JP2004359450A - 画像形成装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高品質な画像を形成する。
【解決手段】CPUは、ゲートクラッチのオンタイミングをシートの種類に応じて可変制御している。すなわち、基準シートの場合には、時刻t4から所定時間T40後の時刻t40の基準タイミングにゲートクラッチをオンにする。一方、基準外シートの場合には、時刻t4から所定時間T41後の時刻t41にゲートクラッチをオンにする。この時刻t41は、時刻t40の基準タイミングから補正時間+α1だけ変更したタイミングになっている。すなわち、α1=T41−T40である。
【選択図】 図5
【解決手段】CPUは、ゲートクラッチのオンタイミングをシートの種類に応じて可変制御している。すなわち、基準シートの場合には、時刻t4から所定時間T40後の時刻t40の基準タイミングにゲートクラッチをオンにする。一方、基準外シートの場合には、時刻t4から所定時間T41後の時刻t41にゲートクラッチをオンにする。この時刻t41は、時刻t40の基準タイミングから補正時間+α1だけ変更したタイミングになっている。すなわち、α1=T41−T40である。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に記載の装置では、装置下部に配設されたシート収容部からほぼ鉛直方向にシートを搬送する構成が採用されている。そして、シート収容部から送られてきたシートについては、レジスト部で一旦停止させた後に、該シートを転写位置に二次給紙する。また、上記のようにして搬送されるシートに画像を転写するため、次の画像形成動作を実行している。すなわち、中間転写媒体上に複数色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、該カラー画像を転写位置に搬送されてきたシートに転写する。
【0003】
また、この装置では、シート収容部から送り出されたシートの種類をセンサで検出している。そして、その検出結果に応じてシート収容部からのシートの送出タイミング、レジスト部による給紙タイミング、画像形成動作の動作タイミングを可変制御している。このようにシートの種類に応じたタイミング制御を実行することで、転写不良や紙詰まりの発生を防止するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−354337号公報(第3〜4頁、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した画像形成装置では、シート収容部から送り出されたシートの種類を検出した後で画像形成動作の動作タイミングを制御している。つまり、画像形成動作を開始する前にシートをシート収容部から送り出し、シートがレジスト部で一旦停止して待機状態となる。したがって、シートの待機時間が長くなり過ぎてしまう。特に、この装置では、上記したようにシート収容部からほぼ鉛直方向にシートを搬送する構成を採用しているので、レジスト部での待機中にシートの自重で撓みが大きくなってシートが変形するおそれがあり、これによって画像品質の低下を招いてしまう。
【0006】
また、可変制御するタイミングが増えると装置制御が複雑化するため、可能な限り可変制御するタイミングを減らすことが望まれる。特に、画像形成動作の動作タイミングを可変制御すると、その影響が露光処理、現像処理などの像形成プロセス全体に及ぶこととなる。また、中間転写媒体の種類によっては動作タイミングを可変制御すること自体が困難となる場合がある。例えば、継ぎ目のある中間転写媒体を採用した場合には、その継ぎ目を避けてトナー像を重ね合わせる必要がある。したがって、トナー像が継ぎ目に掛からないように画像形成動作の動作タイミングを設定しなければならず、事実上、画像形成動作の動作タイミングを変更させることが困難となる。
【0007】
さらに、近年、単に転写不良を防止するだけではなく、画像形成動作により形成された画像とシートとを正確に位置合わせすることにより、シートの余白を厳密に管理することが可能な高品質の装置を実現することが求められているが、上記従来の装置は、そのような課題を十分に考慮したものではないため、上記のような高品質の装置を実現するのは困難である。
【0008】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高品質な画像を形成することができる画像形成装置および方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明にかかる画像形成装置は、シート収容部に収容されているシートを搬送手段により前記シート収容部から所定の転写位置に搬送する一方、画像信号に応じて露光処理および現像処理を行って画像を形成するとともに該画像を前記転写位置に搬送されてくるシートに転写する画像形成動作を実行することによって、前記シート上に前記画像信号に対応する画像を形成する画像形成装置において、前記搬送手段は、前記シート収容部からシートを送り出すピックアップ部と、前記シート収容部から送られてきたシートを一旦停止させた後に、該シートを前記転写位置に給紙するレジスト部とを備え、前記画像信号に応じて前記露光処理が開始された後に前記シート収容部からシートを送り出し、前記画像形成動作については前記シートの種類にかかわらず予め設定された動作タイミングで実行する一方、前記レジスト部による前記転写位置へのシートの給紙タイミングについては前記シートの種類に応じて可変制御することを特徴としている。
【0010】
また、上記目的を達成するために、この発明にかかる画像形成方法は、シート収容部に収容されているシートを所定の転写位置に搬送する一方、画像信号に応じて露光処理および現像処理を行って画像を形成するとともに該画像を前記転写位置に搬送されてくるシートに転写する画像形成動作を実行することによって、前記シート上に前記画像信号に対応する画像を形成する画像形成方法において、画像信号を受けると、前記シートの種類にかかわらず予め設定された動作タイミングで前記画像形成動作を実行する一方、前記画像信号に応じて前記露光処理が開始された後に前記シート収容部からシートを送り出し、さらに前記シート収容部と前記転写位置との間のレジスト位置で該シートを一旦停止させた後に、該シートの種類に応じた給紙タイミングで該シートを前記転写位置に給紙することを特徴としている。
【0011】
ところで、発明者の実験によると、転写位置で画像とシートとの位置がシートの種類によってずれるのは、レジスト位置からの給紙開始から転写位置に到達するまでに要する搬送時間がシートの種類によって異なることに起因することが分かった。そして、さらに発明者が検証を重ねると、上記搬送時間がシートの種類によって異なる要因は、次のように推定できることが分かった。すなわち、一般にレジスト位置から転写位置までの搬送路は、例えばガイド板などによってある程度の幅を有するように構成されている。その搬送路の幅のなかで、異なる種類のシートは、例えばシートの滑り易さや腰の強さの違いなどによって互いに異なる位置を通過する。このため、レジスト位置から転写位置に至るシートの搬送距離がシートの種類によって互いに異なり、これによって、レジスト位置からの給紙開始から転写位置に到達するまでに要する搬送時間が、シートの種類によって異なるものとなる。したがって、シートをタイミング良く転写位置に到達させるためには、レジスト位置から転写位置への給紙タイミングをシートの種類に応じて制御することが最も効果的である。
【0012】
そこで、上記のように構成された発明では、レジスト部による転写位置へのシートの給紙タイミングをシートの種類に応じて可変制御している。これにより、如何なる種類のシートであっても、シートを確実にタイミング良く転写位置に到達させることができる。また、レジスト部からの給紙タイミングによりシート位置を調整しているので、画像形成動作によるシート位置の調整が不要となる。そこで、この発明では、画像信号を受けると、シートの種類にかかわらず予め設定された動作タイミングで実行している。したがって、露光処理や現像処理などの像形成プロセスを含む画像形成全体の動作制御をシートの種類にかかわらず共通化でき、その結果、制御構成を簡単化することができる。また、その固定された動作タイミングで実行される露光処理の開始後に、シート収容部からシートが送り出されることから、レジスト位置におけるシートの待機時間が長くなり過ぎず、レジスト位置での待機中にシートが変形するのを防止できるため、画像品質の低下を未然に防止することができる。
【0013】
なお、この発明における「シートの種類」は、レジスト位置の給紙開始から転写位置に到達するまでに要する時間が互いに異なるようなものを言う。すなわち、例えば普通紙やOHP用シートなどの「シートの種類の違い」に限られず、例えば「シートの厚さ」や「シートのサイズ」や、それらの少なくとも2つを考慮したものなども含まれる。
【0014】
また、前記シート収容部から送り出されるシートが所定の基準シートのときには前記給紙タイミングは所定の基準タイミングに設定される一方、前記シート収容部から送り出されるシートが前記基準シート以外のシートである基準外シートのときは、前記給紙タイミングは前記基準タイミングに対して前記基準外シートに応じて予め設定された補正時間だけ変更したタイミングに設定されるとしてもよい。
【0015】
このように構成された発明によれば、基準シートの給紙タイミングは基準タイミングに設定される一方、基準外シートの給紙タイミングは基準タイミングに対して補正時間だけ変更されたタイミングに設定されるため、例えば基準シートと基準外シートとでレジスト位置の給紙開始から転写位置に到達するまでに要する時間が異なる場合に、その時間差分を補正時間に設定しておくことにより、基準シートおよび基準外シートのいずれについても、それぞれ転写位置において画像とシートとの位置合わせを正確に行うことができる。また、基準外シートに応じて補正時間を設定しているため、例えば基準シートが基準外シートに変わった場合でも、補正時間を付加するだけで給紙タイミングの設定ができるので、制御構成を簡素化することができる。
【0016】
また、互いに異なる複数の基準外シートの各々に対応した補正時間を記憶する記憶手段をさらに備え、前記シート収容部から送り出される基準外シートの種類に対応する補正時間を前記記憶手段から読み出し、該補正時間だけ変更した給紙タイミングで該基準外シートを前記転写位置に給紙するとしてもよい。
【0017】
このように構成された発明によれば、例えば基準外シートの種類が変わった場合でも、それに対応する補正時間を記憶手段から読み出して、その補正時間だけ変更したタイミングで転写位置に給紙すればよいため、制御構成を簡素化することができる。
【0018】
また、前記搬送手段により搬送されるシートを前記レジスト部の前記シート収容部側近傍で検出するシート検出手段と、前記シート収容部からのシートの送出開始時点からの経過時間、または送出開始後の所定時点からの経過時間が、ジャム時間に達するまでに、前記シート収容部から送り出されたシートが前記シート検出手段により検出されないときにジャムと判定するジャム判定手段とをさらに備え、前記ジャム時間が前記シート収容部から送り出されたシートの種類に対応する給紙タイミングに応じて設定されるとしてもよい。
【0019】
このように構成された発明によれば、レジスト部による転写位置へのシートの給紙タイミングがシートの種類に応じて可変制御されるが、その給紙タイミングに応じてジャム時間が設定されるため、シート収容部とシート検出手段との間におけるジャム、またはシート収容部からの送出開始後の所定時点におけるシート位置とシート検出手段との間におけるジャムを好適に判定することができる。
【0020】
また、前記給紙タイミングの補正時間にほぼ等しい時間だけ前記搬送手段によるシートの搬送開始タイミングを変更するようにしてもよい。このように構成された発明によれば、ピックアップ部の送出開始タイミングのレジスト部による給紙タイミングに対する相対関係がほぼ同一に保たれる。また、搬送手段が、レジスト部およびピックアップ部以外にもシートを搬送する搬送部を備える場合には、その搬送部による搬送動作の開始タイミングのレジスト部による給紙タイミングに対する相対関係もほぼ同一に保たれることとなる。そのため、搬送手段によるシートの搬送を安定して行うことができる。
【0021】
また、前記搬送手段により搬送されるシートを前記レジスト部の前記シート収容部側近傍で検出するシート検出手段と、前記シート収容部からのシートの送出開始時点からの経過時間、または送出開始後の所定時点からの経過時間が、ジャム時間に達するまでに、前記シート収容部から送り出されたシートが前記シート検出手段により検出されないときにジャムと判定するジャム判定手段とをさらに備え、前記ジャム時間が前記シート収容部から送り出されたシートの種類にかかわらず固定されるとしてもよい。
【0022】
このように構成された発明によれば、搬送手段による搬送動作の開始タイミングのレジスト部による給紙タイミングに対する相対関係がほぼ同一に保たれることから、シート収容部から送り出されたシートの種類にかかわらず固定されたジャム時間を用いて、シート収容部とシート検出手段との間におけるジャム、またはシート収容部からの送出開始後の所定時点におけるシート位置とシート検出手段との間におけるジャムを好適に判定することができる。したがって、シートの種類にかかわらず、簡素化された制御構成でジャム判定を安定して行うことができる。また、例えばジャム時間を記憶しておく場合には、1つのジャム時間を記憶するだけでよいので、記憶容量の増大を避けることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1はこの発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。この装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号がCPU100(図2参照)に与えられると、このCPU100からの指令に応じて装置本体1に設けられたエンジン部EGが所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
【0024】
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ユニット23は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体22の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。また、これらの感光体22、帯電ユニット23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、この感光体カートリッジ2が一体として装置本体1に対し着脱自在となっている。
【0025】
そして、この帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じた光ビームLにより感光体22上を露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。
【0026】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、現像ユニット4は、回転軸4aを中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、CPU100により制御されている。そして、このCPU100からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともに、これらの現像器4Y,4C,4M,4Kが選択的に感光体22と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に現像ユニット4が位置決めされると、当該現像器(図1では現像器4K)に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラ(図1では現像ローラ41K)から感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
【0027】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。中間転写ベルト71は、複数のローラ72〜75に掛け渡されており、ローラ73が駆動モータ(図示省略)により回転駆動されることで、所定の回転方向D2に回転するように構成されている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体22上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、下方のカセット11から1枚ずつ取り出され搬送路Fに沿って二次転写位置TR2まで搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。このように、搬送路Fは、カセット11から二次転写位置TR2まで、ほぼ鉛直方向に延設されている。
【0028】
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写位置TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、転写ユニット7に後述する垂直同期センサ76(図2)が設けられ、搬送路F上において二次転写位置TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートSが所定のタイミングで二次転写位置TR2に給紙される。
【0029】
また、こうしてカラー画像が転写されたシートSは、定着ユニット9によって搬送されつつシートS上のカラー画像が定着され、さらに排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して装置本体1の上面部に設けられた排出トレイ部89に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送路FRに沿って矢印D3方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送路Fに乗せられるが、このとき、二次転写位置TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
【0030】
さらに、図1に示すように、装置本体1の下端には、カセット11が装着されている。カセット11には種々のサイズのシートSが収容可能になっており、さらに、カセット11には普通紙やOHPシートなどの種々のシートSが収容可能になっている。そして、カセット11に収容されているシートSは、ピックアップローラ111によりカセット11から搬送路Fに送り出され、フィードローラ112によりさらに搬送されて、ゲートローラ81に到達する。
【0031】
また、ゲートローラ81の近傍であってフィードローラ112側の搬送路F上にはゲート前シートセンサ84が配設されている。また、フィードローラ112の近傍であってピックアップローラ111側(ゲートローラ81と反対側)の搬送路F上にはフィード前シートセンサ85が配設されている。ゲート前シートセンサ84およびフィード前シートセンサ85は、搬送路Fに沿って搬送されてきたシートSを検出するもので、検出信号はCPU100(図2)に送出される。
【0032】
このように、この実施形態では、ゲートローラ81が本発明の「レジスト部」に相当し、ピックアップローラ111が本発明の「ピックアップ部」に相当し、ゲート前シートセンサ84が本発明の「シート検出手段」に相当し、カセット11が本発明の「シート収容部」に相当する。また、ゲートローラ81、ピックアップローラ111、フィードローラ112が本発明の「搬送手段」を構成する。
【0033】
図2はこの画像形成装置の電気的構成を示す図、図3はメモリの記憶内容を示す図である。この画像形成装置には、図2に示すように、エンジン部EGなどの各部の動作を制御するCPU100が設けられており、メモリ101などが接続されている。メモリ101は、CPU100の制御プログラムが格納されたROM部や、外部装置から送られてくる画像信号その他のデータを一時的に格納するRAM部を備える。上記ROM部には、上記制御プログラムとして、例えば図3に示すような予め設定されたデータが格納されている。この予め設定されたデータについては後に詳述する。
【0034】
垂直同期センサ76は、中間転写ベルト71の一周を検出するもので、例えば中間転写ベルト71上の適所に形成された突起部を光学的に検出することで中間転写ベルト71の一周を検出する。この垂直同期センサ76が検出する垂直同期信号Vsyncは、画像形成動作におけるエンジン部EGの各部の動作の基準信号として用いられる。
【0035】
搬送モータ80は、ゲートローラ81、排出前ローラ82、排出ローラ83、定着ユニット9の加熱ローラ、ピックアップローラ111、フィードローラ112などを回転駆動してシートSを所定速度で搬送するものである。搬送モータ80の駆動力はクラッチを介して、ゲートローラ81、ピックアップローラ111、フィードローラ112に伝達されるようになっている。すなわち搬送モータ80の駆動状態で、ピックアップクラッチ111aがオンにされるとピックアップローラ111が回転し、フィードクラッチ112aがオンにされるとフィードローラ112が回転し、ゲートクラッチ81aがオンにされるとゲートローラ81が回転する。
【0036】
CPU100は、垂直同期センサ76からの垂直同期信号Vsyncに基づき感光体カートリッジ2、露光ユニット6、現像ユニット4、転写ユニット7などの動作を制御して画像形成動作を実行する。ここで、本実施形態では、CPU100は、カセット11から送り出されるシートSの種類にかかわらず、垂直同期信号Vsyncに基づき所定のタイミングで画像形成動作を実行する。
【0037】
また、CPU100は、モータ駆動回路102を介して搬送モータ80の駆動のオンオフを制御し、クラッチ駆動回路103を介して各クラッチ111a,112a,81aのオンオフを制御する。例えば、中間転写ベルト71上のトナー像にタイミングを合わせてシートSを二次転写位置TR2に給紙すべく、ゲートクラッチ81aのオンオフを制御する。
【0038】
ここで、この実施形態では、CPU100は、ゲートクラッチ81aのオンタイミング、すなわちゲートローラ81によるシートSの二次転写位置TR2への給紙タイミングを、シートSの種類に応じて可変制御している。これは、上述したように、ゲートローラ81の給紙開始から二次転写位置TRに到達するまでに要する搬送時間がシートSの種類に応じて異なることから、これに対応するためである。
【0039】
具体的には、CPU100は、シートSが基準シートS0のときには、ゲートローラ81の給紙開始タイミングを基準タイミングに設定している。この基準タイミングは、実験的に求めた基準シートS0の上記搬送時間(後述する図4では時間T50)に基づき、予め決められている。
【0040】
また、シートSが基準外シートS1のときには、上記給紙開始タイミングを上記基準タイミングから補正時間(+α1)だけ変更したタイミングに設定している。この補正時間(+α1)は、実験的に求めた基準外シートS1の上記搬送時間(後述する図4では時間T51)と基準シートS0の上記搬送時間(後述する図4では時間T50)との時間差に基づき、予め決められている。
【0041】
また、シートSが基準外シートS2のときには、上記給紙開始タイミングを上記基準タイミングから補正時間(−α2)だけ変更したタイミングに設定している。この補正時間(−α2)も、実験的に求めた基準外シートS2の上記搬送時間と基準シートS0の上記搬送時間との時間差に基づき、予め決められている。これらの補正時間(+α1),(−α2)は、図3に示すように、シートSの種類に対応してメモリ101に記憶されている。
【0042】
なお、基準シートS0は、この実施形態では例えば、所定厚さのA4サイズの普通紙としている。また、基準外シートS1は、この実施形態では例えば、基準シートS0より薄いA4サイズの普通紙とし、基準外シートS2は、この実施形態では例えば、A4サイズのOHPシートとしている。
【0043】
また、CPU100は、ピックアップクラッチ111aのオン(すなわちピックアップローラ111によるシートSの送り出し開始)時点からの経過時間が予め設定されたジャム時間に達するまでに、ゲート前シートセンサ84によりシートSが検出されないときに、ジャムと判定する。
【0044】
上記ジャム時間は、この第1実施形態では、シートSの種類に応じて設定している。すなわち、シートSが基準シートS0のときは、ジャム時間をTj0に設定している。また、シートSが基準外シートS1,S2のときは、ジャム時間をそれぞれTj1,Tj2に設定している。ここで、基準外シートS1,S2のときは補正時間がそれぞれ(+α1),(−α2)であるので、
Tj1=Tj0+α1
Tj2=Tj0−α2
とすればよい。これらのジャム時間Tj0,Tj1,Tj2は、図3に示すように、シートSの種類に対応してメモリ101に記憶されている。このように、シートSの種類に応じてジャム時間を設定することで、ジャム判定を好適に行うことができる。
【0045】
このように、この実施形態では、CPU100が本発明の「ジャム判定手段」に相当し、メモリ101が本発明の「記憶手段」に相当する。以下、この装置の動作手順について、タイミングチャートやフローチャートを参照しつつ説明する。
【0046】
図4および図5は画像形成動作およびシートの搬送動作を示すタイミングチャートで、図4は基準シートS0の場合を示し、図5は基準外シートS1の場合を示している。まず、画像形成動作について説明する。
【0047】
上述したように、画像形成動作については、シートSの種類にかかわらず所定のタイミングで実行されることから、図4と図5とで共通となっている。すなわち、図4および図5において、時刻t1,t2,t3,t4,t5、すなわち中間転写ベルト71の一周(周期T0)ごとに、垂直同期センサ76から垂直同期信号Vsyncが出力され、これらがエンジン部EGの各部の動作の基準信号として用いられる。
【0048】
そして、垂直同期信号Vsyncの立下り時点である時刻t1の所定時間T1後に画像要求信号Vreqが出力される。この画像要求信号Vreqに基づき時刻t10に画像信号が出力され、この画像信号に同期して、露光ユニット6によりトナー像Kに対応する露光処理が時刻t10に開始される。また、この露光処理に引き続いて現像ユニット4による現像処理が実行される。そして、上述したように、続く時刻t2,t3,t4の所定時間T1後の画像要求信号Vreqに基づき各色のトナー像C,M,Yに対応する露光処理が開始され、現像処理が実行され、トナー像C,M,Yが順次中間転写ベルト71上のトナー像Kに重ね合わされて、カラートナー像が形成される。このカラートナー像の先端が、時刻t11に二次転写位置TR2に到達する。
【0049】
次に、図4を参照して、基準シートS0の搬送について説明する。時刻t3から所定時間T2後の時刻t20にピックアップクラッチ111aがオンにされて、カセット11からの基準シートS0の送り出しが開始される。このように、カセット11からの基準シートS0の送り出し開始時刻t20は、露光処理の開始時刻t10より後に設定されている。
【0050】
続いて、時刻t3から所定時間T3(但し、T3>T2)後の時刻t30にフィードクラッチ112aがオンにされてフィードローラ112の搬送動作が開始される。次いで、時刻t4から所定時間T40後の時刻t40に、ゲートクラッチ81aがオンにされて、二次給紙位置TR2へのシートS0の給紙が開始される。そして、この時刻t40から所定時間T50後の時刻t11に、シートS0の先端が二次転写位置TR2に到達する。
【0051】
ここで、ゲートクラッチ81aのオンタイミングは、上述したように、基準シートS0がゲートローラ81から二次転写位置TR2まで到達するのに要する搬送時間T50に基づき、基準シートS0の先端が時刻t11に二次転写位置TR2に到達するように設定されている。すなわち、時刻t11から所定時間T50前の時刻t40にゲートクラッチ81aがオンにされる。これによって、カラートナー像の先端と基準シートS0の先端とが、同一タイミング(時刻t11)で二次転写位置TR2に到達する。
【0052】
次に、図5を参照して、基準外シートS1の搬送について説明する。この第1実施形態では、ピックアップローラ111によるシート送り出し開始タイミング(ピックアップクラッチ111aのオンタイミング)と、フィードローラ112による搬送動作の開始タイミング(フィードクラッチ112aのオンタイミング)とは、基準外シートS1の場合も基準シートS0の場合と同様になっている。すなわち、ピックアップクラッチ111aは時刻t3から所定時間T2後の時刻t20にオンにされ、フィードクラッチ112aは時刻t3から所定時間T3後の時刻t30にオンにされる。
【0053】
一方、ゲートクラッチ81aのオンタイミングは、上述したように、基準外シートS1がゲートローラ81から二次転写位置TR2まで到達するのに要する搬送時間T51に基づき、基準外シートS1の先端が時刻t11に二次転写位置TR2に到達するように設定されている。すなわち、時刻t11から所定時間T51前の時刻t41にゲートクラッチ81aがオンにされる。これによって、カラートナー像の先端と基準外シートS1の先端とが、同一タイミング(時刻t11)で二次転写位置TR2に到達する。
【0054】
この基準外シートS1のゲートクラッチ81aのオンタイミングである時刻t41は、図5の最下段に示す基準シートS0のゲートクラッチ81aの動作と比較して分かるように、基準シートS0のゲートクラッチ81aのオンタイミングである時刻t40から上記補正時間(+α1)だけ変更したタイミングになっている。すなわち、α1=T41−T40=T50−T51である。
【0055】
このように、この実施形態では、時刻t40が本発明の「基準タイミング」に相当し、時刻t41が本発明の「基準タイミングから補正時間だけ変更したタイミング」に相当する。
【0056】
図6は印字指令信号が入力されたときの動作を示すフローチャートである。まず、印字指令信号に対応するシートSの種類が取り込まれて、その種類が判別され(#10)、その種類に対応する補正時間がメモリ101から抽出されるとともに(#12)、ジャム時間がメモリ101から抽出される(#14)。そして、ジャム判定に用いるジャム時間が抽出された値に設定され(#16)、ゲートローラ81の給紙タイミング、すなわちゲートクラッチ81aのオンタイミングが「基準タイミング+補正時間」に設定される(#18)。
【0057】
図7はジャム判定動作を示すフローチャートである。まず、ピックアップクラッチ111aがオンにされてピックアップローラ111によるシートSの送り出しが開始されると(#20でYES)、経過時間のカウントが開始され(#22)、ゲート前シートセンサ84によりシートが検出されたか否かが判別され(#24)、シートが検出されなければ(#24でNO)、経過時間がジャム時間に達したか否かが判別される(#26)。そして、ジャム時間に達していなければ(#26でNO)、#24に戻って以上のステップが繰り返される。
【0058】
そして、ジャム時間に達するまでにゲート前シートセンサ84によりシートが検出されると(#24でYES)、このルーチンを終了する一方、シートが検出されるまでにジャム時間に達すると(#26でYES)、ジャムと判定されて、予め設定されたジャム処理が行われる(#28)。
【0059】
以上説明したように、この第1実施形態によれば、ゲートクラッチ81aのオンタイミング(ゲートローラ81の給紙開始タイミング)を、シートSが基準シートS0の場合には所定の基準タイミングに設定し、シートSが基準外シートS1,S2の場合には、基準タイミングに対して補正時間(+α1),(−α2)だけ変更したタイミングに設定しているので、シートSの種類にかかわらず、一定タイミングにシートSを二次転写位置TR2に到達させることができる。したがって、画像の先端とシートSの先端とを二次転写位置TR2において正確に一致させることができる。これによってシートSの余白の大きさを管理するなど、シートS上に高品質の画像を形成することが可能になる。また、シートSの種類に応じて、補正時間を変更するだけでよいので、制御構成を簡素化することができる。
【0060】
また、シートSの二次転写位置TR2への到達タイミングをゲートクラッチ81aのオンタイミングにより制御しているので、画像形成の動作タイミングによりシートSとの位置合わせを制御することは不要になる。そこで、第1実施形態によれば、シートSの種類にかかわらず、露光処理を固定されたタイミング(図4、図5の時刻t10)で開始するようにしているので、露光処理や現像処理などの像形成プロセスを含む画像形成全体の動作制御をシートの種類にかかわらず共通化でき、その結果、制御構成を簡単化することができる。
【0061】
また、その固定された動作タイミングで実行される露光処理の開始時刻t10より後の時刻t11に、ピックアップクラッチ111aをオンにしてカセット11からシートSを送り出すようにしているので、ゲートローラ81でシートSが撓み状態で待機する時間を短くすることができ、これによって、シートSの変形を未然に防止することができる。特に、この実施形態では、搬送路Fが、カセット11から二次転写位置TR2まで、ほぼ鉛直方向に延設する構成を採用しているので、上記待機時間が長くなると、シートSの自重により撓みが大きくなるおそれがあるため、上記待機時間を短くすることによる効果は大きい。
【0062】
また、シートSの種類に対応して設定された補正時間(+α1),(−α2)をメモリ101に格納しておき、シートSの種類に応じて補正時間をメモリ101から抽出するようにしているので、複数の基準外シートS1,S2に容易に対応することができる。
【0063】
また、ゲートクラッチ81aのオンタイミングの変更に応じて、補正時間の分だけジャム時間を変更するようにしているので、シートSの種類にかかわらずジャム判定を好適に行うことができる。
【0064】
(第2実施形態)
次に、この発明にかかる画像形成装置の第2実施形態について説明する。この第2実施形態の構成および動作は第1実施形態とほぼ同様であり、基準外シートの搬送動作が異なるので、以下、その相違点を中心に説明する。
【0065】
図8は、第2実施形態におけるメモリの記憶内容を示す図である。この第2実施形態では、CPU100は、シートSが基準外シートS1,S2のときに、第1実施形態と同様にゲートローラ81の給紙開始タイミングを補正時間だけ変更したタイミングとしているが、第1実施形態と異なり、ピックアップローラ111およびフィードローラ112の動作開始タイミングも、この補正時間だけ変更するようにしている。
【0066】
すなわち、CPU100は、ゲートクラッチ81a、ピックアップクラッチ111a、フィードクラッチ112aのオンタイミングをいずれも、シートSが基準シートS0の場合には基準タイミングに設定し、基準外シートS1,S2の場合には、それぞれ基準タイミングに対して補正時間だけ変更したタイミングに設定している。
【0067】
したがって、第2実施形態では、基準シートS0および基準外シートS1,S2のいずれの場合でも、ピックアップローラ111、フィードローラ112およびゲートローラ81の動作の互いの相対関係(すなわち互いの動作タイミングの時間間隔)が同一になる。このため、シートSの種類にかかわらず、同一のジャム時間Tj0を用いることができる。そこで、第2実施形態のメモリ101には、図8に示すように、ジャム時間Tj0のみが記憶されている。これによって、第2実施形態によれば、第1実施形態に比べてメモリ容量を低減することができる。
【0068】
図9は、第2実施形態の動作を示すタイミングチャートで、基準外シートS1の場合を示している。なお、シートSが基準シートS0の場合には、図4を参照して説明した第1実施形態と同様である。また、画像形成動作については、シートSの種類にかかわらず基準シートS0と基準外シートS1とで共通であり、第1実施形態と同様の動作になっている。そこで、以下、図9の基準外シートS1の搬送について説明する。
【0069】
まず、ゲートクラッチ81aのオンタイミングについては、第1実施形態と同様に設定されている。すなわち、ゲートクラッチ81aは、時刻t4から所定時間T41後の時刻t41にオンにされている。そして、この時刻t41から所定時間T51後の時刻t11に、基準外シートS1の先端が二次転写位置TR2に到達している。すなわち、カラートナー像の先端と基準外シートS1の先端とが、同一タイミング(時刻t11)で二次転写位置TR2に到達する。
【0070】
一方、この第2実施形態では、ピックアップローラ111によるシート送り出し開始タイミング(ピックアップクラッチ111aのオンタイミング)と、フィードローラ112による搬送動作の開始タイミング(フィードクラッチ112aのオンタイミング)とは、基準外シートS1の場合にゲートクラッチ81aと同様に変更している。すなわち、ピックアップクラッチ111aは時刻t3から時間(T2+α1)後の時刻t21にオンにされ、フィードクラッチ112aは時刻t3から時間(T3+α1)後の時刻t31にオンにされる。
【0071】
ここで、基準シートS0と基準外シートS1とで、各クラッチ111a,112a,81aのオンタイミングの時間的な相対関係を比較する。第2実施形態の基準シートS0の動作は第1実施形態と同様であるので、図4を参照する。図4において、フィードクラッチ112aとゲートクラッチ81aのオンタイミングの時間間隔(t40−t30)は、
t40−t30=T0+T40−T3
であり、ピックアップクラッチ111aとフィードクラッチ112aのオンタイミングの時間間隔(t30−t20)は、
t30−t20=T3−T2
である。
【0072】
一方、基準外シートS1の場合には、図9において、フィードクラッチ112aとゲートクラッチ81aのオンタイミングの時間間隔(t41−t31)は、t41−t31=T0+T41−T3−α1
であるが、
T41=T40+α1
であるので、上記式は、
となり、基準シートS0の場合に等しくなる。
【0073】
また、ピックアップクラッチ111aとフィードクラッチ112aのオンタイミングの時間間隔(t31−t21)は、
となり、基準シートS0の場合に等しくなる。
【0074】
以上説明したように、この第2実施形態によれば、シートSが基準外シートS1,S2の場合には、ピックアップローラ111によるシート送り出し開始タイミングと、フィードローラ112による搬送動作の開始タイミングとを、ゲートローラ81の給紙開始タイミングと同様に変更している。すなわち、基準シートS0と基準外シートS1,S2とで、各クラッチ111a,112a,81aのオンタイミング(各ローラ111,112,81の動作開始タイミング)の互いの時間的相対関係は同一になる。このため、基準外シートS1,S2を基準シートS0と同様に安定して搬送することができる。また、シートSの種類にかかわらず、同一のジャム時間Tj0を用いてジャム判定を行うことができる。したがって、ジャム時間を記憶するのに必要なメモリ101の容量を第1実施形態に比べて削減することができる。
【0075】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、基準外シートS1を基準シートS0より薄いA4サイズの普通紙とし、基準外シートS2をA4サイズのOHPシートとして、それらの2種類についてのみ説明しているが、これに限られない。
【0076】
例えばA3などの他のサイズの普通紙や、基準シートS0より厚い普通紙などを基準外シートとして採用してもよい。この場合、各基準外シートについて、ゲートローラ81から二次転写位置TR2に到達するまでに要する搬送時間を実験的に求めておき、この搬送時間に基づき基準シートS0の基準タイミングに対する補正時間を求め、それらの補正時間を、各基準外シートに対応してメモリ101に記憶しておけばよい。
【0077】
また、上記した実施形態では、外部装置からの印字指令信号に応じて画像を形成するプリンタとしての画像形成装置に本発明を適用しているが、本発明を適用することができるのはこれに限定されるものではなく、複写機やファクシミリ装置、さらにはこれらの機能を兼備した複合機に対しても本発明を適用することができるのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図。
【図2】この画像形成装置の電気的構成を示す図。
【図3】第1実施形態におけるメモリの記憶内容を示す図。
【図4】基準シートの動作を示すタイミングチャート。
【図5】基準外シートの動作を示すタイミングチャート。
【図6】印字指令信号が入力されたときの動作を示すフローチャート。
【図7】ジャム判定動作を示すフローチャート。
【図8】第2実施形態におけるメモリの記憶内容を示す図。
【図9】第2実施形態の基準外シートの動作を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
11…カセット(シート収容部)、81…ゲートローラ(レジスト部、搬送手段)、84…ゲート前シートセンサ(シート検出手段)、100…CPU(ジャム判定手段)、101…メモリ(記憶手段)、111…ピックアップローラ(ピックアップ部、搬送手段)、F…搬送路、S…シート、S0…基準シート、S1,S2…基準外シート
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に記載の装置では、装置下部に配設されたシート収容部からほぼ鉛直方向にシートを搬送する構成が採用されている。そして、シート収容部から送られてきたシートについては、レジスト部で一旦停止させた後に、該シートを転写位置に二次給紙する。また、上記のようにして搬送されるシートに画像を転写するため、次の画像形成動作を実行している。すなわち、中間転写媒体上に複数色のトナー像を重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、該カラー画像を転写位置に搬送されてきたシートに転写する。
【0003】
また、この装置では、シート収容部から送り出されたシートの種類をセンサで検出している。そして、その検出結果に応じてシート収容部からのシートの送出タイミング、レジスト部による給紙タイミング、画像形成動作の動作タイミングを可変制御している。このようにシートの種類に応じたタイミング制御を実行することで、転写不良や紙詰まりの発生を防止するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−354337号公報(第3〜4頁、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した画像形成装置では、シート収容部から送り出されたシートの種類を検出した後で画像形成動作の動作タイミングを制御している。つまり、画像形成動作を開始する前にシートをシート収容部から送り出し、シートがレジスト部で一旦停止して待機状態となる。したがって、シートの待機時間が長くなり過ぎてしまう。特に、この装置では、上記したようにシート収容部からほぼ鉛直方向にシートを搬送する構成を採用しているので、レジスト部での待機中にシートの自重で撓みが大きくなってシートが変形するおそれがあり、これによって画像品質の低下を招いてしまう。
【0006】
また、可変制御するタイミングが増えると装置制御が複雑化するため、可能な限り可変制御するタイミングを減らすことが望まれる。特に、画像形成動作の動作タイミングを可変制御すると、その影響が露光処理、現像処理などの像形成プロセス全体に及ぶこととなる。また、中間転写媒体の種類によっては動作タイミングを可変制御すること自体が困難となる場合がある。例えば、継ぎ目のある中間転写媒体を採用した場合には、その継ぎ目を避けてトナー像を重ね合わせる必要がある。したがって、トナー像が継ぎ目に掛からないように画像形成動作の動作タイミングを設定しなければならず、事実上、画像形成動作の動作タイミングを変更させることが困難となる。
【0007】
さらに、近年、単に転写不良を防止するだけではなく、画像形成動作により形成された画像とシートとを正確に位置合わせすることにより、シートの余白を厳密に管理することが可能な高品質の装置を実現することが求められているが、上記従来の装置は、そのような課題を十分に考慮したものではないため、上記のような高品質の装置を実現するのは困難である。
【0008】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、高品質な画像を形成することができる画像形成装置および方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明にかかる画像形成装置は、シート収容部に収容されているシートを搬送手段により前記シート収容部から所定の転写位置に搬送する一方、画像信号に応じて露光処理および現像処理を行って画像を形成するとともに該画像を前記転写位置に搬送されてくるシートに転写する画像形成動作を実行することによって、前記シート上に前記画像信号に対応する画像を形成する画像形成装置において、前記搬送手段は、前記シート収容部からシートを送り出すピックアップ部と、前記シート収容部から送られてきたシートを一旦停止させた後に、該シートを前記転写位置に給紙するレジスト部とを備え、前記画像信号に応じて前記露光処理が開始された後に前記シート収容部からシートを送り出し、前記画像形成動作については前記シートの種類にかかわらず予め設定された動作タイミングで実行する一方、前記レジスト部による前記転写位置へのシートの給紙タイミングについては前記シートの種類に応じて可変制御することを特徴としている。
【0010】
また、上記目的を達成するために、この発明にかかる画像形成方法は、シート収容部に収容されているシートを所定の転写位置に搬送する一方、画像信号に応じて露光処理および現像処理を行って画像を形成するとともに該画像を前記転写位置に搬送されてくるシートに転写する画像形成動作を実行することによって、前記シート上に前記画像信号に対応する画像を形成する画像形成方法において、画像信号を受けると、前記シートの種類にかかわらず予め設定された動作タイミングで前記画像形成動作を実行する一方、前記画像信号に応じて前記露光処理が開始された後に前記シート収容部からシートを送り出し、さらに前記シート収容部と前記転写位置との間のレジスト位置で該シートを一旦停止させた後に、該シートの種類に応じた給紙タイミングで該シートを前記転写位置に給紙することを特徴としている。
【0011】
ところで、発明者の実験によると、転写位置で画像とシートとの位置がシートの種類によってずれるのは、レジスト位置からの給紙開始から転写位置に到達するまでに要する搬送時間がシートの種類によって異なることに起因することが分かった。そして、さらに発明者が検証を重ねると、上記搬送時間がシートの種類によって異なる要因は、次のように推定できることが分かった。すなわち、一般にレジスト位置から転写位置までの搬送路は、例えばガイド板などによってある程度の幅を有するように構成されている。その搬送路の幅のなかで、異なる種類のシートは、例えばシートの滑り易さや腰の強さの違いなどによって互いに異なる位置を通過する。このため、レジスト位置から転写位置に至るシートの搬送距離がシートの種類によって互いに異なり、これによって、レジスト位置からの給紙開始から転写位置に到達するまでに要する搬送時間が、シートの種類によって異なるものとなる。したがって、シートをタイミング良く転写位置に到達させるためには、レジスト位置から転写位置への給紙タイミングをシートの種類に応じて制御することが最も効果的である。
【0012】
そこで、上記のように構成された発明では、レジスト部による転写位置へのシートの給紙タイミングをシートの種類に応じて可変制御している。これにより、如何なる種類のシートであっても、シートを確実にタイミング良く転写位置に到達させることができる。また、レジスト部からの給紙タイミングによりシート位置を調整しているので、画像形成動作によるシート位置の調整が不要となる。そこで、この発明では、画像信号を受けると、シートの種類にかかわらず予め設定された動作タイミングで実行している。したがって、露光処理や現像処理などの像形成プロセスを含む画像形成全体の動作制御をシートの種類にかかわらず共通化でき、その結果、制御構成を簡単化することができる。また、その固定された動作タイミングで実行される露光処理の開始後に、シート収容部からシートが送り出されることから、レジスト位置におけるシートの待機時間が長くなり過ぎず、レジスト位置での待機中にシートが変形するのを防止できるため、画像品質の低下を未然に防止することができる。
【0013】
なお、この発明における「シートの種類」は、レジスト位置の給紙開始から転写位置に到達するまでに要する時間が互いに異なるようなものを言う。すなわち、例えば普通紙やOHP用シートなどの「シートの種類の違い」に限られず、例えば「シートの厚さ」や「シートのサイズ」や、それらの少なくとも2つを考慮したものなども含まれる。
【0014】
また、前記シート収容部から送り出されるシートが所定の基準シートのときには前記給紙タイミングは所定の基準タイミングに設定される一方、前記シート収容部から送り出されるシートが前記基準シート以外のシートである基準外シートのときは、前記給紙タイミングは前記基準タイミングに対して前記基準外シートに応じて予め設定された補正時間だけ変更したタイミングに設定されるとしてもよい。
【0015】
このように構成された発明によれば、基準シートの給紙タイミングは基準タイミングに設定される一方、基準外シートの給紙タイミングは基準タイミングに対して補正時間だけ変更されたタイミングに設定されるため、例えば基準シートと基準外シートとでレジスト位置の給紙開始から転写位置に到達するまでに要する時間が異なる場合に、その時間差分を補正時間に設定しておくことにより、基準シートおよび基準外シートのいずれについても、それぞれ転写位置において画像とシートとの位置合わせを正確に行うことができる。また、基準外シートに応じて補正時間を設定しているため、例えば基準シートが基準外シートに変わった場合でも、補正時間を付加するだけで給紙タイミングの設定ができるので、制御構成を簡素化することができる。
【0016】
また、互いに異なる複数の基準外シートの各々に対応した補正時間を記憶する記憶手段をさらに備え、前記シート収容部から送り出される基準外シートの種類に対応する補正時間を前記記憶手段から読み出し、該補正時間だけ変更した給紙タイミングで該基準外シートを前記転写位置に給紙するとしてもよい。
【0017】
このように構成された発明によれば、例えば基準外シートの種類が変わった場合でも、それに対応する補正時間を記憶手段から読み出して、その補正時間だけ変更したタイミングで転写位置に給紙すればよいため、制御構成を簡素化することができる。
【0018】
また、前記搬送手段により搬送されるシートを前記レジスト部の前記シート収容部側近傍で検出するシート検出手段と、前記シート収容部からのシートの送出開始時点からの経過時間、または送出開始後の所定時点からの経過時間が、ジャム時間に達するまでに、前記シート収容部から送り出されたシートが前記シート検出手段により検出されないときにジャムと判定するジャム判定手段とをさらに備え、前記ジャム時間が前記シート収容部から送り出されたシートの種類に対応する給紙タイミングに応じて設定されるとしてもよい。
【0019】
このように構成された発明によれば、レジスト部による転写位置へのシートの給紙タイミングがシートの種類に応じて可変制御されるが、その給紙タイミングに応じてジャム時間が設定されるため、シート収容部とシート検出手段との間におけるジャム、またはシート収容部からの送出開始後の所定時点におけるシート位置とシート検出手段との間におけるジャムを好適に判定することができる。
【0020】
また、前記給紙タイミングの補正時間にほぼ等しい時間だけ前記搬送手段によるシートの搬送開始タイミングを変更するようにしてもよい。このように構成された発明によれば、ピックアップ部の送出開始タイミングのレジスト部による給紙タイミングに対する相対関係がほぼ同一に保たれる。また、搬送手段が、レジスト部およびピックアップ部以外にもシートを搬送する搬送部を備える場合には、その搬送部による搬送動作の開始タイミングのレジスト部による給紙タイミングに対する相対関係もほぼ同一に保たれることとなる。そのため、搬送手段によるシートの搬送を安定して行うことができる。
【0021】
また、前記搬送手段により搬送されるシートを前記レジスト部の前記シート収容部側近傍で検出するシート検出手段と、前記シート収容部からのシートの送出開始時点からの経過時間、または送出開始後の所定時点からの経過時間が、ジャム時間に達するまでに、前記シート収容部から送り出されたシートが前記シート検出手段により検出されないときにジャムと判定するジャム判定手段とをさらに備え、前記ジャム時間が前記シート収容部から送り出されたシートの種類にかかわらず固定されるとしてもよい。
【0022】
このように構成された発明によれば、搬送手段による搬送動作の開始タイミングのレジスト部による給紙タイミングに対する相対関係がほぼ同一に保たれることから、シート収容部から送り出されたシートの種類にかかわらず固定されたジャム時間を用いて、シート収容部とシート検出手段との間におけるジャム、またはシート収容部からの送出開始後の所定時点におけるシート位置とシート検出手段との間におけるジャムを好適に判定することができる。したがって、シートの種類にかかわらず、簡素化された制御構成でジャム判定を安定して行うことができる。また、例えばジャム時間を記憶しておく場合には、1つのジャム時間を記憶するだけでよいので、記憶容量の増大を避けることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1はこの発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。この装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号がCPU100(図2参照)に与えられると、このCPU100からの指令に応じて装置本体1に設けられたエンジン部EGが所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
【0024】
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ユニット23は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体22の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。また、これらの感光体22、帯電ユニット23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、この感光体カートリッジ2が一体として装置本体1に対し着脱自在となっている。
【0025】
そして、この帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じた光ビームLにより感光体22上を露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。
【0026】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、現像ユニット4は、回転軸4aを中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、CPU100により制御されている。そして、このCPU100からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともに、これらの現像器4Y,4C,4M,4Kが選択的に感光体22と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に現像ユニット4が位置決めされると、当該現像器(図1では現像器4K)に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラ(図1では現像ローラ41K)から感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
【0027】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。中間転写ベルト71は、複数のローラ72〜75に掛け渡されており、ローラ73が駆動モータ(図示省略)により回転駆動されることで、所定の回転方向D2に回転するように構成されている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体22上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、下方のカセット11から1枚ずつ取り出され搬送路Fに沿って二次転写位置TR2まで搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。このように、搬送路Fは、カセット11から二次転写位置TR2まで、ほぼ鉛直方向に延設されている。
【0028】
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写位置TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、転写ユニット7に後述する垂直同期センサ76(図2)が設けられ、搬送路F上において二次転写位置TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートSが所定のタイミングで二次転写位置TR2に給紙される。
【0029】
また、こうしてカラー画像が転写されたシートSは、定着ユニット9によって搬送されつつシートS上のカラー画像が定着され、さらに排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して装置本体1の上面部に設けられた排出トレイ部89に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送路FRに沿って矢印D3方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送路Fに乗せられるが、このとき、二次転写位置TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
【0030】
さらに、図1に示すように、装置本体1の下端には、カセット11が装着されている。カセット11には種々のサイズのシートSが収容可能になっており、さらに、カセット11には普通紙やOHPシートなどの種々のシートSが収容可能になっている。そして、カセット11に収容されているシートSは、ピックアップローラ111によりカセット11から搬送路Fに送り出され、フィードローラ112によりさらに搬送されて、ゲートローラ81に到達する。
【0031】
また、ゲートローラ81の近傍であってフィードローラ112側の搬送路F上にはゲート前シートセンサ84が配設されている。また、フィードローラ112の近傍であってピックアップローラ111側(ゲートローラ81と反対側)の搬送路F上にはフィード前シートセンサ85が配設されている。ゲート前シートセンサ84およびフィード前シートセンサ85は、搬送路Fに沿って搬送されてきたシートSを検出するもので、検出信号はCPU100(図2)に送出される。
【0032】
このように、この実施形態では、ゲートローラ81が本発明の「レジスト部」に相当し、ピックアップローラ111が本発明の「ピックアップ部」に相当し、ゲート前シートセンサ84が本発明の「シート検出手段」に相当し、カセット11が本発明の「シート収容部」に相当する。また、ゲートローラ81、ピックアップローラ111、フィードローラ112が本発明の「搬送手段」を構成する。
【0033】
図2はこの画像形成装置の電気的構成を示す図、図3はメモリの記憶内容を示す図である。この画像形成装置には、図2に示すように、エンジン部EGなどの各部の動作を制御するCPU100が設けられており、メモリ101などが接続されている。メモリ101は、CPU100の制御プログラムが格納されたROM部や、外部装置から送られてくる画像信号その他のデータを一時的に格納するRAM部を備える。上記ROM部には、上記制御プログラムとして、例えば図3に示すような予め設定されたデータが格納されている。この予め設定されたデータについては後に詳述する。
【0034】
垂直同期センサ76は、中間転写ベルト71の一周を検出するもので、例えば中間転写ベルト71上の適所に形成された突起部を光学的に検出することで中間転写ベルト71の一周を検出する。この垂直同期センサ76が検出する垂直同期信号Vsyncは、画像形成動作におけるエンジン部EGの各部の動作の基準信号として用いられる。
【0035】
搬送モータ80は、ゲートローラ81、排出前ローラ82、排出ローラ83、定着ユニット9の加熱ローラ、ピックアップローラ111、フィードローラ112などを回転駆動してシートSを所定速度で搬送するものである。搬送モータ80の駆動力はクラッチを介して、ゲートローラ81、ピックアップローラ111、フィードローラ112に伝達されるようになっている。すなわち搬送モータ80の駆動状態で、ピックアップクラッチ111aがオンにされるとピックアップローラ111が回転し、フィードクラッチ112aがオンにされるとフィードローラ112が回転し、ゲートクラッチ81aがオンにされるとゲートローラ81が回転する。
【0036】
CPU100は、垂直同期センサ76からの垂直同期信号Vsyncに基づき感光体カートリッジ2、露光ユニット6、現像ユニット4、転写ユニット7などの動作を制御して画像形成動作を実行する。ここで、本実施形態では、CPU100は、カセット11から送り出されるシートSの種類にかかわらず、垂直同期信号Vsyncに基づき所定のタイミングで画像形成動作を実行する。
【0037】
また、CPU100は、モータ駆動回路102を介して搬送モータ80の駆動のオンオフを制御し、クラッチ駆動回路103を介して各クラッチ111a,112a,81aのオンオフを制御する。例えば、中間転写ベルト71上のトナー像にタイミングを合わせてシートSを二次転写位置TR2に給紙すべく、ゲートクラッチ81aのオンオフを制御する。
【0038】
ここで、この実施形態では、CPU100は、ゲートクラッチ81aのオンタイミング、すなわちゲートローラ81によるシートSの二次転写位置TR2への給紙タイミングを、シートSの種類に応じて可変制御している。これは、上述したように、ゲートローラ81の給紙開始から二次転写位置TRに到達するまでに要する搬送時間がシートSの種類に応じて異なることから、これに対応するためである。
【0039】
具体的には、CPU100は、シートSが基準シートS0のときには、ゲートローラ81の給紙開始タイミングを基準タイミングに設定している。この基準タイミングは、実験的に求めた基準シートS0の上記搬送時間(後述する図4では時間T50)に基づき、予め決められている。
【0040】
また、シートSが基準外シートS1のときには、上記給紙開始タイミングを上記基準タイミングから補正時間(+α1)だけ変更したタイミングに設定している。この補正時間(+α1)は、実験的に求めた基準外シートS1の上記搬送時間(後述する図4では時間T51)と基準シートS0の上記搬送時間(後述する図4では時間T50)との時間差に基づき、予め決められている。
【0041】
また、シートSが基準外シートS2のときには、上記給紙開始タイミングを上記基準タイミングから補正時間(−α2)だけ変更したタイミングに設定している。この補正時間(−α2)も、実験的に求めた基準外シートS2の上記搬送時間と基準シートS0の上記搬送時間との時間差に基づき、予め決められている。これらの補正時間(+α1),(−α2)は、図3に示すように、シートSの種類に対応してメモリ101に記憶されている。
【0042】
なお、基準シートS0は、この実施形態では例えば、所定厚さのA4サイズの普通紙としている。また、基準外シートS1は、この実施形態では例えば、基準シートS0より薄いA4サイズの普通紙とし、基準外シートS2は、この実施形態では例えば、A4サイズのOHPシートとしている。
【0043】
また、CPU100は、ピックアップクラッチ111aのオン(すなわちピックアップローラ111によるシートSの送り出し開始)時点からの経過時間が予め設定されたジャム時間に達するまでに、ゲート前シートセンサ84によりシートSが検出されないときに、ジャムと判定する。
【0044】
上記ジャム時間は、この第1実施形態では、シートSの種類に応じて設定している。すなわち、シートSが基準シートS0のときは、ジャム時間をTj0に設定している。また、シートSが基準外シートS1,S2のときは、ジャム時間をそれぞれTj1,Tj2に設定している。ここで、基準外シートS1,S2のときは補正時間がそれぞれ(+α1),(−α2)であるので、
Tj1=Tj0+α1
Tj2=Tj0−α2
とすればよい。これらのジャム時間Tj0,Tj1,Tj2は、図3に示すように、シートSの種類に対応してメモリ101に記憶されている。このように、シートSの種類に応じてジャム時間を設定することで、ジャム判定を好適に行うことができる。
【0045】
このように、この実施形態では、CPU100が本発明の「ジャム判定手段」に相当し、メモリ101が本発明の「記憶手段」に相当する。以下、この装置の動作手順について、タイミングチャートやフローチャートを参照しつつ説明する。
【0046】
図4および図5は画像形成動作およびシートの搬送動作を示すタイミングチャートで、図4は基準シートS0の場合を示し、図5は基準外シートS1の場合を示している。まず、画像形成動作について説明する。
【0047】
上述したように、画像形成動作については、シートSの種類にかかわらず所定のタイミングで実行されることから、図4と図5とで共通となっている。すなわち、図4および図5において、時刻t1,t2,t3,t4,t5、すなわち中間転写ベルト71の一周(周期T0)ごとに、垂直同期センサ76から垂直同期信号Vsyncが出力され、これらがエンジン部EGの各部の動作の基準信号として用いられる。
【0048】
そして、垂直同期信号Vsyncの立下り時点である時刻t1の所定時間T1後に画像要求信号Vreqが出力される。この画像要求信号Vreqに基づき時刻t10に画像信号が出力され、この画像信号に同期して、露光ユニット6によりトナー像Kに対応する露光処理が時刻t10に開始される。また、この露光処理に引き続いて現像ユニット4による現像処理が実行される。そして、上述したように、続く時刻t2,t3,t4の所定時間T1後の画像要求信号Vreqに基づき各色のトナー像C,M,Yに対応する露光処理が開始され、現像処理が実行され、トナー像C,M,Yが順次中間転写ベルト71上のトナー像Kに重ね合わされて、カラートナー像が形成される。このカラートナー像の先端が、時刻t11に二次転写位置TR2に到達する。
【0049】
次に、図4を参照して、基準シートS0の搬送について説明する。時刻t3から所定時間T2後の時刻t20にピックアップクラッチ111aがオンにされて、カセット11からの基準シートS0の送り出しが開始される。このように、カセット11からの基準シートS0の送り出し開始時刻t20は、露光処理の開始時刻t10より後に設定されている。
【0050】
続いて、時刻t3から所定時間T3(但し、T3>T2)後の時刻t30にフィードクラッチ112aがオンにされてフィードローラ112の搬送動作が開始される。次いで、時刻t4から所定時間T40後の時刻t40に、ゲートクラッチ81aがオンにされて、二次給紙位置TR2へのシートS0の給紙が開始される。そして、この時刻t40から所定時間T50後の時刻t11に、シートS0の先端が二次転写位置TR2に到達する。
【0051】
ここで、ゲートクラッチ81aのオンタイミングは、上述したように、基準シートS0がゲートローラ81から二次転写位置TR2まで到達するのに要する搬送時間T50に基づき、基準シートS0の先端が時刻t11に二次転写位置TR2に到達するように設定されている。すなわち、時刻t11から所定時間T50前の時刻t40にゲートクラッチ81aがオンにされる。これによって、カラートナー像の先端と基準シートS0の先端とが、同一タイミング(時刻t11)で二次転写位置TR2に到達する。
【0052】
次に、図5を参照して、基準外シートS1の搬送について説明する。この第1実施形態では、ピックアップローラ111によるシート送り出し開始タイミング(ピックアップクラッチ111aのオンタイミング)と、フィードローラ112による搬送動作の開始タイミング(フィードクラッチ112aのオンタイミング)とは、基準外シートS1の場合も基準シートS0の場合と同様になっている。すなわち、ピックアップクラッチ111aは時刻t3から所定時間T2後の時刻t20にオンにされ、フィードクラッチ112aは時刻t3から所定時間T3後の時刻t30にオンにされる。
【0053】
一方、ゲートクラッチ81aのオンタイミングは、上述したように、基準外シートS1がゲートローラ81から二次転写位置TR2まで到達するのに要する搬送時間T51に基づき、基準外シートS1の先端が時刻t11に二次転写位置TR2に到達するように設定されている。すなわち、時刻t11から所定時間T51前の時刻t41にゲートクラッチ81aがオンにされる。これによって、カラートナー像の先端と基準外シートS1の先端とが、同一タイミング(時刻t11)で二次転写位置TR2に到達する。
【0054】
この基準外シートS1のゲートクラッチ81aのオンタイミングである時刻t41は、図5の最下段に示す基準シートS0のゲートクラッチ81aの動作と比較して分かるように、基準シートS0のゲートクラッチ81aのオンタイミングである時刻t40から上記補正時間(+α1)だけ変更したタイミングになっている。すなわち、α1=T41−T40=T50−T51である。
【0055】
このように、この実施形態では、時刻t40が本発明の「基準タイミング」に相当し、時刻t41が本発明の「基準タイミングから補正時間だけ変更したタイミング」に相当する。
【0056】
図6は印字指令信号が入力されたときの動作を示すフローチャートである。まず、印字指令信号に対応するシートSの種類が取り込まれて、その種類が判別され(#10)、その種類に対応する補正時間がメモリ101から抽出されるとともに(#12)、ジャム時間がメモリ101から抽出される(#14)。そして、ジャム判定に用いるジャム時間が抽出された値に設定され(#16)、ゲートローラ81の給紙タイミング、すなわちゲートクラッチ81aのオンタイミングが「基準タイミング+補正時間」に設定される(#18)。
【0057】
図7はジャム判定動作を示すフローチャートである。まず、ピックアップクラッチ111aがオンにされてピックアップローラ111によるシートSの送り出しが開始されると(#20でYES)、経過時間のカウントが開始され(#22)、ゲート前シートセンサ84によりシートが検出されたか否かが判別され(#24)、シートが検出されなければ(#24でNO)、経過時間がジャム時間に達したか否かが判別される(#26)。そして、ジャム時間に達していなければ(#26でNO)、#24に戻って以上のステップが繰り返される。
【0058】
そして、ジャム時間に達するまでにゲート前シートセンサ84によりシートが検出されると(#24でYES)、このルーチンを終了する一方、シートが検出されるまでにジャム時間に達すると(#26でYES)、ジャムと判定されて、予め設定されたジャム処理が行われる(#28)。
【0059】
以上説明したように、この第1実施形態によれば、ゲートクラッチ81aのオンタイミング(ゲートローラ81の給紙開始タイミング)を、シートSが基準シートS0の場合には所定の基準タイミングに設定し、シートSが基準外シートS1,S2の場合には、基準タイミングに対して補正時間(+α1),(−α2)だけ変更したタイミングに設定しているので、シートSの種類にかかわらず、一定タイミングにシートSを二次転写位置TR2に到達させることができる。したがって、画像の先端とシートSの先端とを二次転写位置TR2において正確に一致させることができる。これによってシートSの余白の大きさを管理するなど、シートS上に高品質の画像を形成することが可能になる。また、シートSの種類に応じて、補正時間を変更するだけでよいので、制御構成を簡素化することができる。
【0060】
また、シートSの二次転写位置TR2への到達タイミングをゲートクラッチ81aのオンタイミングにより制御しているので、画像形成の動作タイミングによりシートSとの位置合わせを制御することは不要になる。そこで、第1実施形態によれば、シートSの種類にかかわらず、露光処理を固定されたタイミング(図4、図5の時刻t10)で開始するようにしているので、露光処理や現像処理などの像形成プロセスを含む画像形成全体の動作制御をシートの種類にかかわらず共通化でき、その結果、制御構成を簡単化することができる。
【0061】
また、その固定された動作タイミングで実行される露光処理の開始時刻t10より後の時刻t11に、ピックアップクラッチ111aをオンにしてカセット11からシートSを送り出すようにしているので、ゲートローラ81でシートSが撓み状態で待機する時間を短くすることができ、これによって、シートSの変形を未然に防止することができる。特に、この実施形態では、搬送路Fが、カセット11から二次転写位置TR2まで、ほぼ鉛直方向に延設する構成を採用しているので、上記待機時間が長くなると、シートSの自重により撓みが大きくなるおそれがあるため、上記待機時間を短くすることによる効果は大きい。
【0062】
また、シートSの種類に対応して設定された補正時間(+α1),(−α2)をメモリ101に格納しておき、シートSの種類に応じて補正時間をメモリ101から抽出するようにしているので、複数の基準外シートS1,S2に容易に対応することができる。
【0063】
また、ゲートクラッチ81aのオンタイミングの変更に応じて、補正時間の分だけジャム時間を変更するようにしているので、シートSの種類にかかわらずジャム判定を好適に行うことができる。
【0064】
(第2実施形態)
次に、この発明にかかる画像形成装置の第2実施形態について説明する。この第2実施形態の構成および動作は第1実施形態とほぼ同様であり、基準外シートの搬送動作が異なるので、以下、その相違点を中心に説明する。
【0065】
図8は、第2実施形態におけるメモリの記憶内容を示す図である。この第2実施形態では、CPU100は、シートSが基準外シートS1,S2のときに、第1実施形態と同様にゲートローラ81の給紙開始タイミングを補正時間だけ変更したタイミングとしているが、第1実施形態と異なり、ピックアップローラ111およびフィードローラ112の動作開始タイミングも、この補正時間だけ変更するようにしている。
【0066】
すなわち、CPU100は、ゲートクラッチ81a、ピックアップクラッチ111a、フィードクラッチ112aのオンタイミングをいずれも、シートSが基準シートS0の場合には基準タイミングに設定し、基準外シートS1,S2の場合には、それぞれ基準タイミングに対して補正時間だけ変更したタイミングに設定している。
【0067】
したがって、第2実施形態では、基準シートS0および基準外シートS1,S2のいずれの場合でも、ピックアップローラ111、フィードローラ112およびゲートローラ81の動作の互いの相対関係(すなわち互いの動作タイミングの時間間隔)が同一になる。このため、シートSの種類にかかわらず、同一のジャム時間Tj0を用いることができる。そこで、第2実施形態のメモリ101には、図8に示すように、ジャム時間Tj0のみが記憶されている。これによって、第2実施形態によれば、第1実施形態に比べてメモリ容量を低減することができる。
【0068】
図9は、第2実施形態の動作を示すタイミングチャートで、基準外シートS1の場合を示している。なお、シートSが基準シートS0の場合には、図4を参照して説明した第1実施形態と同様である。また、画像形成動作については、シートSの種類にかかわらず基準シートS0と基準外シートS1とで共通であり、第1実施形態と同様の動作になっている。そこで、以下、図9の基準外シートS1の搬送について説明する。
【0069】
まず、ゲートクラッチ81aのオンタイミングについては、第1実施形態と同様に設定されている。すなわち、ゲートクラッチ81aは、時刻t4から所定時間T41後の時刻t41にオンにされている。そして、この時刻t41から所定時間T51後の時刻t11に、基準外シートS1の先端が二次転写位置TR2に到達している。すなわち、カラートナー像の先端と基準外シートS1の先端とが、同一タイミング(時刻t11)で二次転写位置TR2に到達する。
【0070】
一方、この第2実施形態では、ピックアップローラ111によるシート送り出し開始タイミング(ピックアップクラッチ111aのオンタイミング)と、フィードローラ112による搬送動作の開始タイミング(フィードクラッチ112aのオンタイミング)とは、基準外シートS1の場合にゲートクラッチ81aと同様に変更している。すなわち、ピックアップクラッチ111aは時刻t3から時間(T2+α1)後の時刻t21にオンにされ、フィードクラッチ112aは時刻t3から時間(T3+α1)後の時刻t31にオンにされる。
【0071】
ここで、基準シートS0と基準外シートS1とで、各クラッチ111a,112a,81aのオンタイミングの時間的な相対関係を比較する。第2実施形態の基準シートS0の動作は第1実施形態と同様であるので、図4を参照する。図4において、フィードクラッチ112aとゲートクラッチ81aのオンタイミングの時間間隔(t40−t30)は、
t40−t30=T0+T40−T3
であり、ピックアップクラッチ111aとフィードクラッチ112aのオンタイミングの時間間隔(t30−t20)は、
t30−t20=T3−T2
である。
【0072】
一方、基準外シートS1の場合には、図9において、フィードクラッチ112aとゲートクラッチ81aのオンタイミングの時間間隔(t41−t31)は、t41−t31=T0+T41−T3−α1
であるが、
T41=T40+α1
であるので、上記式は、
となり、基準シートS0の場合に等しくなる。
【0073】
また、ピックアップクラッチ111aとフィードクラッチ112aのオンタイミングの時間間隔(t31−t21)は、
となり、基準シートS0の場合に等しくなる。
【0074】
以上説明したように、この第2実施形態によれば、シートSが基準外シートS1,S2の場合には、ピックアップローラ111によるシート送り出し開始タイミングと、フィードローラ112による搬送動作の開始タイミングとを、ゲートローラ81の給紙開始タイミングと同様に変更している。すなわち、基準シートS0と基準外シートS1,S2とで、各クラッチ111a,112a,81aのオンタイミング(各ローラ111,112,81の動作開始タイミング)の互いの時間的相対関係は同一になる。このため、基準外シートS1,S2を基準シートS0と同様に安定して搬送することができる。また、シートSの種類にかかわらず、同一のジャム時間Tj0を用いてジャム判定を行うことができる。したがって、ジャム時間を記憶するのに必要なメモリ101の容量を第1実施形態に比べて削減することができる。
【0075】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、基準外シートS1を基準シートS0より薄いA4サイズの普通紙とし、基準外シートS2をA4サイズのOHPシートとして、それらの2種類についてのみ説明しているが、これに限られない。
【0076】
例えばA3などの他のサイズの普通紙や、基準シートS0より厚い普通紙などを基準外シートとして採用してもよい。この場合、各基準外シートについて、ゲートローラ81から二次転写位置TR2に到達するまでに要する搬送時間を実験的に求めておき、この搬送時間に基づき基準シートS0の基準タイミングに対する補正時間を求め、それらの補正時間を、各基準外シートに対応してメモリ101に記憶しておけばよい。
【0077】
また、上記した実施形態では、外部装置からの印字指令信号に応じて画像を形成するプリンタとしての画像形成装置に本発明を適用しているが、本発明を適用することができるのはこれに限定されるものではなく、複写機やファクシミリ装置、さらにはこれらの機能を兼備した複合機に対しても本発明を適用することができるのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図。
【図2】この画像形成装置の電気的構成を示す図。
【図3】第1実施形態におけるメモリの記憶内容を示す図。
【図4】基準シートの動作を示すタイミングチャート。
【図5】基準外シートの動作を示すタイミングチャート。
【図6】印字指令信号が入力されたときの動作を示すフローチャート。
【図7】ジャム判定動作を示すフローチャート。
【図8】第2実施形態におけるメモリの記憶内容を示す図。
【図9】第2実施形態の基準外シートの動作を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
11…カセット(シート収容部)、81…ゲートローラ(レジスト部、搬送手段)、84…ゲート前シートセンサ(シート検出手段)、100…CPU(ジャム判定手段)、101…メモリ(記憶手段)、111…ピックアップローラ(ピックアップ部、搬送手段)、F…搬送路、S…シート、S0…基準シート、S1,S2…基準外シート
Claims (7)
- シート収容部に収容されているシートを搬送手段により前記シート収容部から所定の転写位置に搬送する一方、画像信号に応じて露光処理および現像処理を行って画像を形成するとともに該画像を前記転写位置に搬送されてくるシートに転写する画像形成動作を実行することによって、前記シート上に前記画像信号に対応する画像を形成する画像形成装置において、
前記搬送手段は、前記シート収容部からシートを送り出すピックアップ部と、前記シート収容部から送られてきたシートを一旦停止させた後に、該シートを前記転写位置に給紙するレジスト部とを備え、前記画像信号に応じて前記露光処理が開始された後に前記シート収容部からシートを送り出し、
前記画像形成動作については前記シートの種類にかかわらず予め設定された動作タイミングで実行する一方、前記レジスト部による前記転写位置へのシートの給紙タイミングについては前記シートの種類に応じて可変制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記シート収容部から送り出されるシートが所定の基準シートのときには前記給紙タイミングは所定の基準タイミングに設定される一方、前記シート収容部から送り出されるシートが前記基準シート以外のシートである基準外シートのときは、前記給紙タイミングは前記基準タイミングに対して前記基準外シートに応じて予め設定された補正時間だけ変更したタイミングに設定される請求項1に記載の画像形成装置。
- 互いに異なる複数の基準外シートの各々に対応した補正時間を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記シート収容部から送り出される基準外シートの種類に対応する補正時間を前記記憶手段から読み出し、該補正時間だけ変更した給紙タイミングで該基準外シートを前記転写位置に給紙する請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記搬送手段により搬送されるシートを前記レジスト部の前記シート収容部側近傍で検出するシート検出手段と、
前記シート収容部からのシートの送出開始時点からの経過時間、または送出開始後の所定時点からの経過時間が、ジャム時間に達するまでに、前記シート収容部から送り出されたシートが前記シート検出手段により検出されないときにジャムと判定するジャム判定手段とをさらに備え、
前記ジャム時間が前記シート収容部から送り出されたシートの種類に対応する給紙タイミングに応じて設定される請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記給紙タイミングの補正時間にほぼ等しい時間だけ前記搬送手段によるシートの搬送開始タイミングを変更する請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記搬送手段により搬送されるシートを前記レジスト部の前記シート収容部側近傍で検出するシート検出手段と、
前記シート収容部からのシートの送出開始時点からの経過時間、または送出開始後の所定時点からの経過時間が、ジャム時間に達するまでに、前記シート収容部から送り出されたシートが前記シート検出手段により検出されないときにジャムと判定するジャム判定手段とをさらに備え、
前記ジャム時間が前記シート収容部から送り出されたシートの種類にかかわらず固定される請求項5に記載の画像形成装置。 - シート収容部に収容されているシートを所定の転写位置に搬送する一方、画像信号に応じて露光処理および現像処理を行って画像を形成するとともに該画像を前記転写位置に搬送されてくるシートに転写する画像形成動作を実行することによって、前記シート上に前記画像信号に対応する画像を形成する画像形成方法において、
画像信号を受けると、前記シートの種類にかかわらず予め設定された動作タイミングで前記画像形成動作を実行する一方、
前記画像信号に応じて前記露光処理が開始された後に前記シート収容部からシートを送り出し、さらに前記シート収容部と前記転写位置との間のレジスト位置で該シートを一旦停止させた後に、該シートの種類に応じた給紙タイミングで該シートを前記転写位置に給紙する
ことを特徴とする画像形成方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |