JP2004361055A - 物品乾燥装置及び物品乾燥方法 - Google Patents

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忠 川村
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Abstract

【課題】本発明は、多量の物品をむらなく高効率に乾燥するとともに、装置のコンパクト化と自動化を実現することができる物品乾燥装置と物品乾燥方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の乾燥装置は、搬送路が、少なくとも、垂直方向に複数段配設した水平搬送路と、隣接する水平搬送路間で容器を移送する段間搬送路と、最下段の水平搬送路から最上段の水平搬送路まで容器を上昇させる上昇搬送路とから構成され、搬送部が、上昇搬送路に沿って上昇させた物品を最上段の水平搬送路に沿って搬送するとともに段間搬送路で一段下の水平搬送路に転送し、次段の水平搬送路では逆方向に搬送し、この転送を少なくとも1回以上繰返すことにより最下段の水平搬送路まで搬送し、最下段の水平搬送路からは上昇搬送路に沿って最上段の水平搬送路まで上昇させることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小魚類の海産物等の物品を乾燥させる物品乾燥装置および物品乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、無端スパイラルコンベア装置を用いて小魚類の海産物等の物品を無端周回搬送しつつ乾燥させる技術が知られている(特許文献1参照)。この技術は、軸芯が垂直方向でスパイラル状に設けられたコンベア案内レールと、コンベア案内レールに沿ってスパイラル状に移動する無端スパイラルコンベアと、無端スパイラルコンベアを無端周回するように走行させる駆動装置とからなる無端スパイラルコンベア装置を用い、この無端スパイラルコンベア装置のスパイラル内側中心部に熱源等を配置して、物品を無端周回搬送しつつ乾燥させるというものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−157820
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来技術においては、コンベアが無端周回するようにコンベアをスパイラル状に配置していたので、水平方向と垂直方向の双方にスペースが必要となり、装置の設置のために広大なスペースを必要とするという問題があった。また、このスペースの大きさの割りには一度に搬送できる物品の量が少なく、高効率の乾燥装置とはなりえないものであった。
【0005】
とくに、ちりめん雑魚等の小魚類や干し海老等の海産物、干瓢等の農産物等を乾燥する場合、急速な乾燥では商品価値がなくなるため、長時間にわたって自然乾燥に近い状態で均一な品質で乾燥させなければならないが、特許文献1の無端スパイラルコンベア装置ではこれを実現できない。すなわち、特許文献1の無端スパイラルコンベア装置の場合、これらの物品は傾斜したスパイラルコンベア上に載置して巡回させる必要があるが、コンベアの折り返し部分が垂直方向に設けられており、このような巡回は不可能である。しかも、傾斜したスパイラルコンベアでは重力と乾燥用の風の作用で物品が転がって均一な厚さの層を形成せず、乾燥にむらができてしまうものであった。
【0006】
さらに、大量の物品を長時間運転して乾燥させるためには自動化が必要である。特許文献1の無端スパイラルコンベア装置では、物品の自動供給と乾燥後の排出の自動化ができない。しかも、海産物は煮釜によって塩分調整を行う必要があるが、こうした装置を設けて自動化することもできない。
【0007】
そこで本発明は、多量の物品をむらなく高効率に乾燥するとともに、装置のコンパクト化と自動化を実現することができる物品乾燥装置を提供することを目的とする。
【0008】
また本発明は、本発明は、多量の物品をむらなく高効率に乾燥するとともに、垂直平面に沿った巡回によって乾燥を行うことができる物品乾燥方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような従来の問題点を解決するため本発明の乾燥装置は、搬送路が、少なくとも、垂直方向に複数段配設した水平搬送路と、隣接する水平搬送路間で容器を移送する段間搬送路と、最下段の水平搬送路から最上段の水平搬送路まで容器を上昇させる上昇搬送路とから構成され、搬送部が、上昇搬送路に沿って上昇させた物品を最上段の水平搬送路に沿って搬送するとともに段間搬送路で一段下の水平搬送路に転送し、次段の水平搬送路では逆方向に搬送し、水平搬送部における搬送方向の反転を伴う搬送と段間搬送路での段間の転送とを少なくとも1回以上繰返すことにより最下段の水平搬送路まで搬送し、該最下段の水平搬送路からは上昇搬送路に沿って最上段の水平搬送路まで上昇させることを特徴とする。
【0010】
これにより、多量の物品をむらなく高効率に乾燥するとともに、装置のコンパクト化と自動化を実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の発明は、物品が載置された複数の容器を巡回させる搬送路と、容器を搬送路に沿って搬送する搬送部と、搬送路を巡回中の物品に熱風を送るために空気を加熱する加熱部と、搬送路の周囲に熱風を供給する送風部を備え、搬送路を巡回中の物品を熱風で乾燥させる物品乾燥装置であって、搬送路が、少なくとも、垂直方向に複数段配設した水平搬送路と、隣接する水平搬送路間で容器を移送する段間搬送路と、最下段の水平搬送路から最上段の水平搬送路まで容器を上昇させる上昇搬送路とから構成され、搬送部が、上昇搬送路に沿って上昇させた物品を最上段の水平搬送路に沿って搬送するとともに段間搬送路で一段下の水平搬送路に転送し、次段の水平搬送路では逆方向に搬送し、水平搬送部における搬送方向の反転を伴う搬送と段間搬送路での段間の転送とを少なくとも1回以上繰返すことにより最下段の水平搬送路まで搬送し、該最下段の水平搬送路からは上昇搬送路に沿って最上段の水平搬送路まで上昇させることを特徴とする物品乾燥装置であるから、物品を載置した容器は水平を保って垂直平面に沿った巡回を行うため、多量の物品をむらなく高効率に乾燥でき、装置のコンパクト化と自動化を実現することができる。
【0012】
本発明の第2の発明は、第1の発明において、搬送部が、複数の容器を連結する無端搬送可撓線状体と、無端搬送可撓線状体を牽引する駆動部から構成され、容器はそれぞれ無端搬送可撓線状体に連結ヒンジを介して回転自在に支持されていることを特徴とする物品乾燥装置であるから、容器の搬送方向が変化しても、容器の搬送中に容器の水平姿勢を維持することができ、垂直平面に沿った巡回が可能になる。
【0013】
本発明の第3の発明は、第2の発明において、容器には搬送方向に向って両側にローラが設けられるとともに、搬送路には、ローラに当接して容器の搬送を案内するレールが設けられたことを特徴とする物品乾燥装置であるから、容器を安定して搬送することができる。
【0014】
本発明の第4の発明は、第3の発明において、容器が搬送方向に向って両側で連結ヒンジを介して無端搬送可撓線状体に支持され、ローラが無端搬送可撓線状体の横幅の内側に配置されていることを特徴とする物品乾燥装置であるから、容器の搬送方向が変化しても容器の水平姿勢を維持することができ、安定かつスムーズに容器を搬送することができる。
【0015】
本発明の第5の発明は、第3または4の発明において、段間搬送路のレールには、ローラが下段側に移行するための開口部が形成されるとともに無端搬送可撓線状体の反転形状と相似の軌道で案内する案内部が形成されていることを特徴とする物品乾燥装置であるから、下段側の水平搬送路への容器の移行をスムーズに行うことができる。
【0016】
本発明の第6の発明は、第1〜5のいずれかの発明において、搬送路には、物品を容器に供給する物品供給部と、乾燥後の物品を容器から排出するための排出部が設けられていることを特徴とする物品乾燥装置であるから、物品供給部と排出部により物品の供給と排出の自動化が可能になる。
【0017】
本発明の第7の発明は、第1〜6のいずれかの発明において、物品が小魚類の海産物であり、水平搬送路の最下段の下方に昇降可能な煮釜部を備えたことを特徴とする物品乾燥装置であるから、小魚類の海産物の塩分調整を行う煮釜部を搬送路中に設けることができ、これによって海産物の塩分調整まで含めた自動化が可能になる。
【0018】
本発明の第8の発明は、第1の発明において、水平搬送路の搬送部が容器の側方に当接して容器を水平方向に一定距離押し出す押し出し部、段間搬送路の搬送部が隣接する水平搬送路間で容器を一段下降させるシフト部、且つ上昇搬送路の搬送部が最下段の水平搬送路から最上段の水平搬送路まで容器を上昇させるリフト部であり、水平搬送路においては押し出し部が発生する力が容器を伝達媒体として他の容器に伝達されることを特徴とする物品乾燥装置であるから、物品を載置した容器は水平を保って垂直平面に沿った巡回を行うため、多量の物品をむらなく高効率に乾燥でき、装置のコンパクト化と自動化、更には装置のメンテナンス容易化を実現することができる。
【0019】
本発明の第9の発明は、第8の発明において、水平搬送路の始端およびまたは終端に容器の有無を検出する容器有無検出センサを備えたことを特徴とする物品乾燥装置であるから、容器同士を無理に干渉させることなく、容器を効率良く搬送することができる。
【0020】
本発明の第10の発明は、物品が載置された容器を搬送部によって最上段の水平搬送路まで上昇搬送路に沿って上昇させ、最上段の水平搬送路では所定方向に搬送するとともに、終端の段間搬送路で一段下の水平搬送路に転送し、次段の水平搬送路では逆方向に搬送して、水平搬送部での搬送方向の反転を伴う往復の搬送と段間搬送路での段間の転送とを少なくとも1回以上繰返すことにより最下段の水平搬送路まで搬送し、最下段の水平搬送路からは上昇搬送路に沿って最上段の水平搬送路まで上昇させ、物品を巡回させながら搬送路の周囲に熱風を供給して物品を乾燥させることを特徴とする物品乾燥方法であるから、多量の物品をむらなく高効率に乾燥するとともに、垂直平面に沿った巡回によって物品を限られたスペース内で乾燥させることができる。
【0021】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態1における物品乾燥装置の正面図、図2(a)は本発明の実施の形態1における容器の斜視図、図2(b)は本発明の実施の形態1における容器の部分拡大図、図3(a)〜(c)は本発明の実施の形態1における搬送方向反転部の拡大図、図4(a)は本発明の実施の形態1における排出部の拡大図、図4(b)は本発明の実施の形態1における排出部の部分断面図である。
【0022】
まず、本発明の実施の形態1における物品乾燥装置の概要について、図面に基づいて説明する。この物品乾燥装置は、物品を収納する容器が巡回する無端の搬送路をいわば折り畳むようにして複数の直線状の経路を形成することによって、装置のコンパクト化を実現するものである。図1は本発明の実施の形態1における物品乾燥装置の正面図である。図1において、1は容器、2はレール、3はコンベアチェーン、4はコンベア用スプロケット、5はリフト部、6は物品供給部、7は排出部、8は煮釜部、9は筐体、10は加熱部、11は送風部である。
【0023】
容器1は、搬送用のパレットや底にメッシュが設けられたセイロなどの、高さが低く底面積の大きな乾燥に適した容器であり、物品としてのちりめん雑魚や煮干等の小魚類の海産物が載置され、収容される。容器1の下方には、容器1を移動可能に支持するレール2が設けられている。容器1の搬送方向に向かって両側であってレール2の外側には、それぞれ無端搬送可撓線状体としてのコンベアチェーン3が設けられている(図2も参照)。コンベアチェーン3には、連結ヒンジを介して複数の容器1が連結されている(詳細は後述)。したがって、容器1は両側に設けられた2本のコンベアチェーン3によって牽引され、搬送される。なお、無端搬送可撓線状体として、ワイヤ、チューブ、ロープ等を使用することも可能である。ワイヤを用いる場合には、耐食性の点から、ステンレス製のワイヤが望ましい。
【0024】
コンベアチェーン3は、複数の案内部材としてのコンベア用スプロケット4に巻回されており、コンベア用スプロケット4に沿って方向を変化させながら搬送路に沿って巡回できるようになっている。コンベア用スプロケット4には、その回転軸と同軸に第1の駆動用スプロケット4Aが設けられ、これが第2の駆動用スプロケット4Bと第1の駆動チェーン3Aを介して連結されている。また、第2の駆動用スプロケット4Bの回転軸と同軸に第3の駆動用スプロケット4Cが設けられ、これが第4の駆動用スプロケット4Dと第2の駆動チェーン3Bを介して連結されている。さらに、第4の駆動用スプロケット4Dの回転軸には、モータ4Eが設けられているので、モータ4Eの回転が、各スプロケットとチェーンを介して、コンベアチェーン3に伝達するようになっている。したがって、モータ4Eはコンベアチェーン3を牽引する駆動部となる。そして、コンベアチェーン3と駆動部は容器1を搬送する搬送部を構成する。なお、この物品乾燥装置には、同様の駆動部が複数箇所(実施の形態1では4箇所)設けられている。これにより、コンベアチェーン3を安定して駆動するのに十分な駆動トルクを確保することができる。また、コンベアチェーン3のほぼ全面にわたって複数の容器1が連結されている。これにより、容器1に収容された物品の乾燥を効率良く行うことができる。
【0025】
コンベアチェーン3の無端の搬送路は、コンベア用スプロケット4間に形成され垂直方向に複数段(実施の形態1では14段)配設された直線状の水平搬送路と、水平搬送路の終端に形成されコンベア用スプロケット4により隣接する水平搬送路間で容器1を移送する段間搬送路と、最下段の水平搬送路から最上段の水平搬送路まで容器1を上昇させる上昇搬送路とから構成されている。すなわち、搬送路は、少なくとも、垂直方向に複数段配設した水平搬送路と、隣接する水平搬送路間で容器を移送する段間搬送路と、最下段の水平搬送路から最上段の水平搬送路まで容器を上昇させる上昇搬送路とから構成されている。
【0026】
コンベア用スプロケット4は、容器1を段間搬送路に沿って一段下の水平搬送路に転送するとともに容器1の搬送方向を反転させる搬送方向反転部となっている。水平搬送路の最下段の終端から最上段の始点まで容器1を横断して上昇させるリフト部5は、上昇搬送路に沿って容器1を上昇させる。無端の搬送路をこのように構成することによって、物品を載置した容器は水平を保って垂直平面に沿った巡回を行うため、乾燥装置の設置に必要となる平面的なスペースをコンパクトにすることができ、さらに、乾燥すべき物品の量が増加した場合には、物品乾燥装置を横方向に増設することによって、複数の巡回路が垂直平面に沿って複数列設けられた乾燥装置として大量の物品を同時に乾燥することができる。物品供給部6は、所望のタイミングで容器1に物品を供給する。排出部7は、乾燥が完了した物品を容器1から排出する。物品供給部6と排出部7により、物品の供給と排出の自動化が可能になる。
【0027】
熱湯を貯留する煮釜部8は、塩分調整を行うために小魚類等の海産物を熱湯に通して煮沸する。煮釜部8は、シリンダ等で構成される昇降部8aにより昇降できるようになっている。加熱部10は、ヒータ、熱交換器等で構成され、搬送路を巡回中の物品に熱風を送るために空気を加熱する。送風部11は、ファン等で構成され、搬送路の周囲に熱風を供給する。本実施の形態1においては、加熱部10側から空気を吸引することによって、搬送路の周囲に熱風を供給する。カバー部材11aは、搬送路の周囲を取り囲み、搬送路の周囲に熱風の流れを形成する。排気口11bは、熱風を排気する。
【0028】
ここで実施の形態1の物品乾燥装置の制御について説明する。物品乾燥装置の図示しない制御部は、CPU等にプログラムを読み込んで機能する手段として構成される。制御部は、ハードディスク、RAM等からなる記憶部(図示しない)に予め記憶された制御プログラムやデータに基づいて、モータ4E、物品供給部6、排出部7、煮釜部8、加熱部10、送風部11等を制御する。この制御部による自動制御によって、物品の乾燥の自動化が可能になる。
【0029】
すなわち、物品乾燥装置では乾燥させるための物品の供給量、物品の種類、乾燥の程度、塩分濃度の調整等を行う必要があり、制御部は、制御盤(図示しない)からこれらの条件が入力されると、(1)モータ4Eの回転・停止・回転速度等、(2)物品供給部6の供給タイミング等、(3)排出部7の排出タイミング等、(4)煮釜部8の熱湯温度・昇降タイミング等、(5)加熱部10の温度等、(6)送風部11の送風量等、を記憶部に記憶された制御テーブルから選択し、これに従って後は全自動で制御する。このとき、制御部で物品供給部6と排出部7を共に制御することにより、物品の供給量と排出量のバランスをとることが可能になる。もちろん、全自動から手動操作に切り替える旨の入力を作業者が制御盤から制御部に行うことにより、作業者が手動操作によって各部を任意に動作させることもできるようになっている。
【0030】
次に、図2を参照して、容器1とその周辺部について説明する。図2(a)は本発明の実施の形態1における容器の斜視図、図2(b)は本発明の実施の形態1における容器の部分拡大図である。容器1は、物品を載置・収容する凹部が形成された収容部1aを主体として構成されている。収容部1aは、食品等の物品を保持しつつも気体や液体が通過可能な孔が多数形成されたメッシュ状の素材で構成されており、上述のセイロである。容器1の搬送方向に向かって両側面の長手方向中央部には、コンベアチェーン3に設けられた連結金具3aと連結する連結ヒンジ1bが設けられている。連結ヒンジ1bは連結金具3aに対し回転自在となっている。したがって、容器1は、連結ヒンジ1bを軸として、コンベアチェーン3に対し回転自在に連結されている。これにより、コンベアチェーン3がコンベア用スプロケット4に巻回されて方向を変えた場合でも、容器1は水平姿勢を保つことが可能となっている。なお、連結ヒンジ1bが、容器1の両側面の長手方向中央部(容器1の重心位置)に設けられていることから、容器1の左右方向のバランスは保たれている。これにより、容器1は、回転自在ではあるものの、コンベアチェーン3に略水平な姿勢で保持される。したがって、容器の搬送方向が変化しても、容器の搬送中に容器の水平姿勢を維持することができる。なお、容器1は開口していない底部側に重心が位置している。これにより、水平姿勢の場合、開口した収容部1aが上方を向くようになっており、収容部1aに向けて物品を供給可能な状態になっている。さらに、容器1の搬送方向に向かって両側面には連結ヒンジ1bを中心として長手方向に対称位置にローラ1cが4箇所(片面2箇所)設けられている。このローラ1cに下方から当接するようにレール2が設けられており、搬送中はレール2がローラ1cを介して容器1を支持してその回転を拘束するので、容器1はバランスを崩さずに安定して搬送されるようになっている。
【0031】
次に、図2(a)(b),3を参照して、段間搬送路に設けられた搬送方向反転部について説明する。図3(a)〜(c)は本発明の実施の形態1における搬送方向反転部の拡大図である。移送反転部のレールには、ローラ1cが通過する通過口2aと、ローラ1cを次段の水平搬送路に円滑に案内する案内部材としての曲面部2bが形成されている。通過口2aは、ローラ1cが下段側の水平搬送路に移行するための開口部となっており、また、曲面部2bは、段間搬送路におけるコンベアチェーン3の反転形状と相似の軌道で容器1を案内する形状になっている。図3(a)のように左方から右方へ搬送されてきた容器1においては、まず、進行方向へ向かって前方(図面の右側)のローラ1cが、通過口2aを乗り越える。前述のように容器1の左右方向のバランスは保たれており、また、搬送の際にはある程度の慣性があるので、このようにわずかな隙間である通過口2aを乗り越えることが可能である。次に、図3(b)のように進行方向へ向かって後方(図面の左側)のローラ1cが通過口の上方に位置すると、容器1はコンベア用スプロケット4の時計廻りの回転動作により一段下の水平搬送路に転送される。このときに容器1の全てのローラ1cが通過口2aを通過するとともに、前方のローラ1cは曲面部2bに沿ってスムーズに案内される。このように、案内部としての曲面部2bが形成されていることによって、下段側の水平搬送路への容器の移行をスムーズに行うことができる。
【0032】
なお、前述のようにコンベアチェーン3はレール2の外側に設けられており、レール2に接触可能な位置にローラ1cが設けられているので、容器1を一段下の水平搬送路に転送する動作の際に、ローラ1cとコンベアチェーン3とが干渉することはない。これにより、容器の搬送方向が変化しても安定かつスムーズに容器を搬送することができる。次に、図3(c)のように容器1の一段下の水平搬送路への転送が完了すると、容器1はコンベア用スプロケット4により搬送方向を反転されて逆方向(左方)へ搬送される。このようにコンベア用スプロケット4は、水平搬送路の終端に設けられ容器1を一段下の水平搬送路に転送するシフト部としての機能を有するとともに、搬送方向を反転させる機能をも兼ね備えている。
【0033】
次に、図4(a)(b)を参照して排出部の構成について説明する。図4(a)は本発明の実施の形態1における排出部の拡大図、図4(b)は本発明の実施の形態1における排出部の部分断面図である。排出部7は、乾燥が完了した物品を容器1から排出する機能を有しており、水平搬送路の最下段の終端から最上段の始点まで容器1を横断して上昇させるリフト部5の下方部分に設けられている。排出部7は、ローラ1cと接離可能に移動でき左上がりに設けられたレール2Aと、レール2Aの近傍にシリンダ(図示しない)の突没動作により容器1に干渉可能に設けられたストッパー7aと、レール2Aの下方に設けられた物品回収ボックス7bと、レール2Aの左上方に設けられ支点Pを回転中心として揺動するレール2Bとからなっている。なお、図4(b)に示したように、レール2Aは、容器1の両側に設けられた支点Qを回転中心として揺動することによってローラ1cと接離可能に移動できるようになっている。ここで、レール2A及びレール2Bは、排出動作をしない場合にはローラ1cに当接することによって容器1の姿勢を水平方向に安定させ、排出動作をする場合には容器1に干渉しない位置に退避する機能を有している。
【0034】
次に、排出動作について説明する。水平搬送路の最下段の終端に達した容器1は、まず、レール2Aに沿って上昇する。この際、容器1に収容された物品の乾燥が完了している場合には、制御部がストッパー7aの駆動部(図示しない)に指令を与えることにより、このストッパー7aが容器1に干渉する位置まで突出する。上昇中の容器1の進行方向向かって前方部分がストッパー7aに干渉すると、容器1の移動は阻害されるが、容器1は引き続きコンベアチェーン3によって牽引されるので、容器1は連結ヒンジ1bを回転軸として、反時計廻りに回転する。この回転動作に伴い、容器1の収容部1aに収容されていた物品は、物品回収ボックス7bに向かって落下することによって排出され、回収される。
【0035】
回転した容器1は慣性によりさらに回転を続け、進行方向向かって後方のローラ1cがレール2Aに衝突し、その反動で容器1は反転すなわち時計廻りに回転する。ここで、後方のローラ1cがレール2Aに衝突した後、制御部がレール2Aの駆動部(図示しない)に指令することによって、容器1の両側のレール2Aをローラ1cと干渉しない位置へ移動させる。すると、容器1は連結ヒンジ1bを回転軸として慣性により揺動しつつ元の姿勢(収容部1aを上方へ向けた状態)に戻ろうとする。次いで、図示しないセンサが容器1を検出した後、その検出信号が制御部に伝達される。この検出信号に応じて制御部がレール2Bの駆動部(図示しない)に指令することによって、レール2Bが支点Pを回転中心として上方へ移動し、進行方向向かって前方のローラ1cに、制御部から指令された動作速度パターンに基づいて、ゆっくりとソフトに当接して、容器1の姿勢を水平方向に安定させる。姿勢を水平方向に安定させた容器1は、リフト部5によって引き続き上方へ搬送される。なお、排出動作をしない場合には、レール2A及びレール2Bはローラ1cに当接する位置で静止しており、ローラ1cに当接することによって容器1の姿勢を水平方向に安定させるようになっている。
【0036】
次に、本発明の実施の形態1における物品乾燥装置の動作について図1を参照して説明する。まず、作業者が制御盤から乾燥のための条件を入力し、制御をスタートさせると、これに従って制御部の制御が開始され、物品供給部6が、容器1の収容部1aへ小魚類の海産物を供給する。なお、作業者の手動操作によるときは物品乾燥装置をスタートさせ、作業者が物品供給部6を動作させる。海産物を供給されて海産物を収容した容器1はコンベア用スプロケット4により最下段の水平搬送路に送られさらに搬送方向を反転させて右方から左方へ送られる。この時、煮釜部8が昇降部8aにより持ち上げられ、容器1に収容された海産物が煮釜部8内の塩分調整のために煮沸される。煮釜部8は、新たに供給された海産物を収容した容器1が搬送されてきた場合にはそれを煮沸するために上昇するが、既に乾燥中(巡回中)であって塩分調整の必要がない海産物が搬送されてきた場合にはその乾燥を妨げないように下降するようになっている。
【0037】
この水平搬送路の最下段の下方に昇降可能な煮釜部8を備えることにより、小魚類の海産物の供給から煮沸、釜上げまで乾燥装置を自動化することができる。海産物の供給の仕方は、煮釜部8の長さに対応する個数の容器1に載置できる量の海産物を1回に載置する量として供給し、これを煮沸、釜揚げし、さらに必要回数これを繰り返して何度か煮沸、釜揚げを繰返すことで行う。なお、釜揚げ後または巡回中、水平搬送路の最下段の終端に達した容器1は、排出部7を経て、リフト部5によって最上段の始端まで上昇搬送路に沿って上昇される。
【0038】
上昇搬送路に沿って上昇させた後、最上段の水平搬送路では搬送部が所定方向に搬送し、さらに終端の段間搬送路で一段下の水平搬送路に転送し、次段の水平搬送路では逆方向に搬送される。このような水平搬送部における反転を伴う搬送と段間搬送路での段間の転送とを少なくとも1回以上繰返し、物品供給部6を通過して最下段の水平搬送路まで搬送し、さらに排出せずに排出部7を通過して、再び最下段の水平搬送路から上昇搬送路に沿って最上段の水平搬送路まで上昇させ、物品を巡回させながら搬送路の周囲に熱風を供給して物品を乾燥させる。乾燥時間が経過すると、制御部または作業者は手動で、乾燥が完了した物品は排出部7から排出する。このような動作により、実施の形態1の物品乾燥装置は、物品を限られたスペース内で乾燥することができる。
【0039】
(実施の形態2)
続いて本発明の実施の形態2について、図面に基づいて説明する。図5は本発明の実施の形態2における物品乾燥装置の概略正面図、図6(a)は本発明の実施の形態2における容器および水平搬送路の斜視図、図6(b)は本発明の実施の形態2における容器および水平搬送路の断面図、図7は本発明の実施の形態2における搬送部およびシフト部の斜視図、図8は本発明の実施の形態2における機能ブロック図、図9(a)から図9(i)は本発明の実施の形態2における搬送動作の動作説明図である。
【0040】
まず、本発明の実施の形態2における物品乾燥装置について、図面に基づいて説明する。この物品乾燥装置は、実施の形態1と同様に、物品を収納した容器が周回する無端の搬送路をいわば折り畳むようにして複数の直線状の経路を形成することによって装置のコンパクト化を実現するものであり、さらに加えて、各経路にそれぞれ独立した移送機構部(後述する搬送部、シフト部、リフト部)を設けることによって、装置のメンテナンス容易化を実現するものである。
【0041】
図5は本発明の実施の形態2における物品乾燥装置の概略正面図である。図5において、21は容器、22は水平搬送路、23は搬送部、24はシフト部、25はリフト部、27は容器有無センサ、28は温度センサ、29は筐体、30は加熱部、31は送風部、36は物品供給部、37は排出部、38は煮釜部である。
【0042】
案内レールからなる水平搬送路22は、搬送用のパレットや底にメッシュが設けられたセイロなどの、高さが低く底面積の大きな乾燥に適した容器21を搬送する際の搬送路の一部を構成している。容器21は、物品としてのちりめん雑魚や煮干等の小魚類の海産物を載置し、収容する。なお、搬送路は、少なくとも、垂直方向に複数段配設した水平搬送路と、隣接する水平搬送路間で容器を移送する段間搬送路と、最下段の水平搬送路から最上段の水平搬送路まで容器を上昇させる上昇搬送路とから構成されている。ここで水平搬送路22は、容器21を略水平方向に案内するものであればよく、ベルトコンベアや単なる板材で構成しても構わない。
【0043】
この水平搬送路22は、垂直方向に複数段(実施の形態2では4段)積み重ねられた状態で配列されている。このように水平搬送路22を垂直方向に複数段積み重ねた構成にしたので、乾燥装置の設置に必要となる平面的なスペースをコンパクトにすることができ、さらに、乾燥すべき物品の量が増加した場合には、物品乾燥装置を横方向に増設できるようになっている。リフト部25は、水平搬送路22の側方の上昇搬送路に設けられており、容器21を水平搬送路22の最下段の終端から最上段の始端まで横断して上昇させる機能を有するものである。リフト部25は、駆動回転部25aと従動回転部25bとに巻回されたベルト25cと、駆動回転部25aを駆動するリフト部駆動モータ25dと、ベルト25cに設けられ容器21を保持する容器保持部25eで構成されている。したがって、リフト部駆動モータ25dが駆動することによって容器保持部25eは上下に移動するようになっており、容器保持部25eに保持された容器21は、水平搬送路22の最下段から最上段まで横断して搬送されるようになっている。なお、容器保持部25eが水平搬送路22の最下段の終端または最上段の始端に対応する位置にある場合には、容器保持部25eは、水平搬送路22の一部を構成する。
【0044】
搬送部23は、水平搬送路22において容器21を上流側から下流側に搬送する機能を有するものである。搬送部23は、ベルトコンベア等で構成してもよいが、ここでは後述する押し出し部26を採用している。押し出し部26は、各水平搬送路の始端(上流側の端部)に設けられている。シフト部24は、水平搬送路の終端(下流側の端部)に設けられ容器21を1段下の水平搬送路22へシフトする機能を有するものであり、詳細は後述する。容器有無センサ27は、容器が送り込まれようとする位置に、既に容器が存在しているか否かといった容器の有無を検出するセンサである。加熱部30は、容器21に収容された食品等の物品を加熱して乾燥させるためのものであり、ヒータ、熱交換機等で構成される。送風部31は、筐体29の内部の空気を循環させるためのものであり、ファン等で構成される。温度センサ28は、物品乾燥装置内部の温度を検出する。物品供給部36、排出部37、煮釜部38および昇降部38aは、実施の形態1に示した同一名称のものと同様の機能を有するものである。なお、排出部37では、容器21に載置された物品を、図示しないハンドリング機構によって、容器21ごと排出するようになっている。
【0045】
図6(a)は本発明の実施の形態2における容器および水平搬送路の斜視図、図6(b)は本発明の実施の形態2における容器および水平搬送路の断面図である。容器21は上述のセイロであって、物品を収容する凹部が形成された収容部21aを主体として構成されている。収容部21aは、食品等の物品を保持しつつも気体や液体が通過可能な孔が多数形成された素材で構成されている。収容部21aにはブラケット21dが設けられており、ブラケット21dにはローラ21bが軸部21cを介して回転自在に設けられている。さらに、ローラ21bは水平搬送路22に沿って移動可能となっている。すなわち、ローラ21bが設けられた容器21は、水平搬送路22に沿って水平方向に移動可能となっている。
【0046】
図7は本発明の実施の形態2における搬送部およびシフト部の斜視図である。搬送部23としての押し出し部26は、水平搬送路に設けられており、駆動回転部26bと従動回転部26cとに巻回されたベルト26aと、駆動回転部26bを駆動するモータ26dと、ベルト26aに立設され容器21の側方に当接する当接部材26eで構成されている。したがって、モータ26dが駆動することによって当接部材26eは左右に移動するようになっており、押し出し部26の当接部材26eが容器21の側方に当接して容器21を水平方向に一定距離(当接部材26eの移動ストローク分)押し出すようになっている。なお、押し出し手段として、突没するロッドを有するシリンダ横向きに配置したものを採用してもよい。この場合、ロッドの先端部が容器21の側方に当接する当接部材に相当することとなる。なお、図5に示すリフト部25のベルト25cは押し出し部26との干渉をさけるような形態となっており、実施の形態2の場合は、ベルト25cは押し出し部26との干渉を避けるように間を空けて2本配置されている。この2本のベルト25cは相互に同期した状態で回転するようになっている。
【0047】
シフト部24は、段間搬送路に設けられており、シリンダ24bのロッドの先端に容器21を支持する支持部材24aを有している。したがって、シリンダ24bのロッドを没入させることによって、支持部材24aに支持された容器21を一段下の水平搬送路22へシフトすることができるようになっている。また、支持部材24aの中央部は大きく開口しており、前述した当接部材26eとの干渉を回避した形状になっている。さらに、水平搬送路22において、シフト部24が設けられている位置に相当する部分は、上方が開口している。これにより、上方から移送されてくる容器21のローラ21b(図6参照)と水平搬送路22との干渉を回避することができ、容器21が一段下の水平搬送路22へ円滑にシフトできるようになっている。
【0048】
次に、本発明の実施の形態2における物品乾燥装置の制御系について説明する。本発明における物品乾燥装置は、記憶部やCPU等から構成された制御部による自動制御で物品の乾燥作業を効率良く実現するものである。図8は本発明の実施の形態2における機能ブロック図である。実施の形態1と同様に、制御部32は記憶部33に記憶された制御プログラムやデータをCPU等に読み込んで物品乾燥装置の制御を行い、ソフトウェア的な機能実現手段としての移送機構制御部32a、移送可否判断部32b、および温度制御部32c等が設けられている。そして、記憶部33には、機構制御プログラム記憶部33a、温度制御プログラム記憶部33b、およびデータ記憶部33c等が設けられている。
【0049】
移送機構制御部32aは、機構制御プログラム記憶部33aに記憶された機構制御プログラムに基づいて、搬送部23、シフト部24およびリフト部25から構成される移送機構部を制御し、この制御に際し、望ましくは移送可否判断部32bの情報を用いる。容器が送り込まれようとする位置に、既に容器が存在しているか否かといった容器の有無を検出するセンサである容器有無センサ27から信号を得た移送可否判断部32bは、容器有りの場合は移送不可能と判断し、容器無しの場合は移送可能と判断する。この判断情報に基づいて上流側の搬送部23等の移送機構部を動作させる。
【0050】
このように移送可否判断部32bの判断情報に基づいて移送機構制御部32aが機構部の制御を行うようにすれば、容器が存在する位置にさらに容器を送り込むことによって容器同士が干渉することによる容器21または搬送部23等の破損を回避することができて望ましい。すなわち、水平搬送路22の始端およびまたは終端に容器21の有無を検出する容器有無センサ27を備えることにより、容器同士を無理に干渉させることなく、容器を効率良く搬送することができる。なお、途中で容器21を追加したり容器が搬送路に詰まるジャミングが生じたりすることなく、予め定められた手順通りに装置が稼動しているような場合には、容器有無センサ27や移送可否判断部32bは、必須のものではない。
【0051】
温度制御部32cは、温度制御プログラム記憶部33bに記憶された温度制御プログラムに基づいて、加熱部30や送風部31を制御し、この制御に際し望ましくは温度センサ28から得られる情報を用いることにより、筐体29内部の温度を高精度に制御する。データ記憶部33cには、容器21の搬送サイクルや容器21に収容された物品の乾燥時間等が記憶される。なお、物品供給部36、排出部37、煮釜部38の制御も制御部32によって行われる。
【0052】
続いて、実施の形態2の物品乾燥装置の動作について説明する。図9(a)から図9(i)は本発明の実施の形態2における搬送動作の動作説明図である。この搬送動作は、各搬送路において、始端(容器の搬送の流れにおける上流側の端部)に容器21が存在し且つ終端(下流側の端部)に容器が存在しない場合に、終端に容器を送り込むものである。なお、搬送動作中には、加熱部30と送風部31が制御部32に制御されつつ稼動している。まず、図9(a)の状態では、最上段の上流側の端部(A部)に容器が存在し且つ下流側の端部(B部)に容器が存在しないので、A部の押し出し部26が、B部に容器を送り込む。ここでは、A部の押し出し部26がA部にある容器を押し出し、その容器が隣の容器を押し出し、さらに押し出されたその容器が隣の容器を押し出すことにより、B部に容器を送り込むようになっている。
【0053】
すなわち、水平搬送路22において押し出し部26が発生する力を容器を伝達媒体として他の容器に伝達するようになっている。この構成によると、水平方向への一定距離のストローク(容器一つ分のストローク)を有する押し出し部26を設け、この押し出し部26が容器21を1つづつ順次押し出す動作を繰り返し、容器21をステップ送りすることにより、その一定距離以上離れた位置まで容器を送り込むことができるので、物品乾燥装置の更なるコンパクト化が実現可能となり望ましい。なお、押し出し部26を採用せずに、搬送部としてベルトコンベア等を採用した場合であっても、従来技術と比較すれば、物品乾燥装置のコンパクト化は十分可能である。
【0054】
図9(b)以降においても、図9(a)と同様の動作を行う。図9(b)では、リフト部25を駆動して容器21を上昇させることによってA部に容器21を送り込む。図9(c)では、押し出し部26を動作させてC部に容器21を送り込む。図9(d)では、シフト部24を動作させて容器21を下方にシフトすることによってD部に容器1を送り込む。この後、容器21との干渉を回避しつつシフト部24は上方に戻る。具体的には、シフト部24のー24cのロッド24dを突出させることによって、ロッド24dに連結されたシリンダ24bを介して支持部材24aを水平搬送路22の外へ移動させ、次いでシリンダ24bを突出させ支持部材24aを下方の水平搬送路22より上方に位置させた後、シリンダ24cのロッド24dを没入させる(図4参照)。
【0055】
図9(e)では、押し出し部26を動作させてE部に容器1を送り込む。図9(f)では、シフト部24を動作させて容器21を下方にシフトすることによってF部に容器21を送り込む。この後、水平搬送路22との干渉を回避しつつシフト部24は上方に戻る。図9(g)では、押し出し部26を動作させてG部に容器21を送り込む。図9(h)では、シフト部24を動作させて容器21を下方にシフトすることによってH部に容器21を送り込む。この後、容器21との干渉を回避しつつシフト部24が上方に復帰すると、図9(i)となり、すなわち図9(a)の状態に戻る。これを繰り返すことによって容器21に収容された物品を巡回させながら加熱して乾燥させるのである。
【0056】
また、水平方向に並べる容器21の数量を変更した場合でも、垂直方向に複数段積み重ねる水平搬送路22の段数を変更した場合でも、同様の動作を行うことによって、容器21に収容された物品を巡回させながら加熱して乾燥させる。なお、この移送動作において、搬送部23等の移送機構部の制御は、制御部32が行っている。また、物品の供給、排出、塩分調整は、物品供給部36、排出部37、煮釜部38によって、実施の形態1と同様に行われる。
【0057】
なお、上記実施の形態1および2において、物品の好適な例として、ちりめん雑魚や煮干等の小魚類の海産物を採用したが、物品はこれに限られるものではなく、海産物以外の食品や、食品以外であっても乾燥を必要とする全ての物を含む概念である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の物品乾燥装置によれば、上昇搬送路に沿って上昇させた物品を最上段の水平搬送路に沿って搬送するとともに段間搬送路で一段下の水平搬送路に転送し、次段の水平搬送路では逆方向に搬送し、水平搬送部での搬送方向の反転を伴う往復の搬送と段間搬送路での段間の転送とを少なくとも1回以上繰返すから、物品を載置した容器は水平を保って垂直平面に沿った巡回を行うため、多量の物品をむらなく高効率に乾燥でき、装置のコンパクト化と自動化を実現することができる。
【0059】
本発明の物品乾燥方法によれば、物品が載置された容器を最上段の水平搬送路まで上昇搬送路に沿って上昇させ、最上段の水平搬送路では所定方向に搬送するとともに、終端の段間搬送路で一段下の水平搬送路に転送し、次段の水平搬送路では逆方向に搬送して、反転を伴う往復の搬送と段間の転送とを少なくとも1回以上繰返すから、多量の物品をむらなく高効率に乾燥するとともに、垂直平面に沿った巡回によって物品を限られたスペース内で乾燥させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における物品乾燥装置の正面図
【図2】(a)本発明の実施の形態1における容器の斜視図
(b)本発明の実施の形態1における容器の部分拡大図
【図3】(a)〜(c)本発明の実施の形態1における搬送方向反転部の拡大図
【図4】(a)本発明の実施の形態1における排出部の拡大図
(b)本発明の実施の形態1における排出部の部分断面図
【図5】本発明の実施の形態2における物品乾燥装置の概略正面図
【図6】(a)本発明の実施の形態2における容器および水平搬送路の斜視図
(b)本発明の実施の形態2における容器および水平搬送路の断面図
【図7】本発明の実施の形態2における搬送部およびシフト部の斜視図
【図8】本発明の実施の形態2における機能ブロック図
【図9】(a)〜(i)本発明の実施の形態2における搬送動作の動作説明図
【符号の説明】
1,21 容器
1a,21a 収容部
1b 連結ヒンジ
1c ローラ
2、2A,2B レール
2a 通過口
2b 曲面部
3 コンベアチェーン
3a 連結金具
3A 第1の駆動チェーン
3B 第2の駆動チェーン
4 コンベア用スプロケット
4A 第1の駆動用スプロケット
4B 第2の駆動用スプロケット
4C 第3の駆動用スプロケット
4D 第4の駆動用スプロケット
4E モータ
5、25 リフト部
6、36 物品供給部
7、37 排出部
7a ストッパー
7b 物品回収ボックス
8、38 煮釜部
8a、38a 昇降部
9、29 筐体
10、30 加熱部
11、31 送風部
11a カバー部材
11b 排気口
21b ローラ
21c 軸部
21d ブラケット
22 水平搬送路
23 搬送部
24 シフト部
24a 支持部材
24b、24c シリンダ
24d ロッド
25a 駆動回転部
25b 従動回転部
25c ベルト
25d リフト部駆動モータ
25e 容器保持部
26 押し出し部
26a ベルト
26b 駆動回転部
26c 従動回転部
26d モータ
26e 当接部材
27 容器有無センサ
28 温度センサ
32 制御部
32a 移送機構制御部
32b 移送可否判断部
32c 温度制御部
33 記憶部
33a 機構制御プログラム記憶部
33b 温度制御プログラム記憶部
33c データ記憶部

Claims (10)

  1. 物品が載置された複数の容器を巡回させる搬送路と、前記容器を前記搬送路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送路を巡回中の物品に熱風を送るために空気を加熱する加熱部と、前記搬送路の周囲に熱風を供給する送風部を備え、前記搬送路を巡回中の物品を熱風で乾燥させる物品乾燥装置であって、
    前記搬送路が、少なくとも、垂直方向に複数段配設した水平搬送路と、隣接する水平搬送路間で容器を移送する段間搬送路と、最下段の水平搬送路から最上段の水平搬送路まで前記容器を上昇させる上昇搬送路とから構成され、
    前記搬送部が、前記上昇搬送路に沿って上昇させた物品を前記最上段の水平搬送路に沿って搬送するとともに前記段間搬送路で一段下の水平搬送路に転送し、次段の水平搬送路では逆方向に搬送し、水平搬送部における搬送方向の反転を伴う搬送と前記段間搬送路での段間の転送とを少なくとも1回以上繰返すことにより最下段の水平搬送路まで搬送し、該最下段の水平搬送路からは前記上昇搬送路に沿って前記最上段の水平搬送路まで上昇させることを特徴とする物品乾燥装置。
  2. 前記搬送部が、複数の容器を連結する無端搬送可撓線状体と、該無端搬送可撓線状体を牽引する駆動部から構成され、前記容器はそれぞれ前記無端搬送可撓線状体に連結ヒンジを介して回転自在に支持されていることを特徴とする請求項1記載の物品乾燥装置。
  3. 前記容器には搬送方向に向って両側にローラが設けられるとともに、前記搬送路には、該ローラに当接して前記容器の搬送を案内するレールが設けられたことを特徴とする請求項2記載の物品乾燥装置。
  4. 前記容器が搬送方向に向って両側で前記連結ヒンジを介して前記無端搬送可撓線状体に支持され、前記ローラが該無端搬送可撓線状体の横幅の内側に配置されていることを特徴とする請求項3記載の物品乾燥装置。
  5. 前記段間搬送路のレールには、前記ローラが下段側に移行するための開口部が形成されるとともに前記無端搬送可撓線状体の反転形状と相似の軌道で案内する案内部が形成されていることを特徴とする請求項3または4記載の物品乾燥装置。
  6. 前記搬送路には、物品を容器に供給する物品供給部と、乾燥後の物品を容器から排出するための排出部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の物品乾燥装置。
  7. 前記物品が小魚類の海産物であり、前記水平搬送路の最下段の下方に昇降可能な煮釜部を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の物品乾燥装置。
  8. 前記水平搬送路の搬送部が前記容器の側方に当接して該容器を水平方向に一定距離押し出す押し出し部、前記段間搬送路の搬送部が隣接する水平搬送路間で前記容器を一段下降させるシフト部、且つ前記上昇搬送路の搬送部が最下段の水平搬送路から最上段の水平搬送路まで前記容器を上昇させるリフト部であり、前記水平搬送路においては前記押し出し部が発生する力が前記容器を伝達媒体として他の容器に伝達されることを特徴とする請求項1記載の物品乾燥装置。
  9. 前記水平搬送路の始端およびまたは終端に容器の有無を検出する容器有無検出センサを備えたことを特徴とする請求項8記載の物品乾燥装置。
  10. 物品が載置された容器を搬送部によって最上段の水平搬送路まで上昇搬送路に沿って上昇させ、前記最上段の水平搬送路では所定方向に搬送するとともに、終端の段間搬送路で一段下の水平搬送路に転送し、次段の水平搬送路では逆方向に搬送して、前記水平搬送部での搬送方向の反転を伴う往復の搬送と前記段間搬送路での段間の転送とを少なくとも1回以上繰返すことにより最下段の水平搬送路まで搬送し、該最下段の水平搬送路からは前記上昇搬送路に沿って前記最上段の水平搬送路まで上昇させ、物品を巡回させながら搬送路の周囲に熱風を供給して物品を乾燥させることを特徴とする物品乾燥方法。
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