JP2004500875A - 組換えタンパク質過剰発現用開始コドン下流の修飾構築体 - Google Patents

組換えタンパク質過剰発現用開始コドン下流の修飾構築体 Download PDF

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Abstract

本発明は、原核生物宿主細胞中においてトリプトファンオペロンPtrp制御下に配置された対象の組換えタンパク質をコードする遺伝子の発現のための構築体に関し、それは、その開始コドンの直下流の配列番号1の核酸配列、及び、この配列下流にあり前記対象の組換えタンパク質をコードする遺伝子を受け取るようにしたマルチクローニングカセットを含み、前記配列番号1のヌクレオチド類の少なくとも1個は前記組換えタンパク質の過剰発現を可能とするべく変異しているかまたは欠失している。本発明はまた、このような構築体を含むベクター、前記ベクターで形質転換された原核生物宿主細胞、ならびに本発明による構築体を用いて対象の組換えタンパク質を製造する方法に関する。

Description

【0001】
本発明は、原核生物宿主細胞中においてトリプトファンオペロンPtrp制御下に配置された対象の組換えタンパク質をコードする遺伝子を発現させるための構築体に関する。この構築体は、前記開始コドンの直下流の配列番号1の核酸配列、及び、この配列下流にあり前記対象の組換えタンパク質をコードする遺伝子を受け取るように意図したマルチクローニングカセットとを含み、前記組換えタンパク質の過剰発現を可能とするべく前記配列番号1のヌクレオチドの少なくとも1個は変異しているかまたは欠失している。本発明はまた、このような構築体を含むベクター、前記ベクターで形質転換された原核生物宿主細胞、およびまた、本発明による構築体を用いて対象の組換えタンパク質を製造する方法に関する。
【0002】
配列/機能関係を確立するため短期間に遺伝子をクローニングし、それを生物活性タンパク質の形状で発現させ、その後その変異体を創造するバイオテクノロジー研究者の力により、医療または研究目的のため広範囲の組換えタンパク質が提案できるようになった。多くのヒト疾患は、現在、有用な分子が純粋な形状でかつ許容可能なコストでバイオテクノロジーから得られたことにより、治療されまたは防止されている(K.Koths,Current Opinion in Biotechnology,6,681−687,1995)。
【0003】
細菌菌細胞は、限定的栄養要求性を有している一方で同時に高成長密度を達成可能であることばかりでなく、更にそれらが過去において対象の変異体および改変プラスミド発現系の製造をもたらした多くの研究の対象であったので、組換えタンパク質発現のための好適な宿主となっている。細菌のなかでも、Escherichia coli(大腸菌E.coli)は、原核生物または真核生物由来のタンパク質のその中での発現に関する非常に多くの文献を考慮すれば、最も汎用されかつ最も特徴解析が進んだ生物である。しかし、種々のレベルで起こりうる種々の問題のために、全てのタンパク質が同一効率でその中で発現されるというわけではない:対象の遺伝子の転写、翻訳、翻訳後の事象は、細菌の細胞質または周縁の環境中の分子に影響を及ぼす(S.C.Makrides,Microbiological Reviews,60,512−538,1996)。
【0004】
効率的に翻訳されるためには、メッセンジャーRNAが細菌リボゾームの結合を特異的に決定しかつ翻訳開始を可能とする配列を含んでいなければならない。この配列はリボゾーム結合部位(RBS)と称され、開始コドンをカバーする領域に位置している。細菌性mRNA開始ドメインの統計的解析によれば、ヌクレオチド34個分のウインドウ(34 nucleotide window)が存在することが明らかになっており、その配列はランダム分布と異なっている(L.Gold,Annual Review of Biochemistry,57,199−233,1988)。この配列は、+1位を開始コドンの第1ヌクレオチドとすればmRNAの−20位から+13位の範囲にあり、リボゾームが“RBS様”配列の全てから真の開始ドメインを識別することを手助けすることによってRBSの役割を担っている。そのいくつかの特徴的要素を決定することにより、多くの研究によりRBSに関しての知識を深めることが可能になった:
【0005】
i)シャイン−ダルガルノ(SD)配列:
16SリボゾームRNAの3’末端の配列決定以降(J.Shine and L.Dalgarno,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,71,1342−1346,1974)、この“シャイン−ダルガルノ”配列とは、16S rRNAの3’末端の配列5’−CCUCCUUA−3’と相補性を示す開始コドンの5’に位置するmRNA領域として定義されている。16S rRNAとRBSとの間にこのシャイン−ダルガルノ配列によって媒介される相互作用が存在することは、E.coli mRNAの天然RBSの領域[−12;−7]中においてプリン塩基AおよびGが高度に現れることによって確認されている。こうしたバイアスは、それらのレポータ遺伝子発現促進能のゆえに選択された158個の無作為RBS群中において見出されている(D.Barrickら,Nucleic Acids.Res.,22,1287−1295,1994)。
【0006】
ii)開始コドン:
開始コドンとして好適に使用されるのはAUGコドンであるが、GUGおよびそれより程度は低いがUUGも時には見られることがある(S.Ringquistら,Molecular Microbiology,6,1219−1229,1992)。
【0007】
iii)SD配列と開始コドンの距離:
H.Chenらによる精力的な研究(Nucleic Acids Research,22,4953−4957,1994a)により、シャイン−ダルガルノ配列の3’末端と開始コドンを分離する距離には最適距離があることが明らかになった。参考SD配列としてコンセンサス配列5’−UAAGGAGGU−3’を取ると、最大発現レベルを示す距離はヌクレオチド5個分である。ヌクレオチド1個乃至9個分の間隔も依然好適であり、最大レベルの少なくとも50%に等しい発現レベルを確保する。
【0008】
iv)他の主要配列:
翻訳開始に関与する2対が公知である:第1はmRNA開始コドンとtRNA−fMetの対であり、第2はSD配列と16S rRNA3’末端の対である。変異誘発研究や非典型的なmRNA(特にリーダー配列を欠失しているmRNA)の解析により、開始ドメインの全体としての効率に寄与するであろう新規配列要素が前記AUGコドン環境内部で同定できるようになった。開始コドン直下流にあるアデニン含量が高いモチーフは、翻訳開始に適している(G.F.E.Schererら,Nucleic Acids Research,8,3895−3907,1980;H.Chenら,Journal of Molecular Biology,240,20−27,1994b)。同様に、特に開始コドンが最適からはずれた時、第2コドン位置において最も多く見られるAAAおよびGCUコドン(L.Gold,1988)は、翻訳に正の効果をもたらす(S.Ringquistら,1992)。T7ファージ0.3遺伝子のmRNA上で同定された配列は開始コドンに対してその位置が下流にあることから“ダウンストリームボックス”(DB)と命名され、これは、もうひとつの翻訳促進要素である(M.L.Sprengartら,Nucleic Acids Research,18,1719−1723,1990)。このヌクレオチド12個分の配列は、16S rRNAのヌクレオチド1469−1483と相補性を示し、それは、いくつかの高度発現E.coliおよびバクテリオファージ遺伝子の翻訳開始ドメイン上で類似形状として見出されている(M.L.Sprengartら,1990)。この“ダウンストリームボックス”は、SD配列が不在であっても翻訳開始を可能とする(M.L.Sprengartら,The EMBO Journal,15,665−674,1996)。最近の結果では、当初提言された仮説に反して、このDB配列が16S rRNAの1469−1483領域との対形成以外のメカニズムにより作用できることが示唆されている(M.O’Connorら,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,96,8973−8978,1999)。
【0009】
v)二次構造:
SD領域近位のmRNAの配列は、二次構造を形成することにより翻訳効率に影響を及ぼすことがある。M. H. de Smit and J. van Duin(Journal of Molecular Biology,235,173−184,1994)は、mRNA上での分子間対形成が、mRNA/rRNA対形成と競合し正確な翻訳に有害であり、SD領域の16S rRNAとの相補性が弱ければ弱いほどなお一層有害である。同様に、E.coli中におけるプロカイモシンの発現がSDを開始コドンに連結する領域の組成に依存していることが明らかになっている:二次構造を限定する配列はRBSのリボゾームへのアクセス可能性を促進し、高翻訳効率を生ずることになる(G.Wangら,Protein Expression and Purification,6,284−290,1995)。
【0010】
組換えタンパク質の発現収率に及ぼす翻訳開始段階の重要性を考慮し、細菌発現ベクターのRBS領域最適化という目的のため、多くの研究が実施されてきた。直感的手法では、最初に、完全コンセンサスSD領域(UAAGGAGGU)を対象の遺伝子の上流に配置することによって構成してある(G.Jayら,Proc.Natl.Acad.Sci. U.S.A.,78,5543−5548,1981)。さらに系統だったこととして、D. M. Marquisら(Gene, 42,175−183,1986)がこの配列を種々のプロモータ下流および開始コドンから種々の距離(ヌクレオチド5個ないし9個分)に置いたことが挙げられる。モデルとしてIL−2遺伝子を用いた結果は、ヌクレオチド6個分のSD/AUG間隔が、試験した全てのプロモータに最適であることを示唆している。しかし、前記コンセンサスSD配列とlacZ遺伝子のSD配列についての比較研究において、W. Mandeckiら(Gene,43,131−13,1986)は、前記コンセンサスSD配列がインビトロでより高い発現を示すがインビボではlacZのそれよりも2倍ないし2.5倍も低い発現を示すことを明らかにした。独自のSD配列を有するファージ遺伝子に由来する全RBS領域は、また、種々の起源(植物、哺乳類細胞、細菌類)のタンパク質発現のためにはコンセンサスSD配列よりも優れていることを証明した(P.O.Olinsら, Gene,73,227−235,1988)。K.CurryとC.S.C.Tomich(DNA,7,173−179,1988)は、トリプトファンプロモータを用いてコンセンサスSD配列の効率とPtrpに元来存在するものの効率を比較した。彼らの結果では、対象の調べた遺伝子に関して非常に強い依存性が示唆され、全ての非相同遺伝子のために機能する最適ベクターを構築することは不可能であるという結論に至った。M.K.Olsenら(Journal of Biotechnology,9,179−190,1989)は彼ら自身もまたトリプトファンプロモータとコンセンサスSD配列について研究していたのであるが、SD領域に隣接する配列にヌクレオチドAおよびTを高度に含ませることによって非常に高レベルの発現(総タンパク質の20乃至30%)を種々の非相同タンパク質(成長ホルモン、TNF)について得た。同様の結果がこれまでH.A.De Boer ら(DNA,2,231−235,1983)によって述べられており、彼らは、α−インタフェロンを発現するハイブリッドプロモータPtrp/PlacUV5という環境においてSD領域下流に配置した塩基AおよびTの正の効果を明らかにした。
【0011】
これらの結果はすべて、限定された数のパラメータを考慮した実験環境において得られた。公知であれ未知であれ多数の因子が翻訳開始に影響を有しており特に反復的手法において考慮していない因子の相互作用が断定的に無視できない役割を果たしていることに気づいた数名の著者らは、その後、インビボにおける最適合成RBSを大規模ランダムライブラリーから選択しようとした。B.S.Wilson ら(BioTechniques,17,944−952,1994)は、lacプロモータ/オペレータの制御下においてβ−ラクタマーゼ遺伝子を含む発現カセット内部で、開始コドン上流16位において配列縮重体レパートリをスクリーニングした。このような手法によって、3倍高い効率でβ−ラクタマーゼを発現するオリジナル配列が同定識別可能となった。scFvをコードする別の遺伝子によって、オリジナルRBSに対する過剰発現レベルは、約2倍である。
【0012】
これらの結果を鑑み、最適として記載されているRBS領域が、対象の遺伝子の配列とそれ自体使用プロモータのタイプに依存しているmRNAリーダー領域配列の両者が関与する特定環境において確立されている。トリプトファンプロモータ(B.P.Nichols and C.Yanofsky,Methods in Enzymology,101,155−164,1983)は、組換えタンパク質発現で使用される主要系のひとつである(D.G.Yansura and D.J.Henner, Methods in Enzymology (Anonymous Academic Press,Inc.,San Diego,CA)54−60,1990;D.G.Yansura and S.H.Bass,Methods in Molecular Biology,62,55−62,1997)。しかし、そのRBSは、ランダム配列スクリーニングに基づく手法を用いた系統的最適化の対象であることはなかった。
【0013】
対象のタンパク質に関わらず最大発現を保証する手段を得ることは、工業規模の方法を開発することを切望しているバイオテクノロジー研究者にとって重要である。結果として、組換えタンパク質発現を最適化可能なあらゆる増強に関して、この増強が宿主株により、発現ベクターにより、培養発現方法によりあるいはこれらの因子のあらゆる組み合わせにより導入されていようとも、こうした増強に対して大きな関心が寄せられている。
【0014】
さらに特に、本発明は、発現ベクターによって運搬されるトリプトファンプロモータ(Ptrp)下流のリボゾーム結合部位(RBS)領域中における新規ヌクレオチド配列の利点を明らかにする。
【0015】
出願人は、開始コドン上流に導入された縮重オリゴヌクレオチドを用いかつその後クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)レポータ遺伝子を過剰発現するクローンを選択し、新規最適化RBS配列を探求した。開始コドンの上流に最適化配列を探索する際、非常に驚くべきことに、開始コドンの直下流に位置する核酸配列が、組換えタンパク質を過剰発現するために変異させることができるかまたは欠失させることができるということがわかった。このようにして得られた配列は、多様な起源の種々の対象遺伝子の発現に関して、増強するという特性を示す。
【0016】
さらに、品質という現在の制約に関しての大きな現時点での問題は、可能な限り純粋、即ち、組換えタンパク質の上流または下流に移植されたアミノ酸が最小数であり、これらのアミノ酸は使用した構築体由来であるという組換えタンパク質を得ることである。開始コドンと第1クローニング部位の間に位置する核酸配列が組換えタンパク質の過剰発現のために欠失を有していても、この問題は本発明によって解決される。
【0017】
本発明の主題は、従って、原核生物宿主細胞中においてトリプトファンオペロンプロモータPtrp制御下に配置された対象の組換えタンパク質をコードする遺伝子を発現させるための構築体であり、
それは、その開始コドンの直下流の配列番号1の核酸配列と、この配列下流にあり前記対象の組換えタンパク質をコードする遺伝子を受け取るようにしたマルチクローニングカセットとを含み、
前記配列番号1のヌクレオチドの少なくとも1個は、前記組換えタンパク質の過剰発現を可能とするべく変異しているかまたは欠失しているものである。
【0018】
先行技術は、改変することなくこの配列番号1を使用することを教示しているがゆえに、本発明の主題によって過剰発現を得ることができるのはそれだけ非常に驚くべきことである。この効果に関して、特に、対象のタンパク質を発現させるため開始コドン下流の配列番号1の使用を教示している特許US5,714,589、US 5,468,845、US5,418,135、US4,891,310、US4,789,702、WO 88/09344、US4,738,921およびEP 0 212 532を挙げることができる。
【0019】
“対象の組換えタンパク質”という表現は、遺伝子組換えによって得られかつヒトまたは動物の健康分野、化粧品学の分野、動物栄養分野、農業分野、または化学工業分野のような分野で使用できる全てのタンパク質、ポリペプチド又はペプチドを意味する。これらの対象のタンパク質のなかでも、限定することはないが特に下記を述べておく:
− サイトカインおよび特にインターロイキン、インターフェロン、組織壊死因子および成長因子および特に造血成長因子(G−CSF、GM−CSF)、ヒト成長ホルモンまたはインシュリン、神経ペプチド;
− 凝固に関与する因子またはコファクターおよび特に第VIII因子、フォンウィレブランド(von Willebrand)ファクター、抗トロンビンIII ,プロテインC、トロンビンおよびヒルジン;
− 酵素および特にトリプシン、リボヌクレアーゼおよびβ−ガラクトシダーゼ;
− α1−抗トリプシンおよびウイルス性プロテアーゼ阻害剤のような酵素阻害剤;
− 例えばP53遺伝子のような腫瘍抑制遺伝子の発現産物のような癌の開始または進展を阻害可能なタンパク質;
− 例えばグラム陽性菌膜タンパク質またはその活性断片のような免疫応答を刺激可能なタンパク質すなわち抗原、特に、クレブシェラ(Klebsiella)OmpAタンパク質またはヒト呼吸器シンシチウムウイルスプロテインG;
− ヒト化されていてもいなくてもよいモノクローナル抗体またはscFvのような抗体断片;
− 例えば天然のウイルスタンパク質と競合可能な問題のウイルスの抗原性エピトープまたはウイルスタンパク質の改変変異体のようなウイルス感染またはその進展を阻害可能なタンパク質;
− サブスタンスPまたはスーパーオキサイドディスムターゼのような化粧品組成物中に含まれやすいタンパク質;
− 食事性タンパク質および特にアリカメント;
− 化学的または生物化合物の合成を指示可能であるかまたはある有毒化合物を分解可能な酵素;
− 有毒物を産生する微生物に関して毒性を有するあらゆるタンパク質で、特にもしこの微生物が大腸菌であるならば、たとえばHIV−1ウイルスプロテアーゼ、ECPタンパク質、“好酸性カチオン性タンパク質”またはポリオウイルスタンパク質2Bおよび3Aのようなタンパク質。
【0020】
前記“配列番号1のヌクレオチド(核酸)の少なくとも1個が前記組換えタンパク質の過剰発現を可能とするべく変異しているかまたは欠失しているような配列番号1の核酸配列”という表現は、改変されていない配列番号1を用いて得られた前記組換えタンパク質の発現に比較して組換えタンパク質の過剰発現を可能とする配列番号1の少なくとも1個の欠失または変異を含むあらゆる配列を意味する。
【0021】
“欠失”という用語は、配列番号1の1つ又は種々のヌクレオチド部位における1個又は以上のヌクレオチドの除去を意味する。結果として生成した配列は、もとの配列に比べて短くなっている。
【0022】
“変異”という用語は、核酸を別のものと置換することを意味する(AはC,G又はTと;Cは、A,G又はTと;Gは、A,C又はTと;Tは、A、C又はGと)。結果として生成した配列は、もともとの配列と同一の長さを有している。
【0023】
過剰発現、すなわち開始コドン下流における改変なくして得られたものよリも高い発現を得るという事実は、特に、下記の方法を用いて決定できる。
i)SDS−PAGEによって細菌の総タンパク質を移動させ、クーマシーブルー染色かまたはウェスタンブロッティングによって組換えタンパク質を明らかにすること;
ii)前記組換えタンパク質を特異抗体を用いる方法(エライザ(Elisa) )によってアッセイすること;
iii)もし前記組換えタンパク質が触媒活性を有しているならば、酵素的アッセイを行うこと。
【0024】
好適には方法ii)が使用され、その詳細は実施例III に述べる。
【0025】
“マルチクローニングカセット”という表現は、開始コドン下流の対象遺伝子クローニング段階において使用可能な1個以上の制限部位を含むヌクレオチド配列を意味する。
【0026】
好適には、前記の配列番号1の少なくともヌクレオチドは前記組換えタンパク質の過剰発現を可能とするために欠失している。
【0027】
本発明はまた、変異または欠失、好適には欠失している、前記少なくともヌクレオチドが配列番号1の配列番号2の断片に位置している本発明による構築体に関する。
【0028】
本発明の別の主題は、変異または欠失、好適には変異している、前記少なくともヌクレオチドが、配列番号1のコドンGTAおよび/またはコドンGCAおよび/またはコドンCTG上に位置している構築体に関する。
【0029】
本発明の好適な態様において、少なくとも1個のヌクレオチドが変異しているかまたは欠失している配列番号1は、少なくとも1位、2位および3位においてヌクレオチドAを有している。
【0030】
本発明の好適な態様では、配列番号1の核酸配列と対象の前記組換えタンパク質をコードする遺伝子を受け取るようにされているマルチクローニングカセットの間に位置する前記ヌクレオチドの少なくとも1個、好適には全ての前記ヌクレオチドが、欠失している。
【0031】
別のさらに好適な本発明の態様では、前記配列番号1は少なくとも1個のヌクレオチドが変異または欠失しており、そして配列番号1の核酸配列とマルチクローニングカセットの間に位置する全ての前記ヌクレオチドが完全に欠失しており、開始コドンがマルチクローニングカセットの直上流になっている。
【0032】
本発明の好適な態様において、前記構築体は開始コドンの直上流に核酸配列を含み、その配列は、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9および配列番号10の配列から選択される。
【0033】
本発明は、本発明による構築体を含み、前記原核生物宿主細胞が、グラム陰性菌、好適には大腸菌(E.coli)種に属するものを特徴とする。
【0034】
本発明の別の主題は上述のような構築体を含むベクターに関し、それは、このようなベクターによって形質転換された原核生物宿主細胞、好適には大腸菌種に属するものに関する。
【0035】
本発明の主題はまた、上述のような構築体を用いて宿主細胞中で対象の組換えタンパク質を製造する方法である。
【0036】
本発明の主題はまた、本発明による対象の組換えタンパク質を製造する方法であり、前記構築体は、好適には上述のようなベクターを介して原核生物宿主細胞中に導入される。
【0037】
好適には本発明による対象の組換えタンパク質を製造する方法であり、それは、下記の段階を含むことを特徴とする。
a)対象の遺伝子を本発明のベクター中にクローニングすること;
b)前記対象の組換えタンパク質をコードする遺伝子を含むベクターによって原核生物細胞を形質転換すること;
c)前記形質転換細胞を組換えタンパク質発現を可能とする培地中で培養すること;
d)前記組換えタンパク質を前記培地からまたは前記形質転換細胞から回収すること。
【0038】
本発明はまた、組換えタンパク質を製造するための本発明による構築体、ベクターまたは原核生物細胞の使用を含む。
【0039】
最後に、本発明は、治療を必要とする患者に投与することを目的とした医薬品を調製するための組換えタンパク質の使用に関し、前記組換えタンパク質は、本発明による対象の組換えタンパク質製造方法を用いて製造されることを特徴とする。
【0040】
下記の実施例および図面は本発明を例示することを目的としており、いかなる意味でもその範囲を限定することは意図していない。
【0041】
実施例I
【0042】
この実施例では、本発明に至った態様のひとつ、特にPtrpトリプトファンプロモータおよび開始コドンの無作為変異上流を含むプラスミドベクターのライブラリを構築する方法を示す。起源ベクターを、図1に示した。それは、Ptrpプロモータ/オペレータ(1−298)とそれに続くE.coli TrpLリーダー(C.Yanofskyら,Nucleic Acids Research,9,6647−6668,1981)の最初の7個のアミノ酸をコードする配列をマルチクローニング部位およびE.coli trpt形質転換ターミネータ(C.Yanofskyら,1981)によってクローニングしたpBR322(F.Bolivarら,Gene,2,95−113,1977)由来のプラスミドである。pTEXmp18中のPtrpの3’部分は、ATG開始コドン上流のXbaIクローニング部位(図2参照)の存在とSDと前記開始コドンの間の長い間隔によって天然の配列と異なっている。
【0043】
それらのRBS部分において改変されたベクターの選択を可能とするため、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)レポータ遺伝子をpTEXmp18のEcoRIおよびPstI部位においてクローニングする。このため、cat遺伝子のコード配列を、オリゴヌクレオチドCATforおよびCATrevを用いるPCRによって増幅し、それらの配列を下記に示した。
【0044】
Figure 2004500875
【0045】
PCR反応は、マトリックスとしてファージミドpBC−SK(Stratagene,La Jolla,CA,USA)を用いて実施する。増幅産物をアガロースゲルに載せ、 GeneClean法により精製する(Bio101,La Jolla,CA)。pTEXmp18中への挿入体のクローニングは、クロラムフェニコール30μg/ml存在下E.coli中へ形質転換後LB寒天培地皿に進展するコロニーの出現によって確認する(J.Sambrookら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,第2版,Plainview,NY:Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)。挿入体の配列は、“ダイ・ターミネータ(Dye Terminator)”キットおよびDNAシークエンサー373A(Perkin Elmer Applied Biosystems,Foster City,CA)を用いる自動配列決定によって確認する。得られたベクターをpTEXCATと命名する。
【0046】
縮重配列(degenerate sequence)を有するRBSの開始コドン上流への挿入は、ベクターpTEXCATのSpeIおよびEcoRI部位において合成オリゴヌクレオチドを連結することによって実施される。それぞれ−49位および+28位のSpeI部位からEcoRI部位にわたる領域は酵素消化によって欠失させ、互いにハイブリッドを形成している2個の部分縮重合成オリゴヌクレオチドによって形成されたヘテロ二本鎖と置換される。2対のオリゴヌクレオチドを用いるが、それぞれ、オリゴヌクレオチドRanSD1/RanSD2およびRanSD3/RanSD4が関与し、その配列は下記のようである。
【0047】
Figure 2004500875
【0048】
前記4個のオリゴヌクレオチドは、各々の縮重のために塩基を等モルづつ確実に分布させる条件下においてMWG Biotech(Ebersberg,Germany)によって合成された。RanSD1/RanSD2の対は、ATGコドンに先立つ16個のヌクレオチド上において完全縮重を導入する(N=4ヌクレオチドA、C、T、Gの混合物)。組み合わせの数(416,すなわちおよそ4.3×10)は、それらのシャイン―ダルガルノ(SD)配列の観点およびこのSD領域と開始コドンの間に位置したSD−ATG間隔中に位置する配列の観点の両者から最適化されるRBSがスクリーニングできるようにする。このライブラリは、以下の本文では(N16)と命名する。RanSD3/RanSD4の対は、ATGに先立つ6個のヌクレオチド上で完全縮重性を導入しかつ上流の7個のヌクレオチド上で部分縮重性を導入する。正鎖上でプリン(R=AまたはG)を独占的に使用しかつ相補鎖上でピリミジン(Y=CまたはT)を独占的に使用することにより、ATGコドンから最適距離において(ヌクレオチド6個分)シャインーダルガルノ型の配列があらわれるようになるのを促進する。この第2ライブラリを(R7N6)と命名する。
【0049】
ベクターpTEXCATを直線状にすることおよびそのゲル精製、オリゴヌクレオチドを対としてハイブリッド形成させること、線状ベクターpTEXCATに対してこのヘテロ二本鎖を連結すること、およびこのようにして構築したライブラリをE.coli中に形質転換することは、J.Sambrookら(1989)により記載された条件下で実施される。従来、ベクター100fmolと挿入体1000fmolをT4リガーゼ存在下最終容量15μlになるように連結反応に添加する。本反応は、16℃で一晩実施する。その後、製造業者(Invitrogen,Carlsbad,CA)の指示する条件下で連結混合物3μlによるエレクトロポレーションによって形質転換する。形質転換混合物をアンピシリン200μg/mlを含有するLB寒天皿上に接種し、37℃で16時間インキュベーション後、形質転換コロニーの出現を生じる。
【0050】
実施例II
【0051】
CAT酵素過剰発現コロニーがクロラムフェニコール増強耐性を有するであろうという仮説に基づき、このライブラリをスクリーニングする。このことは実験により検証され、その結果を下記の表1に示した。
【0052】
【表1】
Figure 2004500875
【0053】
数値(上方)は、37℃で18時間インキュベーションした後に計数したコロニー数を示しており、各媒体には細胞およそ100個を接種した。
【0054】
下方の指標は、コロニー成長の質的基準である(−=ゼロ成長から+++=最大成長)。
【0055】
これらの結果は、ベクターpTEXCATにより形質転換され種々の濃度のクロラムフェニコールを含有する皿上に接種したTOP10 E.coli菌が、クロラムフェニコール300および600μg/mlの間で進展し、Ptrp脱抑制効果によりインデューサとして作用するトリプトファンアナログである3−βインドールアクリル酸(IAA)の存在下においてより強く発育する(R.Q.MarmorsteinおよびP.B.Sigler,The Journal of Biological Chemistry,264,9149−9154,1989)。このことは、最適化RBS領域によりCATを過剰発現するクローンがMIC(最小阻害濃度)よりも低いクロラムフェニコール濃度において野生型集団よりもより迅速に進展するか、または、野生型集団にとっては致死的であるクロラムフェニコール濃度の存在下において進展するであろうということを意味している。
【0056】
実施例III
【0057】
この実施例では、実施例1の記載に従って構築されたライブラリからのクローンの選択を示す。前記領域中において580nmにおいて1の光学密度(OD)を有する懸濁液を再構成するため、LB寒天+アンピシリンの皿上にコロニー層の形態で得られたライブラリを滅菌水に取る。実施例2の結果によれば、この懸濁液を致死量のクロラムフェニコール(600,700、800および900μg/ml)を含むLB寒天皿にペトリ皿1枚当たり懸濁液100μlとして接種する。この皿を37℃でインキュベーションし、耐性コロニーの出現を観察し、野生型pTEXCATベクターで形質転換した菌TOP10の懸濁液を用いて接種した皿は全く成長を示さないことを同時に確認する。耐性コロニーを単離し、それらの耐性表現型を確認するため選択培地上で数回継代培養する。この段階で選択したクローンをその後一連の分析に供する:(i)プラスミドの抽出(Qiagenキット, Hiden, Germany)およびRBSをカバーする領域の配列決定、(ii)三角フラスコ中でIAAによる誘導により培養し、その後、ELISAアッセイによってCAT発現レベルを評価すること、(iii) 早期培養物から抽出した総タンパク質のSDS−PAGEによる電気泳動、およびクーマシーブルーによる染色により総細胞内タンパク質の視覚化。ダイ・ターミネータ(Dye Terminator)キットを用いてABI 373Aシークエンサー(Perkin Elmer Applied Biosystems,Foster City,CA)で配列を決定する。三角フラスコ中の培養物は、TSBY培地(トリプシンソヤブロス(DIFCO)30g/l+酵母抽出物(Difco)5g/l培地)25ml+テトラサイクリン8mg/lに皿上のコロニーを接種するかまたは−80℃で保存した菌懸濁液を接種することによって、調製する。各前記培養物を37℃で一晩、200rpmで振とうしているプラットフォーム上でインキュベーションする。1に等しい当初の光学密度を得るため、分画を同一培地50mlに移す。CATタンパク質誘発のため、IAA25mg/lを前記培地に添加し、その後それを同一条件下で5時間振とうする。前記懸濁液(3×1mlをOD=0.1に希釈したもの)の分画を遠心分離し、細胞を−20℃で保存し、ELISAによってCATをアッセイする(CAT ELISAキット、Roche Diagnosis,Basel,Switzerland)。前記バイオマスの残りは、10,000gにおいて4℃で15分間遠心分離して回収する。このバイオマスを、湿潤バイオマス1gあたり5mlの割合でTEL緩衝液(25mM Tris,1mM EDTA,500μg/mlリゾチーム、pH8)中に取る。細胞を超音波(マイクロプローブ付属VibraCellソニケータ、Sonics&Materials,Danbury,CT)によって溶解させる。生成した懸濁液1mlを12,000rpmで5分間遠心分離する。ペレットをTEL200μリットルにより取り上げ、不溶性(I)分画を得る。上清を“S”とマークする。IおよびS分画に含まれる総タンパク質を、変性条件下における電気泳動(SDS−PAGE)によって分析し、クーマシーブルーによって染色する。
【0058】
下記の表2は、前記2個のライブラリ(N16)および(R7N6)スクリーンニング後に得られた種々のRBS配列を示している。我々は、GenBankおよびEMBLヌクレオチドデータベースに並べた後、種々の単離クローン中においてAUGコドンの直上流に位置する前記の16−ヌクレオチド((N16)ストラテジー)または13−ヌクレオチド((R7N6)ストラテジー)配列のいずれも今日まで記載されたことがないと結論できる。
【0059】
【表2】
Figure 2004500875
【0060】
(*) 各ヌクレオチド配列(メッセンジャーRNA)は、開始コドン下流の変異領域を含む。ベクターpTEXCATの参考配列は、表の第1行に示してある。ベクターの開始コドン上流および下流の核酸配列は、RNA形状での転写後においてこの表に示してある。これらの配列の3’末端におけるマルチクローニング部位の最初のコドン2個すなわちGAAUUCのみが示されている。
【0061】
したがって、非常に驚くべきことに、表2に示したクローンが、AUGコドンの直下流に位置するRBS領域において変異を有することが観察された。このクローンpTEXCAT4,pTEXCAT1’,およびpTEXCAT3’はコードされたタンパク質のN−末端部分のアミノ酸に影響を及ぼす点変異を有している(それぞれ、Leu7Pro、Ala3ProおよびVal6Ala)。他のクローンは、それよりも大きい再配置を有している:pTEXCAT2’、pTEXCAT5’およびpTEXCAT9’は、それぞれ、領域Ala3Leu7,Ile4Leu7およびIle4Asn8の喪失を誘発する欠失を有している。アンピリシン上で選択した(N16)ライブラリのクローン10個の無作為分析(すなわち、クロラムフェニコール選択圧なし)で、TrpLペプチドをコードする領域中における改変を全く示さない(データを示さず)ことを考慮すれば、そのことから、CAT発現能について選択したクローンで観察されたTrpL変異がこの発現になんらかの役割を果たしていると推測される。したがって、我々は、下記の独自性質を実証する:組換えタンパク質の発現に対して、開始コドン下流における変異が正の影響を及ぼす。
【0062】
図3は、pTEXCATまたはpTEXCAT4により形質転換された菌類の総タンパク質のSDS−PAGE分析を示している。それは、CAT(28kDa)について予測される位置に移動する主要タンパク質がIAA誘発抽出物中で検証され、一方、同一誘発条件下で得られたベクターpTEXCATの抽出物は低強度のバンドしか示さないことから、ベクターpTEXCAT4の過剰産生特性の確認を示す。
【0063】
前記過剰産生がSpeI−EcoRI部分外部における前記ベクターの改変に起因する可能性を排除するため、前記ベクターpTEXCAT4を、SpeI−EcoRI消化と下記の2個のリン酸化オリゴヌクレオチドによって形成された二本鎖の連結によって、インビトロでpTEXCATから再構成した:
【0064】
Figure 2004500875
【0065】
生成したベクターをpTEXCAT−SD4とマークし、それをその後E.coli TOP10中に形質転換し、CAT酵素発現能の観点からpTEXCAT4と比較した。得られた結果は、pTEXCAT4およびpTEXCAT−SD4の発現レベルが互いに匹敵しており、pTEXCATよりも有意に高いことが示唆される。このことは、この特許出願で請求しているクローンで観察された発現増強が、実際には、SpeIおよびEcoRI部位の間に位置する配列に特異的に起因するという仮説が実証される。
【0066】
開始コドンの直下流に位置する変異または欠失配列の特異性を実証するため、野生型ベクターpTEXCATの第7位にあるロイシンCTGをプロリンCTGと置換して、ベクターpTEXCAT−L7Pを作製した。ベクターpTEXCAT4の第7位にあるプロリンCCGをロイシンCTGと置換して、ベクターpTEXCAT4−P7Lを作製した。この実験結果を下記の表3に示した。
【0067】
【表3】
Figure 2004500875
【0068】
結果(平均±標準偏差)は、独立した実験2種によって得られた。適宜、レベル1をベクターpTEXCATとする。
【0069】
これらの結果は、開始コドン下流の変異がそれ自体、野生型ベクターに再導入されるとこの変異が同一過剰発現を生ずることが可能となるので、過剰発現に関与していることを示している。
【0070】
実施例IV
【0071】
この実施例では、記載の新規配列の過剰発現効果がそれらの選択に用いたレポータ遺伝子に限定されず、これらの遺伝子は機能的に同一ベクター上でそれらに連結していさえすれば他の遺伝子に転位されることを示す。この効果に対して、ベクターpTEXCATおよびpTEXCAT4のCAT遺伝子を、E.coli β−ガラクトシダーゼをコードするlacZ遺伝子の配列と置換した。クローニングは、ベクターpβGAL−ベーシック(Clontech,Palo Alto、CA)を用いるPCRによってlacZ配列を増幅することおよび唯一のBsmIおよびHindIII部位においてtrpL下流にこの配列を挿入することによって実施し、それぞれ、ベクターpTEX−βGALおよびpTEX4−βGALを生成させた。
【0072】
β−ガラクトシダーゼ発現動態に従い培養目的で、発酵槽中でこの2個のベクターをE.coli ICONE200(1999年10月15日発行フランス特許出願FR2 777 292)株中に形質転換した。従来、組換え菌ICONE200×pTEX−βGALおよびICONE200×pTEX4−βGALは、37℃で一晩、完全培地(トリプシンソイブロス30g/l(DIFCO)、酵母抽出物5g/l(DIFCO))200ml中で培養していた。得られた細胞懸濁液を、無菌的に下記培地(濃度は最終培養物2リットル用)1.8リットルを含む発酵槽(Chemapモデル、CF3000、容量3.5リットル)中に移した:グリセロール90g/l、(NH4)2SO4 5g/l、KH2PO4 6g/l、K2HPO4 4g/l、Na3−クエン酸 2H2O 9g/l、MgSO4 7H2O 2g/l、 酵母抽出物1g/l、微量元素類、0.06%抗発泡剤、テトラサイクリン8mg/l、トリプトファン200mg/l。pHは、アンモニア水を添加することによって7.0に調整する。溶解酸素レベルは、振とう速度のサーボコントロールおよび次に溶解O2 を測定することによって通気速度をサーボコントロールすることによって、飽和度30%に保持する。培養物の光学密度が30と40の間の値に到達したら、IAA(Sigma,St Louise、MO)25mg/lを添加することによって誘導を実施する。培養物の光学密度(580nmにおけるOD)および細胞内β−ガラクトシダーゼ活性の動態分析を実施した。β−ガラクトシダーゼ活性レベルは、試料30μl(S分画 実施例3参照)、緩衝液(50mM Tris−HCl,pH7.5−1mM MgCl2)204μl、およびONPG(50mM Tris−HCl,pH7.5中4mg/ml)66μlを混合することによって比色分析によって評価する。反応混合物を37℃でインキュベーションする。反応を、1M Na2CO3 500μlを添加することによって停止する。420nmにおけるODはインキュベーション時間に関連し、試料中に存在するβ−ガラクトシダーゼ活性に比例する。E.coli ICONE200はlacオペロンの完全欠失を有しているので、測定したβ−ガラクトシダーゼ活性は、プラスミドlacZ遺伝子の発現のみによる。
【0073】
この比較検討結果は、2個の独立した実験においてベクターpTEX4−βGALがpTEX−βGALよりもおよそ50倍高いβ−ガラクトシダーゼ活性レベルを付与することを示唆している(図4)。我々は、このことからベクターpTEXCAT4のRBS領域中で単離されたオリジナル配列が、CATタンパク質のみではなくたとえばβ−ガラクトシダーゼのような他のタンパク質の発現も賦活すると評価している。我々は、この実施例に基づき、バイオテクノロジーの観点から重要な他のタンパク質も、それらのコード配列を前記変異または欠失配列の下流に本発明に従って導入することによって本発明によるベクターのひとつを用いて発現できることは有益であると結論できる。
【0074】
実施例V
ベクターpTEXwt(本発明の部分ではない)、およびベクターpTEX9’,pTEX10’、pTEX11’およびpTEX12’によって付与される発現レベルの比較
【0075】
ベクターpTEX10’、pTEX11’およびpTEX12’は、ベクターpTEX9’に由来しているが、下記の表4に示したように付加的変異を含む:
【0076】
【表4】
Figure 2004500875
【0077】
(*) 各ヌクレオチド配列(メッセンジャーRNA)は、開始コドン下流の変異領域を含む。ベクターpTEXCATの参考配列は、表の第1行に示してある。ベクターの開始コドン上流および下流の核酸配列は、RNA形状での転写後において、この表に示してある。これらの配列の3’末端におけるマルチクローニング部位の最初コドン2個すなわちGAAUUCのみが示されている。
【0078】
発現決定方法は、上記実施例で使用したものである。
【0079】
これらの結果は、開始コドン下流の欠失が野生型ベクターを用いて観察される発現よりも最大250倍までの過剰発現を得ることを可能とすることを証明している。
【0080】
【配列表】
Figure 2004500875
【0081】
Figure 2004500875
【0082】
Figure 2004500875
【0083】
Figure 2004500875
【0084】
Figure 2004500875
【0085】
Figure 2004500875
【0086】
Figure 2004500875
【0087】
Figure 2004500875
【0088】
Figure 2004500875
【0089】
Figure 2004500875
【0090】
Figure 2004500875
【0091】
Figure 2004500875
【0092】
Figure 2004500875
【0093】
Figure 2004500875
【0094】
Figure 2004500875
【0095】
Figure 2004500875
【0096】
Figure 2004500875
【0097】
Figure 2004500875
【0098】
Figure 2004500875
【0099】
Figure 2004500875
【0100】
Figure 2004500875
【0101】
Figure 2004500875
【0102】
Figure 2004500875
【0103】
Figure 2004500875
【0104】
Figure 2004500875
【0105】
Figure 2004500875
【0106】
Figure 2004500875
【0107】
Figure 2004500875
【0108】
Figure 2004500875
【0109】
Figure 2004500875
【0110】
Figure 2004500875
【0111】
Figure 2004500875
【0112】
Figure 2004500875
【0113】
Figure 2004500875
【0114】
Figure 2004500875
【0115】
Figure 2004500875
【0116】
Figure 2004500875
【0117】
Figure 2004500875
【0118】
Figure 2004500875
【0119】
Figure 2004500875
【0120】
Figure 2004500875
【0121】
【図面の簡単な説明】
【図1】
プラスミドベクターpTEXmp18と、Ptrpプロモータ/オペレータ、TrpLリーダー領域、mp18マルチクローニング部位および転写テーミネータを含む領域1−450の配列番号39の配列との地図を示す模式図である。
【図2】
ベクターpTEXmp18上のRBS(リボゾーム結合部位)領域(配列番号40)の制限地図を示す模式図である。
【図3】
ベクターpTEXCAT又はpTEXCAT4によって形質転換された菌中におけるCAT発現のSDS−PAGE上における評価を示す模式図である。
【図4】
ベクターpTEX−βGALおよびpTEX4−βGALを用いるβ−ガラクトシダーゼの発現比較検討(発行槽内の動態)を示す模式図である。

Claims (21)

  1. 原核生物宿主細胞中においてトリプトファンオペロンPtrp制御下に配置された対象の組換えタンパク質をコードする遺伝子を発現させるための構築体であり、
    開始コドンの直下流の配列番号1の核酸配列と、この配列下流にあり前記対象の組換えタンパク質をコードする遺伝子を受け取るマルチクローニングカセットとを含み、
    前記配列番号1のヌクレオチドの少なくとも1個は、前記組換えタンパク質の過剰発現を可能とするべく変異または欠失していることを特徴とする構築体。
  2. 前記配列番号1の少なくとも1個のヌクレオチドは欠失している請求項1に記載の構築体。
  3. 変異または欠失しているヌクレオチドが少なくとも配列番号1の配列番号2の断片に位置している請求項1に記載の構築体。
  4. 変異または欠失、好適には変異しているヌクレオチドが少なくとも、配列番号1のコドンGTA上に位置している請求項1に記載の構築体。
  5. 変異または欠失、好適には変異しているヌクレオチドが少なくとも、配列番号1のコドンGCA上に位置している請求項1に記載の構築体。
  6. 変異または欠失、好適には変異しているヌクレオチドが少なくとも、配列番号1のコドンCTGに位置している請求項1に記載の構築体。
  7. 少なくとも1個のヌクレオチドが変異しているかまたは欠失している配列番号1は、少なくとも1位、2位および3位においてヌクレオチドAを有している請求項1に記載の構築体。
  8. 前記配列番号1が完全欠失している請求項1に記載の構築体。
  9. 前記配列番号1の核酸配列と対象の前記組換えタンパク質をコードする遺伝子を受け取るようにされているマルチクローニングカセットの間に位置するヌクレオチドの少なくとも1個、好適には全ての前記ヌクレオチドが、欠失している請求項1〜8の何れか1項に記載の構築体。
  10. 開始コドンの直上流の核酸配列が配列番号3〜10までから選択される請求項1〜9の何れか1項に記載の構築体。
  11. 前記原核生物宿主細胞がグラム陰性菌である請求項1〜10の何れか1項に記載の構築体。
  12. 前記原核生物宿主細胞がE.coli(大腸菌)である請求項1〜11の何れか1項に記載の構築体。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載の構築体を含むベクター。
  14. 請求項13に記載のベクターによって形質転換された原核生物宿主細胞。
  15. E.coli(大腸菌)である請求項14に記載の原核生物宿主細胞。
  16. 請求項1〜12の何れか1項に記載の構築体を用いて宿主細胞中で対象の組換えタンパク質を製造する方法。
  17. 前記構築体が原核生物宿主細胞中に導入される請求項16に記載の対象の組換えタンパク質を製造する方法。
  18. 前記構築体が請求項13に記載のベクターを介して原核生物宿主細胞中に導入される請求項16又は17記載の対象の組換えタンパク質を製造する方法。
  19. 下記の行程を含む請求項16〜18の何れか1項に記載の対象の組換えタンパク質を製造する方法。
    a)対象の遺伝子を請求項13記載のベクター中にクローニングすること;
    b)前記対象の組換えタンパク質をコードする遺伝子を含むベクターによって原核生物細胞を形質転換すること;
    c)前記形質転換細胞を組換えタンパク質発現を可能とする培地中で培養すること;
    d)前記組換えタンパク質を前記培地からまたは前記形質転換細胞から回収すること。
  20. 組換えタンパク質を製造するための請求項1〜12の1項に記載の構築体、請求項13に記載のベクター、または、請求項14又は15記載の細胞の使用。
  21. 組換えタンパク質が請求項16〜19記載の方法を用いて製造されることを特徴とする治療を必要とする患者に投与することを意図した医薬品を調製するための組換えタンパク質の使用。
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