JP2004350567A - 防除作業機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】機体の前部に防除ブーム22,23を左右ローリング自在に支持して設け、この防除ブーム22,23を制御するコントローラ75と、本機側のコントローラ35とを無線によりデータの授受を可能に構成すると共に、本機側から防除ブーム側コントローラ75に電源を供給する電源供給ライン78を設け、この電源供給ライン78をカプラー80,80により分離接続可能に構成する。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、畑地や水田で薬液を散布する防除作業機に利用できる。
【0002】
【従来技術】
従来、乗用管理機の前部に防除ブームを装着して防除作業をするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の乗用管理機では、防除ブームによる散布量を制御する防除用コントローラと、本機側の4WS制御や防除ブームのローリング制御を行なう本機側コントローラとは多くのハーネス類で結ばれているのが普通である。
【0003】
そして、両コントローラ間においてはデータのみならず、電源を供給する電源供給用のラインも介装されている。両コントローラ間で授受されるデータとしては各種アクチュエータの動きを監視するセンサ側のセンサ信号や、設定器、スイッチ類の設定信号が含まれる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−269106号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来装置の場合、防除作業から他の作業、例えばカルチ作業を行なう場合には、本機から防除タンクを取り外し、機体後部に多連のカルチ作業機を連結させて耕深若しくは培土作業等を行なうが、この作業機の付け替えに先立って多くのハーネスのカプラを外し、電源供給ラインもカプラ引き抜き、使用しないハーネスの端部には泥土が付着しないように保護カバーをつけて端子を保護する必要があった。
【0006】
ハーネス端部の保護処理を怠ると端子部分が錆付いたり、腐食したり、あるいは傷が付いたりすることがあり、また、ハーネス端部に設けられたカプラーを引き抜き忘れると作業機の交換時にハーネスが引きちぎれて電装系の一部が損傷する恐れがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は前記問題点に鑑みて提案するものであり、次のような技術的手段を講じた。
即ち、請求項1の発明では、機体の前部に防除ブーム22,23を左右ローリング自在に支持して設け、この防除ブーム22,23を制御するコントローラ75と、本機側のコントローラ35とを無線によりデータの授受を可能に構成すると共に、本機側から防除ブーム側コントローラ75に電源を供給する電源供給ライン78を設け、この電源供給ライン78をカプラー80,80により分離接続可能に構成したことを特徴とする防除作業機の構成とした。
【0008】
請求項2の発明は、防除ブーム側のコントローラ75により防除作業機の散布量を制御させ、本機側のコントローラ35により防除ブーム22,23のローリング制御を行なわせるように構成したことを特徴とする請求項1記載の防除作業機とした。
【0009】
請求項3の発明は、前方へ向けて延設した昇降リンク機構10の基部を本機に枢支し、昇降リンク機構10の前部にブーム支持枠12を設け、このブーム支持枠12に形成した前後方向の軸14廻りに防除ブーム22,23を回動可能に支持すると共に、前記ブーム支持枠12と防除ブーム22,23との間には伸縮式のアクチュエータ20を介装し、前記軸14の近傍には防除ブーム22,23の揺動角を検出するブーム揺動角センサ30を設け、更に本機側に本機の左右ローリング角度を検出する傾斜センサ44と角速度を検出する角速度センサ41とを設けて、前記防除ブーム22,23を所定のローリング姿勢に維持するように構成したことを特徴とする防除作業機とした。
【0010】
上記構成による作用は次の通りである。
請求項1の場合においては、本機側と防除側のコントローラ35,77は無線でセンサ情報等がやりとりされ、例えば、防除側で設定された設定信号は無線で本機側のコントローラ35に電送されるので防除作業機側の操作に支障を与えることはなく、また、電源ラインだけがカプラーにより分離若しくは接続される構成になっているので、作業機の交換に伴う電装系の脱着作業が容易になるものである。
【0011】
請求項2においては、防除作業と防除ブームのローリング作業が良好に行なわれることになって、作業の精度が向上する。
請求項3においては、本機側の動きは傾斜センサだけでなく角速度センサ41においても監視されているので、本機の左右傾斜に拘わらず、防除ブームは常に設定姿勢に維持されることになって、作物に対する薬液散布量の均一化が図れる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。まず、構成から説明すると、1は主として畑や水田の中でカルチ作業や防除作業を行う乗用管理機である。この乗用管理機は同径の前輪2と後輪3を備え、機体の前部にエンジン4を搭載している。エンジン4およびマフラー(図示省略)はボンネット5で覆われ、ボンネット5の左右両側部にはマスト7,7が立設され、このマスト7,7には上部リンク8と下部リンク9とからなる昇降リンク機構10が枢着されている。上部リンク8と下部リンク9とは図2に示すように長さが略等しく、従って、昇降リンク機構10は側面から見ると平行四辺形を構成する。昇降リンク10はボンネット5の外側方に設けた左右一対の昇降シリンダ11,11により昇降される。この昇降シリンダ11,11は電動モータによって構成されるが、油圧で構成しても良い。
【0013】
また、前記昇降リンク10の前部には後述する防除ブーム22,23を取付けるための支持枠12が連結される。この支持枠12は正面から見ると矩形状をなし、支持枠12の下部中央には前後方向に沿う回動軸14(図1参照)が設けられている。
【0014】
回動軸14には前後一対のブーム22F,22Rを有するセンターブーム22が回動自在に枢支され、前側のセンターブーム22Fに複数個のノズル26…が取り付けられている。サイドブーム23,23は後側のセンターブーム22Rの左右両端部にピン24,24にて回動自在に枢支され、このサイドブーム23,23の下端面にも適当間隔をあけて複数個の散布ノズル26…が設けられている。従って、サイドブーム23を広げた状態でセンターブーム22とサイドブーム23,23とは一体で回動軸14廻りに揺動することができる。
【0015】
また、支持枠12側と後側センターブーム22R側との間にはアクチュエータとしての油圧シリンダー20が垂直姿勢で設けられている。
油圧シリンダー20のピストンロッド20aが伸縮することによって前記センターブーム22が回動軸14廻りに回動する。
【0016】
支持枠12の左右方向中央には上下方向に沿わせてプレート27が設けられており、このプレート27には前方に向けてピン28が固着されている。
後側センターブーム22Rの中央上面にはステー29を介して回動式ポテンショメータからなるブーム揺動角センサ30が取り付けられており、このセンサ30に設けられた正面視U字状の二股アーム30aの溝内に前記ピン28を嵌入させている。油圧シリンダー20が作動してセンターブーム22が回動するとこれと同調してアーム30aが回動し、ブーム揺動角センサ30の軸を回してセンターブーム22の左右揺動角を検出する。ブーム揺動角センサ30はセンターブーム22の左右揺動角だけでなく、油圧シリンダー20の伸縮量を間接的に検出するものである。
【0017】
また、正面から見て後側センターブーム22Rの中央部やや右寄り箇所には前方へ向けてプレート32が固着され、このプレート32上に水平切替弁33が設置されている。この水平切替弁33を後述するコントローラ35からの指令によって適宜切り替えることによって油圧シリンダー20へ至る油路が切り替えられ、油圧シリンダー20を伸縮させる。図1から明らかなように油圧シリンダー20と水平切替弁33は機体中心に対して正面から見て右側に設けられ、これと反対の左側にマフラーの排気口15が設けられている。このため、排気口15から前方へ向かって排出される排気ガスによって油圧シリンダー20や水平切替弁33が汚されることがない。排気熱による影響もない。
【0018】
図4は水平制御のための油圧回路図である。油圧ポンプ36から送り出された作動油は分流弁37に入り、ここで水平制御に必要な量だけ取り込まれて水平切替弁33に送られる。水平切替弁33は中立位置を挟んで伸長位置と短縮位置とが設けられ、伸長用SOL38又は短縮用SOL39が励磁されることによって油圧シリンダー20が伸縮制御される。
【0019】
40a,40bは水平切替弁33と油圧シリンダー20とを接続する油圧配管、60aは油圧ポンプ36と水平切替弁33とを接続する配管、60bは戻りの配管である。
なお、機体が左右方向に傾斜したときの角速度を検出する角速度センサ41はリヤアクスルハウジング42に固着した台座43の上に設置されている(図2参照)。台座43はリヤアクスルハウジング42の中央寄り左側前部(正面から見て右側)に設けられている。防除ブームのローリング制御にあたっては、この角速度センサ41と、防除ブームを支持する昇降リンク機構10部に設けた傾斜センサ44とにより、制御される。この傾斜センサ44は傾きだけでなく、角速度をも検出する。なお、前記2つのセンサ41,44が補足した検出値をどのようにローリング制御に活かすかについては後述する。
【0020】
符号46,46はサイド防除ブーム23,23を上昇あるいは下降させる上下動シリンダ、符号47,47はサイド防除ブーム23,23を回動させる開閉シリンダである。
サイド防除ブーム23,23を開閉させるときには、図5に示すように座席17横の操作パネル19に設けた左右いずれかの開閉スイッチ48,48を操作すると操作した側の開閉シリンダ47が伸縮してサイド防除ブーム23が内外方向に開閉する。
【0021】
そして左右いずれかの上げ下げスイッチ49,49を操作すると操作した側の上下動シリンダ46,46が伸縮して防除ブーム23を上昇若しくは下降させる。これらの操作スイッチ48、49は左右独立して設けられている。
図5において、符号53はブーム全体22,23を昇降させる昇降スイッチ、54は防除作業を行なう際に散布量等を設定する設定器であって、液晶表示画面76を見ながら圧力や散布流量等を設定する。
【0022】
符号55…は各ブーム22,23に設けたノズル26…から薬液を噴出させるための操作レバーである。この操作レバー55,55,55を各々前後方向に操作することで図示外の開閉弁が開閉され、薬液タンク50内の薬液がノズル26…から噴出される。56は薬液ポンプを駆動させるスイッチである。
【0023】
次に図6に示すブロック図について説明する。
乗用管理機1の制御系は大きく分けて3つのブロックに区分けされ、本機側ブロックAと防除パネル側ブロックBと防除ブーム側ブロックCとに分割構成される。本機側ブロックAは無線付きのコントローラ35と、本機の4WS制御を司る本機コントローラ61を内部に備え、操舵モードを種々に設定するモード設定スイッチ62a,62b,62c,62dを適宜押すことによって、本機コントローラ61の指令により操舵用のバルブ63が切り替えられて前輪2のみが操舵される前輪操舵モードになったり、前後輪2,3が共に操舵される前後輪操舵モードになったり、後輪3のみが操舵される後輪操舵モードになったりするように構成される。
【0024】
自動スイッチ62dを押すと、操舵モードが自動的に切換わるモードになり、例えば、作業機を上昇させたときには前後輪操舵モードで作業機を下降させたときには前輪操舵モードに復帰するモードが選択されたり、あるいは、前進中は前輪操舵モードであるが、後進に切り替えると後輪操舵モードに切換わったりするようになっている。
【0025】
この他、本機側ブロックAには防除ブームの水平制御用として、操作部に水平切替スイッチ70、傾き調整ダイヤル71、手動スイッチ72が設けられている。水平切替スイッチ70を操作することにより、防除ブームを常に水平に制御できる。傾き調整ダイヤル71を操作することによって本機の傾きに拘わらず防除ブームを所定の傾斜姿勢に制御できる。手動スイッチ72を操作すると自動とは別に作業者が所望とする傾斜角度に防除ブームを固定できる。
【0026】
ブーム用リレーボックス74は本機側ブロックA内に設けられ、コントローラ35からの指令を受けてブーム側Bを昇降あるいは開閉制御する。
一方、防除パネル側ブロック部Bには設定部75と無線付きの防除コントローラ77とが設けられ、前記開閉スイッチ48や上げ下げスイッチ49,49や昇降スイッチ53を適宜操作したときに前記コントローラ77から本機側のコントローラ35に向けて信号が送信され、コントローラ35からブーム用リレーボックス74を作動させて上下動シリンダ46や開閉シリンダ47,47や昇降シリンダ11,11を直接作動させるように構成している。
【0027】
従来は、前記スイッチ48,49,53を押すと、それらと各種シリンダとを結ぶハーネスによって信号が伝達される構成であったために、防除コントローラ77付きの防除タンク50を外して他の作業機、例えばカルチ作業機等に付け替えるときにこれらハーネスの処理が大変であった。ハーネス端部には通常カプラー(コネクタ)が設けられるが、これを引き抜き忘れて防除タンクを外すとハーネスが断線する恐れがあり、反対にカルチ作業機を外して再び防除タンクを装着するときにハーネスをタンクと本機との間に挟み込んでハーネスを断線させたりする恐れがあった。
【0028】
しかし、この実施例においては、防除パネル側で操作した信号は2つのコントローラ35,77間を無線で送られ、ブーム用リレーボックス74を介して制御信号が各シリンダ部に送られる。このため、従来生じたハーネスを傷付けるといった不具合が生じることがない。
【0029】
そして、両コントローラ35,77間には電源供給ライン78が介装されているだけであり、このライン78は一対のカプラー80,80を介して接続されているだけである。
従って、本機側ブロックAと防除パネル側ブロックBとを分離する場合には、このカプラー80,80を引き離せばよく、防除タンクを外してカルチを付けたり作業機の脱着作業が容易になる特徴を有する。
【0030】
次に図7の制御ルールについて説明する。
防除ブーム22,23を支持する支持枠12上には機体の左右傾斜角を検出する傾斜センサ44が設けられているので、本機が左右方向に傾くと支持枠12上の傾斜センサ44も同じ方向に傾く。
【0031】
そして、支持枠12と防除ブーム22,23との相対的角度差はブーム揺動角センサ30で検出されるので、傾斜センサ44の傾斜実測値とブーム揺動角センサ30の検出値及び傾き調整ダイヤル71の設定値を求めれば防除ブームの制御量が算出されることになるが、本機の傾きと支持枠12の傾きとは微妙に異なる場合がある。両者の動きは必ずしも一致していない。
【0032】
これは剛性を有する本機が左右に揺動したときに剛性を有しない支持枠12側に撓みが発生し、あるいは横に広げた防除ブームの長さが長大であるために本機の左右方向の動きとは僅かながらずれが生じるためである。
そこで、この実施例では、図7に示すような制御系のルールを定め、角速度センサ41と傾斜センサ44との2つのセンサ値の採用の仕方に一定のルールを決めた。例えば、後側の角速度センサ41が左方向側の偏倚(機体が左に傾く)を検出し、前側のリンク角速度センサ44bも左方向側の偏倚を検出したときには前側のリンク角速度センサ44bによる制御を実行し、具体的には傾斜センサ44の傾斜センサ値によらずに角速度変化のみに起因した所定の制御量で防除ブームを右上げ姿勢となるように制御して防除ブームのローリング姿勢を修正する。
【0033】
そして、後側角速度センサ41が左方向側の偏倚(機体が左に傾く)を検出し、前側のリンク角速度センサ44bの角速度検出値が不感帯に入っている場合には角速度検出値は無視して傾斜センサ値を読み込んで所定の設定角度となるように防除ブーム22,23を制御する。
【0034】
また、後側角速度センサ41が左方向側の偏倚(機体が左に傾く)を検出し、前側のリンク角速度センサ44bが右方向の偏倚を検出した場合、言い換えると、後側の角速度センサ41によれば機体は左に傾いていると判断されるのに、前側のリンク角速度センサ44bでは右方向の傾きを検出している場合には、制御出力は傾斜センサ値によらず、角速度の大きさに起因した大きさの出力を出して防除ブーム22,23を左に傾ける。但し、この場合において、その制御量は微小なものに設定する。
【0035】
このように防除ブームのローリング制御において、前側の傾斜センサ44が検出する角速度値と傾斜角度、及び機体後側に設けた角速度センサ41が検出した角速度値との間において、図7に記載したような制御ルールを定めることによって、ハンチングの少ないローリング制御が可能になった。
【0036】
次に乗用管理機の種々の改良例について説明する。図8は防除用として用いられているパネル部の液晶表示部76をそのまま用いて車速等を表示させるようにしたものである。
即ち、この液晶表示部76を防除用として用いるときには、ここに圧力や流量、散布設定量、累計等を表示させるものであるが、防除タンクを外してカルチ作業を行なう場合にはこの液晶表示部76に車速や変速位置、耕耘きざみ量、PTOの回転数を表示させた方が便利である。このため、この改良装置においては、防除パネル側のコントローラ77を取り外して本機側のコントローラ61に通信ライン91により接続すれば、本機側の例えば車速やPTO回転等の情報がダイレクトに入ってくるようにした。このため、防除パネル用のコントローラ77を外してこれを収めることができる収納空間部を乗用管理機本体に作り、この収納空間部にコントローラ77を収納させる。
【0037】
本機側コントローラ61と防除パネル側のコントローラ77が互いに接続されたことを検出すると本機コントローラに組み込まれていた車速表示プログラムが作動して、本機の移動速度を液晶表示部76に表示させる。車速に代えてPTO回転数でもよいし、変速位置を表示させるようにしてもよい。
【0038】
また、本機側の種々のセンサ情報を防除パネル側の液晶表示部76に表示させるだけでなく、この表示をマイコンチェッカ代わりに利用しても良い。
例えば、本機側コントローラ61と防除パネル側のコントローラとを通信ライン94で結び、両コントローラがこのライン94で接続されるとチェックモードに入るようにし、本機側に接続されている4WS制御用のアクチュエータやソレノイドバルブ、各種センサの作動チェックが行なえるようにしてもよい。
【0039】
この場合において、防除パネル側に備わっている元もとの昇降スイッチ53や開閉スイッチ48等を利用して4WS制御用のアクチュエータやソレノイドを作動させ、その作動結果を液晶表示部76に表示させるようにするか、操作量自体を表示させるようにしても良いものである。
【0040】
一般的に乗用管理機のように生産台数の少ない機械においては、マイコンチェッカの設定がなく、トラブル発生時のチェックができない不便さがある。
この改良例のように、防除パネル側コントローラと本機側のコントローラとの間で通信ができるような回路を予め組み込んでおき、両コントローラが接続されてチェックモードに入るようにしておけば台数の少ない乗用管理機のトラブル発生時や故障時の対応が早くできるものである。
【0041】
最後に図10に基づいて、少量散布と慣行散布をおこなうモータの作動速度制御について説明する。図10の構成を簡単に説明すると、防除タンク50から防除ポンプPにより、フィルタ97を通って送り出された薬液は配管98を通って途中で三方の配管99a,99b,99cに分岐され、夫々左側方、中央、右側方の各ブームに供給される。各配管99a,99b,99cには開閉コックと各ブームの実散布量を測定する流量センサ100a,100b,100cが設けられ、各ブームへ供給する薬液の流量は流量調整アクチュエータ102によって行なう。具体的にはモータによってニードル弁102aの開度を調節して流量を調節する。なお、防除ポンプPから吐き出される薬液の一部は攪拌ノズル103より攪拌水として防除タンク50へ還元され、水溶液底部に沈殿する薬剤を攪拌して混合しているが、安全弁104により配管98内の圧力は一定に保たれている。105は逃し路であって安全弁104からオーバーフローした薬液を防除タンク50に逃がす。106はエアチャンバであって、配管内の内圧脈動を小さくしている。
【0042】
ここで、慣行散布(100リットル/10アール)と少量散布(25リットル/10アール)とではニードル弁の開度が異なるが、このニードル弁の開度を調節するモータの速度はこれまで一定であったため、特に慣行散布から少量散布に切替えたときに圧力の変動が大きく散布圧力が一定しないという不具合があった。これは少量散布時のニードルの使用範囲が極端に狭いためであって、この僅かな作動範囲をモータ速度が一定の流量調整アクチュエータ102で制御させようとすると圧力が大きく変わっていたのである。そこで、少量散布時にはモータ速度を遅くし、慣行散布時にはモータ速度を速くするようにしてどのような散布作業でも安定した状態で作業ができるようにした。なお、この場合において、単にモータ速度を遅くするだけでなく制御目標値近傍に至れば間欠的に作動させるようにすれば制御がより安定する。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、前記の如く構成したので、以下の効果を奏する。
即ち、請求項1記載の発明では、機体の前部に防除ブーム22,23を左右ローリング自在に支持して設け、この防除ブーム22,23を制御するコントローラ75と、本機側のコントローラ35とを無線によりデータの授受を可能に構成すると共に、本機側から防除ブーム側コントローラ75に電源を供給する電源供給ライン78を設け、この電源供給ライン78をカプラー80,80により分離接続可能に構成したことを特徴とする防除作業機であるから、防除タンクを取り外して他の作業機に付け替えるときのハーネス類の脱着操作が省略されることになり、カプラーの脱着は電源部だけでよいから従来のように作業機の交換時にハーネス類を損傷するといった不具合は生じることがなく操作性が大幅に向上する。
【0044】
請求項2の発明は、防除ブーム側のコントローラ75により防除作業機の散布量を制御させ、本機側のコントローラ35により防除ブーム22,23のローリング制御を行なわせるように構成したので、作業機の水平制御機構を廉価に、且つ精度良く構成できるものである。
【0045】
請求項3の発明は、前方へ向けて延設した昇降リンク機構10の基部を本機に枢支し、昇降リンク機構10の前部にブーム支持枠12を設け、このブーム支持枠12に形成した前後方向の軸14廻りに防除ブーム22,23を回動可能に支持すると共に、前記ブーム支持枠12と防除ブーム22,23との間には伸縮式のアクチュエータ20を介装し、前記軸14の近傍には防除ブーム22,23の揺動角を検出するブーム揺動角センサ30を設け、更に本機側に本機の左右ローリング角度を検出する傾斜センサ44と角速度を検出する角速度センサ41とを設けて、前記防除ブーム22,23を所定のローリング姿勢に維持するように構成したので、防除ブームを常に所定の姿勢に維持できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用管理機全体の正面図である。
【図2】乗用管理機の側面図である。
【図3】要部の平面図である。
【図4】油圧回路図である。
【図5】操作部の平面図である。
【図6】制御ブロック図である。
【図7】制御系のルールである。
【図8】制御ブロック図である。
【図9】制御ブロック図である。
【図10】薬液の流れを示す作用説明図である。
【符号の説明】
1 乗用管理機
2 前輪
3 後輪
4 エンジン
5 ボンネット
10 昇降リンク
12 支持枠
14 回動軸
15 マフラー
18 フロア
19 操作パネル
20 油圧シリンダー
22 センター防除ブーム
23 サイド防除ブーム
30 ブーム揺動角センサ
33 水平切替弁
35 コントローラ
41 角速度センサ
Claims (3)
- 機体の前部に防除ブーム22,23を左右ローリング自在に支持して設け、この防除ブーム22,23を制御するコントローラ75と、本機側のコントローラ35とを無線によりデータの授受を可能に構成すると共に、本機側から防除ブーム側コントローラ75に電源を供給する電源供給ライン78を設け、この電源供給ライン78をカプラー80,80により分離接続可能に構成したことを特徴とする防除作業機。
- 防除ブーム側のコントローラ75により防除作業機の散布量を制御させ、本機側のコントローラ35により防除ブーム22,23のローリング制御を行なわせるように構成したことを特徴とする請求項1記載の防除作業機。
- 前方へ向けて延設した昇降リンク機構10の基部を本機に枢支し、昇降リンク機構10の前部にブーム支持枠12を設け、このブーム支持枠12に形成した前後方向の軸14廻りに防除ブーム22,23を回動可能に支持すると共に、前記ブーム支持枠12と防除ブーム22,23との間には伸縮式のアクチュエータ20を介装し、前記軸14の近傍には防除ブーム22,23の揺動角を検出するブーム揺動角センサ30を設け、更に本機側に本機の左右ローリング角度を検出する傾斜センサ44と角速度を検出する角速度センサ41とを設けて、前記防除ブーム22,23を所定のローリング姿勢に維持するように構成したことを特徴とする防除作業機。
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JP (1) | JP2004350567A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013078269A (ja) * | 2011-10-03 | 2013-05-02 | Minoru Industrial Co Ltd | 薬剤散布装置 |
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JP2017175971A (ja) * | 2016-03-29 | 2017-10-05 | ヤンマー株式会社 | 粒状物繰出装置及びその装置を載設した農作業機 |
EP3183963B1 (de) | 2013-09-18 | 2018-05-16 | HORSCH LEEB Application Systems GmbH | Vorrichtung zum ausbringen von flüssigen und/oder festen wirkstoffen und verfahren zur steuerung einer solchen vorrichtung |
EP3035795B1 (de) | 2013-10-14 | 2020-11-18 | HORSCH LEEB Application Systems GmbH | Feldspritze zum ausbringen von flüssigen und/oder festen wirkstoffen und regelung zur steuerung derselben |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003151036A patent/JP2004350567A/ja active Pending
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