JPS63117089A

JPS63117089A - 液状融雪・融氷剤

Info

Publication number: JPS63117089A
Application number: JP26438386A
Authority: JP
Inventors: Mototada Matsushima; 松島　資忠
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1986-11-05
Filing date: 1986-11-05
Publication date: 1988-05-21

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（発明の利用分野）本発明は、安価で、しかも安全かつ有効な融雪剤若しく
は融氷剤又は着氷防止剤として有用な液剤に関する。

（従来の技術）雪や氷は、冬季における交通や民生に著しい障害を与え
る。このため、従来から広く行われている対策は、食塩
（岩塩）、塩化カルシウム等のハロゲン塩類、尿素又は
エチレングリコール等の氷点降下剤を雪面又は水面に散
布することである。

また、地下水が豊富な地域では、水を道路に放流するこ
とも行われている。更に、車輌自体の滑り対策としては
、スパイクタイヤやチェインの装着が実施されており、
また近来では、スタッドレスタイヤが注目を集めている
。

以上の諸方法の中、尿素は、植物に対する薬害がない点
及び鉄鋼類に対し腐食性が少ない点で優れているが、温
度当たり氷点降下能が小さいため、多量散布しないと効
果がなく、加えて散布地域の雑草を繁殖させる他、芝生
の色を黄変させる等の点がある。また、エチレングリコ
ールは、金属に対する非腐食性の点では理想的であるが
、人や動物に多少の毒性があり、しかも高価であるため
飛行場など特殊な場所にしか利用て゛きない、加えて一
２０℃程度の寒冷地で奏効させるためには、３５％もの
高濃度を必要とする。また地下水の散布は、設備の新設
及び運転に多額の費用を要するのみでなく、地下水の豊
富であることが前提条件であるから特別の市街地道路以
外には実用されていない、更にスパイクタイヤは、道路
面を著しく損傷させるだけでなく、舞い上った粉塵が大
気汚染をもたらすので、次第にその使用が禁止される気
運にある。最後のチェインの装着は、取付が面倒である
のみでなく、凍結路面に対しては寧ろ通常タイヤより危
険である。なお、スタッドレスタイヤの効果はスパイク
タイヤに及ばないから、その普及には限界がある。

従って、現状では食塩（岩塩）や塩化カルシウムの散布
が優れているが、価格の関係で多用される食塩は殊に金
属に対する腐食性が強く、橋梁、ガードレール、交通標
識、マンホール等の鉄製道路交通施設を腐食させ易い、
特に、食塩の腐食性は普通３％前後で最大となるので、
散布された多量の食塩が融雪水又は融氷水で薄められ、
飛沫となって車輌の下面や道路設備に付着し、これらに
点状腐食を起こさせたり、又はコンクリート構造物内へ
浸透して、鉄骨又は鉄筋を腐食させるのは看過できない
問題点である（岩塩を多用する米国で、食塩による腐食
が原因で橋梁が落下した実例さえある。）、かつ、食塩
は溶解度が低いため。

散布してから奏効するまでに長時間を必要とするから、
凍結以前に散布しておかないと実質的に効果がない、な
お、塩化カルシウムは、高濃度では粘度が高くなり、滑
り摩擦係数を低下させる傾向があるが、この欠点も安全
上無視できない。

（発明の目的）以上の実情に鑑み１本発明は、安価で、比較的即効性が
あり、しかも安全かつ有効な液状融雪剤若しくは融氷剤
又は着氷防止剤を提供するのを主要な目的とする。

（発明の背景）以−ヒの目的を踏まえ１本発明者は種々の実験と考察と
を試みた結果、従来融雪剤又は融氷剤として利用された
ことのない苦汁を上記目的に利用することを着想した。

抑々、苦汁は海水からの製塩時の副産物として多量副生
（食塩１トン当り約４００Ｊ１）するものであるが、そ
の主要な用途は豆腐用苦汁、硫酸マグネシウム、塩化マ
グネシウム、水酸化マグネシウム、塩化カリウム、臭素
、マグネシアセメント、マグネシア等の無機工業薬品又
は医薬品の製造用原料としてであって、これを直接利用
することは試みられていない。しかしながら、苦汁中に
は、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウ
ム、食塩、臭化マグネシウム、硫酸カルシウム等の多数
の中性塩類を含有するので、硫酸マグネシウムの如き自
体氷点降下能に劣る塩類がかなり多量（６〜９％）混じ
っていても、相乗作用として意外な氷点降下作用を奏す
る可能性が潜在する。しかも既に大部分の食塩が採取さ
れてしまっている一幅関係で、含有される食塩は２〜６
％と比較的少ないので、氷雪で薄め為たときの食塩濃度
は、最も腐食性の強い３％前後より遥かに小となる筈で
ある。

以上の考察に基いて、本発明者が各種苦汁試料につき検
討を加えたところ、苦汁は別途発明者の実験によって最
高の氷点降下能を示すことが確認されている塩化マグネ
シウム単独に勝る氷点降下作用を、具備するのみでなく
、＃ｆに低級脂肪族アルコールの併用により、極めて優
れた融雪・融氷剤を収得できることが明らかとなった。

（目的達成のための手段）［概説］本発明は以上の考察並びに知見に基づくもので、その要
旨は、必須成分として苦汁を含有することを特徴とする
液状融雪φ融氷剤に存する。

ここに苦汁というのは、海水に無熱法又はイオン交換膜
法等の既知濃縮法を適用することにより得られた献本か
ら沈殿する食塩を分離して得られる母液（生苦汁）若し
くは該母液を更に冷却して析出する粗製の硫酸マグネシ
ウム七水塩（ガリ）を除去した母液又はこれを更に濃縮
して析出する副生食塩及び苦汁加里塩（硫酸マグネシウ
ムと塩化カリウムとの混合物）を除去した母液、或は水
母液を更に冷却して人造カーナリッ）　（ＭｇＣ１２・
ＫＣｌ・８８２０）を分離した後の濃厚苦汁、更には、
苦汁に石灰を反応させて、水酸化マグネシウムを分離し
た後の塩化カルシウム含有加工苦汁でもよい、しかし実
用的には生苦汁で充分であって、コスト的にも最適であ
る。しかも生苦汁は、その高い塩濃度（普通３０％前後
）にも拘らず、極めて粘度が低いので、車輪と路面との
摩擦抵抗を低下させる懸念がない点でも優れている。

本発明は、以上の生苦汁又はそれから誘導された加工苦
汁類をそのまま液状融雪・融氷剤として利用することを
包含するが、実用的にはメタノール、エタノール、プロ
パツール、インプロパツール、ブタノール、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、ブチレンゲリコール
等の低級脂肪族アルコール類、殊に、メタノール及び尿
素を添加するのが好ましい。

メタノールは、それ単独では３０％程度の水溶液濃度に
しなければ一２０℃に耐えることはできないが、３倍稀
釈苦汁に対しては１５％濃度で一１８℃以上の耐凍性を
付与する。特に後述の尿素との共存は、３倍稀釈苦汁に
対し５〜１０％程度の濃度で組成物の耐凍性を顕著に増
大させる（後記「実験」欄参照参照）、但し、メタノー
ルは自体多少の毒性と揮発性及び可燃性を有するが、融
雪剤として適用されるような低温、開放系の環境下では
、その大気中濃度は許容型値２００１より遥かに低い値
となる。なお、実際の流通形悪ではなるべく嵩低である
ことが望ましく、用時適当に稀釈して使用できるようメ
タノール濃度を高めておく必要があるが、仮に３０％ま
で濃度を高めたとしても、加熱しない限り引火の懸念は
絶無である。

尿素の耐凍性に対する影響は比較的小さく、３倍稀釈苦
汁に対し２０％添加しても〜１８℃まで耐凍性を付与で
きないが、そのメタノールとの共存は組成物の耐凍性を
高める。しかも尿素は無害であって、その上、クロルイ
オンによる対植物薬害や金属の腐食を抑制する作用を有
するから。

その配合は目的上有用である。

本発明に係る融雪・融氷剤は、自体ｐＨ７〜８程度の中
性乃至微アルカリ性を示すため、金属製品に対する腐食
性は非常に小であって、水道水より少ない位である。し
かし必要ならば、硼砂、燐酸塩類、殊に燐酸水素二ナト
リウム、亜硝酸塩類、硅酸塩類、クロム酸塩類、タング
ステン酸塩類、安息香酸、ニトロフタール酸その他の有
機カルボン酸塩類、水溶性有機アミン（高級脂肪族アミ
ン又はチアゾリジン系１モルフォリン系等の異項環アミ
ン）、界面活性剤、ヘキサメチレンテトラミン、水溶性
蛋白その他、公知の防食剤を添加することができる。な
お、散布量の目安として、メチルオレンジ、ツクシン、
フルオロスセイン、マラカイトグリーン、ウルトラマリ
ン、スチルベン系蛍光色素などの無害の水溶性色素によ
り着色してもよい、かつ、更に必要に応じ、燐酸塩類、
硼砂等の緩衝剤及び／又はジシアンジアミドのような尿
素安定剤を配合されることができる。

本発明の融雪・融氷剤は、なお必要に応じ、澱粉、デキ
ストリン、植物ガム類、カルボキシメチルセルロース、
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの
耐塩性増粘剤を含有することができる。これらの増粘剤
を含有する融雪・融氷剤は、道路や滑走路に散布する目
的には適しないが、屋根、屋外階段や手摺、車輌、航空
機の窓やミラー類の表面、船舶の甲板面などに塗布し又
は流延させておくことにより、積雪や着氷を防止するこ
とができる。

既述のように、本発明の融雪・融氷剤は、成るべく稀釈
用原液としての濃厚液剤の形に製剤され、そのまま又は
稀釈して雪面、水面又は降雪若しくは凍結の予想される
路面、滑走路面、屋根、階段、車寄せ、船舶の甲板等の
面に散布又は流延される０本発明の製品は液状であるの
で即効性があり、かつ、自体潮解性を有するため殆ど乾
燥する恐れがない、このため、適用された路面等の適用
対象に粘着して長く効力を保ち、かつ食塩の如く乾燥し
て飛散する恐れがないので、急速な融雪又は融氷のみな
ならず、凍結を予防する目的にも好適である。

［実験］以下、本発明を導くに至った実験事実につき記載する。

く材料〉 ■　Ｎ社製苦汁く性状〉比重：３０．２１°Ｂ；（ｄ＝１２６４８）ｐＨ：　６
．３１　（２２，６℃）外観：微量の白色結晶性沈毅を有する無色の水様液体、
無臭。

く分析値〉Ｃａ５０４０．５８／１０００ｇＣａＣ１００Ｏ，７８ｔｔにｇｃｈ　　１７７．７８　　ｔｔＫＣｌ　　　　６７．９３　　／／ＮａＣ１７！、８８　　ｔｔ ■　Ａ社製苦汁く性状〉外観：微量の白色結晶性沈澱を有する無色の水様液体、
無臭。

（以下余白）く耐量試験結果Ｑ）＞　　　温度ニー１８℃試　　　料
　　　　　　Ａ　　　　　　　　　Ｂ原液　　　　　　
不　凍・　　不　凍−Ｌ５倍稀釈液・傘　不　凍　　　
微　凍２倍　／／　　手法　手法２．５倍ｔｔ　　　　　　　シャーベット状　　　　シ
ャーベット状３倍　ｌ／　完凍　完凍 ■：本容器の底部に微量の白色結晶性沈澱析出。

９５　　　　　　　　　　５　　　　０　　　　シャー
ベット状９０　　　　１０　　０　　　手法８５　　　　１５　　０　　　手法９５　　　　　　　５　　手法９２　　　　　　　８　　手法９０　　　　　　　１０　　　手法９５　　　　５　５　　手法８５　　　　１０　　５　　　手法８０　　　　１５　　５　　　略々微量８７　　　　　
５　　８　　　半康７７　　　　１５　　８　　　微量８５　　　　　５　１０　　　不凍８０　　　　１０　１０　　　不凍く耐量試験結果■〉　　温度ニー１８℃Ａ社製苦汁３倍
稀釈液　墓１　±コ　結　　果９５　　　　　　　　　
　５　　　　０　　　　　シャーベット状９０　　　　
　　　　　１０　　　　　０　　　　　シャーベット状
８５　　　　　　　　　１５　　　　　０　　　　　シ
ャーベット状８０　　　　２０　　０　　　手法７５　　　　２５　　０　　　手法９０　　　　　０　１０　　　手法８７　　　　　０　１３　　　微量８５　　　　　０　１５　　　不凍８２　　　　　０　１８　　　不凍８０　　　　　０　２０　　　不凍８０　　　　１５　　５　　　手法７８　　　　１７　　５　　　手法７７　　　　１５　　８　　　不凍７５　　　　１７　　８　　　不凍８７　　　　　３　１０　　　手法８５　　　　　５　１０　　　手法８３　　　　　７　１０　　　手法８０　　　　１０　１０　　　不凍く考察〉以上の実験結果から見て、３倍稀釈苦汁に対もし少なくと一１８℃以上の耐凍性を与えるために＾は、少なくともメタノールを８％以上、好ましくは１０
％以上、尿素を５％以上配合する必要かある。特に試料
■の３倍稀釈苦汁に対しメタノールを１０％尿素を５％
配合した組成は、全体のバランスから見て最適であるよ
うに思われる。因に、上記Ｎ社性苦汁の組成及び比重を
基に計算した本３倍稀釈苦汁組成中の主要各成分の重量
百分率は下記の通であって、ＣａＣｌ２２．２１％ＭｇＣｈ　　　８．１８％Ｋｃａｌ　　　　２．３５％ＮａＣ１２，４９％メタノール　　　　１０．００％尿素　　　５．００％主成分と考えられる塩化マグネシウムブラインに一１８
℃の耐凍性を得るのに必要な温度約１６％と対比すれば
、苦汁のような多成分系組成物における各成分の相乗効
果は明白である。

（作用）以上説明したように、本発明はこれまで融雪乃至融氷の
目的に使用されたことのない苦汁を初めて融雪乃至融氷
の目的に利用することによって、安価で、比較的即効性
があり、しかも安全かつ有効な液状融雪剤若しくは融氷
剤又は着氷防止剤を提供できる作用効果を奏するが、こ
の他、苦汁中に含まれる塩化カリウム、硫酸マグネシウ
ム等の塩類は、自体肥料として実用されるものであるの
で、融雪を兼ねて肥料としての効果も期待できるなど、
−石二鳥の効果を奏しうる。

（実施例）生苦汁（’Ｂｅ３Ｌ５）５５重量部（以下同様）に尿素
１５部及び赤系蛍光色素０５部を加え、攪拌、溶解させ
た後、メタノール２０部を混和して不溶物を濾去し、液
状融雪・融氷剤を得た０本剤は、適用時の温度に応じ２
〜４倍に稀釈して雪面又は水面に適用する。−６℃の冷
凍室内における実験において、本則の２倍稀釈液は、倍
量以上の氷を３０〜６０分以内に溶解させる効果を示し
た。なお、必要に応じ耐塩性増粘剤を配合することによ
り、屋根、階段、手摺、窓、船舶の甲板、索具などに対
する着氷防止用塗布剤とすることができる。

（効果）以上詳述した通り、本発明は、安価で、比較的即効性が
あり、しかも安全かつ有効な液状融雪剤若しくは融氷剤
又は着氷防止剤を提供しうることにより、寒冷地域にお
ける交通の確保及び民生に寄与しうる。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）必須成分として苦汁を含有することを特徴とする
液状融雪・融氷剤。
（２）尿素及び低級脂肪族アルコールを含む特許請求の
範囲第１項記載の液剤。
（３）低級脂肪族アルコールがメタノールである特許請
求の範囲第１項又は第２項記載の剤。
（４）防食剤、ＰＨ緩衝剤、安定剤、色素、増粘剤等の
添加物を含む特許請求の範囲第１項から第３項のいづれ
かに記載の液剤。