JP2004352952A - 加硫用ゴム組成物および加硫ゴム材料 - Google Patents
加硫用ゴム組成物および加硫ゴム材料 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】鉛化合物を含まずに、貯蔵安定性、常態物性、耐熱性、圧縮永久歪のバランスが優れたエピクロルヒドリン系ゴム組成物およびその組成物を加硫してなる加硫物を提供する。
【解決手段】下記(A)〜(E)成分を含有することを特徴とする加硫ゴム用組成物およびその組成物を加硫してなる加硫物。
(A)エピクロルヒドリン系ゴム 100重量部
(B)チオウレア系化合物 0.1〜5重量部
(C)スルフェンアミド系化合物 0.1〜3重量部
(D)硫黄もしくは活性硫黄放出型有機加硫促進剤 0.01〜1重量部
(E)非鉛系受酸剤 1〜10重量部
【選択図】 なし
【解決手段】下記(A)〜(E)成分を含有することを特徴とする加硫ゴム用組成物およびその組成物を加硫してなる加硫物。
(A)エピクロルヒドリン系ゴム 100重量部
(B)チオウレア系化合物 0.1〜5重量部
(C)スルフェンアミド系化合物 0.1〜3重量部
(D)硫黄もしくは活性硫黄放出型有機加硫促進剤 0.01〜1重量部
(E)非鉛系受酸剤 1〜10重量部
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エピクロルヒドリン系ゴムを必須成分とする加硫用ゴム組成物およびその組成物を加硫してなる加硫ゴム材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エピクロルヒドリン系ゴム材料は、その耐熱性、耐油性、耐オゾン性等を活かして、各種産業分野における有用材料として幅広く用いられている。例えば、自動車用途では、燃料系ホース、エアー系ホース、チューブ材料等として使用されており、また、そのイオン導電性を活かして、OA機器用の半導電性ローラー、ベルト、ドラム等の帯電部材としても使用されている。
【0003】
従来より、上記エピクロルヒドリン系ゴムの加硫剤としては、チオウレア化合物による加硫系が用いられている。中でもエチレンチオウレア(2−メルカプトイミダゾリン)と受酸剤として鉛化合物とを併用した加硫系は、速やかな加硫速度と長期保存性に優れ、特に優れた耐熱老化性を発揮するため汎用されている。
しかしながら、上記チオウレア化合物を用いた場合は、圧縮永久歪が悪くなる傾向にある。また、近年における環境問題対策の観点から、鉛化合物のような有害化学物質を含まないゴム材料が要求されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−87893号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実状に鑑み、鉛化合物のような有害化学物質を含まずに、貯蔵安定性、常態物性、耐熱性、圧縮永久歪のバランスが優れたエピクロルヒドリン系ゴム組成物およびその組成物を加硫してなる加硫物の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、種々研究を重ねた結果、加硫用ゴム組成物として、下記の(A)〜(D)成分を含有することにより、上述の目的を達成しうることを見出し、本発明を完成したものである。
【0007】
すなわち、本発明による加硫用ゴム組成物は、
(A)エピクロルヒドリン系ゴム 100重量部
(B)チオウレア化合物 0.1〜5重量部
(C)スルフェンアミド系化合物 0.1〜3重量部
(D)硫黄もしくは活性硫黄放出型有機加硫促進剤 0.01〜1重量部
(E)非鉛系受酸剤 1〜10重量部
を含有するものである。
【0008】
また(E)成分として、下記一般式(I)で表されるLi−Al系包接化合物および/または下記一般式(II)で示される合成ハイドロタルサイト類からなる受酸剤を使用することにより、加硫物の耐熱性や圧縮永久歪がさらに向上する。
〔Al2 Li(OH)6〕n X・mH2O (I)
(式中Xは、無機または有機のアニオンであり、nはアニオンXの価数であり、mは3以下の数)、
Mgx Zny AlZ (OH)2(x+y)+3Z−2 CO3・wH2O (II)
(但しx、yは0〜10、x+y=1〜10、zは1〜5、wは正の実数を表す)
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるエピクロルヒドリン系ゴム(A成分)としては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体が挙げられる。特にエピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体である。
【0010】
エピクロルヒドリン系ゴム(A成分)の成分組成は通常、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体では、エピクロルヒドリン成分が10mol%〜70mol%、エチレンオキサイド成分が30mol%〜90mol%であり、またエピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体では、エピクロルヒドリン成分が85mol%〜99mol%、アリルグリシジルエーテル成分が1mol%〜15mol%であり、またエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体では、エピクロルヒドリン成分が5mol%〜75mol%、エチレンオキサイド成分が20mol%〜90mol%、アリルグリシジルエーテル成分が1mol%〜10mol%であるものが用いられる。好ましくはエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体では、エピクロルヒドリン成分が30mol%〜60mol%、エチレンオキサイド成分が40mol%〜70mol%であり、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体では、エピクロルヒドリン成分が90mol%〜98mol%、アリルグリシジルエーテル成分が2mol%〜10mol%であり、またエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体では、エピクロルヒドリン成分が10mol%〜65mol%、エチレンオキサイド成分が30mol%〜85mol%、アリルグリシジルエーテル成分が2mol%〜8mol%である。
【0011】
エピクロルヒドリン系ゴム(A成分)としては、これらの単一ゴムあるいは二種以上の混合ゴムとして用いられ、その分子量は、ムーニー粘度表示でML1+4(100℃)=30〜100程度であることが好ましい。
【0012】
本発明で用いられるチオウレア系化合物(B成分)は、加硫剤として作用するものであり、特に限定されるものではないが、例えば、エチレンチオウレア系化合物、ジアルキルチオウレア系化合物、トリアルキルチオウレア系化合物等のチオウレア系化合物があげられる。なかでも、エチレンチオウレア(2−メルカプトイミダゾリン)、1,3−ジエチルチオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等が好適である。
【0013】
上記チオウレア系化合物の配合割合は、上記エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲に設定することが必要であり、好ましくは0.3〜5、より好ましくは0.5〜4重量部、特に好ましくは0.7〜3重量部である。すなわち、チオウレア系化合物の配合割合が、この範囲未満では架橋が不十分となり、一方、この範囲を超えると加硫物が剛直になりすぎてゴム加硫物として通常期待される物性が得られなくなる。
【0014】
本発明で用いられるスルフェンアミド系化合物(C成分)は、遅効性加硫促進剤として作用するものであり、特に限定されるものではないが、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジイゾプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドN−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシ・ジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、などが挙げられる。なかでも、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好適である。
【0015】
上記スルフェンアミド系化合物の配合割合は、上記エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対して、0.1〜3重量部の範囲に設定することが必要であり、より好ましくは0.2〜2重量部、特に好ましくは0.3〜1.5重量部である。すなわち、上記(C)成分の配合割合が、この範囲未満であれば、加硫促進効果が不十分であり、特に圧縮永久歪の向上が認められず、逆に、この範囲を超えると実用的なゴム物性が得られないからである。
【0016】
本発明で用いられる硫黄もしくは活性硫黄放出型有機加硫促進剤(D成分)は、加硫促進剤として作用するものである。活性硫黄放出型有機加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)等のチウラム類、セレニウムジエチルジチオカルバメート(TTSE)、テルリウムジエチルジチオカルバメート(TTTE)等のジチオ酸塩類、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール(MDB)等のチアゾール類、4,4’−ジチオジモルフォリン、アルキルフェノール・ジサルファイド、有機多硫化重合体等があげられる。これらの(D成分)は単独であるいは2種以上併用して用いられる。
【0017】
上記硫黄もしくは活性硫黄放出型有機加硫促進剤の配合割合は、上記エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対して、0.01〜1重量部の範囲に設定することが必要であり、より好ましくは0.03〜0.7重量部、特に好ましくは0.05〜0.5重量部である。すなわち、上記D成分の配合割合が、この範囲未満であれば、加硫促進効果が不十分であり、特に圧縮永久歪の向上が認められず、逆に、この範囲を超えると加硫物が剛直になりすぎてゴム加硫物として通常期待される物性が得られにくくなり、特に圧縮永久歪の向上が認められない。
【0018】
この活性硫黄放出型有機加硫促進剤は、加硫時の温度で活性状態の硫黄を放出し、解離した活性状態の硫黄により架橋を行わせる加硫促進剤である。このような活性硫黄放出型有機加硫促進剤を用いると、粉末硫黄を用いた場合に比べサルファーブルームやスコーチを生じ難いので、活性硫黄放出型有機加硫剤を用いることが好ましい。
【0019】
本発明で用いられる非鉛系受酸剤(E)としては公知の非鉛系受酸剤を使用できる。受酸剤として鉛化合物を使用しないため、鉛化合物による毒性等の問題も解消できる。非鉛系受酸剤は上記エピクロルヒドリン系ゴム(A成分)100重量部に対して、1〜10重量部使用される。
【0020】
非鉛系受酸剤としては、周期表第II族(2族および12族)金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、ステアリン酸塩、亜リン酸塩、周期表第IV族(4族および14族)金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩、三塩基性硫酸塩等の金属化合物が挙げられる。
【0021】
受酸剤の具体的な例として酸化マグネシウム、生石灰、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、消石灰、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸錫、亜リン酸カルシウム、フタル酸カルシウム、酸化錫、塩基性亜リン酸錫等の金属化合物が挙げられる。
【0022】
また(E)成分として、下記一般式(I)で表されるLi−Al系包接化合物および/または下記一般式(II)で示される合成ハイドロタルサイト類からなる受酸剤を配合することにより、圧縮永久歪がさらに向上する。
【0023】
〔Al2 Li(OH)6〕n X・mH2O (I)
(式中Xは、無機または有機のアニオンであり、nはアニオンXの価数であり、mは3以下の数)、無機または有機のアニオンとしては、炭酸、硫酸、過塩素酸、リン酸のオキシ酸、酢酸、プロピオン酸、アジピン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、p−オキシ安息香酸、サリチル酸、ピクリン酸等の一種または二種以上の組み合わせが挙げられる。特に好ましいアニオンとしては炭酸アニオンが挙げられる
【0024】
Mgx Zny AlZ (OH)2(x+y)+3Z−2 CO3・wH2O (II)
(但しx、yは0〜10、x+y=1〜10、zは1〜5、wは正の実数を表す)
【0025】
上記一般式(II)で表される合成ハイドロタルサイト類からなる受酸剤は一般式(II’)で表される化合物であってよい。
Mgx Aly (OH)2x+3y−2 CO3・wH2O (II’)
(但しxは1〜10、yは1〜10、wは正の実数を表す)
【0026】
ハイドロタルサイト類を例示すれば、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg4.5Al2(OH)13CO3、Mg4Al2(OH)12CO3・3.5H2O、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg3Al2(OH)10CO3・1.7H2O等を挙げることができる。
【0027】
また、公知の金属化合物からなる受酸剤を本発明で用いられるLi−Al系包接化合物および/または合成ハイドロタルサイト類からなる受酸剤との組み合わせで用いても良い。
【0028】
本発明で用いられるLi−Al系包接化合物および/または合成ハイドロタルサイト類からなる受酸剤、もしくは公知の金属化合物からなる受酸剤との組み合わせの配合量は、(A)成分100重量部に対して0.2〜50重量部、より好ましくは0.5〜30重量部、特に好ましくは1〜10重量部である。この範囲未満の配合量では加硫が不十分となり、一方この範囲を超えると加硫物が剛直になりすぎて実用的なゴム物性が得られなくなる。
【0029】
本発明のゴム組成物には、上記(A)成分〜(E)成分に加えて、さらに当該技術分野で通常使用される他の添加剤、例えば滑剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、可塑剤、加工助剤、難燃剤、顔料等を任意に配合できる。
【0030】
本発明の加硫用ゴム組成物の配合方法としては、従来ポリマー加工の分野において利用されている任意の手段、例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類等を利用することができる。
【0031】
本発明の加硫用ゴム組成物は、通常100〜250℃に加熱することで加硫物とすることができる。加硫時間は温度によって異なるが、一般的には0.5〜300分の間で行われる。加硫成型の方法としては、金型による圧縮成型、射出成型、スチーム缶、エアーバス、赤外線、あるいはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
【0032】
本発明の加硫物は、通常エピクロルヒドリン系ゴムが使用される各種産業分野に広く応用することができる。例えば、自動車用途に用いられる押し出し加硫製品および型加硫製品として使用できる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0034】
実施例1〜8、比較例1〜6
下記表1、表3に示す各材料をニーダーおよびオープンロールで混練し、未加硫ゴムシートを作製した。
【0035】ムーニースコーチ試験
得られた未加硫ゴムシートを用い、初期および湿熱後(35℃/75%RH/70時間)のそれぞれについてJIS K6300に定めるムーニースコーチ試験を行った。
【0036】初期物性
得られた未加硫ゴムシートを170℃で15分プレス加硫し、2mm厚の一次加硫物を得た。さらにこれをエア・オーブンで150℃で2時間加熱し、二次加硫物を得た。得られた二次加硫物を用い、引張試験、初期物性、硬度の評価を行った。各評価試験は順にJIS K 6251およびJIS K 6257に記載の方法に準じて行った。
【0037】耐熱老化試験
得られた未加硫ゴムシートを170℃で15分プレス加硫し、2mm厚の一次加硫物を得た。さらにこれをエア・オーブンで150℃で2時間加熱し、二次加硫物を得た。得られた二次加硫物を用い、150℃/70時間後の引張試験(初期物性)、硬度の評価を行った。各評価試験は順にJIS K 6251およびJIS K 6257に記載の方法に準じて行った。
【0038】圧縮永久歪試験
得られた未加硫ゴムシートを試験片作製用金型を用いて170℃で20分プレス加硫し、直径約29mm、高さ約12.5mmの円柱状試験片一次加硫物を得た。さらにこれをエア・オーブンで150℃で2時間加熱し二次加硫物を得た。
得られた一次加硫物および二次加硫物を用い、JIS K 6262記載の方法に準じて試験を行った。
【0039】
各試験方法より得られた実施例および比較例の試験結果を表2および表4に示す。各表中、Vmは最低粘度、デルタVmは初期のVmと35℃/75%RH /70時間静置した後のVmとの差、t5はJIS K6300のムーニースコーチ試験に定めるムーニースコーチ時間、M100はJIS K 6251の引張試験試験に定める100%伸び時の引張応力、TbはJIS K 6251の引張試験試験に定める引張強さ、EbはJIS K 6251の引張試験試験に定める伸び、HsはJIS K 6253の硬さ試験に定める硬さをそれぞれ意味する。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
上記表1〜表4の結果から、実施例1〜8のゴム組成物は、鉛化合物を含んだゴム組成物である比較例1、(B)〜(D)成分の少なくとも1成分を欠いたゴム組成物である比較例2〜5、(D)成分の所定範囲を超えた比較例6に比べて、貯蔵安定性、常態物性、耐熱性、圧縮永久歪のバランスが優れており、特に一次加硫物の圧縮永久歪においては優位性を示していることがわかる。中でも(E)成分としてLi−Al系包接化合物および/またはハイドロタルサイト化合物(E成分)を所定の割合で配合した、実施例1〜7のゴム組成物は、受酸剤として鉛化合物を使用しないため、鉛化合物による毒性等の問題を解消できるだけでなく、圧縮永久歪がより一層向上することがわかる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の加硫ゴム材料は、鉛化合物を含まず、貯蔵安定性、常態物性、耐熱性、圧縮永久歪のバランスが優れたエピクロルヒドリン系ゴム組成物およびその組成物を加硫してなる加硫ゴム材料である。本発明の加硫ゴム材料は、自動車用途に用いられる押し出し加硫製品および型加硫製品に極めて有効である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、エピクロルヒドリン系ゴムを必須成分とする加硫用ゴム組成物およびその組成物を加硫してなる加硫ゴム材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エピクロルヒドリン系ゴム材料は、その耐熱性、耐油性、耐オゾン性等を活かして、各種産業分野における有用材料として幅広く用いられている。例えば、自動車用途では、燃料系ホース、エアー系ホース、チューブ材料等として使用されており、また、そのイオン導電性を活かして、OA機器用の半導電性ローラー、ベルト、ドラム等の帯電部材としても使用されている。
【0003】
従来より、上記エピクロルヒドリン系ゴムの加硫剤としては、チオウレア化合物による加硫系が用いられている。中でもエチレンチオウレア(2−メルカプトイミダゾリン)と受酸剤として鉛化合物とを併用した加硫系は、速やかな加硫速度と長期保存性に優れ、特に優れた耐熱老化性を発揮するため汎用されている。
しかしながら、上記チオウレア化合物を用いた場合は、圧縮永久歪が悪くなる傾向にある。また、近年における環境問題対策の観点から、鉛化合物のような有害化学物質を含まないゴム材料が要求されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−87893号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実状に鑑み、鉛化合物のような有害化学物質を含まずに、貯蔵安定性、常態物性、耐熱性、圧縮永久歪のバランスが優れたエピクロルヒドリン系ゴム組成物およびその組成物を加硫してなる加硫物の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、種々研究を重ねた結果、加硫用ゴム組成物として、下記の(A)〜(D)成分を含有することにより、上述の目的を達成しうることを見出し、本発明を完成したものである。
【0007】
すなわち、本発明による加硫用ゴム組成物は、
(A)エピクロルヒドリン系ゴム 100重量部
(B)チオウレア化合物 0.1〜5重量部
(C)スルフェンアミド系化合物 0.1〜3重量部
(D)硫黄もしくは活性硫黄放出型有機加硫促進剤 0.01〜1重量部
(E)非鉛系受酸剤 1〜10重量部
を含有するものである。
【0008】
また(E)成分として、下記一般式(I)で表されるLi−Al系包接化合物および/または下記一般式(II)で示される合成ハイドロタルサイト類からなる受酸剤を使用することにより、加硫物の耐熱性や圧縮永久歪がさらに向上する。
〔Al2 Li(OH)6〕n X・mH2O (I)
(式中Xは、無機または有機のアニオンであり、nはアニオンXの価数であり、mは3以下の数)、
Mgx Zny AlZ (OH)2(x+y)+3Z−2 CO3・wH2O (II)
(但しx、yは0〜10、x+y=1〜10、zは1〜5、wは正の実数を表す)
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるエピクロルヒドリン系ゴム(A成分)としては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体が挙げられる。特にエピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体である。
【0010】
エピクロルヒドリン系ゴム(A成分)の成分組成は通常、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体では、エピクロルヒドリン成分が10mol%〜70mol%、エチレンオキサイド成分が30mol%〜90mol%であり、またエピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体では、エピクロルヒドリン成分が85mol%〜99mol%、アリルグリシジルエーテル成分が1mol%〜15mol%であり、またエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体では、エピクロルヒドリン成分が5mol%〜75mol%、エチレンオキサイド成分が20mol%〜90mol%、アリルグリシジルエーテル成分が1mol%〜10mol%であるものが用いられる。好ましくはエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体では、エピクロルヒドリン成分が30mol%〜60mol%、エチレンオキサイド成分が40mol%〜70mol%であり、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体では、エピクロルヒドリン成分が90mol%〜98mol%、アリルグリシジルエーテル成分が2mol%〜10mol%であり、またエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体では、エピクロルヒドリン成分が10mol%〜65mol%、エチレンオキサイド成分が30mol%〜85mol%、アリルグリシジルエーテル成分が2mol%〜8mol%である。
【0011】
エピクロルヒドリン系ゴム(A成分)としては、これらの単一ゴムあるいは二種以上の混合ゴムとして用いられ、その分子量は、ムーニー粘度表示でML1+4(100℃)=30〜100程度であることが好ましい。
【0012】
本発明で用いられるチオウレア系化合物(B成分)は、加硫剤として作用するものであり、特に限定されるものではないが、例えば、エチレンチオウレア系化合物、ジアルキルチオウレア系化合物、トリアルキルチオウレア系化合物等のチオウレア系化合物があげられる。なかでも、エチレンチオウレア(2−メルカプトイミダゾリン)、1,3−ジエチルチオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等が好適である。
【0013】
上記チオウレア系化合物の配合割合は、上記エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲に設定することが必要であり、好ましくは0.3〜5、より好ましくは0.5〜4重量部、特に好ましくは0.7〜3重量部である。すなわち、チオウレア系化合物の配合割合が、この範囲未満では架橋が不十分となり、一方、この範囲を超えると加硫物が剛直になりすぎてゴム加硫物として通常期待される物性が得られなくなる。
【0014】
本発明で用いられるスルフェンアミド系化合物(C成分)は、遅効性加硫促進剤として作用するものであり、特に限定されるものではないが、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジイゾプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドN−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシ・ジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、などが挙げられる。なかでも、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好適である。
【0015】
上記スルフェンアミド系化合物の配合割合は、上記エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対して、0.1〜3重量部の範囲に設定することが必要であり、より好ましくは0.2〜2重量部、特に好ましくは0.3〜1.5重量部である。すなわち、上記(C)成分の配合割合が、この範囲未満であれば、加硫促進効果が不十分であり、特に圧縮永久歪の向上が認められず、逆に、この範囲を超えると実用的なゴム物性が得られないからである。
【0016】
本発明で用いられる硫黄もしくは活性硫黄放出型有機加硫促進剤(D成分)は、加硫促進剤として作用するものである。活性硫黄放出型有機加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)等のチウラム類、セレニウムジエチルジチオカルバメート(TTSE)、テルリウムジエチルジチオカルバメート(TTTE)等のジチオ酸塩類、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール(MDB)等のチアゾール類、4,4’−ジチオジモルフォリン、アルキルフェノール・ジサルファイド、有機多硫化重合体等があげられる。これらの(D成分)は単独であるいは2種以上併用して用いられる。
【0017】
上記硫黄もしくは活性硫黄放出型有機加硫促進剤の配合割合は、上記エピクロルヒドリン系ゴム100重量部に対して、0.01〜1重量部の範囲に設定することが必要であり、より好ましくは0.03〜0.7重量部、特に好ましくは0.05〜0.5重量部である。すなわち、上記D成分の配合割合が、この範囲未満であれば、加硫促進効果が不十分であり、特に圧縮永久歪の向上が認められず、逆に、この範囲を超えると加硫物が剛直になりすぎてゴム加硫物として通常期待される物性が得られにくくなり、特に圧縮永久歪の向上が認められない。
【0018】
この活性硫黄放出型有機加硫促進剤は、加硫時の温度で活性状態の硫黄を放出し、解離した活性状態の硫黄により架橋を行わせる加硫促進剤である。このような活性硫黄放出型有機加硫促進剤を用いると、粉末硫黄を用いた場合に比べサルファーブルームやスコーチを生じ難いので、活性硫黄放出型有機加硫剤を用いることが好ましい。
【0019】
本発明で用いられる非鉛系受酸剤(E)としては公知の非鉛系受酸剤を使用できる。受酸剤として鉛化合物を使用しないため、鉛化合物による毒性等の問題も解消できる。非鉛系受酸剤は上記エピクロルヒドリン系ゴム(A成分)100重量部に対して、1〜10重量部使用される。
【0020】
非鉛系受酸剤としては、周期表第II族(2族および12族)金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、ステアリン酸塩、亜リン酸塩、周期表第IV族(4族および14族)金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩、三塩基性硫酸塩等の金属化合物が挙げられる。
【0021】
受酸剤の具体的な例として酸化マグネシウム、生石灰、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、消石灰、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸錫、亜リン酸カルシウム、フタル酸カルシウム、酸化錫、塩基性亜リン酸錫等の金属化合物が挙げられる。
【0022】
また(E)成分として、下記一般式(I)で表されるLi−Al系包接化合物および/または下記一般式(II)で示される合成ハイドロタルサイト類からなる受酸剤を配合することにより、圧縮永久歪がさらに向上する。
【0023】
〔Al2 Li(OH)6〕n X・mH2O (I)
(式中Xは、無機または有機のアニオンであり、nはアニオンXの価数であり、mは3以下の数)、無機または有機のアニオンとしては、炭酸、硫酸、過塩素酸、リン酸のオキシ酸、酢酸、プロピオン酸、アジピン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、p−オキシ安息香酸、サリチル酸、ピクリン酸等の一種または二種以上の組み合わせが挙げられる。特に好ましいアニオンとしては炭酸アニオンが挙げられる
【0024】
Mgx Zny AlZ (OH)2(x+y)+3Z−2 CO3・wH2O (II)
(但しx、yは0〜10、x+y=1〜10、zは1〜5、wは正の実数を表す)
【0025】
上記一般式(II)で表される合成ハイドロタルサイト類からなる受酸剤は一般式(II’)で表される化合物であってよい。
Mgx Aly (OH)2x+3y−2 CO3・wH2O (II’)
(但しxは1〜10、yは1〜10、wは正の実数を表す)
【0026】
ハイドロタルサイト類を例示すれば、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O、Mg4.5Al2(OH)13CO3、Mg4Al2(OH)12CO3・3.5H2O、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg3Al2(OH)10CO3・1.7H2O等を挙げることができる。
【0027】
また、公知の金属化合物からなる受酸剤を本発明で用いられるLi−Al系包接化合物および/または合成ハイドロタルサイト類からなる受酸剤との組み合わせで用いても良い。
【0028】
本発明で用いられるLi−Al系包接化合物および/または合成ハイドロタルサイト類からなる受酸剤、もしくは公知の金属化合物からなる受酸剤との組み合わせの配合量は、(A)成分100重量部に対して0.2〜50重量部、より好ましくは0.5〜30重量部、特に好ましくは1〜10重量部である。この範囲未満の配合量では加硫が不十分となり、一方この範囲を超えると加硫物が剛直になりすぎて実用的なゴム物性が得られなくなる。
【0029】
本発明のゴム組成物には、上記(A)成分〜(E)成分に加えて、さらに当該技術分野で通常使用される他の添加剤、例えば滑剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、可塑剤、加工助剤、難燃剤、顔料等を任意に配合できる。
【0030】
本発明の加硫用ゴム組成物の配合方法としては、従来ポリマー加工の分野において利用されている任意の手段、例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類等を利用することができる。
【0031】
本発明の加硫用ゴム組成物は、通常100〜250℃に加熱することで加硫物とすることができる。加硫時間は温度によって異なるが、一般的には0.5〜300分の間で行われる。加硫成型の方法としては、金型による圧縮成型、射出成型、スチーム缶、エアーバス、赤外線、あるいはマイクロウェーブによる加熱等任意の方法を用いることができる。
【0032】
本発明の加硫物は、通常エピクロルヒドリン系ゴムが使用される各種産業分野に広く応用することができる。例えば、自動車用途に用いられる押し出し加硫製品および型加硫製品として使用できる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。但し、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0034】
実施例1〜8、比較例1〜6
下記表1、表3に示す各材料をニーダーおよびオープンロールで混練し、未加硫ゴムシートを作製した。
【0035】ムーニースコーチ試験
得られた未加硫ゴムシートを用い、初期および湿熱後(35℃/75%RH/70時間)のそれぞれについてJIS K6300に定めるムーニースコーチ試験を行った。
【0036】初期物性
得られた未加硫ゴムシートを170℃で15分プレス加硫し、2mm厚の一次加硫物を得た。さらにこれをエア・オーブンで150℃で2時間加熱し、二次加硫物を得た。得られた二次加硫物を用い、引張試験、初期物性、硬度の評価を行った。各評価試験は順にJIS K 6251およびJIS K 6257に記載の方法に準じて行った。
【0037】耐熱老化試験
得られた未加硫ゴムシートを170℃で15分プレス加硫し、2mm厚の一次加硫物を得た。さらにこれをエア・オーブンで150℃で2時間加熱し、二次加硫物を得た。得られた二次加硫物を用い、150℃/70時間後の引張試験(初期物性)、硬度の評価を行った。各評価試験は順にJIS K 6251およびJIS K 6257に記載の方法に準じて行った。
【0038】圧縮永久歪試験
得られた未加硫ゴムシートを試験片作製用金型を用いて170℃で20分プレス加硫し、直径約29mm、高さ約12.5mmの円柱状試験片一次加硫物を得た。さらにこれをエア・オーブンで150℃で2時間加熱し二次加硫物を得た。
得られた一次加硫物および二次加硫物を用い、JIS K 6262記載の方法に準じて試験を行った。
【0039】
各試験方法より得られた実施例および比較例の試験結果を表2および表4に示す。各表中、Vmは最低粘度、デルタVmは初期のVmと35℃/75%RH /70時間静置した後のVmとの差、t5はJIS K6300のムーニースコーチ試験に定めるムーニースコーチ時間、M100はJIS K 6251の引張試験試験に定める100%伸び時の引張応力、TbはJIS K 6251の引張試験試験に定める引張強さ、EbはJIS K 6251の引張試験試験に定める伸び、HsはJIS K 6253の硬さ試験に定める硬さをそれぞれ意味する。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
上記表1〜表4の結果から、実施例1〜8のゴム組成物は、鉛化合物を含んだゴム組成物である比較例1、(B)〜(D)成分の少なくとも1成分を欠いたゴム組成物である比較例2〜5、(D)成分の所定範囲を超えた比較例6に比べて、貯蔵安定性、常態物性、耐熱性、圧縮永久歪のバランスが優れており、特に一次加硫物の圧縮永久歪においては優位性を示していることがわかる。中でも(E)成分としてLi−Al系包接化合物および/またはハイドロタルサイト化合物(E成分)を所定の割合で配合した、実施例1〜7のゴム組成物は、受酸剤として鉛化合物を使用しないため、鉛化合物による毒性等の問題を解消できるだけでなく、圧縮永久歪がより一層向上することがわかる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の加硫ゴム材料は、鉛化合物を含まず、貯蔵安定性、常態物性、耐熱性、圧縮永久歪のバランスが優れたエピクロルヒドリン系ゴム組成物およびその組成物を加硫してなる加硫ゴム材料である。本発明の加硫ゴム材料は、自動車用途に用いられる押し出し加硫製品および型加硫製品に極めて有効である。
Claims (4)
- 下記(A)〜(E)成分を含有することを特徴とする加硫用ゴム組成物。
(A)エピクロルヒドリン系ゴム 100重量部
(B)チオウレア系化合物 0.1〜5重量部
(C)スルフェンアミド系化合物 0.1〜3重量部
(D)硫黄もしくは活性硫黄放出型有機加硫促進剤 0.01〜1重量部
(E)非鉛系受酸剤 1〜10重量部 - (E)非鉛系受酸剤が、下記一般式(I)で表されるLi−Al系包接化合物および/または下記一般式(II)で示される合成ハイドロタルサイト類からなる受酸剤であることを特徴とする加硫用ゴム組成物。
〔Al2 Li(OH)6〕n X・mH2O (I)
(式中Xは、無機または有機のアニオンであり、nはアニオンXの価数であり、mは3以下の数)、
Mgx Zny AlZ (OH)2(x+y)+3Z−2 CO3・wH2O (II)
(但しx、yは0〜10、x+y=1〜10、zは1〜5、wは正の実数を表す) - 請求項1または2に記載の加硫用ゴム組成物を加硫してなる加硫ゴム材料。
- 請求項3に記載の加硫ゴム材料を使用した自動車用途に用いられる押し出し加硫製品および型加硫製品。
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JP2003155420A JP2004352952A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | 加硫用ゴム組成物および加硫ゴム材料 |
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EP1975196A1 (en) * | 2007-03-27 | 2008-10-01 | Tokai Rubber Industries, Ltd. | Hydrin rubber composition and heat-resistant hose using the same as material |
JP2010208297A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-09-24 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 半導電性ゴムベルト、およびその製造方法 |
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2003
- 2003-05-30 JP JP2003155420A patent/JP2004352952A/ja active Pending
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