JP2004359709A - 発泡シートおよび積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、敷物用シート等として使用されるポリエチレン系樹脂発泡シートの滑り性が防止された発泡シートを提供することを目的とする。
【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエチレン樹脂との混合物からなり酢酸ビニル成分含有量が3〜12重量%であるポリエチレン系樹脂を発泡させて得られる無架橋ポリエチレン系樹脂発泡シートであって、該発泡シートの厚みが0.5〜5mm、見かけ密度が15〜46g/L、独立気泡率が70%以上、押出方向および幅方向の平均気泡径が0.2〜1.5mmであり該発泡シート中には収縮防止剤が実質的に含まれていないことを特徴とする発泡シート。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエチレン系樹脂発泡シート、殊に滑り防止性に優れた敷物などに使用される発泡シートおよびその積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン系樹脂発泡シートは、適度の柔軟性、緩衝性を有し、また防水、防湿性があり、断熱性等を有することから、従来からシート材料として、例えば、精密機器、家電製品の包装資材、冷菓の保冷袋、農業用保温シート等として多くの分野で汎用されてきている。
これらのポリエチレン系樹脂発泡シートは、一般に、エチレン単独重合体またはエチレンと他の重合性単量体との共重合体等のポリエチレン系樹脂、発泡剤、収縮防止剤、気泡調節剤とを押出機中で加熱、混練し発泡性溶融樹脂組成物とし、該組成物を低圧域に押出し発泡させて製造される。このような発泡シートに関して、その製造方法、原料樹脂成分や発泡剤、発泡シートの用途等について、特許文献1など数多くの特許をはじめ種々の報告がなされている。
【0003】
また、例えば、特許文献2には、優れた光線透過率および伸びなどの物性を有する農業用保温シートとしてエチレン重合体と密度が0.91〜0.95g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体、具体的にはエチレン‐酢酸ビニル共重合体をブレンドした混合物を使用した無架橋押出発泡シートが示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭54−81370号公報
【特許文献2】
特開昭58−108234号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、ポリエチレン系樹脂発泡シートは、前記したように、適度の柔軟性、緩衝性を有していることから物品を載置する際の敷物シート等への使用について検討を行った結果、例えば、発泡シートを食器棚の棚板の敷物シートとして用いた場合、発泡シート上に物品を載せたり取り出したりする際に、棚板上を発泡シートが滑り歪んだり片側に寄るなどし、度々発泡シートを所定の位置に敷き直さなければならない等の手間がかかったり、また時には物品を載せたり取り出したりする際に、発泡シートが滑り敷物シート上に置かれた物品が落下して破損する虞れがある。また、炬燵マットのズレ防止下敷きシートやフローリングの床に緩衝シートとして使用した場合に、発泡シートが滑り歪んだり移動したりすることがあることが判明した。このような現状から滑り性が防止された発泡シートが求められるという新たな課題が提起された。
【0006】
したがって、本発明は、このような敷物用シート等として使用されるポリエチレン系樹脂発泡シートの滑り性が防止された発泡シートを提供することを目的とするものである。
【0007】
上記の課題を解決するためにポリエチレン系樹脂発泡シートについて、種々の観点から検討を重ねた結果、発泡シートの原料樹脂として特定のポリエチレン系樹脂、すなわち、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いた発泡シートは、滑り性が防止できる効果があることがわかった。
ところで、ポリエチレン系樹脂発泡体の原料ポリエチレン系樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体が用いられることは上記のような例を挙げるまでもなく、従来から良く知られている。しかしながら、ポリエチレン系樹脂発泡シートの滑り性防止の観点から検討されたものは見当たらない。
【0008】
そこで、ポリエチレン系樹脂発泡シートに関して上記のような用途に好適な滑り性が防止されたポリエチレン系樹脂発泡シートについて検討を重ねた結果、原料樹脂としてエチレン‐酢酸ビニル共重合体を使用し、かつ原料樹脂中の酢酸ビニル成分含有量が一定の範囲にあり、厚みが0.5〜5mmの発泡シートで、その見かけ密度、平均気泡径、さらに独立気泡率等が特定の値を満足する発泡シートは摩擦力が大きく、滑り性が十分に防止されることが判明し、さらに、無架橋ポリエチレン系樹脂発泡シートの製造時に原料樹脂に添加する収縮防止剤が滑り性に悪影響を及ぼす場合があることも突き止められ、本発明はこれらの知見に基づいて為されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエチレン樹脂との混合物からなり酢酸ビニル成分含有量が3〜12重量%であるポリエチレン系樹脂を発泡させて得られる無架橋ポリエチレン系樹脂発泡シートであって、該発泡シートの厚みが0.5〜5mm、見かけ密度が15〜46g/L、独立気泡率が70%以上、押出方向および幅方向の平均気泡径が0.2〜1.5mmであり該発泡シート中には収縮防止剤が実質的に含まれていないことを特徴とする発泡シート。
(2)発泡シートの摩擦力が15N以上であることを特徴とする上記(1)記載の発泡シート。
(3)上記(1)または(2)記載の発泡シートの少なくとも一方の面に表面材料が積層されてなる積層体。
を要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の発泡シートは、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエチレン系樹脂との混合物からなり酢酸ビニル成分含有量が3〜12重量%であるポリエチレン系樹脂を発泡させて得られ、収縮防止剤を含有しない無架橋ポリエチレン系樹脂発泡シートであり、厚みが0.5〜5mmで、見かけ密度が15〜46g/L、押出方向および幅方向の平均気泡径が0.2〜1.5mmで、独立気泡率が70%以上を満足する発泡シートである。
【0011】
本発明の発泡シートは、以下の方法により測定されるゲル分率が2%以下(0%も含む)であり、好ましくは0%である。このことは、発泡シートが無架橋のものであることを意味する。
ゲル分率の測定は、次のように測定される。150mlのフラスコに、発泡シート片約1gを精秤した重量W1の試験片と100mlのキシレンを入れ、約140℃の沸騰キシレン中にて8時間加熱還流した後、得られた加熱処理物を200メッシュの金網を有する吸引濾過装置を用いて濾過処理する。得られた金網上の濾過処理物を100℃のオーブン中で10トール以下の条件下にて5時間乾燥する。この際に得られた乾燥物重量W2を測定する。この重量W2の試験片重量W1に対する重量百分率[(W2/W1)×100](%)をゲル分率とする。
【0012】
本発明においては、原料樹脂成分とし、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体と他のポリエチレン系樹脂との混合物からなるポリエチレン系樹脂が使用される。原料樹脂成分中の酢酸ビニル成分含有量は3〜12重量%の範囲内にあることが必要である。原料樹脂成分中の酢酸ビニル成分含有量は、発泡シートの滑り防止性の特性を発揮させる観点から、4〜10重量%であることが好ましく、4.5〜8重量%であることがさらに好ましい。
酢酸ビニル成分の含有量が少な過ぎる場合は、発泡シートの滑り防止性を十分に発揮することができない。一方、酢酸ビニル成分の含有量が多過ぎる場合には、発泡体の製造過程において発泡不良が発生し、目的とする良好な発泡シートを得ることができない。なお、本発明において、酢酸ビニル成分含有量は、JISK6730−1981記載のけん化法によって求められる。
【0013】
本発明において、発泡シートの滑り防止性は、発泡シートの摩擦力で評価され、本発明の目的を達成するには摩擦力は15N以上、さらに17N以上であることが望ましい。発泡シート中の酢酸ビニル成分含有量が上記の範囲内にある場合には、発泡シートの摩擦力が大きく、十分に滑り防止性を有するものとなる。なお、該摩擦力の上限は特に制限されないが、概ね25Nである。
【0014】
本発明において、発泡シートの摩擦力は、JIS P8147−1987に準じて測定される。試験方法は、水平方法により、平坦な表面を有するステンレス板上に測定用試験片(60mm×100mm)を置き、試験片上に1000gの荷重をかけ、引張速度10mm/分で平坦な表面を有するステンレス板上を30mm移動させたときに、測定チャートに示される静摩擦力および動摩擦力のピークのうち最大値の値を摩擦力とした。
【0015】
本発明において、使用される原料樹脂はエチレン‐酢酸ビニル共重合体を単独で、またはエチレン‐酢酸ビニル共重合体と他のポリエチレン系樹脂との混合物が使用される。エチレン‐酢酸ビニル共重合体と混合して使用される他のポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレンのようなエチレン単独重合体、またエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体等のエチレンと重合性を有する単量体との共重合体が例示され、エチレン含有量が少なくとも50重量%以上、好ましくは70重量%以上有する共重合体が挙げられ、特に密度0.90g/cm〜0.93g/cmの低密度ポリエチレンが好ましい。
【0016】
本発明の発泡シートは、例えば、食器棚の敷物用シート、押入れ敷物用シートや炬燵マットのズレ防止下敷きシートに使用されるもので、その厚みは0.5〜5mmあり、好ましくは0.5〜3mmであり、更に好ましくは0.7〜2.5mmのものである。発泡シートの厚みが厚過ぎる場合は、表面平滑性が不充分となり滑り防止性が低下する虞があり、厚みが薄過ぎる場合は、緩衝性が不充分となる。
【0017】
また本発明の発泡シートの見かけ密度は15〜46g/Lのものであり、17〜37g/Lであることが好ましく、18〜30g/Lがより好ましい。発泡シートの見かけ密度が低過ぎる場合は表面平滑性が不充分となり滑り防止性が低下する虞がある。一方、見かけ密度が高過ぎる場合は柔軟性に劣り、緩衝性が低下し好ましくない。
【0018】
また本発明の発泡シートは押出方向および幅方向の平均気泡径が0.2〜1.5mmのものであり、特に押出方向において平均気泡径が0.3〜1.5mm、幅方向において平均気泡径が0.2〜1.0mmであり、押出方向および幅方向の平均気泡径比(押出方向平均気泡径/幅方向平均気泡径)が1〜1.5であることが好ましい。押出方向や幅方向の平均気泡径が大き過ぎる場合には、表面平滑性が不充分で外観が悪く、滑り防止性を十分に発揮することが困難となり本発明の目的を達成できない。一方、押出方向や幅方向の平均気泡径が小さ過ぎる場合は、緩衝性に欠け好ましくない。
【0019】
平均気泡径の測定は、発泡シートの厚み方向の中心部において、押出方向(流れ方向)および幅方向に引いた長さ10mmの直線と交わる全ての気泡数から1を差し引いた値で10mmを除した値[10/(該気泡数−1)]を平均気泡径(mm)とする。
【0020】
本発明の発泡シートは独立気泡率が70%以上のものであり、該独立気泡率が70%未満の場合は外観が悪く、緩衝性、断熱性、防水・防湿性が低下し好ましくない。
【0021】
本明細書において、発泡シートの独立気泡率(%)は、ASTM D2856−70(1976再認定)に記載されている手順Cに準拠し、東芝ベックマン株式会社製の空気比較式比重計930型を使用して測定される試験片の真の体積:Vxから、下記(1)式より算出される値である。
【数1】
独立気泡率(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ) (1)
ただし、上記(1)式において、Vxは上記した方法で測定される真の体積(cm)で、試験片を構成する樹脂の容積と、試験片内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。
その他、上記(1)式中のVa、W、ρは以下の通りである。
Va:測定に使用した試験片の外形寸法から計算される試験片の見かけの体積(cm
W:測定に使用した試験片の全重量(g)
ρ:試験片を構成する基材樹脂の密度(g/cm
なお試験片は、空気比較式比重計に付属のサンプルカップに非圧縮状態で収納されなければならないので、縦と横がそれぞれ2.5cmになるように発泡シートから切り出し(厚みは発泡シートの厚みそのままとする)、見かけ体積が25cmに最も近づくように複数枚を重ね合わせて使用する。
【0022】
本発明の発泡シートは、エチレン‐酢酸ビニル共重合体またはエチレン‐酢酸ビニル共重合体とエチレン系樹脂との混合物からなる原料樹脂成分を、押出機を用いて押出発泡法により製造することができる。
すなわち、上記の原料樹脂および添加剤を混合した原料樹脂成分を押出機の供給口から供給し、加熱下に混練して樹脂を溶融し、溶融樹脂に押出機の所定の位置から発泡剤を圧入し、混練し、発泡剤を含有する発泡性樹脂溶融物を押出機に付設したダイから低圧域に押出し発泡させることにより得られる。ただし、上記押出発泡法においては、通常行われる収縮防止剤の押出機中への投入操作は行わない。
【0023】
上記押出発泡法により得られた本発明の発泡シートは、収縮防止剤が実質的に含まれないものである。なお、発泡シートに収縮防止剤が実質的に含まれないとは、本発明の発泡シートにおいて、収縮防止剤が表面にブリードして、接触する物品を汚染する問題や滑り防止性低下の問題を起こさない程度の微量の収縮防止剤が含まれてもよいことを意味する。具体的には、発泡シート中の収縮防止剤含有量が1重量%以下(0も含む)、さらに0.5重量%以下(0も含む)、さらに0.3重量%以下(0も含む)、特に0.01重量%以下(0も含む)であることが好ましく、発泡シート中に収縮防止剤が含まれていないことが最も好ましい。
また、上記収縮防止剤は、炭素数16〜23の脂肪酸と多価アルコールとのエステル、炭素数16〜23の脂肪族アミン、炭素数16〜23の脂肪族アミドを意味する。
【0024】
上述した通り、本発明の発泡シートを得るために、押出発泡法において収縮防止剤の添加を行わない方法が採用される。このため、押出発泡後、得られた発泡シートは見かけ密度が小さなものであるほど及び/又は厚みが厚いものであるほど、大きく収縮する傾向にあり、発泡シートに大きな収縮が発生した場合は、ロール状に巻取ったシートロールの巻きを解いて30〜40℃で1〜3日間養生して収縮の回復を図らなければならないが、前述のように本発明の発泡シートは、特定の見かけ密度、独立気泡率、平均気泡径に調整されているものであるため、発泡シートの見かけ密度にもよるが収縮は小さく抑えられ、仮に大きな収縮が発生したとしても前記操作により十分回復できる。
【0025】
本発明の発泡シートの製造に使用される発泡剤は、無機系物理発泡剤、有機系物理発泡剤いずれも使用される。無機系物理発泡剤としては、例えば、酸素、窒素、炭酸ガス、空気、水等が例示される。また有機系物理発泡剤としては、例えば、プロパン、n−ブタン、iso−ブタン、ペンタン、n−ヘキサン、シクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素、ジクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、メチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類が例示される。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
発泡剤の使用量は目的とする発泡シートの見かけ密度との関連で適宜選択されるが、通常、使用する原料樹脂100重量部に対して、8〜30重量部である。
【0026】
また、発泡シートの気泡径を調節し、均質な気泡径とするには気泡調節剤が使用される。この気泡調節剤は、発泡体を製造する際に通常用いられる無機系、有機系いずれも使用することができる。
無機系気泡調節剤としては、タルク、クレー、シリカ等の粉末が例示される。また、有機系気泡調節剤としては、例えば、酒石酸水素ナトリウム、コハク酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム等の多価カルボン酸の金属塩と炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩または重炭酸塩との組合わせなどが例示される。これらの気泡調節剤のうち無機系気泡調節剤が好適である。これら気泡調節剤は、原料樹脂100重量部に対して0.1〜2重量部使用される。尚、気泡調節剤の使用量が多くすれば得られる発泡シートの気泡径は小さくなる傾向にあるが適性量を超えると発泡シートの独立気泡率の低下に繋がる。また、その他に所望に応じて、発泡体の製造に使用される種々の添加剤、例えば、着色剤、難燃剤、紫外線防止剤、酸化防止剤等を本発明の発泡シート製造時に用いることができる。
【0027】
また、前述の通り、無架橋ポリエチレン系樹脂発泡体の製造に際しては、通常、例えば、脂肪酸と多価アルコールとのエステル等の収縮防止剤が使用されるが、本発明の発泡シートの製造に際しては、収縮防止剤を使用すると本発明の発泡シートを食器棚用の敷物シートとして、また炬燵マットのズレ防止下敷きシートとして使用する場合、収縮防止剤が表面にブリードして食器類を汚染する危険性があり、また滑り防止性の効果を低減させる虞があること等から収縮防止剤は実質的に使用されない。
【0028】
なお、本発明の発泡シートは、特定の独立気泡率、特定の平均気泡径を有するものである。該独立気泡率の調整方法としては、押出発泡時の溶融樹脂の押出温度、所謂、発泡温度にて調整することができる。押出発泡法において発泡性溶融樹脂は、結晶化物が発生しない温度まで冷却された状態にてダイから押出されるが、その際の温度(発泡温度)をなるべく低くすることにより独立気泡率が高い発泡シートを得ることができる。また、該平均気泡径の調整方法としては、前記気泡調節剤にて調節する方法以外に、ダイスリップのスリット間隔,押出発泡圧力,溶融樹脂の押出温度にて調整することができる。スリット間隔,押出発泡圧力,溶融樹脂の押出温度を調節することにより発泡性溶融樹脂がダイから押出される際のダイ内の圧力と押出し雰囲気との圧力差が変化し、該圧力差を大きくすることにより平均気泡径が小さい発泡シートを得ることができる。但し、ダイスリップのスリット間隔は発泡シートの厚みに関係する等、目的とする発泡シートが得られる範囲内にて、該圧力差を調整する必要がある。
【0029】
本発明における発泡シートは、さらに表面材料を、発泡シートの少なくとも一方の面に積層した積層体とすることができる。このような表面材料を積層した発泡シート積層体とすることにより外観を美麗とし商品価値を一層高めることができる。
表面材料と発泡シートとの積層は、熱融着、接着剤、縫合により適宜行われる。積層シートに用いられる表面材料としては、例えば、プロピレンテープフィルムからなる割布、アルミニウム蒸着ポリエステルフィルムや柄模様を有するポリオレフィンフィルム、熱可塑性樹脂繊維からなる織布または不織布が挙げられる。
【0030】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げ、具体的に説明する。
【0031】
実施例1,2、比較例1〜6
ポリエチレン系樹脂として、表1に示す配合の原料樹脂を用い、気泡調節剤として原料樹脂100重量部に対して表2に示す量のタルクを混合し、押出機内で温度200℃の加熱下に混練して樹脂を溶融させ、発泡剤として原料樹脂100重量部に対して表2に示す量のイソブタンとノルマルブタンとの混合ブタン(重量比3:7)を押出機中に圧入し、混練したのち押出機に付設した環状ダイから表2に示す条件にて押出し円筒状発泡体とし、これを切り開いて所望の発泡シートを得た(但し、比較例6においては、気泡形成ができず発泡シートを得ることができなかった。)。得られた発泡シートの性状を表1に示した。
【0032】
【表1】
Figure 2004359709
【0033】
【表2】
Figure 2004359709
【0034】
上記表1に示した緩衝性の評価は、指圧による感応評価を行った。
評価:「○」弾性が感じられる。 「×」弾性がまったく感じられない。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、本発明の発泡シートはエチレン‐酢酸ビニル共重合体またはエチレン‐酢酸ビニル共重合体とポリエチレン樹脂との混合物からなり、酢酸ビニル成分含有量が3〜12重量%であり、発泡シートの見かけ密度、平均気泡径、および独立気泡率が特定の範囲内にあり、さらに発泡シート中に収縮防止剤が実質的に含まれないため、発泡シートと接触する物品を汚染することがなく、水分が該発泡シート表面に付着して滑り防止性が大きく低下することもなく、安定して優れた滑り防止性を有するに発泡シートであって、特に炬燵マットのズレ防止下敷きシート等の滑り防止用発泡シートとして好適なものである。
また、該発泡シートに表面材料を積層したものは、強度、断熱性、外観をさらに向上させることができ、あるいは新たな機能を付加させることができ広い範囲の用途に有用なものとなる。

Claims (3)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体とポリエチレン樹脂との混合物からなり酢酸ビニル成分含有量が3〜12重量%であるポリエチレン系樹脂を発泡させて得られる無架橋ポリエチレン系樹脂発泡シートであって、該発泡シートの厚みが0.5〜5mm、見かけ密度が15〜46g/L、独立気泡率が70%以上、押出方向および幅方向の平均気泡径が0.2〜1.5mmであり該発泡シート中には収縮防止剤が実質的に含まれていないことを特徴とする発泡シート。
  2. 発泡シートの摩擦力が15N以上であることを特徴とする請求項1記載の発泡シート。
  3. 請求項1または2記載の発泡シートの少なくとも一方の面に表面材料が積層されてなる積層体。
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