JP2004359249A - ティーバッグ - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な香味を有する飲料茶を冷水を用いた抽出により迅速に得られるティーバッグを提供する。
【解決手段】ティーバッグは、熱融着繊維を含有するヒートシール層と、ヒートシール層に積層され実質的に熱融着繊維を含まない繊維層とを有するフィルターバッグを備え、ヒートシール層と繊維層との和に対するヒートシール層の割合は質量比で55%以上70%以下であり、ヒートシール層に含有される熱融着繊維の割合は質量比で35%以上45%以下であり、繊維層は、繊維度が1.7dtex以下で長さが3mm以上10mm以下のレーヨン繊維を質量比で5%以上10%以下の割合で含有する。32メッシュふるい下の粒子が5質量%以下で8メッシュふるい上の粒子が20質量%以下である粒状の茶が収容される。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、緑茶や紅茶、麦茶等の茶類を冷水により効率よく抽出できるティーバッグに関する。
【0002】
【従来の技術】
緑茶や紅茶、麦茶等の茶類を手軽に抽出する方法としてティーバッグを用いる方法がある。ティーバッグによる抽出は熱水を用いることが一般的であるが、麦茶等のような特に夏期に嗜好される飲料では低温飲料が好まれるため、冷水を用いた抽出が可能なティーバッグが提供されている。
【0003】
一方、ペットボトル入りの清涼飲料水の消費拡大に伴って、茶葉及びティーバッグの需要も伸びており、冷水抽出用ティーバッグは、低温の茶類飲料を手軽に自家調製できる便利な製品であるため、製品に対する要望も高度化している。
【0004】
ティーバッグは、フィルターシートで作成されるフィルターバッグに茶類を充填しており、フィルターシートにはパルプ等の天然繊維やプラスチック繊維を用いて製造される濾紙、濾布又はネットが用いられており、抽出中のティーバッグの破れや繊維の脱落が抑制できる点から、熱溶着繊維を用いたヒートシール層を天然繊維の層に接着したシート(例えば、下記特許文献1参照)が繁用されている。このようなティーバッグを用いて冷水抽出を行った場合、通常、茶類等の成分を満足に抽出するために2時間程度の浸漬時間を必要としており、浸漬時間が短いと香味や色が十分に抽出されない。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−165732号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
冷水抽出における抽出時間を短縮するために従来のティーバッグの改良を試みる場合、幾つかのアプローチが考えられる。例えば、細孔の大きいフィルターシートを用いたり、充填する茶類として細かく粉砕したものを用いることが考えられる。しかし、単に細孔の大きいフィルターシートを用いた場合、バッグの強度低下によりティーバッグ製造時の不良発生が増加したり、充填した茶類がティーバッグから洩れ出すことによって抽出飲料の濁り、苦味等の風味低下が生じる。又、充填する茶類が細かい場合、上述した茶類の洩出による問題が生じると共に、フィルターバッグの目詰まりによる透過阻害からかえって抽出が遅くなる。
【0007】
本発明は、この様な従来技術の課題を解決するためになされたもので、抽出される茶飲料の外観や風味を損なうことなく、冷水を用いた茶類の抽出を短時間で行うことができる、冷水抽出に適したティーバッグの提供を可能とすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、フィルターシートとして繊維の配合を工夫したヒートシール紙を用いることにより透過性がよく強度も備えたフィルターバッグが得られ、ティーバッグの抽出時間を短縮できることを見いだし、本発明のティーバッグを発明するに至った。
【0009】
本発明の一態様によれば、ティーバッグは、熱融着繊維を含有するヒートシール層と、該ヒートシール層に積層され実質的に熱融着繊維を含まない繊維層とを有するフィルターバッグを備えるティーバッグであって、前記ヒートシール層と前記繊維層との和に対する該ヒートシール層の割合は質量比で55%以上70%以下であり、前記ヒートシール層に含有される該熱融着繊維の割合は質量比で35%以上45%以下であり、前記繊維層は、繊維度が1.7dtex以下で長さが3mm以上10mm以下のレーヨン繊維を質量比で5%以上10%以下の割合で含有することを要旨とする。
【0010】
また、本発明の他の態様によれば、ティーバッグは、熱融着繊維を含有するヒートシール層と実質的に熱融着繊維を含まない繊維層とを有するヒートシール紙で形成されるフィルターバッグと、該フィルターバッグに収容される茶とを有するティーバッグであって、前記ヒートシール紙の細孔径は270μm以下であり、前記茶は、32メッシュふるい下の粒子が5質量%以下で8メッシュふるい上の粒子が20質量%以下である粒度分布を有する粒状の茶であることを要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
茶類には様々なものがあり、玉露、煎茶、番茶、釜入り茶、ほうじ茶等の緑茶(日本茶)、ウーロン茶、ジャスミン茶、プーアール茶等の中国茶、紅茶などの茶樹由来の「狭義の茶」だけでなく、麦茶、蕎麦茶、玄米茶等の穀物茶、コーヒー等の種子飲料、レモングラス、ペパーミント、カモミール、グァバ、ウコン、バナバ、朝鮮人参、どくだみ、杜仲等の薬用植物茶といったハーブティや薬用茶などと呼ばれる植物由来のものがある。また、茶原料の茶樹部位、茶製造における茶の発酵程度が異なるものや、蒸し茶、釜炒り茶など加工方法の異なるものもある。このような茶のいずれも、フィルターバッグに収容してティーバッグとして使用することができる。中でも麦茶は、冷水(室温以下の水)抽出用ティーバッグの需要が高いが、緑茶やその他の茶についても冷水抽出用ティーバッグの需要があり、このような茶について本発明を適用することによって、良好な風味を備えた茶飲料が短い抽出時間で得ることができる有用なティーバッグが得られる。
【0012】
ティーバッグにおける茶の抽出速度を決定する要素は、概して2つに分類することができる。1つは、抽出そのもの、即ち、茶と抽出媒体との接触に関する要素であり、もう1つは、フィルターバッグを介した茶の抽出成分の拡散に関する要素である。つまり、ティーバッグにおける抽出では、抽出そのものだけでなく、フィルターバッグを通じた拡散をも進行させることが重要となる。
【0013】
茶の抽出そのものの速度は、抽出媒体(つまり水)との接触面積に依存するので、茶を粒状に粉砕することにより抽出を速めることができるが、ある程度の粒度まで細かくなるとそれ以上細かく粉砕しても抽出速度はさほど増加しなくなる。また、茶を過度に細かくすると、フィルターバッグの目詰まりや粉洩れ(茶粒子のフィルターバッグからの離脱)が著しく生じ易くなるので、これらを防止するためにフィルターバッグの細孔径を小さくする必要が生じ、結果として透過性が下がりフィルターバッグを介した茶の抽出成分の拡散が遅くなる。麦茶の場合、冷水抽出用ティーバッグとして効率よく抽出できる茶の粒度はふるい分級で8メッシュふるい下であり、目詰まり及び粉洩れは32メッシュふるい下の粒度の茶において著しく、緑茶など他の茶の場合においても同様の傾向がある。従って、粒度が8メッシュふるい下で且つ32メッシュふるい上の粒子を主とする茶、具体的には、8メッシュふるい下で且つ32メッシュふるい上が60質量%以上であり、32メッシュふるい下の粒子が20質量%未満で8メッシュふるい上の粒子が35質量%未満となるように粒度分布を調整した茶が冷水抽出用ティーバッグに収容するものとして適しており、これにより効率よくティーバッグの茶が抽出され、且つ、フィルターバッグの目詰まり及び粉洩れが抑制される。好ましくは、32メッシュふるい下の粒子が5質量%以下で8メッシュふるい上の粒子が20質量%以下である(つまり、8メッシュふるい下且つ32メッシュふるい上が75質量%以上である)ような粒度分布に粉砕・分級された茶がティーバッグに用いるのに適正である。
【0014】
他方、ティーバッグ中の茶から抽出された成分の拡散速度は、フィルターバッグを構成するフィルターシートの細孔径(繊維間の空隙)及び通水性によって変化する。細孔径が大きい方が通水性が高く抽出速度が大きくなるが、粉洩れが生じる。これらを考慮すると、細孔径(バブルポイント法に従って測定される最大孔径とする)が好ましくは約270μm以下、より好ましくは約250μm以下のものを使用するのがよく、これにより、上述のような抽出効率のよい粒度分布の茶を用いた時に粉洩れが適切に防止される。また、フィルターシートの強度低下を防止する上でも細孔径が過度に大きいものは避ける必要がある。
【0015】
フィルターバッグに適したフィルターシート素材としてヒートシール紙がある。ヒートシール紙は、2つの紙層から成り、第1の層は熱可塑性プラスチック製の融着繊維を含有する繊維からなるヒートシール層であり、第2の層は熱融着繊維を含まない繊維で形成される繊維層である。ヒートシール層及び繊維層は積層され、ヒートシール層中の融着繊維は加熱接合されて網目構造を形成する。融着繊維の網目構造によってヒートシール紙のシート強度が向上し、同時に二層間の接合強度も向上するが、融着繊維の網目構造は同時に通水性を阻害する要素でもあり得るので、ティーバッグにおいては、シート強度が不足しない範囲で融着繊維の含有量を制限し、また、融着繊維が局所に集中して網目が密にならないように融着繊維を分散させることが好ましい。具体的には、ヒートシール層中の融着繊維の含有割合を質量比で35%以上45%以下とし、ヒートシール紙全体におけるヒートシール層の割合を質量比で約55%以上70%以下とする。ヒートシール層の割合をヒートシール紙全体の70質量%以下とすることにより、ティーバッグの製造時に融着繊維がヒートシール装置に付着することが防止され、又、ヒートシール層中の融着繊維の含有割合を35質量%以上とすることにより、ヒートシール紙の強度が担保され、実用的に望ましい。
【0016】
ヒートシール層の残部(熱融着繊維以外の繊維)については、天然繊維、及び、熱融着繊維の熱融着時に融着しない合成繊維が使用可能であるが、通水性の点から天然繊維を主成分とするのが適切であり、合成繊維の含有割合をヒートシール層中の約45質量%以下とすることが好ましい。合成繊維としては、例えば、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン繊維等が挙げられ、ポリビニルアルコール繊維やレーヨン繊維等の親水性繊維を使用すると、ヒートシール層の通水性が向上するが、ヒートシール紙の強度低下の要因にもなり得る。合成繊維を用いる場合、細孔径を大きくしないために、繊維径が2.2dtex以下、好ましくは1.7dtex以下のものを使用する。繊維長は、抄紙適性の点から、15mm以下、好ましくは10mm以下のものを使用する。
【0017】
繊維層は、天然繊維を主成分とし、熱融着繊維の加熱接合時に熱融着しない合成繊維を配合することができる。合成繊維は、ポリビニルアルコール繊維やレーヨン繊維等の親水性を有する繊維が好ましく、特に、吸水性に優れたレーヨン繊維を繊維層に配合すると、ヒートシール紙の通水性を向上させることができる。但し、過剰な配合はヒートシール紙の強度不足を招き、過大径の繊維の使用によってヒートシール紙の細孔径が大きくなるので、繊維度が約1.7dtex以下で長さが3〜10mmのレーヨン繊維を用い、繊維層中のレーヨン繊維の割合を5〜10質量%とするのが好ましい。上記のような細径のレーヨン繊維は、抄紙した際に繊維の分散性が良好であるので、細孔径が小さく粉洩れが生じ難い繊維層を均質に形成することができる。
【0018】
ヒートシール層及び繊維層に用いる天然繊維としては、抄紙可能な繊維が用いられ、多孔性及び強度に優れた繊維材が適している。具体的には、晒木材パルプ、未晒木材パルプ、マーセル化木材パルプ等の木材パルプに、綿、麻、ケナフ、バガス、エスパルト等の非木材パルプを加えたものが使用可能である。特に木材パルプとマニラ麻との併用が好適であり、この場合、木材パルプとマニラ麻との割合は、ヒートシール層では、質量比で80/20〜50/50、繊維層では、85/15〜50/50が好ましい。
【0019】
融着繊維としては、融点が120〜180℃程度のプラスチック製繊維が用いられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー等のポリマーによる繊維及びこれらの複合繊維などが挙げられる。ヒートシール層における繊維間の空隙、特に、天然繊維の繊維間の空隙を大きくしないために、融着繊維の繊維径は、好ましくは3.3dtex以下、より好ましくは2.2dtex以下のものを使用するとよい。繊維長は、網目形成及び抄紙適性の点から、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下のものが使用される。
【0020】
上述のヒートシール紙は、通常の抄紙方法を利用して製造することができ、具体的には、天然繊維及び熱融着繊維を上記組成で配合した分散液から各々繊維層及びヒートシール層を多層抄きにより形成・積層し、得られた積層紙を乾燥した後、熱融着繊維の融点以上の温度に加熱して熱融着繊維を溶融結合し網目構造を形成する。多層抄きは、例えば、円網抄紙機、傾斜抄紙機等の湿式抄紙機を必要に応じて適宜選択及び組み合せて用いることにより行うことができる。抄紙した積層シートの乾燥及び熱融着で融着繊維間を狭めないために、加圧のない乾燥及び加熱方法を採用することで一層効果があり、例えば、脱気又は送風による乾燥や、熱風加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱等の加熱/乾燥方法が挙げられる。
【0021】
上述のようなヒートシール紙をフィルターシートとして用いてフィルターバッグを作成し、粉砕した茶を収容して封じることによって、本発明のティーバッグが得られる。収容する茶は、複数種の茶の混合物や、香味料などの茶以外の原料が添加されているフレーバーティのようなものであってもよい。収容される茶が前述のような粒度分布を有することにより、ティーバッグを冷水に浸漬した時に、2時間程度以内の浸漬時間で十分に茶の香味及び色素等の成分を抽出することができる。もちろん、温湯又は熱湯による抽出を行ってもよい。ティーバッグの寸法及び形状は、一般的に使用される抽出用の容器を考慮して適宜工夫すればよく、例えば、薄形の矩形や正四面体、ピラミッド形などに成形することができる。
【0022】
フィルターバッグは、必要に応じて適宜応用・変形を行うことができ、例えば、ヒートシール紙の通水性を阻害しない程度の補助的な層、例えば、極めて目の粗い合成繊維ネット層等を更に積層したヒートシール紙を用いたり、フィルターバッグに紐等の付属的な部品を付加してもよい。
【0023】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら制限されるものではない。
【0024】
(実施例1)
[粉砕麦茶の調製]
焙煎した麦茶をグラインダーにより粉砕した。得られた粉砕麦茶をふるいを用いて分級したところ、粒度分布は、8メッシュふるい上の粒子が20質量%、8メッシュふるい下で14メッシュふるい上の粒子が50質量%、14メッシュふるい下で22メッシュふるい上の粒子が15質量%、22メッシュふるい下で32メッシュふるい上の粒子が10質量%、32メッシュふるい下の粒子が5質量%であった。
【0025】
[ヒートシール紙の作成及び物性の測定]
下記の操作に従って、試料1〜7のヒートシール紙を作成した。
【0026】
<試料F1>
叩解度550c.s.f. mlの未晒木材パルプ30質量部、叩解度500c.s.f. mlのマニラ麻パルプ20質量部及びポリプロピレン繊維(太さ2.2dtx、長さ5mm)50質量部を水に分散させてヒートシール層用の分散液を調製した。また、叩解度550c.s.f. mlの未晒木材パルプ80質量部及び叩解度500c.s.f. mlのマニラ麻パルプ20質量部を水に分散させて繊維層用の分散液を調製した。
【0027】
上記2つの分散液を用いて、抄合わせ後の目標坪量を20g/mとしてヒートシール層と繊維層との割合が50/50となるように二層抄紙機で積層抄造して、二層抄紙を得た。この二層抄紙に、熱風加熱による乾燥及び融着繊維の熱融着を施して試料1のヒートシール紙を得た。
【0028】
ヒートシール紙の坪量、厚さ、密度、引張り強さ、細孔径及び通気度を測定した。尚、坪量はJIS P8124の規定に従って測定し、厚さはJIS P8118の規定、引張り強さはJIS P8113の規定に従った。細孔径は、バブルポイント法に従って、ヒートシール紙をトルエンに浸した後に取り出し、ヒートシール紙の片面から空気圧を付加してヒートシール紙から気泡が出始めるときの圧力を測定し、この圧力とトルエンの密度及び表面張力に基づいて細孔径(最大孔径)を算出した(JIS K3832参照)。又、通気度は、市販の通気度試験機を用いて、100mmHOの加圧力で空気をヒートシール紙に通過させ、1cmのヒートシール紙を1分間当りに通過した空気量を測定して通気度とした。測定結果を表1に示す。
【0029】
<試料F2〜F7>
ヒートシール層用の分散液及び繊維層用の分散液の繊維の組成割合、ヒートシール層と繊維層との割合及び目標坪量を表1のように変更したこと以外は試料F1と同様に積層抄造した二層抄紙を乾燥、熱融着して、ヒートシール紙を作成した。尚、表1中のポリエステル繊維は、太さ1.7dtx、長さ5mmの繊維、レーヨン繊維Aは、太さ3.3dtx、長さ5mmの繊維、レーヨン繊維Bは、太さ1.7dtx、長さ5mmの繊維、レーヨン繊維Cは、太さ0.8dtx、長さ5mmの繊維を用いた。同様に物性を測定した。測定結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 2004359249
Figure 2004359249
【0031】
上記物性において、通気度は、ヒートシール紙の通水性を評価する目安とすることができ、ヒートシール紙の通気性が高ければ概して通水性も高い。試料F2〜F7のヒートシール紙はいずれも試料F1より通気度が増加している。但し、ヒートシール層にポリエステル繊維を配合した試料F3、F4及び繊維径の太いレーヨン繊維を配合した試料F2ではヒートシール紙の細孔径も増加するため、フィルターバッグとしては粉洩れを生じ易くなる。これらに比べると、試料F5〜F7のヒートシール紙は、融着繊維を分散させてヒートシール層の融着繊維密度を低下させることにより、ヒートシール紙の細孔径を拡大することなく通気度の増加を可能にする。
【0032】
[ティーバッグの調製及び抽出]
上記試料F1〜F7の各ヒートシール紙を用いて、10cm×9cmのフィルターバッグを作成し、前述で調製した粉砕麦茶10gを収容してフィルターバッグを閉じることによりティーバッグを各々得た。
【0033】
得られたティーバッグを、各々、温度10℃の精製水1000mlに浸し、2時間静置して麦茶を抽出した。得られた麦茶抽出液の香味及びティーバッグからの粉洩れを観察したところ、試料F3のヒートシール紙を用いたティーバッグの麦茶抽出液は香味が薄く、抽出が不十分であった。又、試料F2〜F4のヒートシール紙を用いたティーバッグは粉洩れが発生していた。
【0034】
(実施例2)
[粉砕麦茶の調製]
<試料T1>
焙煎した麦茶をグラインダーにより粉砕した。得られた粉砕麦茶をふるいを用いて分級したところ、粒度分布は、8メッシュふるい上の粒子が20質量%、8メッシュふるい下で14メッシュふるい上の粒子が50質量%、14メッシュふるい下で22メッシュふるい上の粒子が15質量%、22メッシュふるい下で32メッシュふるい上の粒子が10質量%、32メッシュふるい下の粒子が5質量%であった。
【0035】
<試料T2〜T4>
グラインダーを代えたこと以外は試料T1と同じ操作を繰り返して粒度の異なる試料T2〜T4の粉砕麦茶を調製し、ふるい分級により粒度分布を測定した。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 2004359249
【0037】
[ティーバッグの調製及び抽出]
<試料1〜5>
実施例1における試料F5のヒートシール紙を用いて、10cm×9cmのフィルターバッグを作成し、前述で調製した試料T1の粉砕麦茶10gを収容してフィルターバッグを閉じ、試料1のティーバッグを得た。
【0038】
フィルターバッグ及び収容する粉砕麦茶を表3に示す組み合せに従って変更したこと以外は上記試料1と同様の操作を繰り返して、試料2〜5のティーバッグを作成した。
【0039】
得られた試料1〜5のティーバッグを、各々、温度10℃の精製水1000mlに浸して麦茶を抽出し、色差計(メーカ名:日本電色、型番:SE2000)を用いて、30分毎に麦茶抽出液のL値及びbrix値を測定した。
【0040】
又、試料1〜5の各々について、ティーバッグ3個をビニール製のチャック袋内で2分間振とうした後、ティーバッグから粉洩れした粉砕麦茶を回収してその質量を測定した。
【0041】
【表3】
Figure 2004359249
【0042】
同じ粉砕麦茶T1を用いた試料1及び試料2のティーバッグの比較から、F5のヒートシール紙を用いることによって、フィルターバッグを介した抽出成分の拡散が改善され、粉洩れも抑制されることが明らかである。また、試料2及び5のティーバッグの抽出では、試料1のティーバッグを120分間抽出した抽出液のL値に90分程度で到達可能であることが解る。一方、試料3の結果から、32メッシュふるい下の細かい麦茶が多いと、粉洩れが増加すると共にフィルターの目詰まりが著しく、抽出の進行も遅い。試料4のように麦茶の粒が粗いと、抽出速度が遅くなる。これらの結果から、およそ8メッシュふるい下且つ32メッシュふるい上の粒度範囲の粉砕麦茶がティーバッグに適していることがわかる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、十分な香味を有する飲料茶を冷水を用いた抽出により迅速に得ることが可能なティーバッグを提供することができ、その工業的価値は極めて大である。

Claims (4)

  1. 熱融着繊維を含有するヒートシール層と、該ヒートシール層に積層され実質的に熱融着繊維を含まない繊維層とを有するフィルターバッグを備えるティーバッグであって、前記ヒートシール層と前記繊維層との合計に対する該ヒートシール層の割合は質量比で55%以上70%以下であり、前記ヒートシール層に含有される該熱融着繊維の割合は質量比で35%以上45%以下であり、前記繊維層は、繊維度が1.7dtex以下で長さが3mm以上10mm以下のレーヨン繊維を質量比で5%以上10%以下の割合で含有することを特徴とするティーバッグ。
  2. 前記フィルターバッグには、32メッシュふるい下の粒子が5質量%以下で8メッシュふるい上の粒子が20質量%以下である粒度分布を有する粒状の茶が収容される請求項1記載のティーバッグ。
  3. 前記フィルターバッグには、麦茶、緑茶、ウーロン茶及び紅茶から成る群より選択される茶が収容される請求項1又は2記載のティーバッグ。
  4. 熱融着繊維を含有するヒートシール層と実質的に熱融着繊維を含まない繊維層とを有するヒートシール紙で形成されるフィルターバッグと、該フィルターバッグに収容される茶とを有するティーバッグであって、前記ヒートシール紙の細孔径は270μm以下であり、前記茶は、32メッシュふるい下の粒子が5質量%以下で8メッシュふるい上の粒子が20質量%以下である粒度分布を有する粒状の茶であることを特徴とするティーバッグ。
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