JP2004349598A - 高周波重畳回路および集積回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定した高周波信号を得るとともに、集積化に適する高周波重畳回路を提供する。
【解決手段】所定周波数で発振する発振回路と、前記発振回路から出力される発振信号を増幅する増幅回路と、を備え、前記増幅回路から出力される増幅信号を所定値の直流電流に重畳させてレーザー素子に供給する高周波重畳回路であって、前記発振回路は、反転位相を有する1対の発振信号を出力する出力回路を有し、前記増幅回路は、前記1対の発振信号が供給される差動増幅回路と、前記差動増幅回路の出力が供給されるプッシュプル回路と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】所定周波数で発振する発振回路と、前記発振回路から出力される発振信号を増幅する増幅回路と、を備え、前記増幅回路から出力される増幅信号を所定値の直流電流に重畳させてレーザー素子に供給する高周波重畳回路であって、前記発振回路は、反転位相を有する1対の発振信号を出力する出力回路を有し、前記増幅回路は、前記1対の発振信号が供給される差動増幅回路と、前記差動増幅回路の出力が供給されるプッシュプル回路と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波重畳回路および集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク(DVD、DVD−R/RW、DVD−ROM等)に記録されている情報を再生する場合、光ピックアップを構成するレーザーダイオードが光ディスクにレーザー光を照射し、その後、光ピックアップを構成する受光ダイオードが光ディスクから反射光を受光し、当該反射光の変調成分を電気信号に変換することによって再生信号を出力する。
【0003】
尚、上記のレーザーダイオードとしては、単一の波長のレーザー光を発光するシングルモード用、複数の波長のレーザー光を発光するマルチモード用がある。シングルモード用のレーザーダイオードの場合、汎用性を有する反面、光ディスクの戻り光で誘起されるレーザーノイズが再生信号に重畳することによって、光ディスク駆動装置におけるジッターを悪化させる。一方、マルチモード用のレーザーダイオードの場合、レーザーノイズを防止する反面、高価で汎用性に欠ける。そこで、シングルモード用のレーザーダイオードが立上り動作および立下り動作の過渡期において複数の波長のレーザー光を発光する特性を利用し、即ち、シングルモード用のレーザーダイオードを高周波信号でオンオフし、汎用性を有するシングルモード用のレーザーダイオードをマルチモード用のレーザーダイオードとして擬似的に使用可能とする高周波重畳技術(例えば、特許文献1参照)がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−67704号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の高周波重畳回路は、高周波信号の振幅を調整するための共振回路を発振回路とともに備えることとなるため、外付部品が増加して集積化には適さない問題があった。更に、共振回路の特性がばらつくため、安定した高周波信号を得ることができない問題があった。そこで、本発明は、安定した高周波信号を得ることができ、集積化に適する高周波重畳回路を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための発明は、所定周波数で発振する発振回路と、前記発振回路から出力される発振信号を増幅する増幅回路と、を備え、前記増幅回路から出力される増幅信号を所定値の直流電流に重畳させてレーザー素子に供給する高周波重畳回路であって、前記発振回路は、反転位相を有する1対の発振信号を出力する出力回路を有し、前記増幅回路は、前記1対の発振信号が供給される差動増幅回路と、前記差動増幅回路の出力が供給されるプッシュプル回路と、を有することを特徴とする。この高周波重畳回路によれば、差動増幅回路とプッシュプル回路は1対の素子で構成され且つバランスよく動作するため、集積化に適する効果を奏する。
【0007】
また、かかる高周波重畳回路において、前記差動増幅回路は、前記1対の発振信号の振幅を調整するための定電流源と出力抵抗と、を有することを特徴とする。この高周波重畳回路によれば、差動増幅回路を構成する定電流源と出力抵抗の値に応じて1対の発振信号の振幅を調整できるため、安定した高周波信号を得ることができ、更に集積化に適する効果を奏する。
【0008】
また、かかる高周波重畳回路において、前記差動増幅回路および前記プッシュプル回路は、NPN型バイポーラトランジスタで構成されることを特徴とする。この高周波重畳回路によれば、低電圧で駆動できるため、携帯用の電子機器に適する。更に、高い遮断周波数(例えば4GHz〜6GHz)を得ることができるため、高い周波数(例えば300MHz〜500MHz)を有する発振信号の振幅を十分増幅できる効果を奏する。
【0009】
また、かかる高周波重畳回路において、前記プッシュプル回路の出力が供給されるエミッタフォロワ出力回路をさらに有することを特徴とする。この高周波増幅回路によれば、電力消費量を低減できる効果を奏する。一方、かかる高周波重畳回路において、前記プッシュプル回路の出力が供給される単一のNPN型バイポーラトランジスタからなるコレクタ出力回路をさらに有することとしてもよい。この高周波重畳回路によれば、低電圧で駆動される場合であっても、広いダイナミックレンジを有する増幅回路を提供できる効果を奏する。
【0010】
また、かかる高周波重畳回路において、高周波重畳回路の電源電圧が所定電圧まで上昇したとき、前記プッシュプル回路の入力電流の上昇を防止する消費電流低減回路を、備えたことを特徴とする。この高周波重畳回路によれば、電力消費量を低減できるため、携帯用の電子機器に適する効果を奏する。
更に、上記の高周波重畳回路を集積化した集積回路も実現可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
===高周波重畳回路の全体構成===
図1および図2を参照しつつ、本発明の高周波重畳回路の全体構成について説明する。図1は、本発明の高周波重畳回路の全体構成を説明するための回路ブロック図である。図2は、レーザーダイオード(レーザー素子)の特性を説明するための特性図である。尚、本実施形態では、他励発振型のシングルモード用のレーザーダイオードを使用することとする。
【0013】
シングルモード用のレーザーダイオード2は、立上り動作および立下り動作の過渡期の特性を利用して、高周波数(例えば300MHz〜500MHz)でオンオフすることによって、複数の波長を有するレーザー光を発光するマルチモード用のレーザーダイオードとして使用される。発振回路4は、レーザーダイオード2を上記の高周波数でオンオフするための発振周波数(例えば300MHz〜500MHz)を有し、且つ、反転位相を有する1対の発振信号を出力するものである。
なお、発振回路4の構成として、定電流源の電流値とコンデンサの容量値で発振周波数を決定するエミッタ接合型バイブレータを使用することができる。この場合、エミッタ接合型バイブレータは、1対の素子でバランスよく動作するため、集積化に適することとなる。
【0014】
増幅回路6は、発振回路4から出力される1対の発振信号の振幅を増幅するものである。増幅回路6は、1対の振幅信号が供給される差動増幅回路と、差動増幅回路の出力が供給されるプッシュプル回路と、を有する。消費電流低減回路8は、高周波重畳回路の電源電圧VCCが所定電圧まで上昇したとき、増幅回路6を構成するプッシュプル回路の入力電流の上昇を防止して、増幅回路6の消費電流を一定とするものである。出力回路10は、増幅回路6から出力される高周波数の増幅信号を、電力効率、ダイナミックレンジ等を考慮した状態で出力するものである。カップリングコンデンサ12は、出力回路10から出力される増幅信号の交流成分のみを通過させるものである。従って、増幅信号の交流成分は、定電流源14の直流電流と重畳されてレーザーダイオード2のアノードに供給される。これにより、レーザーダイオード2が高周波数で継続してオンオフし、複数の波長を有するレーザー光が光ディスクに照射されることとなる。尚、定電流源14から供給される直流電流は、レーザーダイオード2が発振を開始する一点鎖線の動作電流(発振開始電流)に設定される。また、カップリングコンデンサ12を通過する交流成分は、この発振開始電流に重畳する。従って、レーザーダイオード2は、発振開始電流をバイアスとして動作し、交流値が発振開始電流より大のときにオンし、交流値が発振開始電流より小のときにオフする。これにより、レーザーダイオード2は、交流値に応じて断続的に発光することとなる。
【0015】
===高周波重畳回路の回路例===
1.エミッタフォロワ出力型
≪回路構成≫
図3を参照しつつ、本発明の高周波重畳回路の回路例について説明する。図3は、本発明の高周波重畳回路の一回路例を説明するための回路図である。
発振回路4は、電源電圧VCCと接地GNDとの間に接続され、出力回路102から、レーザーダイオード2を上記の高周波数でオンオフするための発振周波数(例えば300MHz〜500MHz)を有し、且つ、反転位相を有する1対の発振信号を出力する。
【0016】
増幅回路6は、発振回路4から出力される1対の発振信号が供給される差動増幅回路104と、差動増幅回路104の出力電流が供給されるプッシュプル回路106と、を有する。詳述すると、差動増幅回路104は、差動接続されるトランジスタ108、110と、出力抵抗112、114と、定電流源116と、を有する。トランジスタ108、110は、反転位相を有する1対の発振信号がベースに供給されて相補的に動作するものである。出力抵抗112、114は、電源電圧VCCとトランジスタ108、110のコレクタとの間に接続され、トランジスタ108、110のコレクタ電圧を電源電圧VCC側へシフトするものである。従って、図3の高周波重畳回路に対して、低電圧の電源電圧VCCを使用することが可能となる。定電流源116は、トランジスタ108、110の共通するエミッタと接地GNDとの間に接続され、トランジスタ108、110の出力電流を供給するものである。従って、出力抵抗112、114の抵抗値および定電流源116の電流値に応じて、1対の発振信号の振幅レベルを調整することが可能となる。換言すると、発振信号の振幅を調整するための共振回路が不要となって、図3の高周波重畳回路は集積化に適する。
【0017】
また、プッシュプル回路106は、エミッタフォロワのトランジスタ118、120と、抵抗122、124と、電流ミラー接続されるトランジスタ126、128と、を有する。トランジスタ118、120は、出力抵抗112、114を流れる電流がベースに供給されて相補的に動作するものである。トランジスタ126、128は、トランジスタ118のエミッタ電流が抵抗122を介して供給されたときに電流ミラー動作するものである。また、増幅回路6のトランジスタ108、110、118、120、126、128は全てNPN型バイポーラトランジスタで構成される。従って、高い遮断周波数(例えば4GHz〜6GHz)を得ることができるため、高い周波数(例えば300MHz〜500MHz)を有する1対の発振信号の振幅を十分増幅することが可能となる。また、集積化されるNPN型バイポーラトランジスタのサイズはPNP型バイポーラトランジスタのサイズに比べて小さいため、このことからも、図3の高周波重畳回路は集積化に適する。更に、増幅回路6のトランジスタ108、110、118、120、126、128は、一対のトランジスタ素子で構成される。即ち、1対のトランジスタ素子は、108、110の組合せ、118、120の組合せ、126、128の組合せ、118、126の組合せ、120、128の組合せ等である。従って、1対のトランジスタ素子がバランスよく動作するため、このことからも、図3の高周波重畳回路は集積化に適することとなる。
【0018】
尚、増幅回路6を構成するプッシュプル回路106のバイアス電流は、電源電圧VCCの上昇に伴って増大する。詳述すると、出力抵抗112、トランジスタ118のベースエミッタ路、抵抗122、トランジスタ126のベースエミッタ路が電源電圧VCCと接地GNDの間に直列接続されているため、エミッタフォロワのトランジスタ118、120のエミッタ電流は、電源電圧VCCの上昇に伴って、上記の直列接続回路のインピーダンスに応じて増大することとなる。そこで、消費電流低減回路8は、電源電圧VCCの上昇の度合いを監視して、電源電圧VCCの分圧電圧VDEVが基準電圧VREF以上となったとき、増幅回路6の消費電流の上昇を防止して一定とするものである。
【0019】
消費電流低減回路8は、分圧電圧VDEVおよび基準電圧VREFが印加される差動増幅回路130と、差動増幅回路130の出力電流が供給される電流ミラー回路132、134と、電流ミラー回路134の出力電流が供給される電流源回路136と、を有する。詳述すると、差動増幅回路130は、差動接続されるトランジスタ138、140と、電流ミラー接続されるトランジスタ142、144、146と、抵抗148、150、152、154と、を有する。トランジスタ138、140は、基準電圧VREFと、抵抗148、150で分圧される分圧電圧VDEVとが印加されて差動動作する。即ち、トランジスタ138は、分圧電圧VDEVが基準電圧VREF未満のときにオンし、トランジスタ140は、分圧電圧VDEVが基準電圧VREF以上となったときにオンする。
【0020】
尚、分圧電圧VDEVは、抵抗148、150の抵抗値に応じて適宜設定することが可能である。抵抗152は、差動接続されるトランジスタ138、140のエミッタの間に接続され、電源電圧VCCが変動したときのトランジスタ138、140の出力電流の変動の度合いを設定するためのものである。トランジスタ138、140の出力電流の変動の度合いは、抵抗152の抵抗値が大きくなる程小さくなる。ダイオード接続されるトランジスタ142は、コレクタエミッタ路が抵抗154を介した電源電圧VCCと接地GNDとの間に接続される。電流ミラー接続されるトランジスタ144、146は、コレクタエミッタ路が差動接続されるトランジスタ138、140のエミッタと接地GNDとの間に接続され、トランジスタ138、140の出力電流を供給するものである。
【0021】
また、電流ミラー回路132は、差動接続される一方のトランジスタ138の出力電流が供給されて動作する。また、電流ミラー回路134は、差動接続される他方のトランジスタ140の出力電流が供給されて動作する。また、電流源回路136は、電流ミラー接続されるトランジスタ156、158、160を有する。ダイオード接続されるトランジスタは、コレクタエミッタ路が電流ミラー回路134の出力と接地GNDとの間に接続される。電流ミラー接続されるトランジスタ158は、コレクタエミッタ路が差動接続される一方のトランジスタ108のコレクタと接地GNDとの間に接続され、出力抵抗112からトランジスタ118のベースへ供給される電流を制限するものである。同様に、電流ミラー接続されるトランジスタ160は、コレクタエミッタ路が差動接続される他方のトランジスタ110のコレクタと接地GNDとの間に接続され、出力抵抗114からトランジスタ120のベースへ供給される電流を制限するものである。尚、本実施形態において、消費電流低減回路8のトランジスタ138、140、142、144、146、156、158、160はNPN型バイポーラトランジスタで構成され、電流ミラー回路132、134のトランジスタはPNP型バイポーラトランジスタで構成される。
【0022】
出力回路10(エミッタフォロワ出力回路)は、増幅回路6から出力される高周波数の増幅信号が供給されるトランジスタ162と、トランジスタ162の出力電流に応じて相補的に動作する電流ミラー回路164、166と、抵抗168と、を有する。詳述すると、電流ミラー回路164は、ダイオード接続されるトランジスタ170と、エミッタフォロワのトランジスタ172と、を有する。同様に、電流ミラー回路166は、ダイオード接続されるトランジスタ174と、エミッタフォロワのトランジスタ176と、を有する。抵抗168、ダイオード接続されるトランジスタ170、174、トランジスタ162のコレクタエミッタ路は、電源電圧VCCと接地GNDとの間に直列接続される。エミッタフォロワのトランジスタ172、176のエミッタは、カップリングコンデンサ12の一端側と接続される。従って、出力回路10は、電流ミラー回路164のトランジスタ170、172がNPN型バイポーラトランジスタで構成され、且つ、電流ミラー回路166のトランジスタ174、176がPNP型バイポーラトランジスタで構成されるため、高い電力効率でプッシュプル動作することが可能となる。
【0023】
≪回路動作≫
発振回路4から出力される1対の発振信号の振幅レベルに応じて、差動接続される一方のトランジスタ108が動作する場合、トランジスタ120、162が動作して、カップリングコンデンサ12の一端側からトランジスタ176のエミッタへ出力電流を供給する状態となる。一方、発振回路4から出力される1対の発振信号の振幅レベルに応じて、差動接続される他方のトランジスタ110が動作する場合、トランジスタ118、電流ミラー接続されるトランジスタ126、128が動作して、トランジスタ172のエミッタからカップリングコンデンサ12の一端側へ出力電流を供給する状態となる。電流ミラー回路164、166が1対の発振信号の発振周波数に同期して相補的に動作することによって、増幅回路6から出力される増幅信号の交流成分のみがカップリングコンデンサ12を通過して、定電流源14の直流電流と重畳されてレーザーダイオード2のアノードに供給される。これにより、レーザーダイオード2が高周波数で継続してオンオフし、複数の波長を有するレーザー光が光ディスクに照射されることとなる。
【0024】
≪消費電流低減動作≫
図3および図4を参照しつつ、本発明の高周波重畳回路の消費電流低減動作について説明する。図4は、本発明の高周波重畳回路における消費電流低減回路の特性を説明するための特性図である。
【0025】
分圧電圧VDEVが基準電圧VREF未満の場合、差動接続される一方のトランジスタ138がオンするため、電流ミラー回路132が動作し、電流ミラー回路134が動作を停止し、電流源回路136が動作を停止する。これにより、プッシュプル回路106を構成するトランジスタ118、120のベース電流は電源電圧VCCの上昇とともに増大し、増幅回路6の消費電流は電源電圧VCCの上昇とともに増大することとなる。一方、分圧電圧VDEVが基準電圧VREF以上となった場合、差動接続される他方のトランジスタ140がオンするため、電流ミラー回路132が動作を停止し、電流ミラー回路134が動作し、電流源回路136が動作する。従って、電流源回路136が出力抵抗112、114を流れる電流から電流ミラー回路134の出力電流に相当する電流を分流させる。これにより、プッシュプル回路106を構成するトランジスタ118、120のベース電流は電源電圧VCCの上昇に関わらず一定となり、増幅回路6の消費電流は電源電圧VCCの上昇に関わらず一定となる。つまり、増幅回路6の電力消費量を効果的に低減することが可能となる。
【0026】
2.単一トランジスタのコレクタ出力型
≪回路構成≫
図5を参照しつつ、本発明の高周波重畳回路の他回路例について説明する。図5は、本発明の高周波重畳回路の他回路例を説明するための回路図である。尚、図3と同一素子に関しては同一符号を記すとともに説明を省略する。
【0027】
出力回路10(コレクタ出力回路)は、増幅回路6から出力される高周波数の増幅信号が供給されるトランジスタ178と、出力抵抗180と、を有する。詳述すると、抵抗180およびトランジスタ178のコレクタエミッタ路は、電源電圧VCCと接地GNDとの間に接続される。トランジスタ178のコレクタは、カップリングコンデンサ12の一端側と接続される。尚、トランジスタ178は、NPN型バイポーラトランジスタで構成される。従って、単一のトランジスタ178のコレクタから増幅信号を出力するため、低電圧で駆動される場合であっても、広いダイナミックレンジを得ることが可能となる。
【0028】
≪回路動作≫
発振回路4から出力される1対の発振信号の振幅レベルに応じて、差動接続される一方のトランジスタ108が動作する場合、トランジスタ120、178が動作して、カップリングコンデンサ12の一端側からトランジスタ178のコレクタへ出力電流を供給する状態となる。一方、発振回路4から出力される1対の発振信号の振幅レベルに応じて、差動接続される他方のトランジスタ110が動作する場合、トランジスタ118、電流ミラー接続されるトランジスタ126、128が動作して、出力抵抗180からカップリングコンデンサ12の一端側へ電流を供給する状態となる。トランジスタ178が1対の発振信号の発振周波数に同期して動作することによって、増幅回路6から出力される増幅信号の交流成分のみがカップリングコンデンサ12を通過して、定電流源14の直流電流と重畳されてレーザーダイオード2のアノードに供給される。これにより、レーザーダイオード2が高周波数で継続してオンオフし、複数の波長を有するレーザー光が光ディスクに照射されることとなる。
尚、消費電流低減回路8の動作は、図3と同様である。
【0029】
===その他の実施形態===
以上、本発明に係る高周波重畳回路および集積回路について説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易とするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0030】
≪増幅回路≫
本実施形態では、増幅回路6がNPN型バイポーラトランジスタで構成される場合を説明しているが、増幅回路6はMOSFETで構成することも可能である。
【0031】
≪出力回路≫
本実施形態では、出力回路10がバイポーラトランジスタで構成される場合を説明しているが、出力回路10はMOSFETで構成することも可能である。この場合、図3のエミッタフォロワはソースフォロワへ変更され、図5のコレクタ出力はドレイン出力へ変更される。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、安定した高周波信号を得るとともに、集積化に適する高周波重畳回路を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波重畳回路の全体構成を説明するための回路ブロック図である。
【図2】レーザーダイオード(レーザー素子)の特性を説明するための特性図である。
【図3】本発明の高周波重畳回路の一回路例を説明するための回路図である。
【図4】本発明の高周波重畳回路における消費電流低減回路の特性を説明するための特性図である。
【図5】本発明の高周波重畳回路の他回路例を説明するための回路図である。
【符号の説明】
4 発振回路
6 増幅回路
8 消費電流低減回路
10 出力回路(エミッタフォロワ出力回路、コレクタ出力回路)
12 カップリングコンデンサ
14 定電流源
102 出力回路
104 差動増幅回路
106 プッシュプル回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波重畳回路および集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク(DVD、DVD−R/RW、DVD−ROM等)に記録されている情報を再生する場合、光ピックアップを構成するレーザーダイオードが光ディスクにレーザー光を照射し、その後、光ピックアップを構成する受光ダイオードが光ディスクから反射光を受光し、当該反射光の変調成分を電気信号に変換することによって再生信号を出力する。
【0003】
尚、上記のレーザーダイオードとしては、単一の波長のレーザー光を発光するシングルモード用、複数の波長のレーザー光を発光するマルチモード用がある。シングルモード用のレーザーダイオードの場合、汎用性を有する反面、光ディスクの戻り光で誘起されるレーザーノイズが再生信号に重畳することによって、光ディスク駆動装置におけるジッターを悪化させる。一方、マルチモード用のレーザーダイオードの場合、レーザーノイズを防止する反面、高価で汎用性に欠ける。そこで、シングルモード用のレーザーダイオードが立上り動作および立下り動作の過渡期において複数の波長のレーザー光を発光する特性を利用し、即ち、シングルモード用のレーザーダイオードを高周波信号でオンオフし、汎用性を有するシングルモード用のレーザーダイオードをマルチモード用のレーザーダイオードとして擬似的に使用可能とする高周波重畳技術(例えば、特許文献1参照)がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−67704号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の高周波重畳回路は、高周波信号の振幅を調整するための共振回路を発振回路とともに備えることとなるため、外付部品が増加して集積化には適さない問題があった。更に、共振回路の特性がばらつくため、安定した高周波信号を得ることができない問題があった。そこで、本発明は、安定した高周波信号を得ることができ、集積化に適する高周波重畳回路を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための発明は、所定周波数で発振する発振回路と、前記発振回路から出力される発振信号を増幅する増幅回路と、を備え、前記増幅回路から出力される増幅信号を所定値の直流電流に重畳させてレーザー素子に供給する高周波重畳回路であって、前記発振回路は、反転位相を有する1対の発振信号を出力する出力回路を有し、前記増幅回路は、前記1対の発振信号が供給される差動増幅回路と、前記差動増幅回路の出力が供給されるプッシュプル回路と、を有することを特徴とする。この高周波重畳回路によれば、差動増幅回路とプッシュプル回路は1対の素子で構成され且つバランスよく動作するため、集積化に適する効果を奏する。
【0007】
また、かかる高周波重畳回路において、前記差動増幅回路は、前記1対の発振信号の振幅を調整するための定電流源と出力抵抗と、を有することを特徴とする。この高周波重畳回路によれば、差動増幅回路を構成する定電流源と出力抵抗の値に応じて1対の発振信号の振幅を調整できるため、安定した高周波信号を得ることができ、更に集積化に適する効果を奏する。
【0008】
また、かかる高周波重畳回路において、前記差動増幅回路および前記プッシュプル回路は、NPN型バイポーラトランジスタで構成されることを特徴とする。この高周波重畳回路によれば、低電圧で駆動できるため、携帯用の電子機器に適する。更に、高い遮断周波数(例えば4GHz〜6GHz)を得ることができるため、高い周波数(例えば300MHz〜500MHz)を有する発振信号の振幅を十分増幅できる効果を奏する。
【0009】
また、かかる高周波重畳回路において、前記プッシュプル回路の出力が供給されるエミッタフォロワ出力回路をさらに有することを特徴とする。この高周波増幅回路によれば、電力消費量を低減できる効果を奏する。一方、かかる高周波重畳回路において、前記プッシュプル回路の出力が供給される単一のNPN型バイポーラトランジスタからなるコレクタ出力回路をさらに有することとしてもよい。この高周波重畳回路によれば、低電圧で駆動される場合であっても、広いダイナミックレンジを有する増幅回路を提供できる効果を奏する。
【0010】
また、かかる高周波重畳回路において、高周波重畳回路の電源電圧が所定電圧まで上昇したとき、前記プッシュプル回路の入力電流の上昇を防止する消費電流低減回路を、備えたことを特徴とする。この高周波重畳回路によれば、電力消費量を低減できるため、携帯用の電子機器に適する効果を奏する。
更に、上記の高周波重畳回路を集積化した集積回路も実現可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
===高周波重畳回路の全体構成===
図1および図2を参照しつつ、本発明の高周波重畳回路の全体構成について説明する。図1は、本発明の高周波重畳回路の全体構成を説明するための回路ブロック図である。図2は、レーザーダイオード(レーザー素子)の特性を説明するための特性図である。尚、本実施形態では、他励発振型のシングルモード用のレーザーダイオードを使用することとする。
【0013】
シングルモード用のレーザーダイオード2は、立上り動作および立下り動作の過渡期の特性を利用して、高周波数(例えば300MHz〜500MHz)でオンオフすることによって、複数の波長を有するレーザー光を発光するマルチモード用のレーザーダイオードとして使用される。発振回路4は、レーザーダイオード2を上記の高周波数でオンオフするための発振周波数(例えば300MHz〜500MHz)を有し、且つ、反転位相を有する1対の発振信号を出力するものである。
なお、発振回路4の構成として、定電流源の電流値とコンデンサの容量値で発振周波数を決定するエミッタ接合型バイブレータを使用することができる。この場合、エミッタ接合型バイブレータは、1対の素子でバランスよく動作するため、集積化に適することとなる。
【0014】
増幅回路6は、発振回路4から出力される1対の発振信号の振幅を増幅するものである。増幅回路6は、1対の振幅信号が供給される差動増幅回路と、差動増幅回路の出力が供給されるプッシュプル回路と、を有する。消費電流低減回路8は、高周波重畳回路の電源電圧VCCが所定電圧まで上昇したとき、増幅回路6を構成するプッシュプル回路の入力電流の上昇を防止して、増幅回路6の消費電流を一定とするものである。出力回路10は、増幅回路6から出力される高周波数の増幅信号を、電力効率、ダイナミックレンジ等を考慮した状態で出力するものである。カップリングコンデンサ12は、出力回路10から出力される増幅信号の交流成分のみを通過させるものである。従って、増幅信号の交流成分は、定電流源14の直流電流と重畳されてレーザーダイオード2のアノードに供給される。これにより、レーザーダイオード2が高周波数で継続してオンオフし、複数の波長を有するレーザー光が光ディスクに照射されることとなる。尚、定電流源14から供給される直流電流は、レーザーダイオード2が発振を開始する一点鎖線の動作電流(発振開始電流)に設定される。また、カップリングコンデンサ12を通過する交流成分は、この発振開始電流に重畳する。従って、レーザーダイオード2は、発振開始電流をバイアスとして動作し、交流値が発振開始電流より大のときにオンし、交流値が発振開始電流より小のときにオフする。これにより、レーザーダイオード2は、交流値に応じて断続的に発光することとなる。
【0015】
===高周波重畳回路の回路例===
1.エミッタフォロワ出力型
≪回路構成≫
図3を参照しつつ、本発明の高周波重畳回路の回路例について説明する。図3は、本発明の高周波重畳回路の一回路例を説明するための回路図である。
発振回路4は、電源電圧VCCと接地GNDとの間に接続され、出力回路102から、レーザーダイオード2を上記の高周波数でオンオフするための発振周波数(例えば300MHz〜500MHz)を有し、且つ、反転位相を有する1対の発振信号を出力する。
【0016】
増幅回路6は、発振回路4から出力される1対の発振信号が供給される差動増幅回路104と、差動増幅回路104の出力電流が供給されるプッシュプル回路106と、を有する。詳述すると、差動増幅回路104は、差動接続されるトランジスタ108、110と、出力抵抗112、114と、定電流源116と、を有する。トランジスタ108、110は、反転位相を有する1対の発振信号がベースに供給されて相補的に動作するものである。出力抵抗112、114は、電源電圧VCCとトランジスタ108、110のコレクタとの間に接続され、トランジスタ108、110のコレクタ電圧を電源電圧VCC側へシフトするものである。従って、図3の高周波重畳回路に対して、低電圧の電源電圧VCCを使用することが可能となる。定電流源116は、トランジスタ108、110の共通するエミッタと接地GNDとの間に接続され、トランジスタ108、110の出力電流を供給するものである。従って、出力抵抗112、114の抵抗値および定電流源116の電流値に応じて、1対の発振信号の振幅レベルを調整することが可能となる。換言すると、発振信号の振幅を調整するための共振回路が不要となって、図3の高周波重畳回路は集積化に適する。
【0017】
また、プッシュプル回路106は、エミッタフォロワのトランジスタ118、120と、抵抗122、124と、電流ミラー接続されるトランジスタ126、128と、を有する。トランジスタ118、120は、出力抵抗112、114を流れる電流がベースに供給されて相補的に動作するものである。トランジスタ126、128は、トランジスタ118のエミッタ電流が抵抗122を介して供給されたときに電流ミラー動作するものである。また、増幅回路6のトランジスタ108、110、118、120、126、128は全てNPN型バイポーラトランジスタで構成される。従って、高い遮断周波数(例えば4GHz〜6GHz)を得ることができるため、高い周波数(例えば300MHz〜500MHz)を有する1対の発振信号の振幅を十分増幅することが可能となる。また、集積化されるNPN型バイポーラトランジスタのサイズはPNP型バイポーラトランジスタのサイズに比べて小さいため、このことからも、図3の高周波重畳回路は集積化に適する。更に、増幅回路6のトランジスタ108、110、118、120、126、128は、一対のトランジスタ素子で構成される。即ち、1対のトランジスタ素子は、108、110の組合せ、118、120の組合せ、126、128の組合せ、118、126の組合せ、120、128の組合せ等である。従って、1対のトランジスタ素子がバランスよく動作するため、このことからも、図3の高周波重畳回路は集積化に適することとなる。
【0018】
尚、増幅回路6を構成するプッシュプル回路106のバイアス電流は、電源電圧VCCの上昇に伴って増大する。詳述すると、出力抵抗112、トランジスタ118のベースエミッタ路、抵抗122、トランジスタ126のベースエミッタ路が電源電圧VCCと接地GNDの間に直列接続されているため、エミッタフォロワのトランジスタ118、120のエミッタ電流は、電源電圧VCCの上昇に伴って、上記の直列接続回路のインピーダンスに応じて増大することとなる。そこで、消費電流低減回路8は、電源電圧VCCの上昇の度合いを監視して、電源電圧VCCの分圧電圧VDEVが基準電圧VREF以上となったとき、増幅回路6の消費電流の上昇を防止して一定とするものである。
【0019】
消費電流低減回路8は、分圧電圧VDEVおよび基準電圧VREFが印加される差動増幅回路130と、差動増幅回路130の出力電流が供給される電流ミラー回路132、134と、電流ミラー回路134の出力電流が供給される電流源回路136と、を有する。詳述すると、差動増幅回路130は、差動接続されるトランジスタ138、140と、電流ミラー接続されるトランジスタ142、144、146と、抵抗148、150、152、154と、を有する。トランジスタ138、140は、基準電圧VREFと、抵抗148、150で分圧される分圧電圧VDEVとが印加されて差動動作する。即ち、トランジスタ138は、分圧電圧VDEVが基準電圧VREF未満のときにオンし、トランジスタ140は、分圧電圧VDEVが基準電圧VREF以上となったときにオンする。
【0020】
尚、分圧電圧VDEVは、抵抗148、150の抵抗値に応じて適宜設定することが可能である。抵抗152は、差動接続されるトランジスタ138、140のエミッタの間に接続され、電源電圧VCCが変動したときのトランジスタ138、140の出力電流の変動の度合いを設定するためのものである。トランジスタ138、140の出力電流の変動の度合いは、抵抗152の抵抗値が大きくなる程小さくなる。ダイオード接続されるトランジスタ142は、コレクタエミッタ路が抵抗154を介した電源電圧VCCと接地GNDとの間に接続される。電流ミラー接続されるトランジスタ144、146は、コレクタエミッタ路が差動接続されるトランジスタ138、140のエミッタと接地GNDとの間に接続され、トランジスタ138、140の出力電流を供給するものである。
【0021】
また、電流ミラー回路132は、差動接続される一方のトランジスタ138の出力電流が供給されて動作する。また、電流ミラー回路134は、差動接続される他方のトランジスタ140の出力電流が供給されて動作する。また、電流源回路136は、電流ミラー接続されるトランジスタ156、158、160を有する。ダイオード接続されるトランジスタは、コレクタエミッタ路が電流ミラー回路134の出力と接地GNDとの間に接続される。電流ミラー接続されるトランジスタ158は、コレクタエミッタ路が差動接続される一方のトランジスタ108のコレクタと接地GNDとの間に接続され、出力抵抗112からトランジスタ118のベースへ供給される電流を制限するものである。同様に、電流ミラー接続されるトランジスタ160は、コレクタエミッタ路が差動接続される他方のトランジスタ110のコレクタと接地GNDとの間に接続され、出力抵抗114からトランジスタ120のベースへ供給される電流を制限するものである。尚、本実施形態において、消費電流低減回路8のトランジスタ138、140、142、144、146、156、158、160はNPN型バイポーラトランジスタで構成され、電流ミラー回路132、134のトランジスタはPNP型バイポーラトランジスタで構成される。
【0022】
出力回路10(エミッタフォロワ出力回路)は、増幅回路6から出力される高周波数の増幅信号が供給されるトランジスタ162と、トランジスタ162の出力電流に応じて相補的に動作する電流ミラー回路164、166と、抵抗168と、を有する。詳述すると、電流ミラー回路164は、ダイオード接続されるトランジスタ170と、エミッタフォロワのトランジスタ172と、を有する。同様に、電流ミラー回路166は、ダイオード接続されるトランジスタ174と、エミッタフォロワのトランジスタ176と、を有する。抵抗168、ダイオード接続されるトランジスタ170、174、トランジスタ162のコレクタエミッタ路は、電源電圧VCCと接地GNDとの間に直列接続される。エミッタフォロワのトランジスタ172、176のエミッタは、カップリングコンデンサ12の一端側と接続される。従って、出力回路10は、電流ミラー回路164のトランジスタ170、172がNPN型バイポーラトランジスタで構成され、且つ、電流ミラー回路166のトランジスタ174、176がPNP型バイポーラトランジスタで構成されるため、高い電力効率でプッシュプル動作することが可能となる。
【0023】
≪回路動作≫
発振回路4から出力される1対の発振信号の振幅レベルに応じて、差動接続される一方のトランジスタ108が動作する場合、トランジスタ120、162が動作して、カップリングコンデンサ12の一端側からトランジスタ176のエミッタへ出力電流を供給する状態となる。一方、発振回路4から出力される1対の発振信号の振幅レベルに応じて、差動接続される他方のトランジスタ110が動作する場合、トランジスタ118、電流ミラー接続されるトランジスタ126、128が動作して、トランジスタ172のエミッタからカップリングコンデンサ12の一端側へ出力電流を供給する状態となる。電流ミラー回路164、166が1対の発振信号の発振周波数に同期して相補的に動作することによって、増幅回路6から出力される増幅信号の交流成分のみがカップリングコンデンサ12を通過して、定電流源14の直流電流と重畳されてレーザーダイオード2のアノードに供給される。これにより、レーザーダイオード2が高周波数で継続してオンオフし、複数の波長を有するレーザー光が光ディスクに照射されることとなる。
【0024】
≪消費電流低減動作≫
図3および図4を参照しつつ、本発明の高周波重畳回路の消費電流低減動作について説明する。図4は、本発明の高周波重畳回路における消費電流低減回路の特性を説明するための特性図である。
【0025】
分圧電圧VDEVが基準電圧VREF未満の場合、差動接続される一方のトランジスタ138がオンするため、電流ミラー回路132が動作し、電流ミラー回路134が動作を停止し、電流源回路136が動作を停止する。これにより、プッシュプル回路106を構成するトランジスタ118、120のベース電流は電源電圧VCCの上昇とともに増大し、増幅回路6の消費電流は電源電圧VCCの上昇とともに増大することとなる。一方、分圧電圧VDEVが基準電圧VREF以上となった場合、差動接続される他方のトランジスタ140がオンするため、電流ミラー回路132が動作を停止し、電流ミラー回路134が動作し、電流源回路136が動作する。従って、電流源回路136が出力抵抗112、114を流れる電流から電流ミラー回路134の出力電流に相当する電流を分流させる。これにより、プッシュプル回路106を構成するトランジスタ118、120のベース電流は電源電圧VCCの上昇に関わらず一定となり、増幅回路6の消費電流は電源電圧VCCの上昇に関わらず一定となる。つまり、増幅回路6の電力消費量を効果的に低減することが可能となる。
【0026】
2.単一トランジスタのコレクタ出力型
≪回路構成≫
図5を参照しつつ、本発明の高周波重畳回路の他回路例について説明する。図5は、本発明の高周波重畳回路の他回路例を説明するための回路図である。尚、図3と同一素子に関しては同一符号を記すとともに説明を省略する。
【0027】
出力回路10(コレクタ出力回路)は、増幅回路6から出力される高周波数の増幅信号が供給されるトランジスタ178と、出力抵抗180と、を有する。詳述すると、抵抗180およびトランジスタ178のコレクタエミッタ路は、電源電圧VCCと接地GNDとの間に接続される。トランジスタ178のコレクタは、カップリングコンデンサ12の一端側と接続される。尚、トランジスタ178は、NPN型バイポーラトランジスタで構成される。従って、単一のトランジスタ178のコレクタから増幅信号を出力するため、低電圧で駆動される場合であっても、広いダイナミックレンジを得ることが可能となる。
【0028】
≪回路動作≫
発振回路4から出力される1対の発振信号の振幅レベルに応じて、差動接続される一方のトランジスタ108が動作する場合、トランジスタ120、178が動作して、カップリングコンデンサ12の一端側からトランジスタ178のコレクタへ出力電流を供給する状態となる。一方、発振回路4から出力される1対の発振信号の振幅レベルに応じて、差動接続される他方のトランジスタ110が動作する場合、トランジスタ118、電流ミラー接続されるトランジスタ126、128が動作して、出力抵抗180からカップリングコンデンサ12の一端側へ電流を供給する状態となる。トランジスタ178が1対の発振信号の発振周波数に同期して動作することによって、増幅回路6から出力される増幅信号の交流成分のみがカップリングコンデンサ12を通過して、定電流源14の直流電流と重畳されてレーザーダイオード2のアノードに供給される。これにより、レーザーダイオード2が高周波数で継続してオンオフし、複数の波長を有するレーザー光が光ディスクに照射されることとなる。
尚、消費電流低減回路8の動作は、図3と同様である。
【0029】
===その他の実施形態===
以上、本発明に係る高周波重畳回路および集積回路について説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易とするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0030】
≪増幅回路≫
本実施形態では、増幅回路6がNPN型バイポーラトランジスタで構成される場合を説明しているが、増幅回路6はMOSFETで構成することも可能である。
【0031】
≪出力回路≫
本実施形態では、出力回路10がバイポーラトランジスタで構成される場合を説明しているが、出力回路10はMOSFETで構成することも可能である。この場合、図3のエミッタフォロワはソースフォロワへ変更され、図5のコレクタ出力はドレイン出力へ変更される。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、安定した高周波信号を得るとともに、集積化に適する高周波重畳回路を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波重畳回路の全体構成を説明するための回路ブロック図である。
【図2】レーザーダイオード(レーザー素子)の特性を説明するための特性図である。
【図3】本発明の高周波重畳回路の一回路例を説明するための回路図である。
【図4】本発明の高周波重畳回路における消費電流低減回路の特性を説明するための特性図である。
【図5】本発明の高周波重畳回路の他回路例を説明するための回路図である。
【符号の説明】
4 発振回路
6 増幅回路
8 消費電流低減回路
10 出力回路(エミッタフォロワ出力回路、コレクタ出力回路)
12 カップリングコンデンサ
14 定電流源
102 出力回路
104 差動増幅回路
106 プッシュプル回路
Claims (7)
- 所定周波数で発振する発振回路と、前記発振回路から出力される発振信号を増幅する増幅回路と、を備え、前記増幅回路から出力される増幅信号を所定値の直流電流に重畳させてレーザー素子に供給する高周波重畳回路であって、
前記発振回路は、反転位相を有する1対の発振信号を出力する出力回路を有し、
前記増幅回路は、前記1対の発振信号が供給される差動増幅回路と、前記差動増幅回路の出力が供給されるプッシュプル回路と、を有することを特徴とする高周波重畳回路。 - 前記差動増幅回路は、前記1対の発振信号の振幅を調整するための定電流源と出力抵抗と、を有することを特徴とする請求項1記載の高周波重畳回路。
- 前記差動増幅回路および前記プッシュプル回路は、NPN型バイポーラトランジスタで構成されることを特徴とする請求項1または2記載の高周波重畳回路。
- 前記プッシュプル回路の出力が供給されるエミッタフォロワ出力回路をさらに有することを特徴とする請求項3記載の高周波重畳回路。
- 前記プッシュプル回路の出力が供給される単一のNPN型バイポーラトランジスタからなるコレクタ出力回路をさらに有することを特徴とする請求項3記載の高周波重畳回路。
- 高周波重畳回路の電源電圧が所定電圧まで上昇したとき、前記プッシュプル回路の入力電流の上昇を防止する消費電流低減回路を、備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の高周波重畳回路。
- 請求項1乃至6の何れかに記載の高周波重畳回路を集積化したことを特徴とする集積回路。
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