JP3479225B2 - 水溶性キトサン含有粒体およびその製造方法 - Google Patents
水溶性キトサン含有粒体およびその製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に水に対して
不溶性のキトサンを水溶性に加工した水溶性キトサン含
有粒体およびその製造方法に関する。
不溶性のキトサンを水溶性に加工した水溶性キトサン含
有粒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】キトサンは、現在、食品分野、医療分野、
農水産分野、さらには、畜産分野に広く用いられてい
る。このように、キトサンの利用範囲は、多岐にわたっ
ている。そして、これらの分野をはじめとして、将来的
に、多くの新しい利用法が開発される可能性を秘め、そ
の利用範囲は、広がるばかりである。
農水産分野、さらには、畜産分野に広く用いられてい
る。このように、キトサンの利用範囲は、多岐にわたっ
ている。そして、これらの分野をはじめとして、将来的
に、多くの新しい利用法が開発される可能性を秘め、そ
の利用範囲は、広がるばかりである。
【0003】キトサンを使用する場合、通常、キトサン
を水に溶解した水溶液の状態で使用する。キトサンは、
水に対して不溶性であるので、キトサンを溶解する場合
には以下のような工程を経なければならない。まず、キ
トサンを水で膨潤させ、その後、有機酸などの酸を加え
て溶解する。このように、膨潤したキトサンは、酸性の
水溶液に溶解する。しかし、酸性溶液に単にキトサンを
加えたのでは、キトサン表面がゼラチン状になり、水に
対して溶解しない。以上のことからもわかるように、キ
トサンを水に溶解するには、煩雑な工程を経なければな
らない。
を水に溶解した水溶液の状態で使用する。キトサンは、
水に対して不溶性であるので、キトサンを溶解する場合
には以下のような工程を経なければならない。まず、キ
トサンを水で膨潤させ、その後、有機酸などの酸を加え
て溶解する。このように、膨潤したキトサンは、酸性の
水溶液に溶解する。しかし、酸性溶液に単にキトサンを
加えたのでは、キトサン表面がゼラチン状になり、水に
対して溶解しない。以上のことからもわかるように、キ
トサンを水に溶解するには、煩雑な工程を経なければな
らない。
【0004】また、上記のようにしてキトサンの水溶液
を調整したとしても、水溶液の状態では、移送に不便で
ある。さらに、長期間、キトサンを水溶液の状態で保存
すると変質しやすく、たとえば、褐変したり、濁りを生
じたりするようになる。また、キトサンの濃度が高い場
合には、褐変固化することもある。
を調整したとしても、水溶液の状態では、移送に不便で
ある。さらに、長期間、キトサンを水溶液の状態で保存
すると変質しやすく、たとえば、褐変したり、濁りを生
じたりするようになる。また、キトサンの濃度が高い場
合には、褐変固化することもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡便にキト
サンを水に溶解することができ、かつ、保存安定性に優
れた水溶性キトサン含有粒体およびその製造方法を提供
することにある。
サンを水に溶解することができ、かつ、保存安定性に優
れた水溶性キトサン含有粒体およびその製造方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の水溶性キトサン
含有粒体の製造方法は、第1の液体の存在下において、
固体有機酸を振とうし、該固体有機酸を造粒する工程お
よび第2の液体の存在下において、キトサンと前記造粒
された固体有機酸との混合物を振とうする工程を含む。
含有粒体の製造方法は、第1の液体の存在下において、
固体有機酸を振とうし、該固体有機酸を造粒する工程お
よび第2の液体の存在下において、キトサンと前記造粒
された固体有機酸との混合物を振とうする工程を含む。
【0007】本発明の製造方法により得られた水溶性キ
トサン含有粒体(以下「第1の水溶性キトサン含有粒
体」という)は、以下のような利点を有する。
トサン含有粒体(以下「第1の水溶性キトサン含有粒
体」という)は、以下のような利点を有する。
【0008】(a)キトサンは、上述のように、一般に
水に対して不溶性である。しかし、水溶性キトサン含有
粒体は、水溶性キトサン含有粒体を水中に導入し、単に
撹拌または振とうさせるのみで、キトサンを水に溶かす
性質を有している。
水に対して不溶性である。しかし、水溶性キトサン含有
粒体は、水溶性キトサン含有粒体を水中に導入し、単に
撹拌または振とうさせるのみで、キトサンを水に溶かす
性質を有している。
【0009】(b)水溶性キトサン含有粒体は、キトサ
ンを有機酸の周囲に付着させた固体状態で保存するた
め、キトサンをキトサン水溶液の状態で保存することに
比べて、保存安定性に優れている。すなわち、本発明の
水溶性キトサン含有粒体は、キトサンを水溶液の状態で
保存した場合に生じる問題、たとえば、褐変したり、濁
りを生じたり、褐変固化を生じたりする問題が起きな
い。
ンを有機酸の周囲に付着させた固体状態で保存するた
め、キトサンをキトサン水溶液の状態で保存することに
比べて、保存安定性に優れている。すなわち、本発明の
水溶性キトサン含有粒体は、キトサンを水溶液の状態で
保存した場合に生じる問題、たとえば、褐変したり、濁
りを生じたり、褐変固化を生じたりする問題が起きな
い。
【0010】(c)水溶性キトサン含有粒体は、キトサ
ン水溶液に比べて、移送ならびに取扱いが容易である。
ン水溶液に比べて、移送ならびに取扱いが容易である。
【0011】(d)用途に応じたキトサンの濃度の調整
を容易に行うことができ、常に、新鮮なキトサン水溶液
を用意することが可能となる。
を容易に行うことができ、常に、新鮮なキトサン水溶液
を用意することが可能となる。
【0012】また、本発明の別の水溶性キトサン含有粒
体の製造方法は、第3の液体の存在下において、固体有
機酸を振とうし、該固体有機酸を造粒する工程と、第4
の液体の存在下において、バインダーと前記造粒された
固体有機酸との混合物を振とうする工程および第5の液
体の存在下において、キトサンと前記造粒された固体有
機酸との混合物を振とうする工程とを含む。
体の製造方法は、第3の液体の存在下において、固体有
機酸を振とうし、該固体有機酸を造粒する工程と、第4
の液体の存在下において、バインダーと前記造粒された
固体有機酸との混合物を振とうする工程および第5の液
体の存在下において、キトサンと前記造粒された固体有
機酸との混合物を振とうする工程とを含む。
【0013】この製造方法により得られた水溶性キトサ
ン含有粒体(以下「第2のキトサン含有粒体」という)
は、バインダー層を有している。このように、バインダ
ー層を有しているため、第2の水溶性キトサン含有粒体
は、第1の水溶性キトサン含有粒体に比べ、キトサンの
水に対する高い溶解性を発現させることができる。
ン含有粒体(以下「第2のキトサン含有粒体」という)
は、バインダー層を有している。このように、バインダ
ー層を有しているため、第2の水溶性キトサン含有粒体
は、第1の水溶性キトサン含有粒体に比べ、キトサンの
水に対する高い溶解性を発現させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。
する。
【0015】(固体有機酸)固体有機酸は、結晶または
粉末の有機酸であることが好ましい。有機酸としては、
特に限定されないが、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、
マロン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボン酸、ア
スコルビン酸などを挙げることができる。
粉末の有機酸であることが好ましい。有機酸としては、
特に限定されないが、リンゴ酸、クエン酸、コハク酸、
マロン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボン酸、ア
スコルビン酸などを挙げることができる。
【0016】かかる固体有機酸は、水溶性キトサン含有
粒体の核としての役割を果たす。また、固体有機酸は、
水に溶解し、キトサンを中和して、キトサンが水に解け
やすい環境、すなわち、中性または酸性の状態にする機
能を有する。
粒体の核としての役割を果たす。また、固体有機酸は、
水に溶解し、キトサンを中和して、キトサンが水に解け
やすい環境、すなわち、中性または酸性の状態にする機
能を有する。
【0017】固体有機酸の量は、キトサンの十分な溶解
性を得るために、キトサンのグルコサミン量に対して、
中和の当量以上であることが望ましい。
性を得るために、キトサンのグルコサミン量に対して、
中和の当量以上であることが望ましい。
【0018】(キトサン)キトサンは、キチン(β−
1,4−ポリ−N−アセチルグルコサミン)を濃アルカ
リ溶液と加熱して得られる部分脱アセチル化物であり、
主として、β−1,4−ポリ−グルコサミンより構成さ
れる高分子化合物である。
1,4−ポリ−N−アセチルグルコサミン)を濃アルカ
リ溶液と加熱して得られる部分脱アセチル化物であり、
主として、β−1,4−ポリ−グルコサミンより構成さ
れる高分子化合物である。
【0019】キトサンの分子量は、特に限定されるもの
ではない。本発明は、水に対して不溶のキトサンを容易
に水に溶解させることができるため、水に不溶のキトサ
ン、具体的には、分子量が約2,000〜100,00
0のキトサンに非常に効果的である。
ではない。本発明は、水に対して不溶のキトサンを容易
に水に溶解させることができるため、水に不溶のキトサ
ン、具体的には、分子量が約2,000〜100,00
0のキトサンに非常に効果的である。
【0020】また、脱アセチル化度としては、60%以
上であれば、特に限定されない。脱アセチル化度は、好
ましくは、80%以上である。
上であれば、特に限定されない。脱アセチル化度は、好
ましくは、80%以上である。
【0021】キトサンの粒度は、特に限定されるもので
はないが、40メッシュ以上が好ましい。
はないが、40メッシュ以上が好ましい。
【0022】(バインダー)バインダーとしては、たと
えば、オリゴ糖、糖アルコールなどの糖類、デンプン、
デキストリン、食物繊維などが挙げられ、これらを1種
単独で、あるいは2種以上を併用して使用することがで
きる。
えば、オリゴ糖、糖アルコールなどの糖類、デンプン、
デキストリン、食物繊維などが挙げられ、これらを1種
単独で、あるいは2種以上を併用して使用することがで
きる。
【0023】糖類としては、オリゴ糖、糖アルコール、
乳糖などを挙げることができる。
乳糖などを挙げることができる。
【0024】オリゴ糖としては、トレハロース、イソマ
ルトース、ラフィノース、パラチノース、大豆オリゴ
糖、乳果オリゴ糖などを挙げることができる。
ルトース、ラフィノース、パラチノース、大豆オリゴ
糖、乳果オリゴ糖などを挙げることができる。
【0025】糖アルコールとしては、マルチトール、還
元パラチノース、エリスリトール、還元乳糖などを挙げ
ることができる。
元パラチノース、エリスリトール、還元乳糖などを挙げ
ることができる。
【0026】食物繊維としては、ファイバー、セルロー
ス、マンナン、ガム類、寒天、アルギン酸ナトリウム、
カゼインナトリウム、繊維素、グリコール酸ナトリウ
ム、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチ
ルセルロースなどを挙げることができる。
ス、マンナン、ガム類、寒天、アルギン酸ナトリウム、
カゼインナトリウム、繊維素、グリコール酸ナトリウ
ム、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチ
ルセルロースなどを挙げることができる。
【0027】バインダー層は、有機酸の核とキトサン層
の間に設けられる。バインダー層を設けることにより、
以下のような利点がある。
の間に設けられる。バインダー層を設けることにより、
以下のような利点がある。
【0028】水溶性キトサン含有粒体を水に導入した場
合に、まず、キトサンが膨潤する。ついで、バインダ
ー、酸の順に水に溶解するため、キトサンは、容易に、
酸溶液に溶解することになる。
合に、まず、キトサンが膨潤する。ついで、バインダ
ー、酸の順に水に溶解するため、キトサンは、容易に、
酸溶液に溶解することになる。
【0029】バインダーの使用量は、有機酸の粒径によ
って変わるが、有機酸100重量部に対して、50〜1
00重量部である。
って変わるが、有機酸100重量部に対して、50〜1
00重量部である。
【0030】(第1の液体)第1の液体としては、たと
えば、水、アルコール類が挙げられ、1種単独で、ある
いは2種以上を併用することもできる。
えば、水、アルコール類が挙げられ、1種単独で、ある
いは2種以上を併用することもできる。
【0031】アルコール類としては、沸点が低いアルコ
ールが好ましく、たとえば、メタノール、エタノール、
プロパノールを挙げることができ、特に好ましくはエタ
ノールである。
ールが好ましく、たとえば、メタノール、エタノール、
プロパノールを挙げることができ、特に好ましくはエタ
ノールである。
【0032】また、水とアルコール類を混合して使用す
る場合の混合比(エタノール/水)は、80/20が好
ましい。
る場合の混合比(エタノール/水)は、80/20が好
ましい。
【0033】かかる第1の液体は、固体有機酸を造粒す
るために必要なものである。
るために必要なものである。
【0034】第1の液体の使用量は、たとえば、固体有
機酸100重量部に対して、10〜20重量部である。
機酸100重量部に対して、10〜20重量部である。
【0035】(第2の液体)第2の液体の具体例は、第
1の液体と同様である。また、水とアルコール類を混合
して使用する場合の混合比(エタノール/水)について
も第1の液体と同様である。第2の液体は、固体有機酸
の周囲に、キトサンを付着させるために必要なものであ
る。第2の液体の使用量としては、たとえば、固体有機
酸100重量部に対して、10〜20重量部である。
1の液体と同様である。また、水とアルコール類を混合
して使用する場合の混合比(エタノール/水)について
も第1の液体と同様である。第2の液体は、固体有機酸
の周囲に、キトサンを付着させるために必要なものであ
る。第2の液体の使用量としては、たとえば、固体有機
酸100重量部に対して、10〜20重量部である。
【0036】(第3の液体)第3の液体についての詳細
は、第1の液体と同様である。
は、第1の液体と同様である。
【0037】(第4の液体)第4の液体の具体例は、第
2の液体と同様である。また、水とアルコール類を混合
して使用する場合の混合比(エタノール/水)は、80
/20が好ましい。
2の液体と同様である。また、水とアルコール類を混合
して使用する場合の混合比(エタノール/水)は、80
/20が好ましい。
【0038】第4の液体は、固体有機酸の周囲に、バイ
ンダーを付着させるために必要なものである。第4の液
体の使用量は、たとえば、固体有機酸100重量部に対
して、10〜20重量部である。
ンダーを付着させるために必要なものである。第4の液
体の使用量は、たとえば、固体有機酸100重量部に対
して、10〜20重量部である。
【0039】(第5の液体)第5の液体の具体例は、第
2の液体と同様である。また、水とアルコール類を混合
して使用する場合の混合比(エタノール/水)は、80
/20が好ましい。第5の液体は、バインダー層の周囲
にキトサンを付着させるために必要なものである。第5
の液体の使用量としては、固体有機酸100重量部に対
して、50〜100重量部である。
2の液体と同様である。また、水とアルコール類を混合
して使用する場合の混合比(エタノール/水)は、80
/20が好ましい。第5の液体は、バインダー層の周囲
にキトサンを付着させるために必要なものである。第5
の液体の使用量としては、固体有機酸100重量部に対
して、50〜100重量部である。
【0040】(第1の水溶性キトサン含有粒体)第1の
水溶性キトサン含有粒体は、たとえば、顆粒状の形態を
とる。
水溶性キトサン含有粒体は、たとえば、顆粒状の形態を
とる。
【0041】第1の水溶性キトサン含有粒体は、固体有
機酸の周囲に、キトサン層が形成されている構造を有す
る。
機酸の周囲に、キトサン層が形成されている構造を有す
る。
【0042】(第1の水溶性キトサン含有粒体の製造方
法) (1)第1の液体を加えながら、固体有機酸を振とう
し、固体有機酸を造粒する。
法) (1)第1の液体を加えながら、固体有機酸を振とう
し、固体有機酸を造粒する。
【0043】(2)次いで、造粒された固体有機酸とキ
トサンとの混合物を得た後、第2の液体を加えながら、
その混合物を振とうする。振とうは、固体有機酸の周囲
にキトサン層が形成されるまで行う。
トサンとの混合物を得た後、第2の液体を加えながら、
その混合物を振とうする。振とうは、固体有機酸の周囲
にキトサン層が形成されるまで行う。
【0044】(第2の水溶性キトサン含有粒体)第2の
水溶性キトサン含有粒体は、たとえば、顆粒状の形態を
とる。
水溶性キトサン含有粒体は、たとえば、顆粒状の形態を
とる。
【0045】第2の水溶性キトサン含有粒体は、固体有
機酸の周囲に、バインダー層が形成され、さらに、バイ
ンダー層の周囲にキトサン層が形成されている構造を有
する。
機酸の周囲に、バインダー層が形成され、さらに、バイ
ンダー層の周囲にキトサン層が形成されている構造を有
する。
【0046】(第2の水溶性キトサン含有粒体の製造方
法) (1)第3の液体を加えながら、固体有機酸を振とう
し、固体有機酸を造粒する。
法) (1)第3の液体を加えながら、固体有機酸を振とう
し、固体有機酸を造粒する。
【0047】(2)(1)で得られた造粒された固体有
機酸と、バインダーとの混合物を得る。第4の液体を加
えながら、その混合物を振とうさせ、固体有機酸のまわ
りに、バインダー層を形成する。
機酸と、バインダーとの混合物を得る。第4の液体を加
えながら、その混合物を振とうさせ、固体有機酸のまわ
りに、バインダー層を形成する。
【0048】(3)次いで、バインダー層が形成された
固体有機酸と、キトサンとの混合物を得る。第5の液体
を加えながら、その混合物を振とうさせ、バインダー層
の周囲にキトサン層を形成する。これにより、第2の水
溶性キトサン含有粒体が得られる。
固体有機酸と、キトサンとの混合物を得る。第5の液体
を加えながら、その混合物を振とうさせ、バインダー層
の周囲にキトサン層を形成する。これにより、第2の水
溶性キトサン含有粒体が得られる。
【0049】(振とう方法)上記の振とうの際の振とう
方法としては、公知の方法を適用できる。また、水溶性
キトサン含有粒体を多量に製造する場合には、好適な例
として、転動造粒器を用いた方法を挙げることができ
る。
方法としては、公知の方法を適用できる。また、水溶性
キトサン含有粒体を多量に製造する場合には、好適な例
として、転動造粒器を用いた方法を挙げることができ
る。
【0050】
【実施例】(実施例1)合成樹脂製の袋の中に、リンゴ
酸結晶8gを入れ、これに水1mlを噴霧しながら3〜
5分間振とうした。さらに、袋の中にキトサン粉末(分
子量50,000〜60,000、脱アセチル化度80
〜90%)10gを加え、水3mlを噴霧しながら3〜
5分間振とうし、水溶性キトサン含有顆粒を形成した。
次いで、その顆粒を袋から取り出し、乾燥器中で35℃
の条件で、30分間乾燥した。乾燥後の水溶性キトサン
含有顆粒の粒径は、20〜30メッシュであった。
酸結晶8gを入れ、これに水1mlを噴霧しながら3〜
5分間振とうした。さらに、袋の中にキトサン粉末(分
子量50,000〜60,000、脱アセチル化度80
〜90%)10gを加え、水3mlを噴霧しながら3〜
5分間振とうし、水溶性キトサン含有顆粒を形成した。
次いで、その顆粒を袋から取り出し、乾燥器中で35℃
の条件で、30分間乾燥した。乾燥後の水溶性キトサン
含有顆粒の粒径は、20〜30メッシュであった。
【0051】ここで得られた水溶性キトサン含有顆粒の
水に対する溶解度を調べるため、以下の実験を行った。
水に対する溶解度を調べるため、以下の実験を行った。
【0052】上記の方法で得られた水溶性キトサン含有
顆粒1gを、100mlの温水(35℃)に加え、スタ
ーラーで5分間撹拌した。撹拌後、水に溶解せずに残っ
た残留物をろ別した。その残留物を乾燥後、秤量し、残
存割合を求めた。上記の製造、実験を5回行ったとこ
ろ、秤量結果は、0.5〜0.8%の範囲に収まった。
顆粒1gを、100mlの温水(35℃)に加え、スタ
ーラーで5分間撹拌した。撹拌後、水に溶解せずに残っ
た残留物をろ別した。その残留物を乾燥後、秤量し、残
存割合を求めた。上記の製造、実験を5回行ったとこ
ろ、秤量結果は、0.5〜0.8%の範囲に収まった。
【0053】(実施例2)合成樹脂製の袋の中に、リン
ゴ酸8gを入れ、これにエタノール1mlを噴霧しなが
ら3〜5分間振とうした。次いで、デキストリン5gを
加え、エタノール1mlを噴霧しながら、振とうした。
さらに、袋の中にキトサン粉末(分子量50,000〜
60,000、脱アセチル化度80〜90%)10gを
加え、80%エタノール6mlを噴霧しながら3〜5分
間振とうし、キトサン含有顆粒を形成した。次いで、そ
の顆粒を袋から取り出し、乾燥器中で35℃の条件で、
30分間乾燥した。乾燥後の水溶性キトサン含有顆粒の
粒径は、20〜30メッシュであった。
ゴ酸8gを入れ、これにエタノール1mlを噴霧しなが
ら3〜5分間振とうした。次いで、デキストリン5gを
加え、エタノール1mlを噴霧しながら、振とうした。
さらに、袋の中にキトサン粉末(分子量50,000〜
60,000、脱アセチル化度80〜90%)10gを
加え、80%エタノール6mlを噴霧しながら3〜5分
間振とうし、キトサン含有顆粒を形成した。次いで、そ
の顆粒を袋から取り出し、乾燥器中で35℃の条件で、
30分間乾燥した。乾燥後の水溶性キトサン含有顆粒の
粒径は、20〜30メッシュであった。
【0054】ここで得られた水溶性キトサン含有顆粒の
水に対する溶解度を調べるため、以下の実験を行った。
水に対する溶解度を調べるため、以下の実験を行った。
【0055】上記の方法で得られた水溶性キトサン含有
顆粒1gを100mlの温水(35℃)に加え、スター
ラーで5分間撹拌した。撹拌後、水に溶解せずに残った
残留物をろ別した。その残留物を乾燥後、秤量し、残存
割合を求めた。上記の製造、実験を5回行ったところ、
秤量結果は、0.3〜0.7%の範囲に収まった。
顆粒1gを100mlの温水(35℃)に加え、スター
ラーで5分間撹拌した。撹拌後、水に溶解せずに残った
残留物をろ別した。その残留物を乾燥後、秤量し、残存
割合を求めた。上記の製造、実験を5回行ったところ、
秤量結果は、0.3〜0.7%の範囲に収まった。
Claims (13)
- 【請求項1】 第1の液体の存在下において、固体有機
酸を振とうし、該固体有機酸を造粒する第1の工程、お
よび第2の液体の存在下において、キトサンと前記第1
の工程で造粒された固体有機酸との混合物を振とうする
第2の工程、を含む水溶性キトサン含有粒体の製造方
法。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記水溶性キトサン含有粒体は、顆粒状である水溶性キ
トサン含有粒体の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 前記固体有機酸は、結晶または粉末であり、 該固体有機酸の量は、キトサンのグルコサミン量に対し
て、中和の当量以上である水溶性キトサン含有粒体の製
造方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかにお
いて、 前記固体有機酸は、カルボン酸、アスコルビン酸である
水溶性キトサン含有粒体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかにお
いて、 前記第1の液体は、水、アルコール類の群から選択され
る少なくとも1種からなり、 前記第2の液体は、水、アルコール類の群から選択され
る少なくとも1種からなる水溶性キトサン含有粒体の製
造方法。 - 【請求項6】 第3の液体の存在下において、固体有機
酸を振とうし、該固体有機酸を造粒する第1の工程、 第4の液体の存在下において、バインダーと前記第1の
工程で造粒された固体有機酸との混合物を振とうする第
2の工程、および第5の液体の存在下において、キトサ
ンと前記造粒された固体有機酸との混合物を振とうする
第3の工程、を含む水溶性キトサン含有粒体の製造方
法。 - 【請求項7】 請求項6において、 前記水溶性キトサン含有粒体は、顆粒状である水溶性キ
トサン含有粒体の製造方法。 - 【請求項8】 請求項6または請求項7において、 前記固体有機酸は、結晶または粉末であり、 該固体有機酸の量は、キトサンのグルコサミン量に対し
て、中和の当量以上である水溶性キトサン含有粒体の製
造方法。 - 【請求項9】 請求項6ないし請求項8のいずれかにお
いて、 前記固体有機酸は、カルボン酸、アスコルビン酸である
水溶性キトサン含有粒体の製造方法。 - 【請求項10】 請求項6ないし請求項9のいずれかに
おいて、 前記バインダーは、デンプン、糖類およびオリゴ糖の群
から選択される少なくとも1種である水溶性キトサン含
有粒体の製造方法。 - 【請求項11】 請求項6ないし請求項10のいずれか
において、 前記第3の液体は、水、アルコール類の群から選択され
る少なくとも1種からなり、 前記第4の液体は、水、アルコール類の群から選択され
る少なくとも1種からなり、 前記第5の液体は、水、アルコール類の群から選択され
る少なくとも1種からなる水溶性キトサン含有粒体の製
造方法。 - 【請求項12】 請求項1ないし請求項5のいずれかに
記載の水溶性キトサン含有粒体の製造方法によって得ら
れ、前記水溶性キトサン含有粒体は、固体有機酸の周囲
に、キトサン層が形成されている構造を有する水溶性キ
トサン含有粒体。 - 【請求項13】 請求項6ないし請求項11のいずれか
に記載の水溶性キトサン含有粒体の製造方法によって得
られ、前記水溶性キトサン含有粒体は、固体有機酸の周
囲に、バインダー層が形成され、さらに、バインダー層
の周囲にキトサン層が形成されている水溶性キトサン含
有粒体。
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---|---|---|---|
JP23648998A JP3479225B2 (ja) | 1998-08-07 | 1998-08-07 | 水溶性キトサン含有粒体およびその製造方法 |
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---|---|
JP2000053704A JP2000053704A (ja) | 2000-02-22 |
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JP (1) | JP3479225B2 (ja) |
-
1998
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