JP2004363994A - 撮像装置、撮像方法、及び撮像プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】デジタルカメラ1の前面(図1(a))に被写体側撮像部20を設け、背面(図1(b))にモニタ側撮像部20’を設ける。同時撮影モードを選択すると、前面の撮影レンズ2から取り込まれた被写体画像と背面の撮影レンズ2’から取り込まれたモニタ側画像が合成されて表示部13にスルー表示される。ユーザが任意のタイミングでシャッターキー7を操作すると、画像記録モードに遷移し、シャッターキー7の操作時点で表示されていた合成画像が圧縮され、保存メモリに記録される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置に関し、特に、異なる撮像方向の被写体を撮像して合成画像を得ることのできる撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリズムを用いることなく異なる撮像方向の被写体を撮影する撮像装置として、複数の撮像素子が湾曲し得る共通のフィルム状回路基板に実装され、撮像素子を互いに異なる向きに配置し、各撮像素子に対しそれぞれ結像レンズを有する光学部品を配置し、フィルム状回路基板には複数の撮像素子に共通の周辺回路素子を載置した撮像装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−281360公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
デジタルカメラ等の撮像装置で、家族と撮影者であるユーザ自身を含む親子写真や仲間とユーザを含む集合写真等を撮るにはセルフタイマで撮像を行うか、他人に撮像を依頼することが通例である。
ここで、被写体人物と撮影者を略同時に撮影し、撮像を合成できれば親子写真や友人同士の写真を簡単に得ることができて至極便利である。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、異なる撮像方向の被写体を撮影して合成画像を得る撮像装置、撮像方法、及び撮像プログラムの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、正面に前方の被写体像を取り込んで光電変換信号を出力する第1の撮像部を配置し、背面に、後方の被写体像を取り込んで光電変換信号を出力する第2の撮像部と画像表示可能な表示部とを配置した撮像装置であって、第1の撮像部と第2の撮像部で略同時に撮像を行う同時撮影モードにおいて、第1の撮像部及び第2の撮像部からの被写体像の取り込み動作及び光電変換信号出力動作を略同時に行うように制御する同時撮影制御手段と、第1の撮像部及び第2の撮像部から取り込んだ画像データをそれぞれ信号変換して処理する信号変換処理手段と、信号変換処理手段によって変換された第1の撮像部からの画像データと第2の撮像部からの画像データを所定時間毎にそれぞれ1フレーム分ずつ画像記憶メモリに記憶する画像記憶制御手段と、画像記憶メモリに記憶された第1の撮像部と第2の撮像部から取り込んだ画像データとを合成して表示部に表示する合成画像表示手段と、撮像指示を行う撮像指示手段と、撮像指示手段による撮像指示があると、その時点で表示部に表示されている画像を保存メモリに記録する画像記録モードに遷移するモード遷移手段と、を備えたことを特徴とする撮像装置を提供する。
これにより、同時撮影モードの場合には被写体画像とモニタ側画像が合成されて表示されるので、ユーザはセルフタイマや他人に撮影依頼を行わなくても、撮影指示を行うことにより自分が参加した画像を簡単に得ることができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明では、信号変換処理手段は1系統の信号変換処理手段からなり、同時撮影制御手段は、同時撮影モード時には、第1の撮像部及び第2の撮像部からの被写体像の取り込み動作及び光電変換信号出力動作と信号変換処理手段による信号変換処理を時分割制御することを特徴とする請求項1記載の撮像装置を提供する。これにより、撮像部のみを2系統にすればよいので撮像部のサイズをコンパクトにできる。
【0008】
また、請求項3に記載の発明では、信号変換処理手段は2系統の信号変換処理手段からなり、同時撮影制御手段は、同時撮影モード時には、第1の撮像部及び第2の撮像部からの被写体像の取り込み動作及び光電変換信号出力動作と信号変換処理手段による信号変換処理を同時制御することを特徴とする請求項1記載の撮像装置を提供する。これにより、撮像部と信号変換処理部が2系統で同時制御ができるので、動作が上記請求項2記載の発明の撮像装置より単純化でき、撮像プログラムの具体的構成が簡単になる。
【0009】
また、請求項4記載の発明では、同時撮影モード時に、合成画像表示手段によって合成表示される画像の表示位置を指定する位置指定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置を提供する。これにより、被写体の構成やカメラアングルにより、画像のどの部分に合成する画像を合成表示するかを指定できるので、見栄えのよい合成画像を得ることができる。
【0010】
また、請求項5に記載の発明では、同時撮影モード時に、合成画像表示手段によって合成表示される画像の入れ替え指示可能なレイアウト入れ替え指示手段と、レイアウト入れ替え指示手段による指示に基づき、合成表示される画像の入れ替えを行うレイアウト入れ替え手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の撮像装置を提供する。これにより、合成表示する被写体画像を後方の被写体像から前方の被写体像に、あるいは、前方の被写体像から後方の被写体像に入れかえることができるので、被写体の構成やカメラアングルにより適合した見栄えのよい合成画像を得ることができる。
【0011】
また、請求項6に記載の発明では、モード遷移手段により同時撮影モードから画像記録モードに遷移したとき、画像メモリに記憶された第1の撮像部からの画像データと第2の撮像部からの画像データを合成する画像データ合成手段と、合成画像データを圧縮して保存メモリに記録する画像記録手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置を提供する。これにより、スルー表示されている画像のうち、所望の画像(合成画像)を保存記憶できる。また、合成画像をそのまま再生して表示又はプリント出力できる。
【0012】
また、請求項7に記載の発明では、モード遷移手段により同時撮影モードから画像記録モードに遷移したとき、画像メモリに記憶された第1の撮像部からの画像データと第2の撮像部からの画像データをそれぞれ圧縮し、関連付けて保存メモリに記録する画像記録手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置を提供する。これにより、スルー表示されている画像のうち、所望の画像(合成画像)について合成前の画像を保存記憶できるので、撮像装置での再生時に、合成倍率や合成位置等を変更して表示又はプリント出力したり、合成前の画像を表示又はプリント出力することができる。また、外部装置に保存メモリの記録内容を移し、外部装置側で受け取った記録内容を再生して第1の撮像部からの画像データと第2の撮像部からの画像データを加工して合成画像を表示又はプリント出力したり、合成前の画像を得ることもできる。
【0013】
また、請求項8に記載の発明では、第2の撮像部の撮影レンズ部分は撮影方向が変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置を提供する。これにより、ユーザ(撮影者)が必ずしも撮像装置の後方に位置していなくてもユーザを撮像できるので、同時撮影モードを選択すれば、撮像装置前方の被写体像とユーザ像の合成画像を撮影することができる。
【0014】
また、請求項9に記載の発明では、正面に前方の被写体像を取り込んで光電変換信号を出力する第1の撮像部と、背面に、後方の被写体像を取り込んで光電変換信号を出力する第2の撮像部と画像表示可能な表示部と、を備えた撮像装置において、撮影モードを選択するステップと、第1の撮像部と第2の撮像部で略同時に撮像を行う同時撮影モードが選択されたとき、第1の撮像部及び第2の撮像部からの被写体像の取り込み動作及び光電変換信号出力動作を略同時に行うように制御するステップと、第1の撮像部及び第2の撮像部から取り込んだ画像データをそれぞれ信号変換処理するステップと、信号変換処理された第1の撮像部からの画像データと第2の撮像部からの画像データを合成するステップと、合成された画像を表示部に表示するステップと、撮像指示操作を検出するステップと、撮像指示を検出すると、その時点で表示部に表示されている画像を保存メモリに記録する画像記録モードに遷移するステップと、を備えたことを特徴とする撮像方法を提供する。
これにより、同時撮影モードを選択すれば、ユーザはセルフタイマや他人に撮影依頼を行わなくても、撮影指示を行うことにより自分が参加した画像を簡単に得ることができる。
【0015】
また、請求項10に記載の発明では、正面に前方の被写体像を取り込んで光電変換信号を出力する第1の撮像部と、背面に、後方の被写体像を取り込んで光電変換信号を出力する第2の撮像部と画像表示可能な表示部と、を備えた撮像装置において実行されるプログラムであって、撮影モードを選択させるステップと、第1の撮像部と第2の撮像部で略同時に撮像を行う同時撮影モードが選択されたとき、第1の撮像部及び第2の撮像部からの被写体像の取り込み動作及び光電変換信号出力動作を略同時に行うように制御させるステップと、第1の撮像部及び第2の撮像部から取り込んだ画像データをそれぞれ信号変換処理させるステップと、信号変換処理された第1の撮像部からの画像データと第2の撮像部からの画像データを所定時間毎にそれぞれ1フレーム分ずつ画像記憶メモリに記憶させるステップと、画像記憶メモリに記憶された第1の撮像部及び第2の撮像部から取り込んだ画像データを合成させるステップと、合成画像を表示部に表示させるステップと、撮像指示の有無を検出させるステップと、撮像指示が検出されると、その時点で表示部に表示されている画像を保存メモリに記録する画像記録モードに遷移させるステップと、撮像指示が検出されない場合は第1の撮像部及び第2の撮像部による被写体像の取り込みに遷移するステップと、を備えたことを特徴とする撮像プログラムを提供する。
これにより、同時撮影モードが選択されると、被写体画像とモニタ側画像が合成されて表示されるので、ユーザはセルフタイマや他人に撮影依頼を行わなくても、撮影指示を行うことにより自分が参加した画像を簡単に得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明をデジタルカメラに適用した場合の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明を適用したデジタルカメラの外観構成の一実施例を示す図であり、図1(a)は前面からの斜視図、図1(b)は背面からの斜視図である。
デジタルカメラ1は略矩形の薄板状ボディの前面に正面側撮像部(以下、被写体側撮像部)20、セルフタイマランプ3、光学ファインダ窓4、及びストロボ発光部5を配設し、上面には電源キー6およびシャッターキー7を配してなる。
【0018】
被写体側撮像部20の撮影レンズ2は、薄型のボディに搭載するために例えば、単焦点レンズで且つ固定焦点であるものとし、ズーム動作や合焦動作は行わないものとする。
【0019】
電源キー6は、1回押圧する毎に電源をオン/オフするキーであり、シャッターキー7は撮影モード時にレリーズを指示する一方で、メニュー選択等では設定/実行を指示するキーとしても機能する。
また、デジタルカメラ1の背面には、撮影レンズ2’を含むモニタ側撮像部20’、モードスイッチ(SW)8、メニューキー9、十字キー10、光学ファインダ11、ストロボチャージランプ12、及び表示部13が配設されている。
【0020】
背面側撮像部(以下、モニタ側撮像部)20’は自分撮り用であり、50〜100cmにピントが合い、なお撮影される画角も50〜100cm先にいるユーザ(つまり、撮影者)を撮像するのに適した画角に構成されている。また、モニタ側撮像部20’は撮像方向が変えられるように構成されており、所定の範囲で撮像方向を変えられるので、ユーザは必ずしもカメラの真後ろに位置しなくてもよい。
【0021】
被写体側撮像部20とモニタ側撮像部20’のいずれで撮像するかはユーザが適宜選択できる。また、ユーザは被写体側撮像部20とモニタ側撮像部20’で被写体人物とユーザを略同時に撮影する同時撮影モードを選択することもできる。
【0022】
モードスイッチ8は、例えばスライドスイッチにより構成され、撮影モード「R」と再生モード「P」とを切換える。
【0023】
表示部13は、バックライト付きのカラー液晶パネルで構成され、撮影モード時には電子ファインダとしてモニタ表示を行う一方で、再生モード時には選択された再生画像を表示する。また、同時撮影モードが選択された場合には被写体側撮像部20とモニタ側撮像部20’による撮影画像が合成されて表示される。
なお、図示はしないがこのボディ下面には蓋付きのメモリカードスロットが設けられ、デジタルカメラ1の記録媒体であるメモリカードが着脱自在に装着されるものとする。
【0024】
図2は、デジタルカメラ1の電子回路構成の一実施例を示す図であり、デジタルカメラ1は、駆動モータ21、撮影レンズ2を含む光学系レンズ22及び撮像素子としてのCCD23、駆動モータ21’、撮影レンズ2’を含む光学系レンズ22’及び撮像素子としてのCCD23’、タイミング発生器(TG)24、及び垂直ドライバ25、サンプルホールド回路(S/H)26、A/D変換器27、カラープロセス回路28、DMA(Direct Memory Access)コントローラ29、DRAMインターフェイス(I/F)30、DRAM31、制御部32、VRAMコントローラ33、被写体側撮像部20によって取り込まれた画像(以下、被写体画像)用のVRAM34、モニタ側撮像部20’によって取り込まれた画像(以下、モニタ側画像)用のVRAM34’、デジタルビデオエンコーダ35、キー入力部36、JPEG回路37、フラッシュメモリ38、信号合成回路39、及び表示部13を備えている。
【0025】
上記DRAM31にはCCD23からの1フレーム分の被写体画像データを記憶する領域と、CCD23’からの1フレーム分のモニタ側画像データを記憶する領域が確保されているものとする。なお、DRAM31の代わりに、CCD23からの1フレーム分の被写体画像データを記憶するDRAMと、CCD23’からの1フレーム分のモニタ側画像データを記憶するDRAMを設けるようにしてもよい。また、信号合成回路39は設けなくてもよい。
【0026】
駆動モータ21、撮影レンズ2を含む光学系レンズ22及びCCD23、タイミング発生器24、及び垂直ドライバ25は図1(a)に示した被写体側撮像部20の回路を構成し、駆動モータ21’、撮影レンズ2’を含む光学系レンズ22’及びCCD23’、タイミング発生器24、及び垂直ドライバ25は図1(b)に示したモニタ側撮像部20’の回路を構成している。
【0027】
上記2つの撮像部はキー入力部36からのユーザの指示に基づく制御部32の制御により、一方のみの撮影か同時撮影モードによる撮影が可能である。なお、同時撮影モードの場合は時分割制御による撮影が行われる。また、本実施の形態では、モニタ側撮像部20’の画素数は、例えば、モニタ側100万画素、被写体側400万画素といったように、被写体側撮像部20の画素数より少なく構成されている。また、AE(Automatic Exposure;自動露出)は撮像部20、20’それぞれに対して行われる。
【0028】
撮影モードのモニタリング状態で、被写体側撮像部20による撮影の際は、制御部32からの駆動制御信号により駆動するモータ21の駆動により絞り位置が移動される。上記撮影レンズ2を含む光学系レンズ22の撮影光軸後方に配置されたCCD23が、タイミング発生器24からのタイミング信号に基づき垂直ドライバ25によって走査駆動され、一定時毎に結像した光像に対する光電変換出力を1フレーム分出力する。
【0029】
同様に、モニタ側撮像部20’による撮影の際は、制御部32からの駆動制御信号により駆動するモータ21’の駆動により絞り位置が移動される。上記撮影レンズ2’を含む光学系レンズ22’の撮影光軸後方に配置されたCCD23’が、タイミング発生器24からのタイミング信号に基づき垂直ドライバ25によって走査駆動され、一定時毎に結像した光像に対する光電変換出力を1フレーム分出力する。
【0030】
また、同時撮影モードの場合は、制御部32は、モータ21、21’及びタイミング発生器24のタイミング信号生成動作を時分割制御すると共に、垂直ドライバ25の信号出力先(CCD23、CCD23’)を走査タイミングに同期させて切換えるようにして、CCD23及びCCD23’を走査駆動させ、一定時毎に結像した光像に対する光電変換出力を1フレーム分出力させる。
【0031】
CCD23又はCCD23’からの光電変換出力は、アナログ値の状態でRGBの各原色毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路26でサンプルホールドされ、A/D変換器27でデジタルデータに変換され、カラープロセス回路28で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理が行われて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb、Cr(以下、画像データ)が生成され、DMAコントローラ29に出力される。同時撮影モードの場合は、CCD23からの光電変換出力とCCD23’からの光電変換出力に基づくカラープロセス処理結果が別々にDMAコントローラ29に出力される。
【0032】
DMAコントローラ29は、カラープロセス回路28の出力する画像データをそれぞれカラープロセス回路28からの複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度DMAコントローラ29内部のバッファに書き込み、DRAMインターフェイス30を介してバッファメモリとして使用されるDRAM31にDMA転送する。
【0033】
なお、DMAコントローラ29内部のバッファは、CCD23からの光電変換出力とCCD23’からの光電変換出力に基づくカラープロセス処理の結果をそれぞれ書込むよう2つのバッファ(又は、2つの書込み領域が割り当てられた1つのバッファ)からなっており、同時撮影の場合は、それぞれのバッファ(又は、それぞれの書込み領域)から順次読み出してDRAM31にDMA転送し、DRAM31に割り当てられている2つの書込み領域にそれぞれ書込む。
【0034】
制御部32は、CPUと、後述する色強調処理を含むCPUで実行される動作プログラムや撮像動作プログラムを固定的に記憶したROM、及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成され、このデジタルカメラ1全体の制御動作を司るもので、上記輝度及び色差信号のDRAM31へのDMA転送終了後に、この画像データをDRAMインターフェイス30を介してDRAM31から読出し、VRAMコントローラ33を介して被写体画像用のVRAM34又はモニタ側画像用のVRAM34’に書込む。
【0035】
また、同時撮影モードの場合はDRAM31に割り当てられている2つの書き込み領域に書込まれている被写体画像及びモニタ側画像の画像データをVRAMコントローラ33を介して被写体画像用のVRAM34及びVRAM34’にそれぞれ書込む。また、この際、VRAM34又はVRAM34’には後述する合成画像縮小フラグの値により、被写体画像またはモニタ側画像のいずれかが所定倍率で縮小されて書込まれる。
【0036】
デジタルビデオエンコーダ35は、上記画像データをVRAMコントローラ33を介してVRAM34又はVRAM34’から定期的に読み出し、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部13に出力する。
同時撮影モードの場合は、VRAM34に書込まれているデータとVRAM34’に書込まれているデータを合成したビデオ信号を発生して表示部13に出力する(図3参照)。
【0037】
表示部13は、上述したように撮影モード時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能し、デジタルビデオエンコーダ35からのビデオ信号に基づいた表示を行うことで、その時点でVRAMコントローラから撮り込んでいる画像情報に基づく画像をリアルタイムに表示(スルー画像表示)する。
【0038】
表示部13にその時点での画像がスルー画像表示されている状態で、静止画像撮影を行いたいタイミングでユーザがキー入力部36を構成するシャッターキー7(図1参照)を操作するとトリガ信号を発生する。
【0039】
制御部32はこのトリガ信号に応じてCCD23又は/及びCCD23’から取り込んでいる1フレーム分の画像データのDMA転送の終了後、直ちにCCD23又は/及びCCD23’からのDRAM31への経路を停止し、記録保存の状態(画像記録モード)に遷移する。
【0040】
記録保存の状態では、制御部32がDRAM31に書込まれている1フレーム分の画像データをDRAMインターフェイス30を介してY、Cb,Crの各コンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロック単位で読み出してJPEG(Joint Photograph cording Experts Group)回路37に書込み、このJPEG回路37でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピ符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。そして、取得した符号データを1画像のデータファイルとしてJPEG回路37から読出し、デジタルカメラ1の記録媒体として着脱自在に装着されるメモリカード内に封入された、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ38に書込む。なお、フラッシュメモリ38は上記メモリカードとは別にデジタルカメラ1に内蔵されていてもよい。
【0041】
そして、1フレーム分の画像データの圧縮処理及びフラッシュメモリ38への全圧縮データの書込み終了に伴って、制御部38はCCD23又はCCD23’からDRAM31への経路を再び起動する。
【0042】
また、同時撮影モードの場合は、記録保存の状態では、制御部32は信号合成回路39によりDRAM31に割り当てられている被写体画像データ領域に書込まれている1フレーム分の被写体画像の画像データとモニタ側画像データ領域に書込まれているモニタ側画像の画像データを合成し、その合成画像データをDRAMインターフェイス30を介してJPEG回路37でデータ圧縮する。そして、取得した符号データを1画像のデータファイルとしてJPEG回路37から読出し、フラッシュメモリ38に書込む。
【0043】
なお、上記説明では、同時撮影の場合は、記録保存の状態で被写体画像とモニタ側画像の合成画像データをデータ圧縮してフラッシュメモリ38に保存記憶するようにしたが、DRAM31に書込まれている1フレーム分の被写体画像データとDRAM31に書込まれているモニタ側画像データをそれぞれ圧縮し、例えば、被写体画像データファイル名を”1−A”、モニタ側画像データファイル名を”1−B”といったように互いに関連付けてフラッシュメモリ38に書込むようにしてもよい。
また、合成画像としてフラッシュメモリ38に書込むか別々の画像として関連付けてフラッシュメモリ38に書込むかをユーザが選択設定できるように構成してもよい。
【0044】
キー入力部36は、上述した電源キー6、シャッターキー7、モードスイッチ8、メニューキー9、及び十字キー10から構成され、それらのキー操作に伴う信号は直接制御部に送出される。
【0045】
再生モード時には、制御部32がフラッシュメモリ38に記録されている画像データを選択的に読出し、JPEG回路37で撮影モード時にデータ圧縮したと同じ手順で画像データを伸張し、伸張した画像データをVRAMコントローラ33を介してVRAM34又はVRAM34’に展開して記憶させた上で、VRAM34又はVRAM34’から定期的に読出し、これらの画像データを基にビデオ信号を発生して表示部13で再生出力させる。
【0046】
なお、同時撮影モードの場合で、合成画像を生成し、フラッシュメモリ38に書込んだ場合は、再生モード時には、上述したと同様の手順で合成画像データを再生し、VRAMコントローラ33を介してVRAM34に展開して記憶させた上で、VRAM34から定期的に読出し、これらの画像データを基にビデオ信号を発生して表示部13で再生出力させる。
【0047】
また、同時撮影モードの場合で、被写体画像データとモニタ側画像データをそれぞれ圧縮し、互いに関連付けてフラッシュメモリ38に書込むように構成した場合には、再生モード時には、フラッシュメモリ38から被写体画像データとそれに関連付けられたモニタ側画像データを選択的に読出し上述したと同様の手順で画像データを再生し、VRAMコントローラ33を介してVRAM34、VRAM34’にそれぞれ展開して記憶させた上で、VRAM34から定期的に読出し、これらの画像データを基に発生させたビデオ信号を合成して表示部13に出力する。
【0048】
図3は同時撮影モード時のモニタリング状態に表示される被写体画像とモニタ側画像の合成画像表示の説明図であり、図3(a)はカメラ正面、図3(b)はカメラ背面、図3(c)は表示部に表示される合成画像の例を示す。また、図4は同時撮影モード時のモニタリング状態に表示される被写体画像とモニタ側画像の合成画像表示域指定の説明図、図5は被写体側画像とモニタ側画像のレイアウト入れ替えの説明図である。
【0049】
デジタルカメラ1において、同時撮影モードが選択されると、カメラ正面の撮影レンズ2(図3(a))からの被写体画像131と、カメラ背面の撮影レンズ2’(図3(b))からのモニタ側画像132が図3(c)に示すように合成されて表示される。ユーザは、所望のタイミングでシャッターキー7を操作して静止画像を得ることができる。
【0050】
なお、上記図3(c)の例では、モニタ側画像の合成個所は右下隅となっているが、これに限定されない。また、図4(a)に示すように画像合成領域(図示の例ではA〜Dの4箇所の表示域内の一つ)選択欄41を表示し、ユーザが入力部36のキー操作を行って所望の表示域を選択すると、図4(b)に示すように選択された表示域にモニタ画像を合成して表示するように構成してもよい。
【0051】
また、図3(c)の例では、撮影レンズ2で撮影した被写体画像中に撮影レンズ2’で撮影したモニタ側画像を合成表示したが、2つのレイアウトを入れ替えモニタ側画像中に被写体画像を合成表示することができるようにしてもよい。例えば、図5(a)に示すように被写体画像中に合成されたモニタ画像をマウス等でクリックするとレイアウトが入れ替わり、モニタ側画像中に被写体画像を合成した合成画像を表示するようにしてもよい。
【0052】
図1〜図4の説明で述べた構成により、同時撮影モードを用いれば、親子写真のようにユーザの家族を撮影する場合、撮影者であるユーザも同一画面に合成表示できるのでセルフタイマを用いなくても簡易に撮影者を同一画面内に表示できる。また、通常の集合写真の場合も同様に表示できる。さらに、同時撮影モードにより、風景や構造物などを撮影する際にもセルフタイマや他人による手助けがなくても簡単にユーザ自身を同一画面内に表示できる。
【0053】
図6は、同時撮影モード時の撮像動作プログラムによるデジタルカメラ1の動作例を示すフローチャートであり、図6(a)は同時撮影モードにおける画像記録時に合成画像を記録する場合のフローチャート、図6(b)は同時撮影モードにおける画像記録時に、被写体画像とモニタ画像を関連付けて記録する場合のフローチャートである。
【0054】
図6(a)で、ユーザが電源キー6を押してデジタルカメラ1を起動し、モードスイッチ8を操作して撮像モードに切換えると、撮像動作プログラムが起動され、合成画像縮小フラグがオン(=「1」)にされ、表示部13に選択メニュー、例えば、「同時撮影モード」、「正面側撮影モード」、「モニタ側撮影モード」、・・が表示される。ここで、合成画像縮小フラグは、CCD23からの被写体画像とCCD23’からのモニタ側画像のうちどちらの画像を縮小して合成表示するかを決定する情報フラグであり、合成画像縮小フラグがオンの場合はモニタ側画像が所定の倍率で縮小され、合成画像縮小フラグがオフ(=「0」)の場合は被写体画像が所定の倍率で縮小されて合成表示されることを意味する(ステップS1)。
【0055】
ユーザがメニューキー9を操作して表示部13に表示された所望のメニューを選択すると、制御部32はメニューキー9から送出された信号を基に選択されたメニューを調べ、選択されたメニューが「同時撮影モード」の場合はステップS3に進み、「正面側撮影モード」の場合はステップS16に進み、「モニタ側撮影モード」の場合はステップS21に進み、その他のメニューが選択された場合は選択されたメニューに対応する処理に分岐する(ステップS2)。
【0056】
ユーザが、「同時撮影モード」を選択した場合は、制御部32は、さらに、メニュー表示画面に図4(a)に示したような合成画像表示域選択欄41を表示して合成画像の表示域(=合成領域)の選択を促し、ユーザが表示域を選択するとステップS4に進む(ステップS3)。
【0057】
制御部32は、モータ21、21’及びタイミング発生器24のタイミング信号生成動作を時分割制御してCCD23及びCCD23’を走査駆動させ、一定時毎に結像した光像に対する光電変換出力を1フレーム分ずつ出力させ、サンプルホールド回路26によるサンプルホールド処理、A/D変換器27によるデジタル変換処理、カラープロセス回路28によるカラープロセス処理を経てデジタル値の画像データ(輝度信号Y及び色差信号Cb、Cr)を生成させ、DMAコントローラ29にそれぞれ出力させ、カラープロセス回路28の出力するCCD23からの被写体画像データとCCD23’からのモニタ側画像データをDRAMインターフェイス30を介してバッファメモリとして使用されるDRAM31に順次DMA転送させ、DRAM31に割り当てられている被写体画像データ領域及びモニタ側画像データ領域にそれぞれ書込む(ステップS4)。
【0058】
制御部32は合成画像縮小フラグを調べ、合成画像縮小フラグがオンの場合はステップS6に進み、オフの場合はステップS7に進む(ステップS5)。
【0059】
合成画像縮小フラグがオンの場合は、DRAM31に割り当てられている被写体画像データ領域に書込まれている被写体画像データをVRAMコントローラ33を介して被写体画像用のVRAM34に展開して書込み、モニタ側画像データ領域に書込まれているモニタ側画像データを所定倍率で縮小してからVRAMコントローラ33を介してモニタ側画像用のVRAM34’のうち上記ステップS3で選択・指定された領域に展開して書込み、ステップS8に進む(ステップS6)。
【0060】
合成画像縮小フラグがオフの場合は、DRAM31に割り当てられている被写体画像データ領域に書込まれている被写体画像データを所定倍率で縮小してからVRAMコントローラ33を介して被写体画像用のVRAM34のうち上記ステップS3で選択・指定された領域に展開して書込み、モニタ側画像データ領域に書込まれているモニタ側画像データをVRAMコントローラ33を介してモニタ側画像用のVRAM34’に展開して書込む(ステップS7)。
【0061】
次に、VRAM34に書込まれた被写体画像データとVRAM34’に書込まれたモニタ側画像データを合成し(ステップS8)、デジタルビデオエンコーダ35でビデオ信号を発生して合成画像を表示部13に出力(スルー画像表示)する(ステップS9)。
【0062】
ユーザは表示部13に表示されたスルー画像のうち、合成画像部分(図5の符号51で示す部分)をポイント操作して、図5に示したように被写体画像とモニタ画像の表示レイアウトを入れ替えることができるので、制御部32はキー入力部36から送出される信号を調べ、表示レイアウト入れ替え操作(例えば、図5で合成画像部分51をマウスでクリック)が行われた場合はステップS11に進む。また、合成画像部分の入れ替え操作がなされない場合はステップS12に進む(ステップS10)。表示レイアウト入れ替え操作がなされた場合は、合成画像縮小フラグの値を反転し(つまり、合成画像縮小フラグがオンの場合はオフにし、オフの場合はオンにし)、ステップS4に戻る(ステップS11)。
【0063】
制御部32はさらにキー入力部36から送出される信号を調べ、シャッターキー7が操作された場合は、CCD23及びCCD23’から取り込んでいる1フレーム分の画像データのDMA転送の終了後、直ちにCCD23及びCCD23’からのDRAM31への経路を停止しステップS13に遷移する。また、シャッターキー7が操作されていない場合はステップS4に戻る(ステップS12)。
【0064】
制御部32は、信号合成回路39により、DRAM31の被写体側画像データ書き込み領域に書込まれている1フレーム分の被写体画像データとモニタ側画像データ書き込み領域に書込まれているモニタ側画像データを合成し(ステップS13)、その画像合成データをDRAMインターフェイス30を介してJPEG回路37でデータ圧縮する(ステップS14)。そして、取得した符号データを1画像のデータファイルとしてJPEG回路37から読出し、フラッシュメモリ38に記録し、CCD23及びCCD23’からのDRAM31への経路を再開してステップS4に戻る(ステップS15)。
【0065】
正面側撮影モードの場合は、制御部32は、モータ21及びタイミング発生器24のタイミング信号生成動作を制御してCCD23を走査駆動させ、一定時毎に結像した光像に対する光電変換出力を1フレーム分出力させ、サンプルホールド回路26によるサンプルホールド処理、A/D変換器27によるデジタル変換処理、カラープロセス回路28によるカラープロセス処理を経てデジタル値の画像データ(輝度信号Y及び色差信号Cb、Cr)を生成させ、DMAコントローラ29に出力させ、カラープロセス回路28の出力するCCD23からの被写体画像データをDRAMインターフェイス30を介してバッファメモリとして使用されるDRAM31に順次DMA転送させ、DRAM31に書込む(ステップS16)。
【0066】
次に、DRAM31に書込まれている被写体画像データをVRAMコントローラ33を介して被写体画像用のVRAM34に展開して書込み、デジタルビデオエンコーダ35でビデオ信号を発生して表示部13に出力(スルー画像表示)する(ステップS17)。
【0067】
制御部32はキー入力部36から送出される信号を調べ、シャッターキー7が操作された場合は、CCD23から取り込んでいる1フレーム分の画像データのDMA転送の終了後、直ちにCCD23からのDRAM31への経路を停止しステップS19に遷移する。また、シャッターキー7が操作されていない場合はステップS16に戻る(ステップS18)。
【0068】
制御部32は、DRAM31に書込まれている1フレーム分の被写体画像の画像データをDRAMインターフェイス30を介してJPEG回路37でデータ圧縮する(ステップS19)。そして、取得した符号データを1画像のデータファイルとしてJPEG回路37から読出し、フラッシュメモリ38に記録し、CCD23からのDRAM31への経路を再開してステップS4に戻る(ステップS20)。
【0069】
モニタ側撮影モードの場合は、制御部32は、モータ21’及びタイミング発生器24のタイミング信号生成動作を制御してCCD23’を走査駆動させ、一定時毎に結像した光像に対する光電変換出力を1フレーム分出力させ、サンプルホールド回路26によるサンプルホールド処理、A/D変換器27によるデジタル変換処理、カラープロセス回路28によるカラープロセス処理を経てデジタル値の画像データ(輝度信号Y及び色差信号Cb、Cr)を生成させ、DMAコントローラ29に出力させ、カラープロセス回路28の出力するCCD23’からのモニタ側画像データをDRAMインターフェイス30を介してバッファメモリとして使用されるDRAM31に順次DMA転送させ、DRAM31に書込む(ステップS21)。
【0070】
次に、DRAM31に書込まれている被写体画像データをVRAMコントローラ33を介してモニタ側画像用のVRAM34’に展開して書込み、デジタルビデオエンコーダ35でビデオ信号を発生して表示部13に出力(スルー画像表示)する(ステップS22)。
【0071】
制御部32はキー入力部36から送出される信号を調べ、シャッターキー7が操作された場合は、CCD23’から取り込んでいる1フレーム分の画像データのDMA転送の終了後、直ちにCCD23からのDRAM31への経路を停止しステップS24に遷移する。また、シャッターキー7が操作されていない場合はステップS21に戻る(ステップS23)。
【0072】
制御部32は、DRAM31に書込まれている1フレーム分のモニタ側画像の画像データをDRAMインターフェイス30を介してJPEG回路37でデータ圧縮する(ステップS24)。そして、取得した符号データを1画像のデータファイルとしてJPEG回路37から読出し、フラッシュメモリ38に記録し、CCD23’からのDRAM31への経路を再開してステップS1に戻る(ステップS25)。
【0073】
上記構成により、同時撮影モードの場合には被写体画像とモニタ側画像が合成されて表示されるので、ユーザはセルフタイマや他人に撮影依頼を行わなくても、自分が参加した画像を簡単に得ることができる。
【0074】
なお、同時撮影モードの場合、上記ステップS13〜S15を、図6(b)に示すように、「制御部32は、DRAM31に書込まれている1フレーム分の被写体画像データとDRAM31に書込まれているモニタ側画像データをそれぞれ圧縮し(ステップS13’)、例えば、被写体画像データファイル名を”1−A”、モニタ側画像データファイル名を”1−B”といったように互いに関連付けてフラッシュメモリ38に記録し、CCD23及びCCD23’からのDRAM31への経路を再開してステップS4に戻る(ステップS14’)。」と置き換えてもよい。
【0075】
また、被写体画像とモニタ側画像を合成画像としてフラッシュメモリ38に書込む「同時撮影モード(1)」と、別々の画像として関連付けてフラッシュメモリ38に書込む「同時撮影モード(2)」を設け、ユーザが選択設定できるように構成し、撮像動作プログラムを、選択結果により、上記図6(a)のステップS13か図6(b)のステップS13’のいずれかに進むように構成してもよい。
【0076】
このように構成した場合は、再生モード時に被写体画像とモニタ側画像を読み出して再生し、表示又はプリント出力時に合成して表示することができる。また、合成せず、別々の画像として表示したり、プリント出力することもできる。更に、外部装置にフラッシュメモリ38の記録内容を送信するか、フラッシュメモリ38を含んだメモリカードを装着して、外部装置側のプログラムにより再生したり、加工して表示又はプリント出力することもできる。また、合成せず、別々の画像として表示したり、プリント出力することもできる。
【0077】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、図2に示したように、デジタルカメラ1の電子回路構成例として、駆動モータ21、撮影レンズ2を含む光学系レンズ22及びCCD23、タイミング発生器24、及び垂直ドライバ25で図1(a)に示した被写体側撮像部20の回路を構成し、駆動モータ21’、撮影レンズ2’を含む光学系レンズ22’及びCCD23’、タイミング発生器24、及び垂直ドライバ25で図1(b)に示したモニタ側撮像部20’の回路を構成するようにし、サンプルホールド回路26〜DRAMインターフェイス30、及びDRAM31を共通の回路としたが、これに限定されない。例えば、図7に示すように、撮像部及びサンプルホールド回路〜DRAMインターフェイスまでの回路を、被写体側とモニタ側用に1系統ずつ別に設けるように構成してもよい。
【0078】
図7は、図1のデジタルカメラの電子回路構成の他の一実施例を示す図であり、デジタルカメラ1は、駆動モータ21、撮影レンズ2を含む光学系レンズ22及び撮像素子としてのCCD23、タイミング発生器(TG)24、及び垂直ドライバ25、サンプルホールド回路(S/H)26、A/D変換器27、カラープロセス回路28、DMAコントローラ29、DRAMインターフェイス(I/F)30、駆動モータ21’、撮影レンズ2’を含む光学系レンズ22’及び撮像素子としてのCCD23’、タイミング発生器(TG)24’、及び垂直ドライバ25’、サンプルホールド回路(S/H)26’、A/D変換器27’、カラープロセス回路28’、DMAコントローラ29’、DRAMインターフェイス(I/F)30’、DRAM31、制御部32、VRAMコントローラ33、被写体画像用のVRAM34、モニタ側画像用のVRAM34’、デジタルビデオエンコーダ35、キー入力部36、JPEG回路37、フラッシュメモリ38、信号合成回路39、及び表示部13を備えている。
【0079】
上記DRAM31にはCCD23からの1フレーム分の被写体画像データを記憶する領域と、CCD23’からの1フレーム分のモニタ側画像データを記憶する領域が確保されているものとする。なお、DRAM31の代わりに、CCD23からの1フレーム分の被写体画像データを記憶するDRAMと、CCD23’からの1フレーム分のモニタ側画像データを記憶するDRAMを設けるようにしてもよい。また、信号合成回路39は設けなくてもよい。
【0080】
駆動モータ21、撮影レンズ2を含む光学系レンズ22及びCCD23、タイミング発生器24、及び垂直ドライバ25は図1(a)に示した被写体側撮像部20の回路を構成し、駆動モータ21’、撮影レンズ2’を含む光学系レンズ22’及びCCD23’、タイミング発生器24、及び垂直ドライバ25は図1(b)に示したモニタ側撮像部20’の回路を構成している。
【0081】
また、サンプルホールド回路26〜DRAMインターフェイス30の経路は被写体側撮像部20のCCD23からの出力信号の信号変換処理部を構成し、サンプルホールド回路26’〜DRAMインターフェイス30’の経路はモニタ側撮像部20’のCCD23’からの出力信号の信号変換処理部を構成している。
【0082】
同時撮影モードの場合は、制御部32は、撮像部20及び20’を同時制御して一定時毎に結像した光像に対する光電変換出力を1フレーム分出力させると共に、被写体側撮像部20に連なる信号変換処理部とモニタ側撮像部20’に連なる信号変換処理部を同時制御して、1フレー部分の被写体画像データおよび1フレーム分のモニタ側画像データをDRAM31の被写体画像データの記憶領域及びモニタ側画像データの記憶領域にそれぞれ記憶する。
【0083】
上記2つの撮像部はキー入力部36からのユーザの指示に基づく制御部32の制御により、一方のみの撮影か同時撮影モードによる撮影が可能である。また、本実施の形態では、モニタ側撮像部20’の画素数は、例えば、モニタ側100万画素、被写体側400万画素といったように、被写体側撮像部20の画素数より少なく構成されている。また、AEは撮像部20、20’それぞれに対して行われる。
【0084】
撮影モードのモニタリング状態で、被写体側撮像部20側では、制御部32からの駆動制御信号により駆動するモータ21の駆動により絞り位置が移動される。上記撮影レンズ2を含む光学系レンズ22の撮影光軸後方に配置されたCCD23が、タイミング発生器24からのタイミング信号に基づき垂直ドライバ25によって走査駆動され、一定時毎に結像した光像に対する光電変換出力を1フレーム分出力する。
【0085】
同様に、モニタ側撮像部20’側では、制御部32からの駆動制御信号により駆動するモータ21’の駆動により絞り位置が移動される。上記撮影レンズ2’を含む光学系レンズ22’の撮影光軸後方に配置されたCCD23’が、タイミング発生器24’からのタイミング信号に基づき垂直ドライバ25’によって走査駆動され、一定時毎に結像した光像に対する光電変換出力を1フレーム分出力する。
【0086】
CCD23(又はCCD23’)からの光電変換出力は、アナログ値の状態でRGBの各原色毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路26(又はサンプルホールド回路26’)でサンプルホールドされ、A/D変換器27(又はA/D変換器27’)、でデジタルデータに変換され、カラープロセス回路28(又は/及びカラープロセス回路28’)で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理が行われて、デジタル値の画像データ(輝度信号Y及び色差信号Cb、Cr)が生成され、DMAコントローラ29に出力される。
【0087】
DMAコントローラ29(又はDMAコントローラ29’)は、カラープロセス回路28(又はカラープロセス回路28’)の出力する画像データを、それぞれカラープロセス回路28(又はカラープロセス回路28’)からの複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度DMAコントローラ29(又はDMAコントローラ29’)内部のバッファに書き込み、DRAMインターフェイス30(又はDRAMインターフェイス30’)を介してバッファメモリとして使用されるDRAM31にDMA転送する。
【0088】
制御部32は、CPUと、後述する色強調処理を含むCPUで実行される動作プログラムや撮像動作プログラムを固定的に記憶したROM、及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成され、このデジタルカメラ1全体の制御動作を司るもので、上記輝度及び色差信号のDRAM31へのDMA転送終了後に、この画像データをDRAMインターフェイス30(又はDRAMインターフェイス30’)を介してDRAM31から読出し、VRAMコントローラ33を介して被写体画像用のVRAM34(又はモニタ側画像用のVRAM34’)に書込む。
【0089】
また、同時撮影モードの場合はDRAM31に割り当てられている2つの書き込み領域に書込まれている被写体画像及びモニタ側画像の画像データをVRAMコントローラ33を介して被写体画像用のVRAM34及びVRAM34’にそれぞれ書込む。また、この際、VRAM34又はVRAM34’には後述する合成画像縮小フラグの値により、被写体画像またはモニタ側画像のいずれかを所定倍率で縮小して書込む。
【0090】
デジタルビデオエンコーダ35は、上記画像データをVRAMコントローラ33を介してVRAM34又はVRAM34’から定期的に読み出し、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部13に出力する。
【0091】
同時撮影モードの場合は、VRAM34に書込まれているデータとVRAM34’に書込まれているデータを合成したビデオ信号を発生して表示部13に出力する。
【0092】
以下、表示部13でのスルー画像表示、記録保存状態での動作、及び再生モードでの動作は前述した第1の実施の形態の場合と同様である。また、撮影モード時の撮像動作プログラムによるデジタルカメラ1の動作は、ステップS4以外は、図6に示したフローチャートと同様である。
【0093】
つまり、図6(a)のステップS4を、「制御部32は、モータ21、21’及びタイミング発生器24のタイミング信号生成動作を時分割制御してCCD23及びCCD23’を走査駆動させ、一定時毎に結像した光像に対する光電変換出力を1フレーム分ずつ出力させ、サンプルホールド回路26及びサンプルホールド回路26’によるサンプルホールド処理、A/D変換器27及びA/D変換器27’によるデジタル変換処理、カラープロセス回路28及びカラープロセス回路28’によるカラープロセス処理を経てデジタル値の被写体画像データ及びモニタ側画像データを生成させ、DMAコントローラ29及びDMAコントローラ29’にそれぞれ出力させ、カラープロセス回路28が出力するCCD23からの被写体画像データをDRAMインターフェイス30を介してバッファメモリとして使用されるDRAM31にDMA転送させ、DRAM31に割り当てられている被写体画像データ領域に書込むと共に、カラープロセス回路28’が出力するCCD23’からのモニタ側画像データをDRAMインターフェイス30’を介しDRAM31にDMA転送させ、DRAM31に割り当てられているモニタ側画像データ領域に書込む」、ように構成すればよい。
【0094】
以上、本発明のいくつかの実施例について説明したが本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能であることはいうまでもない。
【0095】
【発明の効果】
上記説明したように、本発明によれば、同時撮影モードが選択されると被写体画像とモニタ側画像が合成されて表示されるので、ユーザはセルフタイマや他人に撮影依頼を行わなくても、自分が参加した画像を簡単に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したデジタルカメラの外観構成の一実施例を示す図である。
【図2】図1のデジタルカメラの電子回路構成の一実施例を示す図である。
【図3】同時撮影モード時のモニタリング状態に表示される被写体画像とモニタ側画像の合成画像表示の説明図である。
【図4】同時撮影モード時のモニタリング状態に表示される被写体画像とモニタ側画像の合成画像表示域指定の説明図である。
【図5】被写体側画像とモニタ側画像のレイアウト入れ替えの説明図である。
【図6】同時撮影モード時の撮像動作プログラムによるデジタルカメラの動作例を示すフローチャートである。
【図7】図1のデジタルカメラの電子回路構成の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ(撮像装置)
7 シャッターキー(撮像指示手段)
8 モードスイッチ(撮像モード選択手段)
9 メニューキー(撮像モード選択手段)
13 表示部
20 被写体側撮像部(第1の撮像部)
20’ モニタ側撮像部(第2の撮像部)
31 DRAM(画像記憶メモリ)
32 制御部(同時撮影制御手段、画像記憶制御手段、モード遷移手段)
38 フラッシュメモリ(保存メモリ)
Claims (10)
- 正面に前方の被写体像を取り込んで光電変換信号を出力する第1の撮像部を配置し、背面に、後方の被写体像を取り込んで光電変換信号を出力する第2の撮像部と画像表示可能な表示部とを配置した撮像装置であって、
前記第1の撮像部と前記第2の撮像部で略同時に撮像を行う同時撮影モードにおいて、
前記第1の撮像部及び前記第2の撮像部からの被写体像の取り込み動作及び光電変換信号出力動作を略同時に行うように制御する同時撮影制御手段と、
前記第1の撮像部及び第2の撮像部から取り込んだ画像データをそれぞれ信号変換して処理する信号変換処理手段と、
前記信号変換処理手段によって変換された第1の撮像部からの画像データと第2の撮像部からの画像データを所定時間毎にそれぞれ1フレーム分ずつ画像記憶メモリに記憶する画像記憶制御手段と、
前記画像記憶メモリに記憶された第1の撮像部と第2の撮像部から取り込んだ画像データとを合成して前記表示部に表示する合成画像表示手段と、
撮像指示を行う撮像指示手段と、
前記撮像指示手段による撮像指示があると、その時点で前記表示部に表示されている画像を保存メモリに記録する画像記録モードに遷移するモード遷移手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 前記信号変換処理手段は1系統の信号変換処理手段からなり、前記同時撮影制御手段は、同時撮影モード時には、前記第1の撮像部及び前記第2の撮像部からの被写体像の取り込み動作及び光電変換信号出力動作と前記信号変換処理手段による信号変換処理を時分割制御することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記信号変換処理手段は2系統の信号変換処理手段からなり、前記同時撮影制御手段は、同時撮影モード時には、前記第1の撮像部及び前記第2の撮像部からの被写体像の取り込み動作及び光電変換信号出力動作と前記信号変換処理手段による信号変換処理を同時制御することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 同時撮影モード時に、前記合成画像表示手段によって合成表示される画像の表示位置を指定する位置指定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 同時撮影モード時に、前記合成画像表示手段によって合成表示される画像の入れ替え指示可能なレイアウト入れ替え指示手段と、前記レイアウト入れ替え指示手段による指示に基づき合成表示される画像の入れ替えを行うレイアウト入れ替え手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
- 前記モード遷移手段により同時撮影モードから画像記録モードに遷移したとき、前記画像メモリに記憶された第1の撮像部からの画像データと第2の撮像部からの画像データを合成する画像データ合成手段と、前記合成画像データを圧縮して保存メモリに記録する画像記録手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記モード遷移手段により同時撮影モードから画像記録モードに遷移したとき、前記画像メモリに記憶された第1の撮像部からの画像データと第2の撮像部からの画像データをそれぞれ圧縮し、関連付けて保存メモリに記録する画像記録手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 前記第2の撮像部の撮影レンズ部分は撮影方向が変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
- 正面に前方の被写体像を取り込んで光電変換信号を出力する第1の撮像部と、背面に、後方の被写体像を取り込んで光電変換信号を出力する第2の撮像部と画像表示可能な表示部と、を備えた撮像装置において、
撮影モードを選択するステップと、
前記第1の撮像部と前記第2の撮像部で略同時に撮像を行う同時撮影モードが選択されたとき、
前記第1の撮像部及び前記第2の撮像部からの被写体像の取り込み動作及び光電変換信号出力動作を略同時に行うように制御するステップと、前記第1の撮像部及び第2の撮像部から取り込んだ画像データをそれぞれ信号変換処理するステップと、信号変換処理された第1の撮像部からの画像データと第2の撮像部からの画像データを合成するステップと、合成された画像を前記表示部に表示するステップと、撮像指示を検出するステップと、撮像指示操作を検出すると、その時点で前記表示部に表示されている画像を保存メモリに記録する画像記録モードに遷移するステップと、
を備えたことを特徴とする撮像方法。 - 正面に前方の被写体像を取り込んで光電変換信号を出力する第1の撮像部と、背面に、後方の被写体像を取り込んで光電変換信号を出力する第2の撮像部と画像表示可能な表示部と、を備えた撮像装置において実行されるプログラムであって、
撮影モードを選択させるステップと、
前記第1の撮像部と前記第2の撮像部で略同時に撮像を行う同時撮影モードが選択されたとき、
前記第1の撮像部及び前記第2の撮像部からの被写体像の取り込み動作及び光電変換信号出力動作を略同時に行うように制御させるステップと、前記第1の撮像部及び第2の撮像部から取り込んだ画像データをそれぞれ信号変換処理させるステップと、信号変換処理された第1の撮像部からの画像データと第2の撮像部からの画像データを所定時間毎にそれぞれ1フレーム分ずつ画像記憶メモリに記憶させるステップと、前記画像記憶メモリに記憶された第1の撮像部及び第2の撮像部から取り込んだ画像データを合成させるステップと、合成画像を前記表示部に表示させるステップと、撮像指示の有無を検出させるステップと、撮像指示が検出されると、その時点で前記表示部に表示されている画像を保存メモリに記録する画像記録モードに遷移させるステップと、撮像指示が検出されない場合は前記第1の撮像部及び前記第2の撮像部による被写体像の取り込みに遷移するステップと、
を備えたことを特徴とする撮像プログラム。
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