JP3396155B2 - 圧電発振器 - Google Patents

圧電発振器

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宏和 小林
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【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】主に無線通信機器や携帯電話
機などの移動体通信分野などに使用される小型化できる
発振器の容器構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般的な発振器は、積層基板に発振回路
用印刷パターンを配置したものや、単板基板に多層印刷
を施し導通パターンを配置した基板の同一平面上に発振
回路を構成するコンデンサ、抵抗、集積回路などの半導
体部品と同一の雰囲気中に気密封止された圧電振動子を
搭載し発振器を構成していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】発振器を構成する圧電
振動子は環境温度により周波数が変化する温度特性を持
っている。その一例としてＡＴカットの水晶振動子で
は、中心周波数の変動が最も少ない温度を２５℃近辺に
設定し、高温側と低温側では周波数変動が大きくなると
いうＡＴカットの水晶振動子特有の温度特性を持ってい
ることが知られている。
【０００４】最近の傾向として無線通信機器や携帯電話
機など移動体通信分野を中心に小型化、軽量化、低価格
化が急激な展開を見せている。そのため、これらの要求
に対応した温度補償発振器の小型化、低価格化を実現し
ようとすると、積層基板の同一平面上に半導体部品と気
密封止された圧電振動子とが搭載される構造になってい
るため、圧電振動子の気密容器構造分だけ搭載面積が必
要となり、小型化する上で制約を受けることになる。ま
た、仮に圧電振動子のみを気密封止せずに発振回路部品
と一体化して気密容器構造にし小型化すると、特に温度
補償型圧電発振器の場合では、温度補償発振器でありな
がら温度補償発振器を構成する半導体部品の発熱により
圧電振動子の周囲環境温度が変化してしまうため、温度
補償特性の維持が難しいのが現状である。
【０００５】一方、低価格化の実現については、温度補
償発振器を構成する圧電振動子と半導体部品とでは、圧
電振動子の費用に対し半導体部品の費用の方が高く、温
度補償発振器の不良の要因は圧電振動子の諸特性に起因
する場合が多いことから、組立前の圧電振動子の所望特
性を満足させることと、半導体部品の消耗を抑える必要
とが考えられる。
【０００６】
【課題を解決する手段】これらの課題を解決するために
本発明は、半導体部品と気密封止された圧電振動子とか
ら構成する発振器で、基板上に圧電素板を搭載しフタを
被せて密閉構造にしたいわゆる圧電振動子の、フタの上
面に導通パターンを形成して半導体部品を搭載し発振回
路を構成し圧電発振器とすることにより課題を解決する
ものである。
【０００７】この場合、発振回路を構成する半導体部品
を被う壁はなく、圧電振動子を密閉構造とするフタの上
面に発振回路部品を搭載するもので、圧電振動子と発振
回路は圧電振動子のフタで区分する構造となる。従っ
て、発振回路を構成する半導体部品は圧電振動子のフタ
上面に露出する格好となるが、外的抗力などから半導体
部品の破損や短絡防止を行うために圧電振動子のフタ上
面全体を保護材で被うことも有効な手段となる。
【０００８】また、コスト低減の手段のひとつとして半
導体部品の消耗を考慮するために、温度補償発振器にあ
っては、圧電振動子自体が所望の周波数特性を得たもの
のみに半導体部品を搭載し発振器を構成することによ
り、発振器全体の構成費比率を多く占める半導体部品の
消耗を抑えることを実現できる。従って従来の発振器に
対し、実装基板への設置面積を小型化することを実現で
きたことと、発振器全体に対する圧電振動子の歩留まり
を向上することによりコストの削減も実現することがで
きる。
【０００９】
【実施例】以下、添付図面に従ってこの発明の実施例を
説明する。なお、各図において同一の符号は同様の対象
を示すものとする。図１（ａ）に本発明の圧電発振器の
正面図を示す。図１（ａ）において圧電発振器７は基板
１上に圧電素板２を搭載し、圧電素板２を電気的に接続
した基板１に導電性接着剤など一般的な材料で接着した
フタ３とにより密閉構造にした圧電振動子３の状態で、
フタ３の上面（密閉容器の空間とはフタを介して反対の
面）に発振回路部品５を搭載し圧電発振器を構成する。
【００１０】従って図示していないが、フタ３の上面に
は発振回路部品５が搭載でき、電気的に導通できるよう
に導通パターンが形成されている。これらの導通パター
ンの一部と、フタ３に収納される圧電素板２とが電気的
に接続されていて圧電素板２を圧電発振器の基準クロッ
クとするものである。
【００１１】要するに、基板１とフタ３で密閉容器を構
成し、その内部に圧電素板２を収納したいわゆる圧電振
動子４で、圧電振動子のフタ３上面に発振回路部品５を
付加し、圧電素板２と電気的に導通を行うことにより圧
電発振器を構成するもので、圧電発振器全体の大きさ
は、圧電振動子４の搭載面積まで小型化することができ
る構造である。
【００１２】従って、発振回路部品５である半導体部品
と気密封止された圧電振動子とから構成する発振器で、
基板１上に圧電素板２を搭載しフタ３を被せて密閉構造
にし圧電振動子４を得る。フタ３の上面には導通パター
ンを形成して半導体部品を搭載し発振回路を構成し圧電
発振器を得る。
【００１３】この場合、フタ３の上面に搭載される発振
回路部品５は、半導体部品が露出する格好となるが、外
的抗力などから半導体部品の破損や短絡防止を行うため
に圧電振動子４のフタ３上面全体を保護材６で被うこと
も有効な手段のひとつとなる。 本発明では、圧電振動
子４のフタ３はセラミック材料、樹脂材料を用いており
発振回路部品５を搭載するフタ３上面の導通パターン
は、金属蒸着やメタライズ処理により形成されている。
【００１４】前記導通パターンは発振回路部品５により
発振回路を構成するものと、圧電素板２の出力部を形成
することは勿論のこと、圧電発振器を搭載するプリント
基板上の導通パターンと導通をとるための引出電極（端
子部）も形成するものであり、発振回路部品５と圧電素
板２との電気的接続にはワイヤーボンディング７を用い
て行われている。
【００１５】なお、本実施例では、圧電振動子４のフタ
３は圧電素板２を収納する形状である内部に空間ができ
るよう断面が凹状のもので記載しているが、図２の斜視
図に示すような圧電振動子４の容器形状が、圧電素板２
の回りを囲む容器形状と平板のフタとに分割した構造で
あっても同様の効果を得ることができる。このとき、平
板のフタは圧電振動子４の容器に載っかる格好でも、容
器内側（の段付き部）でフタが保持される格好でも問う
ものではない。
【００１６】また、本発明ではコスト低減の手段のひと
つとして半導体部品の消耗を考慮するために、温度補償
発振器にあっては、圧電振動子自体が所望の周波数特性
を得たもののみに半導体部品を搭載し発振器を構成する
ことにより、発振器全体の構成費比率を多く占める半導
体部品の消耗を抑えることを実現できる。従って従来の
発振器に対し、実装基板への設置面積を小型化すること
を実現できたことと、発振器全体に対する圧電振動子の
歩留まりを向上することによりコストの削減も実現する
ことができる。
【００１７】
【発明の効果】本発明により発振回路を構成する半導体
部品と圧電振動子の搭載を、完成した圧電振動子のフタ
上面に発振回路を搭載することにより、圧電発振器自体
の搭載面積を少なくすることにより発振器全体を小型化
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例を示す正面図である。
【図２】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図３】従来の温度補償型発振器の構造を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
１ 基板 ２ 圧電素板 ３ フタ ４ 圧電振動子 ５ 発振回路部品 ６ 保護材

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 基板上に搭載した圧電素板を密閉構造に
    するためにフタを被せ圧電振動子とし、該圧電振動子の
    該フタ上面に発振回路部品を搭載し、該圧電振動子と該
    発振回路部品とを電気的に接続して発振器を構成するこ
    とを特徴とする圧電発振器。
  2. 【請求項２】 前記の該圧電振動子は、セラミック材
    料、樹脂材料で形成していることを特徴とする請求項１
    記載の圧電発振器。
  3. 【請求項３】 請求項１記載の発振回路部品は保護材で
    被われていることを特徴とする圧電発振器。
  4. 【請求項４】 請求項１記載の圧電振動子のフタ上面に
    は、発振回路部品を搭載する導通パターンがあり、該圧
    電振動子とワイヤーボンディングで電気的に接続し一体
    となって発振器が構成され、実装基板に表面実装できる
    よう該圧電素板の搭載基板に導通パターンが配置されて
    いることを特徴とする圧電発振器。
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