JP2004503637A - 少なくとも1つのイミドタイプの活性化されるエチレン性二重結合を有する多官能性ポリオルガノシロキサンを含む新規なオルガノシリコン化合物及びそれらの製造プロセス - Google Patents
少なくとも1つのイミドタイプの活性化されるエチレン性二重結合を有する多官能性ポリオルガノシロキサンを含む新規なオルガノシリコン化合物及びそれらの製造プロセス Download PDFInfo
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Abstract
本発明の分野は、分子当たり、第一に少なくとも1つのヒドロキシルラジカル及び/又は少なくとも1つのアルコキシラジカル、並びに第二にマレイミド基からなる活性化されるエチレン性二重結合を含有する少なくとも1つの基をケイ素原子に結合させてなる多官能性ポリオルガノシロキサン(POSと略す)を含む新規なオルガノシリコン化合物の分野である。本発明は、また、上記の目標とするPOSに至る官能化プロセスにも関し、該プロセスは、特にマレアミド酸を官能基及び少なくとも2つのアルコキシ官能基を有するオルガノシランをポリシラザンと反応させるに在る。
上記の目標とする通りの多官能性POSを含む化合物は、有利な性質、例えばホワイトフィラーを補強充填剤として含むイソプレンエラストマーをベースにしたゴム組成物において(ホワイトフィラー−エラストマーカップリング用)カップリング剤として作用する性質を示すことができる。
上記の目標とする通りの多官能性POSを含む化合物は、有利な性質、例えばホワイトフィラーを補強充填剤として含むイソプレンエラストマーをベースにしたゴム組成物において(ホワイトフィラー−エラストマーカップリング用)カップリング剤として作用する性質を示すことができる。
Description
【0001】
技術分野
本発明の分野は、分子当たり、第一に少なくとも1つのヒドロキシルラジカル及び/又は少なくとも1つのアルコキシラジカル、並びに第二にマレイミド基からなる活性化されるエチレン性二重結合を含有する少なくとも1つの基をケイ素原子に結合させてなる多官能性ポリオルガノシロキサン(POSと略す)を含む新規なオルガノシリコン化合物の分野である。本発明は、また、上記の目標とするPOSに至る官能化プロセスにも関する。
【0002】
従来技術
上記の目標とする通りの多官能性POSを含む化合物は、有利な性質、例えばホワイトフィラーを補強充填剤として含むイソプレンエラストマーをベースにしたゴム組成物において(ホワイトフィラー−エラストマーカップリング用)カップリング剤として作用する性質を示すことができる。
【0003】
POSの多官能化の原理は、例えば本出願人の名称のWO−A−96/16125に開示されており、同文献は、≡Si−アルキル官能単位及び≡Si−W官能単位(Wは、特にC2〜C30炭化水素ベースの基、単純アルケニル基、不飽和脂環式基又はメルカプトアルキル基である)を有する多官能性POSの製法について開示している。
【0004】
発明の概要
出願人は、多官能化の分野の研究を継続して行って。今、少なくとも1つのアルコキシ及び/又はヒドロキシルラジカルに加えて、少なくとも1つのマレイミド基を有する新規な多官能性POSを見出したもので、これが発明の第一の主題を構成する。
【0005】
マレイミド基は、例えば炭化水素ベースのラジカルC・、メルカプトアルキルラジカルRS・、メルカプトアルキルアニオンRS−、及びシクロ付加反応(「エン」反応)のような活性種の方向への反応が特に関与される化学プロセスにおける有利な官能基であることが認められる。
【0006】
従来技術を検討すると、マレイミド官能基を利用する合成方法が変更されることが判明する。しかし、出願人は、一般に提案された合成方法が、シリコーンケミストリーに適用される際に、よくあるように、用いられる作業条件がシリコーン骨格を相当に変え、その結果比例して合成方法の選択性を最小にする時に満足すべき官能化収率を供し得ないことを見出した;これらの欠点は、特にFR−A−2 295 959及びFR−A−2 308 126に開示されているプロセスについて遭遇される。
【0007】
これより、本発明の別の目的は、実施するのが容易でありかつ官能化されたPOSに選択性、安定性及び収率を、従来まだ達成されたことのない優れたレベルで与えるすばらしい利点を供するマレイミド官能基を有するPOSを製造するプロセスを提供するにある。
【0008】
発明の開示
発明の第一の主題
従って、本発明は、下記に関し、これを第一の主題とする:
下記式の同一の又は異なる単位を含有する多官能性POSを含むオルガノシリコン化合物:
【化11】
式中:
(1)記号R2は、同一でも又は異なってもよく、各々炭素原子1〜6を含有する線状もしくは枝分れアルキルラジカル、炭素原子5〜8を含有するシクロアルキルラジカル及びフェニルラジカルから選ぶ一価の炭化水素ベースの基を表し;記号R2は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、シクロヘキシル及びフェニルラジカルから選ぶのが好ましく;記号R2は、メチルラジカルであるのが一層好ましく;
(2)記号Yは、同一でも又は異なってもよく、各々ヒドロキシル又はアルコキシ官能基R1O(R1は炭素原子1〜15を含有する線状もしくは枝分れアルキルラジカルを表す)を表し;記号Yは、ヒドロキシルラジカル及び炭素原子1〜6を含有する線状もしくは枝分れアルコキシラジカルから選ぶのが好ましく;記号Yは、ヒドロキシルラジカル及び炭素原子1〜3を含有する線状もしくは枝分れアルコキシラジカル(すなわち、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及び/又はイソプロポキシ)から選ぶのが一層好ましく;
(3)記号Xは、同一でも又は異なってもよく、各々下記の(II/1)、(II/2)及び(II/3)式を有するラジカルから選ぶ、活性化されるエチレン性二重結合を有する官能基、並びにこれらの混合物を表し;
【化12】
但し:
官能基Xの内の少なくとも1つは、(II/1)式に一致し、
適する場合には、(II/1)式の官能基Xと(II/2)及び/又は(II/3)式の官能基Xとの混合物が存在する時は、官能基Xのすべてにおける(II/2)及び/又は(II/3)式の官能基Xのモル分率は、平均で12モル%以下であり、5モル%以下であるのが好ましく、
式中:
R3は、炭素原子1〜15を含有する線状もしくは枝分れ二価アルキレンラジカルであり、それの自由原子価は炭素原子が持ちかつケイ素原子に結合され、該R3ラジカルは、アルキレン鎖において少なくとも1つのヘテロ原子(酸素及び窒素のような)又は少なくとも1つのヘテロ原子(酸素及び窒素のような)を含む少なくとも1つの二価の基、特に−O−、−CO−、−CO−O−、−COO−シクロヘキシレン(随意にOHラジカルによって置換される)、−O−アルキレン(随意にOH又はCOOHラジカルによって置換される線状もしくは枝分れC2〜C6)、−O−CO−アルキレン(随意にOH又はCOOHラジカルによって置換される線状もしくは枝分れC2〜C6)、−CO−NH−、−O−CO−NH−及び−NH−アルキレン(線状もしくは枝分れC2〜C6)−CO−NH−から選ぶ一般式:
【化13】
の少なくとも1つの二価の残基が割り込む可能性があり;R3は、また、−(オルト、メタ又はパラ)フェニレン(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン、−(オルト、メタ又はパラ)フェニレン−O−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン−、−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン−(オルト、メタ又はパラ)フェニレン(線状もしくは枝分れC1〜C6)アルキレン−、及び−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン(オルト、メタ又はパラ)フェニレン−O−(線状もしくは枝分れC1〜C6)アルキレン−から選ぶ一般式:
【化14】
の二価の芳香族ラジカルを表し;記号R3は、下記の式:−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CH2−CH(CH3)−、−(CH2)2−CH(CH3)−CH2−、−(CH2)3−O−(CH2)3−、−(CH2)3−O−CH2−CH(CH3)−CH2−、−(CH2)3−O−CH2CH(OH)−CH2−に一致するアルキレンラジカルを表すのが好ましく;R3は、−(CH2)2−又は−(CH2)3−ラジカルであるのが一層好ましく;特に詳細には、R3の先の定義において、上述した二価の残基及びラジカルが対称でない時は、それらは、原子価v1で左に及び原子価v2で右に、又は逆に、原子価v2で左に及び原子価v1で右に位置付けられることができ、
記号R4及びR5は、同一でも又は異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノラジカル、炭素原子1〜6を含有する線状もしくは枝分れアルキルラジカルを表し;記号R4及びR5は、水素原子、塩素原子並びにメチル、エチル、n−プロピル、及びn−ブチルラジカルから選ぶのが好ましく;これらの記号は、水素原子及びメチルラジカルから選ぶのが一層好ましく;
(4)記号a、b及びcは、各々下記から選ぶ整数又は分数を表し;
a:0、1、2又は3;
b:0、1、2又は3;
c:0又は1;
a+b+cの合計は、ゼロと異なりかつ≦3であり;
(5)R6SiO3/2単位(「T」単位)(式中、R6は、R2、Y及びXの定義に一致するラジカルから選ぶ)の含量は、分子当たり、100ケイ素原子当たりのこれらの単位の数として表して、30%以下であり、20%以下であるのが好ましく;
(6)官能基Yの含量は、分子当たり、100ケイ素原子当たりの官能基Yの数として表して、少なくとも0.8%であり;1%〜100%の範囲であるのが好ましく;
(7)官能基Xの含量は、分子当たり、100ケイ素原子当たりの官能基Xの数として表して、少なくとも0.4%であり、0.8%〜100%の範囲であるのが好ましい。
【0009】
記号a、b及びcが取り得る値及び点(5)に挙げる詳細を前提とすると、(I)式の各々の多官能性POSが、線状構造又は環状構造、又はこれらの構造の混合物のいずれかを有し得、これらの構造が、また、所定のモル量の枝分れ(「T」単位)を有する可能性があることを理解すべきである。
【0010】
発明は、「多官能性POSを含む」オルガノシリコン化合物に関し;この表現は、本発明の一部を形成する各々のオルガノシリコン化合物が、多官能性POSの純形態の形態又はそのようなPOSと可変重量(混合物中50%よりもずっと少ないのが普通である)の下記からなることができる別の(又は他の)化合物との混合物の形態になることができることを意味すると解釈すべきである:
(i)出発試薬であって、それらから多官能性POSが調製されるものの転化度が完全でない時の、該試薬の内の一方及び/又は他方;及び/又は
(ii)出発試薬のシリコーン骨格の完全な又は不完全な変更から誘導される生成物;及び/又は
(iii)縮合反応、加水分解及び縮合反応及び/又は再分配反応によって調製される、所望の多官能性POSのシリコーン骨格の変更から誘導される生成物。
【0011】
一層具体的に言うと、発明の範囲に含まれるオルガノシリコン化合物は、本質的に線状でありかつ下記の平均式を有する、(I)式に従うPOSの系統から選ぶ多官能性POSを含む化合物である:
【化15】
式中:
(1’)記号T1は、HO1/2及びR1O1/2(R1ラジカルは、上に定義した通りである単位)から選び;
(2’)記号T2は、記号T1と同一でも又は異なってもよく、HO1/2及びR1O1/2単位及び(R2)3SiO1/2単位(R1及びR2ラジカルは、上に(I)式に関して点(2)及び(1)に定義した通りである)から選び;
(3’)記号R2、X及びYは、上に(I)式に関して点(1)、(3)及び(2)に定義した通りであり;
(4’)記号R6は、R2、X及びYの定義に一致するラジカルから選び;
(5’)記号m、n、p、q、r、s及びtは、各々下記の累加条件を満足する整数又は分数を表し:
m及びtは、各々常にゼロと異なる数であり、これらの合計は、2+sに等しく、
nは、0〜100の範囲であり、
pは、0〜100の範囲であり、
qは、0〜100の範囲であり、
rは、0〜100の範囲であり、
sは、0〜75の範囲であり、
n=0の時、pは常に0と異なる数でありかつp=0の時、nは常にゼロと異なる数であり、
ケイ素原子の合計数となるn+p+q+r+s+tの合計は、2〜250の範囲であり、
「T」単位の含量となる100s/(n+p+q+r+s+t)の比は、≦30であり、≦20であるのが好ましく、
官能基Yの含量となる100(m+p+r+s[R6=Yの時]+t)/(n+p+q+r+s+t)の比は、≧1であり、4〜100の範囲であるのが好ましく、
官能基Xの含量となる100(n+p+s[R6=Xの時])/(n+p+q+r+s+t)の比は、≧1であり、2〜100の範囲であるのが好ましい。
【0012】
用いるのが好ましいオルガノシリコン化合物として、(III)式(式中:下記である)に該当する本質的に線状のオリゴマー及びポリマーPOS/1を含むものを挙げることができる(この場合に、これらを略してイミドタイプのポリマーPOS/1と呼ぶことにする):
(1”)記号T1は、上に点(1’)に挙げた通りに定義し;
(2”)記号T2は、上に点(2’)に挙げた通りに定義し;
(3”)記号R2、X及びYは、上に点(3’)に挙げた通りに定義し;
(4”)記号R6は、上に点(4’)に挙げた通りに定義し;
(5”)記号m、n、p、q、r、s及びtは、下記の累加条件を満足し:
m+t=2+s、
nは、0〜50の範囲であり、
pは、0〜20の範囲であり、
n=0の時、pは少なくとも1に等しくかつp=0の時、nは少なくとも1に等しく、
qは、0〜48の範囲であり、
rは、0〜10の範囲であり、
sは、0〜1の範囲であり、
ケイ素原子の合計数となるn+p+q+r+s+tの合計は、2〜50の範囲であり、
「T」単位の含量となる100s/(n+p+q+r+s+t)の比は、≦10であり、
官能基Y(記号T1、T2及びYによって表される単位によってもたらされる)の含量となる100(m+p+r+s[R6=Yの時]+t)/(n+p+q+r+s+t)の比は、4〜100の範囲であり、10〜100の範囲であるのが更に良好であり、
官能基Xの含量となる100(n+p+s[R6=Xの時])/(n+p+q+r+s+t)の比は、10〜100の範囲であり、20〜100の範囲であるのが更に良好である。
【0013】
また、発明の範囲に含まれるオルガノシリコン化合物は、(I)式に従うPOSの系統から選ぶ、環状でありかつ下記の平均式を有する多官能性POSを含むものである:
【化16】
式中:
(3’)記号R2、X及びYは、上に(I)式に関して点(1)、(3)及び(2)に定義した通りであり;
(5’)記号n’、p’、q’及びr’は、各々下記の累加条件を満足する整数又は分数を表し:
n’は、0〜9の範囲であり、
p’は、0〜9の範囲であり、
n’=0の時、p’は少なくとも1に等しく、
p’=0の時、n’は少なくとも1に等しくかつr’もまた少なくとも1に等しく、
q’は、0〜9の範囲であり、
r’は、0〜2の範囲であり、
n’+p’+q’+r’の合計は、3〜10の範囲であり、
官能基Yの含量となる100(p’+r’)/(n’+p’+q’+r’)の比は、4〜100の範囲であり、
官能基Xの含量となる100(n’+p’)/(n’+p’+q’+r’)の比は、10〜100の範囲である。
【0014】
これらの環状多官能性POSは、(III)式の本質的に線状のPOSとの混合物として得てもよいことに留意すべきである。
【0015】
発明の第二の主題
本発明の第二の主題は、上に挙げた(I)、(III)及び(III’)式に従う多官能性POSを含む、発明に従うオルガノシリコン化合物を製造することができるプロセスに関する。
【0016】
これらのプロセスは、特に下記を伴う:
随意にジハロシラン又はジアルコキシシランの存在における、ジハロシラン又は官能基Xを有するジアルコキシシランの加水分解及び縮合反応、
官能基X及び少なくとも2つの官能基Yを有するオルガノシランとα,ω−ジヒドロキシル化線状POSとの間の縮合反応、
官能基X及び少なくとも2つの官能基Y及び/又はハロを有するオルガノシランと、随意に鎖中に1つ以上の官能基Yを有するオルガノシクロシロキンとの間の再分配及び平衡反応、
(II/2)式の官能基X及び少なくとも2つの官能基Yを有するオルガノシランと、ポリシラザンとの間のカップリング反応、
少なくとも1つの官能基Yを有しかつケイ素原子に結合される少なくとも1つの単位、特に−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン−OH、−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン−NR6H又は−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン−COOHタイプの単位で官能化された線状もしくは環状前駆物質POSと、上述した単位と反応して所望の官能基Xを発生することができる反応性化合物との間のカップリング反応。
【0017】
一層具体的に言うと、(I)、(III)及び(III’)式に従う多官能性POSを含むオルガノシリコン化合物は、例えば下記に在るプロセスによって製造する:
(a)下記式のオルガノシランを水性媒体中で加水分解し:
【化17】
(式中:記号R2及びX[(II/1)式を有する]は、すでに上に挙げた定義を有する)、
随意に下記式のオルガノシランの存在において作動する:
【化18】
そのようなプロセスは、(III)式(式中:記号T1及びT2は、各々HO1/2単位を表し、及び第一に、p=r=s=0かつ第二に、qは、0に等しい[シラン(IV)をシラン(V)の不存在において加水分解する時]か、又はゼロと異なる数である[シラン(IV)をシラン(V)の存在において加水分解する時]かのいずれかである)の多官能性POSを含むオルガノシリコン化合物を製造するのに適している。このプロセスを実施する実際的な方法に関しては、更に詳細についてFR−A−2 514 013の内容を参照することになる;
【0018】
(b)下記式のオルガノシラン:
【化19】
(式中:記号R1、R2及びX[(II/1)式を有する]は、上に定義した通りであり、dは2及び3から選ぶ数である)
を、随意に例えばカルボキシレートをベースにする触媒の存在において下記式のPOS:
【化20】
(式中:記号R2は、上に定義した通りであり、eは2〜50の範囲の整数又は分数である)
と縮合させる。そのようなプロセスは、(III)式(式中:記号T1及びT2は、各々HO1/2単位とR1O1/2単位との混合物にあり、記号p、r及びsは、d=3の時に、ゼロと異なることができるのに対し、qは、dの値かかわらず、ゼロと異なる)の多官能性POSを含むオルガノシリコン化合物を製造するのに適している。このプロセスを実施する実際的な方法に関しては、更に詳細についてUS−A−3 755 351の内容を参照するのがよい;
【0019】
(c)一方で、下記式のオルガノシラン:
【化21】
(式中:記号R2及びX[(II/1)式を有する]は、上に定義した通りであり、記号Zは、ヒドロキシル、R1O及びハロ(例えば、塩素のような)ラジカルから選び、fは2及び3から選ぶ数である)
と、他方で、下記式のオルガノシクロシロキン:
【化22】
(式中:記号R2は、上に定義した通りであり、gは3〜8の範囲の数である)と、随意に(VII)式のジヒドロキシPOSとの間で再分配及び平衡反応を、適した触媒及び水の存在において実施する。そのようなプロセスは、(III)式(式中:記号T1及びT2はHO1/2単位を表し、記号qはゼロと異なる)のPOSを含むそれ以上のオルガノシリコン化合物を製造するのに適している。
【0020】
発明の関係で用いるのが好ましいオルガノシリコン化合物は、イミドタイプのポリマーPOS/1を含むものである。イミドタイプのポリマーPOS/1を含むオルガノシリコン化合物を製造する一つの有利な手順は、(III)式において記号qがゼロに等しいイミドタイプのポリマーPOS/1を含む化合物を製造するプロセス(d)に一致し、下記の工程(d1)及び(d2)を実施するに在る:
(d1)反応を、下記の間で実施する:
(VI)式(式中、記号Xは、(II/2)式の官能基、すなわち下記式のオルガノシラン:
【化23】
を表す)オルガノシラン
及び下記式のジシラザン:
【化24】
(式中、記号R1、R2、R3、R4及びR5は、(I)式に関して点(1)〜(3)に挙げる定義に一致するラジカルであり、dは、2及び3から選ぶ数である)、
この反応を、少なくとも一種のルイス酸をベースにした、ミネラル物質(例えば、シリカ質物質)上に担持させても又は担持させなくてもよい触媒の存在において、大気圧及び温度室温(23℃)〜150℃の範囲、好ましくは60℃〜120℃の範囲で動作して実施し;
(d2)得られた反応媒体の安定化を、この媒体を、工程(d1)の間に現場形成されるイミド官能基の方向に非反応性の少なくとも一種の非求核性有機塩基の存在において動作して、(R2)3 Si−ハロ式(式中、ハロ残基は、塩素原子及び臭素原子から選ぶのが好ましい)の少なくとも一種のハロシランで処理することによって実施する。
【0021】
ジシラザンは、少なくとも出発オルガノシラン1モル当たり0.5モルに等しい量で使用し、オルガノシラン1モル当たり1〜5モルの範囲の量で使用するのが好ましい。
【0022】
好適なルイス酸は、ZnCl2及び/又はZnBr2及び/又はZnI2である。それは、少なくともオルガノシラン1モル当たり0.5モルに等しい量で使用し、オルガノシラン1モル当たり1〜2モルの範囲の量で使用するのが好ましい。
【0023】
反応は、不均質媒体中で、好ましくは溶媒又はオルガノシリコン試薬と共通の溶媒の混合物の存在において実施する。好適な溶媒は、極性の非プロトン性タイプ、例えばクロロベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、オクタン及びデカンのようなものである。一層好ましく選定する溶媒は、トルエン及びキシレンである。
【0024】
プロセス(d)は、それ自体知られている任意の手順に従って実施してよい。適している手順の一つは、下記の通りである:第一段で、反応装置にルイス酸を供給し、次いで、オルガノシランを溶媒のすべて又はいくらかに溶解させた溶液を徐々に加え;第二段で、反応混合物を選定した温度にもたらし、次いで、ジシラザンを加え、これは、随意に溶媒のいくらか中の溶液の形態で使用することができ;次に、第三段で、得られた反応混合物を、それを安定化するために、一種以上の有機塩基の存在において少なくとも一種のハロシランで処理し;及び最終的に、第四段で、安定化された反応媒体をろ過してルイス酸及び安定化の間に現場で形成された塩を除き、次いでそれを減圧下で脱蔵し溶媒を除く。
【0025】
安定化工程(d2)に関しては、ハロシランは、少なくとも出発オルガノシラン1モル当たり0.5モルに等しい量で使用し、オルガノシラン1モル当たり0.5〜1.5モルの範囲の量で使用するのが好ましい。有機塩基に関しては、好適なものは、特に、第三脂肪族アミン(例えば、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン及びトリイソプロピルアミンのようなもの)及びヒンダード環状アミン(例えば、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジンのようなもの)である。有機塩基は、少なくとも出発オルガノシラン1モル当たり0.5モルに等しい量で使用し、オルガノシラン1モル当たり0.5〜1.5モルの範囲の量で使用するのが好ましい。
【0026】
イミドタイプのポリマーPOS/1を含むオルガノシリコン化合物を製造するのに用いることができる第二の有利な手順は、(III)式において、記号qがゼロと異なるイミドタイプのポリマーPOS/1を含む化合物を製造するプロセス(e)に一致し、上に示した通りに規定するが、(XI)式のジシラザンを下記式の環状ポリジシラザン:
【化25】
(式中、記号R2は、上に定義した通りであり、hは、3〜8の範囲の数である)
に代えた単一の工程(d1)を実施するに在る。
【0027】
このプロセス(e)は、プロセス(d)の実施に関して上に挙げ、上述した第一段、第二段及び第四段だけを実施することに基づく適した手順を使用して実施することができる。しかし、ポリシラザンは、少なくとも出発オルガノシラン1モル当たり0.5/hモルに等しい量で使用し、オルガノシラン1モル当たり1/h〜5/hモルの範囲の量で使用するのが好ましい(hは、(XII)式のポリシラザン中のシラザン単位の数である)ことに留意すべきである。
【0028】
プロセス(d)及び(e)を実施すると、多官能性POSの純形態の形態又は多官能性POSと可変重量(混合物中50%よりもずっと少ないのが普通である)の例えば下記からなることができる別の(又は他の)化合物との混合物の形態になることができるオルガノシリコン化合物を生成するに至る:
(i)少量の(X)式の未反応の出発オルガノシラン;及び/又は
(ii)対応する量の(X)式の出発オルガノシランを直接環化することによって形成される少量の下記式:
【化26】
のオルガノシラン;及び/又は
(iii)少量の下記式の環状多官能性POS:
【化27】
式中:
記号R2は、上に(I)式に関して点(1)に定義した通りであり、
記号Xは、上に(I)式に関して点(3)に定義した通りであり、
記号n”及びq”は、下記の累加条件を満足する整数又は分数であり:
n”は、1〜9の範囲であり、
q”は、1〜9の範囲であり、
n”+q”の合計は、3〜10の範囲であり、
該環状多官能性POSは、所望の多官能性POSのシリコーン骨格を変えることから誘導される。
【0029】
用途
上に挙げた(I)、(III)及び(III’)式に従う多官能性POSを含む、発明に従うオルガノシリコン化合物は、有利には、ホワイトフィラー、特にシリカ質物質を補強充填剤として含む、イソプレンエラストマーをベースにした天然ゴム又は合成ゴムタイプのエラストマー組成物においてホワイトフィラー−エラストマーカップリング剤として使用することができ、これらの組成物は、エラストマー性製品を製造ために意図するものである。
【0030】
カップリング剤の使用が最も有用であるエラストマー性製品のタイプは、特に下記の制限を受けるものである:大きな温度変動及び/又は動的周波数応力の大きな変動;及び/又は大きな静応力及び/又は大きな動的曲げ疲労。製品のタイプの例は、下記を含む:コンベヤーベルト、伝動ベルト、フレキシブルチューブ、エクスパンションシール、家庭電化製品に関するシール、金属外装か又はエラストマー内部に作動液を有するエンジン振動エキストラクターとして作用する支持材、ケーブル、ケーブル外装、靴底及びケーブルカー用ローラー。
【0031】
当業者ならば、バインダーとしても知られるカップリング剤であって、それの機能が、ホワイトフィラーの粒子の表面とエラストマーとの間の接続をもたらし、同時にこのホワイトフィラーをエラストマーマトリックス中に一層容易に分散させるにあるものを使用することが必要であることを知っている。
【0032】
出願人は、その研究において、下記を見出した:
第一に少なくとも1つのOHラジカル及び少なくとも1つのアルコキシラジカルを有し、並びに第二にマレイミドタイプの活性化されるエチレン性二重結合を含有する少なくとも1つの基を有する、(I)、(III)及び(III’)式に従う多官能性POSを含む化合物からなる特定のカップリング剤が、
該特定のカップリング剤をイソプレンエラストマーをベースにしたゴム組成物において使用する時に、
今日一般に、シリカ−フィラー加硫ゴムについて、焼けからの安全、使用の容易及び補強力に関して最良の折衷をもたらすが、非常に高価であることの知られている欠点を有する(例えば、特許US−A−5 562 310、US−A−5 684 171及びUS−A−5 684 172を参照)生成物と考えられるアルコキシシランポリスルフィド、特にTESPT又はビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを使用することに伴うカップリング性能特性に少なくとも同等であるカップリング性能特性を供する。
【0033】
エラストマー組成物は、下記を含む:
少なくとも一種のイソプレンエラストマー、
ホワイト強化用フィラー、及び
上に定義した、第一に少なくとも1つのヒドロキシルラジカル及び/又は少なくとも1つのアルコキシラジカルを有し、並びに第二に少なくとも1つのマレイミドタイプの活性化されるエチレン性二重結合を有する多官能性POSを含むオルガノシリコン化合物からなるカップリング剤の適した量。
【0034】
一層具体的に言うと、これらの組成物は、下記を含む(部は、重量基準で挙げる):
イソプレンエラストマー100部当たり、
ホワイトフィラー10〜150部、好ましくは30〜100部、一層好ましくは30〜80部、
組成物において多官能性POS0.5〜15部、好ましくは0.8〜10部、一層好ましくは1〜8部をもたらす量のカップリング剤又はオルガノシリコン化合物。
【0035】
上述した一般的なかつ好適な領域内で選ぶカップリング剤の量は、ホワイト強化用フィラーの重量に対して、1〜20%、好ましくは2〜15%、一層好ましくは3〜8%に相当するように決めるのが有利である。
【0036】
立ち代わって、本明細書以降で、イソプレンエラストマー及びホワイト強化用フィラーの定義に戻ることにする。
【0037】
ゴム組成物について用いる「イソプレンエラストマー」なる用語は、一層具体的には、下記を意味する:
(1)イソプレン又は2−メチル−1,3−ブタジエンを単独重合させることによって得られる合成ポリイソプレン;
(2)イソプレンを下記から選ぶエチレン性不飽和のモノマーの一種以上と共重合させることによって得られる合成ポリイソプレン;
(2.1)イソプレンと異なる、炭素原子4〜22を含有する共役ジエンモノマー、例えば1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン(又はクロロプレン)、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエンのようなもの;
(2.2)炭素原子8〜20を含有するビニル芳香族モノマー、例えばスチレン、オルト−、メタ−又はパラ−メチルスチレン、「ビニルトルエン」商用混合物、パラ−t−ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレンのようなもの;
(2.3)炭素原子3〜12を含有するビニルニトリルモノマー、例えばアクリロニトリル及びメタクリロニトリルのようなもの;
(2.4)アクリル酸又はメタクリル酸と炭素原子1〜12を含有するアルカノールとから誘導されるアクリル系エステルモノマー、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレートのようなもの;
(2.5)上述したモノマー(2.1)〜(2.4)の内の幾種かを一緒にした混合物;
イソプレン単位99〜20重量%とジエン、ビニル芳香族、ビニル系ニトリル及び/又はアクリル系エステル単位1〜80重量%とを含有し、例えばポリ(イソプレン−ブタジエン)、ポリ(イソプレン−スチレン)及びポリ(イソプレン−ブタジエン−スチレン)からなるポリイソプレンコポリマー;
(3)天然ゴム;
(4)イソブテンとイソプレンとを共重合させることによって得られるコポリマー(ブチルゴム)、これらのコポリマーのハロゲン化変種、特に塩素化又は臭素化変種;
(5)上述したモノマー(1)〜(4)の内の幾種かを一緒にした混合物;
(6)主たる量(51〜99.5重量%、好ましくは70〜99重量%の範囲)の上述したモノマー(1)又は(3)と従たる量(49〜0.5重量%、好ましくは30〜1重量%の範囲)のイソプレンエラストマーと異なる一種以上のジエンエラストマーとを含有する混合物。
【0038】
「イソプレンエラストマーと異なるジエンエラストマー」なる表現は、それ自体知られているように、下記を意味する:上に点(2.1)で定義した共役ジエンモノマーの内の一種を重合させることによって得られるホモポリマー、例えばポリブタジエン及びポリクロロプレンのようなもの;上述した共役ジエン(2.1)の内の少なくとも二種を一緒に共重合させることによって得られるコポリマー又は上述した共役ジエン(2.1)の内の一種以上と一種以上の上述した不飽和モノマー(2.2)、(2.3)及び/又は(2.4)とを共重合させることによって得られるコポリマー、例えばポリ(ブタジエン−スチレン)及びポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)のようなもの。
【0039】
下記から選ぶ一種以上のイソプレンエラストマーを利用するのが好ましい:(1)合成ポリイソプレンホモポリマー;(2)ポリ(イソプレン−ブタジエン)、ポリ(イソプレン−スチレン)及びポリ(イソプレン−ブタジエン−スチレン)からなる合成ポリイソプレンコポリマー;(3)天然ゴム;(4)ブチルゴム;(5)上述したエラストマー(1)〜(4)を一緒にした混合物;(6)上述したエラストマー(1)又は(3)を主たる量で並びにポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリ(ブタジエン−スチレン)及びポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)からなる、イソプレンエラストマーと異なるジエンエラストマーを従たる量で含有する混合物。
【0040】
下記から選ぶ一種以上のイソプレンエラストマーを利用するのが一層好ましい:(1)合成ポリイソプレンホモポリマー;(3)天然ゴム;(5)上述したエラストマー(1)及び(3)の混合物;(6)上述したエラストマー(1)又は(3)を主たる量で並びにポリブタジエン及びポリ(ブタジエン−スチレン)からなる、イソプレンエラストマーと異なるジエンエラストマーを従たる量で含有する混合物。
【0041】
本明細書中で、「ホワイト強化用フィラー」なる表現は、「ホワイト」(すなわち、無機又はミネラル)フィラーを定義する意図であり、これは、ときとして「クリア」フィラーと呼ばれ、カップリング剤と異なる手段を用いないで、それ自体で、ゴムタイプのエラストマー組成物を強化することができ、該エラストマーは、天然でも又は合成でもよい。
【0042】
ホワイト強化用フィラーは、任意の物理的状態でよく、すなわち、該フィラーは、粉末の状態でも、ミクロパールの状態でも、顆粒の状態でも又はビーズの状態でもよい。
【0043】
ホワイト強化用フィラーは、シリカ、アルミナ又はこれらの二種の混合物からなるのが好ましい。
【0044】
ホワイト強化用フィラーは、シリカを単独で又はアルミナとの混合物として採用したものからなるのが一層好ましい。
【0045】
BET比表面積≦450m2/gの当業者に知られている任意の沈降又は熱分解法シリカが、発明において用いることができるシリカとして適している。沈降シリカが、慣習的であり又は高度に分散性になり得るので、好適である。
【0046】
「高度に分散性のシリカ」なる表現は、ポリマーマトリックス中で脱凝集し(de−aggregate)て分散する非常に強い能力を有する任意のシリカを意味し、この能力は、薄いスライス上で電子又は光学鏡検法によって観察することができる。挙げることができる高度に分散性のシリカの例は、CTAB比表面積が450m2/g以下のもの、特に特許US−A−5 403 570並びに特許出願WO−A−95/09127及びWO−A−95/09128に開示されているものを含み、これらに限定せず、これらの特許及び特許出願の内容を本明細書中に援用する。処理された沈降シリカ、例えば特許出願EP−A−0 735 088に開示されているアルミニウム−「ドープされた」シリカもまた適しており、同特許出願の内容もまた本明細書中に援用する。
【0047】
特に適している沈降シリカは、下記を有するものであるのが一層好ましい:
CTAB比表面積100〜240m2/g、好ましくは100〜180m2/gの範囲、
BET比表面積100〜250m2/g、好ましくは100〜190m2/gの範囲、
DOP油吸収量300ml/100g未満、好ましくは200〜295ml/100gの範囲、
BET比表面積/CTAB比表面積比1.0〜1.6の範囲。
【0048】
「シリカ」なる用語が、また異なるシリカのブレンドも意味することは言うまでもない。CTAB比表面積は、1987年11月のNFTメソッド45007に従って求める。BET比表面積は、1987年11月のNFT規格45007に相当する「The Journal of the American Chemical Society、80巻、309頁(1938)」に記載されているBrunauer−Emmett−Tellerメソッドに従って求める。
【0049】
用いるのが有利な強化用アルミナは、文献EP−A−0 810 258に開示されている通りの、下記を有する高度に分散性のアルミナである:
BET比表面積30〜400m2/g、好ましくは80〜250m2/gの範囲、
平均粒径500nm以下、好ましくは200nm以下、
高い含量の反応性Al−OH表面官能基。
【0050】
特に挙げることになるそのような強化用アルミナの例は、Baikowski社からのA125、CR125及びD65CRアルミナを含み、これらに限定しない。
【0051】
ゴムタイプの組成物が、また、エラストマー組成物及びゴム組成物の分野で通常使用されるその他の更なる構成成分及び添加剤のすべて又はいくらかを含有することは言うまでもない。
【0052】
これより、下記のその他の構成成分及び添加剤のすべて又はいくらかを使用してよい:
加硫システムに関しては、例えば下記を挙げることになる:
イオウ及びイオウ付与性化合物、例えばチウラム誘導体のようなものから選ぶ加硫剤;
加硫促進剤、例えばグアニジン誘導体、チアゾール誘導体又はスルフェナミド誘導体のようなもの;
加硫活性剤、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸及びステアリン酸亜鉛のようなもの;
【0053】
その他の添加剤に関しては、例えば下記を挙げることになる:
慣用の強化用フィラー、例えばカーボンブラックのようなもの(この場合に、使用するホワイト強化用フィラーは、ホワイト強化用フィラー+カーボンブラックの合計重量の50%よりも多くを構成する);
補強をほとんど又は何らもたらさない慣用のホワイトフィラー、例えばクレー、ベントナイト、タルク、チョーク、カオリン、二酸化チタン又はこれらの種の混合物のようなもの;
酸化防止剤;
オゾン亀裂防止剤、例えばN−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミンのようなもの;
可塑剤及び加工補助剤。
【0054】
ゴム組成物の加硫(又は硬化)は、知られているようにして、温度通常130℃〜200℃の範囲で、特に硬化温度、使用する加硫システム及び研究中の組成物の加硫速度論に応じて、例えば5〜90分の範囲にすることができる十分な時間の間実施する。
【0055】
下記の例は、本発明を例示するものである。
【0056】
例1
本例は、イミドタイプのポリマーPOS/1を含む、発明に従うオルガノシリコン化合物の製法を例示する。
この化合物は、本明細書中上に概略したプロセス(d)を、(X)式の出発オルガノシランとして、N−[γ−プロピル(メチルジエトキシ)シラン]マレアミド酸を用いて実施することによって調製する。
【0057】
1.出発マレアミド酸シランの製法:
プロセスを、攪拌システム及び添加漏斗を装備した2リットルガラス反応装置において行う。(C2H5O)2CH3Si(CH2)3NH2式のγ−アミノプロピルシラン(244.82g、すなわち1.28モル)を温度20℃(反応温度は、反応装置の下に置いた氷水浴によってこの値に保つ)で溶媒としてのトルエン(442.5g)中の無水マレイン酸(128.2g、すなわち1.307モル)の溶液に105分の期間かけて徐々に加える。次いで、反応媒体を23℃で15時間放置する。この時間の終わりに、反応媒体を多孔度3の焼結漏斗を通してろ過し、こうしてトルエン中の所望のマレアミド酸シランの溶液(該溶液を、それが得られる形態で使用する)を回収して下記のプロセス(d)を実施する。この溶液は、溶液100g当たりマレアミド酸シラン0.157モルを含有する。
【0058】
2.プロセス(d)を実施することによるイミドタイプのポリマーPOS/1を含むオルガノシリコン化合物の製法:
第一段:ZnCl2(43.78g、すなわち0.3214モル)を、攪拌システム及び添加漏斗を装備した0.5リットルガラス反応装置の中に導入し、次いで固体を80℃で3×102Paの減圧下で1時間30分の間加熱し;反応装置をアルゴン雰囲気下で作動して大気圧に戻し、次いで先に点1で得られたトルエン中のマレアミド酸シラン(41.5g、すなわち0.143モル)の溶液91.45gを徐々に加え;
第二段:反応混合物を温度54℃にもたらし、次いでヘキサメチルジシラザン(65.12g、すなわち0.403モル)を1時間の期間かけて徐々に加え;この添加の終わりに、反応媒体の温度は82℃になり、反応媒体の温度をこの値に更に1時間30分間保ち;
第三段:N−メチルモルホリン(20.14g、すなわち0.199モル)を、温度約−20℃で作動して、反応媒体の中に導入した後に、トリメチルクロロシラン(21.49g、すなわち0.198モル)を反応媒体の中に導入し;生成した反応媒体を、15時間攪拌したままにし、その間温度をゆっくり室温(23℃)に上昇させ;
第四段:得られた反応媒体を、シリカ2cmを収容する多孔度3の焼結漏斗を通してろ過し、次いで得られたろ液を、10×102Paの減圧を確立することによって30℃で脱蔵して所望のイミドタイプのオリゴマーPOS/1を含む褐色油をもたらす。該褐色油にプロトンNMR及びケイ素(29Si)NMR分析を施した。これらの分析の結果は、プロセス(d)の後に得られた反応生成物又はオルガノシリコン化合物が、下記を含有することを示す:
下記の平均式のオリゴマーの形態のイミドタイプのポリマーPOS/1 62重量%:
【化28】
及び下記の式のオルガノシラン38重量%:
【化29】
【0059】
例2
本例は、イミドタイプの別のポリマーPOS/1を含む、発明に従うオルガノシリコン化合物の製法を例示する。
この他の化合物は、本明細書中上に概略したプロセス(e)を、(X)式の出発オルガノシランとして、N−[γ−プロピル(メチルジエトキシ)シラン]マレアミド酸を用いて実施することによって調製する。
【0060】
1.出発マレアミド酸シランの製法:
プロセスを、攪拌システム及び添加漏斗を装備した2リットルガラス反応装置において行う。(C2H5O)2CH3Si(CH2)3NH2式のγ−アミノプロピルシラン(563g、すなわち2.944モル)を温度20〜22℃(反応温度は、反応装置の下に置いた氷水浴によってこの値に保つ)で溶媒としてのトルエン(1008g)中の無水マレイン酸(300.1g、すなわち3.062モル)の溶液に2時間の期間かけて徐々に加える。次いで、反応媒体を23℃で15時間放置する。この時間の終わりに、反応媒体を多孔度3の焼結漏斗を通してろ過し、こうしてトルエン中の所望のマレアミド酸シランの溶液(該溶液を、それが得られる形態で使用する)を回収して下記のプロセス(e)を実施する。この溶液は、溶液100g当たりマレアミド酸シラン0.157モルを含有する。
【0061】
2.プロセス(e)を実施することによるイミドタイプの別のポリマーPOS /1を含む、オルガノシリコン化合物の製法:
第一段:ZnCl2(168.2g、すなわち1.2342モル)を、攪拌システム及び添加漏斗を装備した3リットルガラス反応装置の中に導入し、次いで固体を80℃で4×102Paの減圧下で1時間30分の間加熱し;次いで、反応装置をアルゴン雰囲気下で作動して大気圧に戻し、次いでトルエン365cm3を加えた後に、先に点1で得られたトルエン中のマレアミド酸シラン(320g、すなわち1.107モル)の溶液704.8gを徐々に加え;
第二段:添加漏斗に環状ヘキサメチルトリシラザン(88.7g、すなわち0.404モル)及びトルエン208cm3を仕込み;反応媒体の温度を72℃にする。次いで、環状ヘキサメチルトリシラザンを2時間25分の期間かけて徐々に加え;添加の終わりに、得られたオレンジ色をした有機溶液を加熱して温度75℃にし、この温度に15時間保ち;
第四段:反応媒体を「厚紙ろ過器」を通してろ過し、次いで減圧下で脱蔵した後に、トルエンを除く。
【0062】
こうして、黄色油が得られ、これにプロトンNMR及びケイ素(29Si)NMR分析を施した。これらの分析の結果は、プロセス(e)の後に得られた反応生成物又はオルガノシリコン化合物が、下記を含有することを示す:
下記の平均式のオリゴマーの形態のイミドタイプのポリマーPOS/1 73.7重量%:
【化30】
下記の式のオルガノシラン23.1重量%:
【化31】
下記の式のオルガノシラン0.7重量%:
【化32】
及び下記の平均式の環状多官能性POS2.5重量%:
【化33】
【0063】
例3及び4
これらの例の目的は、上に定義した、第一に少なくとも1つのヒドロキシルラジカル及び/又は少なくとも1つのアルコキシラジカルを有し、並びに第二に少なくとも1つのマレイミドタイプの活性化されるエチレン性二重結合を有する多官能性POSを含むオルガノシリコン化合物のカップリング(ホワイトフィラー−イソプレンエラストマーカップリングについて)に関して性能特性を示すにある。これらの性能特性を、TESPTシランに基づく慣用のカップリング剤の性能特性と比較する。
【0064】
靴底配合物を代表する4つのイソプレンエラストマー組成物を比較する。これらの4つの組成物は、下記の相違点を除いて同一である:
組成物番号1(対照1):カップリング剤が存在しない;
組成物番号2(対照2):TESPTシランに基づくカップリング剤(4pce);
組成物番号3(例3):組成物中例1で調製したイミドタイプのポリマーPOS/1 1.86pceをもたらすカップリング剤又はオルガノシリコン化合物;
組成物番号4(例4):組成物中例2で調製したイミドタイプのポリマーPOS/1 2.65pceをもたらすカップリング剤又はオルガノシリコン化合物。
【0065】
1)イソプレンエラストマー組成物の構成:
下記の組成物(それらの構成は、重量部で表して、下記の表Iに挙げる)をブラベンダーインターナルミキサーで調製する:
【0066】
【表1】
【0067】
2)組成物の調製:
種々の構成成分を、順番に、下記に挙げる時間に及び温度でブラベンダーインターナルミキサーに導入する:
【表2】
ミキサーの内容物の排出又は沈降を5分後に行う。到達した温度はおよそ145℃である。
【0068】
得られた混合物を、次いで、30℃に保つロールミル中に導入し、TBBS、DPG及びイオウを導入する。均質化した後に、最終の混合物を厚さ2.5〜3mmのシートの形態でカレンダー掛けする。
【0069】
3)組成物の流動学的性質:
生の形態の組成物に関して測定を行う。Monsanto 100Sレオメーターを使用して160℃で30分間実施する流動学テストに関する結果を下記の表IIに挙げる。
【0070】
このテストに従えば、テスト組成物を温度160℃に調節したテストチャンバーに入れ、組成物は当該チャンバーを完全にいっぱいにし、テストチャンバーに入れた両円錐の低い振幅の振動に組成物が対抗する抵抗トルクを測定する。トルクの時間の関数としての変動のカーブから、下記を求める:当該温度における組成物の粘度を反映する最小トルク;加硫システムの作用が必要とする架橋度を反映する最大トルク及びデルタ−トルク;完全な加硫の90%に相当する加硫状態を得るのに必要とする時間T−90(この時間を加硫最適条件としてとらえる);並びに当該温度(160℃)における最小トルクよりも2点増大するのに要する時間に相当し、この温度において生混合物を、加硫の開始を何ら起きさせないで使用することが可能である時間を反映する焼け時間TS−2。
【0071】
得られた結果を下記の表IIに挙げる
【0072】
【表3】
【0073】
4)加硫ゴムの機械的性質:
160℃において20分間均一に加硫した組成物に関して測定を行う。
【0074】
測定された性質及び得られた結果を下記の表IIIにまとめる:
【0075】
【表4】
【0076】
例3及び4の組成物は、硬化後に、カップリング剤を用いない対照混合物に比べて大きくかつTESPTシランを用いて得られる(対照2)のに比べて大きくなり得る高い歪(300%M)下のモジュラス値及び強化指数を示すことが分かる。
【0077】
また、上述した混合物は、すべて対照1に比べて相当に大きな耐磨耗性を示すことも注記する。
【0078】
これらの指標の向上は、当業者にとり、例3及び4の組成物中に導入したカップリング剤の明白なカップリング効果によるホワイトフィラー−エラストマーカップリングの有意の向上を立証するとして知られている。
【0079】
最も特には、例4で使用したカップリング剤(例2で調製したイミドタイプのポリマーPOS/1を含む化合物)は、同時に下記を得ることを可能にするので、特に有利な性質の折衷に至ることを指摘する:
TESPTを用いて達成される(対照2)のと同様の粘度、
TESPTによって付与されるのに極めて近い300%モジュラス、
TESPTを用いて得られるのに比べて相当に大きな強化指数、
TESPTによって付与されるのに比べて相当に良好な優れたレベルの耐磨耗性。
技術分野
本発明の分野は、分子当たり、第一に少なくとも1つのヒドロキシルラジカル及び/又は少なくとも1つのアルコキシラジカル、並びに第二にマレイミド基からなる活性化されるエチレン性二重結合を含有する少なくとも1つの基をケイ素原子に結合させてなる多官能性ポリオルガノシロキサン(POSと略す)を含む新規なオルガノシリコン化合物の分野である。本発明は、また、上記の目標とするPOSに至る官能化プロセスにも関する。
【0002】
従来技術
上記の目標とする通りの多官能性POSを含む化合物は、有利な性質、例えばホワイトフィラーを補強充填剤として含むイソプレンエラストマーをベースにしたゴム組成物において(ホワイトフィラー−エラストマーカップリング用)カップリング剤として作用する性質を示すことができる。
【0003】
POSの多官能化の原理は、例えば本出願人の名称のWO−A−96/16125に開示されており、同文献は、≡Si−アルキル官能単位及び≡Si−W官能単位(Wは、特にC2〜C30炭化水素ベースの基、単純アルケニル基、不飽和脂環式基又はメルカプトアルキル基である)を有する多官能性POSの製法について開示している。
【0004】
発明の概要
出願人は、多官能化の分野の研究を継続して行って。今、少なくとも1つのアルコキシ及び/又はヒドロキシルラジカルに加えて、少なくとも1つのマレイミド基を有する新規な多官能性POSを見出したもので、これが発明の第一の主題を構成する。
【0005】
マレイミド基は、例えば炭化水素ベースのラジカルC・、メルカプトアルキルラジカルRS・、メルカプトアルキルアニオンRS−、及びシクロ付加反応(「エン」反応)のような活性種の方向への反応が特に関与される化学プロセスにおける有利な官能基であることが認められる。
【0006】
従来技術を検討すると、マレイミド官能基を利用する合成方法が変更されることが判明する。しかし、出願人は、一般に提案された合成方法が、シリコーンケミストリーに適用される際に、よくあるように、用いられる作業条件がシリコーン骨格を相当に変え、その結果比例して合成方法の選択性を最小にする時に満足すべき官能化収率を供し得ないことを見出した;これらの欠点は、特にFR−A−2 295 959及びFR−A−2 308 126に開示されているプロセスについて遭遇される。
【0007】
これより、本発明の別の目的は、実施するのが容易でありかつ官能化されたPOSに選択性、安定性及び収率を、従来まだ達成されたことのない優れたレベルで与えるすばらしい利点を供するマレイミド官能基を有するPOSを製造するプロセスを提供するにある。
【0008】
発明の開示
発明の第一の主題
従って、本発明は、下記に関し、これを第一の主題とする:
下記式の同一の又は異なる単位を含有する多官能性POSを含むオルガノシリコン化合物:
【化11】
式中:
(1)記号R2は、同一でも又は異なってもよく、各々炭素原子1〜6を含有する線状もしくは枝分れアルキルラジカル、炭素原子5〜8を含有するシクロアルキルラジカル及びフェニルラジカルから選ぶ一価の炭化水素ベースの基を表し;記号R2は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、シクロヘキシル及びフェニルラジカルから選ぶのが好ましく;記号R2は、メチルラジカルであるのが一層好ましく;
(2)記号Yは、同一でも又は異なってもよく、各々ヒドロキシル又はアルコキシ官能基R1O(R1は炭素原子1〜15を含有する線状もしくは枝分れアルキルラジカルを表す)を表し;記号Yは、ヒドロキシルラジカル及び炭素原子1〜6を含有する線状もしくは枝分れアルコキシラジカルから選ぶのが好ましく;記号Yは、ヒドロキシルラジカル及び炭素原子1〜3を含有する線状もしくは枝分れアルコキシラジカル(すなわち、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及び/又はイソプロポキシ)から選ぶのが一層好ましく;
(3)記号Xは、同一でも又は異なってもよく、各々下記の(II/1)、(II/2)及び(II/3)式を有するラジカルから選ぶ、活性化されるエチレン性二重結合を有する官能基、並びにこれらの混合物を表し;
【化12】
但し:
官能基Xの内の少なくとも1つは、(II/1)式に一致し、
適する場合には、(II/1)式の官能基Xと(II/2)及び/又は(II/3)式の官能基Xとの混合物が存在する時は、官能基Xのすべてにおける(II/2)及び/又は(II/3)式の官能基Xのモル分率は、平均で12モル%以下であり、5モル%以下であるのが好ましく、
式中:
R3は、炭素原子1〜15を含有する線状もしくは枝分れ二価アルキレンラジカルであり、それの自由原子価は炭素原子が持ちかつケイ素原子に結合され、該R3ラジカルは、アルキレン鎖において少なくとも1つのヘテロ原子(酸素及び窒素のような)又は少なくとも1つのヘテロ原子(酸素及び窒素のような)を含む少なくとも1つの二価の基、特に−O−、−CO−、−CO−O−、−COO−シクロヘキシレン(随意にOHラジカルによって置換される)、−O−アルキレン(随意にOH又はCOOHラジカルによって置換される線状もしくは枝分れC2〜C6)、−O−CO−アルキレン(随意にOH又はCOOHラジカルによって置換される線状もしくは枝分れC2〜C6)、−CO−NH−、−O−CO−NH−及び−NH−アルキレン(線状もしくは枝分れC2〜C6)−CO−NH−から選ぶ一般式:
【化13】
の少なくとも1つの二価の残基が割り込む可能性があり;R3は、また、−(オルト、メタ又はパラ)フェニレン(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン、−(オルト、メタ又はパラ)フェニレン−O−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン−、−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン−(オルト、メタ又はパラ)フェニレン(線状もしくは枝分れC1〜C6)アルキレン−、及び−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン(オルト、メタ又はパラ)フェニレン−O−(線状もしくは枝分れC1〜C6)アルキレン−から選ぶ一般式:
【化14】
の二価の芳香族ラジカルを表し;記号R3は、下記の式:−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CH2−CH(CH3)−、−(CH2)2−CH(CH3)−CH2−、−(CH2)3−O−(CH2)3−、−(CH2)3−O−CH2−CH(CH3)−CH2−、−(CH2)3−O−CH2CH(OH)−CH2−に一致するアルキレンラジカルを表すのが好ましく;R3は、−(CH2)2−又は−(CH2)3−ラジカルであるのが一層好ましく;特に詳細には、R3の先の定義において、上述した二価の残基及びラジカルが対称でない時は、それらは、原子価v1で左に及び原子価v2で右に、又は逆に、原子価v2で左に及び原子価v1で右に位置付けられることができ、
記号R4及びR5は、同一でも又は異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノラジカル、炭素原子1〜6を含有する線状もしくは枝分れアルキルラジカルを表し;記号R4及びR5は、水素原子、塩素原子並びにメチル、エチル、n−プロピル、及びn−ブチルラジカルから選ぶのが好ましく;これらの記号は、水素原子及びメチルラジカルから選ぶのが一層好ましく;
(4)記号a、b及びcは、各々下記から選ぶ整数又は分数を表し;
a:0、1、2又は3;
b:0、1、2又は3;
c:0又は1;
a+b+cの合計は、ゼロと異なりかつ≦3であり;
(5)R6SiO3/2単位(「T」単位)(式中、R6は、R2、Y及びXの定義に一致するラジカルから選ぶ)の含量は、分子当たり、100ケイ素原子当たりのこれらの単位の数として表して、30%以下であり、20%以下であるのが好ましく;
(6)官能基Yの含量は、分子当たり、100ケイ素原子当たりの官能基Yの数として表して、少なくとも0.8%であり;1%〜100%の範囲であるのが好ましく;
(7)官能基Xの含量は、分子当たり、100ケイ素原子当たりの官能基Xの数として表して、少なくとも0.4%であり、0.8%〜100%の範囲であるのが好ましい。
【0009】
記号a、b及びcが取り得る値及び点(5)に挙げる詳細を前提とすると、(I)式の各々の多官能性POSが、線状構造又は環状構造、又はこれらの構造の混合物のいずれかを有し得、これらの構造が、また、所定のモル量の枝分れ(「T」単位)を有する可能性があることを理解すべきである。
【0010】
発明は、「多官能性POSを含む」オルガノシリコン化合物に関し;この表現は、本発明の一部を形成する各々のオルガノシリコン化合物が、多官能性POSの純形態の形態又はそのようなPOSと可変重量(混合物中50%よりもずっと少ないのが普通である)の下記からなることができる別の(又は他の)化合物との混合物の形態になることができることを意味すると解釈すべきである:
(i)出発試薬であって、それらから多官能性POSが調製されるものの転化度が完全でない時の、該試薬の内の一方及び/又は他方;及び/又は
(ii)出発試薬のシリコーン骨格の完全な又は不完全な変更から誘導される生成物;及び/又は
(iii)縮合反応、加水分解及び縮合反応及び/又は再分配反応によって調製される、所望の多官能性POSのシリコーン骨格の変更から誘導される生成物。
【0011】
一層具体的に言うと、発明の範囲に含まれるオルガノシリコン化合物は、本質的に線状でありかつ下記の平均式を有する、(I)式に従うPOSの系統から選ぶ多官能性POSを含む化合物である:
【化15】
式中:
(1’)記号T1は、HO1/2及びR1O1/2(R1ラジカルは、上に定義した通りである単位)から選び;
(2’)記号T2は、記号T1と同一でも又は異なってもよく、HO1/2及びR1O1/2単位及び(R2)3SiO1/2単位(R1及びR2ラジカルは、上に(I)式に関して点(2)及び(1)に定義した通りである)から選び;
(3’)記号R2、X及びYは、上に(I)式に関して点(1)、(3)及び(2)に定義した通りであり;
(4’)記号R6は、R2、X及びYの定義に一致するラジカルから選び;
(5’)記号m、n、p、q、r、s及びtは、各々下記の累加条件を満足する整数又は分数を表し:
m及びtは、各々常にゼロと異なる数であり、これらの合計は、2+sに等しく、
nは、0〜100の範囲であり、
pは、0〜100の範囲であり、
qは、0〜100の範囲であり、
rは、0〜100の範囲であり、
sは、0〜75の範囲であり、
n=0の時、pは常に0と異なる数でありかつp=0の時、nは常にゼロと異なる数であり、
ケイ素原子の合計数となるn+p+q+r+s+tの合計は、2〜250の範囲であり、
「T」単位の含量となる100s/(n+p+q+r+s+t)の比は、≦30であり、≦20であるのが好ましく、
官能基Yの含量となる100(m+p+r+s[R6=Yの時]+t)/(n+p+q+r+s+t)の比は、≧1であり、4〜100の範囲であるのが好ましく、
官能基Xの含量となる100(n+p+s[R6=Xの時])/(n+p+q+r+s+t)の比は、≧1であり、2〜100の範囲であるのが好ましい。
【0012】
用いるのが好ましいオルガノシリコン化合物として、(III)式(式中:下記である)に該当する本質的に線状のオリゴマー及びポリマーPOS/1を含むものを挙げることができる(この場合に、これらを略してイミドタイプのポリマーPOS/1と呼ぶことにする):
(1”)記号T1は、上に点(1’)に挙げた通りに定義し;
(2”)記号T2は、上に点(2’)に挙げた通りに定義し;
(3”)記号R2、X及びYは、上に点(3’)に挙げた通りに定義し;
(4”)記号R6は、上に点(4’)に挙げた通りに定義し;
(5”)記号m、n、p、q、r、s及びtは、下記の累加条件を満足し:
m+t=2+s、
nは、0〜50の範囲であり、
pは、0〜20の範囲であり、
n=0の時、pは少なくとも1に等しくかつp=0の時、nは少なくとも1に等しく、
qは、0〜48の範囲であり、
rは、0〜10の範囲であり、
sは、0〜1の範囲であり、
ケイ素原子の合計数となるn+p+q+r+s+tの合計は、2〜50の範囲であり、
「T」単位の含量となる100s/(n+p+q+r+s+t)の比は、≦10であり、
官能基Y(記号T1、T2及びYによって表される単位によってもたらされる)の含量となる100(m+p+r+s[R6=Yの時]+t)/(n+p+q+r+s+t)の比は、4〜100の範囲であり、10〜100の範囲であるのが更に良好であり、
官能基Xの含量となる100(n+p+s[R6=Xの時])/(n+p+q+r+s+t)の比は、10〜100の範囲であり、20〜100の範囲であるのが更に良好である。
【0013】
また、発明の範囲に含まれるオルガノシリコン化合物は、(I)式に従うPOSの系統から選ぶ、環状でありかつ下記の平均式を有する多官能性POSを含むものである:
【化16】
式中:
(3’)記号R2、X及びYは、上に(I)式に関して点(1)、(3)及び(2)に定義した通りであり;
(5’)記号n’、p’、q’及びr’は、各々下記の累加条件を満足する整数又は分数を表し:
n’は、0〜9の範囲であり、
p’は、0〜9の範囲であり、
n’=0の時、p’は少なくとも1に等しく、
p’=0の時、n’は少なくとも1に等しくかつr’もまた少なくとも1に等しく、
q’は、0〜9の範囲であり、
r’は、0〜2の範囲であり、
n’+p’+q’+r’の合計は、3〜10の範囲であり、
官能基Yの含量となる100(p’+r’)/(n’+p’+q’+r’)の比は、4〜100の範囲であり、
官能基Xの含量となる100(n’+p’)/(n’+p’+q’+r’)の比は、10〜100の範囲である。
【0014】
これらの環状多官能性POSは、(III)式の本質的に線状のPOSとの混合物として得てもよいことに留意すべきである。
【0015】
発明の第二の主題
本発明の第二の主題は、上に挙げた(I)、(III)及び(III’)式に従う多官能性POSを含む、発明に従うオルガノシリコン化合物を製造することができるプロセスに関する。
【0016】
これらのプロセスは、特に下記を伴う:
随意にジハロシラン又はジアルコキシシランの存在における、ジハロシラン又は官能基Xを有するジアルコキシシランの加水分解及び縮合反応、
官能基X及び少なくとも2つの官能基Yを有するオルガノシランとα,ω−ジヒドロキシル化線状POSとの間の縮合反応、
官能基X及び少なくとも2つの官能基Y及び/又はハロを有するオルガノシランと、随意に鎖中に1つ以上の官能基Yを有するオルガノシクロシロキンとの間の再分配及び平衡反応、
(II/2)式の官能基X及び少なくとも2つの官能基Yを有するオルガノシランと、ポリシラザンとの間のカップリング反応、
少なくとも1つの官能基Yを有しかつケイ素原子に結合される少なくとも1つの単位、特に−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン−OH、−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン−NR6H又は−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン−COOHタイプの単位で官能化された線状もしくは環状前駆物質POSと、上述した単位と反応して所望の官能基Xを発生することができる反応性化合物との間のカップリング反応。
【0017】
一層具体的に言うと、(I)、(III)及び(III’)式に従う多官能性POSを含むオルガノシリコン化合物は、例えば下記に在るプロセスによって製造する:
(a)下記式のオルガノシランを水性媒体中で加水分解し:
【化17】
(式中:記号R2及びX[(II/1)式を有する]は、すでに上に挙げた定義を有する)、
随意に下記式のオルガノシランの存在において作動する:
【化18】
そのようなプロセスは、(III)式(式中:記号T1及びT2は、各々HO1/2単位を表し、及び第一に、p=r=s=0かつ第二に、qは、0に等しい[シラン(IV)をシラン(V)の不存在において加水分解する時]か、又はゼロと異なる数である[シラン(IV)をシラン(V)の存在において加水分解する時]かのいずれかである)の多官能性POSを含むオルガノシリコン化合物を製造するのに適している。このプロセスを実施する実際的な方法に関しては、更に詳細についてFR−A−2 514 013の内容を参照することになる;
【0018】
(b)下記式のオルガノシラン:
【化19】
(式中:記号R1、R2及びX[(II/1)式を有する]は、上に定義した通りであり、dは2及び3から選ぶ数である)
を、随意に例えばカルボキシレートをベースにする触媒の存在において下記式のPOS:
【化20】
(式中:記号R2は、上に定義した通りであり、eは2〜50の範囲の整数又は分数である)
と縮合させる。そのようなプロセスは、(III)式(式中:記号T1及びT2は、各々HO1/2単位とR1O1/2単位との混合物にあり、記号p、r及びsは、d=3の時に、ゼロと異なることができるのに対し、qは、dの値かかわらず、ゼロと異なる)の多官能性POSを含むオルガノシリコン化合物を製造するのに適している。このプロセスを実施する実際的な方法に関しては、更に詳細についてUS−A−3 755 351の内容を参照するのがよい;
【0019】
(c)一方で、下記式のオルガノシラン:
【化21】
(式中:記号R2及びX[(II/1)式を有する]は、上に定義した通りであり、記号Zは、ヒドロキシル、R1O及びハロ(例えば、塩素のような)ラジカルから選び、fは2及び3から選ぶ数である)
と、他方で、下記式のオルガノシクロシロキン:
【化22】
(式中:記号R2は、上に定義した通りであり、gは3〜8の範囲の数である)と、随意に(VII)式のジヒドロキシPOSとの間で再分配及び平衡反応を、適した触媒及び水の存在において実施する。そのようなプロセスは、(III)式(式中:記号T1及びT2はHO1/2単位を表し、記号qはゼロと異なる)のPOSを含むそれ以上のオルガノシリコン化合物を製造するのに適している。
【0020】
発明の関係で用いるのが好ましいオルガノシリコン化合物は、イミドタイプのポリマーPOS/1を含むものである。イミドタイプのポリマーPOS/1を含むオルガノシリコン化合物を製造する一つの有利な手順は、(III)式において記号qがゼロに等しいイミドタイプのポリマーPOS/1を含む化合物を製造するプロセス(d)に一致し、下記の工程(d1)及び(d2)を実施するに在る:
(d1)反応を、下記の間で実施する:
(VI)式(式中、記号Xは、(II/2)式の官能基、すなわち下記式のオルガノシラン:
【化23】
を表す)オルガノシラン
及び下記式のジシラザン:
【化24】
(式中、記号R1、R2、R3、R4及びR5は、(I)式に関して点(1)〜(3)に挙げる定義に一致するラジカルであり、dは、2及び3から選ぶ数である)、
この反応を、少なくとも一種のルイス酸をベースにした、ミネラル物質(例えば、シリカ質物質)上に担持させても又は担持させなくてもよい触媒の存在において、大気圧及び温度室温(23℃)〜150℃の範囲、好ましくは60℃〜120℃の範囲で動作して実施し;
(d2)得られた反応媒体の安定化を、この媒体を、工程(d1)の間に現場形成されるイミド官能基の方向に非反応性の少なくとも一種の非求核性有機塩基の存在において動作して、(R2)3 Si−ハロ式(式中、ハロ残基は、塩素原子及び臭素原子から選ぶのが好ましい)の少なくとも一種のハロシランで処理することによって実施する。
【0021】
ジシラザンは、少なくとも出発オルガノシラン1モル当たり0.5モルに等しい量で使用し、オルガノシラン1モル当たり1〜5モルの範囲の量で使用するのが好ましい。
【0022】
好適なルイス酸は、ZnCl2及び/又はZnBr2及び/又はZnI2である。それは、少なくともオルガノシラン1モル当たり0.5モルに等しい量で使用し、オルガノシラン1モル当たり1〜2モルの範囲の量で使用するのが好ましい。
【0023】
反応は、不均質媒体中で、好ましくは溶媒又はオルガノシリコン試薬と共通の溶媒の混合物の存在において実施する。好適な溶媒は、極性の非プロトン性タイプ、例えばクロロベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、オクタン及びデカンのようなものである。一層好ましく選定する溶媒は、トルエン及びキシレンである。
【0024】
プロセス(d)は、それ自体知られている任意の手順に従って実施してよい。適している手順の一つは、下記の通りである:第一段で、反応装置にルイス酸を供給し、次いで、オルガノシランを溶媒のすべて又はいくらかに溶解させた溶液を徐々に加え;第二段で、反応混合物を選定した温度にもたらし、次いで、ジシラザンを加え、これは、随意に溶媒のいくらか中の溶液の形態で使用することができ;次に、第三段で、得られた反応混合物を、それを安定化するために、一種以上の有機塩基の存在において少なくとも一種のハロシランで処理し;及び最終的に、第四段で、安定化された反応媒体をろ過してルイス酸及び安定化の間に現場で形成された塩を除き、次いでそれを減圧下で脱蔵し溶媒を除く。
【0025】
安定化工程(d2)に関しては、ハロシランは、少なくとも出発オルガノシラン1モル当たり0.5モルに等しい量で使用し、オルガノシラン1モル当たり0.5〜1.5モルの範囲の量で使用するのが好ましい。有機塩基に関しては、好適なものは、特に、第三脂肪族アミン(例えば、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン及びトリイソプロピルアミンのようなもの)及びヒンダード環状アミン(例えば、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジンのようなもの)である。有機塩基は、少なくとも出発オルガノシラン1モル当たり0.5モルに等しい量で使用し、オルガノシラン1モル当たり0.5〜1.5モルの範囲の量で使用するのが好ましい。
【0026】
イミドタイプのポリマーPOS/1を含むオルガノシリコン化合物を製造するのに用いることができる第二の有利な手順は、(III)式において、記号qがゼロと異なるイミドタイプのポリマーPOS/1を含む化合物を製造するプロセス(e)に一致し、上に示した通りに規定するが、(XI)式のジシラザンを下記式の環状ポリジシラザン:
【化25】
(式中、記号R2は、上に定義した通りであり、hは、3〜8の範囲の数である)
に代えた単一の工程(d1)を実施するに在る。
【0027】
このプロセス(e)は、プロセス(d)の実施に関して上に挙げ、上述した第一段、第二段及び第四段だけを実施することに基づく適した手順を使用して実施することができる。しかし、ポリシラザンは、少なくとも出発オルガノシラン1モル当たり0.5/hモルに等しい量で使用し、オルガノシラン1モル当たり1/h〜5/hモルの範囲の量で使用するのが好ましい(hは、(XII)式のポリシラザン中のシラザン単位の数である)ことに留意すべきである。
【0028】
プロセス(d)及び(e)を実施すると、多官能性POSの純形態の形態又は多官能性POSと可変重量(混合物中50%よりもずっと少ないのが普通である)の例えば下記からなることができる別の(又は他の)化合物との混合物の形態になることができるオルガノシリコン化合物を生成するに至る:
(i)少量の(X)式の未反応の出発オルガノシラン;及び/又は
(ii)対応する量の(X)式の出発オルガノシランを直接環化することによって形成される少量の下記式:
【化26】
のオルガノシラン;及び/又は
(iii)少量の下記式の環状多官能性POS:
【化27】
式中:
記号R2は、上に(I)式に関して点(1)に定義した通りであり、
記号Xは、上に(I)式に関して点(3)に定義した通りであり、
記号n”及びq”は、下記の累加条件を満足する整数又は分数であり:
n”は、1〜9の範囲であり、
q”は、1〜9の範囲であり、
n”+q”の合計は、3〜10の範囲であり、
該環状多官能性POSは、所望の多官能性POSのシリコーン骨格を変えることから誘導される。
【0029】
用途
上に挙げた(I)、(III)及び(III’)式に従う多官能性POSを含む、発明に従うオルガノシリコン化合物は、有利には、ホワイトフィラー、特にシリカ質物質を補強充填剤として含む、イソプレンエラストマーをベースにした天然ゴム又は合成ゴムタイプのエラストマー組成物においてホワイトフィラー−エラストマーカップリング剤として使用することができ、これらの組成物は、エラストマー性製品を製造ために意図するものである。
【0030】
カップリング剤の使用が最も有用であるエラストマー性製品のタイプは、特に下記の制限を受けるものである:大きな温度変動及び/又は動的周波数応力の大きな変動;及び/又は大きな静応力及び/又は大きな動的曲げ疲労。製品のタイプの例は、下記を含む:コンベヤーベルト、伝動ベルト、フレキシブルチューブ、エクスパンションシール、家庭電化製品に関するシール、金属外装か又はエラストマー内部に作動液を有するエンジン振動エキストラクターとして作用する支持材、ケーブル、ケーブル外装、靴底及びケーブルカー用ローラー。
【0031】
当業者ならば、バインダーとしても知られるカップリング剤であって、それの機能が、ホワイトフィラーの粒子の表面とエラストマーとの間の接続をもたらし、同時にこのホワイトフィラーをエラストマーマトリックス中に一層容易に分散させるにあるものを使用することが必要であることを知っている。
【0032】
出願人は、その研究において、下記を見出した:
第一に少なくとも1つのOHラジカル及び少なくとも1つのアルコキシラジカルを有し、並びに第二にマレイミドタイプの活性化されるエチレン性二重結合を含有する少なくとも1つの基を有する、(I)、(III)及び(III’)式に従う多官能性POSを含む化合物からなる特定のカップリング剤が、
該特定のカップリング剤をイソプレンエラストマーをベースにしたゴム組成物において使用する時に、
今日一般に、シリカ−フィラー加硫ゴムについて、焼けからの安全、使用の容易及び補強力に関して最良の折衷をもたらすが、非常に高価であることの知られている欠点を有する(例えば、特許US−A−5 562 310、US−A−5 684 171及びUS−A−5 684 172を参照)生成物と考えられるアルコキシシランポリスルフィド、特にTESPT又はビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを使用することに伴うカップリング性能特性に少なくとも同等であるカップリング性能特性を供する。
【0033】
エラストマー組成物は、下記を含む:
少なくとも一種のイソプレンエラストマー、
ホワイト強化用フィラー、及び
上に定義した、第一に少なくとも1つのヒドロキシルラジカル及び/又は少なくとも1つのアルコキシラジカルを有し、並びに第二に少なくとも1つのマレイミドタイプの活性化されるエチレン性二重結合を有する多官能性POSを含むオルガノシリコン化合物からなるカップリング剤の適した量。
【0034】
一層具体的に言うと、これらの組成物は、下記を含む(部は、重量基準で挙げる):
イソプレンエラストマー100部当たり、
ホワイトフィラー10〜150部、好ましくは30〜100部、一層好ましくは30〜80部、
組成物において多官能性POS0.5〜15部、好ましくは0.8〜10部、一層好ましくは1〜8部をもたらす量のカップリング剤又はオルガノシリコン化合物。
【0035】
上述した一般的なかつ好適な領域内で選ぶカップリング剤の量は、ホワイト強化用フィラーの重量に対して、1〜20%、好ましくは2〜15%、一層好ましくは3〜8%に相当するように決めるのが有利である。
【0036】
立ち代わって、本明細書以降で、イソプレンエラストマー及びホワイト強化用フィラーの定義に戻ることにする。
【0037】
ゴム組成物について用いる「イソプレンエラストマー」なる用語は、一層具体的には、下記を意味する:
(1)イソプレン又は2−メチル−1,3−ブタジエンを単独重合させることによって得られる合成ポリイソプレン;
(2)イソプレンを下記から選ぶエチレン性不飽和のモノマーの一種以上と共重合させることによって得られる合成ポリイソプレン;
(2.1)イソプレンと異なる、炭素原子4〜22を含有する共役ジエンモノマー、例えば1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン(又はクロロプレン)、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエンのようなもの;
(2.2)炭素原子8〜20を含有するビニル芳香族モノマー、例えばスチレン、オルト−、メタ−又はパラ−メチルスチレン、「ビニルトルエン」商用混合物、パラ−t−ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロスチレン、ビニルメシチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレンのようなもの;
(2.3)炭素原子3〜12を含有するビニルニトリルモノマー、例えばアクリロニトリル及びメタクリロニトリルのようなもの;
(2.4)アクリル酸又はメタクリル酸と炭素原子1〜12を含有するアルカノールとから誘導されるアクリル系エステルモノマー、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレートのようなもの;
(2.5)上述したモノマー(2.1)〜(2.4)の内の幾種かを一緒にした混合物;
イソプレン単位99〜20重量%とジエン、ビニル芳香族、ビニル系ニトリル及び/又はアクリル系エステル単位1〜80重量%とを含有し、例えばポリ(イソプレン−ブタジエン)、ポリ(イソプレン−スチレン)及びポリ(イソプレン−ブタジエン−スチレン)からなるポリイソプレンコポリマー;
(3)天然ゴム;
(4)イソブテンとイソプレンとを共重合させることによって得られるコポリマー(ブチルゴム)、これらのコポリマーのハロゲン化変種、特に塩素化又は臭素化変種;
(5)上述したモノマー(1)〜(4)の内の幾種かを一緒にした混合物;
(6)主たる量(51〜99.5重量%、好ましくは70〜99重量%の範囲)の上述したモノマー(1)又は(3)と従たる量(49〜0.5重量%、好ましくは30〜1重量%の範囲)のイソプレンエラストマーと異なる一種以上のジエンエラストマーとを含有する混合物。
【0038】
「イソプレンエラストマーと異なるジエンエラストマー」なる表現は、それ自体知られているように、下記を意味する:上に点(2.1)で定義した共役ジエンモノマーの内の一種を重合させることによって得られるホモポリマー、例えばポリブタジエン及びポリクロロプレンのようなもの;上述した共役ジエン(2.1)の内の少なくとも二種を一緒に共重合させることによって得られるコポリマー又は上述した共役ジエン(2.1)の内の一種以上と一種以上の上述した不飽和モノマー(2.2)、(2.3)及び/又は(2.4)とを共重合させることによって得られるコポリマー、例えばポリ(ブタジエン−スチレン)及びポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)のようなもの。
【0039】
下記から選ぶ一種以上のイソプレンエラストマーを利用するのが好ましい:(1)合成ポリイソプレンホモポリマー;(2)ポリ(イソプレン−ブタジエン)、ポリ(イソプレン−スチレン)及びポリ(イソプレン−ブタジエン−スチレン)からなる合成ポリイソプレンコポリマー;(3)天然ゴム;(4)ブチルゴム;(5)上述したエラストマー(1)〜(4)を一緒にした混合物;(6)上述したエラストマー(1)又は(3)を主たる量で並びにポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリ(ブタジエン−スチレン)及びポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)からなる、イソプレンエラストマーと異なるジエンエラストマーを従たる量で含有する混合物。
【0040】
下記から選ぶ一種以上のイソプレンエラストマーを利用するのが一層好ましい:(1)合成ポリイソプレンホモポリマー;(3)天然ゴム;(5)上述したエラストマー(1)及び(3)の混合物;(6)上述したエラストマー(1)又は(3)を主たる量で並びにポリブタジエン及びポリ(ブタジエン−スチレン)からなる、イソプレンエラストマーと異なるジエンエラストマーを従たる量で含有する混合物。
【0041】
本明細書中で、「ホワイト強化用フィラー」なる表現は、「ホワイト」(すなわち、無機又はミネラル)フィラーを定義する意図であり、これは、ときとして「クリア」フィラーと呼ばれ、カップリング剤と異なる手段を用いないで、それ自体で、ゴムタイプのエラストマー組成物を強化することができ、該エラストマーは、天然でも又は合成でもよい。
【0042】
ホワイト強化用フィラーは、任意の物理的状態でよく、すなわち、該フィラーは、粉末の状態でも、ミクロパールの状態でも、顆粒の状態でも又はビーズの状態でもよい。
【0043】
ホワイト強化用フィラーは、シリカ、アルミナ又はこれらの二種の混合物からなるのが好ましい。
【0044】
ホワイト強化用フィラーは、シリカを単独で又はアルミナとの混合物として採用したものからなるのが一層好ましい。
【0045】
BET比表面積≦450m2/gの当業者に知られている任意の沈降又は熱分解法シリカが、発明において用いることができるシリカとして適している。沈降シリカが、慣習的であり又は高度に分散性になり得るので、好適である。
【0046】
「高度に分散性のシリカ」なる表現は、ポリマーマトリックス中で脱凝集し(de−aggregate)て分散する非常に強い能力を有する任意のシリカを意味し、この能力は、薄いスライス上で電子又は光学鏡検法によって観察することができる。挙げることができる高度に分散性のシリカの例は、CTAB比表面積が450m2/g以下のもの、特に特許US−A−5 403 570並びに特許出願WO−A−95/09127及びWO−A−95/09128に開示されているものを含み、これらに限定せず、これらの特許及び特許出願の内容を本明細書中に援用する。処理された沈降シリカ、例えば特許出願EP−A−0 735 088に開示されているアルミニウム−「ドープされた」シリカもまた適しており、同特許出願の内容もまた本明細書中に援用する。
【0047】
特に適している沈降シリカは、下記を有するものであるのが一層好ましい:
CTAB比表面積100〜240m2/g、好ましくは100〜180m2/gの範囲、
BET比表面積100〜250m2/g、好ましくは100〜190m2/gの範囲、
DOP油吸収量300ml/100g未満、好ましくは200〜295ml/100gの範囲、
BET比表面積/CTAB比表面積比1.0〜1.6の範囲。
【0048】
「シリカ」なる用語が、また異なるシリカのブレンドも意味することは言うまでもない。CTAB比表面積は、1987年11月のNFTメソッド45007に従って求める。BET比表面積は、1987年11月のNFT規格45007に相当する「The Journal of the American Chemical Society、80巻、309頁(1938)」に記載されているBrunauer−Emmett−Tellerメソッドに従って求める。
【0049】
用いるのが有利な強化用アルミナは、文献EP−A−0 810 258に開示されている通りの、下記を有する高度に分散性のアルミナである:
BET比表面積30〜400m2/g、好ましくは80〜250m2/gの範囲、
平均粒径500nm以下、好ましくは200nm以下、
高い含量の反応性Al−OH表面官能基。
【0050】
特に挙げることになるそのような強化用アルミナの例は、Baikowski社からのA125、CR125及びD65CRアルミナを含み、これらに限定しない。
【0051】
ゴムタイプの組成物が、また、エラストマー組成物及びゴム組成物の分野で通常使用されるその他の更なる構成成分及び添加剤のすべて又はいくらかを含有することは言うまでもない。
【0052】
これより、下記のその他の構成成分及び添加剤のすべて又はいくらかを使用してよい:
加硫システムに関しては、例えば下記を挙げることになる:
イオウ及びイオウ付与性化合物、例えばチウラム誘導体のようなものから選ぶ加硫剤;
加硫促進剤、例えばグアニジン誘導体、チアゾール誘導体又はスルフェナミド誘導体のようなもの;
加硫活性剤、例えば酸化亜鉛、ステアリン酸及びステアリン酸亜鉛のようなもの;
【0053】
その他の添加剤に関しては、例えば下記を挙げることになる:
慣用の強化用フィラー、例えばカーボンブラックのようなもの(この場合に、使用するホワイト強化用フィラーは、ホワイト強化用フィラー+カーボンブラックの合計重量の50%よりも多くを構成する);
補強をほとんど又は何らもたらさない慣用のホワイトフィラー、例えばクレー、ベントナイト、タルク、チョーク、カオリン、二酸化チタン又はこれらの種の混合物のようなもの;
酸化防止剤;
オゾン亀裂防止剤、例えばN−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミンのようなもの;
可塑剤及び加工補助剤。
【0054】
ゴム組成物の加硫(又は硬化)は、知られているようにして、温度通常130℃〜200℃の範囲で、特に硬化温度、使用する加硫システム及び研究中の組成物の加硫速度論に応じて、例えば5〜90分の範囲にすることができる十分な時間の間実施する。
【0055】
下記の例は、本発明を例示するものである。
【0056】
例1
本例は、イミドタイプのポリマーPOS/1を含む、発明に従うオルガノシリコン化合物の製法を例示する。
この化合物は、本明細書中上に概略したプロセス(d)を、(X)式の出発オルガノシランとして、N−[γ−プロピル(メチルジエトキシ)シラン]マレアミド酸を用いて実施することによって調製する。
【0057】
1.出発マレアミド酸シランの製法:
プロセスを、攪拌システム及び添加漏斗を装備した2リットルガラス反応装置において行う。(C2H5O)2CH3Si(CH2)3NH2式のγ−アミノプロピルシラン(244.82g、すなわち1.28モル)を温度20℃(反応温度は、反応装置の下に置いた氷水浴によってこの値に保つ)で溶媒としてのトルエン(442.5g)中の無水マレイン酸(128.2g、すなわち1.307モル)の溶液に105分の期間かけて徐々に加える。次いで、反応媒体を23℃で15時間放置する。この時間の終わりに、反応媒体を多孔度3の焼結漏斗を通してろ過し、こうしてトルエン中の所望のマレアミド酸シランの溶液(該溶液を、それが得られる形態で使用する)を回収して下記のプロセス(d)を実施する。この溶液は、溶液100g当たりマレアミド酸シラン0.157モルを含有する。
【0058】
2.プロセス(d)を実施することによるイミドタイプのポリマーPOS/1を含むオルガノシリコン化合物の製法:
第一段:ZnCl2(43.78g、すなわち0.3214モル)を、攪拌システム及び添加漏斗を装備した0.5リットルガラス反応装置の中に導入し、次いで固体を80℃で3×102Paの減圧下で1時間30分の間加熱し;反応装置をアルゴン雰囲気下で作動して大気圧に戻し、次いで先に点1で得られたトルエン中のマレアミド酸シラン(41.5g、すなわち0.143モル)の溶液91.45gを徐々に加え;
第二段:反応混合物を温度54℃にもたらし、次いでヘキサメチルジシラザン(65.12g、すなわち0.403モル)を1時間の期間かけて徐々に加え;この添加の終わりに、反応媒体の温度は82℃になり、反応媒体の温度をこの値に更に1時間30分間保ち;
第三段:N−メチルモルホリン(20.14g、すなわち0.199モル)を、温度約−20℃で作動して、反応媒体の中に導入した後に、トリメチルクロロシラン(21.49g、すなわち0.198モル)を反応媒体の中に導入し;生成した反応媒体を、15時間攪拌したままにし、その間温度をゆっくり室温(23℃)に上昇させ;
第四段:得られた反応媒体を、シリカ2cmを収容する多孔度3の焼結漏斗を通してろ過し、次いで得られたろ液を、10×102Paの減圧を確立することによって30℃で脱蔵して所望のイミドタイプのオリゴマーPOS/1を含む褐色油をもたらす。該褐色油にプロトンNMR及びケイ素(29Si)NMR分析を施した。これらの分析の結果は、プロセス(d)の後に得られた反応生成物又はオルガノシリコン化合物が、下記を含有することを示す:
下記の平均式のオリゴマーの形態のイミドタイプのポリマーPOS/1 62重量%:
【化28】
及び下記の式のオルガノシラン38重量%:
【化29】
【0059】
例2
本例は、イミドタイプの別のポリマーPOS/1を含む、発明に従うオルガノシリコン化合物の製法を例示する。
この他の化合物は、本明細書中上に概略したプロセス(e)を、(X)式の出発オルガノシランとして、N−[γ−プロピル(メチルジエトキシ)シラン]マレアミド酸を用いて実施することによって調製する。
【0060】
1.出発マレアミド酸シランの製法:
プロセスを、攪拌システム及び添加漏斗を装備した2リットルガラス反応装置において行う。(C2H5O)2CH3Si(CH2)3NH2式のγ−アミノプロピルシラン(563g、すなわち2.944モル)を温度20〜22℃(反応温度は、反応装置の下に置いた氷水浴によってこの値に保つ)で溶媒としてのトルエン(1008g)中の無水マレイン酸(300.1g、すなわち3.062モル)の溶液に2時間の期間かけて徐々に加える。次いで、反応媒体を23℃で15時間放置する。この時間の終わりに、反応媒体を多孔度3の焼結漏斗を通してろ過し、こうしてトルエン中の所望のマレアミド酸シランの溶液(該溶液を、それが得られる形態で使用する)を回収して下記のプロセス(e)を実施する。この溶液は、溶液100g当たりマレアミド酸シラン0.157モルを含有する。
【0061】
2.プロセス(e)を実施することによるイミドタイプの別のポリマーPOS /1を含む、オルガノシリコン化合物の製法:
第一段:ZnCl2(168.2g、すなわち1.2342モル)を、攪拌システム及び添加漏斗を装備した3リットルガラス反応装置の中に導入し、次いで固体を80℃で4×102Paの減圧下で1時間30分の間加熱し;次いで、反応装置をアルゴン雰囲気下で作動して大気圧に戻し、次いでトルエン365cm3を加えた後に、先に点1で得られたトルエン中のマレアミド酸シラン(320g、すなわち1.107モル)の溶液704.8gを徐々に加え;
第二段:添加漏斗に環状ヘキサメチルトリシラザン(88.7g、すなわち0.404モル)及びトルエン208cm3を仕込み;反応媒体の温度を72℃にする。次いで、環状ヘキサメチルトリシラザンを2時間25分の期間かけて徐々に加え;添加の終わりに、得られたオレンジ色をした有機溶液を加熱して温度75℃にし、この温度に15時間保ち;
第四段:反応媒体を「厚紙ろ過器」を通してろ過し、次いで減圧下で脱蔵した後に、トルエンを除く。
【0062】
こうして、黄色油が得られ、これにプロトンNMR及びケイ素(29Si)NMR分析を施した。これらの分析の結果は、プロセス(e)の後に得られた反応生成物又はオルガノシリコン化合物が、下記を含有することを示す:
下記の平均式のオリゴマーの形態のイミドタイプのポリマーPOS/1 73.7重量%:
【化30】
下記の式のオルガノシラン23.1重量%:
【化31】
下記の式のオルガノシラン0.7重量%:
【化32】
及び下記の平均式の環状多官能性POS2.5重量%:
【化33】
【0063】
例3及び4
これらの例の目的は、上に定義した、第一に少なくとも1つのヒドロキシルラジカル及び/又は少なくとも1つのアルコキシラジカルを有し、並びに第二に少なくとも1つのマレイミドタイプの活性化されるエチレン性二重結合を有する多官能性POSを含むオルガノシリコン化合物のカップリング(ホワイトフィラー−イソプレンエラストマーカップリングについて)に関して性能特性を示すにある。これらの性能特性を、TESPTシランに基づく慣用のカップリング剤の性能特性と比較する。
【0064】
靴底配合物を代表する4つのイソプレンエラストマー組成物を比較する。これらの4つの組成物は、下記の相違点を除いて同一である:
組成物番号1(対照1):カップリング剤が存在しない;
組成物番号2(対照2):TESPTシランに基づくカップリング剤(4pce);
組成物番号3(例3):組成物中例1で調製したイミドタイプのポリマーPOS/1 1.86pceをもたらすカップリング剤又はオルガノシリコン化合物;
組成物番号4(例4):組成物中例2で調製したイミドタイプのポリマーPOS/1 2.65pceをもたらすカップリング剤又はオルガノシリコン化合物。
【0065】
1)イソプレンエラストマー組成物の構成:
下記の組成物(それらの構成は、重量部で表して、下記の表Iに挙げる)をブラベンダーインターナルミキサーで調製する:
【0066】
【表1】
【0067】
2)組成物の調製:
種々の構成成分を、順番に、下記に挙げる時間に及び温度でブラベンダーインターナルミキサーに導入する:
【表2】
ミキサーの内容物の排出又は沈降を5分後に行う。到達した温度はおよそ145℃である。
【0068】
得られた混合物を、次いで、30℃に保つロールミル中に導入し、TBBS、DPG及びイオウを導入する。均質化した後に、最終の混合物を厚さ2.5〜3mmのシートの形態でカレンダー掛けする。
【0069】
3)組成物の流動学的性質:
生の形態の組成物に関して測定を行う。Monsanto 100Sレオメーターを使用して160℃で30分間実施する流動学テストに関する結果を下記の表IIに挙げる。
【0070】
このテストに従えば、テスト組成物を温度160℃に調節したテストチャンバーに入れ、組成物は当該チャンバーを完全にいっぱいにし、テストチャンバーに入れた両円錐の低い振幅の振動に組成物が対抗する抵抗トルクを測定する。トルクの時間の関数としての変動のカーブから、下記を求める:当該温度における組成物の粘度を反映する最小トルク;加硫システムの作用が必要とする架橋度を反映する最大トルク及びデルタ−トルク;完全な加硫の90%に相当する加硫状態を得るのに必要とする時間T−90(この時間を加硫最適条件としてとらえる);並びに当該温度(160℃)における最小トルクよりも2点増大するのに要する時間に相当し、この温度において生混合物を、加硫の開始を何ら起きさせないで使用することが可能である時間を反映する焼け時間TS−2。
【0071】
得られた結果を下記の表IIに挙げる
【0072】
【表3】
【0073】
4)加硫ゴムの機械的性質:
160℃において20分間均一に加硫した組成物に関して測定を行う。
【0074】
測定された性質及び得られた結果を下記の表IIIにまとめる:
【0075】
【表4】
【0076】
例3及び4の組成物は、硬化後に、カップリング剤を用いない対照混合物に比べて大きくかつTESPTシランを用いて得られる(対照2)のに比べて大きくなり得る高い歪(300%M)下のモジュラス値及び強化指数を示すことが分かる。
【0077】
また、上述した混合物は、すべて対照1に比べて相当に大きな耐磨耗性を示すことも注記する。
【0078】
これらの指標の向上は、当業者にとり、例3及び4の組成物中に導入したカップリング剤の明白なカップリング効果によるホワイトフィラー−エラストマーカップリングの有意の向上を立証するとして知られている。
【0079】
最も特には、例4で使用したカップリング剤(例2で調製したイミドタイプのポリマーPOS/1を含む化合物)は、同時に下記を得ることを可能にするので、特に有利な性質の折衷に至ることを指摘する:
TESPTを用いて達成される(対照2)のと同様の粘度、
TESPTによって付与されるのに極めて近い300%モジュラス、
TESPTを用いて得られるのに比べて相当に大きな強化指数、
TESPTによって付与されるのに比べて相当に良好な優れたレベルの耐磨耗性。
Claims (9)
- 多官能性POSを含む新規なオルガノシリコン化合物であって、該多官能性POSが下記式の同一の又は異なる単位を含有することを特徴とする新規なオルガノシリコン化合物:
(1)記号R2は、同一でも又は異なってもよく、各々炭素原子1〜6を含有する線状もしくは枝分れアルキルラジカル、炭素原子5〜8を含有するシクロアルキルラジカル及びフェニルラジカルから選ぶ一価の炭化水素ベースの基を表し;(2)記号Yは、同一でも又は異なってもよく、各々ヒドロキシル又はアルコキシ官能基R1O(R1は炭素原子1〜15を含有する線状もしくは枝分れアルキルラジカルを表す)を表し;
(3)記号Xは、同一でも又は異なってもよく、各々下記の(II/1)、(II/2)及び(II/3)式を有するラジカルから選ぶ、活性化されるエチレン性二重結合を有する官能基、並びにこれらの混合物を表し;
官能基Xの内の少なくとも1つは、(II/1)式に一致し、
適する場合には、(II/1)式の官能基Xと(II/2)及び/又は(II/3)式の官能基Xとの混合物が存在する時は、官能基Xのすべてにおける(II/2)及び/又は(II/3)式の官能基Xのモル分率は、平均で12モル%以下であり、
式中:
R3は、炭素原子1〜15を含有する線状もしくは枝分れ二価アルキレンラジカルであり、それの自由原子価は炭素原子が持ちかつケイ素原子に結合され、該R3ラジカルは、アルキレン鎖において少なくとも1つのヘテロ原子(酸素及び窒素のような)又は少なくとも1つのヘテロ原子(酸素及び窒素のような)を含む少なくとも1つの二価の基、特に−O−、−CO−、−CO−O−、−COO−シクロヘキシレン(随意にOHラジカルによって置換される)、−O−アルキレン(随意にOH又はCOOHラジカルによって置換される線状もしくは枝分れC2〜C6)、−O−CO−アルキレン(随意にOH又はCOOHラジカルによって置換される線状もしくは枝分れC2〜C6)、−CO−NH−、−O−CO−NH−及び−NH−アルキレン(線状もしくは枝分れC2〜C6)−CO−NH−から選ぶ一般式:
記号R4及びR5は、同一でも又は異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノラジカル、炭素原子1〜6を含有する線状もしくは枝分れアルキルラジカルを表し;
(4)記号a、b及びcは、各々下記から選ぶ整数又は分数を表し;
a:0、1、2又は3;
b:0、1、2又は3;
c:0又は1;
a+b+cの合計は、ゼロと異なりかつ≦3であり;
(5)R6SiO3/2単位(「T」単位)(式中、R6は、R2、Y及びXの定義に一致するラジカルから選ぶ)の含量は、分子当たり、100ケイ素原子当たりのこれらの単位の数として表して、30%以下であり;
(6)官能基Yの含量は、分子当たり、100ケイ素原子当たりの官能基Yの数として表して、少なくとも0.8%であり;
(7)官能基Xの含量は、分子当たり、100ケイ素原子当たりの官能基Xの数として表して、少なくとも0.4%である。 - I式において、
(1)記号R2は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、シクロヘキシル及びフェニルラジカルから選び;
(2)記号Yは、ヒドロキシルラジカル及び炭素原子1〜6を含有する線状もしくは枝分れアルコキシラジカルから選び;
(3)記号Xによって表される官能基は、(II/1)、(II/2)及び(II/3)式の官能基、並びにこれらの混合物から選び、ここで:
適する場合には、(II/1)式の官能基Xと(II/2)及び/又は(II/3)式の官能基Xとの混合物が存在する時は、官能基Xのすべてにおける(II/2)及び/又は(II/3)式の官能基Xのモル分率は、平均で5モル%以下であり;
記号R3は、下記の式:−(CH2)2−、−(CH2)3−、−(CH2)4−、−CH2−CH(CH3)−、−(CH2)2−CH(CH3)−CH2−、−(CH2)3−O−(CH2)3−、−(CH2)3−O−CH2−CH(CH3)−CH2−及び−(CH2)3−O−CH2CH(OH)−CH2−に一致するアルキレンラジカルを表し;
記号R4及びR5は、水素原子、塩素原子並びにメチル、エチル、n−プロピル、及びn−ブチルラジカルから選び;
(5)「T」単位の含量は、20%以下であり;
(6)官能基Yの含量は、1%〜100%の範囲であり;
(7)官能基Xの含量は、0.8%〜100%の範囲である
ことを特徴とする請求項1の化合物。 - 下記:
本質的に線状でありかつ下記の平均式を有するPOS:
(1’)記号T1は、HO1/2及びR1O1/2(R1ラジカルは、上に定義した通りである)単位から選び;
(2’)記号T2は、記号T1と同一でも又は異なってもよく、HO1/2及びR1O1/2単位及び(R2)3SiO1/2単位(R1及びR2ラジカルは、上に(I)式に関して点(2)及び(1)で定義した通りである)から選び;
(3’)記号R2、X及びYは、上に(I)式に関して点(1)、(3)及び(2)で定義した通りであり;
(4’)記号R6は、R2、X及びYの定義に一致するラジカルから選び;
(5’)記号m、n、p、q、r、s及びtは、各々下記の累加条件を満足する整数又は分数を表し:
m及びtは、各々常にゼロと異なる数であり、これらの合計は、2+sに等しく、
nは、0〜100の範囲であり、
pは、0〜100の範囲であり、
qは、0〜100の範囲であり、
rは、0〜100の範囲であり、
sは、0〜75の範囲であり、
n=0の時、pは常に0と異なる数でありかつp=0の時、nは常にゼロと異なる数であり、
ケイ素原子の合計数となるn+p+q+r+s+tの合計は、2〜250の範囲であり、
「T」単位の含量となる100s/(n+p+q+r+s+t)の比は、≦30であり、
官能基Yの含量となる100(m+p+r+s[R6=Yの時]+t)/(n+p+q+r+s+t)の比は、≧1であり、
官能基Xの含量となる100(n+p+s[R6=Xの時])/(n+p+q+r+s+t)の比は、≧1である);
環状でありかつ下記の平均式を有するPOS:
(3’)記号R2、X及びYは、上に(I)式に関して点(1)、(3)及び(2)に定義した通りであり;
(5’)記号n’、p’、q’及びr’は、各々下記の累加条件を満足する整数又は分数を表し:
n’は、0〜9の範囲であり、
p’は、0〜9の範囲であり、
n’=0の時、p’は少なくとも1に等しく、
p’=0の時、n’は少なくとも1に等しくかつr’もまた少なくとも1に等しく、
q’は、0〜9の範囲であり、
r’は、0〜2の範囲であり、
n’+p’+q’+r’の合計は、3〜10の範囲であり、
官能基Yの含量となる100(p’+r’)/(n’+p’+q’+r’)の比は、4〜100の範囲であり、
官能基Xの含量となる100(n’+p’)/(n’+p’+q’+r’)の比は、10〜100の範囲である);
並びに(III)式及び(III’)式のPOSの混合物
から選ぶ多官能性POSを含むことを特徴とする請求項1又は2の化合物。 - (III)式(式中:
(1”)記号T1は、上に点(1’)に挙げた通りに定義し;
(2”)記号T2は、上に点(2’)に挙げた通りに定義し;
(3”)記号R2、X及びYは、上に点(3’)に挙げた通りに定義し;
(4”)記号R6は、上に点(4’)に挙げた通りに定義し;
(5”)記号m、n、p、q、r、s及びtは、下記の累加条件を満足し:
m+t=2+s、
nは、0〜50の範囲であり、
pは、0〜20の範囲であり、
n=0の時、pは少なくとも1に等しくかつp=0の時、nは少なくとも1に等しく、
qは、0〜48の範囲であり、
rは、0〜10の範囲であり、
sは、0〜1の範囲であり、
ケイ素原子の合計数となるn+p+q+r+s+tの合計は、2〜50の範囲であり、
「T」単位の含量となる100s/(n+p+q+r+s+t)の比は、≦10であり、
官能基Yの含量となる100(m+p+r+s[R6=Yの時]+t)/(n+p+q+r+s+t)の比は、4〜100の範囲であり、
官能基Xの含量となる100(n+p+s[R6=Xの時])/(n+p+q+r+s+t)の比は、10〜100の範囲である)
に一致する本質的に線状のオリゴマー及びポリマーPOS/1から選ぶ多官能性POSを含むことを特徴とする請求項3の化合物。 - 特に、下記:
随意にジハロシラン又はジアルコキシシランの存在における、ジハロシラン又は官能基Xを有するジアルコキシシランの加水分解及び縮合反応、
官能基X及び少なくとも2つの官能基Yを有するオルガノシランとα,ω−ジヒドロキシル化線状POSとの間の縮合反応、
官能基X及び少なくとも2つの官能基Y及び/又はハロを有するオルガノシランと、随意に鎖中に1つ以上の官能基Yを有するオルガノシクロシロキンとの間の再分配及び平衡反応、
(II/2)式の官能基X及び少なくとも2つの官能基Yを有するオルガノシランと、ポリシラザンとの間のカップリング反応、
少なくとも1つの官能基Yを有しかつケイ素原子に結合される少なくとも1つの単位、特に−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン−OH、−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン−NR6H又は−(線状もしくは枝分れC2〜C6)アルキレン−COOHタイプの単位で官能化された線状もしくは環状前駆物質POSと、上述した単位と反応して所望の官能基Xを発生することができる反応性化合物との間のカップリング反応
を伴うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一記載のオルガノシリコン化合物の製造方法。 - (III)式において、記号qがゼロに等しいポリマーPOS/1を含む、請求項4記載のオルガノシリコン化合物を製造するに際し、下記の工程(d1)及び(d2)を実施するに在ることを特徴とする請求項5の製造方法:
(d1)反応を、下記の間で実施する:
(VI)式(式中、記号Xは、(II/2)式の官能基、すなわち下記式のオルガノシラン:
この反応を、少なくとも一種のルイス酸をベースにしたミネラル物質上に担持させても又は担持させなくてもよい触媒の存在において、大気圧及び温度室温(23℃)〜150℃の範囲で動作して実施し;
(d2)得られた反応媒体の安定化を、この媒体を、工程(d1)の間に現場形成されるイミド官能基の方向に非反応性の少なくとも一種の非求核性有機塩基の存在において動作して、(R2)3 Si−ハロ式の少なくとも一種のハロシランで処理することによって実施する。 - (III)式において、記号qがゼロと異なるポリマーPOS/1を含む、請求項4記載のオルガノシリコン化合物を製造するに際し、
(VI)式(式中、記号Xは、(II/2)式の官能基、すなわち下記式のオルガノシラン:
とを反応させ、
この反応を、少なくとも一種のルイス酸をベースにした、ミネラル物質上に担持させても又は担持させなくてもよい触媒の存在において、大気圧及び温度室温(23℃)〜150℃の範囲で動作して実施する
に在ることを特徴とする請求項5の製造方法。 - 下記の作業条件:
ジシラザン(XI)を少なくとも出発オルガノシラン(X)1モル当たり0.5モルに等しい量で使用し;
ルイス酸を少なくとも出発オルガノシラン(X)1モル当たり0.5モルに等しい量で使用し;
安定化工程のハロシランを少なくとも出発オルガノシラン(X)1モル当たり0.5モルに等しい量で使用し;
安定化工程の有機塩基を少なくとも出発オルガノシラン(X)1モル当たり0.5モルに等しい量で使用する
を用いることを特徴とする請求項6の製造方法。 - 下記の作業条件:
ポリシラザン(XII)を少なくとも出発オルガノシラン(X)1モル当たり0.5/hモルに等しい量で使用し、hは、(XII)式のポリシラザン中のシラザン単位の数であり;
ルイス酸を少なくとも出発オルガノシラン(X)1モル当たり0.5モルに等しい量で使用する
を用いることを特徴とする請求項7の製造方法。
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