JPH07330026A - 杜仲茶バッグ - Google Patents

杜仲茶バッグ

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JPH07330026A
JPH07330026A JP6152868A JP15286894A JPH07330026A JP H07330026 A JPH07330026 A JP H07330026A JP 6152868 A JP6152868 A JP 6152868A JP 15286894 A JP15286894 A JP 15286894A JP H07330026 A JPH07330026 A JP H07330026A
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Katsumasa Hata
勝将 秦
Hiroshi Tsuji
洋 辻
Yoshikazu Suzuki
嘉一 鈴木
Eiji Masuno
栄二 増野
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Abstract

(57)【要約】 【構成】杜仲茶バッグの原料シートが表面層及び裏面層
の少なくとも2層の不織布を含む積層シートからなり、
少なくとも裏面層は熱可塑性繊維不織布であり、表面層
はその融点より30℃高い温度で溶融しない不織布であ
り、また少なくとも一層は平均直径10μm 以下の超極細
繊維からなる不織布を含む積層シートからなり、この積
層シートに杜仲茶を充填してなる杜仲茶バッグである。
更にJIS L-1092 A法の積層シート耐水圧が100mm 以下
か、或いはASTM F316-86 の標準バブルポイント法の貫
通孔平均直径が15〜25μm であるシートが好ましい。 【効果】本発明の杜仲茶バッグは優れた濾過性を有する
超極細繊維からなる不織布を濾過層として使用したバッ
グで、このため杜仲茶をいれる時充分煮だしても液中に
微粒子は殆ど漏出しない。従って、液が濁らず透明で外
観がよく、ザラザラした舌触りがなく、風味のよい杜仲
茶を容易にいれることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は杜仲茶バッグに関するも
ので、更に詳しく述べると多量の微粒子を含む杜仲茶
を、優れた濾過性を有する不織布からなるバッグにより
微粒子を濾過して、濁りがなくザラザラした舌触りや風
味に粗い感じがない杜仲茶を簡単にいれることが出来る
バッグである。
【0002】
【従来の技術】杜仲茶は古来中国で高価な薬用茶として
使用されていたが、その効用が注目されて近年わが国で
も飲用される様になった。わが国では主としてティーバ
ッグ方式で使用されているが、まだ歴史が浅く杜仲茶の
葉を封入するバッグの材質には種々の素材が使用されて
いる状況である。これらの中、最も多く使用されている
素材は麻、木材パルプ、ポリプロピレンからなる熱接着
性を有する紙であり、その他、乾式法で得られた種々の
不織布も使用されている。
【0003】しかし、杜仲茶には多量の微粉末が含まれ
ていることと、茶を煮沸して煮だす方法でいれるため、
杜仲茶の液中にはバッグの目から漏出したかなり多量の
微粉末が懸濁している。このためザラザラした舌触りが
気になり風味を害する等バッグの材質及び濾過性には多
くの問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】杜仲茶には通常かなり
多量の微粒子が含まれているため、杜仲茶を煮だした液
中にも相当多量な微粒子が漏出する。このため微粒子の
濾過性に優れた不織布により、充分に煮だしても杜仲茶
中に微粒子が漏出しないバッグを開発して提供しようと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】杜仲茶は煎茶、紅茶、ほ
うじ茶等その他お茶類と比較して抽出性が低いため、有
効成分を充分抽出するため杜仲茶の葉は充分粉砕して使
用されるため、かなり多量の微粒子が含まれている。杜
仲茶をいれる場合通常10〜10数分煮沸して煮だす方法が
採用されているが、この微粒子と煮だし方法が相まって
得られた杜仲茶は濁り液中に多量の微粒子が含まれ、そ
の舌触りや風味を害している。
【0006】本発明者等は、杜仲茶の葉を煮だしても微
粒子が漏出せず透明度が高く、風味がよい杜仲茶が得ら
れるバッグの素材について研究した。その結果、平均直
径10μm 以下の超極細繊維からなる不織布を濾過層とし
て使用すれば、杜仲茶の葉を煮だしても微粒子が殆ど漏
出せず風味がよい杜仲茶が得られることを見出した。更
に、激しい沸騰状態にも耐える強度を有する積層シート
の構成及び製袋方法をも考慮して本発明に到達した。
【0007】すなわち、杜仲茶バッグの原料シートが表
面層及び裏面層の少なくとも2層の不織布を含む積層シ
ートからなり、少なくとも裏面層は熱可塑性繊維不織布
であり、表面層はその融点より30℃高い温度で溶融しな
い不織布であり、また少なくとも一層は平均直径10μm
以下の超極細繊維からなる不織布を含む積層シートから
なり、この積層シートに杜仲茶を充填してなる杜仲茶バ
ッグである。更にJISL-1092 A法で測定した積層シート
の耐水圧(以下、積層シートの耐水圧という)が100mm
以下であるか、或いはASTM F316-86 の標準バブルポイ
ント法で測定した貫通孔の平均直径(以下、貫通孔の平
均直径という)が15〜25μm であるシートが好ましい。
【0008】以下本発明について詳しく説明する。
【0009】本発明の杜仲茶バッグの原料シートは、表
面層及び裏面層の少なくとも2層の不織布を含む積層シ
ートからなり、少なくとも裏面層は熱可塑性繊維不織布
で作られている必要がある。この積層シートは表面層と
裏面層からなる2層の積層シートでも良く、或いは、表
面層と裏面層に挟まれた中間層として1層または複数層
のシートを含む積層シートでもよい。
【0010】裏面層には熱可塑性繊維からなる不織布を
使用する必要がある。熱可塑性繊維とは熱可塑性ポリマ
ーから得られた繊維で、大部分の合成繊維はこれに含ま
れている。熱可塑性ポリマーとしては例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリアミド等が使用出来る。
【0011】表面層及び裏面層の少なくとも2層の不織
布を含む積層シートからなり、少なくとも裏面層は熱シ
ールを可能とするため熱可塑性繊維不織布であり、また
熱シール工程に適合させるため、表面層はその融点より
30℃高い温度で溶融しない不織布であることが必要であ
る。
【0012】これは積層シートをヒートシール方式によ
り製袋する場合、熱可塑性繊維不織布をバッグの内面側
に、また融点がそれより30℃以上高いかまたは不溶融性
繊維不織布を外面側にしてバッグをつくり、更にバッグ
の中に杜仲茶の葉を封入後入口をシールしてつくられ
る。その際高温のヒートシールバーをバッグの外面側に
当てたとき、バッグの内面の不織布は溶融して接着され
る必要があるが、ヒートシールバーが直接当たる外面側
の不織布も溶融してバーに接着すると、バッグに傷や変
形を発生させ、また製袋工程も混乱する。このため外面
層不織布は内面層の融点より30℃高い温度でも溶融しな
い不織布である必要がある。尚、この温度差は50℃以上
であればより好ましい。
【0013】本発明の杜仲茶バッグの積層シートの中、
少なくとも一層は平均直径10μm 以下の超極細繊維から
なる不織布とする必要がある。この超極細繊維からなる
不織布は、積層シートの表面層及び裏面層または中間層
のいずれかの一層または複数層に含まれた構造になって
いる。
【0014】この超極細繊維からなる不織布は平均直径
10μm 以下の繊維からなっている必要があり、超極細繊
維の平均直径は好ましくは5μm 以下、より好ましくは
1〜3μm である。繊維の長さは緻密な不織布の組織が
形成出来る限り特に限定しない。また不織布層の厚さは
0.02〜0.2 mmで、目付は3〜30 g/m2 が好ましく、厚さ
は0.03〜0.1 mmで、目付は4〜10g/m2がより好ましい。
【0015】超極細繊維からなる不織布層は、本発明の
杜仲茶バッグの濾過層として最も重要な機能を果たす部
分である。杜仲茶バッグは煎茶、紅茶、ほうじ茶等他の
お茶類やコーヒー等の嗜好性飲料のバッグと較べて最も
大きく異なる点は、粉砕された杜仲茶の葉の中は他のお
茶類より遙に多量の微粒子が含まれていることと、杜仲
茶をいれる時は杜仲茶を封入したバッグを薬罐等にいれ
て、通常10〜10数分煮沸していれることである。このた
ため、粒径数μm 〜数10μm 程度の微粒子が煮だされた
杜仲茶の液中に多量に漏出して懸濁し、茶碗の底にも沈
殿している。このため杜仲茶は一名泥茶とも呼ばれてい
る程である。また、この多量な微粒子がお茶を濁らせて
外観を悪くし、舌触りや風味を害する最も大きな原因と
なっている。
【0016】杜仲茶を煮だす時その中に含まれている多
量の微粒子の漏出を防止出来れば、お茶の濁りや、舌触
り及び風味を著しく改善することが出来る。また杜仲茶
の有効成分を充分に抽出出来る様にするためには、バッ
グの濾過速度の低下も防ぐ必要がある。本発明のバッグ
の材質はこの様な観点から研究された結果得られたもの
である。天然繊維或いはノズルから吐出する方式で紡糸
して得られる合成繊維は最も細い単糸でも通常1〜2デ
ニル程度であるが、例えばポリプロピレン(繊維の比重
0.91) の超極細繊維の場合、前記で最も好ましい繊維径
の範囲と述べた1〜3μm は0.0064〜0.06デニルに相当
する。
【0017】従って、本発明の杜仲茶バッグの濾過層
は、この様に従来の繊維と較べて著しく細い超極細繊維
を緻密に集積交絡させた薄い不織布である。このため、
杜仲茶に含まれている粒径数μm 〜数10μm 程度の微粒
子は殆ど漏出しないから、お茶の濁りや、舌触り及び風
味を著しく改善することが出来る。これは実施例1及び
比較例1〜3の濾過液中の杜仲茶微粒子の粒径分布を示
した図1により、現在杜仲茶用に最も多く使用されてい
る麻、木材パルプ、ポリプロピレンからなる熱接着性を
有する紙と較べて、微粒子含有量が著しく減少すること
からも分かる。
【0018】またこの極めて薄い不織布は濾過層として
使用した場合濾過速度がかなり速い特徴をもっている。
このため杜仲茶を封入したバッグを煮沸した時、短時間
で充分に有効成分を抽出することが可能である。或いは
バッグに封入する杜仲茶の粒度を従来より細かくするこ
とも可能となり、粒度を細かくすることによって抽出効
率を一層高めることが出来る。
【0019】従って、杜仲茶バッグには極めて適した性
質を有する材質で、この様な超極細繊維からなる不織布
層が含まれている点が、本発明の杜仲茶バッグの最も重
要な要件の一つである。
【0020】また、杜仲茶の抽出性を更に向上させるた
めには、積層シートの耐水圧が100mm以下とすることが
好ましく、0mmであればより好ましい。また微粒子を透
過させないために、平均直径10μm 以下の超極細繊維か
らなる不織布層が少なくとも一層含まれている。超極細
繊維シートは、それを構成する繊維の直径、密度によ
り、貫通孔の径を調整することが可能であり、積層シー
トの貫通孔の大きさは主として超極細繊維シートの貫通
孔の大きさに依存している。積層シートの貫通孔が過大
であると、微粒子の濾過液への漏出量が増加し、過少で
あると抽出速度が低下する。このため積層シートの貫通
孔の平均直径は、15〜25μm であることがより好まし
い。
【0021】本発明の濾過層を形成している超極細繊維
は、例えばポリマー溶融体を気体流により細流化して冷
却する方法(メルトブロー法) によって得るか、または
相互に不溶性の2成分を不均一に混合した状態で紡糸し
て得られた海島型複合繊維から、その1成分のみを溶解
除去して得るか、或いは貼り合わせ型構造の複合繊維か
ら、一部の成分の抽出除去或いは割繊法により製造され
るか、または、複数の非相溶性重合体を混合紡糸して得
られた複合繊維からそのマトリックス成分を抽出除去し
て製造されたもの等のいづれの方法で得られたものでも
よい。または、熱可塑性ポリマーのスリットテープをフ
ィブリル化して得られた平均直径が10μm 以下の繊維で
もよい。これらの超極細繊維の中濾過細孔径の分布の均
一性を考慮すると、メルトブロー法によて得られた繊維
の不織布がより好ましい。
【0022】超極細繊維の平均直径は、約5mm以上の長
さを有する繊維については走査型電子顕微鏡で撮影した
写真から測定することが出来る。また、超極細繊維から
なる不織布層にはその濾過効果に実質的な影響のない限
り、少量の他の繊維、例えばセルロース繊維等が含まれ
ている場合も本発明では許容される。
【0023】前述の様に本発明の杜仲茶バッグの積層シ
ートの裏面層は熱可塑性繊維不織布であり、また表面層
は裏面層の融点より30℃高い温度では溶融しない不織布
でつくられている。この積層シートは表面層及び裏面層
からなる2層のみの積層シートでもよく、或いは表面層
及び裏面層に挟まれた中間層として1層または複数層の
シートを有する積層シートでもよい。平均直径10μm 以
下の超極細繊維からなる不織布層は、杜仲茶の濾過層と
して最も重要な機能を果たすシートであるが、複数層か
らなる積層シートの中の一層または複数層として含まれ
ているもので、表面層、裏面層或いは中間層の中一層ま
たは複数層として適宜に選択することが出来る。積層シ
ートの中濾過層以外のシートは前述の様にバッグにヒー
トシール性を付与する目的の他、濾過層を補強するため
の支持層としての機能を有するものである。
【0024】支持層は一般に濾過性能に実質的に影響を
与えることのない様に、濾過層よりも粗い多数の濾過細
孔を有する材質でつくられ、杜仲茶を煮だして濾過する
際積層シートに充分機械的強度を付与している。
【0025】支持層となる表面層及び中間層は、湿式不
織布、乾式不織布、織物、編み物、メッシュ或いはネッ
ト等の濾過性を有するものを使用できる。また素材とし
ては、綿、麻等の天然繊維、レーヨン、キュプラ等の再
生繊維、アセテート繊維等の半合成繊維、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアクリル繊維等
の合成繊維或いは、これらを混合した繊維が使用され
る。これらの繊維は長繊維であってもよく短繊維であっ
てもよい。
【0026】尚、支持層内の繊維は、水により膨潤する
ことがなく、部分的に溶着していて杜仲茶を煮だして濾
過する際、濾過孔径を変化させないものであることが好
ましい。
【0027】本発明の杜仲茶バッグの積層シートは、表
面層及び裏面層または中間層を適宜の方法により合体さ
れて積層される。積層方法としては例えば、衛生上無害
な接着剤による接合、熱融着または機械的絡合法等を用
いることが出来る。熱融着法により積層する場合、各構
成シートに多数の部分的な熱融着域を一定の間隔に設け
て合体させてもよい。この融着域においては各構成シー
トの繊維の一部分が他層に融着し、それによって両層が
合体されている。また、各構成シートを熱融着法により
積層する前に、予め超極細繊維からなる濾過層のみに濾
過性を損なわない範囲で全面に、或いは多数の部分的な
繊維融着域を設けたシートを形成させた後、その他の構
成シートと重ねた全体のシートに更に部分的な繊維融着
域を多数設けて積層してもよい。
【0028】これらの積層シート全体或いは濾過層の繊
維融着域の数、形状、分布状況等は目的に応じて適宜に
設定することが出来る。
【0029】本発明の杜仲茶バッグは前述の様にして得
られた積層シートに、部分的加熱を施して所定のパター
ンの繊維融着域を形成する。この際加熱および加圧をコ
ントロールすることにより、繊維融着域を半透明の状態
からほぼ透明にすることが可能である。繊維融着域をほ
ぼ透明にすれば、バッグの中に杜仲茶の粉末を封入した
時、内部の粉末の状態が透過して見えることにより、商
品価値を高めることも可能である。
【0030】積層シートは所定の形状及び寸法に裁断さ
れ、ヒートシール法により周縁部がシールされて上部が
開口された所定の形状を有するバッグに製袋され、更に
所定量の杜仲茶の粉末を、上部の開口された部分から封
入して上部をヒートシールすることにより杜仲茶バッグ
が得られる。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0032】(実施例1、比較例1〜3)表面層として
2.5 デニル(平均直径16.0μm)のポリエステル繊維から
なる目付10 g/m2 の不織布を、中間層として2デニル
(直径15.6μm)のポリエステルとポリエチレンの芯鞘繊
維〔(株)クラレ製商品名「クラレソフィット」〕から
なる目付15 g/m2 の不織布を、裏面層として0.06デニル
(直径 3μm)のポリプロピレン超極細繊維からなる目付
5 g/m2の不織布を使用し、これらのシートを重ね熱融着
法により多数の部分的繊維融着域を設けて積層した。
【0033】この積層シートの耐水圧は 0 mm であり、
また貫通孔の平均直径は19.7μm であった(実施例
1)。
【0034】杜仲茶をこの積層シートでつくったバッグ
に入れて抽出した場合の、杜仲茶の液の透明度と沈殿物
量及びその粒度分布を調べた。積層シートで作られたバ
ッグに杜仲茶2g を封入し、95℃の熱湯中に投入し10分
間煮沸を続けた後、約50℃まで放冷して800 mlの杜仲茶
の液を得た。この液を40〜50℃で0.45μm のフィルター
で濾過して、濾過前後の波長750nm における光の透過率
(T%) を測定した。100-T %を吸光率とし濾過前後の吸
光率の差を透明度として表示した。測定結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】また、レーザー回折式粒度分布測定機(島
津製作所SALD 1000)により、杜仲茶の液中の粒径150 μ
m 以下の杜仲茶の微粒子の体積分布を測定した。
【0037】次に上記の方法で抽出した液を室温まで放
冷した後、0.45μm のフィルターで濾過し、フィルター
上の固形物量を乾燥・秤量し沈殿物量として表示した。
沈殿物量測定値は表1に、この結果と前記で測定した杜
仲茶液中の微粒子の体積分布によって算出した微粒子量
の粒径分布の積分曲線を図1に示した。
【0038】また比較のため、現在杜仲茶用に多く使用
されている麻、木材パルプ、ポリプロピレンからなり熱
接着性を有する紙を使用して前記と同様な試験をした。
【0039】この湿式不織布の耐水圧は 0mm、貫通孔の
平均直径は40.7μm であった(比較例1)。
【0040】更に、表面層として平均0.06デニル(直径
3μm)のポリプロピレン超極細繊維からなる目付9 g/m2
の不織布を使用し、裏面層としてポリエチレンを鞘にポ
リプロピレンを芯とする芯鞘繊維を熱風加工によってシ
ート化した目付13 g/m2 の乾式不織布を使用し、この両
層を重ね多数の部分的繊維融着域を設けて積層した。こ
の積層シートについても前記と同様な試験をした。
【0041】この積層シートの耐水圧は140 mm、貫通孔
の平均径は17.35 μm であった(比較例2)。
【0042】また、表面層として平均0.06デニル(直径
3μm)のポリプロピレン超極細繊維からなる目付5 g/m2
の不織布を使用し、裏面層としてポリエチレンを鞘にポ
リプロピレンを芯とする芯鞘繊維を熱風加工によってシ
ート化した目付15 g/m2 の乾式不織布を使用し、この両
層を重ね多数の部分的繊維融着域を設けて積層した。こ
の積層シートについても前記と同様な試験をした。
【0043】この積層シートの耐水圧は 70 mm、貫通孔
の平均径は22.02 μm であった(比較例3)。
【0044】更に、表面層として2.0 デニル (直径17.6
μm)のポリプロピレン繊維からなる目付22g/m2の不織布
を、裏面層として0.06デニル(直径 3μm)のポリプロピ
レン超極細繊維からなる目付7 g/m2の不織布を使用し、
この両層を重ね熱融着法により多数の部分的繊維融着域
を設けて積層した。この積層シートについても前記と同
様な試験をした。
【0045】この積層シートの耐水圧は107mm 、貫通孔
の平均直径は17.35 μm であった(比較例4)。
【0046】これらの試験結果も実施例1と併せて表1
及び図1に示した。
【0047】表1においてこの透明度の表示法では前記
の様に、透明度の値が小さい程抽出液の透明性が高いこ
とを示している。目付9 g/m2のポリプロピレン超極細繊
維不織布を含む比較例2と目付5 g/m2のポリプロピレン
超極細繊維不織布を含む実施例1のバッグで得られた杜
仲茶が最も透明性が高く、麻、木材パルプ、ポリプロピ
レンからなる湿式不織布を使用したものは著しく透明性
が低い。
【0048】また、比較例1の湿式不織布のフィルター
は、微粉の漏出が多く沈殿物量も多い。これと比較して
超極細繊維不織布を積層した実施例1及び比較例2、3
は透明度が高く沈殿物量も著しく少ないことが認められ
た。
【0049】更に図1に示した抽出液中に含まれる杜仲
茶の微粒子の粒度分布の結果により、10〜80μm の微粒
子の漏出量は超極細繊維からなる濾過層を含む不織布
(実施例1、比較例2、3)は殆ど漏出しないのに、
麻、木材パルプ、ポリプロピレンからなり熱接着性を有
する紙(比較例1)は漏出量が著しく多く、両者の間に
は顕著な差異が認められる。
【0050】また、超極細繊維からなる濾過層を含む不
織布相互の濾過性の差異は、ポリプロピレン超極細繊維
濾過層の目付量及び不織布を構成する積層シートの組成
の差異によるものと考えられる。
【0051】杜仲茶は通常10分間程度煮沸して抽出する
が、ユーザーによっては紅茶等と同様に煮沸させずにい
れる場合もある。このため紅茶と同様な方法で入れた場
合の杜仲茶の味を官能試験により評価し、同時に抽出時
間と杜仲茶液の色の変化の状態も観察した。この結果抽
出性良好を○、ほぼ良好を△、不良を×で表示した。ま
た、バッグを水に浸漬した時の濡れ易さの度合いも官能
試験により評価し、良好を○、やや不良を△、不良を×
で表示した。更に、液中への微粉末漏れが多いを×、殆
ど無しを○で表示した。これらの結果を表1に示す。
【0052】その結果、実施例1及び比較例1の様に耐
水圧が 0 mm の場合抽出速度が最も速いことが認められ
る。次は、耐水圧70mmの比較例3及び耐水圧90 mm の比
較例4であり、耐水圧140 mmの比較例2は著しく遅い。
抽出速度は実施例1=比較例1>比較例3>比較例4>
比較例2の順であり、これらの結果から抽出速度と耐水
圧或いは濡れ易さとの相関関係が認められ、杜仲茶バッ
グには耐水圧100mm 以下のシートが好ましいことが分か
る。
【0053】尚、10分間煮沸した場合の杜仲茶液の色す
なわち濃度は、実施例1及び比較例1、2、3、4の差
は殆どない。
【0054】更に、比較例1は液中への微粉末漏れが認
められ、その他実施例1、比較例2、3では殆ど認めら
れなかった。この官能試験による微粒子漏れの有無の結
果、表1及び図1に示した微粒子漏出量、粒径分布と積
層シートの貫通孔の平均直径との関係を考慮すれば、貫
通孔の平均直径は15〜25μm が好ましいことが分かる。
【0055】次に実施例1、比較例1、2、3、4のシ
ートを使用して、トパックロータリー型杜仲茶充填機に
よって製袋テストを行った。この際ヒートシールバーを
裏面層の溶融温度より30℃高い温度に設定した。比較例
2、3、4はヒートシールバーに表面層が溶融してくっ
つき、またシール部も熱により収縮が生じ、一部皺も発
生した。実施例1、比較例1は、シールバーの汚れもバ
ッグの熱収縮もなく、順調に製袋された。
【0056】
【発明の効果】本発明の杜仲茶バッグは優れた濾過性を
有する超極細繊維からなる不織布を濾過層として使用し
たバッグで、このため杜仲茶をいれる時充分煮だしても
液中に微粒子は殆ど漏出しない。従って、液が濁らず透
明で外観がよく、ザラザラした舌触りがなく、風味のよ
い杜仲茶を容易にいれることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】杜仲茶液中の微粒子の粒度分布を示す。
【符号の説明】
1 実施例1 2 比較例1 3 比較例2 4 比較例3
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秦 勝将 大阪府大阪市北区梅田1−12−39株式会社 クラレ内 (72)発明者 辻 洋 大阪府大阪市北区梅田1−12−39株式会社 クラレ内 (72)発明者 鈴木 嘉一 京都府京都市右京区花園内畑町23の14 (72)発明者 増野 栄二 大阪府高槻市牧田町3番10−403

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杜仲茶バッグの原料シートが表面層及び
    裏面層の少なくとも2層の不織布を含む積層シートから
    なり、少なくとも裏面層は熱可塑性繊維不織布であり、
    表面層はその融点より30℃高い温度で溶融しない不織布
    であり、また少なくとも一層は平均直径10μm 以下の超
    極細繊維からなる不織布を含む積層シートからなり、該
    積層シートに杜仲茶を充填してなる杜仲茶バッグ。
  2. 【請求項2】 JIS L-1092 A法で測定した積層シートの
    耐水圧が100mm 以下である請求項1記載の杜仲茶バッ
    グ。
  3. 【請求項3】 ASTM F316-86標準バブルポイント法で測
    定した貫通孔の平均直径が、15〜25μm である請求項1
    記載の杜仲茶バッグ。
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