JP2004358750A - 校正用インクジェット記録用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷校正に適し、インク吸収性に優れたインクジェット記録用シートの提供。
【解決手段】この課題は、持体表面上に少なくとも1層以上のインク受理層および最上層の光沢発現層を有する校正用インクジェット記録用シートにおいて、その表層がJIS Z 8722で規定される測定方法に従い、JIS Z 8729で規定される明度指数(L*)が90≦L*≦100の範囲であり、CIE白色度式W=2.41L*−4.45b*[1−0.0090(L*−96)]−141.4で示される白色度Wが75≦W≦80及び、かつTw=−1.58a*−0.38b*で示される色味指数Twが−2.0≦Tw≦−0.2でありかつその表層の75度鏡面光沢度の値が、30%〜60%の範囲にあることによって解決される。
【選択図】 なし
【解決手段】この課題は、持体表面上に少なくとも1層以上のインク受理層および最上層の光沢発現層を有する校正用インクジェット記録用シートにおいて、その表層がJIS Z 8722で規定される測定方法に従い、JIS Z 8729で規定される明度指数(L*)が90≦L*≦100の範囲であり、CIE白色度式W=2.41L*−4.45b*[1−0.0090(L*−96)]−141.4で示される白色度Wが75≦W≦80及び、かつTw=−1.58a*−0.38b*で示される色味指数Twが−2.0≦Tw≦−0.2でありかつその表層の75度鏡面光沢度の値が、30%〜60%の範囲にあることによって解決される。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録方式を利用した、印刷校正用に使用されるインクジェット記録用シートに関する。更に詳しくは、校正対象となる印刷用紙に質感を類似させた、印刷校正用に適したインクジェット記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンターやプロッターの進歩により、フルカラーでしかも高精細な画像が容易に得られるようになってきた。
【0003】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録用紙に付着させ、画像・文字等の記録を行うものである。インクジェットプリンターやプロッターはコンピューターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途に於いて近年急速に普及している。特に多色インクジェット方式により形成されるカラー画像は製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較しても遜色のない記録を得ることが可能であり、更に作成部数が少ない用途に於いては、印刷技術や写真技術によるよりも安価ですむことから広く応用されつつある。
【0004】
近年、インクジェット記録方式を利用した記録用紙を使用して、印刷物の仕上がりを事前に確認する為に印刷校正用として利用されることも多くなってきた。最近のプリンターでは印刷校正用専用機とした製品も市場に出てきており、それに対応した記録用紙の商品化が望まれていた。ここで印刷校正用として使用されるインクジェット記録用シートは、印刷用紙の色や質感を忠実に再現することが最も重要である。
【0005】
インクジェット用紙は、インク吸収性、色彩再現性などを要求され、使用する顔料や接着剤及び各種添加剤に工夫がなされている。顔料としては吸収性を得るために多孔性の合成顔料を使用することが多く、しかもインクジェット画像の色彩性を鮮明にするために、青味によりその色合いを調整し、青白いものとなる。一方、一般に印刷に用いられる印刷用紙の色合いに対し、知覚色度指数を規定したものがあるが、校正用紙としては適当な白さの範囲とはいえず、目的とする校正用インクジェット記録用シートとはかけ離れたものとなる場合がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、インクジェット記録用シートは、記録画像の色彩性を更に鮮明にするため、蛍光増白剤が使用されている。蛍光増白剤は、紫外領域の波長の光を青紫色の波長の光に変えて反射することで見た目の白さを向上させるが、一方、光照射により増白効果が低減することも知られている。
【0007】
前述したように蛍光増白剤は、紫外領域の波長の光を可視領域の青紫色の波長の光に変えて反射することで、見た目の白さを向上させている。そのため光源の違い、つまり光源に含まれる紫外領域波長の強度により色相が変動する。特にインクジェット記録用シートのように蛍光増白剤が使用されていると、光源の違いにより見た目の色相が大きく異なる場合がある。また、2種類以上の着色剤と1種以上の蛍光増白剤を使用しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
上述の如く、既存のインクジェット記録用シートは、印刷校正用として利用するには、対象とする印刷用紙と該記録用紙の明度、色度が大きく異なり問題となっている。また、印刷用紙との光沢感や質感の違いが大きな問題となり、印刷校正用として利用した場合には印刷仕上がりを再現するものではなかった。
【0009】
従って、既存のインクジェット記録用シートをそのまま印刷校正用に利用すると印刷用紙との色相の違いが大きく印刷校正用としては適さない。
【0010】
【特許文献1】特開2001−277702号公報(第2−2頁)
【特許文献2】特開2001−205923号公報(第2−2頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は、印刷校正に適し、インク吸収性に優れたインクジェット記録用シートを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、インクジェット記録用シートと印刷用紙との物性について鋭意検討した結果、支持体表面上に少なくとも1層以上のインク受理層および最上層の光沢発現層を有するインクジェット記録用シートにおいて、その表層がJISZ 8722で規定される測定方法に従い、JIS Z 8729で規定される明度指数(L*)が90≦L*≦100の範囲であり、CIE白色度式W=2.41L*−4.45b*[1−0.0090(L*−96)]−141.4で示される白色度Wが75≦W≦80及び、かつTw=−1.58a*−0.38b*で示される色味指数Twが−2.0≦Tw≦−0.2であり、かつその表層の75度鏡面光沢度の値が30%〜60%の範囲にあることにより印刷校正用に適したインクジェット記録用シートを作製出来ることを見出した。
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録用シートを詳細に説明する。
【0013】
本発明でいう明度指数(L*)、及び知覚色度指数(a*、b*)は、JIS Z 8722で規定される色の測定方法により測定したものであり、光源を標準の光D50を用いて行っている。
【0014】
本発明のインクジェット記録シートに於いて、インク受容層表面のL*、a*、b*の値が本発明の範囲内になるようにする(即ち対象印刷用紙表面のL*、a*、b*の各値は、請求項1記載の請求範囲内にあり、該請求範囲に該インク受容層表面のL*、a*、b*値を収める)ためには、インクジェット記録シートの支持体またはインク受容層の少なくとも一方に、各種着色剤を添加することで達成される。特にインク受容層中に着色剤を含有させた場合に、色の白色度、色味をコントロールし易く、本発明の効果が更に高くなる。
【0015】
また、本発明のインクジェット記録シートにおける着色剤としては、染料系着色剤および顔料系着色剤を使用することが可能であるが、記録シートの色調は保存性の観点から顔料系着色剤を使用することが特に好ましい。
【0016】
添加される着色剤としては、例えば、チタンブラック、カーボンブラック、鉄黒、アイボリーブラック、ピーチブラック、ランプブラック、アニリン黒が挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でもカーボンブラックが好ましい。
【0017】
本発明の校正用インクジェット記録用シートは、その表面がJIS Z 8722で規定される測定方法に従い、JIS Z 8729で規定される明度指数(L*)が90≦L*≦100の範囲であり、CIE白色度式W=2.41L*−4.45b*[1−0.0090(L*−96)]−141.4で示される白色度Wが75≦W≦80及び、かつTw=−1.58a*−0.38b*で示される色味指数Twが−2.0≦Tw≦−0.2であり、かつその表層の75度鏡面光沢度の値が、30%〜60%の範囲にある条件を満たすことを特徴とする校正用インクジェット記録シートであり、また、JIS P 8148特定Bで規定される方法において測定された白色度と同方法で紫外光除去フィルターを使用して測定した白色度の差で示される蛍光強度が3以下であることが好ましい。明度指数(L*)を90≦L*≦100と規定したのは、通常の印刷用紙が90≦L*≦100の範囲であり、L*が<90では用紙の明度が低いため校正用紙としては不適である。CIE白色度を75≦W≦80と規定したのは、通常の用紙が75≦W≦80の範囲にあり、CIE白色度WがW<75では印刷用紙に比べ白色度が低いため校正用紙としては不適であり、そして80<Wでは印刷用紙に比べ白色度が高いために校正用紙として不適であることになる。色味指数Twを−2.0≦Tw≦−0.2と規定したのは、通常の印刷用紙が−2.0≦Tw≦−0.2であり、Tw<−2.0および−0.2<Twでは色味が印刷用紙と違ったものとなり、印刷物と違う風合いになり、校正する目的を満足しなくなる。ここで云う蛍光強度とは、JIS P 8148に規定される白色度を、紫外光除去フィルター有無の条件で測定し、通常条件(紫外光あり)で測定した白色度から紫外光除去フィルター使用条件で(紫外光なし)で測定した白色度を減じた数値を指す。ここで、紫外光除去フィルターとは、波長390nm以下の光を任意の割合でカットするものである。蛍光増白剤等の蛍光物質は、紫外領域の波長の光を可視光に変化させる特性があることから、紫外光の有無で測定することにより、蛍光増白剤に由来する白色度の変化、即ち蛍光強度として捉えることが可能となる。
【0018】
前述したように、蛍光増白剤は紫外領域の波長の光を可視光に変化させるため、照射される光源により色相が変動する。特に蛍光増白剤を多量に使用するインクジェット記録用シートでは、照明光源が変わることでその色相が大きく変動する場合が多い。照明光源による色相変動が大きいと、その仕上がりを確認する場所の光源によっては、校正対象用紙と色相が大きく異なり、またインクジェット記録を行った色彩についての変動も起こりやすくなり蛍光強度が3以上になると正確な校正が困難となる。
【0019】
本発明において、インク受理層の塗工量(絶乾:以下特に明示しない限り、絶乾塗工量を示す)は特に限定されるものではないが、あまり少ないとノンコートタイプのインクジェット記録用シートと同様にインク吸収性は良いものの、画像濃度・色彩性・鮮明性が低く、インクが原紙の面方向に拡散して、鳥の羽状にギザギザしたフェザリングと呼ばれるドット形状の悪化が発生し、良好な品質の画像が得られない。また、あまり塗工量が多いと、塗工又は含浸後の乾燥工程における乾燥負荷が高まり、塗工又は含浸速度の低下に伴う生産性の低下ばかりではなく、高負荷での乾燥では、インク受理層を構成する塗被組成物中のバインダーが、蒸発する溶媒と共にインク受理層表面に移動して、その表面の空隙量を低下させるために、記録時に地汚れなどの発生がある。該塗工量の範囲は10〜30g/m2、より好ましくは12〜24g/m2である。
【0020】
塗工量の多いインク受理層で生じる問題としては、要求される品質に合わせて、インク受理層を複数に分けて設けることも可能であり、1層当たりのインク受理層の塗工量は塗被組成物の濃度や乾燥工程の能力に影響されるが、望ましくは、1〜20g/m2さらに好ましくは6〜15g/m2である。
【0021】
本発明のインクジェット記録シートは、インク受理層上に光沢発現層を塗工する。該光沢発現層の塗工量の範囲は6〜20g/m2より好ましくは8〜15g/m2である。該光沢発現層を乾燥した時点で、既に光沢を有するが、更にスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、TGカレンダー等のカレンダー処理により高い光沢を付与することが可能であり、該処理も高線圧・高温での条件は必要なく、インク吸収性を悪化させるほど塗層中の空隙を低下させることはないため、本発明の目的に合致したインクジェット記録シートを得ることができる。
【0022】
本発明のインク受理層に含有される多孔質顔料とは、一般にインクを吸収できるものであれば限定するものではない。よりきれいな印字を得るためには、上層よりインク吸収速度が高いことが望ましい。従って、インク受理層は顔料含有の層構成が好ましい。その顔料としては、例えば、無定形シリカ、カオリン、クレー、焼成クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等、一般塗被紙分野で公知公用の各種顔料が挙げられる。
【0023】
本発明に係る光沢発現層に含有される多孔質顔料とは、コロイダルシリカ、ベーマイト、擬ベーマイト等のアルミナゾルやコロイダルアルミナ等の水中に懸濁分散してコロイド状になっているコロイド粒子が良く、更に好ましくは有機カチオン処理されたコロイダルシリカが好ましい。
【0024】
本発明に用いるインク受理層並びに光沢発現層は上述の多孔質顔料とバインダーにより構成される。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、アクリル系ポリマーまたはコポリマー、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニルポリマー、スチレンとアクリル系モノマーとのコポリマー、ポリスチレン、ラテックス等の一般に塗被紙に使用できるバインダーであれば特に限定するものではない。なかでも、ポリビニルアルコールが好ましい。
【0025】
更に、インク受理層並びに光沢発現層には添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を含むことも可能である。
【0026】
特に、水性インクの染料分である水溶性直接染料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基などと不溶な塩を形成する2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩からなるカチオン性染料定着剤を配合すると、インク受容層にて染料が捕獲されるために、色彩性の向上や不溶な塩の形成により水の滴下や湿度によるインクの流れ出しや滲み出しを抑制するので好ましい。
【0027】
本発明に於ける、インク受理層並びに光沢発現層を設ける方法としては、オンマシンコーター、オフマシンコーターのいずれの方法でも良い。例えば、従来公知のエアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、などの各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いることが出来る。
【0028】
本発明に使用される支持体としては、LBKP(広葉樹漂白クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹漂白クラフトパルプ)などの化学パルプ、GP(グランドパルプ)、PGW(プレッシャーグランドウッド)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミカルサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミカルメカニカルパルプ)、CGP(ケミカルグランドパルプ)などの機械パルプ、DIP(脱墨パルプ)などの古紙パルプなどの木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコールなどのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙などの塗工紙も含まれる。このような原紙及び塗工紙にそのまま本発明に係る塗工層を設けても良いし、平滑化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を使用しても良い。
【0029】
また、該支持体の坪量としては、80g/m2〜210g/m2であることが好ましい。坪量が少ない場合には、インクジェット記録に使用される水性インクの溶媒分により印刷物がコックリングを起こし、坪量が多い場合には、印刷用紙と比較し、厚みが出てしまい質感が異なることになる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の内容はこれに限定するものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は特に明示しない限り重量部及び重量%を示す。
【0031】
<インク受容層塗工液組成>
インク受容層の塗被組成物は、合成非晶質シリカ(サイロジェットP−412:グレースデビソン社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)40部とし、混合調液した。
【0032】
<光沢発現層塗工液組成>
光沢発現層の塗被組成物は、有機カチオン処理されたコロイダルシリカ(Cab−O−Sperse PG022:キャボット社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)5部、カチオン性染料定着剤(パピオゲンP−105:センカ社製)5部とし、混合調液した。
【0033】
実施例1〜2及び比較例1〜3。
着色剤A:大日精化工業社製 TB−786 Black。
着色剤B:大日精化工業社製 TB−520 Blue。
着色剤C:日本化薬社製 カヤホールHKリキッド。
上記に示した着色剤を表1に示したようにインク受容層塗工液に混合して、坪量104.7g/m2の原紙表面に、インク受容層塗工液をエアーナイフコーターにより、片面塗工量20g/m2となるように塗工・乾燥し、更に光沢発現層塗工液をエアーナイフコーターにより、片面塗工量10g/m2となるように塗工・乾燥し、スーパーカレンダーにより線圧200kg/cmにてカレンダー処理を行い、実施例1〜2及び比較例1〜3のインクジェット記録用シートを作製した。
【0034】
1)「明度及び色度」
明度指数L*、知覚色度指数a*及びb*は、JIS Z 8722に準じて、グレタグマクベス社製分光光度計Best−Eyeを使用して、得られたインクジェット記録用シートを測定した。
【0035】
2)「CIE白色度及び色味指数」
明度指数L*、知覚色度指数a*及びb*を測定し、下記の式にて計算した。
CIE白色度W=2.41L*−4.45b*[1−0.0090(L*−96)]−141.4 、
CIE色味指数Tw=−1.58a*−0.38b*
【0036】
3)「光沢度」
75度光沢度は、JIS Z8142に準じて、村上カラーリサーチラボラトリー社製GM−26Dを使用して、支持体及び得られたインクジェット記録用シートを測定した。
【0037】
4)「見映え評価」
得られたインクジェット記録用シートに、エプソン社製インクジェットプロッター(PM−9000C)、BEST社製ソフトRIP(BESTPROOF)にてJIS X9201記載の標準画像N1(ポートレート)を印字し、印刷物としての見映えを総合的に評価した。尚、評価では、対象印刷用紙にオフセット印刷で印刷を施したものとの比較で評価した。感覚的違いが極めて少ないものを◎、感覚的にあまり違和感なく受け入られるものを○、やや違和感があるものを△、違いが極めて強く感じられたものを×として評価した。
【0038】
【表1】
【0039】
表1から実施例1〜2は印刷校正用インクジェット記録用シートとして、JIS Z 8722で規定される測定方法に従い、JIS Z 8729で規定される明度指数(L*)が90≦L*≦100の範囲であり、CIE白色度式W=2.41L*−4.45b*[1−0.0090(L*−96)]−141.4で示される白色度Wが75≦W≦80及び、かつTw=−1.58a*−0.38b*で示される色味指数Twが−2.0≦Tw≦−0.2であり、かつその表層の75度鏡面光沢度の値が、30%〜60%の範囲であり、且つ、蛍光強度が3以下であるため印刷校正用インクジェット記録用シートとして好ましい。比較例1〜5は上記条件から外れるもので、印刷校正用インクジェット記録用シートとしては不適である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明を実施することにより印刷校正用に適したインクジェット適性のあるインクジェット記録用シートを提供することが可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録方式を利用した、印刷校正用に使用されるインクジェット記録用シートに関する。更に詳しくは、校正対象となる印刷用紙に質感を類似させた、印刷校正用に適したインクジェット記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンターやプロッターの進歩により、フルカラーでしかも高精細な画像が容易に得られるようになってきた。
【0003】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録用紙に付着させ、画像・文字等の記録を行うものである。インクジェットプリンターやプロッターはコンピューターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途に於いて近年急速に普及している。特に多色インクジェット方式により形成されるカラー画像は製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較しても遜色のない記録を得ることが可能であり、更に作成部数が少ない用途に於いては、印刷技術や写真技術によるよりも安価ですむことから広く応用されつつある。
【0004】
近年、インクジェット記録方式を利用した記録用紙を使用して、印刷物の仕上がりを事前に確認する為に印刷校正用として利用されることも多くなってきた。最近のプリンターでは印刷校正用専用機とした製品も市場に出てきており、それに対応した記録用紙の商品化が望まれていた。ここで印刷校正用として使用されるインクジェット記録用シートは、印刷用紙の色や質感を忠実に再現することが最も重要である。
【0005】
インクジェット用紙は、インク吸収性、色彩再現性などを要求され、使用する顔料や接着剤及び各種添加剤に工夫がなされている。顔料としては吸収性を得るために多孔性の合成顔料を使用することが多く、しかもインクジェット画像の色彩性を鮮明にするために、青味によりその色合いを調整し、青白いものとなる。一方、一般に印刷に用いられる印刷用紙の色合いに対し、知覚色度指数を規定したものがあるが、校正用紙としては適当な白さの範囲とはいえず、目的とする校正用インクジェット記録用シートとはかけ離れたものとなる場合がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、インクジェット記録用シートは、記録画像の色彩性を更に鮮明にするため、蛍光増白剤が使用されている。蛍光増白剤は、紫外領域の波長の光を青紫色の波長の光に変えて反射することで見た目の白さを向上させるが、一方、光照射により増白効果が低減することも知られている。
【0007】
前述したように蛍光増白剤は、紫外領域の波長の光を可視領域の青紫色の波長の光に変えて反射することで、見た目の白さを向上させている。そのため光源の違い、つまり光源に含まれる紫外領域波長の強度により色相が変動する。特にインクジェット記録用シートのように蛍光増白剤が使用されていると、光源の違いにより見た目の色相が大きく異なる場合がある。また、2種類以上の着色剤と1種以上の蛍光増白剤を使用しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
上述の如く、既存のインクジェット記録用シートは、印刷校正用として利用するには、対象とする印刷用紙と該記録用紙の明度、色度が大きく異なり問題となっている。また、印刷用紙との光沢感や質感の違いが大きな問題となり、印刷校正用として利用した場合には印刷仕上がりを再現するものではなかった。
【0009】
従って、既存のインクジェット記録用シートをそのまま印刷校正用に利用すると印刷用紙との色相の違いが大きく印刷校正用としては適さない。
【0010】
【特許文献1】特開2001−277702号公報(第2−2頁)
【特許文献2】特開2001−205923号公報(第2−2頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の課題は、印刷校正に適し、インク吸収性に優れたインクジェット記録用シートを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、インクジェット記録用シートと印刷用紙との物性について鋭意検討した結果、支持体表面上に少なくとも1層以上のインク受理層および最上層の光沢発現層を有するインクジェット記録用シートにおいて、その表層がJISZ 8722で規定される測定方法に従い、JIS Z 8729で規定される明度指数(L*)が90≦L*≦100の範囲であり、CIE白色度式W=2.41L*−4.45b*[1−0.0090(L*−96)]−141.4で示される白色度Wが75≦W≦80及び、かつTw=−1.58a*−0.38b*で示される色味指数Twが−2.0≦Tw≦−0.2であり、かつその表層の75度鏡面光沢度の値が30%〜60%の範囲にあることにより印刷校正用に適したインクジェット記録用シートを作製出来ることを見出した。
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録用シートを詳細に説明する。
【0013】
本発明でいう明度指数(L*)、及び知覚色度指数(a*、b*)は、JIS Z 8722で規定される色の測定方法により測定したものであり、光源を標準の光D50を用いて行っている。
【0014】
本発明のインクジェット記録シートに於いて、インク受容層表面のL*、a*、b*の値が本発明の範囲内になるようにする(即ち対象印刷用紙表面のL*、a*、b*の各値は、請求項1記載の請求範囲内にあり、該請求範囲に該インク受容層表面のL*、a*、b*値を収める)ためには、インクジェット記録シートの支持体またはインク受容層の少なくとも一方に、各種着色剤を添加することで達成される。特にインク受容層中に着色剤を含有させた場合に、色の白色度、色味をコントロールし易く、本発明の効果が更に高くなる。
【0015】
また、本発明のインクジェット記録シートにおける着色剤としては、染料系着色剤および顔料系着色剤を使用することが可能であるが、記録シートの色調は保存性の観点から顔料系着色剤を使用することが特に好ましい。
【0016】
添加される着色剤としては、例えば、チタンブラック、カーボンブラック、鉄黒、アイボリーブラック、ピーチブラック、ランプブラック、アニリン黒が挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でもカーボンブラックが好ましい。
【0017】
本発明の校正用インクジェット記録用シートは、その表面がJIS Z 8722で規定される測定方法に従い、JIS Z 8729で規定される明度指数(L*)が90≦L*≦100の範囲であり、CIE白色度式W=2.41L*−4.45b*[1−0.0090(L*−96)]−141.4で示される白色度Wが75≦W≦80及び、かつTw=−1.58a*−0.38b*で示される色味指数Twが−2.0≦Tw≦−0.2であり、かつその表層の75度鏡面光沢度の値が、30%〜60%の範囲にある条件を満たすことを特徴とする校正用インクジェット記録シートであり、また、JIS P 8148特定Bで規定される方法において測定された白色度と同方法で紫外光除去フィルターを使用して測定した白色度の差で示される蛍光強度が3以下であることが好ましい。明度指数(L*)を90≦L*≦100と規定したのは、通常の印刷用紙が90≦L*≦100の範囲であり、L*が<90では用紙の明度が低いため校正用紙としては不適である。CIE白色度を75≦W≦80と規定したのは、通常の用紙が75≦W≦80の範囲にあり、CIE白色度WがW<75では印刷用紙に比べ白色度が低いため校正用紙としては不適であり、そして80<Wでは印刷用紙に比べ白色度が高いために校正用紙として不適であることになる。色味指数Twを−2.0≦Tw≦−0.2と規定したのは、通常の印刷用紙が−2.0≦Tw≦−0.2であり、Tw<−2.0および−0.2<Twでは色味が印刷用紙と違ったものとなり、印刷物と違う風合いになり、校正する目的を満足しなくなる。ここで云う蛍光強度とは、JIS P 8148に規定される白色度を、紫外光除去フィルター有無の条件で測定し、通常条件(紫外光あり)で測定した白色度から紫外光除去フィルター使用条件で(紫外光なし)で測定した白色度を減じた数値を指す。ここで、紫外光除去フィルターとは、波長390nm以下の光を任意の割合でカットするものである。蛍光増白剤等の蛍光物質は、紫外領域の波長の光を可視光に変化させる特性があることから、紫外光の有無で測定することにより、蛍光増白剤に由来する白色度の変化、即ち蛍光強度として捉えることが可能となる。
【0018】
前述したように、蛍光増白剤は紫外領域の波長の光を可視光に変化させるため、照射される光源により色相が変動する。特に蛍光増白剤を多量に使用するインクジェット記録用シートでは、照明光源が変わることでその色相が大きく変動する場合が多い。照明光源による色相変動が大きいと、その仕上がりを確認する場所の光源によっては、校正対象用紙と色相が大きく異なり、またインクジェット記録を行った色彩についての変動も起こりやすくなり蛍光強度が3以上になると正確な校正が困難となる。
【0019】
本発明において、インク受理層の塗工量(絶乾:以下特に明示しない限り、絶乾塗工量を示す)は特に限定されるものではないが、あまり少ないとノンコートタイプのインクジェット記録用シートと同様にインク吸収性は良いものの、画像濃度・色彩性・鮮明性が低く、インクが原紙の面方向に拡散して、鳥の羽状にギザギザしたフェザリングと呼ばれるドット形状の悪化が発生し、良好な品質の画像が得られない。また、あまり塗工量が多いと、塗工又は含浸後の乾燥工程における乾燥負荷が高まり、塗工又は含浸速度の低下に伴う生産性の低下ばかりではなく、高負荷での乾燥では、インク受理層を構成する塗被組成物中のバインダーが、蒸発する溶媒と共にインク受理層表面に移動して、その表面の空隙量を低下させるために、記録時に地汚れなどの発生がある。該塗工量の範囲は10〜30g/m2、より好ましくは12〜24g/m2である。
【0020】
塗工量の多いインク受理層で生じる問題としては、要求される品質に合わせて、インク受理層を複数に分けて設けることも可能であり、1層当たりのインク受理層の塗工量は塗被組成物の濃度や乾燥工程の能力に影響されるが、望ましくは、1〜20g/m2さらに好ましくは6〜15g/m2である。
【0021】
本発明のインクジェット記録シートは、インク受理層上に光沢発現層を塗工する。該光沢発現層の塗工量の範囲は6〜20g/m2より好ましくは8〜15g/m2である。該光沢発現層を乾燥した時点で、既に光沢を有するが、更にスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、TGカレンダー等のカレンダー処理により高い光沢を付与することが可能であり、該処理も高線圧・高温での条件は必要なく、インク吸収性を悪化させるほど塗層中の空隙を低下させることはないため、本発明の目的に合致したインクジェット記録シートを得ることができる。
【0022】
本発明のインク受理層に含有される多孔質顔料とは、一般にインクを吸収できるものであれば限定するものではない。よりきれいな印字を得るためには、上層よりインク吸収速度が高いことが望ましい。従って、インク受理層は顔料含有の層構成が好ましい。その顔料としては、例えば、無定形シリカ、カオリン、クレー、焼成クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等、一般塗被紙分野で公知公用の各種顔料が挙げられる。
【0023】
本発明に係る光沢発現層に含有される多孔質顔料とは、コロイダルシリカ、ベーマイト、擬ベーマイト等のアルミナゾルやコロイダルアルミナ等の水中に懸濁分散してコロイド状になっているコロイド粒子が良く、更に好ましくは有機カチオン処理されたコロイダルシリカが好ましい。
【0024】
本発明に用いるインク受理層並びに光沢発現層は上述の多孔質顔料とバインダーにより構成される。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、アクリル系ポリマーまたはコポリマー、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニルポリマー、スチレンとアクリル系モノマーとのコポリマー、ポリスチレン、ラテックス等の一般に塗被紙に使用できるバインダーであれば特に限定するものではない。なかでも、ポリビニルアルコールが好ましい。
【0025】
更に、インク受理層並びに光沢発現層には添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を含むことも可能である。
【0026】
特に、水性インクの染料分である水溶性直接染料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基などと不溶な塩を形成する2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩からなるカチオン性染料定着剤を配合すると、インク受容層にて染料が捕獲されるために、色彩性の向上や不溶な塩の形成により水の滴下や湿度によるインクの流れ出しや滲み出しを抑制するので好ましい。
【0027】
本発明に於ける、インク受理層並びに光沢発現層を設ける方法としては、オンマシンコーター、オフマシンコーターのいずれの方法でも良い。例えば、従来公知のエアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、などの各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いることが出来る。
【0028】
本発明に使用される支持体としては、LBKP(広葉樹漂白クラフトパルプ)、NBKP(針葉樹漂白クラフトパルプ)などの化学パルプ、GP(グランドパルプ)、PGW(プレッシャーグランドウッド)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)、CTMP(ケミカルサーモメカニカルパルプ)、CMP(ケミカルメカニカルパルプ)、CGP(ケミカルグランドパルプ)などの機械パルプ、DIP(脱墨パルプ)などの古紙パルプなどの木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤などの各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコールなどのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙などの塗工紙も含まれる。このような原紙及び塗工紙にそのまま本発明に係る塗工層を設けても良いし、平滑化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を使用しても良い。
【0029】
また、該支持体の坪量としては、80g/m2〜210g/m2であることが好ましい。坪量が少ない場合には、インクジェット記録に使用される水性インクの溶媒分により印刷物がコックリングを起こし、坪量が多い場合には、印刷用紙と比較し、厚みが出てしまい質感が異なることになる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の内容はこれに限定するものではない。また、実施例において示す「部」及び「%」は特に明示しない限り重量部及び重量%を示す。
【0031】
<インク受容層塗工液組成>
インク受容層の塗被組成物は、合成非晶質シリカ(サイロジェットP−412:グレースデビソン社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)40部とし、混合調液した。
【0032】
<光沢発現層塗工液組成>
光沢発現層の塗被組成物は、有機カチオン処理されたコロイダルシリカ(Cab−O−Sperse PG022:キャボット社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社製)5部、カチオン性染料定着剤(パピオゲンP−105:センカ社製)5部とし、混合調液した。
【0033】
実施例1〜2及び比較例1〜3。
着色剤A:大日精化工業社製 TB−786 Black。
着色剤B:大日精化工業社製 TB−520 Blue。
着色剤C:日本化薬社製 カヤホールHKリキッド。
上記に示した着色剤を表1に示したようにインク受容層塗工液に混合して、坪量104.7g/m2の原紙表面に、インク受容層塗工液をエアーナイフコーターにより、片面塗工量20g/m2となるように塗工・乾燥し、更に光沢発現層塗工液をエアーナイフコーターにより、片面塗工量10g/m2となるように塗工・乾燥し、スーパーカレンダーにより線圧200kg/cmにてカレンダー処理を行い、実施例1〜2及び比較例1〜3のインクジェット記録用シートを作製した。
【0034】
1)「明度及び色度」
明度指数L*、知覚色度指数a*及びb*は、JIS Z 8722に準じて、グレタグマクベス社製分光光度計Best−Eyeを使用して、得られたインクジェット記録用シートを測定した。
【0035】
2)「CIE白色度及び色味指数」
明度指数L*、知覚色度指数a*及びb*を測定し、下記の式にて計算した。
CIE白色度W=2.41L*−4.45b*[1−0.0090(L*−96)]−141.4 、
CIE色味指数Tw=−1.58a*−0.38b*
【0036】
3)「光沢度」
75度光沢度は、JIS Z8142に準じて、村上カラーリサーチラボラトリー社製GM−26Dを使用して、支持体及び得られたインクジェット記録用シートを測定した。
【0037】
4)「見映え評価」
得られたインクジェット記録用シートに、エプソン社製インクジェットプロッター(PM−9000C)、BEST社製ソフトRIP(BESTPROOF)にてJIS X9201記載の標準画像N1(ポートレート)を印字し、印刷物としての見映えを総合的に評価した。尚、評価では、対象印刷用紙にオフセット印刷で印刷を施したものとの比較で評価した。感覚的違いが極めて少ないものを◎、感覚的にあまり違和感なく受け入られるものを○、やや違和感があるものを△、違いが極めて強く感じられたものを×として評価した。
【0038】
【表1】
【0039】
表1から実施例1〜2は印刷校正用インクジェット記録用シートとして、JIS Z 8722で規定される測定方法に従い、JIS Z 8729で規定される明度指数(L*)が90≦L*≦100の範囲であり、CIE白色度式W=2.41L*−4.45b*[1−0.0090(L*−96)]−141.4で示される白色度Wが75≦W≦80及び、かつTw=−1.58a*−0.38b*で示される色味指数Twが−2.0≦Tw≦−0.2であり、かつその表層の75度鏡面光沢度の値が、30%〜60%の範囲であり、且つ、蛍光強度が3以下であるため印刷校正用インクジェット記録用シートとして好ましい。比較例1〜5は上記条件から外れるもので、印刷校正用インクジェット記録用シートとしては不適である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明を実施することにより印刷校正用に適したインクジェット適性のあるインクジェット記録用シートを提供することが可能となる。
Claims (3)
- 支持体表面上に少なくとも1層以上のインク受理層および最上層の光沢発現層を有する校正用インクジェット記録用シートにおいて、その表層がJIS Z 8722で規定される測定方法に従い、JIS Z 8729で規定される明度指数(L*)が90≦L*≦100の範囲であり、CIE白色度式W=2.41L*−4.45b*[1−0.0090(L*−96)]−141.4で示される白色度Wが75≦W≦80及び、かつTw=−1.58a*−0.38b*で示される色味指数Twが−2.0≦Tw≦−0.2でありかつその表層の75度鏡面光沢度の値が、30%〜60%の範囲にある条件を満たすことを特徴とする、校正用インクジェット記録シート。
- 支持体および/またはインク受容層中に1種以上の黒色着色剤を含有することを特徴とする、請求項1記載の校正用インクジェット記録シート。
- 該校正用インクジェット記録用紙の、JIS P 8148特定Bで規定される方法において測定された白色度と同方法で紫外光除去フィルターを使用して測定した白色度の差で示される蛍光強度が3以下であることを特徴とする、請求項1記載の校正用インクジェット記録シート。
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