JP2004359173A - 伝達比可変操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マイコン31は、エンジン回転数EGが所定回転数よりも大きいときに、スイッチングトランジスタ324を駆動するPWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数(低周波数)とエンジン回転数EGが所定回転数以下のときに、スイッチングトランジスタ324を駆動するPWM駆動信号の周波数を可聴周波数よりも高い可聴周波数領域外の周波数(高周波数)とに可変させる周波数可変手段311を有する。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のステアリングからの操舵力の伝達比を可変させる伝達比可変操舵装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、伝達比可変操舵装置は、ステアリングと接続される入力軸と、転舵輪側と接続される出力軸と、入力軸の回転角に対して出力軸の回転角を可変させる電動モータと、入力軸と出力軸とを連結させる連結ピンと、入力軸と出力軸との連結を断つために連結ピンを作動させる励磁コイルと、電動モータ及び励磁コイルに流れる電流をディーティー制御するために、スイッチングトランジスタを駆動するPWM駆動信号を生成する制御部とから構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−278087号公報(第3頁右欄第47行〜第6頁右欄第22行、第1図〜第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の伝達比可変操舵装置では、励磁コイルに流れる電流を制御するために、スイッチングトランジスタをデューティー制御しているが、スイッチングトランジスタを駆動するPWM駆動信号の周波数が可聴周波数領域内の周波数(例えば1kHz)であるために、スイッチングトランジスタから発生するスイッチング音が可聴周波数領域内となり、乗員に不快感を与えてしまうという問題がある。
【0005】
そこで、制御部がスイッチングトランジスタを駆動するPWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域外(約20kHz以上)とすることで、スイッチングトランジスタから可聴周波数領域内のスイッチング音が発生することを防止できる。しかし、スイッチングトランジスタを駆動するPWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域外(高周波数)にすると、スイッチングトランジスタを可聴周波数領域内の周波数(低周波数)で駆動する場合に比べて、スイッチングトランジスタのオンからオフに切り替わる回数が増加する。そして、スイッチングトランジスタのオンからオフへの切り替わりは、即座に切り替わらず、このオンからオフへ切り替わっている間に、スイッチングトランジスタに無駄な電流が流れてスイッチングトランジスタの発熱量が増加してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、スイッチングトランジスタの発熱を抑制しつつ、スイッチングトランジスタから発生するスイッチング音によって乗員に不快感を与えることを抑制できる伝達比可変操舵装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1では、ステアリングに接続される入力軸と、転舵輪側に接続される出力軸と、入力軸と出力軸とを連結する連結手段と、入力軸と出力軸との連結を断つために連結手段を作動させるための励磁コイルと、励磁コイルに流れる電流をデューティー制御するために、スイッチング素子を駆動するPWM駆動信号を生成する制御部とを備えた伝達比可変操舵装置において、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数と可聴周波数領域内の周波数よりも高い可聴周波数領域外の周波数とに可変させる周波数可変手段を有していることを特徴としている。
【0008】
この構成により、周波数可変手段は、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数と可聴周波数よりも高い可聴周波数領域外の周波数とに可変させることから、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数とすることで、スイッチング素子の発熱量を抑制でき、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数よりも高い可聴周波数領域外の周波数とすることで、スイッチング素子から可聴周波数領域内のスイッチング音が発生することを防止できる。これにより、車室内の状況に応じてPWM駆動信号の周波数を可変させることで、スイッチング素子の発熱量を抑制しつつ、スイッチング素子から発生するスイッチング音によって乗員に不快感を与えることを抑制できる。
【0009】
また、請求項2では、周波数可変手段は、車室内の騒音水準が所定値以下であるときに、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域外の周波数に可変させることを特徴としている。
【0010】
この構成により、車室内の騒音水準が所定値以下であるときには、車室内が静かな状態であるため、周波数可変手段がPWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域外の周波数とすることで、スイッチング素子から可聴周波数領域内のスイッチング音が発生せず、スイッチング素子から発生するスイッチング音によって乗員に不快感を与えることを防止できる。また、逆に、車室内の騒音水準が所定値よりも大きいときには、周波数可変手段がPWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数としても、スイッチング素子から発生する可聴周波数領域内のスイッチング音が乗員に聞こえ難く、乗員に不快感を与えることなく、さらにスイッチング素子の発熱量を抑制することができる。
【0011】
また、請求項3では、騒音水準が所定値以下とは、車両のエンジン回転数が所定回転数以下であることを特徴としている。
【0012】
この構成により、車両のエンジン回転数が大きくなるにつれて、車室内に伝わるエンジン音が大きくなることから、エンジン回転数によって車室内の騒音水準を設定することができる。
【0013】
また、請求項4では、騒音水準が所定値以下とは、車両の車速が所定値以下であることを特徴としている。
【0014】
この構成により、車両の車速が大きくなるにつれて、車室内に伝わる外部からの騒音が大きくなることから、車速によって車室内の騒音水準を設定することができる。
【0015】
また、請求項5では、車速が所定値以下の所定値とは、零であることを特徴としている。
【0016】
この構成により、車速が零であるとき、即ち車両が動いていないときには、車室内に伝わる外部からの騒音が小さいため、車速の所定値を零とすることが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施形態について説明する。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、車両の操舵機構の構成図である。図2は、伝達比可変操舵装置1の伝達比可変ユニット12の軸方向断面図である。図3は、伝達比可変操舵装置1全体の回路構成を示したブロック図である。図4は、ソレノイド駆動回路32の回路構成を示した図である。
【0019】
先ず、図1及び図2に基づいて、車両の車速によって転舵輪の転舵角を可変させる伝達比可変操舵装置1が搭載された車両の操舵機構の全体構成について説明する。図1に示すように、車両のステアリング10が入力軸11の上端に接続されている。また、入力軸11の下端と出力軸13の上端とが伝達比可変ユニット12を介して接続されている。また、出力軸13の下端には、図示しないピニオンが設けられ、このピニオンがステアリングギヤボックス15内でラック16に噛合されている。ラック16の両端には、それぞれ図示しないタイロッド及びアームを介して転舵輪17が接続されている。
【0020】
入力軸11には、ステアリング10の操舵角を検出する舵角センサ6が設けられ、一方、出力軸13には、転舵輪17の転舵角を検出する出力角センサ14が設けられている。これら舵角センサ6及び出力角センサ14により検出されたステアリング10の操舵角及び転舵輪17の転舵角は、ECU3に入力される。さらに、ECU3には、車載LAN7からの車速信号SH及びエンジン回転数信号EGが入力される。そして、ECU3は、この伝達比可変ユニット12を制御するための制御信号を出力する。
【0021】
伝達比可変ユニット12は、図2に示すように、周知のブラシレスモータである電動モータ4及び減速機構5を備えて構成され、舵角センサ6及び車載LAN7からの信号に基づいて、電動モータ4を回転させて出力軸13の回転角を可変させるものである。また、電動モータ4は、モータハウジング44内に設けられたステータ43とロータ42とを備えて構成されている。また、モータハウジング44のステアリング10側の内周には、連結手段を成す連結ピン21を回転軸41の軸方向と平行な方向に前進させるためのソレノイドコイル2が設けられている。このソレノイドコイル2は、ECU3から指令により連結ピン21を回転軸41の軸方向と平行な方向に前進させる。また、ロータ42の端面には、連結ピン21が係合される係合部42aが設けられている。
【0022】
以上説明した操舵機構では、先ず、車載LAN7からの車速信号SH及びエンジン回転数信号EGと舵角センサ6により検出された操舵角とがECU3に入力されると、ECU3は、これらの情報に基づき、目標舵角の演算を行う。この目標舵角に基づくモータ制御指令がECU3より伝達比可変ユニット12に出力される。このモータ制御指令により伝達比可変ユニット12の電動モータ4が駆動され、転舵輪17に対して目標舵角に対応した転舵角を与える。そして、ECU3は、出力角センサ14より転舵輪17の実際の転舵角を検出して、確実に目標舵角に対応した転舵角を転舵輪17に与えることができるようにフィードバックされる。この際、ソレノイドコイル2は、オン状態であり、連結ピン21を回転軸41の軸方向と平行な方向に後退させている。つまり、モータハウジング44とロータ42との連結は解除されている。
【0023】
また、ECU3がIGスイッチ9のOFFもしくは伝達比可変ユニット12の異常(例えば、ソレノイドコイル2の地絡)を検出すると、ECU3は、ソレノイドコイル2に対してソレノイドコイル2に電流が流れないように指令を出力する。これにより、ソレノイドコイル2には、電流が流れず、連結ピン21を回転軸41の軸方向と平行な方向に前進させる。そして、連結ピン21は、ロータ42に設けられた係合部42aと係合されて、モータハウジング44とロータ42とが連結される。
【0024】
次に、図3に基づいて、伝達比可変操舵装置1の構成について説明する。
【0025】
伝達比可変操舵装置1は、ソレノイドコイル2、ECU3、電動モータ4及び減速機構5から構成されている。
【0026】
ソレノイドコイル2は、励磁コイルを成し、後述するECU3のソレノイド駆動回路32に接続されており、ソレノイド駆動回路32からのPWM駆動信号によってソレノイドコイル2に電流が流れ、上述の連結ピン21を作動させる。
【0027】
ECU3は、制御部を成し、上述の舵角センサ6及び車載LAN7からの情報に基づいて、ソレノイドコイル2及び電動モータ4に流れる電流をデューティー制御するものであって、マイコン31、ソレノイド駆動回路32、リレー33、駆動回路34、電源回路35、電圧検出回路36、電流検出回路37、通信I/F38、舵角検出回路39、モータ駆動回路50、電流検出回路51、モータ端子電圧検出回路52及び電気角検出回路53から構成されている。
【0028】
マイコン31は、舵角センサ6及び車載LAN7からの情報に基づいて、電動モータ4に流れる電流をディーティー制御するためのPWM駆動信号を生成する。さらに、マイコン31は、舵角センサ6及び車載LAN7からの情報に基づいて、ソレノイドコイル2に流す指令電流値を決定し、ソレノイドコイル2に指令電流値が流れるように、バッテリ8の電圧値に基づいてソレノイドコイル2に流れる実電流をデューティー制御するPWM駆動信号を生成している。なお、バッテリ8の電圧値は、常に一定でなく変動するため、マイコン31が予め記憶しているマップに基づいて、バッテリ8の電圧値が小さいときに、PWM駆動信号のデューティー比を大きくして、ソレノイドコイル2に指令電流値を流すように制御している。
【0029】
また、マイコン31は、車室内の騒音水準に応じて、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数と可聴周波数領域内の周波数よりも高い可聴周波数領域外の周波数とに可変させる周波数可変手段311を有している。
【0030】
ソレノイド駆動回路32は、マイコン31からのPWM駆動信号に基づき、ソレノイドコイル2に流れる実電流をディーティー制御して連結手段21を作動させるためのものであって、リレー33を介してバッテリ8と接続されている。
【0031】
リレー33は、バッテリ8とソレノイド駆動回路32との間に設けられ、オンすることで、バッテリ8とソレノイド駆動回路32とを接続させ、オフすることで、バッテリ8とソレノイド駆動回路32との接続を遮断させる。
【0032】
駆動回路34は、マイコン31からの信号によって、リレー33をオンもしくはオフさせるためのものである。
【0033】
電源回路35は、IGスイッチ9を介してバッテリ8と接続され、バッテリ8からの電流をマイコン31に供給させるためのものである。
【0034】
電圧検出回路36は、バッテリ8の電圧値を検出し、検出した検出値をマイコン31に入力している。
【0035】
電流検出回路37は、バッテリ8からモータ駆動回路50に電流を供給すると共に、その電流値を検出し、検出した電流値をマイコン31に入力している。
【0036】
通信I/F38は、車載LAN7からの車速信号SH及びエンジン回転数信号EGをマイコン31が認識できるように変換し、この変換した車速信号SH及びエンジン回転数信号EGをマイコン31に入力している。
【0037】
舵角検出回路39は、舵角センサ6からの信号をマイコン31が認識できるように変換し、この変換した舵角信号をマイコン31に入力している。
【0038】
モータ駆動回路50は、三相ブリッジ回路を構成する6つのスイッチングトランジスタを有し、マイコン31からのPWM駆動信号に基づいて、6つのスイッチングトランジスタをデューティー制御して電動モータ4を駆動させるものである。
【0039】
電流検出回路51は、モータ駆動回路50の6つのスイッチングトランジスタに流れる電流を検出し、検出した電流値をマイコン31に入力している。
【0040】
モータ端子電圧検出回路52は、モータ駆動回路50の6つのスイッチングトランジスタの電圧を検出し、検出した電圧値をマイコン31に入力している。
【0041】
電気角検出回路53は、出力角センサ14で検出した転舵角をマイコン31が認識できるように変換し、この変換した転舵角信号をマイコン31に入力している。
【0042】
伝達比可変操舵装置1の作動としては、マイコン31がソレノイド駆動回路32にPWM駆動信号を発し、ソレノイド駆動回路32でソレノイド2に流れる実電流をデューティー制御することで、連結ピン21を作動させる。これにより、モータハウジング44とロータ42との連結が解除される。そして、舵角センサ6及び車載LAN7からの信号に基づいて電動モータ4を回転させることで、電動モータ4の回転力が減速機構5を介して出力軸13に伝達され、転舵輪の転舵角を可変させる。
【0043】
次に、ソレノイド駆動回路32の構成について図4に基づいて説明する。
【0044】
ソレノイド駆動回路32は、抵抗321、第1の配線322、電流制限手段323、スイッチングトランジスタ324、ダイオード325、電源電圧検出手段326、端子電圧検出手段327及び第2の配線328から構成されている。
【0045】
抵抗321は、第2の配線328に設けられている。第1の配線322は、ソレノイドコイル2の一端とバッテリ8とを結ぶ電線であって、ソレノイドコイル2に連結ピン21を作動させるための電流が流れる。
【0046】
電流制限手段323は、第1の配線322に設けられ、トランジスタ323aと抵抗323bとから構成されている。そして、トランジスタ323aのエミッタ端子がリレー33と、コレクタ端子がソレノイドコイル2の一端と、ベース端子が抵抗323bを介してグランドとにそれぞれ電気的に接続されている。
【0047】
スイッチングトランジスタ324は、マイコン31からのソレノイドコイル2に流す指令電流値に対応するPWM駆動信号によって、ソレノイドコイル2に電流を流すものである。
【0048】
ダイオード325は、ソレノイドコイル2の両端に接続されている。
【0049】
電源電圧検出手段326は、抵抗326a、326bを有し、抵抗326aの一端がリレー33と電気的に接続され、他端が抵抗326bの一端と電気的に接続されている。また、抵抗326bの他端がグランドと接続されており、互いに電気的に接続される抵抗326aの他端と抵抗326bの一端とがマイコン31と電気的に接続されている。
【0050】
端子電圧検出手段327は、抵抗327a、327bを有し、抵抗327aの一端がソレノイドコイル2の他端と電気的に接続され、他端が抵抗327bの一端と電気的に接続されている。また、抵抗327bの他端がグランドと電気的に接続されており、互いに電気的に接続される抵抗327aの他端と抵抗327bの一端とがマイコン31と電気的に接続されている。
【0051】
第2の配線328は、ソレノイドコイル2の一端とバッテリ8とを結ぶ電線であって、マイコン31に電流を供給している。
【0052】
次に、本発明部分であるマイコン31の処理手順を図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0053】
ステップS100では、運転者がIGスイッチ9をオンすると、マイコン31が初期化処理を行い、ステップS101に進む。
【0054】
ステップS101では、通信I/F38で変換したエンジン回転数信号EGをマイコン31が読み込み、ステップS102に進む。
【0055】
ステップS102では、ステップS101で読み込んだエンジン回転数EGが所定回転数よりも大きいかどうかを判定し、エンジン回転数EGが所定回転数よりも大きいければ、ステップS103に進み、エンジン回転数EGが所定回転数以下であれば、ステップS104に進む。なお、本実施形態での所定回転数は、2000rpmと設定している。
【0056】
ステップS103では、マイコン31が周波数可変手段311によって、スイッチングトランジスタ324を駆動するPWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数とし、ステップS105に進む。なお、可聴周波数領域内とは、約20Hz〜17kHzであって、本実施形態では、マイコン31がスイッチングトランジスタ324を駆動するPWM駆動信号の周波数を1kHzとしている。
【0057】
ステップS104では、マイコン31が周波数可変手段311によって、スイッチングトランジスタ324を駆動するPWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数よりも高い可聴周波数領域外の周波数とし、ステップS105に進む。なお、本実施形態では、マイコン31がスイッチングトランジスタ324を駆動するPWM駆動信号の周波数を20kHzとしている。
【0058】
ステップS105では、マイコン31が電源電圧検出手段326によってバッテリ8の電圧を読み込み、ステップS106に進む。
【0059】
ステップS106では、ステップS105で読み込んだバッテリ8の電圧から予め記憶されているマップに基づいて、マイコン31がスイッチングトランジスタ324を駆動するPWM駆動信号のデューティー比を決定して出力する。そして、ステップS101に戻り、上述と同様の処理を繰り返す。
【0060】
[第1実施形態の効果]
以上説明したように、マイコン31の周波数可変手段311は、エンジン回転数EGが所定回転数(2000rpm)よりも大きいときに、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数(1kHz)に、エンジン回転数EGが所定回転数以下のときに、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数よりも高い可聴周波数領域外の周波数(20kHz)に可変させている。このことから、周波数可変手段311は、エンジン回転数EGが所定回転数よりも大きいとき、即ち車室内に伝わるエンジン音が大きいときに、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数としても、車室内がエンジン音によって騒がしいため、スイッチング音が乗員に聞こえ難く、不快感を与えることなく、さらにスイッチングトランジスタ324の発熱量を抑制できる。一方、周波数可変手段311は、エンジン回転数EGが所定回転数以下のとき、即ち車室内に伝わるエンジン音が小さいときに、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数よりも高い可聴周波数領域外の周波数に可変させることで、スイッチングトランジスタ324から可聴周波数領域内のスイッチング音が発生せず、乗員に不快感を与えることを防止できる。
【0061】
また、エンジン回転数EGが大きくなるにつれて、車室内に伝わるエンジン音が大きくなるため、エンジン回転数EGが所定回転数以下であるときには、車室内に伝わるエンジン音が小さく、車室内は静かな状態である。このことから、エンジン回転数EGによって、車室内の騒音水準を設定することができる。
【0062】
なお、本実施形態での車室内に伝わるエンジン音の大きさが特許請求の範囲の車室内の騒音水準に相当する。
【0063】
[第2実施形態]
図6は、本実施形態のマイコン31の処理手順を示したフローチャートである。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様な箇所は省略し、相違する部分についてのみ説明する。
【0064】
第1実施形態での周波数可変手段311は、エンジン回転数EGに基づいて、PWM駆動信号の周波数を可変させているが、第2実施形態での周波数可変手段311は、車速信号SHに基づいて、PWM駆動信号の周波数を可変させる。このことから、図6に示すように、図5のステップS101がステップS200に、ステップS102がステップS201にそれぞれ変更されている。
【0065】
ステップS200では、通信I/F38で変換した車速信号SHをマイコン31が読み込み、ステップS201に進む。
【0066】
ステップS201では、ステップS200で読み込んだ車速信号SHが所定値よりも大きいかどうかを判定し、車速信号SHが所定値よりも大きければ、ステップS103に進み、車速信号SHが所定値以下であれば、ステップS104に進む。なお、本実施形態での所定値は、車両が動いていない時の車速信号SHであって、零(0)と設定している。
【0067】
この構成によれば、周波数可変手段311は、車速信号SHが所定値(零)よりも大きいときに、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数(1kHz)に可変させ、車速信号SHが所定値(零)のときに、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数よりも高い可聴周波数領域外の周波数(20kHz)に可変させている。このことから、車速信号SHが所定値よりも大きいとき、即ち車両が動いているときには、車室内に伝わる外部からの騒音が大きくなるため、周波数可変手段311がPWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数としても、車室内が外部からの騒音によって騒がしいため、スイッチング音が乗員に聞こえ難く、不快感を与えることなく、さらにスイッチングトランジスタ324の発熱量を抑制できる。一方、車速信号SHが所定値のとき、即ち車両が動いていないときには、車室内に伝わる外部からの騒音が小さいため、周波数可変手段311がPWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数よりも高い可聴周波数領域外の周波数に可変させることで、スイッチングトランジスタ324から可聴周波数領域内のスイッチング音が発生せず、乗員に不快感を与えることを抑制できる。
【0068】
また、車速信号SHが大きくなるにつれて車室内に伝わる外部からの騒音が大きくなるため、車速信号SHが零であるとき、即ち車両が動いていないときには、車室内は静かな状態であるため、車速信号SHによって、車室内の騒音水準を設定することができる。
【0069】
なお、本実施形態での車室内に伝わる外部からの騒音の大きさが特許請求の範囲の車室内の騒音水準に相当する。
【0070】
[第3実施形態]
図7及び図8は、本実施形態のマイコン31の処理手順を示したフローチャートである。
【0071】
第3実施形態での周波数可変手段311は、エンジン回転数EGと車速信号SHとの両方に基づいてPWM駆動信号の周波数を可変させる。
【0072】
図7に示すように、ステップS100では、運転者がIGスイッチ9をオンすると、マイコン31が初期化処理を行い、ステップS200に進む。
【0073】
ステップS200では、通信I/F38で変換した車速信号SHをマイコン31が読み込み、ステップS201に進む。
【0074】
ステップS201では、ステップS200で読み込んだ車速信号SHが所定値よりも大きいかどうかを判定し、車速信号SHが所定値よりも大きければ、ステップS104に進み、車速信号SHが所定値以下であれば、ステップS101に進む。なお、本実施形態での所定値は、第2実施形態と同様に、零(0)と設定している。
【0075】
ステップS101では、通信I/F38で変換したエンジン回転数信号EGをマイコン31が読み込み、ステップS102に進む。
【0076】
ステップS102では、ステップS101で読み込んだエンジン回転数EGが所定回転数よりも大きいかどうかを判定し、エンジン回転数EGが所定回転数よりも大きいければ、ステップS104に進み、エンジン回転数EGが所定回転数以下であれば、ステップS103に進む。なお、本実施形態での所定回転数は、第1実施形態と同様に、2000rpmと設定している。
【0077】
ステップS103では、周波数可変手段311がスイッチングトランジスタ324を駆動するPWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数よりも高い可聴周波数領域外の周波数に可変させ、ステップS105に進む。なお、ここでは、第1及び第2実施形態と同様に、マイコン31がスイッチングトランジスタ324を駆動するPWM駆動信号の周波数を20kHzとしている。
【0078】
ステップS104では、周波数可変手段311がスイッチングトランジスタ324を駆動するPWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数に可変させ、ステップS105に進む。なお、ここでは、第1及び第2実施形態と同様に、マイコン31がスイッチングトランジスタ324を駆動するPWM駆動信号の周波数を1kHzとしている。
【0079】
ステップS105では、マイコン31が電源電圧検出手段326によってバッテリ8の電圧を読み込み、ステップS106に進む。
【0080】
ステップS106では、ステップS105で読み込んだバッテリ8の電圧から予め記憶されているマップに基づいて、マイコン31がスイッチングトランジスタ324を駆動するPWM駆動信号のデューティー比を決定して出力する。そして、ステップS101に戻り、上述と同様の処理を繰り返す。
【0081】
この構成によれば、例えば、車速信号SHが零(0)であっても、エンジン回転数EGが所定回転数(2000rpm)よりも大きいければ、車室内の騒音水準が大きくなるため、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数としてもスイッチング音が乗員に聞こえ難く、不快感を与えることなく、さらにスイッチングトランジスタ324の発熱量を抑制できる。
【0082】
なお、本実施形態でのマイコン31の処理手順は、上述したように、車速信号SH及びエンジン回転数EGの順に判定しているが、図8に示すように、エンジン回転数EG及び車速信号SHの順に判定していてもよい。
【0083】
[他の実施例]
なお、第1及び第3実施形態では、エンジン回転数EGが2000rpm以下のときに、PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域外の周波数に可変させているが、必ずしも2000rpmでなく、搭載される車両に応じて変更させてもよい。
【0084】
なお、第2及び第3実施形態では、車速信号SHが零(0)であるときに、PWM駆動信号の周波数を可変させているが、必ずしも零でなく、例えば、運転者がアクセルペダルを離しているのときの車速信号SHや運転者がブレーキペダルを踏んでいるときの車速信号SHなどであってもよく、搭載される車両に応じて変更させてもよい。
【0085】
なお、本実施形態での周波数可変手段311は、PWM駆動信号の周波数を1kHzとしているが、必ずしも1kHzでなく、可聴周波数領域内の周波数(約20Hz〜17kHz)であればよい。
【0086】
なお、本実施形態での周波数可変手段311は、エンジン回転数が所定回転数よりも大きいとき、もしくは車速信号SHが所定値よりも大きいときに、PWM駆動信号の周波数を20kHzに可変させているが、必ずしも20kHzでなく、可聴周波数よりも高い可聴周波数領域外の周波数(例えば20kHz以上)であればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の操舵機構の構成図である。(第1実施形態)
【図2】伝達比可変操舵装置の伝達比可変ユニットの軸方向断面図である。(第1実施形態)
【図3】伝達比可変操舵装置全体の回路構成を示したブロック図である。(第1実施形態)
【図4】ソレノイド駆動回路の回路構成を示した図である。(第1実施形態)
【図5】本発明のマイコンの処理手順を示したフローチャートである。(第1実施形態)
【図6】本発明のマイコンの処理手順を示したフローチャートである。(第2実施形態)
【図7】本発明のマイコンの処理手順を示したフローチャートである。(第3実施形態)
【図8】本発明のマイコンの処理手順を示したフローチャートである。(第3実施形態)
【符号の説明】
1…伝達比可変操舵装置、
2…ソレノイドコイル、
3…ECU、
4…電動モータ、
8…バッテリ、
32…ソレノイド駆動回路、
311…周波数可変手段、
324…スイッチングトランジスタ、EG…エンジン回転数、SH…車速信号。
Claims (5)
- ステアリングに接続される入力軸と、
転舵輪側に接続される出力軸と、
前記入力軸と前記出力軸とを連結する連結手段と、
前記入力軸と前記出力軸との連結を断つために前記連結手段を作動させるための励磁コイルと、
前記励磁コイルに流れる電流をデューティー制御するために、スイッチング素子を駆動するPWM駆動信号を生成する制御部とを備えた伝達比可変操舵装置において、
前記PWM駆動信号の周波数を可聴周波数領域内の周波数と前記可聴周波数領域内の周波数よりも高い可聴周波数領域外の周波数とに可変させる周波数可変手段を有していることを特徴とする伝達比可変操舵装置。 - 前記周波数可変手段は、車室内の騒音水準が所定値以下であるときに、前記PWM駆動信号の周波数を前記可聴周波数領域外の周波数に可変させることを特徴とする請求項1記載の伝達比可変操舵装置。
- 前記騒音水準が所定値以下とは、車両のエンジン回転数が所定回転数以下であることを特徴とする請求項2記載の伝達比可変操舵装置。
- 前記騒音水準が所定値以下とは、車両の車速が所定値以下であることを特徴とする請求項2又は3記載の伝達比可変操舵装置。
- 前記車速が所定値以下の所定値とは、零であることを特徴とする請求項4記載の伝達比可変操舵装置。
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JP2003162498A JP2004359173A (ja) | 2003-06-06 | 2003-06-06 | 伝達比可変操舵装置 |
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JP2003162498A JP2004359173A (ja) | 2003-06-06 | 2003-06-06 | 伝達比可変操舵装置 |
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JP (1) | JP2004359173A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010221856A (ja) * | 2009-03-24 | 2010-10-07 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 操舵制御装置 |
US10581352B2 (en) | 2012-09-13 | 2020-03-03 | Moog Inc. | Method and apparatae for controlling and providing a voltage converter with a pulse-modulated switch |
-
2003
- 2003-06-06 JP JP2003162498A patent/JP2004359173A/ja active Pending
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US10581352B2 (en) | 2012-09-13 | 2020-03-03 | Moog Inc. | Method and apparatae for controlling and providing a voltage converter with a pulse-modulated switch |
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