JP2004359673A - 置換アミノキナゾリノン誘導体の製造方法 - Google Patents

置換アミノキナゾリノン誘導体の製造方法 Download PDF

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修 三瓶
Nobuyuki Araino
信之 新井野
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Abstract

【課題】 高選択的に反応が進行し、高収率でより工業的に有利な製法の提供。
【解決手段】 式(II)の置換イミノキナゾリノン誘導体を触媒及び含ハロゲン化合物又は含硫黄化合物の存在下、水素還元することを特徴とする式(I)の置換アミノキナゾリノン誘導体の製造方法。
【化1】
Figure 2004359673

(式中、RはH、ホルミル、(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C3)アルキル、(C1-C6)アルキルスルホニル、(置換)フェニルスルホニル、ナフチルカルボニル等、R1はO、S、Nから選択される1〜3個を有する(置換)5〜6員複素環等、R2はH、(C1-C3)アルキル、Xは同一又は異なっても良く、ハロゲン、(ハロ)(C1-C6)アルキル等の1以上の置換基。)
【選択図】 なし

Description

本発明は農業用殺虫剤として有用な置換アミノキナゾリノン誘導体の製造方法に関するものである。
本発明の置換アミノキナゾリノン誘導体は農業用殺虫剤として有用であり、その製造方法として、置換イミノキナゾリノン誘導体の窒素−炭素二重結合を触媒の存在下、水素還元する方法が知られている(例えば、特許文献1又は2参照。)。
また、ヒドラゾン類を水素還元してヒドラジン類へと変換する一般的な製造方法として、酸化白金類を触媒とする方法(例えば、非特許文献1参照。)やパラジウム炭素を触媒とする方法(例えば、非特許文献2参照。)が知られている。
しかし、これら従来文献には本発明の特徴である水素還元の際の添加物に関する記載はない。
特開平8−325239号公報 特開2001−342186号公報 J.Med.Chem.,6,221(1963) J.Org.Cem.,26,1854(1961)
置換アミノキナゾリノン誘導体製造の際、上記従来文献の方法では水素化分解が進行し副生物が生成するという問題点があり、目的物の選択性、収率ともに不十分であった。そこで、上記問題を解決し、工業的に効率良く置換アミノキナゾリノン誘導体を製造する方法が求められていた。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、触媒を用いる水素還元において添加物として含ハロゲン化合物又は含硫黄化合物を添加することにより、従来の方法と比べて選択性及び収率が大きく向上することを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち本発明は一般式(II)
Figure 2004359673
(式中、Rは水素原子、ホルミル基、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ(C1-C3)アルキル基、(C1-C6)アルキルスルホニル基、シアノ(C1-C3)アルキル基、(C1-C6)アルキルカルボニル基、(C1-C6)アルコキシカルボニル基、(C1-C3)アルコキシ(C1-C6)アルキルカルボニル基、(C3-C6)シクロアルキルカルボニル基、フェニルカルボニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C1-C6)アルキル基、ハロ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基、ハロ(C1-C6)アルコキシ
基、(C1-C6)アルキルチオ基、ハロ(C1-C6)アルキルチオ基又はフェニル基から選択される1〜5個の置換基を環上に有する置換フェニルカルボニル基、フェニルスルホニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C1-C6)アルキル基、ハロ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基、ハロ(C1-C6)アルコキシ基、(C1-C6)アルキルチオ基又はハロ(C1-C6)アルキルチオ基から選択される1〜5個の置換基を環上に有する置換フェニルスルホニル基又はナフチルカルボニル基を示す。
1は同一又は異なっても良く、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員複素環基を示し、該複素環基は同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、(C1-C6)アルキル基、ハロ(C1-C6)アルキル基又は(C1-C6)アルコキシ基から選択される1〜5個の置換基を有することもでき、複素環基中の窒素原子はN−オキシド基を示すこともできる。
2は水素原子又は(C1-C3)アルキル基を示す。
Xは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、(C1-C6)アルキル基、ハロ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基又はハロ(C1-C6)アルコキシ基から選択される1以上の置換基を示す。)
で表される置換イミノキナゾリノン誘導体を触媒及び含ハロゲン化合物又は含硫黄化合物の存在下、水素還元することを特徴とする一般式(I)
Figure 2004359673
(式中、R、R1、R2及びXは前記に同じ。)
で表される置換アミノキナゾリノン誘導体の製造方法に関する。
本発明による水素還元反応は極めて容易に、高選択的に進行するものである。その結果、従来の製法と比較し収率の大幅な向上が可能となり、より有利な工業的製法を提供することができるものである。
本発明の一般式(I)で表される置換アミノキナゾリノン誘導体における各置換基の定義中、「ハロゲン原子」とは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はフッ素原子を示し、「(C1-C6)アルキル基」とは炭素原子数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等のアルキル基を示し、「ハロ(C1-C6)アルキル基」とは同一又は異なっても良く、1以上のハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、パーフルオルペンチル基、パーフルオロヘキシル基等を示し、
「同一又は異なっても良く、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子から選択される1以上のヘテロ原子を有する5〜6員複素環」とは、例えばフラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ジチオラン、ジチアン、ピペラジン、ジオキ
ソラン、イミダゾリジン又はテトラヒドロフラン等の5〜6員複素環を示す。
本発明で使用できる触媒としては、パラジウム炭素、パラジウム黒、パラジウム金属等のパラジウム系触媒、ラネーニッケル、ニッケル−珪藻土等のニッケル系触媒、酸化ルテニウム、ルテニウム炭素等のルテニウム系触媒、塩化ロジウム、ロジウム炭素等のロジウム系触媒、白金炭素、酸化白金等の白金系触媒等を例示することができる。これら触媒の使用量は一般式(II)で表される置換イミノキナゾリノン誘導体に対して0.0001倍モル〜0.2倍モルの範囲で使用すれば良く、好ましくは0.001倍モル〜0.1倍モルの範囲である。
本発明の添加物は含ハロゲン化合物又は含硫黄化合物であり、含ハロゲン化合物としては臭素、ヨウ素等の分子状ハロゲン、ヨウ化メチル、臭化エチル、1−ヨード−2−メチルプロパン、ヨードベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジクロロアセトン、2−ヨードアセトアミド、ブロモ酢酸等のα−ハロケトン類、N−ヨードコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド、5,5−ジメチル−1,3−ジヨードヒダントイン等のN−ハロイミド類、塩化カリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属類、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化ベリリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化バリウム等のハロゲン化アルカリ土類金属類、塩化ニッケル、塩化第一銅、塩化第二銅、ヨウ化パラジウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄等のハロゲン化遷移金属類、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素酸等を例示することができ、含硫黄化合物としてはジメチルスルフィド、ジフェニルスルフィド等のスルフィド類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキシド類、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン等のスルホン類等を例示することができる。添加物の使用量は触媒に対して0.01倍モル〜1000倍モルの範囲で適宜選択すれば良く、好ましくは0.1〜20倍モルの範囲である。
本発明の反応では、一般的な水素還元で知られているように、反応の促進剤として酸を加えることもできる(例えば、日本化学会編,「新実験化学講座」,15巻,p.408,1977年,丸善株式会社 参照。)。添加できる酸としては蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、蓚酸等の有機カルボン酸類、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機スルホン酸類、塩酸、硫酸、過塩素酸等の無機酸類等を例示することができる。酸の使用量としては一般式(II)で表される置換イミノキナゾリノン誘導体に対して0.1〜100倍モルの範囲で適宜選択して使用すれば良いが、好ましくは0.1〜10倍モルの範囲である。
本発明の反応で使用できる溶媒としては、反応の進行を阻害しないものであれば良く、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル系溶媒、酢酸、水等を用いることができる。これら溶媒は、単独または二種類以上の混合溶媒として使用することもできる。
反応温度は0〜200℃の範囲で選択すれば良いが、好ましくは室温〜100℃の範囲である。反応時間は反応規模、反応温度により一定しないが、0.5〜24時間の範囲から選択できる。水素圧は1〜10kg/cm2の範囲で適宜調整すれば良い。
一般式(II)で表される化合物は特開2001−342186号公報記載の方法に準じて製造することができる。
次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1. 1−アセチル−3,4−ジヒドロ−3−(3−ピリジルメチルアミノ)−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)−キナゾリノンの合成
200mlオートクレーブに9.25g(20ミリモル)の1−アセチル−3,4−ジヒドロ−3−(3−ピリジルメチリデンアミノ)−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)−キナゾリノン、0.21g(0.05ミリモル)の5%パラジウム炭素(50%含水品)、1.7mg(0.01ミリモル)のヨウ化カリウム、0.4g(98%、4ミリモル)の濃硫酸及び50mlのジメチルホルムアミドを加えた。撹拌下で45℃まで加温し、水素圧2kg/cm2で水素吸収速度が低下するまで反応させた。室温まで冷却した後、触媒をろ過で除いた。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。また、そのろ液を100mlの水中に注ぎ込み析出した結晶をろ集した。結晶をトルエンから再結晶し目的物8.9gを得た。
収率:95%
物性:融点130〜132℃
実施例2.
添加する含ハロゲン化合物が3.1mg(0.015ミリモル)のヨードベンゼンである以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例3.
添加する含ハロゲン化合物が1.9mg(0.011ミリモル)の2−ヨードアセトアミドである以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例4.
添加する含ハロゲン化合物が2.5mg(0.0069ミリモル)のヨウ化パラジウムである以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例5.
添加する含ハロゲン化合物が2.5mg(0.0098ミリモル)のヨウ素である以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例6.
添加する含ハロゲン化合物が2.5mg(0.011ミリモル)のN−ヨードコハク酸イミドである以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例7.
添加する含硫黄化合物が3.0g(38ミリモル)のジメチルスルホキシドである以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例8.
反応溶媒にN−メチルピロリドンを用いた以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例9.
添加する含ハロゲン化合物が2.8mg(0.015ミリモル)の1−ヨード−2−メチルプロパンである以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例10.
添加する含ハロゲン化合物が1.9mg(0.015ミリモル)の塩化ニッケルである以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例11.
反応溶媒に酢酸を用いた以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例12.
添加する含ハロゲン化合物が3.8mg(0.011ミリモル)の5,5−ジメチル−1,3−ジヨードヒダントインである以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例13.
添加する含ハロゲン化合物が1.7mg(0.011ミリモル)のヨウ化リチウムである以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例14.
添加する含ハロゲン化合物が0.42mg(0.011ミリモル)の塩化リチウムである以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例15.
反応溶媒にジメチルホルムアミド:トルエン/1:1(容量比)を用いた以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例16.
反応溶媒にジメチルホルムアミド:メタノール/1:1(容量比)を用いた以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例17.
反応溶媒にジメチルホルムアミド:メチルターシャリーブチルエーテル/1:1(容量比)を用いた以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例18.
反応溶媒にジメチルホルムアミド:酢酸エチル/1:1(容量比)を用いた以外は、実施例1の条件と同様に実施した。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例19. 3,4−ジヒドロ−3−(3−ピリジルメチルアミノ)−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)−キナゾリノンの合成
200mlオートクレーブに8.40g(20ミリモル)の3,4−ジヒドロ−3−(3−ピリジルメチリデンアミノ)−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)−キナゾリノン、0.21g(0.05ミリモル)の5%パラジウム炭素(50%含水品)、1.68mg(0.01ミリモル)のヨウ化カリウム、0.4g(98%、4ミリモル)の濃硫酸及び50mlのジメチルホルムアミドを加えた。撹拌下で45℃まで加温し、水素圧2kg/cm2で水素吸収速度が低下するまで反応させた。室温まで冷却した後、触媒をろ過で除いた。ろ液を100mlの水中に注ぎ込み析出した結晶をろ集した。結晶をトルエンから再結晶し目的物8.02gを得
た。
収率:95%
物性:融点159−161℃
比較例1. 1−アセチル−3,4−ジヒドロ−3−(3−ピリジルメチルアミノ)−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)−キナゾリノンの合成(特開平8−325239号公報及び特開2001−342186号公報記載の方法)
200mlオートクレーブに9.25g(20ミリモル)の1−アセチル−3,4−ジヒドロ−3−(3−ピリジルメチリデンアミノ)−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)−キナゾリノン、0.21g(0.05ミリモル)の5%パラジウム炭素(50%含水品)、0.4g(98%、4ミリモル)の濃硫酸及び50mlのジメチルホルムアミドを加えた。撹拌下で60℃まで加温し、水素圧2kg/cm2で水素吸収速度が低下するまで反応させた。室温まで冷却した後、触媒をろ過で除いた。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
比較例2. 1−アセチル−3,4−ジヒドロ−3−(3−ピリジルメチルアミノ)−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)−キナゾリノンの合成(J.Org.Chem.,26,1854(1961)記載の方法)
200mlオートクレーブに9.25g(20ミリモル)の1−アセチル−3,4−ジヒドロ−3−(3−ピリジルメチリデンアミノ)−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)−キナゾリノン、12.4mg(0.055ミリモル)の酸化白金、50mlのジメチルホルムアミドを加えた。撹拌下で60℃まで加温し、水素圧2kg/cm2で水素吸収速度が低下するまで反応させた。室温まで冷却した後、触媒をろ過で除いた。ろ液を高速液体クロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
参考例1. 1−アセチル−3−(3−ピリジルメチリデンアミノ)−3,4−ジヒドロ−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)キナゾリノンの製造
0.84g(1.8ミリモル)の3−(3−ピリジルメチリデンアミノ)−3,4−ジヒドロ−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)キナゾリノンを10mlのジメチルホルムアミドに溶解し、その溶液に0.09g(2.3ミリモル)の水素化ナトリウム(純度62.4%)を加え室温下に30分反応を行い、次いで0.19g(2.4ミリモル)の塩化アセチルを加えて4時間反応を行った。反応終了後、反応液を氷水中に注ぎ、目的物を酢酸エチル(20ml×3)で抽出し、抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下に溶媒を留去することにより得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−メタノ−ル=10:1)で精製して目的物0.51gを得た。
物性:融点 160〜162℃
収率:55.1%
参考例2. 1−アセチル−3−(3−ピリジルメチリデンアミノ)−3,4−ジヒドロ−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)キナゾリノンの製造
0.84g(1.8ミリモル)の3−(3−ピリジルメチリデンアミノ)−3,4−ジヒドロ−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)キナゾリノンを10mlのジメチルアセトアミドに溶解し、その溶液に0.
09g(2.3ミリモル)の水素化ナトリウム(純度62.4%)を加え室温下に30分反応を行い、次いで0.25g(2.4ミリモル)の無水酢酸を加えて4時間反応を行った。反応終了後、反応液を氷水中に注ぎ、目的物を酢酸エチル(20ml×3)で抽出し、抽出液を水及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、減圧下に溶媒を留去することにより得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−メタノ−ル=10:1)で精製して目的物0.78gを得た。
物性:融点 160〜162℃
収率:92.5%
尚、表中、原料とは1−アセチル−3,4−ジヒドロ−3−(3−ピリジルメチリデンアミノ)−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)−キナゾリノンを示し、目的物とは1−アセチル−3,4−ジヒドロ−3−(3−ピリジルメチルアミノ)−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)−キナゾリノンを示し、副生物1とは3,4−ジヒドロ−3−(3−ピリジルメチルアミノ)−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)−キナゾリノンを示し、副生物2とは1−アセチル−3,4−ジヒドロ−3−アミノ−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)−キナゾリノンを示し、副生物3とは1−アセチル−3,4−ジヒドロ−6−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]−2(1H)−キナゾリノンを示す。
Figure 2004359673
実施例及び第1表の結果によれば、本発明の製造方法は比較例に比べ、副生物が減少し、目的物の選択性、収率が大きく向上していることがわかる。

Claims (3)

  1. 一般式(II)
    Figure 2004359673
    (式中、Rは水素原子、ホルミル基、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ(C1-C3)アルキル基、(C1-C6)アルキルスルホニル基、シアノ(C1-C3)アルキル基、(C1-C6)アルキルカルボニル基、(C1-C6)アルコキシカルボニル基、(C1-C3)アルコキシ(C1-C6)アルキルカルボニル基、(C3-C6)シクロアルキルカルボニル基、フェニルカルボニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C1-C6)アルキル基、ハロ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基、ハロ(C1-C6)アルコキシ基、(C1-C6)アルキルチオ基、ハロ(C1-C6)アルキルチオ基又はフェニル基から選択される1〜5個の置換基を環上に有する置換フェニルカルボニル基、フェニルスルホニル基、同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、(C1-C6)アルキル基、ハロ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基、ハロ(C1-C6)アルコキシ基、(C1-C6)アルキルチオ基又はハロ(C1-C6)アルキルチオ基から選択される1〜5個の置換基を環上に有する置換フェニルスルホニル基又はナフチルカルボニル基を示す。
    1は同一又は異なっても良く、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員複素環基を示し、該複素環基は同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、シアノ基、(C1-C6)アルキル基、ハロ(C1-C6)アルキル基又は(C1-C6)アルコキシ基から選択される1〜5個の置換基を有することもでき、複素環基中の窒素原子はN−オキシド基を示すこともできる。
    2は水素原子又は(C1-C3)アルキル基を示す。
    Xは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、(C1-C6)アルキル基、ハロ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基又はハロ(C1-C6)アルコキシ基から選択される1以上の置換基を示す。)
    で表される置換イミノキナゾリノン誘導体を触媒及び含ハロゲン化合物又は含硫黄化合物の存在下、水素還元することを特徴とする一般式(I)
    Figure 2004359673
    (式中、R、R1、R2及びXは前記に同じ。)
    で表される置換アミノキナゾリノン誘導体の製造方法。
  2. Rが水素原子、(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルキルカルボニル基、(C1-C6)アルコキシカルボニル基、(C1-C3)アルコキシ(C1-C6)アルキルカルボニル基又は(C3-C6)シクロアルキルカルボニル基を示し、R1がピリジル基を示し、R2が水素原子を示し、Xは同一又は異なっても良く、ハロゲン原子、(C1-C6)アルキル基、ハロ(C1-C6)アルキル基、(C1-C6)アルコキシ基又はハロ(C1-C6)アルコキシ基から選択される1以上の置換基を示し、触媒がニッケル系触媒、パラジウム系触媒、ルテニウム系触媒、ロジウム系触媒又は白金系触媒であり、含ハロゲン化合物が、分子状ハロゲン、ハロゲン化炭化水素類、α−ハロケトン類、N−ハロイミド類、ハロゲン化アルカリ金属類、ハロゲン化遷移金属類又はハロゲン化水素酸類であり、含硫黄化合物がスルフィド類、スルホキシド
    類又はスルホン類である請求項1記載の置換アミノキナゾリノン誘導体の製造方法。
  3. Rが水素原子又は(C1-C6)アルキルカルボニル基を示し、R1が3−ピリジル基を示し、R2が水素原子を示し、Xがハロ(C1-C6)アルキル基を示し、触媒がパラジウム系触媒であり、含ハロゲン化合物がヨウ素、ヨードベンゼン、2−ヨードアセトアミド、N−ヨードコハク酸イミド、5,5−ジメチル−1,3−ジヨードヒダントイン、ヨウ化水素酸、塩化ニッケル、ヨウ化パラジウム、1−ヨード−2−メチルプロパン、塩化リチウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム又はヨウ化カリウムであり、含硫黄化合物がジメチルスルホキシド又はジフェニルスルホキシドである請求項1記載の置換アミノキナゾリノン誘導体の製造方法。



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