JP2004354551A - 検体管用ラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂製の検体管に適した粘着剤を選択すること、検体管用ラベル自体の厚さを薄くしてラベルの浮き剥がれ等の原因である紙(ラベル基材3)の腰(剛性)を弱くすることに着目したもので、印字層6および粘着剤層5をラベル基材3の表裏面に有するとともに検体管に貼り付ける検体管用ラベルであって、ラベル基材3の厚さを60〜70μmとするとともに、粘着剤層5の粘着剤をポリオレフィン系粘着剤とすることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は検体管用ラベルにかかるもので、とくに病院や保健所などで使用している検体管用ラベルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、病院や保健所などの試験機関において検体から採取した血液や尿などを容れ、各種検査を行うために使用している有底円筒状の検体管(試験管)はガラス製が主であり、この検体管(血液や尿)を識別するための検体管用ラベルとして通常の強粘着ラベルを同検体管に貼り付けて検体の表示管理を行っていた。
【0003】
しかしながら近年、このような検体管の材質が、使い捨ての用途を目的として、ガラス製からPP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)などの樹脂系材料に変更されてきており、さらに、測定分析技術の進歩により、検体管自体が小型化されて径が小さくなってきている。たとえば、従来のガラス製の検体管の外径が約12〜15mmであるのに対し、樹脂製の検体管の外径は約7〜8mmとなっている。
したがって、従来の検体管用ラベルと樹脂製の検体管との親和性(検体管への接着力)が低下するとともに、検体管における外表面の曲率が比較的小さくなり、検体の情報を表示するために外周面に貼り付けている検体管用ラベルが従来の標準的なものでは貼り付きにくくなってきて、保管中の検体管から検体管用ラベルないしその端部が浮き上がってきたり、ひどいものは、剥がれ落ちて表示の役目を果たせないこともあるという問題がある。
【0004】
さらに、検体の血液あるいは尿の検査についての検査員、担当者ないし責任者の捺印が必要な場合があること、また、とくに重要な情報を印字しているサーマルラベル基材の表面部分について消毒ないし殺菌、試験や分析時のアルコール、ホルマリンやホルムアルデヒドその他の薬剤などによる発色を防止する必要があること、などの諸問題がある。
上記薬剤としては、60〜90%のエチルアルコールやイソピルアルコールさらにはグルタールアルデヒドなどの消毒剤、ホルマリンやホルムアルデヒドガスなどの薫蒸殺菌剤、中性洗剤やアルカリ性洗剤などの界面活性剤、などがあり、必要に応じて液体あるいは噴霧の状態で使用される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−73109号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、従来より細径となった被着体としての検体管に確実に貼り付けておくことができる検体管用ラベルを提供することを課題とする。
【0007】
また本発明は、樹脂製の検体管の表面に貼り付けても剥がれることがない検体管用ラベルを提供することを課題とする。
【0008】
また本発明は、表面に管理用の印字を行うとともに、検体管への貼付け性能を向上させて、検体管ないし検体の表示管理を適正に行うようにすることができる検体管用ラベルを提供することを課題とする。
【0009】
また本発明は、剥離用の台紙に仮着しておき、ラベル上への印字のあとに自動剥離を確実に行うことができるようにして、剥離機構付の任意のタイプのプリンターにも装填可能な検体管用ラベルを提供することを課題とする。
【0010】
また本発明は、担当者ないし責任者の捺印を行うことができるとともに、重要な情報を印字しているラベル基材の表面がアルコールやホルマリンその他の薬剤などによる発色により汚れることを防止可能な検体管用ラベルを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、樹脂製の検体管に適した粘着剤を選択すること、検体管用ラベル自体の厚さを薄くしてラベルの浮き剥がれ等の原因である紙(ラベル基材)の腰(剛性)を弱くすること、さらにまた、その台紙自体も薄くして剥離性を向上させる(剥離値を軽くする)ことにより剥離仕様のものとくに自動貼り適正を持たせることに着目したもので、印字層および粘着剤層をラベル基材の表裏面に有するとともに検体管に貼り付ける検体管用ラベルであって、上記ラベル基材の厚さを60〜70μmとするとともに、上記粘着剤層の粘着剤をポリオレフィン系粘着剤とすることを特徴とする検体管用ラベルである。
【0012】
上記ラベル基材を剥離用の台紙に仮着するとともに、この台紙の厚さを50〜60μmとすることができる。
【0013】
上記検体管の材料が樹脂材料であるとともに、上記検体管の直径が7〜8mmであることができる。
【0014】
上記ラベル基材の表面に捺印領域を設けることができる。
【0015】
上記ラベル基材の表面にアルコール、ホルマリンやアルデヒドなど各種薬剤に対して耐性を有する耐薬剤層を形成することができる。
【0016】
当該検体管用ラベルは、任意の印字方式に適用可能なものとすることができるが、とくに感熱発色が可能なサーマルラベルとすることにより、印字機構ないしプリンターの機構を簡素化することができる。
【0017】
本発明による検体管用ラベルにおいては、樹脂製の検体管に適したポリオレフィン系の粘着剤を選択するとともに、検体管用ラベル自体の厚さを従来のものより比較的薄い60〜70μmとしたので、従来のものよりも直径が細く樹脂製とされた検体管であっても、検体管用ラベルが浮き剥がれることなくこれを確実に貼り付け可能である。
なお、ラベル基材を仮着する台紙自体も薄くして剥離性を向上させるようにすれば、自動剥離機構および自動貼り機構に装填して使用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施の形態による検体管用ラベル1を図1ないし図4にもとづき説明する。
図1は、検体管用ラベル1の斜視図、図2は、縦断面図であって、検体管用ラベル1は、たとえばこれをサーマルラベルとして製造したもので、検体管用ラベル1は、剥離用の台紙2と、ラベル基材3と、を有する。
図3は、ラベル基材3を樹脂製の検体管Tに貼り付けた状態を示す斜視図である。
【0019】
台紙2の材料としては、グラシン紙、上質紙などを用いる。
台紙2の表面側(ラベル基材3側)に剥離剤層4を形成する。
剥離剤層4の剥離剤は、シリコーンが主であり、その厚さは、0.数μmから最大1μmまでで、この厚さにより剥離値を調整している。
【0020】
ラベル基材3は、その裏面側(台紙2側)に粘着剤層5を有するとともに、その表面側にサーマル印字層6(印字層)を有し、サーマル印字層6の一部にオーバーコート層を形成せず、ここを捺印領域7としている。
すなわち、サーマル印字層6のさらに表面側に、耐アルコール性ないしは耐薬剤性のニスなどによる耐薬剤層8を形成しておくことによって、アルコールなどによる発色ないし汚染からサーマル印字層6を保護している。このニスは、前述したエチルアルコールやイソピルアルコールのみならず、さらにはグルタールアルデヒドなどの消毒剤、ホルマリンやホルムアルデヒドガスなどの薫蒸殺菌剤、中性洗剤やアルカリ性洗剤などの界面活性剤、などに対しても耐性を有し、サーマル印字層6をこれら薬剤から保護することができる。
サーマル印字層6には、たとえばバーコード9を印字可能とし、捺印領域7には検査員などの捺印10を押印可能とし、検体管Tについての責任の所在を明確にすることができる。
【0021】
ラベル基材3は、台紙2の剥離剤層4の作用により台紙2上にこれを仮着しておくことができるとともに、必要に応じて台紙2からこれを剥離可能としている。
ラベル基材3の材料としては、紙材として、上質紙、コート紙などがあり、フィルム系材として、合成紙、PET(ポリエチレンテレフタレート)などがある。
【0022】
本発明においては、ラベル基材3の厚さを従来の85μmから、60〜70μmとして、より薄くこれを形成することによって、その剛性(いわゆる腰の強さ)を従来より低下させている。したがって、ラベル基材3(とくにその両方の端部3A)が検体管Tの表面から剥がれにくくなっている。
【0023】
さらに本発明においては、粘着剤層5の材料として、検体管Tの材料であるPEやPPなどの樹脂材料に親和性のあるポリオレフィン系の粘着剤、たとえばエマルジョン系アクリル粘着剤などを採用したので、上述したラベル基材3の薄さとあいまってラベル基材3が検体管Tから剥がれにくくすることができる。
この粘着剤層5の厚さとしては、従来と同様に約20μmとすることができる。
粘着剤自体の種類は、強粘着性のもの、弱粘着性のもの、あるいは冷凍用など、ラベル基材3の使用形態に応じて、任意のものを採用可能である。
【0024】
また、台紙2の厚さを従来の約70μmから、50〜60μmとして、より薄くこれを形成することによって、その剛性(いわゆる腰の強さ)を従来より低下させている。すなわち、図4にもとづき後述するように、台紙2の厚さを従来より薄くすることにより、この台紙2からのラベル基材3の剥離性を従来とほぼ同様のレベルに維持している。
【0025】
サーマル印字層6のサーマルコーティングの厚さとしては、従来と同様の数μmとすることができる。
【0026】
図4は、検体管用ラベル1(ラベル基材3)のとくにサーマル印字層6にバーコード9その他の印字を行うためのサーマルプリンター11の概略側面図であって、サーマルプリンター11は、サーマルヘッド12とプラテンローラー13と、剥離用ピン14と、を有する。剥離用ピン14の代わりに、剥離用プレート(図示せず)を設けることもできる。
サーマルヘッド12およびプラテンローラー13においてラベル基材3に印字を行ったのち、剥離用ピン14において台紙2のみを転向させてラベル基材3を台紙2から剥離する。
【0027】
こうした構成の検体管用ラベル1において、サーマルプリンター11によりラベル基材3のサーマル印字層6にバーコード9などを印字したのち、剥離用ピン14で台紙2のみを転向させることにより、ラベル基材3を台紙2から剥離する。
しかして、この剥離操作のときに、ラベル基材3が従来のものより薄く形成されていると、剥離用ピン14における台紙2の転向にラベル基材3が追随してしまって台紙2からの剥離が円滑に行えなくなる問題があるが、台紙2を従来のものより薄く形成することにより、剥離用ピン14の直径をより細径とすれば、台紙2が剥離用ピン14の外周面に密着した状態で転向することが可能となり、ラベル基材3の自動剥離を確実に実現することができる。
なお、台紙2の厚さを従来のままで剥離用ピン14の直径あるいは上記剥離用プレートの尖端部の曲率を小さくしても、あるいは台紙2の転向角度を鋭角にしても、台紙2の剛性が所定レベル以上の強いままであるので、台紙2自体が剥離用ピン14の外周面に密着した状態で転向せず、その転向半径が大きいままであるため、結果的にラベル基材3が剥離されにくいままである。
【0028】
さらに、図3に示すように、検体管用ラベル1(ラベル基材3)を検体管Tに貼り付けても、従来のものより薄く形成されたラベル基材3自体の剛性が従来のものより小さくなっているとともに、粘着剤層5の材料が検体管Tの材料であるPEやPPなどの樹脂材料に親和性のあるポリオレフィン系の粘着剤であるので、ラベル基材3を検体管Tに確実に貼り付け、とくにその端部3Aが検体管Tの表面から剥がれることを防止することができる。
したがって、従来より細径の検体管Tを用いる各種検査においても検体管Tに貼り付けたラベル基材3を剥がれにくくして、当該ラベル基材3がよくその表示機能を発揮することができる。
【0029】
なお、検体管用ラベル1に印字するサーマルプリンター11としては、サーマルプリンター11タイプ以外にも任意の印字方式のプリンターを用いることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ラベル基材を従来のものより薄く形成するとともに、樹脂製の検体管に適した粘着剤を採用したので、ラベル基材が検体管から剥がれることなく、その表示機能を確実に発揮可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による検体管用ラベル1の斜視図である。
【図2】同、縦断面図である。
【図3】同、ラベル基材3を樹脂製の検体管Tに貼り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】同、検体管用ラベル1(ラベル基材3)のとくにサーマル印字層6にバーコード9その他の印字を行うためのサーマルプリンター11の概略側面図である。
【符号の説明】
1 検体管用ラベル(実施の形態、図1、図2)
2 剥離用の台紙
3 ラベル基材
3A ラベル基材3の端部(図3)
4 剥離剤層
5 粘着剤層
6 サーマル印字層(印字層)
7 捺印領域
8 耐薬剤層
9 バーコード
10 捺印
11 サーマルプリンター(図4)
12 サーマルヘッド
13 プラテンローラー
14 剥離用ピン
T 検体管(図3)
Claims (5)
- 印字層および粘着剤層をラベル基材の表裏面に有するとともに検体管に貼り付ける検体管用ラベルであって、
前記ラベル基材の厚さを60〜70μmとするとともに、
前記粘着剤層の粘着剤をポリオレフィン系粘着剤とすることを特徴とする検体管用ラベル。 - 前記ラベル基材を剥離用の台紙に仮着するとともに、
この台紙の厚さを50〜60μmとすることを特徴とする請求項1記載の検体管用ラベル。 - 前記検体管の材料が樹脂材料であるとともに、
前記検体管の直径が7〜8mmであることを特徴とする請求項1記載の検体管用ラベル。 - 前記ラベル基材の表面に捺印領域を設けることを特徴とする請求項1記載の検体管用ラベル。
- 前記ラベル基材の表面に耐薬剤層を形成することを特徴とする請求項1記載の検体管用ラベル。
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JP2003150234A JP2004354551A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 検体管用ラベル |
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JP2014069847A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Fuji Seal International Inc | 二層グルーラベル付き容器及び二層グルーラベル |
JP2017056980A (ja) * | 2015-09-17 | 2017-03-23 | 大日本印刷株式会社 | 凍結保存容器、凍結保存容器用ラベル及びその製造方法 |
WO2022161281A1 (zh) * | 2021-01-29 | 2022-08-04 | 维沃移动通信有限公司 | 显示方法、装置和电子设备 |
WO2023223956A1 (ja) * | 2022-05-20 | 2023-11-23 | 大王製紙株式会社 | 医療用具用rfidラベル |
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- 2003-05-28 JP JP2003150234A patent/JP2004354551A/ja active Pending
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