JP2004353192A - 車両用電子キーシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】エマージェンシーキーの使用方法が複雑となることを防止し、エマージェンシーキーの利便性を高めることのできる車両用電子キーシステムを提供する。
【解決手段】本発明に係る車両用電子キーシステム1は、ドアの解錠やエンジンの始動のためのコードを発信する電子キー本体7、及び、非常の際にドアキーシリンダーに挿入されてドアの解錠を行うエマージェンシーキー8を有する電子キー3と、電子キー本体7が挿入されるスロット5とを備え、そのエマージェンシーキー8は電子キー本体7に出没可能に設けられ、電子キー本体7は、この電子キー本体7からエマージェンシーキー8が突出した状態で、エマージェンシーキー8の側からスロット5に挿入可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る車両用電子キーシステム1は、ドアの解錠やエンジンの始動のためのコードを発信する電子キー本体7、及び、非常の際にドアキーシリンダーに挿入されてドアの解錠を行うエマージェンシーキー8を有する電子キー3と、電子キー本体7が挿入されるスロット5とを備え、そのエマージェンシーキー8は電子キー本体7に出没可能に設けられ、電子キー本体7は、この電子キー本体7からエマージェンシーキー8が突出した状態で、エマージェンシーキー8の側からスロット5に挿入可能である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアの解錠やエンジンの始動を電子的に許可する電子キー本体及び非常の際にドアの解錠を機械的に行うエマージェンシーキーを有する電子キーと、電子キー本体が挿入される挿入部とを有する車両用電子キーシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の電子キーとしては、例えば特許文献1に記載されているように、ICチップが実装された基板や電池等がケース内に収められてなる電子キー本体と、電子キー本体に収納(格納)可能なエマージェンシーキーとを有するものが知られている。電子キー本体は、ドアの施錠や解錠を遠隔的に行うとともに、車両に設けられた挿入部に挿入されてイモビライザー機器と通信を行いエンジンの始動を許可する。エマージェンシーキーは、電子キー本体の電池切れの場合等の非常時に、ドアキーシリンダーに挿入されてドアの施錠や解錠を機械的に行う。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−146862号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような電子キー及び挿入部を有する電子キーシステムでは、エマージェンシーキーを使用しなければならない場合に、運転者はまず電子キー本体に格納されたエマージェンシーキーを電子キー本体から突出させる等して取り出し、そのエマージェンシーキーをドアキーシリンダーに挿入してドアの解錠を行い、再度エマージェンシーキーを電子キー本体に格納した上で、電子キー本体を挿入部に挿入していた。
【0005】
したがって、使用頻度としては高くないエマージェンシーキーについて、それを取り出して解錠後格納するという特有の操作が求められており、使用方法がユーザーにとって複雑であるという問題があった。
【0006】
また、エンジンの始動前にエマージェンシーキーを電子キー本体に格納し直さなければならないことは、特に自動車の発進を急ぐ運転者には煩わしく、利便性に欠けるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、エマージェンシーキーの使用方法が複雑となることを防止し、エマージェンシーキーの利便性を高めることのできる車両用電子キーシステムを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、ドアの解錠やエンジンの始動のためのコードを発信する電子キー本体、及び、非常の際にドアキーシリンダーに挿入されて前記ドアの解錠を行うエマージェンシーキーを有する電子キーと、前記電子キー本体が挿入される挿入部とを有する車両用電子キーシステムであって、前記エマージェンシーキーが前記電子キー本体に出没可能に設けられ、前記電子キー本体が、該電子キー本体から前記エマージェンシーキーが突出した状態で、該エマージェンシーキーの側から前記挿入部に挿入可能であることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用電子キーシステムにおいて、前記挿入部に、前記電子キー本体が挿入されたときに該電子キー本体に前記エマージェンシーキーを没入させる格納手段が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用電子キーシステムにおいて、前記挿入部の前記電子キー本体の挿入口にシャッターが設けられ、前記シャッターに前記エマージェンシーキーが挿入されるキーシリンダーが設けられたことを特徴とする。
【0011】
【作用】
請求項1に係る発明によれば、電子キー本体からエマージェンシーキーが突出した状態で、その電子キー本体をエマージェンシーキーの側から挿入部に挿入可能であるので、ドア解錠時に取り出したエマージェンシーキーを電子キー本体に没入させて格納した上で電子キー本体を挿入部に挿入するという非常時特有の操作が不要となり、非常時においてもユーザーが違和感なく容易にドアの解錠からエンジンの始動までの一連の操作を行うことができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、電子キー本体が挿入されたときにこの電子キー本体にエマージェンシーキーを没入させる格納手段が挿入部に設けられているので、エマージェンシーキーが突出した状態のまま電子キー本体を挿入部に格納する場合のように、電子キー本体にエマージェンシーキーを加えた寸法を受け入れるだけの容量を挿入部が有する必要がなく、挿入部の小型化を図ることが可能となる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、挿入部の電子キー本体の挿入口にシャッターが設けられるとともに、シャッターにエマージェンシーキーが挿入されるキーシリンダーが設けられているので、このキーシリンダーによりエマージェンシーキーが照合された場合にのみ電子キー本体の挿入部への挿入が許容されることによって、挿入部に対応する電子キー以外の物の挿入部への挿入が阻止され、異物の挿入による挿入部の故障等を防止することができる。また、電子キー本体が挿入されていないときには挿入部がシャッターにより塞がれるので、挿入部への塵埃等の侵入が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る車両用電子キーシステムを示す。この電子キーシステム1は、図2に示す車両2に用いられ、ユーザーが携帯する電子キー3と、車両2の車室内でステアリングホイール4の近くに設けられた挿入部としてのスロット5とを有する。
【0016】
電子キー3は、ICチップが実装された基板や電池等がケース6の内部に収められてなる電子キー本体7と、電子キー本体7のケース6に出没可能に設けられたエマージェンシーキー(メカニカルキー)8とを備える。電子キー本体7は、ドア9の施錠・解錠用のコード(リモコンID)により遠隔的にドア9の施錠や解錠を許可するとともに、エンジン10の始動用のコード(キーID)によりエンジン10の始動を許可する。例えばドア9を解錠する際には、車両2と電子キー本体7との通信により車両2にリモコンIDが認証されるので、ユーザーが電子キー本体7を携帯してドアハンドル11付近に設けられたアンロック用のボタン12を操作すればロックが解除される。エマージェンシーキー8は、非常の際にドアキーシリンダー13に挿入されてドア9の施錠や解錠を行う。
【0017】
詳細には、図3に示すように、電子キー本体7のケース6は直方体状を呈し、その長手方向に延びる側壁14には同方向に沿ってスライド溝15が形成されている。側壁14の内側にはスライド溝15に沿ってエマージェンシーキー8が配設され、エマージェンシーキー8はケース6の前壁16に形成されたキー開口17を通じて出没可能に設けられている。エマージェンシーキー8の後部には、図4に示すように、弾性材からなる弾性部18が設けられている。この弾性部18にはスライド溝15から突出する突起部19が形成され、突起部19の斜め下方には半球状凸部20が形成されている。一方、ケース6の側壁14の内面には、半球状凸部20と係合可能な半球状凹部21,22が形成され、ケース6の内部で半球状凹部21,22に対向する箇所には、側面視したときに弾性部18と略同等な大きさを有する凹部23,24が形成されている。
【0018】
エマージェンシーキー8は通常はケース6の内部に没入し、半球状凸部20が半球状凹部21に係合した状態で電子キー本体7に格納されている(図4(a))。エマージェンシーキー8を電子キー本体7から取り出すには、ユーザーはまず突起部19を押して凹部23に向かって弾性部18を撓ませ、半球状凸部20と半球状凹部21との係合を解除した後に(図4(b))、突起部19をスライド溝15に沿って前方にスライドさせ(図4(c))、それをスライド溝15の前縁部25に突き当てる(図4(d))。これにより、半球状凸部20と半球状凹部22とが係合し、エマージェンシーキー8は電子キー本体7に突出した状態で位置決めされる。
【0019】
逆に、エマージェンシーキー8を電子キー本体7に格納するには、ユーザーは突起部19を押して凹部24に向かって弾性部18を撓ませ、半球状凸部20と半球状凹部22との係合を解除した後に、突起部19をスライド溝15に沿って後方にスライドさせ、それをスライド溝15の後縁部26に突き当てる。すると、半球状凸部20と半球状凹部21とが係合し、エマージェンシーキー8は格納状態に位置決めされる。
【0020】
スロット5は、図5(a)に示すように、スロットケース27と、シャッター28と、格納機構29と、保持機構30とを備える。スロットケース27には、電子キー本体7が挿入されるスペース31と、スペース31の開口部32に隣接するスペース33とが設けられている。
【0021】
シャッター28はスペース31に設けられ、バネ34により開口部32に向けて付勢されている。シャッター28は、図6に示すように、シャッターケース35と、後述のようにエマージェンシーキー8が挿入されるキーシリンダー36とを備える。キーシリンダー36の内部には複数のタンブラが設けられ、例えば図6に示すように2つのタンブラ37,38が設けられているとすると、タンブラ37,38は図7(a)に示すように常時はシャッターケース35の内部に設けられたバネ39により上方に付勢され、それぞれの頭部40,41がシャッターケース35から上方に突出する。したがって、シャッター28がスペース31の開口部32に位置した状態では、タンブラ37,38の頭部40,41が図8(a)に示すように開口部32の上部に形成された凹部42に入り込み、シャッター28をスペース31の奥に向けて動かすことができない(シャッター28がロックされる。)。一方、キーシリンダー36にエマージェンシーキー8が差し込まれ、図7(b)、図8(b)に示すようにタンブラ37,38の鍵穴43,44にエマージェンシーキー8が挿入されると、タンブラ37,38はエマージェンシーキー8のキーパターンによりバネ39の付勢力に抗して引き下げられ、頭部40,41がシャッターケース35に入り込んでシャッター28のロックが解除される。
【0022】
格納機構29は、キーシリンダー36に挿入されたエマージェンシーキー8の先端が突き当たる棒状の突当部材45と、突当部材45のスペース31における移動をスペース31の側面46に沿って案内するガイド部材47と、突当部材45及びガイド部材47を開口部32に向けて付勢するバネ48とにより構成されている。また、保持機構30は、図9に示すように、スペース33に設けられた回動部材49、バネ50及び係止機構51と、シャッターケース35の下部に設けられて側方に突出する棒状の解除部材52とにより構成されている。
【0023】
回動部材49は、図10に示すように、基部53と、支軸54と、係止片55とを備える。基部53の右側(図10における手前側)の側部には、平面視台形状の係合部56と、側面視三角形状の押下部57とが突設されている。係合部56は前面58が右側ほど後方になる斜面に形成され、押下部57は上面59が上側ほど後方になる斜面に形成されている。支軸54は基部53の後部において左方に突出し、スペース33の側面60に形成された軸穴61に軸支される。これにより、回動部材49はスペース33において鉛直面内で回動自在となっているが、常時はバネ50により下方から支持されて回動部材49の水平姿勢が維持される。
【0024】
係止片55は係合部56の下部から下方に延設され、係止片55の先端部には半球状凸部62が右方に膨出するように設けられている。係止機構51はその係止片55の下方に設けられ、係止板63と、基部64とを有する。係止板63は長方形状を呈して基部64に傾動可能に設けられ、図示を略すねじりバネにより起立方向に付勢されている。係止板63の後縁部には、半球状凸部62に係止可能な半円状凹部65が形成されている。
【0025】
ユーザー(運転者)がエマージェンシーキー8によりドア9を解錠して車両2の運転席に乗り込んだ場合には、電子キー本体7はエマージェンシーキー8がキーシリンダー36に差し込まれるようにスロット5に挿入することができる。すなわち、エマージェンシーキー8がキーシリンダー36に差し込まれてエマージェンシーキー8(あるいは電子キー3)がキーシリンダー36により照合されると、シャッター28のロックが解除され(図5(b)、図8(b))、電子キー本体7をシャッター28とともにスペース31に押し込むことが可能となる(図9(a))。
【0026】
電子キー本体7がスペース31に押し込まれていくと、突起部19が係合部56の前面58及び側面66と摺接し、弾性部18が撓んで半球状凸部20と半球状凹部22との係合が解除される(図5(c)、図8(c)、図9(b))。この状態で、エマージェンシーキー8の先端が突当部材45に突き当たると、エマージェンシーキー8は突当部材45により電子キー本体7のケース6の内部に押し込まれる(図5(d)、図8(d))。そして、最終的にはエマージェンシーキー8が電子キー本体7に格納された状態で、かつ、突起部19が係合部56の後面67と係合した状態で、電子キー本体7のスロット5への挿入が完了する(図5(e)、図8(e)、図9(c))。電子キー本体7のスロット5への挿入が完了すると、上記ICチップに埋め込まれたキーIDにより車両2のエンジン10を始動させることが可能となる。
【0027】
一方、電子キー本体7をスロット5から取り出す場合には、ユーザーは電子キー本体7をスロット5にさらに押し込むように力を加えればよい(図5(f)、図9(d))。これにより、突起部19が押下部57の上面59を相対的に上昇していくように、つまり、押下部57を押し下げるように回動部材49を回動させ、係止片55の半球状凸部62が係止板63の半円状凹部65に係止される(図9(e))。続いて、ユーザーが電子キー本体7に加える力を緩めると、電子キー本体7はバネ34の付勢力によりシャッター28とともに押し戻されるが、このとき回動部材49が係止板63に係止されて傾斜姿勢にあり、係合部56は突起部19の高さよりも下方に下がっているので、突起部19の進行を阻害しない(図9(f))。
【0028】
突起部19が係合部56を通過すると、解除部材52がシャッター28とともに係止板63に接近し(図9(g))、最終的には(シャッター28が開口部32に到達したときには)係止板63に当たりこれを傾動させる(図9(h))。この係止板63の傾動により半球状凸部62と半円状凹部65との係止は解除されるので、回動部材49はバネ50により水平姿勢に戻り(図9(i))、電子キー3はスロット5から取り出される。なお、スロット5への挿入時に突出していたエマージェンシーキー8は、格納機構29により既に電子キー本体7の内部に押し戻されているので、スロット5から取り出された電子キー3においてはエマージェンシーキー8は格納状態にある(図1参照)。
【0029】
この実施の形態に係る車両用電子キーシステム1では、電子キー本体7からエマージェンシーキー8が突出した状態で、その電子キー本体7をエマージェンシーキー8の側からスロット5に挿入可能であるので、ドア解錠時に取り出したエマージェンシーキーを電子キー本体に格納した上で電子キー本体をスロットに挿入するという非常時特有の操作が不要となり、非常時においてもユーザーが違和感なく容易にドア9の解錠からエンジン10の始動までの一連の操作を行うことができる。
【0030】
また、スロット5には電子キー本体7にエマージェンシーキー8を没入させる格納機構29が設けられているので、エマージェンシーキーが突出した状態のまま電子キー本体をスロットに格納する場合のように、電子キー本体にエマージェンシーキーを加えた寸法を受け入れるだけの容量をスロット5が有する必要がなく、スロットの小型化を図ることが可能となっている。
【0031】
さらに、スロット5の電子キー本体7の挿入口にキーシリンダー36を有するシャッター28が設けられ、キーシリンダー36によりエマージェンシーキー8が照合された場合にのみシャッター28が電子キー本体7のスロット5への挿入を許容するので、スロット5に対応する電子キー以外の物のスロット5への挿入が阻止され、異物の挿入によるスロットの故障等を防止することができる。そのスロット5は電子キー本体7が挿入されていないときにはシャッター28により塞がれるので、スロット5への塵埃等の侵入も防止されている。
【0032】
なお、本発明は上述した形態に限られるものではなく、例えば電子キー本体7の形状が直方体状でなくても、あるいは、シャッター28や格納機構29、保持機構30の構造が異なるものであってもかまわない。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、電子キー本体からエマージェンシーキーが突出した状態で、その電子キー本体をエマージェンシーキーの側から挿入部に挿入可能であるので、ドア解錠時に取り出したエマージェンシーキーを電子キー本体に没入させて格納した上で電子キー本体を挿入部に挿入するという非常時特有の操作が不要となり、非常時においてもユーザーが違和感なく容易にドアの解錠からエンジンの始動までの一連の操作を行うことができる。
【0034】
請求項2に係る発明によれば、電子キー本体が挿入されたときにこの電子キー本体にエマージェンシーキーを没入させる格納手段が挿入部に設けられているので、エマージェンシーキーが突出した状態のまま電子キー本体を挿入部に格納する場合のように、電子キー本体にエマージェンシーキーを加えた寸法を受け入れるだけの容量を挿入部が有する必要がなく、挿入部の小型化を図ることが可能となる。
【0035】
請求項3に係る発明によれば、挿入部の電子キー本体の挿入口にシャッターが設けられるとともに、シャッターにエマージェンシーキーが挿入されるキーシリンダーが設けられているので、このキーシリンダーによりエマージェンシーキーが照合された場合にのみ電子キー本体の挿入部への挿入が許容されることによって、挿入部に対応する電子キー以外の物の挿入部への挿入が阻止され、異物の挿入による挿入部の故障等を防止することができる。また、電子キー本体が挿入されていないときには挿入部がシャッターにより塞がれるので、挿入部への塵埃等の侵入が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態に係る車両用電子キーシステムを示し、(a)は電子キー本体をスロットに挿入する状態を示す説明図、(b)は電子キー本体をスロットに挿入した状態を示す説明図、(c)は電子キー本体をスロットから取り出す状態を示す説明図である。
【図2】図1の電子キーシステムが用いられる車両を示す説明図である。
【図3】図1の電子キーを示し、(a)はエマージェンシーキーが電子キー本体に格納された状態を表す説明図、(b)はエマージェンシーキーが電子キー本体から突出した状態を表す説明図である。
【図4】図3の電子キーの内部構造を示し、(a)はエマージェンシーキーが電子キー本体に格納されて位置決めされた状態を表す説明図、(b)は突起部が押されて(a)の位置決めが解除された状態を表す説明図、(c)は突起部が操作されてエマージェンシーキーが電子キー本体から飛び出すようにスライドしている状態を表す説明図、(d)はエマージェンシーキーが電子キー本体から突出した状態で位置決めされた状態を表す説明図である。
【図5】図1のスロットの内部構造を上方から示し、(a)は電子キー本体が挿入されていない状態を表す説明図、(b)はエマージェンシーキーがシャッターのキーシリンダーに挿入された状態を表す説明図、(c)はエマージェンシーキーの突起部が回動部材に押されて弾性部が撓んだ状態を表す説明図、(d)はエマージェンシーキーの先端が突当部材に突き当たった状態を表す説明図、(e)は電子キー本体の挿入が完了した状態を表す説明図、(f)は(e)の電子キー本体が押し込まれた状態を表す説明図である。
【図6】図1のシャッターを示す説明図である。
【図7】図6のシャッターの内部構造を示し、(a)はエマージェンシーキーがキーシリンダーに挿入されていない状態を表す説明図、(b)はエマージェンシーキーがキーシリンダーに挿入された状態を表す説明図である。
【図8】図1のスロットの内部構造を側方から示し、(a)は電子キー本体が挿入されていない状態を表す説明図、(b)はエマージェンシーキーがキーシリンダーに挿入された状態を表す説明図、(c)はエマージェンシーキーの突起部が回動部材に押されて弾性部が撓んでいるときの状態を表す説明図、(d)はエマージェンシーキーの先端が突当部材に突き当たった状態を表す説明図、(e)は電子キー本体の挿入が完了した状態を表す説明図である。
【図9】保持機構の動作を側方から示し、(a)は突起部が回動部材に接近する状態を表す説明図、(b)は突起部が係合部の前面に摺接している状態を表す説明図、(c)は突起部が係合部の後面に係合している状態を表す説明図、(d)は突起部が押下部の上面を押し下げて係止片が係止板を傾動させている状態を表す説明図、(e)は突起部が押下部の上面を押し下げて係止片が係止板に係止された状態を表す説明図、(f)は突起部がシャッターとともに押し戻されている状態を表す説明図、(g)は解除部材が係止板に接近する状態を表す説明図、(h)は解除部材が係止板に当たって係止を解除した状態を表す説明図、(i)は回動部材が水平姿勢に戻った状態を表す説明図である。
【図10】図5の回動部材を示す説明図である。
【符号の説明】
1 車両用電子キーシステム
2 車両
3 電子キー
5 スロット(挿入部)
7 電子キー本体
8 エマージェンシーキー
9 ドア
10 エンジン
13 ドアキーシリンダー
28 シャッター
29 格納機構(格納手段)
32 開口部(挿入口)
36 キーシリンダー
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドアの解錠やエンジンの始動を電子的に許可する電子キー本体及び非常の際にドアの解錠を機械的に行うエマージェンシーキーを有する電子キーと、電子キー本体が挿入される挿入部とを有する車両用電子キーシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用の電子キーとしては、例えば特許文献1に記載されているように、ICチップが実装された基板や電池等がケース内に収められてなる電子キー本体と、電子キー本体に収納(格納)可能なエマージェンシーキーとを有するものが知られている。電子キー本体は、ドアの施錠や解錠を遠隔的に行うとともに、車両に設けられた挿入部に挿入されてイモビライザー機器と通信を行いエンジンの始動を許可する。エマージェンシーキーは、電子キー本体の電池切れの場合等の非常時に、ドアキーシリンダーに挿入されてドアの施錠や解錠を機械的に行う。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−146862号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような電子キー及び挿入部を有する電子キーシステムでは、エマージェンシーキーを使用しなければならない場合に、運転者はまず電子キー本体に格納されたエマージェンシーキーを電子キー本体から突出させる等して取り出し、そのエマージェンシーキーをドアキーシリンダーに挿入してドアの解錠を行い、再度エマージェンシーキーを電子キー本体に格納した上で、電子キー本体を挿入部に挿入していた。
【0005】
したがって、使用頻度としては高くないエマージェンシーキーについて、それを取り出して解錠後格納するという特有の操作が求められており、使用方法がユーザーにとって複雑であるという問題があった。
【0006】
また、エンジンの始動前にエマージェンシーキーを電子キー本体に格納し直さなければならないことは、特に自動車の発進を急ぐ運転者には煩わしく、利便性に欠けるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、エマージェンシーキーの使用方法が複雑となることを防止し、エマージェンシーキーの利便性を高めることのできる車両用電子キーシステムを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、ドアの解錠やエンジンの始動のためのコードを発信する電子キー本体、及び、非常の際にドアキーシリンダーに挿入されて前記ドアの解錠を行うエマージェンシーキーを有する電子キーと、前記電子キー本体が挿入される挿入部とを有する車両用電子キーシステムであって、前記エマージェンシーキーが前記電子キー本体に出没可能に設けられ、前記電子キー本体が、該電子キー本体から前記エマージェンシーキーが突出した状態で、該エマージェンシーキーの側から前記挿入部に挿入可能であることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用電子キーシステムにおいて、前記挿入部に、前記電子キー本体が挿入されたときに該電子キー本体に前記エマージェンシーキーを没入させる格納手段が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用電子キーシステムにおいて、前記挿入部の前記電子キー本体の挿入口にシャッターが設けられ、前記シャッターに前記エマージェンシーキーが挿入されるキーシリンダーが設けられたことを特徴とする。
【0011】
【作用】
請求項1に係る発明によれば、電子キー本体からエマージェンシーキーが突出した状態で、その電子キー本体をエマージェンシーキーの側から挿入部に挿入可能であるので、ドア解錠時に取り出したエマージェンシーキーを電子キー本体に没入させて格納した上で電子キー本体を挿入部に挿入するという非常時特有の操作が不要となり、非常時においてもユーザーが違和感なく容易にドアの解錠からエンジンの始動までの一連の操作を行うことができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、電子キー本体が挿入されたときにこの電子キー本体にエマージェンシーキーを没入させる格納手段が挿入部に設けられているので、エマージェンシーキーが突出した状態のまま電子キー本体を挿入部に格納する場合のように、電子キー本体にエマージェンシーキーを加えた寸法を受け入れるだけの容量を挿入部が有する必要がなく、挿入部の小型化を図ることが可能となる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、挿入部の電子キー本体の挿入口にシャッターが設けられるとともに、シャッターにエマージェンシーキーが挿入されるキーシリンダーが設けられているので、このキーシリンダーによりエマージェンシーキーが照合された場合にのみ電子キー本体の挿入部への挿入が許容されることによって、挿入部に対応する電子キー以外の物の挿入部への挿入が阻止され、異物の挿入による挿入部の故障等を防止することができる。また、電子キー本体が挿入されていないときには挿入部がシャッターにより塞がれるので、挿入部への塵埃等の侵入が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る車両用電子キーシステムを示す。この電子キーシステム1は、図2に示す車両2に用いられ、ユーザーが携帯する電子キー3と、車両2の車室内でステアリングホイール4の近くに設けられた挿入部としてのスロット5とを有する。
【0016】
電子キー3は、ICチップが実装された基板や電池等がケース6の内部に収められてなる電子キー本体7と、電子キー本体7のケース6に出没可能に設けられたエマージェンシーキー(メカニカルキー)8とを備える。電子キー本体7は、ドア9の施錠・解錠用のコード(リモコンID)により遠隔的にドア9の施錠や解錠を許可するとともに、エンジン10の始動用のコード(キーID)によりエンジン10の始動を許可する。例えばドア9を解錠する際には、車両2と電子キー本体7との通信により車両2にリモコンIDが認証されるので、ユーザーが電子キー本体7を携帯してドアハンドル11付近に設けられたアンロック用のボタン12を操作すればロックが解除される。エマージェンシーキー8は、非常の際にドアキーシリンダー13に挿入されてドア9の施錠や解錠を行う。
【0017】
詳細には、図3に示すように、電子キー本体7のケース6は直方体状を呈し、その長手方向に延びる側壁14には同方向に沿ってスライド溝15が形成されている。側壁14の内側にはスライド溝15に沿ってエマージェンシーキー8が配設され、エマージェンシーキー8はケース6の前壁16に形成されたキー開口17を通じて出没可能に設けられている。エマージェンシーキー8の後部には、図4に示すように、弾性材からなる弾性部18が設けられている。この弾性部18にはスライド溝15から突出する突起部19が形成され、突起部19の斜め下方には半球状凸部20が形成されている。一方、ケース6の側壁14の内面には、半球状凸部20と係合可能な半球状凹部21,22が形成され、ケース6の内部で半球状凹部21,22に対向する箇所には、側面視したときに弾性部18と略同等な大きさを有する凹部23,24が形成されている。
【0018】
エマージェンシーキー8は通常はケース6の内部に没入し、半球状凸部20が半球状凹部21に係合した状態で電子キー本体7に格納されている(図4(a))。エマージェンシーキー8を電子キー本体7から取り出すには、ユーザーはまず突起部19を押して凹部23に向かって弾性部18を撓ませ、半球状凸部20と半球状凹部21との係合を解除した後に(図4(b))、突起部19をスライド溝15に沿って前方にスライドさせ(図4(c))、それをスライド溝15の前縁部25に突き当てる(図4(d))。これにより、半球状凸部20と半球状凹部22とが係合し、エマージェンシーキー8は電子キー本体7に突出した状態で位置決めされる。
【0019】
逆に、エマージェンシーキー8を電子キー本体7に格納するには、ユーザーは突起部19を押して凹部24に向かって弾性部18を撓ませ、半球状凸部20と半球状凹部22との係合を解除した後に、突起部19をスライド溝15に沿って後方にスライドさせ、それをスライド溝15の後縁部26に突き当てる。すると、半球状凸部20と半球状凹部21とが係合し、エマージェンシーキー8は格納状態に位置決めされる。
【0020】
スロット5は、図5(a)に示すように、スロットケース27と、シャッター28と、格納機構29と、保持機構30とを備える。スロットケース27には、電子キー本体7が挿入されるスペース31と、スペース31の開口部32に隣接するスペース33とが設けられている。
【0021】
シャッター28はスペース31に設けられ、バネ34により開口部32に向けて付勢されている。シャッター28は、図6に示すように、シャッターケース35と、後述のようにエマージェンシーキー8が挿入されるキーシリンダー36とを備える。キーシリンダー36の内部には複数のタンブラが設けられ、例えば図6に示すように2つのタンブラ37,38が設けられているとすると、タンブラ37,38は図7(a)に示すように常時はシャッターケース35の内部に設けられたバネ39により上方に付勢され、それぞれの頭部40,41がシャッターケース35から上方に突出する。したがって、シャッター28がスペース31の開口部32に位置した状態では、タンブラ37,38の頭部40,41が図8(a)に示すように開口部32の上部に形成された凹部42に入り込み、シャッター28をスペース31の奥に向けて動かすことができない(シャッター28がロックされる。)。一方、キーシリンダー36にエマージェンシーキー8が差し込まれ、図7(b)、図8(b)に示すようにタンブラ37,38の鍵穴43,44にエマージェンシーキー8が挿入されると、タンブラ37,38はエマージェンシーキー8のキーパターンによりバネ39の付勢力に抗して引き下げられ、頭部40,41がシャッターケース35に入り込んでシャッター28のロックが解除される。
【0022】
格納機構29は、キーシリンダー36に挿入されたエマージェンシーキー8の先端が突き当たる棒状の突当部材45と、突当部材45のスペース31における移動をスペース31の側面46に沿って案内するガイド部材47と、突当部材45及びガイド部材47を開口部32に向けて付勢するバネ48とにより構成されている。また、保持機構30は、図9に示すように、スペース33に設けられた回動部材49、バネ50及び係止機構51と、シャッターケース35の下部に設けられて側方に突出する棒状の解除部材52とにより構成されている。
【0023】
回動部材49は、図10に示すように、基部53と、支軸54と、係止片55とを備える。基部53の右側(図10における手前側)の側部には、平面視台形状の係合部56と、側面視三角形状の押下部57とが突設されている。係合部56は前面58が右側ほど後方になる斜面に形成され、押下部57は上面59が上側ほど後方になる斜面に形成されている。支軸54は基部53の後部において左方に突出し、スペース33の側面60に形成された軸穴61に軸支される。これにより、回動部材49はスペース33において鉛直面内で回動自在となっているが、常時はバネ50により下方から支持されて回動部材49の水平姿勢が維持される。
【0024】
係止片55は係合部56の下部から下方に延設され、係止片55の先端部には半球状凸部62が右方に膨出するように設けられている。係止機構51はその係止片55の下方に設けられ、係止板63と、基部64とを有する。係止板63は長方形状を呈して基部64に傾動可能に設けられ、図示を略すねじりバネにより起立方向に付勢されている。係止板63の後縁部には、半球状凸部62に係止可能な半円状凹部65が形成されている。
【0025】
ユーザー(運転者)がエマージェンシーキー8によりドア9を解錠して車両2の運転席に乗り込んだ場合には、電子キー本体7はエマージェンシーキー8がキーシリンダー36に差し込まれるようにスロット5に挿入することができる。すなわち、エマージェンシーキー8がキーシリンダー36に差し込まれてエマージェンシーキー8(あるいは電子キー3)がキーシリンダー36により照合されると、シャッター28のロックが解除され(図5(b)、図8(b))、電子キー本体7をシャッター28とともにスペース31に押し込むことが可能となる(図9(a))。
【0026】
電子キー本体7がスペース31に押し込まれていくと、突起部19が係合部56の前面58及び側面66と摺接し、弾性部18が撓んで半球状凸部20と半球状凹部22との係合が解除される(図5(c)、図8(c)、図9(b))。この状態で、エマージェンシーキー8の先端が突当部材45に突き当たると、エマージェンシーキー8は突当部材45により電子キー本体7のケース6の内部に押し込まれる(図5(d)、図8(d))。そして、最終的にはエマージェンシーキー8が電子キー本体7に格納された状態で、かつ、突起部19が係合部56の後面67と係合した状態で、電子キー本体7のスロット5への挿入が完了する(図5(e)、図8(e)、図9(c))。電子キー本体7のスロット5への挿入が完了すると、上記ICチップに埋め込まれたキーIDにより車両2のエンジン10を始動させることが可能となる。
【0027】
一方、電子キー本体7をスロット5から取り出す場合には、ユーザーは電子キー本体7をスロット5にさらに押し込むように力を加えればよい(図5(f)、図9(d))。これにより、突起部19が押下部57の上面59を相対的に上昇していくように、つまり、押下部57を押し下げるように回動部材49を回動させ、係止片55の半球状凸部62が係止板63の半円状凹部65に係止される(図9(e))。続いて、ユーザーが電子キー本体7に加える力を緩めると、電子キー本体7はバネ34の付勢力によりシャッター28とともに押し戻されるが、このとき回動部材49が係止板63に係止されて傾斜姿勢にあり、係合部56は突起部19の高さよりも下方に下がっているので、突起部19の進行を阻害しない(図9(f))。
【0028】
突起部19が係合部56を通過すると、解除部材52がシャッター28とともに係止板63に接近し(図9(g))、最終的には(シャッター28が開口部32に到達したときには)係止板63に当たりこれを傾動させる(図9(h))。この係止板63の傾動により半球状凸部62と半円状凹部65との係止は解除されるので、回動部材49はバネ50により水平姿勢に戻り(図9(i))、電子キー3はスロット5から取り出される。なお、スロット5への挿入時に突出していたエマージェンシーキー8は、格納機構29により既に電子キー本体7の内部に押し戻されているので、スロット5から取り出された電子キー3においてはエマージェンシーキー8は格納状態にある(図1参照)。
【0029】
この実施の形態に係る車両用電子キーシステム1では、電子キー本体7からエマージェンシーキー8が突出した状態で、その電子キー本体7をエマージェンシーキー8の側からスロット5に挿入可能であるので、ドア解錠時に取り出したエマージェンシーキーを電子キー本体に格納した上で電子キー本体をスロットに挿入するという非常時特有の操作が不要となり、非常時においてもユーザーが違和感なく容易にドア9の解錠からエンジン10の始動までの一連の操作を行うことができる。
【0030】
また、スロット5には電子キー本体7にエマージェンシーキー8を没入させる格納機構29が設けられているので、エマージェンシーキーが突出した状態のまま電子キー本体をスロットに格納する場合のように、電子キー本体にエマージェンシーキーを加えた寸法を受け入れるだけの容量をスロット5が有する必要がなく、スロットの小型化を図ることが可能となっている。
【0031】
さらに、スロット5の電子キー本体7の挿入口にキーシリンダー36を有するシャッター28が設けられ、キーシリンダー36によりエマージェンシーキー8が照合された場合にのみシャッター28が電子キー本体7のスロット5への挿入を許容するので、スロット5に対応する電子キー以外の物のスロット5への挿入が阻止され、異物の挿入によるスロットの故障等を防止することができる。そのスロット5は電子キー本体7が挿入されていないときにはシャッター28により塞がれるので、スロット5への塵埃等の侵入も防止されている。
【0032】
なお、本発明は上述した形態に限られるものではなく、例えば電子キー本体7の形状が直方体状でなくても、あるいは、シャッター28や格納機構29、保持機構30の構造が異なるものであってもかまわない。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、電子キー本体からエマージェンシーキーが突出した状態で、その電子キー本体をエマージェンシーキーの側から挿入部に挿入可能であるので、ドア解錠時に取り出したエマージェンシーキーを電子キー本体に没入させて格納した上で電子キー本体を挿入部に挿入するという非常時特有の操作が不要となり、非常時においてもユーザーが違和感なく容易にドアの解錠からエンジンの始動までの一連の操作を行うことができる。
【0034】
請求項2に係る発明によれば、電子キー本体が挿入されたときにこの電子キー本体にエマージェンシーキーを没入させる格納手段が挿入部に設けられているので、エマージェンシーキーが突出した状態のまま電子キー本体を挿入部に格納する場合のように、電子キー本体にエマージェンシーキーを加えた寸法を受け入れるだけの容量を挿入部が有する必要がなく、挿入部の小型化を図ることが可能となる。
【0035】
請求項3に係る発明によれば、挿入部の電子キー本体の挿入口にシャッターが設けられるとともに、シャッターにエマージェンシーキーが挿入されるキーシリンダーが設けられているので、このキーシリンダーによりエマージェンシーキーが照合された場合にのみ電子キー本体の挿入部への挿入が許容されることによって、挿入部に対応する電子キー以外の物の挿入部への挿入が阻止され、異物の挿入による挿入部の故障等を防止することができる。また、電子キー本体が挿入されていないときには挿入部がシャッターにより塞がれるので、挿入部への塵埃等の侵入が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態に係る車両用電子キーシステムを示し、(a)は電子キー本体をスロットに挿入する状態を示す説明図、(b)は電子キー本体をスロットに挿入した状態を示す説明図、(c)は電子キー本体をスロットから取り出す状態を示す説明図である。
【図2】図1の電子キーシステムが用いられる車両を示す説明図である。
【図3】図1の電子キーを示し、(a)はエマージェンシーキーが電子キー本体に格納された状態を表す説明図、(b)はエマージェンシーキーが電子キー本体から突出した状態を表す説明図である。
【図4】図3の電子キーの内部構造を示し、(a)はエマージェンシーキーが電子キー本体に格納されて位置決めされた状態を表す説明図、(b)は突起部が押されて(a)の位置決めが解除された状態を表す説明図、(c)は突起部が操作されてエマージェンシーキーが電子キー本体から飛び出すようにスライドしている状態を表す説明図、(d)はエマージェンシーキーが電子キー本体から突出した状態で位置決めされた状態を表す説明図である。
【図5】図1のスロットの内部構造を上方から示し、(a)は電子キー本体が挿入されていない状態を表す説明図、(b)はエマージェンシーキーがシャッターのキーシリンダーに挿入された状態を表す説明図、(c)はエマージェンシーキーの突起部が回動部材に押されて弾性部が撓んだ状態を表す説明図、(d)はエマージェンシーキーの先端が突当部材に突き当たった状態を表す説明図、(e)は電子キー本体の挿入が完了した状態を表す説明図、(f)は(e)の電子キー本体が押し込まれた状態を表す説明図である。
【図6】図1のシャッターを示す説明図である。
【図7】図6のシャッターの内部構造を示し、(a)はエマージェンシーキーがキーシリンダーに挿入されていない状態を表す説明図、(b)はエマージェンシーキーがキーシリンダーに挿入された状態を表す説明図である。
【図8】図1のスロットの内部構造を側方から示し、(a)は電子キー本体が挿入されていない状態を表す説明図、(b)はエマージェンシーキーがキーシリンダーに挿入された状態を表す説明図、(c)はエマージェンシーキーの突起部が回動部材に押されて弾性部が撓んでいるときの状態を表す説明図、(d)はエマージェンシーキーの先端が突当部材に突き当たった状態を表す説明図、(e)は電子キー本体の挿入が完了した状態を表す説明図である。
【図9】保持機構の動作を側方から示し、(a)は突起部が回動部材に接近する状態を表す説明図、(b)は突起部が係合部の前面に摺接している状態を表す説明図、(c)は突起部が係合部の後面に係合している状態を表す説明図、(d)は突起部が押下部の上面を押し下げて係止片が係止板を傾動させている状態を表す説明図、(e)は突起部が押下部の上面を押し下げて係止片が係止板に係止された状態を表す説明図、(f)は突起部がシャッターとともに押し戻されている状態を表す説明図、(g)は解除部材が係止板に接近する状態を表す説明図、(h)は解除部材が係止板に当たって係止を解除した状態を表す説明図、(i)は回動部材が水平姿勢に戻った状態を表す説明図である。
【図10】図5の回動部材を示す説明図である。
【符号の説明】
1 車両用電子キーシステム
2 車両
3 電子キー
5 スロット(挿入部)
7 電子キー本体
8 エマージェンシーキー
9 ドア
10 エンジン
13 ドアキーシリンダー
28 シャッター
29 格納機構(格納手段)
32 開口部(挿入口)
36 キーシリンダー
Claims (3)
- ドアの解錠やエンジンの始動のためのコードを発信する電子キー本体、及び、非常の際にドアキーシリンダーに挿入されて前記ドアの解錠を行うエマージェンシーキーを有する電子キーと、
前記電子キー本体が挿入される挿入部とを有する車両用電子キーシステムであって、
前記エマージェンシーキーが前記電子キー本体に出没可能に設けられ、
前記電子キー本体が、該電子キー本体から前記エマージェンシーキーが突出した状態で、該エマージェンシーキーの側から前記挿入部に挿入可能であることを特徴とする車両用電子キーシステム。 - 前記挿入部に、前記電子キー本体が挿入されたときに該電子キー本体に前記エマージェンシーキーを没入させる格納手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用電子キーシステム。
- 前記挿入部の前記電子キー本体の挿入口にシャッターが設けられ、
前記シャッターに前記エマージェンシーキーが挿入されるキーシリンダーが設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用電子キーシステム。
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- 2003-05-27 JP JP2003149298A patent/JP2004353192A/ja active Pending
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