JP2004501235A - キトサン粒子の調製プロセス - Google Patents

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Abstract

修飾炭水化物ポリマーキトサンの粒子を生成するためのプロセスを開示する。かかるキトサン粒子は、プロセスで使用される特定の工程の結果として「活性」である。プロセスは、溶解したキトサンをその酸性溶液から、溶液に中和剤を段階的に加えることによって沈殿させるものである。剪断攪拌下で部分中和を行って、pH5.0〜6.9の範囲にある連続ゲル相を生成する。次いでこの部分中和キトサンゲル相を、さらに少なくとも10秒間剪断攪拌にさらしてゲル相を均質化する。次いで均質化したゲル相をさらに剪断攪拌下で中和して、pH6.9より高くして、分散キトサン粒子のゲル状懸濁液を生成する。この形のキトサン粒子は、特に植物管理の分野を含む、多数の状況で有用である。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、キトサン粒子の調製プロセスに関する。本明細書のプロセスによって調製される形のキトサン粒子は、植物管理利益を提供するのに特に有用であると言う意味で「活性」である。
【0002】
(発明の背景)
キトサンは、カニ、エビ、イカなどの甲殻類の殻のキチン成分から得られる修飾炭水化物ポリマーである。キトサンは、植物の管理、化粧品添加物、食品及び栄養補給剤、及び医療管理用途を含む多種多様な目的で使用される。
【0003】
ポーランド特許第125,995号、及び雑誌「応用ポリマー科学誌(Journal of Applied Polymer Science)」(1987年、第33巻、177頁)は共に、発達した内表面を有するキトサンの形の生成方法について開示している。これは、有機または無機の酸、またはそれらの塩中のキトサンの水溶液から、アルカリ金属の水酸化物を用いた中和手段によってキトサンを周期的に沈殿させる、バッチ法を介して行われる。沈殿混合物は強く攪拌される。ゲルまたは懸濁液状の沈殿キトサンは水で数回洗浄される。この既知の方法では、理論上の収率が70〜90%である、発達した内表面を有するキトサンを生成できる。しかしこの手順は、製造サイクルに少なくとも12〜24時間を必要とするバッチ法である。生成物の1回のバッチは、均一性を欠いている。その生成物は分解しようとする明確な傾向を有し、キトサン粒子の内表面の発達の程度が比較的低いためその吸着能力はかなり弱い。
【0004】
ポーランド特許第164,247号及びフィンランド特許第83,426号は共に、微晶性キトサンを生成する連続的方法を開示している。この方法では、酸及び/又はその塩中のキトサン水溶液を、アルカリ金属の水酸化物又は塩の水溶液と共に反応器に導入する。この結果、pH>7である、微晶性キトサン粒子の懸濁液が生成される。同時に、この生成された微晶性キトサン粒子のアルカリ性懸濁液を、反応器から連続的に取り除く。アルカリ溶液も直接再循環システムに導入することができる。この方法には、収率が90%未満であること、及び得られるキトサン凝集体の平均粒子サイズが1μmより大きく、保水度が5000%未満であることを含むいくつかの欠点がある。保水度は内表面の発達を示すものである。さらに、生成されたキトサン粒子の分子、超分子、及び形態構造の制御が不可能である。この連続プロセスはまた、強い分解効果の結果として、生成された微晶性キトサンの平均分子量の大幅な減少を引き起こす。
【0005】
(発明の概要)
本発明は、キトサン粒子の水性懸濁液の形で、「微晶性」キトサンの粒子を調製するプロセスを提供する。プロセスを実施するために使用される特定の工程の結果として、懸濁液中のキトサン粒子は、特に様々な植物管理利益の供給を含む多数の目的に対しこの形のキトサン物質が特に有用であるという意味で「活性」である。
本明細書のプロセスの第1の工程では、従来の任意のキトサン源によって提供され得るキトサンを、通常重量で少なくとも0.001%、好ましくは重量で0.01%〜10.0%含む水溶液を生成する。この溶液は、キトサンを完全に可溶化するのに十分低いpHで溶液を維持するのに十分な量の、有機又は無機の酸及び/又はかかる酸の塩を含む。
【0006】
プロセスの次の工程では、第1の工程の水溶液を、剪断攪拌にさらしながら中和剤を加えることによって部分的に中和する。中和剤の添加及び攪拌は、溶液をpH5.0〜6.9の連続ゲル相に変化させるに十分である。
プロセスの次の工程では、ゲル相を均質化するために、前の工程で生成された部分的に中和したゲルを、ゲル相が生成された後少なくとも10秒間剪断攪拌下に維持する。次いでこの攪拌した均質化ゲルに、均質ゲル相中のpHを6.9より高く、好ましくは7.3より高くするのに十分な中和剤を加えて、連続攪拌下でさらに中和する。pHを高めた後さらに少なくとも10秒攪拌を続けることが好ましい。これにより、所望の特性を有する、活性な微晶性キトサンの分散粒子のゲル状懸濁液が生成される。
【0007】
本プロセスの好ましい実施形態では、キトサン源と共に導入された可能性のある不溶性物質を除去するために、最初の工程で生成した水溶液を中和の前に濾過することができる。好ましくは、最終的にゲル状懸濁液を生成するキトサン粒子を、例えば水で洗浄して、水溶性塩などの物質を取り除くことができる。
好ましくは、本発明のプロセスによって生成されたキトサン粒子は、平均粒子サイズが2〜20μmであることを特徴とする。好ましくは、かかる粒子は、さらにpH6で24時間後に少なくとも90%の水溶解度を有する。
【0008】
(発明の詳細な説明)
前述のプロセスの第1工程では、キトサンの水溶液を生成する。これは、有機又は無機の酸又はそれらの塩を含む水溶液にキトサンを加えることによって達成することができる。かかる酸としては、例えば酢酸、乳酸、サリチル酸、および塩酸などを挙げることができる。キトサンが本質的に完全に溶解する、すなわち可溶化するpHで、この溶液を維持するのに十分な酸又はそれらの塩を使用しなければならない。十分な攪拌を行ってキトサンの溶解を促進させてもよい。
従来の任意のキトサン源を用いてキトサン溶液を生成することができる。かかるキトサン源は、貝から得られるものであってもよく、または真菌由来であってもよい。例えば、バンソン(Vanson,Inc.)(米国ワシントン州、レッドモンド)から商品名「キトサン(Chitosan)」、プリメックス・イングレディエンツ・SA(Primex Ingredients SA)(ノルウェー、アヴァルズネス(Avaldsnes))の「キトクリア(Chitoclear)」といった市販のキトサン源が販売されている。
【0009】
キトサンを十分な量使用して、重量で少なくとも0.001%の水溶液中キトサン濃度を生成する。溶液が重量で0.01%〜10.0%含むことがより好ましく、重量で0.01%〜1.5%含むことが最も好ましい。
本明細書のプロセスの第1の必須工程でキトサン水溶液を生成した後、溶液中に残っている可能性のある不溶性物質を除去するために次の処理の前に溶液を任意で濾過してもよい。かかる不溶性物質は、例えば、キトサン源から溶液中に導入された可能性がある。
本明細書のプロセスの第2の必須工程では、プロセスの第1の必須工程で生成されたキトサン溶液を部分的に中和する。これは、溶液を剪断攪拌下で維持しながら溶液に中和剤を加えることによって達成される。この工程で使用できる中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化アンモニウムなどの水酸化物、及びそれらの塩が挙げられる。好ましくは、これらの中和剤を、中和剤濃度が重量で0.01%〜20%の水溶液の形で第1の工程のキトサン溶液と混合する。
【0010】
この第2の必須プロセス工程での部分中和は、混合キトサン/中和剤溶液が剪断攪拌下に維持している間実施する。中和剤の添加及び剪断攪拌は共に、溶液をpH5.0〜6.9の範囲内の連続ゲル相に変化させるために十分に行うべきである。通常、10〜1000秒−1(rpm)の程度の剪断攪拌を使用することができる。
この連続ゲル相を生成した後、次にこのゲル相を均質化するために連続剪断攪拌にさらす。一般に、このような連続剪断攪拌は少なくとも10秒間実施し、好ましくは1〜60分間実施する。通常この時点で使用される剪断攪拌は、100〜5000秒−1の程度である。
次に前の工程で均質化したゲル相を、さらに剪断攪拌にさらしながらさらに中和する。この工程では、ゲルのpHを6.9より高く、好ましくは7.1〜7.5の範囲、例えば7.3にするのに必要な中和剤を加える。これは一般に、10〜1000秒−1の剪断攪拌下で行う。必要なpHに達した後、高い剪断攪拌(100〜5000秒−1)を使用して懸濁液を均質化させることができる。部分中和工程に対して前に指定したのと同じタイプ及び形の中和剤を、このさらなる中和工程で使用することができる。あるいは、このさらなる中和工程で使用する中和剤が、部分中和工程で使用する中和剤と同一である必要はない。
【0011】
このさらなる中和工程によって、キトサンの分散粒子のゲル状懸濁液が生成される。好ましくは、残存する可溶性の塩不純物を除去するために、この時点のこの粒子懸濁液を例えば水で洗浄することができる。懸濁液中のキトサン粒子も、従来の様式で濃縮し、回収し、及び/又は乾燥させることができる。本発明のプロセスは、バッチ式又は連続形式で行うことができる。
本発明によるプロセスでは、最初の部分中和工程中に、ゾル状のキトサン塩をゲルに変化させる。同時に、キトサン凝集体に対する核生成点が現れる。理論に拘泥するものではないが、強い攪拌がこれを引き起こすものと考えられている。凝集体構造が現れ、最初のゲル状態の物理−化学修飾が進行する。ここから、プロセスのさらなる中和の際に、キトサン粒子の最終凝集体構造を生成する。プロセスの最終工程で、物理/化学修飾キトサン粒子の凝集体の安定化が進行する。このキトサン製造手順中に、得られる物質の分子、超分子、及び形態的特性に関して生成物の制御構造を形成する。
【0012】
本発明によって生成されるキトサン粒子は、その結晶化度が非常に低くても、実際、有意な結晶性内容物を有する市販のキトサン製品の結晶化度よりもはるかに低くても、本明細書では「微晶性」として特徴付ける。恐らくより正確には、本明細書の粒子は、以下に説明するような多数の状況でその有用性を与えられる「活性」として特徴付けることができる。生成された粒子のキトサン物質は、特定の分子量及び多分散度を有する修飾された特定の分子構造を有する。それはまた特定の形態的特性を有し、比較的高い多孔性と、毛細管系の中に水を保持する比較的高い能力を提供する超分子構造を有する。
【0013】
修飾キトサンは、90%を超える、通常95〜99.5%の収率で本発明に従って調製することができる。物質はきわめて均質で、再現性が良い。その平均分子量は、分子多分散性が低い初期のキトサンの平均分子量に近い。この物質はまた、一般に開始キトサンの保水度よりはるかに高い保水度(WRV)を有する。実際、WRVは一般に1000%を超え、5000%を超えることさえあり、これは従来の既知の方法では達成不可能な値である。
本発明のプロセスによって、ゲル状懸濁液、ペースト、または粉末の形の、修飾構造を有する活性キトサンの実現が可能になる。ゲル状の形は、達成可能な凝集体サイズが1μm未満で安定である。ただし、好ましくは懸濁液中のキトサン粒子の平均粒子サイズは2〜20μmの範囲内である。好ましくは、これらの粒子が、pH6で24時間後に少なくとも90%、好ましくは95%の水溶解度を有する。
【0014】
本発明によって調製された修飾キトサンは、農業、薬品、製薬、動物薬、化学産業、ヘルスケア及び美容ケア製品、及び環境保護に適用することができる。前述のように、本発明によって生成される活性キトサンは植物の管理の分野で特に有用である。
本発明のプロセス及び本発明のプロセスによって製造される物質を、以下の実施例により説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0015】
(実施例)
実施例I
2%酢酸中の市販のキトサン(プリメックス・キトクリア(Primex Chitoclear))の1%の水溶液の800重量部を、攪拌器を備える反応器に導入する。最初のポリマーの特性は以下の通りである:平均分子量Mv=550kD、脱アセチル化度DD=80.6%、多分散度Pd=4.85、灰分1.70%。攪拌器の回転速度60rpmで、計量ポンプによって水酸化ナトリウムの1.5%水溶液を導入し、キトサン塩混合物がゾルからゲルに変わる推移点であるpH=6.85にする。このようにして得られたゲルを1000pmで5分間攪拌する。その後、pH=7.5に達するように攪拌速度4000rpmでさらに5分間攪拌しながら、1.5%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和を続ける。次に混合物を10分より長く均質化する。ゲル状懸濁液中に得られたキトサンを引き続き水で洗浄する。次に懸濁液を濃縮する。0.94%濃度の白色ゲル状懸濁液の形で、キトサンの840重量部を得る。これは以下のような特性を有する:Mv=488.9kD、DD=80.6%、WRV=4500%、Pd=4.45、凝集体の平均サイズ0.5〜3μm。灰分は0.32重量%である。
【0016】
実施例II
実施例Iのように、1%キトサン水溶液(実施例Iのような特性をもつ)の1000重量部を1.5%乳酸溶液と共に反応器に導入する。120rpmで連続攪拌し、pH6.0〜6.8に達するように0.75%水酸化ナトリウム水溶液を計量ポンプによって連続的に導入する。これによってキトサン塩のゾルからゲルへの変化、及びキトサンの部分生成が起こる。得られた中間生成物を1000rpmで1分間均質化し、続いてpH=7.5に達するように4000rpmで0.75%水酸化ナトリウム水溶液によってさらに10分中和する。続いて5分均質化する。ゲル状懸濁液中に得られたキトサンを実施例Iのように精製する。 この場合、キトサン640重量部がポリマー濃度1.5%の白色ゲル状懸濁液の形で得られ、これは以下の特性を有する:Mv=491.5kD、DD=80.6%、WRV=2300%、Pd=4.88、灰分0.1%、平均凝集体サイズ=0.5〜5μm。
【0017】
実施例III
実施例Iのように、実施例Iのような特性をもつ1%キトサン水溶液の800重量部を0.5%乳酸溶液と共に反応器に導入する。90rpmで連続攪拌し、pH=6.9%に達するように0.25%水酸化カリウム水溶液を計量ポンプによって連続的に導入する。これにより、キトサン塩のゾルからゲルへの推移が起こる。得られた中間生成物を1000rpmで10分間均質化し、続いてpH=7.4に達するように4000rpmで0.25%水酸化カリウム水溶液によってさらに1分中和する。次いで、この混合物を同じ攪拌速度で15分間均質化する。得られた生成物を実施例Iのように精製する。
【0018】
キトサン1020重量部がポリマー濃度0.75%の白色ゲル状懸濁液の形で得られ、これは以下の特性を有する:Mv=398.2kD、DD=80.6%、WRV=5200%、Pd=4.52、灰分0.5%、平均粒子サイズ範囲0.05〜10μm。
【0019】
実施例IV
実施例Iのように、キトサン(以下の特性をもつ:Mv=328.2kD、DD=82.5%、Pd=3.185、灰分=0.34%)の1%水溶液の900重量部を0.65%サリチル酸水溶液と共に反応器に導入する。60rpmで連続攪拌し、キトサン塩が部分的に「微晶性」の形を生成してゾルからゲルに推移するpHであるpH5.0〜6.9に達するように、0.25%水酸化ナトリウム水溶液を計量ポンプによって連続的に導入する。得られた中間生成物を4000rpmで2分間均質化し、続いてpH=7.3に達するように同じ攪拌速度で0.25%の水酸化ナトリウム水溶液によってさらに90秒間中和する。均質化は反応pH=7.3で5分間続ける。得られた生成物を実施例Iのように精製する。
キトサン445重量部がポリマー濃度2.0%の白色ゲル状懸濁液の形で得られ、これは以下の特性を有する:Mv=327kD、DD=82.5%、WRV=1380%、Pd=3.05、灰分0.05%、平均凝集体サイズ=1〜10μm。
【0020】
実施例V
実施例Iのように、1%キトサン水溶液(実施例Iのような特性をもつ)の1000重量部を1.5%乳酸溶液と共に反応器に導入する。100rpmで連続攪拌し、ゾル/ゲル推移が始まるpH5.0に達するように、0.75%水酸化ナトリウム水溶液を計量ポンプによって連続的に導入する。得られたゲルを4000rpmで5分間攪拌(試験1)または30分間攪拌(試験2)し、その後0.75%水酸化ナトリウム水溶液で1分間中和し、同時にpH=7.2に達するように4000rpmで均質化する。均質化は4000rpmでさらに10分間続ける。得られたキトサンを実施例Iのように精製する。
【0021】
両方の試験で、キトサンは以下の表1に示すような特性をもつ白色ゲル状懸濁液として得られる。
【0022】
【表1】
Figure 2004501235
【0023】
実施例VI
実施例Iのように、キトサンの1%水溶液(実施例Iのような特性をもつ)の1000重量部を1.5%乳酸溶液と共に反応器に導入する。900rpmで連続攪拌し、ゾル/ゲル推移が起こるpH6.5に達するように、0.75%水酸化ナトリウム水溶液を計量ポンプによって導入する。生成されたゲルを4000rpmで5分間攪拌(試験1)及び30分間攪拌(試験2)し、その後60秒間中和し、同時にpH=7.2に達するように4000rpmで均質化する。かかる状況下では、4000rpmで10分間均質化を続ける。得られたキトサンを実施例Iのように精製する。
【0024】
生成されたキトサンは、2試験に対して表2に示すような特性を有する白色ゲル状懸濁液の形を取る。
【0025】
【表2】
Figure 2004501235
【0026】
実施例VII
この実施例では、攪拌器を備える反応器と、ポンプを備える計量ポンプ及び再循環アセンブリと、第2の反応器に連結された中間生成物用の出口とから成る1組の装置を使用する。1.5%乳酸水溶液と実施例IVのような特性をもつ1%キトサンとを含む水溶液の1000重量部を第1の反応器に導入する。1000rpmで連続攪拌し、pH=6.8に達しゾル/ゲル推移に達するように、0.75%水酸化ナトリウム水溶液を連続的に導入する。次に攪拌器を1000rpmで動作させ、1.5%の乳酸中キトサン溶液を1時間当たり1200重量部の割合で連続的に導入する。また0.75%NaOH溶液を1時間当たり585重量部の割合で導入し、これによってpHを6.7〜6.9に保つことができる。再循環アセンブリのスイッチをオンにすると同時に、生成されたゲルを第2の反応器に加える。第2の反応器中のゲルをpH=7.5まで連続的に中和して、活性キトサンを生成する。第2の反応器中の混合物を4000rpmで均質化する。反応器中の平均保持時間は30分である。
第2の反応器から得られた生成物を実施例Iのように精製する。白色ゲル状懸濁液中のキトサンが、1時間当たり20重量部の生産量で得られ、これは以下の特性を有する:濃度=1.94%、Mv=315kD、DD=82.5%、Pd=2.95、WRV=5900%。

Claims (12)

  1. 微晶性キトサンの粒子を、好ましくは植物管理利益を提供するのに好適な形で調整するプロセスであって、
    A)重量で少なくとも0.001%のキトサンを含む水溶液を生成するステップであり、この溶液がさらに有機又は無機の酸、及び/又は前記酸の塩を十分な量含み、前記キトサンを完全に溶解するのに十分低いpHに前記溶液を維持するステップと、
    B)前記水溶液を剪断攪拌にさらしながら、中和剤を加えることによって前記水溶液を部分中和するステップであり、中和剤の添加及び攪拌が前記溶液をpH5.0〜6.9の連続ゲル相に変化させるのに十分であるステップと、
    C)前記ゲル相を均質化するために、前記ゲルが生成された後少なくとも10秒間剪断攪拌下で、ステップB)で生成された中和ゲルを保持するステップと、
    D)続いて、微晶性キトサンの分散粒子のゲル状懸濁液を生成するのに十分な範囲まで剪断攪拌を続けると共に、前記均質ゲル相を、そのpHを6.9より高く、好ましくは7.3より高くするのに十分な中和剤をさらに加えることによって、ステップC)で生成された前記均質ゲル相をさらに中和するステップと
    を含むことを特徴とするプロセス。
  2. 好ましくは植物管理利益を提供するのに好適な粒子を供給するために、活性なキトサン粒子を調製するプロセスであって、
    A)攪拌下でキトサン源を水と混合し、前記キトサンを完全に可溶化するに十分な量の酸を加えて前記混合物のpHを下げることによって、重量で0.01%〜10.0%のキトサンを含む水溶液を生成するステップと、
    B)不溶性物質を除去するために前記溶液を濾過するステップと、
    C)中和剤の添加及び攪拌が前記溶液をpH5.0〜6.9の連続ゲル相に変化させるのに十分であるように、前記水溶液を剪断攪拌にさらしながら、中和剤を加えることによって前記濾過した水溶液を部分的に中和するステップと、
    D)ステップC)で生成された中和ゲルを、前記ゲルを均質化するために、前記ゲルが生成された後少なくとも10秒間剪断攪拌下で維持するステップと、
    E)続いて、ステップD)で生成された前記均質ゲル相を、連続剪断攪拌下で、前記均質ゲル相のpHを6.9より高く、好ましくは7.3より高くするのに十分な中和剤をさらに加えることによってより中和するステップと、
    F)活性キトサンの分散粒子のゲル状懸濁液を生成するために、pHを上昇させた後少なくとも10秒間前記均質化ゲル相の攪拌を続けるステップと、
    G)その後、活性キトサン粒子の前記ゲル状懸濁液を洗浄するステップと
    を含むことを特徴とするプロセス。
  3. ステップF)で生成されたゲル状懸濁液をステップG)で水で洗浄して懸濁液から水溶性の塩を取り除くことを特徴とする請求項2に記載のプロセス。
  4. キトサンの初期の水溶液が、酢酸、乳酸、サリチル酸、及び塩酸から成る群より選択される酸を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプロセス。
  5. プロセスで使用される中和剤が、重量で0.01%〜2%の中和剤を含む水溶液の形で使用される、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化アンモニウムから成る群より選択されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプロセス。
  6. 部分中和工程中に使用される剪断攪拌が、10〜1000秒−1の範囲で適用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  7. 均質化工程中に使用される剪断攪拌が、100〜5000秒−1の範囲で適用され、1〜60分間続くことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプロセス。
  8. バッチ式様式で実施されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプロセス。
  9. 連続様式で実施されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプロセス。
  10. 前記キトサン粒子サイズの範囲が2〜20μmで、水溶解度がpH6で24時間後に少なくとも90%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のプロセスによって調製されるキトサン粒子の懸濁液。
  11. 前記キトサン粒子の保水度がキトサン開始物質の保水度よりも高いことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のプロセスによって調整されるキトサン粒子の懸濁液。
  12. 前記キトサン粒子の保水度が少なくとも1000%、好ましくは少なくとも5000%であることを特徴とする請求項11に記載のキトサン粒子の懸濁液。
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