JP2004354648A - 表示装置 - Google Patents

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Shintaro Takeda
新太郎 武田
Shoichi Hirota
昇一 廣田
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Abstract

【課題】表示装置を構成する主基板の熱膨張による基板の反りや位置合わせずれを回避する。
【解決手段】能動素子4を形成した主基板6を、高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜2と、該絶縁膜2のよりも熱膨張係数が小さい金属もしくは合金からなる金属薄膜1とを3以上の奇数からなる積層膜とした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置に係り、特に生産性が高く、薄型軽量で携帯性に優れた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータや携帯電話を初めとする情報機器の急速な高性能化と低価格化に伴い、インターネットに代表されるコンピュータネットワークへの個人レベルでのアクセスが著しく増大している。特に、携帯電話機や携帯情報端末、あるいはノートパソコンによるモバイルコンピューティングの普及が進展していることから、これらの携帯型情報機器の更なる薄型軽量化が望まれている。
【0003】
このような携帯型情報機器の表示部分としては、現在まで、一対のガラス基板間に液晶材料(液晶層)を挟持してなる液晶表示装置が広く使われるようになっている。近年では、有機エレクトロルミネセンス(以下、有機ELとも称する)発光素子や電気泳動素子を用いた表示装置の開発が盛んとなっており、これらについても基板にガラス基板が検討されており、液晶表示装置と同様に薄型軽量化が望まれている。
【0004】
ガラス基板は低コストであるため、表示装置用の基板として広く使われているが、ガラスは元来、落下や外部押圧等の衝撃に対して割れ易い。「非特許文献1」によれば、通常、液晶表示装置に使用されるガラス基板の厚さとして1.1mm、0.7mm、0.4mmのものが示されているが、0.4mmの厚さのガラス基板、あるいはそれ以下のガラス基板では、製造行程中での取扱が難しく、ガラス基板の割れによる製造歩留まりの低下のおそれがあるとされている。このため、ガラスからなる基板を用いた液晶表示装置では、薄型軽量化に限界がある。また一方で、薄いガラスは前述したとおり製造工程中での取扱が難しく、薄型ガラス自身の製造歩留まりが低下することからそれ自身のコストが上昇するといった問題がある。
【0005】
そこで、ガラスより軽量な材質を用いた基板、例えば、「特許文献1」に開示されるように、板状に成形した樹脂材料を基板として用いる検討が多くなされている。また、この基板として樹脂を用いたものも知られている。樹脂基板はガラス基板の欠点であった衝撃耐性が改善され、可撓性を有するという特徴を有するため、薄型化しても割れにくい。さらに、一般的なガラスの比重は2.4〜2.6、炭素、水素、酸素、窒素原子から構成される一般的な樹脂材料の比重は、1.0〜1.6であることからも判るように、樹脂基板は、同じ厚さのガラス基板に比べて軽量である。このことから樹脂基板により、携帯型表示機器の表示部分の薄型軽量化が可能となる。
【0006】
【非特許文献1】
「液晶デバイスハンドブック」( 第4章4. 2、218頁、日本学術振興会第142委員会編、1989年日刊工業新聞社発行)
【非特許文献2】
「実用高分子材料」( 第8章、215頁、井手文雄著、2002年工業調査会発行)
【非特許文献3】
「プラスチック材料への無機薄膜形成技術」(第2章13頁2002年東レリサーチセンター編・発行)
【非特許文献4】
「無機有機ハイブリッド材料の開発と応用」(2000年シーエムシー編、発行)
【特許文献1】
特開平6−175143号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、樹脂基板はガラス基板に比べて、ガス透過性が高いという問題がある。基板間に挟持される液晶材料に、酸素や窒素といったガスが容易に溶解し易いと、温度や気圧など環境の変動によって基板間に気泡を生じさせ、あるいはまた水蒸気の溶解により、液晶材料の比抵抗の低下による保持率低下が起こるために表示不良となる可能性がある。
【0008】
このため、液晶表示装置に樹脂基板を用いる際には、表面にガスバリア膜を形成する必要がある。一般的なガスバリア膜としては、「非特許文献2」に示される樹脂材料、例としてポリビニルアルコール(PVA)や、「非特許文献3」に記載されるようなSiO等の無機酸化物の薄膜が知られている。
【0009】
一方、基板上には数ミクロン程度の大きさで膜厚が数百Å程度のきわめて極薄、かつ微細な構造の薄膜トランジスタ(TFT)や配線電極が形成される。この極めて微細で極薄の構造を基板上に均一に形成するためには、基板表面に高い平滑性が必要である。したがって、基板上に形成されるガスバリア膜の表面も、高い精度の平滑性が要求される。このため、ガスバリア膜のコストが増大し、樹脂基板を用いた液晶表示装置全体のコストも増大することとなる。
【0010】
また一方で、基板上に微細な構造を積層するために様々な温度の製造プロセスを経る。一般に樹脂材料は、従来の基板に用いられてきたガラスに比べて、熱膨張係数が大きいため、樹脂基板では、ガラス基板にくらべて積層される構造の合わせずれが問題になる。また、樹脂基板の表面に樹脂基板と熱膨張係数が異なる材料でガスバリア膜等の膜を形成した場合には、基板に反りが生じ、やはり基板上に積層される構造の位置合わせずれが問題となる。
【0011】
さらに、樹脂材料は、ガラスに比べてガラス転移温度(Tg)が低く耐熱性が劣るという問題もある。一般的なアモルファスシリコンを用いたTFTのプロセスは200°C以上であり、この温度以下では、TFTの性能が低下する可能性がある。しかしながら、200°C以上の耐熱性を有する樹脂材料は非常に限られており、高価である。
【0012】
本発明の目的は、薄型軽量であってかつガスバリア性が高く上記のような熱膨張による基板の反りや位置合わせずれを回避し、低コストの基板を実現し、この基板を用いた表示装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次に説明する構成としたことを特徴とする。すなわち、本発明にかかる表示装置は、少なくとも一枚の基板(主基板、第一の基板)上の一方の面上に能動素子と表示素子を形成し、その能動素子により表示素子の表示を制御する表示装置であって、この能動素子が形成される主基板の構成が、高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜と、該樹脂材料の熱膨張係数よりも熱膨張係数が小さい金属若しくは合金からなる金属薄膜を3層以上の奇数層に積層し、当該主基板の積層構造が対称となるようにした。すなわち、主基板の積層構造を当該主基板の基板面と平行な中心の面に対して、その厚み方向で対称(以下、これを面対称と称することもある)となるように配置することにより、熱による基板の反りを防止する。
【0014】
このとき、能動素子を形成する主基板に対して、当該主基板上の能動素子に対し互いに合い対向するように第二の基板を設置してもよく、能動素子を形成する第一の基板である主基板と上記第二の基板に表示素子が挟持させることが望ましい。
【0015】
上記第二の基板の材質はガラス若しくは樹脂であってもよく、樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂やポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、あるいはこれら樹脂材料を用いたポリマーアロイ若しくは、グラフト重合したものでもよい。また、耐熱性や力学強度を向上させる目的で、前述した樹脂材料に無機物からなるフィラーを分散させた樹脂材料であっても良い。無機物としては、SiOやTiO、Al、ZnOのいずれか、あるいはこれらと同等の無機酸化物が望ましい。
【0016】
分散されるフィラーの粒径や形状、分散量については、表示装置の光学特性に悪影響を及ぼさない量であれば何ら規定されるものではない。またさらに、前記樹脂材料と無機物がハイブリッド化されている樹脂材料であっても良い。これは「非特許文献4」に記載されているような無機分子と樹脂分子が化学結合してなる樹脂材料であって、無機分子としては、アルコキシシランの様なシロキサン骨格を有する分子であることが望ましいが、アルコキシチタンやアルコキシアルミニウム等の有機チタン化合物や有機アルミニウム化合物であっても良い。
【0017】
さらに、第二の基板として、上記の樹脂材料や無機物がハイブリッドがハイブリッド化された樹脂材料を用いた場合、表面にSiOなどの無機酸化物によるガスバリア膜を形成することが望ましいが、薄いガラス板を樹脂基板の表面に張り合わせても良い。
【0018】
また、金属薄膜としては、高耐熱性の樹脂材料の熱膨張率よりも熱膨張率が小さければ、材質は特に規定されるものではないが、延性、加工性などの取り扱いを鑑みると、銅や、アルミニウム、銀、鉄、ニッケル等の金属薄膜、あるいは、それら金属原子を用いた合金の薄膜が望ましい。特に、合金としては、インバーやスーパーインバーもしくはニジレストが低熱膨張率であるため望ましいが、SUSであってもよい。さらに、高耐熱性の樹脂材料は低熱膨張率の材料が望ましく、特にポリイミド系の樹脂材料であることが望ましい。
【0019】
また、前述主基板の熱によるそりや変形を防ぐためには、熱膨張率の異なる高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜と金属薄膜が3層以上の奇数層積層するが、さらに本発明にかかる表示装置において能動素子を形成する主基板は、高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜と金属薄膜の膜厚がそれぞれ独立であって、かつ前記絶縁膜の膜厚は、積層される各層で等しく、また前記金属薄膜の膜厚も積層される各層で等しいことが望ましい。このときの積層順は、基板表面が金属薄膜でも高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜でもよいが、特に基板表面が金属薄膜である場合は、高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜よりも薄い膜厚の絶縁膜を基板表面に形成することが望ましい。また、基板表面が高耐熱性の樹脂材料の場合に於いても、基板表面の平坦性を得るために、高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜よりも薄い膜厚の絶縁膜を基板表面に形成することが望ましい。
【0020】
あるいは、主基板の熱によるそりや変形を防ぐために、当該主基板は以下に述べる構成としても良い。すなわち、高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜と金属薄膜が3層以上の奇数層積層し、かつ積層される高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜と金属薄膜の膜厚を独立とする。主基板の構造は、当該主基板の基板面から鉛直方向距離の半分の位置の仮想的な面に対して、積層される高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜と金属薄膜が面対称をとる。このとき、主基板は、高耐熱性の樹脂で形成される絶縁膜と金属薄膜を3層以上積層した構造であり、反りを防止するために奇数層積層することが望ましい。
【0021】
このときの積層順は主基板の表面が金属薄膜でも高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜でもよいが、特に当該主基板の表面が金属薄膜である場合は、高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜よりも薄い膜厚の絶縁膜を主基板の表面に形成することが望ましい。またさらに、主基板の表面が高耐熱性の樹脂材料の場合においても、主基板の表面の平坦性を得るために、積層される高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜のなかで最も薄い該絶縁膜よりも薄い膜厚の絶縁膜を当該基板表面に形成することが望ましい。
【0022】
また、本発明では、金属薄膜を積層することにより、樹脂基板の課題であったガスや水蒸気の透過を解決する。従来の基板上には、該基板(主基板)と合い対向して配置される基板(第二の基板)で構成される一対の基板間に形成される表示素子と、外気を遮蔽するように両基板の対向する平面上の周縁部(外周部)に柱状の絶縁物であるシールを形成するが、本発明では、高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜と金属薄膜が積層される基板平面に対し側面から絶縁膜を通じて浸入するガスや水蒸気の浸入を防止するため、前記シールを絶縁膜と金属薄膜で積層してなる基板の積層構造のうちで、対向する両基板に最も近い位置に存在する金属箔膜上に形成する。すなわち、絶縁膜が表面にあるような積層構造の絶縁膜―金属積層基板においては、能動素子を形成する側の絶縁膜は、シールを形成する部分を研磨若しくはエッチングにより除去し、金属薄膜を露出する構成をとる。
【0023】
上述のような構成では、能動素子を駆動するための配線電極は、シールがあるために表示素子を配置した領域(表示領域)の外部に引き出すことができない。つまり、能動素子とそれを駆動するために表示領域の外部に設置する駆動回路と結線できない。そこで、積層される金属薄膜は、エッチング等で形成される配線電極とし、能動素子若しくはそれに結線される配線電極と金属薄膜、あるいは金属薄膜と金属薄膜間は、絶縁膜にスルーホールを通じて結線する。
【0024】
さらに、上述するような金属薄膜を配線電極として用いる場合、金属薄膜としては低抵抗の金属材料が望ましい。このような金属材料としては、前述した中で銀、銅、もしくはコバルト、ニッケルあるいはモリブデンなどの合金が挙げられるが、このような金属の薄膜を用いた積層基板がガラスより軽量であるためには、積層される金属薄膜の厚さの総和をZ、高耐熱性の樹脂材料で形成される前記絶縁膜の密度をρ、金属薄膜の密度をρ、ガラスの密度をρ、高耐熱性の樹脂材料で形成される前記絶縁膜の膜厚の総和をmとしたとき、Zは(ρ−ρ)×m/(ρ−ρ)以下となる。従来ガラス基板の密度は2.3〜2.8であるので、実際にZは(ρ−2.8)×m/(2.8−ρ)以下であることが望ましい。また、金属薄膜が銅や銀、SUS等の合金では、密度はおおよそ9前後であり、樹脂材料の密度は、おおよそ1.4程度であるので、Zは0.25以下であることがより望ましい。一方で、金属薄膜の成膜性や取扱を考慮すると金属薄膜の厚さの総和は、積層される高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜の厚さの総和に対して0.01倍以上であることが望ましい。
【0025】
本発明にかかる表示装置では、主基板である第一の基板上に形成される表示素子は液晶表示素子に限るものではなく、自発光型の有機EL表示素子もしくは、反射型液晶素子や電気泳動型表示素子のような表示素子が望ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を用いて詳細に説明する。本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施形態による液晶表示装置の説明図であり、図1(a)は画素部分の要部断面図、図1(b)は画素部分の要部平面図であり、図1(a)は図1(b)のA−A’線に沿った断面を示す。画素は図1(b)に示したように、走査線206と信号線209で囲まれた内部に形成され、走査線206と信号線209の交差部にアクティブ素子4を有する。なお、以下では、アクティブ素子を薄膜トランジスタ(TFTと略記する)として説明する。薄膜トランジスタ4は走査線206をゲート電極21、信号線209から延びるドレイン電極22とし、出力電極であるソース電極18が画素電極8に接続されている。
【0027】
画素の大部分の面積を画素電極8が占め、この画素電極8がTFT4で駆動される。図1(a)に示したように、一対の基板のうち第一の基板である主基板16は、高耐熱性の樹脂材料として、厚さ50μmのポリイミド系樹脂を用いた絶縁膜2と厚さ12μmの銅薄膜1を積層した基板である。すなわち、主基板16は、50μmのポリイミド樹脂の絶縁膜2の両面に12μmの銅薄膜1を熱圧着した3層構造で構成される。また、当該主基板16の両表面には約0.7μmのポリイミド樹脂で形成される第二の絶縁膜3をスピンコートにて成膜されている。
【0028】
また、主基板16の液晶層9側に絶縁層17、TFT4、絶縁層18、凹凸形成層20、画素電極8、平坦化層6、配向膜7が順次積層されている。ゲート電極21はアルミニウム製で、その層厚は2000Åであり、スルーホール5を介してTFT4のソース電極19に接続される。対向基板である第二の基板13の液晶層側にはカラーフィルタ12、オーバーコート膜11、配向膜7が順次積層されている。また、液晶層と反対の側には位相差板14、偏光板15が設けられている。表示のための照明光は第二の基板13の上方に配置された光源装置、あるいは第二の基板13側から入射する外光とした場合は、画素電極8は第二の基板13側から液晶層9を通過してきた光を反射する反射板としての機能と、共通電極10との間で液晶層9に電界を印加することにより、液晶層9の表示を制御する機能を有する。
【0029】
絶縁層18は窒化シリコン(SiNx)で形成され、また、凹凸形成層20は、ポジ型もしくはネガ型の感光性樹脂を用いて緩やかな傾斜を有する島状の形状に形成した。これは感光性樹脂の膜を形成後、フォトリソグラフにより円柱を形成し、その後加熱して形状を変形させることにより得た。この凹凸形成層20上に画素電極8を形成すると、基板表面も凹凸となり、光散乱性を付与することができる。
【0030】
また、TFT4のゲート電極21とドレイン電極22およびソース電極19はゲート絶縁層17により絶縁されている。ゲート絶縁層17はSiNx製であり、膜厚は500nmである。アモルファスシリコン23及びゲート絶縁層17は、200°Cの条件でCVDにより形成される。
【0031】
配向膜7には、日産化学製のポリイミド系樹脂材料を用い、スピンコートにより製膜後、200°Cで10分間焼成して得た。その後ラビングにより配向処理を施した。
【0032】
第二の基板13には、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板を用いた。前記したように、この第二の基板13の液晶層9に近接する側にカラーフィルター12、オーバーコート膜11、共通電極10、配向膜7が形成されている。配向膜7は、日産化学製のポリイミド系樹脂材料を用い、スピンコートで塗布後200°Cで10分間焼成して得た。共通電極10は、Indium−Tin−Oxide(ITO)で形成される厚さ0.2μm の透明電極である。この第二の基板13の液晶層9とは反対側の面上には、位相差板14と偏光板15を配置し、第二の基板13の上側に光源としての、所謂フロントライトを配置した。
【0033】
第二の基板13上には、平均粒径が5μmのポリマービーズを分散し、合い対向するように主基板16を重ね合わせた。このとき、第二の基板13と主基板16のラビング方向が90度で交差するように配置した。この両基板間に挟持する液晶層9の材料としては、メルク社製のZLI4792にメルク社製カイラル剤S811を0.5%添加したものを用いた。
【0034】
本実施の形態では、主基板16の厚さは0.074mmでありきわめて薄く、表示装置の面内でギャップむらによる表示むらが観察されたが、TFT4を高温で主基板16上に形成する際に、反りや変形、第二の基板13と合わせたときの位置合わせずれを生じることが無く表示装置を作製できた。
【0035】
本実施の形態ではポリイミド樹脂材料を絶縁膜2として用いることにより、200°C以上のTFT製造プロセスに対応することが可能となった。さらに本実施の形態では、前述したとおり、両基板の合わせずれを生じることがなかった。これは、樹脂材料で形成される絶縁膜2を熱膨張率が小さい金属薄膜3,3で挟み、前記絶縁膜2の熱膨張率を低減できることによる。
【0036】
本実施の形態では、熱膨張率が約40ppmのポリイミド樹脂材料で形成される50μmの絶縁膜2を12μmの銅薄膜1,1で挟み込むことによって、主基板16の基板面方向の熱膨張率は12ppmとなり、ガラス基板の熱膨張率5ppmに近づけることができた。
【0037】
上記第1の実施形態の効果を確認するための比較例1を以下に説明する。比較例1では、第1の実施形態における基板16に替えて50μmのポリイミド樹脂材料で形成される絶縁膜と12μmの銅薄膜を交互に積層させ、絶縁膜と銅薄膜が計2層及び4層積層した偶数積層構造の主基板をそれぞれ用いて第1の実施形態と同様にして表示装置を作製した。
【0038】
この比較例1では、TFTをCVDで主基板上に形成する際に、当該基板に反りが生じ、基板の面内で絶縁膜が不均一に形成された。冷却後に主基板の反りは解消したが、第2の基板と合わせて表示装置を構成したときに、配線の断線やTFTの特性ばらつきによる表示不良が多く観察された。このことからも、TFTが形成される絶縁膜―金属薄膜の積層基板の構造は奇数層であることが望ましく、また絶縁膜―金属薄膜の積層基板の構造が基板面に対し、鉛直方向距離の半分の位置の仮想的な面に対して高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜と金属薄膜の積層構造が面対称であることがより望ましいことが判る。
【0039】
図2は本発明の第2の実施形態における主基板の積層構造を説明する断面図である。本第2の実施形態では、第1の実施形態における絶縁膜―金属薄膜の積層基板(主基板)16の替わりに、図2に示す構造の絶縁膜―金属薄膜の積層基板を用いること以外は、第1の実施形態と同様にして表示装置を製作した。第2の実施形態では、厚さ10μmと30μmの銅薄膜1’,1’と厚さ50μmのポリイミド樹脂材料2’で形成される絶縁膜を積層した。なお、第1の実施形態と同様に、主基板16の両表面には約0.7μmのポリイミド樹脂で形成される第二の絶縁膜3がスピンコートにて成膜されている。
【0040】
この結果、第1の実施形態と同様に反りや変形、第二の基板との合わせずれのない表示装置を得ることができた。また、厚さ10μmの銅薄膜をもちいた絶縁膜―金属薄膜積層基板は、第六請求項に記載した厚さの範囲内にあって、同厚のガラスに比べて2割程度軽量であり軽量な表示装置を得ることが出来た。一方で、25μm の厚さの銅薄膜を用いた場合には、同厚のガラスに比べて重量が増大した 。
【0041】
一方、50μmのポリイミド樹脂材料で形成される絶縁膜2’に対して0.01倍以下の厚さの銅薄膜を用いた絶縁膜―金属薄膜の積層基板を作成し、この主基板を用いて第1の実施形態と同様にして表示装置の作成を試みた。作成した主基板は同厚のガラスを用いたものよりも軽量ではあったが、一方のポリイミド樹脂材料で形成される絶縁膜2’の片面に無電解メッキにより形成した1μmの銅薄膜1’上に、もう一方のポリイミド樹脂材料で形成される絶縁膜2’を熱圧着する際に銅薄膜1’に亀裂や孔が生じ、基板自体の作成が成功しなかった。この主基板における銅薄膜の厚さはポリイミド樹脂材料で形成される絶縁膜2’に対して0.01倍である。取扱や主基板の作成を鑑みると、金属薄膜の厚さは、絶縁膜の厚さの0.01倍以上が望ましい。
【0042】
上記第2の実施形態の効果を確認するための比較例2を以下に説明する。比較例2では、第1の実施の形態における第二の基板13の替わりに、厚さ0.2mmのガラス基板を用いた以外は、第一の実施の形態と同様にして表示装置を得た。その結果、反りや合わせずれなどを生じることがなく、高品位な表示の表示素子を得ることができた。しかし、基板の洗浄や、搬送の際に基板に亀裂や破損等を生じやすく歩留まりが低下した。
【0043】
第2の実施の形態における表示装置の主基板は、可撓性のあるポリイミド樹脂材料と銅箔膜で形成されるため、衝撃に強く、ガラスのように亀裂や破損を生じることがない。このことから、本実施の形態にかかる表示装置では歩留まりの向上が認められ、低コスト化を図ることができる。
【0044】
図3は本発明の第3の実施形態による液晶表示装置の説明図であり、図3(a)は画素部分の要部断面図、図3(b)は画素部分の要部平面図である。また、図4は本発明の第3の実施形態による液晶表示装置の主基板と第二の基板を貼り合わせ構造を説明する斜視図である。図3(a)は図3(b)のA−A’線に沿った断面かつ図4の参照符号aで示す部分の断面を示す。そして、図5は本発明の第3の実施形態による液晶表示装置の基板外周部に形成した配線端子の説明図であり、図5(a)は平面図、図5(a)は断面図を示す。なお、図3乃至図5の図1と同一機能部分には、下位1桁または2桁が図1と同じな3桁の数値からなる参照符号を付してある。
【0045】
図3(a)において、主基板116は厚さ25μmのポリイミド樹脂の三層の絶縁膜102および102’と厚さ10μmの銅薄膜101と101’の二層を交互に熱圧着した五層構造であり、かつ主基板116の構造は同図に示すように、絶縁膜102の一方が主基板116平面の表層側に位置するように配置してある。この主基板116を構成する三層の絶縁膜102と102’の内、絶縁膜102’は、ゲート線206に直結される駆動回路を実装する側と、信号線209に直結される駆動回路を実装する側を外周部から15mmの幅で研磨し、銅薄膜101’が露出するようにしてある。
【0046】
この主基板116を以下に説明する手順で作製した。まず、二枚の厚さ25μmのポリイミド樹脂の絶縁膜102,102’と、二枚の厚さ10μmの銅薄膜101,101’を熱圧着により交互に積層した。そして、主基板116のゲート線206に直結される駆動回路を実装する側の辺と、信号線209に直結される駆動回路を実装する側の辺の基板面の表面に露出した銅薄膜101’にエッチングを施すことにより、図5(a)に示したような配線端子126を形成した。この配線端子126は、主基板116の外周部から15mmの幅に形成した。上記エッチング処理の際には、エポキシ樹脂を用いて主基板116の端部の切断面にシールを行い、銅薄膜101が溶解しないようにした。
【0047】
続いて、得られた主基板の銅薄膜101’上に、厚さ25μm のポリイミド樹脂の絶縁膜102’を熱圧着により積層した。この後、絶縁膜102’を研磨により除去し、配線端子126と銅薄膜101’が露出するようにした。このとき、絶縁膜102’の研磨は、主基板116の外周部から12mmの幅で行い、配線端子126がすべて露出しないようにした。続いて、図5(b)に示すように、配線端子126上にの絶縁膜102’にCOレーザを用いた穿孔によりスルーホール124を形成し、その後に形成するゲート電極121あるいは、ドレイン電極122と結線するようにした。
【0048】
次に、主基板116の両表面に約0.7μmのポリイミド樹脂で形成される第2の絶縁膜103をスピンコートにて成膜した。また、液晶層109に近接する側に絶縁層117、TFT104、絶縁層118、凹凸形成層120、画素電極108、平坦化層106、配向膜115、位相差板114、配向膜107が順次積層される。画素電極108はアルミニウム製で、その層厚は2000Åであり、スルーホール105を介して、TFT4のソース電極119に接続される。画素電極108は基板113側から液晶層109を通過してきた光を反射する反射板としての機能と共通電極110との間で液晶層109に電界を印加することにより液晶層109の表示を制御する機能を有する。
【0049】
絶縁層118はSiNxで形成され、また、凹凸形成層120は、ポジ型もしくはネガ型の感光性樹脂を用いて緩やかな傾斜を有する島状の形状を形成した。これは感光性樹脂の膜を形成後、フォトリソグラフにより円柱を形成し、その後加熱して形状を変形させることにより得た。この凹凸形成層120上に画素電極108を形成すると、主基板116の表面も凹凸となり、光散乱性を付与することができる。
【0050】
また、TFT104のゲート電極121とドレイン電極122、ソース電極119はゲート絶縁層117により絶縁されている。ゲート絶縁層117はSiNx製で、膜厚は500nmである。アモルファスシリコン123及びゲート絶縁層117は、220°Cの条件でCVDにより形成した。
【0051】
配向膜107には日産化学製のポリイミド系樹脂材料を用い、スピンコートにより製膜後、200°Cで10分間焼成して得た。その後ラビングにより配向処理を施した。
【0052】
第二の基板113には、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板を用いた。第二の基板113の液晶層109に近接する側にカラーフィルター112、オーバーコート膜111、共通電極110、配向膜107を形成した。配向膜107には日産化学製のポリイミド系樹脂材料を用い、スピンコートで塗布後、200°Cで10分間焼成して得た。共通電極110はIndium−Tin−Oxide(ITO)で形成される厚さ0.2μmの透明電極である。この第二の基板113の液晶層109とは反対側の面上には、位相差板114、偏光板115、光源としてフロントライト(図示せず)を配置した。
【0053】
さらに、主基板116の銅薄膜101’上に熱硬化性のエポキシ樹脂を用いてシール125を形成した。シール125は形成後に80°Cで仮硬化を行い、後に主基板116と第二の基板113と合わせた後に200°Cで硬化した。第二の基板113上に5μmのポリマービーズを分散し、合い対向するように主基板116を重ね合わせた。このとき、第二の基板113と主基板116の配向膜107のラビング方向を90度で交差するようにした。この両基板間に挟持する液晶材料として、メルク社製のZLI4792にメルク社製カイラル剤S811を0.5%添加した材料を用いた。
【0054】
本実施の形態により、表示装置の面内でギャップむらによる表示むらが観察されたが、TFTを高温で基板上に形成する際に反りや変形、第二の基板113と合わせたときの合わせずれを生じることが無く表示装置を作製できた。
【0055】
上記第3の実施形態の効果を確認するための比較例3を以下に説明する。比較例3では、第1の実施の形態の表示装置で用いた主基板16の替わりに、厚さ0.4mmの樹脂基板を用いた。樹脂基板は、昭和シェル石油製エポキシ樹脂エピコート828と〔式1〕に示す構造のフェノールノ樹脂を120°Cで加熱融解して混合し、さらにトリフェニルホスフィンを加えた後に、真空中で280°Cで2時間加熱しながらプレス成形して得た。得られた樹脂基板のガラス転移温度Tgは約200°Cであった。
【0056】
【化1】
Figure 2004354648
【0057】
この基板を用いて比較例3で説明したものと同様の表示装置を作製した。比較例3に実施した基板の水蒸気のガス透過率は、40°C、湿度90%の環境下では、約180g/m/dayであったのに対し、第3の実施形態で実施した主基板116の水蒸気のガス透過率は、0.02g/m/day以下であり、本実施の形態にかかる表示装置では、ガスバリア膜を基板表面に形成しなくても、ガス透過率は非常に小さいことが判った。
【0058】
また、第3の実施形態では、絶縁膜―金属薄膜積層基板の基板端部の絶縁膜102’を研磨により除去し、図5(b)に示すように絶縁膜102’の下層のエッチングされた金属薄膜にシールを形成した。これに伴い、ゲート電極121、ドレイン電極122をシールを超えて表示装置外部に設置される駆動回路に接続するために、絶縁膜102’の下層の金属薄膜をエッチングにより配線電極として、絶縁膜102’にスルーホールを形成しゲート電極121、ドレイン電極122と結線した。これにより、絶縁膜102’の基板側面からのガス浸入を防止できる。
【0059】
そこで、60°C、湿度90%の恒温恒湿条件下で、第3の実施形態及び第1の実施形態、比較例3で説明した表示装置を一月間放置した。この結果、第3の実施形態で説明した表示装置では表示に異常が認められなかった。一方、第1の実施形態、比較例3の表示装置では、若干フリッカが観測される様になった。以上より、本発明の実施の形態で説明した表示装置は、ガスバリア膜が無くても高い信頼性が得られることが判った。
【0060】
図6は本発明の第4の実施形態における主基板の積層構造を説明する断面図である。本第4の実施形態では、第1の実施形態における主基板16の替わりに、図6に示す構造の主基板216を用いた以外は、第1の実施形態と同様の手順により表示装置を製作した。主基板216は、ポリイミド樹脂で形成される厚さ25μmの絶縁膜227の両面に熱圧着により厚さ12μmの銅薄膜228を積層し、さらにその両表面にはポリイミド樹脂で形成される厚さ50μmの絶縁膜229を同様に熱圧着により積層さらに、その両面は、ポリイミド樹脂230をスピンコートして成膜した。
【0061】
本実施形態では、主基板216の積層構造が当該主基板216の基板面から鉛直方向距離の半分の位置の仮想的な面に対し、高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜229と金属薄膜228の積層構造が面対称であるために、熱による基板の反りが防止できる。本実施形態の表示装置においても、第1の実施形態と同様にTFTを高温で基板上に形成する際に反りや変形、また、対向する第二の基板と合わせたときに合わせずれを生じることが無く、表示装置を作製できた。
【0062】
本発明の第5の実施形態の表示装置における画素部分の構成を説明する断面図である。また、図8は本発明の第5の実施形態の表示装置における画素部分の構成を説明する平面図である。図7は図8のA−A’線の沿った断面に相当する。本実施の形態は、表示素子に有機EL素子を用いたものである。図6、図7において、絶縁膜−金属薄膜の積層構造の主基板226上に減圧化学気相成長法( LPCVD法) を用いて膜厚50nmのアモルファスシリコン(a−Si)膜を形成する。原料はSi であり、基板温度は220°Cであった。次に、XeClエキシマレーザを用いて、a−Si膜全面をレーザアニールした。
【0063】
このレーザアニールは2段階で行った。すなわち、1回目、2回目の照射エネルギーは、それぞれ、188mJ/cm、290mJ/cmであった。これにより、a −Si膜が結晶化され、多結晶シリコン(p−Si)となった。次に、a −Si膜をCFを用いたドライエッチングでパターン化し、第1トランジスタ201の活性層203、第2トランジスタ202の活性層203’、及び容量下部電極205を形成した。
【0064】
次に、ゲート絶縁膜217として膜厚100nmのSiO膜を形成した。SiO膜はテトラエトキシシラン(TEOS)を原料としてプラズマ増強化学気相成長法(PECVD法)で形成した。次に、第1トランジスタ201と第1トランジスタ202のゲート電極207と207’として膜厚50nmのTiW膜をスパッタリング法により成膜し、パターニングした。併せて、走査線206、及び容量上部電極208もパターニングした。次に、イオン注入法によりゲート絶縁膜117の上部から、パターン化されたp−Si層に4×1015イオン/cm、エネルギー80keVのPイオンを注入した。上部にゲート電極がある領域にはPイオンが注入されず、活性領域203及び203’となる。
【0065】
次に、基板226を不活性N雰囲気下で、XeClエキシマレーザを用いて膜全面をレーザアニールした。照射エネルギーは、200mJ/cmであった。これにより、イオンを活性化し、ドーピングが有効に行われるようにした。p−Si層のイオン注入された領域は2kΩ/□の面抵抗値となった。その上に、第1層間絶縁層228として窒化シリコン(SiNx)膜を成膜した。膜厚は200nmである。
【0066】
次に、活性層203及び203’の両端上部のゲート絶縁膜227及び第1層間絶縁膜228にコンタクトホールを形成した。さらに、第2トランジスタのゲート電極207’上部の第1層間絶縁膜228にコンタクトホールを形成した。その上に、スパッタリング法にて膜厚500nmのAl膜を形成する。ホトリソグラフィ工程により信号線209、第1電流供給線210を形成する。また、第1トランジスタ201のソース電極212及びドレイン電極213、第2トランジスタ202のソース電極212’及びドレイン電極213’を形成する。容量下部電極205と第1トランジスタ201のドレイン電極213を接続する。また、第1トランジスタ201のソース電極212と信号線209を接続する。また、第1トランジスタのドレイン電極213を第2トランジスタのゲート電極207’に接続する。また、第2トランジスタのドレイン電極213’を第1電流供給線210に接続する。また、容量204の上部電極208を第1電流供給線110に接続する。
【0067】
次に、第2層間絶縁膜層229としてSiNx膜を成膜した。膜厚は500nmである。第2トランジスタのドレイン電極212’上部にコンタクトホールを設ける。その上に蒸着法を用いて、厚さ150nmのAl膜を形成し、ホトリソグラフティ法を用いて下部電極225を形成する。
【0068】
次に、第3層間絶縁膜220として、JSR社製ポジ型感光性保護膜(PC452)を形成した。スピンコート法で1000rpm/30秒の塗布条件で成膜し、ホットプレート上に基板を置き、90°C/2分の条件でプレベークした。次に、ホトマスクを用いてghi線混合で露光し、ストライプ状にコンタクトホールを形成した。次いで、JSR社現像液PD−523を用いて、室温/40秒の条件で現像し、現像後、室温/60秒の条件で純水の流水でリンスした。リンス後、波長365nmにおいて、300mJ/cm2となる強度でポスト露光し、クリーンオーブンで220°C/1時間の条件でポストベークを行った。
PC452で形成された第3層間絶縁膜120の膜厚は1μmで、下部電極215のエッジを3μm覆った。
【0069】
次に、画素となる有機発光素子の構造を図2を用いて説明する。下部電極225まで形成したガラス基板226をアセトン、純水の順に、それぞれ超音波洗浄を3分間行った。洗浄後、スピン乾燥させた後、120°Cのオーブンで30分間乾燥させた。次に、下部電極225上に、電子注入層221としてLiF膜を形成した。Mo製昇華ボートに原料を約10mg入れ、蒸着速度を0. 05nm/secに制御して蒸着した。パターン形成はシャドウマスクを用い、膜厚0.5nmを蒸着した。その上に、真空蒸着法により膜厚20nmのAlq膜を形成した。Mo製昇華ボートに原料を約40mg入れ、蒸着速度を0. 15±0. 05nm/secに制御して蒸着した。Alq膜は電子輸送層222として機能する。
【0070】
その上に、二元同時真空蒸着法にて、膜厚20nmのトリス( 8−キノリノール) アルミニウムとキナクリドンの共蒸着膜(以下、それぞれ、Alq、Qcと略記)を形成した。2個のMo製昇華ボートにAlq、Qcの原料を、それぞれ約40mg、約10mg入れ、蒸着速度を、それぞれ0. 40±0. 05nm/sec、0. 01±0. 005nm/secに制御して蒸着した。Alq+Qc共蒸着膜は、発光層223として機能する。
【0071】
次に、真空蒸着法により膜厚50nmの4, 4−ビス〔N−( 1−ナフチル) −N−フェニルアミノ〕ビフェニル膜(以下、α−NPD膜と略記)を形成した。Mo製昇華ボートに原料を約60mg入れ、蒸着速度を0. 15±0. 05nm/secに制御して蒸着した。パターン形成はシャドウマスクを用いた。蒸着領域は第1電極の各辺の1.2倍とした。このα−NPD膜は正孔輸送層124として機能する。
【0072】
次に、スパッタリング法により、膜厚50nmのIn−Zn−O膜(以下、IZO膜と略記)を形成した。同膜は上部電極225として機能し、非晶酸化物膜である。ターゲットには、In/(In+Zn)=0. 83であるターゲットを用いた。成膜条件は、Ar:O混合ガスを雰囲気として真空度1Pa、スパッタリング出力を0.2W/cmとした。In−ZnO膜からなる上部電極225は陽極として機能し、その透過率は80%であった。
【0073】
次に、スパッタリング法により、膜厚50nmのSiNx 膜を形成した。同膜は保護層226として機能する。本実施の形態の有機エレクトロルミネセンス表示装置(有機EL表示装置:有機発光表示装置)では保護層側から発光光を取出すため、上部電極225にIZO膜を用いた。このIZO膜は、シート抵抗が200Ω/□となる。
【0074】
本実施例で実施した表示装置は、発光層222の製膜不良により発光不良が局所的に発生したが、おおむね良好な表示をすることが可能であった。さらに絶縁膜―金属薄膜の積層基板226を用いたことにより、表示装置に可撓性が得られただけでなく、非常に薄型な形状を有することが出来た。第1の実施の形態で説明した表示装置では、反射型液晶表示素子を用いたが、本実施例に実施したように有機EL表示素子であっても良好な表示が得られることがわかった。しかし、大気中では急速に輝度低下をともなう表示不良が発生した。
【0075】
そのため、長期の信頼性を鑑みると、絶縁膜−金属薄膜の積層基板の能動素子を形成する側は、第3の実施の形態で説明したように絶縁膜−金属薄膜の積層基板の端部における絶縁膜を除去し、露出した金属箔膜状にシールを形成する構造がより望ましい。また同様に、液晶表示素子、有機EL表示素子で良好な表示を行うことができたことから、電気泳動型表示素子においても同様に本発明では効果が期待できる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、主基板にガラス基板を用いたものに比べて薄型かつ軽量が可能となり、また樹脂基板を用いた表示装置の特徴であった可撓性や耐衝撃性を備えた表示装置を得ることはできる。さらに、本発明にかかる表示装置に用いる絶縁膜−金属薄膜の積層基板を用いることにより、樹脂基板の課題であった大きな熱膨張率や低い耐熱温度、あるいはガスバリア性が向上し、基板の反りや合わせずれ、さらに変形による表示不良が防止でき、かつガスバリア膜が不要となるために、低コスト化を図った表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による液晶表示装置の説明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態における主基板の積層構造を説明する断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態による液晶表示装置の説明図である。
【図4】本発明の第3の実施形態による液晶表示装置の主基板と第二の基板を貼り合わせ構造を説明する斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施形態による液晶表示装置の基板外周部に形成した配線端子の説明図であ
【図6】本発明の第4の実施形態における主基板の積層構造を説明する断面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態の表示装置における画素部分の構成を説明する断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態の表示装置における画素部分の構成を説明する平面図である。
【符号の説明】
1・・・・銅薄膜、2・・・・絶縁膜、3・・・・第二の絶縁膜、4・・・・アクティブ素子(薄膜トランジスタ)、5・・・・スルーホール、6・・・・平坦化層、7・・・・配向膜、8・・・・画素電極、9・・・・液晶層、10・・・・共通電極、11・・・・オーバーコート膜、12・・・・カラーフィルタ、13・・・・第二の基板、14・・・・位相差板、15・・・・偏光板、16・・・・主基板、17・・・・絶縁層、18・・・・絶縁層、19・・・・ソース電極、20・・・・凹凸形成層、21・・・・ゲート電極、22・・・・ドレイン電極、206・・・・走査線、209・・・・信号線。

Claims (12)

  1. 能動素子と、該能動素子により表示が制御される表示素子を一方の面に形成した主基板を有する表示装置であって、
    前記主基板は、高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜と、該樹脂材料の熱膨張係数よりも熱膨張係数が小さい金属もしくは合金からなる金属薄膜とを積層し、かつ、前記高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜と前記金属薄膜の積層数の総和が3以上の奇数であることを特徴とする表示装置。
  2. 前記主基板に対向して配置される第二の基板を有し、前記主基板および前記第二の基板の間に、前記表示素子と、外気を遮蔽するように前記主基板および前記第二の基板が対向する面の間の周縁部に形成した柱状の絶縁物を有し、
    前記柱状の絶縁物は、前記主基板の積層構造のうちで、前記第二の基板に最も近い位置に存在する金属薄膜上に有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記金属薄膜の少なくとも一層はエッチングで形成される配線電極であることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  4. 前記配線電極は、高耐熱性の樹脂材料に形成する縦穴と該縦穴に形成する配線を介して前記能動素子、若しくは前記表示素子を制御するための配線電極に結線することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記主基板を構成する高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜と金属薄膜は、それぞれ独立の膜厚を有し、
    前記主基板は、当該主基板の基板面から鉛直方向距離の半分の位置の仮想的な面に対し、前記高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜と金属薄膜の積層構造が面対称であり、
    前記主基板の少なくとも一方の面に、前記絶縁膜の膜厚よりも薄い絶縁膜を少なくとも一層有することを特徴する請求項1乃至4のいずれかに記載の表示装置。
  6. 前記高耐熱性の樹脂材料で形成される絶縁膜と金属薄膜はそれぞれ独立の膜厚を有し、
    前記絶縁膜の各層の膜厚は、当該絶縁膜の各層で何れも等しく、
    前記金属薄膜の各層の膜厚は、各々の前記金属薄膜の層で等しく、
    前記主基板の少なくとも一方には、前記絶縁膜の膜厚よりも薄い絶縁膜を少なくとも一層有することを特徴する請求項1乃至4のいずれかに記載の表示装置。
  7. 前記金属薄膜の膜厚の総和Zは、高耐熱性の樹脂材料で形成される前記絶縁膜の密度をρ、高耐熱性の樹脂材料で形成される前記絶縁膜の膜厚の総和をm、前記金属薄膜の密度をρとしたとき、Zは0.01×m以上かつ(ρ−2.8)×m/(2.8−ρ)以下であることを特徴とする請求項5乃至6の何れかに記載の表示装置。
  8. 前記金属薄膜の膜厚の総和は、高耐熱性の樹脂材料で形成される前記絶縁膜の総和の0.01倍以上0.25倍以下であることを特徴とする請求項5乃至6の何れかに記載の表示装置。
  9. 高耐熱性の樹脂材料は、ポリイミド系の樹脂材料であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の表示装置。
  10. 前記主基板上に形成されて前記能動素子により表示が制御される前記表示素子は、ネマチック液晶材料で構成されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の表示装置。
  11. 前記主基板上に形成される前記能動素子により表示が制御される前記表示素子は、前記積層してなる基板上に形成する分散媒中に電気泳動粒子を分散させた電気泳動表示素子であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の表示装置。
  12. 前記主基板上に形成される前記能動素子により表示が制御される前記表示素子は、前記積層してなる基板上に第一の電極および第二の電極を積層し、前記第一の電極と第二の電極の間に、有機物からなる正孔輸送層と有機化合物からなる発光層を挟持した有機エレクトロルミネセンス素子であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の表示装置。
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