JP2005029606A - 凍結防止材、凍結防止材の製造方法及び凍結防止材の施工方法 - Google Patents
凍結防止材、凍結防止材の製造方法及び凍結防止材の施工方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】降雪に伴う凍結防止を行う凍結防止材を散布するに必要な費用を著しく低減する。
【解決手段】凍結防止材は、小粒に粉砕された光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石を主成分として構成される。この粗粒方解石には塩化マグネシウムまたは塩化カルシウムが吸収、及び/またはコーティングされる。太陽の光を吸蔵し光エネルギーを蓄え、これに伴って融雪作用を発揮する。道路や歩道等の舗装面にこの粗粒方解石を載せておくと、蓄えられた光エネルギーによって発熱が生じ、この熱によって舗装面に存在する雪の凍結物を溶かす。
【選択図】 なし
【解決手段】凍結防止材は、小粒に粉砕された光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石を主成分として構成される。この粗粒方解石には塩化マグネシウムまたは塩化カルシウムが吸収、及び/またはコーティングされる。太陽の光を吸蔵し光エネルギーを蓄え、これに伴って融雪作用を発揮する。道路や歩道等の舗装面にこの粗粒方解石を載せておくと、蓄えられた光エネルギーによって発熱が生じ、この熱によって舗装面に存在する雪の凍結物を溶かす。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路の舗装面等に散布またはコーティングして用いられる凍結防止材、凍結防止材の製造方法及び凍結防止材の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、道路等の表面に積雪があったり凍結状態になると車両走行に支障を来たすためにその防止策が講じられている。また、建造物の屋根、ビニールハウス等々に降雪されたときに積雪が生じないような防止策が講じられている。
【0003】
具体的としては、例えば塩化カルシウムの単体でなる凍結防止剤を道路表面に散布して凍結防止を図ったり、塩化カルシウムや塩化ナトリウム等の無機酸の塩類を主成分とする凍結防止剤を散布することが行われている。
【0004】
これらの凍結防止剤は、走行車両等の金属部品を腐食させる弊害があり、当該凍結防止剤を散布する道路の近傍に植えられた植物に立枯れを起こさせたり、人や動物に対しても悪影響を与えてしまう。
【0005】
このために、金属腐食を軽減させる趣旨で燐酸系の物質またはアミン系の防錆剤を凍結防止材に含有させたり、尿素と無機酸のアンモニウム塩または酢酸金属塩とを含有させて用いたり、実質的に塩化ナトリウムを含まずかつ等昇温線が3度以上の領域に属する特定組成の物質を用いることによって人や動植物並びに金属に対する悪影響を少なくすることができる。
【0006】
人や動植物並びに金属に対する悪影響を更に低減した凍結防止剤が、例えば特許文献1に開示されているように、無機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩からなる群から選んだ少なくとも1種の塩、並びにメチルグルコシドを有する凍結防止剤として開示されている。
【0007】
【特許文献1】特許2731209号公報(第3頁第5欄の第1〜10行参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の凍結防止剤は、人や動植物並びに金属に対する悪影響が考慮されているために優れた凍結防止剤であるものの、実際に使用する場合には、雪の有する水成分によって薄められてしまったり、道路全体に散布した凍結防止剤が車両走行に伴って道路端(路肩等)に移行されてしまうために、定期的に凍結防止剤の散布を行わなければならず道路維持コストが増大してしまうという問題がある。また、スリップ防止のため焼砂を散布するというコストを要する。
【0009】
例えば、凍結防止に掛かる全体費用の内訳(配分)は、凍結防止剤の費用が30%程度で、散布処理に要する人的費用が70%程度であり、散布に要する費用の低減が熱望されている。
【0010】
そこで、本発明の目的は、降雪に伴う凍結防止を行うに際して、凍結防止材を散布するに必要な費用を著しく低減することができる凍結防止材、凍結防止材の製造方法及び凍結防止材の施工方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明による凍結防止材、凍結防止材の製造方法及び凍結防止材の施工方法は、次に記載するような特徴的な構成または方法を採用している。
【0012】
(1)塩化マグネシウムが吸収、及び/またはコーティングされた光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石を有する凍結防止材。
【0013】
(2)塩化カルシウムが吸収、及び/またはコーティングされた光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石を有する凍結防止材。
【0014】
(3)光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石に粗原塩(粗塩化ナトリウム)を混合し、200〜250度Cの温度で加熱乾燥後、粉砕されて得られる凍結防止材。
【0015】
(4)前記塩化マグネシウムは、6水分物である上記(1)の凍結防止材。
【0016】
(5)前記塩化カルシウムは2水分物又は4水分物である上記(2)の凍結防止材。
【0017】
(6)クエン酸が付加された上記(1)乃至(5)のいずれかの凍結防止材。
【0018】
(7)泥状の塩化マグネシウム、予め細粒に粉砕した光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石及び塩化マグネシウムの混合物を乾燥させた後に、細粒に粉砕して得られる凍結防止材の製造方法。
【0019】
(8)前記泥状の塩化マグネシウムの含有量が25〜28%、10mm以下に粉砕した粗粒方解石が55〜60%で、前記塩化マグネシウムの混状物が40〜45%が混ぜられ、この混合物を100〜130度Cの温度で2〜3分間、回転式の加熱ドラムで加熱、乾燥した後、粉砕して10mm以下にする上記(7)の凍結防止材の製造方法。
【0020】
(9)光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石に塩化ナトリウムを混合して回転式加熱ドラムで加熱することにより前記粗粒方解石に塩化マグネシウムをコーティングして得られる凍結防止材の製造方法。
【0021】
(10)前記塩化マグネシウムは6水分物、前記混合物は前記塩化マグネシウムが30〜35%で、前記粗粒方解石が65〜70%であり、前記回転式加熱ドラムでの加熱は130〜180度Cで行う上記(9)の凍結防止材の製造方法。
【0022】
(11)上記(1)乃至(6)のいずれかの凍結防止材、または(7)乃至(10)のいずれかの方法で製造された凍結防止材と、舗装用アスファルトを加熱状態にし、舗装面に1平方m当たり60〜100gの量を散布する凍結防止材の施工方法。
【0023】
(12)上記(1)乃至(6)のいずれかの凍結防止材、または(7)乃至(10)のいずれかの方法で製造された凍結防止材と、アクリル系またはエポキシ系のエマルジョン溶剤を混合し、舗装面に1平方m当たり60〜100gの量を散布する凍結防止材の施工方法。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明による凍結防止材は、例えば10mm程度の小粒に粉砕された粗粒方解石を主成分として構成され、粗粒方解石の有する基本特性、即ち、太陽の光を吸蔵し光エネルギーを蓄えるという特性を利用し、道路や歩道等の舗装面にこの粗粒方解石を載せておくと、蓄えられた光エネルギーによって発熱が生じ、この熱によって舗装面に存在する雪の凍結物を溶かすものである。また、この材を焼砂の散布の代わりとすることができる。
【0025】
また、このような特性によって舗装面に凍結する雪を溶かしたり、積雪があった場合に凍結しないようする性質を持っていると共に、次に列挙する第1乃至第4の構成のような成分を付加することによってより有効に融雪と積雪防止を行うことができる。
【0026】
第1の構成は、主成分である粗粒方解石に、塩化マグネシウムを吸収、及び/またはコーティングしたものを付加したもので、この塩化マグネシウムは、6水分物であることが望ましい。
【0027】
第2の構成は、主成分である粗粒方解石に、塩化カルシウムを吸収、及び/またはコーティングしたものを付加したもので、この塩化カルシウムは、2水分物または4水分物であることが望ましい。
【0028】
第3の構成は、主成分である粗粒方解石に、塩化ナトリウムを混合したものである。
【0029】
第4の構成は、上述の第1乃至第3の組成を有する凍結防止材にクエン酸を付加したものである。
【0030】
以上のようないずれかの組成を有する凍結防止材は、主として次のような第1製造例と第2製造例でもって作られる。
【0031】
第1製造例は、塩化マグネシウムを含有する泥状の粗粒方解石を、予め細粒に粉砕し、得られたものに塩化マグネシウムを混合した混合物を得て、該混合物を乾燥させた後に、細粒に粉砕して製造することを基本工程とするもので、換言すれば、塩化マグネシウムの泥状の物に、予め10mm以下の粒に粉砕した粗粒方解石と、塩化マグネシウムの混状物をニーダで混ぜ合わせ、その混合物をトンネル加熱乾燥機で乾燥させ、乾燥後に粉砕して10mm以下の粒にした凍結防止材を得るものである。
【0032】
この場合の具体例としては、次の第1乃至第3の構成成分の数値例がある。
【0033】
第1の数値例は、塩化マグネシウムの含有量が25〜28%。
第2の数値例は、粗粒方解石と塩化マグネシウムの混合物の配分が、粗粒方解石が55〜60%で、塩化マグネシウムが40〜45%。
第3の数値例は、混合物の加熱乾燥が100〜130度Cの温度で2〜3分の間に行う。
【0034】
次の第2の製造例は、粗粒方解石に塩化ナトリウムを混合した混合物を得て、該混合物に炉中で塩化マグネシウムをコーティングして製造することを基本工程とする。
【0035】
この場合の具体例としては、次の第1乃至第3の具体例がある。
【0036】
第1の具体例は、塩化マグネシウムが6水分物。
第2の具体例は、粗粒方解石と塩化マグネシウムの混合物の配分割合が、塩化マグネシウムが30〜35%で、粗粒方解石が65〜70%。
第3の具体例は、炉中で粗粒方解石に塩化マグネシウムをコーティングする温度が130〜180度C。
【0037】
上述の第1乃至第4の構成組成を有する凍結防止材、または、第1製造例と第2製造例により製造される凍結防止材のいずれかは、粗塩化ナトリウムを混合し、加熱乾燥した後に粉砕するようにしても良く、この場合の加熱乾燥の温度は200〜250度Cであることが望ましい。
【0038】
以上のような多種多様な方法で得られた本発明による凍結防止材は、道路、歩道等の舗装面に用いる場合に、当該舗装面の材質がアスファルト系の材質であった場合には、当該の凍結防止材に舗装用アスファルトを混合し、加熱状態にして舗装面に1平方m当たり60〜100gの量を舗装面に散布することによって長期間に亘って融雪作用と凍結防止作用を発揮させることができる。
【0039】
また、本発明による凍結防止材は、道路、歩道等の舗装面に用いる場合に、当該舗装面がプラスチック樹脂系統の材質であった場合には、当該の凍結防止材に、アクリル系またはエポキシ系のエマルジョン溶剤を混合し、舗装面に1平方m当たり60〜100gの量を散布することによって長期間に亘って融雪作用と凍結防止作用を発揮させることができる。
【0040】
以上の具体例は、本発明による凍結防止材を道路や歩道等の舗装面に用いる例であったが、本発明は、これに限定されること無く、居住家屋等の建物の屋根、歩道橋の路面、屋根付き歩道橋の屋根部分、ビニールハウスの外部露呈面、等々に用いることができ、降雪がされる全ての部位における融雪作用と凍結防止作用を発揮することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明による凍結防止材は、粗粒方解石が主成分とされているために優れた凍結防止作用があり、実際に使用する場合に、雪の有する水成分によって薄められてしまったり、道路全体に散布した凍結防止材が車両走行に伴って道路端(路肩等)に移行されてしまったり、定期的に凍結防止剤の散布を行わなければならない、更には焼砂を一々散布しなければならないという従来の問題点をことごとく解消することができ、凍結防止に掛かる全体費用のうち、散布に要する費用が最初の1回のみしか掛からず、長期間に亘って降雪に伴う凍結を防止することができ、散布費用を著しく低減することができる。
【0042】
従って、本発明による凍結防止材、凍結防止材の製造方法及び凍結防止材の施工方法によれば、降雪に伴う凍結防止を行うに際して、凍結防止材を散布するに必要な費用を著しく低減することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路の舗装面等に散布またはコーティングして用いられる凍結防止材、凍結防止材の製造方法及び凍結防止材の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、道路等の表面に積雪があったり凍結状態になると車両走行に支障を来たすためにその防止策が講じられている。また、建造物の屋根、ビニールハウス等々に降雪されたときに積雪が生じないような防止策が講じられている。
【0003】
具体的としては、例えば塩化カルシウムの単体でなる凍結防止剤を道路表面に散布して凍結防止を図ったり、塩化カルシウムや塩化ナトリウム等の無機酸の塩類を主成分とする凍結防止剤を散布することが行われている。
【0004】
これらの凍結防止剤は、走行車両等の金属部品を腐食させる弊害があり、当該凍結防止剤を散布する道路の近傍に植えられた植物に立枯れを起こさせたり、人や動物に対しても悪影響を与えてしまう。
【0005】
このために、金属腐食を軽減させる趣旨で燐酸系の物質またはアミン系の防錆剤を凍結防止材に含有させたり、尿素と無機酸のアンモニウム塩または酢酸金属塩とを含有させて用いたり、実質的に塩化ナトリウムを含まずかつ等昇温線が3度以上の領域に属する特定組成の物質を用いることによって人や動植物並びに金属に対する悪影響を少なくすることができる。
【0006】
人や動植物並びに金属に対する悪影響を更に低減した凍結防止剤が、例えば特許文献1に開示されているように、無機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩からなる群から選んだ少なくとも1種の塩、並びにメチルグルコシドを有する凍結防止剤として開示されている。
【0007】
【特許文献1】特許2731209号公報(第3頁第5欄の第1〜10行参照)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の凍結防止剤は、人や動植物並びに金属に対する悪影響が考慮されているために優れた凍結防止剤であるものの、実際に使用する場合には、雪の有する水成分によって薄められてしまったり、道路全体に散布した凍結防止剤が車両走行に伴って道路端(路肩等)に移行されてしまうために、定期的に凍結防止剤の散布を行わなければならず道路維持コストが増大してしまうという問題がある。また、スリップ防止のため焼砂を散布するというコストを要する。
【0009】
例えば、凍結防止に掛かる全体費用の内訳(配分)は、凍結防止剤の費用が30%程度で、散布処理に要する人的費用が70%程度であり、散布に要する費用の低減が熱望されている。
【0010】
そこで、本発明の目的は、降雪に伴う凍結防止を行うに際して、凍結防止材を散布するに必要な費用を著しく低減することができる凍結防止材、凍結防止材の製造方法及び凍結防止材の施工方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明による凍結防止材、凍結防止材の製造方法及び凍結防止材の施工方法は、次に記載するような特徴的な構成または方法を採用している。
【0012】
(1)塩化マグネシウムが吸収、及び/またはコーティングされた光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石を有する凍結防止材。
【0013】
(2)塩化カルシウムが吸収、及び/またはコーティングされた光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石を有する凍結防止材。
【0014】
(3)光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石に粗原塩(粗塩化ナトリウム)を混合し、200〜250度Cの温度で加熱乾燥後、粉砕されて得られる凍結防止材。
【0015】
(4)前記塩化マグネシウムは、6水分物である上記(1)の凍結防止材。
【0016】
(5)前記塩化カルシウムは2水分物又は4水分物である上記(2)の凍結防止材。
【0017】
(6)クエン酸が付加された上記(1)乃至(5)のいずれかの凍結防止材。
【0018】
(7)泥状の塩化マグネシウム、予め細粒に粉砕した光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石及び塩化マグネシウムの混合物を乾燥させた後に、細粒に粉砕して得られる凍結防止材の製造方法。
【0019】
(8)前記泥状の塩化マグネシウムの含有量が25〜28%、10mm以下に粉砕した粗粒方解石が55〜60%で、前記塩化マグネシウムの混状物が40〜45%が混ぜられ、この混合物を100〜130度Cの温度で2〜3分間、回転式の加熱ドラムで加熱、乾燥した後、粉砕して10mm以下にする上記(7)の凍結防止材の製造方法。
【0020】
(9)光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石に塩化ナトリウムを混合して回転式加熱ドラムで加熱することにより前記粗粒方解石に塩化マグネシウムをコーティングして得られる凍結防止材の製造方法。
【0021】
(10)前記塩化マグネシウムは6水分物、前記混合物は前記塩化マグネシウムが30〜35%で、前記粗粒方解石が65〜70%であり、前記回転式加熱ドラムでの加熱は130〜180度Cで行う上記(9)の凍結防止材の製造方法。
【0022】
(11)上記(1)乃至(6)のいずれかの凍結防止材、または(7)乃至(10)のいずれかの方法で製造された凍結防止材と、舗装用アスファルトを加熱状態にし、舗装面に1平方m当たり60〜100gの量を散布する凍結防止材の施工方法。
【0023】
(12)上記(1)乃至(6)のいずれかの凍結防止材、または(7)乃至(10)のいずれかの方法で製造された凍結防止材と、アクリル系またはエポキシ系のエマルジョン溶剤を混合し、舗装面に1平方m当たり60〜100gの量を散布する凍結防止材の施工方法。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明による凍結防止材は、例えば10mm程度の小粒に粉砕された粗粒方解石を主成分として構成され、粗粒方解石の有する基本特性、即ち、太陽の光を吸蔵し光エネルギーを蓄えるという特性を利用し、道路や歩道等の舗装面にこの粗粒方解石を載せておくと、蓄えられた光エネルギーによって発熱が生じ、この熱によって舗装面に存在する雪の凍結物を溶かすものである。また、この材を焼砂の散布の代わりとすることができる。
【0025】
また、このような特性によって舗装面に凍結する雪を溶かしたり、積雪があった場合に凍結しないようする性質を持っていると共に、次に列挙する第1乃至第4の構成のような成分を付加することによってより有効に融雪と積雪防止を行うことができる。
【0026】
第1の構成は、主成分である粗粒方解石に、塩化マグネシウムを吸収、及び/またはコーティングしたものを付加したもので、この塩化マグネシウムは、6水分物であることが望ましい。
【0027】
第2の構成は、主成分である粗粒方解石に、塩化カルシウムを吸収、及び/またはコーティングしたものを付加したもので、この塩化カルシウムは、2水分物または4水分物であることが望ましい。
【0028】
第3の構成は、主成分である粗粒方解石に、塩化ナトリウムを混合したものである。
【0029】
第4の構成は、上述の第1乃至第3の組成を有する凍結防止材にクエン酸を付加したものである。
【0030】
以上のようないずれかの組成を有する凍結防止材は、主として次のような第1製造例と第2製造例でもって作られる。
【0031】
第1製造例は、塩化マグネシウムを含有する泥状の粗粒方解石を、予め細粒に粉砕し、得られたものに塩化マグネシウムを混合した混合物を得て、該混合物を乾燥させた後に、細粒に粉砕して製造することを基本工程とするもので、換言すれば、塩化マグネシウムの泥状の物に、予め10mm以下の粒に粉砕した粗粒方解石と、塩化マグネシウムの混状物をニーダで混ぜ合わせ、その混合物をトンネル加熱乾燥機で乾燥させ、乾燥後に粉砕して10mm以下の粒にした凍結防止材を得るものである。
【0032】
この場合の具体例としては、次の第1乃至第3の構成成分の数値例がある。
【0033】
第1の数値例は、塩化マグネシウムの含有量が25〜28%。
第2の数値例は、粗粒方解石と塩化マグネシウムの混合物の配分が、粗粒方解石が55〜60%で、塩化マグネシウムが40〜45%。
第3の数値例は、混合物の加熱乾燥が100〜130度Cの温度で2〜3分の間に行う。
【0034】
次の第2の製造例は、粗粒方解石に塩化ナトリウムを混合した混合物を得て、該混合物に炉中で塩化マグネシウムをコーティングして製造することを基本工程とする。
【0035】
この場合の具体例としては、次の第1乃至第3の具体例がある。
【0036】
第1の具体例は、塩化マグネシウムが6水分物。
第2の具体例は、粗粒方解石と塩化マグネシウムの混合物の配分割合が、塩化マグネシウムが30〜35%で、粗粒方解石が65〜70%。
第3の具体例は、炉中で粗粒方解石に塩化マグネシウムをコーティングする温度が130〜180度C。
【0037】
上述の第1乃至第4の構成組成を有する凍結防止材、または、第1製造例と第2製造例により製造される凍結防止材のいずれかは、粗塩化ナトリウムを混合し、加熱乾燥した後に粉砕するようにしても良く、この場合の加熱乾燥の温度は200〜250度Cであることが望ましい。
【0038】
以上のような多種多様な方法で得られた本発明による凍結防止材は、道路、歩道等の舗装面に用いる場合に、当該舗装面の材質がアスファルト系の材質であった場合には、当該の凍結防止材に舗装用アスファルトを混合し、加熱状態にして舗装面に1平方m当たり60〜100gの量を舗装面に散布することによって長期間に亘って融雪作用と凍結防止作用を発揮させることができる。
【0039】
また、本発明による凍結防止材は、道路、歩道等の舗装面に用いる場合に、当該舗装面がプラスチック樹脂系統の材質であった場合には、当該の凍結防止材に、アクリル系またはエポキシ系のエマルジョン溶剤を混合し、舗装面に1平方m当たり60〜100gの量を散布することによって長期間に亘って融雪作用と凍結防止作用を発揮させることができる。
【0040】
以上の具体例は、本発明による凍結防止材を道路や歩道等の舗装面に用いる例であったが、本発明は、これに限定されること無く、居住家屋等の建物の屋根、歩道橋の路面、屋根付き歩道橋の屋根部分、ビニールハウスの外部露呈面、等々に用いることができ、降雪がされる全ての部位における融雪作用と凍結防止作用を発揮することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明による凍結防止材は、粗粒方解石が主成分とされているために優れた凍結防止作用があり、実際に使用する場合に、雪の有する水成分によって薄められてしまったり、道路全体に散布した凍結防止材が車両走行に伴って道路端(路肩等)に移行されてしまったり、定期的に凍結防止剤の散布を行わなければならない、更には焼砂を一々散布しなければならないという従来の問題点をことごとく解消することができ、凍結防止に掛かる全体費用のうち、散布に要する費用が最初の1回のみしか掛からず、長期間に亘って降雪に伴う凍結を防止することができ、散布費用を著しく低減することができる。
【0042】
従って、本発明による凍結防止材、凍結防止材の製造方法及び凍結防止材の施工方法によれば、降雪に伴う凍結防止を行うに際して、凍結防止材を散布するに必要な費用を著しく低減することができる。
Claims (12)
- 塩化マグネシウムスが吸収、及び/またはコーティングされた光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石を有することを特徴とする凍結防止材。
- 塩化カルシウムが吸収、及び/またはコーティングされた光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石を有することを特徴とする凍結防止材。
- 光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石に粗原塩(粗塩化ナトリウム)を混合し、200〜250度Cの温度で加熱乾燥後、粉砕されて得られることを特徴とする凍結防止材。
- 前記塩化マグネシウムは、6水分物であることを特徴とする請求項1に記載の凍結防止材。
- 前記塩化カルシウムは2水分物又は4水分物であることを特徴とする請求項2に記載の凍結防止材。
- クエン酸が付加されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の凍結防止材。
- 泥状の塩化マグネシウム、予め細粒に粉砕した光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石及び塩化マグネシウムの混合物を乾燥させた後に、細粒に粉砕して製造することを特徴とする凍結防止材の製造方法。
- 前記泥状の塩化マグネシウムの含有量が25〜28%、10mm以下に粉砕した粗粒方解石が55〜60%で、前記塩化マグネシウムの混状物が40〜45%が混ぜられ、この混合物を100〜130度Cの温度で2〜3分間、回転式の加熱ドラムで加熱、乾燥した後、粉砕して10mm以下にすることを特徴とする請求項7に記載の凍結防止材の製造方法。
- 光エネルギーを吸蔵する性質を有する粗粒方解石に塩化ナトリウムを混合して回転式加熱ドラムで加熱することにより前記粗粒方解石に塩化マグネシウムをコーティングすることを特徴とする凍結防止材の製造方法。
- 前記塩化マグネシウムは6水分物、前記混合物は前記塩化マグネシウムが30〜35%で、前記粗粒方解石が65〜70%であり、前記回転式加熱ドラムでの加熱は130〜180度Cで行うことを特徴とする請求項9に記載の凍結防止材の製造方法。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の凍結防止材、または請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の方法で製造された凍結防止材と、舗装用アスファルトを加熱状態にし、舗装面に1平方m当たり60〜100gの量を散布することを特徴とする凍結防止材の施工方法。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の凍結防止材、または請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の方法で製造された凍結防止材と、アクリル系またはエポキシ系のエマルジョン溶剤を混合し、舗装面に1平方m当たり60〜100gの量を散布することを特徴とする凍結防止材の施工方法。
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JP2003193357A JP2005029606A (ja) | 2003-07-08 | 2003-07-08 | 凍結防止材、凍結防止材の製造方法及び凍結防止材の施工方法 |
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US9963592B2 (en) | 2005-10-31 | 2018-05-08 | Cabot Corporation | Modified colorants and inkjet ink compositions comprising modified colorants |
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2003
- 2003-07-08 JP JP2003193357A patent/JP2005029606A/ja active Pending
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