JP2017082059A - 融雪剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】無機塩化物を用いなくても優れた融雪効果が得られ、金属等の材料や環境への影響を抑制することが可能な融雪剤を低コストに提供する。【解決手段】融雪剤を界面活性剤と、精製グリセロールと、粉体マグネシウムと、水又はアルカリ還元水と、を含有して融雪剤を構成する。精製グリセロールは、エタノールと油脂と水と炭化物とを有する廃グリセロールを蒸留精製してなる混合物を用いる。望ましくは界面活性剤を0.1〜5.0重量%、精製グリセロールを10.0〜90.0重量%、粉体マグネシウムを0.1〜0.5重量%、残りを水又はアルカリ還元水とする。【選択図】図1
Description
本発明は、融雪剤に関する。
従来、融雪剤として、凝固点降下に優れ、氷や雪を効果的に溶解できることから、塩化カルシウムや塩化ナトリウム等が主に用いられている。また、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、酢酸マグネシウム等の無機塩化物を含む融雪剤も数多く開発されている(例えば、特許文献1、2参照)。また、融雪効果の他に土壌改良効果を得る目的で、尿素等を用いた融雪剤も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、上記従来技術では、無機塩化物を含むために高価であるとともに塩化イオンによる塩害が問題となっている。塩害として、コンクリートやアスファルト、鉄筋等の腐食により道路、架橋、ビル等の建築物が劣化する、ガードレール等の金属製品が腐食する、部品や車体の金属の腐食により自動車等の車両が劣化する、森林や農作物等の生育不良、河川等の水質変化等、環境への影響が大きい、素手で扱った際に皮膚障害を生じる等の人体への影響がある、等が挙げられる。なお、特許文献3に記載の尿素を用いた融雪剤では、塩害は抑制できるが土壌改良効果によって土壌や水質等が変化してしまう。そのため、塩化カルシウム等を用いなくても、優れた融雪効果が得られ、塩害を抑制するとともに環境等への影響も少ない融雪剤の開発が望まれている。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、無機塩化物を用いなくても優れた融雪効果が得られ、金属等の材料や環境への影響を抑制することが可能な融雪剤を低コストに提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の融雪剤は、界面活性剤と、精製グリセロールと、粉体マグネシウムと、水又はアルカリ還元水と、を含有し、前記精製グリセロールは、エタノールと油脂と水と炭化物とを有する廃グリセロールを蒸留精製してなる混合物であることを特徴とする。
本発明によれば、無機塩化物を用いなくても優れた融雪効果が得られ、構造物や環境への影響を抑制することが可能な融雪剤を低コストに提供することができる。
以下、本発明の融雪剤の一実施形態を説明する。本実施形態に係る融雪剤は、界面活性剤と、精製グリセロールと、粉体マグネシウムと、水又はアルカリ還元水と、を含有してなる。精製グリセロールは、エタノールと油脂と炭化物を有する廃グリセロールを蒸留精製(生成)してなる混合物からなる。
廃グリセロールは、例えば、食用廃油をエステル化してバイオディーゼルフューエルを精製する際の副産物(黒色の不要物)であり、現在、特別産業廃棄物として処理が問題となっているものである。本願の実施形態に係る融雪剤では、この廃グリセロールを材料として用いているため、不要な廃棄物を再利用(リサイクル)でき、廃棄物の削減、及び、有効利用に貢献できる。
また、本願の実施形態に係る融雪剤は、界面活性剤を0.1〜5.0重量%、(「0.1重量%以上5.0重量%以下」をいう。断りのない限りは、以降の数値範囲も同様である。)精製グリセロールを10.0〜90.0重量%、粉体マグネシウムを0.1〜0.5重量%、残り(4.5〜89.8重量%)を水又はアルカリ還元水とした成分からなることが望ましい。
精製グリセロールの割合(重量%)は、上述のように10.0〜90.0重量%が望ましいが、10.0〜80.0重量%がより望ましく、50.0〜75.0重量%がより望ましい。精製グリセロールの割合が下限値未満であると、融雪剤からの水分の蒸発が速く、かつ、凍結し易くなって、寒冷地での実用が困難となる。また、上限値を越すと粘度が大きくなり、広範囲の散布が困難となる。精製グリセロールを含有することで、凝固点を低く、沸点を高くすることができる。
粉体マグネシウムを含有することで、発熱作用により散布後直ちに溶融効果が得られ、即効性が担保できるとともに、凝固点降下により優れた溶融効果を得ることができる。粉体マグネシウムの割合は、上述のように0.1〜0.5重量%が望ましいが、5.0〜20.0重量%がより望ましく、10.0〜15.0重量%がさらに望ましい。粉体マグネシウムの割合が下限値未満であると、融雪剤の凝固点が十分に低下しなかったり、融雪剤からの水分の蒸発が速く、かつ、凍結しやすくなったりして、寒冷地での実用が困難となる。粉体マグネシウムの割合が多いほど、融雪効果は向上し寒冷地での実用に好適であるが、上限値を超えると、コスト高となる。
界面活性剤は、表面張力を低下させるために用いる。水に比べて表面張力を低くさせることで、路面等に付着している汚れやゴミによる毛細管現象が発生しにくくなり、融雪剤の吸い上げが抑制され、融雪剤の蒸発を抑制することができる。界面活性剤としては、特に限定されることはなく、従来公知の適宜のものを用いることができるが、例えば、アルカリ性洗剤(「スマートウォッシュ」株式会社スマート製)を用いることが望ましい。
界面活性剤の割合は、上述のように0.1〜5.0重量%が望ましいが、0.1重量%以上5.0重量%未満がより望ましく、2.0〜4.0重量%がさらに望ましい。界面活性剤の割合が上限値を越えると、融雪剤を散布する際に発泡して混合が不十分となることがある。界面活性剤の割合が下限値未満であると、蒸発の抑制効果が得られにくいことがある。
また、残り成分の水又はアルカリ還元水の割合が大きくなると蒸気圧が上昇し、凝固点(氷点)も上昇する。本来、精製グリセロールの凝固点は約−120℃であるが、これに水又はアルカリ還元水が加わるため、凝固点が上昇することとなり、凝固点を、−40℃〜−25℃とする。好ましくは−40℃〜−35℃、より好ましくは−40℃〜−38℃とする。
残りの成分は、水又はアルカリ還元水を用いるが、水のみであってもよいし、アルカリ還元水のみであってもよいし、水とアルカリ還元水を混合したものであってもよい。残りの成分を主として水とした場合は、アルカリ還元水に比べて、製造や設備等のコストが低く、融雪剤を安価に製造できるといった利点がある。水としては、純水、水道水、蒸留水等、適宜のものを用いることができる。
一方、残りの成分を主としてアルカリ還元水とした場合は、水の場合に比べて、金属製品等の劣化(酸化)の抑制効果が高まる。アルカリ還元水は、電解アルカリイオン水や電解アルカリ還元水とも呼ばれるものである。
なお、「残りの成分を主として水(又はアルカリ還元水)とした」の「主」とは、精製グリセロールと、粉体マグネシウムと、界面活性剤と、を除いた残り液体を100重量%とすると、その95〜100重量%が、水又はアルカリ還元水であることを意味する。例えば、上記残りの液体が、全て水(又はアルカリ還元水)の場合や、水(又はアルカリ還元水)以外に色素、香料、除菌剤等が夫々0.1〜5重量%含まれている場合、を意味する。
また、本実施形態に係る融雪剤は、pH値を9.0〜10.0とするのが望ましく、9.5〜10.0とするのがより望ましい。アルカリ性とすることで、雑菌の繁殖を抑える効果が発揮される。なお、浄化槽の微生物への環境を考慮し、pH値をpH調整剤等で調整することもできる。
また、本実施形態に係る融雪剤の比重は、1.00〜1.10が望ましく、1.01〜1.09がより望ましく、1.07〜1.09が更に望ましい。つまり、水に比べて、比重を僅かに重く(大きく)することで、散布場所に長く留まることができ、融雪効果を長期間にわたって発揮することができる。
また、本実施形態に係る融雪剤は、大気圧での沸点を120℃〜130℃とすることが望ましく、125℃〜130℃とすることがより望ましい。これにより、引火点及び発火点がなく、安全性を高めることができる。
また、本実施形態の融雪剤を、原液のまま使用することもできるが、希釈して使用しても、融雪効果を十分に発揮できるとともに、広面積な領域に散布でき、より経済的な使用が可能となる。希釈する場合は、気温や積雪量によって適宜調整することができ、例えば、気温が−15℃の場合は3〜5倍、−10℃の場合は4〜6倍、−5℃の場合は5〜8倍に希釈することが望ましい。
また、本実施形態の融雪剤の施工方法としては、特に限定されることはないが、スプリンクラー等の散水装置等を用いて、建物の屋根や路面、農耕地等に広範囲に自動で散布することができる。また、ジョウロ、ホース、噴霧器、散布車等を用いて、人間が散布することもできる。
以上、本実施形態に係る融雪剤は、粉体マグネシウムと、界面活性剤と、精製グリセロールと、水又はアルカリ還元水と、を含有することで、凝固点を低くすることができ、優れた融雪効果を得ることができる。また、塩化カルシウム等は、散布後直ちに融雪効果が得られ即効性があるが持続性がなく、頻繁に散布する必要がある。これに対して、本実施形態に係る融雪剤は、粉体マグネシウムと精製グリセロールの配合により、融雪効果が発揮されるまでの時間が短く即効性があり、かつ、蒸発しにくいため、一度の散布で優れた融雪効果を長期間にわたって得ることができ、持続性も向上させることができる。さらに、寒冷地でも好適に使用することが可能であり、融雪剤としての品質効果に優れる製品を低コストに実施できるとともに、除雪費用等を削減することができる。
また、塩化カルシウム等の無機塩化物を含有していないことで、金属やコンクリートを用いた構造物や自然界、人体や動植物に与える影響も抑制できる。具体的には、下記のような塩害を抑制することができる。また、尿素等を用いた場合に比べて、富栄養化等による土壌や水質等の変化を抑制することができる。
・高架橋等のコンクリート構造物の破損の防止。
・鉄筋コンクリートの構造物の破壊の抑制。
・ガードレール等の鉄製品(金属製品)の腐食の抑制。
・融雪剤の散布車両等、作業車の金属部品や車体の腐食の抑制。
・路上を走行する車両の金属部品や車体の腐食の抑制。
・動植物への塩害の抑制、森林や農耕地の作物被害等の抑制。
・河川、地下水、海水、土壌等の環境への塩の流入の抑制。
・皮膚炎症等の人体に与える影響の抑制。
・鉄筋コンクリートの構造物の破壊の抑制。
・ガードレール等の鉄製品(金属製品)の腐食の抑制。
・融雪剤の散布車両等、作業車の金属部品や車体の腐食の抑制。
・路上を走行する車両の金属部品や車体の腐食の抑制。
・動植物への塩害の抑制、森林や農耕地の作物被害等の抑制。
・河川、地下水、海水、土壌等の環境への塩の流入の抑制。
・皮膚炎症等の人体に与える影響の抑制。
したがって、本実施に係る融雪剤は、道路や建造物、動植物、人体、環境等への影響を抑制することができ、道路、芝、花壇、農作物農場、駐車場、学校の運動場、公園、植物園等に好適に用いることができる。また、塩害の抑制効果により、高架橋、建造物、車両等の構造物の塩害による修繕費の削減、これらの耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施形態の融雪剤を散布することで、霜や凍結の防止効果を得ることができる。そのため、例えば、土木現場の霜の発生や凍結を防止して、霜による作業遅延を抑制できる。また、霜の発生や凍結による作業中断や遅延を抑制し、作業効率を向上させることができる。また、氷面や雪面に散布したり、除雪をした後の路面や雪おろしをした後の屋根等に融雪剤を散布したりすることで、凍結を防止することや、その後の積雪を溶解することができる。
また、界面活性剤を0.1〜5.0重量%、精製グリセロールを10.0〜90.0重量%、粉体マグネシウムを0.1〜0.5重量%、残りを水又はアルカリ還元水とすることで、自然界へ与える影響も少なく、十分に凝固点が低下し、寒冷地おいても凍結が抑制され、融雪効果を長期間にわたって発揮することができる。特に、−35℃程度にもなる寒冷地にも適用可能となる。
また、精製グリセロールは、エタノールと油脂と水と炭化物を有する廃グリセロールを蒸留精製したものであるので、現在、多量の処理が問題となっている廃グリセロールを有効に再利用できる利点がある。よって、環境の保護に貢献できるとともに、融雪剤を低コストに提供することができる。
(実施例1)
以下、本発明の融雪剤について、実施例を挙げてより具体的に説明する。下記表1に示すような割合で実施例1の融雪剤を作成した。精製グリセロールは、廃グリセロールを蒸留精製(生成)したものを使用した。
以下、本発明の融雪剤について、実施例を挙げてより具体的に説明する。下記表1に示すような割合で実施例1の融雪剤を作成した。精製グリセロールは、廃グリセロールを蒸留精製(生成)したものを使用した。
上記表1の実施例1に係る融雪剤を用いて、以下のような検証実験を行った。
(凍結性実験及び凝固点、溶融点の測定実験)
実施例1に係る融雪剤の凍結性(凍りやすさ)について実験した。また、凝固点、溶融点を測定した。凍結性の実験においては、本実施例の融雪剤の原液100ccを、−40℃の室内(冷凍室)に放置した。また、本実施例の融雪剤の融雪剤50ccと水50ccとの混合液(2倍希釈、濃度50%、液温25℃)、本実施例の融雪剤25ccと水75ccとの混合液(4倍希釈、濃度25%、液温25℃)を、−22℃の室内(冷凍室)に放置した。放置後の各々の温度変化を測定した結果を図1に示す。図1において縦軸は温度を、横軸は経過時間を示す。
実施例1に係る融雪剤の凍結性(凍りやすさ)について実験した。また、凝固点、溶融点を測定した。凍結性の実験においては、本実施例の融雪剤の原液100ccを、−40℃の室内(冷凍室)に放置した。また、本実施例の融雪剤の融雪剤50ccと水50ccとの混合液(2倍希釈、濃度50%、液温25℃)、本実施例の融雪剤25ccと水75ccとの混合液(4倍希釈、濃度25%、液温25℃)を、−22℃の室内(冷凍室)に放置した。放置後の各々の温度変化を測定した結果を図1に示す。図1において縦軸は温度を、横軸は経過時間を示す。
なお、原液では、凝固点が−38.0℃、溶融点は−37.0℃であった。2倍希釈した混合液では、凝固点が−18.3℃、溶融点が−16.1℃であった。4倍希釈した混合液では、凝固点が−11.2℃、溶融点が−11.0℃であった。
以上の結果より、本実施例の融雪剤は、原液、2倍希釈、4倍希釈ともに凝固点が十分低く、優れた融雪効果が得られることがわかる。また、原液の場合は、凝固点が−38.0℃であり、寒冷地での実用にも耐えられることは明らかである。また、溶けた雪によって融雪剤が希釈されても、融雪効果を十分に発揮できることは明らかである。
凍結性実験においては、図1に示すように、4倍希釈の場合は、開始50分を越えたあたりから、温度の低下が緩やかになっていることがわかる。その後、凝固(凍結)する(−11.2℃)まで、160分かかった。2倍希釈の場合は、凝固する(−18.3℃)まで、260分かかった。原液の場合は、−40℃の室内で冷却しても、凝固する(−38.0℃)まで、160分かかり、凍結しにくく寒冷地での使用にも耐えうることがわかる。
このように、融雪剤の濃度が濃い方が、凝固点が低く、また、凝固するまでの時間を長くするような(凍結までの時間を遅らせるような)凍結抑制作用が得られる。従って、本実施例の融雪剤は、優れた融雪効果だけでなく、優れた持続効果及び優れた凍結抑制効果を有することが明らかである。
(蒸発実験)
上記実施例1の融雪剤350ccについて、室温は27℃で蒸発実験を行った。その実験結果を図2のグラフに示す。図2において横軸は日数を、縦軸は容量を示す。
上記実施例1の融雪剤350ccについて、室温は27℃で蒸発実験を行った。その実験結果を図2のグラフに示す。図2において横軸は日数を、縦軸は容量を示す。
図2に示すように、本実施例の融雪剤では、480日経過しても125ccが残った。なお、比較実験として、融雪剤を含まない単なる水で蒸発実験を行ったところ、12.5〜13日ですべて蒸発してしまった。以上より、本実施例の融雪剤は、蒸発しにくいため、融雪効果を長期間持続できることがわかる。さらに、長期の保存で水分が蒸発して粘度が高くなった場合でも、水やアルカリ還元水で希釈することで、容易に散布することができ、保存性、使用性にも優れていることがわかる。
(融雪効果の検証実験)
本実施例の融雪剤を4倍希釈したものを、アスファルトの路面に散布した。散布面積は15m2、散布量は10Lである。散布時の気温は3℃、天候は晴れ、積雪量は3cmであり、積雪の下の路面は凍結状態であった。図3(a)に、散布直後の状態を示し、図3(b)に、24時間経過後の状態を示す。
本実施例の融雪剤を4倍希釈したものを、アスファルトの路面に散布した。散布面積は15m2、散布量は10Lである。散布時の気温は3℃、天候は晴れ、積雪量は3cmであり、積雪の下の路面は凍結状態であった。図3(a)に、散布直後の状態を示し、図3(b)に、24時間経過後の状態を示す。
本実験では、図3(a)に示す散布後に、ただちに融雪効果が発揮され、図3(b)に示すように、24時間後においても散布した領域には雪はほとんどなく、融雪効果が持続していた。また、溶けた雪による凍結もなかった。
同様に、4倍希釈の本実施例の融雪剤を、玄関先のコンクリート面及びタイル面に散布した。散布面積は30m2、散布量は20Lである。散布時の気温は2℃、天候は晴れ、積雪量は4cmであった。図4(a)に散布直後の状態を示し、図4(b)に散布して24時間経過後の状態を示す。
この実験でも、図4(a)に示す散布後、ただちに融雪効果が発揮され、図4(b)に示すように、24時間後においても散布した領域には雪はほとんどなく、融雪効果が持続していた。また、溶けた雪による凍結もなかった。
また、4倍希釈の本実施例の融雪剤を、砂利面に散布した。散布面積は30m2、散布量は20Lである。散布時の気温は0℃、天候は曇り、積雪量は4cmであった。図5(a)に、散布直後の状態を示し、図5(b)に、散布して3時間経過後の状態を示し、図5(c)に、散布して48時間経過後の状態を示す。
この実験でも、図5(a)に示す散布後、ただちに融雪効果が発揮され、図5(b)に示すように、散布して3時間後には砂利面の一部が露出するほど雪が解けていた。図5(c)に示すように、48時間後においても散布した領域には雪はほとんどなく、融雪効果が持続していた。また、溶けた雪による凍結もなかった。
また、本実施例の融雪剤を2倍希釈したもの1kgを用いて、気温−3℃で氷の融解実験を行ったところ、1時間で1.2kgの氷を溶解できた。よって、十分な融雪効果が得られることがわかった。
下記表2に、本実施例の融雪剤と、比較例として塩化カルシウムについて、それぞれの性質の比較結果をまとめた。
以上より、実施例1の融雪剤は、即効性があり、優れた融雪効果を長期に持続できることがわかる。つまり、粉体マグネシウムの含有により即効性が実現でき、精製グリセロールの含有により、持続性が実現できるものである。また、散布後に水分が蒸発して乾燥した場合でも、粉体マグネシウムや精製グリセロール等の成分が路面等に留まり、次に積雪があった際にこれらの成分によって融雪が生じるとともに溶けた雪によって水分が補充され、優れた融雪効果を発揮することができる。よって、3日に一度、又は積雪の状況や融雪剤の濃度等によっては、10日に一度の割合で本実施例の融雪剤を散布すればよく、除雪作業の効率化や経済的な使用が可能となる。また、塩化カルシウム等の無機塩化物を含有していないため、構造物や環境に優しい融雪剤を実現することができる。
(実施例2〜4)
下記表3に示すような割合で実施例2〜4の融雪剤を作成した。実施例2〜実施例4でも、精製グリセロールは、廃グリセロールを蒸留精製(生成)したものを使用した。
下記表3に示すような割合で実施例2〜4の融雪剤を作成した。実施例2〜実施例4でも、精製グリセロールは、廃グリセロールを蒸留精製(生成)したものを使用した。
上記実施例2〜4の融雪剤においても、凝固点を低くして、優れた融雪効果を得ることができ、金属等の材料や環境への影響を抑制することができる。実施例2の融雪剤は、溶融点が低く優れた融雪効果が発揮できるとともに、各実施例の中で粉体マグネシウムの使用量が少ないため、最も低コストで実施が可能となる。実施例3の融雪剤は、粉体マグネシウムの使用量が実施例2よりも多く、かつ実施例4よりも低い0.5重量%未満である。そのため、優れた融雪効果を発揮しつつ、コストの上昇も抑えたな実施が可能となる。一方、実施例4の融雪剤は、粉体マグネシウムの使用量が多く他の実施例に比べてコストは高くなるが、溶融点が最も低くなり、実施例2〜4中で最も優れた融雪効果を発揮することができる。
以上、本発明の融雪剤を実施の形態及び実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態及び実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
Claims (2)
- 界面活性剤と、精製グリセロールと、粉体マグネシウムと、水又はアルカリ還元水と、を含有し、
前記精製グリセロールは、エタノールと油脂と水と炭化物とを有する廃グリセロールを蒸留精製してなる混合物であることを特徴とする融雪剤。 - 前記界面活性剤を0.1〜5.0重量%、前記精製グリセロールを10.0〜90.0重量%、前記粉体マグネシウムを0.1〜0.5重量%、残りを水又はアルカリ還元水としたことを特徴とする請求項1に記載の融雪剤。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2015-10-26 JP JP2015209784A patent/JP2017082059A/ja active Pending
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