、および配列番号24に示されるポリヌクレオチドからなる群より選択される、第4のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、工程;
    (f) 該生物学的サンプルにおいて、該オリゴヌクレオチドの少なくとも1つにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を検出する工程;ならびに
    (g) 該オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を、所定のカットオフ値と比較し、そして、そこから、該患者における癌の存在または非存在を決定する、工程、
    を包含する、方法。
  3. 患者における癌細胞の存在を検出するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a) 該患者から生物学的サンプルを得る工程;
    (b) 該生物学的サンプルを、第1のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第1のオリゴヌクレオチドは、マンマグロビンおよびリポフィリンBからなる群より選択される第1のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、工程;
    (c) 該生物学的サンプルを、第2のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第2のオリゴヌクレオチドは、GABAπ(B899P)、B726P、B511S、B533S、B305D、およびB311Dからなる群より選択される、第2のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、工程;
    (d) 該サンプルにおいて、該オリゴヌクレオチドの少なくとも1つにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を検出する工程;ならびに
    (e) 該オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を、所定のカットオフ値と比較し、そして、そこから、該患者における癌の存在または非存在を決定する、工程、
    を包含する、方法。
  4. 患者における癌細胞の存在を決定するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a) 該患者から生物学的サンプルを得る工程;
    (b) 該生物学的サンプルを、第1のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第1のオリゴヌクレオチドは、配列番号73および配列番号74に示されるポリヌクレオチドまたはその相補鎖からなる群より選択される第1のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、工程;
    (c) 該生物学的サンプルを、第2のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第2のオリゴヌクレオチドは、配列番号75に示される第2のポリヌクレオチドまたはその相補鎖にハイブリダイズする、工程;
    (d) 該生物学的サンプルを、第3のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第3のオリゴヌクレオチドは、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号6、および配列番号7に示されるポリヌクレオチド、またはその相補鎖からなる群より選択される、第3のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、工程;
    (e) 該生物学的サンプルを、第4のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第4のオリゴヌクレオチドは、配列番号11に示されるポリヌクレオチド、またはその相補鎖からなる群より選択される、第4のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、工程;
    (f) 該生物学的サンプルを、第5のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第5のオリゴヌクレオチドは、配列番号13、配列番号15、および配列番号17に示されるポリヌクレオチド、またはその相補鎖からなる群より選択される、第5のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、工程;
    (g) 該生物学的サンプルを、第6のオリゴヌクレオチドと接触させる、工程であって、該第6のオリゴヌクレオチドは、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、および配列番号24に示されるポリヌクレオチド、またはその相補鎖からなる群より選択される、第6のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、工程;
    (h) 該生物学的サンプルを、第7のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第7のオリゴヌクレオチドは、配列番号30に示される第7のポリヌクレオチド、またはその相補鎖にハイブリダイズする、工程;
    (i) 該生物学的サンプルを、第8のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第8のオリゴヌクレオチドは、配列番号32に示される第8のポリヌクレオチド、またはその相補鎖にハイブリダイズする、工程;
    (j) 該生物学的サンプルを、第9のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって、該第9のオリゴヌクレオチドは、配列番号76に示される第9のポリヌクレオチド、またはその相補鎖にハイブリダイズする、工程;
    (k) 該生物学的サンプルにおいて、工程(b)〜(j)のいずれか1つのハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドを検出し、そして該オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を、所定のカットオフ値と比較する、工程、
    を包含し、ここで、所定のカットオフ値を超える、工程(b)〜(j)のいずれか1つにおけるハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドの存在は、該患者の生物学的サンプルにおける癌細胞の存在を示す、方法。
  5. 患者における癌細胞の存在を決定するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a) 該患者から生物学的サンプルを得る工程;
    (b) 該生物学的サンプルを、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって;
    i. ここで、該第1のオリゴヌクレオチドおよび該第2のオリゴヌクレオチドは、それぞれ、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドにハイブリダイズし;
    ii. ここで、該第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドは、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号30、配列番号32、および配列番号76に示されるポリヌクレオチドからなる群より選択され;ならびに
    iii. ここで、該第1のポリヌクレオチドは、該第2のポリヌクレオチドに対するヌクレオチド配列に下線が付される、工程;
    (c) 生物学的サンプルにおいて、該ハイブリダイズした第1のオリゴヌクレオチドおよび該ハイブリダイズした第2のハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドを検出する工程;ならびに
    (d) 該ハイブリダイズした第1のオリゴヌクレオチドおよび該ハイブリダイズした第2のオリゴヌクレオチドの量を、所定のカットオフ値と比較する工程;
    を包含し、ここで、該所定のカットオフ値を超える、該ハイブリダイズした第1のオリゴヌクレオチドまたは該ハイブリダイズした第2のオリゴヌクレオチドの量は、該患者の生物学的サンプルにおける癌細胞の存在を示す、方法。
  6. 患者における癌細胞の存在または非存在を決定するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a) 該患者から生物学的サンプルを得る工程;
    (b) 該生物学的サンプルを、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドと接触させる工程であって;
    i. ここで、該第1のオリゴヌクレオチドおよび該第2のオリゴヌクレオチドは、それぞれ、第1のポリヌクレオチドおよび第2のポリヌクレオチドにハイブリダイズし;
    ii. ここで、該第1のポリヌクレオチドおよび該第2のポリヌクレオチドは、共に、検出される癌細胞の組織特異的ポリヌクレオチドであり;ならびに
    iii. ここで、該第1のポリヌクレオチドは、該第2のポリヌクレオチドに対するヌクレオチド配列に下線が付される、工程;
    (c) 該生物学的サンプルにおいて、該第1のハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドおよび該第2のハイブリダイズしたオリゴヌクレオチドを検出する工程;ならびに
    (d) 該オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドの量を、所定のカットオフ値と比較する工程;
    を包含し、ここで、該所定のカットオフ値を超えるハイブリダイズした第1のオリゴヌクレオチドまたはハイブリダイズした第2のオリゴヌクレオチドの存在は、該患者の生物学的サンプルにおける癌細胞の存在を示す、方法。
  7. 患者における癌細胞の存在を検出するための方法であって、該方法は、以下の工程:
    (a) 該患者から生物学的サンプルを得る工程;
    (b) 該生物学的サンプルを第1の対と比較する工程であって、該第1の対は第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドを含み、ここで、該第1のオリゴヌクレオチドおよび該第2のオリゴヌクレオチドは、それぞれ、第1のポリヌクレオチドおよびその相補鎖にハイブリダイズする工程;
    (c) 該生物学的サンプルを第2のオリゴヌクレオチド対と比較する工程であって、該第2の対は第3のオリゴヌクレオチドおよび第4のオリゴヌクレオチドを含み、ここで、該第3のオリゴヌクレオチドおよび第4のオリゴヌクレオチドは、それぞれ、第2のポリヌクレオチドおよびその相補鎖にハイブリダイズし、そして、ここで、該第1のポリヌクレオチドは、該第2のポリヌクレオチドに対するヌクレオチド配列に無関係である、工程;
    (d) 該第1のポリヌクレオチドおよび該第2のポリヌクレオチドを増幅する工程;ならびに
    (e) 第1のポリヌクレオチドおよび該増幅した第2のポリヌクレオチドを検出する工程;
    を包含し、ここで、該増幅した第1のポリヌクレオチドまたは該増幅した第2のポリヌクレオチドの存在は、該患者における癌細胞の存在を示す、方法。
  8. 前記生物学的サンプルが、血液、血清、リンパ節、骨髄、痰、尿、および腫瘍生検サンプルからなる群より選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記生物学的サンプルが、血液、リンパ節、および骨髄からなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記リンパ節が前哨リンパ節である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記癌が、前立腺癌、乳癌、結腸癌、卵巣癌、肺癌、頭部および頸部の癌、リンパ腫、白血病、黒色腫、肝癌、胃癌、腎癌、膀胱癌、膵癌、および子宮内膜癌からなる群より選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記第1のポリヌクレオチドおよび前記第2のポリヌクレオチドが、マンマグロビン、リポフィリンB、GABAπ(B899P)、B726P、B511S、B533S、B305D、およびB311Dからなる群より選択される、請求項6または7に記載の方法。
  13. 前記第一のポリヌクレオチドおよび前記第二のポリヌクレオチドが、以下:
    配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号30、配列番号32、および配列番号76、
    に記載されるポリヌクレオチドからなる群から選択される、請求項6および7に記載の方法。
  14. 前記オリゴヌクレオチドが、配列番号33〜35および63〜72に記載されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項6または7に記載の方法。
  15. 前記第一の増幅されたポリヌクレオチドおよび前記第二のポリヌクレオチドの検出工程が、放射標識を検出する工程および発蛍光団を検出する工程からなる群から選択される工程を包含する、請求項6または7に記載の方法。
  16. 前記検出工程が、分画化工程を包含する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記第一および第二のオリゴヌクレオチドが、イントロンに広がるオリゴヌクレオチドである、請求項6または7に記載の方法。
  18. 前記イントロンに広がるオリゴヌクレオチドが、配列番号36〜62に記載されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記増幅された第一または第二のポリヌクレオチドの前記検出が、該増幅された第一または第二のポリヌクレオチドを、標識したオリゴヌクレオチドプローブと接触させる工程を包含し、ここで該標識されたオリゴヌクレオチドプローブが、中程度にストリンジェントな条件下で、前前記第一または第二のポリヌクレオチドにハイブリダイズする、請求項7に記載の方法。
  20. 前記標識されたオリゴヌクレオチドプローブが、放射標識および発蛍光団からからなる群から選択される検出可能な部分を含む、請求項7に記載の方法。
  21. 該オリゴヌクレオチドプライマーをハイブリダイズする前に、前記生物学的サンプルから、前記癌細胞を富化させる工程をさらに包含する、請求項1〜7に記載の方法。
  22. 前記生物学的サンプルから前記癌細胞を富化する工程が、細胞捕獲および細胞枯渇からなる群から選択される方法論によって達成される、請求項1〜7に記載の方法。
  23. 前記細胞捕獲が、免疫捕獲によって達成され、該免疫捕獲は、以下の工程:
    (a)抗体を、該癌細胞の表面に吸着させる工程;および
    (b)該抗体吸着癌細胞を、該生物学的サンプルの残りから分離する工程、
    を包含する、方法。
  24. 前記抗体が、以下:
    CD2、CD3、CD4、CD5、CD8、CD10、CDllb、CD14、CD15、CD16、CD19、CD20、CD24、CD25、CD29、CD33、CD34、CD36、CD38、CD41、CD45、CD45RA、CD45RO、CD56、CD66B、CD66e、HLA−DR、IgEおよびTCRαβ、
    からなる群から選択される抗原に指向される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記抗体が、胸部腫瘍抗原に指向される、請求項23に記載の方法。
  26. 前記抗体が、モノクローナル抗体である、請求項23〜25に記載の方法。
  27. 前記抗体が、磁気ビーズに結合された、請求項23に記載の方法。
  28. 前記抗体が、四量体抗体複合体で処方される、請求項23に記載の方法。
  29. 細胞枯渇が、以下:
    (a)赤血球と白血球とを架橋する工程;および
    (b)該架橋された赤血球と白血球とを、前記生物学的サンプルの残りから分画化する工程、
    を包含する方法によって達成される、請求項23に記載の方法。
  30. 前記精製工程が、以下:逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、逆PCR、RACE、リガーゼ連鎖反応(LCR)、Qbeta レプリカーゼ、等温増幅、鎖移動増幅(SDA)、ローリング連鎖反応(RCP)、環状プローブ反応(CPR)、転写ベースの増幅系(TAS)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)および3SRからなる群から選択されるポリヌクレオチド増幅方法論によって達成される、請求項7に記載の方法。
  31. 患者の生物学的サンプル中の癌細胞を検出するための組成物であって、該組成物は、以下:
    (a)第一のオリゴヌクレオチド;および
    (b)第二のオリゴヌクレオチド、
    を含み、ここで、該第一のオリゴヌクレオチドおよび該第二のオリゴヌクレオチドは、それぞれ、第一のポリヌクレオチドおよび第二のポリヌクレオチドにハイブリダイズし;ここで、該第一のポリヌクレオチドは、ヌクレオチド配列において、該第二のポリヌクレオチドとは関係せず;ここで、第一のポリヌクレオチドおよび該第二のポリヌクレオチドは、検出される癌細胞の組織特異的ポリヌクレオチドであり;ここで、該第一のポリヌクレオチドおよび該第二のポリヌクレオチドは、該癌細胞の組織型の相補的組織特異的ポリヌクレオチドであり;そしてここで、該第一のポリヌクレオチドおよび該第二のポリヌクレオチドが、以下: 配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号30、配列番号32、および配列番号76、
    に記載のポリヌクレオチドからなる群から選択される、組成物。
  32. 前記オリゴヌクレオチドが、配列番号33〜72に開示されるようなオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項31に記載の組成物。
  33. 患者の生物学的サンプル中の癌細胞を検出するための組成物であって、該組成物は、以下:
    (a)第一のオリゴヌクレオチド対;および
    (b)第二のオリゴヌクレオチド対、
    を含み、ここで、該第一のオリゴヌクレオチド対および該第二のオリゴヌクレオチド対は、それぞれ、第一のポリヌクレオチド(または、その相補体)および該第二のポリヌクレオチド(または、その相補体)にハイブリダイズし;ここで、該第一のポリヌクレオチドは、ヌクレオチド配列において、該第二のポリヌクレオチドとは関係せず;ここで、該第一のポリヌクレオチドおよび該第二のポリヌクレオチドは、検出される癌細胞の組織特異的ポリヌクレオチドであり;ここで、該第一のポリヌクレオチドおよび該第二のポリヌクレオチドは、該癌細胞の組織型の相補的組織特異的ポリヌクレオチドであり;そしてここで、該第一のポリヌクレオチドおよび該第二のポリヌクレオチドが、以下:
    配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号30、配列番号32、および配列番号76、
    に記載のポリヌクレオチドからなる群から選択される、組成物。
  34. 前記オリゴヌクレオチドが、配列番号33〜72に開示されるようなオリゴヌクレオチドからなる群から選択される、請求項33に記載の組成物。
  35. 組成物であって、該組成物は、配列番号33〜72に記載されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択されるオリゴヌクレオチドを含む、15ヌクレオチドと100ヌクレオチドとの間のオリゴヌクレオチドプライマーまたはプローブを含む、組成物。
  36. 配列番号33〜72に記載されるオリゴヌクレオチドからなる群から選択されるオリゴヌクレオチドプライマーまたはプローブを含む、請求項35に記載の組成物。
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