JP4007259B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの電子写真方式の画像形成装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に記載の装置では、装置下部に配設されたシート収容部からほぼ鉛直方向にシートを搬送する構成が採用されている。そして、ピックアップ部によりシート収容部から送り出されたシートをレジスト部で一旦停止させて所定量の撓みを形成することによりシートのスキューを補正した後に、該シートを転写位置に給紙する一方、該転写位置で前記シートに画像を転写すべく画像形成動作を実行している。また、この装置では、シートの種類を判別し、その種類に応じてピックアップ部の送り出し動作開始タイミング、レジスト部の給紙動作開始タイミング、画像形成動作の開始タイミングを可変制御することにより、種々のシートについて転写不良やジャムの発生を防止するようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−354337号公報(第3〜4頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、発明者の実験によると、印字指令信号を受けて複数の画像をそれぞれシートに転写すべくシート収容部からシートを連続的に送り出す場合には、シート収容部から最初に送り出される先頭シートは、2枚目以降の後続シートに比べて、ピックアップ部のシート送り出し動作開始時点からレジスト部へのシート到達時点までの時間が長くなる方向にばらつくことが分かった。この点について発明者が種々の検証を行った結果、このばらつきの主要な原因は、シート収容部におけるシートの位置にあることが分かった。
【0005】
すなわち、シート収容部に収容されているシートの位置にはばらつきがあるため、シート収容部から最初に送り出される先頭シートのレジスト部までの搬送距離がばらついている。これに対して、2枚目以降の後続シートの場合には、直前のシートが送り出されるときに、例えば直前のシートとの摩擦により移動してシート収容部の出口端部まで到達しており、シートの位置にばらつきが少なく、しかもレジスト部までの搬送距離が先頭シートに比べて短くなっている。
【0006】
このように、先頭シートと後続シートとで、シートの種類は同一であるが、ピックアップ部のシート送り出し動作開始時点からレジスト部へのシート到達時点までの時間がばらついている。ところが、上記特許文献1に記載の装置では、シートの種類を判別し、その種類に応じて各タイミングを可変制御しているのみで、シート収容部内でのシート位置のばらつきについては一切考慮されていない。その結果、以下のような問題があった。
【0007】
すなわち、シート収容部内でのシート位置のばらつきに対応するために、(1)先頭シートの位置に着目したタイミング設定を行うことと、(2)後続シートの位置に着目したタイミング設定を行うことが考えられる。例えばタイミング設定(1)では、ピックアップ部の送り出し動作開始タイミングを早目に設定することが、先頭シートの位置のばらつきに有効な対策となる。しかしながら、このタイミング設定によれば、後続シートのピックアップ部の送り出し動作開始タイミングも早目に設定されることになる。したがって、後続シートのレジスト部への到達が早くなり、そのままではレジスト部でのシートの撓み量が過大になるおそれがある。また、レジスト部の給紙動作開始まで撓み状態で待機する時間が長くなる。特に、上記従来の装置は上述したようにシート収容部からほぼ鉛直方向にシートを搬送する構成を採用しているので、レジスト部での待機中にシートの自重で撓みが過大になるおそれがある。このようにシートの撓み量が過大になるとシートが変形し、これによって画像品質の低下を招いてしまう。また、後続シートのレジスト部への到達があまりに早くなると、最悪の場合には先行するシートに追い付いてジャムが発生してしまう。
【0008】
一方、タイミング設定(2)では、後続シートに合わせてピックアップ部の送り出し動作開始タイミングを遅い目に設定することが後続シートに対する上記問題の有効な対策となる。しかしながら、先頭シートのピックアップ部の送り出し動作開始タイミングも遅い目に設定されることになる。したがって、先頭シートのレジスト部への到達が遅くなり、レジスト部で所定量の撓みが形成されないためスキューが補正されず、これによって画像品質の低下を招くおそれがある。また、先頭シートのレジスト部への到達があまりに遅くなると、最悪の場合にはレジスト部の給紙動作開始に先頭シートが間に合わないおそれがある。
【0009】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、シート収容部からのシート送り出し動作の開始タイミングを好適に制御することで、画像品質の低下やジャムの発生を未然に防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明にかかる画像形成装置は、印字指令信号を受けて複数の画像を順次形成するとともに順次所定の転写位置に搬送して、前記複数の画像を順次前記転写位置でシートに転写する画像形成装置において、シート収容部に収容されているシートを該シート収容部から1枚ずつ送り出すピックアップ部と、前記シート収容部と前記転写位置との間に設けられ、前記シート収容部から送り出されたシートを一旦停止させた後に、前記画像の前記転写位置への搬送に合わせたタイミングで該シートを前記転写位置に給紙するレジスト部とを有する搬送手段と、前記シート収容部と前記レジスト部との間に設けられ、前記搬送手段により搬送されるシートを検出するシート検出手段と、前記ピックアップ部の送り出し動作開始時点からの経過時間が予め設定されたジャム時間に達するまでに、前記シート収容部から送り出されたシートが前記シート検出手段により検出されないときにジャムと判定するジャム判定手段と、前記シート検出手段によるシート検出時点からの経過時間が所定の撓み形成時間に達した時点で前記搬送手段によるシートの搬送を停止させる搬送制御手段とを備え、前記ピックアップ部の送り出し動作開始時点から前記レジスト部の給紙動作開始時点までの時間をシート準備時間としたとき、前記印字指令信号を受けて前記シート収容部から最初に送り出す先頭シートに対するシート準備時間と、2枚目以降の後続シートに対するシート準備時間とが相互に異なるように、前記ピックアップ部の送り出し動作は制御され、前記ジャム判定手段は、前記ジャム時間として、前記先頭シートの場合は第1ジャム時間を用いて判定を行い、前記後続シートの場合は第2ジャム時間を用いて判定を行うもので、前記撓み形成時間は、前記搬送手段がシートの搬送を停止した時点で、該シートの先端が前記レジスト部に当接した状態で該シートに所定量の撓みが形成される値に設定されており、前記第1ジャム時間は、前記先頭シートに対するシート準備時間から前記撓み形成時間を減算した値に設定され、前記第2ジャム時間は、前記後続シートに対するシート準備時間から前記撓み形成時間を減算した値に設定されていることを特徴としている。
【0012】
これらのように構成された発明によれば、印字指令信号を受けてシート収容部から最初に送り出す先頭シートに対するシート準備時間と、2枚目以降の後続シートに対するシート準備時間とが相互に異なるように、シート収容部からのシートの送り出し動作を制御している。したがって、先頭シートと後続シートとでシート収容部におけるシートの位置にばらつきがあり、このばらつきに起因してシート収容部からのシートの送り出し動作開始時点からレジスト位置への到達に要する時間がばらついた場合でも、このばらつきに対応して、先頭シートおよび後続シートのいずれについても、レジスト位置への搬送を好適に行うことができ、その結果、画像品質の低下を未然に防止することができる。
【0013】
また、前記先頭シートに対するシート準備時間が、前記後続シートに対するシート準備時間に比べて長くなるように、前記ピックアップ部の送り出し動作を制御するとしてもよい。このように構成された発明によれば、先頭シートのシート位置のばらつきに起因して、先頭シートの送り出し動作開始時点からレジスト位置への到達までに要する時間が後続シートに比べて長くなった場合でも、シート準備時間が長いので、先頭シートのレジスト位置への到達タイミングが後続シートに比べてそれ程遅くならない。したがって、レジスト位置で先頭シートに所定量の撓みを形成することが可能になり、その結果スキューを確実に補正でき、これによって先頭シートの画像品質の低下を未然に防止することができる。一方、先頭シートに比べて後続シートのレジスト位置への到達タイミングが早くなることはないため、後続シートが先行するシートに追い付くことはなく、ジャムの発生を防止できる。さらに、後続シートのレジスト位置における撓み量が過大になったり、撓み状態で待機する時間が長くなることはないため、後続シートの変形を防止でき、これによって後続シートの画像品質の低下を未然に防止することができる。
【0016】
また、上記発明では、前記シート検出手段によるシート検出時点からの経過時間が所定の撓み形成時間に達した時点で前記搬送手段によるシートの搬送を停止させる搬送制御手段を備え、前記撓み形成時間は、前記搬送手段がシートの搬送を停止した時点で、該シートの先端が前記レジスト部に当接した状態で該シートに所定量の撓みが形成される値に設定されており、前記第1ジャム時間は、前記先頭シートに対するシート準備時間から前記撓み形成時間を減算した値に設定され、前記第2ジャム時間は、前記後続シートに対するシート準備時間から前記撓み形成時間を減算した値に設定されている。
【0017】
このように構成された発明によれば、例えば先頭シートおよび後続シートの搬送に時間を要し、最悪の場合に各シートがそれぞれ第1ジャム時間および第2ジャム時間の経過直前にシート検出手段により検出された場合であっても、レジスト部の給紙開始時点までに、それぞれ少なくとも撓み形成時間を確保することができる。したがって、先頭シートおよび後続シートのいずれについても、レジスト部でシートに所定量の撓みを形成することができることから、シートのスキューを確実に補正でき、これによって、先頭シートおよび後続シートのいずれについても、転写位置でシート上に高品質の画像を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1はこの発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。この装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号を含む印字指令信号がCPU100(図2参照)に与えられると、このCPU100からの指令に応じて装置本体1に設けられたエンジン部EGが所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
【0023】
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ユニット23は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体22の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。また、これらの感光体22、帯電ユニット23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、この感光体カートリッジ2が一体として装置本体1に対し着脱自在となっている。
【0024】
そして、この帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じた光ビームLにより感光体22上を露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。
【0025】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、現像ユニット4は、回転軸4aを中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、CPU100により制御されている。そして、このCPU100からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともに、これらの現像器4Y,4C,4M,4Kが選択的に感光体22と当接してまたは所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に現像ユニット4が位置決めされると、当該現像器(図1では現像器4K)に設けられて選択された色のトナーを担持する現像ローラ(図1では現像ローラ41K)から感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
【0026】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。中間転写ベルト71は、複数のローラ72〜75に掛け渡されており、ローラ73が駆動モータ(図示省略)により回転駆動されることで、所定の回転方向D2に回転するように構成されている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体22上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、下方の例えばカセット11から1枚ずつ取り出され搬送路Fに沿って二次転写位置TR2まで搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。
【0027】
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写位置TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、転写ユニット7に後述する垂直同期センサ76(図2)が設けられ、搬送路F上において二次転写位置TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートSが所定のタイミングで二次転写位置TR2に給紙される。
【0028】
また、こうしてカラー画像が転写されたシートSは、定着ユニット9によって搬送されつつシートS上のカラー画像が定着され、さらに排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して装置本体1の上面部に設けられた排出トレイ部89に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送路FRに沿って矢印D3方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送路Fに乗せられるが、このとき、二次転写位置TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
【0029】
さらに、図1に示すように、装置本体1の下端には、標準のカセット11が装着され、装置本体1の下方には、オプションのカセット12が装着されたオプションユニット1aが接続されている。この実施形態では、カセット11,12には同一のシートS、例えば搬送方向が長手方向となるようにA4サイズの普通紙が収容されている。
【0030】
また、カセット11内の最上段のシートSにピックアップローラ111が当接しており、この当接位置P1より搬送路F側に、捌き部材113が配設されている。そして、カセット11内の最上段のシートSがピックアップローラ111により取り出されて搬送路Fに送り出され、さらにフィードローラ112により搬送されて、ゲートローラ81に到達する。このとき、最上段のシートSとの摩擦により2枚目のシートが移動しても、捌き部材113により捌かれて、最上段のシートSのみが搬送路Fに送り出される。
【0031】
また、カセット11と同様に、カセット12内の最上段のシートSにピックアップローラ121が当接しており、この当接位置P2より搬送路F側に、捌き部材123が配設されている。そして、2枚目のシートは捌き部材123により捌かれつつ、カセット12内の最上段のシートSがピックアップローラ121により取り出されて搬送路Fに送り出され、さらにフィードローラ122により搬送され、続いてフィードローラ112により搬送されて、ゲートローラ81に到達する。
【0032】
また、ゲートローラ81の近傍であってフィードローラ112側の搬送路F上にはゲート前シートセンサ84が配設されている。また、フィードローラ112の近傍であってピックアップローラ111側(ゲートローラ81と反対側)の搬送路F上にはフィード前シートセンサ85が配設されている。ゲート前シートセンサ84およびフィード前シートセンサ85は、搬送路Fに沿って搬送されてきたシートSを検出するもので、検出信号はCPU100(図2)に送出される。
【0033】
このように、この実施形態では、二次転写位置TR2が本発明の「転写位置」に相当し、ゲートローラ81が本発明の「レジスト部」に相当し、ピックアップローラ111,121が本発明の「送り出し部材」に相当し、ゲート前シートセンサ84が本発明の「シート検出手段」に相当し、カセット11,12が本発明の「シート収容部」に相当する。また、ピックアップローラ111および捌き部材113と、ピックアップローラ121および捌き部材123とが、それぞれ本発明の「ピックアップ部」に相当する。また、ゲートローラ81、ピックアップローラ111,121およびフィードローラ112,122が本発明の「搬送手段」に相当する。
【0034】
図2はこの画像形成装置の電気的構成を示す図である。この画像形成装置には、図2に示すように、エンジン部EGなどの各部の動作を制御するCPU100が設けられており、メモリ101などが接続されている。メモリ101は、CPU100の制御プログラムが格納されたROM部や、外部装置から送られてくる画像信号その他のデータを一時的に格納するRAM部を備える。
【0035】
垂直同期センサ76は、中間転写ベルト71の一周を検出するもので、例えば中間転写ベルト71上の適所に形成された突起部を光学的に検出することで中間転写ベルト71の一周を検出する。この垂直同期センサ76が検出する垂直同期信号Vsyncは、画像形成動作におけるエンジン部EGの各部の動作の基準信号として用いられる。また、シート有無センサ11a,12aは、それぞれカセット11,12に収容されているシートSの有無を検出するもので、検出信号はCPU100に送出される。
【0036】
搬送モータ80は、ゲートローラ81、排出前ローラ82、排出ローラ83、定着ユニット9の加熱ローラ、ピックアップローラ111,121、フィードローラ112,122などを回転駆動してシートSを所定速度で搬送するものである。搬送モータ80の駆動力はクラッチを介して、ゲートローラ81、ピックアップローラ111,121、フィードローラ112,122に伝達されるようになっている。すなわち搬送モータ80の駆動状態で、ピックアップクラッチ111aがオンにされるとピックアップローラ111が回転し、フィードクラッチ112aがオンにされるとフィードローラ112が回転し、ピックアップクラッチ121aがオンにされるとピックアップローラ121が回転し、フィードクラッチ122aがオンにされるとフィードローラ122が回転し、ゲートクラッチ81aがオンにされるとゲートローラ81が回転する。
【0037】
CPU100は、カセット11に収容されているシートSに対する複数の画像形成を行う旨の印字指令信号が外部装置から入力されると、垂直同期センサ76からの垂直同期信号Vsyncに基づき感光体カートリッジ2、露光ユニット6、現像ユニット4、転写ユニット7などの動作を制御して複数の画像形成動作を順次実行するとともに、カセット11に収容されているシートSを二次転写位置TR2に向けて順次搬送する。本実施形態では、露光ユニット6による露光処理の開始タイミングは、シートSのサイズにかかわらず、一定のタイミングに設定されている。
【0038】
また、CPU100は、モータ駆動回路102を介して搬送モータ80の駆動のオンオフを制御し、クラッチ駆動回路103を介して各クラッチ111a,112a,121a,122a,81aのオンオフを制御する。例えば、中間転写ベルト71上のトナー像にタイミングを合わせてシートSを二次転写位置TR2に給紙すべく、ゲートクラッチ81aのオンオフを制御する。
【0039】
ここで、この実施形態では、CPU100は、ピックアップクラッチ111aのオンタイミング、すなわちピックアップローラ111によるシートSのカセット11からの送り出し動作開始タイミングを、上記印字指令信号を受けて最初に送り出される先頭シートか2枚目以降の後続シートかに応じて異なるように制御している。これは、上述したように、カセット11における先頭シートと後続シートとでシート位置にばらつきがあることから、これに対応するためである。
【0040】
具体的には、ピックアップローラ111の送り出し動作開始時点からゲートローラ81の給紙動作開始時点までの時間をシート準備時間としたとき、CPU100は、印字指令信号を受けてカセット11から最初に送り出す先頭シートに対するシート準備時間(後述する図3の時間Ts1)が、2枚目以降の後続シートに対するシート準備時間(後述する図3の時間Ts2)に比べて長くなる(すなわちTs1>Ts2となる)ように、ピックアップローラ111の送り出し動作の開始タイミングを制御する。
【0041】
また、CPU100は、ゲート前シートセンサ84のシート検出時点からの経過時間が予め設定された撓み形成時間τに達した時点で、ピックアップローラ111、フィードローラ112によるシートSの搬送を停止させる。この撓み形成時間τは、シートSの搬送が停止された時点で、該シートSの先端がゲートローラ81に当接した状態で該シートSに所定量の撓みが形成される値に設定されている。
【0042】
また、CPU100は、ピックアップクラッチ111aのオン(すなわちピックアップローラ111によるシートSの送り出し動作開始)時点からの経過時間が予め設定されたジャム時間に達するまでに、ゲート前シートセンサ84によりシートSが検出されないときに、ジャムと判定する。
【0043】
上記ジャム時間は、この実施形態では、先頭シートと後続シートとで互いに異なる値に設定している。すなわち、先頭シートのジャム時間Tj1(後述する図3)は、先頭シートに対するシート準備時間Ts1から撓み形成時間τを減算した値に設定し、後続シートのジャム時間Tj2(後述する図3)は、後続シートに対するシート準備時間Ts2から撓み形成時間τを減算した値に設定している。
【0044】
言い換えると、各シート準備時間Ts1,Ts2は、図3に示すように、
Ts1=Tj1+τ
Ts2=Tj2+τ
となっている。また、この2つの式より、
Ts1−Ts2=Tj1−Tj2
となる。すなわち、先頭シートに対するシート準備時間Ts1と後続シートに対するシート準備時間Ts2との時間差は、ジャム時間Tj1とジャム時間Tj2との時間差に等しくなっている。
【0045】
このように、この実施形態では、CPU100が本発明の「ジャム判定手段」、「搬送制御手段」に相当し、ジャム時間Tj1が本発明の「第1ジャム時間」に相当し、ジャム時間Tj2が本発明の「第2ジャム時間」に相当する。以下、この第1実施形態の動作手順について、タイミングチャートやフローチャートを参照しつつ説明する。
【0046】
図3は複数のモノクロ画像形成を行う旨の印字指令信号が入力されたときの画像形成動作およびシートの搬送動作を示すタイミングチャートで、2枚目までの動作についてのみ示している。また、図4はシート搬送動作の手順を示すフローチャートである。図3に示すように、中間転写ベルト71の一周(周期T0)ごとに、垂直同期センサ76から垂直同期信号Vsyncが出力されている。この垂直同期信号Vsyncがエンジン部EGの各部の動作の基準信号として用いられ、この基準信号に基づき、画像形成動作およびシート搬送動作を含む所定の画像形成シーケンスが実行される。
【0047】
なお、1枚目(先頭シート)の搬送動作に引き続いて2枚目(後続シート)の搬送動作が実行されるが、図3では、説明の便宜上、先頭シートの搬送動作と後続シートの搬送動作とを、それぞれ基準となる垂直同期信号Vsyncを一致させた状態で中段と下段に並べて示している。
【0048】
まず、図3の上段を参照して、画像形成動作について説明する。上述したように、画像形成動作については、所定のタイミングで実行しており、先頭シートと後続シートとで変わらない。すなわち、垂直同期信号Vsyncの立下り時点から所定時間Tr後に画像要求信号Vreqが出力される。この画像要求信号Vreqに基づき画像信号が出力され、この画像信号に同期して、露光ユニット6によりトナー像Kに対応する露光処理が開始される。さらに、この露光処理に引き続いて現像ユニット4による現像処理が実行され、中間転写ベルト71上にトナー像Kが形成される。そして、1枚目のトナー像Kの先端が時刻t1に二次転写位置TR2に到達し、2枚目のトナー像Kの先端が時刻t2に二次転写位置TR2に到達する。
【0049】
次に、図3の中段を参照して、先頭シートおよび後続シートの搬送動作の概要について説明する。まず、垂直同期信号Vsyncから所定時間Tp1が経過した時点でピックアップクラッチ111aがオンにされて、カセット11から1枚目の先頭シートの送り出し動作が開始される。そして、次の垂直同期信号Vsyncから所定時間Tgが経過した時点でゲートクラッチ81aがオンにされて、ゲートローラ81から二次転写位置TR2に向けて給紙動作が開始される。これによって、所定時間Tt後の時刻t1に、画像と同一タイミングで先頭シートの先端が二次転写位置TR2に到達する。
【0050】
また、その垂直同期信号Vsyncから所定時間Tp2が経過した時点でピックアップクラッチ111aがオンにされて、カセット11から2枚目の後続シートの送り出し動作が開始される。そして、次の垂直同期信号Vsyncから所定時間Tgが経過した時点でゲートクラッチ81aがオンにされて、ゲートローラ81から二次転写位置TR2に向けて給紙動作が開始される。これによって、所定時間Tt後の時刻t2に、画像と同一タイミングで後続シートの先端が二次転写位置TR2に到達する。
【0051】
次に、図4のステップにしたがって、図3の中段および下段を参照し、ゲートローラ81の給紙動作までのシート搬送動作について詳述する。図4のステップ#10〜#12において、まず、垂直同期信号Vsyncに基づき所定タイミングか否かが判別され(#10)、所定タイミングになると(#10でYES)、ピックアップクラッチ111aがオンにされてカセット11からシートSの送り出し動作が開始される(#12)。
【0052】
すなわち、図3において、先頭シートの送り出し動作は、垂直同期信号Vsyncから所定時間Tp1後に開始される一方、後続シートの送り出し動作は、垂直同期信号Vsyncから所定時間Tp2後に開始される。ここで、図3に示すように、Tp1<Tp2に設定されている。上述したように、ゲートローラ81の給紙開始時点は垂直同期信号Vsyncから所定時間Tg後であり、先頭シートと後続シートとで等しいタイミングになっている。したがって、シート準備時間Ts1,Ts2を用いると、
であるので、Tp1<Tp2に設定することにより、Ts1>Ts2に設定されることとなる。
【0053】
続く図4のステップ#14〜#18において、シートの送り出し動作開始時点からの経過時間のカウントが開始され(#14)、ゲート前シートセンサ84によるシートSの検出有無の判別(#16)と、送り出し動作開始時点からの経過時間がジャム時間に達したか否かの判別(#18)とが繰り返される。このジャム時間は、先頭シートではジャム時間Tj1が用いられ、後続シートではジャム時間Tj2が用いられる。
【0054】
すなわち、図3では、先頭シートは送り出し動作開始時点から時間T1後にゲート前シートセンサ84により検出され、後続シートは送り出し動作開始時点から時間T2後にゲート前シートセンサ84により検出されている。ここではT1<Tj1,T2<Tj2であり、いずれのシートも、上記経過時間がジャム時間に達するまでに、ゲート前シートセンサ84により検出されている。
【0055】
図4に戻り、ゲート前シートセンサ84によりシートが検出されると(ステップ#16でYES)、続くステップ#20〜#28において、経過時間のカウントが開始され(#20)、シート検出時点からの経過時間が撓み形成時間τに達すると(#22でYES)、シートSの搬送動作が停止される(#24)。そして、所定タイミングになると(#26でYES)、ゲートローラ81からの給紙動作が開始される(#28)。
【0056】
すなわち、図3において、先頭シートおよび後続シートのいずれについても同様に、シート検出時点から撓み形成時間τ後にピックアップクラッチ111aがオフにされる。この状態でシートSに所定量の撓みが形成されており、この撓みによる力でシートSの先端が幅方向に亘ってゲートローラ81にニップされることにより、シートSのスキューが補正されるとともに、ゲートローラ81の駆動開始により一定タイミングでシートSが二次転写位置TR2に向けて給紙されることとなる。そして、先頭シートおよび後続シートのいずれについても同様に、垂直同期信号Vsyncから所定時間Tg経過後に、ゲートクラッチ81aおよびピックアップクラッチ111aがオンにされて二次転写位置TR2への給紙動作が開始される。
【0057】
また、図4において、シートSが検出されるまでの間に(#16でNO)、経過時間がジャム時間に達すると(#18でYES)、所定のジャム処理が行われる(#30)。
【0058】
なお、図3では図示を省略しているが、ピックアップクラッチ111aがオンにされてピックアップローラ111によるシート送り出し動作開始(図4のステップ#12)の後に、所定のタイミングでフィードクラッチ112aもオンにされる。また、図4のステップ#24では、フィードクラッチ112aもオフにされて、シートSの搬送動作が停止される。また、図4のステップ#28では、フィードクラッチ112aもオンにされて、シートSが搬送される。
【0059】
上述したように、先頭シートに対するシート準備時間Ts1は、ジャム時間Tj1および撓み形成時間τを用いると、
Ts1=Tj1+τ
となっている。一方、図3に示すように、先頭シートにおいて、撓み形成時間τの経過時点からゲートクラッチ81aのオン時点までの時間をT3とすると、
Ts1=T1+τ+T3
となる。したがって、これらの2つの式から、
Tj1=T1+T3
が得られる。すなわち、先頭シートの送り出し動作開始から時間T1後にゲート前シートセンサ84により検出された図3では、時間T3がジャムと判定されるまでのマージンとなる。
【0060】
同様に、後続シートに対するシート準備時間Ts2は、ジャム時間Tj2および撓み形成時間τを用いると、
Ts2=Tj2+τ
となっている。一方、図3に示すように、後続シートにおいて、撓み形成時間τの経過時点からゲートクラッチ81aのオン時点までの時間をT4とすると、
Ts2=T2+τ+T4
となる。したがって、これらの2つの式から、
Tj2=T2+T4
が得られる。すなわち、後続シートの送り出し動作開始から時間T2後にゲート前シートセンサ84により検出された図3では、時間T4がジャムと判定されるまでのマージンとなる。
【0061】
ここで、上述したように、先頭シートに対するシート準備時間Ts1と後続シートに対するシート準備時間Ts2とは、
Ts1>Ts2
となるように、ピックアップローラ111の送り出し動作の開始タイミングが制御されている。したがって、
Ts1=Tj1+τ
Ts2=Tj2+τ
であるので、
Ts1>Ts2
より、
Tj1>Tj2
となる。
【0062】
すなわち、Ts1>Ts2に設定することで、Tj1>Tj2と設定することができ、後続シートに比べて先頭シートについてジャム時間、すなわちジャムと判定されるまでのマージンとして大きい値を確保することができる。
【0063】
以上説明したように、第1実施形態によれば、カセット11から最初に送り出す先頭シートに対するシート準備時間Ts1と、カセット11から送り出す2枚目以降の後続シートに対するシート準備時間Ts2とが相互に異なるように、ピックアップローラ111によるシートSの送り出し動作の開始タイミングを制御しているので、先頭シートおよび後続シートのカセット11におけるシート位置のばらつきに対応して、いずれのシートについても、ゲートローラ81への搬送を好適に行うことができる。
【0064】
特に、先頭シートのシート位置がカセット11内でばらついており、後続シートがその直前に先行するシートとの摩擦により捌き部材113まで移動している場合には、先頭シートのゲートローラ81までの搬送距離が後続シートの搬送距離に比べて長くなる方向にばらつくこととなる。そこで、この実施形態では、Ts1>Ts2になるようにピックアップクラッチ111aのオンタイミングを制御しているので、上記のようなばらつきが存在し、先頭シートのゲートローラ81への搬送に時間を要しても、確実に撓み形成時間τを確保でき、これによって画像品質の低下を未然に防止することができる。
【0065】
また、第1実施形態によれば、先頭シートのジャム時間Tj1と後続シートのジャム時間Tj2とをTj1>Tj2に設定している。したがって、ジャムと判定されるまでのマージンとして、後続シートに比べて先頭シートの方が大きい値を確保することができる。すなわち、送り出し動作開始時点からゲート前シートセンサ84による検出時点までの時間を、先頭シートはT1、後続シートはT2としたときに(図3)、後続シートはT2<Tj2の場合にのみジャムと判定されないのに対して、先頭シートはTj2≦T1<Tj1の場合でも、ジャムと判定されない。したがって、先頭シートのカセット11におけるシート位置のばらつきに起因して、後続シートに比べて先頭シートのゲート前シートセンサ84まで搬送するのに(Tj1−Tj2)分だけ時間を要した場合でも、ジャムと判定されるのを未然に防止することができる。
【0066】
(第2実施形態)
次に、この発明にかかる画像形成装置の第2実施形態について説明する。この第2実施形態にかかる画像形成装置では、シートSを送り出すカセットを動作の途中で切り換える点が第1実施形態と相違しており、その構成は基本的に第1実施形態と同一である。したがって、同一構成については同一符号を付し、構成の説明を省略する。
【0067】
この第2実施形態では、CPU100は、カセット11に収容されているシートSに対する印字指令信号を受けてカセット11からシートSを送り出しているときに、シート有無センサ11aからシート無しの検出信号が入力されると、シートSを送り出すカセットを切り換えて、カセット12からシートSを送り出すように制御する。
【0068】
そして、CPU100は、カセット切換後において、第1実施形態と同様の制御を行う。すなわち、ピックアップローラ121の送り出し動作開始時点からゲートローラ81の給紙動作開始時点までの時間をシート準備時間としたとき、CPU100は、カセット12から最初に送り出す先頭シートに対するシート準備時間(後述する図5の時間Ts11)が、2枚目以降の後続シートに対するシート準備時間(後述する図5の時間Ts12)に比べて長くなる(すなわちTs11>Ts12となる)ように、ピックアップローラ121の送り出し動作の開始タイミングを制御する。
【0069】
また、カセット切換後において、第1実施形態と同様に、CPU100は、ゲート前シートセンサ84のシート検出時点からの経過時間が予め設定された撓み形成時間τに達した時点で、ピックアップローラ121、フィードローラ112,122によるシートSの搬送を停止させる。
【0070】
また、カセット切換後において、第1実施形態と同様に、CPU100は、ピックアップクラッチ121aのオン(すなわちピックアップローラ121によるシートSの送り出し動作開始)時点からの経過時間が予め設定されたジャム時間に達するまでに、ゲート前シートセンサ84によりシートSが検出されないときに、ジャムと判定する。
【0071】
この場合のジャム時間は、第1実施形態と同様に、先頭シートと後続シートとで互いに異なる値に設定している。すなわち、先頭シートのジャム時間Tj11(後述する図5)は、先頭シートに対するシート準備時間Ts11から撓み形成時間τを減算した値に設定し、後続シートのジャム時間Tj12(後述する図5)は、後続シートに対するシート準備時間Ts12から撓み形成時間τを減算した値に設定している。言い換えると、各シート準備時間Ts11,Ts12は、図5に示すように、
Ts11=Tj11+τ
Ts12=Tj12+τ
となっている。
【0072】
このように、この実施形態では、カセット11が本発明の「1のシート収容部」に相当し、カセット12が本発明の「他のシート収容部」に相当し、シート有無センサ11aからのシート無しの検出信号が本発明の「切換指令信号」に相当する。以下、この第2実施形態の動作手順について、タイミングチャートやフローチャートを参照しつつ説明する。
【0073】
図5は第2実施形態の画像形成シーケンス(すなわちカセット切換後の画像形成動作およびシートの搬送動作)を示すタイミングチャートである。なお、図5では、説明の便宜上、カセット切換前にカセット11から最後に送り出されるシートの搬送動作および該シートに対する画像形成動作については図示を省略している。また、図5でも図3と同様に、基準となる垂直同期信号Vsyncを一致させた状態で、先頭シートの搬送動作と後続シートの搬送動作とを中段と下段に並べて示している。
【0074】
まず、図5の上段を参照して、画像形成動作について説明する。画像形成動作は、カセットが切り換えられても、切換前と同一のタイミングで開始される。すなわち、垂直同期信号Vsyncの立下り時点から所定時間Tr後に画像要求信号Vreqが出力される。この画像要求信号Vreqに基づき画像信号が出力され、この画像信号に同期して、露光ユニット6によりトナー像Kに対応する露光処理が開始される。さらに、この露光処理に引き続いて現像ユニット4による現像処理が実行され、中間転写ベルト71上にトナー像Kが形成される。そして、1枚目のトナー像Kの先端が時刻t11に二次転写位置TR2に到達し、2枚目のトナー像Kの先端が時刻t12に二次転写位置TR2に到達する。
【0075】
次に、図5の中段および下段を参照して、シートの搬送動作について説明する。画像形成動作の動作タイミングが図3の場合と同一であるので、ゲートローラ81の給紙開始時点も図3と同一になっている。すなわち、先頭シートおよび後続シートのいずれも、垂直同期信号Vsyncから所定時間Tg後にゲートローラ81の給紙動作が開始される。これによって、シートSの先端が、画像にタイミングを合わせて、時刻t11,t12に二次転写位置TR2に到達するようになっている。
【0076】
また、図5におけるシートSの送り出し動作は、カセット12から二次転写位置TR2までのシート搬送距離が、カセット11に比べて長い分だけ早くなっていること以外は、図3の場合と同様に行われる。すなわち、先頭シートの送り出し動作は、垂直同期信号Vsyncから所定時間Tp11後に開始される一方、後続シートの送り出し動作は、垂直同期信号Vsyncから所定時間Tp12後に開始されており、図5に示すようにTp11<Tp12に設定されている。
【0077】
したがって、先頭シートに対するシート準備時間Ts11および後続シートに対するシート準備時間Ts12を用いると、
であるので、図3の場合と同様に、Tp11<Tp12に設定することにより、Ts11>Ts12に設定されることとなる。
【0078】
そして、図5では、カセット12から送り出されたシートSは、先頭シートは送り出し動作開始時点から時間T11後にゲート前シートセンサ84により検出され、後続シートは送り出し動作開始時点から時間T12後にゲート前シートセンサ84により検出されている。
【0079】
ここで、各シート準備時間Ts11,Ts12および撓み形成時間τは、図3の場合と同様に設定されている。すなわち、先頭シートのジャム時間をTj11、後続シートのジャム時間をTj12とすると、
Ts11=Tj11+τ
Ts12=Tj12+τ
に設定されている。また、図5に示すように先頭シートおよび後続シートにおいて、撓み形成時間τの経過時点からゲートクラッチ81aのオン時点までの時間を、それぞれT13,T14とすると、
Ts11=T11+τ+T13
Ts12=T12+τ+T14
となる。
【0080】
したがって、これらの4つの式から、
Tj11=T11+T13
Tj12=T12+T14
が得られる。すなわち、先頭シートの送り出し動作開始から時間T11後にゲート前シートセンサ84により検出された図5では、時間T13がジャムと判定されるまでのマージンとなる。また、後続シートの送り出し動作開始から時間T12後にゲート前シートセンサ84により検出された図5では、時間T14がジャムと判定されるまでのマージンとなる。
【0081】
また、
Ts11=Tj11+τ
Ts12=Tj12+τ
であり、かつ、
Ts11>Ts12
であるので、
Tj11>Tj12
となる。
【0082】
すなわち、Ts11>Ts12に設定することで、Tj11>Tj12と設定することができ、図3の場合と同様に、後続シートに比べて先頭シートについてジャム時間、すなわちジャムと判定されるまでのマージンとして大きい値を確保することができる。
【0083】
図6は第2実施形態のカセット切換動作を示すフローチャートである。標準のカセット11に収容されているシートSに対する画像形成を行う旨の印字指令信号が入力されると、まず、動作タイミングが設定される(#40)。すなわち、例えば図3に示すように、先頭シートであれば、ピックアップクラッチ111aのオンタイミングとして所定時間Tp1が設定され、ジャム時間Tj1が設定される一方、後続シートであれば、ピックアップクラッチ111aのオンタイミングとして所定時間Tp2が設定され、ジャム時間Tj2が設定される。次いで、例えば図3に示す画像形成動作およびシート搬送動作を含む標準のカセット11の画像形成シーケンスが実行される(#42)。
【0084】
続いて、印字動作が終了したか否かが判別され(#44)、印字動作が終了でなければ(#44でNO)、シート有無センサ11aの検出信号に基づき、標準のカセット11にシートSがあるか否かが判別される(#46)。そして、シートSがあれば(#46でYES)、ステップ#40に戻って、以上のステップが繰り返される。
【0085】
一方、標準のカセット11に収容されているシートSがなくなると(#46でNO)、シート有無センサ12aの検出信号に基づき、オプションのカセット12にシートSがあるか否かが判別される(#48)。そして、シートSがあれば(#48でYES)、動作タイミングが設定される(#50)。すなわち、例えば図5に示すように、先頭シートであれば、ピックアップクラッチ111aのオンタイミングとして所定時間Tp11が設定され、ジャム時間Tj11が設定される一方、後続シートであれば、ピックアップクラッチ111aのオンタイミングとして所定時間Tp12が設定され、ジャム時間Tj12が設定される。次いで、例えば図5に示す画像形成動作およびシート搬送動作を含むオプションのカセット12の画像形成シーケンスが実行される(#52)。
【0086】
続いて、印字動作が終了したか否かが判別され(#54)、印字動作が終了でなければ(#54でNO)、ステップ#48に戻って、以上のステップが繰り返される。そして、ステップ#44で印字動作が終了であったとき(#44でYES)、ステップ#48でシートSがなかったとき(#48でNO)、ステップ#54で印字動作が終了であったとき(#54でYES)には、このルーチンを終了する。
【0087】
以上説明したように、第2実施形態によれば、シートSを送り出すカセットをカセット11からカセット12に切り換えたとき、その切換後にカセット12から最初に送り出す先頭シートと2枚目以降の後続シートについて、第1実施形態と同様に制御しているので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、カセット12から最初に送り出す先頭シートに対するシート準備時間Ts11と、カセット12から送り出す2枚目以降の後続シートに対するシート準備時間Ts12とを、Ts11>Ts12になるように、ピックアップローラ121によるシートSの送り出し動作の開始タイミングを制御しているので、先頭シートおよび後続シートのカセット12におけるシート位置のばらつきに対応して、いずれのシートについても、ゲートローラ81への搬送を好適に行うことができる。
【0088】
特に、先頭シートのシート位置がカセット12内でばらついており、後続シートがその直前に先行するシートとの摩擦により捌き部材123まで移動している場合には、先頭シートのゲートローラ81までの搬送距離が後続シートの搬送距離に比べて長くなる方向にばらつくこととなる。この点は、第1実施形態におけるカセット11の場合と同様である。そこで、この第2実施形態では、Ts11>Ts12になるようにピックアップクラッチ121aのオンタイミングを制御しているので、上記のようなばらつきが存在しても、先頭シートについて撓み形成時間τを確実に確保でき、これによって画像品質の低下を未然に防止することができる。
【0089】
また、第2実施形態によれば、先頭シートのジャム時間Tj11と後続シートのジャム時間Tj12とをTj11>Tj12に設定しているので、第1実施形態と同様に、ジャムと判定されるまでのマージンとして、後続シートに比べて先頭シートの方が大きい値を確保することができる。したがって、先頭シートのカセット12におけるシート位置のばらつきに起因して、後続シートに比べて先頭シートのゲート前シートセンサ84まで搬送するのに時間を要した場合でも、ジャムと判定されるのを未然に防止することができる。
【0090】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記第1、第2実施形態において、撓み形成時間τの値は、シートSのサイズや種類などに応じて、それぞれ異なる値に設定してもよい。
【0091】
また、上記第1実施形態では、印字指令信号に基づきカセット11からシートSを送り出す例について説明しているが、本発明はこれに限られず、カセット12からシートSを送り出す例に適用することもできる。
【0092】
また、上記第2実施形態では、シート有無センサ11aからのシート無しの検出信号が本発明の「切換指令信号」に相当し、該検出信号がCPU100に入力されると、シートSを送り出すカセットをカセット11からカセット12に切り換えるようにしているが、これに限られない。例えば、カセット11,12に互いに異なるサイズのシートSが収容されており、外部装置から、カセット11に収容されているシートSに対する画像形成に引き続いてカセット12に収容されているシートSに対する画像形成を指示する旨の印字指令信号が入力されるような形態でもよい。この場合には、該印字指令信号が本発明の「切換指令信号」に相当する。
【0093】
また、上記第1、第2実施形態では、オプションユニット1aをセットして装置本体1内の標準のカセットと合わせて2個のカセット11,12を装着可能としているが、これに限定されるものではなく、オプションユニットの段数や、装置本体1内の標準のカセットの数については、他の数であってもよい。特に、第1実施形態では、オプションユニットなしで、標準のカセット11のみを備えたものでもよい。
【0094】
また、上記した実施形態では、外部装置からの印字指令信号に応じて画像を形成するプリンタとしての画像形成装置に本発明を適用しているが、本発明を適用することができるのはこれに限定されるものではなく、複写機やファクシミリ装置、さらにはこれらの機能を兼備した複合機に対しても本発明を適用することができるのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図。
【図2】 この画像形成装置の電気的構成を示す図。
【図3】 第1実施形態の画像形成シーケンスのタイミングチャート。
【図4】 第1実施形態のシート搬送動作を示すフローチャート。
【図5】 第2実施形態の画像形成シーケンスのタイミングチャート。
【図6】 第2実施形態のカセット切換動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
11…カセット(1のシート収容部)、12…カセット(他のシート収容部)、81…ゲートローラ(レジスト部、搬送手段)、84…ゲート前シートセンサ(シート検出手段)、100…CPU(ジャム判定手段、搬送制御手段)、111,121…ピックアップローラ(送り出し部材、ピックアップ部、搬送手段)、112,122…フィードローラ(搬送手段)、113,123…捌き部材(ピックアップ部)、F…搬送路、S…シート
Claims (2)
- 印字指令信号を受けて複数の画像を順次形成するとともに順次所定の転写位置に搬送して、前記複数の画像を順次前記転写位置でシートに転写する画像形成装置において、
シート収容部に収容されているシートを該シート収容部から1枚ずつ送り出すピックアップ部と、前記シート収容部と前記転写位置との間に設けられ、前記シート収容部から送り出されたシートを一旦停止させた後に、前記画像の前記転写位置への搬送に合わせたタイミングで該シートを前記転写位置に給紙するレジスト部とを有する搬送手段と、
前記シート収容部と前記レジスト部との間に設けられ、前記搬送手段により搬送されるシートを検出するシート検出手段と、
前記ピックアップ部の送り出し動作開始時点からの経過時間が予め設定されたジャム時間に達するまでに、前記シート収容部から送り出されたシートが前記シート検出手段により検出されないときにジャムと判定するジャム判定手段と、
前記シート検出手段によるシート検出時点からの経過時間が所定の撓み形成時間に達した時点で前記搬送手段によるシートの搬送を停止させる搬送制御手段と
を備え、
前記ピックアップ部の送り出し動作開始時点から前記レジスト部の給紙動作開始時点までの時間をシート準備時間としたとき、前記印字指令信号を受けて前記シート収容部から最初に送り出す先頭シートに対するシート準備時間と、2枚目以降の後続シートに対するシート準備時間とが相互に異なるように、前記ピックアップ部の送り出し動作は制御され、
前記ジャム判定手段は、前記ジャム時間として、前記先頭シートの場合は第1ジャム時間を用いて判定を行い、前記後続シートの場合は第2ジャム時間を用いて判定を行うもので、
前記撓み形成時間は、前記搬送手段がシートの搬送を停止した時点で、該シートの先端が前記レジスト部に当接した状態で該シートに所定量の撓みが形成される値に設定されており、
前記第1ジャム時間は、前記先頭シートに対するシート準備時間から前記撓み形成時間を減算した値に設定され、
前記第2ジャム時間は、前記後続シートに対するシート準備時間から前記撓み形成時間を減算した値に設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記先頭シートに対するシート準備時間が、前記後続シートに対するシート準備時間に比べて長くなるように、前記ピックアップ部の送り出し動作を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
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