JP3994031B2 - 生分解性ブロック共重合体およびフィルム - Google Patents

生分解性ブロック共重合体およびフィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特定の構造をもつブロック共重合ポリエステルを用いて製造する、物性的に優れた低コストの生分解性ブロック共重合体および生分解性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートは脂肪族ポリエステルや脂肪族ポリアミドと共重合することによって、生分解性を付与できることが知られている。これらを製造する方法としては、▲1▼モノマーの状態から共重合を行なう方法、▲2▼ポリエチレンテレフタレートに脂肪族モノマーを反応させる方法、▲3▼ポリエチレンテレフタレートと脂肪族ポリマーを反応させる方法などが考案されている。▲1▼、▲2▼では完全ランダムに近い樹脂が製造され物性が非常に低くなり、また、重合に時間がかかるという特徴がある。▲3▼では2つの樹脂は互いに相溶性が低く、エステル交換で充分に反応するには比較的長い時間がかかったり、あるいは活性の極めて高い触媒や、相溶化剤を用いる必要がある。ところがこうした手法を用いると、これらの各ブロックは極めて反応性の似通ったエステル結合で重合しているために、反応中にランダム化が進行し、物性の高い生分解性を有する共重合体を合成することは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主たる目的は、芳香族ポリエステルと特定の脂肪族ポリエステルとをブロックとする、物性的に優れ生分解性を有する生分解性ブロック共重合体、なかんずく物性的に優れ生分解性を有する生分解性フィルムを製造することである。
【0004】
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すベく鋭意研究の結果、特定の構造の3元ブロック共重合体と芳香族ポリエステルとを溶融反応させると物性的に優れた樹脂が得られること、とりわけこの樹脂をフィルムの形で得ると物性的に優れたフィルムが得られるという事実を見出し、本発明に到達したものである。
【0006】
本発明の一態様によれば、芳香族ポリエステルと、
下記式(1)、
X−Y−X・・・・・(1)
(式(1)中、Xは脂肪族ポリエステルセグメントであり、Yは芳香族ポリエステルセグメントである。)で表されるブロック共重合ポリエステルとを溶融状態で反応させてなる、生分解性ブロック共重合体が提供される。
【0007】
式(1)で表されるブロック共重合ポリエステルの芳香族ポリエステルセグメントと芳香族ポリエステルとが、ともにポリアルキレンテレフタレートを主成分とすること、ポリアルキレンテレフタレートがポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートまたはその共重合体であること、式(1)で表されるブロック共重合ポリエステルに含まれる脂肪族ポリエステルがポリカプロラクトン構造を主成分とすること、式(1)で表されるブロック共重合ポリエステルに含まれる脂肪族ポリエステル成分の含有率が60〜90重量%の範囲であること、生分解性ブロック共重合体中の脂肪族ポリエステル成分の含有率が5〜60重量%であることが好ましい。
【0008】
また、溶融状態で反応させる場合にエクストルーダーを用いること、系を減圧することが好ましい。
【0009】
生分解性ブロック共重合体は、実質的に無配向であるか、または1次元あるいは2次元に配向されている生分解性フィルムとなっていることが好ましい。その物性としては、下記の条件を満たすことが好ましい。
【0010】
力学物性:引っ張り強度≧40MPa
熱物性:融点≧150℃
なお、以下に説明する発明の実施の形態や実施例の中で、本発明の更なる特徴が明らかにされる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を実施例,表,式等を使用して説明する。なお、これらの実施例,表,式等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
【0012】
本発明によれば、コストが低い特定の構造を持つ生分解性ブロック共重合体や物性的に優れた生分解性フィルムを得ることができる。
【0013】
本発明に係る生分解性ブロック共重合体は、特定のブロック共重合ポリエステルとポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルとを溶融反応させて作ることができる。
【0014】
上記特定のブロック共重合ポリエステルは下記式(1)であらわすことができる3元ブロック共重合体である。
【0015】
X−Y−X・・・・・(1)
(Xは脂肪族ポリエステルセグメントであり、Yは芳香族ポリエステルセグメントである)。
【0016】
ここで用いる脂肪族ポリエステルセグメントとしては、ラクトン類から合成されるポリエステル、ラクチドなどから合成されるポリエステルなどを挙げることができ、具体的にはポリプロピオラクトン類、ポリブチロラクトン類、ポリペントラクトン類、ポリカプロラクトン類、ポリ乳酸類、ポリグリコール酸類などを挙げることができる。脂肪族ポリエステルセグメントとしては、カプロラクトンを主たる成分とする脂肪族ポリエステルを用いることが好ましい。カプロラクトンは工業的に比較的安価で製造されコストを抑えられ、物性的にもすぐれた共重合体を得ることができるからである。
【0017】
芳香族ポリエステルセグメントは、後で組み合わせる芳香族ポリエステルの主たる成分と同じ成分を主として含むものが好ましい。特に芳香族ポリエステルセグメントと芳香族ポリエステルとが、ともにポリアルキレンテレフタレートを主成分とすることが好ましく、ポリアルキレンテレフタレートがポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートまたはその共重合体であることがより好ましい。良好な生分解性ブロック共重合体が得られるからである。
【0018】
本発明の(1)式で表されるブロック共重合体は、両末端にヒドロキシル基、アミノ基などをもつ芳香族ポリエステルを開始剤としてラクトン類などを開環重合することによって容易に得る事が出来る。この構造を特徴付けるものとしては、きわめて低いランダム化度があげられる。とくにランダム化度で0から0.3の範囲であるものを用いる事が好ましい。また、ある程度の重合度の場合には、両成分が完全相分離することに由来する融点ピークの存在などによってブロック構造を確認する事が出来る。
【0019】
芳香族ポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸残基と脂肪族ジオール残基とよりなるポリエステルを用いることができる。芳香族ジカルボン酸残基としては、下記式(2)で表されるようなものを提示することができる。
【0020】
【化1】
Figure 0003994031
【0021】
[上記式において、Arは置換基を有してもよい炭素数芳香族基、フェニレン基またはナフチレン基である。]
かかる芳香族ジカルボン酸残基として特に好適な例は、テレフタル酸、メチルテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、メチルイソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸等が挙げられる。
【0022】
また、脂肪族ジオール残基としては、下記式(3)
【0023】
【化2】
Figure 0003994031
【0024】
[上記式においてR2は脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基であり、置換基や酸素原子を含んでもよい。]
で表される脂肪族ジオール残基を提示することができる。かかる脂肪族ジオール残基として好ましいものとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ベンゼンジエタノール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0025】
本発明において用いる芳香族ポリエステルは上記の各残基を含むものであるがそのうち特に好ましいのはエチレンテレフタレート基を主たる成分として80モル%以上含むポリエステルである。このような芳香族ポリエステルを用いれば適度な結晶性と融点をもち低コストの樹脂を得ることができる。
【0026】
本発明に用いる式(1)で表されるブロック共重合ポリエステルにおいて、脂肪族成分の割合は、重量比で60〜90重量%の間であることが好ましい。この範囲より少ない場合には、芳香族ポリエステルに対して大量のブロック共重合体を添加しなくてはならず、これよりも多い場合には芳香族ポリエステルに対して相溶性が悪くなり、溶融反応時間が長くなってブロック性が著しく損なわれるからである。
【0027】
本発明で得られる生分解性ブロック共重合体は最終的に脂肪族ポリエステルを5〜60重量%含むことが好ましい。この範囲であれば、芳香族ポリエステルの耐熱性を生かしつつ、脂肪族ポリエステルの柔軟性、易反応性を活かした用途に適切に用いることができるからである。
【0028】
本発明において、各種の無機フィラー、触媒、可塑剤、界面活性剤、鎖長延長剤をあわせて用いることができる。
【0029】
本発明において芳香族ポリエステルと式(1)で表されるブロック共重合ポリエステルとを溶融混練する方法としては、重合釜の中で溶融する方法のほか、連続的に原料などを供給しつつ押出すエクストルーダー混練法などを好適に用いることができる。この場合には、特に減圧を行ないつつ混連押出しを行なうことが好ましい。このような方法であれば、重合度が高く、物性的に優れた生分解性樹脂を得ることができる。反応を促進するため触媒を使用することもできる。触媒としては酸化アンチモン、チタン系触媒、スズ系触媒、アミン系触媒等を挙げることができる。
【0030】
本発明の生分解性フィルムは、このようにして得られた樹脂である生分解性ブロック共重合体を製膜することで得られる。ただし、生分解性ブロック共重合体を得る際直接成膜してもよい。
【0031】
製膜する方法は、溶融ダイ押出し法、ブロー製膜法などが好適に用いられる。とくに溶融ダイ押出し法で製造したフィルムはさらに延伸を行なうことにより、強度、弾性率を向上させることができ、ガスバリヤ性の向上などの機能も向上することが期待できる。
【0032】
フィルムは、その用途に応じて、実質的に無延伸であっても、1軸延伸で行なっても2軸延伸であってもかまわない。実質的に無延伸というのは、成膜時にフィルム引き取りによる張力等により若干延伸される程度のものを無延伸を見なすことを意味する。延伸倍率は、面倍率で1.5から20倍までの範囲で行なうことができるが、より好ましくは3倍から15倍の範囲である。この範囲であれば、装置の負荷を大きくすることなく、物性的に優れたフィルムを得ることができるからである。
【0033】
得られたフィルムは融点で150℃以上であることが好ましく、より好ましくは170℃以上である。他の物性としては、引張り強度が40MPa以上であることが望ましい。
【0034】
このようにして得られた生分解性ブロック共重合体は、簡便な方法で製造できるため低コストであり、耐熱性、強度に優れ、各種の成形品を作製するために使用することができる。また、生分解性フィルムは耐熱性、高強度を生かした、食品包装用途、農業用フィルム、その他日常用いる包装用途などに好適に用いることができる。
【0035】
【発明の効果】
耐熱性、強度に優れた安価な生分解性ブロック共重合体およびそのフィルムを提供できる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を説明する。なお、例中の「部」は、特に断らない限り「重量部」を意味するものとする。例中にあげる各種の評価項目は次のようにして求めた。
【0037】
(1)融点の測定
融点(Tm)の測定は、Dupont910示差走査熱量計を用い、窒素ガス気流下、20℃/minの速度で昇温して測定を行った。
【0038】
(2)ランダム化度の評価
ブロック性を評価するためのランダム化度の評価はNMR測定によって、D.Maらの方法(J.Polym.Sci.Polym.Chem.36,2961(1998))にしたがって行なった。
【0039】
(3)還元粘度の測定
樹脂の還元粘度は、フェノール/テトラクロロエタン(体積比50/50)の混合溶媒10mlに対して120mgを溶解して得た溶液の30℃における粘度を測定した。
【0040】
(4)フィルムの力学評価
フィルムの引っ張り強度はJIS K−7127にしたがって行った。
【0041】
(5)生分解性評価
以下において、ペプトン、牛肉エキスはBecton Dickinson社、尿素、塩化ナトリウム、リン酸二水素カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、無水リン酸二水素カリウム、塩化アンモニウム、塩化鉄六水和物は関東化学株式会社、塩化カリウム、無水リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウムは和光純薬工業株式会社、シリカゲルは石津製薬株式会社、アスカライトはThomas Scientific社、セルロースはAldrich Chemicals Inc.社のものを使用した。
【0042】
(活性汚泥の調整)
再現性の高い分解試験を行うために一定条件下で育種した活性汚泥を使用した。植種源には代表的な自然環境を模すために山口県岩国市内4箇所の池水を用い、これにペプトン系人工排水を栄養源として一定条件下で回分式活性汚泥法により培養した活性汚泥を用いた。ペプトン系人工排水はBOD(生物化学的酸素要求量):N:Pの比が100:5:1になるように調整された代表的な人工排水であり、活性汚泥培養液1リットルに対して毎日ペプトン6g、牛肉エキス4g、尿素1g、塩化ナトリウム0.3g、リン酸二水素カリウム1g、塩化カリウム0.14g、塩化カルシウム0.14g、硫酸マグネシウム0.1gを供給できるように調整したものを用いた。回分式活性汚泥法にしたがって、人工排水の添加、曝気、沈殿、上澄み液の放流、イオン交換水の添加という一連の作業を繰り返すことにより安定化させた。
【0043】
(生分解試験)
JIS規K同6951:2000中に記載されている標準試験を参考にして行った。この標準試験は自然環境を模擬しており、培養液は以下に詳細を記した溶液Aを10mL、溶液B−Dを各1mLに水を加えて1000mLとしたものを用いた。
【0044】
<溶液A>
無水リン酸二水素カリウム8.5g、無水リン酸水素二カリウム21.75g、リン酸水素二ナトリウム二水和物33.4g(リン酸水素二ナトリウム26.6g)、塩化アンモニウム0.5gを水に溶解し、全量を1000mLとしたもの。
【0045】
<溶液B>
硫酸マグネシウム七水和物22.5g(硫酸マグネシウム11.0g)を水に溶解し、全量を1000mLとしたもの。
【0046】
<溶液C>
塩化カルシウム二水和物36.4g(塩化カルシウム27.5g)を水に溶解し、全量を1000mLとしたもの。
【0047】
<溶液D>
塩化鉄六水和物0.25gを水に溶解し、全量を1000mLとしたもの。
【0048】
180μmの篩目で篩を通過する粉末の作製サンプル750mgに培養液を加え、活性汚泥を懸濁固形物濃度で200mg/lになるように添加した後、30℃の恒温槽内において、通気下でスターラーによる撹拌を行った。発生二酸化炭素は排気中からシリカゲルおよび塩化カルシウムによって水分を除去した後、アスカライトに吸着させたときの増加重量により経時的に測定した。培養液と活性汚泥とのみで行った空試験との差をサンプルからの発生二酸化炭素量とし、サンプルの理論的発生二酸化炭素量に対する発生二酸化炭素の割合から生分解度を求めた。また、同様に行ったセルロースの分解試験との比較を行った。
【0049】
[実施例1]
ジメチルテレフタレート909重量部、エチレングリコール640重量部および酢酸カルシウム0.4重量部を190℃で反応させ、エステル交換反応によってメタノールを除去した後、減圧下で250℃から280℃までゆっくり昇温して、過剰のエチレングリコールを留去し、還元粘度(ηsp/c)0.25のポリエチレンテレフタレートを重合した。
【0050】
続いて、エチルヘキサンスズ0.2重量部を加え、カプロラクトン3600重量部を加えて窒素下で重合反応を行なった。モノマーがなくなったことを確認し、樹脂を得た。
【0051】
この樹脂は融点が55℃の白色であり、ηsp/cは0.65、ランダム化度は0.11であった。
【0052】
きわめて低いランダム化率と樹脂がポリカプロラクトン(PCL)とポリエチレンテレフタレート(PET)由来の45℃と200℃の二つの融点を有することから、下記式の構造を有していることが判明した。
【0053】
X−Y−X
(式中、Xはポリカプロラクトンセグメントであり、Yはポリエチレンテレフタレートセグメントである。)
ポリエチレンテレフタレート(帝人株式会社製TRF)625重量部、上記により得られた樹脂375重量部を混合し、池貝製作所製二軸混練押出機PCM−30をもちいて280℃で吐出量3Kg/hで、途中2段の減圧脱気を行ないながら反応させた。得られた樹脂のηsp/cは0.75、融点は230℃、ランダム化度は0.35であった。
【0054】
[実施例2]
(フィルム製膜)
製膜はラボプラストミルを用い、幅150mm、クリアランス1mmのTダイによって265℃で押し出し、フィルムを室温のドラムに巻き取った。延伸は30℃にて行ない、3×3の面倍9倍とした。得られたフィルムは枠止めして100℃の熱風乾燥機に入れて10分間熱固定した。得られたフィルムは、引っ張り強度70MPa、弾性率400MPa、伸度160%であり、融点は232℃、Tg105℃(熱セット温度)であった。
【0055】
[実施例3]
実施例2により得られたフィルムを粉砕し、180μmの篩を通した。この粉末サンプルを750mg量りとり、活性汚泥、培養液を入れたフラスコ中に添加し、30℃の恒温槽内で通気しながら撹拌することにより10日間の生分解試験を行った。空試験も培養液と活性汚泥のみで同様に行った。
【0056】
結果を表1に示す。
【0057】
[比較例1]
微結晶粉末セルロースを750mg量りとり、活性汚泥、培養液を入れたフラスコ中に添加し、30℃の恒温槽内で通気しながら撹拌することにより10日間の生分解試験を行った。
【0058】
結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0003994031
【0060】
生分解度(生分解度百分率Dt)は次のようにして求めた。
【0061】
Dt=(Σ(CO2)t−Σ(CO2)b)/ThCO2×100
ここで、
Σ(CO2)t:時間tで分解試験中に発生した二酸化炭素総量[mg]
Σ(CO2)b:時間tで空試験中に発生した二酸化炭素総量[mg]
理論上の二酸化炭素総量ThCO2=m×Xc×44/12
ここで、
m:試験材料量[mg]
Xc:化学式、元素分析から決定され質量の分数として表された試験材料の炭素含有量[mg]
実施例3および比較例1より、試験開始10日後において、PET:PCLは微結晶粉末セルロースに対して17.5%(2.4/13.7)という高い生分解度を示すことが分かった。

Claims (3)

  1. ポリエチレンテレフタレート成分とポリカプロラクトン成分とをブロックとし、当該ポリカプロラクトン成分の含有率が5〜60重量%である生分解性を有するブロック共重合体であって、当該ブロック共重合体は、
    ポリエチレンテレフタレートと、
    下記式(1)、
    X−Y−X・・・・・(1)
    (式(1)中、Xはポリカプロラクトンセグメントであり、Yはポリエチレンテレフタレートであり、Xの含有率が60〜90重量%である。)で表されるランダム化度が0〜0.3の範囲にあるブロック共重合ポリエステルとを
    溶融状態で反応させてなる、融点が230℃以上の生分解性ブロック共重合体。
  2. 請求項1に記載の生分解性ブロック共重合体が、実質的に無配向であるか、または1次元あるいは2次元に配向されている生分解性フィルム。
  3. ポリエチレンテレフタレートと、
    下記式(1)、
    X−Y−X・・・・・(1)
    (式(1)中、Xはポリカプロラクトンセグメントであり、Yはポリエチレンテレフタレートであり、Xの含有率が60〜90重量%である。)で表されるランダム化度が0〜0.3の範囲であるブロック共重合ポリエステルとを
    溶融状態で反応させ、ポリエチレンテレフタレート成分とポリカプロラクトン成分とをブロックとし、当該ポリカプロラクトン成分の含有率が5〜60重量%で、融点が230℃以上である生分解性を有するブロック共重合体を得る、生分解性ブロック共重合体の製造方法。
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