JP2004357604A - 砂糖泣きの少ないフライ食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】積層状フライ食品でありながら、歯切れが良く、良好な食感であり、フライ後、および保管中の砂糖泣きが少ない、フライドパイ・デニッシュドーナツ等のフライ食品を提供すること。
【解決手段】小麦粉主体のドウに、小片状の可塑性油脂を分散させ、小片状油脂の形状を視認できない状態にまでミキシング及び/又は折込を行なった生地をフライすることにより、フライ食品の表面にドーナツシュガーやアイシングを施して保存した際の生地水分移行により発生する砂糖無きが防止された、フライドパイやデニッシュドーナツ等のフライ食品を得ることが可能となった。
【選択図】 なし
【解決手段】小麦粉主体のドウに、小片状の可塑性油脂を分散させ、小片状油脂の形状を視認できない状態にまでミキシング及び/又は折込を行なった生地をフライすることにより、フライ食品の表面にドーナツシュガーやアイシングを施して保存した際の生地水分移行により発生する砂糖無きが防止された、フライドパイやデニッシュドーナツ等のフライ食品を得ることが可能となった。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、砂糖泣きの少ないフライドパイ・デニッシュドーナツ等のフライ食品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フライドパイ・デニッシュドーナツ等のフライ食品は従来、小麦粉主体の生地に対し、シート状やブロック状のロールイン油脂をロールインして、さらに圧延・折り畳み操作を繰り返し積層生地としたものを、適宜成型し、170〜250℃に加温したフライ油中にてフライすることによって得る方法が取られている。
【0003】
これら、フライドパイ・デニッシュドーナツ等のフライ食品は、しばしば表面にドーナツシュガーをかけたり、アイシングを施したりする。
しかし、もともとフライドパイやデニッシュドーナツはロールイン油脂を配合するため生地油分が多い上に、フライによりさらに吸油し、油性感が高く、また、イーストドーナツやケーキドーナツ等のロールイン油脂を含まない生地に比べ生地水分が多いため、これらのドーナツシュガーやアイシングは経日的に生地水分が移行し、吸湿して、べたつき、いわゆる砂糖泣きの状態となってしまう。
【0004】
従来はこの砂糖泣きを防止するために、硬化油脂や極度硬化油脂を含有するフライ油でフライすることでドーナツシュガーやアイシングと生地との間にバリアを作って水分移行を防止する方法(例えば特許文献1および特許文献2参照)や、ドーナツシュガーやアイシングに硬化油脂をまぶして、吸水を防止する方法(例えば特許文献3参照)等が行なわれてきた。
【0005】
しかし、これらの硬化油脂や乳化剤を使用する方法では、食感が硬くなってしまったり、口溶けが低下するなどの問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開平04−173053号公報
【特許文献2】特開平06−113741号公報
【特許文献3】特開平11−56290号公報
【0007】
【本発明が解決使用とする課題】
従って、本発明の目的は、食感が良好で、口溶けも良く、砂糖泣きが少ないフライ食品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は検討の結果、小麦粉主体のドウに、小片状の可塑性油脂を分散させ、小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでミキシング及び/又は折込をおこなうことにより、油性感が少なく、べとつかず、砂糖泣きが少ないフライ食品が得られることを知見した。
【0009】
すなわち、本発明は、上記知見に基づきなされたもので、小麦粉主体のドウに、小片状の可塑性油脂を分散させ、小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでミキシング及び/又は折込を行なった生地をフライすることを特徴とする、フライ食品の製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のフライ食品の製造方法について詳述する。本発明の小麦粉主体のドウとは、小麦粉に、油脂及び水と、必要に応じて卵、粉乳、食塩、糖類、呈味剤、イースト菌、膨張剤等を加えて練り上げたものであり、具体的には例えば、パイ生地、デニッシュ生地、クロワッサン生地、ドーナツ生地、タルト生地等が挙げられるが、イーストを含む、デニッシュ生地、クロワッサン生地、イーストドーナツ生地が好ましい。
【0011】
本発明では、上記のようなドウに、小片状の可塑性油脂を分散させ、さらに混合して、小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでミキシング及び/又は折込を行なった生地を用いる。
【0012】
ここで使用する小片状の可塑性油脂とは立方体状、直方体状、角柱状、円柱状、半円柱状等の形状をしたものである。大きさは、立方体状、直方体状のものは一辺の長さが30mm以下、角柱状のものは断面となる多角形の一辺が25mm以下で、長さが100mm以下、円柱状や半円柱状のものは直径が25mm以下で長さが100mm以下程度の大きさのものである。またこの小片状の油脂は、一般に、練パイの製造法で使用するバターや水中油型マーガリン、油中水型マーガリン、ショートニング等であり、折り畳み作業に適した可塑性の油脂である。
【0013】
小片状の可塑性油脂の原料の油脂としては、特に限定されないが、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。
【0014】
本発明においてこれらの油脂を単独で用いることもでき、また2種以上を組み合わせて用いることもできる。さらに、上記の原料油脂の他に、必要により、副原料として、水、糖類、乳化剤、食塩、香料、着色料、各種呈味材料を小片状の可塑性油脂に使用することができる。そして、原料油脂やその他の副原料を用いて常法に従い、小片状の可塑性油脂とする。
【0015】
この小片状の可塑性油脂を上記のドウ100重量部に対して、好ましくは5〜40重量部、さらに好ましくは10〜25重量部、より好ましくは10〜20重量部分散させる。小片状の可塑性油脂が5重量部よりも少ないと水分移行が起こりやすく、またフライ時の吸油が多いため好ましくなく、また小片状の可塑性油脂が40重量部よりも多いと食感が油っぽくなってしまう。
【0016】
ドウに小片状の可塑性油脂を分散させる方法としては、ドウの原料すべてを同時にミキシングする方法(オールインミックス法)や、ドウを作成中、または作成後小片状の可塑性油脂をドウに添加し混合する方法、作成されたドウを圧延し、小片状の可塑性油脂を散布し、折り畳んでいく方法などがある。このとき小片状の可塑性油脂は、冷蔵又は冷凍状態のものを使用するのが好ましく、特に冷凍状態のものを使用するのがより好ましい。なお、ドウに小片状の可塑性油脂を均一に分散させるためには、オールインミックス法の場合は、まず水分を含まない小麦粉や糖などの粉体原料と小片状の可塑性油脂をまず均一に混合してから水分を添加、混合するとよい。また、ドウを作成中、または作成後小片状の可塑性油脂をドウに添加し混合する方法の場合は、生地を十分にデベロップするまでミキシングし、伸展性が十分であるドウに添加、混合するとよい。また、さらには、ふぎり(オーバーミキシング)した生地に添加する方法でもよい。
【0017】
次に、小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでミキシング及び/又は折込を行なう。
このような強度のミキシングや、折込は、グルテンネットワークを固形の油脂が破壊することとなる。通常のデニッシュやパイではこのようなミキシングや折込を行なうと層が形成されず、食感のもろく、浮きの劣ったパイやデニッシュとなるため、現在までまったく行なわれてこなかった。しかし、この手法をフライ食品に使用すると、フライ操作は重力から開放された条件下で行なうため、若干の生地のもろさや強度の低下にもかかわらず、十分な浮きのデニッシュドーナツやフライドパイを得ることができた。また、高温短時間でα化を行なうため、表面が硬く、密な組織となるためバリア形成により、油性感が少なく、べとつかず、砂糖泣きが少ないフライ食品が得られる。
【0018】
小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでのミキシングとは、通常の練パイやデニッシュで行なう粒が残った状態とする軽い混合と異なり、きわめて長くミキシングすることにより、粒がまったく視認できない状態となるまでミキシングすることを指す。例えば竪型ミキサーを使用する場合、小麦粉3kg仕込みでは、20コートで低速及び/又は中速を3分以上、小麦粉1kg仕込みでは、10コートで低速及び/又は中速を2分以上である。
【0019】
小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでの折込とは、通常の練パイやデニッシュで行なう粒が残った状態とする軽い混合を行なった後、通常の練パイやデニッシュで行なう折込と異なり、きわめて多くの折り畳み操作を行なうことにより、粒がまったく視認できない状態となるまで折り畳みを行なうことを指す。例えば、折り畳みの層数として、好ましくは144(4つ折り×2回+3つ折り×2回)〜16384層(4つ折り×7回)、さらに好ましくは256(4つ折り×4回)〜4096層(4つ折り×6回)である。
【0020】
なお、上記ミキシングと折込を併用することも十分に可能であり、その場合、ミキシング後に折込を行なうのが自然であり、この場合最終的に小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでの折込がなされていればよく、その場合、折り数は上記折り数よりも少なくなり、好ましくは27層(3つ折り×3回)〜4096層(4つ折り×6回)、さらに好ましくは27層(3つ折り×3回)〜256層(4つ折り×4回)である。
【0021】
なお必要に応じ、折込操作前にフロア−タイムをとることや、折込操作中にレストをとることも、通常のフライドパイやデニッシュドーナツの製法同様に行なうことができる。
【0022】
このようにして得られた生地を、必要に応じ、圧延、成型、ホイロ、ラックタイムをとり、フライし、フライ食品とする。
【0023】
成型法としては、ツイスト成型や、包餡成型、リング成型等が挙げられる。
【0024】
ホイロについては、イーストを含まないフライドパイの場合は必要なく、イーストを配合した場合のみ必要であり、体積の大きいフライ食品を得るためには、好ましくは温度30〜40℃、相対湿度50〜80%で20〜90分、さらに好ましくは32℃〜38℃、相対湿度50〜80%で30〜60分である。
ラックタイムは生地の水分を飛ばし、表面を固化させることができ、結果として生地水分減少とフライ操作時の吸油を減少させることができるため、この操作を加えることが望ましく、時間にして10〜40分、相対湿度50%以下の環境中で静置することにより好ましい効果が得られる。
【0025】
フライ操作は、通常のドーナツ等と同様、160℃〜250℃、好ましくは170℃〜220℃で行なうのが好ましい。温度が低いと吸油が多く、良好な食感が得られない。温度が高いと焦げを生じ、食味が悪くなる。
【0026】
フライ用油脂は特に制限がなく用いることができ、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においてこれらの油脂を単独で用いることもでき、また2種以上を組み合わせて用いることもできる。なかでも、食味と、酸化安定性、食感の点から、パーム油の水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施し、融点を25〜36℃とした加工油脂を70%以上含有する油脂が好ましく使用される。
【0027】
ついで、フライ後、粉糖を付着、またはアイシングを行なう。この付着方法としては粉糖を振り掛ける、または得られたフライ食品を粉糖にまぶす、等の方法があり、いずれも問題なく使用される。アイシングする場合もアイシング液を表面に塗布したり、エンローバーすることによってフライ食品に付着させる。
【0028】
ここで使用する粉糖やアイシングは、どのようなものでも本発明による効果は顕れるが、吸湿防止処理されたものであることが好ましい。具体的には硬化油脂をまぶした粉糖や、コーンスターチやデキストリンを混合した粉糖、あるいはグルコースや、マルト―ス等の吸湿性の低い糖を使用することが望ましい。
【0029】
【実施例】
次に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0030】
(フライ用油脂配合)
パーム油50%とパーム軟部油(融点25℃)50%を混合した。
【0031】
[実施例1]
(デニッシュドーナツ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、イースト40g、イーストフード1g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、練込油脂(マーガリン)100g、水500g、直径10mm、長さ30mmの円柱状ロールイン油脂300g、
(デニッシュドーナツ製造法)
練込油脂とロールイン油脂以外の原料をミキサーボウルに投入し、10コート10コート竪型ミキサーにて、低速2分中速2分ミキシングし、練込油脂を投入してさらに低速2分中速2分高速2分ミキシングした。ここで、円柱状ロールイン油脂を投入し、低速1分中速4分ミキシングした。この段階で、ロールイン油脂の形状が視認できない状態となった。なお、捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、3つ折り3回(27層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、温度35℃、相対湿度70%のホイロに40分置き、発酵させた後、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分10秒フライし、裏返しさらに1分10秒フライした。
【0032】
[実施例2]
(デニッシュドーナツ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、イースト40g、イーストフード1g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、練込油脂(マーガリン)100g、水500g、直径10mm、長さ30mmの円柱状ロールイン油脂300g、
(デニッシュドーナツ製造法)
練込油脂とロールイン油脂以外の原料をミキサーボウルに投入し、10コート竪型ミキサーにて、低速2分中速2分ミキシングし、練込油脂を投入してさらに低速2分中速2分高速2分ミキシングした。ここで、円柱状ロールイン油脂を投入し、低速1分中速4分ミキシングした。この段階で、ロールイン油脂の形状が視認できない状態となった。なお、捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、4つ折り6回(4096層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、温度35℃、相対湿度70%のホイロに40分置き、発酵させた後、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分10秒フライし、裏返しさらに1分10秒フライした。
【0033】
[実施例3]
(デニッシュドーナツ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、イースト40g、イーストフード1g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、水500g、直径10mm、長さ30mmの円柱状ロールイン油脂400g、
(デニッシュドーナツ製造法)
ロールイン油脂以外の原料をミキサーボウルに投入し、10コート竪型ミキサーにて、低速4分中速4分高速2分ミキシングした。ここで、円柱状ロールイン油脂を投入し、低速1分中速4分ミキシングした。この段階で、ロールイン油脂の形状が視認できない状態となった。なお、捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、3つ折り3回(27層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、温度35℃、相対湿度70%のホイロに40分置き、発酵させた後、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分10秒フライし、裏返しさらに1分10秒フライした。
【0034】
[比較例1]
(デニッシュドーナツ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、イースト40g、イーストフード1g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、練込油脂(マーガリン)100g、水500g、直径10mm、長さ30mmの円柱状ロールイン油脂300g、
(デニッシュドーナツ製造法)
練込油脂とロールイン油脂以外の原料をミキサーボウルに投入し、10コート竪型ミキサーにて、低速2分中速2分ミキシングし、練込油脂を投入してさらに低速2分中速2分高速2分ミキシングした。ここで、円柱状ロールイン油脂を投入し、低速1分中速0.5分ミキシングした。この段階で、円柱状ロールイン油脂の形状がはっきり視認できた。なお、捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、3つ折り3回(27層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、温度35℃、相対湿度70%のホイロに40分置き、発酵させた後、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分10秒フライし、裏返しさらに1分10秒フライした。
【0035】
[比較例2]
(デニッシュドーナツ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、イースト40g、イーストフード1g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、練込油脂(マーガリン)100g、水500g、厚さ10mmのシート状ロールイン油脂300g、(デニッシュドーナツ製造法)
練込油脂とロールイン油脂以外の原料をミキサーボウルに投入し、10コート竪型ミキサーにて、低速2分中速2分ミキシングし、練込油脂を投入してさらに低速2分中速2分高速2分ミキシングした。捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、シート状ロールイン油脂をロールインし、3つ折り3回(27層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、温度35℃、相対湿度70%のホイロに40分置き、発酵させた後、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分10秒フライし、裏返しさらに1分10秒フライした。
【0036】
[比較例3]
(デニッシュドーナツ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、イースト40g、イーストフード1g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、練込油脂(マーガリン)100g、水500g、長さ30mmの円柱状ロールイン油脂400g、
(デニッシュドーナツ製造法)
全原料をミキサーボウルに投入し、10コート竪型ミキサーにて、低速3分ミキシングした。この段階で、円柱状ロールイン油脂の形状がはっきり視認できた。なお、捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、3つ折り3回(27層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、温度35℃、相対湿度70%のホイロに40分置き、発酵させた後、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分10秒フライし、裏返しさらに1分10秒フライした。
【0037】
[実施例4]
(フライドパイ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、練込油脂(マーガリン)100g、水500g、直径10mm、長さ30mmの円柱状ロールイン油脂300g、
(フライドパイ製造法)
練込油脂とロールイン油脂以外の原料をミキサーボウルに投入し、10コート竪型ミキサーにて、低速2分中速2分ミキシングし、練込油脂を投入してさらに低速2分中速2分高速2分ミキシングした。ここで、円柱状ロールイン油脂を投入し、低速1分中速4分ミキシングした。この段階で、ロールイン油脂の形状が視認できない状態となった。なお、捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、シート状ロールイン油脂をロールインし、3つ折り3回(27層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分30秒フライし、裏返しさらに1分30秒フライした。
【0038】
(粉糖泣きの評価方法)
上記実施例1〜4、比較例1〜3で得られたデニッシュドーナツ・フライドパイについて、20分室温放冷した後、粉糖を各30g上方より表面に平均に散布し、この粉糖付着デニッシュドーナツまたはフライドパイを袋に密封し、25℃2日保管後、粉糖の吸湿程度を観察した。また同時にデニッシュドーナツ・フライドパイの食感・口溶けを比較した。その結果を表1に示す。
【0039】
なお、評価は以下の基準によって行なった。
食感
◎=歯切れ良く良好。○=良好。△=歯切れ悪くややべとつきあり。×=べたついて、ねちゃついている。
口溶け
◎=良好。○=やや良好。△=やや不良。×=悪い。
砂糖泣き
◎=べとつきなし。○=やや湿っているが粒状を保っている。△=白濁したシロップ状となりべとついている。×=完全に糖が溶解して透明になりべとついている。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
このように得られたフライ食品は積層状食品でありながら、層間の結着性が良いため油性感が少なく、また強度のミキシング及び/又は折込を行なうことにより、グルテンの形成が抑えられているため歯切れが良く、良好な食感であり、さらに、経日的な水分移行が抑制されるため、粉糖を付着、またはアイシングを行なった場合、従来のデニッシュドーナツやフライドパイに比べ、粉糖泣きが顕著に少ない。
【発明の属する技術分野】
本発明は、砂糖泣きの少ないフライドパイ・デニッシュドーナツ等のフライ食品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フライドパイ・デニッシュドーナツ等のフライ食品は従来、小麦粉主体の生地に対し、シート状やブロック状のロールイン油脂をロールインして、さらに圧延・折り畳み操作を繰り返し積層生地としたものを、適宜成型し、170〜250℃に加温したフライ油中にてフライすることによって得る方法が取られている。
【0003】
これら、フライドパイ・デニッシュドーナツ等のフライ食品は、しばしば表面にドーナツシュガーをかけたり、アイシングを施したりする。
しかし、もともとフライドパイやデニッシュドーナツはロールイン油脂を配合するため生地油分が多い上に、フライによりさらに吸油し、油性感が高く、また、イーストドーナツやケーキドーナツ等のロールイン油脂を含まない生地に比べ生地水分が多いため、これらのドーナツシュガーやアイシングは経日的に生地水分が移行し、吸湿して、べたつき、いわゆる砂糖泣きの状態となってしまう。
【0004】
従来はこの砂糖泣きを防止するために、硬化油脂や極度硬化油脂を含有するフライ油でフライすることでドーナツシュガーやアイシングと生地との間にバリアを作って水分移行を防止する方法(例えば特許文献1および特許文献2参照)や、ドーナツシュガーやアイシングに硬化油脂をまぶして、吸水を防止する方法(例えば特許文献3参照)等が行なわれてきた。
【0005】
しかし、これらの硬化油脂や乳化剤を使用する方法では、食感が硬くなってしまったり、口溶けが低下するなどの問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開平04−173053号公報
【特許文献2】特開平06−113741号公報
【特許文献3】特開平11−56290号公報
【0007】
【本発明が解決使用とする課題】
従って、本発明の目的は、食感が良好で、口溶けも良く、砂糖泣きが少ないフライ食品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は検討の結果、小麦粉主体のドウに、小片状の可塑性油脂を分散させ、小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでミキシング及び/又は折込をおこなうことにより、油性感が少なく、べとつかず、砂糖泣きが少ないフライ食品が得られることを知見した。
【0009】
すなわち、本発明は、上記知見に基づきなされたもので、小麦粉主体のドウに、小片状の可塑性油脂を分散させ、小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでミキシング及び/又は折込を行なった生地をフライすることを特徴とする、フライ食品の製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のフライ食品の製造方法について詳述する。本発明の小麦粉主体のドウとは、小麦粉に、油脂及び水と、必要に応じて卵、粉乳、食塩、糖類、呈味剤、イースト菌、膨張剤等を加えて練り上げたものであり、具体的には例えば、パイ生地、デニッシュ生地、クロワッサン生地、ドーナツ生地、タルト生地等が挙げられるが、イーストを含む、デニッシュ生地、クロワッサン生地、イーストドーナツ生地が好ましい。
【0011】
本発明では、上記のようなドウに、小片状の可塑性油脂を分散させ、さらに混合して、小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでミキシング及び/又は折込を行なった生地を用いる。
【0012】
ここで使用する小片状の可塑性油脂とは立方体状、直方体状、角柱状、円柱状、半円柱状等の形状をしたものである。大きさは、立方体状、直方体状のものは一辺の長さが30mm以下、角柱状のものは断面となる多角形の一辺が25mm以下で、長さが100mm以下、円柱状や半円柱状のものは直径が25mm以下で長さが100mm以下程度の大きさのものである。またこの小片状の油脂は、一般に、練パイの製造法で使用するバターや水中油型マーガリン、油中水型マーガリン、ショートニング等であり、折り畳み作業に適した可塑性の油脂である。
【0013】
小片状の可塑性油脂の原料の油脂としては、特に限定されないが、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。
【0014】
本発明においてこれらの油脂を単独で用いることもでき、また2種以上を組み合わせて用いることもできる。さらに、上記の原料油脂の他に、必要により、副原料として、水、糖類、乳化剤、食塩、香料、着色料、各種呈味材料を小片状の可塑性油脂に使用することができる。そして、原料油脂やその他の副原料を用いて常法に従い、小片状の可塑性油脂とする。
【0015】
この小片状の可塑性油脂を上記のドウ100重量部に対して、好ましくは5〜40重量部、さらに好ましくは10〜25重量部、より好ましくは10〜20重量部分散させる。小片状の可塑性油脂が5重量部よりも少ないと水分移行が起こりやすく、またフライ時の吸油が多いため好ましくなく、また小片状の可塑性油脂が40重量部よりも多いと食感が油っぽくなってしまう。
【0016】
ドウに小片状の可塑性油脂を分散させる方法としては、ドウの原料すべてを同時にミキシングする方法(オールインミックス法)や、ドウを作成中、または作成後小片状の可塑性油脂をドウに添加し混合する方法、作成されたドウを圧延し、小片状の可塑性油脂を散布し、折り畳んでいく方法などがある。このとき小片状の可塑性油脂は、冷蔵又は冷凍状態のものを使用するのが好ましく、特に冷凍状態のものを使用するのがより好ましい。なお、ドウに小片状の可塑性油脂を均一に分散させるためには、オールインミックス法の場合は、まず水分を含まない小麦粉や糖などの粉体原料と小片状の可塑性油脂をまず均一に混合してから水分を添加、混合するとよい。また、ドウを作成中、または作成後小片状の可塑性油脂をドウに添加し混合する方法の場合は、生地を十分にデベロップするまでミキシングし、伸展性が十分であるドウに添加、混合するとよい。また、さらには、ふぎり(オーバーミキシング)した生地に添加する方法でもよい。
【0017】
次に、小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでミキシング及び/又は折込を行なう。
このような強度のミキシングや、折込は、グルテンネットワークを固形の油脂が破壊することとなる。通常のデニッシュやパイではこのようなミキシングや折込を行なうと層が形成されず、食感のもろく、浮きの劣ったパイやデニッシュとなるため、現在までまったく行なわれてこなかった。しかし、この手法をフライ食品に使用すると、フライ操作は重力から開放された条件下で行なうため、若干の生地のもろさや強度の低下にもかかわらず、十分な浮きのデニッシュドーナツやフライドパイを得ることができた。また、高温短時間でα化を行なうため、表面が硬く、密な組織となるためバリア形成により、油性感が少なく、べとつかず、砂糖泣きが少ないフライ食品が得られる。
【0018】
小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでのミキシングとは、通常の練パイやデニッシュで行なう粒が残った状態とする軽い混合と異なり、きわめて長くミキシングすることにより、粒がまったく視認できない状態となるまでミキシングすることを指す。例えば竪型ミキサーを使用する場合、小麦粉3kg仕込みでは、20コートで低速及び/又は中速を3分以上、小麦粉1kg仕込みでは、10コートで低速及び/又は中速を2分以上である。
【0019】
小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでの折込とは、通常の練パイやデニッシュで行なう粒が残った状態とする軽い混合を行なった後、通常の練パイやデニッシュで行なう折込と異なり、きわめて多くの折り畳み操作を行なうことにより、粒がまったく視認できない状態となるまで折り畳みを行なうことを指す。例えば、折り畳みの層数として、好ましくは144(4つ折り×2回+3つ折り×2回)〜16384層(4つ折り×7回)、さらに好ましくは256(4つ折り×4回)〜4096層(4つ折り×6回)である。
【0020】
なお、上記ミキシングと折込を併用することも十分に可能であり、その場合、ミキシング後に折込を行なうのが自然であり、この場合最終的に小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでの折込がなされていればよく、その場合、折り数は上記折り数よりも少なくなり、好ましくは27層(3つ折り×3回)〜4096層(4つ折り×6回)、さらに好ましくは27層(3つ折り×3回)〜256層(4つ折り×4回)である。
【0021】
なお必要に応じ、折込操作前にフロア−タイムをとることや、折込操作中にレストをとることも、通常のフライドパイやデニッシュドーナツの製法同様に行なうことができる。
【0022】
このようにして得られた生地を、必要に応じ、圧延、成型、ホイロ、ラックタイムをとり、フライし、フライ食品とする。
【0023】
成型法としては、ツイスト成型や、包餡成型、リング成型等が挙げられる。
【0024】
ホイロについては、イーストを含まないフライドパイの場合は必要なく、イーストを配合した場合のみ必要であり、体積の大きいフライ食品を得るためには、好ましくは温度30〜40℃、相対湿度50〜80%で20〜90分、さらに好ましくは32℃〜38℃、相対湿度50〜80%で30〜60分である。
ラックタイムは生地の水分を飛ばし、表面を固化させることができ、結果として生地水分減少とフライ操作時の吸油を減少させることができるため、この操作を加えることが望ましく、時間にして10〜40分、相対湿度50%以下の環境中で静置することにより好ましい効果が得られる。
【0025】
フライ操作は、通常のドーナツ等と同様、160℃〜250℃、好ましくは170℃〜220℃で行なうのが好ましい。温度が低いと吸油が多く、良好な食感が得られない。温度が高いと焦げを生じ、食味が悪くなる。
【0026】
フライ用油脂は特に制限がなく用いることができ、例えばパーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においてこれらの油脂を単独で用いることもでき、また2種以上を組み合わせて用いることもできる。なかでも、食味と、酸化安定性、食感の点から、パーム油の水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施し、融点を25〜36℃とした加工油脂を70%以上含有する油脂が好ましく使用される。
【0027】
ついで、フライ後、粉糖を付着、またはアイシングを行なう。この付着方法としては粉糖を振り掛ける、または得られたフライ食品を粉糖にまぶす、等の方法があり、いずれも問題なく使用される。アイシングする場合もアイシング液を表面に塗布したり、エンローバーすることによってフライ食品に付着させる。
【0028】
ここで使用する粉糖やアイシングは、どのようなものでも本発明による効果は顕れるが、吸湿防止処理されたものであることが好ましい。具体的には硬化油脂をまぶした粉糖や、コーンスターチやデキストリンを混合した粉糖、あるいはグルコースや、マルト―ス等の吸湿性の低い糖を使用することが望ましい。
【0029】
【実施例】
次に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0030】
(フライ用油脂配合)
パーム油50%とパーム軟部油(融点25℃)50%を混合した。
【0031】
[実施例1]
(デニッシュドーナツ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、イースト40g、イーストフード1g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、練込油脂(マーガリン)100g、水500g、直径10mm、長さ30mmの円柱状ロールイン油脂300g、
(デニッシュドーナツ製造法)
練込油脂とロールイン油脂以外の原料をミキサーボウルに投入し、10コート10コート竪型ミキサーにて、低速2分中速2分ミキシングし、練込油脂を投入してさらに低速2分中速2分高速2分ミキシングした。ここで、円柱状ロールイン油脂を投入し、低速1分中速4分ミキシングした。この段階で、ロールイン油脂の形状が視認できない状態となった。なお、捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、3つ折り3回(27層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、温度35℃、相対湿度70%のホイロに40分置き、発酵させた後、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分10秒フライし、裏返しさらに1分10秒フライした。
【0032】
[実施例2]
(デニッシュドーナツ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、イースト40g、イーストフード1g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、練込油脂(マーガリン)100g、水500g、直径10mm、長さ30mmの円柱状ロールイン油脂300g、
(デニッシュドーナツ製造法)
練込油脂とロールイン油脂以外の原料をミキサーボウルに投入し、10コート竪型ミキサーにて、低速2分中速2分ミキシングし、練込油脂を投入してさらに低速2分中速2分高速2分ミキシングした。ここで、円柱状ロールイン油脂を投入し、低速1分中速4分ミキシングした。この段階で、ロールイン油脂の形状が視認できない状態となった。なお、捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、4つ折り6回(4096層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、温度35℃、相対湿度70%のホイロに40分置き、発酵させた後、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分10秒フライし、裏返しさらに1分10秒フライした。
【0033】
[実施例3]
(デニッシュドーナツ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、イースト40g、イーストフード1g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、水500g、直径10mm、長さ30mmの円柱状ロールイン油脂400g、
(デニッシュドーナツ製造法)
ロールイン油脂以外の原料をミキサーボウルに投入し、10コート竪型ミキサーにて、低速4分中速4分高速2分ミキシングした。ここで、円柱状ロールイン油脂を投入し、低速1分中速4分ミキシングした。この段階で、ロールイン油脂の形状が視認できない状態となった。なお、捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、3つ折り3回(27層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、温度35℃、相対湿度70%のホイロに40分置き、発酵させた後、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分10秒フライし、裏返しさらに1分10秒フライした。
【0034】
[比較例1]
(デニッシュドーナツ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、イースト40g、イーストフード1g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、練込油脂(マーガリン)100g、水500g、直径10mm、長さ30mmの円柱状ロールイン油脂300g、
(デニッシュドーナツ製造法)
練込油脂とロールイン油脂以外の原料をミキサーボウルに投入し、10コート竪型ミキサーにて、低速2分中速2分ミキシングし、練込油脂を投入してさらに低速2分中速2分高速2分ミキシングした。ここで、円柱状ロールイン油脂を投入し、低速1分中速0.5分ミキシングした。この段階で、円柱状ロールイン油脂の形状がはっきり視認できた。なお、捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、3つ折り3回(27層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、温度35℃、相対湿度70%のホイロに40分置き、発酵させた後、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分10秒フライし、裏返しさらに1分10秒フライした。
【0035】
[比較例2]
(デニッシュドーナツ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、イースト40g、イーストフード1g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、練込油脂(マーガリン)100g、水500g、厚さ10mmのシート状ロールイン油脂300g、(デニッシュドーナツ製造法)
練込油脂とロールイン油脂以外の原料をミキサーボウルに投入し、10コート竪型ミキサーにて、低速2分中速2分ミキシングし、練込油脂を投入してさらに低速2分中速2分高速2分ミキシングした。捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、シート状ロールイン油脂をロールインし、3つ折り3回(27層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、温度35℃、相対湿度70%のホイロに40分置き、発酵させた後、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分10秒フライし、裏返しさらに1分10秒フライした。
【0036】
[比較例3]
(デニッシュドーナツ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、イースト40g、イーストフード1g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、練込油脂(マーガリン)100g、水500g、長さ30mmの円柱状ロールイン油脂400g、
(デニッシュドーナツ製造法)
全原料をミキサーボウルに投入し、10コート竪型ミキサーにて、低速3分ミキシングした。この段階で、円柱状ロールイン油脂の形状がはっきり視認できた。なお、捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、3つ折り3回(27層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、温度35℃、相対湿度70%のホイロに40分置き、発酵させた後、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分10秒フライし、裏返しさらに1分10秒フライした。
【0037】
[実施例4]
(フライドパイ配合)
強力粉600g、薄力粉400g、上白糖150g、脱脂粉乳30g、食塩15g、全卵50g、練込油脂(マーガリン)100g、水500g、直径10mm、長さ30mmの円柱状ロールイン油脂300g、
(フライドパイ製造法)
練込油脂とロールイン油脂以外の原料をミキサーボウルに投入し、10コート竪型ミキサーにて、低速2分中速2分ミキシングし、練込油脂を投入してさらに低速2分中速2分高速2分ミキシングした。ここで、円柱状ロールイン油脂を投入し、低速1分中速4分ミキシングした。この段階で、ロールイン油脂の形状が視認できない状態となった。なお、捏上温度は27℃であった。フロアーを25℃で20分とったあと、−20℃の冷凍庫で60分生地を冷却した。その後、リバースシーターを使用し、シート状ロールイン油脂をロールインし、3つ折り3回(27層)に生地を折り畳み、最終圧延として10mmまで圧延し、棒状にカットし、ツイスト成形した。(55g/1個)これを、ラックタイムを10分とってから180℃に設定したフライヤーに投入、1分30秒フライし、裏返しさらに1分30秒フライした。
【0038】
(粉糖泣きの評価方法)
上記実施例1〜4、比較例1〜3で得られたデニッシュドーナツ・フライドパイについて、20分室温放冷した後、粉糖を各30g上方より表面に平均に散布し、この粉糖付着デニッシュドーナツまたはフライドパイを袋に密封し、25℃2日保管後、粉糖の吸湿程度を観察した。また同時にデニッシュドーナツ・フライドパイの食感・口溶けを比較した。その結果を表1に示す。
【0039】
なお、評価は以下の基準によって行なった。
食感
◎=歯切れ良く良好。○=良好。△=歯切れ悪くややべとつきあり。×=べたついて、ねちゃついている。
口溶け
◎=良好。○=やや良好。△=やや不良。×=悪い。
砂糖泣き
◎=べとつきなし。○=やや湿っているが粒状を保っている。△=白濁したシロップ状となりべとついている。×=完全に糖が溶解して透明になりべとついている。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
このように得られたフライ食品は積層状食品でありながら、層間の結着性が良いため油性感が少なく、また強度のミキシング及び/又は折込を行なうことにより、グルテンの形成が抑えられているため歯切れが良く、良好な食感であり、さらに、経日的な水分移行が抑制されるため、粉糖を付着、またはアイシングを行なった場合、従来のデニッシュドーナツやフライドパイに比べ、粉糖泣きが顕著に少ない。
Claims (3)
- 小麦粉主体のドウに、小片状の可塑性油脂を分散させ、小片状の可塑性油脂の形状を視認できない状態にまでミキシング及び/又は折込を行なった生地をフライすることを特徴とする砂糖泣きの少ないフライ食品の製造方法。
- 上記ドウがイーストを含む生地である請求項1記載のフライ食品の製造方法。
- 上記小麦粉主体のドウ100重量部に対して、小片状の可塑性油脂を5〜40重量部分散させる請求項1又は2記載のフライ食品の製造方法。
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JP2008043248A (ja) * | 2006-08-16 | 2008-02-28 | Nippon Flour Mills Co Ltd | シート状フライ食品及びその製造方法 |
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-
2003
- 2003-06-05 JP JP2003160700A patent/JP2004357604A/ja active Pending
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