JP2004356180A - プレスフィットピン実装基板構造およびプレスフィットピン接続検査方法 - Google Patents

プレスフィットピン実装基板構造およびプレスフィットピン接続検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スルーホール内壁に設けた導通層の破損の検出を確実に行う。
【解決手段】プレスフィットピン43をプリント配線基板37のスルーホール39に圧入する。プリント配線基板37に設けた検査用スルーホール47の内壁に検査用スルーホール銅めっき49を形成する。プリント配線基板37の内部には、検査用スルーホール銅めっき49に接続する検査用内層配線53を設け、検査用内層配線53と、スルーホール39の内壁のスルーホール銅めっき41とを、検査用内層配線53よりも幅の狭い接続部55で接続する。プレスフィットピン43の圧入時に銅めっき削れ部57が発生すると、接続部55が断線し断線部59が発生する。このときスルーホール銅めっき41に圧入前の状態で接続するスルーホール銅めっきランド45と、検査用スルーホール銅めっき49に接続する導通確認用テストパッド51との間の電気的導通状態を検出し、めっき削れを検出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プレスフィットピンを、基板に設けたスルーホールに圧入して実装するプレスフィットピン実装基板構造およびプレスフィットピン接続検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板に形成した銅めっきなどの導体を内壁に備えたスルーホールに、電極となるプレスフィットピンを圧入し、プレスフィットピンとスルーホール内壁との間の電気的接続および接圧による機械的保持を同時に確保するプレスフィット工法が知られている。
【0003】
このようなプレスフィット工法において、従来その品質確認として、プレスフィットピンとスルーホールとの間の電気導通検査を、スルーホールランドやテストパッドを用いたり、プレスフィットピンからの電気導通による動作確認によって行っている。
【0004】
また、特にプレスフィットピンとスルーホール内壁との間の電気的接続は、これら両者間の機械的保持によって確保しているため、高い保持力を得るために、プレスフィットピンの外径やスルーホールの孔径設計を、高精度に行う必要があり、プレスフィットピンの形状についても従来様々な工夫が図られている。
【0005】
図4は、基板1に設けたスルーホール3に、プレスフィットピン5を矢印Aで示す方向に圧入する状態を示している。このスルーホール3の内壁にはスルーホール銅めっき7を形成するとともに、スルーホール3の開口部周囲の基板表面には、スルーホール銅めっき7に連続するスルーホール銅めっきランド9を形成してある。
【0006】
ここで図4(a)に示すように、プレスフィットピン5の中心線Xとスルーホール3の中心線Yとの間で位置ずれが発生している場合には、プレスフィットピン5の先端が、スルーホール銅めっきランド9に当接しながら圧入方向に強く押される。このため、図4(b)に示すように、プレスフィットピン5は、削れた銅めっき片11を押し出しながら、銅めっき削れ部13を発生させる可能性がある。
【0007】
さらに、この銅めっき削れ部13が、図5(a)に示すように、スルーホール銅めっき7と内層配線15との接続部にまで及んでいると、この接続部が断線して断線部17が発生し、内層配線15とプレスフィットピン5との導通がとれなくなってしまう。
【0008】
上記したようなプレスフィットピンとスルーホールとの位置ずれは、最近の動向でもある、車載電子機器などでの低コスト化の要求から、様々なリード形状部品をプレスフィットピン化し、プリント配線基板に一括して圧入するアセンブリ工法にて発生しやすい。
【0009】
すなわち図6に示すように、プレスフィットピンを具備したプレスフィットパーツ23,25,27,29は、これら個々のプレスフィットパーツ23,25,27,29およびパーツホルダの成形誤差、パーツホルダへの各プレスフィットパーツ23,25,27,29の搭載精度、プリント配線基板31に形成するスルーホール33の孔位置精度、プリント配線基板31のパーツホルダケース35への位置合わせ精度、さらにはプレスフィットピンの倒れなどにより、上記したプレスフィットピンとスルーホールとの位置ずれが発生する頻度が高くなる。
【0010】
また、プレスフィットピンとスルーホールとの高い保持力を得るために、スルーホールの孔径をプレスフィットピンの外径に対して小さくし、これら両者がきつく嵌合するよう設計すると、圧入時の力も大きくなる。このため、前記した図5(a)のB−B断面図である図5(b)に示すように、スルーホール3の変形部19が生じ、銅めっき削れ部21が生じやすくなり、またプレスフィットピン5の座屈の発生も懸念される。
【0011】
したがって、上記した位置ずれなどによって発生しやすくなるスルーホールのめっき削れやプレスフィットピンの座屈に対する確実な検出が必要となっている。
【0012】
例えば、プレスフィットピンの座屈の検出には、単純にプレスフィットピンの出口側からの目視検査や、圧入マシンの挿入圧異常や挿入深さ異常を検出することで実施できる。さらに下記特許文献1に示されるように、プレスフィットピンの座屈が発生したとき、プレスフィットピンとの短絡を検出できる電極パターンを基板上に設け、電気導通検査によって行う方法がある。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−237664号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スルーホールのめっき削れの検出については、目視検査によって行っており、めっき削れがプレスフィットピンが圧入されたスルーホール内部で発生した場合、外部からの目視検査では、その破損の程度を観察することができないという問題がある。
【0015】
そこで、この発明は、スルーホール内壁に設けた導通層の破損の検出を確実に行えるようにすることを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明は、プレスフィットピンを、基板に設けたスルーホールに圧入して実装するプレスフィットピン実装基板構造において、前記基板の表面に導通チェック用パターンを設けるとともに、前記基板の内部に、前記導通チェック用パターンに接続する検査用内層配線を設け、この検査用内層配線と前記スルーホールの内壁に設けた導通層とを、前記検査用内層配線よりも幅の狭い接続部で接続し、前記スルーホール内壁の導通層に接続するチェック用導通部を、前記基板の表面に設けた構成としてある。
【0017】
【発明の効果】
プレスフィットピンを圧入する前のスルーホールにおいて、そのスルーホール内壁の導通層と、基板表面の導通チェック用パターンとは、検査用内層配線および接続部によって接続が保たれている。このスルーホールにプレスフィットピンを圧入したときに、過剰な圧入ストレスがスルーホールに作用すると、スルーホール内壁の導通層や接続部が削られ、検査用内層配線と導通層とを接続する接続部は断線する。この接続部の断線は、基板表面の導通チェック用パターンと、スルーホールの導通層に接続する基板表面のチェック用導通部との間の電気接続状態を検出することで確認でき、これによりスルーホール内壁に設けた導通層の破損の検出を確実に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0019】
図1は、この発明の実施の一形態に係わるプレスフィットピン実装基板構造の断面図である。プリント配線基板37には、スルーホール39を設け、スルーホール39の内壁には導通層としてのスルーホール銅めっき41を形成する。このスルーホール39に、プレスフィットピン43を、図中で矢印Cで示す方向から圧入して実装する。
【0020】
上記したスルーホール39のプレスフィットピン43圧入側周囲の基板表面37aには、スルーホール銅めっき41に導通するチェック用導通部としてのスルーホール銅めっきランド45を設ける。
【0021】
また、プリント配線基板37には、スルーホール39より小径の検査用スルーホール47を設け、この検査用スルーホール47の内壁には、検査用スルーホール導通層としての検査用スルーホール銅めっき49を形成する。検査用スルーホール47の開口周囲におけるプリント配線基板37の表面37aには、検査用スルーホール銅めっき49に導通する導通チェック用パターンとしての導通確認用テストパッド51を設ける。
【0022】
図2は、図1に示したプレスフィットピン実装基板構造の平面図で、検査用スルーホール47をスルーホール39の周囲に複数設けてある。
【0023】
なお、本実施形態においては、テストパッド51をプリント配線基板37のプレスフィットピン43圧入側の表面37aに形成したが、例えば図1に破線で示したテストパッド51’のように、プリント配線基板37のプレスフィットピン43圧入側と反対側の面に形成してもよい。
【0024】
上記したプリント配線基板37の表面37aから、寸法H(50μm〜300μm)の基板内部に、検査用内層配線53を設けている。この検査用内層配線53は、図1のD−D断面図である図3に示すように、各検査用スルーホール47の検査用スルーホール銅めっき49に一端が接続し、他端はスルーホール39に向けて延び、かつこのスルーホール39に近付くほど幅が徐々に狭くなるテーパ形状となっている。
【0025】
そして、この検査用内層配線53の先細側の端部と、スルーホール39のスルーホール銅めっき41とを、検査用内層配線53よりも幅の狭い接続部55で接続する。この接続部55は、スルーホール39の周囲を囲むような環状の内層ランド(基板表面37aのスルーホール銅めっきランド45のようなもの)を設けておらず、しかもその幅寸法Lは200μm以下と小さくしてある。
【0026】
また、図1に示すように、上記した検査用内層配線53のさらに下方の基板内部には、内層配線54を設けている。この内層配線54は、プリント配線基板37における図示しない他のスルーホールなどに接続するためのもので、前記図5に設けた内層配線15に相当する。
【0027】
次に作用を説明する。プレスフィットピン43を、図1に示すようにスルーホール39に圧入して実装した後に、スルーホール銅めっきランド45および導通確認用テストパッド51に、導通検査用の一対の電極端子61および63をそれぞれ接触させて、これら両者間の電気的導通状態を検出する。
【0028】
ここで、一対の電極端子61,63相互間で電気的な導通がとれていれば、図1中のP部で示すように、接続部55の断線はなく、スルーホール銅めっき41の削れは発生していないことになる。
【0029】
一方、一対の電極端子61,63相互間で電気的な導通がとれていない場合には、スルーホール39の入口付近におけるスルーホール銅めっき41が削られて銅めっき削れ部57が発生するとともに、基板表面37aから50μm〜300μmと極めて浅い位置にありかつ幅の狭い接続部55も同時に削られて、断線部59が発生し、削れた銅めっき片65が外部に押し出される状態となる。
【0030】
なお、図1では、内層配線59も削られて断線している状態を示している。
【0031】
このように、スルーホール39にプレスフィットピン43を圧入したときに、過剰な圧入ストレスがスルーホール39に作用すると、検査用内層配線53よりも幅の狭い接続部55が削られて断線する。そしてこの断線部59は、基板表面37aの導通チェック用パターン51とスルーホール銅めっきランド45との間の電気接続状態を検出することで確認でき、これによりスルーホール内壁に設けた導通層であるスルーホール銅めっき41の破損の検出を確実に行うことができる。
【0032】
なお、上記した接続部55は、プレスフィットピン43の圧入時に、プレスフィットピン43とスルーホール39のスルーホール銅めっき41との接触圧力が最も高くなる位置に対応して設けるとよい。例えば図3中のE部で示すようなスルーホール39の変形部が、同F部で示すようなめっき削れ部に至る部位に特化して設定する。これにより、スルーホール銅めっき41の破損の検出をより確実に行うことができる。
【0033】
このような変形部Eが発生する位置は、プレスフィットピンの形状や圧入工程によって異なるため、接続部55の位置はこれらの条件に合わせて設定する。
【0034】
また、上記した接続部55は、プレスフィットピン43の圧入時に、プレスフィットピン43がスルーホール39の内壁に対して接近する方向にずれが発生すると想定される位置に対応して設けるとよい。
【0035】
このようなずれが発生した状態でプレスフィットピン43をスルーホール39に圧入すると、図1に示したような銅めっき削れ部57が発生するので、このような部位に特化して接続部55を設定することで、スルーホール銅めっき41の破損の検出をより確実に行うことができる。
【0036】
上記した接続部55を設定してある基板表面37aから50μm〜300μmの位置は、プレスフィットピン43を圧入する過程でスルーホール39の内壁との摩擦や接圧がかかり続ける位置である。このため、スルーホール銅めっき41が削れて銅めっき削れ部57が発生した場合に、接続部55も確実に削れて断線するので、スルーホール銅めっき41の破損の検出を確実に行うことができる。
【0037】
このように基板内部の浅い位置に接続部55を設けることで、銅めっき削れ部57の程度が小さい場合であっても、スルーホール銅めっき41の破損の検出を確実に行うことができる。参考として、IEC(国際電気標準会議)で、スルーホール変形の程度を観察する位置は、基板表面から300μmとしている。また、一般的に基板表面から50μmであれば、基板表面の回路パターンとの絶縁性は確保可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態に係わるプレスフィットピン実装基板構造の断面図である。
【図2】図1に示したプレスフィットピン実装基板構造の平面図である。
【図3】図1のD−D断面図である。
【図4】プレスフィットピンをスルーホールに圧入する際にスルーホール銅めっきが削られる状態を示す動作説明図である。
【図5】(a)はスルーホール銅めっきが削られる際に、内層配線が断線する場合を示す断面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【図6】複数のプレスフィットピンをプリント配線基板に一括して圧入するアセンブリ工法を示す斜視図である。
【符号の説明】
37 プリント配線基板
37a 基板の表面
39 スルーホール
41 スルーホール銅めっき(導通層)
43 プレスフィットピン
45 スルーホール銅めっきランド(チェック用導通部)
47 検査用スルーホール
49 検査用スルーホール銅めっき(検査用スルーホール導通層)
51 導通確認用テストパッド(導通チェック用パターン)
53 検査用内層配線
55 接続部

Claims (8)

  1. プレスフィットピンを、基板に設けたスルーホールに圧入して実装するプレスフィットピン実装基板構造において、前記基板の表面に導通チェック用パターンを設けるとともに、前記基板の内部に、前記導通チェック用パターンに接続する検査用内層配線を設け、この検査用内層配線と前記スルーホールの内壁に設けた導通層とを、前記検査用内層配線よりも幅の狭い接続部で接続し、前記スルーホール内壁の導通層に接続するチェック用導通部を、前記基板の表面に設けたことを特徴とするプレスフィットピン実装基板構造。
  2. 前記接続部の幅は、200μm以下であることを特徴とする請求項1記載のプレスフィットピン実装基板構造。
  3. 前記接続部は、前記プレスフィットピンを圧入する側の前記基板の表面から50μm〜300μmの位置に設けたことを特徴とする請求項1または2記載のプレスフィットピン実装基板構造。
  4. 前記接続部は、前記プレスフィットピン圧入時に、このプレスフィットピンと前記スルーホールの導通層との接触圧力が最も高い位置に対応して設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のプレスフィットピン実装基板構造。
  5. 前記接続部は、前記プレスフィットピン圧入時に、このプレスフィットピンが前記スルーホールの内壁に対して接近する方向にずれが発生すると想定される位置に対応して設けたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のプレスフィットピン実装基板構造。
  6. 前記基板に検査用スルーホールを設け、前記導通チェック用パターンと前記検査用内層配線とを、前記検査用スルーホールの内壁に設けた検査用スルーホール導通層を介して接続することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のプレスフィットピン実装基板構造。
  7. 前記基板の表面に導通チェック用パターンを設けるとともに、前記基板の内部に、前記導通チェック用パターンに接続する検査用内層配線を設け、この検査用内層配線と前記基板に設けたスルーホール内壁の導通層とを、前記検査用内層配線よりも幅の狭い接続部で接続し、前記スルーホール内壁の導通層に接続するチェック用導通部を、前記基板の表面に設け、前記スルーホールにプレスフィットピンを圧入して実装した後に、前記導通チェック用パターンと前記チェック用導通部との電気的導通状態を検出することを特徴とするプレスフィットピン接続検査方法。
  8. 前記基板に検査用スルーホールを設け、前記導通チェック用パターンと前記検査用内層配線とを、前記検査用スルーホールの内壁に設けた検査用スルーホール導通層を介して接続することを特徴とする請求項7記載のプレスフィットピン接続検査方法。
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