JP2004352911A - 芳香族ポリエステル共重合体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い生分解性が要求される成型品の材料に好適で、かつ耐熱性に優れた芳香族ポリエステル共重合体を提供すること。
【解決手段】芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジオール成分、特定の分岐グラフト構造をもつ脂肪族ジオール成分及び特定のヒドロキシカルボン酸成分を共重合する。
【選択図】 なし
【解決手段】芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジオール成分、特定の分岐グラフト構造をもつ脂肪族ジオール成分及び特定のヒドロキシカルボン酸成分を共重合する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は芳香族ポリエステル共重合体に関し、更に詳しくは生分解性が要求される成型品等の材料に好適で、かつ耐熱性に優れた芳香族ポリエステル共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プラスチックは土壌中に廃棄した場合に腐らない、燃焼した場合の発熱量が大きい、などの環境問題を抱えており、その解決方法のうちのひとつとして、生分解性を有するプラスチックの開発が近年進められている。これら生分解性を有するプラスチックのなかでも、全合成ポリマーとしては脂肪族系ポリエステルが高い生分解性を示すことが従来から知られているが、この脂肪族系ポリエステルは機械強度や耐熱性が低いことが問題であった。
【0003】
例えば、上記脂肪族系ポリエステルを農業用生分解性マルチフィルムとして用いた場合、農地へ展張したときに裂けが生じやすいことが指摘されているし、また工業用繊維として用いる時にも適度な生分解性と同時に十分な熱安定性・機械強度が要求されるため、生分解性と機械強度・耐熱性との両者を兼備する材料の開発が強く望まれていた。
【0004】
この問題を解決するために、脂肪族ポリエステルに芳香族ジカルボン酸成分を導入する方法も有効ではあるが、十分な耐熱性を得ようとすると生分解性が著しく低下してしまうという問題があった。
【0005】
ところで、ポリエステルの加水分解性が生分解機構の比較的初期の過程に関与しており、その分解速度に与える影響は大きいことから、ポリマー分子内に親水性部位を導入する等の方法によりポリマーの親水性を増加させて加水分解性を高めることが、生分解性の改善に有効である。
【0006】
なお、芳香族ポリエステルの物性に著しい影響を与えずに親水性を付与する手段としてポリオキシエチレン構造を側鎖に導入する方法も提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。しかし、これらの方法は、親水性の付与という観点からは十分なものであるが、本願が目的とする、生分解性と機械強度・耐熱性との両者を兼備する材料としてはいずれも十分なものが得られなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開平1−234420号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平3−28223号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術が有していた問題点を解消し、高い生分解性が要求される成型品の材料に好適で、かつ耐熱性に優れた芳香族ポリエステル共重合体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術に鑑み鋭意検討を行った結果、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジオール成分、特定の分岐グラフト構造をもつ脂肪族ジオール成分及び特定のヒドロキシカルボン酸成分を共重合させることによって、生分解性と同時に適度な熱安定性とを併せもつことを見出し、更に鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに到った。
【0011】
即ち、本発明の目的は、
下記一般式(1)で表されるジカルボン酸単位、下記一般式(2)で表されるジオール単位、下記一般式(3)で表されるジオール単位及び下記一般式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸単位を、主たる繰り返し単位として含み、且つ下記(W)〜(Z)の各要件を同時に満足する、芳香族ポリエステル共重合体により達成することができる。
【0012】
【化17】
【0013】
【化18】
【0014】
【化19】
【0015】
【化20】
【0016】
要件(W):上記一般式(1)で表されるジカルボン酸単位と上記一般式(2)で表されるジオール単位とを組み合わせてなる、下記一般式(I)で表される繰り返し単位(I)が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として10〜90重量%の範囲で含まれること。
要件(X):上記一般式(3)で表されるジオール単位が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として1〜40重量%の範囲で含まれること。
要件(Y):上記一般式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸単位からなる、下記一般式(II)で表される繰り返し単位(II)が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として10〜90重量%の範囲で含まれること。
要件(Z):固有粘度が0.4〜5.0の範囲にあること。
【0017】
【化21】
【0018】
【化22】
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、前記一般式(1)で表されるジカルボン酸単位、前記一般式(2)で表されるジオール単位、前記一般式(3)で表されるジオール単位、前記一般式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸単位を、主たる繰り返し単位として含む。
【0020】
ここで、「主たる繰り返し単位として含む」とは、芳香族ポリエステル共重合体を構成する全繰り返し単位を基準として、上記4種類の繰り返し単位が合計で80%以上を占めることをいい、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%である。
【0021】
次に、前記一般式(1)〜(4)までの各単位について説明する。
前記一般式(1)中のAr1は置換基を有していても良い炭素数6〜20のアリーレン基であり、このアリーレン基として具体的にはフェニレン基、メチルフェニレン基、エチルフェニレン基、メトキシフェニレン基、エトキシフェニレン基、ジメチルフェニレン基、ジエチルフェニレン基、ジメトキシフェニレン基、ジエトキシフェニレン基、ナフチレン基等を例として挙げることができるが、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な耐熱性を持つこと、原料が安価に入手できること、からフェニレン基であることが好ましい。
【0022】
前記一般式(2)中のR1は、炭素数1〜10の2価脂肪族炭化水素基であり、この二価脂肪族炭化水素基として具体的にはメタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基等を例として挙げることができるが、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な耐熱性を持つこと、原料が安価に入手できること、からエタン−1,2−ジイル基であることが好ましい。
【0023】
前記一般式(3)中のR2は炭素数1〜10の3価脂肪族炭化水素基であり、この3価脂肪族炭化水素基として具体的にはメタン−トリイル基、エタン−1,1,2−トリイル基、プロパン−1,1,3−トリイル基、プロパン−1,2,3−トリイル基、ブタン−1,1,4−トリイル基、ブタン−1,2,4−トリイル基等を例として挙げることができるが、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な耐熱性を持つことから、エタン−1,1,2−トリイル基であることが好ましい。
【0024】
また、前記一般式(3)中R3は炭素数1〜10の2価脂肪族炭化水素基であり、この2価脂肪族炭化水素基として具体的にはメタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基等を例として挙げることができるが、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な生分解性を持つこと、原料が安価に入手できること、からエタン−1,2−ジイル基であることが好ましい。
【0025】
更に、前記一般式(3)中R4は炭素数1〜5のアルキル基であり、このアルキル基として具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、t−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基を例として挙げることができるが、メチル基であることがコスト面から好ましい。
【0026】
また、前記一般式(3)中hは平均値として1〜100である必要がある。ここで、hが平均値として100を超えるとポリマー主鎖との相溶性が低下して、目的とする耐熱安定性が得られない。得られる芳香族ポリエステル共重合体の耐熱性が更に高まることから好ましくは5〜70であり、更に好ましくは5〜50であり、特に好ましくは9〜45である。
【0027】
ここでhは、hの平均値が1〜100の範囲であれば良く、hが100を超える成分を一部含んでいても差し支えない。また前記平均値として定義されるhは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定されるオリゴマーの数平均分子量から容易に求めることができ、その値は小数点を含む実数で通常表される。
【0028】
また、前記一般式中(4)において、R5は炭素数1〜10の2価脂肪族炭化水素基であり、具体的にはメタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基等を挙げることができるが、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な耐熱性を持つこと、原料が安価に入手できること、からヘキサン−1,6−ジイル基又はペンタン−1,5−ジイル基であることが好ましい。
【0029】
本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、更に前記(W)〜(Z)の各要件を同時に満足する必要があるので、以下各要件について説明する。
【0030】
要件(W)は、前記一般式(1)で表されるジカルボン酸単位と前記一般式(2)で表されるジオール単位とを組み合わせてなる、前記一般式(I)で表される繰り返し単位(I)が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として10〜90重量%の範囲で含まれることである。
【0031】
該繰り返し単位(I)が10重量%に満たない場合は、必要とする耐熱性が得られず、一方、90重量%を越える場合には必要とする生分解性が得られない。
【0032】
また、該範囲が40〜90重量%、特に50〜90重量%のときには、得られる芳香族ポリエステル共重合体は特に良好な耐熱性を有するので好ましい。
【0033】
次に、要件(X)は、前記一般式(3)で表されるジオール単位が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として1〜40重量%の範囲で含まれることである。
【0034】
該ジオール単位(II)が1重量%に満たない場合には、必要とする生分解性を達成することができず、一方、40重量%を越えると、必要とする耐熱性を得ることができない。
【0035】
また、該範囲は5〜40重量%、特に、10〜30重量%のときには、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な生分解性を有するので好ましい。
【0036】
更に、要件(Y)は、前記一般式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸単位からなる、前記一般式(II)で表される繰り返し単位(II)が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として10〜90重量%の範囲で含まれることである。
【0037】
該範囲が10重量%未満であると、必要とする生分解性を得ることができず、一方、90重量%を越えると、必要とする耐熱性を得ることができない。
また、該範囲は20〜90重量%、特に、30〜90重量%のときには、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な生分解性を有するので好ましい。
【0038】
最後に、要件(Z)は、固有粘度が0.4〜5.0の範囲にあることである。該固有粘度が0.5未満であると、必要とする耐熱性を得ることができず、一方、5.0を越えると必要とする生分解性を得ることができない。
【0039】
本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、前記繰り返し単位(I)の平均連鎖長iが、2〜15の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは3〜10の範囲、特に好ましくは3〜6の範囲である。該平均連鎖長iが上述の範囲にあるときには、得られる芳香族ポリエステル共重合体の耐熱性と生分解性とを、さらに高水準で兼備することができる。
【0040】
また、本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、前記繰り返し単位(II)の平均連鎖長mが2〜15の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは3〜10の範囲である。該平均連鎖長mが上述の範囲にあるときには、得られる芳香族ポリエステル共重合体の耐熱性を更に高いものとすることができる。
【0041】
本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、前記一般式(1)で表される、ジカルボン酸単位、前記一般式(2)で表されるジオール単位、前記一般式(3)で表されるジオール単位が及び前記一般式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸単位が、それぞれ前記式(5)で表されるジカルボン酸単位、前記式(6)で表されるジオール単位、前記式(7)で表されるジオール単位及び前記式(8)で表されるヒドロキシカルボン酸単位であることが好ましい。これらの単位から主としてなるとき、得られる芳香族ポリエステル共重合体は、耐熱性と生分解性とを高い水準で兼備することができる。
【0042】
また、本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、ブロック型の共重合体であることが好ましく、前記繰り返し単位(III)と、前記繰り返し単位(IV)とがブロック型に共重合していることが好ましい。ここで、前記繰り返し単位(III)の平均連鎖長q、及び前記繰り返し単位(IV)の平均連鎖長rはともに2〜15の範囲にあることでブロック型の共重合体を形成する。
【0043】
本発明においては、前述した繰り返し単位(I)を、芳香族ポリエステルのリサイクル品に由来したものとしてもよく、リサイクル品として回収したポリエステルを再溶融する、いわゆるマテリアルリサイクル由来としてもよいし、回収したポリエステルを解重合したのち再度重合するケミカルリサイクル由来であってもよい。このようにすることにより、環境負荷の低減、資源の有効活用等を図れるという、大きなメリットがある。
【0044】
本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、成形体、フィルム成型品、繊維など、いずれの形態としてもよく、生分解性と耐熱性とが要求されるいずれの用途へも展開することができる。とりわけ農業用マルチフィルム、産業用繊維用途は生分解性と適度な強度、耐熱性が要求されることから、本発明の共重合体はその原料として好ましく使用できる。
【0045】
次に、本発明の芳香族ポリエステル共重合体を製造するための幾つかの態様について説明するが、本発明の芳香族ポリエステル共重合体を得ることができる限り、どのような方法を用いても良いことはいうまでもない。
【0046】
本発明の製造方法として一番目の態様は、前記繰り返し単位(I)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲にある芳香族ポリエステル(A)と、前記繰り返し単位(I)と前記繰り返し単位(II)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B)と、前記一般式(9)で表されるジオール化合物(C)、の三者を溶融混練することである。
【0047】
上記のポリエステル共重合体(B)において、繰り返し単位(I)と繰り返し単位(II)との組成比率は任意に決定することができるが、効率よく本発明の芳香族ポリエステル共重合体を製造するために、好ましくは、ポリエステル共重合体(B)の全重量を基準として、50〜95重量%を前記繰り返し単位(II)として含むようにすることが好ましく、特に60〜90重量%含むようにすることが好ましい。
【0048】
更に、この一番目の態様として好ましくは、前記繰り返し単位(III)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲である芳香族ポリエステル(A’)と、前記繰り返し単位(III)と前記繰り返し単位(IV)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B’)と前記式(10)で表されるジオール化合物(C’)と、の三者を溶融混練することである。
【0049】
本発明の製造方法として二番目の態様は、前記繰り返し単位(I)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲にある芳香族ポリエステル(A)と、前記繰り返し単位(I)と前記繰り返し単位(II)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B)と、前記繰り返し単位(I)と、前記一般式(1)で表されるジカルボン酸単位と前記一般式(3)で表されるジオール単位との組み合わせからなる前記繰り返し単位(V)とからなるポリエステル共重合体(D)、の三者を溶融混練することである。
【0050】
上記のポリエステル共重合体(B)において、繰り返し単位(I)と繰り返し単位(II)との組成比率は任意に決定することができるが、効率よく本発明の芳香族ポリエステル共重合体を製造するために、好ましくは、ポリエステル共重合体(B)の全重量を基準として、50〜95重量%を前記繰り返し単位(II)として含むようにすることが好ましく、特に60〜90重量%を含むようにすることが好ましい。
【0051】
更に、この二番目の態様として好ましくは、前記繰り返し単位(III)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲にある芳香族ポリエステル共重合体(A’)と、前記繰り返し単位(III)と前記繰り返し単位(IV)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B’)と、前記繰り返し単位(III)と、前記繰り返し単位(VI)からなるポリエステル共重合体(D’)、の三者を溶融混練することである。
【0052】
本発明の製造方法として三番目の態様は、前記繰り返し単位(I)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲にある芳香族ポリエステル(A)と、前記繰り返し単位(I)と前記繰り返し単位(II)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B)と、前記繰り返し単位(I)と、前記繰り返し単位(II)と前記繰り返し単位(V)とからなるポリエステル共重合体(E)、の三者を溶融混練することである。
【0053】
上記のポリエステル共重合体(B)において、繰り返し単位(I)と繰り返し単位(II)との組成比率は任意に決定することができるが、効率よく本発明の芳香族ポリエステル共重合体を製造するために、好ましくは、ポリエステル共重合体(B)の全重量を基準として、50〜95重量%を前記繰り返し単位(II)として含むようにすることが好ましく、特に60〜90重量%を含むようにすることが好ましい。
【0054】
更にこの三番目の態様として好ましくは、前記繰り返し単位(III)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲にある芳香族ポリエステル共重合体(A’)と、前記繰り返し単位(III)と前記繰り返し単位(IV)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B’)と、前記繰り返し単位(III)と前記繰り返し単位(IV)と前記繰り返し単位(VI)からなるポリエステル共重合体(E’)の三者を溶融混練することである。
【0055】
通常、芳香族ポリエステル成分と脂肪族ポリエステル成分とからなる共重合体を、単に芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステルとを溶融混練しただけでは両ポリマーの相溶性が極めて悪いため、製造は極めて困難である。本発明の製造方法において特徴的なことは、特に上記のポリエステル共重合体(B)のような芳香族/脂肪族ポリエステルをいわば相溶化剤的に用いることにある。このような方法を採用することにより、格段に効率的に製造することが可能であり、更には各成分の溶融混練時間、温度条件等によって各繰り返し単位の連鎖長についても容易に制御することが可能である。
【0056】
上記いずれの態様でも、本発明が目的とする芳香族ポリエステル共重合体が得られる限り、どのような出発原料を用いてもよく例えばリサイクル品由来のものを用いても問題はない。特に、芳香族ポリエステル(A)が、芳香族ポリエステルのリサイクル品に由来したものでもよく、リサイクル品として回収したポリエステルを再溶融する、いわゆるマテリアルリサイクル由来としてもよいし、回収したポリエステルを解重合したのち再度重合するケミカルリサイクル由来であってもよい。このようにすることにより、環境負荷の低減、資源の有効活用等を図れるという、大きなメリットがある。
【0057】
また、溶融混練操作はいかなる装置を用いて行うこともでき、例えば重合反応釜、二軸押出機が好ましい例として挙げられる。特に、二軸押出機によって混練を行う場合には、溶融混練温度、吐出速度、すなわち滞留時間などの条件でブロック連鎖長を制御することが容易にできる。
【0058】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものでは無い。なお実施例中の評価は以下の方法に従った。
【0059】
(1)生分解性試験:
試料の生分解性は、試料を加水分解酵素と反応させた後のモノマー生成率で評価した。使用した酵素は名糖産業株式会社製リパーゼOF(CandIda cylIndrIcea(酵母)由来)を用い、NaH2PO4水溶液(0.2M濃度)の87.7ml、Na2HPO4水溶液(0.2M濃度)の12.3ml、イオン交換水100mlの混合により得られるリン酸バッファー(pH=7.0)溶液中で反応を行った。
【0060】
各試料5gをフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=1:1(重量比)50mlに溶解し、100μmのダイを使ってキャスティングし、80℃の熱風乾燥機で乾燥させてフィルムを得た。
【0061】
リパーゼにリン酸バッファーを加えた酵素溶液(0.1g/l)と、5mm角に切断したフィルム(150mg)をL字型試験管に入れ、35℃の振盪培養機で撹拌下反応させた。反応開始から24時間後に反応溶液のサンプリングを行い、沈殿物を濾過した濾液中に遊離したモノマーの各成分(ポリエチレンテレフタレート成分のエステル分解による生成モノマーであるテレフタル酸及びビス−2−ヒドロキシエチルテレフタレート)の濃度は高速液体クロマトグラフィー(昭和電工株式会社製「DS−4」Deverosil ODS−UG−5カラム使用)により定量し、両化合物の合計を生成モノマー量とした。
【0062】
なお、リン酸2.35gをイオン交換水1.2リットルに溶解したリン酸水溶液に液体クロマトグラフィー用アセトニトリル0.8リットルを加えて超音波で脱気したものを移動相として用い(20ミリM濃度リン酸:アセトニトリル=60:40)、濃度の決定には絶対検量線法を用いて、テレフタル酸二ナトリウム標準液とビス−2−ヒドロキシエチルテレフタレート標準液(1mg/lおよび10mg/l)を測定した時の絶対量とピーク面積との関係から求めた。
【0063】
また、ブランクとして酵素を含まないリン酸バッファー中でも同様の操作を行い、試料の分解が酵素反応によるものであることを確認した。
【0064】
(2)耐熱性の評価:
耐熱性は、Dupont社製910型示差走査熱量計を用い、窒素ガス気流下、20℃/分の速度で昇温して測定を行って求めた融点(Tm)を基に評価し、該融点が190℃以上の場合に耐熱性が良好であると判定した。
【0065】
(3)平均連鎖長の評価:
平均連鎖長の測定はNMR測定(1H−NMR(日本電子株式会社製「JNM−EX270」)使用)によって、Dezhu Maらの方法(「ジャーナルオブポリマーサイエンスパートエー:ポリマーケミストリー」Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistry,1998年,36巻,p.2961)に従って行った。
【0066】
(4)固有粘度の測定:
試料の固有粘度は、試料120mgを、1,1,2,2−テトラクロロエタンとフェノールとを重量比1:1で混合した混合溶媒10ml中に溶解させた溶液を調整した後、35℃においてウべローデ型粘度計を用いて測定した還元粘度から、予め作成した検量線を用い、濃度0に外挿して求めた。
【0067】
[実施例1]
ジメチルテレフタレート909重量部、エチレングリコール640重量部及び酢酸カルシウム0.4重量部を190℃で反応させ、エステル交換反応によってメタノールを除去した後、減圧下で250℃から280℃までゆっくり昇温して、過剰のエチレングリコールを留去して、固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートを重合した。続いて、得られたポリエチレンテレフタレートにエチルヘキサンスズ0.2重量部を加え、ε―カプロラクトン3600重量部を加えて窒素下で重合反応を行い、モノマーがなくなった事を確認して共重合ポリマーを得た。得られた共重合ポリマーは反応釜からの吐出時に4℃に氷冷したバスを使用してストランド吐出し、チップカッターを用いてペレタイズした。
【0068】
予め作成した固有粘度0.84のポリエチレンテレフタレート50重量部を反応釜に仕込み、窒素雰囲気下280℃で溶融後、上記の共重合ポリマーを50重量部及び下記式に示す分岐ポリエーテルジオール化合物(10)10重量部を添加し、窒素雰囲気下280℃で30分間混合撹拌を行った。引き続き系内を徐々に減圧し、系内圧が66.67Paで1時間撹拌して、芳香族ポリエステル共重合体を得た。結果を表1に示す。
【0069】
【化23】
【0070】
[実施例2]
固有粘度0.84のポリエチレンテレフタレート50重量部、実施例1で得た共重合ポリマー50重量部、実施例1で用いた分岐ポリエーテルジオール化合物10重量部を粉体混合機にてドライブレンドした混合物を、2軸押し出し機に供給し、窒素雰囲気下および混練バレルゾーンにおいては667Paの減圧下で、バレル温度310℃、平均滞留時間7.5分間の条件で溶融混練して、芳香族ポリエステル共重合体を得た。結果を表1に示す。
【0071】
[実施例3]
実施例2において、固有粘度0.84のポリエチレンテレフタレートを75重量部とし、共重合ポリマーを25重量部としたこと以外は同様の操作を行って芳香族ポリエステル共重合体を得た。結果を表1に示す。
【0072】
[比較例1]
固有粘度0.84のポリエチレンテレフタレート60重量部を窒素雰囲気下280℃で溶融後、溶融状態の該ポリエチレンテレフタレートにポリカプロラクトンを40重量部、実施例1で用いた分岐ポリエーテルジオール化合物を10重量部添加し、窒素雰囲気下280℃で30分間混合撹拌を行った。
【0073】
引き続き、系内を徐々に減圧し、系内圧が66.67Paで2時間撹拌を継続したが混合物は大部分が相溶化することなく、共重合体は得られなかった。結果を表1に示す。また、撹拌後の混合物はNMR分析結果から、加熱により生じた変性体と考えられる化合物を多く含んでおり、本条件では本発明のポリエステル共重合体は製造不可能であると判断した。
【0074】
[比較例2]
ジメチルテレフタレート909重量部、エチレングリコール633重量部及び酢酸カルシウム0.4重量部を190℃で反応させ、エステル交換反応によって生じたメタノールを除去した後、ε−カプロラクトン600重量部、式23に示す分岐ポリエーテルジオール化合物10重量部を添加し、減圧下で250℃から280℃まで徐々に昇温して、過剰のエチレングリコールを留去して樹脂を得た。結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】
本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、良好な耐熱性と生分解性とを高い水準で併せ持つので、耐熱性と生分解性とが要求される成型品の材料として極めて有効である。
【発明の属する技術分野】
本発明は芳香族ポリエステル共重合体に関し、更に詳しくは生分解性が要求される成型品等の材料に好適で、かつ耐熱性に優れた芳香族ポリエステル共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プラスチックは土壌中に廃棄した場合に腐らない、燃焼した場合の発熱量が大きい、などの環境問題を抱えており、その解決方法のうちのひとつとして、生分解性を有するプラスチックの開発が近年進められている。これら生分解性を有するプラスチックのなかでも、全合成ポリマーとしては脂肪族系ポリエステルが高い生分解性を示すことが従来から知られているが、この脂肪族系ポリエステルは機械強度や耐熱性が低いことが問題であった。
【0003】
例えば、上記脂肪族系ポリエステルを農業用生分解性マルチフィルムとして用いた場合、農地へ展張したときに裂けが生じやすいことが指摘されているし、また工業用繊維として用いる時にも適度な生分解性と同時に十分な熱安定性・機械強度が要求されるため、生分解性と機械強度・耐熱性との両者を兼備する材料の開発が強く望まれていた。
【0004】
この問題を解決するために、脂肪族ポリエステルに芳香族ジカルボン酸成分を導入する方法も有効ではあるが、十分な耐熱性を得ようとすると生分解性が著しく低下してしまうという問題があった。
【0005】
ところで、ポリエステルの加水分解性が生分解機構の比較的初期の過程に関与しており、その分解速度に与える影響は大きいことから、ポリマー分子内に親水性部位を導入する等の方法によりポリマーの親水性を増加させて加水分解性を高めることが、生分解性の改善に有効である。
【0006】
なお、芳香族ポリエステルの物性に著しい影響を与えずに親水性を付与する手段としてポリオキシエチレン構造を側鎖に導入する方法も提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。しかし、これらの方法は、親水性の付与という観点からは十分なものであるが、本願が目的とする、生分解性と機械強度・耐熱性との両者を兼備する材料としてはいずれも十分なものが得られなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開平1−234420号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平3−28223号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術が有していた問題点を解消し、高い生分解性が要求される成型品の材料に好適で、かつ耐熱性に優れた芳香族ポリエステル共重合体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術に鑑み鋭意検討を行った結果、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジオール成分、特定の分岐グラフト構造をもつ脂肪族ジオール成分及び特定のヒドロキシカルボン酸成分を共重合させることによって、生分解性と同時に適度な熱安定性とを併せもつことを見出し、更に鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに到った。
【0011】
即ち、本発明の目的は、
下記一般式(1)で表されるジカルボン酸単位、下記一般式(2)で表されるジオール単位、下記一般式(3)で表されるジオール単位及び下記一般式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸単位を、主たる繰り返し単位として含み、且つ下記(W)〜(Z)の各要件を同時に満足する、芳香族ポリエステル共重合体により達成することができる。
【0012】
【化17】
【0013】
【化18】
【0014】
【化19】
【0015】
【化20】
【0016】
要件(W):上記一般式(1)で表されるジカルボン酸単位と上記一般式(2)で表されるジオール単位とを組み合わせてなる、下記一般式(I)で表される繰り返し単位(I)が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として10〜90重量%の範囲で含まれること。
要件(X):上記一般式(3)で表されるジオール単位が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として1〜40重量%の範囲で含まれること。
要件(Y):上記一般式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸単位からなる、下記一般式(II)で表される繰り返し単位(II)が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として10〜90重量%の範囲で含まれること。
要件(Z):固有粘度が0.4〜5.0の範囲にあること。
【0017】
【化21】
【0018】
【化22】
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、前記一般式(1)で表されるジカルボン酸単位、前記一般式(2)で表されるジオール単位、前記一般式(3)で表されるジオール単位、前記一般式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸単位を、主たる繰り返し単位として含む。
【0020】
ここで、「主たる繰り返し単位として含む」とは、芳香族ポリエステル共重合体を構成する全繰り返し単位を基準として、上記4種類の繰り返し単位が合計で80%以上を占めることをいい、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%である。
【0021】
次に、前記一般式(1)〜(4)までの各単位について説明する。
前記一般式(1)中のAr1は置換基を有していても良い炭素数6〜20のアリーレン基であり、このアリーレン基として具体的にはフェニレン基、メチルフェニレン基、エチルフェニレン基、メトキシフェニレン基、エトキシフェニレン基、ジメチルフェニレン基、ジエチルフェニレン基、ジメトキシフェニレン基、ジエトキシフェニレン基、ナフチレン基等を例として挙げることができるが、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な耐熱性を持つこと、原料が安価に入手できること、からフェニレン基であることが好ましい。
【0022】
前記一般式(2)中のR1は、炭素数1〜10の2価脂肪族炭化水素基であり、この二価脂肪族炭化水素基として具体的にはメタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基等を例として挙げることができるが、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な耐熱性を持つこと、原料が安価に入手できること、からエタン−1,2−ジイル基であることが好ましい。
【0023】
前記一般式(3)中のR2は炭素数1〜10の3価脂肪族炭化水素基であり、この3価脂肪族炭化水素基として具体的にはメタン−トリイル基、エタン−1,1,2−トリイル基、プロパン−1,1,3−トリイル基、プロパン−1,2,3−トリイル基、ブタン−1,1,4−トリイル基、ブタン−1,2,4−トリイル基等を例として挙げることができるが、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な耐熱性を持つことから、エタン−1,1,2−トリイル基であることが好ましい。
【0024】
また、前記一般式(3)中R3は炭素数1〜10の2価脂肪族炭化水素基であり、この2価脂肪族炭化水素基として具体的にはメタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基等を例として挙げることができるが、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な生分解性を持つこと、原料が安価に入手できること、からエタン−1,2−ジイル基であることが好ましい。
【0025】
更に、前記一般式(3)中R4は炭素数1〜5のアルキル基であり、このアルキル基として具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、t−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基を例として挙げることができるが、メチル基であることがコスト面から好ましい。
【0026】
また、前記一般式(3)中hは平均値として1〜100である必要がある。ここで、hが平均値として100を超えるとポリマー主鎖との相溶性が低下して、目的とする耐熱安定性が得られない。得られる芳香族ポリエステル共重合体の耐熱性が更に高まることから好ましくは5〜70であり、更に好ましくは5〜50であり、特に好ましくは9〜45である。
【0027】
ここでhは、hの平均値が1〜100の範囲であれば良く、hが100を超える成分を一部含んでいても差し支えない。また前記平均値として定義されるhは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定されるオリゴマーの数平均分子量から容易に求めることができ、その値は小数点を含む実数で通常表される。
【0028】
また、前記一般式中(4)において、R5は炭素数1〜10の2価脂肪族炭化水素基であり、具体的にはメタン−1,1−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、エタン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基等を挙げることができるが、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な耐熱性を持つこと、原料が安価に入手できること、からヘキサン−1,6−ジイル基又はペンタン−1,5−ジイル基であることが好ましい。
【0029】
本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、更に前記(W)〜(Z)の各要件を同時に満足する必要があるので、以下各要件について説明する。
【0030】
要件(W)は、前記一般式(1)で表されるジカルボン酸単位と前記一般式(2)で表されるジオール単位とを組み合わせてなる、前記一般式(I)で表される繰り返し単位(I)が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として10〜90重量%の範囲で含まれることである。
【0031】
該繰り返し単位(I)が10重量%に満たない場合は、必要とする耐熱性が得られず、一方、90重量%を越える場合には必要とする生分解性が得られない。
【0032】
また、該範囲が40〜90重量%、特に50〜90重量%のときには、得られる芳香族ポリエステル共重合体は特に良好な耐熱性を有するので好ましい。
【0033】
次に、要件(X)は、前記一般式(3)で表されるジオール単位が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として1〜40重量%の範囲で含まれることである。
【0034】
該ジオール単位(II)が1重量%に満たない場合には、必要とする生分解性を達成することができず、一方、40重量%を越えると、必要とする耐熱性を得ることができない。
【0035】
また、該範囲は5〜40重量%、特に、10〜30重量%のときには、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な生分解性を有するので好ましい。
【0036】
更に、要件(Y)は、前記一般式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸単位からなる、前記一般式(II)で表される繰り返し単位(II)が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として10〜90重量%の範囲で含まれることである。
【0037】
該範囲が10重量%未満であると、必要とする生分解性を得ることができず、一方、90重量%を越えると、必要とする耐熱性を得ることができない。
また、該範囲は20〜90重量%、特に、30〜90重量%のときには、得られる芳香族ポリエステル共重合体が良好な生分解性を有するので好ましい。
【0038】
最後に、要件(Z)は、固有粘度が0.4〜5.0の範囲にあることである。該固有粘度が0.5未満であると、必要とする耐熱性を得ることができず、一方、5.0を越えると必要とする生分解性を得ることができない。
【0039】
本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、前記繰り返し単位(I)の平均連鎖長iが、2〜15の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは3〜10の範囲、特に好ましくは3〜6の範囲である。該平均連鎖長iが上述の範囲にあるときには、得られる芳香族ポリエステル共重合体の耐熱性と生分解性とを、さらに高水準で兼備することができる。
【0040】
また、本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、前記繰り返し単位(II)の平均連鎖長mが2〜15の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは3〜10の範囲である。該平均連鎖長mが上述の範囲にあるときには、得られる芳香族ポリエステル共重合体の耐熱性を更に高いものとすることができる。
【0041】
本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、前記一般式(1)で表される、ジカルボン酸単位、前記一般式(2)で表されるジオール単位、前記一般式(3)で表されるジオール単位が及び前記一般式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸単位が、それぞれ前記式(5)で表されるジカルボン酸単位、前記式(6)で表されるジオール単位、前記式(7)で表されるジオール単位及び前記式(8)で表されるヒドロキシカルボン酸単位であることが好ましい。これらの単位から主としてなるとき、得られる芳香族ポリエステル共重合体は、耐熱性と生分解性とを高い水準で兼備することができる。
【0042】
また、本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、ブロック型の共重合体であることが好ましく、前記繰り返し単位(III)と、前記繰り返し単位(IV)とがブロック型に共重合していることが好ましい。ここで、前記繰り返し単位(III)の平均連鎖長q、及び前記繰り返し単位(IV)の平均連鎖長rはともに2〜15の範囲にあることでブロック型の共重合体を形成する。
【0043】
本発明においては、前述した繰り返し単位(I)を、芳香族ポリエステルのリサイクル品に由来したものとしてもよく、リサイクル品として回収したポリエステルを再溶融する、いわゆるマテリアルリサイクル由来としてもよいし、回収したポリエステルを解重合したのち再度重合するケミカルリサイクル由来であってもよい。このようにすることにより、環境負荷の低減、資源の有効活用等を図れるという、大きなメリットがある。
【0044】
本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、成形体、フィルム成型品、繊維など、いずれの形態としてもよく、生分解性と耐熱性とが要求されるいずれの用途へも展開することができる。とりわけ農業用マルチフィルム、産業用繊維用途は生分解性と適度な強度、耐熱性が要求されることから、本発明の共重合体はその原料として好ましく使用できる。
【0045】
次に、本発明の芳香族ポリエステル共重合体を製造するための幾つかの態様について説明するが、本発明の芳香族ポリエステル共重合体を得ることができる限り、どのような方法を用いても良いことはいうまでもない。
【0046】
本発明の製造方法として一番目の態様は、前記繰り返し単位(I)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲にある芳香族ポリエステル(A)と、前記繰り返し単位(I)と前記繰り返し単位(II)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B)と、前記一般式(9)で表されるジオール化合物(C)、の三者を溶融混練することである。
【0047】
上記のポリエステル共重合体(B)において、繰り返し単位(I)と繰り返し単位(II)との組成比率は任意に決定することができるが、効率よく本発明の芳香族ポリエステル共重合体を製造するために、好ましくは、ポリエステル共重合体(B)の全重量を基準として、50〜95重量%を前記繰り返し単位(II)として含むようにすることが好ましく、特に60〜90重量%含むようにすることが好ましい。
【0048】
更に、この一番目の態様として好ましくは、前記繰り返し単位(III)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲である芳香族ポリエステル(A’)と、前記繰り返し単位(III)と前記繰り返し単位(IV)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B’)と前記式(10)で表されるジオール化合物(C’)と、の三者を溶融混練することである。
【0049】
本発明の製造方法として二番目の態様は、前記繰り返し単位(I)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲にある芳香族ポリエステル(A)と、前記繰り返し単位(I)と前記繰り返し単位(II)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B)と、前記繰り返し単位(I)と、前記一般式(1)で表されるジカルボン酸単位と前記一般式(3)で表されるジオール単位との組み合わせからなる前記繰り返し単位(V)とからなるポリエステル共重合体(D)、の三者を溶融混練することである。
【0050】
上記のポリエステル共重合体(B)において、繰り返し単位(I)と繰り返し単位(II)との組成比率は任意に決定することができるが、効率よく本発明の芳香族ポリエステル共重合体を製造するために、好ましくは、ポリエステル共重合体(B)の全重量を基準として、50〜95重量%を前記繰り返し単位(II)として含むようにすることが好ましく、特に60〜90重量%を含むようにすることが好ましい。
【0051】
更に、この二番目の態様として好ましくは、前記繰り返し単位(III)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲にある芳香族ポリエステル共重合体(A’)と、前記繰り返し単位(III)と前記繰り返し単位(IV)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B’)と、前記繰り返し単位(III)と、前記繰り返し単位(VI)からなるポリエステル共重合体(D’)、の三者を溶融混練することである。
【0052】
本発明の製造方法として三番目の態様は、前記繰り返し単位(I)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲にある芳香族ポリエステル(A)と、前記繰り返し単位(I)と前記繰り返し単位(II)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B)と、前記繰り返し単位(I)と、前記繰り返し単位(II)と前記繰り返し単位(V)とからなるポリエステル共重合体(E)、の三者を溶融混練することである。
【0053】
上記のポリエステル共重合体(B)において、繰り返し単位(I)と繰り返し単位(II)との組成比率は任意に決定することができるが、効率よく本発明の芳香族ポリエステル共重合体を製造するために、好ましくは、ポリエステル共重合体(B)の全重量を基準として、50〜95重量%を前記繰り返し単位(II)として含むようにすることが好ましく、特に60〜90重量%を含むようにすることが好ましい。
【0054】
更にこの三番目の態様として好ましくは、前記繰り返し単位(III)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲にある芳香族ポリエステル共重合体(A’)と、前記繰り返し単位(III)と前記繰り返し単位(IV)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B’)と、前記繰り返し単位(III)と前記繰り返し単位(IV)と前記繰り返し単位(VI)からなるポリエステル共重合体(E’)の三者を溶融混練することである。
【0055】
通常、芳香族ポリエステル成分と脂肪族ポリエステル成分とからなる共重合体を、単に芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステルとを溶融混練しただけでは両ポリマーの相溶性が極めて悪いため、製造は極めて困難である。本発明の製造方法において特徴的なことは、特に上記のポリエステル共重合体(B)のような芳香族/脂肪族ポリエステルをいわば相溶化剤的に用いることにある。このような方法を採用することにより、格段に効率的に製造することが可能であり、更には各成分の溶融混練時間、温度条件等によって各繰り返し単位の連鎖長についても容易に制御することが可能である。
【0056】
上記いずれの態様でも、本発明が目的とする芳香族ポリエステル共重合体が得られる限り、どのような出発原料を用いてもよく例えばリサイクル品由来のものを用いても問題はない。特に、芳香族ポリエステル(A)が、芳香族ポリエステルのリサイクル品に由来したものでもよく、リサイクル品として回収したポリエステルを再溶融する、いわゆるマテリアルリサイクル由来としてもよいし、回収したポリエステルを解重合したのち再度重合するケミカルリサイクル由来であってもよい。このようにすることにより、環境負荷の低減、資源の有効活用等を図れるという、大きなメリットがある。
【0057】
また、溶融混練操作はいかなる装置を用いて行うこともでき、例えば重合反応釜、二軸押出機が好ましい例として挙げられる。特に、二軸押出機によって混練を行う場合には、溶融混練温度、吐出速度、すなわち滞留時間などの条件でブロック連鎖長を制御することが容易にできる。
【0058】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものでは無い。なお実施例中の評価は以下の方法に従った。
【0059】
(1)生分解性試験:
試料の生分解性は、試料を加水分解酵素と反応させた後のモノマー生成率で評価した。使用した酵素は名糖産業株式会社製リパーゼOF(CandIda cylIndrIcea(酵母)由来)を用い、NaH2PO4水溶液(0.2M濃度)の87.7ml、Na2HPO4水溶液(0.2M濃度)の12.3ml、イオン交換水100mlの混合により得られるリン酸バッファー(pH=7.0)溶液中で反応を行った。
【0060】
各試料5gをフェノール:1,1,2,2−テトラクロロエタン=1:1(重量比)50mlに溶解し、100μmのダイを使ってキャスティングし、80℃の熱風乾燥機で乾燥させてフィルムを得た。
【0061】
リパーゼにリン酸バッファーを加えた酵素溶液(0.1g/l)と、5mm角に切断したフィルム(150mg)をL字型試験管に入れ、35℃の振盪培養機で撹拌下反応させた。反応開始から24時間後に反応溶液のサンプリングを行い、沈殿物を濾過した濾液中に遊離したモノマーの各成分(ポリエチレンテレフタレート成分のエステル分解による生成モノマーであるテレフタル酸及びビス−2−ヒドロキシエチルテレフタレート)の濃度は高速液体クロマトグラフィー(昭和電工株式会社製「DS−4」Deverosil ODS−UG−5カラム使用)により定量し、両化合物の合計を生成モノマー量とした。
【0062】
なお、リン酸2.35gをイオン交換水1.2リットルに溶解したリン酸水溶液に液体クロマトグラフィー用アセトニトリル0.8リットルを加えて超音波で脱気したものを移動相として用い(20ミリM濃度リン酸:アセトニトリル=60:40)、濃度の決定には絶対検量線法を用いて、テレフタル酸二ナトリウム標準液とビス−2−ヒドロキシエチルテレフタレート標準液(1mg/lおよび10mg/l)を測定した時の絶対量とピーク面積との関係から求めた。
【0063】
また、ブランクとして酵素を含まないリン酸バッファー中でも同様の操作を行い、試料の分解が酵素反応によるものであることを確認した。
【0064】
(2)耐熱性の評価:
耐熱性は、Dupont社製910型示差走査熱量計を用い、窒素ガス気流下、20℃/分の速度で昇温して測定を行って求めた融点(Tm)を基に評価し、該融点が190℃以上の場合に耐熱性が良好であると判定した。
【0065】
(3)平均連鎖長の評価:
平均連鎖長の測定はNMR測定(1H−NMR(日本電子株式会社製「JNM−EX270」)使用)によって、Dezhu Maらの方法(「ジャーナルオブポリマーサイエンスパートエー:ポリマーケミストリー」Journal of Polymer Science Part A: Polymer Chemistry,1998年,36巻,p.2961)に従って行った。
【0066】
(4)固有粘度の測定:
試料の固有粘度は、試料120mgを、1,1,2,2−テトラクロロエタンとフェノールとを重量比1:1で混合した混合溶媒10ml中に溶解させた溶液を調整した後、35℃においてウべローデ型粘度計を用いて測定した還元粘度から、予め作成した検量線を用い、濃度0に外挿して求めた。
【0067】
[実施例1]
ジメチルテレフタレート909重量部、エチレングリコール640重量部及び酢酸カルシウム0.4重量部を190℃で反応させ、エステル交換反応によってメタノールを除去した後、減圧下で250℃から280℃までゆっくり昇温して、過剰のエチレングリコールを留去して、固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートを重合した。続いて、得られたポリエチレンテレフタレートにエチルヘキサンスズ0.2重量部を加え、ε―カプロラクトン3600重量部を加えて窒素下で重合反応を行い、モノマーがなくなった事を確認して共重合ポリマーを得た。得られた共重合ポリマーは反応釜からの吐出時に4℃に氷冷したバスを使用してストランド吐出し、チップカッターを用いてペレタイズした。
【0068】
予め作成した固有粘度0.84のポリエチレンテレフタレート50重量部を反応釜に仕込み、窒素雰囲気下280℃で溶融後、上記の共重合ポリマーを50重量部及び下記式に示す分岐ポリエーテルジオール化合物(10)10重量部を添加し、窒素雰囲気下280℃で30分間混合撹拌を行った。引き続き系内を徐々に減圧し、系内圧が66.67Paで1時間撹拌して、芳香族ポリエステル共重合体を得た。結果を表1に示す。
【0069】
【化23】
【0070】
[実施例2]
固有粘度0.84のポリエチレンテレフタレート50重量部、実施例1で得た共重合ポリマー50重量部、実施例1で用いた分岐ポリエーテルジオール化合物10重量部を粉体混合機にてドライブレンドした混合物を、2軸押し出し機に供給し、窒素雰囲気下および混練バレルゾーンにおいては667Paの減圧下で、バレル温度310℃、平均滞留時間7.5分間の条件で溶融混練して、芳香族ポリエステル共重合体を得た。結果を表1に示す。
【0071】
[実施例3]
実施例2において、固有粘度0.84のポリエチレンテレフタレートを75重量部とし、共重合ポリマーを25重量部としたこと以外は同様の操作を行って芳香族ポリエステル共重合体を得た。結果を表1に示す。
【0072】
[比較例1]
固有粘度0.84のポリエチレンテレフタレート60重量部を窒素雰囲気下280℃で溶融後、溶融状態の該ポリエチレンテレフタレートにポリカプロラクトンを40重量部、実施例1で用いた分岐ポリエーテルジオール化合物を10重量部添加し、窒素雰囲気下280℃で30分間混合撹拌を行った。
【0073】
引き続き、系内を徐々に減圧し、系内圧が66.67Paで2時間撹拌を継続したが混合物は大部分が相溶化することなく、共重合体は得られなかった。結果を表1に示す。また、撹拌後の混合物はNMR分析結果から、加熱により生じた変性体と考えられる化合物を多く含んでおり、本条件では本発明のポリエステル共重合体は製造不可能であると判断した。
【0074】
[比較例2]
ジメチルテレフタレート909重量部、エチレングリコール633重量部及び酢酸カルシウム0.4重量部を190℃で反応させ、エステル交換反応によって生じたメタノールを除去した後、ε−カプロラクトン600重量部、式23に示す分岐ポリエーテルジオール化合物10重量部を添加し、減圧下で250℃から280℃まで徐々に昇温して、過剰のエチレングリコールを留去して樹脂を得た。結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】
本発明の芳香族ポリエステル共重合体は、良好な耐熱性と生分解性とを高い水準で併せ持つので、耐熱性と生分解性とが要求される成型品の材料として極めて有効である。
Claims (14)
- 下記一般式(1)で表されるジカルボン酸単位、下記一般式式(2)で表されるジオール単位、下記一般式(3)で表されるジオール単位及び下記一般式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸単位を、主たる繰り返し単位として含み、且つ下記(W)〜(Z)の各要件を同時に満足する、芳香族ポリエステル共重合体。
要件(X):上記一般式(3)で表されるジオール単位が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として1〜40重量%の範囲で含まれること。
要件(Y):上記一般式(4)で表されるヒドロキシカルボン酸単位からなる、下記一般式(II)で表される繰り返し単位(II)が、芳香族ポリエステル共重合体の全重量を基準として10〜90重量%の範囲で含まれること。
要件(Z):固有粘度が0.4〜5.0の範囲にあること。
- 前記繰り返し単位(I)の平均連鎖長iが2〜15の範囲である、請求項1記載の芳香族ポリエステル共重合体。
- 前記繰り返し単位(III)の平均連鎖長mが2〜15の範囲である、請求項1記載の芳香族ポリエステル共重合体。
- 前記繰り返し単位(I)が芳香族ポリエステルのリサイクル品に由来する、請求項1記載の芳香族ポリエステル共重合体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族ポリエステル共重合体から得られる成型品。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族ポリエステル共重合体から得られるフィルム成型品。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族ポリエステル共重合体から得られる繊維。
- 前記繰り返し単位(I)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲にある芳香族ポリエステル(A)と、
前記繰り返し単位(I)と前記繰り返し単位(II)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B)と、
前記繰り返し単位(I)と前記繰り返し単位(II)と前記繰り返し単位(V)とからなるポリエステル共重合体(E)、の三者を溶融混練する、請求項1記載のポリエステル共重合体の製造方法。 - 前記繰り返し単位(III)で表され、固有粘度が0.5〜1.5の範囲にある芳香族ポリエステル共重合体(A’)と、
前記繰り返し単位(III)と前記繰り返し単位(IV)とを繰り返し単位とするポリエステル共重合体(B’)と、
前記繰り返し単位(III)と前記繰り返し単位(IV)と前記繰り返し単位(VI)からなるポリエステル共重合体(E’)、の三者を溶融混練する、請求項13記載のポリエステル共重合体の製造方法。
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JP2007045913A (ja) * | 2005-08-09 | 2007-02-22 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | ポリエステル系樹脂、粘着剤および粘着シート |
JP2014502286A (ja) * | 2010-10-20 | 2014-01-30 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | ペンダント型親水性物質を有する生分解性組成物および関連デバイス |
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2003
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