JP2004361588A - レーザ書き込み装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カバーの共振及び強制振動を抑え防音性に優れたレーザ書き込み装置を提供し、さらにレーザ書き込み装置からの騒音が小さい画像形成装置を提供するである。
【解決手段】覆い部材を取り付けることによってほぼ密閉状態となる光学ハウジング12内に配置され、光源から光学系を通して照射されたレーザビームを偏向走査するポリゴンミラー11を有するレーザ書き込み装置において、覆い部材が重なり合う複数のカバー13a,13bで構成され、カバー13a,13bが互いに重なり合う重なり領域にて、凸部17によって一部に他の部分よりも強く互いに力を及ぼし合う圧着部Aを設けている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ書き込み装置及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レーザプリンタ、デジタル複写機、デジタルファックス或いはこれらの複合機に用いられるレーザ書き込み装置には、ドライブ基板上に直接軸受を設置し、ポリゴンミラーが裸の状態で回転するタイプと、ポリゴンミラーがケースの中に設置され、概略密閉状態下で回転するタイプのものとがある。ポリゴンミラーが裸の状態で回転させるものは、比較的低速回転のものに限られ、近年の画像形成装置はポリゴンミラーを高速回転させるものが多く、その防音対策のため概略密閉状態下で回転させている。
【0003】
従来、密閉型レーザ書き込み装置において、その製造上、密閉室の上部にカバーが取り付けられている。このカバーは、平面形状であり、カバーの周囲がボルト等によってハウジングに固定する構成としている。このため、ポリゴンミラーの回転に伴い、ポリゴンミラーの風切りによる振動、ポリゴンミラーを含む回転体のアンバランスによる振動及び/またはレーザ書き込み装置の制御に伴う振動の影響により、カバーが共振(共鳴)或いは強制振動を起こし、その結果、騒音が増大してしまう。したがって、密閉型であっても防音効果が不十分であると言う問題があった。
【0004】
この問題を解消するため、カバーを複数重ねて防音効果を高めるように構成したレーザ書き込み装置も提案されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、複数のカバーを取り付けたレーザ書き込み装置であっても、部品相互の平面性の差によりびびりが発生するというような部品のバラツキ、組み付けのバラツキ、或いは実使用上の環境の変化(主に環境温度)によって、カバーが共振し、或いは強制振動を起こし、その結果騒音が増大すると言う不具合があった。
【0006】
本発明は、上記した従来の不具合を解消し、カバーの共振及び強制振動を抑え防音性に優れたレーザ書き込み装置を提供することを第1の目的とし、さらにレーザ書き込み装置からの騒音が小さい画像形成装置を提供することを第2の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、本発明は、覆い部材を取り付けることによってほぼ密閉状態となるハウジング内に配置され、光源から光学系を通して照射されたレーザビームを偏向走査するポリゴンミラーを有するレーザ書き込み装置において、前記覆い部材が重なり合う複数のカバーで構成され、該カバーが互いに重なり合う重なり領域にて、一部に他の部分よりも強く互いに力を及ぼし合う圧着部を設けたことを特徴としている。
【0008】
なお、本発明のレーザ書き込み装置において、前記圧着部が前記カバーの重なり合う面に設けられた凸部によって形成されると、効果的である。
さらに、本発明のレーザ書き込み装置において、前記圧着部が前記カバーに形成された山型状の湾曲によって形成されると、効果的である。
【0009】
さらにまた、本発明のレーザ書き込み装置において、前記圧着部が重なり合う前記カバー間に挟んだ他の部材によって形成されると、効果的である。
さらにまた、本発明のレーザ書き込み装置において、前記覆い部材が遮音特性の異なる材料で作られた複数のカバーで構成されていると、効果的である。
【0010】
上記第2の目的を達成するため、本発明は、感光体を有する作像手段と、前記感光体にレーザビームにより光書き込みを行う前記請求項1ないし5の何れかに記載のレーザ書き込み装置とを有することを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置としてのレーザプリンタの概略を示す説明図であり、ここに示したレーザプリンタは感光体を備えた作像手段と、該作像手段の感光体に光書き込みを行うレーザ書き込み装置を有している。最初に作像手段の概略について説明する。
【0012】
図1における作像手段は、ドラム状の感光体1を有し、感光体1は図1における時計方向に回転駆動され、このとき帯電ローラ2によって表面が所定の極性に均一に帯電される。次いでその帯電面に、後に詳述するレーザ書き込み装置10から出射する光変調されたレーザビームLが照射される。これによって感光体1上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像装置3によってトナー像として可視像化される。
【0013】
一方、装置本体下部側に設けられた給紙装置7から、例えば転写紙より成る記録材Pが給送され、その記録材Pがレジストローラ8を介して感光体1と転写ローラ4の間に送り込まれる。この転写ローラ4に対し、感光体1上のトナーと逆極性の電圧が印加され、これによって感光体1上のトナー像が記録材P上に転写される。記録材Pに転写されず、感光体1上に残された転写残トナーは、クリーニング装置5によって除去され、さらに除電装置6によって感光体1上に残された残留電荷が除去される。
【0014】
このようにしてトナー像が形成された記録材Pは、搬送ベルト20を介して定着装置9を送られ、このときそのトナー像が記録材P上に定着され、定着を終えた記録材Pは排紙トレイ21上に排出される。このように、図1に例示した画像形成装置は、作像手段とその作像手段の感光体1にレーザビームによる光書き込みを行うレーザ書き込み装置10とを具備している。
【0015】
図2は、レーザ書き込み装置10の主要部の拡大説明図であり、ここに示したレーザ書き込み装置10は概略密閉型であって、ポリゴンミラー11は光学ハウジング12と覆い部材としてのカバー13によって形成された略密閉された密閉室14内に配置されている。ポリゴンミラー11はカバー13により密閉された密閉室14内に配置することで、ポリゴンミラー11に回転によって発生する音を小さく抑えることができる。なお、密閉室14には、ポリゴンミラー11へのレーザビームの入射、出射を可能にするための開口15が設けられ、この開口15は防音ガラス16によって塞がれている。
【0016】
ところで、先に説明したように、ポリゴンミラー11が図示していない駆動手段によって回転軸11aの回りを回転するとき、ポリゴンミラー11が6角形等の多角形に形成されているため、風切りによる振動、ポリゴンミラー11を含めた回転体のアンバランスによる振動、レーザ書き込み装置10の制御に伴う振動等の影響によりカバーが共振或いは強制振動を起こし、その結果、騒音が増大してしまった。
【0017】
そこで、図2に示した本例のレーザ書き込み装置10においては、覆い部材として少なくとも2枚のカバー13a,13bを重ね合わせ、その際、カバー13a,13bが互いに重なり合う重なり領域にて、一部に他の部分よりも強く互いに力を及ぼし合う圧着部Aを設けるように構成している。本例の圧着部Aは、上側のカバー13aの略中央に形成された凸部17で構成され、この凸部17を下側カバー13b面に圧接するように、2枚のカバー13a,13bを光学ハウジング12に固定する。この場合、2枚のカバー13a,13bはその周囲の数箇所を固定手段としてのボルト18の締め付けによって光学ハウジング12に組み付け固定しており、これによって互いのカバー13a,13bは、凸部17によって中央部分が押さえ込める構成にすることができる。
【0018】
このようにして、両カバー13a,13bはボルト18で固定される位置から遠ざかった略中央に凸部17によって圧着部Aが形成されるため、その固有振動数が上がり、振動に強い構成にすることができる。したがって、上記したような風切りによる振動、ポリゴンミラー11を含めた回転体のアンバランスによる振動、レーザ書き込み装置10の制御に伴う振動等の影響を受けにくくなり、共振或いは強制振動に伴う騒音の発生を抑えることができる。さらに、カバー13aに凸部17を設けて、これをカバー13bに圧接させて組み付けると言う簡単な構成で、カバー13a,13bを振動に対して強い構造にすることができる。
【0019】
図2に示したレーザ書き込み装置10は、カバー13に凸部17を設け、カバー13a,13bが互いに重なり合う重なり領域にて、一部に他の部分よりも強く互いに力を及ぼし合う圧着部Aを形成するように構成したが、図3に示す例ではカバー13aを略中央に頂部が形成されるような山型状に湾曲させ、その湾曲面の頂部側が平面状に形成されたカバー13bに圧接するように、カバー13a,13bを光学ハウジング12に組み付けている。
【0020】
このように構成したレーザ書き込み装置10は、平板状のカバー部材13bの上に湾曲の頂部がそのカバー13bの圧接するように、カバー13aを重ねて光学ハウジング12にカバー13a,13bを組み付ける。これによって、カバー13a,13bはボルト18で固定される位置から遠ざかった略中央に湾曲の頂部部分が圧着されて圧着部となるため、その固有振動数が上がり、振動に強い構成にすることができる。したがって、上記したような風切りによる振動、ポリゴンミラー11を含めた回転体のアンバランスによる振動、レーザ書き込み装置10の制御に伴う振動等の影響を受けにくくなり、共振或いは強制振動に伴う騒音の発生を抑えることができる。なお、湾曲板のカバー13aではなく、平面板のカバー13bを光学ハウジング12に近いカバーとすることで、密閉室14の密閉性を良好に保つことが可能となり、風切り音等やモータ内部の騒音を良好に遮音することができる。
【0021】
図4に示す実施形態のレーザ書き込み装置10では、図2の凸部17に相当する部分にカバー13a,13bと他の部材17aを挟み込んで、カバー13a,13bを光学ハウジング12に組み付け固定している。この他の部材17aを挟み込む位置は、上記凸部17と略同位置、略中央とするとともに、この他の部材17aはある程度の力が加わっても容易に変形しない比較的硬い材質のものを用いることが好ましい。
【0022】
このように構成されたレーザ書き込み装置10は、図2ものと同様に、略中央に凸部17によって圧着部Aが形成されるため、その固有振動数が上がり、振動に強い構成にすることができる。したがって、上記したような風切りによる振動、ポリゴンミラー11を含めた回転体のアンバランスによる振動、レーザ書き込み装置10の制御に伴う振動等の影響を受けにくくなり、共振或いは強制振動に伴う騒音の発生を抑えることができる。しかも、カバー13に凸部17を設けることがないので、カバー13a,13bは同一のものを使用することができる。
【0023】
次に、図2から図4の実施形態において、カバー13a,13bの材質等について説明する。カバー13a,13bは、鉄、アルミ、銅等の金属製、或いは樹脂製のものを用いることができ、熱伝導性のよい金属で作ると密閉室14内にこもる熱が逃げやすくなるので好適である。さらに、カバー13a,13bはある程度の力で押されたとき、腰の強さで撓るものは適しているが、屈曲して変形してしまうものは不適である。さらにまた、カバー13a,13bの材質は遮音特性の異なる別材質のものを用いても良く、このように構成すると、密閉室14内で発生する様々な周波数の騒音に対して遮音効果を高めることができる。
【0024】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各種改変できるものである。
例えば、カバーは2枚重ねたもので説明したが、3枚以上であっても良い。さらに、ポリゴンミラーは1つで複数の感光体、例えば、4つの感光体にレーザ書き込みができるようにするため回転軸線方向の厚みを厚くしたものや、1つの回転軸に2層構造にしたものであってもよい。
【0025】
【発明の効果】
請求項1の構成によれば、覆い部材が重なり合う複数のカバーで構成され、該カバーが互いに重なり合う重なり領域にて、一部に他の部分よりも強く互いに力を及ぼし合う圧着部を設けたので、カバーの固有振動数が高くなり、共振または強制振動に伴う騒音発生を抑えることができる。
【0026】
請求項2の構成によれば、圧着部がカバーの重なり合う面に設けられた凸部によって形成されるので、簡単な構成でカバーの固有振動数を高められ、共振または強制振動に伴う騒音発生を抑えることができる。
【0027】
請求項3の構成によれば、圧着部がカバーに形成された山型状の湾曲によって形成されるので、簡単な構成でカバーの固有振動数を高められ、共振または強制振動に伴う騒音発生を抑えることができる。
【0028】
請求項4の構成によれば、圧着部が重なり合うカバー間に挟んだ他の部材によって形成されるので、カバー自体を加工することなく、カバーの固有振動数を高められ、共振または強制振動に伴う騒音発生を抑えることができる。
【0029】
請求項5の構成によれば、覆い部材が遮音特性の異なる材料で作られた複数のカバーで構成されているので、レーザ書き込み装置内で発生する様々な周波数の音に対し遮音効果を高めることができる。
【0030】
請求項6の構成によれば、感光体を有する作像手段と、感光体にレーザビームにより光書き込みを行う請求項1ないし5の何れかに記載のレーザ書き込み装置とを有するので、上記効果が得られる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置としてのレーザプリンタの概略を示す説明図である。
【図2】本発明に係るレーザ書き込み装置の一実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明に係るレーザ書き込み装置の他の実施形態を示す概略断面図である。
【図4】本発明に係るレーザ書き込み装置のさらに他の実施形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 レーザ書き込み装置
11 ポリゴンミラー
12 光学ハウジング
13,13a,13b カバー
14 密閉室
17 凸部
17a 他の部材

Claims (6)

  1. 覆い部材を取り付けることによってほぼ密閉状態となるハウジング内に配置され、光源から光学系を通して照射されたレーザビームを偏向走査するポリゴンミラーを有するレーザ書き込み装置において、
    前記覆い部材が重なり合う複数のカバーで構成され、該カバーが互いに重なり合う重なり領域にて、一部に他の部分よりも強く互いに力を及ぼし合う圧着部を設けたことを特徴とするレーザ書き込み装置。
  2. 請求項1に記載のレーザ書き込み装置において、前記圧着部が前記カバーの重なり合う面に設けられた凸部によって形成されることを特徴とするレーザ書き込み装置。
  3. 請求項1に記載のレーザ書き込み装置において、前記圧着部が前記カバーに形成された山型状の湾曲によって形成されることを特徴とするレーザ書き込み装置。
  4. 請求項1に記載のレーザ書き込み装置において、前記圧着部が重なり合う前記カバー間に挟んだ他の部材によって形成されることを特徴とするレーザ書き込み装置。
  5. 請求項1ないし4の何れかに記載のレーザ書き込み装置において、前記覆い部材が遮音特性の異なる材料で作られた複数のカバーで構成されていることを特徴とするレーザ書き込み装置。
  6. 感光体を有する作像手段と、前記感光体にレーザビームにより光書き込みを行う前記請求項1ないし5の何れかに記載のレーザ書き込み装置とを有することを特徴とする画像形成装置。
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