JP2004363705A - 複合装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】同報送信可能なファクシミリ機能とその他の機能を兼ね備えた複合装置であって、同報送信中に他の機能を利用することができ、また、既存装置からの実現が容易な複合装置を提供する。
【解決手段】原稿を画像情報として読み取ったスキャンデータを用い、少なくとも同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を含む複数の機能を備えた複合装置であって、前記同報送信時には、前記スキャンデータを符号化した送信データを蓄積し、当該送信データを各送信先の条件に応じた解像度に変換した後に、前記各送信先に送信する複合装置が、前記スキャンデータの解像度を変換する第一の解像度変換手段11と、前記第一の解像度変換手段とは別に設けられた、前記同報送信時における各送信先の条件に応じた解像度変換を行う第二の解像度変換手段18とを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】原稿を画像情報として読み取ったスキャンデータを用い、少なくとも同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を含む複数の機能を備えた複合装置であって、前記同報送信時には、前記スキャンデータを符号化した送信データを蓄積し、当該送信データを各送信先の条件に応じた解像度に変換した後に、前記各送信先に送信する複合装置が、前記スキャンデータの解像度を変換する第一の解像度変換手段11と、前記第一の解像度変換手段とは別に設けられた、前記同報送信時における各送信先の条件に応じた解像度変換を行う第二の解像度変換手段18とを有する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を備えた複合装置に関し、特に、複写機能等の複合装置が有する他の機能の処理と同報送信処理とを並行して行うことのできる複合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙面等に記載された絵や文字などを画像情報として読み取るための装置としてスキャナが用いられていた。また、近年では、一つの装置でプリンタ、複写機、及びスキャナの機能を兼ね備えたいわゆる複合機というものも開発されている。なお、ここでは、このように一つの装置で複数の装置の機能を兼ね備えているものを複合装置と称することとする。
【0003】
そして、近年のこの複合装置化の流れにより、前述したスキャナ等にファクシミリ装置の機能を付加すること、特に、複数の宛先に同一の原稿を送信する同報送信が可能なファクシミリ機能を付加することが望まれている。なお、かかる同報送信が可能な従来のファクシミリ装置としては、下記特許文献等に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭61−220559号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した複合装置においては、複数の機能を備えながら、同時に複数の機能を利用することができないと不便な場合もある。具体的には、前述した同報送信機能を付加した複合装置において、宛先の多い同報送信を行っている際などに他の機能が使用できないと不便である。
【0006】
また、前述した同報送信が可能なファクシミリ機能を備えた複合装置を、既に存在する従来のスキャナ等から容易に構築できることが望まれる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、同報送信可能なファクシミリ機能とその他の機能を兼ね備えた複合装置であって、同報送信中に他の機能を利用することができ、また、既存装置からの実現が容易な複合装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、原稿を画像情報として読み取ったスキャンデータを用い、少なくとも同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を含む複数の機能を備えた複合装置であって、前記同報送信時には、前記スキャンデータを符号化した送信データを蓄積し、当該送信データを各送信先の条件に応じた解像度に変換した後に、前記各送信先に送信する複合装置が、前記スキャンデータの解像度を変換する第一の解像度変換手段と、前記第一の解像度変換手段とは別に設けられた、前記同報送信時における各送信先の条件に応じた解像度変換を行う第二の解像度変換手段とを有することである。従って、本発明によれば、2つの解像度変換部を備えているので、同報送信中であっても、他の機能を用いるための、別の画像情報の読み取り及び当該読み取ったスキャンデータの解像度変換ができ、同報送信中に他の機能を並行して使用することができる。
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の別の側面は、少なくとも同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を含む複数の機能を備えた複合装置が、原稿を画像情報として読み取りスキャンデータを生成する読み取り手段と、前記スキャンデータの解像度を変換する第一の解像度変換手段と、ファクシミリ送信時に、前記スキャンデータを符号化する符号化手段と、前記符号化後の送信データを蓄積するデータ蓄積手段と、前記同報送信時に、前記蓄積された送信データを復号化する復号化手段と、前記同報送信時に、前記復号化された送信データを、各送信先の条件に応じた解像度に変換する、前記第一の解像度変換手段とは別に設けられた第二の解像度変換手段とを有することである。
【0010】
更に、上記の発明において、その好ましい態様は、前記読み取り手段と前記第一の解像度変換手段を含む部分と、前記符号化手段と前記データ蓄積手段と前記復号化手段と前記第二の解像度変換手段とを含む部分とが、物理的に分離可能であることを特徴とする。従って、本発明によれば、複写機などの既存装置から、同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を含む複合装置を構築することが容易となる。
【0011】
本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に説明する発明の実施の形態から明らかになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照番号又は参照記号を付して説明する。
【0013】
図1は、本発明を適用した複合装置の第一の実施の形態例に係る構成図である。第一の実施の形態例に係る複合装置1は、少なくとも複写機としての機能と同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を兼ね備えた複合装置であり、図1に示すように、第一解像度変換部11(第一の解像度変換手段)と第二解像度変換部18(第二の解像度変換手段)という2つの解像度変換部を備えていることを特徴としている。本複合装置1は、かかる特徴により、同報送信処理中であっても別の原稿の複写処理を可能にするなどの利便性を達成しようとするものである。
【0014】
図1に示すように、本複合装置1は、スキャナ部10(読み取り手段)、第一解像度変換部11、2値化部12、印刷部13、符号化部14(符号化手段)、メモリ15(データ蓄積手段)、モデム16、復号化部17(復号化手段)、第二解像度変換部18、メイン制御部19、及びこれらの各部間をつなぐバス2等で構成されている。まず、メイン制御部19は、本複合装置1で行われる処理を制御する部分であり、以下に説明する各部に対して適宜指令を出して、必要な処理を実行させる。
【0015】
スキャナ部10は、原稿に記載されている文字や絵などを画像情報として読み取る部分であり、読み取り後の画像情報を画像データとして出力する。この画像データは、画素毎の色情報を例えば8ビット(256階調)の多値で表現したデータであり、以下、このスキャナ部10から出力される画像データのことをスキャンデータと称することとする。
【0016】
第一解像度変換部11は、スキャンデータの画像解像度を変換する部分であり、スキャナ部10での解像度を目的にあった解像度に変更する。スキャンデータをファクシミリ送信する場合には、ファクシミリの解像度、例えば100、200、又は400DPI、に変換し、スキャンデータをそのまま印刷する場合には、印刷用の解像度、例えば360又は720DPI、に変換する。
【0017】
次に、2値化部12は、前述した多値(例えば8ビット)の画像データを2値に変換する部分である。前記スキャナ部10で読み込んだ原稿をモノクロのデータとしてファクシミリ送信したり印刷したりする際に、処理を実行する。また、印刷部13は、本複合装置1を複写機として使用して原稿を印刷する場合や、受信したファクシミリの内容を印刷する際に印刷処理を実行する部分である。具体的には、本複合装置1の他の部分から送られる画像データを受け取り、カラー印刷の場合には、当該画像データに対して色変換、2値化の処理を実行して紙等に印刷を行う。また、受け取った画像データがモノクロのデータであれば、そのまま印刷を行う。
【0018】
次に、符号化部14は、画像データをエンコード(符号化)する部分である。前記スキャナ部10で読み取った画像データ等をファクシミリ送信する際には、送信先(相手機)に合ったエンコード方式でデータを送る必要があるため、この符号化部14は、そのためのエンコードを行う。例えば、モノクロデータの場合には、MH、MR、MMRといった形式にエンコードし、カラーデータの場合にはJPEG等の形式にエンコードする。
【0019】
メモリ15は、本複合装置1におけるデータ等を格納する部分であり、主に、ファクシミリ送信するエンコードされた送信データや、モデム16で受信した受信データ等を蓄積する。また、モデム16は、ファクシミリ送信及び受信の通信処理を行う部分である。ここでは、送受信する画像データのほか、相手機の解像度やエンコード方式等についても交信を行う。
【0020】
次に、復号化部17は、エンコードされたデータをデコード(復号化)する部分である。この復号化部17は、ファクシミリ送受信時に使用され、送信時においては、一度エンコードされたデータを、送信する相手機の条件(解像度、エンコード方式等)に合わせる際に処理を行い、また、受信時においては、前記モデム16で受信したエンコードされたデータについて処理を実行する。
【0021】
次に、第二解像度変換部18は、第一解像度変換部11と同様に画像データの解像度変換を行う部分であるが、前記復号化部17でデコードされた画像データについて処理を行う部分であり、前記第一解像度変換部11とは別に設けられている。ファクシミリ送信時においては、送信先の相手機に合った解像度に変換し、ファクシミリ受信時においては、印刷出力するために、ファクシミリの解像度(例えば、100、200、又は400DPI)から印刷用の解像度(例えば360又は720DPI)に変換する。
【0022】
図2は、第一の実施の形態例に係る複合装置1の概念的な構成図である。この図は、複合装置1の構成を、各部のつながりと処理の流れがわかりやすいように示したものであり、図中の各接点(a、b、c等)が接続されることにより各部がつながれることを意味している。この図で示すこのような接続及び接続の切換は、実際には、図1に示したメイン制御部19の指令によって各部間のバス2が接続可能/不可能にされることによって行われる。以下、図2に基づいて、本複合装置1が備える複数の機能について、それらの処理内容を説明する。
【0023】
まず、本複合装置1を複写機として使用する場合について説明する。この場合には、図2の接点aと接点cが接続され、また接点iと接点jが接続される。スキャナ部10において原稿が読み取られると、そのスキャンデータが第一解像度変換部11に渡されて、印刷用の解像度に変換される。その後、カラー印刷であれば、解像度変化後の画像データが接点a、c、i、jを介して印刷部13に渡され、当該画像データに基づく印刷が実行される。また、モノクロ印刷である場合には、第一解像度変換部11での処理後、2値化部12において、前述した多値から2値への変換処理が実行され、その後、カラー印刷の場合と同様に印刷が行われる。
【0024】
次に、本複合装置1をファクシミリ装置として使用し、同報送信を行う場合について説明する。まず、送信する原稿がスキャナ部10で読み取られ、そのスキャンデータが第一解像度変換部11に渡される。第一解像度変換部11では、そのデータの解像度を予め定められた標準のファクシミリ用の解像度(例えば、400DPI)に変換する。次に、解像度変換後のデータが2値化部12に渡され、モノクロデータで送信する場合には、前記2値化の処理を行い、カラーデータで送信する場合には特に処理を行わずに出力する。
【0025】
その後、接点aと接点bが接続され、前記処理後の画像データが符号化部14に渡される。符号化部14では、受け取った画像データを予め定められた標準のコード(例えば、モノクロの場合にはMH、カラーの場合にはJPEG)にエンコードする。その後、接点dと接点eが接続され、エンコードされた送信データがメモリ15に蓄積される。
【0026】
次に、各宛先への送信処理を順次行っていく。以下、一つの宛先に対する送信処理を説明する。まず、モデム16が、送信先との接続を行い、送信先と交信して送信先(相手機)の条件(解像度やエンコード方式等)を取得する。その後、前記メモリ15に蓄積されているデータが、上記送信先の条件に適していれば、接点eと接点fが接続され、そのデータがメモリ15から取り出されてモデム16から送信先へ送信される。一方、蓄積されているデータが、上記送信先の条件に適していない場合には、接点eと接点gが接続され、メモリ15から蓄積されているデータが取り出されて、復号化部17に渡される。ここでは、送信先の条件に合ったデータにするために、受け取ったデータをデコード(復号化)し、その後の画像データを第二解像度変換部18に渡す。第二解像度変換部18では、受け取ったデータを前記取得した送信先の解像度に変換する。
【0027】
その後、接点hと接点i、及び接点cと接点bが接続され、解像度変換後の画像データが符号化部14に渡される。符号化部14では、受け取ったデータを前記取得した送信先のエンコード方式でエンコードする。そして、接点dと接点fが接続されて、エンコードされたデータがモデム16から当該送信先に送信される。
【0028】
以上説明した一つの送信先に対する送信処理を、同報送信の宛先として指定された各宛先に対して繰り返し実行することによって、同報送信の処理を完了する。
【0029】
次に、本複合装置1をファクシミリ装置として使用し、1対1送信を行う場合について説明する。原稿がスキャナ部10で読み取られてから、符号化部14で標準のコードにエンコードされるまでは、前記同報送信の場合と同様である。その後、カラーデータの場合などエンコードされたデータをそのまま送信先に送れる場合には、接点dと接点fが接続されて、モデム16で送信処理が行われる。一方、エンコードされたデータをそのまま送信できない場合には、接点dと接点eが接続されてエンコードされたデータがメモリ15に一旦蓄積される。その後、同報送信の場合と同様に、モデム16が、送信先の条件(解像度やエンコード方式等)を取得する。そして、メモリ15に蓄積されているデータが、上記送信先の条件に適していれば、接点eと接点fが接続され、そのデータがメモリ15から取り出されてモデム16から送信先へ送信される。一方、蓄積されているデータが、上記送信先の条件に適していない場合には、同報送信の場合と同様に、前述した、復号化部17、第二解像度変換部18、及び符号化部14での送信先の条件に合わせるためのデータ処理を実行して送信する。
【0030】
次に、本複合装置1をファクシミリ装置として使用し、ファクシミリを受信した場合について説明する。モデム16でファクシミリを受信すると、接点eと接点fが接続され、受信したデータがメモリ15に蓄積される。その後、接点eと接点gが接続されて、前記蓄積されたデータがメモリ15から取り出されて復号化部17に渡される。復号化部17では、エンコードされている受信データをデコードし、その後の画像データを第二解像度変換部18に渡す。第二解像度変換部18では、受け取った画像データを印刷用の解像度に変換する。その後、接点hと接点jが接続され、解像度変換後のデータが印刷部13に渡されて受信したデータの印刷が実行される。
【0031】
以上説明したような処理を実行することによって、本実施の形態例に係る複合装置1は複数の機能を実現しているが、その処理の中で注目すべきは、同報送信の場合において、送信データを一旦メモリ15に蓄積した後の各宛先への送信処理である。かかる宛先毎に繰り返して行われる処理は、前述したように、図2に示されるBの範囲に含まれる部分のみが使用される処理であり、この処理の間、図2に示されるAの範囲に含まれる部分は使用されていないので、当該処理と並行してこの部分(Aの範囲に含まれる部分)を使用することが可能となる。
【0032】
従って、宛先の数が多い場合などには特に長い時間を要する同報送信の処理中に、図2に示されるAの範囲に含まれる部分を使用して別の原稿の複写処理を行うことが可能となる。また、本複合装置1が、読み取り後のスキャンデータをホストコンピュータ等に送信する、いわゆるスキャナとしての機能を有している場合には、この処理も同報送信の処理中に行うことができる。なお、このスキャナとしての機能を実行する場合には、スキャナ部10での読み取り、第一解像度変換部11での解像度変換、及び変換後のデータの一時格納を行った後に、所定のインタフェースを介してスキャンデータをホストコンピュータ等に送信する。
【0033】
このように、本実施の形態例に係る複合装置1は、時間がかかる同報送信中に他の機能を並行して使用することができ、利用者にとっての利便性が高いというメリットを有している。かかるメリットは、本複合装置1が2つの解像度変換部(第一解像度変換部11と第二解像度変換部18)を備え、同報送信処理で必要な、各宛先の条件に合うようにデータの解像度をそれぞれ変換する処理を、その一方(第二解像度変換部18)で行い、同報送信処理中であっても、もう一方の解像度変換部(第一解像度変換部11)は使用可能状態であることによって得られるものである。このメリットを得られることが、2つの解像度変換部を備える本複合装置1の大きな効果である。
【0034】
また、本複合装置1は、図2に示すように、図のAに含まれる部分と、図のBに含まれる部分から構成されていると言うことができ、Aに含まれる部分とBに含まれる部分が物理的に分離可能となっている。換言すれば、ハードウェアとして分離できるように構成されている。ここで、図2のAに含まれる部分は、いわゆる複写機の装置構成であり、従って、本複合装置1は、複写機の装置構成に図2のBに含まれる部分を付加することによって構築することが可能である。このことにより、本複合装置1は、既存の複写機を、同報送信可能なファクシミリ装置を兼ね備えた複合装置とする際に容易な構成をしていると言える。具体的には、既存の複写機の主な処理部(図2のAに含まれる部分)に変更を加えることなく、図2のBに含まれる部分を追加するだけで、本複合装置1とすることができる。例えば、既存の複写機の本体ボード(図2のAに含まれる部分)に、ファクシミリボード(図2のBに含まれる部分)を追加する等の簡単な作業で、複写機を複合装置とすることができる。
【0035】
この解像度変換部を2つ備えることにより可能な、前記2つの部分に分離されている構成は、本複合装置1の大きな特徴であり、これにより、上述した既存装置を複合装置にする際の効果を得られる。かかる利便性は、装置の製造者側にとっても利用者側にとってもメリットとなる。なお、既存装置が単なる複写機でなく、いわゆるスキャナの機能も兼ね備えている装置である場合やスキャナである場合にも、同様に、ファクシミリ機能追加による本複合装置1の構築が容易である。
【0036】
次に、本発明を適用した複合装置の第二の実施の形態例について説明する。図3は、第二の実施の形態例に係る複合装置1’の概念的な構成図を示している。本実施の形態例にかかる複合装置1’は、第一の実施の形態例に係る複合装置1の変形例であり、以下相違点のみを説明する。
【0037】
図3に示すように、本複合装置1’は、図2に示した第一の実施の形態例に係る複合装置1の構成に第一復号化部29を追加した構成となっている。この第一復号化部29は、カラーデータ専用のデコーダーであり、例えばJPEGのデータをデコードする。そして、カラーデータのファクシミリを受信した時や、装置外部の記録媒体から入力されるエンコードされたカラーデータを印刷する場合等に使用される。
【0038】
また、本複合装置1’の第二復号化部27と第二解像度変換部28は、モノクロデータ専用であり、その点が第一の実施の形態例に係る複合装置1と異なる。その他の部分については、第一の実施の形態例に係る複合装置1と同様である。
【0039】
次に、本複合装置1’での処理内容について説明する。本複合装置1’は、第一の実施の形態例に係る複合装置1と同様に、複写機としての機能と同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を備えると共に、プリンタとしての機能も兼ね備えている。複写機として動作する時の処理、及びファクシミリ装置として送信する時の処理は、第一の実施の形態例に係る複合装置1の場合と同様である。
【0040】
ファクシミリ装置としてデータを受信した時の処理は、第一の実施の形態例に係る複合装置1と多少異なる。まず、受信したデータがモノクロである場合には、第一の実施の形態例に係る複合装置1の場合と同様に、メモリ25にデータが蓄積された後、第二復号化部27でデコードされ、第二解像度変換部28で印刷用の解像度に変換されて、印刷部23で印刷が実行される。一方、受信したデータがカラーである場合には、メモリ25にデータが蓄積された後、前述した第一復号化部29でデコードが行われる。その後、第一解像度変換部21で印刷用の解像度に変換され、変換後のデータが2値化部22、接点a、接点c、接点i、及び接点jを介して印刷部23に送られて、印刷が実行される。
【0041】
また、本複合装置1’は、前述のようにプリンタとしても機能するが、JPEGなどにエンコードされたカラーデータが装置外部から記録媒体によって入力された場合には(図3のイ)、当該データが第一復号化部29に取り込まれ、ここでデコードの処理がなされる。その後、カラーデータのファクシミリ受信をした場合と同様に、第一解像度変換部21での解像度変換処理が行われ、処理後のデータが印刷部23に渡されて印刷が実行される。
【0042】
以上説明した第二の実施の形態例に係る複合装置1’は、第一の実施の形態例に係る複合装置1と同様に、2つの解像度変換部を備えているので、同報送信処理中であっても、他の機能を利用することが可能である。具体的には、同報送信中に他の原稿のコピーをしたり、上述したプリンタの機能を利用することができる。
【0043】
また、複合装置1’は、図3に示すように、図のA’に含まれる部分と、図のB’に含まれる部分から構成されそれらが物理的に分離可能であるので、第一の実施の形態例に係る複合装置1と同様に、複写機能と上記プリンタ機能を備える既存装置(図3のA’に含まれる部分)に、ファクシミリ機能を司る部分(図3のB’に含まれる部分)を追加することで、比較的容易に構築することが可能である。
【0044】
さらに、本複合装置1’では、前述した既存装置にファクシミリ部分を付加する場合に、モノクロ用の復号化部と解像度変換部(第二復号化部27と第二解像度変換部28)を付加すれば済むというメリットもある。なお、本複合装置1’は、複写機、プリンタ、及びファクシミリとしての機能のほかに、スキャンしたデータをホストコンピュータ等に送信するいわゆるスキャナとしての機能を兼ね備えていても良い。
【0045】
以上説明したように、本発明を適用した複合装置(1、1’)は、2つの解像度変換部を備えているので、通常、時間を要する同報送信中に複写などの他の処理を行うことができ、また、複写機などの既存装置から構築する場合に、既存装置部分をあまり変更せずに済むので、構築が容易である。
【0046】
本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した複合装置の第一の実施形態例に係る構成図である。
【図2】第一の実施の形態例に係る複合装置1の概念的な構成図である。
【図3】第二の実施の形態例に係る複合装置1’の概念的な構成図である。
【符号の説明】
1、1’ 複合装置、 10、20 スキャナ部、 11、21 第一解像度変換部、 12、22 2値化部、 13、23 印刷部、 14、24 符号化部、 15、25 メモリ、 16、26 モデム、 17 復号化部、 18、28 第二解像度変換部、 27 第二復号化部、 29 第一復号化部
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を備えた複合装置に関し、特に、複写機能等の複合装置が有する他の機能の処理と同報送信処理とを並行して行うことのできる複合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙面等に記載された絵や文字などを画像情報として読み取るための装置としてスキャナが用いられていた。また、近年では、一つの装置でプリンタ、複写機、及びスキャナの機能を兼ね備えたいわゆる複合機というものも開発されている。なお、ここでは、このように一つの装置で複数の装置の機能を兼ね備えているものを複合装置と称することとする。
【0003】
そして、近年のこの複合装置化の流れにより、前述したスキャナ等にファクシミリ装置の機能を付加すること、特に、複数の宛先に同一の原稿を送信する同報送信が可能なファクシミリ機能を付加することが望まれている。なお、かかる同報送信が可能な従来のファクシミリ装置としては、下記特許文献等に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭61−220559号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した複合装置においては、複数の機能を備えながら、同時に複数の機能を利用することができないと不便な場合もある。具体的には、前述した同報送信機能を付加した複合装置において、宛先の多い同報送信を行っている際などに他の機能が使用できないと不便である。
【0006】
また、前述した同報送信が可能なファクシミリ機能を備えた複合装置を、既に存在する従来のスキャナ等から容易に構築できることが望まれる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、同報送信可能なファクシミリ機能とその他の機能を兼ね備えた複合装置であって、同報送信中に他の機能を利用することができ、また、既存装置からの実現が容易な複合装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、原稿を画像情報として読み取ったスキャンデータを用い、少なくとも同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を含む複数の機能を備えた複合装置であって、前記同報送信時には、前記スキャンデータを符号化した送信データを蓄積し、当該送信データを各送信先の条件に応じた解像度に変換した後に、前記各送信先に送信する複合装置が、前記スキャンデータの解像度を変換する第一の解像度変換手段と、前記第一の解像度変換手段とは別に設けられた、前記同報送信時における各送信先の条件に応じた解像度変換を行う第二の解像度変換手段とを有することである。従って、本発明によれば、2つの解像度変換部を備えているので、同報送信中であっても、他の機能を用いるための、別の画像情報の読み取り及び当該読み取ったスキャンデータの解像度変換ができ、同報送信中に他の機能を並行して使用することができる。
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の別の側面は、少なくとも同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を含む複数の機能を備えた複合装置が、原稿を画像情報として読み取りスキャンデータを生成する読み取り手段と、前記スキャンデータの解像度を変換する第一の解像度変換手段と、ファクシミリ送信時に、前記スキャンデータを符号化する符号化手段と、前記符号化後の送信データを蓄積するデータ蓄積手段と、前記同報送信時に、前記蓄積された送信データを復号化する復号化手段と、前記同報送信時に、前記復号化された送信データを、各送信先の条件に応じた解像度に変換する、前記第一の解像度変換手段とは別に設けられた第二の解像度変換手段とを有することである。
【0010】
更に、上記の発明において、その好ましい態様は、前記読み取り手段と前記第一の解像度変換手段を含む部分と、前記符号化手段と前記データ蓄積手段と前記復号化手段と前記第二の解像度変換手段とを含む部分とが、物理的に分離可能であることを特徴とする。従って、本発明によれば、複写機などの既存装置から、同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を含む複合装置を構築することが容易となる。
【0011】
本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に説明する発明の実施の形態から明らかになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照番号又は参照記号を付して説明する。
【0013】
図1は、本発明を適用した複合装置の第一の実施の形態例に係る構成図である。第一の実施の形態例に係る複合装置1は、少なくとも複写機としての機能と同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を兼ね備えた複合装置であり、図1に示すように、第一解像度変換部11(第一の解像度変換手段)と第二解像度変換部18(第二の解像度変換手段)という2つの解像度変換部を備えていることを特徴としている。本複合装置1は、かかる特徴により、同報送信処理中であっても別の原稿の複写処理を可能にするなどの利便性を達成しようとするものである。
【0014】
図1に示すように、本複合装置1は、スキャナ部10(読み取り手段)、第一解像度変換部11、2値化部12、印刷部13、符号化部14(符号化手段)、メモリ15(データ蓄積手段)、モデム16、復号化部17(復号化手段)、第二解像度変換部18、メイン制御部19、及びこれらの各部間をつなぐバス2等で構成されている。まず、メイン制御部19は、本複合装置1で行われる処理を制御する部分であり、以下に説明する各部に対して適宜指令を出して、必要な処理を実行させる。
【0015】
スキャナ部10は、原稿に記載されている文字や絵などを画像情報として読み取る部分であり、読み取り後の画像情報を画像データとして出力する。この画像データは、画素毎の色情報を例えば8ビット(256階調)の多値で表現したデータであり、以下、このスキャナ部10から出力される画像データのことをスキャンデータと称することとする。
【0016】
第一解像度変換部11は、スキャンデータの画像解像度を変換する部分であり、スキャナ部10での解像度を目的にあった解像度に変更する。スキャンデータをファクシミリ送信する場合には、ファクシミリの解像度、例えば100、200、又は400DPI、に変換し、スキャンデータをそのまま印刷する場合には、印刷用の解像度、例えば360又は720DPI、に変換する。
【0017】
次に、2値化部12は、前述した多値(例えば8ビット)の画像データを2値に変換する部分である。前記スキャナ部10で読み込んだ原稿をモノクロのデータとしてファクシミリ送信したり印刷したりする際に、処理を実行する。また、印刷部13は、本複合装置1を複写機として使用して原稿を印刷する場合や、受信したファクシミリの内容を印刷する際に印刷処理を実行する部分である。具体的には、本複合装置1の他の部分から送られる画像データを受け取り、カラー印刷の場合には、当該画像データに対して色変換、2値化の処理を実行して紙等に印刷を行う。また、受け取った画像データがモノクロのデータであれば、そのまま印刷を行う。
【0018】
次に、符号化部14は、画像データをエンコード(符号化)する部分である。前記スキャナ部10で読み取った画像データ等をファクシミリ送信する際には、送信先(相手機)に合ったエンコード方式でデータを送る必要があるため、この符号化部14は、そのためのエンコードを行う。例えば、モノクロデータの場合には、MH、MR、MMRといった形式にエンコードし、カラーデータの場合にはJPEG等の形式にエンコードする。
【0019】
メモリ15は、本複合装置1におけるデータ等を格納する部分であり、主に、ファクシミリ送信するエンコードされた送信データや、モデム16で受信した受信データ等を蓄積する。また、モデム16は、ファクシミリ送信及び受信の通信処理を行う部分である。ここでは、送受信する画像データのほか、相手機の解像度やエンコード方式等についても交信を行う。
【0020】
次に、復号化部17は、エンコードされたデータをデコード(復号化)する部分である。この復号化部17は、ファクシミリ送受信時に使用され、送信時においては、一度エンコードされたデータを、送信する相手機の条件(解像度、エンコード方式等)に合わせる際に処理を行い、また、受信時においては、前記モデム16で受信したエンコードされたデータについて処理を実行する。
【0021】
次に、第二解像度変換部18は、第一解像度変換部11と同様に画像データの解像度変換を行う部分であるが、前記復号化部17でデコードされた画像データについて処理を行う部分であり、前記第一解像度変換部11とは別に設けられている。ファクシミリ送信時においては、送信先の相手機に合った解像度に変換し、ファクシミリ受信時においては、印刷出力するために、ファクシミリの解像度(例えば、100、200、又は400DPI)から印刷用の解像度(例えば360又は720DPI)に変換する。
【0022】
図2は、第一の実施の形態例に係る複合装置1の概念的な構成図である。この図は、複合装置1の構成を、各部のつながりと処理の流れがわかりやすいように示したものであり、図中の各接点(a、b、c等)が接続されることにより各部がつながれることを意味している。この図で示すこのような接続及び接続の切換は、実際には、図1に示したメイン制御部19の指令によって各部間のバス2が接続可能/不可能にされることによって行われる。以下、図2に基づいて、本複合装置1が備える複数の機能について、それらの処理内容を説明する。
【0023】
まず、本複合装置1を複写機として使用する場合について説明する。この場合には、図2の接点aと接点cが接続され、また接点iと接点jが接続される。スキャナ部10において原稿が読み取られると、そのスキャンデータが第一解像度変換部11に渡されて、印刷用の解像度に変換される。その後、カラー印刷であれば、解像度変化後の画像データが接点a、c、i、jを介して印刷部13に渡され、当該画像データに基づく印刷が実行される。また、モノクロ印刷である場合には、第一解像度変換部11での処理後、2値化部12において、前述した多値から2値への変換処理が実行され、その後、カラー印刷の場合と同様に印刷が行われる。
【0024】
次に、本複合装置1をファクシミリ装置として使用し、同報送信を行う場合について説明する。まず、送信する原稿がスキャナ部10で読み取られ、そのスキャンデータが第一解像度変換部11に渡される。第一解像度変換部11では、そのデータの解像度を予め定められた標準のファクシミリ用の解像度(例えば、400DPI)に変換する。次に、解像度変換後のデータが2値化部12に渡され、モノクロデータで送信する場合には、前記2値化の処理を行い、カラーデータで送信する場合には特に処理を行わずに出力する。
【0025】
その後、接点aと接点bが接続され、前記処理後の画像データが符号化部14に渡される。符号化部14では、受け取った画像データを予め定められた標準のコード(例えば、モノクロの場合にはMH、カラーの場合にはJPEG)にエンコードする。その後、接点dと接点eが接続され、エンコードされた送信データがメモリ15に蓄積される。
【0026】
次に、各宛先への送信処理を順次行っていく。以下、一つの宛先に対する送信処理を説明する。まず、モデム16が、送信先との接続を行い、送信先と交信して送信先(相手機)の条件(解像度やエンコード方式等)を取得する。その後、前記メモリ15に蓄積されているデータが、上記送信先の条件に適していれば、接点eと接点fが接続され、そのデータがメモリ15から取り出されてモデム16から送信先へ送信される。一方、蓄積されているデータが、上記送信先の条件に適していない場合には、接点eと接点gが接続され、メモリ15から蓄積されているデータが取り出されて、復号化部17に渡される。ここでは、送信先の条件に合ったデータにするために、受け取ったデータをデコード(復号化)し、その後の画像データを第二解像度変換部18に渡す。第二解像度変換部18では、受け取ったデータを前記取得した送信先の解像度に変換する。
【0027】
その後、接点hと接点i、及び接点cと接点bが接続され、解像度変換後の画像データが符号化部14に渡される。符号化部14では、受け取ったデータを前記取得した送信先のエンコード方式でエンコードする。そして、接点dと接点fが接続されて、エンコードされたデータがモデム16から当該送信先に送信される。
【0028】
以上説明した一つの送信先に対する送信処理を、同報送信の宛先として指定された各宛先に対して繰り返し実行することによって、同報送信の処理を完了する。
【0029】
次に、本複合装置1をファクシミリ装置として使用し、1対1送信を行う場合について説明する。原稿がスキャナ部10で読み取られてから、符号化部14で標準のコードにエンコードされるまでは、前記同報送信の場合と同様である。その後、カラーデータの場合などエンコードされたデータをそのまま送信先に送れる場合には、接点dと接点fが接続されて、モデム16で送信処理が行われる。一方、エンコードされたデータをそのまま送信できない場合には、接点dと接点eが接続されてエンコードされたデータがメモリ15に一旦蓄積される。その後、同報送信の場合と同様に、モデム16が、送信先の条件(解像度やエンコード方式等)を取得する。そして、メモリ15に蓄積されているデータが、上記送信先の条件に適していれば、接点eと接点fが接続され、そのデータがメモリ15から取り出されてモデム16から送信先へ送信される。一方、蓄積されているデータが、上記送信先の条件に適していない場合には、同報送信の場合と同様に、前述した、復号化部17、第二解像度変換部18、及び符号化部14での送信先の条件に合わせるためのデータ処理を実行して送信する。
【0030】
次に、本複合装置1をファクシミリ装置として使用し、ファクシミリを受信した場合について説明する。モデム16でファクシミリを受信すると、接点eと接点fが接続され、受信したデータがメモリ15に蓄積される。その後、接点eと接点gが接続されて、前記蓄積されたデータがメモリ15から取り出されて復号化部17に渡される。復号化部17では、エンコードされている受信データをデコードし、その後の画像データを第二解像度変換部18に渡す。第二解像度変換部18では、受け取った画像データを印刷用の解像度に変換する。その後、接点hと接点jが接続され、解像度変換後のデータが印刷部13に渡されて受信したデータの印刷が実行される。
【0031】
以上説明したような処理を実行することによって、本実施の形態例に係る複合装置1は複数の機能を実現しているが、その処理の中で注目すべきは、同報送信の場合において、送信データを一旦メモリ15に蓄積した後の各宛先への送信処理である。かかる宛先毎に繰り返して行われる処理は、前述したように、図2に示されるBの範囲に含まれる部分のみが使用される処理であり、この処理の間、図2に示されるAの範囲に含まれる部分は使用されていないので、当該処理と並行してこの部分(Aの範囲に含まれる部分)を使用することが可能となる。
【0032】
従って、宛先の数が多い場合などには特に長い時間を要する同報送信の処理中に、図2に示されるAの範囲に含まれる部分を使用して別の原稿の複写処理を行うことが可能となる。また、本複合装置1が、読み取り後のスキャンデータをホストコンピュータ等に送信する、いわゆるスキャナとしての機能を有している場合には、この処理も同報送信の処理中に行うことができる。なお、このスキャナとしての機能を実行する場合には、スキャナ部10での読み取り、第一解像度変換部11での解像度変換、及び変換後のデータの一時格納を行った後に、所定のインタフェースを介してスキャンデータをホストコンピュータ等に送信する。
【0033】
このように、本実施の形態例に係る複合装置1は、時間がかかる同報送信中に他の機能を並行して使用することができ、利用者にとっての利便性が高いというメリットを有している。かかるメリットは、本複合装置1が2つの解像度変換部(第一解像度変換部11と第二解像度変換部18)を備え、同報送信処理で必要な、各宛先の条件に合うようにデータの解像度をそれぞれ変換する処理を、その一方(第二解像度変換部18)で行い、同報送信処理中であっても、もう一方の解像度変換部(第一解像度変換部11)は使用可能状態であることによって得られるものである。このメリットを得られることが、2つの解像度変換部を備える本複合装置1の大きな効果である。
【0034】
また、本複合装置1は、図2に示すように、図のAに含まれる部分と、図のBに含まれる部分から構成されていると言うことができ、Aに含まれる部分とBに含まれる部分が物理的に分離可能となっている。換言すれば、ハードウェアとして分離できるように構成されている。ここで、図2のAに含まれる部分は、いわゆる複写機の装置構成であり、従って、本複合装置1は、複写機の装置構成に図2のBに含まれる部分を付加することによって構築することが可能である。このことにより、本複合装置1は、既存の複写機を、同報送信可能なファクシミリ装置を兼ね備えた複合装置とする際に容易な構成をしていると言える。具体的には、既存の複写機の主な処理部(図2のAに含まれる部分)に変更を加えることなく、図2のBに含まれる部分を追加するだけで、本複合装置1とすることができる。例えば、既存の複写機の本体ボード(図2のAに含まれる部分)に、ファクシミリボード(図2のBに含まれる部分)を追加する等の簡単な作業で、複写機を複合装置とすることができる。
【0035】
この解像度変換部を2つ備えることにより可能な、前記2つの部分に分離されている構成は、本複合装置1の大きな特徴であり、これにより、上述した既存装置を複合装置にする際の効果を得られる。かかる利便性は、装置の製造者側にとっても利用者側にとってもメリットとなる。なお、既存装置が単なる複写機でなく、いわゆるスキャナの機能も兼ね備えている装置である場合やスキャナである場合にも、同様に、ファクシミリ機能追加による本複合装置1の構築が容易である。
【0036】
次に、本発明を適用した複合装置の第二の実施の形態例について説明する。図3は、第二の実施の形態例に係る複合装置1’の概念的な構成図を示している。本実施の形態例にかかる複合装置1’は、第一の実施の形態例に係る複合装置1の変形例であり、以下相違点のみを説明する。
【0037】
図3に示すように、本複合装置1’は、図2に示した第一の実施の形態例に係る複合装置1の構成に第一復号化部29を追加した構成となっている。この第一復号化部29は、カラーデータ専用のデコーダーであり、例えばJPEGのデータをデコードする。そして、カラーデータのファクシミリを受信した時や、装置外部の記録媒体から入力されるエンコードされたカラーデータを印刷する場合等に使用される。
【0038】
また、本複合装置1’の第二復号化部27と第二解像度変換部28は、モノクロデータ専用であり、その点が第一の実施の形態例に係る複合装置1と異なる。その他の部分については、第一の実施の形態例に係る複合装置1と同様である。
【0039】
次に、本複合装置1’での処理内容について説明する。本複合装置1’は、第一の実施の形態例に係る複合装置1と同様に、複写機としての機能と同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を備えると共に、プリンタとしての機能も兼ね備えている。複写機として動作する時の処理、及びファクシミリ装置として送信する時の処理は、第一の実施の形態例に係る複合装置1の場合と同様である。
【0040】
ファクシミリ装置としてデータを受信した時の処理は、第一の実施の形態例に係る複合装置1と多少異なる。まず、受信したデータがモノクロである場合には、第一の実施の形態例に係る複合装置1の場合と同様に、メモリ25にデータが蓄積された後、第二復号化部27でデコードされ、第二解像度変換部28で印刷用の解像度に変換されて、印刷部23で印刷が実行される。一方、受信したデータがカラーである場合には、メモリ25にデータが蓄積された後、前述した第一復号化部29でデコードが行われる。その後、第一解像度変換部21で印刷用の解像度に変換され、変換後のデータが2値化部22、接点a、接点c、接点i、及び接点jを介して印刷部23に送られて、印刷が実行される。
【0041】
また、本複合装置1’は、前述のようにプリンタとしても機能するが、JPEGなどにエンコードされたカラーデータが装置外部から記録媒体によって入力された場合には(図3のイ)、当該データが第一復号化部29に取り込まれ、ここでデコードの処理がなされる。その後、カラーデータのファクシミリ受信をした場合と同様に、第一解像度変換部21での解像度変換処理が行われ、処理後のデータが印刷部23に渡されて印刷が実行される。
【0042】
以上説明した第二の実施の形態例に係る複合装置1’は、第一の実施の形態例に係る複合装置1と同様に、2つの解像度変換部を備えているので、同報送信処理中であっても、他の機能を利用することが可能である。具体的には、同報送信中に他の原稿のコピーをしたり、上述したプリンタの機能を利用することができる。
【0043】
また、複合装置1’は、図3に示すように、図のA’に含まれる部分と、図のB’に含まれる部分から構成されそれらが物理的に分離可能であるので、第一の実施の形態例に係る複合装置1と同様に、複写機能と上記プリンタ機能を備える既存装置(図3のA’に含まれる部分)に、ファクシミリ機能を司る部分(図3のB’に含まれる部分)を追加することで、比較的容易に構築することが可能である。
【0044】
さらに、本複合装置1’では、前述した既存装置にファクシミリ部分を付加する場合に、モノクロ用の復号化部と解像度変換部(第二復号化部27と第二解像度変換部28)を付加すれば済むというメリットもある。なお、本複合装置1’は、複写機、プリンタ、及びファクシミリとしての機能のほかに、スキャンしたデータをホストコンピュータ等に送信するいわゆるスキャナとしての機能を兼ね備えていても良い。
【0045】
以上説明したように、本発明を適用した複合装置(1、1’)は、2つの解像度変換部を備えているので、通常、時間を要する同報送信中に複写などの他の処理を行うことができ、また、複写機などの既存装置から構築する場合に、既存装置部分をあまり変更せずに済むので、構築が容易である。
【0046】
本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した複合装置の第一の実施形態例に係る構成図である。
【図2】第一の実施の形態例に係る複合装置1の概念的な構成図である。
【図3】第二の実施の形態例に係る複合装置1’の概念的な構成図である。
【符号の説明】
1、1’ 複合装置、 10、20 スキャナ部、 11、21 第一解像度変換部、 12、22 2値化部、 13、23 印刷部、 14、24 符号化部、 15、25 メモリ、 16、26 モデム、 17 復号化部、 18、28 第二解像度変換部、 27 第二復号化部、 29 第一復号化部
Claims (3)
- 原稿を画像情報として読み取ったスキャンデータを用い、少なくとも同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を含む複数の機能を備えた複合装置であって、
前記同報送信時には、前記スキャンデータを符号化した送信データを蓄積し、当該送信データを各送信先の条件に応じた解像度に変換した後に、前記各送信先に送信する複合装置において、
前記スキャンデータの解像度を変換する第一の解像度変換手段と、
前記第一の解像度変換手段とは別に設けられた、前記同報送信時における各送信先の条件に応じた解像度変換を行う第二の解像度変換手段とを有する
ことを特徴とする複合装置。 - 少なくとも同報送信可能なファクシミリ装置としての機能を含む複数の機能を備えた複合装置であって、
原稿を画像情報として読み取りスキャンデータを生成する読み取り手段と、
前記スキャンデータの解像度を変換する第一の解像度変換手段と、
ファクシミリ送信時に、前記スキャンデータを符号化する符号化手段と、
前記符号化後の送信データを蓄積するデータ蓄積手段と、
前記同報送信時に、前記蓄積された送信データを復号化する復号化手段と、
前記同報送信時に、前記復号化された送信データを、各送信先の条件に応じた解像度に変換する、前記第一の解像度変換手段とは別に設けられた第二の解像度変換手段とを有する
ことを特徴とする複合装置。 - 請求項2において、
前記読み取り手段と前記第一の解像度変換手段を含む部分と、前記符号化手段と前記データ蓄積手段と前記復号化手段と前記第二の解像度変換手段とを含む部分とが、物理的に分離可能である
ことを特徴とする複合装置。
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2003
- 2003-06-02 JP JP2003156879A patent/JP2004363705A/ja active Pending
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