JP2004354514A - 定着装置 - Google Patents

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JP2004354514A
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Shigeru Watanabe
茂 渡邊
Yasutaka Goto
康孝 後藤
Takeshi Fukuda
福田  剛士
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Abstract

【解決課題】加熱ロール等の加熱部材の温度が異常に上昇するのを確実に防止することができ、しかも、サーモスタット等の過熱防止手段を確実に動作させて、安全性を満足させることが可能な定着装置を提供することを課題とする。
【解決手段】内部に加熱源を有する加熱部材と加圧部材との間に、未定着画像を担持した記録媒体を通過させることによって加熱定着する定着装置において、前記加熱部材表面が異常に過熱したとき、前記加熱源への通電を遮断することにより、前記加熱部材の異常過熱を防止する少なくとも2つの過熱防止手段を備え、当該少なくとも2つの過熱防止手段を、前記加熱部材の最小サイズの記録媒体の通過幅内であって、いずれか一方が他方よりも早く作動するように構成して課題を解決した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、電子写真方式を適用したプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる定着装置に関し、特に、加熱部材の温度検知の性能を落とすことなく、当該加熱部材の異常昇温を防止することが可能な定着装置に関するものである。
【0002】
【特許文献1】実開昭63−80578号公報
【0003】
【従来の技術】
従来、上記電子写真方式を適用したプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる定着装置としては、内部に加熱源を有する加熱ロールに、加圧ロールや定着ベルトを圧接し、これら加熱ロールと加圧ロールや定着ベルトとの間に形成されるニップ部に、未定着トナー像を担持した記録媒体を通過させることにより、未定着トナー像を熱及び圧力によって記録用紙上に定着させるように構成したものがある。
【0004】
かかる定着装置では、例えば、加熱ロールの表面温度を、当該加熱ロールの非通紙部である端部に設けた接触式の温度センサーによって検知し、加熱源への通電を制御することにより、加熱ロールの通紙部の表面温度が所定の温度になるように予測制御するように構成されている。
【0005】
また、上記定着装置では、加熱ロールの異常な昇温を防止するため、当該加熱ロールの軸方向に沿った中央部などに、サーモスタットと温度フューズを配置 し、加熱ロールの表面温度が異常に上昇した場合であって、サーモスタットが故障等で作動しなかった場合に、温度フューズが切れて加熱源への通電を遮断することにより、記録用紙が発火したりするのを確実に防止するようになっている (実開昭63−80578号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記従来の画像形成装置に使用される定着装置の場合には、温度フューズが熱によって劣化するのを防止するため、温度フューズを加熱ロールの表面から離れた位置に設ける必要があり、温度フューズの作動温度が安定しておらず、通常の用紙走行時に温度フューズが誤って作動しないことを考慮すると、当該温度フューズの作動温度を高く設定する必要があった。そのため、上記定着装置では、サーモスタットが故障等で作動しなかった場合に、温度フューズの作動が遅れて、加熱ロールの温度が異常に上昇する虞れがあるという問題点を有してい た。
【0007】
また、上記従来の定着装置の場合には、通常の用紙走行時に温度フューズが誤って作動しないことを考慮すると、当該温度フューズを設定する位置も限定されることになり、温度フューズをなるべく離れた位置に配置するなど、設計を困難にするという問題点を有していた。
【0008】
上記の問題点を解決するために、温度フューズの代わりに、もう1つサーモスタットを配置することで、安全性を高めることも考えられるが、これら2つのサーモスタットを同じ位置に配置した場合には、2つのサーモスタットが同時に作動してしまい、ランニングコストをアップさせる。また、1つのサーモスタットを離れ過ぎた位置に配置した場合には、サーモスタットの動作が遅れるなど、2つのサーモスタットの位置や設定条件の決定が容易にできず、安全性を十分に確保することが難しいという問題点を有していた。
【0009】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、加熱ロール等の加熱部材の温度が異常に上昇するのを確実に防止することができ、しかも、サーモスタット等の過熱防止手段を確実に動作させて、安全性を満足させることが可能な定着装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、内部に加熱源を有する加熱部材と加圧部材との間に、未定着画像を担持した記録媒体を通過させることによって加熱定着する定着装置において、前記加熱部材表面が異常に過熱したとき、前記加熱源への通電を遮断することにより、前記加熱部材の異常過熱を防止する少なくとも2つの過熱防止手段を備え、当該少なくとも2つの過熱防止手段を、前記加熱部材の最小サイズの記録媒体の通過幅内であって、いずれか一方が他方よりも早く作動するように構成したことを特徴とする定着装置である。
【0011】
また、請求項2に記載された発明は、前記少なくとも2つの過熱防止手段は、前記加熱部材の記録媒体の通過範囲の中心から左右に等しい距離に配置されているとともに、当該加熱部材表面からの隙間が異なるように配置されていることを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
【0012】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記少なくとも2つの過熱防止手段 は、等しい作動温度に設定されていることを特徴とする請求項2記載の定着装置である。
【0013】
又、請求項4に記載された発明は、前記少なくとも2つの過熱防止手段は、前記加熱部材の記録媒体の通過範囲の中心から左右に等しい距離に配置されているとともに、当該加熱部材表面からの間隙が等しくなるように配置されており、前記少なくとも2つの過熱防止手段は、異なる作動温度に設定されていることを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
【0014】
更に、請求項5に記載された発明は、前記少なくとも2つの過熱防止手段は、前記加熱部材の記録媒体の通過範囲の中心から左右に等しい距離に配置されているとともに、当該加熱部材表面からの間隙が等しくなるように配置されており、前記少なくとも2つの過熱防止手段は、異なる応答速度に設定されていることを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
【0015】
また、請求項6に記載された発明は、前記加熱部材は、その表面温度が記録媒体の通過範囲の中心から左右に対称となるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置である。
【0016】
さらに、請求項7に記載された発明は、前記少なくとも2つの過熱防止手段のうち、一方の過熱防止手段は、加熱部材の温度分布の最も高い位置に配置され、他方の過熱防止手段は、加熱部材の温度分布の最も高い位置から外れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
【0017】
また、請求項8に記載された発明は、前記過熱防止手段は、サーモスタットから構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置である。
【0018】
なお、上記過熱防止手段としては、サーモスタットと同等の機能を発揮し得るものであれば、サーモスタットに限定されるものではない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置を画像形成装置としてのタンデム型のフルカラープリンタを示すものである。
なお、このタンデム型のフルカラープリンタは、小型のフルカラープリンタとしての特徴を有するものであり、しかも、フルカラーの画像を高い生産性(例えば、A4サイズで24枚/分)でプリントすることが可能となっている。
【0021】
図2において、01はタンデム型のフルカラープリンタの本体を示すものであ り、このプリンタ本体01の内部には、大別して、フルカラーの画像形成を行うプリントヘッドデバイス(Print Head Device )02と、このプリントヘッドデバイス02の像担持体としての4つの感光体ドラム11, 12, 13, 14に画像露光を施す露光装置としてのROS(Raster Output Scanner )03と、上記プリントヘッドデバイス02の各色の現像装置41, 42, 43, 44に対応する色のトナーを供給する4つのトナーボックス04Y,04M,04C,04K と、上記プリントヘッドデバイス02に記録媒体としての記録用紙Pを供給する給紙カセット05と、上記プリントヘッドデバイス02からトナー像が転写された記録用紙Pに対して、定着処理を施す定着装置70と、この定着装置70によって片面に画像が定着された記録用紙Pを、表裏を反転した状態で、再度プリントヘッドデバイス02の転写部へと搬送する両面用搬送経路07と、プリンタ本体01の外部から所望の記録用紙Pを給紙する手差し給紙手段08と、プリンタの動作を制御するコントローラ09と、画像信号に対して画像処理を施す画像処理回路や高圧電源回路等からなる電気回路10とが設けられている。なお、図2中、Tは画像が形成された記録用紙Pを排出する排出トイレを示すものであり、この排出トイレT は、プリンタ本体01の上部に一体的に配置されている。
【0022】
上記プリンタ本体01の内部に配設される種々の部材のうち、露光装置としてのROS03は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した画像データに基づいて点灯駆動される4つの半導体レーザや、これら4つの半導体レーザから出射される4本のレーザ光を、偏向走査するためのポリゴンミラーやf−θレンズ、あるいは複数枚の反射ミラーなどから構成されている。
【0023】
図3はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置としてのタンデム型フルカラープリンタのプリントヘッドデバイスを示すものである。尚、図3中の矢印は、各回転部材の回転方向を示している。
【0024】
このプリントヘッドデバイス02は、図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)用の各感光体ドラム(像担持体)1 1, 12, 13, 14 を有する画像形成ユニット1, 2, 3, 4と、これら感光体ドラム1 1,12, 13, 14に接触する一次帯電用の帯電ロール(接触型帯電装置)21, 22, 2 3,24と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のレーザ光31, 32, 33, 34を照射するROS(露光装置)03(図2参照)と、上記感光体ドラム11, 12, 13, 14上に形成された静電潜像を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーで現像する現像装置41, 42, 43, 44と、上記4つの感光体ドラム11, 12, 13, 14のうちの2つの感光体ドラム11, 12に接触する第1の一次中間転写ドラム(中間転写体)51及び他の2つの感光体ドラム13, 14に接触する第2の一次中間転写ドラム(中間転写体)52と、上記第1、第2の一次中間転写ドラム51, 52に接触する二次中間転写ドラム(中間転写体)53と、この二次中間転写ドラム53に接触する最終転写ロール(転写部材)60とで、その主要部が構成されている。
【0025】
感光体ドラム11, 12, 13, 14は、共通の接平面M を有するように一定の間隔をおいて配置されている。また、第1の一次中間転写ドラム51及び第2の一次中間転写ドラム52は、各回転軸が該感光体ドラム11, 12, 13, 14軸に対し平行かつ所定の対称面を境界とした面対称の関係にあるように配置されている。さらに、二次中間転写ドラム53は、該感光体ドラム11, 12, 13, 14と回転軸が平行であるように配置されている。
【0026】
各色毎の画像情報に応じた信号は、電気回路10(図2参照)に配設された画像処理回路によりラスタライジングされてROS03に入力される。このROS03では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のレーザ光31, 32, 33, 34が変調され、対応する色の感光体ドラム11, 12, 13, 14に照射される。
【0027】
上記各感光体ドラム11, 12, 13, 14の周囲では、周知の電子写真方式による各色毎の画像形成プロセスが行なわれる。まず、上記感光体ドラム11, 12, 13, 14としては、例えば、直径20mmのOPC感光体を用いた感光体ドラムが用いられ、これらの感光体ドラム11, 12, 13, 14は、例えば、151mm/secの回転速度で回転駆動される。上記感光体ドラム11, 12, 13, 14の表面は、図3に示すように、接触型帯電装置としての帯電ロール21, 22, 23, 24に、約−840VのDC電圧を印加することによって、例えば約−300V程度に帯電される。なお、上記接触型の帯電装置としては、ロールタイプのもの、フィルムタイプのもの、ブラシタイプのもの等が挙げられるが、どのタイプのものを用いても良い。この実施の形態では、近年、電子写真装置で一般に使用されている帯電ロールを採用している。また、感光体ドラム11, 12, 13, 14の表面を帯電させるために、この実施の形態では、DCのみ印加の帯電方式をとっているが、AC+DC印加の帯電方式を用いても良い。
【0028】
その後、感光体ドラム11, 12, 13, 14の表面には、露光装置としてのROS03によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応したレーザ光31, 32, 33, 34が照射され、各色毎の入力画像情報に応じた静電潜像が形成される。感光体ドラム11, 12, 13, 14は、ROS03で静電潜像が書き込まれた際に、その画像露光部の表面電位は−60 V以下程度にまで除電される。
【0029】
また、上記感光体ドラム11, 12, 13, 14の表面に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した静電潜像は、対応する色の現像装置41, 42, 43, 44によって現像され、感光体ドラム11, 12,13, 14 上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として可視化される。
【0030】
この実施の形態では、現像装置41, 42, 43, 44として、磁気ブラシ接触型の二成分現像方式を採用しているが、この発明の適用範囲はこの現像方式に限定されるものではなく、非接触型の現像方式においてもこの発明を充分に適用することができることは勿論である。
【0031】
現像装置41, 42, 43, 44には、それぞれ色の異なったイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)色のトナーと、キャリアからなる現像剤が充填されている。これらの現像装置41, 42, 43, 44には、図2に示すよう に、対応する色のトナーボックス04Y,04M,04C,04K からトナーが補給されると、この補給されたトナーは、オーガー404 で充分にキャリアと攪拌されて摩擦帯電される。現像ロール401 の内部には、複数の磁極を所定の角度に配置したマグネットロール(不図示)が固定した状態で配置されている。この現像ロール401 に現像剤を搬送するパドル403 によって、当該現像ロール401 の表面近傍に搬送された現像剤は、現像剤量規制部材402 によって現像部に搬送される量が規制される。この実施の形態では、上記現像剤の量は、30〜50g/mであり、また、このとき現像ロール401 上に存在するトナーの帯電量は、概ね−20 〜35μC/g 程度である。
【0032】
上記現像ロール401 上に供給されたトナーは、マグネットロールの磁力によって、キャリアとトナーで構成された磁気ブラシ状となっており、この磁気ブラシが感光体ドラム11, 12, 13, 14と接触している。この現像ロール401 にAC+DCの現像バイアス電圧を印加して、現像ロール401 上のトナーを感光体ドラム11, 1 2, 13, 14 上に形成された静電潜像に現像することにより、トナー像が形成される。この実施の形態では、例えば、現像バイアス電圧のAC成分が4 kHz、1.5 kVppで、DC成分が−230V程度に設定されている。
【0033】
この実施の形態では、上記現像装置41, 42, 43, 44において、トナーとして略球形状のトナーである所謂”球形トナー”であって、その平均粒径が3〜10μm程度のものが使用され、例えば、ブラック色のトナーの平均粒径は8μm、カラートナーの平均粒径は7μmに設定される。
【0034】
次に、上記各感光体ドラム11, 12, 13, 14上に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム51及び第2の一次中間転写ドラム52上に、静電的に二次転写される。感光体ドラム11, 12上に形成されたイエロー(Y)およびマゼンタ(M)色のトナー像は、第1の一次中間転写ドラム51上に、感光体ドラム13, 14上に形成されたシアン(C)、ブラック(K)色のトナー像は、第2の一次中間転写ドラム52上に、それぞれ転写される。従って、第1の一次中間転写ドラム51上には、感光体ドラム11または12のどちらから転写された単色像と、感光体ドラム11及び12の両方から転写された2色のトナー像が重ね合わされた二重色像が形成されることになる。また、第2の一次中間転写ドラム52上にも、感光体ドラム13,14 から同様な単色像と二重色像が形成される。
【0035】
上記第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 上に感光体ドラム11,12,13,14 からトナー像を静電的に転写するために必要な表面電位は、+250〜500 V程度である。この表面電位は、トナーの帯電状態や雰囲気温度、湿度によって最適値に設定されることになる。この雰囲気温度や湿度は、雰囲気温度や湿度によって抵抗値が変化する特性を持った部材の抵抗値を検知することで簡易的に知ることが可能である。上述のように、トナーの帯電量が−20 〜35μC/g の範囲内にあ り、常温常湿環境下にある場合には、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 の表面電位は、+380V程度が望ましい。
【0036】
この実施の形態で用いる第1、第2の一次中間転写ドラム51, 52は、例えば、外径が42mmに形成され、抵抗値は10Ω程度に設定される。第1、第2の一次中間転写ドラム51, 52は、単層、あるいは複数層からなる表面が可撓性、もしくは弾性を有する円筒状の回転体であり、一般的にはFeやAl等からなる金属製コアとしての金属パイプの上に、導電性シリコーンゴム等で代表される低抵抗弾性ゴム層(R=10〜10Ω)が、厚さ0.1 〜10mm程度に設けられている。更に、第1、第2の中間転写ドラム51, 52の最表面は、代表的にはフッ素樹脂微粒子を分散させたフッ素ゴムを厚さ3 〜100 μmの高離型層(R=10〜10Ω)として形成し、シランカップリング剤系の接着剤(プライマ)で接着されてい る。ここで重要なのは、抵抗値と表面の離型性であり、高離型層の抵抗値がR=10〜10Ω程度であり、高離型性を有する材料であれば、特に材料は限定されない。
【0037】
このように第1、第2の一次中間転写ドラム51, 52上に形成された単色又は二重色のトナー像は、二次中間転写ドラム53上に静電的に3次転写される。従っ て、二次中間転写ドラム53上には、単色像からイエロー(Y)、マゼンタ (M)、シアン(C)、ブラック(K)色の四重色像までの最終的なトナー像が形成されることになる。
【0038】
この二次中間転写ドラム53上へ第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 からトナー像を静電的に転写するために必要な表面電位は、+600〜1200V程度であ る。この表面電位は、感光体ドラム11, 12, 13, 14から第1の一次中間転写ドラム51及び第2の一次中間転写ドラム52へ転写するときと同様に、トナーの帯電状態や雰囲気温度、湿度によって最適値に設定されることになる。また、転写に必要なのは、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 と二次中間転写ドラム53との間の電位差であるので、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 の表面電位に応じた値に設定することが必要である。上述のように、トナーの帯電量が−20 〜35μC/g の範囲内にあり、常温常湿環境下であって、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 の表面電位が+380V程度の場合には、二次中間転写ドラム53の表面電位は、+880V程度、つまり第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 と二次中間転写ドラム53との間の電位差は、+500V程度に設定することが望まし い。
【0039】
この実施の形態で用いる二次中間転写ドラム53は、例えば、外径が第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 と同じ42mmに形成され、抵抗値は1011Ω程度に設定される。また、上記二次中間転写ドラム53も第1、第2の一次中間転写ドラム51, 52と同様、単層、あるいは複数層からなる表面が可撓性、もしくは弾性を有する円筒状の回転体であり、一般的にはFeやAl等からなる金属製コアとしての金属パイプの上に、導電性シリコーンゴム等で代表される低抵抗弾性ゴム層(R=10〜10Ω)が、厚さ0.1 〜10mm程度に設けられている。更に、二次中間転写ドラム53の最表面は、代表的にはフッ素樹脂微粒子を分散させたフッ素ゴムを厚さ3 〜100 μmの高離型層として形成し、シランカップリング剤系の接着剤(プライマ)で接着されている。ここで、二次中間転写ドラム53の抵抗値 は、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 よりも高く設定する必要がある。そうしないと、二次中間転写ドラム53が第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 を帯電してしまい、第1及び第2の一次中間転写ドラム51,52 の表面電位の制御が難しくなる。このような条件を満たす材料であれば、特に材料は限定されない。
【0040】
次に、上記二次中間転写ドラム53上に形成された単色像から四重色像までの最終的なトナー像は、最終転写ロール60によって、用紙搬送路を通る用紙Pに3次転写される。この用紙Pは、不図示の紙送り工程を経て用紙搬送ロール90を通過し、二次中間転写ドラム53と最終転写ロール60のニップ部に送り込まれる。この最終転写工程の後、用紙上に形成された最終的なトナー像は、定着装置70によって定着され、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0041】
図4はこの実施の形態に係る定着装置の外観を示す斜視図、図5はこの実施の形態に係る定着装置を示す断面図である。
【0042】
この実施の形態に係る定着装置70は、図5に示すように、内部に加熱源701 を有する加熱部材としての加熱ロール702 と、無端ベルト状の定着ベルト703 と、前記定着ベルト703 が回転自在となるように当該定着ベルト703 の両端を支持するベルトガイド部材704 と、前記定着ベルト703 の内部に配設され、前記加熱ロール702 の表面に定着ベルト703 を圧接させる圧接部材705 と、前記定着ベルト703 の内面にオイルを供給するオイル供給部材としてのフェルト部材706 とを備えるように構成されている。なお、図5中、750 は定着装置70の出口ロールを、751 は出口センサーを、752 は出口センサー751 のアクチュエータをそれぞれ示している。
【0043】
上記加熱ロール702 は、鉄やステンレス等からなる薄肉円筒状の芯金と、当該芯金の表面に被覆されたシリコンゴム等からなる肉厚0.65mm程度の弾性層と、当該弾性層の表面の被覆されたPFA等からなる肉厚30μm程度の離型層とから構成されている。また、上記加熱ロール702 の内部には、加熱源として650Wのハロゲンランプ701 が配設されている。
【0044】
また、上記定着ベルト703 は、ポリイミド等の合成樹脂によって、外径が30mm、肉厚が75μmの無端ベルト状に形成されており、必要に応じて、表面にPFA等からなる離型層が設けられる。
【0045】
さらに、上記ベルトガイド部材704 は、図6に示すように、圧接部材705 に一体的に組み付けられるように構成されている。
【0046】
この圧接部材705 は、図6及び図7に示すように、合成樹脂製のベルトハウジング707 と、当該ベルトハウジング707 に嵌合状態に装着される断面略コ字形状の金属製のベルトフレーム708 と、定着ベルト703 を加熱ロール702 に圧接させるためのニップヘッド部材709 と、当該ニップヘッド部材709 に装着されるパッド部材710 とから、主に構成されている。
【0047】
また、上記ベルトガイド部材704 は、図6及び図7に示すように、ベルトフレーム708 の両端部に互いに平行に突設された嵌合部708aに嵌合された状態で、ベルトハウジング707 の両端部に装着されるようになっている。
【0048】
さらに、上記オイル供給部材としてのフェルト部材706 は、例えば、ノーメックス(商品名)からなり、当該フェルト部材706 には、粘度300csのアミノSiオイル等からなるオイルが、2.0g程度含浸されている。このフェルト部材706 は、図 5及び図7に示すように、ベルトフレーム708 の背面側に接着等の手段によって固定した状態で取り付けられている。
【0049】
また、上記圧接部材705 は、図8に示すように、ベルトガイド部材704 を介して、アーム部材717 に取り付けられており、このアーム部材717 は、コイルスプリング718 によって圧接部材705 を加熱ロール702 に所定の圧力で圧接させるように構成されている。なお、図7及び図8中、719 は定着ベルト 703と0 圧接部材705 との間に介在される合成樹脂製のフィルム状のシート部材を示しており、やはり、定着ベルト703 と圧接部材705 との間の摩擦を低減するものであるが、必ずしも設けなくとも良い。
【0050】
ところで、この実施の形態に係る定着装置は、内部に加熱源を有する加熱ロールと加圧部材との間に、未定着画像を担持した記録媒体を通過させることによって加熱定着する定着装置において、前記加熱ロール(加熱部材)表面が異常に過熱したとき、前記加熱源への通電を遮断することにより、前記加熱ロールの異常過熱を防止する少なくとも2つの過熱防止手段を備え、当該少なくとも2つの過熱防止手段を、前記加熱ロールの最小サイズの記録媒体の通過幅内であって、いずれか一方が他方よりも早く作動するように構成されている。
【0051】
また、この実施の形態では、例えば、前記少なくとも2つの過熱防止手段は、前記加熱ロールの記録媒体の通過範囲の中心から左右に等しい距離に配置されているとともに、当該加熱ロール表面からの間隙が異なるように配置されている。
【0052】
さらに、この実施の形態では、例えば、前記少なくとも2つの過熱防止手段 は、等しい作動温度に設定されている。
【0053】
すなわち、この実施の形態では、図1及び図9に示すように、加熱ロール702 の表面と間隙を介して対向するように、当該加熱ロール702 の軸方向に沿って、過熱防止手段としての2つのサーモスタット721 ,722 が配設されている。
【0054】
上記2つのサーモスタット721 ,722 としては、例えば、双方とも同じワコー電子社製のB−2が用いられる。
【0055】
また、上記2つ配設されたサーモスタット721 ,722 は、定着装置70によって通紙可能な最小サイズ(例えば、名刺サイズ)の記録用紙Pの通紙幅内に配置されている。さらに、上記2つのサーモスタット721 ,722 は、加熱ロール702 の記録用紙Pの通紙範囲の中心Cから等しい距離L1=L2(=20mm)だけ離れた位置に配置されている。
【0056】
なお、上記2つのサーモスタット721 ,722 は、加熱ロール702 の記録用紙Pの通紙範囲の中心Cから、必ずしも物理的に等しい距離L1=L2に配置する必要はなく、互いにほぼ等しい距離(L1=20.25mm≒L2=19.75mm)だけ離れた位置に配置しても良い。
【0057】
また、上記2つのサーモスタット721 ,722 としては、作動温度が等しいもの(例えば、160℃)が使用されている。さらに、上記2つのサーモスタット721 ,722 は、図1に示すように、加熱ロール702 表面からの間隙(G1≠G2)が異なるように設定されており、いずれか一方のサーモスタット721 が他方のサーモスタット722 よりも早く作動するように構成されている。上記加熱ロール702 表面からの間隙G1は、例えば1.5mmに、他方の間隙G2は、例えば2.0mmにそれぞれ設定されており、サーモスタット721 の方が間隙G1が小さいため、早く温度が上昇して早く作動するように構成されている。
【0058】
なお、上記加熱ロール702 の内部に配設される加熱源701 は、図1に示すように、加熱ロール702 の通紙範囲の中心Cを基準にして、軸方向に沿って左右対称に発熱するように構成されている。また、記録用紙Pは、当然のことながら、加熱ロール702 の通紙範囲の中心Cを基準にして搬送される。
【0059】
なお、この実施の形態では、図9に示すように、加熱ロール702 の軸方向の一端部に、当該加熱ロール702 端部(非通紙部)の表面温度を検知する接触式の温度センサー723 が配設されている。
【0060】
図10はこの実施の形態に係る定着装置の電気回路を示すものである。
【0061】
加熱ロール702 の内部に配設された加熱源701 は、図10に示すように、その一端部がコネクター730 を介して、定着装置70全体のコネクター731 に接続されているとともに、その他端部は、互いに直列に接続された2つのサーモスタット721 ,722 を介して、定着装置全体のコネクター731 に接続されている。なお、2つのサーモスタット721 ,722 は、リン青銅からなる板金736 を介して、互いに直列に接続されている。このリン青銅からなる板金736 は、高さが異なる2つのサーモスタット721 ,722 を確実に接続するためのものである。
【0062】
また、上記接触式の温度センサー723 は、コネクター733 を介して、定着装置全体のコネクター731 に接続されている。さらに、上記定着装置全体のコネクター731 には、出口センサー751 がコネクター734 を介して、定着装置使用状態等を記憶させるための記憶素子735 が直接、それぞれ接続されている。
【0063】
そして、上記定着装置70は、定着装置全体のコネクター731 を介して、加熱源701 が図示しないSSR(Solid State Rellay)に接続されているとともに、接触式の温度センサー723 等が、定着装置の動作を制御する図示しないCPUに接続されており、加熱源701 への通電が制御されるようになっている。
【0064】
以上の構成において、この実施の形態に係る定着装置では、次のようにして、加熱ロール等の加熱部材の温度が異常に上昇するのを確実に防止することがで き、しかも、サーモスタット等の過熱防止手段を確実に動作させて、安全性を満足させることが可能となっている。
【0065】
すなわち、この実施の形態に係る定着装置70では、図5に示すように、内部に加熱源701 を有する加熱ロール702 と、無端ベルト状に形成された定着ベルト703 と、前記定着ベルト703 が回転自在となるように当該定着ベルト703 の両端を支持するベルトガイド部材704 と、前記定着ベルト703 の内部に配設され、前記加熱ロール702 の表面に定着ベルト703 を圧接させる圧接部材705 と、前記定着ベルト703 の内面にオイルを供給するフェルト部材706 とを備え、前記加熱ロール702 と定着ベルト703 の間に形成されるニップ部に、未定着トナー像を担持した記録媒体Pを通過させることにより定着を行なうようになっている。
【0066】
その際、上記定着装置70では、図1及び図9に示すように、加熱ロール702 の過熱を防止する過熱防止手段としての2つ配設されたサーモスタット721 ,722 が、通紙可能な最小サイズ(例えば、名刺サイズ)の記録用紙Pの通紙幅内に配置されているとともに、加熱ロール702 の記録用紙Pの通紙範囲の中心Cから等しい距離L1=L2(=20mm)だけ離れた位置に配置されている。
【0067】
また、上記2つのサーモスタット721 ,722 は、作動温度が互いに等しいものが、加熱ロール702 表面からの間隙(G1≠G2)が互いに異なるように配置されている。
【0068】
ところで、上記定着装置70において、接触式の温度センサー723 やSSR等の制御回路が故障した場合など、加熱ロール702 の表面温度が異常に上昇する虞れを有している。
【0069】
この場合には、図11に示すように、室温から加熱ロール702 の表面温度がオーバーヒートするが、加熱ロール702 の表面近傍には、図1及び図9に示すように、加熱ロール702 表面との間隙が異なる2つのサーモスタット721 ,722 が配設されている。
【0070】
そして、上記2つのサーモスタット721 ,722 のうち、加熱ロール702 の表面との間隙が小さく設定されたサーモスタット721 が故障していたとすると、図11に示すように、当該サーモスタット722 の作動温度(160℃)に達し、加熱ロール702 の表面温度が350℃程度に達しても、加熱源701 への通電が遮断されずに、そのまま加熱ロール702 の表面温度が上昇し続けることになる。
【0071】
ところで、この実施の形態では、上記サーモスタット721 と等しい距離の位置に、別のサーモスタット722 が配置されており、当該サーモスタット722 は、加熱ロール702 の表面との間隙が、サーモスタット721 よりも大きく設定されている。そのため、上記サーモスタット721 が故障していたとしても、図11に示すように、当該サーモスタット722 が遅れて作動し、加熱ロール702 の表面温度が400℃程度に達すると、加熱源701 への通電が遮断され、加熱ロール702 の表面温度が異常に上昇するのを確実に防止することができるようになっている。
【0072】
よって、この実施の形態では、加熱ロール702 の温度が異常に上昇するのを確実に防止することができ、しかも、サーモスタット等の過熱防止手段を確実に動作させて、安全性を満足させることが可能となっている。
【0073】
実施の形態2
図12はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、少なくとも2つの過熱防止手段は、加熱ロールの記録媒体の通過範囲の中心から左右に等しい距離に配置されているとともに、当該加熱ロール表面からの間隙が等しくなるように配置されており、前記少なくとも2つの過熱防止手段は、異なる作動温度に設定されている。
【0074】
すなわち、この実施の形態2では、図12に示すように、2つのサーモスタット721 ,722 が、加熱ロール702 の記録媒体Pの通過範囲の中心Cから左右に等しい距離(L1=L2)に配置されているとともに、当該加熱ロール702 表面からの間隙(G1=G2)が等しくなるように配置されており、これら2つのサーモスタット721 ,722 は、作動温度が異なるように、例えば、一方のサーモスタット721 の作動温度が160℃に、他方のサーモスタット722 の作動温度が170℃となるように設定されている。
【0075】
したがって、この実施の形態では、接触式の温度センサー723 やSSR等の制御回路が故障した場合など、加熱ロール702 の表面温度が異常に上昇し、作動温度が低く設定されたサーモスタット721 が故障していたとしても、図13に示すように、他方のサーモスタット722 の作動温度(170℃)に達すると、当該サーモスタット722 が作動して、加熱ロール702 の表面温度が400℃程度以上に上昇するのを確実に防止することができる。
【0076】
この実施の形態2は、2つのサーモスタット721 ,722 等の取り付けに関して共通化が可能であり、作業性を向上させることが可能となる。
【0077】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0078】
実施の形態3
図12はこの発明の実施の形態3をも示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、少なくとも2つの過熱防止手段は、加熱ロールの記録媒体の通過範囲の中心から左右に等しい距離に配置されているとともに、当該加熱ロール表面からの間隙が等しくなるように配置されており、前記少なくとも2つの過熱防止手段は、異なる応答速度に設定されている。
【0079】
すなわち、この実施の形態3では、図12に示すように、2つのサーモスタット721 ,722 が、加熱ロール702 の記録媒体Pの通過範囲の中心Cから左右に等しい距離(L1=L2)に配置されているとともに、当該加熱ロール702 表面からの間隙(G1=G2)が等しくなるように配置されており、これら2つのサーモスタット721 ,722 は、一方の検知部を黒色に塗るなどして、応答速度が異なるように設定されている。
【0080】
そのため、この実施の形態3は、2つのサーモスタット721 ,722 等の取り付けに関して共通化が可能であり、作業性を向上させることが可能となる。
【0081】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0082】
実施の形態4
図14はこの発明の実施の形態4を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態4では、少なくとも2つの過熱防止手段のうち、一方の過熱防止手段は、加熱ロールの温度分布の最も高い位置に配置され、他方の過熱防止手段は、加熱ロールの温度分布の最も高い位置から外れた位置(少し低い温度分布の位置)に配置されるように構成されている。
【0083】
すなわち、この実施の形態4では、図14に示すように、作動温度が同じ2つのサーモスタット721 ,722 のうち、一方のサーモスタット721 が加熱ロール702 の表面温度の最も高い、加熱ロール702 の記録媒体Pの通過範囲の中心Cに配置されているとともに、他方のサーモスタット722 が、定着装置70によって通紙可能な最小サイズ(例えば、名刺サイズ)の記録用紙Pの通紙幅内であって、一方のサーモスタット721 から40〜50mm離れた、少し低い温度分布の位置に配置されている。なお、加熱ロール702 表面からの間隙は、2つのサーモスタット721 ,722 ともに等しく設定されている。
【0084】
この場合には、図15に示すように、加熱ロールの温度分布の最も高い位置の温度と、当該位置よりも少し低い温度分布の位置の温度との差だけ、他方のサーモスタット722 が遅れて作動するため、加熱ロールの温度分布の最も高い位置の温度と、当該位置よりも少し低い温度分布の位置の温度との差を、10℃前後に設定することにより、一方が故障しても他方のサーモスタット722 によって、加熱ロール702 の異常昇温を防止することができる。
【0085】
この実施の形態でも、2つのサーモスタット721 ,722 を共通化することができ、コストダウンが可能となるとともに、サーモスタットの配置の自由度を高めることができる。
【0086】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0087】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、過熱防止手段を少なくとも2つ備えることで、一方が故障等で作動しなかった場合、もう一方の過熱防止手段が温度フューズを使用する場合よりも、早く安定した温度で作動することができるため、加熱部材が過剰な温度になることを防止することができる。また、過熱防止手段を少なくとも2つ備える構成の方が自由度が高いため、設計が容易にできることで、安全性への信頼性を上げることが可能となる。さらに、同じ過熱防止手段を用いる場合には、部品の共通化によってコストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す概略構成図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置を画像形成装置としてのタンデム型のフルカラープリンタを示す構成図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置を画像形成装置としてのタンデム型のフルカラープリンタの画像形成部を示す構成図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を示す外観斜視図である。
【図5】図5はこの発明の実施の形態1に係る定着装置を示す断面構成図である。
【図6】図6はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の加圧部材を示す外観斜視図である。
【図7】図7はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の加圧部材を示す分解斜視図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の加圧機構を示す構成図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の主用部品を示す分解構成図である。
【図10】図10はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の電気回路を示す回路図である。
【図11】図11はこの発明の実施の形態1に係る定着装置の動作を示すグラフである。
【図12】図12はこの発明の実施の形態2に係る定着装置の要部を示す概略構成図である。
【図13】図13はこの発明の実施の形態2に係る定着装置の動作を示すグラフである。
【図14】図14はこの発明の実施の形態3に係る定着装置の要部を示す概略構成図である。
【図15】図15はこの発明の実施の形態3に係る定着装置の動作を示すグラフである。
【符号の説明】
70:定着装置、701:加熱源、702:加熱ロール、703:定着ベル ト、721:サーモスタット、722:サーモスタット、P:記録媒体。

Claims (8)

  1. 内部に加熱源を有する加熱部材と加圧部材との間に、未定着画像を担持した記録媒体を通過させることによって加熱定着する定着装置において、
    前記加熱部材表面が異常に過熱したとき、前記加熱源への通電を遮断することにより、前記加熱部材の異常過熱を防止する少なくとも2つの過熱防止手段を備え、当該少なくとも2つの過熱防止手段を、前記加熱部材の最小サイズの記録媒体の通過幅内であって、いずれか一方が他方よりも早く作動するように構成したことを特徴とする定着装置。
  2. 前記少なくとも2つの過熱防止手段は、前記加熱部材の記録媒体の通過範囲の中心から左右に等しい距離に配置されているとともに、当該加熱部材表面からの隙間が異なるように配置されていることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記少なくとも2つの過熱防止手段は、等しい作動温度に設定されていることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 前記少なくとも2つの過熱防止手段は、前記加熱部材の記録媒体の通過範囲の中心から左右に等しい距離に配置されているとともに、当該加熱部材表面からの間隙が等しくなるように配置されており、前記少なくとも2つの過熱防止手段は、異なる作動温度に設定されていることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  5. 前記少なくとも2つの過熱防止手段は、前記加熱部材の記録媒体の通過範囲の中心から左右に等しい距離に配置されているとともに、当該加熱部材表面からの間隙が等しくなるように配置されており、前記少なくとも2つの過熱防止手段は、異なる応答速度に設定されていることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  6. 前記加熱部材は、その表面温度が記録媒体の通過範囲の中心から左右に対称となるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記少なくとも2つの過熱防止手段のうち、一方の過熱防止手段は、加熱部材の温度分布の最も高い位置に配置され、他方の過熱防止手段 は、加熱部材の温度分布の最も高い位置から外れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  8. 前記過熱防止手段は、サーモスタットから構成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008083103A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Oki Data Corp 画像形成装置
US7499658B2 (en) 2005-11-03 2009-03-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Image forming apparatus including at least two thermostats to prevent overheating of the heating roller

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