JP2004504580A - 発熱反応を制御する方法及び反応混合物 - Google Patents
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Abstract
反応混合物は、発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを有する発熱生成粒子、場合によっては、水溶液及び緩衝液を包含する。本反応混合物は、特に制御可能な方法で熱を発生するのに適している。このような制御された一反応において、反応成分は混合され、そしてその混合物は所定時間内に設定温度まで温度を増加し、又その混合物はより長期間、設定温度に留まる。本反応混合物を用いる装置及び方法も又開示される。
Description
【0001】
(技術分野)
本発明は、発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを有する発熱生成粒子に関し、場合によっては、水溶液及び緩衝液を包含する反応混合物に関する。本反応混合物は、特に制御可能な方法で熱を生成するのに適している。本反応混合物を用いる装置及び方法も又、開示される。
【0002】
(発明の背景)
水溶液の添加により開始される自己発熱反応混合物が、何年もの間発熱のために使用されてきた。発熱反応によって生成される熱は、様々な目的に使用することができる。例えば、多くの消費者製品が加熱のために発熱反応を利用している。特定の食料製品は、自己発熱反応混合物と共に販売されている。水溶液、典型的には水が発熱反応混合物に添加される。これにより、食料製品を温める熱を生成する反応が開始される。携帯用温熱パッド、手袋、及び靴下ウォーマーなどのようなその他の消費者製品が加熱のために発熱反応を利用する。
自己発熱反応は、燃焼又は電気源での加熱の代替として、安価で、比較的安全で、携帯可能である。しかし、これらの反応は1つの実質的問題を有し、それらは制御するのが難しい。例えば、自己完結であり、長期間一定温度で動作する反応システムを設計することは困難であった。同様に、第1の期間ある温度で動作し、次に第2の期間に第2の温度に変化する反応システムを設計することは困難である。反応システムの温度を制御することなく、望ましい熱の放出を容易に制御できないことは自明のことである。
【0003】
このように、熱を提供するための改善された発熱反応混合物及び装置の必要性が存在する。これらの改善された方法及び装置は上述の問題を克服する必要がある。具体的には、それらは燃焼又は電気を必要としないが、制御可能な方法で熱を供給する必要がある。その上、これらの改善された方法及び装置は携帯可能で、比較的安価であることが必要である。
【0004】
(発明の概要)
本発明は、発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子を含む反応混合物に関する。場合によっては、反応混合物は更に、水溶液及び緩衝液を含む。
本発明の一態様において、発熱生成粒子と水溶液とが混合され、反応混合物の温度が20分経たないうちに約35℃より高く約75℃より低い設定温度へと増加する。より好ましくは、反応混合物は少なくとも約45分間は設定温度の15℃以内に留まる。
【0005】
本発明の発熱生成粒子は、好ましくは非錯体化型金属、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属水素化物、及びこれらの混合物から成る群から選択される。この金属は、ベリリウム、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、及びこれらの混合物から成る群から選択される。又、これらの発熱生成粒子のための水溶性コーティングは、天然水溶性ポリマー類、無機水溶性ポリマー類、合成水溶性ポリマー類、半合成水溶性ポリマー類、植物起源のポリマー類、微生物起源のポリマー類、動物起源のポリマー類、デンプンポリマー類、セルロースポリマー類、アルギネートポリマー類、ビニルポリマー類、ポリオキシエチレンポリマー類、アクリレートポリマー類、及びこれらの混合物から成る群から好ましくは選択される水溶性物質を含む。
【0006】
本発明において:発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子を準備する工程と、水溶液を準備する工程と、コーティングされた発熱生成粒子に水溶液を添加する工程とを含む熱生成方法が更に供給される。
本発明の更にもう1つの態様では、容器と、発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子とを含む熱生成の装置が供給される。
本発明の方法及び装置は、制御可能な方法で発熱する携帯可能で安価なやり方を供給する。本装置は、比較的小型であり得ると共に、長期間制御可能な方法で動作する。例えば、反応混合物は、所定の温度で長時間比較的制御された速度で熱を放出するように設計することができる。その上、本発明の反応混合物を使用することによって、第1温度で熱を放出することができ、その後反応混合物は第2の期間には異なる温度へと変化することができる。
【0007】
本発明の装置は、多様な有用化合物を周囲の空気、並びに衣類、カーペット、ペット、皮膚、及び他の多くの面に供給するために用いられ得る。その上、本発明の装置は、美的な資質を高めるために、そして最終的には装置ユーザーの総合的体験を向上させるために色及び光を組み合わせることができる。
【0008】
(詳細な説明)
記述のように、本発明は、熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子を含む反応混合物に関する。場合によっては、反応成分は、緩衝液、水溶液、又はその両方を更に含む。反応混合物は、制御可能な方法で熱を生成するのに使用することができる。本明細書において教示される反応混合物を使用する装置も又開示される。
【0009】
反応混合物
本発明の一態様において、反応混合物は発熱生成粒子と水溶液成分を混合することによって形成され、発熱生成粒子と水溶液との間の発熱反応を開始する。発熱反応は熱を生成し、これにより、反応混合物の温度を増加させる。熱、より具体的には、反応混合物の増加した温度は、周囲環境の物体を加熱するのに使用することができる。理解されるであろうが、発熱生成粒子の水溶性コーティングは、発熱反応の速度、及び生成された熱を制御するために用いられ得る。反応混合物により生成された熱の量は、いかなる外部からの制御なしに、制御された熱の放出を可能にする。当該技術分野において周知であるが、化学反応を制御するのは困難であり得る。バッチ方法と仮定し、熱力学的考察を別とすると、発熱化学反応の速度は主として反応混合物の温度及び濃度によって決まる。外部からの制御がない場合、発熱反応混合物の温度は反応の初期段階において急速に増加するであろう。これは主に、反応物質の濃度がその最高濃度にあること、並びに反応が進むにつれて熱が発生して、反応混合物の温度を上げ、ひいては反応速度を高めることの2つの要因による。反応物質が使い果たされるにつれて反応は遅くなり、反応混合物の温度を急勾配で下げる原因となる。この効果は図1及び図2の両方に図示され、具体的には、線「A」及び「a」が非制御の発熱反応混合物の温度を時間の関数として示している。図1及び図2については更に詳細に後述するが、それらは本発明により扱われた1つの問題を明らかに示している。即ち、反応温度は、図1及び図2の線「A」及び「a」で各々表されるが、常に変化している。その上、温度変化の速度はほとんど全く一定ではない。
【0010】
詳細に後述するように、発熱生成粒子をコーティングすることにより、バッチの発熱反応混合物は比較的長時間にわたって一の熱を供給するように設計し得る。そして、当業者により、他の制御スキームが容易に設計されることが可能であり、例えば比較的長時間にわたって温度が一定速度で次第に上昇する反応混合物が設計され得る。他の制御スキームは以下の詳細に基づき明らかになるであろう。
【0011】
このような一制御スキームにおいて、反応混合物は発熱生成粒子と水溶液を混合することによって調製され、発熱反応が開始される。反応混合物の温度は、約20分未満以内に、好ましくは約10分未満以内に、より好ましくは約5分未満以内に、約35℃より高く約75℃未満、好ましくは約35℃と65℃との間、最も好ましくは約35℃と50℃との間である設定温度まで増加する。好ましくは、少なくとも約45分間、好ましくは少なくとも約60分間、より好ましくは少なくとも約90分間は、反応混合物は設定温度の15℃以内、より好ましくは10℃以内、及び更により好ましくは5℃以内に留まる。本明細書で使用する時、用語「以内に留まる」とは、「±」と同一のことを意味することが理解される。例えば50℃の設定温度の「10℃以内に留まる」とは温度が40℃と60℃との間を変動できることを意味する。この制御スキームは、図1及び図2において線「B」、「C」、「b」、及び「c」により図示されている。
【0012】
図1は、本発明(「B」及び「C」)による2つの「制御された」反応と比較した、先行技術(「A」)による1つの「非制御の」発熱反応を表示している。反応成分、及び結果として生じた反応混合物は表1に示され、且つ表2に要約されている。表に示すように、マグネシウム粉末が発熱生成粒子として用いられ、及びクエン酸緩衝剤が用いられている。反応混合物「A」の発熱生成粒子はコーティングされておらず(プレミックス2)、一方反応混合物「B」及び「C」の発熱生成粒子はコーティングされていない粒子(プレミックス2)、及び異なる分子量のポリエチレングリコール(「PEG」)でコーティングされた粒子(プレミックス1)の両方を包含する。反応物質(コーティング物質を除く)の重量はこれらの3つの反応混合物において一定に保たれている。即ち、マグネシウム発熱生成粒子及びクエン酸緩衝剤の重量は3つのすべての反応混合物において比較的一定に保たれている。(表2参照)その上、マグネシウム発熱生成粒子及びクエン酸緩衝剤は100.0グラムの水に反応混合物の各々を形成するため添加されている。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
上で簡単に述べたように、線「A」は非制御の発熱反応の温度対時間の典型的グラフである。温度は最初に65℃より大きい最高値まで急速に増加する。そして、反応成分が消費されるにつれて、温度は対数曲線に沿って下降し始める。およそ35分以内に、反応は初期温度(室温)の5℃以内まで冷却した。線「A」により示される、この最初の35分間の反応の間、数分を超えて温度が一定だったことはない。
極めて対照的であるが、図1の線「B」及び「C」で表される反応混合物は、約50℃の設定温度まで約10分以内で増加する。次いで、反応温度は安定して、少なくとも約45分間設定温度の5℃以内に留まる。
同様に図2は本発明(「b」及び「c」)による2つの「制御された」反応と比較した、先行技術(「a」)による1つの「非制御の」発熱反応を表示している。
【0016】
反応成分、及び結果として生じた反応混合物は表3に示され、且つ表4に要約されている。マグネシウム粉末が発熱生成粒子として用いられ、及びクエン酸緩衝剤が用いられている。反応混合物「a」の発熱生成粒子はコーティングされておらず(プレミックス2)、一方、反応混合物「b」及び「c」の発熱生成粒子はコーティングされていない粒子(プレミックス2)、及び異なる分子量のポリエチレングリコール(「PEG」)でコーティングされた粒子(プレミックス1)の両方を包含する。反応物質(コーティング物質を除く)の重量はこれらの3つの反応混合物において一定に保たれている。即ち、マグネシウム発熱生成粒子及びクエン酸緩衝剤の重量は3つのすべての反応混合物において比較的一定に保たれている。(表4参照)その上、マグネシウム発熱生成粒子及びクエン酸緩衝剤は100.0グラムの水に反応混合物の各々を形成するため添加されている。
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
上で簡単に述べたように、線「a」は非制御の発熱反応の温度対時間の典型的グラフである。温度は最初に急速に上昇し、そして、反応成分が消費されるにつれて、温度は対数曲線に沿って下降し始める。反応混合物「a」の温度が設定温度40℃の15℃以内である55℃を行き過ぎ、そして55℃まで冷却して下がってくるまでおよそ15分間かかる。反応混合物はその後、反応が25℃未満に下がるまで、約40分だけ40℃の15℃以内に留まる。線「a」により示される、この最初の55分間の反応の間、数分間を超えて温度が一定だったことはない。
極めて対照的であるが、図2の線「b」及び「c」で表される反応混合物は、約40℃の設定温度まで約10分以内で上昇する。次いで、反応温度は安定して、少なくとも約60分間設定温度の5℃以内に留まる。
【0020】
図1及び図2に描かれた制御スキームは、即ちこの場合、反応混合物は設定温度まで上昇し、その温度は長時間比較的一定に留まるが、本発明により対象とされる多くの可能な制御スキームのうちの僅か1つに過ぎないことがわかる。実施例では、発熱生成粒子と水溶液とが混合される際、もう1つの制御スキームが起こり、発熱混合物の温度が第1設定温度まで上昇して、第1の期間、第1設定温度の15℃以内、好ましくは10℃以内、より好ましくは5℃以内に留まり、その後第2設定温度へと移り、第2の期間、第2設定時間の15℃以内、好ましくは10℃以内、より好ましくは5℃以内に留まる。好ましくは、第1の期間は、少なくとも約15分間、好ましくは少なくとも約20分間、及び第2の期間は、少なくとも約15分間、好ましくは少なくとも約20分間である。そして又、第1設定温度が、第2設定温度より少なくとも約10℃、好ましくは少なくとも約15℃高いか、又あるいは、第1設定温度は、第2設定温度より少なくとも約10℃、好ましくは少なくとも約15℃低いことが好ましい。
【0021】
本発明の制御スキームの更に別の実施例では、反応成分が混合される際、反応混合物の温度は℃/分で測定される実質増加速度において上昇し、この実質増加速度は、少なくとも約45分間、好ましくは少なくとも約60分間、及びより好ましくは少なくとも約90分間、所定増加速度の0.5℃/分以内、好ましくは0.1℃/分以内、及びより好ましくは0.01℃/分以内に留まる。好ましくは規定増加速度は2℃/分未満、好ましくは1.5℃/分未満、及びより好ましくは1℃/分未満である。
【0022】
反応成分
さて反応成分についてであるが、反応成分は、発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子を最小限として包含する。好ましくは、反応成分は緩衝液、及び水溶液、又はその両方を更に含む。
【0023】
発熱生成粒子
本発明の発熱生成粒子は、好ましくは、非錯体化型金属、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属水素化物、及びこれらの混合物から成る群から選択される。この金属は、ベリリウム、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、及びこれらの混合物から成る群から選択される。これらの粒子は又、水酸化ベリリウム、酸化ベリリウム、酸化ベリリウム1水和物、水素化アルミニウムリチウム、酸化カルシウム、水素化カルシウム、酸化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、四ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びこれらの混合物から成る群から選択されてもよい。反応混合物中の発熱生成粒子の濃度は、反応混合物の約3重量%〜約70重量%、好ましくは約5重量%〜約65重量%、及びより好ましくは約8重量%〜約60重量%である。
【0024】
発熱生成粒子(コーティングなし)が、約10ミクロン〜約1000ミクロン、好ましくは約100ミクロン〜約500ミクロン、及びより好ましくは約200ミクロン〜約400ミクロンの平均粒径を有することは必要ではないが好ましい。本発明の反応混合物において発熱生成粒子は、乾燥粉末、ゲル中に懸濁、又は非水性溶液中に懸濁の形態で存在し得る。
【0025】
水溶性コーティング
反応混合物の温度を時間の関数として制御することは本発明の目的の1つであり、制御は主として発熱生成粒子の少なくとも一部をコーティングすることにより達成される。どのような理論によっても制限されることを望まないが、コーティングされた発熱生成粒子は、コーティングが溶解するまで水溶液と反応することができないと考えられている。発熱生成粒子のコーティングが溶解し始めると、暴露された粒子は反応を開始し、そして熱を生成する。この構造の見地から、異なるコーティング、コーティングの異なる厚さ、又は両方を有する発熱生成粒子の混合物を用いる利益を容易に理解することができる。同様に反応の初期段階の間に温度が上昇するのを助けるため、少量の非コーティングの発熱生成粒子を包含することは多くの場合好ましい。反応混合物中の水溶性コーティング物質の濃度は、反応混合物の約3重量%〜約70重量%、好ましくは約5重量%〜約65重量%、より好ましくは約8重量%〜約60重量%である。
【0026】
したがって、発熱生成粒子の一部は、本明細書において開示される水溶性コーティングによりコーティングされなければならないが、粒子のすべてがコーティングされる必要はないことは理解される。その上、幾つかの粒子は異なる厚さを有することができ、及びコーティングも異なることができる。より具体的には、発熱生成粒子は、非コーティング粒子、コーティング粒子、及びこれらの混合物から成る群から選択され得、好ましくは、発熱生成粒子は、非コーティング粒子、第1のコーティング粒子、第2のコーティング粒子、及びこれらの混合物から成る群から選択される粒子を含むが、その際、第1のコーティング粒子は、第2のコーティング粒子とはコーティング物質、コーティングの厚さ、又は両方において異なる。
【0027】
これらの発熱生成粒子のためのコーティングは、天然水溶性ポリマー類、無機水溶性ポリマー類、合成水溶性ポリマー類、半合成水溶性ポリマー類、植物起源のポリマー類、微生物起源のポリマー類、動物起源のポリマー類、デンプンポリマー類、セルロースポリマー類、アルギレート酸塩ポリマー類、ビニルポリマー類、ポリオキシエチレンポリマー類、アクリレートポリマー類、及びこれらの混合物から成る群から好ましくは選択される水溶性物質であることが必要である。より具体的には発熱生成粒子のコーティングは、アラビアゴム、トラガカントゴム、ガラクタン、ガーゴム、カロブシードゴム(carob−seed gum)、カラヤゴム、カラゲナン、ペクチン、寒天、マルメロシード(quince seed)、アルゲコロイド、デンプン(コーン、ポテトなどより)、グリシルリチン酸、キサンタンゴム、デキストラン、サクシン−グルカン、プルラン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、硫酸セルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース、セルロース粉末、アルギン酸ナトリウム、プロピレングリコールアルギン酸エーテル、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー類、アクリル酸及びメタクリル酸のアルキルコポリマー類、分子量200と100,000との間、好ましくは600と20,000との間を有するポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのコポリマー類、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、カチオン性ポリマー類、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ヘクトライト、無水ケイ酸、及びこれらの混合物から成る群から選択される水溶性物質を含む。好ましくはコーティングは、水溶性アルキレングリコール類、水溶性アルコール類、及びこれらの混合物から成る群から選択される物質を含む。更により好ましくは、コーティングは可燃性でない。本発明に有用な代表的なコーティングは下の表5に記載されている。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
当業者により理解されるであろうが、上述のコーティングの水溶解度は広い範囲にわたって変化する。又、一般的に、水溶解度は温度によって決まる。このように反応混合物の温度を制御するために、当業者は所望の設定温度で溶解し、又発熱生成粒子が水溶液に多様な時間で暴露するようにコーティングの厚さが異なるコーティングを容易に選択することができる。別の制御方法は、異なる速度で溶解する異なるコーティングを用いることである。この方法によると、特定の粒子は反応の初期に暴露されるであろうが、他の発熱生成粒子は暴露されるまでには長くかかる。発熱反応を制御するために、発熱生成粒子をコーティングする他の方法は当業者には明らかであろう。いかなる制御スキームにおいても、コーティングしていない幾つかの粒子を包含することは、必要ではないが好ましいことがあることは理解される。
【0031】
コーティングは発熱生成粒子に適切なあらゆる手段により適用され得る。最も簡単な方法は、コーティング物質を柔らかくするか、又は融解して発熱生成粒子の所望の量と混合することである。異なるコーティングの厚さを実現するために、粒子の別のバッチ及びコーティング物質が調製され得る。例えば100gの粒子が100gのPEG600と混合されることが可能であり、別に、100gの発熱生成粒子が200gのPEG600と混合されることが可能である。粒子の2つのバッチが次いで組み合わされ得る。コーティングの厚さは、簡単な物質収支により発熱生成粒子の平均粒径、及びそこに添加されたコーティング物質の量を用いて決定することができる。より正確な測定を望む場合は、コーティングの前後における粒子のスペクトル分析により非常に正確な粒径分布が供給され得る。粒径スペクトル分析装置は周知である。
発熱混合物の発熱生成粒子の少なくとも一部をコーティングすることは必要であるが、一方、任意の緩衝液はコーティングされてもよく、又はコーティングされなくてもよい。より具体的には、任意の緩衝液は発熱生成粒子と共にコーティングされることができ、それは発熱生成粒子とは別個にコーティングされることもでき、又はそれはどのようなコーティングもされないで添加されることもできる。これらの選択の組み合わせは又多くの場合受容できる結果を生み出す。このため発熱生成粒子ではなくコーティング成分が配合者の特権である。
【0032】
水溶液
本発明の反応混合物の任意成分は水溶液である。水溶液は反応混合物において2つの機能を果たす。具体的には、水溶液は発熱粒子の水溶性コーティングを溶解し、そして次いで発熱生成粒子と反応して熱を発生する。水溶液の量についてはかなり柔軟性があることは理解される。コーティングを溶解し、そして発熱粒子と反応するために十分な量の水溶液が存在しなくてはならないが、過剰の水溶液が多くの場合受容可能であり、又望ましくさえあるかもしれない。実際に過剰の水溶液は反応システムにおける熱の流し場所として働く。この収容力において、水溶液はある状況では所与の反応システムの最高温度を制御するために用いられ得る。しかしながら、水溶液は通常上述の反応システムの時間対温度曲線を制御するために有用でない。このため、当業者は所与の反応システムに対する水溶液の適量を選択することができるであろう。
【0033】
最も一般的な、そして最も好ましい水溶液は水、及び水を含有する溶液である。一価アルコール及び他の低分子量液体は本発明に用いるのに好適である。「水溶液」についての唯一の評価基準は、それが上述の水溶性コーティングを溶解すること、及びそれが選択された発熱生成粒子と反応することである。反応混合物中の水溶液の濃度は、反応混合物の約30重量%〜約97重量%、好ましくは約50重量%〜約95重量%、及びより好ましくは約60重量%〜約90重量%である。
【0034】
緩衝液
本発明の反応混合物は多くの場合、任意成分として緩衝液を包含する。緩衝液は、発熱反応の加速又は減速、及び反応の終わりにおけるpH制御のような多様な利益を供給し得る。特定の発熱生成粒子はその他のものより速く反応することがあることは周知である。緩衝液は反応混合物の速度を上げたり、下げたりすることができる。しかしながら、緩衝液が存在したとしても、非制御発熱反応は、図1及び2の線「A」及び「a」により描かれる、時間対温度曲線に通常従うことは理解される。このように、緩衝液は反応混合物に都合の良い熱力学的環境を供給するように働くが、緩衝液は反応の時間対温度特性を制御しない。pHについては、反応の間及び終わりの両方においてpHを制御することは多くの場合望ましい。pHは反応の間は上述のように都合の良い熱力学的環境に寄与することができ、及び発熱反応がほとんど完了する際には、反応混合物の最終pHを調整することができる。特定のpHにおいては、反応生成物は沈殿して比較的透明な溶液を残すため、最終のpHは重要であることがある。透明な溶液は望ましいことがあり、それは反応の終わりを示し得る。とにかく緩衝液は本明細書に開示された反応混合物の配合者を助けることがある。
【0035】
好ましくは緩衝液が本発明の反応混合物中に存在する場合は、緩衝液に対する発熱生成粒子の重量比は、1000:1〜1:1000、好ましくは500:1〜1:500、より好ましくは200:1〜1:200の範囲である。又、緩衝液は好ましくは、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、グリコール酸、アスパラギン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸(terphthalic acid)、グルタミン酸、乳酸、ヒドロキシルアクリル酸、αヒドロキシル酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸、ケイ皮酸、安息香酸、フェニル酢酸、ニコチン酸、カイニン酸、ソルビン酸、ピロリドンカルボン酸、トリメリト酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、リン酸二水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、ピロ亜硫酸水素ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、スルファミン酸、オルトリン酸、ピロリン酸、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0036】
装置
本発明の更に別の態様において、熱生成のための装置が供給され、この装置は容器、及び発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子を含む。装置は、場合によっては、更に緩衝液、水溶液、又はこれらの組み合わせを含む。本発明の装置に用いられる反応成分は上述のものと同一である。本発明の装置は、好ましくは、発熱反応がその中で行われる、自己完結、及び携帯可能な装置である。好ましくは、装置の容器は、発熱反応の間に展開される揮発性成分を排出する少なくとも1つの穴又は開口部を有する必要がある。その上、容器は発熱反応の最高温度に耐え得る物質により構築されている必要がある。反応の最高温度は35℃ほどの低さであれば、多くの物質がこの要件を満たすが、更に高温度の反応は更に高い温度許容度を必要とすることがある。ガラス、プラスチック、発泡スチロール、金属、液体不浸透性の紙、及び多くの他の物質が本発明に用いるのに好適である。容器は、明るいもの、透明、半透明、又は不透明であり得る。本発明の装置中では、発熱生成粒子は乾燥粉末、ゲル中に懸濁、又は非水性溶液中に懸濁の形態であり得る。
【0037】
図3は本発明による装置10の概略図である。装置10は、容器12及び反応混合物20を含み、反応混合物20は、コーティング24を備える発熱生成粒子22を包含する。反応混合物20は緩衝液粒子26及び水溶液28を更に含む。
本発明の装置の中で用いられる反応混合物は上述のように制御可能である必要がある。即ち前記反応成分が本発明の装置の中で混合される際、前記反応混合物はその温度を約20分未満以内、好ましくは約10分未満以内、より好ましくは約5分未満以内に、約35℃より高く約75℃未満、好ましくは約35℃と60℃との間、最も好ましくは約35℃と50℃との間である設定温度まで上昇する必要がある。好ましくは、装置内の反応混合物は、少なくとも約45分間、好ましくは少なくとも約60分間、及びより好ましくは少なくとも約90分間は、設定温度の15℃以内に留まる。反応混合物に関連して上述したもののようなその他の制御手順は、本発明の装置の中で用いるように考察されている。
本明細書は、本発明を特定して指摘し明確に請求する請求の範囲をもって結論とするが、本発明は添付の図面と組み合わせた次の好ましい実施形態の説明により、よりよく理解されるものと思われる。
【0038】
(実施例)
以下の実施例は本発明の反応混合物を示すが、必ずしも本発明の範囲を限定したり、あるいは定義しようとするものではない。
【0039】
発熱生成粒子をコーティングする方法
発熱生成粒子はポリエチレングリコールにより以下のようにコーティングされる。プレミックスは、マグネシウムパウダーと無水クエン酸を組み合わせることによって作られる(重量/重量で1:6.5、両構成成分ともワコー・ケミカルズ(Wako Chemicals)より)。プレミックスを次いで融解したポリエチレングリコールに添加する。融解したポリエチレンは3つの異なる分子量、PEG600(ユニオンカーバイド(Union Carbide)より)、PEG1000(ワコー・ケミカルズ(Wako Chemicals)より)、及びPEG2000(ワコー・ケミカルズより)の混合物である。融解したPEG混合物はおよそ50℃である。この混合物は次いで5℃で10分間、およそ20〜25℃まで冷却される。生成物は3つの異なる分子量のPEG、マグネシウム粉末、及び無水クエン酸粉末を含み、及び懸濁した粒子を有するゲルである。
【図面の簡単な説明】
【図1】設定温度約50℃で本発明に記載の反応混合物を使用した2つの制御された反応及び非制御反応を示すグラフである。
【図2】設定温度約40℃で本発明に記載の反応混合物を使用した2つの制御された反応及び非制御反応を示すグラフである。
【図3】本発明による装置の概略図である。
(技術分野)
本発明は、発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを有する発熱生成粒子に関し、場合によっては、水溶液及び緩衝液を包含する反応混合物に関する。本反応混合物は、特に制御可能な方法で熱を生成するのに適している。本反応混合物を用いる装置及び方法も又、開示される。
【0002】
(発明の背景)
水溶液の添加により開始される自己発熱反応混合物が、何年もの間発熱のために使用されてきた。発熱反応によって生成される熱は、様々な目的に使用することができる。例えば、多くの消費者製品が加熱のために発熱反応を利用している。特定の食料製品は、自己発熱反応混合物と共に販売されている。水溶液、典型的には水が発熱反応混合物に添加される。これにより、食料製品を温める熱を生成する反応が開始される。携帯用温熱パッド、手袋、及び靴下ウォーマーなどのようなその他の消費者製品が加熱のために発熱反応を利用する。
自己発熱反応は、燃焼又は電気源での加熱の代替として、安価で、比較的安全で、携帯可能である。しかし、これらの反応は1つの実質的問題を有し、それらは制御するのが難しい。例えば、自己完結であり、長期間一定温度で動作する反応システムを設計することは困難であった。同様に、第1の期間ある温度で動作し、次に第2の期間に第2の温度に変化する反応システムを設計することは困難である。反応システムの温度を制御することなく、望ましい熱の放出を容易に制御できないことは自明のことである。
【0003】
このように、熱を提供するための改善された発熱反応混合物及び装置の必要性が存在する。これらの改善された方法及び装置は上述の問題を克服する必要がある。具体的には、それらは燃焼又は電気を必要としないが、制御可能な方法で熱を供給する必要がある。その上、これらの改善された方法及び装置は携帯可能で、比較的安価であることが必要である。
【0004】
(発明の概要)
本発明は、発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子を含む反応混合物に関する。場合によっては、反応混合物は更に、水溶液及び緩衝液を含む。
本発明の一態様において、発熱生成粒子と水溶液とが混合され、反応混合物の温度が20分経たないうちに約35℃より高く約75℃より低い設定温度へと増加する。より好ましくは、反応混合物は少なくとも約45分間は設定温度の15℃以内に留まる。
【0005】
本発明の発熱生成粒子は、好ましくは非錯体化型金属、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属水素化物、及びこれらの混合物から成る群から選択される。この金属は、ベリリウム、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、及びこれらの混合物から成る群から選択される。又、これらの発熱生成粒子のための水溶性コーティングは、天然水溶性ポリマー類、無機水溶性ポリマー類、合成水溶性ポリマー類、半合成水溶性ポリマー類、植物起源のポリマー類、微生物起源のポリマー類、動物起源のポリマー類、デンプンポリマー類、セルロースポリマー類、アルギネートポリマー類、ビニルポリマー類、ポリオキシエチレンポリマー類、アクリレートポリマー類、及びこれらの混合物から成る群から好ましくは選択される水溶性物質を含む。
【0006】
本発明において:発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子を準備する工程と、水溶液を準備する工程と、コーティングされた発熱生成粒子に水溶液を添加する工程とを含む熱生成方法が更に供給される。
本発明の更にもう1つの態様では、容器と、発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子とを含む熱生成の装置が供給される。
本発明の方法及び装置は、制御可能な方法で発熱する携帯可能で安価なやり方を供給する。本装置は、比較的小型であり得ると共に、長期間制御可能な方法で動作する。例えば、反応混合物は、所定の温度で長時間比較的制御された速度で熱を放出するように設計することができる。その上、本発明の反応混合物を使用することによって、第1温度で熱を放出することができ、その後反応混合物は第2の期間には異なる温度へと変化することができる。
【0007】
本発明の装置は、多様な有用化合物を周囲の空気、並びに衣類、カーペット、ペット、皮膚、及び他の多くの面に供給するために用いられ得る。その上、本発明の装置は、美的な資質を高めるために、そして最終的には装置ユーザーの総合的体験を向上させるために色及び光を組み合わせることができる。
【0008】
(詳細な説明)
記述のように、本発明は、熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子を含む反応混合物に関する。場合によっては、反応成分は、緩衝液、水溶液、又はその両方を更に含む。反応混合物は、制御可能な方法で熱を生成するのに使用することができる。本明細書において教示される反応混合物を使用する装置も又開示される。
【0009】
反応混合物
本発明の一態様において、反応混合物は発熱生成粒子と水溶液成分を混合することによって形成され、発熱生成粒子と水溶液との間の発熱反応を開始する。発熱反応は熱を生成し、これにより、反応混合物の温度を増加させる。熱、より具体的には、反応混合物の増加した温度は、周囲環境の物体を加熱するのに使用することができる。理解されるであろうが、発熱生成粒子の水溶性コーティングは、発熱反応の速度、及び生成された熱を制御するために用いられ得る。反応混合物により生成された熱の量は、いかなる外部からの制御なしに、制御された熱の放出を可能にする。当該技術分野において周知であるが、化学反応を制御するのは困難であり得る。バッチ方法と仮定し、熱力学的考察を別とすると、発熱化学反応の速度は主として反応混合物の温度及び濃度によって決まる。外部からの制御がない場合、発熱反応混合物の温度は反応の初期段階において急速に増加するであろう。これは主に、反応物質の濃度がその最高濃度にあること、並びに反応が進むにつれて熱が発生して、反応混合物の温度を上げ、ひいては反応速度を高めることの2つの要因による。反応物質が使い果たされるにつれて反応は遅くなり、反応混合物の温度を急勾配で下げる原因となる。この効果は図1及び図2の両方に図示され、具体的には、線「A」及び「a」が非制御の発熱反応混合物の温度を時間の関数として示している。図1及び図2については更に詳細に後述するが、それらは本発明により扱われた1つの問題を明らかに示している。即ち、反応温度は、図1及び図2の線「A」及び「a」で各々表されるが、常に変化している。その上、温度変化の速度はほとんど全く一定ではない。
【0010】
詳細に後述するように、発熱生成粒子をコーティングすることにより、バッチの発熱反応混合物は比較的長時間にわたって一の熱を供給するように設計し得る。そして、当業者により、他の制御スキームが容易に設計されることが可能であり、例えば比較的長時間にわたって温度が一定速度で次第に上昇する反応混合物が設計され得る。他の制御スキームは以下の詳細に基づき明らかになるであろう。
【0011】
このような一制御スキームにおいて、反応混合物は発熱生成粒子と水溶液を混合することによって調製され、発熱反応が開始される。反応混合物の温度は、約20分未満以内に、好ましくは約10分未満以内に、より好ましくは約5分未満以内に、約35℃より高く約75℃未満、好ましくは約35℃と65℃との間、最も好ましくは約35℃と50℃との間である設定温度まで増加する。好ましくは、少なくとも約45分間、好ましくは少なくとも約60分間、より好ましくは少なくとも約90分間は、反応混合物は設定温度の15℃以内、より好ましくは10℃以内、及び更により好ましくは5℃以内に留まる。本明細書で使用する時、用語「以内に留まる」とは、「±」と同一のことを意味することが理解される。例えば50℃の設定温度の「10℃以内に留まる」とは温度が40℃と60℃との間を変動できることを意味する。この制御スキームは、図1及び図2において線「B」、「C」、「b」、及び「c」により図示されている。
【0012】
図1は、本発明(「B」及び「C」)による2つの「制御された」反応と比較した、先行技術(「A」)による1つの「非制御の」発熱反応を表示している。反応成分、及び結果として生じた反応混合物は表1に示され、且つ表2に要約されている。表に示すように、マグネシウム粉末が発熱生成粒子として用いられ、及びクエン酸緩衝剤が用いられている。反応混合物「A」の発熱生成粒子はコーティングされておらず(プレミックス2)、一方反応混合物「B」及び「C」の発熱生成粒子はコーティングされていない粒子(プレミックス2)、及び異なる分子量のポリエチレングリコール(「PEG」)でコーティングされた粒子(プレミックス1)の両方を包含する。反応物質(コーティング物質を除く)の重量はこれらの3つの反応混合物において一定に保たれている。即ち、マグネシウム発熱生成粒子及びクエン酸緩衝剤の重量は3つのすべての反応混合物において比較的一定に保たれている。(表2参照)その上、マグネシウム発熱生成粒子及びクエン酸緩衝剤は100.0グラムの水に反応混合物の各々を形成するため添加されている。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
上で簡単に述べたように、線「A」は非制御の発熱反応の温度対時間の典型的グラフである。温度は最初に65℃より大きい最高値まで急速に増加する。そして、反応成分が消費されるにつれて、温度は対数曲線に沿って下降し始める。およそ35分以内に、反応は初期温度(室温)の5℃以内まで冷却した。線「A」により示される、この最初の35分間の反応の間、数分を超えて温度が一定だったことはない。
極めて対照的であるが、図1の線「B」及び「C」で表される反応混合物は、約50℃の設定温度まで約10分以内で増加する。次いで、反応温度は安定して、少なくとも約45分間設定温度の5℃以内に留まる。
同様に図2は本発明(「b」及び「c」)による2つの「制御された」反応と比較した、先行技術(「a」)による1つの「非制御の」発熱反応を表示している。
【0016】
反応成分、及び結果として生じた反応混合物は表3に示され、且つ表4に要約されている。マグネシウム粉末が発熱生成粒子として用いられ、及びクエン酸緩衝剤が用いられている。反応混合物「a」の発熱生成粒子はコーティングされておらず(プレミックス2)、一方、反応混合物「b」及び「c」の発熱生成粒子はコーティングされていない粒子(プレミックス2)、及び異なる分子量のポリエチレングリコール(「PEG」)でコーティングされた粒子(プレミックス1)の両方を包含する。反応物質(コーティング物質を除く)の重量はこれらの3つの反応混合物において一定に保たれている。即ち、マグネシウム発熱生成粒子及びクエン酸緩衝剤の重量は3つのすべての反応混合物において比較的一定に保たれている。(表4参照)その上、マグネシウム発熱生成粒子及びクエン酸緩衝剤は100.0グラムの水に反応混合物の各々を形成するため添加されている。
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】
上で簡単に述べたように、線「a」は非制御の発熱反応の温度対時間の典型的グラフである。温度は最初に急速に上昇し、そして、反応成分が消費されるにつれて、温度は対数曲線に沿って下降し始める。反応混合物「a」の温度が設定温度40℃の15℃以内である55℃を行き過ぎ、そして55℃まで冷却して下がってくるまでおよそ15分間かかる。反応混合物はその後、反応が25℃未満に下がるまで、約40分だけ40℃の15℃以内に留まる。線「a」により示される、この最初の55分間の反応の間、数分間を超えて温度が一定だったことはない。
極めて対照的であるが、図2の線「b」及び「c」で表される反応混合物は、約40℃の設定温度まで約10分以内で上昇する。次いで、反応温度は安定して、少なくとも約60分間設定温度の5℃以内に留まる。
【0020】
図1及び図2に描かれた制御スキームは、即ちこの場合、反応混合物は設定温度まで上昇し、その温度は長時間比較的一定に留まるが、本発明により対象とされる多くの可能な制御スキームのうちの僅か1つに過ぎないことがわかる。実施例では、発熱生成粒子と水溶液とが混合される際、もう1つの制御スキームが起こり、発熱混合物の温度が第1設定温度まで上昇して、第1の期間、第1設定温度の15℃以内、好ましくは10℃以内、より好ましくは5℃以内に留まり、その後第2設定温度へと移り、第2の期間、第2設定時間の15℃以内、好ましくは10℃以内、より好ましくは5℃以内に留まる。好ましくは、第1の期間は、少なくとも約15分間、好ましくは少なくとも約20分間、及び第2の期間は、少なくとも約15分間、好ましくは少なくとも約20分間である。そして又、第1設定温度が、第2設定温度より少なくとも約10℃、好ましくは少なくとも約15℃高いか、又あるいは、第1設定温度は、第2設定温度より少なくとも約10℃、好ましくは少なくとも約15℃低いことが好ましい。
【0021】
本発明の制御スキームの更に別の実施例では、反応成分が混合される際、反応混合物の温度は℃/分で測定される実質増加速度において上昇し、この実質増加速度は、少なくとも約45分間、好ましくは少なくとも約60分間、及びより好ましくは少なくとも約90分間、所定増加速度の0.5℃/分以内、好ましくは0.1℃/分以内、及びより好ましくは0.01℃/分以内に留まる。好ましくは規定増加速度は2℃/分未満、好ましくは1.5℃/分未満、及びより好ましくは1℃/分未満である。
【0022】
反応成分
さて反応成分についてであるが、反応成分は、発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子を最小限として包含する。好ましくは、反応成分は緩衝液、及び水溶液、又はその両方を更に含む。
【0023】
発熱生成粒子
本発明の発熱生成粒子は、好ましくは、非錯体化型金属、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属水素化物、及びこれらの混合物から成る群から選択される。この金属は、ベリリウム、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、及びこれらの混合物から成る群から選択される。これらの粒子は又、水酸化ベリリウム、酸化ベリリウム、酸化ベリリウム1水和物、水素化アルミニウムリチウム、酸化カルシウム、水素化カルシウム、酸化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、四ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びこれらの混合物から成る群から選択されてもよい。反応混合物中の発熱生成粒子の濃度は、反応混合物の約3重量%〜約70重量%、好ましくは約5重量%〜約65重量%、及びより好ましくは約8重量%〜約60重量%である。
【0024】
発熱生成粒子(コーティングなし)が、約10ミクロン〜約1000ミクロン、好ましくは約100ミクロン〜約500ミクロン、及びより好ましくは約200ミクロン〜約400ミクロンの平均粒径を有することは必要ではないが好ましい。本発明の反応混合物において発熱生成粒子は、乾燥粉末、ゲル中に懸濁、又は非水性溶液中に懸濁の形態で存在し得る。
【0025】
水溶性コーティング
反応混合物の温度を時間の関数として制御することは本発明の目的の1つであり、制御は主として発熱生成粒子の少なくとも一部をコーティングすることにより達成される。どのような理論によっても制限されることを望まないが、コーティングされた発熱生成粒子は、コーティングが溶解するまで水溶液と反応することができないと考えられている。発熱生成粒子のコーティングが溶解し始めると、暴露された粒子は反応を開始し、そして熱を生成する。この構造の見地から、異なるコーティング、コーティングの異なる厚さ、又は両方を有する発熱生成粒子の混合物を用いる利益を容易に理解することができる。同様に反応の初期段階の間に温度が上昇するのを助けるため、少量の非コーティングの発熱生成粒子を包含することは多くの場合好ましい。反応混合物中の水溶性コーティング物質の濃度は、反応混合物の約3重量%〜約70重量%、好ましくは約5重量%〜約65重量%、より好ましくは約8重量%〜約60重量%である。
【0026】
したがって、発熱生成粒子の一部は、本明細書において開示される水溶性コーティングによりコーティングされなければならないが、粒子のすべてがコーティングされる必要はないことは理解される。その上、幾つかの粒子は異なる厚さを有することができ、及びコーティングも異なることができる。より具体的には、発熱生成粒子は、非コーティング粒子、コーティング粒子、及びこれらの混合物から成る群から選択され得、好ましくは、発熱生成粒子は、非コーティング粒子、第1のコーティング粒子、第2のコーティング粒子、及びこれらの混合物から成る群から選択される粒子を含むが、その際、第1のコーティング粒子は、第2のコーティング粒子とはコーティング物質、コーティングの厚さ、又は両方において異なる。
【0027】
これらの発熱生成粒子のためのコーティングは、天然水溶性ポリマー類、無機水溶性ポリマー類、合成水溶性ポリマー類、半合成水溶性ポリマー類、植物起源のポリマー類、微生物起源のポリマー類、動物起源のポリマー類、デンプンポリマー類、セルロースポリマー類、アルギレート酸塩ポリマー類、ビニルポリマー類、ポリオキシエチレンポリマー類、アクリレートポリマー類、及びこれらの混合物から成る群から好ましくは選択される水溶性物質であることが必要である。より具体的には発熱生成粒子のコーティングは、アラビアゴム、トラガカントゴム、ガラクタン、ガーゴム、カロブシードゴム(carob−seed gum)、カラヤゴム、カラゲナン、ペクチン、寒天、マルメロシード(quince seed)、アルゲコロイド、デンプン(コーン、ポテトなどより)、グリシルリチン酸、キサンタンゴム、デキストラン、サクシン−グルカン、プルラン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、硫酸セルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース、セルロース粉末、アルギン酸ナトリウム、プロピレングリコールアルギン酸エーテル、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー類、アクリル酸及びメタクリル酸のアルキルコポリマー類、分子量200と100,000との間、好ましくは600と20,000との間を有するポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのコポリマー類、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、カチオン性ポリマー類、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ヘクトライト、無水ケイ酸、及びこれらの混合物から成る群から選択される水溶性物質を含む。好ましくはコーティングは、水溶性アルキレングリコール類、水溶性アルコール類、及びこれらの混合物から成る群から選択される物質を含む。更により好ましくは、コーティングは可燃性でない。本発明に有用な代表的なコーティングは下の表5に記載されている。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
当業者により理解されるであろうが、上述のコーティングの水溶解度は広い範囲にわたって変化する。又、一般的に、水溶解度は温度によって決まる。このように反応混合物の温度を制御するために、当業者は所望の設定温度で溶解し、又発熱生成粒子が水溶液に多様な時間で暴露するようにコーティングの厚さが異なるコーティングを容易に選択することができる。別の制御方法は、異なる速度で溶解する異なるコーティングを用いることである。この方法によると、特定の粒子は反応の初期に暴露されるであろうが、他の発熱生成粒子は暴露されるまでには長くかかる。発熱反応を制御するために、発熱生成粒子をコーティングする他の方法は当業者には明らかであろう。いかなる制御スキームにおいても、コーティングしていない幾つかの粒子を包含することは、必要ではないが好ましいことがあることは理解される。
【0031】
コーティングは発熱生成粒子に適切なあらゆる手段により適用され得る。最も簡単な方法は、コーティング物質を柔らかくするか、又は融解して発熱生成粒子の所望の量と混合することである。異なるコーティングの厚さを実現するために、粒子の別のバッチ及びコーティング物質が調製され得る。例えば100gの粒子が100gのPEG600と混合されることが可能であり、別に、100gの発熱生成粒子が200gのPEG600と混合されることが可能である。粒子の2つのバッチが次いで組み合わされ得る。コーティングの厚さは、簡単な物質収支により発熱生成粒子の平均粒径、及びそこに添加されたコーティング物質の量を用いて決定することができる。より正確な測定を望む場合は、コーティングの前後における粒子のスペクトル分析により非常に正確な粒径分布が供給され得る。粒径スペクトル分析装置は周知である。
発熱混合物の発熱生成粒子の少なくとも一部をコーティングすることは必要であるが、一方、任意の緩衝液はコーティングされてもよく、又はコーティングされなくてもよい。より具体的には、任意の緩衝液は発熱生成粒子と共にコーティングされることができ、それは発熱生成粒子とは別個にコーティングされることもでき、又はそれはどのようなコーティングもされないで添加されることもできる。これらの選択の組み合わせは又多くの場合受容できる結果を生み出す。このため発熱生成粒子ではなくコーティング成分が配合者の特権である。
【0032】
水溶液
本発明の反応混合物の任意成分は水溶液である。水溶液は反応混合物において2つの機能を果たす。具体的には、水溶液は発熱粒子の水溶性コーティングを溶解し、そして次いで発熱生成粒子と反応して熱を発生する。水溶液の量についてはかなり柔軟性があることは理解される。コーティングを溶解し、そして発熱粒子と反応するために十分な量の水溶液が存在しなくてはならないが、過剰の水溶液が多くの場合受容可能であり、又望ましくさえあるかもしれない。実際に過剰の水溶液は反応システムにおける熱の流し場所として働く。この収容力において、水溶液はある状況では所与の反応システムの最高温度を制御するために用いられ得る。しかしながら、水溶液は通常上述の反応システムの時間対温度曲線を制御するために有用でない。このため、当業者は所与の反応システムに対する水溶液の適量を選択することができるであろう。
【0033】
最も一般的な、そして最も好ましい水溶液は水、及び水を含有する溶液である。一価アルコール及び他の低分子量液体は本発明に用いるのに好適である。「水溶液」についての唯一の評価基準は、それが上述の水溶性コーティングを溶解すること、及びそれが選択された発熱生成粒子と反応することである。反応混合物中の水溶液の濃度は、反応混合物の約30重量%〜約97重量%、好ましくは約50重量%〜約95重量%、及びより好ましくは約60重量%〜約90重量%である。
【0034】
緩衝液
本発明の反応混合物は多くの場合、任意成分として緩衝液を包含する。緩衝液は、発熱反応の加速又は減速、及び反応の終わりにおけるpH制御のような多様な利益を供給し得る。特定の発熱生成粒子はその他のものより速く反応することがあることは周知である。緩衝液は反応混合物の速度を上げたり、下げたりすることができる。しかしながら、緩衝液が存在したとしても、非制御発熱反応は、図1及び2の線「A」及び「a」により描かれる、時間対温度曲線に通常従うことは理解される。このように、緩衝液は反応混合物に都合の良い熱力学的環境を供給するように働くが、緩衝液は反応の時間対温度特性を制御しない。pHについては、反応の間及び終わりの両方においてpHを制御することは多くの場合望ましい。pHは反応の間は上述のように都合の良い熱力学的環境に寄与することができ、及び発熱反応がほとんど完了する際には、反応混合物の最終pHを調整することができる。特定のpHにおいては、反応生成物は沈殿して比較的透明な溶液を残すため、最終のpHは重要であることがある。透明な溶液は望ましいことがあり、それは反応の終わりを示し得る。とにかく緩衝液は本明細書に開示された反応混合物の配合者を助けることがある。
【0035】
好ましくは緩衝液が本発明の反応混合物中に存在する場合は、緩衝液に対する発熱生成粒子の重量比は、1000:1〜1:1000、好ましくは500:1〜1:500、より好ましくは200:1〜1:200の範囲である。又、緩衝液は好ましくは、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、グリコール酸、アスパラギン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸(terphthalic acid)、グルタミン酸、乳酸、ヒドロキシルアクリル酸、αヒドロキシル酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸、ケイ皮酸、安息香酸、フェニル酢酸、ニコチン酸、カイニン酸、ソルビン酸、ピロリドンカルボン酸、トリメリト酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、リン酸二水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、ピロ亜硫酸水素ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、スルファミン酸、オルトリン酸、ピロリン酸、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0036】
装置
本発明の更に別の態様において、熱生成のための装置が供給され、この装置は容器、及び発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子を含む。装置は、場合によっては、更に緩衝液、水溶液、又はこれらの組み合わせを含む。本発明の装置に用いられる反応成分は上述のものと同一である。本発明の装置は、好ましくは、発熱反応がその中で行われる、自己完結、及び携帯可能な装置である。好ましくは、装置の容器は、発熱反応の間に展開される揮発性成分を排出する少なくとも1つの穴又は開口部を有する必要がある。その上、容器は発熱反応の最高温度に耐え得る物質により構築されている必要がある。反応の最高温度は35℃ほどの低さであれば、多くの物質がこの要件を満たすが、更に高温度の反応は更に高い温度許容度を必要とすることがある。ガラス、プラスチック、発泡スチロール、金属、液体不浸透性の紙、及び多くの他の物質が本発明に用いるのに好適である。容器は、明るいもの、透明、半透明、又は不透明であり得る。本発明の装置中では、発熱生成粒子は乾燥粉末、ゲル中に懸濁、又は非水性溶液中に懸濁の形態であり得る。
【0037】
図3は本発明による装置10の概略図である。装置10は、容器12及び反応混合物20を含み、反応混合物20は、コーティング24を備える発熱生成粒子22を包含する。反応混合物20は緩衝液粒子26及び水溶液28を更に含む。
本発明の装置の中で用いられる反応混合物は上述のように制御可能である必要がある。即ち前記反応成分が本発明の装置の中で混合される際、前記反応混合物はその温度を約20分未満以内、好ましくは約10分未満以内、より好ましくは約5分未満以内に、約35℃より高く約75℃未満、好ましくは約35℃と60℃との間、最も好ましくは約35℃と50℃との間である設定温度まで上昇する必要がある。好ましくは、装置内の反応混合物は、少なくとも約45分間、好ましくは少なくとも約60分間、及びより好ましくは少なくとも約90分間は、設定温度の15℃以内に留まる。反応混合物に関連して上述したもののようなその他の制御手順は、本発明の装置の中で用いるように考察されている。
本明細書は、本発明を特定して指摘し明確に請求する請求の範囲をもって結論とするが、本発明は添付の図面と組み合わせた次の好ましい実施形態の説明により、よりよく理解されるものと思われる。
【0038】
(実施例)
以下の実施例は本発明の反応混合物を示すが、必ずしも本発明の範囲を限定したり、あるいは定義しようとするものではない。
【0039】
発熱生成粒子をコーティングする方法
発熱生成粒子はポリエチレングリコールにより以下のようにコーティングされる。プレミックスは、マグネシウムパウダーと無水クエン酸を組み合わせることによって作られる(重量/重量で1:6.5、両構成成分ともワコー・ケミカルズ(Wako Chemicals)より)。プレミックスを次いで融解したポリエチレングリコールに添加する。融解したポリエチレンは3つの異なる分子量、PEG600(ユニオンカーバイド(Union Carbide)より)、PEG1000(ワコー・ケミカルズ(Wako Chemicals)より)、及びPEG2000(ワコー・ケミカルズより)の混合物である。融解したPEG混合物はおよそ50℃である。この混合物は次いで5℃で10分間、およそ20〜25℃まで冷却される。生成物は3つの異なる分子量のPEG、マグネシウム粉末、及び無水クエン酸粉末を含み、及び懸濁した粒子を有するゲルである。
【図面の簡単な説明】
【図1】設定温度約50℃で本発明に記載の反応混合物を使用した2つの制御された反応及び非制御反応を示すグラフである。
【図2】設定温度約40℃で本発明に記載の反応混合物を使用した2つの制御された反応及び非制御反応を示すグラフである。
【図3】本発明による装置の概略図である。
Claims (29)
- 発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子を含むことを特徴とする発熱反応混合物。
- 前記反応混合物が水溶液を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の反応混合物。
- 前記反応混合物が緩衝液を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の反応混合物。
- 前記発熱生成粒子と前記水溶液とが混合される際に、約20分未満以内、好ましくは約15分未満以内、より好ましくは約10分未満以内に、前記反応混合物の温度が、約35℃より高く約75℃未満、好ましくは約35℃と65℃との間、最も好ましくは約35℃と50℃との間である設定温度に増加することを特徴とする請求項2に記載の反応混合物。
- 少なくとも約45分間、好ましくは少なくとも約60分間、より好ましくは少なくとも約90分間は、前記反応混合物が、設定温度の15℃以内、好ましくは10℃以内、より好ましくは5℃以内に、留まることを特徴とする請求項4に記載の反応混合物。
- 前記発熱生成粒子が非錯体化型金属、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属水素化物、及びこれらの混合物から成る群から選択され、前記金属は、ベリリウム、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、及びこれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の反応混合物。
- 前記発熱生成粒子が、約10ミクロン〜約1000ミクロン、好ましくは約100ミクロン〜約500ミクロン、及びより好ましくは約200ミクロン〜約400ミクロンの平均粒径を有することを特徴とする請求項1に記載の反応混合物。
- 前記発熱生成粒子が、水酸化ベリリウム、酸化ベリリウム、酸化ベリリウム1水和物、水素化アルミニウムリチウム、酸化カルシウム、水素化カルシウム、酸化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、四ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びこれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の反応混合物。
- 前記緩衝液が、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、グリコール酸、アスパラギン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グルタミン酸、乳酸、ヒドロキシルアクリル酸、αヒドロキシル酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸、ケイ皮酸、安息香酸、フェニル酢酸、ニコチン酸、カイニン酸、ソルビン酸、ピロリドンカルボン酸、トリメリト酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、リン酸二水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、ピロ亜硫酸水素ナトリウム、酸性ヘキサメタリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、スルファミン酸、オルトリン酸、ピロリン酸、及びこれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする請求項3に記載の反応混合物。
- 前記コーティングが、天然水溶性ポリマー類、無機水溶性ポリマー類、合成水溶性ポリマー類、半合成水溶性ポリマー類、植物起源のポリマー類、微生物起源のポリマー類、動物起源のポリマー類、デンプンポリマー類、セルロースポリマー類、アルギネートポリマー類、ビニルポリマー類、ポリオキシエチレンポリマー類、アクリレートポリマー類、及びこれらの混合物から成る群から選択される水溶性物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の反応混合物。
- 前記コーティングが、アラビアゴム、トラガカントゴム、ガラクタン、ガーゴム、カロブシードゴム、カラヤゴム、カラゲーナン、ペクチン、寒天、マルメロシード、アルゲコロイド、デンプン、グリシルリジン酸、キサンタンゴム、デキストラン、サクシン−グルカン、プルラン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、硫酸セルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース、セルロース粉末、アルギン酸ナトリウム、プロピレングリコールアルギネートエーテル、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルメチルエーテル)、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー類、アクリル酸及びメタクリル酸のアルキルコポリマー類、分子量が200と100,000との間、好ましくは600と20,000との間であるポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのコポリマー類、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、カチオン性ポリマー類、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ヘクトライト、無水ケイ酸、及びこれらの混合物から成る群から選択される水溶性物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の反応混合物。
- 前記コーティングが、水溶性アルキレングリコール類、水溶性アルコール類、及びこれらの混合物から成る群から選択される物質を含むことを特徴とする請求項11に記載の反応混合物。
- 前記発熱生成粒子の前記緩衝液に対する重量比が、1000:1〜1:1000、好ましくは500:1〜1:500、より好ましくは200:1〜1:200であることを特徴とする請求項3に記載の反応混合物。
- 前記発熱生成粒子と前記水溶液とが混合される際に、前記反応混合物の温度が℃/分の単位で測定される実質増加速度において増加し、少なくとも約45分間、好ましくは約60分間、より好ましくは約90分間は、前記実質増加速度が、所定の増加速度の0.5℃/分以内、好ましくは0.1℃/分以内、及びより好ましくは0.01℃/分以内に留まることを特徴とする請求項2に記載の反応混合物。
- 前記所定の増加速度が、2℃/分未満、好ましくは1.5℃/分未満、より好ましくは1℃/分未満であることを特徴とする請求項14に記載の反応混合物。
- 前記発熱生成粒子が、非コーティング粒子、コーティング粒子、及びこれらの混合物から成る群から選択される粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の反応混合物。
- 前記発熱生成粒子が、非コーティング粒子、第1のコーティング粒子、第2のコーティング粒子、及びこれらの混合物から成る群から選択される粒子を含むことを特徴とする請求項16に記載の反応混合物。
- a)発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを含む発熱生成粒子を供給する工程、及び
b)前記コーティング発熱生成粒子に水溶液を添加する工程
を含むことを特徴とする熱生成のための方法。 - c)緩衝液を提供する工程;及び
d)前記緩衝液を前記水溶液及び前記発熱生成粒子に添加する工程
を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。 - 容器と、発熱生成粒子の一部を包み込む水溶性コーティングを備える発熱生成粒子とを含むことを特徴とする熱生成装置。
- 前記反応混合物が緩衝液を更に含むことを特徴とする請求項20に記載の装置。
- 前記発熱生成粒子が水溶液とが混合される際に、反応混合物が生成され、少なくとも20分以内、好ましくは少なくとも約15分以内、より好ましくは少なくとも10分以内に、前記反応混合物の温度が約40℃より高く約75℃未満、好ましくは約45℃〜65℃、最も好ましくは約50℃〜60℃である設定温度まで増加することを特徴とする請求項20に記載の装置。
- 少なくとも約45分間、好ましくは少なくとも約60分間、及びより好ましくは少なくとも約90分間は、前記反応混合物が設定温度の15℃以内に留まることを特徴とする請求項22に記載の装置。
- 前記発熱生成粒子が乾燥粉末の形態であることを特徴とする請求項20に記載の装置。
- 前記発熱生成粒子が、ゲル、非水性液体、及びこれらの混合物に懸濁されていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
- 前記発熱生成粒子と前記水溶液とが混合される際に、前記反応混合物の温度が、第1の設定温度まで増加し、そして第1の期間、前記第1の設定温度の15℃以内、好ましくは10℃以内、より好ましくは7℃以内に留まり、次いで前記反応混合物の温度が、第2の設定温度に変化し、そして第2の期間、前記第2の設定温度の15℃以内、好ましくは10℃以内、より好ましくは7℃以内に留まることを特徴とする請求項2に記載の反応混合物。
- 前記第1の期間が、少なくとも約15分、好ましくは少なくとも約20分であり、前記第2の期間が、少なくとも約15分、好ましくは少なくとも約20分であることを特徴とする請求項26に記載の反応混合物。
- 前記第1の設定温度が、前記第2の設定温度より少なくとも約10℃、好ましくは少なくとも約15℃高いことを特徴とする請求項26に記載の反応混合物。
- 前記第1の設定温度が、前記第2の設定温度より少なくとも約10℃、好ましくは少なくとも約15℃低いことを特徴とする請求項26に記載の反応混合物。
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