JP2004358431A - 多孔質構造体、フィルタおよび多孔質構造体の製造方法 - Google Patents
多孔質構造体、フィルタおよび多孔質構造体の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】断面の平均的な空隙径が特定の方向に垂直な平面上では最大であり、3次元的な網目構造に異方性を有する多孔質構造体、フィルタおよび多孔質構造体の製造方法を提供すること。
【解決手段】3次元的な網目構造を有する多孔質構造体であって、実質的に、セラミックス、若しくは炭素またはこれらのうち少なくとも一方と金属とからなる複合材料により前記網目構造を形成する骨格部と、前記骨格部を囲繞する空隙領域と、を備え、特定方向に対して垂直な断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径が、前記断面以外の断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径よりも常に大きい。
【選択図】 図2
【解決手段】3次元的な網目構造を有する多孔質構造体であって、実質的に、セラミックス、若しくは炭素またはこれらのうち少なくとも一方と金属とからなる複合材料により前記網目構造を形成する骨格部と、前記骨格部を囲繞する空隙領域と、を備え、特定方向に対して垂直な断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径が、前記断面以外の断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径よりも常に大きい。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気孔の構造に異方性を有する多孔質構造体およびフィルタならびに多孔質構造体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、セラミックスを含む多孔質構造体の研究が行われている。このような従来の多孔質構造体の中には、有形骨格および連結した空間からなり等方的な3次元的な網目構造を有しているものもある(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
また、従来から楕円体状の気孔をその短軸または長軸が揃うように配列させた構造を有する多孔質構造体もある(たとえば、特許文献3参照)。この多孔質構造体は、泡沫含有スラリーを硬化させて作製されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−109375号公報
【特許文献2】
特開2003−119085号公報
【特許文献3】
特開2001−163682号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1または特許文献2に記載されている多孔質構造体の平均的な空隙径は、多孔質構造体のどの断面においてもほぼ同一であり、この多孔質構造体は等方的な3次元的な網目構造を有している。
【0006】
一方、上記特許文献3に記載されている多孔質構造体は、泡沫含有スラリーを硬化させて作製されているため、連続した空隙を形成し難い。また、有形骨格を用いていないので、有形骨格を用いた場合のような3次元的な網目構造を形成するのは難しい。
【0007】
本発明は、断面の平均的な空隙径が特定の方向に垂直な平面上では最大であり、3次元的な網目構造に異方性を有する多孔質構造体、フィルタおよび多孔質構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の目的を達成するため、本発明の多孔質構造体は、3次元的な網目構造を有する多孔質構造体であって、実質的に、セラミックス、炭素またはこれらのうち少なくとも一方と金属とからなる複合材料により前記網目構造を形成する骨格部と、前記骨格部を囲繞する空隙領域と、を備え、特定方向に対して垂直な断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径が、前記断面以外の断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径よりも常に大きいことを特徴としている。
【0009】
このように、本発明の多孔質構造体内では、特定方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径が、他の断面内のものに比べ最も大きくなっている。これにより、平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。その結果、たとえば特定の方向に流れる流体については通しやすく、それ以外の方向に流れる流体は通し難いフィルタとして利用することができる。特に、特定の方向に垂直な方向については流体の通過性が最も小さいフィルタを形成することもできる。
【0010】
また、一定の方向のみにフィルタ機能を持たせたいときに、本発明の多孔質構造体の上記特定の方向に流体を通す場合には、等方的な多孔質構造体に比べ、小さい厚みで同じ機能を発揮させることができる。一方、最も流体を通し難い上記特定の方向に垂直な方向に流体を通す場合には、同じ厚みで大きいフィルタ効率を得ることができる。どちらの場合も、体積あたりのフィルタの効率が上がるが、用途に応じた形状を有する小型で高効率なフィルタを実現できる。なお、「実質的に、セラミックス、炭素またはこれらのうち少なくとも一方と金属とからなる複合材料により前記網目構造を形成する」とは、主としてこれらの材料によって骨格部が形成されていることを意味し、不純物を含む可能性もある。
【0011】
(2)また、本発明の多孔質構造体は、前記骨格部は、実質的に、炭化珪素からなるセラミックス、または前記セラミックスおよび珪素から構成されることを特徴としている。
【0012】
これにより、加工し易く強度の高い多孔質構造体を形成することができる。また、不燃性の高い多孔質構造体を得ることができる。また、これらの材料は熱伝導性が高いため、発生した熱を外部に逃がすことができる。また、これらの材料は導電性が高いため、電磁波フィルタ等として電気機器の部品への応用が期待できる。なお、本発明において、実質的に炭化珪素からなるセラミックス、または前記セラミックスおよび珪素から構成される骨格部には、プリフォームを形成する樹脂類やスラリー中の不純物や、焼成時の未反応物である炭素が含まれる場合があろうが、原料の純度や焼成条件を適宜調整することで、より少なくするのが好ましいのはいうまでもない。
【0013】
(3)また、本発明の多孔質構造体は、樹脂類、または樹脂類と炭素、金属粉末もしくはセラミックス粉末との組み合わせを含むスラリーを、有機物質からなり3次元的な網目構造を形成する骨格部と前記骨格部を囲繞する空隙領域とからなるプリフォームの前記空隙領域に含浸させ、スラリーの不要分を除去した後、乾燥し、加圧および加熱した後、炭素化し、焼成することにより製造される多孔質構造体であって、3次元的な網目構造を形成する骨格部と、骨格部を囲繞する空隙領域と、を備え、特定方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径が、前記断面以外の断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径よりも常に大きいことを特徴としている。
【0014】
このように、本発明では、スラリーを有機物質からなる骨格部を有するプリフォームの空隙領域に含浸させて乾燥、加圧および加熱した後、炭素化し、焼成することにより多孔質構造体を製造する。すなわち、有機物質の骨格部を有するプリフォームは一定方向に加圧された状態で加熱され、その状態を保ちながら硬化する。これにより、加圧方向に対して垂直な平面に存在する空隙領域の空隙径が、加圧方向に対して平行な面に存在する空隙領域の空隙径より大きい多孔質構造体を得ることができる。すなわち、断面の平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。上記のように、この多孔質構造体は異方性を有するフィルタとして応用することができる。ここで有機物質とは、有機化合物から構成され、3次元的な網目構造を形成するに足る樹脂系材料であって、熱により影響を受けるものであればよく、好ましくは、熱硬化性樹脂を用いた材料がよい。熱硬化性樹脂を主成分とする3次元的網目構造を加圧・加熱することにより、より強固なプリフォームが得られ、好ましい。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、有機物質は熱硬化性樹脂に限らず、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合物を用いた材料であってもよい。
【0015】
(4)また、本発明のフィルタは、上記の多孔質構造体を備えることを特徴としている。このように、空隙径に異方性を有する多孔質構造体をフィルタに応用することにより、特定の方向に流れる流体については通しやすく、それ以外の方向に流れる流体は通し難いフィルタを実現できる。また、用途に応じて小型で高効率なフィルタを実現できる。
【0016】
(5)また、本発明のフィルタは、上記の多孔質構造体を備えるフィルタであって、特定方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径と、前記断面と直交する断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径との比が異なる複数の多孔質構造体を積層したことを特徴としている。
【0017】
このように、本発明では、空隙径の異方性の程度が異なる多孔質構造体を上記特定方向に複数積層して、フィルタを形成している。これにより、たとえば上記の比が小さいものから大きいものへと積層したフィルタに、その向きで流体を通過させれば、そのフィルタ全体に機能を発揮させることができる。したがって、平均の空隙率が同じでも、多層化していないものに比べ、効率よく利用することができ、フィルタの寿命を長くすることができる。
【0018】
(6)また、本発明の多孔質構造体の製造方法は、樹脂類、または樹脂類と炭素、金属粉末もしくはセラミックス粉末との組み合わせを含むスラリーを作製する工程と、有機物質からなり3次元的な網目構造を形成する骨格部と前記骨格部を囲繞する空隙領域とからなるプリフォームの空隙領域にスラリーを含浸させ、スラリーの不要分を除去する工程と、スラリーを含浸したプリフォームを乾燥させ、さらに加圧および加熱する工程と、加圧および加熱されたプリフォームを真空あるいは不活性雰囲気下において加熱し、プリフォームに含有される有機物質を炭素化する工程と、真空あるいは不活性雰囲気下において加熱されたプリフォームを真空あるいは不活性雰囲気下において焼成する工程と、を含むことを特徴としている。
【0019】
このように、本発明では、スラリーを有機物質からなる骨格部を有するプリフォームの空隙領域に含浸させて乾燥、加圧および加熱した後、炭素化し、焼成することにより多孔質構造体を製造する。すなわち、有機物質の骨格部を有するプリフォームは一定方向に加圧された状態で加熱され、その状態を保ちながら硬化する。これにより、加圧方向に対して垂直な平面に存在する空隙領域の空隙径が、加圧方向に対して平行な面に存在する空隙領域の空隙径より大きい多孔質構造体を得ることができる。すなわち、断面の平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。上記のように、この多孔質構造体は異方性を有するフィルタとして応用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本実施の形態に係る多孔質構造体について説明する。図1は、本実施の形態に係る多孔質構造体1の斜視図である。図2は、本実施の形態に係る多孔質構造体1の上記特定方向に平行な断面の模式図、図3は、上記特定方向に垂直な断面の模式図である。図2および図3に示すように、骨格部2は、節点から複数の分岐を有し、分岐した先が他の節点からの分岐と結合する3次元的な網目構造を形成する。本実施の一形態において、骨格部2は、金属珪素のマトリクスと炭化珪素セラミックスの粒子の複合材料によって構成されている。これにより、加工し易く強度の高い多孔質構造体を形成することができる。また、不燃性の高い多孔質構造体を得ることができる。また、これらの材料は熱伝導性が高いため、発生した熱を外部に逃がすことができる。また、これらの材料は導電性が高いため、電磁波フィルタ等として電気機器の部品への応用が期待できる。
【0021】
なお、骨格部2は、炭化珪素セラミックス、または炭化チタンセラミックスによって構成されてもよい。また、上記いずれか一方のセラミックスと各種金属成分あるいは合金との複合材料によって構成されていてもよい。なお、炭素、炭素と上記いずれか一方のセラミックス、または炭素と各種金属成分あるいは合金との複合材料によって上記骨格部2を構成することも可能である。空隙領域3は、骨格部2を囲繞する領域である。矢印は上記の特定方向を示す。なお、後述するように、特定方向とはプリフォームの加圧方向をいう。
【0022】
図2および図3に示すように、本実施の形態に係る多孔質構造体1においては、上記特定方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径が、それ以外の断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径よりも常に大きい。一方、上記特定方向に平行な断面の平均的な空隙径は、それ以外の断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径よりも常に小さい。
【0023】
このように、多孔質構造体1内では、特定方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径が、他の断面内のものに比べ最も大きくなっている。これにより、平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。その結果、たとえば特定の方向に流れる流体については通しやすく、それ以外の方向に流れる流体は通し難いフィルタとして利用することができる。特に、特定の方向に垂直な方向については流体の通過性が最も小さいフィルタを形成することもできる。
【0024】
また、一定の方向のみにフィルタ機能を持たせたいときに、多孔質構造体の上記特定の方向に流体を通す場合には、等方的な多孔質構造体に比べ、小さい厚みで同じ機能を発揮させることができる。一方、最も流体を通し難い上記特定の方向に垂直な方向に流体を通す場合には、同じ厚みで大きいフィルタ効率を得ることができる。どちらの場合も、体積あたりのフィルタの効率が上がるが、用途に応じた形状を有する小型で高効率なフィルタを実現できる。
【0025】
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る多孔質構造体の製造方法について説明する。図4は、本実施の形態に係る多孔質構造体の製造方法を示すフローチャートである。なお、本発明は以下に説明する例によってなんら限定されるものではない。
【0026】
まず、フェノール樹脂の炭素化による炭素と珪素との原子比を1:1になるよう、フェノール樹脂と珪素粉末の混合比を設定し、エチルアルコールでフェノール樹脂を溶解してこれに珪素粉末を配合したスラリーを珪素粒径を小さくするために、1日間ボールミルにて混合粉砕する(ステップS1)。なお、珪素粉末の代わりに、チタン等の他の金属粉末を混合することもでき、炭素源として、フェノール樹脂の代わりに、フラン樹脂、有機金属ポリマーを混合することもでき、さらに炭素源として炭素粉末を混合することもできる。炭素粉末については、直接スラリーに添加してもよい。またさらにスラリーには、炭化珪素粉末を配合することもできる。フェノール樹脂の炭素化による炭素と珪素との原子比は、Si/C=0.05〜4になるように設定するのが好ましい。
【0027】
次に、得られたスラリーをポリウレタン製スポンジに十分に含浸させた後、スラリーの不要分を除去する(ステップS2)。スラリーの不要分とは、含浸させたスラリー全体から概ね空隙領域を塞がない程度に残すスラリーを引いた分をいう。スラリーの不要分を除去して作製することにより、本実施の形態に係る多孔質構造体は、連続的な空隙領域を形成し3次元的な網目構造を形成する。スラリーの不要分を除去する具体的方法には、プリフォームを絞る方法がある。その他に、プリフォームを吊るした状態で保持し、重力により除去する方法やプリフォームを回転させて遠心力により除去する方法をとることもできる。ポリウレタン製スポンジは、たとえばその空隙領域のセル数が8±2個/25mmのものを用いる。なお、ポリウレタン製スポンジ以外の樹脂製スポンジであっても、それをプリフォームにして同様の空隙率を有する多孔質構造体を得ることができる。このように、多孔質を有する骨格部としてスポンジを用いるので、細かい3次元的な網目構造の多孔質構造体を容易に形成することが可能となる。網目構造は、セラミックスまたはセラミックスの粒子と金属成分からなる複合材料により構成されるので、耐熱性に優れ、高い強度を備えた多孔質構造体を実現することができる。
【0028】
スラリーの含浸の方法は、プリフォームとしてのスポンジをスラリーに浸す方法が一般的であるが、スラリーをスポンジの上から塗布する方法によってもよい。
【0029】
次に、室温にて乾燥させた後、さらに70℃前後の温度で十分に乾燥させ、エタノールなどの揮発性成分を除去する(ステップS3)。次に、図5に示すように、この乾燥したプリフォーム11を金属板12で挟んで、たとえば厚さが3分の1となるようにプレス機13を用いて図に示す矢印の方向に加圧する。上記の特定方向とは、この加圧方向のことである。そして、図6に示すように、加圧した状態で蝶ねじ14、固定軸15およびストッパ16を用いて金属板12を固定し、炉に入れて130℃で6時間加熱し(ステップS4)、常温まで冷却した後に蝶ねじ14を緩め、金属板12を外す(ステップS5)。なお、本実施の形態では130℃でプリフォームを加熱しているが、プリフォームの種類により温度を変えてもよい。プリフォームがウレタン製スポンジの場合には、140℃で分解が始まるため、80〜130℃に温度を設定するのが好ましい。
【0030】
上記加圧した多孔質構造体を、アルゴン等の不活性雰囲気下で、1000℃で1時間加熱して常温まで冷却し、フェノール樹脂成分を炭素化する(ステップS6)。
【0031】
さらに、この多孔質構造体を、真空中1450℃の温度で焼成し(ステップS7)、炭化珪素セラミックスまたは炭化珪素セラミックスの粒子と珪素金属成分からなる複合材料により構成される多孔質構造体を得る。その際、構造体中の炭素成分は、珪素と化学反応して、炭化珪素粒子が生成する。炭素と反応しない一部の珪素は金属珪素として残り、炭化珪素粒子の間隙に存在する。本実施の形態では、単体炭素は骨格部内に残留しないが、残留するように成分比および処理を調整してもよい。
【0032】
この本焼成時には、適当な量の金属珪素を構造体に接触して設置することによって、珪素の溶融含浸を行なう。金属珪素成分の含有比率の高い複合材料を得ることができる。この場合、最終製品の強度を高め、導電性を高めることが可能である。ただし、珪素の溶融含浸は必ずしも行なう必要はない。
【0033】
このようにして、骨格部2はセラミックス、またはセラミックスの粒子と金属成分からなる複合材料により形成される。
【0034】
これにより、材料特性に起因して耐熱性が大きく、機械的特性に優れ、かつ熱伝導率も大きい多孔質構造体を得ることができる。
【0035】
図7は、本実施の形態に係る多孔質構造体の実施例および比較例を示す図である。図7に示すように、上記製造方法により得られた多孔質構造体は、嵩密度0.32×103kg/m3、空隙率は88%であった(実施例1)。図8は、得られた多孔質構造体の特定方向に平行な断面の顕微鏡写真、図9は、得られた多孔質構造体の特定方向に垂直な断面の顕微鏡写真である。一方、上記の製造方法のうち、乾燥させたプリフォームを加圧して130℃で6時間加熱する工程のみを省いて作製した多孔質構造体の嵩密度は0.11×103kg/m3、空隙率は96%であった(比較例1)。嵩密度は、上記工程を経て作製されたものの方が約3倍の値をとっている。したがって、多孔質構造体の3次元的な網目構造が圧縮方向につき、そのまま1/3に圧縮されていることが分かる。すなわち、これは多孔質構造体の圧縮方向に垂直な断面に存在する空隙径は、他の断面に比べて最も大きいことを意味する。
【0036】
また、図7に示すように、上記製造方法において、空隙領域のセル数が約60個/25mmであるポリウレタン製スポンジをプリフォームにして多孔質構造体を作製したところ、その嵩密度は0.96×103kg/m3、空隙率は64%であった(実施例2)。同じく空隙領域のセル数が約60個/25mmであるポリウレタン製スポンジをプリフォームに用いて、上記の製造方法のうち、乾燥させたプリフォームを加圧して130℃で6時間加熱する工程のみを省いて作製した多孔質構造体の嵩密度は0.33×103kg/m3、空隙率は88%であった(比較例2)。この結果により、空隙領域のセル数が約60個/25mmの上記のものより大きいポリウレタン製スポンジをプリフォームに用いて、本実施の形態に係る多孔質構造体を作製しても、同様の構造を有する多孔質構造体を得られることが確認された。
【0037】
なお、珪素粉末の代わりにチタン等の他の金属粉末を混合したスラリーを用いることにより、炭化珪素以外の炭化物系セラミックスからなる、または炭化珪素以外の炭化物系セラミックスと金属との複合材料からなる骨格部2を有する多孔質構造体1を作製することも可能である。その場合、具体的には、骨格部のバルク部はセラミックス粒子と金属成分によって構成される。
【0038】
そして、この本実施の形態に係る多孔質構造体1は、触媒担体として高効率な排気ガス等のフィルタに応用することができる。担持可能な触媒成分に特に制限はないが、特に有効な成分としてPt,Pd,Ni,Co,Cuなど各種遷移金属成分が利用可能であり、これらの成分を溶出法などの一般的な担持方法で触媒を担持することができる。その後、還元処理などにより触媒の活性化を行なってフィルタに用いることができる。
【0039】
このように、空隙径に異方性を有する多孔質構造体をフィルタに応用することにより、特定の方向に流れる流体については通しやすく、それ以外の方向に流れる流体は通し難いフィルタを実現できる。また、用途に応じて小型で高効率なフィルタを実現できる。
【0040】
図10は、平均的な空隙径の異方性の比が異なる本発明の多孔質構造体を、3層に積層したフィルタの断面図である。平均的な空隙径の異方性の比とは、プリフォームの圧縮工程で圧縮した方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径と、その断面と直交する断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径との比をいう。図10に示すように、たとえば、プリフォームの圧縮工程において、同じ厚さのプリフォームを、圧縮しなかったもの(フィルタA)、1/2に圧縮したもの(フィルタB)、1/3に圧縮したもの(フィルタC)をそれぞれ作製して厚さを揃え、平均的な空隙径の異方性の比が小さい順に積層することができる。
【0041】
このような構造を形成することにより、流体が流入する側にフィルタの働きが集中することなく、この積層フィルタはフィルタ全体において機能を発揮する。したがって、平均の空隙率が同じでも、多層化していないものに比べ、効率よく利用することができ、フィルタの寿命を長くすることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る多孔質構造体によれば、多孔質構造体内では、特定方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径が、他の断面内のものに比べ最も大きくなっている。これにより、平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。その結果、たとえば特定の方向に流れる流体については通しやすく、それ以外の方向に流れる流体は通し難いフィルタとして利用することができる。特に、特定の方向に垂直な方向については流体の通過性が最も小さいフィルタを形成することもできる。
【0043】
また、一定の方向のみにフィルタ機能を持たせたいときに、多孔質構造体の上記特定の方向に流体を通す場合には、等方的な多孔質構造体に比べ、小さい厚みで同じ機能を発揮させることができる。一方、最も流体を通し難い上記特定の方向に垂直な方向に流体を通す場合には、同じ厚みで大きいフィルタ効率を得ることができる。どちらの場合も、体積あたりのフィルタの効率が上がるが、用途に応じた形状を有する小型で高効率なフィルタを実現できる。
【0044】
また、本発明に係る多孔質構造体によれば、加工し易く強度の高い多孔質構造体を形成することができる。また、不燃性の高い多孔質構造体を得ることができる。また、これらの材料は熱伝導性が高いため、発生した熱を外部に逃がすことができる。また、これらの材料は導電性が高いため、電磁波フィルタ等として電気機器の部品への応用が期待できる。
【0045】
また、本発明に係る多孔質構造体によれば、スラリーを有機物質からなる骨格部を有するプリフォームの空隙領域に含浸させて乾燥、加圧および加熱した後、炭素化し、焼成することにより多孔質構造体を製造する。すなわち、有機物質の骨格部を有するプリフォームは一定方向に加圧された状態で加熱され、その状態を保ちながら硬化する。これにより、加圧方向に対して垂直な平面に存在する空隙領域の空隙径が、加圧方向に対して平行な面に存在する空隙領域の空隙径より大きい多孔質構造体を得ることができる。すなわち、断面の平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。上記のように、この多孔質構造体は異方性を有するフィルタとして応用することができる。
【0046】
また、本発明に係るフィルタによれば、空隙径に異方性を有する多孔質構造体をフィルタに応用することにより、特定の方向に流れる流体については通しやすく、それ以外の方向に流れる流体は通し難いフィルタを実現できる。また、用途に応じて小型で高効率なフィルタを実現できる。
【0047】
また、本発明に係るフィルタによれば、本発明では、空隙径の異方性の程度が異なる多孔質構造体を上記特定方向に複数積層して、フィルタを形成している。これにより、たとえば上記の比が小さいものから大きいものへと積層したフィルタに、その向きで流体を通過させれば、そのフィルタ全体に機能を発揮させることができる。したがって、平均の空隙率が同じでも、多層化していないものに比べ、効率よく利用することができ、フィルタの寿命を長くすることができる。
【0048】
また、本発明に係る多孔質構造体の製造方法によれば、スラリーを有機物質からなる骨格部を有するプリフォームの空隙領域に含浸させて乾燥、加圧および加熱した後、炭素化し、焼成することにより多孔質構造体を製造する。すなわち、有機物質の骨格部を有するプリフォームは一定方向に加圧された状態で加熱され、その状態を保ちながら硬化する。これにより、加圧方向に対して垂直な平面に存在する空隙領域の空隙径が、加圧方向に対して平行な面に存在する空隙領域の空隙径より大きい多孔質構造体を得ることができる。すなわち、断面の平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。上記のように、この多孔質構造体は異方性を有するフィルタとして応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る多孔質構造体の斜視図
【図2】本実施の形態に係る多孔質構造体の特定方向に平行な断面の模式図
【図3】本実施の形態に係る多孔質構造体の特定方向に垂直な断面の模式図
【図4】本実施の形態に係る多孔質構造体の製造方法を示すフローチャート
【図5】プリフォームの加圧工程を示す模式図
【図6】加圧されたプリフォームの加熱工程を示す模式図
【図7】本実施の形態に係る多孔質構造体の実施例および比較例を示す図
【図8】本実施の形態に係る多孔質構造体の特定方向に平行な断面の顕微鏡写真
【図9】本実施の形態に係る多孔質構造体の特定方向に垂直な断面の顕微鏡写真
【図10】平均的な空隙径の異方性の比が異なる本発明の多孔質構造体を、3層に積層したフィルタの断面図
【符号の説明】
1…多孔質構造体、2…骨格部、3…空隙領域、11…プリフォーム、12…金属板、13…プレス機、14…蝶ねじ、15…固定軸、16…ストッパ、A…フィルタ、B…フィルタ、C…フィルタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、気孔の構造に異方性を有する多孔質構造体およびフィルタならびに多孔質構造体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、セラミックスを含む多孔質構造体の研究が行われている。このような従来の多孔質構造体の中には、有形骨格および連結した空間からなり等方的な3次元的な網目構造を有しているものもある(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
また、従来から楕円体状の気孔をその短軸または長軸が揃うように配列させた構造を有する多孔質構造体もある(たとえば、特許文献3参照)。この多孔質構造体は、泡沫含有スラリーを硬化させて作製されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−109375号公報
【特許文献2】
特開2003−119085号公報
【特許文献3】
特開2001−163682号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1または特許文献2に記載されている多孔質構造体の平均的な空隙径は、多孔質構造体のどの断面においてもほぼ同一であり、この多孔質構造体は等方的な3次元的な網目構造を有している。
【0006】
一方、上記特許文献3に記載されている多孔質構造体は、泡沫含有スラリーを硬化させて作製されているため、連続した空隙を形成し難い。また、有形骨格を用いていないので、有形骨格を用いた場合のような3次元的な網目構造を形成するのは難しい。
【0007】
本発明は、断面の平均的な空隙径が特定の方向に垂直な平面上では最大であり、3次元的な網目構造に異方性を有する多孔質構造体、フィルタおよび多孔質構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の目的を達成するため、本発明の多孔質構造体は、3次元的な網目構造を有する多孔質構造体であって、実質的に、セラミックス、炭素またはこれらのうち少なくとも一方と金属とからなる複合材料により前記網目構造を形成する骨格部と、前記骨格部を囲繞する空隙領域と、を備え、特定方向に対して垂直な断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径が、前記断面以外の断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径よりも常に大きいことを特徴としている。
【0009】
このように、本発明の多孔質構造体内では、特定方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径が、他の断面内のものに比べ最も大きくなっている。これにより、平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。その結果、たとえば特定の方向に流れる流体については通しやすく、それ以外の方向に流れる流体は通し難いフィルタとして利用することができる。特に、特定の方向に垂直な方向については流体の通過性が最も小さいフィルタを形成することもできる。
【0010】
また、一定の方向のみにフィルタ機能を持たせたいときに、本発明の多孔質構造体の上記特定の方向に流体を通す場合には、等方的な多孔質構造体に比べ、小さい厚みで同じ機能を発揮させることができる。一方、最も流体を通し難い上記特定の方向に垂直な方向に流体を通す場合には、同じ厚みで大きいフィルタ効率を得ることができる。どちらの場合も、体積あたりのフィルタの効率が上がるが、用途に応じた形状を有する小型で高効率なフィルタを実現できる。なお、「実質的に、セラミックス、炭素またはこれらのうち少なくとも一方と金属とからなる複合材料により前記網目構造を形成する」とは、主としてこれらの材料によって骨格部が形成されていることを意味し、不純物を含む可能性もある。
【0011】
(2)また、本発明の多孔質構造体は、前記骨格部は、実質的に、炭化珪素からなるセラミックス、または前記セラミックスおよび珪素から構成されることを特徴としている。
【0012】
これにより、加工し易く強度の高い多孔質構造体を形成することができる。また、不燃性の高い多孔質構造体を得ることができる。また、これらの材料は熱伝導性が高いため、発生した熱を外部に逃がすことができる。また、これらの材料は導電性が高いため、電磁波フィルタ等として電気機器の部品への応用が期待できる。なお、本発明において、実質的に炭化珪素からなるセラミックス、または前記セラミックスおよび珪素から構成される骨格部には、プリフォームを形成する樹脂類やスラリー中の不純物や、焼成時の未反応物である炭素が含まれる場合があろうが、原料の純度や焼成条件を適宜調整することで、より少なくするのが好ましいのはいうまでもない。
【0013】
(3)また、本発明の多孔質構造体は、樹脂類、または樹脂類と炭素、金属粉末もしくはセラミックス粉末との組み合わせを含むスラリーを、有機物質からなり3次元的な網目構造を形成する骨格部と前記骨格部を囲繞する空隙領域とからなるプリフォームの前記空隙領域に含浸させ、スラリーの不要分を除去した後、乾燥し、加圧および加熱した後、炭素化し、焼成することにより製造される多孔質構造体であって、3次元的な網目構造を形成する骨格部と、骨格部を囲繞する空隙領域と、を備え、特定方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径が、前記断面以外の断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径よりも常に大きいことを特徴としている。
【0014】
このように、本発明では、スラリーを有機物質からなる骨格部を有するプリフォームの空隙領域に含浸させて乾燥、加圧および加熱した後、炭素化し、焼成することにより多孔質構造体を製造する。すなわち、有機物質の骨格部を有するプリフォームは一定方向に加圧された状態で加熱され、その状態を保ちながら硬化する。これにより、加圧方向に対して垂直な平面に存在する空隙領域の空隙径が、加圧方向に対して平行な面に存在する空隙領域の空隙径より大きい多孔質構造体を得ることができる。すなわち、断面の平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。上記のように、この多孔質構造体は異方性を有するフィルタとして応用することができる。ここで有機物質とは、有機化合物から構成され、3次元的な網目構造を形成するに足る樹脂系材料であって、熱により影響を受けるものであればよく、好ましくは、熱硬化性樹脂を用いた材料がよい。熱硬化性樹脂を主成分とする3次元的網目構造を加圧・加熱することにより、より強固なプリフォームが得られ、好ましい。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、有機物質は熱硬化性樹脂に限らず、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の混合物を用いた材料であってもよい。
【0015】
(4)また、本発明のフィルタは、上記の多孔質構造体を備えることを特徴としている。このように、空隙径に異方性を有する多孔質構造体をフィルタに応用することにより、特定の方向に流れる流体については通しやすく、それ以外の方向に流れる流体は通し難いフィルタを実現できる。また、用途に応じて小型で高効率なフィルタを実現できる。
【0016】
(5)また、本発明のフィルタは、上記の多孔質構造体を備えるフィルタであって、特定方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径と、前記断面と直交する断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径との比が異なる複数の多孔質構造体を積層したことを特徴としている。
【0017】
このように、本発明では、空隙径の異方性の程度が異なる多孔質構造体を上記特定方向に複数積層して、フィルタを形成している。これにより、たとえば上記の比が小さいものから大きいものへと積層したフィルタに、その向きで流体を通過させれば、そのフィルタ全体に機能を発揮させることができる。したがって、平均の空隙率が同じでも、多層化していないものに比べ、効率よく利用することができ、フィルタの寿命を長くすることができる。
【0018】
(6)また、本発明の多孔質構造体の製造方法は、樹脂類、または樹脂類と炭素、金属粉末もしくはセラミックス粉末との組み合わせを含むスラリーを作製する工程と、有機物質からなり3次元的な網目構造を形成する骨格部と前記骨格部を囲繞する空隙領域とからなるプリフォームの空隙領域にスラリーを含浸させ、スラリーの不要分を除去する工程と、スラリーを含浸したプリフォームを乾燥させ、さらに加圧および加熱する工程と、加圧および加熱されたプリフォームを真空あるいは不活性雰囲気下において加熱し、プリフォームに含有される有機物質を炭素化する工程と、真空あるいは不活性雰囲気下において加熱されたプリフォームを真空あるいは不活性雰囲気下において焼成する工程と、を含むことを特徴としている。
【0019】
このように、本発明では、スラリーを有機物質からなる骨格部を有するプリフォームの空隙領域に含浸させて乾燥、加圧および加熱した後、炭素化し、焼成することにより多孔質構造体を製造する。すなわち、有機物質の骨格部を有するプリフォームは一定方向に加圧された状態で加熱され、その状態を保ちながら硬化する。これにより、加圧方向に対して垂直な平面に存在する空隙領域の空隙径が、加圧方向に対して平行な面に存在する空隙領域の空隙径より大きい多孔質構造体を得ることができる。すなわち、断面の平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。上記のように、この多孔質構造体は異方性を有するフィルタとして応用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本実施の形態に係る多孔質構造体について説明する。図1は、本実施の形態に係る多孔質構造体1の斜視図である。図2は、本実施の形態に係る多孔質構造体1の上記特定方向に平行な断面の模式図、図3は、上記特定方向に垂直な断面の模式図である。図2および図3に示すように、骨格部2は、節点から複数の分岐を有し、分岐した先が他の節点からの分岐と結合する3次元的な網目構造を形成する。本実施の一形態において、骨格部2は、金属珪素のマトリクスと炭化珪素セラミックスの粒子の複合材料によって構成されている。これにより、加工し易く強度の高い多孔質構造体を形成することができる。また、不燃性の高い多孔質構造体を得ることができる。また、これらの材料は熱伝導性が高いため、発生した熱を外部に逃がすことができる。また、これらの材料は導電性が高いため、電磁波フィルタ等として電気機器の部品への応用が期待できる。
【0021】
なお、骨格部2は、炭化珪素セラミックス、または炭化チタンセラミックスによって構成されてもよい。また、上記いずれか一方のセラミックスと各種金属成分あるいは合金との複合材料によって構成されていてもよい。なお、炭素、炭素と上記いずれか一方のセラミックス、または炭素と各種金属成分あるいは合金との複合材料によって上記骨格部2を構成することも可能である。空隙領域3は、骨格部2を囲繞する領域である。矢印は上記の特定方向を示す。なお、後述するように、特定方向とはプリフォームの加圧方向をいう。
【0022】
図2および図3に示すように、本実施の形態に係る多孔質構造体1においては、上記特定方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径が、それ以外の断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径よりも常に大きい。一方、上記特定方向に平行な断面の平均的な空隙径は、それ以外の断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径よりも常に小さい。
【0023】
このように、多孔質構造体1内では、特定方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径が、他の断面内のものに比べ最も大きくなっている。これにより、平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。その結果、たとえば特定の方向に流れる流体については通しやすく、それ以外の方向に流れる流体は通し難いフィルタとして利用することができる。特に、特定の方向に垂直な方向については流体の通過性が最も小さいフィルタを形成することもできる。
【0024】
また、一定の方向のみにフィルタ機能を持たせたいときに、多孔質構造体の上記特定の方向に流体を通す場合には、等方的な多孔質構造体に比べ、小さい厚みで同じ機能を発揮させることができる。一方、最も流体を通し難い上記特定の方向に垂直な方向に流体を通す場合には、同じ厚みで大きいフィルタ効率を得ることができる。どちらの場合も、体積あたりのフィルタの効率が上がるが、用途に応じた形状を有する小型で高効率なフィルタを実現できる。
【0025】
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る多孔質構造体の製造方法について説明する。図4は、本実施の形態に係る多孔質構造体の製造方法を示すフローチャートである。なお、本発明は以下に説明する例によってなんら限定されるものではない。
【0026】
まず、フェノール樹脂の炭素化による炭素と珪素との原子比を1:1になるよう、フェノール樹脂と珪素粉末の混合比を設定し、エチルアルコールでフェノール樹脂を溶解してこれに珪素粉末を配合したスラリーを珪素粒径を小さくするために、1日間ボールミルにて混合粉砕する(ステップS1)。なお、珪素粉末の代わりに、チタン等の他の金属粉末を混合することもでき、炭素源として、フェノール樹脂の代わりに、フラン樹脂、有機金属ポリマーを混合することもでき、さらに炭素源として炭素粉末を混合することもできる。炭素粉末については、直接スラリーに添加してもよい。またさらにスラリーには、炭化珪素粉末を配合することもできる。フェノール樹脂の炭素化による炭素と珪素との原子比は、Si/C=0.05〜4になるように設定するのが好ましい。
【0027】
次に、得られたスラリーをポリウレタン製スポンジに十分に含浸させた後、スラリーの不要分を除去する(ステップS2)。スラリーの不要分とは、含浸させたスラリー全体から概ね空隙領域を塞がない程度に残すスラリーを引いた分をいう。スラリーの不要分を除去して作製することにより、本実施の形態に係る多孔質構造体は、連続的な空隙領域を形成し3次元的な網目構造を形成する。スラリーの不要分を除去する具体的方法には、プリフォームを絞る方法がある。その他に、プリフォームを吊るした状態で保持し、重力により除去する方法やプリフォームを回転させて遠心力により除去する方法をとることもできる。ポリウレタン製スポンジは、たとえばその空隙領域のセル数が8±2個/25mmのものを用いる。なお、ポリウレタン製スポンジ以外の樹脂製スポンジであっても、それをプリフォームにして同様の空隙率を有する多孔質構造体を得ることができる。このように、多孔質を有する骨格部としてスポンジを用いるので、細かい3次元的な網目構造の多孔質構造体を容易に形成することが可能となる。網目構造は、セラミックスまたはセラミックスの粒子と金属成分からなる複合材料により構成されるので、耐熱性に優れ、高い強度を備えた多孔質構造体を実現することができる。
【0028】
スラリーの含浸の方法は、プリフォームとしてのスポンジをスラリーに浸す方法が一般的であるが、スラリーをスポンジの上から塗布する方法によってもよい。
【0029】
次に、室温にて乾燥させた後、さらに70℃前後の温度で十分に乾燥させ、エタノールなどの揮発性成分を除去する(ステップS3)。次に、図5に示すように、この乾燥したプリフォーム11を金属板12で挟んで、たとえば厚さが3分の1となるようにプレス機13を用いて図に示す矢印の方向に加圧する。上記の特定方向とは、この加圧方向のことである。そして、図6に示すように、加圧した状態で蝶ねじ14、固定軸15およびストッパ16を用いて金属板12を固定し、炉に入れて130℃で6時間加熱し(ステップS4)、常温まで冷却した後に蝶ねじ14を緩め、金属板12を外す(ステップS5)。なお、本実施の形態では130℃でプリフォームを加熱しているが、プリフォームの種類により温度を変えてもよい。プリフォームがウレタン製スポンジの場合には、140℃で分解が始まるため、80〜130℃に温度を設定するのが好ましい。
【0030】
上記加圧した多孔質構造体を、アルゴン等の不活性雰囲気下で、1000℃で1時間加熱して常温まで冷却し、フェノール樹脂成分を炭素化する(ステップS6)。
【0031】
さらに、この多孔質構造体を、真空中1450℃の温度で焼成し(ステップS7)、炭化珪素セラミックスまたは炭化珪素セラミックスの粒子と珪素金属成分からなる複合材料により構成される多孔質構造体を得る。その際、構造体中の炭素成分は、珪素と化学反応して、炭化珪素粒子が生成する。炭素と反応しない一部の珪素は金属珪素として残り、炭化珪素粒子の間隙に存在する。本実施の形態では、単体炭素は骨格部内に残留しないが、残留するように成分比および処理を調整してもよい。
【0032】
この本焼成時には、適当な量の金属珪素を構造体に接触して設置することによって、珪素の溶融含浸を行なう。金属珪素成分の含有比率の高い複合材料を得ることができる。この場合、最終製品の強度を高め、導電性を高めることが可能である。ただし、珪素の溶融含浸は必ずしも行なう必要はない。
【0033】
このようにして、骨格部2はセラミックス、またはセラミックスの粒子と金属成分からなる複合材料により形成される。
【0034】
これにより、材料特性に起因して耐熱性が大きく、機械的特性に優れ、かつ熱伝導率も大きい多孔質構造体を得ることができる。
【0035】
図7は、本実施の形態に係る多孔質構造体の実施例および比較例を示す図である。図7に示すように、上記製造方法により得られた多孔質構造体は、嵩密度0.32×103kg/m3、空隙率は88%であった(実施例1)。図8は、得られた多孔質構造体の特定方向に平行な断面の顕微鏡写真、図9は、得られた多孔質構造体の特定方向に垂直な断面の顕微鏡写真である。一方、上記の製造方法のうち、乾燥させたプリフォームを加圧して130℃で6時間加熱する工程のみを省いて作製した多孔質構造体の嵩密度は0.11×103kg/m3、空隙率は96%であった(比較例1)。嵩密度は、上記工程を経て作製されたものの方が約3倍の値をとっている。したがって、多孔質構造体の3次元的な網目構造が圧縮方向につき、そのまま1/3に圧縮されていることが分かる。すなわち、これは多孔質構造体の圧縮方向に垂直な断面に存在する空隙径は、他の断面に比べて最も大きいことを意味する。
【0036】
また、図7に示すように、上記製造方法において、空隙領域のセル数が約60個/25mmであるポリウレタン製スポンジをプリフォームにして多孔質構造体を作製したところ、その嵩密度は0.96×103kg/m3、空隙率は64%であった(実施例2)。同じく空隙領域のセル数が約60個/25mmであるポリウレタン製スポンジをプリフォームに用いて、上記の製造方法のうち、乾燥させたプリフォームを加圧して130℃で6時間加熱する工程のみを省いて作製した多孔質構造体の嵩密度は0.33×103kg/m3、空隙率は88%であった(比較例2)。この結果により、空隙領域のセル数が約60個/25mmの上記のものより大きいポリウレタン製スポンジをプリフォームに用いて、本実施の形態に係る多孔質構造体を作製しても、同様の構造を有する多孔質構造体を得られることが確認された。
【0037】
なお、珪素粉末の代わりにチタン等の他の金属粉末を混合したスラリーを用いることにより、炭化珪素以外の炭化物系セラミックスからなる、または炭化珪素以外の炭化物系セラミックスと金属との複合材料からなる骨格部2を有する多孔質構造体1を作製することも可能である。その場合、具体的には、骨格部のバルク部はセラミックス粒子と金属成分によって構成される。
【0038】
そして、この本実施の形態に係る多孔質構造体1は、触媒担体として高効率な排気ガス等のフィルタに応用することができる。担持可能な触媒成分に特に制限はないが、特に有効な成分としてPt,Pd,Ni,Co,Cuなど各種遷移金属成分が利用可能であり、これらの成分を溶出法などの一般的な担持方法で触媒を担持することができる。その後、還元処理などにより触媒の活性化を行なってフィルタに用いることができる。
【0039】
このように、空隙径に異方性を有する多孔質構造体をフィルタに応用することにより、特定の方向に流れる流体については通しやすく、それ以外の方向に流れる流体は通し難いフィルタを実現できる。また、用途に応じて小型で高効率なフィルタを実現できる。
【0040】
図10は、平均的な空隙径の異方性の比が異なる本発明の多孔質構造体を、3層に積層したフィルタの断面図である。平均的な空隙径の異方性の比とは、プリフォームの圧縮工程で圧縮した方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径と、その断面と直交する断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径との比をいう。図10に示すように、たとえば、プリフォームの圧縮工程において、同じ厚さのプリフォームを、圧縮しなかったもの(フィルタA)、1/2に圧縮したもの(フィルタB)、1/3に圧縮したもの(フィルタC)をそれぞれ作製して厚さを揃え、平均的な空隙径の異方性の比が小さい順に積層することができる。
【0041】
このような構造を形成することにより、流体が流入する側にフィルタの働きが集中することなく、この積層フィルタはフィルタ全体において機能を発揮する。したがって、平均の空隙率が同じでも、多層化していないものに比べ、効率よく利用することができ、フィルタの寿命を長くすることができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る多孔質構造体によれば、多孔質構造体内では、特定方向に対して垂直な断面内に存在する空隙領域の平均的な空隙径が、他の断面内のものに比べ最も大きくなっている。これにより、平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。その結果、たとえば特定の方向に流れる流体については通しやすく、それ以外の方向に流れる流体は通し難いフィルタとして利用することができる。特に、特定の方向に垂直な方向については流体の通過性が最も小さいフィルタを形成することもできる。
【0043】
また、一定の方向のみにフィルタ機能を持たせたいときに、多孔質構造体の上記特定の方向に流体を通す場合には、等方的な多孔質構造体に比べ、小さい厚みで同じ機能を発揮させることができる。一方、最も流体を通し難い上記特定の方向に垂直な方向に流体を通す場合には、同じ厚みで大きいフィルタ効率を得ることができる。どちらの場合も、体積あたりのフィルタの効率が上がるが、用途に応じた形状を有する小型で高効率なフィルタを実現できる。
【0044】
また、本発明に係る多孔質構造体によれば、加工し易く強度の高い多孔質構造体を形成することができる。また、不燃性の高い多孔質構造体を得ることができる。また、これらの材料は熱伝導性が高いため、発生した熱を外部に逃がすことができる。また、これらの材料は導電性が高いため、電磁波フィルタ等として電気機器の部品への応用が期待できる。
【0045】
また、本発明に係る多孔質構造体によれば、スラリーを有機物質からなる骨格部を有するプリフォームの空隙領域に含浸させて乾燥、加圧および加熱した後、炭素化し、焼成することにより多孔質構造体を製造する。すなわち、有機物質の骨格部を有するプリフォームは一定方向に加圧された状態で加熱され、その状態を保ちながら硬化する。これにより、加圧方向に対して垂直な平面に存在する空隙領域の空隙径が、加圧方向に対して平行な面に存在する空隙領域の空隙径より大きい多孔質構造体を得ることができる。すなわち、断面の平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。上記のように、この多孔質構造体は異方性を有するフィルタとして応用することができる。
【0046】
また、本発明に係るフィルタによれば、空隙径に異方性を有する多孔質構造体をフィルタに応用することにより、特定の方向に流れる流体については通しやすく、それ以外の方向に流れる流体は通し難いフィルタを実現できる。また、用途に応じて小型で高効率なフィルタを実現できる。
【0047】
また、本発明に係るフィルタによれば、本発明では、空隙径の異方性の程度が異なる多孔質構造体を上記特定方向に複数積層して、フィルタを形成している。これにより、たとえば上記の比が小さいものから大きいものへと積層したフィルタに、その向きで流体を通過させれば、そのフィルタ全体に機能を発揮させることができる。したがって、平均の空隙率が同じでも、多層化していないものに比べ、効率よく利用することができ、フィルタの寿命を長くすることができる。
【0048】
また、本発明に係る多孔質構造体の製造方法によれば、スラリーを有機物質からなる骨格部を有するプリフォームの空隙領域に含浸させて乾燥、加圧および加熱した後、炭素化し、焼成することにより多孔質構造体を製造する。すなわち、有機物質の骨格部を有するプリフォームは一定方向に加圧された状態で加熱され、その状態を保ちながら硬化する。これにより、加圧方向に対して垂直な平面に存在する空隙領域の空隙径が、加圧方向に対して平行な面に存在する空隙領域の空隙径より大きい多孔質構造体を得ることができる。すなわち、断面の平均的な空隙径について異方性を有する多孔質構造体を得ることができる。上記のように、この多孔質構造体は異方性を有するフィルタとして応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る多孔質構造体の斜視図
【図2】本実施の形態に係る多孔質構造体の特定方向に平行な断面の模式図
【図3】本実施の形態に係る多孔質構造体の特定方向に垂直な断面の模式図
【図4】本実施の形態に係る多孔質構造体の製造方法を示すフローチャート
【図5】プリフォームの加圧工程を示す模式図
【図6】加圧されたプリフォームの加熱工程を示す模式図
【図7】本実施の形態に係る多孔質構造体の実施例および比較例を示す図
【図8】本実施の形態に係る多孔質構造体の特定方向に平行な断面の顕微鏡写真
【図9】本実施の形態に係る多孔質構造体の特定方向に垂直な断面の顕微鏡写真
【図10】平均的な空隙径の異方性の比が異なる本発明の多孔質構造体を、3層に積層したフィルタの断面図
【符号の説明】
1…多孔質構造体、2…骨格部、3…空隙領域、11…プリフォーム、12…金属板、13…プレス機、14…蝶ねじ、15…固定軸、16…ストッパ、A…フィルタ、B…フィルタ、C…フィルタ
Claims (6)
- 3次元的な網目構造を有する多孔質構造体であって、
実質的に、セラミックス、炭素またはこれらのうち少なくとも一方と金属とからなる複合材料により前記網目構造を形成する骨格部と、
前記骨格部を囲繞する空隙領域と、を備え、
特定方向に対して垂直な断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径が、前記断面以外の断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径よりも常に大きいことを特徴とする多孔質構造体。 - 前記骨格部は、実質的に、炭化珪素からなるセラミックス、または前記セラミックスおよび珪素から構成されることを特徴とする請求項1記載の多孔質構造体。
- 樹脂類、または樹脂類と炭素、金属粉末もしくはセラミックス粉末との組み合わせを含むスラリーを、有機物質からなり3次元的な網目構造を形成する骨格部と前記骨格部を囲繞する空隙領域とからなるプリフォームの前記空隙領域に含浸させ、スラリーの不要分を除去した後、乾燥し、加圧および加熱した後、炭素化し、焼成することにより製造される多孔質構造体であって、
3次元的な網目構造を形成する骨格部と、
前記骨格部を囲繞する空隙領域と、を備え、
特定方向に対して垂直な断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径が、前記断面以外の断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径よりも常に大きいことを特徴とする多孔質構造体。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の多孔質構造体を備えることを特徴とするフィルタ。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の多孔質構造体を備えるフィルタであって、
特定方向に対して垂直な断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径と、前記断面と直交する断面内に存在する前記空隙領域の平均的な空隙径との比が異なる複数の多孔質構造体を積層したことを特徴とするフィルタ。 - 樹脂類、または樹脂類と炭素、金属粉末もしくはセラミックス粉末との組み合わせを含むスラリーを作製する工程と、
有機物質からなり3次元的な網目構造を形成する骨格部と前記骨格部を囲繞する空隙領域とからなるプリフォームの前記空隙領域に前記スラリーを含浸させ、スラリーの不要分を除去する工程と、
前記スラリーを含浸したプリフォームを乾燥させ、さらに加圧および加熱する工程と、
前記加圧および加熱されたプリフォームを真空あるいは不活性雰囲気下において加熱し、プリフォームに含有される有機物質を炭素化する工程と、
前記真空あるいは不活性雰囲気下において加熱されたプリフォームを真空あるいは不活性雰囲気下において焼成する工程と、を含むことを特徴とする多孔質構造体の製造方法。
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