JP2004504313A - 抗高コレステロール作用を有するトコトリエノールキノン環化生成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、式(I)(式中、R1、R2、R3及びR4は独立にH又はC1−C6−アルキルである)の少なくとも1つの成分の使用に関する。本発明はまた、医学的目的のための式(I)の化合物の使用にも関する。
Description
【0001】
循環中のコレステロールの蓄積並びに高含量の飽和脂肪酸及びコレステロールを含む食事の結果としての血漿中のコレステロール及びLDLコレステロールの高いレベルは、冠状動脈疾患の発生と相関している。これは、先進国における死亡の最も頻繁な原因の一つである。高コレステロール血症はまた、動脈硬化症、肝臓癌、黄色腫及びその他の多くの疾病の発生に原因的な役割を果たしている。
【0002】
医学分野で用いられるコレステロール生合成の有効な阻害剤は、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、プラバスタチン及びシンバスタチンなどのスタチン類である。さらに、ニンニク抽出物中に存在する活性化合物アリシン及びアホエン、チョウセンアザミ抽出物中に存在する化合物ルテオリン、及びフィブラート並びにピペリジン誘導体BM 15.766も、コレステロール低下作用を示す(Gebhardt, R.ら、(1994) Biochim. Biophys. Acta 1213: 57−63; Gebhardt, R. (1998) J. Phamacol. Exp. Therap. 286: 1122−1128; Aufenanger, J.ら、(1985) Biochem. Pharmacol. 35(6): 911−916)。ヤシ油も、飽和脂肪酸含量が高いにもかかわらず、コレステロール低下作用によって注目されている。ヤシ油中には、トコフェロール(例えばビタミンE)及びトコトリエノールが存在し、この作用を担っている(米国特許第5,217,992号)。トコフェロール及びトコトリエノールは、トコフェロールが飽和側鎖を有するのに対し、トコトリエノールはリポタンパク質及び膜への結合を担う不飽和側鎖を有するという点で主に異なっている(Hood, R.L. (1998) Phytochemicals, 33−41)。それらの抗酸化活性のため、トコフェロールは筋肉、皮膚、毛髪、免疫系への酸化的損傷及び喫煙者における酸化的損傷の予防のための組成物として用いられる。さらに、これらは例えば、スモークハム及び動物用医薬において、抗腫瘍化合物として、亜硝酸トラップとして用いられる(Rompp−Lexikon Chemie [Rompp’s Chemistry Lexicon] (1999), Georg Thieme Verlag, Stuttgart, 4572−4573)。しかしながら、長い間、LDLコレステロールの酸化を防止するその活性はビタミンEに起因するとされてきたにもかかわらず、これらは脂質代謝には効果がない。対照的に、ヤシ油に存在するトコトリエノールは、血漿コレステロールレベルを低下させることができる。例えば、コレステロール合成に対するγ−トコトリエノールの阻害作用は、HMGRの直接的ファルネシル化、又はファルネシル化タンパク質によるHMGRのフィードバック阻害に起因する(Guthrie, N.及びK.K. Caroll (1998), Biol. Oxidants and Antioxidants: Molecular Mechanisms and Health Effects, Champaign, AOCS−Press, 257−264; Qureshi, N. (1993) Vitamin E in Health and Disease, 247−267)。異なる独立した機構を介して作用し、従って、その作用が相加的であるγ−トコトリエノール及びロバスタチンの組合せは、さらにより有効である。コレステロール合成速度に対する活性化合物の効果を測定するために、HMGRが阻害される場合、例えばγ−トコトリエノールにより、HepG2細胞由来のミクロソーム画分中での14C−酢酸塩の取込みの減少が起こるin vitro試験が用いられる。
【0003】
従って、ヤシ油及びそこに存在するトコトリエノールは、鳥類及び哺乳動物において、HDLレベルに影響することなく、血漿中のコレステロール及びLDL−コレステロールレベルに対して有利な低下作用を有する。さらに、トコトリエノールはアポリポタンパク質−Bレベル、また、血液中のコレステロールレベルの比率をも低下させる(Brownら、(1980), J. Lipid Res. 21:505−517)。米国特許第5,318,993号は、トコトリエノールの酸化後に形成され、トコトリエノールと比較して増加した活性により、in vitro (HepG2細胞由来ミクロソーム画分における14C−酢酸塩の取込み)及びin vivo (雌鳥におけるコレステロール及びLDL−コレステロールレベル)で識別される、合成トコトリエノール類縁体の物質群、開環キノン類を記載している。
【0004】
動脈硬化症におけるトコトリエノールの予防的作用、さらには、コレステロール低下作用は、血小板凝集の阻害に基づいている。従って、トコトリエノールの投与に際して、トロンボキサンB2及び血小板因子IVの血漿中レベルは低下する(Wrightら、A Symposium on Drugs Affecting Lipid Metabolism, Houston, Texas (Nov. 1989); Papas, A.M. (1999), CRC, Boca Raton, Florida, pp. 189−210)。
【0005】
さらに、トコトリエノールは抗癌作用を有するとみなされている。従って、ヤシ油は肝臓癌の形成を防止することができる一方、脂肪組織におけるトコトリエノールの欠損は乳癌及び皮膚癌の発生率を増加させる。肝臓癌におけるトコトリエノールの抗癌作用はまた、コレステロール合成の阻害にも基づき、かくして、例えば、A549細胞において証明された、成長阻害作用及び増殖阻害作用に基づいている(Hood, R.L. (1998), Phytochemicals, 33−51; Watkins, T.R.ら、(1999), CRC, Boca Raton, Florida, 479−496; Bennis, F.ら、(1993), Int. J. Cancer 55:640−645)。しかしながら、トコトリエノールの抗癌作用に関するより重要な役割は、その抗酸化特性のため、フリーラジカルトラップとして作用する6’−OH基により果たされる。さらに、トコトリエノールは、例えば、腫瘍の発達、細胞増殖及び細胞分化、血小板凝集並びにフリーラジカル放出に関与するプロテインキナーゼCを阻害する。最後に、おそらくはrasのファルネシル化を介して、その癌原性が防止される(Hood, R.L. (1998), Phytochemicals, 33−51; Watkins, T.R.ら、(1999), CRC, Boca Raton, Florida, 479−496)。これらの抗癌特性のため、トコトリエノールを、タモキシフェン及びヘスペラチン(フラボノイド類)と組合せて、腫瘍予防及び腫瘍治療に有効に用いることができる(Hood, R.L. (1998), Phytochemicals, 33−51; Guthrie, N.及びK.K. Caroll (1998), Biol. Oxidants and Antioxidants, Molecular Mechanism and Health Effects, Champaign, AOCS−Press, 257−264)。
【0006】
開環キノンは天然トコトリエノールと比較して活性の向上を示すが(米国特許第5,318,993号)、さらにより高活性な合成類縁体を提供することが本発明の課題である。
【0007】
本発明者らは、驚くべきことに、γ−トコトリエノール又は開環キノンと比較して増加した活性を有する合成トコトリエノールキノン環化生成物(以後、環化生成物と呼ぶ)を提供することにより、この課題が達成されることを見出した。特に、本発明の環化生成物は、10−6〜10−5 M (mol/l)という低い濃度においてさえ、有意に高い活性を示すという事実は特に驚くべきことであった。
【0008】
本発明は特に、立体異性体として純粋な形態又は立体異性体の混合物としての式I:
【化4】
(式中、
R1、R2、R3及びR4は互いに独立にH又はC1−C6−アルキルであり;
R1は好ましくはH又はCH3、特に好ましくはHであり;
R2は好ましくはH又はCH3、特に好ましくはCH3であり;
R3は好ましくはCH3であり、
R4は好ましくはH又はCH3である)
の化合物に関する。さらに、R1はハロゲン、特にClであってもよい。
【0009】
C1−C6−アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピル、n−ブチル、イソブチル及びt−ブチル、並びにn−ペンチル及びn−ヘキシル並びにその分枝状類縁体を含む。
【0010】
本発明は、特に式Iの化合物の2つのジアステレオマー(極性/非極性)及びエナンチオマーをも含む。極性ジアステレオマーは、主としてアルカンからなる溶媒混合物により、非極性ジアステレオマーよりもいくらかゆっくりとシリカゲルカラムから溶出されることにより識別される。
【0011】
本発明はまた、触媒の存在下で、式III:
【化5】
(式中、R1〜R4は式Iで特定された意味を有する)のトコトリエノールキノンを反応させて式Iの化合物を得ることを含む、式Iの化合物の製造方法にも関する。これは、用いるトコトリエノールキノンに対応するトコトリエノールキノン環化生成物を生成する、すなわち、基R1〜R4は用いるトコトリエノールキノンにより予め決定される。
【0012】
好ましい触媒は、アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム、特に好ましくは、炭酸セシウムである。これに対し、有機溶媒、好ましくは塩化メチレンに、式IIIのトコトリエノールキノンを10〜200 g/l、好ましくは100 g/lの濃度で溶解し、上記触媒の1つを5〜15 g/l、好ましくは10 g/lの濃度で溶解して反応させる。
【0013】
前記反応を、慣行的な攪拌及び混合装置を用いて、慣行的な反応容器、好ましくはガラス反応器中で行うことができる。対応する環化生成物へのトコトリエノールキノンの完全な変換が起こるような反応時間、好ましくは1〜6時間を選択するべきである。この反応を、約10〜100℃、好ましくは20〜50℃で行う。ついで、例えばn−ヘプタン(出発溶液の容量に基づいて、2:1の比率で)及び10%強度硫酸水素ナトリウム溶液(出発溶液の容量に基づいて、1:1の比率で)を添加することにより、相分離を達成することができ、環化生成物及び反応中に形成される少量のその他の成分を有機相に見出すことができる。
【0014】
この反応溶液又は上記の有機相を、環化生成物のさらなる精製のために、例えば、硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、蒸発により濃縮し、例えば、クロマトグラフィーによりさらに精製することができる。
【0015】
例えば、シリカゲルカラムを用いて、少量のその他の成分から所望の生成物を分離することができる。この場合、上記のように、極性ジアステレオマーは、主としてアルカンからなる溶媒により、非極性ジアステレオマーよりもゆっくりとカラムから溶出される。この方法又は対応するクロマトグラフィー工程により、2つのジアステレオマーの部分的又は完全な分離が達成される。しかしながら、両方のジアステレオマーとも高いコレステロール低下活性を有するため、この分離が常に必要であるというわけではない。
【0016】
本発明の方法で用いる式IIIのトコトリエノールキノンを、記載された本発明の方法から出発する合成方法、式II:
【化6】
(式中、R1〜R4は式Iで特定された意味を有する)の対応するトコトリエノールからの酸化反応において調製することができる。得られるトコトリエノールキノンの基R1〜R4は、用いるトコトリエノールにより予め決定される。トコトリエノールは、合成的に調製するか、又は天然資源から単離することができる(Khor H.T.及びJ.Y. Lai (1991), Biologic Oxidants and Antioxidants, AOCS Press, 267−273; Goh S.H.ら、(1991) Biologic Oxidants and Antioxidants, AOCS Press, 274−283; Qureshi N. (1993), Vitamin E in Health and Disease, 247−267)。セリウム(IV)塩又はFe(III)塩、好ましくは硝酸アンモニウムセリウム(IV)又は硝酸アンモニウム鉄(III)から選択される酸化剤の水溶液を、例えば、トコトリエノール1モルあたり2〜5 mol、好ましくは、2〜3 molの酸化剤の濃度で添加することにより、トコトリエノールをトコトリエノールキノンに転化させる。反応は、0.5〜8時間、好ましくは1時間の反応時間、室温にて、全て慣行的な反応容器中で行うことができる。
【0017】
上記の本発明の反応は、さらに好ましくは不活性ガス雰囲気下、例えば、窒素下で行う。
【0018】
本発明はまた、食品栄養補助剤としての式Iの化合物の使用にも関する。すなわち、本発明の環化生成物を、食品及び飲料中に存在させるか、又は食前、食中もしくは食後に、例えば、他の栄養補助剤との組合せ調製物として消費させることができる。
【0019】
本発明はさらに、医学的使用のための式Iの化合物を含む。
【0020】
本発明の環化生成物は、鳥類及び哺乳動物、特にヒトにおける血漿コレステロールレベルを低下させるための医薬品及び栄養補助剤の製造において使用することができる。かくして、本発明の医薬品は、ヒト医学及び獣医学に使用され、本発明の環化生成物に基づいて、高コレステロール血症に関連する疾患の治療に用いることができる医薬品を製造することができる。さらに、本発明の医薬品を、そのような障害の予防に用いることもできる。
【0021】
前記作用は、おそらく、コレステロール生合成の速度決定酵素である3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoAリダクターゼ(HMGR)に対する本発明の環化生成物の阻害活性に基づくものである。
【0022】
さらに、前記環化生成物は、癌を治療及び予防するための医薬品及び食品栄養補助剤の製造に用いることができる。
【0023】
本発明はまた、製薬上活性な量の、少なくとも1種の本発明の式Iの化合物及び少なくとも1種の製薬上適合可能なビヒクルを含む医薬組成物にも関する。このビヒクルは、所望の剤形で独立して、固体又は液体の形態中に存在させることができる。好ましいビヒクルは、スターチ、ラクトース、スクロース及び食用油である。
【0024】
本発明の医薬品及び食品栄養補助剤は、他の活性化合物と前記環化生成物との組成物又は組合せ調製物をも含む。有利には、結果として、個々の活性化合物の用量を減少させることができる。
【0025】
高コレステロール血症に関連する疾病を治療及び予防するための医薬品を製造するための環化生成物の使用にとって好ましいのは、組成物又は組合せ調製物である。そのような組合せ調製物には、類似した機構又は異なる機構に基づく阻害活性を有するため、有効性の増加が期待されるHMGRのその他の阻害剤を含んでもよい。従って、本発明の組成物は、さらなる活性化合物として、例えば、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、SRI−62320、プロブコール、ナイアシン(ニコチン酸)、アリシン、アホエン、ルテオリン、BM 15.766、イソフラボン、クルクミン、フィトステロール、n−3 PUFA、プロバイオティックス及びコレステロールを低下させるフィブラート並びにその誘導体及びコンジュゲートを、個々に、又は組合せて含んでもよい。癌を治療及び予防するための医薬品を製造するための本発明の環化生成物の使用にとって好ましいのは、ヘスペラチンなどの活性化合物タモキシフェン及びフラボノイド類を含む組成物又は組合せ調製物である。
【0026】
本発明の医薬品、組成物及び組合せ調製物は、経腸投与及び非経口投与のための錠剤、顆粒剤、粉末剤、糖衣錠、トローチ剤、ペレット、カプセル剤、坐剤、ゲル剤、溶液、乳剤及び懸濁液の形態であってもよい。さらに、本発明の化合物を、皮膚適用のためのゲル、ローション及びクリーム中に存在させることもできる。前記環化生成物を、食品及び飲料中に栄養補助剤又は上記形態での他の栄養補助剤との組合せ調製物として存在させることもできる。γ−トコトリエノール環化生成物は、0.5〜2000 mg/日の用量(より高いか、又はより低いものであってもよい)で投与することができる。その正確な用量及び治療パターンは患者の状態、障害の重篤度及び過程、並びにこの障害に対する患者の素因に依存し、治療する医師によって好適かつ正確に確立されるであろう。同様に、動物用医薬品における使用にも適用される。
【0027】
本発明を以下の非限定的な実施例及び添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【0028】
図面の簡単な説明
(図面の簡単な説明については下記参照)
以下の実施例は本発明の化合物の合成を説明するものであるが、それを限定するものではない。
【0029】
実施例
実施例 1 :γ − トコトリエノールキノン環化生成物 (R 1 が H であり、 R 2 、 R 3 及び R 4 が各々 CH 3 である式 I の化合物 ) の合成
R−γ−トコトリエノール(γ−T3、100.0 g/0.24 mol)を、ディスク攪拌器、冷却器、滴下漏斗及び温度計を備えた6 l容ガラスフラスコ中、N2雰囲気下で、分析等級エタノール(4800 ml)に溶解した。蒸留水(400 ml)に溶解した硝酸アンモニウムセリウム(IV)(307.2 g/0.56 mol)を、室温にて上記溶液に添加した。この混合物を室温にて1時間攪拌し、TLCサンプルを取り出した。これにより、R−γ−トコトリエノールの完全な変換を示した。
【0030】
次いで、この溶液をn−ヘプタン(800 ml)及び蒸留水(8000 ml)の間で分離させた。各相を分離し、水相をn−ヘプタン(800 ml)でもう1回抽出した。有機相を合わせ、蒸留水(2000 ml)で2回洗浄した。相分離の改善のため、2回目の洗浄中に分析等級の酢酸(約3 ml/約0.05 mol)を添加した。次いで、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。回転式エバポレーター上で乾燥するまで蒸発させることにより、γ−トコトリエノールキノン(104.5 g)を得た。これをさらに以下のように反応させた。
【0031】
γ−トコトリエノールキノン(104.5 g)、炭酸セシウム(CS2CO3、10.0 g/0.03 mol)及び塩化メチレン(CH2Cl2、1000 ml)を、冷却器、ディスク攪拌器及び温度計を備えた4 l容ガラス反応器に、N2雰囲気下で添加し、混合物を還流しながら攪拌した。5時間後、TLCサンプルを取得した。これにより、実質的な変換を示したが、少量の夾雑成分も示された。
【0032】
n−ヘプタン(2000 ml)及び10%強度硫酸水素ナトリウム(1000 ml/0.83 mol)を添加し、該混合物を比較的高い回転速度で短時間に攪拌した。次いで、相を分離し、有機相を蒸留水(1000 ml)で2回洗浄した。次いで、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、さらに回転式エバポレーター上で蒸発により乾燥させたところ、γ−トコトリエノールキノン環化生成物が得られた(100.7 g)。
【0033】
ジアステレオマーの分離:
この生成物を、Biotage社から入手したフラッシュ150シリカゲルカラムを介して完全にクロマトグラフィーに供した。用いた移動相は6%酢酸エチルのn−ヘプタン溶液であった。主要な画分(TLCモニタリングによる)を回転式エバポレーター上で乾燥するまで蒸発させた後、γ−トコトリエノールキノン環化生成物(0.12 mol; 49.4 g)を得た。最終生成物のTLCにより、2種のジアステレオマーのみが示され、微量副生成物は示されなかった。ジアステレオマーの分離:それぞれが2つのジアステレオマーのうちの一方のみを含む、2つの近接するクロマトグラフィー画分も、回転式エバポレーター上で乾燥するまで蒸発させた。結果として、非極性ジアステレオマー(0.82 g; RF値:0.39 (移動相:30% MTB/n−ヘプタン);旋光度[α]25 D:+2.0o (c = 1、エタノール))及び極性ジアステレオマー(0.86 g; RF値:0.35 (移動相:30% MTB/n−ヘプタン);旋光度[α]25 D:−40.0o (c = 1、エタノール))が得られた。
【0034】
2つのジアステレオマーの13C−NMRデータ(CDCl3/DMSO−d6 1:4):δ ppmでの化学シフト(TMS)、多重度(S = シングレット、D = ダブレット、T = トリプレット、Q = カルテット)。
【0035】
ジアステレオマー1:
【0036】
ジアステレオマー2:
【0037】
ガスクロマトグラフィー (GC) 分析
GC分析を、50 m CP−Sil 5/CBカラム(Chrompack社製)上で行った。温度プログラム:150℃、3分−15℃/分−300℃、45分。インジェクター:280℃。検出器(FID):300℃。
【0038】
TLC 条件:
− TLCプレート:シリカゲル60
− 移動相:30%メチルtert−ブチルエーテル/n−ヘプタン
− スプレー試薬:硫酸セリウム(IV)−モリブデンリン酸。
【0039】
実施例 2 : HepG2 細胞におけるコレステロール合成の測定 (Fahrner, J. ら、 Eur. J. Biochem. 213: 1067−1073 (1993); Gebhardt, R., Lipids 28: 613−619 (1993); Pill, J. ら、 Z. Anal. Chem. 332: 512−513 (1985) を参照 )
試験物質によるコレステロール生合成に対する効果を検出するため、HepG2細胞培養物を用いた。これらの細胞を、2 mMゲンタミン、10%ウシ胎仔血清、40 U/mlのストレプトマイシン及び50 U/mlのペニシリンを含むDMEM培地(Gibco社製, Eggenstein, Germany)において、35 mmの6穴細胞培養インキュベーションディッシュ中で、コンフルエントな状態になるまで培養した。使用前に凍結細胞を培養し、1週間継代した。次いで、コンフルエントな細胞を、試験物質と共に、無血清Williams Medium E中で37℃にて4時間インキュベートした。その後、14C−酢酸(18.5 kBq/ml; 0.5μCi/ml)を該溶液に添加した。試験物質はDMSO中に希釈し、特定の濃度で用いた。さらに2時間後、培地を除去し、細胞を生理食塩水で2回洗浄し、蒸留水に移して、高周波数超音波(20秒、段階3)によりホモジェナイズした。
【0040】
非鹸化可能脂質画分(ステロール画分)への14C−酢酸の取込みを、以下の方法により測定した:1.4 mlのホモジェネートを、EtOH中、2.8 mlの0.5 M KOHと共に、振とうしながら70℃にて1時間インキュベートした。この混合物の2.1 mlを、Extrelut(登録商標)カラム(Merck社製, Darmstadt)に供した。中性で親油性の非鹸化可能物質は、10 mlのn−ヘプタンにより、30分後にシンチレーションバイアル中に溶出された。10 mlのシンチレーション溶液(Ultima Gold(登録商標), Packard, Merident, Connecticut)を添加した後、シンチレーションカウンターで、サンプル中の14C活性を測定した。示された測定値は、試験溶液あたり3枚の独立した培養ディッシュの平均であると理解される。用いた参照値は、試験物質の非存在下での14C−酢酸の取込みであり、これを100%に設定した。
【0041】
実験結果:
実施例2に特定された方法で、以下の物質を試験した:R−γ−トコトリエノール;γ−トコトリエノールキノン;α−トコトリエノールキノン;γ−トコトリエノールキノン環化生成物の極性ジアステレオマー、γ−トコトリエノールキノン環化生成物の非極性ジアステレオマー、γ−トコトリエノールキノン環化生成物のラセミ体。結果を図1〜6に示す。図中に与えられる値は、それぞれ、3つの独立した測定値の平均に相当する。これらを、対照として等量のDMSOを添加した時の、細胞への14C−酢酸の取込みに基づく相対的単位で表す。5 x 10−6 Mの濃度のR−γ−トコトリエノールは14C−酢酸取込みを約20%阻害し、また5 x 10−5 M以上の濃度では14C−酢酸取込みの最大約50%の顕著な阻害を引き起こす(図1)。γ−及びα−トコトリエノールキノンは、10−5 Mの濃度からのみ有意であるが、14C−酢酸取込みの約70〜75%の阻害を引き起こす(図2及び3)。γ−トコトリエノールキノン環化生成物の極性及び非極性ジアステレオマーの双方、並びに2つのジアステレオマーの混合物(1:1)は、10−6 Mの濃度においてでさえ、14C−酢酸取込みの有意な20〜30%阻害を引き起こし、5 x 10−5 Mの濃度で約50%阻害を引き起こす(図4、5及び6)。すなわち、10−6 Mの範囲の濃度における本発明の環化生成物は、γ−トコトリエノール及びγ−トコトリエノールキノンよりもかなり活性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】R−γ−トコトリエノールの濃度を上昇させた時のHepG2細胞中への14C−酢酸の取り込みを示す。
【図2】γ−トコトリエノールキノンの濃度を上昇させた時のHepG2細胞中への14C−酢酸の取り込みを示す図である。
【図3】α−トコトリエノールキノンの濃度を上昇させた時のHepG2細胞中への14C−酢酸の取り込みを示す図である。
【図4】環化生成物の極性ジアステレオマー(式中、R1はHであり、R2、R3及びR4は各々CH3である)(γ−トコトリエノールキノン環化生成物)に対するHepG2細胞中への14C−酢酸の取り込みを示す図である。
【図5】環化生成物の非極性ジアステレオマー(式中、R1はHであり、R2、R3及びR4は各々CH3である)(γ−トコトリエノールキノン環化生成物)の濃度を上昇させた時のHepG2細胞中への14C−酢酸の取り込みを示す図である。
【図6】環化生成物のジアステレオマー混合物(式中、R1はHであり、R2、R3及びR4は各々CH3である)(γ−トコトリエノールキノン環化生成物)の濃度を上昇させた時のHepG2細胞中への14C−酢酸の取り込みを示す図である。
循環中のコレステロールの蓄積並びに高含量の飽和脂肪酸及びコレステロールを含む食事の結果としての血漿中のコレステロール及びLDLコレステロールの高いレベルは、冠状動脈疾患の発生と相関している。これは、先進国における死亡の最も頻繁な原因の一つである。高コレステロール血症はまた、動脈硬化症、肝臓癌、黄色腫及びその他の多くの疾病の発生に原因的な役割を果たしている。
【0002】
医学分野で用いられるコレステロール生合成の有効な阻害剤は、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、プラバスタチン及びシンバスタチンなどのスタチン類である。さらに、ニンニク抽出物中に存在する活性化合物アリシン及びアホエン、チョウセンアザミ抽出物中に存在する化合物ルテオリン、及びフィブラート並びにピペリジン誘導体BM 15.766も、コレステロール低下作用を示す(Gebhardt, R.ら、(1994) Biochim. Biophys. Acta 1213: 57−63; Gebhardt, R. (1998) J. Phamacol. Exp. Therap. 286: 1122−1128; Aufenanger, J.ら、(1985) Biochem. Pharmacol. 35(6): 911−916)。ヤシ油も、飽和脂肪酸含量が高いにもかかわらず、コレステロール低下作用によって注目されている。ヤシ油中には、トコフェロール(例えばビタミンE)及びトコトリエノールが存在し、この作用を担っている(米国特許第5,217,992号)。トコフェロール及びトコトリエノールは、トコフェロールが飽和側鎖を有するのに対し、トコトリエノールはリポタンパク質及び膜への結合を担う不飽和側鎖を有するという点で主に異なっている(Hood, R.L. (1998) Phytochemicals, 33−41)。それらの抗酸化活性のため、トコフェロールは筋肉、皮膚、毛髪、免疫系への酸化的損傷及び喫煙者における酸化的損傷の予防のための組成物として用いられる。さらに、これらは例えば、スモークハム及び動物用医薬において、抗腫瘍化合物として、亜硝酸トラップとして用いられる(Rompp−Lexikon Chemie [Rompp’s Chemistry Lexicon] (1999), Georg Thieme Verlag, Stuttgart, 4572−4573)。しかしながら、長い間、LDLコレステロールの酸化を防止するその活性はビタミンEに起因するとされてきたにもかかわらず、これらは脂質代謝には効果がない。対照的に、ヤシ油に存在するトコトリエノールは、血漿コレステロールレベルを低下させることができる。例えば、コレステロール合成に対するγ−トコトリエノールの阻害作用は、HMGRの直接的ファルネシル化、又はファルネシル化タンパク質によるHMGRのフィードバック阻害に起因する(Guthrie, N.及びK.K. Caroll (1998), Biol. Oxidants and Antioxidants: Molecular Mechanisms and Health Effects, Champaign, AOCS−Press, 257−264; Qureshi, N. (1993) Vitamin E in Health and Disease, 247−267)。異なる独立した機構を介して作用し、従って、その作用が相加的であるγ−トコトリエノール及びロバスタチンの組合せは、さらにより有効である。コレステロール合成速度に対する活性化合物の効果を測定するために、HMGRが阻害される場合、例えばγ−トコトリエノールにより、HepG2細胞由来のミクロソーム画分中での14C−酢酸塩の取込みの減少が起こるin vitro試験が用いられる。
【0003】
従って、ヤシ油及びそこに存在するトコトリエノールは、鳥類及び哺乳動物において、HDLレベルに影響することなく、血漿中のコレステロール及びLDL−コレステロールレベルに対して有利な低下作用を有する。さらに、トコトリエノールはアポリポタンパク質−Bレベル、また、血液中のコレステロールレベルの比率をも低下させる(Brownら、(1980), J. Lipid Res. 21:505−517)。米国特許第5,318,993号は、トコトリエノールの酸化後に形成され、トコトリエノールと比較して増加した活性により、in vitro (HepG2細胞由来ミクロソーム画分における14C−酢酸塩の取込み)及びin vivo (雌鳥におけるコレステロール及びLDL−コレステロールレベル)で識別される、合成トコトリエノール類縁体の物質群、開環キノン類を記載している。
【0004】
動脈硬化症におけるトコトリエノールの予防的作用、さらには、コレステロール低下作用は、血小板凝集の阻害に基づいている。従って、トコトリエノールの投与に際して、トロンボキサンB2及び血小板因子IVの血漿中レベルは低下する(Wrightら、A Symposium on Drugs Affecting Lipid Metabolism, Houston, Texas (Nov. 1989); Papas, A.M. (1999), CRC, Boca Raton, Florida, pp. 189−210)。
【0005】
さらに、トコトリエノールは抗癌作用を有するとみなされている。従って、ヤシ油は肝臓癌の形成を防止することができる一方、脂肪組織におけるトコトリエノールの欠損は乳癌及び皮膚癌の発生率を増加させる。肝臓癌におけるトコトリエノールの抗癌作用はまた、コレステロール合成の阻害にも基づき、かくして、例えば、A549細胞において証明された、成長阻害作用及び増殖阻害作用に基づいている(Hood, R.L. (1998), Phytochemicals, 33−51; Watkins, T.R.ら、(1999), CRC, Boca Raton, Florida, 479−496; Bennis, F.ら、(1993), Int. J. Cancer 55:640−645)。しかしながら、トコトリエノールの抗癌作用に関するより重要な役割は、その抗酸化特性のため、フリーラジカルトラップとして作用する6’−OH基により果たされる。さらに、トコトリエノールは、例えば、腫瘍の発達、細胞増殖及び細胞分化、血小板凝集並びにフリーラジカル放出に関与するプロテインキナーゼCを阻害する。最後に、おそらくはrasのファルネシル化を介して、その癌原性が防止される(Hood, R.L. (1998), Phytochemicals, 33−51; Watkins, T.R.ら、(1999), CRC, Boca Raton, Florida, 479−496)。これらの抗癌特性のため、トコトリエノールを、タモキシフェン及びヘスペラチン(フラボノイド類)と組合せて、腫瘍予防及び腫瘍治療に有効に用いることができる(Hood, R.L. (1998), Phytochemicals, 33−51; Guthrie, N.及びK.K. Caroll (1998), Biol. Oxidants and Antioxidants, Molecular Mechanism and Health Effects, Champaign, AOCS−Press, 257−264)。
【0006】
開環キノンは天然トコトリエノールと比較して活性の向上を示すが(米国特許第5,318,993号)、さらにより高活性な合成類縁体を提供することが本発明の課題である。
【0007】
本発明者らは、驚くべきことに、γ−トコトリエノール又は開環キノンと比較して増加した活性を有する合成トコトリエノールキノン環化生成物(以後、環化生成物と呼ぶ)を提供することにより、この課題が達成されることを見出した。特に、本発明の環化生成物は、10−6〜10−5 M (mol/l)という低い濃度においてさえ、有意に高い活性を示すという事実は特に驚くべきことであった。
【0008】
本発明は特に、立体異性体として純粋な形態又は立体異性体の混合物としての式I:
【化4】
(式中、
R1、R2、R3及びR4は互いに独立にH又はC1−C6−アルキルであり;
R1は好ましくはH又はCH3、特に好ましくはHであり;
R2は好ましくはH又はCH3、特に好ましくはCH3であり;
R3は好ましくはCH3であり、
R4は好ましくはH又はCH3である)
の化合物に関する。さらに、R1はハロゲン、特にClであってもよい。
【0009】
C1−C6−アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピル、n−ブチル、イソブチル及びt−ブチル、並びにn−ペンチル及びn−ヘキシル並びにその分枝状類縁体を含む。
【0010】
本発明は、特に式Iの化合物の2つのジアステレオマー(極性/非極性)及びエナンチオマーをも含む。極性ジアステレオマーは、主としてアルカンからなる溶媒混合物により、非極性ジアステレオマーよりもいくらかゆっくりとシリカゲルカラムから溶出されることにより識別される。
【0011】
本発明はまた、触媒の存在下で、式III:
【化5】
(式中、R1〜R4は式Iで特定された意味を有する)のトコトリエノールキノンを反応させて式Iの化合物を得ることを含む、式Iの化合物の製造方法にも関する。これは、用いるトコトリエノールキノンに対応するトコトリエノールキノン環化生成物を生成する、すなわち、基R1〜R4は用いるトコトリエノールキノンにより予め決定される。
【0012】
好ましい触媒は、アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム、特に好ましくは、炭酸セシウムである。これに対し、有機溶媒、好ましくは塩化メチレンに、式IIIのトコトリエノールキノンを10〜200 g/l、好ましくは100 g/lの濃度で溶解し、上記触媒の1つを5〜15 g/l、好ましくは10 g/lの濃度で溶解して反応させる。
【0013】
前記反応を、慣行的な攪拌及び混合装置を用いて、慣行的な反応容器、好ましくはガラス反応器中で行うことができる。対応する環化生成物へのトコトリエノールキノンの完全な変換が起こるような反応時間、好ましくは1〜6時間を選択するべきである。この反応を、約10〜100℃、好ましくは20〜50℃で行う。ついで、例えばn−ヘプタン(出発溶液の容量に基づいて、2:1の比率で)及び10%強度硫酸水素ナトリウム溶液(出発溶液の容量に基づいて、1:1の比率で)を添加することにより、相分離を達成することができ、環化生成物及び反応中に形成される少量のその他の成分を有機相に見出すことができる。
【0014】
この反応溶液又は上記の有機相を、環化生成物のさらなる精製のために、例えば、硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、蒸発により濃縮し、例えば、クロマトグラフィーによりさらに精製することができる。
【0015】
例えば、シリカゲルカラムを用いて、少量のその他の成分から所望の生成物を分離することができる。この場合、上記のように、極性ジアステレオマーは、主としてアルカンからなる溶媒により、非極性ジアステレオマーよりもゆっくりとカラムから溶出される。この方法又は対応するクロマトグラフィー工程により、2つのジアステレオマーの部分的又は完全な分離が達成される。しかしながら、両方のジアステレオマーとも高いコレステロール低下活性を有するため、この分離が常に必要であるというわけではない。
【0016】
本発明の方法で用いる式IIIのトコトリエノールキノンを、記載された本発明の方法から出発する合成方法、式II:
【化6】
(式中、R1〜R4は式Iで特定された意味を有する)の対応するトコトリエノールからの酸化反応において調製することができる。得られるトコトリエノールキノンの基R1〜R4は、用いるトコトリエノールにより予め決定される。トコトリエノールは、合成的に調製するか、又は天然資源から単離することができる(Khor H.T.及びJ.Y. Lai (1991), Biologic Oxidants and Antioxidants, AOCS Press, 267−273; Goh S.H.ら、(1991) Biologic Oxidants and Antioxidants, AOCS Press, 274−283; Qureshi N. (1993), Vitamin E in Health and Disease, 247−267)。セリウム(IV)塩又はFe(III)塩、好ましくは硝酸アンモニウムセリウム(IV)又は硝酸アンモニウム鉄(III)から選択される酸化剤の水溶液を、例えば、トコトリエノール1モルあたり2〜5 mol、好ましくは、2〜3 molの酸化剤の濃度で添加することにより、トコトリエノールをトコトリエノールキノンに転化させる。反応は、0.5〜8時間、好ましくは1時間の反応時間、室温にて、全て慣行的な反応容器中で行うことができる。
【0017】
上記の本発明の反応は、さらに好ましくは不活性ガス雰囲気下、例えば、窒素下で行う。
【0018】
本発明はまた、食品栄養補助剤としての式Iの化合物の使用にも関する。すなわち、本発明の環化生成物を、食品及び飲料中に存在させるか、又は食前、食中もしくは食後に、例えば、他の栄養補助剤との組合せ調製物として消費させることができる。
【0019】
本発明はさらに、医学的使用のための式Iの化合物を含む。
【0020】
本発明の環化生成物は、鳥類及び哺乳動物、特にヒトにおける血漿コレステロールレベルを低下させるための医薬品及び栄養補助剤の製造において使用することができる。かくして、本発明の医薬品は、ヒト医学及び獣医学に使用され、本発明の環化生成物に基づいて、高コレステロール血症に関連する疾患の治療に用いることができる医薬品を製造することができる。さらに、本発明の医薬品を、そのような障害の予防に用いることもできる。
【0021】
前記作用は、おそらく、コレステロール生合成の速度決定酵素である3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoAリダクターゼ(HMGR)に対する本発明の環化生成物の阻害活性に基づくものである。
【0022】
さらに、前記環化生成物は、癌を治療及び予防するための医薬品及び食品栄養補助剤の製造に用いることができる。
【0023】
本発明はまた、製薬上活性な量の、少なくとも1種の本発明の式Iの化合物及び少なくとも1種の製薬上適合可能なビヒクルを含む医薬組成物にも関する。このビヒクルは、所望の剤形で独立して、固体又は液体の形態中に存在させることができる。好ましいビヒクルは、スターチ、ラクトース、スクロース及び食用油である。
【0024】
本発明の医薬品及び食品栄養補助剤は、他の活性化合物と前記環化生成物との組成物又は組合せ調製物をも含む。有利には、結果として、個々の活性化合物の用量を減少させることができる。
【0025】
高コレステロール血症に関連する疾病を治療及び予防するための医薬品を製造するための環化生成物の使用にとって好ましいのは、組成物又は組合せ調製物である。そのような組合せ調製物には、類似した機構又は異なる機構に基づく阻害活性を有するため、有効性の増加が期待されるHMGRのその他の阻害剤を含んでもよい。従って、本発明の組成物は、さらなる活性化合物として、例えば、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、SRI−62320、プロブコール、ナイアシン(ニコチン酸)、アリシン、アホエン、ルテオリン、BM 15.766、イソフラボン、クルクミン、フィトステロール、n−3 PUFA、プロバイオティックス及びコレステロールを低下させるフィブラート並びにその誘導体及びコンジュゲートを、個々に、又は組合せて含んでもよい。癌を治療及び予防するための医薬品を製造するための本発明の環化生成物の使用にとって好ましいのは、ヘスペラチンなどの活性化合物タモキシフェン及びフラボノイド類を含む組成物又は組合せ調製物である。
【0026】
本発明の医薬品、組成物及び組合せ調製物は、経腸投与及び非経口投与のための錠剤、顆粒剤、粉末剤、糖衣錠、トローチ剤、ペレット、カプセル剤、坐剤、ゲル剤、溶液、乳剤及び懸濁液の形態であってもよい。さらに、本発明の化合物を、皮膚適用のためのゲル、ローション及びクリーム中に存在させることもできる。前記環化生成物を、食品及び飲料中に栄養補助剤又は上記形態での他の栄養補助剤との組合せ調製物として存在させることもできる。γ−トコトリエノール環化生成物は、0.5〜2000 mg/日の用量(より高いか、又はより低いものであってもよい)で投与することができる。その正確な用量及び治療パターンは患者の状態、障害の重篤度及び過程、並びにこの障害に対する患者の素因に依存し、治療する医師によって好適かつ正確に確立されるであろう。同様に、動物用医薬品における使用にも適用される。
【0027】
本発明を以下の非限定的な実施例及び添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【0028】
図面の簡単な説明
(図面の簡単な説明については下記参照)
以下の実施例は本発明の化合物の合成を説明するものであるが、それを限定するものではない。
【0029】
実施例
実施例 1 :γ − トコトリエノールキノン環化生成物 (R 1 が H であり、 R 2 、 R 3 及び R 4 が各々 CH 3 である式 I の化合物 ) の合成
R−γ−トコトリエノール(γ−T3、100.0 g/0.24 mol)を、ディスク攪拌器、冷却器、滴下漏斗及び温度計を備えた6 l容ガラスフラスコ中、N2雰囲気下で、分析等級エタノール(4800 ml)に溶解した。蒸留水(400 ml)に溶解した硝酸アンモニウムセリウム(IV)(307.2 g/0.56 mol)を、室温にて上記溶液に添加した。この混合物を室温にて1時間攪拌し、TLCサンプルを取り出した。これにより、R−γ−トコトリエノールの完全な変換を示した。
【0030】
次いで、この溶液をn−ヘプタン(800 ml)及び蒸留水(8000 ml)の間で分離させた。各相を分離し、水相をn−ヘプタン(800 ml)でもう1回抽出した。有機相を合わせ、蒸留水(2000 ml)で2回洗浄した。相分離の改善のため、2回目の洗浄中に分析等級の酢酸(約3 ml/約0.05 mol)を添加した。次いで、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。回転式エバポレーター上で乾燥するまで蒸発させることにより、γ−トコトリエノールキノン(104.5 g)を得た。これをさらに以下のように反応させた。
【0031】
γ−トコトリエノールキノン(104.5 g)、炭酸セシウム(CS2CO3、10.0 g/0.03 mol)及び塩化メチレン(CH2Cl2、1000 ml)を、冷却器、ディスク攪拌器及び温度計を備えた4 l容ガラス反応器に、N2雰囲気下で添加し、混合物を還流しながら攪拌した。5時間後、TLCサンプルを取得した。これにより、実質的な変換を示したが、少量の夾雑成分も示された。
【0032】
n−ヘプタン(2000 ml)及び10%強度硫酸水素ナトリウム(1000 ml/0.83 mol)を添加し、該混合物を比較的高い回転速度で短時間に攪拌した。次いで、相を分離し、有機相を蒸留水(1000 ml)で2回洗浄した。次いで、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、さらに回転式エバポレーター上で蒸発により乾燥させたところ、γ−トコトリエノールキノン環化生成物が得られた(100.7 g)。
【0033】
ジアステレオマーの分離:
この生成物を、Biotage社から入手したフラッシュ150シリカゲルカラムを介して完全にクロマトグラフィーに供した。用いた移動相は6%酢酸エチルのn−ヘプタン溶液であった。主要な画分(TLCモニタリングによる)を回転式エバポレーター上で乾燥するまで蒸発させた後、γ−トコトリエノールキノン環化生成物(0.12 mol; 49.4 g)を得た。最終生成物のTLCにより、2種のジアステレオマーのみが示され、微量副生成物は示されなかった。ジアステレオマーの分離:それぞれが2つのジアステレオマーのうちの一方のみを含む、2つの近接するクロマトグラフィー画分も、回転式エバポレーター上で乾燥するまで蒸発させた。結果として、非極性ジアステレオマー(0.82 g; RF値:0.39 (移動相:30% MTB/n−ヘプタン);旋光度[α]25 D:+2.0o (c = 1、エタノール))及び極性ジアステレオマー(0.86 g; RF値:0.35 (移動相:30% MTB/n−ヘプタン);旋光度[α]25 D:−40.0o (c = 1、エタノール))が得られた。
【0034】
2つのジアステレオマーの13C−NMRデータ(CDCl3/DMSO−d6 1:4):δ ppmでの化学シフト(TMS)、多重度(S = シングレット、D = ダブレット、T = トリプレット、Q = カルテット)。
【0035】
ジアステレオマー1:
【0036】
ジアステレオマー2:
【0037】
ガスクロマトグラフィー (GC) 分析
GC分析を、50 m CP−Sil 5/CBカラム(Chrompack社製)上で行った。温度プログラム:150℃、3分−15℃/分−300℃、45分。インジェクター:280℃。検出器(FID):300℃。
【0038】
TLC 条件:
− TLCプレート:シリカゲル60
− 移動相:30%メチルtert−ブチルエーテル/n−ヘプタン
− スプレー試薬:硫酸セリウム(IV)−モリブデンリン酸。
【0039】
実施例 2 : HepG2 細胞におけるコレステロール合成の測定 (Fahrner, J. ら、 Eur. J. Biochem. 213: 1067−1073 (1993); Gebhardt, R., Lipids 28: 613−619 (1993); Pill, J. ら、 Z. Anal. Chem. 332: 512−513 (1985) を参照 )
試験物質によるコレステロール生合成に対する効果を検出するため、HepG2細胞培養物を用いた。これらの細胞を、2 mMゲンタミン、10%ウシ胎仔血清、40 U/mlのストレプトマイシン及び50 U/mlのペニシリンを含むDMEM培地(Gibco社製, Eggenstein, Germany)において、35 mmの6穴細胞培養インキュベーションディッシュ中で、コンフルエントな状態になるまで培養した。使用前に凍結細胞を培養し、1週間継代した。次いで、コンフルエントな細胞を、試験物質と共に、無血清Williams Medium E中で37℃にて4時間インキュベートした。その後、14C−酢酸(18.5 kBq/ml; 0.5μCi/ml)を該溶液に添加した。試験物質はDMSO中に希釈し、特定の濃度で用いた。さらに2時間後、培地を除去し、細胞を生理食塩水で2回洗浄し、蒸留水に移して、高周波数超音波(20秒、段階3)によりホモジェナイズした。
【0040】
非鹸化可能脂質画分(ステロール画分)への14C−酢酸の取込みを、以下の方法により測定した:1.4 mlのホモジェネートを、EtOH中、2.8 mlの0.5 M KOHと共に、振とうしながら70℃にて1時間インキュベートした。この混合物の2.1 mlを、Extrelut(登録商標)カラム(Merck社製, Darmstadt)に供した。中性で親油性の非鹸化可能物質は、10 mlのn−ヘプタンにより、30分後にシンチレーションバイアル中に溶出された。10 mlのシンチレーション溶液(Ultima Gold(登録商標), Packard, Merident, Connecticut)を添加した後、シンチレーションカウンターで、サンプル中の14C活性を測定した。示された測定値は、試験溶液あたり3枚の独立した培養ディッシュの平均であると理解される。用いた参照値は、試験物質の非存在下での14C−酢酸の取込みであり、これを100%に設定した。
【0041】
実験結果:
実施例2に特定された方法で、以下の物質を試験した:R−γ−トコトリエノール;γ−トコトリエノールキノン;α−トコトリエノールキノン;γ−トコトリエノールキノン環化生成物の極性ジアステレオマー、γ−トコトリエノールキノン環化生成物の非極性ジアステレオマー、γ−トコトリエノールキノン環化生成物のラセミ体。結果を図1〜6に示す。図中に与えられる値は、それぞれ、3つの独立した測定値の平均に相当する。これらを、対照として等量のDMSOを添加した時の、細胞への14C−酢酸の取込みに基づく相対的単位で表す。5 x 10−6 Mの濃度のR−γ−トコトリエノールは14C−酢酸取込みを約20%阻害し、また5 x 10−5 M以上の濃度では14C−酢酸取込みの最大約50%の顕著な阻害を引き起こす(図1)。γ−及びα−トコトリエノールキノンは、10−5 Mの濃度からのみ有意であるが、14C−酢酸取込みの約70〜75%の阻害を引き起こす(図2及び3)。γ−トコトリエノールキノン環化生成物の極性及び非極性ジアステレオマーの双方、並びに2つのジアステレオマーの混合物(1:1)は、10−6 Mの濃度においてでさえ、14C−酢酸取込みの有意な20〜30%阻害を引き起こし、5 x 10−5 Mの濃度で約50%阻害を引き起こす(図4、5及び6)。すなわち、10−6 Mの範囲の濃度における本発明の環化生成物は、γ−トコトリエノール及びγ−トコトリエノールキノンよりもかなり活性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】R−γ−トコトリエノールの濃度を上昇させた時のHepG2細胞中への14C−酢酸の取り込みを示す。
【図2】γ−トコトリエノールキノンの濃度を上昇させた時のHepG2細胞中への14C−酢酸の取り込みを示す図である。
【図3】α−トコトリエノールキノンの濃度を上昇させた時のHepG2細胞中への14C−酢酸の取り込みを示す図である。
【図4】環化生成物の極性ジアステレオマー(式中、R1はHであり、R2、R3及びR4は各々CH3である)(γ−トコトリエノールキノン環化生成物)に対するHepG2細胞中への14C−酢酸の取り込みを示す図である。
【図5】環化生成物の非極性ジアステレオマー(式中、R1はHであり、R2、R3及びR4は各々CH3である)(γ−トコトリエノールキノン環化生成物)の濃度を上昇させた時のHepG2細胞中への14C−酢酸の取り込みを示す図である。
【図6】環化生成物のジアステレオマー混合物(式中、R1はHであり、R2、R3及びR4は各々CH3である)(γ−トコトリエノールキノン環化生成物)の濃度を上昇させた時のHepG2細胞中への14C−酢酸の取り込みを示す図である。
Claims (13)
- R1がH又はCH3であり、R2がH又はCH3であり、R3がCH3であり、R4がH又はCH3である、請求項1に記載の式Iの化合物。
- 酸化剤がCe(IV)塩又はFe(III)塩である、請求項4に記載の方法。
- 式IIのトコトリエノールを、有機溶媒中で式IIIのトコトリエノールキノンに酸化する、請求項4又は5に記載の方法。
- 前記触媒がアルカリ金属炭酸塩である、請求項3〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 食品栄養補助剤としての請求項1又は2に記載の式Iの化合物の使用。
- 医学的用途のための請求項1又は2に記載の式Iの化合物。
- 動脈硬化症、血栓症及び心筋梗塞を含む心血管障害などの高コレステロール血症に関連する障害を治療及び/もしくは予防するため、又は癌を治療及び/もしくは予防するための医薬品の製造のための、請求項1又は2に記載の式Iの化合物の使用。
- ヒトにおいて血漿コレステロールレベルを低下させるための医薬品の製造のための、請求項1又は2に記載の式Iの化合物の使用。
- 哺乳動物又は鳥類において血漿コレステロールレベルを低下させるための医薬品の製造のための、請求項1又は2に記載の式Iの化合物の使用。
- 少なくとも1種の請求項1又は2に記載の式Iの化合物及び少なくとも1種の製薬上適合可能なビヒクルを含む医薬組成物。
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