JP2004502464A - ディップスティック検定における標的核酸の改良型捕捉および検出 - Google Patents

ディップスティック検定における標的核酸の改良型捕捉および検出 Download PDF

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Abstract

ディップスティック検定におけるヘルパープローブの使用が記載される。試料溶液中の標的核酸の存在に関して試験するためのディップスティック検定において、試料溶液はディップスティックの接触端に連結されて、試料溶液をディップスティックの接触端と接触させて、毛管作用により試料溶液をディップスティックの捕捉帯に移動させ、そこで、標的核酸が捕捉される。標的核酸は、標的核酸とハイブリダイズし得る捕捉プローブにより捕捉帯で捕捉され得る。標的核酸とハイブリダイズし得る標識化検出プローブを用いて、捕捉帯で標的核酸を検出し得る。ヘルパープローブは、捕捉および/または検出プローブと標的核酸との結合を強化するために用いられ、それにより標的核酸検出の感度を改良し得る。ディップスティックおよびキットも記載される。

Description

【0001】
本発明は、ディップスティックによる核酸の検出改良のための方法に関する。本発明の方法は、例えばクラミジア属細菌のトラコーマクラミジアChlamydia trachomatis(CT)のような病原性微生物に患者が感染しているか否かを同定するために、試料溶液中の標的核酸の存在に関して試験するために用いられる。
【0002】
試料溶液中の標的核酸の存在に関して試験するためのいくつかの慣用的方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いた標的核酸の増幅によっている。この反応は少量の標的核酸の検出を可能にする一方、それは結果が得られる前に数時間を要する。これは、例えば患者の待ち時間を最小限にするために、しばしばできるだけ速く結果を得ることが望ましいため、有意の欠点を有し得る。このような方法のさらなる欠点は、反応を実施するための高価な専門家装備および相対的高価試薬に対する要件である。
【0003】
これに対照するものとして、ディップスティックは、任意の専門家装備に対する要件を伴わずに非増幅化標的核酸を検出し得る。結果は、PCRベースの方法より、したがって患者からの1回来院で、はるかに迅速に得られる。その場合、患者は同一来院で治療され得る。これは、患者が後日の治療のために戻ってくる見込みはありそうもなく、またはそれはできない場合に特に有益である。ディップスティック試験を実施する経費は、PCRベース試験の経費より有意に低い可能性もある。
【0004】
米国特許第5,310,650号に記載された典型的慣用的ディップスティックでは、一本鎖DNA捕捉プローブは、フィルターの一端(接触端)から遠く離れた捕捉帯でニトロセルロースフィルター上に固定される。捕捉プローブの配列は、検出される標的核酸の一次領域の配列と相補的である。標的化一本鎖DNA検出プローブは、フィルターの捕捉帯および接触端間に位置するプローブ帯でニトロセルロースフィルター上に放出可能的に固定される。検出プローブの配列は、標的核酸の二次領域(一次領域とは異なる)の配列と相補的である。
【0005】
標的DNAを含有すると思われる試料溶液中の標的DNAを検出するために、ニトロセルロースフィルターの接触端は試料溶液と接触される。試料溶液は毛管作用によりフィルターに吸い上げられ、プローブ帯および捕捉帯を通過する。試料溶液がプローブ帯を通過すると、それは検出プローブを流動させて、それを捕捉帯に向かって試料溶液とともに上昇させる。流動化検出プローブは次に、試料溶液中に存在する任意の標的DNAの二次領域とハイブリダイズし得る。ハイブリダイズ化検出プローブおよび標的DNAが捕捉帯に達すると、標的DNAの一次領域は固定化捕捉プローブとハイブリダイズし得る。それにより三成分複合体が、標的核酸、捕捉プローブおよび標識化検出プローブ間に形成される。したがって捕捉帯での標識の存在は、標的DNAが試料溶液中に存在することを示す。
【0006】
第二の型の慣用的ディップスティックに関しては、標識化DNA検出プローブはニトロセルロースフィルター上に固定されない。その代わり、検出プローブは、検出プローブと試料溶液中の任意の標的核酸とのハイブリダイゼーションを可能にする条件下で試料溶液に付加される。次にニトロセルロースフィルターの接触端は試料溶液と接触され、そして試料溶液がディップスティックに吸い上げられると、検出プローブとハイブリダイズされる標的核酸はニトロセルロースフィルターを上昇し、捕捉プローブにより捕捉帯で捕捉され得る。
【0007】
結果は、標的核酸の増幅を要する検出方法より迅速に慣用的ディップスティックを用いて得られるが、しかし慣用的ディップスティックによる核酸検出の感度は、低いことがある。慣用的ディップスティックによる二本鎖標的核酸の検出感度は、特に標的核酸のサイズが増大すると特に低く、そして環状二本鎖標的核酸は事実上、慣用的ディップスティックを用いて検出されないと思われる。その結果として試料溶液中の標的核酸の存在は、時として検出され得ない。したがって標的核酸検出の感度、特にディップスティックによる二本鎖および環状二本鎖核酸検出の感度を改良するのが望ましい。
【0008】
そのもっとも広義において、本発明は、捕捉および/または検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化するためのディップスティック検定におけるヘルパープローブの使用を提供する。
【0009】
「ディップスティック検定」という用語は、本明細書中で用いる場合、試料溶液がディップスティックと接触されて、毛管作用により試料溶液をディップスティックの捕捉帯に移動させ、それにより試料溶液中の標的核酸を捕捉帯で捕捉し、検出させ得るディップスティックを用いた任意の検定を意味する。
【0010】
本発明の第一の局面によれば、試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端;及び接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブであって、標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る捕捉プローブを有するストリップを提供し、
b)検出プローブと標的核酸との付着のための条件下で標的核酸と付着し、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブ、および標的核酸の二次配列とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得る一次ヘルパープローブとともに試料溶液をインキュベートし(ここで、試料溶液および一次ヘルパープローブは一次ヘルパープローブと二次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる)、
c)検出プローブ、一次ヘルパープローブおよび標的核酸間に形成される複合体が毛管作用により捕捉帯に移動して、捕捉プローブと複合体の標的核酸とのハイブリダイゼーションにより捕捉帯に結合し得るよう、クロマトグラフィーストリップの接触端と試料溶液とを接触させ、そして
d)捕捉帯での検出プローブの存在を確認する
ことを包含する方法が提供される。
【0011】
本発明の第一の局面によって、標的核酸を含入すると思われる試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験キットであって、以下の:
i)以下の:
クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、および
接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブであって、標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る捕捉プローブを有するストリップ
を含むディップスティック
ii)標的核酸の二次配列とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得る一次ヘルパープローブ、そして任意に
iii)標的核酸と付着して、検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にし得る検出プローブ
を含むキットも提供される。
【0012】
「クロマトグラフィーストリップ」という用語は、本明細書中で用いる場合、毛管現象により溶液を輸送し得る物質の任意の多孔性ストリップを意味する。
検出プローブおよび一次ヘルパープローブは、任意の順序で試料溶液とともにインキュベートされ得るし、あるいはそれらは同時に試料溶液中に付加され得る。
【0013】
クロマトグラフィーストリップの接触端は、普通は過程(b)にしたがって検出プローブおよび一次ヘルパープローブとともに試料溶液がインキュベートされた後に、試料溶液と接触される、と理解される。しかしながら、段階(b)が完了した後に接触端が試料溶液と接触される、ということは本発明の作業のために不可欠であるというわけではない−クロマトグラフィーストリップの接触端は、段階(b)の前または最中に試料溶液と接触され得る。
【0014】
本発明の第一の局面の捕捉プローブは、単一プローブまたは1つより多いプローブを含み得る。例えば捕捉プローブは、クロマトグラフィーストリップに固定された普遍捕捉プローブ、ならびに普遍捕捉プローブとハイブリダイズされるフック捕捉プローブを包含し、フックプローブは標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る。
【0015】
捕捉プローブとして普遍プローブおよびフックプローブを用いことの利点は、それらに固定された普遍プローブを有するクロマトグラフィーストリップを用いて任意の標的核酸を検出し得るという点である。所望の標的核酸とハイブリダイズし得るフックプローブは簡単に選定され、そしてクロマトグラフィーストリップを用いて所望の標的核酸の存在に関して試験する前に、普遍プローブとハイブリダイズされる。
【0016】
本発明の第二の局面によれば、試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端および接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分を有するストリップを提供し、
b)以下の:
検出プローブと標的核酸との付着のための条件下で標的核酸と付着し、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブ、
捕捉プローブと一次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下で標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る捕捉プローブであって、一次配列とハイブリダイズした場合、捕捉部分により結合され得る捕捉プローブ、および
標的核酸の二次配列とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得る一次ヘルパープローブ
とともに試料溶液をインキュベートし(ここで、試料溶液および一次ヘルパープローブは一次ヘルパープローブと二次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる)、
c)検出プローブ、捕捉プローブ、一次ヘルパープローブおよび標的核酸間に形成される複合体が毛管作用により捕捉帯に移動して、捕捉部分と複合体の捕捉プローブとの結合により捕捉帯に結合し得るよう、クロマトグラフィーストリップの接触端と試料溶液とを接触させ、そして
d)捕捉帯での検出プローブの存在を確認する
ことを包含する方法が提供される。
【0017】
本発明の第二の局面によれば、試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験キットであって、以下の:
i)以下の:
クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、および接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分を有するストリップ
を含むディップスティック
ii)標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る、そして捕捉プローブが一次配列とハイブリダイズしていた場合、捕捉部分により結合され得る捕捉プローブ
iii)標的核酸の二次配列とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと一次配列とのハイブリダイゼーションを強化し得る一次ヘルパープローブ、そして任意に
iv)標的核酸と付着して、標的核酸の直接または間接的検出を可能にし得る検出プローブ
を含むキットも提供される。
【0018】
本発明の第二の局面の捕捉部分は、捕捉プローブとハイブリダイズし得る普遍捕捉プローブを包含し得る。あるいは捕捉部分は、一旦捕捉プローブが標的核酸とハイブリダイズすれば、捕捉プローブと非塩基対合相互作用により結合し得る。
【0019】
例えば捕捉部分は、捕捉プローブが標的核酸とハイブリダイズしていた場合、形成された二重鎖と結合し得る抗体または抗体断片を含み得る。あるいは捕捉プローブは、捕捉部分により結合され得る捕捉リガンドを包含し得る。捕捉プローブが捕捉リガンドを含む場合、捕捉部分は抗体または抗体断片を包含し得る。捕捉リガンドがビオチンを含む場合、捕捉部分は抗ビオチン抗体またはストレプタビジン、アビジン、またはビオチン結合活性を保有するそれらの誘導体を含み得る。
【0020】
本発明の第一および第二の局面の二次配列は、一次配列に対して標的核酸の異なる領域中に存在すべきである。好ましくは二次配列は、一次配列から10ヌクレオチドまでの間隔である。さらに好ましくは、二次配列は一次配列のすぐ隣である。
【0021】
本発明の第一および第二の局面の好ましい方法において、試料溶液は、標的核酸の三次配列とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得る二次ヘルパープローブとともにインキュベートされ、試料溶液および二次ヘルパープローブは二次ヘルパープローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる。
【0022】
三次配列は、一次および二次配列に対して標的核酸の異なる領域中に存在すべきである。好ましくは二次および三次配列は一次配列と側面を接する。さらに好ましくは、二次および三次配列は、一次配列の各側面が10ヌクレオチドまでの間隔である。最も好ましくは、二次および三次配列は一次配列の各側面に直接隣接する。
【0023】
捕捉プローブ、検出プローブおよびヘルパープローブは、核酸または核酸類似体を含み得る。捕捉プローブは、単一プローブまたは1つより多いプローブを含み得る。
【0024】
本発明の第一および第二の局面の検出プローブは、標的核酸と共有結合し、それにより標的核酸の直接検出を可能にする標識であり得る。あるいは検出プローブは、標的核酸と共有結合し、それによりリガンドと結合し得るリガンド結合部分を用いて標的核酸の間接的検出を可能にするリガンドであり得る。検出プローブは、標的核酸に検出プローブを共有結合するために標的核酸と反応する前駆体の形態で試料溶液中に付加され得る。
【0025】
あるいは検出プローブは、非共有的相互作用により、標的核酸に付着し得る。例えば検出プローブは、標的核酸の四次配列とハイブリダイズし得る。それにより検出プローブは、非共有的相互作用により検出プローブが標的核酸と結合していた場合には、標的核酸の直接検出を可能にし得る。あるいは検出プローブはリガンドを含み、それにより、検出プローブが非共有的相互作用により標的核酸と結合していた場合、リガンド結合部分を用いて標的核酸の間接的検出を可能にし得る。
【0026】
好ましい標識は、非放射性標識である。適切な標識の例としては、テキスタイル染料、金属ゾル、例えばコロイド金および着色粒子、例えば着色ラテックス粒子が挙げられる。適切なリガンドの例としては、ビオチン(例えば抗ビオチン抗体により、またはストレプタビジンまたはアビジンあるいはビオチン結合活性を保有するその誘導体により検出可能)、フルオロセイン(例えば抗フルオレセイン抗体により検出可能)、および2,4−ジニトロフェノール(DNP)(例えば抗DNP抗体により検出可能)が挙げられる。
【0027】
標的核酸の検出感度のさらなる改良は、試料溶液が三次ヘルパープローブとともに、好ましくは四次ヘルパープローブともインキュベートされる場合に得られる。三次ヘルパープローブは標的核酸の五次配列とハイブリダイズし、そして四次ヘルパープローブは標的核酸の六次配列とハイブリダイズして、それにより検出プローブと四次配列とのハイブリダイゼーションを強化し得る。試料溶液ならびに三次および四次ヘルパープローブは、三次および四次ヘルパープローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる。
【0028】
三次および四次ヘルパープローブを用いた検出感度の任意の有意の強化は、標的核酸の一次および四次配列が少なくとも200ヌクレオチド離れている場合に観察されるだけであり得る、と考えられる。
【0029】
好ましくは五次および六次配列は、四次配列と側面を接する。さらに好ましくは、五次および六次配列は、四次配列の各側面で10ヌクレオチドまでの間隔である。最も好ましくは、五次および六次配列は、四次配列の各側面で直接隣接する。
【0030】
本発明の第三の局面によれば、試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端;及び接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブであって、標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る捕捉プローブを有するストリップを提供し、
b)以下の:
検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下で標的核酸の二次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブ、および
標的核酸の三次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブと二次配列とのハイブリダイゼーションを強化し得る一次ヘルパープローブ
とともに試料溶液をインキュベートし(ここで、試料溶液および一次ヘルパープローブは一次ヘルパープローブと三次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる)、
c)検出プローブ、一次ヘルパープローブおよび標的核酸間に形成される複合体が毛管作用により捕捉帯に移動し、捕捉プローブと複合体の標的核酸とのハイブリダイゼーションにより捕捉帯に結合し得るよう、クロマトグラフィーストリップの接触端と試料溶液を接触させて、そして
d)捕捉帯での検出プローブの存在を確認する
ことを包含する方法が提供される。
【0031】
本発明の第三の局面によれば、標的核酸を含入すると思われる試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験キットであって、以下の:
i)以下の:
クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端;及び接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブであって、標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る捕捉プローブを有するストリップ
を含むディップスティック
ii)標的核酸の二次配列とハイブリダイズして、標的核酸の直接または間接的検出を可能にし得る検出プローブ、そして
iii)標的核酸の三次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブと二次配列とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブ
を含むキットも提供される。
【0032】
本発明の第三の局面の捕捉プローブは、単一プローブまたは1つより多いプローブを含み得る。例えば捕捉プローブは、クロマトグラフィーストリップに固定された普遍捕捉プローブ、ならびに普遍捕捉プローブとハイブリダイズされるフック捕捉プローブを含み得るし、フックプローブは標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る。
【0033】
本発明の第四の局面によれば、試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端;及び接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分を有するストリップを提供し、
b)以下の:
捕捉プローブと一次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下で標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る捕捉プローブであって、一次配列とハイブリダイズした場合、捕捉部分により結合され得る捕捉プローブ、
検出プローブと二次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下で標的核酸の二次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブ、および
標的核酸の三次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得る一次ヘルパープローブ
とともに試料溶液をインキュベートし(ここで、試料溶液および一次ヘルパープローブは一次ヘルパープローブと三次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる)、
c)検出プローブ、捕捉プローブ、一次ヘルパープローブおよび標的核酸間に形成される複合体が毛管作用により捕捉帯に移動して、捕捉部分と複合体の捕捉プローブとの結合により捕捉帯に結合し得るよう、クロマトグラフィーストリップの接触端と試料溶液を接触させ、そして
d)捕捉帯での検出プローブの存在を確認する
ことを包含する方法が提供される。
【0034】
本発明の第四の局面によれば、標的核酸を含入すると思われる試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験キットであって、以下の:
i)以下の:
クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端;及び接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分を有するストリップ
を含むディップスティック
ii)標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る、そして捕捉プローブが一次配列とハイブリダイズしていた場合、捕捉部分により結合され得る捕捉プローブ
iii)標的核酸の二次配列とハイブリダイズして、標的核酸の直接または間接的検出を可能にし得る検出プローブ、そして
iv)標的核酸の三次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブと二次配列とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブ
を含むキットも提供される。
【0035】
本発明の第四の局面の捕捉部分は、捕捉プローブとハイブリダイズし得る普遍捕捉プローブを含み得る。あるいは捕捉部分は、一旦捕捉プローブが標的核酸とハイブリダイズしたら、非塩基対合性相互作用により捕捉プローブと結合し得る。
【0036】
例えば捕捉部分は、捕捉プローブが標的核酸とハイブリダイズしていた場合、形成された二重鎖と結合し得る抗体または抗体断片を含み得る。あるいは捕捉プローブは、捕捉部分により結合され得る捕捉リガンドを包含し得る。捕捉プローブが捕捉リガンドを含む場合、捕捉部分は抗体または抗体断片を包含し得る。捕捉リガンドがビオチンを含む場合、捕捉部分は抗ビオチン抗体またはストレプタビジン、アビジン、またはビオチン結合活性を保有するそれらの誘導体を含み得る。
【0037】
本発明の第三および第四の局面の検出プローブは、標識化され、それにより標的核酸とハイブリダイズしていた場合、標的核酸の直接検出を可能にし得る。あるいは検出プローブは、リガンドであり、それにより、検出プローブが標的核酸とハイブリダイズしていた場合、リガンド結合部分を用いて標的核酸の間接的検出を可能にし得る。
【0038】
本発明の第三および第四の局面の方法における三次配列は、好ましくは二次配列から10ヌクレオチドまでの間隔である。さらに好ましくは、三次配列は二次配列のすぐ隣である。
【0039】
好ましくは、本発明の第三および第四の局面の方法においては、試料溶液は、標的核酸の四次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得る二次ヘルパープローブとともにインキュベートされる(この場合、試料溶液および二次ヘルパープローブは、二次ヘルパープローブと四次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる)。
【0040】
好ましくは、本発明の第三および第四の局面の方法に関しては、三次および四次配列は二次配列と側面を接する。さらに好ましくは、四次配列は二次配列と10ヌクレオチドまでの間隔である。最も好ましくは、四次配列は二次配列のすぐ隣である。
【0041】
本発明の第三および第四の局面の方法における一次および二次ヘルパープローブを用いた検出感度の任意の有意の強化は、標的核酸の一次および二次配列が少なくとも200ヌクレオチドは慣れている場合に観察されるだけである、と考えられる。
【0042】
本発明のキットの検出プローブが検出リガンドを含む場合、キットはさらに、検出リガンドと結合し、それにより検出プローブおよび検出リガンド結合部分を利用して標的核酸の検出を可能にする標識化検出リガンド結合部分を包含し得る。検出リガンド結合部分は、抗体、抗体断片または非抗体であり得る。
【0043】
本発明のキットはさらに、クロマトグラフィーストリップを利用して試料溶液中の標的核酸の検出を可能にするために必要な任意の試薬を含み得る。
配列番号1〜18のいずれかの配列に対応する配列を有する実質的単離核酸分子または核酸類似体も、本発明により提供される。
【0044】
試料溶液中のCT標的核酸の存在に関する試験におけるCT標的核酸の検出を強化するためのヘルパープローブとしての本発明の実質的単離核酸分子または核酸類似体の使用も、本発明により提供される。
【0045】
本発明の方法に用いられるヘルパープローブは、捕捉または検出プローブと一本鎖または二本鎖標的核酸との結合を強化し得る。標的核酸が一本鎖である場合、ヘルパープローブは、捕捉/検出プローブが結合する標的核酸の領域で標的拡散が有意の二次構造を形成しないことを保証することにより、捕捉/検出プローブと標的核酸との結合を強化し得る、と考えられる。
【0046】
ヘルパープローブが結合する標的核酸の領域は、常に捕捉/検出プローブが結合する領域の近くであるかまたはすぐ隣であるというわけではない、と理解される。ヘルパープローブと標的核酸の一領域とのハイブリダイゼーションは、遠隔位置でその二次構造を変え、それにより捕捉/検出プローブをその遠隔位置で標的核酸により容易に結合させる。
【0047】
したがって、ヘルパープローブが結合する標的核酸の領域は、標的核酸の、そして捕捉/検出プローブの同一性によって異なると考えられる。しかしながら当業者は、異なるプローブおよび異なるプローブ長を用いて実験することにより、どのヘルパープローブがもっとも有効であるかを容易に確定し得る。
【0048】
標的核酸が二本鎖である場合、ヘルパープローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションは、捕捉または検出プローブが結合する領域における標的核酸の二本鎖を切り開くことにより、捕捉または検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化する、と考えられる。したがって、二本鎖標的核酸に関しては、普通はヘルパープローブは、捕捉または検出プローブが結合する領域に隣接して結合する。
【0049】
ヘルパープローブが捕捉または検出プローブと標的核酸との結合を強化するためには、ヘルパープローブは、捕捉または検出プローブが標的核酸とハイブリダイズされる前またはそれと同時に標的核酸とハイブリダイズされるべきであるが、しかし捕捉または検出プローブが標的核酸とハイブリダイズされた後ではない。
【0050】
いくつかの実施態様では、ヘルパープローブは、捕捉および検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得る。これは、例えばヘルパープローブが捕捉および検出プローブ間の標的核酸の領域とハイブリダイズする場合に達成され得る。
【0051】
本発明のその他の実施態様では、毛管作用による接触端から捕捉帯への試料溶液の移動が各プローブをクロマトグラフィーストリップから試料溶液中に放出させるような方法で、接触端および捕捉帯間で、クロマトグラフィーストリップに1つまたはそれ以上のプローブが放出可能的に固定され得る。次に放出プローブは、試料溶液中の標的核酸とハイブリダイズし得る。
【0052】
検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブが提供される本発明の実施態様に関しては、ヘルパープローブ(好ましくは検出プローブとともに)は、試料溶液がクロマトグラフィーストリップの接触端と接触された後にクロマトグラフィーストリップの捕捉帯と接触され得て、捕捉帯での標的核酸の捕捉を可能にする。これは、ヘルパープローブ(および検出プローブ)を含有する別個のヘルパープローブ溶液を捕捉帯に直接的に適用することにより、あるいはクロマトグラフィーストリップの接触端を試料溶液後にヘルパープローブ溶液と接触させて、それにより、ヘルパープローブをもう監査用により捕捉帯に移動させることにより達成され得る。検出プローブがヘルパープローブ溶液中に存在しない場合、これはヘルパープローブ後に捕捉帯と接触される必要がある。
【0053】
しかしながら本発明の好ましい方法においては、プローブと標的核酸(捕捉プローブが捕捉帯で固定される場合以外)とのハイブリダイゼーションは、試料溶液がクロマトグラフィーストリップと接触される前に、試料溶液中で実行される。最も好ましくは、プローブのハイブリダイゼーションは、単一段階で実行される。これは本方法を簡素化し、それによりそれらをかなり迅速且つ容易に実行させる。
【0054】
多段階ハイブリダイゼーションは、異なるプローブと試料溶液中の標的核酸との連続ハイブリダイゼーションにより、あるいはディップスティックを、各々異なるプローブを含有する異なる溶液と接触することにより実行され得る。通常は、多段階ハイブリダイゼーションの後者の方法は、異なるプローブ溶液を用いて各接触間のディップスティックを洗浄することを包含する。
【0055】
多段階ハイブリダイゼーションが好ましい環境が存在し得るが、しかしより簡単且つ迅速なフォーマットの一段階ハイブリダイゼーションが通常は好ましい、と理解される。
【0056】
試料溶液はハイブリダイゼーション反応を単一ハイブリダイゼーション段階で起こさせ、そして非塩基対合相互作用を起こさせて(例えば検出リガンドと検出リガンド結合部分との間、ならびに捕捉リガンドと捕捉リガンド結合部分との間)、そして標的核酸および1つまたはそれ以上のハイブリダイズ化プローブおよび(任意に)リガンド結合部分を含む複合体を毛管作用によりディップスティックまで押し上げるための適切な組成物を有する、というのが最も好ましい。
【0057】
このような試料溶液を用いて、ハイブリダイゼーション反応は次に単一段階で実行され、そして試料溶液がディップスティックの接触端と直接接触される前に(試料溶液を先ず希釈し、または変える必要性を伴わずに)、任意のリガンド−リガンド結合部分相互作用が起こり得る、と理解される。リガンド−リガンド結合部分相互作用は、試料溶液が捕捉帯に移動すると、所望によりディップスティック上で付加的にまたは代替的に起こり得る。標的核酸の簡単且つ迅速なディップスティック検出は、それにより促される。
【0058】
このような結果は、塩、洗剤およびブロッキングタンパク質、例えばBSAまたは粉乳を含有する標準ハイブリダイゼーション緩衝液(例えばSSPE緩衝液またはトリス緩衝液)を含む試料溶液を用いて達成される、ということをわれわれは見出した。このような検定を用いた標的核酸の検出感度は、他のディップスティック検定とほぼ等しいかまたはそれより良好であることが判明した。
【0059】
添付の図面を参照しながら、本発明の実施態様を例としてここで説明する。
【0060】
以下の実施例は、本発明の方法を用いて標的核酸の検出感度改良を例証する。実施例は、クラミジア属細菌のトラコーマクラミジアChlamydia trachomatis(CT)の隠れたプラスミドのDNA断片の検出に関する。
【0061】
CTは、性感染病の最も一般的な原因の1つである。CT感染は、不妊症を引き起こし得るし、そして妊娠中には、自然流産を、さらに出産時または出産後子宮内膜炎を生じ得る。新生児において、CT感染は失明および慢性呼吸疾患を引き起こし得る。感染男性の約10%、および感染女性の約70%がCT感染の症状を示さない。したがって、病気の初期治療が開始され得るよう、CT感染の的確な診断が重要である。
【0062】
以下の実施例では、ディップスティック10を用いて、試料溶液14中の二本鎖CT標的核酸12を検出しようと試みた。ディップスティック10は、試料溶液14を接触するための接触端18を有するニトロセルロースのストリップ16、ならびに接触端18から遠く離れたニトロセルロースストリップ16の捕捉帯22に固定された捕捉プローブ20を包含する。抗ビオチン抗体染料接合体24は、接触端18と捕捉帯22との間に位置するニトロセルロースストリップの接合体帯26で放出可能的に固定される。捕捉プローブ20は、標的核酸12の一方の鎖(一次鎖)の一次配列とハイブリダイズし得る。
【0063】
二本鎖標的核酸12の一次鎖の異なる領域と各々ハイブリダイズし得る検出プローブ28およびヘルパープローブ30は次に、試料溶液14に付加される。検出プローブ28は、ビオチンに結合された(当業者に周知の方法を用いて)核酸を含む。検出プローブ28およびヘルパープローブ30を含む試料溶液14は次に、少なくとも検出プローブ28およびヘルパープローブ30が結合する一次鎖の領域で互いから二本鎖標的核酸12の相補鎖を分離するのに十分な温度に加熱され、次いで冷却されて、検出プローブ28およびヘルパープローブ30と二本鎖標的核酸の一次鎖とのハイブリダイゼーションを可能にする。検出プローブおよびヘルパープローブが一次鎖とハイブリダイズすると、二次鎖は一次鎖と再アニーリングするが、しかし検出プローブ28およびヘルパープローブ30により結合される一次鎖の領域との再アニーリングは妨げられる。
【0064】
ディップスティック10の接触端18は次に、試料溶液14と接触される。試料溶液14、ならびに検出プローブ28およびヘルパープローブ30とハイブリダイズされた任意の標的核酸12は、毛管作用によりディップスティック10を上昇する。試料溶液14が接合体帯26を通過すると、それは抗ビオチン抗体−染料接合体24を流動化する。放出された抗ビオチン抗体−染料接合体24は次に、標的核酸12とハイブリダイズした検出プローブ28に結合されたビオチンと結合する。
【0065】
抗ビオチン抗体−染料接合体24、検出プローブ28、ヘルパープローブ30および標的核酸12間に形成される複合体は次に、ディップスティック10を上昇して捕捉帯22まで移動し、そこで複合体の標的核酸が固定化捕捉プローブ20とハイブリダイズし得る。捕捉プローブ20は、それが捕捉帯22を通って移動すると、試料溶液14により流動化され得ないような方法で捕捉帯22に固定される。その結果として、捕捉プローブに結合された複合体は捕捉帯中に残存し、捕捉帯での抗ビオチン抗体−染料接合体の染料の存在により検出され得る。
【0066】
試料溶液中にCT標的核酸が存在しない場合、検出プローブ28は捕捉帯22で捕捉され得ず、したがって染料は捕捉帯で可視的でない。試料溶液中のCT標的核酸が存在するが、しかし不十分量の標的核酸が捕捉帯で捕捉され得る場合には、試料溶液中の標的核酸の存在は検出されない。
【0067】
前記の標的核酸の捕捉は、以下の実施例では直接プローブ捕捉と呼ばれる。以下の実施例5では、2つのさらなる捕捉フォーマット、即ち普遍プローブ捕捉および抗体捕捉が用いられる。普遍プローブ捕捉は、ディップスティックの捕捉帯に固定された普遍プローブとハイブリダイズされたフックプローブを用いる標的核酸の捕捉によっている。フックプローブは、標的核酸とハイブリダイズし得る。捕捉の方法は直接プローブ捕捉と同一であるが、但し、捕捉プローブは普遍およびフックプローブにより置換される。
【0068】
抗体捕捉に関しては、抗体は、捕捉プローブの代わりにディップスティックの捕捉帯に固定される。捕捉プローブは、抗体により結合され得る、そしてヘルパーおよび検出プローブとともに試料溶液に付加されるリガンド(例えばDNP)と結合されたプローブを包含する。捕捉プローブは、試料溶液が加熱され、次にヘルパーおよび検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのために冷却されると、標的核酸とハイブリダイズする。
【0069】
ディップスティックの接触端は、試料溶液中での捕捉、ヘルパーおよび検出プローブのインキュベーション後に試料溶液と接触される。標的核酸、捕捉プローブ、ヘルパープローブおよび検出プローブ(抗ビオチン抗体−染料接合体により結合される)を含有する複合体は次に、捕捉帯に固定された抗体により捕捉帯で捕捉される。試料溶液中の標的核酸の存在はまた、捕捉帯での抗ビオチン抗体−染料接合体の存在により検出される。したがって捕捉プローブと標的とのハイブリダイゼーションは、ディップスティック上というよりむしろ、試料溶液中で起こる。
【0070】
標的核酸の検出感度は、捕捉プローブがハイブリダイズする標的核酸の領域と検出プローブがハイブリダイズする領域との間の距離が26ヌクレオチド未満である場合、低減され得る、ということが判明した。したがって、これらの領域間の距離は少なくとも26ヌクレオチド、好ましくは少なくとも200ヌクレオチドである、というのが好ましい。
【0071】
実施例1
実験設定
捕捉フォーマット:直接プローブ捕捉(cp)配列番号13(ディップスティック上に固定);
検出フォーマット:検出プローブ(dp)(1012コピーでビオチンに結合された配列番号14、15、16または17の核酸、ならびに検出プローブを検出するための抗ビオチン抗体接合体を含む);
標的DNA:872 bpDNA(1011〜10コピー)。
ヘルパープローブ:HP配列番号1’(24 mer、G+C=9ヌクレオチド、Tm=72.2℃。これは標的核酸とハイブリダイズした場合に捕捉プローブの5’末端から11ヌクレオチドの間隔の標的の配列とハイブリダイズする)またはHP配列番号1(24 mer、G+C=8ヌクレオチド、Tm=70.5℃。これは標的核酸とハイブリダイズした場合に捕捉プローブの5’末端のすぐ隣の標的核酸の配列とハイブリダイズする)(1012コピー)。
【0072】
【表1】
Figure 2004502464
【0073】
結論
ヘルパープローブは、標的核酸検出の感度を10倍以上改良する。標的核酸とハイブリダイズしていた場合に捕捉プローブの5’末端のすぐ隣の標的核酸の配列とハイブリダイズするHP配列番号1は、標的核酸とハイブリダイズしていた場合に捕捉プローブの5’末端から11ヌクレオチドの間隔の標的核酸の配列とハイブリダイズするHP配列番号1’より強いヘルパー作用を有する。HP配列番号1は、HP配列番号1’より2℃高いTmを有する。しかしながら捕捉プローブおよびヘルパープローブ間の距離は、TmおよびG+C含量より重要であると考えられる。
【0074】
実施例2
実験設定
捕捉フォーマット:直接プローブ捕捉(cp)配列番号14(ディップスティック上に固定);
検出フォーマット:検出プローブ(dp)(1012コピーでビオチンに結合された配列番号13の核酸、ならびに抗ビオチン抗体接合体を含む);
標的DNA:416 bpDNA(5x1010コピー)。
ヘルパープローブ:HP配列番号1‘、HP配列番号2、HP配列番号3、配列番号15、配列番号16および配列番号17の組合せ(1012コピー)。
【0075】
結果
図4参照。
【0076】
結論
捕捉プローブにより認識される配列のすぐ隣の標的核酸の配列とハイブリダイズするヘルパープローブは、本実施例における標的核酸の検出感度に及ぼす最強の強化作用を有する(ヘルパープローブを欠く対照に関する1.5と比較してシグナル4.5)。
捕捉プローブにより認識される配列のすぐ隣の標的核酸の配列とハイブリダイズするヘルパープローブによる標的核酸の検出の感度に及ぼす作用は、捕捉プローブにより認識される配列から遠く離れた標的核酸の配列とハイブリダイズするヘルパープローブの作用よりはるかに強い(シグナル2.5と比較してシグナル4.5)。
【0077】
実施例3
実験設定
捕捉フォーマット:直接プローブ捕捉(cp)配列番号14(ディップスティック上に固定);
検出フォーマット:検出プローブ(1012コピーでビオチンに結合された配列番号13(d1)、15(d3)、16(d4)または17(d5)の核酸、ならびに抗ビオチン抗体接合体を含む);
標的DNA:872 bpDNA(1010コピー)。
ヘルパープローブ:ヘルパープローブh1=HP配列番号1、h2=HP配列番号2、h3=HP配列番号3、h4=HP配列番号4の組合せ(1012または1013コピー)。
【0078】
【表2】
Figure 2004502464
【0079】
結論
捕捉プローブにより認識される配列の各側面に隣接する標的核酸の配列とハイブリダイズするヘルパープローブ(h2およびh3)は、ヘルパープローブの1つのみを用いた検出感度と比較して、検出感度を増強する。
ヘルパープローブの濃度増大(1012コピーと比較して1013コピー)は、本実施例における検出感度にいかなる作用も及ぼさなかった。
【0080】
実施例4
実験設定
捕捉フォーマット:直接プローブ捕捉(cp)配列番号14(ディップスティック上に固定);
検出フォーマット:検出プローブ(1012コピーでビオチンに結合された配列番号13(d1)、15(d3)、16(d4)または17(d5)の核酸、ならびに抗ビオチン抗体接合体を含む);
ヘルパープローブ:ヘルパープローブh1=HP配列番号1、h2=HP配列番号2、h3=HP配列番号3、h4=HP配列番号4の組合せ(1012または1013コピー)。
標的:環状二本鎖DNAプラスミドpCTL15B(5.1 Kbp)およびpCTL131(6.3 Kbp)、陰性対照として作用するための捕捉および検出プローブに対する相補的配列を欠くプラスミドpCTL130、ならびに陽性対照として作用するための1011コピーでの二本鎖線状DNA(872 bp)。
【0081】
【表3】
Figure 2004502464
【0082】
結論
捕捉プローブにより認識される配列に隣接する標的核酸の配列とハイブリダイズするヘルパープローブを用いて、環状二本鎖DNA(5 Kbpより長い)が検出され得た。
捕捉プローブにより認識される配列から遠く離れているが、しかし検出プローブにより認識される配列に隣接する標的核酸の配列とハイブリダイズするヘルパープローブ(ヘルパープローブh1およびh4)は、本実施例中の核酸検出の感度を増強しなかった。この実施例における条件下で、ヘルパープローブは主に、捕捉プローブとディップスティック得の二本鎖環状標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化すると思われる。
【0083】
環状二本鎖DNA標的(5.1 Kbpまたは6.3 Kbp)の検出感度は、線状二本鎖872 bpDNAの検出感度より低い。標的核酸のサイズが増大すると、検出および捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションの効率は低減すると予測される。抗ビオチン抗体−染料接合体への検出プローブの接近可能性も、標的サイズが増大すると低減されると考えられる。二本鎖標的核酸の検出は、検出プローブおよび捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションの効率が低減するために、一本鎖標的核酸の検出より低効率であると思われる。抗ビオチン抗体−染料接合体への検出プローブの接近可能性は、一本鎖標的核酸と比較して、二本鎖に関して低減されると考えられる。
【0084】
実施例5
実験設定
捕捉配列:配列番号15
捕捉フォーマット:
i)直接プローブ捕捉−プローブ配列番号15(ディップスティック上に固定);
ii)普遍プローブ捕捉−普遍プローブの配列と相補的な配列を有するフックプローブと、ならびに標的DNA配列(配列番号15)とハイブリダイズされた20ヌクレオチド普遍プローブ(ディップスティック上に固定);
iii)抗体捕捉−抗DNP抗体(ディップスティック上に固定)。DNPに結合され、そして試料溶液中の標的核酸とハイブリダイズされた配列番号15の核酸を含む捕捉プローブ。
検出フォーマット:検出プローブ(1012コピーでビオチンに結合された配列番号13、14、16または17の核酸、ならびに抗ビオチン抗体接合体を含む);
ヘルパープローブ:HP配列番号3およびHP配列番号4(1012コピー)。
標的:872 bpDNA(1011〜10コピー)。
【0085】
結果
図7参照;
【0086】
結論
ヘルパープローブは、直接プローブ捕捉(前記(i)参照)および普遍プローブ捕捉(前記(ii)参照)を用いて、標的核酸検出の感度を改良した。これらの結果は、ヘルパープローブがディップスティック上の核酸間のハイブリダイゼーションを強化する、という実施例2、3および4の結論を支持する。
【0087】
実施例6
実験設定
捕捉フォーマット:直接プローブ捕捉(cp)(配列番号10)(ディップスティック上に固定);
検出フォーマット:検出プローブ(dp)(1012コピーでビオチンに結合された配列番号13の核酸、ならびに抗ビオチン抗体接合体を含む);
ヘルパープローブ:配列番号10により認識される配列に隣接する標的核酸の配列とハイブリダイズするHP配列番号5およびHP配列番号6;配列番号13により認識される配列に隣接する標的核酸の配列とハイブリダイズするHP配列番号1およびHP配列番号2(1012コピー)。
標的:872 bpDNA(5x1010コピー)。
【0088】
結果
図8参照
結論
捕捉プローブおよび検出プローブが200 ntより遠くはなれた標的核酸の配列とハイブリダイズする場合、標的核酸の検出感度は、検出プローブにより認識される配列の各側面に隣接する標的核酸の配列とハイブリダイズするヘルパープローブにより、改良された。
【0089】
実施例7
CT検出に及ぼすヘルパープローブの作用
実験設定
捕捉フォーマット:
直接プローブ捕捉:ディップスティック膜上に固定されたBSAに結合された配列番号15の核酸を含むプローブ;
抗体捕捉:ディップスティック膜に固定された抗DNP抗体(α−DNP捕捉);DNPに結合された配列番号15の核酸を含む捕捉プローブ。
検出フォーマット:検出プローブ(いくつかのビオチン検出リガンドに各々結合された配列番号18または13の核酸、ならびに抗ビオチン抗体接合体を含む)(検出プローブの1012コピー);
ヘルパープローブ:HP配列番号3およびHP配列番号4(1012コピー);ヘルパープローブは、捕捉プローブにより認識される標的核酸の領域に隣接してハイブリダイズし得る。
標的:2.4x10コピーでのCT基本小体。
【表4】
Figure 2004502464
実施例7からの結論
直接プローブ捕捉または抗体捕捉を用いたCT細胞の隠れたプラスミドの検出は、ヘルパープローブの使用により改良された。
本発明によるヘルパープローブの使用は、ディップスティック膜上または溶液中で起こるハイブリダイゼーションを強化すると思われる。
前記の実施例1〜7において、ヘルパープローブは、捕捉および検出プローブの鎖と同じ二本鎖標的核酸の一鎖とハイブリダイズする。標的核酸の検出感度の増強は、ヘルパープローブが、捕捉および検出プローブにより認識される鎖に対して二本鎖標的核酸の反対鎖とハイブリダイズした同様の実験では、観察されなかった。
【0090】
実施例8
トラコーマクラミジア Chlamydia trachomatis の一段階核酸ディップスティック検定検出
実験設定
試薬:
捕捉フォーマット:BSA担体を介してディップスティック膜上に固定されたオリゴヌクレオチドプローブ捕捉;
検出フォーマット:多ビオチン標識化検出体プローブ;
抗ビオチン抗体−コロイド金接合体;
試料調製:トラコーマクラミジアChlamydia trachomatis(Ct)基本小体(EB)細胞を、PBS緩衝液中で10コピー/μl〜10コピー/μlの濃度で調製し、100℃で20分間加熱した。
【0091】
ハイブリダイゼーション/ディップスティック実行緩衝液:塩、洗剤およびブロッキングタンパク質、例えばBSAまたは粉乳を含有する標準ハイブリダイゼーション緩衝液。
方法:
検出プローブ、ヘルパープローブおよび5x10〜5x10コピーのEBを80μlに作製したハイブリダイゼーション緩衝液中に希釈し、100℃で7分間加熱した。次に混合物を手短に遠心分離して、すべての液体を収集し、20μlの抗ビオチンAbコロイド金と混合した。全100μlの混合物をディップスティック上に吸い上げさせて、シグナルを発現させた。
【0092】
結果および考察
以下の表および図9(付属のパワーポイント文書参照)に提示した結果は、試料調製段階を含めて1時間未満で、一段階核酸ディップスティック検定を用いてCtEBの約10コピーが検出され得たことを示す。
【0093】
そのように提示されたディップスティック検出検定は他のサンドイッチハイブリダイゼーション検定とほぼ等しい検出感度を有するが、しかしそれは、速度および簡便性という大きい利点を有する。
【0094】
例えばPCT WO 93/1322に開示されたCtの検出のためのサンドイッチハイブリダイゼーション検定は、複雑な多構成成分微小滴定プレートフォーマット検定であり、これは5時間未満では成し遂げられなかった。この検定は、限定順序でのその構成成分の漸次付加を要する多段階検定であって、すべての新規の構成成分の付加後にインキュベーションおよび洗浄段階を伴う。
【0095】
本発明の目的の核酸ディップスティック検定は、構成成分の付加および洗浄のための異なる段階を必要とせずに、一段階で実行し得る。このサンドイッチハイブリダイゼーション検定は、ハイブリダイゼーションおよびその他の親和性対形成のためにそれらを有益にさせるために、1つより多い溶液条件を必要としない。同一溶液条件は、同様にディップスティック膜を通過する構成成分の自由移動に役立つ。
【0096】
本発明の方法は、ディップスティックによる標的核酸の検出感度を有意に増強する、ということが見出された。特に二本鎖核酸および環状二本鎖標的核酸の検出は、大いに改良される。
【表5】
Figure 2004502464

【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明の実施態様にしたがって標的核酸を検出するために用いられるディップスティックを示す。
【図2】
図2は、本発明にしたがって用いられ得るヘルパープローブの配列を列挙する。
【図3】
図3は、実施例1に関する実験設定を示す。
【図4】
図4は、実施例2に関する実験設定を示す。
【図5】
図5は、実施例3に関する実験設定を示す。
【図6】
図6は、実施例4に関する実験設定を示す。
【図7】
図7は、実施例5に関する実験設定を示す。
【図8】
図8は、実施例6に関する実験設定を示す。
【図9】
図9は、一段階ハイブリダイゼーション検定の結果を示す。
【図10】
図10は、トラコーマクラミジアChlamydia trachomatisの一段階核酸ディップスティック検定検出結果を示す。

Claims (54)

  1. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端;及び上記接触端から遠く離れた上記クロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブであって、上記標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る捕捉プローブを有するストリップを提供し、
    b)以下の:
    検出プローブであって、上記検出プローブと標的核酸との付着のための条件下で上記標的核酸に付着することができ、それにより上記検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にするもの;及び
    上記標的核酸の二次配列とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得る一次ヘルパープローブ、
    とともに試料溶液をインキュベートし、ここで、試料溶液および一次ヘルパープローブは一次ヘルパープローブと二次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされ、
    c)上記検出プローブ、上記一次ヘルパープローブおよび標的核酸間に形成される複合体が毛管作用により上記捕捉帯に移動して、上記捕捉プローブと上記複合体の上記標的核酸とのハイブリダイゼーションにより上記捕捉帯に結合し得るよう、上記クロマトグラフィーストリップの上記接触端と上記試料溶液を接触させ、そして
    d)上記捕捉帯での検出プローブの存在を確認する
    ことを包含する方法。
  2. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端;及び接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分を有するストリップを提供し、
    b)以下の:
    検出プローブと標的核酸との付着のための条件下で標的核酸と付着し、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブ、
    捕捉プローブと一次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下で標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る捕捉プローブであって、一次配列とハイブリダイズした場合、捕捉プローブが捕捉部分により結合され得る捕捉プローブ、および
    標的核酸の二次配列とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得る一次ヘルパープローブ
    とともに試料溶液をインキュベートし(ここで、試料溶液および一次ヘルパープローブは一次ヘルパープローブと二次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる)、
    c)検出プローブ、捕捉プローブ、一次ヘルパープローブおよび標的核酸間に形成される複合体が毛管作用により捕捉帯に移動して、捕捉部分と複合体の捕捉プローブとの結合により捕捉帯に結合し得るよう、クロマトグラフィーストリップの接触端と試料溶液を接触させ、そして
    d)捕捉帯での検出プローブの存在を確認する
    ことを包含する方法。
  3. 二次配列が一次配列から10ヌクレオチドまでの間隔である請求項1または2記載の方法。
  4. 二次配列が一次配列のすぐ隣である請求項3記載の方法。
  5. 試料溶液が標的核酸の三次配列とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得る二次ヘルパープローブとともにインキュベートされる前記請求項のいずれかに記載の方法であって、試料溶液および二次ヘルパープローブが二次ヘルパープローブと三次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる方法。
  6. 二次および三次配列が一次配列と側面を接する請求項5記載の方法。
  7. 三次配列が一次配列から10ヌクレオチドまでの間隔である請求項6記載の方法。
  8. 三次配列が一次配列のすぐ隣である請求項7記載の方法。
  9. 検出プローブが、標的核酸とハイブリダイズし得るフック検出プローブならびにフック検出プローブとハイブリダイズし得る普遍検出プローブを含む前記請求項のいずれかに記載の方法。
  10. 検出プローブが、検出プローブを標的核酸に付着する標的核酸の四次配列とハイブリダイズし得る前記請求項のいずれかに記載の方法。
  11. 試料溶液が標的核酸の四次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブと四次配列とのハイブリダイゼーションを強化し得る三次ヘルパープローブとともにインキュベートされる請求項10記載の方法であって、三次ヘルパープローブおよび試料溶液が三次ヘルパープローブと四次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる方法。
  12. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端;及び接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブであって、標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る捕捉プローブを有するストリップを提供し、
    b)試料溶液を、標的核酸とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブと接触させ(ここで、試料溶液はヘルパープローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下でヘルパープローブと接触される)、
    c)ヘルパープローブおよび標的核酸間に形成される複合体が、捕捉プローブと複合体の標的核酸とのハイブリダイゼーションにより捕捉帯で捕捉され得るよう、クロマトグラフィーストリップの接触端と試料溶液を接触させて、毛管作用により試料溶液を捕捉帯に移動させ、そして
    d)捕捉帯での標的核酸の存在を確認する
    ことを包含する方法。
  13. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端;及び接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分を有するストリップを提供し、
    b)以下の:
    捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下で標的核酸とハイブリダイズし得る捕捉プローブであって、捕捉プローブが標的核酸とハイブリダイズした場合に捕捉部分により結合され得る捕捉プローブ、および
    標的核酸とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブ
    とともに試料溶液をインキュベートし(ここで、試料溶液およびヘルパープローブはヘルパープローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下で接触される)、
    c)捕捉プローブ、ヘルパープローブおよび標的核酸間に形成される複合体が、捕捉部分と複合体の捕捉プローブとの結合により捕捉帯で捕捉され得るよう、クロマトグラフィーストリップの接触端と試料溶液を接触させて、毛管作用により試料溶液を捕捉帯に移動させ、そして
    d)捕捉帯での標的核酸の存在を確認する
    ことを包含する方法。
  14. 捕捉プローブが、フック捕捉とハイブリダイズされる普遍捕捉プローブを含む前記請求項のいずれかに記載の方法。
  15. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端;及び接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブであって、標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る捕捉プローブを有するストリップを提供し、
    b)以下の:
    検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下で標的核酸の二次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブ、および
    標的核酸の三次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブと二次配列とのハイブリダイゼーションを強化し得る一次ヘルパープローブ
    とともに試料溶液をインキュベートし(ここで、試料溶液および一次ヘルパープローブは一次ヘルパープローブと三次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる)、
    c)検出プローブ、一次ヘルパープローブおよび標的核酸間に形成される複合体が毛管作用により捕捉帯に移動し、捕捉プローブと複合体の標的核酸とのハイブリダイゼーションにより捕捉帯に結合し得るよう、クロマトグラフィーストリップの接触端と試料溶液を接触させて、そして
    d)捕捉帯での検出プローブの存在を確認する
    ことを包含する方法。
  16. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端;及び接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分を有するストリップを提供し、
    b)以下の:
    捕捉プローブと一次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下で標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る捕捉プローブであって、一次配列とハイブリダイズした場合、捕捉部分により結合され得る捕捉プローブ、
    検出プローブと二次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下で標的核酸の二次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブ、および
    標的核酸の三次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得る一次ヘルパープローブ
    とともに試料溶液をインキュベートし(ここで、試料溶液および一次ヘルパープローブは一次ヘルパープローブと三次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる)、
    c)検出プローブ、捕捉プローブ、一次ヘルパープローブおよび標的核酸間に形成される複合体が毛管作用により捕捉帯に移動して、捕捉部分と複合体の捕捉プローブとの結合により捕捉帯に結合し得るよう、クロマトグラフィーストリップの接触端と試料溶液を接触させ、そして
    d)捕捉帯での検出プローブの存在を確認する
    ことを包含する方法。
  17. 三次配列が二次配列から10ヌクレオチドまでの間隔である請求項15または16記載の方法。
  18. 三次配列が二次配列のすぐ隣である請求項17記載の方法。
  19. 試料溶液が標的核酸の四次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得る二次ヘルパープローブとともにインキュベートされる請求項15〜18のいずれかに記載の方法であって、試料溶液および二次ヘルパープローブが二次ヘルパープローブと四次配列とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる方法。
  20. 三次および四次配列が二次配列と側面を接する請求項19記載の方法。
  21. 四次配列が二次配列から10ヌクレオチドまでの間隔である請求項20記載の方法。
  22. 四次配列が二次配列のすぐ隣である請求項21記載の方法。
  23. 捕捉プローブが、フック捕捉プローブとハイブリダイズされ得る普遍捕捉プローブを含む請求項15〜22のいずれかに記載の方法。
  24. 試料溶液中のプローブと標的核酸のハイブリダイゼーションが単一工程で実行される前記請求項のいずれかに記載の方法。
  25. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし得る捕捉プローブ、ならびに接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定されるヘルパープローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブを有するストリップを提供し、
    b)クロマトグラフィーストリップの接触端を試料溶液と接触させて、毛管作用により試料溶液を捕捉帯に移動させ、それによりクロマトグラフィーストリップからヘルパープローブを放出し、そしてそれが捕捉帯に移動すると、放出ヘルパープローブを試料溶液中の標的核酸とハイブリダイズさせ、したがって標的核酸およびヘルパープローブを含む複合体が、捕捉プローブと複合体の標的核酸とのハイブリダイゼーションにより捕捉帯で捕捉され得る、そして
    c)捕捉帯での標的核酸の存在を確認する
    ことを包含する方法。
  26. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分、ならびに接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定される捕捉プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、そして捕捉プローブが標的核酸とハイブリダイズした場合、捕捉部分により結合され得る捕捉プローブを有するストリップを提供し、
    b)以下の:
    ヘルパープローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下で標的核酸とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸のハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブ
    とともに試料溶液をインキュベートし、
    c)クロマトグラフィーストリップの接触端を試料溶液と接触させて、毛管作用により試料溶液を捕捉帯に移動させ、それによりそれが捕捉帯に移動すると、放出捕捉プローブが試料溶液中の標的核酸とハイブリダイズし得るよう、そして標的核酸、捕捉プローブおよびヘルパープローブを含む複合体が、捕捉部分を複合体の捕捉プローブに結合することにより捕捉帯で捕捉され得るよう、クロマトグラフィーストリップから捕捉プローブを放出し、そして
    d)捕捉帯での標的核酸の存在を確認する
    ことを包含する方法。
  27. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブ、接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定される捕捉プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、そして捕捉プローブが標的核酸とハイブリダイズした場合、捕捉部分により結合され得る、そしてヘルパープローブが接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定され、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得る捕捉プローブを有するストリップを提供し、
    b)クロマトグラフィーストリップの接触端を試料溶液と接触させて、毛管作用により試料溶液を捕捉帯に移動させ、それによりクロマトグラフィーストリップから捕捉プローブおよびヘルパープローブを放出し、それが捕捉帯に移動すると、放出捕捉プローブおよびヘルパープローブが試料溶液中の標的核酸とハイブリダイズし得るよう、そして標的核酸、捕捉プローブおよびヘルパープローブを含む複合体が、捕捉部分を複合体の捕捉プローブに結合することにより捕捉帯で捕捉され得るよう、クロマトグラフィーストリップから捕捉プローブおよびヘルパープローブを放出し、そして
    d)捕捉帯での標的核酸の存在に関して確認する
    ことを包含する方法。
  28. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし得る捕捉プローブ、ならびに接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定された検出プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブを有するストリップを提供し、
    b)以下の:
    標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブ
    を用いて試料溶液をインキュベートし(ここで、試料溶液およびヘルパープローブはヘルパープローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる)、
    c)クロマトグラフィーストリップの接触端を試料溶液と接触させて、毛管作用により試料溶液を捕捉帯に移動させ、それにより、それが捕捉帯に移動すると、放出捕捉プローブが試料溶液中の標的核酸とハイブリダイズし得るよう、そして標的核酸、ヘルパープローブおよび検出プローブを含む複合体が、捕捉プローブと複合体の標的核酸とのハイブリダイゼーションにより捕捉帯で捕捉され得るよう、クロマトグラフィーストリップから検出プローブを放出し、そして
    d)捕捉帯での検出プローブの存在を確認する
    ことを包含する方法。
  29. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし得る捕捉プローブ、接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定された検出プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブ、ならびに接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定されたヘルパープローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化するヘルパープローブを有するストリップを提供し、
    b)クロマトグラフィーストリップの接触端を試料溶液と接触させて、毛管作用により試料溶液を捕捉帯に移動させ、それにより、それが捕捉帯に移動すると、放出ヘルパープローブおよび検出プローブが試料溶液中の標的核酸とハイブリダイズし得るよう、そして標的核酸、ヘルパープローブおよび検出プローブを含む複合体が、捕捉プローブと複合体の標的核酸とのハイブリダイゼーションにより捕捉帯で捕捉され得るよう、クロマトグラフィーストリップからヘルパープローブおよび検出プローブを放出し、そして
    d)捕捉帯での検出プローブの存在に関して調査する
    ことを包含する方法。
  30. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分、ならびに接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定された捕捉プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、そして捕捉プローブが標的核酸とハイブリダイズしていた場合、捕捉部分により結合され得る捕捉プローブを有するストリップを提供し、
    b)以下の:
    標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブ、ここで、検出プローブは、検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下で試料溶液とともにインキュベートされる、および
    標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化するヘルパープローブ
    とともに試料溶液をインキュベートし(ここで、試料溶液およびヘルパープローブはヘルパープローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下でインキュベートされる)、
    c)クロマトグラフィーストリップの接触端を試料溶液と接触させて、毛管作用により試料溶液を捕捉帯に移動させ、それにより、それが捕捉帯に移動すると、放出捕捉プローブが試料溶液中の標的核酸とハイブリダイズし得るよう、そして標的核酸、捕捉プローブ、ヘルパープローブおよび検出プローブを含む複合体が、捕捉部分と複合体の捕捉プローブとの結合により捕捉帯で捕捉され得るよう、クロマトグラフィーストリップから捕捉プローブを放出し、そして
    d)捕捉帯での検出プローブの存在に関して調査する
    ことを包含する方法。
  31. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分、ならびに接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定された検出プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブを有するストリップを提供し、
    b)以下の:
    捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下で標的核酸とハイブリダイズし得る捕捉プローブであって、標的核酸とハイブリダイズしていた場合に捕捉部分により結合され得る捕捉プローブ、および
    ヘルパープローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下で、標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブ
    とともに試料溶液をインキュベートし、
    c)クロマトグラフィーストリップの接触端を試料溶液と接触させて、毛管作用により試料溶液を捕捉帯に移動させ、それにより、それが捕捉帯に移動すると、放出検出プローブが試料溶液中の標的核酸とハイブリダイズし得るよう、そして標的核酸、捕捉プローブ、ヘルパープローブおよび検出プローブを含む複合体が、捕捉部分と複合体の捕捉プローブとの結合により捕捉帯で捕捉され得るよう、クロマトグラフィーストリップから検出プローブを放出し、そして
    d)捕捉帯での検出プローブの存在に関して調査する
    ことを包含する方法。
  32. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分、接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定された検出プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブを有するストリップを提供し、
    b)以下の:
    標的核酸とハイブリダイズし、捕捉プローブが標的核酸とハイブリダイズしていた場合、捕捉部分により結合あれ得る捕捉プローブであって、捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下で試料溶液とともにインキュベートされる捕捉プローブ、および
    標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブであって、ヘルパープローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下で、試料溶液とともにインキュベートされるヘルパープローブ
    とともに試料溶液をインキュベートし、
    c)クロマトグラフィーストリップの接触端を試料溶液と接触させて、毛管作用により試料溶液を捕捉帯に移動させ、それにより、それが捕捉帯に移動すると、放出検出プローブおよびヘルパープローブが試料溶液中の標的核酸とハイブリダイズし得るよう、そして標的核酸、捕捉プローブ、ヘルパープローブおよび検出プローブを含む複合体が、捕捉部分と複合体の補足プローブとの結合により捕捉帯で捕捉され得るよう、クロマトグラフィーストリップから検出プローブおよびヘルパープローブを放出し、そして
    d)捕捉帯での検出プローブの存在に関して調査する
    ことを包含する方法。
  33. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分、接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定された検出プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブ、ならびに接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定される捕捉プローブであって、標的核酸とハイブリダイズしていた場合、捕捉部分により結合され得る捕捉プローブを有するストリップを提供し、 b)ヘルパープローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションのための条件下で標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブと標的核酸のハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブであって、試料溶液とともにインキュベートされるヘルパープローブ
    を用いて試料溶液をインキュベートし、
    c)クロマトグラフィーストリップの接触端を試料溶液と接触させて、毛管作用により試料溶液を捕捉帯に移動させ、それにより、それが捕捉帯に移動すると、放出検出プローブおよび放出捕捉プローブが試料溶液中の標的核酸とハイブリダイズし得るよう、そして標的核酸、捕捉プローブ、ヘルパープローブおよび検出プローブを含む複合体が、捕捉部分と複合体の補足プローブとの結合により捕捉帯で捕捉され得るよう、クロマトグラフィーストリップから検出プローブおよび捕捉プローブを放出し、そして
    d)捕捉帯での検出プローブの存在に関して調査する
    ことを包含する方法。
  34. 試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験方法であって、以下の:
    a)クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分、接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定された検出プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブ、接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定されたヘルパープローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブ、ならびに接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定される捕捉プローブであって、標的核酸とハイブリダイズしていた場合、捕捉部分により結合され得る捕捉プローブを有するストリップを提供し、 b)クロマトグラフィーストリップの接触端を試料溶液と接触させて、毛管作用により試料溶液を捕捉帯に移動させ、それにより、それが捕捉帯に移動すると、放出検出プローブ、ヘルパープローブおよび捕捉プローブが試料溶液中の標的核酸とハイブリダイズし得るよう、そして標的核酸、捕捉プローブ、ヘルパープローブおよび検出プローブを含む複合体が、捕捉部分と複合体の捕捉プローブとの結合により捕捉帯で捕捉され得るよう、クロマトグラフィーストリップから検出プローブ、ヘルパープローブおよび捕捉プローブを放出し、そして
    c)捕捉帯での検出プローブの存在に関して調査する
    ことを包含する方法。
  35. 標的核酸を含入すると思われる試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験キットであって、以下の:
    i)以下の:
    クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、および
    接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブであって、標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る捕捉プローブ
    を有するストリップを含むディップスティック
    ii)標的核酸の二次配列とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブ、そして任意に
    iii)標的核酸と付着して、標的核酸の直接または間接的検出を可能にし得る検出プローブ
    を含むキット。
  36. ヘルパープローブが接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定される請求項35記載のキット。
  37. 標的核酸を含入すると思われる試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験キットであって、以下の:
    i)以下の:
    クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、および接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブであって、標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る捕捉プローブを有するストリップ
    を含むディップスティック
    ii)標的核酸の二次配列とハイブリダイズして、標的核酸の直接または間接的検出を可能にし得る検出プローブ、そして
    iii)標的核酸の三次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブと二次配列とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブ
    を含むキット。
  38. 検出プローブが接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定される請求項37記載のキット。
  39. 検出プローブおよびヘルパープローブが接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定される請求項37記載のキット。
  40. 標的核酸を含入すると思われる試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験キットであって、以下の:
    i)以下の:
    クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、および接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分を有するストリップ
    を含むディップスティック
    ii)標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る、そして捕捉プローブが一次配列とハイブリダイズしていた場合、捕捉部分により結合され得る捕捉プローブ
    iii)標的核酸の二次配列とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブ、そして任意に
    iii)標的核酸と付着して、標的核酸の直接または間接的検出を可能にし得る検出プローブ
    を含むキット。
  41. 捕捉プローブが接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定される請求項40記載のキット。
  42. 捕捉プローブおよびヘルパープローブが接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定される請求項40記載のキット。
  43. 標的核酸を含入すると思われる試料溶液中の標的核酸の存在に関する試験キットであって、以下の:
    i)以下の:
    クロマトグラフィーストリップであって、試料溶液を接触させるための接触端、および接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分を有するストリップ
    を含むディップスティック
    ii)標的核酸の一次配列とハイブリダイズし得る、そして捕捉プローブが一次配列とハイブリダイズしていた場合、捕捉部分により結合され得る捕捉プローブ
    iii)標的核酸の二次配列とハイブリダイズして、標的核酸の直接または間接的検出を可能にし得る検出プローブ、そして
    iv)標的核酸の三次配列とハイブリダイズし、それにより検出プローブと二次配列とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブ
    を含むキット。
  44. 捕捉プローブおよび/または検出プローブが接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定される請求項43記載のキット。
  45. ヘルパープローブおよび検出プローブ、そして任意に捕捉プローブが接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定される請求項43記載のキット。
  46. 試料溶液中の標的核酸の存在に関して試験するためのクロマトグラフィーストリップであって、以下の:試料溶液を接触させるための接触端;接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分であって、標的核酸とハイブリダイズし得る捕捉プローブ;ならびに接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定されたヘルパープローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブを包含するストリップ。
  47. 試料溶液中の標的核酸の存在に関して試験するためのクロマトグラフィーストリップであって、以下の:試料溶液を接触させるための接触端;接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし得る捕捉プローブ;ならびに接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定されたヘルパープローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブを包含するストリップ。
  48. 試料溶液中の標的核酸の存在に関して試験するためのクロマトグラフィーストリップであって、以下の:
    試料溶液を接触させるための接触端;
    接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分であって、標的核酸とハイブリダイズした捕捉プローブを結合し得る捕捉部分;
    接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定された捕捉プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし得る捕捉プローブ;ならびに任意に
    接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定されたヘルパープローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、それにより捕捉プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブを包含するストリップ。
  49. 試料溶液中の標的核酸の存在に関して試験するためのクロマトグラフィーストリップであって、以下の:
    試料溶液を接触させるための接触端;
    接触端から遠く離れたクロマトグラフィーストリップの捕捉帯に固定された捕捉部分であって、標的核酸とハイブリダイズした捕捉プローブを結合し得る捕捉部分;
    接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定された検出プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブを利用して標的核酸の直接または間接的検出を可能にする検出プローブ;ならびに任意に
    i)接触端および捕捉帯間のクロマトグラフィーストリップに放出可能的に固定された捕捉プローブであって、標的核酸とハイブリダイズし、そして捕捉部分により結合され得る捕捉プローブ;および/または
    ii)標的核酸とハイブリダイズし、それにより検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化し得るヘルパープローブ
    を包含するストリップ。
  50. 試料溶液中の標的核酸の存在に関して試験するためのディップスティック検定におけるヘルパープローブの使用。
  51. ヘルパープローブが捕捉プローブまたは検出プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを強化する請求項50記載の使用。
  52. 配列番号1〜18のいずれかの配列に対応する配列を有する実質的単離核酸分子または核酸類似体。
  53. 試料溶液中のCT標的核酸の存在に関する試験におけるCT標的核酸の検出を強化するためのヘルパープローブとしての請求項52記載の実質的単離核酸分子または核酸類似体の使用。
  54. 試料溶液中の標的核酸の存在に関して試験するための請求項35〜49のいずれかに記載のキットまたはクロマトグラフィーストリップの使用。
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