JP2004503161A - 複合増幅器を有する送信機 - Google Patents
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Abstract
【選択図】図1
Description
(技術分野)
本発明は、ドハティ出力回路網(Doherty output network)を介して負荷に接続される主電力増幅器及び補助電力増幅器を有するタイプの複合増幅器に関する。また、本発明は、かかる増幅器を有する送信機にも関する。
【0002】
(背景)
セルラーの基地局、衛星通信及び他の通信並びに放送のシステムにおいては、広範囲の帯域幅に亘って広がる多数の無線周波数(RF(radio frequency))搬送波が同じ高電力増幅器ないし高出力増幅器で同時に増幅される。電力増幅器に対しては、それによって瞬間的な送信電力が非常に大きな幅で非常に素速く変動することになるという結果を招く。これは、多数の独立したRF搬送波の和(すなわち、マルチ−キャリア信号)が大きなピーク対平均電力比を有する傾向にあるためである。また、それは、レイリー分布を有する帯域通過フィルタリングされたガウス雑音と似たような振幅分布を有する傾向にもある。
【0003】
PAにおいて主に困難なところは効率と線形性である。在来のB級電力増幅器は、それが負荷に対してそのピーク電力を供給するときに最大のDCからRFへの電力変換効率を呈する。加え合わされた送信信号における振幅の準レイリー分布は平均電力とピーク電力の間に大きな差を伴うので、その信号を在来のB級増幅器で増幅する場合の全般的な効率は非常に低い。10dBのピーク対平均電力比を有する準レイリー分布した信号に対しては、理想的なB級増幅器でも効率は28%にしかならない([1]参照)。
【0004】
RF電力増幅器の線形性は、そのAM−AM(AM=amplitude modulation(振幅変調))及びAM−PM(PM=phase modulation(位相変調))の歪み特性によって特徴付けられるのが一般的である。非線形性は、信号のそれぞれ異なる部分が互いに混ざり合ったクロス−ミキシング(cross−mixing)として現れ、不要な周波数帯域中へ信号エネルギーが漏れるという結果を生じさせる。電力増幅器の全体的な電圧の振れ幅におけるより狭い部分に出力信号を制限することによって線形性を増すことはできる。しかし、それによって増幅器の効率はより一層低下してしまう。さらに、電力増幅器の線形性は、その電力増幅器が飽和状態になれば大幅に低下する(出力電圧がクリップされる)。このため、増幅器を飽和状態で駆動すると歪みが許容できないレベルに到達するので、増幅器を飽和状態で駆動することによって効率を増加させるのは不可能ということになる。
【0005】
RF電力増幅器の効率を増加させる1つの方法としては、[1,2,3]のドハティ原理を利用することが挙げられる。ドハティ増幅器は、その基本的な形態として、2つの増幅器段である主増幅器と補助増幅器を用いる(主増幅器、補助増幅器は、それぞれキャリア増幅器、ピーキング増幅器とも呼ばれる。)。負荷は補助増幅器に接続され、主増幅器は、一般に四分の一波長伝送線路若しくは等価集中回路網からなるインピーダンス変換器を介して負荷に接続される。
【0006】
低い出力レベルでは主増幅器だけが作動し、補助増幅器は遮断される。この領域においては、主増幅器から見た(変成された)負荷インピーダンスがピーク電力でのインピーダンスよりも高く、これによってこの領域における主増幅器の効率が増加する。出力レベルがいわゆる遷移点以上に(一般的には最大出力電圧の半分に)上昇すると、補助増幅器が作動する状態となり、負荷への電流を駆動する。四分の一波長伝送線路のインピーダンス変換動作を介することにより、これが主増幅器の出力における実効インピーダンスを低減し、主増幅器が遷移点以上で一定の(ピーク)電圧に保たれるようにする。その結果として、従来からの増幅器よりも極めて高い効率を有しつつ、出力対入力の電力の関係は実質的に線形になる。
【0007】
遷移点は、より低い電力レベル若しくはより高い電力レベルで補助増幅器が利いてくるようにシフトすることができる。このことは、特定のタイプの信号や特定の振幅分布について効率を増加させるのに利用することができる。遷移点をシフトした場合には、それに応じてピーク電力における各増幅器間での電力分配がシフトし、かつ、それぞれの増幅器における平均電力損失も変化する。この後者の作用効果は、さらに、具体的な振幅分布にも依存する。
【0008】
ドハティの概念は、さらに多段の(補助増幅器が1つより多い)変形にも拡張されている([1,4,5])。これは、より幅広いレンジの出力電力レベルとより広い範囲の変化する振幅分布に亘って効率を高く保つことができるようにする。あるいは他の形態として、特定の振幅分布と特定の電力レベルについての平均効率をより高くすることもできる。
【0009】
元来からのドハティ増幅器では、2つの増幅器の出力の間に直接接続された四分の一波長伝送線路を用いている。しかし、最新技術のRF電力トランジスタでは非常に低い負荷インピーダンスが要求されており、これによれば元来のドハティ構成に係る四分の一波長伝送線路もそれに応じた低いインピーダンスで設計しなければならなくなる。この問題に対する解決策は、[3]及び[6]において示されており、そして、[7]において利用されている。その解決策は、単一若しくは複数の四分の一波長インピーダンス変成器によって得られるインピーダンス変換器をインピーダンスがより高い地点の間に配置するものである。
【0010】
ドハティ増幅器は、特に狭い周波数帯域の外側において、非線形となり、かつ、「それらの効率に逆比例して」線形性を有するものであることが知られている([7])。相互変調積を可能な限り多く「任意抽出」するために、それぞれ異なるインピーダンス変換器中心周波数、それぞれ異なる補助増幅器用バイアス及びそれぞれ異なる整合(マッチング)構成を有する多数のドハティ増幅器を並列接続することにより、歪みを低減すると共に有効な帯域幅を増加させる試みもなされている([7])。この手法では、さらに、各バイアス・レベルの複雑なトリミング(trimming)も伴う。
【0011】
詳細な解析によれば、ドハティ増幅器は、たとえ理想的な構成要素で作られている場合であっても、非常に狭い周波数帯域以外のすべての周波数帯域について非線形であることが示されている。さらに、その結果は、通常のB級増幅器、A級増幅器ないしAB級増幅器では線形性に影響を与えない損失がドハティ増幅器では激しい非線形性を生じさせることも示している。その上、ドハティ増幅器においては、単に損失が加わるだけでなく、それらの損失が主増幅器を最適でない状態で機能させ得るので、(結果としての効率はやはりドハティの方が高いのではあるが)損失によって通常の増幅器の場合よりも効率が大きく減少し得る。これらの作用については、より詳細な解説を以下に述べる。
【0012】
さらに別の重要な特徴として、インピーダンス変換をする回路網がただ1つの周波数において90度の位相シフトを与えるに過ぎないことから、ドハティ増幅器には固有の帯域制限があるという点が挙げられる。この帯域制限による結果として、いくつかの作用が生じる。
【0013】
重要な作用の1つとしては、中心周波数から離れた周波数で出力が歪むことが挙げられる。この作用は、中心周波数から離れた周波数で四分の一波長回路網のインピーダンス(損失のないケースでは主にリアクタンス)が増大することに起因しており、広帯域で線形の適用形態にドハティ増幅器を利用することを厳しく制限する。その歪みは、インピーダンス変換器における補助増幅器からの非線形な電流の(インピーダンスがゼロでないが故の)反射に起因したものであるため、たとえすべての構成要素が線形かつ無損失であっても発生する。その結果として生じる電圧は、増幅された出力信号において強い周波数依存性を有する非線形な成分として現れる。
【0014】
また別の作用として、制限された周波数帯域の範囲外では、ドハティ原理、すなわち、主増幅器における一定の遷移点を超えるRF電圧上昇の抑圧が不完全に機能することが挙げられる。これは、抑圧をするには主増幅器からの電圧と補助増幅器からの電圧が主増幅器の出力において完全に逆位相になっていることが要求されるためである。四分の一波長回路網は、実際には、中心周波数で四分の一波長(90度)の位相シフトをするに過ぎないものであって、中心周波数以下の周波数ではより短い位相シフトをし、中心周波数以上の周波数ではより長い位相シフトをするので、その要求は、周波数がインピーダンス変換器の中心周波数から離れれば離れるほどますます満たされないことになる。
【0015】
さらに、出力信号は、四分の一波長回路網からの反射を通じて帯域通過フィルタリングされる。
【0016】
トランジスタ、インピーダンス変換器及びDC供給回路網における損失は、さらに予期せぬ歪みを発生させる。これは、それらの損失が補助増幅器から見たインピーダンス変換器におけるインピーダンスを理想的な短絡状態でない抵抗性のものとするためである(電流発生器の無限インピーダンスに取り付けた損失のない無損失四分の一波長伝送線路は中心周波数において短絡回路になる。)。四分の一波長回路網における損失に加えて、主増幅器の出力における有限の抵抗も歪みを発生させることになる。それらの損失によって出力に生じる歪みは、同じタイプの反射、すなわち、先に述べた周波数依存性の歪みを発生させるインピーダンス変換器における補助増幅器からの非線形な電流の反射(ただし、ここではリアクタンスではなくて抵抗性によるもの)に起因している。
【0017】
損失は、遷移点以上の出力レベルで主増幅器における電圧がその最大電圧にはならなくなるため、さらに効率を減少させることにもなり得る。この問題は、主増幅器からより多くの電流を供給することによって軽減することができる。すると、主増幅器における電圧は、代わりに飽和によって抑制されることとなり、飽和状態になれば出力に非線形性が生じる結果となる。遷移点と補助増幅器からの出力電流を入念に調整することにより(バイアス・レベルと駆動信号の利得を調整することにより)、出力を再びより線形なものとすることもできる(少なくとも振幅の歪みは軽減する)。ここで挙げた作用は、補助増幅器の出力における増大したインピーダンスに起因している。その増大したインピーダンスにより、補助増幅器は、単位量毎の電流を供給するためにより大きな電圧を出力に対して与えることになる。ここで述べているトリミングの方法は、飽和状態の非線形性を利用することを含んでおり、この場合、その飽和状態の非線形性の正確な形が重要となってくるので、このトリミングの方法は、狭い帯域でしか機能しない上に、容易に再現できるものでもない。さらに、発生するオーバトーン(overtones)に対しての非線形な結び付きにより、それが大きな予測できないAM−PMの歪みをもたらすこともあり得る。
【0018】
上述の手法によって構成及び最適化をした通常のドハティ増幅器の非線形特性は極めて複雑である。それは、AM−AM及びAM−PMの歪みが周波数に応じて激しく変化し、かつ、振幅に応じて非線形に変化する周波数(フィルタ)特性を有する非線形性となる。このため、前置ないし事前のプレ−ディストーション(予わい)を適用することによって補償をすることは非常に困難になっている。歪みの関数に対する逆関数が歪みの関数自体よりも次数の高いものであることから、プレ−ディストーションないし前置補償をするプレ−ディストータは、非常に複雑なものとならざるを得ず(また、それ故にデジタル信号処理技術によって実現しなければならず)、かつ、プレ−ディストータは、それが補償をすべきである既に歪み拡大した信号に比べてかなり広い帯域幅を有している必要があるので、適度に広帯域の信号に対してすら、かかるプレ−ディストータを構成するのは困難である。
【0019】
結論として、現在におけるドハティ増幅器の構成法は、狭い帯域において相応な線形性の性能と効率を提供できるに過ぎないものとなっており、かつ、これを主増幅器における飽和の作用だけを頼りにして与えることができるに過ぎない。さらに、プレ−ディストーションを用いることによって広い帯域において非線形特性を補償することが容易でない。
【0020】
(要約)
本発明の目的は、ドハティ出力回路網を備える複合増幅器の線形性を高めることであって、好ましくは、その線形性を広い範囲の周波数帯域に亘って高めることである。
【0021】
この目的は、特許請求の範囲に基づいて達成される。
【0022】
要するに、本発明は、非線形な補助増幅器の出力電流をエミュレートする入力信号の非線形関数を主増幅器の駆動信号から減算する。これには、増幅器の効率を犠牲にすることなく、出力における非線形な成分を除去する(キャンセルする)という利点がある。
【0023】
前記非線形関数は、(補助増幅器がC級で機能することによって非線形な電流を生成している場合には)補助増幅器電流の関数のモデルから得ることができ、あるいは、補助増幅器用の駆動信号及びフィルタを介する交差結合用の駆動信号の双方として(この場合、補助増幅器は、線形なB級若しくはAB級の動作をするようにバイアスするものとすることができる。)、増幅した形態で予め生成して使用することもできる。
【0024】
(図面の簡単な説明)
本発明は、そのさらなる目的や利点ないし有利な効果と共に、添付図面と併せて以下の説明を参照することによって最もよく理解することができる。添付図面において、
図1は、本発明に基づく複合増幅器の代表的な実施形態の概略的なブロック図であり、
図2は、ドハティ増幅器の出力回路網のモデルであり、
図3は、補助増幅器の出力から見たインピーダンスの周波数依存性を例示した図であり、
図4は、主増幅器と補助増幅器の間のトランスインピーダンス(transimpedance)の周波数依存性を例示した図であり、
図5は、本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図であり、
図6は、従来技術によるドハティ増幅器の入力−出力電圧特性を例示した図であり、
図7は、本発明に基づく複合増幅器の入力−出力電圧特性を例示した図であり、
図8は、50オームに対する整合とLDMOSトランジスタによるドハティ出力回路網のブロック図であり、
図9は、多段ドハティ増幅器の出力回路網のモデルであり、
図10は、本発明に基づく複合増幅器の多段の実施形態の概略的なブロック図であり、
図11は、本発明に基づく多段複合増幅器の入力−出力電圧特性を例示した図であり、
図12は、本発明に基づく複合増幅器の簡素化した実施形態のブロック図であり、
図13は、図12による簡素化した複合増幅器の入力−出力電圧特性を例示した図であり、
図14は、本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図であり、
図15は、本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図であり、
図16は、本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図であり、
図17は、本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図である。
【0025】
(詳細な説明)
次に、本発明の基本的な原理について、図1〜図4を参照しつつ説明する。
【0026】
図1は、本発明に基づく複合増幅器の代表的な実施形態の概略的なブロック図である。この実施形態は、本発明の基本的な原理を例示したものとなっている。それは、主電力増幅器10と補助電力増幅器12を有している。補助増幅器12の出力は、負荷(アンテナ)14に直接接続されているのに対し、主増幅器10の出力は、四分の一波長伝送線路16を含むドハティ出力回路網を介して補助増幅器12の出力に接続されている。入力の側では、RF(Radio Frequency(無線周波数))の入力信号xが2つの枝に分岐されており、一方の枝が主増幅器10のために使用され、他方の枝が補助増幅器12のために使用されるものとなっている。補助増幅器用の枝には非線形機能ブロック18と移相器20が含まれており、非線形機能ブロック18は、入力信号xをf2(x)に変換し、移相器20は、補助増幅器12に対する入力信号を90度だけシフトする。要素22及び24については後述する。アンテナ14によっても表されているように、この複合増幅器は、送信機の一部であってもよく、例えば、セルラー移動体無線通信システムにおける基地局内の送信機の一部であってもよい。
【0027】
図2は、ドハティ増幅器の出力回路網のモデルである。このモデルにおいては、増幅器の各トランジスタ出力の作動部を線形制御される電流発生器としてモデル化してある。各トランジスタの有限な出力コンダクタンスは、存在し得るリアクタンスと共に、それぞれzp1、zp2としてまとめてある。それぞれの電流発生器の出力節点に対して現れるインピーダンスは、
【数1】
と定義される。同様に、トランスインピーダンス、すなわち、作動中の増幅器における出力電流に応じた作動中でない増幅器の出力における電圧は、
【数2】
と定義される。すべての構成要素が適度に線形であるものとすれば、このモデルを解析するのに重ね合せを利用することができる。ここでは、複合増幅器の(アンテナにおける)出力電圧が補助増幅器12における出力電圧と同じであるものとするが、実際には実物のアンテナと増幅器出力を離隔する給電ケーブルやフィルタ等があり得る。それらのすべての要素による総合的な影響は、アンテナ(出力)インピーダンスzANTに含まれる。
【0028】
理想的なドハティ増幅器では、インピーダンスz22はゼロである。すなわち、理想的なドハティ増幅器では、補助増幅器12からの電流励振は出力における電圧を発生させない。これは、無限に高いインピーダンスで終端された四分の一波長伝送線路が短絡回路を変成するためである。しかし、実用的なドハティ増幅器については、このインピーダンスがゼロでない抵抗部分と周波数依存性の強いリアクタンス部分を有している。抵抗部分(これにも周波数依存性がある。)は、主増幅器10の変成された有限の出力コンダクタンスから生じる。リアクタンス部分は、変成されたzp2及びzANTに加えて、zp1の存在し得る無効分がある程度の発生原因になっている。とはいえ、仮にそれらのリアクタンスがなかったとしても、ただ1つの周波数でしか完全な四分の一波長とならない四分の一波長変成器に起因した周波数依存性のリアクタンス部分がある。図3においては、(理想的な)損失のないケースと大きな損失(四分の一波長伝送線路における損失とトランジスタの出力コンダクタンスにおける損失の双方)を伴うケースについて、z22の大きさ(最高の負荷抵抗を1オームとして正規化したz22の大きさ)を比較したものが示してある。設計上の周波数は1GHzとなっており、損失のないケースではリアクタンス部分が800MHzから1.2GHzまで優勢になっている。損失の多いケースでは抵抗部分が優勢になっている。トランスインピーダンスz21及びz12は相反定理によって等しいものとなるが、伝送ないし伝達が低下する、すなわち、与えられる電流の刺激に対して相対する端子における電圧の大きさが低下することから、トランスインピーダンスz21及びz12も損失による影響を受ける。この影響による作用は、図4において見ることができる。
【0029】
ゼロでないインピーダンスz22は、補助増幅器12からのあらゆる電流i2を電圧として「反射」し、その電圧が出力において現れることになる。このことは、i2が所望の信号に対して線形に表現されたものとなっていれば問題とはならない。しかし、ドハティ増幅器やこれに類似する増幅器においては、その電流が(関数f2(x)の機能により)所望の信号に対して非常に非線形な関数となっている。理想的でないインピーダンスz22は、このようなことから増幅器出力を非線形なものとする。
【0030】
本発明の思想は、その非線形な信号(インピーダンスz22によりフィルタリングされたi2)のコピーを主増幅器10に対して逆位相で交差結合し、出力における歪みを効果的に除去する(キャンセルする)ことである。トランスインピーダンスz21が主増幅器10から出力への主要な線形伝達経路なので、主増幅器10の入力に対する補償は、出力における除去信号を(z21により幾らかフィルタリングされて)線形に変成することになる。そしてこのことから、交差結合する補償信号は、除去すべきものをすべて完全に除去するために、それ自体トランスインピーダンスz21のフィルタリング作用に対する補償がなされるものとなっていなければならない。これらのことから、図1における交差結合フィルタ22は、
【数3】
と表現することができる。ここで、“*”の記号は、周波数領域では掛け算を表し、時間領域では畳み込みを表す。交差結合した信号は、要素24において主増幅器10への入力信号から減算される。要素24は、デジタル形式による実現形態では加算器であり、アナログ形式による実現形態ではハイブリッドとして実現するものとしてもよい。
【0031】
本発明の基本的な原理について説明したが、続いて、図5〜図7を参照しつつ等価な周波数応答を有する実施形態について説明する。
【0032】
ドハティ増幅器における補助増幅器12の主な役割は主増幅器10における電圧を飽和状態より低く保つことであるので、主増幅器10の出力におけるすべての信号の周波数依存性は可能な限りフラットなものとなっている必要がある。これは、(補償をしていない増幅器のi1のすべてを構成する)線形な成分については、z11 −1の周波数特性を有するフィルタにより、すなわち、主増幅器10の出力から見たインピーダンスの逆フィルタにより、入力においてフィルタリングをすることによって実現される。
【0033】
トランスインピーダンスz12によってフィルタリングされるi2と、交差結合した歪み除去をする信号に対応し、z11によってフィルタリングされるi1の非線形な部分とに起因する非線形な成分については、全体として(大きさにおいてだけでなく位相においても)フラットな周波数特性を有している必要がある。異なる形態でフィルタリングされる2つの部分によって非線形な成分が形成され、かつ、出力において歪みを除去するために要求される条件としてそれらの信号の周波数特性の間に一定の関係が課されるので、それらの双方を特別な複合フィルタの逆数によってさらに付加的にフィルタリングする必要がある。手を加えていない非線形関数f2(x)が(利得の点以外で)、i1の交差結合部分についてはz22*z21 −1によってフィルタリングされ、かつ、補助増幅器12の部分については何等のフィルタリングもなされないものとすると、全体としての非線形な部分は、
【数4】
と表現される。したがって、それらの信号に対して特別に加える等化フィルタリングは、
【数5】
のような周波数応答を有するものとなっていなければならない。
【0034】
これまでのところ、システムにおける電流及び電圧の大きさについては、それらの相互関係以外は何も述べていないが、損失のないケースや四分の一波長線路の中心周波数(付近)における場合に対しては、従来からのドハティの式で事足りる。選定したトランジスタから最大の電力を引き出すためには、それらのトランジスタのうちの少なくとも1つをその最大電流Imaxで動作させる必要がある。また、ピーク電力での電圧も(場合によっては安全なマージンを伴う)最大許容電圧Vmaxとする必要がある。B級増幅器については、最適な負荷RoptはVmax/Imaxとなる。理想的なドハティ増幅器については、最適な負荷インピーダンスは、遷移点αに依存するものとなっており、Ro=Ropt(1−α)というような具合で遷移点αに応じて定まる。
【0035】
遷移点αが0.5以下である場合、理想的で損失のない狭帯域のケースにおける電流i1は、信号の振幅に伴って線形に変化し、かつ、振幅のピークでImax(1−α)に等しくなる。電流i2は、それとは違って遷移点以下での出力電圧に対してはゼロとなり、かつ、遷移点以上では(1−α)で除算したαを減算した(正規化した)振幅として変化する。これにより、補助増幅器12は、振幅のピークで電流Imaxを供給することになる。遷移点が0.5以上である場合(これは、最適化したマルチ−キャリアのケースについては非常に稀な場合であるが)、それとは違ってi1は振幅のピークでImaxに達し、i2は最大でImax(1−α)/αになる。
【0036】
損失の多い広帯域のケースについての処理手順はより込み入っている。電流及び電圧に対する制限は、狭帯域で損失のないケースについての制限と同様であるが、それらについての解析式を得ることが広帯域信号の統計的な性質によって困難になっている。この場合、それらの電圧は、使用される帯域幅、振幅分布及び信号の個々のキャリアの位相関係に依存することになる。しかし、損失の多い狭帯域のケースによれば、遭遇する具体的な信号に対して調整を行うことができる起点を与えることができる。
【0037】
損失の多いケースにおいて、無次元の入力信号xに対して適用されるときに、i1の線形な部分を得るためのフィルタは、Vmax/α*z11 −1となる。このフィルタの物理的な意味は、主増幅器10の電流発生器から見たインピーダンスがz11である場合に主増幅器10の電流発生器の出力における電圧が正規化した入力振幅αでVmaxに到達するように電流i1を発生させる、というものである。インピーダンスz11の逆フィルタであるz11 −1の項は、周波数領域で見れば1/z11に等しい。
【0038】
また、非線形関数f2(x)に対して適用されるフィルタも電流の次元を有している。これは、実用的には、所望の電流出力が最終的な結果として得られるように、相互コンダクタンスとして機能するトランジスタに対する適切な駆動電圧を発生させることによって実現する。i2を得るためにf2(x)に対して適用するフィルタは、周波数補償をしない無損失のケースでは単にj*Imaxでの乗算(90度の位相シフト)をするものである。関数f2(x)の最大振幅は、ここでは1に等しいものとする。この場合、除去項は、−j*Imax*z22*z21 −1によってフィルタリングされたf2(x)となる。主増幅器10において周波数依存性のない(周波数から独立した)非線形な電圧を実現するための補償(z12−z22*z21 −1*z11)−1は、正規化した無次元の形式によるこれらの2つの式に対して乗算するものとすることができる。
【0039】
i1の線形な部分を得るための式は、既に損失を補償している。非線形な各部分についての式は、そうするように変形しなければならない。それらの2つの非線形な電流の間の関係は既に確立しているので、これは、双方の部分の大きさ(利得)を均等に変更して主増幅器10における抑圧電圧の振幅が線形な部分と同じ傾きを有するようにすることによって成し遂げられる。掛け合わせる係数は、(z12−z22*z21 −1*z11)*j*Imax/(1−a)で除算したVmax/αである。この分母、分子は、それぞれ、それらの非線形な電流、i1の線形な部分に起因した主増幅器10における電圧についての正規化した振幅当りの電圧上昇である。この分母は、狭帯域で損失のないケースについて導き出される電流の大きさを用いる場合の電圧上昇を表している。ここで一つ特筆すべき事項として、この「新たな」補償の中には、主増幅器10において周波数依存性のない非線形な電圧を実現するための補償(z12−z22*z21 −1*z11)−1が自動的に含まれているという点がある。このため、後になっての判断であるが、正規化は実際には必須でない。
【0040】
これらのことから、i2及びi1を得るための解析式は次のようになる。
【数6】
上記同様、無次元信号のf2(x)及びxが時間領域で表されたものである場合には、“*”の記号は時間領域での畳み込みを表す。それらが周波数領域で表されたものである場合には、この記号は、それに替わって周波数応答の掛け算を表し、その逆フィルタとの掛け算は、それに替えてフィルタでの割り算で表記することもできる。これらの式からはj及び−jの係数がなくなっているが、各電流の位相は実際には前とほとんど同じである。ここでは、(z12−z22*z21 −1*z11)−1の係数中に虚数単位が取り込まれているものとしたのである。四分の一波長線路を通じた電流の電圧への変換を主に表しているのがz12(少なくとも中心周波数付近で式中の最大の部分)なので、これが中心周波数において90°の位相シフトを伴う。導き出される回路網のモデルは図5に示してある。これにより、フィルタ22、26及び28は、次式によって表すことができる。
【数7】
【0041】
これまでのところ、主増幅器10における電圧の最適化と出力における歪みの除去だけを検討し、そして、最適な電流についての式を導出した。補助増幅器12における電圧の振幅については、議論されていないまま残っている。こうしたことの理由の1つとして、固定的なハードウェア設定を想定したこと、すなわち、四分の一波長線路及び負荷のインピーダンスを一定と想定したことが挙げられる。損失のないシステムについては、これは深刻な問題ではなく、主増幅器10における最適な振幅とフラットな応答のための最適化をすることにより、出力信号の周波数依存性が僅かなものになるという作用効果が得られる。しかし、損失を考慮する場合には、入力のレベルが最大であっても、補助増幅器12における最大電圧が決してVmaxには到達しないという結果にもなり得る。この場合、依然として同じ電源電圧を有していながらもトランジスタが(ピーク出力で)負荷に対して最大電力よりも少ない電力を供給し、そして効率が下がることになるので、かかる結果はより深刻な問題を引き起こす。簡単な解決策としては、電源電圧を減らすことや、最大電圧がピーク出力に達するまで負荷インピーダンスを増やすことが挙げられる(後者の解決策による方式は、より高い効率を与え、かつ、より多くの有能出力電力を与えるので、後者の解決策の方が好ましい。)。さらに、損失の補償は、いずれのトランジスタもImaxに到達しないという結果を招く場合もあり、かかる結果によってもトランジスタを十分に活用しきれないことになる。その場合には、トランジスタからの最大限の可能な出力電力を利用するためにインピーダンス(負荷及び四分の一波長線路)を変えなければならないときもある。また同時に、最大の電流及び電圧に到達はしてもこれらを超えることはないように、双方のトランジスタを安全な領域に保つことも重要である。回路内のインピーダンスを変える場合には、記述の方式による補償の再設計が必要となる点に注意されたい。さらに、最大の電力が設計上の目標でないときには、他の目的とするところを満たすように回路を別のやり方で最適化することもできる。
【0042】
図6及び図7においては、マルチ−キャリア信号を用いてシミュレーションをした例に関して、本発明に基づく補償の作用効果が例示されている。その信号は、1GHzを中心とした80MHzの帯域幅の範囲内にある9個の搬送波から構成されたものとなっている。
【0043】
この例においては、四分の一波長伝送線路における損失とトランジスタの出力におけるコンダクタンスの(導電)損失の双方が損失として存在している。図6においては、補償をしていないケース(従来技術)について、主増幅器10及び補助増幅器12における各電圧の正規化した大きさを、望まれる大きさ(xの正規化した振幅)に対してプロットしてある。駆動信号は、双方の電圧をトランジスタの線形な(飽和しない)レンジの範囲内に保つように調整されている。遷移点以下と遷移点以上で異なっている出力信号(補助増幅器12における電圧)の傾きは、静的な非線形性を示している。これらの曲線の異なっている幅は、レベルに応じて変動する周波数依存性を示している。主増幅器10における電圧は、遷移点以上で望まれる一定のレベルに全く近接しておらず、このことは、平均効率が低くなることを意味する(ただし、それでもB級増幅器の場合よりはおそらく効率は良好である。)。
【0044】
歪みを除去し、かつ、効率を引き上げる本発明に基づいた交差結合をした後の、主増幅器10及び補助増幅器12における電圧の正規化した大きさは、図7に例示してある。回路網における損失の補償は、伝送線路インピーダンス及び負荷インピーダンスを変えることによって実施してある。出力電圧については、線形になっていることが分かる。また、主増幅器10における電圧は、効率を得るために最適なものへと明らかに近づいている。線が広がっているのは、帯域幅制限による双方の電圧、すなわち、ドハティ回路網による線形な部分とシミュレーションをした約400MHzの帯域幅による非線形な部分があるためである。
【0045】
時にはトランジスタの最適な負荷インピーダンスが四分の一波長線路及び負荷に有効なインピーダンスとは非常に異なる場合もある。また、トランジスタはパッケージとされている場合も多く、その場合には電流源の出力を間接的にしか利用できないことになる。それでも、適切な整合回路網によって四分の一波長線路をトランジスタから四分の一波長1つ分ないし2つ分の地点に移動させることにより、ドハティ増幅器を製作することはできる([3,6,7])。
【0046】
図8においては、側方拡散金属酸化物半導体(LDMOS(Laterally Diffused Metal Oxide Semiconductor))電界効果トランジスタ(FET(Field Effect Transistor))を用いた変形したドハティ回路網の一例を示してある(この適用形態では、便宜上、このような出力回路網も同様にドハティ出力回路網として考えることにする。)。それは、各トランジスタに対して直近にある2段の整合回路網と、それらの整合回路網の外部にある通常の四分の一波長線路とによって構成されている。それぞれの整合回路網は、2つのπ形整合セクションによって構成されており、それらのπ形整合セクションにおいては、キャパシタCm1が第1及び第2の(可能な限り対称な)双方のセクションの一部分となっている。通常ではLDMOSトランジスタの出力キャパシタンスCDSが非常に大きいので、トランジスタに直近の整合セクションは非常に低いインピーダンスを有するものとなる。第2のセクションは、通常では50オームのオーダーであるシステム・インピーダンスを変成してそのレベルに下げる。適切なインピーダンスZtを有する四分の一波長線路を作ることができれば、双方の枝について同等に整合をとることができる。あるいは他の形態として、負荷インピーダンスと伝送線路インピーダンスのいずれが有効かに応じて異なる整合用の回路網を用いることもできる。
【0047】
図8中の変形したドハティ回路網には、解析する意義がある節点が3つある。このケースにおいて、交差結合する歪み除去信号の設計は、主増幅器10の節点からのRF電流と補助増幅器12の節点からのRF電流がどのように出力節点における電圧として変成されるかを認定することによって始まる。これにより、交差結合部分と「ダイレクト」部分との関係が与えられ、その結果として、交差結合部分は、特別に加える−zo2*zo1 −1のフィルタを有する必要があるものとなる。ここで、
【数8】
である。変形した回路網については、さらに、電流i1の線形な部分も、その部分の利得及び周波数特性を与える式x*Vmax/α*z11 −1によって決定される。
【0048】
ダイレクト及び交差結合の各フィルタについての完全な式は、主増幅器10の電流発生器出力における非線形な電圧の「フィルタ係数の総和」(z12−zo 2*z11*zo1 −1)と「等しい傾き」の規準とによって与えられる。その処理手順は、z22及びz21に代えて新たなトランスインピーダンスzo2及びzo1を用いること以外は、簡単なドハティ回路網についての導出をした処理手順と同様である。変形した回路網について特に注意すべき事項は、狭い帯域幅によって除去の処理ないし動作に対する問題が生じ得ることである。中心周波数からあまり離れていない周波数で(z12−zo2*z11*zo1 −1)がゼロとなり得るので、電流の非線形な成分に対して適用されるこのフィルタの逆数は、それらの点において無限に高い振幅を有することになる。したがって、補償は(また、それ故に非線形な信号の帯域幅も)、それらの「補償の極」よりも十分に狭い帯域幅に制限する必要がある。これらの考慮すべき事項を別にすれば、完全に補償がなされる変形したドハティ増幅器についてのi2とi1の除去項を得るための解析式は、
【数9】
となる。
【0049】
補助増幅器12における電圧は、線形な部分及び非線形な部分についての異なる周波数依存性を有するものとなる。しかし、これは、補助増幅器12が出力節点となるわけではないので、最大の電圧及び電流を超過しない限り、補償をする必要はない。最大の(安全な)電流及び電圧に到達するがこれらを超えないものとすることにより有能電力を最大にすることについて、簡単なドハティ増幅器との関係で述べた指針は、変形したドハティ増幅器に対しても当てはまる。その秘訣は同様であり、所望の振幅レンジのある点において最大値に到達する電圧及び電流が最多となるまで負荷及び伝送線路のインピーダンスを変えることである。
【0050】
多段ドハティ増幅器では、システム内により一層多くの節点があるため、さらに別の難題が与えられる。出力においては歪みを最小にしなければならず、かつ、効率の引上げがいくつかの増幅器(最後の増幅器以外のすべて)について遷移点以上での電圧レベルを理想的に最適化するものとなっていなければならない。先に詳細に説明した基本的な法則ないし解法は依然として適用されるが、総合的に最良の結果を得るためにはトレード−オフが必要になる場合もある。以下、本発明の原理に基づいて動作する多段複合増幅器について、図9〜図11を参照しつつ説明する。
【0051】
多段ドハティ増幅器の主な特徴は、出力に対して高い伝達(トランスインピーダンス)によって結合された増幅器(電流発生器)を1つより多く有していることである。このため、線形な動作(すなわち、飽和状態となったり制限をする作用が働いたりすることのない動作)については、理想的な多段ドハティ増幅器であっても、それぞれ異なる増幅器から来る2つ若しくは3つ以上の非線形な部分によって線形な出力電圧が構成されることになる。
【0052】
線形な出力を実現するためには、2つの特別な構成が必要である。第一に、遷移点がより低い前の増幅器における電圧を抑制するために用いる非線形な信号は、出力に対する高いトランスインピーダンスを有する増幅器(通常では前記前の増幅器自体)からの同じようにフィルタリングされた非線形な信号により、出力において除去されるものとする必要がある。第二に、共に合わさって線形な出力を構成する非線形な各部分は、出力から見たときに、等しい周波数依存性と等しい利得を有するものとする必要がある。
【0053】
また、出力に対して高い伝達を有する各電流発生器は、互いに対しても高い伝達を有する。これによる作用効果は、より低電力(低出力)の増幅器を遷移点以上で一定の電圧に保つために、適切な「ドハティ効果」と同様に重要なものである。
【0054】
次に、多段ドハティ増幅器の概括的なケースについて、3段の増幅器を例として挙げて説明する。その3段の増幅器は、図9及び図10に例示してある。図9の出力回路網においては、次の定義を用いるものとする。
【数10】
【0055】
図10において、入力信号の3つの非線形関数f1(x)、f2(x)及びf3(x)は、すべて、正規化した(傾きが1に等しい)入力信号xと同じ振幅の傾きを有するものとする。また、これらの信号の位相も入力信号xの位相と同一である。
【0056】
第1の関数f1(x)は、第2の遷移点α2以下ではxに等しい。この点以上では、それはxと同じ位相を有し、かつ、その振幅は定数α2に等しい。
【0057】
第2の非線形関数f2(x)は、xの振幅がα1となるまではゼロであり、そこから振幅が線形に上昇する。
【0058】
第3の関数f3(x)は、第2の関数と同様の振舞をするが、α2以上で上昇し始める。
【0059】
第1の関数と第3の関数が加算されて合わさると入力信号xに戻る。ここで最後に述べたこと(さらに一般化すると、1つおきの関数の和が線形な入力信号に戻ること)が必要とされる主な条件であり、各非線形関数が急に変化するものではなく、かつ/又は、各非線形関数が入力の振幅ないし電力の多項式による形であったとしても、このことが主要な要件となる。遷移点以上で電圧を抑圧するように最初に設計する各信号の形は、それらが十分良好に電圧を抑圧するものでなければならないという限りで重要であるに過ぎない。
【0060】
主増幅器10における電圧は、第1の遷移点α1以上のすべてのレベルで可能な限り一定とならなければならない。前述のように、これは、主増幅器電流用のf1(x)に対してVmax/α1*z11 −1を適用することによる、この電力増幅器から見たインピーダンスについての逆フィルタリングにより、ある程度実現される。線形な出力を実現するためには、第2の補助増幅器12bからの電流が出力節点において主増幅器10からの変成された電流と同じ周波数依存性を有する信号に変成されなければならない。これは、補助増幅器12bの電流用のf3(x)に対するフィルタVmax/α1*z11 −1*z31*z33 −1の適用によって実現されるが、同時に主増幅器10の節点において電流i1及びi3に起因する電圧に対してそれぞれ異なる周波数依存性を生じさせる。これにより、この節点において非線形な周波数依存性が生じることになるので、新たな補償を創作する必要があり、そうしなければ増大したピーク対平均節点電圧比が効率を損なうことになる。補償は、正確な出力を得るために最適化したi3*z13の主増幅器10における周波数依存性と主増幅器10におけるフラットさを得るために最適化したi3*z13の周波数依存性との間の差をとることによって見出すことができる。この主増幅器10におけるフィルタリングの差は、Vmax/α1*(1−z13*z31*z11 −1*z33 −1)である。そこで、関数f3(x)は、この関数でフィルタリングされ、そして、主増幅器10の節点に対して高い伝達を有するi2の一部として挿入されるものとする。この非線形な信号は、理想的でない(理想的にはゼロである)トランスインピーダンスz32を通じて出力中に現れることになるので、それは、さらに別の電流(好ましくはi1)にも適用する必要があり、そして、それらの部分の双方は、補助増幅器12bの出力節点で合わさって除去され(相殺し)、かつ、主増幅器10においてフラットな周波数応答を有するものとしなければならない。これは、i1の部分に対して特別に加えるフィルタz32*z31 −1と双方の部分に対するフィルタ(z21−z11*z32*z31 −1)−1とを追加する(すなわち乗算する)ことによって定着して解決する。
【0061】
非線形関数f2(x)は、理想的にはi2に対してのみ適用されて主増幅器10における電圧上昇を抑圧するだけのものであるが、実用上の補償をしていないケースではトランスインピーダンスz32があるために出力に現れる。これに対する補償は、たった今述べた「差の項」についての補償と同様である。i2の部分についてはf2(x)に対してフィルタ−Vmax/α1*(z21−z11*z32*z31 −1)−1を適用し、かつ、i1の部分についてはf2(x)に対してz32*z31 −1の追加のフィルタリングを伴う負の符号がない同じフィルタを適用する。
【0062】
導き出される回路網として、iab(ここで、a,b=1,2,3)の符号で表したフィルタを有する回路網の図解した態様を例示したのが図10である。bの各符号は関数の番号を表しており、aの各符号は到達先の電力増幅器を表している。このモデルにおける各フィルタの出力は電流であり、かつ、各信号fn(x)(ここで、n=1,2,3)は無次元のものとなっているので、これらに対して各フィルタは電流の次元を有している。
【0063】
今ここで述べたことは、主増幅器10における電圧の最適化だけである。これは、主増幅器10が補助増幅器12aよりもダイナミックレンジの広い部分について一定の振幅を有している必要があるので理に適っている。補助増幅器12aにおける電圧については、それが理想的には第2の遷移点α2以上で入力信号に対してフラットな電圧振幅を有する必要があるというのに、手当がなされていないままになっている。回路内に損失がある場合には、負荷及び四分の一波長線路のインピーダンスを変えることが可能であり、かつ、遷移点を移動させることも可能であって、それによって効率を最大にすることができる。補助増幅器12aにおける電圧について補償がなされていない場合には、その理想的には遷移点以上で一定のレベルが損失によって垂下し得ることになり、たとえその「折れ曲りの部分」を目標とするVmaxに到達させることができたとしても、レベルは損失によって減少していくこととなり得る。このことは、図11に示してある。
【0064】
第2の遷移点以上での補助増幅器12aに対する補償は、補助増幅器12aにおいて、この点以上で傾きを有する非線形関数についての電圧応答の和、すなわち、f2(x)及びf3(x)についての電圧応答の和をとることによって見出すことができる。この場合、その振幅及び周波数の応答を持つ関数は、電流i1と電流i3に対するそれぞれ異なったフィルタを通じて関数f3(x)を適用することにより、補助増幅器12aの出力節点に対して逆位相で供給する。電流i1は補助増幅器12aへの主要なチャネルであり、また、i3の部分は出力において非線形性を除去するために含められる。除去のための条件を(前述のように)確立した後に、得られるフィルタ比率をi1の部分に追加し、そして、補助増幅器12aの節点における複合的な周波数依存性を計算する。次に、そのフィルタの項の逆数を双方の部分に対して追加する。これらの処理の結果として、補助増幅器12aについては第2の遷移点以上でフラットな領域が得られるが、主増幅器10におけるフラットさが犠牲になる。主増幅器10の節点電圧は、損失が少ない回路についてはあまり劣化しないが、損失があると第2の遷移点以上で上向きの傾きを有することになる。この作用による結果としては、最適な補助増幅器12aの電圧を有することによって得られるもの以上に効率が低下することになる可能性が高い。
【0065】
先の例においては、主増幅器10における周波数依存性のない線形な電圧及び非線形な電圧を得ることを起点としていた。これは、電圧レンジのフラットな部分を飽和することなく可能な限り最大に近付けて維持することができるので、効率の最適化に良好である。そして当然のことだが、最適な動作に近付けることを実現するさらに他の形態もあり、ある種の実現形態にはより好都合となり得る他の形態もある。それらのうちのいくつかを以下の段落において解説する。
【0066】
処理ないし動作の原理は、無次元の正規化した入力信号と電力増幅器からの特別に設計した電流出力の形態による「最終」生成物という観点で説明した。実用的な増幅器のシステムにおけるトランジスタや他のすべての構成要素は、上述のようにフィルタの式中に組み込まれている。実際には、入力信号は様々な形態のものとすることができ、また、多段での処理については、非線形な信号の発生と交差結合するフィルタの適用を実物の電力増幅器から離隔することができる実現形態もある。例えば、駆動関数を整形するのにデジタル信号処理を用いる場合には、入力信号を完全にデジタル形式で周波数が低いものにすることもできる。この場合、それぞれ入力電圧を制御された出力電流に変換する電力用トランジスタを駆動するための電圧の変成(電圧への変換)は、各電力増幅器に対する駆動信号が適合した周波数で適合した形式及び規模のものとなるまで、デジタル−アナログ変換、ミキサ、フィルタ及び増幅器を含む処理系統によって実施する。非線形関数及び交差結合するフィルタは、このケースでは完全にデジタル領域で実現されるものとなり、また、高周波への変換(アップコンバート)系統及びトランジスタ入力整合回路の周波数依存性に対する補償を含み得るものとなる。
【0067】
他の変形としては、非線形な処理を最終の周波数若しくは中間周波数で非線形回路によって行うものが挙げられる。これを行う手段ないし方法としては、様々な形態が利用可能であり、低電力トランジスタをC級動作させるバイアス、RF信号から抽出される「整形関数」との乗算、及び基底帯域で生成される整形関数との線形な信号の乗算を含む。この場合、交差結合するフィルタは、二重に終端される、電流入力/電圧出力若しくは電圧入力/電流出力を有する、集中型及び/又は分布型のフィルタ技術によって実現することができ、あるいは、所望の帯域に亘って適合したフィルタ応答を与えることが可能な他の任意の適切なフィルタ技術によって実現することができる。交差結合しないフィルタについても同様のことが当てはまる。
【0068】
いずれの変形においても、適用される基本的な法則がいくつかある。第一に、すべての枝が一致ないし整合した遅延を有していなければならない。すなわち、それぞれ異なる信号の間における位相及び時間の関係は、厳密に制御されていなければならない。フィルタや非線形処理には遅延があるので、非線形関数やフィルタの関数による機能が作用しないすべての枝に対し、対等の遅延による補償をする必要がある。各信号の間に所望の位相関係を確立するために用いられる計算された意図的な遅延(すなわち、四分の一波長線路)については、補償をする必要はない。第二に、すべての信号の振幅は、歪みの除去と効率の引上げが最適に機能するのに適合したものにする必要がある。
【0069】
フィルタは複雑なようにも見えるが、それらは多くの周波数依存性のインピーダンス及びトランスインピーダンスから組み立てられるので、いくつかの方法で実現の複雑さを軽減することができる。デジタル形式による実現形態では、周波数領域での乗算及び除算によって測定したインピーダンスから各フィルタを組み立てることができる。そして、それによって組み立てたフィルタは、周波数領域でのフィルタリングをするのに直接利用することもでき、あるいは、時間領域のフィルタに変換することもできる。フィルタを適切な帯域幅に制限するためには、周波数領域窓を適用することもできる。典型的な形態としては、フィルタは、20〜40タップの長さを有するFIR(Finite Impulse Response(有限インパルス応答))フィルタとして実現される。
【0070】
要約の記載欄で解説したように、補助増幅器がC級で機能することによって非線形な電流を生成している場合には、その非線形な出力電流を交差結合において利用するために別個にモデル化することができる。このケースにおいては、処理系統の末端(電力トランジスタ自体)に非線形性があるので、補助増幅器電流の関数に対しては任意的にフィルタリングをしないものとすることもできる。このようなケースにおいては、すべての歪み除去は、交差結合した経路中にあり、フィルタとC級増幅器の非線形関数のモデルの双方となる。補助増幅器12への経路が補償のフィルタリングを有し得るように、このケースにおいては、当然のことながら線形な経路(主増幅器10への線形な経路)も補償のフィルタリングを有するものとすることができ、特に、線形な経路は、その経路における他の周波数依存性を補償するために補償のフィルタリングを有するものとすることもできる。
【0071】
電力増幅器の出力から見たアンテナ回路網のインピーダンスは、増幅器を製作する時点では詳細には分からないのが通例である。しかし、それは、ドハティ出力回路におけるインピーダンスに対して影響を持っている。より十分に分かったインピーダンスを得るために用いることができる方法としては、アンテナの経路においてアイソレータを用い、より広帯域の抵抗性の特性を得、あるいは、アンテナ回路網よりも狭帯域の共振器ないしフィルタを挿入し、その部分のインピーダンス(合理的に製造段階で既に分かっているものと考えられるインピーダンス)が実物のアンテナのインピーダンスに替わって優勢となるようにする、ことを含む方法もある。
【0072】
時には最適な動作に必要とされるフィルタのすべてを実現することが実用的でないこともある。さらに、フィルタが全体としての性能(歪みの低減や効率)にどの程度寄与するかに関しては、各フィルタの間に大きな違いがある。このようなことから、省略ないし降格若しくは簡素化したフィルタによる切り詰めた変形を設計することが有用である場合もある。概して、それらの切り詰めた変形は、いずれかのフィルタないしフィルタの一部が、関与する周波数レンジに亘ってほぼ一定とみなせるものである場合において、首尾よく実現することができる。この場合、そのフィルタの中心周波数における利得及び位相の値は、完全な周波数依存性を有するフィルタの代わりにすることができる。出力における歪みの除去が機能するためには、通常は2つの枝の間に(先に説明したように)特定のフィルタ比率についての必要とされる条件がある。このため、実現が困難な場合があるフィルタの逆数を省略することはできるが、そうするとそのフィルタ自体が他方の枝に挿入されることになる。したがって、双方の枝に対して(中心周波数における)変更したフィルタの利得及び位相についての補償をする必要がある。全体的に周波数依存性を落とすことにより、非常に切り詰めた変形を得ることができる。これは、動作における周波数レンジがかなり狭い場合や出力における歪みの発生に対して損失が優勢である場合に大抵有用なものとなり得る。
【0073】
フィルタz21及びz22を得るための簡単だが上質な方法としては、実際の出力回路網にあるのと同じ受動回路素子を含む、ドハティ出力回路網を入力側にコピーしたものを用いることが挙げられる。かかる回路網を入力側で電流発生器(小信号トランジスタ)によって駆動すると、出力電圧は自動的に正しい周波数依存性を有することになる。この機能をなすためには、トランジスタ出力寄生素子、四分の一波長線路及びアンテナ回路網インピーダンスを精確にモデル化できることが必要とされる。実現可能な手段としては、より実現可能な値並びに/又はより良好な電圧及び電流のレベルが得られるように回路網におけるすべての素子のインピーダンスをスケール調整することが挙げられる。
【0074】
z21によるフィルタリングは、代わりにz12を用いることによって実現することもできる。このように、双方のインピーダンスによる非線形な信号のフィルタリングは、出力回路網のコピーを1つだけ用いることによって行うこともできる。難点となるのは、このケースにおける負荷(それを通じて電圧が得られるところの負荷)がトランジスタの寄生素子のモデルであるという点である。z21(及びz22)を用いる場合の負荷は、補助増幅器12のトランジスタの出力に寄生するもののモデルが並列に接続されたアンテナ回路網インピーダンスのモデルとなる。アンテナのインピーダンスは、よりよく分かっており、各増幅器の間にはあまり分布せず、かつ、寄生するものよりも扱い易い大きさを有している。このようなことから、適切な入力インピーダンスを有する小信号増幅器は、アンテナ回路網インピーダンスのモデルを形成するリアクタンスによって完全なものにすることができるのが容易に分かる。
【0075】
RF/マイクロ波の技術だけを用いる実現形態については、先の各段落からの思想を利用することによって簡単なドハティ増幅器を準最適に実現することもできる。その準最適性は、逆フィルタを不必要とするように各式を再編成することから得られ、先に導き出した最適な処理ないし動作に対してさほど効率が劣化しないことを示すものとなる。出力における歪みの除去は依然として完備する。非線形関数は、ある一定の遷移点にバイアスが調整されたC級増幅器によって生成することもでき、この例においては、かかるC級増幅器によって非線形関数を生成することにする。
【0076】
交差結合した経路からz21に対する逆フィルタを取り除くと共に、このフィルタ自体を代わりに補助増幅器12への経路中に挿入する。フィルタの利得及び位相は、その中心周波数における値で置き換える。さらに、ダイレクトの経路及び交差結合した経路における複合フィルタz12−z22*z21 −1*z11の逆数も、その中心周波数における利得及び位相の値で置き換え、同様に主増幅器10への線形な経路におけるz11の逆数によるフィルタリングも置き換える。残されたものは、これらの(準最適な)条件の下で効率を最大にするための補償をする利得に加えて、出力における歪みの完全な除去に必要とされる基本的なフィルタリングだけである。
【0077】
図12は、かかる回路の概略を示した図である。RF信号の非線形関数f2(x)をC級増幅器によって生成する場合には、それをC級モードの駆動増幅器G1及びG2によって生成することもできる。各除去回路網における信号レベルは、電力消費を最小限とするように低いレベルにする。より高い電圧への増幅は、主増幅器10及び補助増幅器12に対しての前置増幅器で行うのが好ましい。
【0078】
アンテナ回路網インピーダンスは、このケースでは中心周波数に同調させた並列共振器を伴う50オームの抵抗によってモデル化される。増幅器G1及びG2は、(同一の)制御される電流の発生器である。(同一の)増幅器G3及びG4の入力インピーダンスは、適宜追加するリアクタンスと共に、アンテナ回路網インピーダンスZANTをエミュレートし、また、G1及びG2の出力において寄生し得るものは、対応するZp2及びZp1に含まれている。増幅器G0は、主増幅器10に対して線形な部分についての整合する利得、遅延及び位相を与える。各電力増幅器は、必要な入力整合回路網及び前置増幅器を有している。
【0079】
すべての利得が最適に調整され、かつ、出力回路網、寄生するもの及びアンテナ回路網インピーダンスがそれらの入力側モデルによって適切にエミュレートされる場合には、性能が最適に近いものになる。図13においては、説明した状況についての主増幅器10及び補助増幅器12における電圧の大きさが例示してある。これらの曲線は、図7に示した完全に最適化したケースと同じ条件の下で同じ帯域幅を用いて得られたものである。最適ではないケースについて、主増幅器10における電圧のオーバシュート及びアンダシュート(曲線におけるフラットな部分の幅)が僅かに大きいだけであり、このことから、効率はほとんど劣化しないことになる。電圧の軌跡が広がっていることから、出力信号(補助増幅器12における電圧)の周波数依存性が増大していることが分かるが、その振幅の部分は、スペクトルのプロットにおいては全く目立たない(何等注目すべきものではない)。
【0080】
実際には、説明した方法の性能は、ドハティ出力回路網の特性がどの程度よく分かっているかによって決まることになる。出力回路網におけるトランスインピーダンスを測定することは、寄生するものとして考慮しなければならないものを(RFの)電圧プローブや電流注入器が常に有していることになるので、直接行うのが困難である場合が多い。間接的には、進行波測定(S−パラメータ)によってインピーダンスパラメータ(Z−パラメータ)を導出することができる。また、測定することが容易な異なるパラメータの組合せを選択することも可能である。必要とされるフィルタないしエミュレートする回路網は、その後で、導出されたインピーダンス及びトランスインピーダンスを用いて設計することができる。
【0081】
各トランスインピーダンス及び各インピーダンスの精確な値は、取得することが困難であるが、多くのケースでは基本的に重要でない。出力における歪みの除去を成し遂げるためには、共通の出力への2つの経路における、2つの周波数応答の正確な比率と正確な利得及び位相を得ることが最も重要な目標となる。また同様に、遷移点以上でのフラットさについて最適化をするに当たっては、結合されて合わさった非線形な部分に対する線形な部分の利得及び位相の整合が最も重要な規準となる。負荷及び四分の一波長線路のインピーダンスが正確なものである場合には、共通した利得の調整によってフラット電圧領域の振幅と出力電圧を最大値に調整することができる。
【0082】
上の記載における考え方を利用して、トリミングの方式を創作することができる。回路における様々な地点で信号を注入すると共に、除去が行われ又は別の測定可能な状態が生じるまでトリミングを行うことにより、線形性と効率について回路を最適化することができる。f2(x)の代わりに広帯域の試験信号を用いることにより、まず第一に出力における歪みの除去を取り扱うこともできる。これを現実的な動作条件の下で行うためには、主増幅器10は別の信号(出力信号中で容易に区別できる別の信号)によって同時に励振することができる。すると、出力へと向かう2つの除去を行う経路(2つのキャンセルする経路)に対しては同じ信号が供給されるので、これらの経路のフィルタ、利得及び位相のトリミングを行うことができる。
【0083】
主増幅器10への線形な経路の利得は、本線に対する出力における圧縮の開始点を観測することによって(振幅のフラットさを確保するためにいくつかの周波数で)調整することができる。f2(x)の機能を作動させないことにすれば、遷移点に対応する電力で圧縮が起こるはずである。
【0084】
最後の規準として、遷移点以上での主増幅器10における電圧上昇の最適な抑圧をするには、複合の非線形な部分に対する線形な部分の位相及び利得の整合がその節点において必要である。これを行う手段ないし方法としては、おそらくは簡単なツートーン・テスト(two−tone test)により、スペクトルの再成長を観測し、そして、これが最小限となるまで調整を行うものが挙げられる。他の手段ないし方法としては、出力への2つの経路における除去(キャンセル)によって初めに位相を調整し、そして、位相が正しいということを既知として、後から利得を調整することもできる。いずれにしても、位相の整合、すなわち、電気的な経路長の差は、調整の前に(波長の何分の1かの範囲内で)十分正確なものとし、正しい値から離れた多数の波長における極小値を回避する必要がある。さらに、現実的な(広帯域のマルチ−キャリア)信号を使用してスペクトルの再成長を観測しつつ、その間に増幅器の電力効率の経過を同時に監視して行う、トリミングの方法を利用することも可能である。
【0085】
ただ効率を観測するのではなく、遷移点以上でのフラットさのために主増幅器10における電圧をプローブで探査することは、最大の効率を達成するのに役立てることもできる。プローブは、損失を増大させたり、さもなければ回路内の状態に有害な影響を与えたりすることがないように、高いインピーダンスを有するものでなければならない。それとは別に、歪みを除去し、かつ、効率を引き上げる補償においてプローブのインピーダンスを取り入れることもできる。
【0086】
時間の経過、温度の変動及び他の環境の変化により、出力回路網及び増幅器の多くのパラメータは徐々に変化していく。このため、歪みの除去と増幅器の効率は、その当初の水準より劣化していくこともあり得る。この問題に対処するためには、パラメータの変動に対してリアルタイムで応答するように除去回路網及び線形な経路におけるフィルタ及び利得を構成することもできる。
【0087】
先の各段落で述べた調整は、出力を監視すると共にできる限り主増幅器10における電圧を監視することによって自動化することもでき、かつ、これを回路網における様々な地点で入力される信号と関連付けることもできる。そして、測定された値は、入力回路網のパラメータを変更するために利用することができる。他に採用し得る形態として、測定のためだけに利用する特別な信号(パイロット信号)を挿入することも挙げられる。除去を調整するために利用するパイロット信号は、入力回路網が適切に調整されている場合には、それ自体が出力において相殺して除去されることになる。
【0088】
歪みの除去と効率の引上げをする手法を完全にデジタルで実現する形態は、フィルタが精密な調整をより実現し易いものになるという点においてアナログでの実現形態よりも優れた利点を有する。アナログでの実現形態は回路素子の調整に頼るものとなるが、回路自体は動作中に変更するのが困難である。
【0089】
この説明では、全体を通じて、飽和状態が回避すべき状態であるということを前提とし、また、ドハティ法は、効率を最大にし、かつ、歪みを最小にしつつ、トランジスタが飽和状態とならないように維持することを確保する特別に加えた巧みな技術と共に、用いるべきものである、ということを前提としていた。しかし、こうしたことの主な理由は、もしこうしなければ、ちょうどマルチ−キャリア信号が統計的にその時間のほとんどを費やす電力レベルにおいて、より低電力の増幅器の飽和状態(特に主増幅器10の飽和状態)が発生することになるためである。したがって、この領域における非線形性に起因した出力における歪みは非常に大きなものとなる。標準的な電力増幅器は、それらの出力電力レンジの最高点で飽和状態となるように駆動されるのが通例であり、それによっていくらかの割り増しした出力電力と増加した平均効率が得られる。このことから生じる歪みは、マルチ−キャリア信号によって駆動される増幅器については、確率密度が振幅レベルの(準)レイリー分布における高い方の末端に向かって指数関数的に減少するので、かなり少ないものとなる。同じような方法は、圧縮を上回るすべての増幅器に対する同じような電圧上昇を与えるように非線形な電流を変更することにより、改良したドハティ増幅器に対しても利用することができる。ある程度、これは、補助増幅器12が飽和状態になるときにはこれ自体の手当をすることになるので、計算された意図的な変更は必要ない場合もあり得る。このとき、供給される電流は減少し、結果的には主増幅器10における電圧上昇も共に減少する。その結果としては、いくらか割り増しされた電力が得られ、より良い平均効率が得られ、そして、僅かに悪化した歪みが生じることになる。さらに、当然のことだが、この解決策を十分活用するように、それに応じて遷移点も変更することができる。この圧縮領域以下では、依然としてすべてが線形であっていずれも飽和状態にはならない。
【0090】
電力増幅器が純粋な電流源でもなければ厳密に制限される電圧源でもなくなる遷移領域があることから、飽和状態は、ある程度定義が曖昧な状態である。このため、解決策は、「フラット」な電圧レンジを超える僅かに飽和した状態に電力増幅器が維持されるところに見出すことができる。本発明によって提案する方法は、その飽和の量を極めて精確に制御して、厳密には飽和していない増幅器の効率を上回って効率が増加するが、予め設定した限界以上に歪みが増大しないようにするのに利用することもできる。
【0091】
提案する解決策は、さらに追加の線形化技術を利用することを妨げるものではない。効率を最適化すると共に、厄介な周波数依存性の歪みと他の広範囲に亘るドハティ特有の歪みの産物を除去方法によって低減した後に、装置ないし機器に特有の非線形性から生じる残りの歪みに対処することもできる。広帯域のRF増幅器やマイクロ波増幅器における歪みを低減するための一般的な方法としては、フィードフォワードの方法とプレ−ディストーションの方法の2つが挙げられる。背景の記載欄で述べたことからも分かるように、周波数依存性で広範囲に亘る歪みを低減することにより、追加の線形化技術に必要とされる条件は緩和されることになる。
【0092】
増幅器全体を取り巻く線形化ループに代わって他に採用し得る形態としては、それぞれのトランジスタ(それぞれの電力増幅器)について出力電流を線形にするものが挙げられる。これには、もしそうしなければ各電流発生器(各トランジスタ)の非線形性が出力において理想的には相殺(キャンセル)すべき電圧に対して歪みの産物を加えることになるので、上に説明した方法の歪み除去性能をより完璧にすることができるというさらなる利益がある。それらの歪みは、大きさは同じようなものとなり得るが、概して形が等しくないので、完全には除去できない残りの部分がドハティ特有の歪みの除去に対して制限を課すことになる。
【0093】
従来より、ドハティ増幅器は、「それらの効率に逆比例して」線形性を有することが知られている([7])。この文書において提供する方法は、ドハティ増幅器の線形性と効率を同時に最適化することができるので、かかるトレードオフを排除する。さらに、それらの方法は、性能を維持しつつ非常に広い帯域幅に亘ってその最適化を行うことができる。その解決策は、すべてのタイプのドハティ増幅器に対して有効であり、かつ、多くの類型に属する理想的でない事項に対しても有効であって、狭帯域近似に依存するという理想的でない事項及び線形な寄生するものに起因する理想的でない事項の双方に対しても有効である。
【0094】
より広い関連した帯域幅とより高い効率が実現可能であることは、以前は至ることができなかった領域での(変形した)ドハティ増幅器の利用を可能にする。例えば、より広い関連した帯域幅は、より低い周波数での無線システムにドハティの技術を利用することを可能にし、あるいは、小さく分けた帯域や個々のチャネルではなくシステム全体の帯域幅に用いる高効率増幅器を製作することも可能にする。実際にはより狭いレンジの帯域幅が使用される場合であっても、その方法によれば、使用する帯域幅ないしチャネルを遥かに大きな帯域幅の範囲内で柔軟に配置する統一的な増幅器を製作することが可能になる。これにより、製造しなければならない変形はより少なくなるので、製造コストはより低廉になる。
【0095】
実現形態としては、それぞれ異なる多数の形態を採用することが可能である。基底帯域周波数、中間周波数若しくは最終の(RF)周波数において、デジタル若しくはアナログの信号処理を利用することもでき、かつ、その処理は多種多様な手法によって実行することができる。それを実現する適切な形態による機能の要求に合わせて、それらの任意の組合せを利用することもできる。その解決策は、製造時若しくは保守中の特定の時点に最適化を行い、静的に利用することもでき、あるいは、増幅器の線形性及び効率を継続的に最適化するために、動的に適応するものとすることもできる。
【0096】
上の説明においては、補助増幅器の出力電流の非線形な振舞をエミュレートする交差結合した信号を主増幅器10への入力信号から減算するものとしていた。しかし、以下において図14〜図17を参照して示すように、交差結合は、実際には必ずしも必須とされるわけではない。同様の作用効果は、他の形態で成し遂げることもできる。
【0097】
図14は、本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図である。この実施形態は、図5の実施形態と等価である。異なっている点は、上段にある主増幅器10への入力枝において非線形機能18が複製されている点である。各フィルタは、図5におけるものと同じである。
【0098】
図15は、本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図である。この実施形態は、図14の実施形態を簡素化したものである。この実施形態では、上段にある主増幅器10への入力枝においてのみフィルタリングを実施する。さらに、各フィルタは、
【数11】
に比例する。
【0099】
図16は、本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図である。この実施形態では、下段の枝と上段の枝に異なる非線形関数の機能がある。上段のブロック38における非線形関数f1(x)は、2つの定数の傾きを有しており、第1の傾きが遷移点に至るまでのものであって1に等しく、かつ、第2の減少している傾きが下段の枝における非線形性を中和(相殺)するものとなっている。歪み除去フィルタ40は、下段の枝にのみ設けられている。このフィルタは、
【数12】
に比例する。
【0100】
図17は、本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図である。この実施形態は、図16における実施形態のより精巧なものであり、上段の枝にあるフィルタ42と下段の枝にあるフィルタ44を有している。各フィルタは、
【数13】
に比例する。
【0101】
特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲を逸脱することなく、本発明に対して様々な変形、変更、修正ないし改変をすることができるのは、当業者に理解されるところであろう。
【0102】
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[7] WO 97/20385 (J. F. Long).
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく複合増幅器の代表的な実施形態の概略的なブロック図である。
【図2】ドハティ増幅器の出力回路網のモデルである。
【図3】補助増幅器の出力から見たインピーダンスの周波数依存性を例示した図である。
【図4】主増幅器と補助増幅器の間のトランスインピーダンスの周波数依存性を例示した図である。
【図5】本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図である。
【図6】従来技術によるドハティ増幅器の入力−出力電圧特性を例示した図である。
【図7】本発明に基づく複合増幅器の入力−出力電圧特性を例示した図である。
【図8】50オームに対する整合とLDMOSトランジスタによるドハティ出力回路網のブロック図である。
【図9】多段ドハティ増幅器の出力回路網のモデルである。
【図10】本発明に基づく複合増幅器の多段の実施形態の概略的なブロック図である。
【図11】本発明に基づく多段複合増幅器の入力−出力電圧特性を例示した図である。
【図12】本発明に基づく複合増幅器の簡素化した実施形態のブロック図である。
【図13】図12による簡素化した複合増幅器の入力−出力電圧特性を例示した図である。
【図14】本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図である。
【図15】本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図である。
【図16】本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図である。
【図17】本発明に基づく複合増幅器の別の代表的な実施形態の概略的なブロック図である。
Claims (12)
- ドハティ出力回路網を介して負荷に接続される、主電力増幅器及び補助電力増幅器と、
前記主増幅器への入力信号において前記補助電力増幅器の出力電流の非線形な振舞をエミュレートして補償する手段と
を有する複合増幅器。 - 当該複合増幅器の周波数応答を等化する手段を有する請求項1記載の複合増幅器。
- 主増幅器入力信号から補助増幅器入力信号のフィルタリングしたものを交差結合して減算する手段を有する、請求項1又は2記載の複合増幅器。
- 前記補助増幅器のインピーダンスをエミュレートすると共に前記主増幅器と前記補助増幅器の間のトランスインピーダンスを補償する交差結合フィルタを有する、請求項3記載の複合増幅器。
- 前記補助増幅器から出力節点へのトランスインピーダンスをエミュレートすると共に前記主増幅器から出力節点へのトランスインピーダンスを補償する交差結合フィルタを有する、請求項3記載の複合増幅器。
- 前記主増幅器及び前記補助増幅器の周波数応答を等化する入力側フィルタを有する、請求項4又は5記載の複合増幅器。
- ドハティ出力回路網を介して負荷に接続される、主電力増幅器及び補助電力増幅器を有する複合増幅器と、
前記主増幅器への入力信号において前記補助電力増幅器の出力電流の非線形な振舞をエミュレートして補償する手段と
を有する送信機。 - 前記複合増幅器の周波数応答を等化する手段を有する請求項7記載の送信機。
- 主増幅器入力信号から補助増幅器入力信号のフィルタリングしたものを交差結合して減算する手段を有する、請求項7又は8記載の送信機。
- 前記補助増幅器のインピーダンスをエミュレートすると共に前記主増幅器と前記補助増幅器の間のトランスインピーダンスを補償する交差結合フィルタを有する、請求項9記載の送信機。
- 前記補助増幅器から出力節点へのトランスインピーダンスをエミュレートすると共に前記主増幅器から出力節点へのトランスインピーダンスを補償する交差結合フィルタを有する、請求項9記載の送信機。
- 前記主増幅器及び前記補助増幅器の周波数応答を等化する入力側フィルタを有する、請求項10又は11記載の送信機。
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