JP2006160052A - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運転者や同乗者がロック機構の状態切り替えに伴う作動音を知覚しにくくする車両操舵装置を提供すること。
【解決手段】 VGRS_ECU66は、E/G_ECU67からクランキング信号Crを入力していれば、ロック機構30をアンロック状態に切り替える。これにより、車室内に侵入しているクランキング状態に伴うクランキング音に対して、ロック機構30の作動音を紛らわせることができる。また、イグニッションスイッチ61からストップ信号Istopを入力したときには、ロック機構30をロック状態に切り替える。これにより、車室内に侵入しているエンジン50の振動に伴う振動音に対して、ロック機構30の作動音を紛らわせることができる。したがって、車両の運転者や同乗者は、ロック機構の作動に伴う耳障りな作動音を知覚しにくくすることができて、車両の商品性を向上させることができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、ロック機構を備えた車両の操舵装置に関する。
従来から、例えば、下記特許文献に示されるようなロック機構を備えた車両操舵装置は知られている。この従来の車両操舵装置は、伝達比可変機構を備えるとともに、入力軸と出力軸との相対的な回転を制限するロック機構を備えている。ロック機構は、ロックホルダ、ロックアームおよびソレノイドを備えており、ソレノイドの作動に伴ってロックアームが回動してロックホルダと嵌合することにより、入力軸と出力軸との相対的な回転を制限するすなわちロック状態とするようになっている。また、このロック機構は、車両のイグニッションスイッチのオン操作に伴って、ソレノイドが作動してロックアームとロックホルダとの嵌合が解除され、入力軸と出力軸との相対的な回転を許容するすなわちアンロック状態とするようになっている。
特開2004−123083号公報
ところで、上記従来の車両用操舵装置においては、イグニッションスイッチのオン操作に伴ってロック機構をアンロック状態とする。このため、ロック機構の作動に伴う作動音(例えば、ロックホルダとロックアームとが当接することによる打撃音など)が車室内に侵入して車両の商品性を悪化させる場合がある。具体的に説明すると、一般的にイグニッションスイッチには、”OFF”,”ACC”,”ON”,”START”のように、スイッチの操作位置が設定されている。このため、イグニッションスイッチのオン操作には、”OFF”から”ACC”を介して”ON”に切り替える操作(以下、始動準備操作という)と、”OFF”から”ACC”,”ON”,”START”を介して再び”ON”に切り替える操作(以下、エンジン始動操作という)とが含まれる。
したがって、イグニッションスイッチの始動準備操作に伴ってロック機構をアンロック状態とした場合には、車両のエンジンが始動を開始しておらず、車室内は静かな状態である。この状態で、ロック機構の作動音が車室内に侵入すると、運転者や同乗者は耳障りな音を知覚しやすくなって車両の商品性が悪化する。一方、イグニッションスイッチのエンジン始動操作に伴ってロック機構をアンロック状態した場合には、車両のエンジンが始動を開始している状態であるため、ロック機構の作動音が車室内に侵入しても、エンジンの作動音に紛れて運転者や同乗者は耳障りな音を知覚しにくくなる。しかしながら、車室内に侵入するエンジンの作動音は、始動後において比較的小さく(静かに)なる。このため、この状態でロック機構をアンロック状態とすると、運転者や同乗者はロック機構の作動音を知覚する可能性が高くなり、車両の商品性が悪化する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、運転者や同乗者がロック機構の状態切り替えに伴う作動音を知覚しにくくする車両操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵ハンドル側に連結される操舵入力軸と、転舵輪側に連結される転舵出力軸と、前記操舵入力軸の回転に対する前記転舵出力軸の回転の伝達比を変更する伝達比可変装置と、同伝達比可変手段に組み付けられて前記操舵入力軸と転舵出力軸との相対的な回転を禁止するロック状態または相対的な回転を許容するアンロック状態に切り替え可能なロック機構と、同ロック機構のロック状態またはアンロック状態の切り替えを制御するロック機構制御装置とを備えた車両の操舵装置において、前記ロック機構制御装置を、車両の乗員によって操作されて、車両の走行開始または運転開始に必要な機器の作動開始または作動停止を指示するための操作手段と、前記車両の走行開始または運転開始に必要な機器のうち、車室内で知覚できる作動音を発生する機器が前記操作手段の操作に基づき作動状態にあるときに、前記ロック機構をロック状態からアンロック状態に切り替える切り替え手段とから構成したことにある。この場合、前記操作手段は、車両のイグニッションスイッチであって、例えば、キーシリンダに挿入したキーによって回動操作されるイグニッションスイッチまたは車両の乗員によって押下操作されるイグニッションスイッチのいずれか一方であるとよい。
上記のように構成した本発明においては、車両の乗員(特に、車両の運転者)によって操作手段、例えば、イグニッションスイッチが操作されると、車両に搭載されて車両の走行開始または運転開始に必要な機器が作動を開始する。このとき、ロック機構制御装置は、作動を開始した機器のうち、車室内で知覚できる作動音を発生する機器が作動しているときに、ロック機構をロック状態からアンロック状態に切り替える。これにより、車両の走行開始または運転開始に必要な機器の作動音、言い換えれば、車両を走行または運転するときに必ず発生する作動音に対して、ロック機構の作動音を紛れさせることができる。したがって、車両の運転者や同乗者は、ロック機構の作動に伴う耳障りな作動音を知覚しにくくすることができて、車両の商品性を向上させることができる。
また、この場合、前記車両の走行開始または運転開始に必要な機器は、エンジンであって、前記切り替え手段は、前記エンジンが前記操作手段の操作に基づきクランクシャフトを回転させるクランキング状態にあるときに、前記ロック機構をロック状態からアンロック状態に切り替えるとよい。
これによれば、車両の走行開始または運転開始に必要な機器としてのエンジンが作動開始(始動)するためのクランキング状態にあるときには、このクランキング状態に伴う作動音(クランキング音)が車室内に侵入する。このため、ロック機構制御装置は、エンジンがクランキング状態にあるときに、言い換えれば、車室内にクランキング音が侵入しているときに、ロック機構をロック状態からアンロック状態に切り替えることができる。これにより、車両の運転者や同乗者は、ロック機構の作動に伴う耳障りな作動音を知覚しにくくすることができて、車両の商品性を向上させることができる。
また、前記ロック機構制御装置は、さらに、前記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、前記回転数検出手段によって検出された回転数に基づき、前記エンジンの回転数が作動開始後の吹き上がり状態における最大の回転数に到達したか否かを判定する判定手段とを備え、前記切り替え手段は、前記判定手段によって前記エンジンが吹き上がり状態における最大の回転数に到達したと判定されたときに、前記ロック機構をロック状態からアンロック状態に切り替えるとよい。
これによれば、ロック機構制御装置は、エンジンの吹き上がり状態における最高回転数に合わせてロック機構をロック状態からアンロック状態に切り替えることができる。これにより、例えば、エンジンが作動開始(始動)後、その作動音が比較的静かになる前に、すなわち、エンジンの回転数が比較的高く、車室内に侵入するエンジンの作動音が比較的大きいときに、ロック機構をロック状態からアンロック状態に切り替えることができる。したがって、車両の運転者や同乗者は、ロック機構の作動に伴う耳障りな作動音を知覚しにくくすることができて、車両の商品性を向上させることができる。
また、この場合、前記ロック機構制御装置は、さらに、前記操作手段の操作に基づき、前記エンジンが前記クランキング状態から着火により完全に作動を開始した状態へ移行したか否かを判定する作動状態判定手段を備え、前記作動状態判定手段によって前記エンジンが完全に作動を開始した状態へ移行していないと判定されたときに、前記切り替え手段は、前記操作手段の作動停止操作に合わせて前記ロック機構をアンロック状態からロック状態に切り替えるとよい。
これによれば、エンジンがクランキング状態から着火により完全に作動を開始していない状態、言い換えれば、エンジンの作動開始(始動)に失敗した状態では、操作手段の作動停止操作に合わせてロック機構をアンロック状態からロック状態に切り替えることができる。すなわち、上述したように、操作手段の操作に伴って、エンジンはクランキング状態となり、ロック機構はロック状態からアンロック状態に切り替えられる。この状態において、エンジンが作動を開始していなければ、再び、ロック機構をアンロック状態からロック状態に切り替える必要がある。このとき、操作手段が作動停止操作されると、エンジンは、クランキングを終了し、クランキング終了に伴って振動を発生する。このように振動が発生することにより、この振動に伴う振動音が車室内に知覚できる音として侵入する。これにより、ロック機構制御装置は、操作手段の作動停止操作に合わせてロック機構をアンロック状態からロック状態に切り替えることにより、前記振動音に対して、ロック機構の作動音を紛れさせることができる。したがって、車両の運転者や同乗者は、ロック機構の作動に伴う耳障りな作動音を知覚しにくくすることができて、車両の商品性を向上させることができる。
また、前記ロック機構制御装置は、さらに、前記作動状態判定手段によって前記エンジンが完全に作動を開始した状態へ移行していないと判定されたときに、前記エンジンのクランキング状態を継続させるクランキング状態継続手段を備え、前記切り替え手段は、前記クランキング状態継続手段によって前記エンジンのクランキング状態が継続しているときに、前記ロック機構をアンロック状態からロック状態に切り替えるとよい。
これによれば、エンジンの作動開始(始動)に失敗した状態では、クランキング状態を継続させることができる。これにより、このクランキング状態に伴う作動音(クランキング音)が車室内に侵入する。このため、ロック機構制御装置は、エンジンがクランキング状態にあるときに、言い換えれば、車室内にクランキング音が侵入しているときに、ロック機構をアンロック状態からロック状態に切り替えることができる。これにより、車両の運転者や同乗者は、ロック機構の作動に伴う耳障りな作動音を知覚しにくくすることができて、車両の商品性を向上させることができる。
また、前記車両の走行開始または運転開始に必要な機器は、車両の乗員の乗車姿勢を調整するための調整機器であって、前記切り替え手段は、前記調整機器が車両の乗員による前記操作手段の操作に基づき調整動作状態であるときに、前記ロック機構をロック状態からアンロック状態またはアンロック状態からロック状態に切り替えるとよい。この場合、前記調整機器は、例えば、車両の乗員の降車時にて前記操舵ハンドルを自動的に退避させるとともに、車両の乗員の乗車時にて前記操作手段の操作によって前記操舵ハンドルを予め設定した位置まで自動的に移動させる自動操舵ハンドル位置調整装置(オートテレスコピック、オートチルト機構)であるとよい。また、この場合、前記調整機器は、例えば、車両の乗員が着座するシートを予め設定した着座姿勢に自動的に調整する自動着座姿勢調整装置(電動パワーシート機構)であるとよい。
これらによれば、ロック機構制御装置は、調整機器の作動開始に合わせて、より詳しくは、これら調整機器の作動に伴う作動音が発生している状態において、ロック機構をロック状態からアンロック状態またはアンロック状態からロック状態に切り替えることができる。このため、調整機器の作動音に対して、ロック機構の作動音を紛れさせることができる。したがって、車両の運転者や同乗者は、ロック機構の作動に伴う耳障りな作動音を知覚しにくくすることができて、車両の商品性を向上させることができる。
さらに、前記車両の走行開始または運転開始に必要な機器は、車両の乗員に対して各種音声案内または警報を報知するスピーカであって、前記切り替え手段は、前記スピーカが車両の乗員による前記操作手段の操作に基づき音声出力状態であるときに、前記ロック機構をロック状態からアンロック状態またはアンロック状態からロック状態に切り替えるとよい。この場合、前記車両は、少なくとも電気によって駆動される駆動モータの駆動力によって走行可能な車両であるとよい。
これらによれば、スピーカから出力される各種音声、例えば、「始動しました。」や「準備完了」などに合わせて、ロック機構をロック状態からアンロック状態またはアンロック状態からロック状態に切り替えることができる。この場合、特に、少なくとも電気によって駆動される駆動モータの駆動力によって走行可能な車両のように、走行開始時点でエンジンが始動しない車両においては、前記スピーカから出力される各種音声に対して、ロック機構の作動音を紛れさせることができる。したがって、車両の運転者や同乗者は、ロック機構の作動に伴う耳障りな作動音を知覚しにくくすることができて、車両の商品性を向上させることができる。
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態に係る伝達比可変操舵装置(以下、本明細書中においては、単に操舵装置ともいう)について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、第1実施形態に係る操舵装置を概略的に示している。
この操舵装置は、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を転舵するために、運転者によって回動操作される操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は、操舵入力軸12の上端に固定されており、操舵入力軸12の下端は、伝達比可変装置としての可変ギア比アクチュエータ20に接続されている。可変ギア比アクチュエータ20は、電動モータ21および減速機22を備えており、操舵入力軸12の回動量(または回転角)に対する転舵出力軸13の回動量(または回転角)を適宜変更するものである。
電動モータ21は、そのモータハウジングが操舵入力軸12と一体的に接続されており、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に従って一体的に回転するようになっている。また、電動モータ21の駆動シャフト21aは減速機22に接続されており、電動モータ21の回転が駆動シャフト21aを介して減速機22に伝達されるようになっている。減速機22は、所定のギア機構(例えば、遊星ギア機構など)によって構成されており、転舵出力軸13はこのギア機構に接続されている。これにより、減速機22は、電動モータ21の回転が駆動シャフト21aを介して伝達されると、所定のギア機構によって駆動シャフト21aの回転を適宜減速して転舵出力軸13に回転を伝達することができる。したがって、可変ギア比アクチュエータ20は、電動モータ21の駆動シャフト21aを介して、操舵入力軸12と転舵出力軸13とを相対回転可能に連結するとともに、減速機22によって操舵入力軸12の回転量に対する転舵出力軸13の回転量の比、すなわち、操舵入力軸12から転舵出力軸13への回転の伝達比(ギア比)を適宜変更することができる。
また、可変ギア比アクチュエータ20には、例えば、エンジン50が停止しているときに、操舵入力軸12と転舵出力軸13との相対的な回転を制限するためのロック機構30が設けられている。ロック機構30は、図2に示すように、ロックホルダ31とロックアーム32を備えている。ロックホルダ31は、電動モータ21のロータ側、例えば、電動モータ21の駆動シャフト21aに組み付けられており、駆動シャフト21aの回転に伴って回転するようになっている。ここで、ロックホルダ31の組み付けに関しては、駆動シャフト21aに対して完全に固定されているのではなく、所定以上のトルクが作用したときにロックホルダ31が駆動シャフト21aに対して相対回転可能に組み付けられている。これにより、駆動シャフト21aとロックホルダ31との取付部分をトルクリミッタとして機能させれば、ロック機構30の作動時(すなわちロック時)に所定以上のトルクが作用してもロックホルダ31、ロックアーム32などの構成部品が破損することを防止できる。
そして、ロックホルダ31の外周には、その周方向に沿って複数(例えば、図2に示すように4つ)の形成幅の広い第1凹部31aが形成されている。さらに、第1凹部31a内には、より凹形状で形成幅の狭い第2凹部31bが形成されている。この第2凹部31bの形成位置に関しては、例えば、操舵ハンドル11の左方向への回動操作に伴ってロックアーム32が移動する方向すなわち図2において第1凹部31aの右側端部に形成するとよい。これにより、車両の運転者が右手でイグニッションキーを操作するときには、左手で左回りに操舵ハンドル11を操作することによって、第2凹部31bに後述するロックアーム32の掛止部32aが係合しやすくなる。
ロックアーム32は、電動モータ21のステータ側、例えば、モータのモータハウジングに組み付けられており、ロックホルダ31に対して近接および離間するようになっている。そして、ロックアーム32は、近接時においてロックホルダ31の第1凹部31aまたは第2凹部31bと係合して操舵入力軸12と転舵出力軸13との相対回転を禁止し(以下、この状態をロック状態という)、離間時においてロックホルダ31の第1凹部31aまたは第2凹部31bとの係合を解除して操舵入力軸12と転舵出力軸13との相対回転を許容する(以下、この状態をアンロック状態という)。
このため、ロックアーム32の先端部分には、鉤状の掛止部32aが形成されている。そして、ロックアーム32の略中央部分にはピン32bが設けられており、このピン32bを中心にロックアーム32が回動可能となっている。また、ロックアーム32の基端部分には、プランジャ型のソレノイド33が組み付けられている。このソレノイド33は、電流の遮断によりプランジャが突出し、電流の通電によりプランジャが吸引されるようになっている。これにより、ソレノイド33に対して電流が遮断されている場合、例えば、エンジン50が停止している場合には、ロックアーム32の掛止部32aがロックホルダ31の第1凹部31aまたは第2凹部31bに近接して、操舵入力軸12と転舵出力軸13とがロック状態とされる。一方、ソレノイド33に対して電流が通電されている状態、例えば、エンジン50が始動している場合には、ロックアーム32の掛止部32aがロックホルダ31の第1凹部31aまたは第2凹部31bから離間して、操舵入力軸12と転舵出力軸13とがアンロック状態とされる。
また、操舵装置は、転舵出力軸13の下端に接続された転舵ギアユニット40を備えている。転舵ギアユニット40は、例えば、ラックアンドピニオン式を採用したギアユニットであり、転舵出力軸13の下端に一体的に組み付けられたピニオンギア41と、このピニオンギア41に組み合わされるラックバー42とを備えている。また、転舵ギアユニット40には、運転者によって操舵ハンドル11に入力される操舵力を軽減するためのアシストモータ43が設けられており、このアシストモータ43の発生するアシストトルクがラックバー42に伝達されるようになっている。なお、運転者の操舵力を軽減する手段としては、アシストモータ43に限定されるものではなく、その他の手段、例えば、油圧システムなどを転舵ギアユニット40に設けて実施可能であることはいうまでもない。
このように転舵ギアユニット40が構成されることにより、転舵出力軸13の回転力がピニオンギア41を介してラックバー42に伝達されるとともに、アシストモータ43のアシストトルクがラックバー42に伝達される。これにより、ラックバー42は、ピニオンギア41からの回転力およびアシストモータ43からのアシストトルクによって軸線方向に変位する。したがって、ラックバー42の両端に接続された左右前輪FW1,FW2は、左右に転舵されるようになっている。
次に、可変ギア比アクチュエータ20およびエンジン50の作動を制御する電気制御装置60について説明する。電気制御装置60は、イグニッションスイッチ61と、操舵角センサ62、操舵トルクセンサ63、クランクポジションセンサ64および車速センサ65とを備えている。
イグニッションスイッチ61は、運転者によって操作されて、エンジン50の始動および停止を指示するためのスイッチである。このイグニッションスイッチ61は、”OFF”,”ACC”,”ON”および”START”の操作位置を備えており、キーシリンダに挿入されたキーの回動操作位置に応じた信号を出力するようになっている。操舵角センサ62は、操舵ハンドル11の回動量すなわち操舵入力軸12の回転量を検出して操舵角θとして出力する。操舵トルクセンサ63は、運転者による操舵ハンドル31の回動操作に起因して転舵出力軸13に作用するトルクを検出して操舵トルクTとして出力する。クランクポジションセンサ64は、エンジン50に組み付けられたクランクシャフトの回動位置を検出するとともに、検出したクランクシャフトの回動位置の変化に基づきエンジン50の回転数Nを出力する。車速センサ65は、車両の車速Vを検出して出力する。
また、電気制御装置60は、可変ギア比アクチュエータ20の電動モータ21およびソレノイド33の作動を制御する電子制御ユニット66(以下、この電子制御ユニットをVGRS_ECU66という)と、エンジン50の始動(詳しくはエンジン50に組み付けられたスタータ51の作動制御)や、作動状態および停止を制御する電子制御ユニット67(以下、この電子制御ユニットをE/G_ECU67という)とを備えている。VGRS_ECU66およびE/G_ECU67は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするものである。これらのVGRS_ECU66およびE/G_ECU67は、例えば、車両内に構築された通信回線Aを介して、互いに通信可能とされている。
そして、VGRS_ECU66には、イグニッションスイッチ61、操舵角センサ62および車速センサ65が接続されており、E/G_ECU67には、イグニッションスイッチ61およびクランクポジションセンサ64が接続されている。これにより、VGRS_ECU66は、およびE/G_ECU67は、イグニッションスイッチ61からの信号および各センサ62〜65によって検出された検出値を用いて各種プログラムを実行し、、可変ギア比アクチュエータ20およびエンジン50の作動をそれぞれ制御する。
次に、上記のように構成した操舵装置の作動について説明する。上述したように、エンジン50が停止状態においては、可変ギア比アクチュエータ20に設けられたロック機構30のソレノイド33に通電されていないため、操舵入力軸12と転舵出力軸13とは、相対的な回転が禁止されているすなわちロック状態とされている。このため、車両の走行開始に際しては、まず、このロック機構30を作動させて、操舵入力軸12と転舵出力軸13との相対回転を許容するアンロック状態に切り替える。このアンロック状態への切り替えに制御においては、VGRS_ECU66とE/G_ECU67とが互いに強調して制御を実行する。以下、この切り替え制御を図3および図4に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
運転者によってイグニッションスイッチ61の回動操作位置が”ACC”位置に設定されることにより、車両に搭載された補機類の起動を指示する信号が出力されると、E/G_ECU67は、図3に示すフローチャートのステップE10にてエンジン始動制御プログラムの実行を開始する。続いて、ステップE11にて、E/G_ECU67は、イグニッションスイッチ61の回動操作位置が”START”位置に設定されることにより出力された、エンジン50を始動させる命令を表すスタート信号Istartを入力したか否かを判定する。E/G_ECU67は、スタート信号Istartを入力していなければ、「No」と判定し、イグニッションスイッチ61からスタート信号Istartを入力するまで、繰り返しステップE11を実行する。
また、E/G_ECU67は、スタート信号Istartをイグニッションスイッチ61から入力すれば、「Yes」と判定してステップE12に進む。ステップE12においては、E/G_ECU67は、スタータ51およびVGRS_ECU66に対して、エンジン50のクランクシャフトを回転させる信号(以下、この信号をクランキング信号Crという)を出力する。このように、E/G_ECU67によってクランキング信号Crがスタータ51に出力されると、スタータ51は、エンジン50のクランクシャフトを回転させて、エンジン50をクランキングさせる。このとき、E/G_ECU67は、クランクポジションセンサ64が出力するエンジン50の回転数Nを取得し、エンジン50が着火により完全に作動している状態(以下、この状態を完爆状態という)となっているかを確認する。そして、E/G_ECU67は、前記ステップE12の信号出力処理後、ステップE13にて、エンジン始動制御プログラムの実行を終了する。
一方、VGRS_ECU66においても、運転者によってイグニッションスイッチ61の回動操作位置が”ACC”位置に設定されることにより、車両に搭載された補機類の起動を指示する信号が出力されると、図4に示すフローチャートのステップV10にてロック機構制御プログラムの実行を開始する。続くステップV11においては、VGRS_ECU66は、前記エンジン始動プログラムのステップE12にてE/G_ECU67から出力されたクランキング信号Crを入力したか否かを判定する。具体的に説明すると、E/G_ECU67は、上述したように、イグニッションスイッチ61からスタート信号Istartを入力すると、スタータ51に対してクランキング信号Crを出力すると同時に、VGRS_ECU66に対してもクランキング信号Crを出力する。この出力されたクランキング信号Crは、通信回線Aを介してVGRS_ECU66に供給される。
そして、VGRS_ECU66は、E/G_ECU67からクランキング信号Crを入力していなければ、「No」と判定し、クランキング信号Crを取得するまで、繰り返しステップV11を実行する。また、VGRS_ECU66は、E/G_ECU67からクランキング信号Crを入力すれば、「Yes」と判定して、ステップV12に進む。ステップV12においては、VGRS_ECU66は、ロック機構30のソレノイド33を作動させて、ロック機構30をアンロック状態に切り替える。
すなわち、VGRS_ECU66は、ソレノイド33に対して電流を通電させる信号(以下、この信号をアンロック信号Kという)を、図示省略の駆動回路に供給する。駆動回路は、供給されたアンロック信号Kに基づき、ソレノイド33に対して、所定の電流を通電してプランジャを吸引させる。これにより、ロック機構30のロックアーム32がピン32bを中心として回転して掛止部32aがロックホルダ31の第1凹部31aまたは第2凹部31bから離間し、ロック機構30はアンロック状態とされる。したがって、操舵入力軸12と転舵出力軸13とは、相対回転可能な状態とされる。
ここで、ロック機構30のアンロック状態への切り替えは、エンジン50がクランキングしている最中に行われる。すなわち、上述したように、E/G_ECU67は、スタータ51に対してクランキング信号Crを出力すると同時に、VGRS_ECU66にもクランキング信号Crを出力する。このとき、エンジン50のクランキング時間に対して、ロック機構30のアンロック状態への切り替え時間は極めて短い。したがって、エンジン50のクランキングに伴うクランキング音が車両の車室内に進入している最中にロック機構30がアンロック状態に切り替えられる。これにより、このアンロック状態への切り替えに起因する作動音、例えば、ロックホルダ31とロックアーム32とが接触することによる打撃音などがエンジン50のクランキング音に紛れ、運転者は、前記作動音を知覚しにくくなる。
このように、VGRS_ECU66は、ロック機構30をアンロック状態に切り替えると、操舵入力軸12の操舵角θに対する伝達比を適宜変更して、転舵出力軸13を回転制御する。なお、この転舵出力軸13の回転制御については、本発明に直接関係しないため、以下に簡単に説明しておく。VGRS_ECU66は、車速センサ65から現在の車速Vを入力するとともに、例えば、図5に示すようなマップを参照して、検出された車速Vに応じた伝達比Gを決定する。ここで、伝達比Gは、車速Vの増大に伴って一様に小さくなるとともに、車速Vの減少に伴って一様に大きくなる特性を有している。
そして、VGRS_ECU66は、決定された伝達比Gと操舵角センサ62によって検出された操舵角θとを、例えば、乗算することにより、転舵出力軸13の回転角すなわち左右前輪FW1,FW2の転舵角を計算する。このように、転舵出力軸13の回転角を計算すると、VGRS_ECU66は、転舵出力軸13が計算した回転角となるように可変ギア比アクチュエータ20の電動モータ21を駆動制御する。これにより、転舵出力軸13に一体的に組み付けられたピニオンギア41が回転し、この回転がラックバー42に伝達される。そして、ラックバー42が伝達された回転により軸線方向に変位することによって、左右前輪FW1,FW2が転舵される。また、ラックバー42の変位に際しては、操舵トルクセンサ63によって検出された転舵出力軸13に作用する操舵トルクTの大きさに応じて、アシストモータ43の発生するアシストトルクが付与されることによって、運転者による操舵ハンドル11の操作力が軽減される。
また、運転者によって、イグニッションスイッチ61の回動操作位置が”ON”位置から”ACC”位置に回動操作されると、イグニッションスイッチ61からエンジン50を停止させるための命令を表すストップ信号Istopが出力される。このように、ストップ信号Istopが出力された場合には、可変ギア比アクチュエータ20のロック機構30をロック機構30状態に切り替える必要がある。このため、VGRS_ECU66は、ロック機構制御プログラムのステップV13にて、ストップ信号Istopを入力したか否かを判定する。すなわち、VGRS_ECU66は、ステップV13にて、ストップ信号Istopを入力していなければ、ロック機構30をロック状態に切り替える必要がないため、「No」と判定し、ストップ信号Istopを入力するまで繰り返しステップV13を実行する。一方、ストップ信号Istopを入力すれば、VGRS_ECU66は「Yes」と判定して、ステップV14に進む。ステップV14においては、VGRS_ECU66は、ロック機構30をロック状態に切り替える。
すなわち、VGRS_ECU66は、ソレノイド33に対する電流の通電を遮断させる信号(以下、この信号をロック信号Sという)を、図示省略の駆動回路に供給する。駆動回路は、供給されたロック信号Sに基づき、ソレノイド33に対する所定電流の通電を遮断してプランジャを突出させる。これにより、ロック機構30のロックアーム32がピン32bを中心として回転して掛止部32aがロックホルダ31の第1凹部31aまたは第2凹部31bに近接し、ロック機構30はロック状態とされる。したがって、操舵入力軸12と転舵出力軸13とは、相対回転不能な状態とされる。
ここで、ロック機構30のロック状態への切り替えは、エンジン50の停止に伴う振動が発生している最中に行われる。すなわち、イグニッションスイッチ61が出力するストップ信号Istopは、VGRS_ECU66に出力されると同時にE/G_ECU67にも出力される。これにより、E/G_ECU67は、同ストップ信号Istopを入力すると、エンジン50の作動を停止させる。このとき、エンジン50は、作動の停止に伴う振動を発生し、この振動に起因する振動音が車両の車室内に進入する。一方、ロック機構30のロック状態への切り替え時間は、上述したアンロック状態への切り替え時間と同様に、極めて短いため、エンジン50が振動している最中にロック状態への切り替えが完了する。したがって、このロック状態への切り替えにおいても、同切り替えに起因する作動音がエンジン50の振動音に紛れることにより、運転者は、前記作動音を知覚しにくくなる。そして、VGRS_ECU66は、ロック機構30をロック状態に切り替えると、ステップV15に進み、プログラムの実行を終了する。
以上の説明からも理解できるように、この第1実施形態においては、エンジン50を始動させる際に発生するクランキング音に、ロック機構30のアンロック状態への切り替えに起因する作動音を紛れさせるように、ロック機構30を作動制御した。また、エンジン50を停止させる際に発生する振動音に、ロック機構30のロック状態への切り替えに起因する作動音を紛れさせるように、ロック機構30を作動制御した。これにより、ロック機構30の作動に伴う不快な作動音を知覚しにくくすることができ、車両の商品性を向上させることができる。
b.第2実施形態
上記第1実施形態においては、エンジン50の始動時におけるクランキング音と停止時における振動音にロック機構30のアンロック状態またはロック状態への切り替えに伴う作動音を紛れさせるように実施した。ところで、エンジン50を始動させる際、一度のクランキングで始動して完爆状態に移行した場合には、上記第1実施形態のように、運転者の操作によってイグニッションスイッチ61からストップ信号Istopが出力されたときにロック機構30をロック状態に切り替えればよい。しかしながら、一度のクランキングでエンジン50が完爆状態に移行しない場合には、エンジン50の始動前に再度ロック機構30をロック状態に切り替える必要がある。このロック状態への切り替え制御を行う第2実施形態について以下に詳細に説明する。なお、この第2実施形態の説明に当たり、上記第1実施形態と同一部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第2実施形態におけるエンジン始動制御プログラムおよびロック機構制御プログラムは、上記第1実施形態における図3および図4にそれぞれ示すプログラムに対して、図6および図7に示すように変形されている。すなわち、第2実施形態に係るエンジン始動制御プログラムは、図6に示すように、上記第1実施形態におけるエンジン始動制御プログラムに対して、ステップE20〜ステップE23が追加されている。また、第2実施形態に係るロック機構制御プログラムは、図7に示すように、上記第1実施形態におけるロック機構制御プログラムに対して、ステップV20が追加されている。
まず、第2実施形態に係るエンジン始動制御プログラムについて説明する。E/G_ECU67は、上述した第1実施形態と同様に、ステップE10にてプログラムの実行を開始し、ステップE11にてスタート信号Istartを入力したか否かを判定する。そして、E/G_ECU67は、スタート信号Istartを入力していれば、ステップE12にて、スタータ51およびVGRS_ECU66に対して、クランキング信号Crを出力する。これにより、スタータ51はエンジン50をクランキングさせる。
前記ステップE12の信号出力処理後、E/G_ECU67は、ステップE20にて、クランクポジションセンサ64から出力されたエンジン50の回転数Nを入力する。そして、E/G_ECU67は、ステップE21にて、前記入力したエンジン50の回転数Nが所定の回転数Ne未満であるか否かを判定する。ここで、所定の回転数Neは、エンジン50がクランキング状態から完爆状態へ移行したか否かを判断するために予め設定された回転数である。E/G_ECU67は、クランクポジションセンサ64から入力したエンジン50の回転数Nが所定の回転数Ne以上であれば、「No」と判定してステップE13に進み、プログラムの実行を終了する。この場合には、エンジン50が完爆状態、言い換えれば、スタータ51によるクランキングによって正常に始動している状態であるため、VGRS_ECU66によってロック機構30が再度ロック状態に切り替えられる必要がない。
また、E/G_ECU67は、クランクポジションセンサ64から入力したエンジン50の回転数Nが所定の回転数Ne未満であれば、「Yes」と判定して、ステップE22に進む。ステップE22においては、E/G_ECU67は、クランキング信号Crを延長して出力する。具体的に説明すると、E/G_ECU67は、前記ステップE21の判定処理に基づき、現在エンジン50がクランキング状態から完爆状態に移行していないと判断する。
このように、エンジン50の始動に失敗した場合には、前記ステップE12にて出力されたクランキング信号Crに基づき、VGRS_ECU66によってアンロック状態に切り替えられたロック機構30を再びロック状態に切り替える必要がある。そこで、E/G_ECU67は、VGRS_ECU66がロック機構30をロック状態に切り替えるときに発生する作動音をエンジン50のクランキング音に紛れさせるために、スタータ51によるクランキング時間を延長する。すなわち、E/G_ECU67は、前記ステップE12にて出力したクランキング信号Crに加えて、さらにクランキング信号Crをスタータ51に出力する。これにより、スタータ51は、通常のクランキング時間に比して長くエンジン50をクランキングさせる。
前記ステップE22の処理後、E/G_ECU67は、ステップE23にて、エンジン50がスタータ51によるクランキングによって正常に始動していないことを表すスタート失敗信号IfailをVGRS_ECU66に出力する。そして、E/G_ECU67は、ステップE13に進み、プログラムの実行を終了する。
一方、VGRS_ECU66においても、上記第1実施形態と同様に、ロック機構制御プログラムの実行をステップV10にて開始し、ステップV11にて、E/G_ECU67からクランキング信号Crを入力したか否かを判定する。そして、VGRS_ECU66は、クランキング信号Crを入力していれば、ステップV12にて、ロック機構30をアンロック状態に切り替える。これにより、操舵入力軸12と転舵出力軸13とは、相対回転可能な状態とされる。
前記ステップV12の切り替え処理後、VGRS_ECU66は、ステップV20にて、E/G_ECU67からスタート失敗信号Ifailを入力したか否かを判定する。すなわち、VGRS_ECU66は、E/G_ECU67からスタート失敗信号Ifailを入力していなければ、「No」と判定して、ステップV13に進む。このように、スタート失敗信号Ifailを入力していない場合では、エンジン50が正常にクランキング状態から完爆状態へ移行している。このため、VGRS_ECU66は、上記第1実施形態と同様に、ステップV13にて、ストップ信号Istopを入力したか否かを判定する。そして、VGRS_ECU66は、ストップ信号Istopを入力していなければ「No」と判定し、ストップ信号Istopを入力するまで、繰り返しステップV13を実行する。。
また、ストップ信号Istopを入力していれば、「Yes」と判定してステップV14に進み、上記第1実施形態と同様に、エンジン50の停止に伴う振動が発生している最中にロック機構30をロック状態に切り替える。これにより、ロック機構30のロック状態への切り替えに起因する作動音がエンジン50の振動音に紛れることにより、運転者は、前記作動音を知覚しにくくなる。そして、VGRS_ECU66は、ロック機構30をロック状態に切り替えると、ステップV15に進み、プログラムの実行を終了する。
一方、VGRS_ECU66は、前記ステップV20にて、スタート失敗信号Ifailを入力していれば、「Yes」と判定してステップV14に進み、ロック機構30をロック状態に切り替える。このように、スタート失敗信号Ifailを入力した後において、ロック機構30をロック状態に切り替える場合には、エンジン50が延長されたクランキング状態にあるときに行われる。すなわち、上述したように、エンジン50がクランキング状態から完爆状態へ正常に移行しない場合には、E/G_ECU67は、スタータ51に対して、クランキングを延長するように指示する。これにより、エンジン50の始動に失敗した場合には、通常に比して長くクランキング状態が継続され、この延長されたクランキング状態に伴うクランキング音が車室内に侵入している。また、ロック機構30のロック状態への切り替え時間は極めて短いため、エンジン50が延長されたクランキング状態にあるときに、ロック状態への切り替えは完了する。
したがって、このロック状態への切り替えにおいても、同切り替えに起因する作動音がエンジン50のクランキング音に紛れることにより、運転者は、前記作動音を知覚しにくくなる。そして、VGRS_ECU66は、ロック機構30をロック状態に切り替えると、ステップV15に進み、プログラムの実行を終了する。
以上の説明からも理解できるように、この第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果が期待できることに加えて、スタータ51によってクランキングされたエンジン50が始動に失敗したときであっても、ロック機構30の作動音を運転者が知覚しにくくすることができる。したがって、この第2実施形態においては、より車両の商品性を高めることができる。
c.第3実施形態
上記第1実施形態においては、エンジン50の始動時におけるクランキング音にロック機構30の作動音を紛れさせるように実施した。このように、ロック機構30の作動音を車室内に侵入する他の音に紛らわせることに関しては、エンジン50のクランキング音以外に、エンジン50が完爆状態時に発生するエンジン作動音であってもよい。以下、エンジン50が完爆状態にあるときに、ロック機構30をアンロック状態に切り替える第3実施形態について以下に詳細に説明する。なお、この第3実施形態の説明に当たり、上記第1実施形態と同一部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第3実施形態におけるエンジン始動制御プログラムおよびロック機構制御プログラムは、上記第1実施形態における図3および図4にそれぞれ示すプログラムに対して、図8および図9に示すように変形されている。すなわち、第3実施形態に係るエンジン始動制御プログラムは、図8に示すように、上記第1実施形態におけるエンジン始動制御プログラムのステップE12が省略されるとともに、ステップE30からステップE35が追加されている。また、第3実施形態に係るロック機構制御プログラムは、図9に示すように、上記第1実施形態におけるロック機構制御プログラムのステップV11が省略されるとともに、ステップV30およびステップV31が追加されている。
まず、第3実施形態に係るエンジン始動制御プログラムについて説明する。E/G_ECU67は、上述した第1実施形態と同様に、ステップE10にてプログラムの実行を開始し、ステップE11にてスタート信号Istartを入力したか否かを判定する。そして、E/G_ECU67は、スタート信号Istartを入力していれば、ステップE30にて、スタータ51に対して、クランキング信号Crを出力する。これにより、スタータ51は、エンジン50をクランキングさせる。
前記ステップE30のクランキング信号Cr出力処理後、E/G_ECU67は、ステップE31にて、クランクポジションセンサ64から出力されたエンジン作動信号Isを入力する。このエンジン作動信号Isは、エンジン50がスタータ51によるクランキング状態から着火による完爆状態へ正常に移行したことを表す信号である。このエンジン作動信号Isを出力するに当たり、クランクポジションセンサ64は、エンジン50のクランクシャフトが連続的にかつ所定の回転数以上で回転している状態であるか否かを判定し、同状態であると判定すると、エンジン作動信号IsをE/G_ECU67に対して出力する。E/G_ECU67においては、クランクポジションセンサ64からエンジン作動信号Isを入力すると、ステップE32に進む。
ステップE32においては、E/G_ECU67は、エンジン50が正常に完爆状態へ移行したことを表すエンジン完爆信号EsをVGRS_ECU66に対して出力する。そして、E/G_ECU67は、前記ステップE32の信号出力処理後、ステップE33に進み、クランクポジションセンサ64からエンジン50の回転数Nを入力する。次に、E/G_ECU67は、ステップE34において、前記ステップE33にて入力したエンジン50の回転数Nに基づき、アイドリング状態へ移行する直前における吹き上がりによるエンジン50の回転数Nが最大になったか否かを判定する。以下、この判定処理について詳細に説明する。
エンジン50は、クランキング状態から完爆状態へ移行した直後における吹き上がりによって、通常作動状態における回転数に比して、一時的に回転数が高い状態(以下、この高い回転数を初期回転数という)となる。この初期回転数は、始動時におけるエンジン50の状態の差異に応じて異なる。例えば、エンジン50の水温が低いときには初期回転数は比較的高くなり、エンジン50の水温が高いときには初期回転数は比較的低くなる。このように、エンジン50の初期回転数は、エンジン50の状態に応じて変化するため、E/G_ECU67は、前記ステップE33にて入力した回転数Nを、例えば、プログラムの実行時間間隔ごとに確認し、初期回転数が最大となったか否かを判定する。
すなわち、E/G_ECU67は、あるプログラム実行時間t1のときに入力したエンジン50の回転数N1と、次回のプログラム実行時間t2のときに入力したエンジン50の回転数N2とを比較する。そして、入力した回転数N1と回転数N2との関係がN1<N2となっていれば、E/G_ECU67は、エンジン50の初期回転数が未だ上昇中であるため「No」と判定する。これにより、E/G_ECU67は、再び前記ステップE33を実行して、このプログラム実行時間t3におけるエンジン50の回転数N3を入力する。また、E/G_ECU67は、再びステップE34を実行して、前回入力した回転数N2と、今回入力した回転数N3とを比較する。そして、E/G_ECU67は、繰り返しステップE33とステップE34を実行し、前回入力したエンジン50の回転数Nbと今回入力したエンジン50の回転数Naとの関係がNa<Nbとなれば、「Yes」と判定してステップE35に進む。これは、前回入力したエンジン50の回転数Nbと今回入力したエンジン50の回転数Naとの関係がNa<Nbとなる状況では、エンジン50の初期回転数が回転数Nbを入力した時点で最大となっているためである。このように、エンジン50が最大の初期回転数付近で作動している状態では、この作動に伴う作動音が車室内に比較的大きな音として進入する。
ステップE35においては、E/G_ECU67は、エンジン50の初期回転数が最大となったことを表す最高回転数信号NmaxをVGRS_ECU66に出力する。そして、E/G_ECU67は、ステップE13にて、プログラムの実行を終了する。
一方、VGRS_ECU66においても、上記第1実施形態と同様に、ロック機構制御プログラムの実行をステップV10にて開始する。そして、VGRS_ECU66は、続くステップV30にて、E/G_ECU67からエンジン完爆信号Esを入力したか否かを判定する。すなわち、VGRS_ECU66は、E/G_ECU67からエンジン完爆信号Esを入力していなければ、「No」と判定して、エンジン完爆信号Esを入力するまで、繰り返しステップV30を実行する。そして、VGRS_ECU66は、E/G_ECU67からエンジン完爆信号Esを入力すると、「Yes」と判定して、ステップV31に進む。
ステップV31においては、VGRS_ECU66は、E/G_ECU67から最高回転数信号Nmaxを入力したか否かを判定する。すなわち、VGRS_ECU66は、E/G_ECU67から最高回転数信号Nmaxを入力していなければ、「No」と判定して、最高回転数信号Nmaxを入力するまで、繰り返しステップV31を実行する。そして、VGRS_ECU66は、E/G_ECU67から最高回転数信号Nmaxを入力すると、「Yes」と判定して、ステップV12に進む。
ステップV12においては、上記第1実施形態と同様に、VGRS_ECU66は、ロック機構30をアンロック状態に切り替える。これにより、操舵入力軸12と転舵出力軸13とは、相対回転可能な状態とされる。ここで、この第3実施形態におけるロック機構30のアンロック状態への切り替えは、エンジン50の初期回転数が最大となった直後に行われる。上述したように、エンジン50が最大の初期回転数付近で作動している状態では、比較的大きなエンジン50の作動音が車室内に侵入している。このため、エンジン50が最大の初期回転数付近で作動しているときに、ロック機構30をアンロック状態に切り替えることにより、ロック機構30の作動音はエンジン50の作動音に紛れる。したがって、運転者は、ロック機構30の作動音を知覚しにくくなる。
そして、VGRS_ECU66は、上記第1実施形態と同様に、ステップV13にて、ストップ信号Istopを入力するまで「No」と判定して、繰り返しステップV13を実行する。一方、VGRS_ECU66は、ステップV13にてストップ信号Istopを入力していれば、「Yes」と判定して、ステップV14に進む。ステップV14においては、VGRS_ECU66は、ロック機構30をロック状態に切り替える。したがって、操舵入力軸12と転舵出力軸13とは、相対回転不能な状態とされる。そして、VGRS_ECU66は、ステップV15にて、プログラムの実行を終了する。
以上の説明からも理解できるように、この第3実施形態によれば、エンジン50の始動直後、詳しくは、クランキング状態から完爆状態へ移行した直後において、エンジン50が高い初期回転数で作動しているときに、ロック機構30をアンロック状態に切り替える。これにより、エンジン50の作動音にロック機構30の作動音を紛れさせることができて、ロック機構30の作動音を運転者が知覚しにくくすることができる。したがって、この第3実施形態においても、車両の商品性を高めることができる。
また、本発明の実施に当たっては、上記第1ないし第3実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。以下、本発明の変形例を説明する。
上記第1ないし第3実施形態においては、車両の走行に必要な機器としてのエンジン50のクランキング音、振動音または最大の初期回転数で作動するときの作動音すなわち機器の作動開始に伴って車室内に侵入する音に、ロック機構30の切り替えに伴う作動音を紛れさせて、運転者がロック機構30の作動音を知覚しにくく実施した。これに対し、車両の運転を開始するために必要な機器であって作動に伴って音を発生する機器の作動音にロック機構30の切り替えに伴う作動音を紛れさせて実施することも可能である。
例えば、運転者の降車時に操舵ハンドル11を自動的に退避させるとともに運転者の乗車時に操舵ハンドル11を予め設定された位置に自動的に移動させるオートテレスコピック、オートチルト機構を備えた車両では、この機構の作動に合わせてロック機構30を作動させることができる。具体的に説明すると、オートテレスコピック、オートチルト機構は、例えば、イグニッションスイッチ61の回動操作位置が”OFF”位置から”ACC”位置に設定されることにより作動を開始する。すなわち、オートテレスコピック、オートチルト機構は、イグニッションスイッチ61が”ACC”位置に設定されると、複数の電動モータを駆動させて操舵ハンドル11を予め設定された位置まで移動させる。
一方、例えば、上記第1実施形態におけるロック機構制御プログラムにおいては、イグニッションスイッチ61が”ACC”位置に設定されることにより、その実行を開始する。そして、上記第1実施形態にて説明したステップV11のクランキング信号Crの入力に代えて、オートテレスコピック、オートチルト機構から出力される作動開始信号を入力し、同信号の入力に基づき、ステップV12以降の各ステップを実行する。これにより、オートテレスコピック、オートチルト機構の作動音にロック機構30の作動音を紛れさせることができて、ロック機構30の作動音を運転者が知覚しにくくすることができる。したがって、車両の商品性を高めることができる。
また、この場合には、オートテレスコピック、オートチルト機構の作動音に代えて、または、加えて、例えば、運転者のシートポジションを電動モータの駆動により調整するシート調整機構の作動音にロック機構30の作動音を紛れさせることもできる。すなわち、VGRS_ECU66は、上記第1実施形態にて説明したステップV11のクランキング信号Crの入力に代えて、シート調整機構から出力される作動開始信号を入力し、同信号に基づき、ステップV12以降の各ステップを実行する。これによっても、運転者がロック機構30の作動音を知覚しにくくすることができて、車両の商品性を高めることができる。
また、上記第1ないし第3実施形態においては、イグニッションスイッチ61からスタート信号Istartが出力されたときに、エンジン50のスタータ51を作動させるように実施した。そして、クランキング音などにロック機構30の切り替えに伴う作動音を紛れさせるように実施した。ところで、エンジンと走行用の駆動モータを備えたハイブリッド車両は、車両走行開始時においてエンジンが始動しないようになっている。このため、ハイブリッド車両においては、運転者によるスタートスイッチボタン(イグニッションスイッチ61に相当)の操作時に車室内にスピーカから流れる音声、例えば、「始動しました」や「準備完了」などに合わせて、ロック機構30をアンロック状態にするとよい。これにより、車室内に流れる音声にロック機構30の作動音を紛れさせることができて、運転者がロック機構30の作動音を知覚しにくくすることができる。したがって、車両の商品性を高めることができる。
また、上記第1ないし第3実施形態においては、キーを挿入して回動操作するイグニッションスイッチ61を採用して実施した。これに代えて、例えば、スタートスイッチボタンを採用して実施することもできる。この場合には、例えば、運転者が所持するスマートキーが発信する電波によって上記第1ないし第3実施形態のエンジン始動制御プログラムおよびロック機構制御プログラムが実行を開始し(すなわち、上記各実施形態におけるイグニッションスイッチ61が”ACC”位置に設定されたことに対応)、スタートスイッチボタンが操作されたときにスタート信号Istartを出力する構成とされる。また、再び、スタートスイッチボタンが操作されたときにストップ信号Istopを出力する構成とされる。これにより、エンジン50のクランキング音や作動音にロック機構30の作動音を紛れさせることができて、運転者がロック機構30の作動音を知覚しにくくすることができる。したがって、車両の商品性を高めることができる。
さらに、上記第1ないし第3実施形態においては、スピーカから車室内に流れる各種案内音声(例えば、ナビゲーション装置の初期案内音声)や各種警報音(例えば、ライト消し忘れを知らせる警報音)などにロック機構30の作動音を紛れさせることもできる。この場合には、VGRS_ECU66は、各種案内音声や各種警報音の出力開始を表す信号を入力したときに、ロック機構30をアンロック状態またはロック状態に切り替える。これにより、これにより、各種案内音声や各種警報音にロック機構30の作動音を紛れさせることができて、運転者がロック機構30の作動音を知覚しにくくすることができる。したがって、車両の商品性を高めることができる。
本発明の第1ないし第3実施形態に係る共通の車両の操舵装置の概略図である。 ロック機構の構造を説明するための概略図である。 第1実施形態に係り、図1のE/G_ECUによって実行されるエンジン始動制御プログラムを示すフローチャートである。 第1実施形態に係り、図1のVGRS_ECUによって実行されるロック機構制御プログラムを示すフローチャートである。 車速と伝達比の関係を示すグラフである。 第2実施形態に係り、図1のE/G_ECUによって実行されるエンジン始動制御プログラムを示すフローチャートである。 第2実施形態に係り、図1のVGRS_ECUによって実行されるロック機構制御プログラムを示すフローチャートである。 第3実施形態に係り、図1のE/G_ECUによって実行されるエンジン始動制御プログラムを示すフローチャートである。 第3実施形態に係り、図1のVGRS_ECUによって実行されるロック機構制御プログラムを示すフローチャートである。
符号の説明
FW1,FW2…前輪、11…操舵ハンドル、12…操舵入力軸、13…転舵出力軸、20…可変ギア比アクチュエータ、21…電動モータ、21a…駆動シャフト、22…減速機、30…ロック機構、31…ロックホルダ、32…ロックアーム、33…ソレノイド、40…転舵ギアユニット、41…ピニオンギア、42…ラックバー、43…アシストモータ、50…エンジン、51…スタータ、60…電気制御装置、61…イグニッションスイッチ、62…操舵角センサ、63…操舵トルクセンサ、64…クランクポジションセンサ、65…車速センサ、66…VGRS_ECU、67…E/G_ECU

Claims (11)

  1. 操舵ハンドル側に連結される操舵入力軸と、転舵輪側に連結される転舵出力軸と、前記操舵入力軸の回転に対する前記転舵出力軸の回転の伝達比を変更する伝達比可変装置と、同伝達比可変手段に組み付けられて前記操舵入力軸と転舵出力軸との相対的な回転を禁止するロック状態または相対的な回転を許容するアンロック状態に切り替え可能なロック機構と、同ロック機構のロック状態またはアンロック状態の切り替えを制御するロック機構制御装置とを備えた車両の操舵装置において、前記ロック機構制御装置を、
    車両の乗員によって操作されて、車両の走行開始または運転開始に必要な機器の作動開始または作動停止を指示するための操作手段と、
    前記車両の走行開始または運転開始に必要な機器のうち、車室内で知覚できる作動音を発生する機器が前記操作手段の操作に基づき作動状態にあるときに、前記ロック機構をロック状態からアンロック状態に切り替える切り替え手段とから構成したことを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
    前記車両の走行開始または運転開始に必要な機器は、エンジンであって、
    前記切り替え手段は、前記エンジンが前記操作手段の操作に基づきクランクシャフトを回転させるクランキング状態にあるときに、前記ロック機構をロック状態からアンロック状態に切り替えることを特徴とする車両の操舵装置。
  3. 請求項2に記載した車両の操舵装置において、前記ロック機構制御装置は、さらに、
    前記エンジンの回転数を検出する回転数検出手段と、
    前記回転数検出手段によって検出された回転数に基づき、前記エンジンの回転数が作動開始後の吹き上がり状態における最大の回転数に到達したか否かを判定する判定手段とを備え、
    前記切り替え手段は、前記判定手段によって前記エンジンが吹き上がり状態における最大の回転数に到達したと判定されたときに、前記ロック機構をロック状態からアンロック状態に切り替えることを特徴とする車両の操舵装置。
  4. 請求項2に記載した車両の操舵装置において、前記ロック機構制御装置は、さらに、
    前記操作手段の操作に基づき、前記エンジンが前記クランキング状態から着火により完全に作動を開始した状態へ移行したか否かを判定する作動状態判定手段を備え、
    前記作動状態判定手段によって前記エンジンが完全に作動を開始した状態へ移行していないと判定されたときに、前記切り替え手段は、前記操作手段の作動停止操作に合わせて前記ロック機構をアンロック状態からロック状態に切り替えることを特徴とする車両の操舵装置。
  5. 請求項4に記載した車両の操舵装置において、前記ロック機構制御装置は、さらに、
    前記作動状態判定手段によって前記エンジンが完全に作動を開始した状態へ移行していないと判定されたときに、前記エンジンのクランキング状態を継続させるクランキング状態継続手段を備え、
    前記切り替え手段は、前記クランキング状態継続手段によって前記エンジンのクランキング状態が継続しているときに、前記ロック機構をアンロック状態からロック状態に切り替えることを特徴とする車両の操舵装置。
  6. 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
    前記車両の走行開始または運転開始に必要な機器は、車両の乗員の乗車姿勢を調整するための調整機器であって、
    前記切り替え手段は、前記調整機器が車両の乗員による前記操作手段の操作に基づき調整動作状態であるときに、前記ロック機構をロック状態からアンロック状態またはアンロック状態からロック状態に切り替えることを特徴とする車両の操舵装置。
  7. 前記調整機器は、車両の乗員の降車時にて前記操舵ハンドルを自動的に退避させるとともに、車両の乗員の乗車時にて前記操作手段の操作によって前記操舵ハンドルを予め設定した位置まで自動的に移動させる自動操舵ハンドル位置調整装置である請求項6に記載した車両の操舵装置。
  8. 前記調整機器は、車両の乗員が着座するシートを予め設定した着座姿勢に自動的に調整する自動着座姿勢調整装置である請求項6に記載した車両の操舵装置。
  9. 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
    前記車両の走行開始または運転開始に必要な機器は、車両の乗員に対して各種音声案内または警報を報知するスピーカであって、
    前記切り替え手段は、前記スピーカが車両の乗員による前記操作手段の操作に基づき音声出力状態であるときに、前記ロック機構をロック状態からアンロック状態またはアンロック状態からロック状態に切り替えることを特徴とする車両の操舵装置。
  10. 前記車両は、少なくとも電気によって駆動される駆動モータの駆動力によって走行可能な車両である請求項9に記載した車両の操舵装置。
  11. 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
    前記操作手段は、
    車両のイグニッションスイッチであって、キーシリンダに挿入したキーによって回動操作されるイグニッションスイッチまたは車両の乗員によって押下操作されるイグニッションスイッチのいずれか一方である車両の操舵装置。
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