以下に、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を基に詳述する。図1は本発明の実施の形態を示す片引き窓の室内側正面図、図2は図1のA−A線拡大断面図、図3の(a)は図1のB−B線拡大断面図、(b)は図1のC−C線拡大断面図、図4は召内框下部の止水構造を示概略的斜視図である。
これらの図において、1は開口部装置である片引き窓タイプの下枠フラットサッシ(ノンレールサッシともいう)で、このサッシ1は、建築物の屋外開口部に取付けられる上枠2a、下枠2b及び左右の縦枠2c,2dからなる枠2と、該枠2内の室外側に嵌め殺しに設けられた固定障子(外障子)3と、枠2内の室内側にスライド開閉自在に設けられた可動障子(内障子)4とを備えている。上枠2a、下枠2b及び左右の縦枠2c,2dは、例えばアルミ押出形材からなっている。図示例では、室内側から見て左側に固定障子3を、右側に可動障子4を配した右勝手のサッシが示されているが、これとは逆の配置の左勝手のサッシであっても良い。
前記可動障子4は、例えばアルミ押出形材からなる上框5a、下框5b及び左右の縦框(召し合せ框と戸先框)5c,5dからなる框組内にガラスパネル6を装着してなる。前記固定障子3は、上桟7a及び下桟7bと、前記一方の縦枠2cと、閉鎖(全閉)時の可動障子4の召合せ框5cに対応して上枠2aと下枠2b間に掛け渡されて固定された召合せ方立7cとからなる枠組内にガラスパネル6を装着してなる。上桟7aの上部は上枠2aの下面に形成された溝部8に係合されており、下桟7bは下枠2bの上面に形成された後述の室外側溝部に係合されている。上枠2aの下面には可動障子4の上部を案内する上部レール9が設けられている。図示例の障子3,4は中間横桟を5e,7e有しているが、中間横桟を有していなくても良い。
固定障子3の召合せ方立7cにはクレセント受け10が設けられ、可動障子4の召合せ框(召内框ともいう)5cには可動障子4の閉鎖時に前記クレセント受け10に係合させて施錠するためのクレセント錠11が設けられている。前記可動障子4の召合せ部である召合せ框5cと固定障子3の召合せ部である召合せ方立7cとの間には閉鎖時に互いに係合する煙返し部12a,12bが設けられていると共に、召合せ框5cの室外面には召合せ方立7cの室内面に接してこれらの間を封止する例えば軟質樹脂製の召合せ気密材13が上下方向に設けられている。また、閉鎖時に可動障子4の戸先部である戸先框5dと縦枠2dとの間をシールするために縦枠2dには例えば軟質樹脂製の縦枠気密材14が上下方向に設けられている。なお、可動障子4の上部には上部レール9との間を封止する上部気密材15が設けられている。可動障子4の戸先框5dの室内面には開閉用の把手16が設けられている。
前記可動障子4の下框5bには戸車17が取付けられ、この戸車17を介して可動障子4が下枠2bの上面18にスライド開閉可能に支持されている。戸車17には可動障子14の高さ調整を行う図示しない建付調整機構が設けられている。前記下枠2bの上面18は略平坦面に形成され、室外側に配置した排水用グレーチングやバルコニー等のデッキ部13と、室内側の床部とが下枠2bの上面18と略水平に形成され、バリアフリー構造になっている。グレーチングの下には排水溝が設けられている。下枠2bの上面18には戸車17の走行を案内する凸面状の戸車走行面18aが形成されている。
可動障子4の室外側下部にはその長手方向全長に亘って垂下片19が設けられている。実施例の場合、垂下片19は下框5bの室外側下部全長に形成されており、可動障子4の左右の縦框5c,5dの下部に取付けられた振れ止め部材20,21にも前記垂下片19と連続する垂下片19aが形成されている(図4、図8、図13参照)。この垂下片19(19aを含む。以下同様。)は戸車17の下端よりも下方に延出されている。前記下枠2bの上面18には前記垂下片19を案内する幅の狭い案内溝22が下枠2aの長手方向全長に亘って設けられている。
また、下枠2b内にはこれを上下に仕切る隔壁23が設けられ、該隔壁23には前記戸車17と対応する位置に立上り壁24が長手方向に沿って設けられると共に、この立上り壁24を挟んで室内側溝部25と室外側溝部26が形成されている。これら室内側溝部25と室外側溝部26とには下枠2aの略平坦な上面を形成する例えばアルミ押出形材製の室内側カバー材27と室外側カバー材28とが着脱自在に設けられている。室内側カバー材27の一側部は室内側溝部25の底部(隔壁23)に支持され、他側部は立上り壁24に支持されている。室外側カバー材28の両側部は室外側溝部25の底部(隔壁23)に支持されている。室外側カバー28材の一側部28aによって、前記室外溝部26は立上り壁24との間の第1中間溝26a部と、他側部28bとの間の第1室外側溝部26bとに仕切られている。また、固定障子3の下桟7bの室内側下部(一側)には室外側溝部26の底部に支持される横断面L字状の支持脚部29aが形成され、室外側溝部26はこの支持脚部29aと前記立上り壁24との間の第2中間溝部26cと、他側の支持脚部29bとの間の第2室外側溝部26dとに仕切られている。第1中間溝部26aの溝幅は案内溝22のそれよりも広く、第2中間溝部26cの溝幅は第1中間溝部26aのそれよりも広い。
障子3,4を取外すこと無く下枠2bを容易に掃除できるようにするために、下枠2bの室外側溝部26内には召合せ方立7c側と縦枠2d側に室外側カバー材28の長手方向両端部を着脱可能(着脱自在)に係合させる端部キャップ30,31が取付けられている(図2、図4、図12参照)。すなわち、室外側カバー材28の脱着を容易にするために、少なくとも一方の端部キャップ30には室外側カバー材28の端部を係止する係止溝部30aが形成されていると共に室外側カバー材28の端部を押圧する弾性片30bが設けられている。室外側カバー材28はその長手方向中間部の浮き上がりを防止するために下枠2bの隔壁23に対して固着具例えばネジ(ビス)で適宜固定されていることが好ましい。
室内側カバー材27は、閉鎖位置の可動障子4の下部に位置される一方の第1カバー材27aと、他方の第2カバー材27bとに2分割され、固定障子3側の案内溝22の内部を清掃し得るように第2カバー材27bが容易に脱着可能になっている。すなわち、図11に示すように左側の室内側溝部25内の縦枠2c側には可動障子4用のストッパー32が取付けられ、このストッパー32には図10の(b)に示すように第2カバー材27bの一端を係止する係止溝部32aが形成されていると共に該第2カバー材27bの一端を押圧する弾性片32bが設けられている。前記他方のカバー材27bの他端にはこれを下枠2bの隔壁23に固定するための固着具であるネジ(ビス)33が取付けられている。なお、図11において、34は固定障子3の幅が可動障子4の幅よりも大きい場合に可動障子4を丁度良い全開位置に停止させるために固定障子3の下桟7bの室内面に取付けられた補助ストッパーである。
隔壁23の下部は空間部35とされ、該空間部35は下枠2bの室外壁に設けた排水口36を通して室外の排水溝と連通されている。前記下枠2bの隔壁23には閉鎖時の障子3,4よりも室外側空間と前記下枠2bの空間部35とを連通する排水孔37が設けられている。前記下枠2bの空間部35は図示例の場合、中空部(ホロー部)からなっているが、これに限定されない。
可動障子4の閉鎖時にサッシ1の室内側と室外側を気密ないし水密に遮断するために、また、下枠上面18が平坦面であるがゆえに浸入しやすい雨水の浸入を防止するために、枠2と閉鎖時の障子3,4により両者の間に連続した気密ライン(止水ラインともいう)を如何に形成するかが重要となる。本実施例では、前記下枠2bにおける閉鎖状態の可動障子4の垂下片19(19aを含む)と案内溝22の室内側縁部との間に軟質樹脂製の横気密材38が設けられている。この横気密材38は案内溝22の室内側縁部、具体的には前記室内側カバー材27の室外面に気密材取付溝39を介して取付けられており、この横気密材38に対して垂下片19の室内面が接している。なお、横気密材38は閉鎖時の可動障子4の垂下片19に対応する範囲で設けられている。
前記横気密材38は、閉鎖位置の可動障子4の召合せ框5cの位置で切断されており、その切断箇所で横気密材38と召合せ縦気密材13をつないで気密ラインを連続させるために、図4に示すように障子閉鎖時の可動障子4の召合せ框(召内框ともいう)5c下方における案内溝22内(具体的には第2中間溝部26c)には案内溝22内(26a,26cを含む)を当該召合せ框5cの位置で室外側と室内側とに仕切る例えば軟質樹脂製の止水ブロック40が設けられている。この止水ブロック40よりも室外側(図3では右側、図4では左側)に前記排水孔37が設けされている。また、案内溝22内を召合せ框5cの下方において室外側と室内側とに十分に仕切るために、前記室内側カバー材27の室外面には図5に示すような例えば軟質樹脂製の風止部材50が取付溝39を利用して取付けられている。この風止部材50は、横気密材38の端部に当接される本体部50aを有し、この本体部50aの裏面部に取付溝部39に係合する横断面略T字状の係合部51が形成されている。風止部材50、垂下片19(具体的には19a)の室内面に接して封止性能を上げるために、本体部50aの正面部には正面略田状に仕切られた複数の凹部52が設けられている。
止水ブロック40は、第2中間溝部26cに嵌合されて固定される本体部40aを有し、この本体部40aの上部には可動障子4の垂下片19(具体的には19a)の下端面に弾性で接する複数枚(例えば4枚)のヒレ状の第1気密片41と、可動障子4の召合せ框5cの室外面下部に設けられた気密ピース60の下面に弾性で接する複数枚例えば5枚のヒレ状の第2気密片42とが設けられている。第1気密片41は第2中間溝部26cの長手方向に直交するようにして上向きに突出(起立)して配置されると共に、第2中間溝部26cの長手方向に適宜間隔で配置される。前記止水ブロック40は、第1気密片41の独立した動きを確保するために、前記第1気密片41を有する気密片部43と、該気密片部43を取付ける本体部40aとの2部材で構成されている。本体部40aに対する気密片部43の取付け(組立作業)を容易にするために、本体部40aには気密片部43の下部に形成した断面逆T字状の係合部44を一側方から係合させる係合溝45が形成されている。
第1気密片41は閉鎖時の可動障子4の召合せ框下部振れ止め部材20の垂下片部19aが止水ブロック40の本体部40aの上方に位置したときに弾性で湾曲しながら垂下片部19aの下端面に接し、止水ブロック40の本体部40aと垂下片部19aの下端面との間を封止し、弾性で湾曲するように柔軟性を有していることにより摩擦抵抗及び磨耗を低減している。また、第1気密片41が一側の第2気密片42から独立している(切り離されている)ことにより、偏った弾性変形を防止して、独立した弾性変形を確保することができ、気密性の向上が図れるようになっている。
第2気密片42は本体部40aの長手方向に直交するようにして上向きに突出(起立)して配置されると共に、本体部40aの長手方向に適宜間隔で配置される。また、第2気密片42は図4に示すように閉鎖時の可動障子3の召合せ框室外面下部の気密ピース60が止水ブロック40の上方に位置したときに弾性で湾曲しながら気密ピース60の下端面に接し、可動障子4の召合せ框室5c外面と召合せ方立7c室内面との間の隙間における止水ブロック40の本体部40aと気密ピース60の下端面との間を封止し、弾性で湾曲するように柔軟性を有していることにより摩擦抵抗及び磨耗を低減している。
前記気密ピース60は、図7に示すように形成された発泡樹脂(例えばスポンジ)からなり、可動障子4の召合せ框5cの室外面下部に両面粘着テープ等で貼り付け固定されている。この気密ピース60の室外面が閉鎖時に固定障子3の召合せ方立7cの室内面に接し、気密ピース60が可動障子4の召合せ框5cの室外面に設けられた召合せ気密材13と接していることにより、止水ブロック40及び風止部材50と共に横気密材38による横気密ラインと召合せ気密材13による縦気密ラインとをつないでいる。
前記第2気密片42は垂下片17aの室外面に柔軟性を持って接するよう室内側へも突出して形成されている。前記召内框下部振れ止め部材20の垂下片部19aの室外面は図9に示すように下框5bの垂下片17の室外面よりも室外側若干例えば1〜2mm程度突出して形成されており、可動障子4の閉鎖時には(a)に示すように第2気密片42が垂下片部19aの室外面に弾性で湾曲した状態で接しており、風圧で可動障子4が室内側に押されても垂下片19aの室外面から離れないようになっている。また、可動障子4の開放時には(b)に示すように第2気密片42の先端部が下框5bの垂下片19の室外面に軽く接するようになり、開閉操作時の抵抗を軽減できるようになっている。
前記横気密材38と縦枠2d側の縦枠気密材14とは異なる垂直面上にある。そこで、横気密材38による横気密ラインと縦枠気密材14による縦気密ラインとを連続させるために、図13に示すように、前記下枠2bには横気密材38と縦枠気密材14とを間接的に連結する例えば軟質ゴム製の下枠立上り気密部47が設けられると共に、前記可動障子4の戸先框下部には閉鎖時に前記下枠立上り気密部47に当接して下枠立上り気密部45との間を封止する戸先部下部気密部46が設けられている。
前記下枠立上り気密部45は、下枠2bの上面18を形成するカバー材、すなわち室内側カバー材27の端部に取付けられている。この下枠立上り気密部45は、室内側カバー材27の端部に当接されて室内側溝部25を閉塞する本体部45aと、室内側カバー材27の下部溝内に端部から嵌合される嵌挿部45bと、下枠2bの上面18から立上がった立上り部45cとを有している。この立上り部45cの内端面と前記戸先部下部気密部46の外端面とが対向しており、可動障子4を閉鎖した時に戸先部下部気密部46の外端面が下枠立上り気密部45の立上り部45cの内端面に当接して両者の間を封止するようになっている。
前記戸先部下部気密部46は内障子3の戸先框6dの下部に取付けた振れ止め部材21の下部に垂下部として設けられている。この戸先部下部気密部46の少なくとも前記下枠立上り気密部45と当接する部分はクッション材例えばスポンジからなり、戸先部下部気密部6と下枠立上り気密部45との間に若干のラップ代をとってあり、スポンジを潰して気密性を確保するようになっている。また、可動障子4の戸先框下部には、戸先部下部気密部46よりも戸先側において下方に突出した例えば軟質ゴム製等の水切り部47が設けられていることが好ましい。
前記下枠立上り気密部45及びその立上り45c部の一端(室内側端面)は前記縦枠気密材14の下部(縦枠下部気密部材)に常時接(密着)しており(図示省略)、下枠立上り気密部45の他端(室外側端面)が閉鎖時の可動障子4の戸先框下部振れ止め部材21の室外側垂下片19aの室内面に接(密着)することにより気密ラインとして繋がるようになっている。また、前記戸先部下部気密部46は一端が前記垂下片19aの室内面に接するようにして戸先框下面の幅方向(室内外方向)に略全長に設けられている。
このように室内外の気密性が確保されているため、冬期などには室内外の温度差が大きくなり、障子3,4の室内面に結露水が生じる場合があり、可動障子4の室内面に生じた結露水は可動障子4の室内側下部(下縁部)から下枠2bの上面18に落下する。下枠2bの上面18に落下した結露水が室内に流れ込むのを防止するために、換言すれば、室内外の気密性を保持しつつ前記結露水を室外に排水するために、前記下枠2bの上面18には前記可動障子4の室内側下部(下縁部)から落下する結露水を受ける深さの浅い水受溝47が下枠2bの長手方向全長に亘って設けられている。結露水は水受溝47の端部から室内側溝部25に排水され、該室内側溝部25の隔壁23に貫通して取付けられた排水弁48を介して前記下枠2b内の空間部35へ排水されるようになっている。
固定障子3の室内面に生じて流下した結露水、或いは可動障子4の室外面に付着して可動障子4を開けた時(室内側に引き込んだ時)に流下した雨水等の水は、案内溝22における止水ブロック40から室内側の第2溝部26c内に流入し、立上り壁24の端部に設けた切欠溝49〔図10(b)参照〕を通って室内側溝部25に流れ、排水弁48を介して下枠2bの中空部35に排水されるようになっている。なお、図4ないし図10(b)に示すように、固定障子3が位置する部分の下枠2bの隔壁23には、例えば固定障子3の室外側から室外側第2溝部26dに流入した雨水等の水を下枠2bの中空部35に排水するための排水孔55が適宜設けられている。これらの排水孔55は、室内側空間である第2中間溝部26cから隔絶されている。
以上の構成からなるサッシ1によれば、上枠2a、下枠2b及び左右の縦枠2c,2dからなる枠2と、該枠2内の室外側に設けられた固定障子3と、枠2内の室内側にスライド開閉自在に設けられた可動障子4とを備え、前記下枠2aの上面18を略平坦面に形成し、前記可動障子4の室外側下部に垂下片19を設け、前記下枠2aの上面に前記垂下片19を案内する案内溝22を形成し、該案内溝22に垂下片19と対応する横気密材38を設け、前記案内溝22内における閉鎖時の可動障子4の召合せ框5c下方に、案内溝22内を室外側と室内側に仕切って止水する止水ブロック40を設けているため、室外側に固定障子3を室内側に可動障子4を配し且つ下枠2bの上面18をバリアフリーの略平坦面にした下枠フラットサッシにおける高水密性を確保することができ、障子開閉時の室内側への水の流れ込みを防止することができる。
すなわち、前記止水ブロック40により召合せ下部の止水ラインが下枠2bの戸車走行面18a上に来ないので、水密性の安定化が図れる。また、戸車走行面18aが垂下片19よりも完全に室内側となるので、戸車走行面18a上に砂やほこりが付きにくく、戸車走行面18aに傷が付きにくい。更に、可動障子4の室外面に雨水等の水が付いた状態で可動障子4を開けると、室内側に水を引き込むことになるが、垂下片19が室外側にあるため、可動障子4の室外面から流下した水が下枠2bの第2中間溝部26cに流れ込み、この第2中間溝部26cから室内側溝部25の排水弁48を介して下枠2bの空間部35に排水することができ、障子開閉時の室内側への水の流れ込みを防止することができる。前記止水ブロック40をヒレ式及び2ピース式としたので、障子の開閉力に影響することなく高い水密性が得られる。
特に、障子閉鎖時の可動障子4の召し合せ框5c下方における案内溝22内に、室外側と室内側とに仕切る止水ブロック60を設け、該止水ブロック60が可動障子4の垂下片17の下端面に弾性で接するヒレ状の第1気密片41を有しているため、召し合せ下部における気密性、耐久性及び開閉操作性の向上が図れる。
すなわち、前記止水ブロック40に設けた第1気密片41が弾性で湾曲するように柔軟性を有して可動障子4の垂下片19の下端面に接しているため、摩擦抵抗及び磨耗を低減することができ、第1気密片41の耐久性の向上が図れると共に障子の開閉操作が楽になり、開閉操作性の向上が図れる。また、前記止水ブロックが可動障子4の召し合せ框5cの室外面下部に設けられた気密ピース60の下面に弾性で接するヒレ状の第2気密片42を有し、該第2気密片42が弾性で湾曲するように柔軟性を有して気密ピース60の下面に接しているため、摩擦抵抗及び磨耗を低減することができ、第2気密片42の耐久性の向上が図れると共に障子の開閉操作が楽になり、開閉操作性の向上が図れる。しかも、第1気密片41が第2気密片42から切り離して別体で設けられているため、第1気密片41及び第2気密片42のそれぞれ独立した弾性変形を確保することができ、第1気密片41及び第2気密片42の偏った弾性変形による気密不良を防止することができ、気密性の更なる向上が図れる。また、閉鎖時の可動障子4の召合せ框5c下方における室内溝22の室外面には案内溝22内を室内側と室外側に仕切る風止部材50が設けられているため、案内溝22内を召合せ框5cの下方において室内側と室該側とに十分に封止することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。実施例では、カバー材の戸車走行面が戸車の形状に合せて凸面に形成されているが、凹面に形成されていても良い。本発明は、片引き窓以外に、例えば中央嵌め殺し両袖片引き窓、両袖嵌め殺し中央引分け窓にも適用可能である。