JP2004312285A - 表面実装型圧電発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化に対応し且つ高周波化した表面実装型圧電発振器、特に温度補償圧電発振器を提供する。
【解決手段】アンプ部と、圧電振動子と、発振回路を構成するための発振回路用電子部品3と、感温素子4aと、温度補償回路を構成するための補償回路用電子部品4と、調整用回路素子5aを含む発振周波数調整回路を構成するための調整回路用電子部品5と、少なくとも前記感温素子4aと前記圧電振動子とを実装した第1のプリント配線板7aと、少なくとも前記アンプ部を実装した第2のプリント配線板7bと、上面に少なくとも前記第1のプリント配線板7aと前記第2のプリント配線板7bとを並べて配設した第3のプリント配線板8と、を備え、前記第2のプリント配線板7b若しくは前記第3のプリント配線板8が樹脂プリント配線板であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】アンプ部と、圧電振動子と、発振回路を構成するための発振回路用電子部品3と、感温素子4aと、温度補償回路を構成するための補償回路用電子部品4と、調整用回路素子5aを含む発振周波数調整回路を構成するための調整回路用電子部品5と、少なくとも前記感温素子4aと前記圧電振動子とを実装した第1のプリント配線板7aと、少なくとも前記アンプ部を実装した第2のプリント配線板7bと、上面に少なくとも前記第1のプリント配線板7aと前記第2のプリント配線板7bとを並べて配設した第3のプリント配線板8と、を備え、前記第2のプリント配線板7b若しくは前記第3のプリント配線板8が樹脂プリント配線板であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は小型化し且つ高周波化するための表面実装型圧電発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機等の移動体通信機器や無線LANなどの無線通信機器の普及に伴う小型化の急激な進展により、これらの伝送通信機器に使用される水晶振動子や水晶発振器等の圧電デバイスに対しても低価格化、小型化の要求が高まっている。さらに、伝送通信機器の処理速度の高速化、或は通信データや処理量の大容量化が進むのに伴って、それらに用いる圧電デバイスに高周波化の要求も強くなっている。
【0003】
最近、光ディジタル通信網の普及により出力波形が矩形波で、且つ、発振周波数が数百MHz乃至1GHzと非常に高い水晶発振器が要求されるようになっているが、現用のC−MOSロジックでは数十MHzと周波数的に対応できない。またTTL等を用いた水晶発振器では所望の出力波形が得られない。
この解決のために前記発振器に高周波化の手段が必要となり、ECLの場合には高入力インピーダンスで低出力インピーダンスであると共に高速で動作し、且つ、良好な矩形波が得られ高周波に適している。
【0004】
前述するように発振器の小型化と、発振器の発振周波数の高周波帯域への移行に伴い、圧電発振器の回路構成上、逓倍回路を増やすなど発振器を構成する電子部品回路点数を増やす反面で、発振器の小型化の要求を満足させるために、例えば特開2000−252748号公報で提案されたようなパッケージがあり、図4はそのパッケージの構成を示す縦断面図である。
同図に示すように、下面に導通端子51を配置するエポキシ基板52と、圧電振動素子を密閉する構造の圧電振動子53と、発振回路部品54と、上面に外部接続用の電極と電気的に接続するスルーホール55を形成したベース56と、を備え、両面に圧電振動子53及び発振回路部品54を実装したエポキシ基板52の導通端子51が延びる方向(下方)にベース55を配置し、導通端子51とスルーホール55とをはんだ付けする構成を有している。
【0005】
【特許文献】特開2000−252748号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記ECLデバイスはベース領域のキャリア蓄積がないので高速で動作する反面、ノイズマージンが少ない、消費電流が多い等の欠点を有することにより、ECLデバイスを用いた従来のパッケージ構造の圧電発振器、特に温度補償圧電発振器の場合では感温素子を含む温度補償回路と圧電振動子とを前記エポキシ基板52の一方の主面、例えば上面に実装しECLデバイスをエポキシ基板52の他方の主面、即ち下面に実装したとしても、温度補償圧電発振器の起動時は熱伝導度の違いにより圧電振動子近傍の温度、厳密には圧電振動素子を収容するパッケージ内の温度はほぼ常温であるのに対して、前記感温素子が感知する温度、即ち感温素子近傍は前記ECL自体の発熱の影響を受けて常温より約10℃ほど高い温度となり、温度補償圧電発振器の起動時の初期温度補償が著しく悪化する。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、小型化に対応し且つ高周波化した表面実装型圧電発振器、特に温度補償圧電発振器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係わる請求項1記載の発明は、アンプ部と、発振回路を構成するための発振回路用電子部品と、感温素子と、温度補償回路を構成するための補償回路用電子部品と、発振周波数調整回路を構成するための調整回路用電子部品と、圧電振動子と、少なくとも前記感温素子と前記圧電振動子とを実装した第1のプリント配線板と、少なくとも前記アンプ部を実装した第2のプリント配線板と、上面に少なくとも前記第1のプリント配線板と前記第2のプリント配線板とを並べて配設した第3のプリント配線板と、を備え、前記第2のプリント配線板若しくは前記第3のプリント配線板が樹脂プリント配線板であることを特徴とする。
【0009】
また請求項2記載の発明は、請求項1において、前記第3のプリント配線板が該第3のプリント配線板の上面に配設される複数のプリント配線板に対向配置した凹陥部を有することを特徴とする。
【0010】
また請求項3記載の発明は、請求項1又は2において、前記第3のプリント配線板の上面に有する前記凹陥部の周縁に少なくとも前記第1及び第2のプリント配線板の端縁を接続固定したことを特徴とする。
【0011】
また請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記感温素子と前記圧電振動子とは前記第1のプリント配線板の同一主面に実装してあることを特徴とする。
【0012】
また請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記調整回路用電子部品のうち調整用回路素子がいずれかのプリント配線板の上面側に配設してあることを特徴とする。
【0013】
また請求項6記載の発明は、請求項請求項1〜5のいずれかにおいて、少なくとも前記第1のプリント配線板と前記第2のプリント配線板とを含む上方に所定の間隙を隔ててカバーを配設し該カバーが接地してあることを特徴とする。
【0014】
また請求項7記載の発明は、請求項6において、前記第3のプリント配線板に備える内部シールド層と前記カバーとが電気的に接続されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図示した本発明の実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
【0016】
図1(a)は本発明の実施の形態の温度補償水晶発振器を示す上面図、図1(b)はそのA−A断面図である。
同図に示すように本発明実施形態の温度補償水晶発振器(以下「TCXO」と示す。)1は、アンプ部、例えば出力レベルを増幅すると共に波形を変換(正弦波を矩形波に変換)する機能をも備えるECLデバイス2と、発振回路を構成するための発振回路用電子部品3と、感温素子4aと、該感温素子4aと協働して温度補償回路を構成するための補償回路用電子部品4と、発振周波数を微調整するための調整用回路素子5aを含む発振周波数調整回路を構成する調整回路用電子部品5と、水晶振動素子をセラミックパッケージが備える凹陥部に収容し該凹陥部を金属蓋により気密封止する構造を有する表面実装型の水晶振動子6と、少なくとも感温素子4aと水晶振動子6とを実装する略矩形状の第1のプリント配線板7aと、少なくともECLデバイス2を実装する略矩形状の第2のプリント配線板7bと、上面に凹陥部8a、8bを備えると共に下面に外部接続用の端子を備える第3のプリント配線板8と、を備えたものである。
前記第1のプリント配線板7aの一方の主面には感温素子4aと水晶振動子6とが互いに近接するように感温素子4aと補償回路用電子部品4と水晶振動子6とを実装すると共に他方の主面に発振回路用電子部品3を実装する。第2のプリント配線板7bの一方の主面には調整回路用電子部品5を実装すると共に他方の主面にECLデバイス2を実装する。
そして、第1のプリント配線板7aと第2のプリント配線板7b夫々の長辺が互いに平行になるように載置する。このとき、第1のプリント配線板7aの他方の主面に実装された部品が第3のプリント配線板8の凹陥部8aに包囲され且つ第2のプリント配線板7bの他方の主面に実装された部品が第3のプリント配線板8の凹陥部8bに包囲されるように第1及び第2のプリント配線板7a、7b夫々の端縁を第3のプリント配線板8の凹陥部8a、8b夫々の周縁部分に接続固定するように載置する。即ち第1のプリント配線板7aと第2のプリント配線板7b夫々の他方の主面の一対の短辺部に形成した接続端子(不図示)と凹陥部8a、8b夫々の開口部周縁である第3のプリント配線板8の最上面に前記接続端子に対向配置した内部接続端子9とがはんだにより機械的及び電気的に接続する構造を備えている。
前記調整回路用電子部品5を第2のプリント配線板7bの一方の主面、即ち上面に実装することにより調整用回路素子5a、例えばコンデンサの交換、追加といった作業を可能としている。
【0017】
前記第2のプリント配線板7bは該第2のプリント配線板7bに実装された前記ECLデバイス2が発する熱の固体伝熱を防止するために樹脂多層プリント配線板、例えばガラスエポキシ基板からなる。
【0018】
前記第1のプリント配線板7aは前記水晶振動子6と前記感温素子4aとが実装された該第1のプリント配線板7aの一方の主面の温度が短時間で常温となるように熱伝導度の高いセラミック基板、望ましくは水晶振動子6を構成するセラミックパッケージと同一材料の又は熱伝導度が近似するセラミック材からなる。ただし、前記TCXO1を温度が常時一定又はほぼ一定の環境で用いるのであれば前記第1のプリント配線板7aは樹脂多層プリント配線板、例えばガラスエポキシ基板であっても構わない。
【0019】
前記第3のプリント配線板8は樹脂多層プリント配線板、例えばガラスエポキシ基板であって、前記第2のプリント配線板7bと合せて前記第1のプリント配線板7a、即ち前記水晶振動子6と前記感温素子4aとへの固体伝熱を防止している。また、第3のプリント配線板8の上面に備える前記凹陥部8a、8bは第3のプリント配線板8の所定の位置にミーリング加工を施すによって形成されている。ただし、前記前記第2のプリント配線板7b(ガラスエポキシ基板)のみで前記第1のプリント配線板7aへの固体伝熱を防止効果が十分に得られるのであれば、第3のプリント配線板8はセラミック基板であっても構わない。また、第3のプリント配線板8がガラスエポキシ基板であることで前記第1のプリント配線板7aへの固体伝熱を防止効果が十分に得られるのであれば、前記第2のプリント配線板7bが樹脂多層プリント配線板、例えばガラスエポキシ基板であっても構わない。
【0020】
前記第2のプリント配線板7bが備える配線パターンや前記第2のプリント配線板7bの実装スペース等の問題により前記ECLデバイス2を第2のプリント配線板の一方の主面(上面)に実装しなければならない場合、ECLデバイス2が発する熱の輻射伝熱を防止するために少なくともECLデバイス2を樹脂で覆っても構わない。
【0021】
本発明実施形態のTCXO1が使用する高周波、特にGHz帯域では電力が空中へ電磁波として放射されることからEMI対策が不可欠であり、該TCXO1を外部の回路基板に実装する際にマウンタ等の自動機の吸着又はハンドリングによって前記第1のプリント配線板7aと前記第2のプリント配線板7b夫々に実装された各電子部品に加わる負荷を除去するために前記第1のプリント配線板7aと前記第2のプリント配線板7b夫々を含む上方に所定の間隙を隔てて個別に若しくは一括に覆うように金属カバーを配設するのが望ましい。
前記金属カバーの実施例として、例えば図1中の二点鎖線で略示したように、金属カバーの下面に備える前記第1のプリント配線板7aと前記第2のプリント配線板7bとを覆うための凹陥の周縁と前記第3のプリント配線板8の上面の周縁とが接触させることで金属カバーの厚み方向の位置決めし、金属カバーの凹陥の周縁の対向する一対の辺縁から下方に延びる突起部と該突起部に対向する位置に前記第3のプリント配線板8の側端面に前記突起部より僅かに広く且つ突起部の板厚よりわずかに深い溝(不図示)を形成し該溝に前記突起部を固定することで前記金属カバーの平面方向の位置きめが可能となると共に該溝を接地用の前記外部端子電極と電気的に接続させることでシールド効果も得る。
さらに前記第1乃至第3のプリント配線板のうち、少なくとも第3のプリント配線板8に該第3のプリント配線板8とほぼ同面積で且つその最下層又は下層近傍の層に前記接地用の外部端子電極と導通した内部シールド層を形成することが好適である。
【0022】
本発明実施形態のTCXO1の製造方法として、例えば前記第1のプリント配線板7aと前記第2のプリント配線板7b夫々が個別若しくは混成の集合プリント配線板シート状態で各電子部品を実装し該集合プリント配線板シートを分割する工程に連続して複数の前記第3のプリント配線板8を含む集合プリント配線板シートに個片の第1のプリント配線板7aと個片の第2のプリント配線板7b夫々を実装することで連結した複数のTCXO1を形成しこれを分割することで複数のTCXO1が得られる。
【0023】
以下、本発明による温度補償水晶発振器のその他の構造を図2及び図3を斟酌して説明する。
【0024】
図2(a)に示すその他の本発明実施形態のTCXO11は更に固体伝熱の防止効果を高めたものであって、前記ECLデバイス2と、前記発振回路用電子部品3と、前記感温素子4aと、前記補償回路用電子部品4と、前記調整用回路素子5aを含む調整回路用電子部品5と、前記水晶振動子6と、感温素子4aと水晶振動子6とを実装するセラミック製の第1のプリント配線板17aと、ECLデバイス2を実装するガラスエポキシ製の第2のプリント配線板17bと、補償回路用電子部品4を実装するガラスエポキシ製の第5のプリント配線板17cと、前記調整回路用電子部品5を実装するガラスエポキシ製の第4のプリント配線板17dと、上面に碁盤目状に配置した凹陥部(不図示)を備えると共に下面に外部接続用の端子を備えるガラスエポキシ製のプリント配線板である第3のプリント配線板18と、を備えたものである。
第1のプリント配線板17aの一方の主面には感温素子4aと水晶振動子6とを実装する。第2のプリント配線板17bの一方の主面にはECLデバイス2を実装する。第5のプリント配線板17cの一方の主面には補償回路用電子部品4を実装する。第4のプリント配線板17dの一方の主面には少なくとも調整用回路素子5aを実装すると共に他方の主面に少なくとも調整用回路素子5aを除く前記調整回路用電子部品5を実装する。
そして、第1のプリント配線板17aと第2のプリント配線板17b夫々の端縁を第3のプリント配線板18が備える一方の対角に配置する凹陥部夫々の周縁部分に接続固定する。また、第5のプリント配線板17cと第4のプリント配線板17d夫々の端縁を第3のプリント配線板18が備える他方の対角に配置する凹陥部部夫々の周縁部分に接続固定する。なお、固定の手段、シールドの手段、製造方法等は前述の通りである。
【0025】
前記TCXO11では前記第1のプリント配線板17aと前記第2のプリント配線板17bとを前記第3のプリント配線板18の上面に備える一方の対角に配置する凹陥部夫々と固定しているが、例えば図2(b)に示すように、TCXO21は第3のプリント配線板28が備える凹陥部(不図示)を一列に配設すると共に前記第1のプリント配線板17aと前記第2のプリント配線板17bとは互いに隣接しない凹陥部、例えば第1のプリント配線板17aは右端の凹陥部に固定し且つ第2のプリント配線板17bは左端の凹陥部に固定する構造として熱伝導を防止する。
【0026】
前記TCXO11、21夫々が備えるプリント配線板17a乃至17d夫々がいずれかの主面のみに電子部品が実装され該プリント配線板17a乃至17d夫々の部品実装された主面の反対面、即ち部品未実装面と前記第3のプリント配線板とを接続固定する場合には該第3のプリント配線板の上面に備える凹陥部を省略しても構わない。
【0027】
前記TCXO1、11、21夫々が備える感温素子と水晶振動子とは同一のプリント配線板、例えば前記プリント配線板7aに且つ該プリント配線板7aの一方の主面に実装しているが、感温素子の検知精度が高くなくても良い場合には該感温素子と水晶振動子とはプリント配線板7aを挟んで対向配置しても構わない。
【0028】
図3(a)に示すその他の本発明実施形態のTCXO31は、前記ECLデバイス2と、前記発振回路用電子部品3と、前記感温素子4a(不図示)と、前記補償回路用電子部品4(不図示)と、前記調整用回路素子5a(不図示)を含む調整回路用電子部品5と、前記水晶振動子6と、少なくとも感温素子4aと水晶振動子6とを実装する略矩形状の第1のプリント配線板7aと、少なくともECLデバイス2を実装する前記第2のプリント配線板7bと、
上面に第1のプリント配線板7aの厚さと略一致する深さを有する凹陥部38aと該凹陥部38aの内底面に備える凹陥部38c及び第2のプリント配線板7bの厚さと略一致する深さを有する凹陥部38bと該凹陥部38bの内底面に備える凹陥部38dを備えると共に下面に外部接続用の端子を備える第3のプリント配線板38と、を備えたものである。
前記第1のプリント配線板7aの一方の主面には感温素子4aと水晶振動子6とが互いに近接するように感温素子4aと補償回路用電子部品4と水晶振動子6とを実装すると共に他方の主面に発振回路用電子部品3を実装する。第2のプリント配線板7bの一方の主面には調整回路用電子部品5を実装すると共に他方の主面にECLデバイス2を実装する。
そして、第1のプリント配線板7aを凹陥部38aに収容し第2のプリント配線板7bを凹陥部38bに収容する。このとき、第1のプリント配線板7aの他方の主面に実装された部品が凹陥部38cに包囲され且つ第2のプリント配線板7bの他方の主面に実装された部品が凹陥部38dに包囲されるように、第1及び第2のプリント配線板7a、7b夫々の端縁を第3のプリント配線板38の凹陥部38c、38d夫々の周縁部分に接続固定するように載置する。つまり第1のプリント配線板7aと第2のプリント配線板7b夫々の他方の主面の一対の短辺部に形成した接続端子(不図示)と凹陥部38c、38d夫々の開口部周縁、即ち第3のプリント配線板8の凹陥部38a、38b夫々の内底面に前記接続端子に対向配置した内部接続端子(不図示)とがはんだにより機械的及び電気的に接続する構造を備えている。なお、シールドの手段、製造方法等は前述の通りである。
【0029】
前記TCXO31では、上面に第1のプリント配線板7aの厚さと略一致する深さを有する凹陥部38aと第2のプリント配線板7bの厚さと略一致する深さを有する凹陥部38bとを備える第3のプリント配線板38を用いているが、例えば図3(b)に示すように、その他の本発明実施形態のTCXO41は、第1のプリント配線板7aと該第1のプリント配線板7aの上面側に実装された電子部品とを包囲するのに十分な深さを有する凹陥部48aと該凹陥部48aの内底面に備える凹陥部48c及び第2のプリント配線板7bと該第2のプリント配線板7bの上面側に実装された電子部品とを包囲するのに十分な深さを有する凹陥部48bと該凹陥部48bの内底面に備える凹陥部48dを備えると共に下面に外部接続用の端子を備える第3のプリント配線板48を備えている。
そして、第1のプリント配線板7aを凹陥部48aに収容し第2のプリント配線板7bを凹陥部48bに収容する。このとき、第1のプリント配線板7aの他方の主面に実装された部品が凹陥部48cに包囲され且つ第2のプリント配線板7bの他方の主面に実装された部品が凹陥部48dに包囲されるように、第1及び第2のプリント配線板7a、7b夫々の端縁を第3のプリント配線板48の凹陥部48c、48d夫々の周縁部分に接続固定するように載置する。つまり第1のプリント配線板7aと第2のプリント配線板7b夫々の他方の主面の一対の短辺部に形成した接続端子(不図示)と凹陥部48c、48d夫々の開口部周縁、即ち第3のプリント配線板8の凹陥部48a、48b夫々の内底面に前記接続端子に対向配置した内部接続端子(不図示)とがはんだにより機械的及び電気的に接続する構造を備えている。
前記凹陥部48a及び前記凹陥部48cに第1のプリント配線板7aと該第1のプリント配線板7aに両面実装した電子部品とを収容すると共に、前記凹陥部48b及び前記凹陥部48dに第2のプリント配線板7bと該第2のプリント配線板7bに両面実装した電子部品とを収容することで、第3のプリント配線板48の最上面から突出するものが無く平板状の金属カバー50を配設することが可能となる。なお、製造方法については前述の通りである。
【0030】
前記TCXO31、41夫々を前記TCXO11のように碁盤目状に第1及び第2のプリント配線板を配置しても、またTCXO21のように一列に第1及び第2のプリント配線板を配置しても構わない。
【0031】
前記発振回路用電子部品3、前記補償回路用電子部品4及び前記調整回路用電子部品5夫々はディスクリート部品のみならずICチップであっても構わない。
【0032】
本発明のパッケージ構造では、同一の発振周波数で且つ出力形態の異なるTCXOを作製する場合には所望する出力形態を有する例えばC−MOS、TTL等のロジックや矩形波、クリップドサイン波及び正弦波等を出力するデバイスに変更したアンプ部とその他は前述の各電子部品と同一のものと組み合わせだけで可能となる。また同一の出力形態で且つ発振周波数の異なるTCXOを作製する場合には所望する共振周波数を有する水晶振動子に変更しその他は前述の各電子部品と同一のものと組み合わせだけで可能となる。
【0033】
TCXOを用いて本発明を説明したが、本発明は前記調整回路用電子部品5(発振周波数調整回路)に自動周波数制御(AFC)回路を付加した所謂VC−TCXOにも適用が可能である。さらにVCXO、SPXO、OCXO、SAW発振器等のデバイスに適用できることは云うまでもない。
【0034】
以上では水晶振動子を用いて本発明を説明したが、本発明は水晶振動子のみに限定するものではなくランガサイト、四方酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料を用いた振動デバイスに適用できることは云うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
本発明により、小型化に対応し且つ高周波化した表面実装型圧電発振器、特に熱雑音の対策が施された温度補償圧電発振器が得られるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態としての表面実装型温度補償水晶発振器の構成図。
(a)上面図。
(b)A−A縦断面図。
【図2】その他の本発明実施形態の表面実装型温度補償水晶発振器の上面図。
【図3】その他の本発明実施形態の表面実装型温度補償水晶発振器の縦断面図。
【図4】従来の表面実装型圧電発振器の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1、11、21、31、41…温度補償水晶発振器 2…ECLデバイス
3…発振回路用電子部品 4…補償回路用電子部品 4a…感温素子
5…調整回路用電子部品 5a…調整用回路素子 6…水晶振動子
7a、17a…第1のプリント配線板 7b、17b…第2のプリント配線板
17c…第5のプリント配線板 17d…第4のプリント配線板
8、18、28、38、48…第3のプリント配線板
8a、8b、38a〜38d、48a〜48d…凹陥部
9…内部接続端子 50…金属カバー
51…導通端子 52…エポキシ基板 53…圧電振動子
54…発振回路部品 55…スルーホール 56…ベース
【発明の属する技術分野】
本発明は小型化し且つ高周波化するための表面実装型圧電発振器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話機等の移動体通信機器や無線LANなどの無線通信機器の普及に伴う小型化の急激な進展により、これらの伝送通信機器に使用される水晶振動子や水晶発振器等の圧電デバイスに対しても低価格化、小型化の要求が高まっている。さらに、伝送通信機器の処理速度の高速化、或は通信データや処理量の大容量化が進むのに伴って、それらに用いる圧電デバイスに高周波化の要求も強くなっている。
【0003】
最近、光ディジタル通信網の普及により出力波形が矩形波で、且つ、発振周波数が数百MHz乃至1GHzと非常に高い水晶発振器が要求されるようになっているが、現用のC−MOSロジックでは数十MHzと周波数的に対応できない。またTTL等を用いた水晶発振器では所望の出力波形が得られない。
この解決のために前記発振器に高周波化の手段が必要となり、ECLの場合には高入力インピーダンスで低出力インピーダンスであると共に高速で動作し、且つ、良好な矩形波が得られ高周波に適している。
【0004】
前述するように発振器の小型化と、発振器の発振周波数の高周波帯域への移行に伴い、圧電発振器の回路構成上、逓倍回路を増やすなど発振器を構成する電子部品回路点数を増やす反面で、発振器の小型化の要求を満足させるために、例えば特開2000−252748号公報で提案されたようなパッケージがあり、図4はそのパッケージの構成を示す縦断面図である。
同図に示すように、下面に導通端子51を配置するエポキシ基板52と、圧電振動素子を密閉する構造の圧電振動子53と、発振回路部品54と、上面に外部接続用の電極と電気的に接続するスルーホール55を形成したベース56と、を備え、両面に圧電振動子53及び発振回路部品54を実装したエポキシ基板52の導通端子51が延びる方向(下方)にベース55を配置し、導通端子51とスルーホール55とをはんだ付けする構成を有している。
【0005】
【特許文献】特開2000−252748号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記ECLデバイスはベース領域のキャリア蓄積がないので高速で動作する反面、ノイズマージンが少ない、消費電流が多い等の欠点を有することにより、ECLデバイスを用いた従来のパッケージ構造の圧電発振器、特に温度補償圧電発振器の場合では感温素子を含む温度補償回路と圧電振動子とを前記エポキシ基板52の一方の主面、例えば上面に実装しECLデバイスをエポキシ基板52の他方の主面、即ち下面に実装したとしても、温度補償圧電発振器の起動時は熱伝導度の違いにより圧電振動子近傍の温度、厳密には圧電振動素子を収容するパッケージ内の温度はほぼ常温であるのに対して、前記感温素子が感知する温度、即ち感温素子近傍は前記ECL自体の発熱の影響を受けて常温より約10℃ほど高い温度となり、温度補償圧電発振器の起動時の初期温度補償が著しく悪化する。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、小型化に対応し且つ高周波化した表面実装型圧電発振器、特に温度補償圧電発振器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係わる請求項1記載の発明は、アンプ部と、発振回路を構成するための発振回路用電子部品と、感温素子と、温度補償回路を構成するための補償回路用電子部品と、発振周波数調整回路を構成するための調整回路用電子部品と、圧電振動子と、少なくとも前記感温素子と前記圧電振動子とを実装した第1のプリント配線板と、少なくとも前記アンプ部を実装した第2のプリント配線板と、上面に少なくとも前記第1のプリント配線板と前記第2のプリント配線板とを並べて配設した第3のプリント配線板と、を備え、前記第2のプリント配線板若しくは前記第3のプリント配線板が樹脂プリント配線板であることを特徴とする。
【0009】
また請求項2記載の発明は、請求項1において、前記第3のプリント配線板が該第3のプリント配線板の上面に配設される複数のプリント配線板に対向配置した凹陥部を有することを特徴とする。
【0010】
また請求項3記載の発明は、請求項1又は2において、前記第3のプリント配線板の上面に有する前記凹陥部の周縁に少なくとも前記第1及び第2のプリント配線板の端縁を接続固定したことを特徴とする。
【0011】
また請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記感温素子と前記圧電振動子とは前記第1のプリント配線板の同一主面に実装してあることを特徴とする。
【0012】
また請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記調整回路用電子部品のうち調整用回路素子がいずれかのプリント配線板の上面側に配設してあることを特徴とする。
【0013】
また請求項6記載の発明は、請求項請求項1〜5のいずれかにおいて、少なくとも前記第1のプリント配線板と前記第2のプリント配線板とを含む上方に所定の間隙を隔ててカバーを配設し該カバーが接地してあることを特徴とする。
【0014】
また請求項7記載の発明は、請求項6において、前記第3のプリント配線板に備える内部シールド層と前記カバーとが電気的に接続されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図示した本発明の実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
【0016】
図1(a)は本発明の実施の形態の温度補償水晶発振器を示す上面図、図1(b)はそのA−A断面図である。
同図に示すように本発明実施形態の温度補償水晶発振器(以下「TCXO」と示す。)1は、アンプ部、例えば出力レベルを増幅すると共に波形を変換(正弦波を矩形波に変換)する機能をも備えるECLデバイス2と、発振回路を構成するための発振回路用電子部品3と、感温素子4aと、該感温素子4aと協働して温度補償回路を構成するための補償回路用電子部品4と、発振周波数を微調整するための調整用回路素子5aを含む発振周波数調整回路を構成する調整回路用電子部品5と、水晶振動素子をセラミックパッケージが備える凹陥部に収容し該凹陥部を金属蓋により気密封止する構造を有する表面実装型の水晶振動子6と、少なくとも感温素子4aと水晶振動子6とを実装する略矩形状の第1のプリント配線板7aと、少なくともECLデバイス2を実装する略矩形状の第2のプリント配線板7bと、上面に凹陥部8a、8bを備えると共に下面に外部接続用の端子を備える第3のプリント配線板8と、を備えたものである。
前記第1のプリント配線板7aの一方の主面には感温素子4aと水晶振動子6とが互いに近接するように感温素子4aと補償回路用電子部品4と水晶振動子6とを実装すると共に他方の主面に発振回路用電子部品3を実装する。第2のプリント配線板7bの一方の主面には調整回路用電子部品5を実装すると共に他方の主面にECLデバイス2を実装する。
そして、第1のプリント配線板7aと第2のプリント配線板7b夫々の長辺が互いに平行になるように載置する。このとき、第1のプリント配線板7aの他方の主面に実装された部品が第3のプリント配線板8の凹陥部8aに包囲され且つ第2のプリント配線板7bの他方の主面に実装された部品が第3のプリント配線板8の凹陥部8bに包囲されるように第1及び第2のプリント配線板7a、7b夫々の端縁を第3のプリント配線板8の凹陥部8a、8b夫々の周縁部分に接続固定するように載置する。即ち第1のプリント配線板7aと第2のプリント配線板7b夫々の他方の主面の一対の短辺部に形成した接続端子(不図示)と凹陥部8a、8b夫々の開口部周縁である第3のプリント配線板8の最上面に前記接続端子に対向配置した内部接続端子9とがはんだにより機械的及び電気的に接続する構造を備えている。
前記調整回路用電子部品5を第2のプリント配線板7bの一方の主面、即ち上面に実装することにより調整用回路素子5a、例えばコンデンサの交換、追加といった作業を可能としている。
【0017】
前記第2のプリント配線板7bは該第2のプリント配線板7bに実装された前記ECLデバイス2が発する熱の固体伝熱を防止するために樹脂多層プリント配線板、例えばガラスエポキシ基板からなる。
【0018】
前記第1のプリント配線板7aは前記水晶振動子6と前記感温素子4aとが実装された該第1のプリント配線板7aの一方の主面の温度が短時間で常温となるように熱伝導度の高いセラミック基板、望ましくは水晶振動子6を構成するセラミックパッケージと同一材料の又は熱伝導度が近似するセラミック材からなる。ただし、前記TCXO1を温度が常時一定又はほぼ一定の環境で用いるのであれば前記第1のプリント配線板7aは樹脂多層プリント配線板、例えばガラスエポキシ基板であっても構わない。
【0019】
前記第3のプリント配線板8は樹脂多層プリント配線板、例えばガラスエポキシ基板であって、前記第2のプリント配線板7bと合せて前記第1のプリント配線板7a、即ち前記水晶振動子6と前記感温素子4aとへの固体伝熱を防止している。また、第3のプリント配線板8の上面に備える前記凹陥部8a、8bは第3のプリント配線板8の所定の位置にミーリング加工を施すによって形成されている。ただし、前記前記第2のプリント配線板7b(ガラスエポキシ基板)のみで前記第1のプリント配線板7aへの固体伝熱を防止効果が十分に得られるのであれば、第3のプリント配線板8はセラミック基板であっても構わない。また、第3のプリント配線板8がガラスエポキシ基板であることで前記第1のプリント配線板7aへの固体伝熱を防止効果が十分に得られるのであれば、前記第2のプリント配線板7bが樹脂多層プリント配線板、例えばガラスエポキシ基板であっても構わない。
【0020】
前記第2のプリント配線板7bが備える配線パターンや前記第2のプリント配線板7bの実装スペース等の問題により前記ECLデバイス2を第2のプリント配線板の一方の主面(上面)に実装しなければならない場合、ECLデバイス2が発する熱の輻射伝熱を防止するために少なくともECLデバイス2を樹脂で覆っても構わない。
【0021】
本発明実施形態のTCXO1が使用する高周波、特にGHz帯域では電力が空中へ電磁波として放射されることからEMI対策が不可欠であり、該TCXO1を外部の回路基板に実装する際にマウンタ等の自動機の吸着又はハンドリングによって前記第1のプリント配線板7aと前記第2のプリント配線板7b夫々に実装された各電子部品に加わる負荷を除去するために前記第1のプリント配線板7aと前記第2のプリント配線板7b夫々を含む上方に所定の間隙を隔てて個別に若しくは一括に覆うように金属カバーを配設するのが望ましい。
前記金属カバーの実施例として、例えば図1中の二点鎖線で略示したように、金属カバーの下面に備える前記第1のプリント配線板7aと前記第2のプリント配線板7bとを覆うための凹陥の周縁と前記第3のプリント配線板8の上面の周縁とが接触させることで金属カバーの厚み方向の位置決めし、金属カバーの凹陥の周縁の対向する一対の辺縁から下方に延びる突起部と該突起部に対向する位置に前記第3のプリント配線板8の側端面に前記突起部より僅かに広く且つ突起部の板厚よりわずかに深い溝(不図示)を形成し該溝に前記突起部を固定することで前記金属カバーの平面方向の位置きめが可能となると共に該溝を接地用の前記外部端子電極と電気的に接続させることでシールド効果も得る。
さらに前記第1乃至第3のプリント配線板のうち、少なくとも第3のプリント配線板8に該第3のプリント配線板8とほぼ同面積で且つその最下層又は下層近傍の層に前記接地用の外部端子電極と導通した内部シールド層を形成することが好適である。
【0022】
本発明実施形態のTCXO1の製造方法として、例えば前記第1のプリント配線板7aと前記第2のプリント配線板7b夫々が個別若しくは混成の集合プリント配線板シート状態で各電子部品を実装し該集合プリント配線板シートを分割する工程に連続して複数の前記第3のプリント配線板8を含む集合プリント配線板シートに個片の第1のプリント配線板7aと個片の第2のプリント配線板7b夫々を実装することで連結した複数のTCXO1を形成しこれを分割することで複数のTCXO1が得られる。
【0023】
以下、本発明による温度補償水晶発振器のその他の構造を図2及び図3を斟酌して説明する。
【0024】
図2(a)に示すその他の本発明実施形態のTCXO11は更に固体伝熱の防止効果を高めたものであって、前記ECLデバイス2と、前記発振回路用電子部品3と、前記感温素子4aと、前記補償回路用電子部品4と、前記調整用回路素子5aを含む調整回路用電子部品5と、前記水晶振動子6と、感温素子4aと水晶振動子6とを実装するセラミック製の第1のプリント配線板17aと、ECLデバイス2を実装するガラスエポキシ製の第2のプリント配線板17bと、補償回路用電子部品4を実装するガラスエポキシ製の第5のプリント配線板17cと、前記調整回路用電子部品5を実装するガラスエポキシ製の第4のプリント配線板17dと、上面に碁盤目状に配置した凹陥部(不図示)を備えると共に下面に外部接続用の端子を備えるガラスエポキシ製のプリント配線板である第3のプリント配線板18と、を備えたものである。
第1のプリント配線板17aの一方の主面には感温素子4aと水晶振動子6とを実装する。第2のプリント配線板17bの一方の主面にはECLデバイス2を実装する。第5のプリント配線板17cの一方の主面には補償回路用電子部品4を実装する。第4のプリント配線板17dの一方の主面には少なくとも調整用回路素子5aを実装すると共に他方の主面に少なくとも調整用回路素子5aを除く前記調整回路用電子部品5を実装する。
そして、第1のプリント配線板17aと第2のプリント配線板17b夫々の端縁を第3のプリント配線板18が備える一方の対角に配置する凹陥部夫々の周縁部分に接続固定する。また、第5のプリント配線板17cと第4のプリント配線板17d夫々の端縁を第3のプリント配線板18が備える他方の対角に配置する凹陥部部夫々の周縁部分に接続固定する。なお、固定の手段、シールドの手段、製造方法等は前述の通りである。
【0025】
前記TCXO11では前記第1のプリント配線板17aと前記第2のプリント配線板17bとを前記第3のプリント配線板18の上面に備える一方の対角に配置する凹陥部夫々と固定しているが、例えば図2(b)に示すように、TCXO21は第3のプリント配線板28が備える凹陥部(不図示)を一列に配設すると共に前記第1のプリント配線板17aと前記第2のプリント配線板17bとは互いに隣接しない凹陥部、例えば第1のプリント配線板17aは右端の凹陥部に固定し且つ第2のプリント配線板17bは左端の凹陥部に固定する構造として熱伝導を防止する。
【0026】
前記TCXO11、21夫々が備えるプリント配線板17a乃至17d夫々がいずれかの主面のみに電子部品が実装され該プリント配線板17a乃至17d夫々の部品実装された主面の反対面、即ち部品未実装面と前記第3のプリント配線板とを接続固定する場合には該第3のプリント配線板の上面に備える凹陥部を省略しても構わない。
【0027】
前記TCXO1、11、21夫々が備える感温素子と水晶振動子とは同一のプリント配線板、例えば前記プリント配線板7aに且つ該プリント配線板7aの一方の主面に実装しているが、感温素子の検知精度が高くなくても良い場合には該感温素子と水晶振動子とはプリント配線板7aを挟んで対向配置しても構わない。
【0028】
図3(a)に示すその他の本発明実施形態のTCXO31は、前記ECLデバイス2と、前記発振回路用電子部品3と、前記感温素子4a(不図示)と、前記補償回路用電子部品4(不図示)と、前記調整用回路素子5a(不図示)を含む調整回路用電子部品5と、前記水晶振動子6と、少なくとも感温素子4aと水晶振動子6とを実装する略矩形状の第1のプリント配線板7aと、少なくともECLデバイス2を実装する前記第2のプリント配線板7bと、
上面に第1のプリント配線板7aの厚さと略一致する深さを有する凹陥部38aと該凹陥部38aの内底面に備える凹陥部38c及び第2のプリント配線板7bの厚さと略一致する深さを有する凹陥部38bと該凹陥部38bの内底面に備える凹陥部38dを備えると共に下面に外部接続用の端子を備える第3のプリント配線板38と、を備えたものである。
前記第1のプリント配線板7aの一方の主面には感温素子4aと水晶振動子6とが互いに近接するように感温素子4aと補償回路用電子部品4と水晶振動子6とを実装すると共に他方の主面に発振回路用電子部品3を実装する。第2のプリント配線板7bの一方の主面には調整回路用電子部品5を実装すると共に他方の主面にECLデバイス2を実装する。
そして、第1のプリント配線板7aを凹陥部38aに収容し第2のプリント配線板7bを凹陥部38bに収容する。このとき、第1のプリント配線板7aの他方の主面に実装された部品が凹陥部38cに包囲され且つ第2のプリント配線板7bの他方の主面に実装された部品が凹陥部38dに包囲されるように、第1及び第2のプリント配線板7a、7b夫々の端縁を第3のプリント配線板38の凹陥部38c、38d夫々の周縁部分に接続固定するように載置する。つまり第1のプリント配線板7aと第2のプリント配線板7b夫々の他方の主面の一対の短辺部に形成した接続端子(不図示)と凹陥部38c、38d夫々の開口部周縁、即ち第3のプリント配線板8の凹陥部38a、38b夫々の内底面に前記接続端子に対向配置した内部接続端子(不図示)とがはんだにより機械的及び電気的に接続する構造を備えている。なお、シールドの手段、製造方法等は前述の通りである。
【0029】
前記TCXO31では、上面に第1のプリント配線板7aの厚さと略一致する深さを有する凹陥部38aと第2のプリント配線板7bの厚さと略一致する深さを有する凹陥部38bとを備える第3のプリント配線板38を用いているが、例えば図3(b)に示すように、その他の本発明実施形態のTCXO41は、第1のプリント配線板7aと該第1のプリント配線板7aの上面側に実装された電子部品とを包囲するのに十分な深さを有する凹陥部48aと該凹陥部48aの内底面に備える凹陥部48c及び第2のプリント配線板7bと該第2のプリント配線板7bの上面側に実装された電子部品とを包囲するのに十分な深さを有する凹陥部48bと該凹陥部48bの内底面に備える凹陥部48dを備えると共に下面に外部接続用の端子を備える第3のプリント配線板48を備えている。
そして、第1のプリント配線板7aを凹陥部48aに収容し第2のプリント配線板7bを凹陥部48bに収容する。このとき、第1のプリント配線板7aの他方の主面に実装された部品が凹陥部48cに包囲され且つ第2のプリント配線板7bの他方の主面に実装された部品が凹陥部48dに包囲されるように、第1及び第2のプリント配線板7a、7b夫々の端縁を第3のプリント配線板48の凹陥部48c、48d夫々の周縁部分に接続固定するように載置する。つまり第1のプリント配線板7aと第2のプリント配線板7b夫々の他方の主面の一対の短辺部に形成した接続端子(不図示)と凹陥部48c、48d夫々の開口部周縁、即ち第3のプリント配線板8の凹陥部48a、48b夫々の内底面に前記接続端子に対向配置した内部接続端子(不図示)とがはんだにより機械的及び電気的に接続する構造を備えている。
前記凹陥部48a及び前記凹陥部48cに第1のプリント配線板7aと該第1のプリント配線板7aに両面実装した電子部品とを収容すると共に、前記凹陥部48b及び前記凹陥部48dに第2のプリント配線板7bと該第2のプリント配線板7bに両面実装した電子部品とを収容することで、第3のプリント配線板48の最上面から突出するものが無く平板状の金属カバー50を配設することが可能となる。なお、製造方法については前述の通りである。
【0030】
前記TCXO31、41夫々を前記TCXO11のように碁盤目状に第1及び第2のプリント配線板を配置しても、またTCXO21のように一列に第1及び第2のプリント配線板を配置しても構わない。
【0031】
前記発振回路用電子部品3、前記補償回路用電子部品4及び前記調整回路用電子部品5夫々はディスクリート部品のみならずICチップであっても構わない。
【0032】
本発明のパッケージ構造では、同一の発振周波数で且つ出力形態の異なるTCXOを作製する場合には所望する出力形態を有する例えばC−MOS、TTL等のロジックや矩形波、クリップドサイン波及び正弦波等を出力するデバイスに変更したアンプ部とその他は前述の各電子部品と同一のものと組み合わせだけで可能となる。また同一の出力形態で且つ発振周波数の異なるTCXOを作製する場合には所望する共振周波数を有する水晶振動子に変更しその他は前述の各電子部品と同一のものと組み合わせだけで可能となる。
【0033】
TCXOを用いて本発明を説明したが、本発明は前記調整回路用電子部品5(発振周波数調整回路)に自動周波数制御(AFC)回路を付加した所謂VC−TCXOにも適用が可能である。さらにVCXO、SPXO、OCXO、SAW発振器等のデバイスに適用できることは云うまでもない。
【0034】
以上では水晶振動子を用いて本発明を説明したが、本発明は水晶振動子のみに限定するものではなくランガサイト、四方酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料を用いた振動デバイスに適用できることは云うまでもない。
【0035】
【発明の効果】
本発明により、小型化に対応し且つ高周波化した表面実装型圧電発振器、特に熱雑音の対策が施された温度補償圧電発振器が得られるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態としての表面実装型温度補償水晶発振器の構成図。
(a)上面図。
(b)A−A縦断面図。
【図2】その他の本発明実施形態の表面実装型温度補償水晶発振器の上面図。
【図3】その他の本発明実施形態の表面実装型温度補償水晶発振器の縦断面図。
【図4】従来の表面実装型圧電発振器の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1、11、21、31、41…温度補償水晶発振器 2…ECLデバイス
3…発振回路用電子部品 4…補償回路用電子部品 4a…感温素子
5…調整回路用電子部品 5a…調整用回路素子 6…水晶振動子
7a、17a…第1のプリント配線板 7b、17b…第2のプリント配線板
17c…第5のプリント配線板 17d…第4のプリント配線板
8、18、28、38、48…第3のプリント配線板
8a、8b、38a〜38d、48a〜48d…凹陥部
9…内部接続端子 50…金属カバー
51…導通端子 52…エポキシ基板 53…圧電振動子
54…発振回路部品 55…スルーホール 56…ベース
Claims (7)
- アンプ部と、発振回路を構成するための発振回路用電子部品と、
感温素子と、温度補償回路を構成するための補償回路用電子部品と、
発振周波数調整回路を構成するための調整回路用電子部品と、圧電振動子と、
少なくとも前記感温素子と前記圧電振動子とを実装した第1のプリント配線板と、
少なくとも前記アンプ部を実装した第2のプリント配線板と、
上面に少なくとも前記第1のプリント配線板と前記第2のプリント配線板とを並べて配設した第3のプリント配線板と、を備え、
前記第2のプリント配線板若しくは前記第3のプリント配線板が樹脂プリント配線板であることを特徴とする表面実装型圧電発振器。 - 前記第3のプリント配線板が該第3のプリント配線板の上面に配設される複数のプリント配線板に対向配置した凹陥部を有することを特徴とする請求項1に記載の表面実装型圧電発振器。
- 前記第3のプリント配線板の上面に有する前記凹陥部の周縁に少なくとも前記第1及び第2のプリント配線板の端縁を接続固定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の表面実装型圧電発振器。
- 前記感温素子と前記圧電振動子とは前記第1のプリント配線板の同一主面に実装してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面実装型圧電発振器。
- 前記調整回路用電子部品のうち調整用回路素子がいずれかのプリント配線板の上面側に配設してあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表面実装型圧電発振器。
- 少なくとも前記第1のプリント配線板と前記第2のプリント配線板とを含む上方に所定の間隙を隔ててカバーを配設し該カバーが接地してあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の表面実装型圧電発振器。
- 前記第3のプリント配線板に備える内部シールド層と前記カバーとが電気的に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の表面実装型圧電発振器。
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- 2003-04-04 JP JP2003101983A patent/JP2004312285A/ja active Pending
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