JP2004360201A - 開口部装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】枠2内に引違いに内外の障子3,4を設け、下枠2aの上面を略平坦面に形成し、内障子3の室外側下部と外障子4の室内側下部または室外側下部に垂下片17,18を設け、下枠2bの上面に各垂下片17,18を案内する案内溝20,21を設け、各案内溝20,21に閉鎖位置の各障子3,4の垂下片17,18との間を封止する横気密材42,43を設け、縦枠2c、2dに各障子3,4の戸先部との間を封止する縦気密材46,49を設け、下枠2bの端部に内障子用の横気密材42と縦気密材46とを連結する下枠立上り気密部47を設けると共に、内障子3の戸先部下部に下枠立上り気密部47に当接して下枠立上り気密部47との間を封止する戸先部下部気密部62を設ける。
【選択図】 図13
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、開口部装置に係り、特に下枠の上面がバリアフリーの略平坦面に形成されていると共に内障子の室外側下部に垂下片を有している開口部装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
開口部装置としては、例えば特許文献1に記載されているように、建築物の屋外開口部に設けられる上下枠及び左右の縦枠からなる枠と、該枠内の前記下枠上に戸車を介して左右方向に引違いにスライド開閉可能に設けられた内外の障子とを備え、前記下枠の上面を略平坦面に形成し、各障子の室内側下部に垂下片を設け、前記下枠の上面に前記垂下片を案内する案内溝を設け、各案内溝には各障子の垂下片との間を封止する横気密材を設けたバリアフリー構造の下枠フラットサッシ(下枠上面に突出したレールが無いのでノンレールサッシともいう)が知られている。
【0003】
このサッシの場合、内障子の室内側下部に垂下片が設けられている構造上、下枠上面の戸車走行ラインを召し合せ部下部の気密ラインが横切るため、召し合せ部下部の気密、水密構造が複雑になる。特に戸車走行ラインには排水用の開口部を設けることができないので、気密ライン手前で確実に水を切ることが難しく、水密性の安定度が低い。
【0004】
一方、下枠フラットサッシとしては、内障子の室外側下部と外障子の室内側下部に垂下片を設け、下枠の上面に各垂下片を案内する案内溝を設けたものが本出願人により提案されている。このサッシの場合、内障子の室外側下部に垂下片を設けているため、下枠上面における内障子の戸車走行ラインと召し合せ部下部の気密ラインとを分離することができ、召し合せ部下部の気密、水密構造を簡素化することが可能である。なお、縦枠には各障子の戸先部との間を封止する縦気密材が設けられる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−227537号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記サッシの場合、内障子の室外側下部に垂下片を設けた構造上、内障子側の横気密材による横気密ラインと縦気密材による縦気密ラインとが離れてしまい、気密性を得ることが難しいという問題がある。
【0007】
本発明は、前記事情を考慮してなされたもので、内障子側の横気密ラインと縦気密ラインとを連続させることができ、気密性の向上が図れる開口部装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上下枠及び左右の縦枠からなる枠と、該枠内に引違いに開閉可能に設けられた内外の障子とを備え、前記下枠の上面を略平坦面に形成し、内障子の室外側下部と外障子の室内側下部または室外側下部に垂下片を設け、下枠の上面に各垂下片を案内する案内溝を設け、各案内溝に閉鎖位置の各障子の垂下片との間を封止する横気密材を設けると共に、縦枠に各障子の戸先部との間を封止する縦気密材を設け、前記下枠の端部に内障子用の横気密材と縦気密材とを連結する下枠立上り気密部を設けると共に、前記内障子の戸先部下部に前記下枠立上り気密部に当接して下枠立上り気密部との間を封止する戸先部下部気密部を設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基いて詳述する。図1は本発明の実施の形態の開口部装置を概略的に示す室内側正面図、図2は図1の横断面図、図3は図1の縦断面図である。図4は気密構造を説明するための概略的斜視図、図5及び図6は召内框下部の気密構造を説明するための概略的斜視図である。図7は開口部装置の要部縦断面図、図8は同要部横断面図である。図9は排水弁の一例を示す図で、(a)は排水時の断面図、(b)は逆流防止時の断面図である。
【0010】
図1〜図3,図7において、1は開口部装置である下枠フラットサッシ(ノンレールサッシ)で、このサッシ1は、建築物の屋外開口部に取付けられる上下枠(上枠と下枠)2a,2b及び左右の縦枠2c,2dからなる枠2と、該枠2内に左右方向にスライド開閉可能に取付けられた障子(実施例では引違い障子)3,4とを備えている。枠2の室外側には網戸5が左右方向にスライド開閉可能に取付けられている。上枠2a、下枠2b及び左右の縦枠2c,2dは、例えばアルミ押出形材からなっている。
【0011】
前記内障子3は、例えばアルミ押出形材からなる上下框(上框と下框)6a,6b及び左右の縦框(召し合せ框と戸先框)6c,6dからなる框6内にガラスパネル7を装着してなる。前記外障子4は、例えばアルミ押出形材からなる上下框(上框と下框)8a,8b及び左右の縦框(召し合せ框と戸先框)8c,8dからなる框8内にガラスパネル9を装着してなる。下框6b,8bには戸車10,11が取付けられ、この戸車10,11を介して障子3,4が下枠2bの上面12にスライド開閉可能に支持されている。戸車10,11には障子3,4の高さ調整を行う図示しない建て付け調整機構が設けられている。
【0012】
前記下枠2bの上面12は略平坦面に形成され、室外側に配置した排水用グレーチング13やバルコニー等のデッキ部14と、室内側の床部15とが下枠2bの上面12と略水平に形成され、バリアフリー構造になっている。グレーチング13の下には排水溝16が設けられている。下枠2bの上面12の戸車10,11が走行する部分は戸車10,11を案内すべく若干凹面に形成されていても良い。
【0013】
内障子(室内側に位置する障子)3の室外側下部にはその長手方向全長に亘って垂下片(第1垂下片)17が設けられ、外障子(室外側に位置する障子)4の室内側下部にその長手方向全長に亘って垂下片(第2垂下片18)が設けられている。前記垂下片17,18は戸車10,11の下端よりも下方に延出されている。前記下枠2bの上面12には2つの前記垂下片17,18を案内する幅の狭い案内溝(第1案内溝と第2案内溝)20,21が下枠の長手方向全長に亘って設けられている。前記網戸5の下部には下枠2bの上面12を走行する戸車22が取付けられ、網戸5の下部にはその長手方向全長に当って垂下片23が設けられ、下枠2bの上面12には垂下片23を案内する案内溝24が設けられている。
【0014】
また、下枠2b内にはこれを上下に仕切る隔壁25が設けられ、該隔壁25の上部には各案内溝20,21と連通した幅の広い溝部(第1溝部と第2溝部)26,27が隔壁25からの3つの立上り壁(第1立上り壁、第2立上り壁、第3立上り壁)28,29,30によって形成されている。隔壁25の上部には前記立上り壁28,29,30によって第1溝部26と第2溝部27の他に室内側溝部31と室外側溝部32が形成されている。隔壁25の下部は空間部33とされ、該空間部33は下枠2bの室外壁に設けた排水口34を通して室外の排水溝16と連通されている。前記第1溝部26と第2溝部27の底部(隔壁25)には閉鎖状態の障子3,4よりも室外側空間と前記下枠2bの空間部33とを連通する排水孔35,36が設けられている。前記下枠2bの空間部33は図示例の場合、中空部(ホロー部)からなっているが、これに限定されない。
【0015】
前記少なくとも上部が開放された第1,第2溝部26,27の清掃性を向上させるために、図10にも示すように下枠2bの上面12は横断面で見て3つのカバー材(室内側カバー材、中間カバー材、室外側カバー材)37,38,39により脱着可能に構成されている。室内側カバー材37は室内側溝部31の上面を覆うように形成され、内障子3をスライド開閉可能に支持している。室内側カバー材37の一側部は室内側溝部31の底部に支持され、他側部は第1立上り壁28に支持されている。この室内側カバー材37の他側部に後述する第1横気密材42の取付溝が形成されている。室内側カバー材37は取付具例えばネジ(ビス)40で隔壁(下枠本体)25に脱着可能に取付けられている。
【0016】
中間カバー材38は、第2立上り壁29及び第3立上り壁30を有し、第2立上り壁29に後述する第2横気密材43の取付溝が形成されている。室外側カバー材39は室外側溝部32の上面を覆うように形成され、外障子4をスライド開閉可能に支持している。室外側カバー材39の一側部は室外側溝部32の底部に支持され、他側部は第3立上り壁30に支持されている。中間カバー材38及び室外カバー材39は一緒に、共通の取付具例えばネジ(ビス)41により隔壁(下枠本体)25に脱着可能に取付けられている。
【0017】
障子3,4を取外すこと無く下枠2bを容易に掃除できるようにするために、図11ないし図12に示すように、内障子3側(内観右側)は室内側カバー材37aを固定とし、中間カバー材38aと室外側カバー材39aを脱着可能とし、外障子4側(内観左側)は中間カバー材38bを固定とし、室内側カバー材37bと室外側カバー材39bを脱着可能としている。品質上重要な気密材が存在する部位(37a,38b)を固定とし、気密性や耐久性が損なわれないようにしている。障子を左側(外障子側)に寄せた時(図示省略)に露出する右側の室外側カバー材39a及びその下の中間カバー材38aが脱着可能に分割されており、障子を右側(内障子側)に寄せた時〔(図11(b)参照〕に露出する室内側カバー材37b及び室外側カバー材39bが脱着可能に分割されている。
【0018】
すなわち、室内側カバー材37は内障子側室内側カバー材37aと外障子側室内側カバー材37bに分割され、内障子側室内側カバー材37aが常時固定とされ、外障子側室内側カバー材37bが脱着可能とされている。中間カバー材38は内障子側中間カバー材38aと外障子側中間カバー材38bに分割され、内障子側中間カバー材38aが脱着可能とされ、外障子側中間カバー材38bが常時固定とされている。室外側カバー材39は内障子側室外側カバー材39a、外障子側室外側カバー材39b及びこれらの中間室外側カバー材39cに分割され、中間室外側カバー材39cが常時固定とされ、内障子側室外側カバー材39a及び外障子側室外側カバー材39bが脱着可能とされている。
【0019】
前記内障子側中間カバー材38a、内障子側室外側カバー材39a、外障子側室内側カバー材37b及び外障子側室外側カバー材は39b、一端をストッパー53,58や端部ピース57に引っ掛け、他端をネジ40,41で止めることにより、ネジの本数の削減及び脱着作業の作業性の向上が図られている。
【0020】
また、前記内障子側中間カバー材38a、内障子側室外側カバー材39a、外障子側室内側カバー材37b及び外障子側室外側カバー材39bの他端を止めているネジ40,41は、図10に示すように中間に係止部59を有し、ネジ40,41を緩めてネジ頭部40a,41aがカバー材の上面よりも上方に突出した時にカバー材の下面に当接してネジ40,41が引き抜けるのを防止する。これにより、ネジ40,41を緩めてカバー材の上面より突出したネジ頭部40a,41aを摘み上げることによりカバー材、具体的には内障子側室外側カバー材39a、外障子側室内側カバー材37b及び外障子側室外側カバー材39bを下枠本体25から容易に取外すことができる。前記係止部材59としては、例えばナットやCリングが適用可能である。
【0021】
サッシ1の室内側と室外側を気密に遮断するために、枠2と閉鎖時の障子3,4により両者の間に連続した気密ライン(止水ラインともいう)を如何に形成するかが重要となる。本実施例では、図4〜図6にも示すように前記下枠2bにおける閉鎖状態の障子3,4の各垂下片17,18と案内溝20,21の室内側縁部との間に軟質樹脂製の横気密材(第1横気密材と第2横気密材)42,43が設けられている。前記横気密材42,43は各案内溝20,21の室内側縁部(気密材取付溝)に取付けられ、各横気密材42,43に対して各垂下片17,18が室外側から接している。
【0022】
前記第1横気密材42と第2横気密材43のそれぞれの一端部は、閉鎖位置の障子3,4の召し合せ框6c、8cの位置で切断されており、下枠2bの第1案内溝20を含む第1溝部26内の長手方向略中央部(召し合せ框の位置)に配置された軟質樹脂製の召し合せ框下部止水ブロック44と、第2立上り壁29の上部に配置された下枠風止め部材56と、内障子3の召し合せ框6cの端部に設けられた樹脂製の召し合せ気密ピース45(召し合せ下部溝塞ぎ)とを介して接続される。前記召し合せ框下部止水ブロック44は、第1案内溝20の左右を室内空間と室外空間とに分けている。召し合せ框下部止水ブロック44は、第1横気密材42と同様に気密材取付溝に取付けられて第1案内溝20に配置される上部止水部44aを有している。
【0023】
第1横気密材42は固定側である内障子側室内側カバー材37aに取付けられており、第2横気密材43は固定側である外障子側中間カバー材38bに取付けられている。これにより、前記内障子側中間カバー材38a、内障子側室外側カバー材39a、外障子側室内側カバー材37bや外障子側室外側カバー材39bを取外しても、横気密材42,43が途中で切断されたり、縦気密材46,49との繋ぎ目が切れたりすることが無く、気密性及び耐久性の向上が図れる。
【0024】
前記召し合せ気密ピース45の下端部は下枠2bの上面12と対応する形状に形成され、垂下片17と同様に第1案内溝20内に垂下されて召し合せ框下部止水ブロック44に接する垂下片部45aを有している。召し合せ気密ピース45は高さ調整可能(建て付け調整可能)に取付けられている。室内側から見て右側の縦枠2bには閉鎖時の内障子3の戸先部室内側に位置するフィン60が設けられ、このフィン60に内障子3の戸先部(戸先框)6dとの間を封止する縦気密材46が設けられている。左側の縦枠2cには閉鎖時の外障子4の戸先部室内側に位置するフィン61が設けられ、このフィン61に外障子4の戸先部(戸先框)8dとの間を封止する縦気密材49が設けられている。フィン60,61には縦気密材46,49を取付けるための取付溝が形成されている。
【0025】
外障子側の第2横気密材43と縦気密材49とは略同じ垂直面上にあるため、第2横気密材43の端部と縦気密材49の下端部とが連結(接続)されている(すなわち、外障子側の横気密ラインと縦気密ラインとは連続している)のに対し、内障子側の第1横気密材42と縦気密材46とは異なる垂直面上にあるため、第1横気密材42の端部と縦気密材46の下端部とは室内外方向に離れている(すなわち、内障子側の横気密ラインと縦気密ラインとは連続していない)。そこで、内障子側の横気密ラインと縦気密ラインとを連続させるために、図4、図11(a)、図12〜図15に示すように、前記下枠2bには内障子用の第1横気密材42と縦気密材46とを直接または間接的に連結する例えば軟質ゴム製の下枠立上り気密部47が設けられると共に、前記内障子3の戸先部下部には閉鎖時に前記下枠立上り気密部47に当接して下枠立上り気密部47との間を封止する戸先部下部気密部(戸先框下部気密部)62が設けられている。
【0026】
本実施例では、室内側から見て右側の縦枠2dのフィン60の下部には縦枠下部気密部材48が前記縦枠気密材46と連続するように取付けられており、この縦枠下部気密部材48を介して前記下枠下部気密部47が第1横気密材42と縦気密材46を間接的に連結している。前記縦枠下部気密部材48は、主として、下枠2bと縦枠2dのフィン60との繋ぎ目を封止する等のために設けられている。
【0027】
前記下枠立上り気密部47は、下枠2bの上面12を形成するカバー材、すなわち内障子側室内側カバー材37aの端部に取付けられている。この下枠立上り気密部47は、内障子側室内側カバー材37aの端部に当接されて室内側溝部31を閉塞する本体部47aと、内障子側室内側カバー材37aの下部溝内に端部から嵌合される嵌挿部47bと、下枠2bの上面12から立上がった立上り部47cとを有している。下枠立上り気密部47は、嵌挿部47bを内障子側室内側カバー材37aにネジ63で止めることにより取付けられている。この下枠立上り気密部47の立上り部47cの内端面と前記戸先部下部気密部62の外端面とが対向しており、内障子3を閉鎖した時に戸先部下部気密部62の外端面が下枠立上り気密部47の立上り部47cの内端面に当接して両者の間を封止するようになっている。
【0028】
前記戸先部下部気密部62は内障子3の戸先框6dの下部にこれより下方に突出させた垂下部として設けられている。この戸先部下部気密部62の少なくとも前記立上り部47cと当接する部分はクッション材例えばスポンジからなり、戸先部下部気密部62と立上り部47cとの間に若干のラップ代をとってあり、スポンジを潰して気密性を確保するようになっている。また、内障子3の戸先框下部には、戸先部下部気密部62よりも戸先側において下方に突出した例えば軟質ゴム製等の水切り部64が設けられていることが好ましい。図13の図示例では、水切り部64の下端部が立上り部47cの上面に接しているが、内障子3の高さ調整によっては水切り部64の下端部が立上り部47cの上面から離間する。
【0029】
前記下枠立上り気密部47およびその立上り部47cの一端(室内側端面)は前記縦枠下部気密部材48に常時接(密着)しており、下枠立上り気密部47およびその立上り部47cの他端(室外側端面)が閉鎖時の内障子3の室外側下部垂下片17の内側面に接(密着)することにより気密ラインとして繋がるようになっている。また、前記戸先部下部気密部62は一端が前記垂下片17の内側面に接するようにして戸先框下面の幅方向(室内外方向)に略全長に設けられている。前記戸先部下部気密部62と戸先框部分の垂下片17とは戸先框6dの下端部に取付けられる戸先框下部ピースとして一体形成されていてもよい。
【0030】
このように室内外の気密性が確保されているため、冬期などには室内外の温度差が大きくなり、障子3,4の室内面に結露水が生じる場合があり、内障子3の室内面に生じた結露水は内障子3の室内側下部(下縁部)50から下枠2bの上面12に落下する。下枠2bの上面12に落下した結露水が室内に流れ込むのを防止するために、換言すれば、室内外の気密性を保持しつつ前記結露水を室外に排水するために、前記下枠2bの上面12には前記内障子3の室内側下部(下縁部)50から落下する結露水を受ける深さの浅い水受溝51が下枠2bの長手方向全長に亘って設けられ、該水受溝51から室外に連通した前記下枠2b内の空間部33へ排水するための排水弁52が設けられ、該排水弁52を経由して結露水が室内側から室外へ排水されるようになっている。前記内障子3の室内側下部(垂下片ともいう)50は、前記水受溝51の真上にある。
【0031】
好ましくは、図7ないし図8に示すように、前記下枠2bの上面12には前記水受溝51が設けると共に該水受溝51の一端に内障子3の全開位置を規制する内障子用ストッパー53が設けられ、水受溝51の内障子用ストッパー53で隠れた部分から室外に連通した下枠2b内の空間部33へ排水するための排水弁52が設けられている。本実施例では、前記水受溝51の内障子用ストッパー53で隠れた部分に排水孔54が設けられ、水受溝51の下方の室内側溝部31の隔壁25に排水弁52が取付けられている。前記内障子3の室内側下部(下縁部)50は下框6bの長手方向に沿って内障子3の略全長に亘って設けられている(縦通し框の場合、縦框6c、6dの室内側下端部を含む)。前記内障子3の室内側下部(下縁部)50は水受溝51に近接していることが戸車10を隠せて意匠性の向上が図れる点で好ましい。
【0032】
前記排水弁52は、例えば図9の(a),(b)に示すように下枠2bの隔壁25に設けた開口部55に取付けられる本体52aと、この本体52aに開閉可能に取付けられた弁体52bとから主に構成されている。通常は、図9の(a)に示すように弁体52bが下方に開いた隙間52cから結露水が排水されるが、図9の(b)に示すように室外側からの風圧により弁体52bが上方に閉じて水の逆流を防止するようになっている。
【0033】
一方、図8の破線で示すように第1立上り壁28の端部を切り欠いて第1溝部26と室内側溝部31とを連通させることにより、一点鎖線の矢印で示すように外障子4の室内面から垂下片18を伝わって下枠2bの上面12に流下し、更に第1案内溝20から第1溝部26に流入した結露水が、第1溝部26から室内側溝部31の排水弁52に至り、該排水弁52を経由して室外へ排水されるようになっている。
【0034】
以上の構成からなるサッシ1によれば、上下枠2a,2b及び左右の縦枠2c,2dからなる枠2と、該枠2内に引違いに開閉可能に設けられた内外の障子3,4とを備え、前記下枠2aの上面を略平坦面に形成し、内障子3の室外側下部と外障子4の室内側下部に垂下片17,18を設け、下枠2bの上面に各垂下片17,18を案内する案内溝20,21を設け、各案内溝20,21に閉鎖位置の各障子3,4の垂下片17,18との間を封止する横気密材42,43を設けると共に、縦枠2c、2dに各障子3,4の戸先部との間を封止する縦気密材46,49を設け、前記下枠2bの端部に内障子用の横気密材42と縦気密材46とを連結する下枠立上り気密部47を設けると共に、前記内障子3の戸先部下部に前記下枠立上り気密部47に当接して下枠立上り気密部47との間を封止する戸先部下部気密部62を設けているため、内障子側の横気密材42による横気密ラインと縦気密材46による縦気密ラインとが離れていても、これら横気密ラインと縦気密ラインとを簡単且つ確実に連続させることができ、気密性の向上が図れる。換言すれば、内障子3の戸先部下部の水密性の安定化が図れる。
【0035】
また、下枠2bの上面を室内側カバー材37、中間カバー材38及び室外側カバー材39により構成し、室内側カバー材37に内障子3の垂下片17と対応する第1横気密材42を設け、中間カバー材38に外障子4の垂下片18と対応する第2横気密材43を設け、内障子側は室内側カバー材37aを固定とし、中間カバー材38aと室外側カバー材39aを脱着可能とし、外障子側は中間カバー材を38b固定とし、室内側カバー材37bと室外側カバー材39bを脱着可能としているため、気密性や耐久性を損なうことなく下枠上面のカバー材38a,39a,38b,37bを脱着して下枠2bを容易に掃除できる。この場合、内障子側の中間カバー材38aと室外側カバー材39aは共通の取付具例えばネジ41で共締めされているから脱着作業が短時間で容易にでき、作業性の向上が図れる。
【0036】
前記下枠2bの上面12に前記内障子3の室内側下部50から落下する結露水を受ける浅い水受溝51を設け、該水受溝51から室外に連通した下枠2b内の空間部33へ排水するための排水弁52を設け、該排水弁52を経由して結露水が室内側から室外へ排水されるため、内障子3の室内側下部50から下枠2bの上面12に落下した結露水が室内側に流れて室内が濡れるのを防止することができる。また、排水弁52等の排水部(排水孔54を含む)が内障子用ストッパー53で隠れ、排水部である排水弁52や排水孔54が露出しないので意匠性の向上が図れる。前記排水弁52によって、室外から風が室内に入り込んだり、水が逆流したりするのを防止することができ、室内外の気密性(水密性を含む)を保ったまま室内の結露水を室外に円滑に排水することができる。また、下枠2bの室内側上面に設けた水受溝51は深さが浅いため、掃除が容易にできると共に、見栄え(意匠性)も良い。
【0037】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態(実施例)に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。例えば、前記実施例では外障子の室内側下部に垂下片が設けられている例が示されているが、外障子の室外側下部に垂下片が設けられていても良い。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、上下枠及び左右の縦枠からなる枠と、該枠内に引違いに開閉可能に設けられた内外の障子とを備え、前記下枠の上面を略平坦面に形成し、内障子の室外側下部と外障子の室内側下部または室外側下部に垂下片を設け、下枠の上面に各垂下片を案内する案内溝を設け、各案内溝に閉鎖位置の各障子の垂下片との間を封止する横気密材を設けると共に、縦枠に各障子の戸先部との間を封止する縦気密材を設け、前記下枠の端部に内障子用の横気密材と縦気密材とを連結する下枠立上り気密部を設けると共に、前記内障子の戸先部下部に前記下枠立上り気密部に当接して下枠立上り気密部との間を封止する戸先部下部気密部を設けているため、内障子側の横気密ラインと縦気密ラインとを連続させることができ、気密性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の開口部装置を概略的に示す室内側正面図である。
【図2】図1の横断面図である。
【図3】図1の縦断面図である。
【図4】気密構造を説明するための概略的斜視図である。
【図5】召内框下部の気密構造を説明するための概略的斜視図である。
【図6】召内框下部の気密構造を説明するための概略的斜視図である。
【図7】開口部装置の要部縦断面図である。
【図8】同要部横断面図である。
【図9】排水弁の一例を示す図で、(a)は排水時の断面図、(b)は逆流防止時の断面図である。
【図10】(a)はカバー材の取付状態を示す図、(b)はネジを緩めた状態を示す図、(c)はカバー材を取付した状態を示す図である。
【図11】(a)は下枠の上面におけるカバー材の分割状態を示す図、(b)は障子を右側に移動した下枠の上面を示す図である。
【図12】内障子の戸先部下部の気密構造を示す斜視図である。
【図13】同内障子の戸先部下部の気密構造を示す要部拡大断面図である。
【図14】下枠上面に設けられた下枠立上り気密部を示す概略的斜視図である。
【図15】同下枠立上り気密部を室外側から見た概略的斜視図である。
【符号の説明】
1 サッシ(開口部装置)
2 枠
2a 上枠
2b 下枠
2c,2d 縦枠
3 内障子
4 外障子
12 下枠の上面
17,18 垂下片
20,21 案内溝
42,43 横気密材
46,49 縦気密材
47 下枠立上り気密部
62 戸先部下部気密部
Claims (1)
- 上下枠及び左右の縦枠からなる枠と、該枠内に引違いに開閉可能に設けられた内外の障子とを備え、前記下枠の上面を略平坦面に形成し、内障子の室外側下部と外障子の室内側下部または室外側下部に垂下片を設け、下枠の上面に各垂下片を案内する案内溝を設け、各案内溝に閉鎖位置の各障子の垂下片との間を封止する横気密材を設けると共に、縦枠に各障子の戸先部との間を封止する縦気密材を設け、前記下枠に内障子用の横気密材と縦気密材とを連結する下枠立上り気密部を設けると共に、前記内障子の戸先部下部に前記下枠立上り気密部に当接して下枠立上り気密部との間を封止する戸先部下部気密部を設けたことを特徴とする開口部装置。
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