JP2004363839A - 圧電振動子とこれを用いた圧電発振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線パターンの自由度をもたせるための底面電極の形状及び配置を備える圧電振動子とこれを用いた圧電発振器を提供する。
【解決手段】上面に少なくとも発振回路を構成する電子部品を実装すると共に底面に外部電極を備えた平板状のプリント配線基板と、該プリント配線基板の平面外形が略一致する圧電振動子と、を備え、前記プリント配線基板の上面に固定した柱部材を介して所定のギャップを隔てて前記圧電振動子を固定したことを特徴とする圧電発振器であって、前記圧電振動子のアース電極の幅寸法が圧電振動子本体の幅寸法と略一致する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線基板の配線パターンの自由度を高くするために外部電極の形状及び配置を改良した圧電振動子とこれを用いた圧電発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話機等の移動体通信機器の普及に伴う低価格化および小型化の急激な進展により、これらの通信機器に使用される圧電振動子や位相雑音特性及び短期安定度特性に優れたディスクリート型圧電発振器に対しても低価格化、小型化の要求が高まっている。
【0003】
従来の圧電発振器としてのディスクリート型圧電発振器には、例えば特開2002−64333号公報で開示されたようなものがあり、図5はその構成を示す側面図である。平板状のプリント配線基板61の上面に発振回路及び温度補償回路を構成するコンデンサ、抵抗、集積回路などの電子部品(ディスクリート部品)62を実装すると共に、該プリント配線基板61の上面に形成した柱部材固定用パターン66に電気的及び機械的に固定した柱部材63を介して所定のギャップを隔てて圧電振動子(水晶振動子)64の底面に配設した底面電極65を電気的及び機械的に固定し発振器を構成している。
【0004】
【特許文献】
特開2002−64333号公報。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のディスクリート型圧電発振器は、ワンチップIC(発振回路と間接型温度補償回路等を集積化したIC)タイプ圧電発振器に比べ、温度補償回路が簡素化されているため位相雑音特性に優れるが、前記電子部品62のそれぞれの規格値、精度、小型化(小面積化)に最適な実装位置等は全て(該ディスクリート型圧電発振器の)組立てメーカーのノウハウに依存する。しかし、低コスト化のために市販の、一般的には底面の四隅に略矩形状の底面電極を配設した、圧電振動子を採用することで、前記プリント配線基板61の上面、特に前記柱部材固定用パターン66を含む配線パターン設計の自由度が制限されてしまい前述する小型化(小面積化)に最適な実装位置を確保する、つまりノウハウを有効に活用することが極めて困難であった。対して圧電振動子製造メーカーは、前記組立てメーカーからの多様な前記底面電極65の配置に関する仕様に対応した場合、前記圧電振動子64の構成部品であるセラミックパッケージを多品種(底面電極の位置のみが異なる。)用意しなければならず圧電振動子64のコストアップに繋がっていた。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、配線パターンの自由度をもたせるための底面電極の形状及び配置を備える圧電振動子とこれを用いた圧電発振器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係わる請求項1記載の発明は、両主面に励振電極を有する圧電振動素子と、上面に前記圧電振動素子を収容する凹陥部を備えると共に下面に底面電極を備えるパッケージ本体と、前記凹陥部を封止する平板状の金属蓋と、を備え、前記凹陥部の内底面に前記圧電振動素子を一方端部で片持ち支持すると共に電気的な接続をした上で前記金属蓋により該凹陥部を気密封止する構造を有する圧電振動子であって、前記底面電極のうちアース電極の幅寸法が前記パッケージ本体の幅寸法と略一致することを特徴とする。
【0008】
また請求項2記載の発明は、請求項1において、前記アース電極の表面が複数個に分割すると共に該アース電極のそれぞれが一定間隔で形成されていることを特徴とする。
【0009】
また請求項3記載の発明は、請求項2において、複数個に分割された前記アース電極が前記パッケージ本体の幅方向に少なくとも1列で配設していることを特徴とする。
【0010】
また請求項4記載の発明は、請求項3において、複数個に分割された前記アース電極のそれぞれの形状が略円形であることを特徴とする。
【0011】
また請求項5記載の発明は、下面に外部電極を備えた平板状のプリント配線基板の上面に発振回路および温度補償回路を構成する電子部品を実装し、該プリント配線基板の上面に柱部材を導通固定すると共に請求項1乃至4のいずれかに記載の前記圧電振動子の底面電極と前記柱部材とを導通固定したことを特徴とする。
【0012】
また請求項6記載の発明は、請求項5において、前記柱部材が少なくとも3個であることを特徴とする。
【0013】
また請求項7記載の発明は、請求項5又は6ににおいて、前記アース電極と接続する前記柱部材の位置が前記プリント配線基板の辺部に沿って少なくとも1個配設してあることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図示した本発明の実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
【0015】
図1(a)は本発明実施形態の圧電発振器としての水晶発振器の縦断面図、図1(b)は水晶振動子を省略した状態の上面図であって、図2は本発明実施形態の圧電振動子としての水晶振動子の下面図である。
本発明実施形態の水晶発振器1は、上面のランド5上に発振回路及び温度補償回路を構成するコンデンサ、抵抗、集積回路などの電子部品3を実装すると共に底面に外部電極4を備えた平板状のプリント配線基板2と、該プリント配線基板2の上面に固定した柱部材20を介して所定のギャップを隔てて固定された水晶振動子11と、を備えている。
【0016】
前記水晶振動子11は凹陥部を有したパッケージ本体12a及び該凹陥部を気密封止するための平板状の金属蓋12bとから成る略矩形状のパッケージと凹陥部内に支持された略矩形状の圧電振動素子(水晶振動素子)15とからなり、前記凹陥部の内底面に前記水晶振動素子15を一方端部で片持ち支持すると共に電気的な接続をした上で前記金属蓋12bにより凹陥部を気密封止する構造を有する。図2に示すように、前記水晶振動子11底面、即ち前記パッケージ本体12a底面の一方の短辺隅部夫々に略矩形状の底面電極16aを配設すると共に、例えば該水晶振動子11をはんだ実装時にはんだブリッジを防止できるだけの間隔を設けて、他方の短辺隅部夫々に跨って一体的に形成した(他方の短辺部の長さと略一致する)略矩形状の底面電極16bを配設する。底面電極16a夫々は前記水晶振動素子15の両主面に配設する励振電極(不図示)と電気的導通すると共に、底面電極16bは前記金属蓋12bと電気的導通しており該底面電極16bをアース電位とすることで、金属蓋12bがシールドとして機能することになる。
【0017】
前記プリント配線基板2は、例えばセラミックから成り、上面に形成した前記ランド5と柱部材固定用パターン6a及び6bと、下面に形成した前記外部電極4と、を備えており、柱部材固定用パターン6a及び6bは各ランド5、外部電極4、シールド層(不図示)と所定の配線がなされている。図1(b)に示すように、プリント配線基板2上面の一方の短辺隅部夫々に(前記柱部材20を介して前記底面電極16aと接続する)略円形状の柱部材固定用パターン6aを配設すると共に、他方の短辺部略中央に(柱部材20を介して前記底面電極16bと接続する)略円形状の柱部材固定用パターン6bを配設し、該柱部材固定用パターン6bは前述する発振回路及び温度補償回路(図1(b)中の二点鎖線内)に包囲されるように配設している。
【0018】
図3は本発明のその他の実施形態の圧電発振器としての水晶発振器の構成を示す平面図(水晶振動子を省略した状態)である。
水晶発振器として機能するために必要な電気的な接続は前記水晶振動素子15(に配設する2つの励振電極(不図示))と発振回路および温度補償回路とを接続する2系統であり、望ましくはシールド効果を発揮させるために前記金属蓋12b(前記底面電極16b(アース電極))と前記プリント配線基板2が備える前記シールド層とを接続する1系統とを併せた3系統である。
そこで、前記水晶発振器1では、前記水晶振動子11が有する底面電極を3端子(16a及び16b)とし、該底面電極16a及び16bと前記前記柱部材固定用パターン6a及び6bとを前記柱部材20を介してはんだ等により電気的及び機械的に接続することで前記3系統を実現している。特に、底面電極16bを大きくする(短辺部の長さと略一致する)ことで、例えば図3に示すように、上面の一方の短辺隅部夫々には略円形状の柱部材固定用パターン36aを配設し他方の短辺部の一方隅部に略円形状の柱部材固定用パターン36bを配設すると共に、該柱部材固定用パターン36bが底面電極16bに対向する位置(図3中の二点鎖線内)内側に配設するプリント配線基板32であれば、水晶振動子11(前記パッケージ本体12a)で前述する3系統を実現することができる。換言すれば、前記柱部材固定用パターン6b及び36bを前記底面電極16bに対向する位置に配設さえすれば、前記電子部品3の位置(実装レイアウト)の自由度が増すこととなる。
【0019】
前記柱部材20は前記電子部品3のうち最も背の高い電子部品より若干大きい、例えば直径0.1〜0.3mm程度の金属ボール若しくは表面に導電膜が覆う樹脂ボールである。
【0020】
前記柱部材20を前記プリント配線基板上に固定する場合には、スクリーン印刷により前記柱部材固定用パターンに塗布したクリームはんだを用いたリフロー接続が可能である。即ち、このスクリーン印刷においては、前記ランドに対するクリームはんだの塗布作業も同時に実施し、クリームはんだを塗布したランド、柱部材固定用パターン上にそれぞれ前記電子部品3及び柱部材20を載置した上で、リフロー炉内で同時に加熱を行い、その後冷却することにより、電子部品3及び柱部材20を固定する。前記水晶振動子11については、柱部材20をプリント配線基板上に固定した後で、柱部材20の上方に導電性接着剤等を用いて水晶振動子11の底面電極を固定してもよいし、柱部材20の上方と底面電極との接続を電子部品3等をリフロー接続する際に同時に実施してもよい。
【0021】
本発明によれば、前記プリント配線基板への前記電子部品3及び前記柱部材20の実装をバッチ処理にて実施することが可能である。即ち、大面積のプリント配線基板母材上に区画形成されたランド群及び柱部材固定用パターン群に対してそれぞれスクリーン印刷によってクリームはんだを塗布した後で、各ランド及び各柱部材固定用パターン上に夫々電子部品3及び柱部材20を載置し、その後一括してリフロー炉内にて加熱することにより接続を完了することができる。このため、水晶発振器の生産性を高めることができる。
【0022】
図4は本発明のその他の実施形態の圧電振動子としての水晶振動子の下面図である。
前記水晶振動子11を前記柱部材20にはんだ固定した場合、特に前記底面電極16bと柱部材20との間隙に介在すべきはんだが底面電極16b全体に流れてしまい所望の仕上り外観及び接合強度が得られない場合がある。そこで底面電極16bを、図4に示すように、互いにパッケージ本体42bの下面上では電気的導通しない(パッケージ本体42bの内部配線によって電気的導通する。)略矩形状、望ましくは柱部材20の形状に合せて略円形状で且つ同一の大きさを有し、パッケージ本体42bの幅(短辺)に沿って満遍なく等間隔で形成した複数個(4個図示したが、底面電極16b外形と同一領域(図4中二点鎖線内)であれば碁盤目状であっても構わない。)の、即ち集合体状の底面電極46bにすることで、はんだの不要な箇所への流れ出しを防止することができる。しかしながら、前記プリント配線基板の配線パターン設計の自由度が若干ではあるが制限されてしまう。そこでアルミナコーティングやソルダーレジスト等のはんだに濡れない絶縁材料を前記底面電極16b表面の所望の位置及び形状に被着(例えば、略中央に環状に被着することで略円形状の底面電極が形成される。)するか若しくはレーザー加工によって前記底面電極16bの表面を所望の位置及び形状に加工(例えば、略中央に環状に削除することで略円形状の底面電極が形成される。)すれば、前記パッケージ本体12bは共用でき且つ前記プリント配線基板の配線パターン設計の自由度を制限することが無い。
【0023】
前記プリント配線基板の配線パターン設計の自由度に余裕がある場合や前記柱部材20と前記パッケージ本体42bを用いた水晶振動子との機械的な接続の信頼性をさらに向上させたい場合等には、前記底面電極46bのうち、例えば図4中下側の2個でも4個すべてを利用して前記柱部材との接続、つまりプリント配線基板との接続を行なっても構わない。
【0024】
発振回路および温度補償回路を構成する回路素子はディスクリート部品のみならず、温度補償回路の補償量や発振周波数を微調整するためのコンデンサ等の電子部品や、電源電圧に重畳される高周波ノイズを除去するためのコンデンサ等の電子部品を収容しても構わない。
【0025】
本発明に係わるプリント配線基板は、セラミック配線基板のみならずガラスエポキシ、シリコン等の樹脂基板でも構わない。
【0026】
TCXOを用いて本発明を説明したが、SPXO、VC−TCXO、VCXO、OCXO、SAW発振器等のデバイスに適用できることは云うまでもない。
【0027】
水晶発振器とこれを構成する水晶振動子(水晶振動素子)を用いて本発明を説明したが、水晶振動素子はATカット、BTカット、CTカット、DTカット、SCカット、GTカット等のカットアングルに適用できることは云うまでもない。また基本波若しくはオーバートーンの水晶振動子であっても構わない。さらに、水晶だけでなくランガサイト、四方酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料に適用できることは云うまでもない。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、配線パターンの自由度をもたせるための底面電極の形状及び配置を備える圧電振動子とこれを用いた圧電発振器が得られ、且つ、圧電発振器の小型化に寄与するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態としての水晶発振器の構成図。
(a)縦断面図。
(b)水晶振動子を省略した状態の上面図。
【図2】本発明実施形態としての水晶振動子の下面図。
【図3】本発明のその他の実施形態の水晶発振器の上面図。
【図4】本発明のその他の実施形態の水晶振動子の下面図。
【図5】従来の水晶発振器の構成を示す側面図。
【符号の説明】
1…水晶発振器 2…プリント配線基板 3…電子部品 4…外部電極
5…ランド 6a、6b…柱部材固定用パターン 11…水晶振動子
12a…パッケージ本体 12b…金属蓋 15…水晶振動素子
16a、16b…底面電極 20…柱部材
32…プリント配線基板 36a、36b…柱部材固定用パターン
42a…パッケージ本体 46b…底面電極
61…プリント配線基板 62…電子部品 63…柱部材
64…圧電振動子 65…底面電極 66…柱部材固定用パターン

Claims (7)

  1. 両主面に励振電極を有する圧電振動素子と、
    上面に前記圧電振動素子を収容する凹陥部を備えると共に下面に底面電極を備えるパッケージ本体と、
    前記凹陥部を封止する平板状の金属蓋と、を備え、
    前記凹陥部の内底面に前記圧電振動素子を一方端部で片持ち支持すると共に電気的な接続をした上で前記金属蓋により該凹陥部を気密封止する構造を有する圧電振動子であって、
    前記底面電極のうちアース電極の幅寸法が前記パッケージ本体の幅寸法と略一致することを特徴とする圧電振動子。
  2. 前記アース電極の表面が複数個に分割すると共に該アース電極のそれぞれが一定間隔で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子。
  3. 複数個に分割された前記アース電極が前記パッケージ本体の幅方向に少なくとも1列に配設していることを特徴とする請求項2に記載の圧電振動子。
  4. 複数個に分割された前記アース電極のそれぞれの形状が略円形であることを特徴とする請求項3に記載の圧電振動子。
  5. 下面に外部電極を備えた平板状のプリント配線基板の上面に発振回路および温度補償回路を構成する電子部品を実装し、該プリント配線基板の上面に柱部材を導通固定すると共に請求項1乃至4のいずれかに記載の前記圧電振動子の底面電極と前記柱部材とを導通固定したことを特徴とする圧電発振器。
  6. 前記柱部材が少なくとも3個であることを特徴とする請求項5に記載の圧電発振器。
  7. 前記アース電極と接続する前記柱部材の位置が前記プリント配線基板の辺部に沿って少なくとも1個配設してあることを特徴とする請求項5又は6に記載の圧電発振器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006279872A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Kyocera Kinseki Corp 圧電振動子及びその製造方法並びにその圧電振動子を用いた圧電発振器の製造方法
JP2008136169A (ja) * 2006-10-24 2008-06-12 Epson Toyocom Corp 圧電デバイスの製造方法、圧電デバイスおよび電子機器
JP2009060333A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Epson Toyocom Corp 圧電デバイス
JP2013009158A (ja) * 2011-06-24 2013-01-10 Murata Mfg Co Ltd 電子部品

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